JPWO2005047681A1 - 内燃機関の排ガス浄化装置及び排ガス浄化方法 - Google Patents

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Abstract

リーンNOx触媒を搭載したリーンバーン車において、排気エミッション低減から、アイドルストップ時に一時的にリッチ運転に切り替えてNOx触媒に捕捉されたNOxを還元除去すると、リッチ排ガスに含まれているHC,CO,NOxが排ガス流路に残存し、エンジン再起動時の排ガス浄化性能が低下する。アイドルストップする前に、リッチまたはストイキ運転に一時的に切り替え、続いて内燃機関への燃料供給をカットしてエンジンシリンダー及び排気流路に残存している燃料,HC,CO及び水素等の濃度を低下させる排ガスパージを行うことにより、エンジン再起動時の問題を解決できる。

Description

本発明は、リーンで運転する自動車等の内燃機関の排ガス浄化装置及び排ガス浄化方法に関する。
近年、燃料消費削減のため、アイドル時にエンジンを停止するアイドルストップが要望されている。そして、アイドルストップ時の排気エミッション低減の観点から、特開2002−30955号公報にて、エンジンが停止される前に、リッチ運転に切り替えてリーンNOx触媒に吸蔵されている窒素酸化物(以下、NOxという)を還元浄化して取り除く排気浄化制御装置が提案されている。
内燃機関を理論空燃比であるストイキ又は理論空燃比未満であるリッチで運転停止すると、エンジンのシリンダー内や排ガス流路に、未燃の燃料や排ガス中の炭化水素(以下、HCという)、一酸化炭素(以下、COという)などの還元剤が残存する可能性がある。この状態でエンジンを再起動すると、エンジンの再起動時に発生した排ガスに加えて残存していたHC,CO及びNOxがリーンNOx触媒に流入するため、排ガス浄化が不十分となる恐れがある。また、新たに噴射された燃料と残存する燃料とにより燃料供給過多となり、エンジンがかかりにくくなる恐れもある。
本発明の目的は、エンジン再始動以降も高い排ガス浄化性能を発揮できるようにした内燃機関の排ガス浄化装置及び排ガス浄化方法を提供することにある。
本発明は、リーンバーン車や燃料を直接噴射する車のように、通常、空燃比18以上のリーン空燃比で運転される内燃機関の排ガス流路にリーンNOx触媒を備えて、リーン排ガス中のNOxを前記触媒により捕捉するようにした排ガス浄化装置において、内燃機関が停止する前にリッチ又はストイキ運転に切り替えて、前記触媒に捕捉されたNOxを排ガスに含まれるHC,CO,水素等の還元剤により還元し、続いて内燃機関への燃料供給をカットしてエンジンシリンダー及び排ガス流路に残存している燃料及び排ガスをパージするようにしたことにある。
本発明によれば、リッチ又はストイキ状態で運転を停止したときにエンジンシリンダー内や排ガス流路に残存する未燃の燃料やHC,COなどがパージされるので、再起動時の排ガス浄化性能が改善される。また、再起動時に燃料過多になることがないので、エンジンがかかりやすいという効果もある。
エンジン停止前にストイキまたはリッチで運転する時間は、数秒ないし数分間でよい。
内燃機関には、吸気系及び排気系から入力される各種の情報に基づいて、エンジンをコントロールするエンジンコントロールユニット(以下、ECUという)が備えられている。空燃比切り替え及び運転停止前の排ガスパージは、このECUによって行われる。ECUには、エンジンの停止を事前に予測するエンジン停止予測手段を備えるとよい。
エンジン停止を予測する方法の具体例を以下に記す。
エンジン停止には、イグニッションスイッチを切る場合と、アイドルストップの場合とがある。エンジン停止予測手段は、予め設定された判定方法により、エンジン停止を予測する。例えば、以下の場合にはエンジンが停止されると予測する。
(1)ドライブポジションにして所定の車速(例えば10km/h)以上で走行した後に、ブレーキペダルを踏んで、車速が所定の車速(例えば10km/h)よりも遅くなった場合。
(2)ニュートラルポジションにして所定の車速(例えば10km/h)よりも遅くなり、ブレーキペダルを踏んだ場合。
(3)所定の車速(例えば10km/h)未満及びエンジン回転数が所定値(例えば1000rpm)未満であり、ブレーキペダルを踏んでいる時にクラッチペダルを踏んだ場合、または変速機をニュートラルポジションにした場合。
(4)所定の車速(例えば10km/h)未満及びエンジン回転数が所定値(例えば1000rpm)未満であり、クラッチペダルを踏んでいる時にブレーキペダルを踏んだ場合、または変速機をニュートラルポジションにした場合。
(5)ニュートラルポジションにて所定の車速(例えば10km/h)未満及びエンジン回転数が所定値(例えば1000rpm)未満であり、ブレーキペダルを踏んだ場合。
これらの状態がECUにて予測されると、一時的に理論空燃比運転又はリッチ空燃比運転が実施され、続いて未燃の燃料や排ガス中のHC,CO,NOx等の濃度を低下させる排ガスパージ制御が実施される。
未燃の燃料や排ガスをパージする方法としては、エンジンシリンダーに供給する燃料をカットして吸入空気を搬送する方法が好適である。この具体例としては、スタータや外付けモータを利用してシリンダーをモータ駆動して動かす方法がある。
シリンダーをモータ駆動して動かす方法としては、以下の方法が好適である。
シリンダー内に空気を吸入するときには、吸気ポートのピストンバルブを全開とし、シリンダーヘッドが下死点に達するまで吸入する。シリンダーヘッドが下死点に達したら、吸気バルブを全閉にし、排気バルブを全開にする。シリンダーヘッドが上死点に達するまで、排気バルブ全開を維持する。シリンダーヘッドが上死点に達したら、排気バルブを全閉にし、吸気バルブを全開にする。このような操作を繰り返すことで空気は排ガス流路に搬送される。本方法によれば、排ガスパージ時のエンジン振動が抑制される利点もある。
排ガスパージ直前のリーンNOx触媒は、所定の温度以上(例えば、100℃以上)となっているため、排ガスパージ時に搬送される空気中の酸素と未燃の燃料や排ガス中のHC,COなどの還元剤成分の少なくとも一部は触媒上で燃焼して浄化される。
以上により、エンジン再起動時の排気エミッションの悪化を回避できる。
また、他の排ガスパージ手段としては、ポンプなどを利用して排ガス流路に2次空気を供給する方法がある。この方法は、吸入空気を排ガス流路に搬送する方法に引き続いて実施しても良い。
ECUにはまた、排ガスパージが完了したことを判定する手段を備えることが好ましい。
この具体的方法としては、例えば、排ガスパージ制御の終了を、予め決められた時間をタイマーなどで計測して判定する方法がある。また、排ガス中の未燃の燃料やHC,CO或いはNOxの濃度から排ガスパージ終了の時期を判定する方法もある。
排ガス中の燃料やガス濃度から排ガスパージ終了の時期を判定する方法について説明する。ストイキ又はリッチ燃焼の排ガスが吸入空気で置換されると、排ガス流路の酸素濃度は上昇し、排ガスの空燃比はリーンとなる。また、吸入空気により未燃の燃料やCO,HC及びNOxは希釈されて濃度が低下する。従って、これらの現象を検知できる検知手段を設ければ、パージ制御が終了したか否かを判定できることになる。前記検知手段としては、例えば、酸素濃度を検知する酸素センサ,空燃比センサ,NOx濃度を検知するNOxセンサなどがある。これらのセンサは、排ガスパージ時に目的とするガス成分の濃度が変化することが検知できる場所であればどこに設置しても良いが、酸素センサや空燃比センサはリーンNOx触媒の上流に設置することが望ましい。リーンNOx触媒の上流に三元触媒などのプリ触媒を設ける場合には、NOxセンサはプリ触媒の上流に設置することが望ましい。プリ触媒の上流にNOxセンサを設ける理由は、リッチ運転時のNOx濃度はプリ触媒後流で数十ppmまで低下する可能性があり、排ガスパージ時のNOx濃度の変化を精度よく計測することが困難な場合があるからである。しかしながら、NOxセンサが微量のNOx濃度が精度良く測定できるものであれば、プリ触媒の後流に設置しても構わない。
各種センサの情報はECUの排ガスパージ終了判定手段に伝達される。そこで、センサにて計測された濃度が所定濃度(例えば、NOxセンサの場合にはNOx濃度10ppm)以下になったと判定されると、ECUはエンジン停止が可能であると判断する。なお、ここで、各種センサは目的とする成分(HC,CO,NOx)の排ガス中の濃度が測定できるものであれば使用可能であり、センサの動作原理により限定されるものではない。
なお、アイドルストップにて排ガスパージに外気を利用する場合、触媒温度が大きく低下し、エンジン再始動時に触媒活性温度以下(例えば、室温)になってしまうことが予想される。このような排ガスパージ時の触媒温度の大きな低下を防止するために、以下のようにするのがよい。
まず、リーンNOx触媒の上流に排ガス温度センサを設ける。排ガスパージ制御を実行する直前の排ガス温度を前記排ガス温度センサにて計測してECUに伝達する。ECUでは排ガス流路に残留する排ガスをパージするのに必要な空気量を計算する。また、必要総空気量を排ガス浄化触媒に供給したときの触媒温度を計算する。この計算値が予め決められた所定の温度(例えば100℃)未満となる場合には、ECUはアイドルストップ制御を禁止し、エンジンは停止しない。
所定の温度(例えば、100℃)になるまで排ガスパージを実行し、所定の温度に達したならば排ガスパージ処理を停止する。
最も好適なのは、前記外気を流入する流路に外気加熱装置を設けることである。外気加熱装置は流入する外気を所定温度まで上昇させることができるものとする。外気加熱装置の熱源を得る方法としては、電気ヒータなどの熱源を利用する方法や、エンジンルームの廃熱を熱交換して利用する方法等がある。具体的な制御例は以下となる。
まず、前述と同様にして必要総空気量をリーンNOx触媒に供給したときの触媒温度を計算する。該計算値が予め決められた所定の温度(例えば100℃)未満となる場合には、外気を加熱するために必要な熱量を計算する。そして、外気加熱装置により流入する外気を所定温度まで上昇させて排ガス流路に搬送させる。
なお、理論空燃比運転をしている途中、または排ガスパージをしている途中に、運転者は強制的にエンジンを停止する操作(例えば、イグニッションキーをオフとする)をする可能性がある。その場合でも、排ガスパージは中断せずに、排ガスパージが完了したことが判定されるまで排ガスパージ処理を継続する。
また、エンジンが停止する前に、ニュートラルからドライブポジションに戻す、アクセルペダルを踏み込む、車速度が例えば10km/h以上になるなど、運転者がエンジン停止操作を止めたと予測される情報がECUに伝達されたならば、排ガスパージは中断する。
本発明において、リーンNOx触媒は、リーン運転時に排ガス中のNOxを吸着又は吸収,吸蔵によって捕捉し、排ガスの空燃比がストイキ(空燃比:14.7)またはリッチ(空燃比:14.7未満)になったときに捕捉したNOxをNに還元浄化する触媒を意味する。このような触媒としては、リーン排ガス中のNOxを触媒の内部に硝酸イオンの形で吸収又は吸蔵する、いわゆるNOx吸収(又は吸蔵)触媒、または、リーン排ガス中のNOxを触媒の表面にNOとして化学吸着する、いわゆるNOx吸着触媒があり、いずれも使用できる。これらの触媒は既に知られており、NOx吸収(又は吸蔵)触媒は、例えば特許第2600492号公報に記載されている。また、NOx吸着触媒は、例えば特許第3107294号公報に記載されている。
第1図は、NOx浄化率と温度との関係を示す図。
第2図は、本発明の一実施例を示す内燃機関の概略図。
第3図は、ECUの構成とECUへ取り込まれる情報を示す系統図。
第4図は、本発明の制御フローの一例を示すフロー図。
第5図は、エンジン停止予測手段の制御例を示すフロー図。
第6図は、排ガスパージ制御の経時変化の概要図。
第7図は、リーンNOx触媒の上流にNOxセンサを備えた内燃機関の概略図。
第8図は、NOxセンサを用いたときの制御フロー例を示すフロー図。
第9図は、NOxセンサを用いたときの排ガスパージ制御経時変化の概要図。
第10図は、スタータを備えた内燃機関の概略図。
第11図は、スタータを用いたときの制御の経時変化を示す図。
第12図は、2次空気導入手段を有する内燃機関の概略図。
第13図は、2次空気導入手段を用いたときの制御の経時変化を示す図。
第14図は、排ガスパージ処理中にイグニッションスイッチがOFFにされたときの制御例を示す図。
第15図は、リッチ運転中にイグニッションスイッチがOFFにされた後の制御例を示す図。
第16図は、外気温度と搬出空気量に対する触媒温度の相関図。
第17図は、排ガス温度センサを有する内燃機関の概略図。
第18図は、排ガス温度センサを有する排ガス浄化装置の制御フロー図。
第19図は、排ガス流路に残留する酸素濃度を所定濃度以上(例えば20%)にするのに必要な空気総量を推算するマップ。
第20図は、外部加熱装置の制御フロー図。
第21図は、外気搬送速度と外気を所定温度にするのに必要な外気加熱装置のヒータ温度のマップ図。
第22図は、排ガスパージ時間に対する排ガスパージ制御に必要な総エネルギーの相関図。
第23図は、アイドルストップ後にエンジンが再始動するまでの時間を予測する装置を備えた排ガス浄化装置の構成図。
以下、具体的な例で本発明を説明する。
MgOとアルミナの混合コート層に、NOx吸着材としてNa,K,Li,Ti,Mnを、貴金属としてRh,Pt,Pdを、希土類金属としてCeを担持してなるNOx吸着タイプのリーンNOx触媒を、以下に記載の方法で調製し、本発明による効果を調べた。
(実施例触媒1)
アルミナ粉末とアルミナの前駆体からなり硝酸酸性に調整したスラリーに、MgO(平均粒径:30μm,比表面積:1m/g)を添加したMgO−アルミナ混合スラリーを、コージェライト製ハニカム(400セル/inc(62セル/cm))にコーティングした後、乾燥焼成して、ハニカムの見掛けの容積1リットルあたり190gのアルミナと10gのMgOをコーティングしたMgO−アルミナコートハニカムを得た。該MgO−アルミナコートハニカムに、硝酸Ce水溶解を含浸した後、200℃で乾燥、続いて600℃で焼成した。
次に、ジニロトロジアンミンPt硝酸溶液と硝酸Rhと硝酸Pdと硝酸Mnと酢酸Kの混合液を含浸し200℃で乾燥、続いて600℃で焼成した。最後に、酢酸Kと硝酸Naと硝酸Liとチタニアゾルの混合液を含浸し200℃で乾燥、続いて600℃で焼成した。
以上により、ハニカムの見掛けの容積1Lに対して、金属換算でCe:27g,Rh:0.14g,Pt:2.8g,Pd:1.4g,K:15.6g,Na:12.4g,Li:1.6g,Ti:4.3g,Mn:13.7gを含有する実施例触媒1を得た。触媒組成を第1表に示す。
Figure 2005047681
(試験例1)
実施例触媒1を用いて、理論空燃比以下の運転後に残存排ガスのパージ処理を実施してエンジンを停止した場合を想定した試験を行った。試験に用いたガスは、リーンバーン排ガスを模擬したリーンモデルガスと、理論空燃比燃焼を模擬したストイキモデルガスとした。
リーンモデルガスの組成は、NOx:160ppm,C:400ppm C1,CO:0.1%,CO:4%,O:12%,HO:4%,N:残部とした。
ストイキモデルガスの組成は、NOx:1000ppm,C:600ppm C1,CO:0.5%,CO:5%,O:0.5%,H:0.3%,HO:10%,N:残部とした。
以下の手順で試験した。
▲1▼400℃にてストイキモデルガスを流通させた。
▲2▼空気パージを模擬したガス(O:5%,N:残部)に切り替えて反応管のストイキガスモデルガスをパージしながら100℃まで冷却した。
▲3▼100℃に冷却された後、リーンモデルガスの流通を開始し、100〜250℃まで15℃/分で昇温した。
NOx浄化率は、式1に示すように、リーンモデルガスとして供給したNOx濃度(160ppm)に対する触媒層流通前後のNOx濃度の減少率で求めた。
Figure 2005047681
また、CO浄化率及びHC浄化率は、式2及び式3に示すようにして求めた。
Figure 2005047681
Figure 2005047681
(試験例2)
リーン運転後にストイキ運転をせずにエンジンを停止し、エンジンを再始動させた場合を想定した試験を行った。試験例1と同様のガスを用い、以下の手順で試験した。
▲1▼試験例1の方法にてリーンモデルガスを流通させた後、リーンモデルガスの供給を停止して100℃まで冷却した。
▲2▼100℃に冷却された後、リーンモデルガスを流通しながら、100〜250℃まで15℃/分で昇温した。
(試験例3)
リーン運転後にストイキ運転をするが、ストイキガスが排気系に残留したままでエンジンが停止され、次いでエンジンを再始動させた場合を想定した試験を行った。試験例1と同様のガスを用い、以下の手順で試験した。
▲1▼400℃にてストイキモデルガスを流通させた。
▲2▼ストイキガスモデルガス存在下で100℃まで冷却した。
▲3▼100℃に冷却された後、リーンモデルガスの流通を開始し、100〜250℃まで15℃/分で昇温した。
(試験結果)
第1図に、試験例1と試験例2及び試験例3の結果を示す。
試験例2に対して試験例1は100℃以上で優れたNOx浄化性能を示した。従って、ストイキ前処理後にストイキモデルガスをパージする処理を施すことで、エンジン再始動時の低温領域から高いNOx浄化率が得られることは明らかである。
また、試験例3に対して試験例1は150℃以下にて優れたNOx浄化性能を示した。従って、ストイキ処理をした後に残留ストイキガスを空気によりパージ処理することで、エンジン再始動時の低温領域から高いNOx浄化率が得られることは明らかである。
さらに、触媒上でHC及びCOの燃焼作用が起こり難い100〜150℃における平均CO浄化率と平均HC浄化率を調べた。結果を第2表に示す。
ストイキ処理後に排ガスパージ処理をした試験例1では、平均CO浄化率は20%、平均HC浄化率は12%となった。一方、排ガスパージ処理をしない試験例3では、平均CO浄化率と平均HC浄化率はいずれも負の値となった。このことは、式2及び式3より、リーンモデルガスとして供給したCO及びHC濃度に対して触媒層流通後のCO及びHC濃度が高くなったことを示す。つまり、排気系に残留したHC,COと触媒に流入したHC,COの浄化が進まず、リーンモデルガスとして供給されたHC,CO濃度に前記の残留CO及びHC濃度が加算されて分析計で測定されたと判断される。
Figure 2005047681
第2図は、本発明の排ガス浄化触媒を有する内燃機関の一例を示す。この内燃機関は、リーン燃焼可能な燃料直接噴射式のエンジン99,アクセル4,エアクリーナ1とエアフローセンサ2とスロットルバルブ3を擁する吸気系を備える。また、空燃比センサまたは酸素濃度センサ7,排ガス温度センサ8,触媒出口ガス温度センサ9,リーンNOx触媒10,プリ触媒13等を擁する排気系を備える。さらに、制御ユニット(ECU;Engine Control Unit)11等を備える。
エンジン99は、空燃比18以上のリーン燃焼と空燃比14.7以下のストイキまたはリッチ燃焼を意図的に繰り返すことができる。
エンジン99からの排ガスは、排ガス流路であるエキゾーストパイプ101を通じて、プリ触媒13,リーンNOx触媒10の順に流入する。プリ触媒13は理論空燃比近傍の排ガス浄化を目的とし、リーンNOx触媒10は、リーン排ガス中のNOx浄化を目的とする。
ECU11は、入出力インターフェースとしてのI/O,LSI,演算処理装置MPU、多数の制御プログラムを記憶させた記憶装置RAM及びROM、タイマーカウンタ等により構成される。
エンジンへの吸入空気はエアクリーナ1によりろ過された後、エアフローセンサ2により計量され、スロットバルブ3を経て、エンジン99に供給される。
ECU11では内燃機関の運転状態及びリーンNOx触媒の状態を評価して運転空燃比を決定し、インジェクタ5の噴出時間等を制御して混合気の燃料濃度を所定値に設定する。シリンダーに吸収された混合気はECU11からの信号で制御される点火プラグ6により着火され燃焼する。燃焼排ガスは排気系に導かれる。リーンNOx触媒10は、リーン運転時にはNOx捕捉によりNOxを浄化すると同時に併せ持つ燃焼機能によりHC,COを浄化し、また、ストイキまたはリッチ運転時には、前記捕捉NOxと排ガス中のNOxを排ガス中に共存するHC,COにより浄化する。リーンNOx触媒10のNOx浄化能力は、ECU11により連続的或いは断続的に監視される。そして、リーンNOx触媒のNOx捕捉能力が低下したと判定されたならば、燃焼の空燃比等をストイキまたはリッチ側にシフトし、触媒のNOx捕捉能力を回復する操作が行われる。以上により、リーン運転,ストイキまたはリッチ運転の全てのエンジン燃焼条件下における排ガスを効果的に浄化する。なお、酸素濃度センサ7に代えてA/Fセンサを用いてもよい。
更に、エンジンコントロールユニットECUは、運転状態決定手段と空燃比制御部を有する。運転状態決定手段はリーンにおけるNOx捕捉量推定手段とストイキまたはリッチにおける捕捉NOxを還元浄化するNOx除去量推定手段を有する。理論空燃比より高い空燃比におけるNOx捕捉量をNOx捕捉量推定手段で推定する。NOx捕捉量推定手段が予め決められたNOx捕捉量すなわちNOx捕捉量の基準値を超えたと判定すると、運転状態決定手段は空燃比制御部へと指令を出してストイキまたはリッチ運転を実施し、NOx除去量推定手段がリーンNOx触媒からの捕捉NOx除去を推定する。NOx除去量推定手段がリーンNOx触媒から捕捉NOxが除去されたと判断すると、運転状態決定手段は空燃比制御部へと指令を出してリーン運転を実施する。
なお、NOx捕捉量の基準値は、予めNOx捕捉材の飽和NOx捕捉量を測定し、該飽和NOx捕捉量未満となるように設定する。そして、たとえば運転時の各排ガス温度における平衡吸着量の20%をNOx捕捉量の基準値として設定する。リーンにおいて、NOx捕捉量推定手段がリーンNOx触媒のNOx捕捉量が平衡吸着量の20%を超えたと判定すると、ストイキまたはリッチ運転に切り替わる。
NOx捕捉量は、リーンNOx触媒に流入するNOx濃度,排ガス温度,排ガス流量及びリーン運転時間から推定できる。予め、NOx濃度,排ガス温度,排ガス流量,リーン運転時間に対するNOx捕捉量の速度式,経験式、またはマップを作っておき、これらをNOx捕捉量推定手段に備えておくと良い。
NOx除去量については、リーンNOx触媒に流入する排ガス温度,排ガス流量,ストイキまたはリッチ運転時間及びNOx捕捉量から推定できる。予め、NOx捕捉量,排ガス温度,排ガス流量,ストイキまたはリッチ運転時間に対するNOx除去量の速度式,経験式,またはマップを求めておき、これらをNOx除去量推定手段に備えておくと良い。
リーンNOx触媒に流入するNOx濃度は、空燃比から推定できる。また、リーンNOx触媒の上流にNOxセンサを設けて直接計測しても良い。
排ガス温度は、リーンNOx触媒の上流に排ガス温度センサを設けることで測定できる。排ガス流量は、エアーフローセンサ,ブースト圧計とエンジン回転数計等の情報から得られる。
従って、NOxセンサ,酸素センサ,排ガス温度センサ,エアーフローセンサ,ブースト圧計とエンジン回転数計,リーン運転時間やストイキまたはリッチ運転等の情報がエンジンコントロールユニットに集まり、NOx捕捉量,NOx除去量の推定が行われる。
上述の内燃機関に本発明を適応させた内燃機関の排ガス浄化装置の一形態を第3図に示す。
ECU11には、アクセルペダルの踏み込みを検知するアクセルセンサ201、ブレーキペダルの踏み込みを検知するブレーキセンサ202,運転中のトランスミッションのレンジを検知するトランスミッションセンサ203,エンジン回転数センサ204,車速センサ205,排ガスの空燃比を検知する空燃比センサ206からの情報が集まる。また、ECU11には、エンジン停止予測手段207,空燃比制御手段208,排ガスパージ手段209を備える。
ここで、本発明の制御フロー例は第4図となる。
エンジン停止予測手段207がアイドルストップなどエンジン停止を予測すると(1001)、空燃比制御手段208は理論空燃比以下(リッチまたはストイキ)の運転が必要と判断して、エンジンの空燃比をリッチまたはストイキとする(1002)。続いて、排ガスパージ手段が未燃の燃料及びHC,CO及び水素の少なくとも一つを取り除く制御を行う(1003)。
なお、エンジン停止予測手段207の制御例は第5図となる。車速センサ205により車速が検出され、車速が10km/h以下であると判定され(1004)、エンジン回転数センサ204にてエンジン回転数が1000rpm以下と判定され(1005)、ブレーキセンサ202にてブレーキが踏まれていると判定され(1006)、さらにトランスミッションセンサ203にてトランスミッションがニュートラルレンジになったと判定される(1007)と、エンジンが停止されると判定される(1008)。
以上のことから、上記第4図と第5図のフローによる制御の経時変化を第6図に示す。車速が10km/h以下、エンジン回転数が1000rpm以下、トランスミッションがニュートラルの状態、ブレーキを踏み込み始めた状態の全ての条件が満たされた時点にて、エンジン停止予測手段はエンジンが停止すると予測する。なお、該予測時に、空燃比制御手段がリーン運転の途中であっても理論空燃比以下(例えばリッチ)の運転を実行する。また、リッチ運転の時間は予め決められた所定時間でも良いし、リッチ運転に入る直前のリーン運転時間に応じて決めても良い。そして、リッチ運転を実行した後は、燃料カットして吸入空気を排ガス流路に搬送する。排ガスパージ制御は、理論空燃比制御にて燃料カットが実行されたと判断すると、排ガスパージが始まったと判断する。排ガスパージが所定時間実行されると、排ガスパージを終了させる。
第7図にプリ触媒の上流にNOxセンサ12を設けた例を示す。NOxセンサ12は排ガス流路のNOx濃度を検出することができる。
第8図にNOxセンサを用いたときの制御フロー例を示す。
エンジン停止予測手段207がアイドルストップなどエンジン停止を予測すると(1001)、空燃比制御手段208は理論空燃比以下(リッチまたはストイキ)の運転が必要と判断して、エンジンの空燃比をリッチまたはストイキとする(1002)。続いて、排ガスパージ手段が未燃の燃料及びHC,CO及び水素の少なくとも一つを取り除く制御を行う(1003)。ここで、NOxセンサ12が排ガス流路のNOx濃度を検出し(1010)、排ガス濃度が予め決められた所定量(例えば、10ppm)以下となったと判断すると(1011)、排ガスパージ手段は排ガスパージを終了する(1012)。
上記第7図と第8図に基づく制御の経時変化の一例を第9図に示す。本実施例では、プリ触媒の上流に備えられたNOxセンサが排ガス中のNOx濃度を計測しており、排ガス中のNOx濃度が10ppm以下になった時に排ガスパージは終了される。
第10図にスタータを用いて排ガスパージを行う内燃機関の一例を示す。エンジン99にはベルト受け15が備えられている。ベルト受け15は、エンジンが燃料の燃焼により自力でシリンダーを動かすことができなくなっても、シリンダーを動かすことができるように、モータとなるスタータ17と、ベルト16で連結されている。
第10図に基づく制御の経時変化の一例を第11図に示す。本実施例では、燃料カットして吸入空気を排ガス流路に搬送する際に、スタータ(モータ)が起動して空気の搬入を継続する。排ガスパージが完了したと判定されたならば、スタータは停止される。
2次空気導入手段を設けた内燃機関の一例を第12図にて説明する。エキゾーストパイプ101には空気導入用ポンプ18が設けられ、排ガスパージ時に、空気導入用ポンプ18が作動して大気中の空気を排ガス流路に搬送するようになっている。
第12図に基づく制御の経時変化の一例を第13図に示す。本実施例では、燃料カットして吸入空気を排ガス流路に搬送する際に、空気導入ポンプが起動して空気を搬送する。排ガスパージが完了したと判定されると、空気導入ポンプは停止される。
実施例3において、排ガスパージ処理中に運転者がイグニッションスイッチをOFFにしたときの制御例を第14図に示す。
本実施例では、排ガスパージ中に、イグニッションスイッチをOFFにしてエンジンを強制終了させた場合でも、プリ触媒上流のNOxセンサにより計測されるNOx濃度が、所定濃度(例えば、10ppm)以下にならない限り、排ガスパージが継続される。
イグニッションスイッチがOFFとなった以降も排ガスをパージさせる方法としては、実施例4に記載のスタータや実施例5に記載の空気導入用ポンプを、バッテリーを利用して作動させる方法がある。
実施例3において、リッチ運転中に運転者がイグニッションスイッチをOFFにした後の制御例を第15図に示す。
本例では、リッチ運転中に、イグニッションスイッチがOFFにされた場合でも、プリ触媒のNOxセンサによるNOx濃度計測値が所定濃度(例えば、10ppm)以下にならないかぎり排ガスパージが継続される。
アイドルストップにて排ガスパージに外気を利用する場合、外気温度と排ガスパージ時の搬出空気量に応じてリーンNOx触媒温度が低下する。ここで、排ガスパージ時のリーンNOx触媒の温度低下は以下のように見積もることができる。
排ガスパージ時に搬送する総空気量が有する総熱量(Qg)は搬送総空気量(F)と外気温度と空気の比熱から得られる。この搬送空気量の総熱量(Qg)が排ガスパージ前にリーンNOx触媒が有している熱量(Qc)に対して小さい場合(Qc>Qg)、搬送空気が触媒と接すると触媒の有する熱量は搬送空気に徐々に奪われ、リーンNOx触媒温度は排ガスパージ処理によって低下する。
従って、外気温度が低くなる、または搬送空気量が多くなるとリーンNOx触媒の温度低下が進む。
外気温度を一定としたときの搬送空気量に対する触媒温度の低下はおおよそ第16図のようになる。例えば、搬送空気総量がF1とF2(>F1)の場合、F2では各外気温度での触媒温度の低下はF1の場合よりも大きくなる。従って、排ガスパージを実行した場合、搬送空気総量に応じて、リーンNOx触媒の温度はエンジン再始動時に触媒活性が発現する温度(例えば、100℃)よりも低くなる可能性もある。
以上のことから、排ガスパージ終了時の触媒温度が触媒活性を発現する所定温度より低くなることを防止することが好適である。具体例として以下がある。
第17図に排ガス浄化装置例を示す。リーンNOx触媒のところ又はその上流に排ガス温度センサ21,空気導入用ポンプ18の上流に外気温度センサ22、及びリーンNOx触媒10の上流に酸素濃度センサ23を備える。また、空気導入用ポンプは外気加熱装置24つきである。外気加熱装置つき空気導入用ポンプ24はECUからの情報に基づき、外気を所定の温度まで加熱することができる。
制御フローを第18図に示す。
ECUがエンジン停止を予測すると(2001)、排ガスパージ制御を実行する直前の排ガス温度(Tc)が排ガス温度センサ21にて計測され、排ガスパージに用いる空気の温度(To)が外気温度センサ22にて計測され、さらに排ガス流路に残留している酸素濃度(MO2)が酸素濃度センサ23にて計測され、それぞれの情報がECUに伝達される(2002)。次に、ECUにて排ガス流路に残留する酸素濃度を所定濃度以上(例えば20%)にするのに必要な空気総量(F)が推算される(2003)。推算方法として、ECUに排ガス流路の内容積と残留酸素濃度から酸素濃度を所定濃度(例えば20%)にするのに必要な空気総量を求める理論式を備えても良いし、第19図のようなマップを予め備えておいても良い。第19図のマップでは、排ガス流路に残留している酸素濃度がMO2の場合、酸素濃度を所定濃度(20%)とするのに必要な空気総量はFaと判断される。
続いて、ECUは空気総量(Fa)をリーンNOx触媒に流通させた後の該触媒の温度(Td)を推算する(2004)。推算のためにECUは、第16図に示した空気量と外気温度に応じたリーンNOx触媒温度のマップを備えても良いし、または空気量と外気温度に応じてリーンNOx触媒温度を推算する推算式を備えても良い。
そして、ECUが該推算値(Td)が予め決められた所定の温度(例えば100℃)より高いと判断すると、リッチ運転制御を実行し(2006)、外気をそのまま用いて排ガスパージ制御を実行する(2007)。一方、Tdが所定温度以下となる場合には、リッチ運転制御の実行(2008)、外気加熱制御の実行(2009)、最後に加熱された外気を用いて排ガスパージ制御を実行する(2010)。
外部加熱装置の制御フロー例を第20図に示す。
ECUは排ガスパージ完了時のリーンNOx触媒温度の推算値(Td)と排ガスパージに必要な総空気量の推算値(Fa)から、外気加熱装置のヒータ温度(HT),外気搬送速度(FT),排ガスパージ時間(t)を推算し(200101)、それぞれの最適値(HTm,FTm,tm)となるように制御を実行する(200102)。制御開始時間(ts)を0とし、制御開始後の時間(ts)をECU内に備えられたタイマーにてカウントし、tsがtmを超えたとき(200104)、ECUは排ガスパージ制御を終了したと判断する(200105)。
なお、ECUによる最適値(HTm,FTm,tm)の推算方法の例を以下に示す。
第21図に外気搬送速度(FT)と外気を所定温度(例えば100℃)にするのに必要な外気加熱装置のヒータ温度(HT)のマップ例を示す。排ガスパージ完了時のリーンNOx触媒温度(Td1及びTd2;Td1<Td2<100℃)に応じてグラフは異なる。排ガスパージ完了時のリーンNOx触媒温度がTd1になると推定された場合の制御方法について以下に記載する。
外気搬送速度が速くなると単位時間当たりの搬送空気量が増加するため、外気を暖めるために必要な単位時間当たりのエネルギーも多くなり、外部加熱装置のヒータ温度は高くなる。従って、外気搬送速度が速いFT1の場合はHT1のヒータ温度が必要となるが、FT1より遅いFTmの場合はHT1より低いヒータ温度HTmとなる。また、単位時間当たりの外気搬送量(外気搬送速度)が多いと、所定の総空気量を搬送する時間は短くて済むため、排ガスパージ時間(t)は短縮される。
しかしながら、外気搬送速度が速くなり、外部加熱装置のヒータ温度を高くする必要が生じると、ヒータの放熱による熱ロスも大きくなる可能性がある。また、外部加熱ヒータと空気導入用ポンプ制御に投入される排ガスパージ制御に必要な総エネルギー(E)が高くなる。
一方で、外気搬送速度を遅くしすぎると、外部加熱装置のヒータ温度は下がるが、排ガスパージ時間が長くなる。結果、外部加熱ヒータで消費される短時間当たりのエネルギーは減少するが、空気導入用ポンプの作動時間が長くなるなどの原因から、排ガスパージ制御に必要な総エネルギー(E)は極小値より高くなる可能性がある。
従って、排ガスパージ時間(t)に対する排ガスパージ制御に必要な総エネルギー(E)は極小値を持つ関数になると考えられる(第22図)。この極小値(Em)となるときの排ガスパージ時間(tm)、及びtmとなる外気搬送速度(FTm)と外気加熱装置のヒータ温度(HTm)が制御値となる。
上記制御装置により、排ガスパージ時の触媒温度の大きな低下を防止し、エンジン再始動時にも高い触媒活性を維持することができる。
アイドルストップ後にエンジンが再始動するまでの時間を予測する装置を備えた実施例を示す。
第23図に制御装置を示す。排ガス流路に残留しているNOx濃度,リーンNOx触媒温度及び外気温度から排ガスパージに必要な最適時間を排ガスパージ時間制御手段にて推算する。
この最適時間がエンジンを再始動するまでの予測時間より短い場合は、該最適時間を排ガスパージ時間とする。また、該最適時間がエンジンを再始動するまでの予測時間より長い場合は、該エンジンを再始動するまでの予測時間を排ガスパージ時間とする。
リーンNOx触媒の後流にNOx,HC,COおよびOの少なくとも一種の濃度を計測する排ガスセンサを設けておき、排ガスパージ処理中の排ガス濃度を計測する。例えば、排ガスセンサにてNOx濃度を計測する場合、リーンNOx触媒の後流のNOx濃度が10ppmとなった時点で排ガスパージは完了したとECUは判断する。なお、所定の排ガスパージ時間に満たなくとも、リーンNOx触媒の後流の排ガスセンサにて所定の濃度に達したとECUが判断した場合には排ガス処理を終了する。また、所定の排ガスパージ時間となっても、リーンNOx触媒の後流の排ガスセンサにて所定の濃度に達していないとECUが判断した場合には排ガス処理を継続する。
アイドルストップしてからエンジンが再始動するまでの時間(以下、予測時間)を予測する方法としては、例えば以下の方法がある。
▲1▼アイドルストップとエンジン再始動が所定回続いた場合(例えば3回)、過去所定回の平均値を該予測時間とする。
▲2▼または、過去の全ての回数を統計処理して該予測時間とする。
▲3▼カーナビゲーションなど走行している場所の地図情報が判断できる装置を搭載している場合、地図情報から信号のある場所をECUが認識し、信号待ち時間を該予測時間とする。
▲4▼道路交通情報通信システムなど高度情報通信端末を通じて、走行地点での渋滞時の停止時間や信号機の停止信号時間など該予測時間に関する情報または該予測時間をECUが受け取る。該高度情報通信端末からのデータを基に該予測時間をECUにて予測する。
本発明により、リーンバーン車において、アイドルストップ時の排気エミッション低減から、エンジン停止前に一時的にストイキ又はリッチ運転に切り替えた場合に、再起動時の排ガス浄化性能が低下するという問題が解決された。

Claims (12)

  1. リーン空燃比での運転が行われる内燃機関の排ガス流路にリーン運転中の排出NOxを捕捉するリーンNOx触媒を備えた排ガス浄化装置において、内燃機関の運転を停止する前にリッチまたはストイキ運転に切り替えて前記触媒に捕捉されたNOxを浄化し、続いて内燃機関への燃料供給をカットしてエンジンシリンダー及び排気流路に残存している燃料及びガスの濃度を低下させる排ガスパージを行う排気浄化制御装置を備えたことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
  2. 請求項1において、前記排気浄化制御装置は、トランスミッション,車速,エンジン回転数及びブレーキペダルからの信号に基づいてアイドルストップを予測すると、リッチまたはストイキ運転に切り替えることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
  3. 請求項1において、前記排気浄化制御装置は、エンジンへの燃料供給を停止後、吸入空気を排ガス流路へ搬送して排ガスパージを行うことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
  4. 請求項1において、前記排気浄化制御装置は、エンジンへの燃料の供給を停止後、2次空気を排ガス流路に搬送して排ガスパージを行うことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
  5. 請求項1において、前記排気浄化制御装置は、排ガス流路に残存している燃料,HC,CO,水素及びNOx濃度から選ばれる少なくとも一つの濃度が予め設定された基準値よりも低くなったときに排ガスパージが終了したと判断することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
  6. 請求項1において、前記排気浄化制御装置は、リッチまたはストイキ運転を実行中または実行後に強制的に内燃機関が停止された場合でも、引き続き排ガスパージを行うことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
  7. リーン空燃比で運転される内燃機関から排出されるNOxを、排ガス流路にリーンNOx触媒を設けて捕捉し、リーン運転中に一時的にストイキ又はリッチ空燃比の運転に切り替えて前記触媒に捕捉したNOxを排ガス中に含まれる還元物質により還元して浄化するようにした排ガス浄化方法において、内燃機関を運転停止する前に、リッチまたはストイキ運転に切り替えて前記触媒に捕捉したNOxを還元し、続いて内燃機関への燃料供給をカットしてエンジンシリンダー及び排ガス流路に残存している燃料及びガスをパージすることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化方法。
  8. 請求項7において、トランスミッション,車速,エンジン回転数及びブレーキペダルからの信号に基づいてアイドルストップを予測したときに、内燃機関を運転停止されると判断し、リッチまたはストイキ運転への切り替え及び排ガスパージを行うことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化方法。
  9. 請求項7において、エンジンシリンダー及び排ガス流路に残存している燃料及びガスのパージは、エンジンへの燃料の供給停止後、吸入空気を排ガス流路へ搬送することによって行うことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化方法。
  10. 請求項7において、エンジンシリンダー及び排ガス流路に残存している燃料及びガスのパージは、2次空気を排ガス流路に搬送することにより行うことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化方法。
  11. 請求項7において、排ガス流路に残存している燃料,HC,CO,水素及びNOxから選ばれる少なくとも一つの濃度予め決められた基準値よりも低くなったときに排ガスパージが終了したと判断することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化方法。
  12. 請求項7において、リッチまたはストイキ運転を実行中または実行後に強制的に内燃機関が停止された場合でも、引き続きエンジンシリンダー及び排ガス流路に残存している燃料及びガスのパージを継続することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化方法。
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