JPWO2005044945A1 - 蓄光性蛍光体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この蓄光性蛍光体としては、CaS:Bi(紫青色発光)、CaSrS:Bi(青色発光)、ZnS:Cu(緑色発光)、ZnCdS:Cu(黄色〜橙色発光)等の硫化物蛍光体が知られているが、これらのいずれの硫化物蛍光体も、化学的に不安定であったり、耐光性に劣ったり、またこの硫化亜鉛系蛍光体を夜光時計に用いる場合であっても、肉眼でその時刻を認識可能な残光時間は約30分から2時間程度であるなど実用面での問題点が多かった。
この特許公報記載のアルミン酸塩系蓄光性蛍光体の発明により、従来の硫化物系蛍光体に比べて遥かに長時間の残光特性を有し、さらには酸化物系であることから化学的にも安定であり、かつ耐光性に優れる、様々な用途に適用可能な長残光の蓄光性蛍光体を提供することが可能となった。
例えば、UL規格のUL924“Emergency Lighting and Power Equipment”においては、5ft−c(約54lx)で60分間励起という低照度条件が定められており、またISO規格のISO15370:2001
“Ships and marine technology ・ Low-location lighting on passenger ships ・
Arrangement”においては、25lxで24時間励起という低照度条件が定められている。
本発明は、このような現状に鑑みなされたもので、低照度の励起条件でも、従来の同種のアルミン酸ストロンチウム系蓄光性蛍光体に比べて優れた残光輝度特性を有する蓄光性蛍光体、特に初期の残光輝度特性に優れ、かつ励起後60分ないしは90分後の残光輝度特性にも優れる蓄光性蛍光体およびその製造方法の提供を目的とする。
そこで、本発明者は、前述の現状に鑑み、前記特許公報記載のアルミン酸ストロンチウム系蓄光性蛍光体において、賦活剤であるユウロピウム(Eu)と共賦活剤であるジスプロシウム(Dy)の添加量の最適化をはかり、さらに、母結晶の構成元素であるストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、アルミニウム(Al)の構成比の最適化をはかることにより、特に低照度で励起した時に、従来のアルミン酸ストロンチウム系蓄光性蛍光体と比べて、残光輝度特性に優れた蓄光性蛍光体を見出した。
本発明のうち第1の発明に係る蓄光性蛍光体は、MAl2O4で表される化合物で、Mは、ストロンチウム(Sr)とバリウム(Ba)からなる化合物を母結晶にすると共に、賦活剤としてユウロピウム(Eu)を添加し、共賦活剤としてジスプロシウム(Dy)を添加しており、ユウロピウム(Eu)の添加量は、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対して、モル%で1.5%を超え5%以下であり、ジスプロシウム(Dy)の添加量はユウロピウム(Eu)に対するモル比で0.3≦Dy/Eu≦2であり、アルミニウム(Al)の割合は、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対して、モル比で2.1以上2.9以下であり、Mに対するバリウムの割合は、モル比で0.03≦Ba/(Sr+Ba)≦0.2であることを特徴としている。
さらに、アルミニウム(Al)の割合を、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対して、モル比で2.1以上2.9以下とすると、アルミニウムの割合を化学量論比である2.0より増加させることにより、結晶構造に歪みが生じトラップが形成されやすくなるため、低照度励起条件による初期残光輝度特性が向上し、従来の蓄光性蛍光体に比べさらに優れた残光輝度特性を示す。
ここで、まず賦活剤としてのユウロピウムの添加量が、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対するモル%で1.5%以下の場合では、ユウロピウムの添加量が少なく、初期残光輝度特性が充分に得られないため、従来の蓄光性蛍光体と同等か、それ以下の残光輝度特性となり好ましくない。さらに、5%を超える場合では、濃度消光により全体的に残光輝度が低下するため、低照度条件での初期残光輝度特性も低下する。よって、ユウロピウムの添加量は、1.5%を超え5%以下が最適である。
また、アルミニウム(Al)の割合を、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対して、モル比で2.1未満、すなわちAl/(M+Eu+Dy)<2.1とした場合には、化学量論比である2.0とほぼ等しいかそれ以下であるため、その残光輝度特性は従来の蓄光性蛍光体とほぼ同等か、または低下する。また、同じくモル比で2.9を超える、すなわち2.9<Al/(M+Eu+Dy)とした場合には、副生成物の発生する割合が増加するとともに輝度が低下するため好ましくない。
さらに、バリウムの割合を、Mに対するモル比で0.03未満、すなわちBa/(Sr+Ba)<0.03とした場合は、バリウムの割合が少なすぎるため結晶中に適度な歪がおきにくく効果がない。また、Mに対するモル比で0.2を超える、すなわち0.2<Ba/(Sr+Ba)とした場合では、相対的にストロンチウムの割合が減少し、全体的な輝度の低下がおこるため好ましくない。
この第1の発明に係る蓄光性蛍光体によれば、蛍光輝度特性ないしは初期残光輝度特性に寄与するユウロピウムの添加量が残光輝度特性に寄与するジスプロシウムの添加量に比べ増大し最適化がはかられ、またアルミニウムの割合を化学量論比である2.0より増加させることにより、結晶構造に歪みが生じ、さらにストロンチウムの一部をバリウムで置換することで結晶中に適度な歪が生ずるため、低照度励起条件による残光輝度特性が向上し、かつ励起後60分後ないし90分後における残光輝度特性が向上し、従来の蓄光性蛍光体に比べ優れた残光輝度特性を得ることができる。
本発明のうち第2の発明に係る蓄光性蛍光体は、MAl2O4で表される化合物で、Mは、ストロンチウム(Sr)とカルシウム(Ca)からなる化合物を母結晶にすると共に、賦活剤としてユウロピウム(Eu)を添加し、共賦活剤としてジスプロシウム(Dy)を添加しており、ユウロピウム(Eu)の添加量は、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対して、モル%で1.5%を超え5%以下であり、ジスプロシウム(Dy)の添加量はユウロピウム(Eu)に対するモル比で0.3≦Dy/Eu≦2であり、アルミニウム(Al)の割合は、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対して、モル比で2.1以上2.9以下であり、Mに対するカルシウムの割合は、モル比で0.005≦Ca/(Sr+Ca)≦0.1であることを特徴としている。
さらに、アルミニウム(Al)の割合を、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対して、モル比で2.1以上2.9以下とすると、アルミニウムの割合を化学量論比である2.0より増加させることにより、結晶構造に歪みが生じトラップが形成されやすくなるため、低照度励起条件による初期残光輝度特性が向上し、従来の蓄光性蛍光体に比べさらに優れた残光輝度特性を示す。
ここで、まず賦活剤としてのユウロピウムの添加量が、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対するモル%で1.5%以下の場合では、ユウロピウムの添加量が少なく、初期残光輝度特性が充分に得られないため、従来の蓄光性蛍光体と同等か、それ以下の残光輝度特性となり好ましくない。さらに、5%を超える場合では、濃度消光により全体的に残光輝度が低下するため、低照度条件での初期残光輝度特性も低下する。よって、ユウロピウムの添加量は、1.5%を超え5%以下が最適である。
また、アルミニウム(Al)の割合を、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対して、モル比で2.1未満、すなわちAl/(M+Eu+Dy)<2.1とした場合には、化学量論比である2.0とほぼ等しいかそれ以下であるため、その残光輝度特性は従来の蓄光性蛍光体とほぼ同等か、または低下する。また、同じくモル比で2.9を超える、すなわち2.9<Al/(M+Eu+Dy)とした場合には、副生成物の発生する割合が増加するとともに輝度が低下するため好ましくない。
さらに、カルシウムの割合を、Mに対するモル比で0.005未満、すなわちCa/(Sr+Ca)<0.005とした場合は、カルシウムの割合が少なすぎるため結晶中に適度な歪がおきにくく効果がない。また、Mに対するモル比で0.1を超える、すなわち0.1<Ca/(Sr+Ca)とした場合では、アルミン酸カルシウム(CaAl2O4)等が副生し、また相対的にストロンチウムの割合が減少し、全体的な輝度の低下がおこるため好ましくない。
この第2の発明に係る蓄光性蛍光体によれば、蛍光輝度特性ないしは初期残光輝度特性に寄与するユウロピウムの添加量が残光輝度特性に寄与するジスプロシウムの添加量に比べ増大し最適化がはかられ、またアルミニウムの割合を化学量論比である2.0より増加させることにより、結晶構造に歪みが生じ、さらにストロンチウムの一部をカルシウムで置換することで結晶中に適度な歪が生ずるため、低照度励起条件による残光輝度特性等が向上し、従来の蓄光性蛍光体に比べ優れた残光輝度特性を得ることができる。
本発明のうち第3の発明に係る蓄光性蛍光体は、MAl2O4で表される化合物で、Mは、ストロンチウム(Sr)とバリウム(Ba)とカルシウム(Ca)とからなる化合物を母結晶にすると共に、賦活剤としてユウロピウム(Eu)を添加し、共賦活剤としてジスプロシウム(Dy)を添加しており、ユウロピウム(Eu)の添加量は、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対して、モル%で1.5%を超え5%以下であり、ジスプロシウム(Dy)の添加量はユウロピウム(Eu)に対するモル比で0.3≦Dy/Eu≦2であり、アルミニウム(Al)の割合は、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対して、モル比で2.1以上2.9以下であり、Mに対するバリウムの割合は、モル比で0.03≦Ba/(Sr+Ba+Ca)≦0.145であり、Mに対するカルシウムの割合は、モル比で0.005≦Ca/(Sr+Ba+Ca)≦0.05であり、かつMに対するバリウムとカルシウムの割合の合計は、モル比で0.035≦(Ba+Ca)/(Sr+Ba+Ca)≦0.15であることを特徴としている。
さらに、アルミニウム(Al)の割合を、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対して、モル比で2.1以上2.9以下とすると、アルミニウムの割合を化学量論比である2.0より増加させることにより、結晶構造に歪みが生じトラップが形成されやすくなるため、低照度励起条件による初期残光輝度特性が向上し、従来の蓄光性蛍光体に比べさらに優れた残光輝度特性を示す。
ここで、まず賦活剤としてのユウロピウムの添加量が、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対するモル%で1.5%以下の場合では、ユウロピウムの添加量が少なく、初期残光輝度特性が充分に得られないため、従来の蓄光性蛍光体と同等か、それ以下の残光輝度特性となり好ましくない。さらに、5%を超える場合では、濃度消光により全体的に残光輝度が低下するため、低照度条件での初期残光輝度特性も低下する。よって、ユウロピウムの添加量は、1.5%を超え5%以下が最適である。
添加量が、ユウロピウムに対するモル比で2を超える、すなわち2<Dy/Euの場合では、蛍光輝度特性ないしは初期残光輝度特性に寄与するユウロピウムの添加量が残光輝度特性に寄与するジスプロシウムの添加量に比べ充分ではないため、蛍光輝度特性や初期残光輝度特性が低下し、望ましい初期残光輝度特性が得られない。
また、アルミニウム(Al)の割合を、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対して、モル比で2.1未満、すなわちAl/(M+Eu+Dy)<2.1とした場合には、化学量論比である2.0とほぼ等しいかそれ以下であるため、その残光輝度特性は従来の蓄光性蛍光体とほぼ同等か、または低下する。また、同じくモル比で2.9を超える、すなわち2.9<Al/(M+Eu+Dy)とした場合には、副生成物の発生する割合が増加するとともに輝度が低下するため好ましくない。
さらに、バリウムの割合を、Mに対するモル比で0.03未満、すなわちBa/(Sr+Ba+Ca)<0.03とした場合は、バリウムの割合が少なすぎるため結晶中に適度な歪がおきにくく効果がない。同じく、カルシウムの割合を、Mに対するモル比で0.005未満、すなわちCa/(Sr+Ba+Ca)<0.005とした場合は、カルシウムによって得られる効果がない。また、Mに対するモル比で0.05を超える、すなわち0.05<Ca/(Sr+Ba+Ca)とした場合では、アルミン酸カルシウム(CaAl2O4)等が副生するなどして、全体的な輝度の低下がおこるため好ましくない。
そのため、Mに対するバリウムの割合が、モル比で0.03≦Ba/(Sr+Ba+Ca)≦0.145であり、0.005≦Ca/(Sr+Ba+Ca)≦0.05であり、かつMに対するバリウムおよびカルシウムの割合の合計が、モル比で0.035≦(Ba+Ca)/(Sr+Ba+Ca)≦0.15であることによって、低照度励起条件による初期残光輝度特性等が向上し、従来の蓄光性蛍光体に比べ優れた残光輝度特性を有する蓄光性蛍光体が得られる。
(4)第4の発明
本発明のうち第4の発明に係るアルカリ土類金属アルミン酸塩蓄光性蛍光体の製造方法は、アルミニウム(Al)化合物と、ストロンチウム(Sr)化合物と、バリウム化合物(Ba)と、ユウロピウム(Eu)化合物と、ジスプロシウム(Dy)化合物とを各元素が下記のモル比になるように混合し、還元雰囲気中にて焼成し、その後冷却、粉砕したことを特徴としている。
0.3≦Dy/Eu≦2、
0.03≦Ba/(Sr+Ba)≦0.2、
2.1≦Al/(Sr+Ba+Eu+Dy)≦2.9
この第4の発明に係るアルカリ土類金属アルミン酸塩蓄光性蛍光体の製造方法によれば、低照度励起条件による初期残光輝度特性が向上し、従来の蓄光性蛍光体に比べより優れた残光輝度特性を有するアルカリ土類金属アルミン酸塩蓄光性蛍光体を製造できる。
(5)第5の発明
本発明のうち第5の発明に係るアルカリ土類金属アルミン酸塩蓄光性蛍光体の製造方法は、アルミニウム(Al)化合物と、ストロンチウム(Sr)化合物と、カルシウム化合物(Ca)と、ユウロピウム(Eu)化合物と、ジスプロシウム(Dy)化合物とを各元素が下記のモル比になるように混合し、還元雰囲気中にて焼成し、その後冷却、粉砕したことを特徴としている。
0.3≦Dy/Eu≦2、
0.005≦Ca/(Sr+Ca)≦0.1、
2.1≦Al/(Sr+Ca+Eu+Dy)≦2.9
この第5の発明に係るアルカリ土類金属アルミン酸塩蓄光性蛍光体の製造方法によれば、低照度励起条件による初期残光輝度特性が向上し、従来の蓄光性蛍光体に比べより優れた残光輝度特性を有するアルカリ土類金属アルミン酸塩蓄光性蛍光体を製造できる。
(6)第6の発明
本発明のうち第6の発明に係るアルカリ土類金属アルミン酸塩蓄光性蛍光体の製造方法は、アルミニウム(Al)化合物と、ストロンチウム(Sr)化合物と、バリウム(Ba)化合物と、カルシウム化合物(Ca)と、ユウロピウム(Eu)化合物と、ジスプロシウム(Dy)化合物とを各元素が下記のモル比になるように混合し、還元雰囲気中にて焼成し、その後冷却、粉砕したことを特徴としている。
0.3≦Dy/Eu≦2、
0.03≦Ba/(Sr+Ba+Ca)≦0.145、
0.005≦Ca/(Sr+Ba+Ca)≦0.05、
0.035≦(Ba+Ca)/(Sr+Ba+Ca)≦0.15、
2.1≦Al/(Sr+Ba+Ca+Eu+Dy)≦2.9
この第6の発明に係るアルカリ土類金属アルミン酸塩蓄光性蛍光体の製造方法によれば、低照度励起条件による初期残光輝度特性が向上し、従来の蓄光性蛍光体に比べより優れた残光輝度特性を有するアルカリ土類金属アルミン酸塩蓄光性蛍光体を製造できる。
本発明のうち第7の発明に係るアルカリ土類金属アルミン酸塩蓄光性蛍光体の製造方法は、前記第4、第5または第6の発明に係るアルカリ土類金属アルミン酸塩蓄光性蛍光体の製造方法において、原料中に、フラックスとしてホウ素化合物を添加し焼成することを特徴としている。そして、原料中に、フラックスとしてホウ素化合物を添加し焼成することで、低い焼成温度でも優れたアルカリ土類金属元素アルミン酸塩蓄光性蛍光体を製造できる。なお、ホウ素化合物としては例えばホウ酸(H3BO3)が好適に用いられるが、ホウ酸に限らずホウ素化合物であれば同様の効果が得られる。また、添加するホウ素化合物の量としては、原料の総質量に対して0.01〜10%程度添加するのが良く、より好ましくは、0.5〜3%程度である。
この第7の発明に係るアルカリ土類金属アルミン酸塩蓄光性蛍光体の製造方法によれば、前記第4、第5または第6の発明に係るアルカリ土類金属アルミン酸塩蓄光性蛍光体の製造方法において、低い焼成温度でも優れたアルカリ土類金属元素アルミン酸塩蓄光性蛍光体を製造できる。
まず、Mで表す金属元素としてのストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)およびカルシウム(Ca)の原料として例えばそれぞれ炭酸ストロンチウム(SrCO3)、炭酸バリウム(BaCO3)および炭酸カルシウム(CaCO3)に、賦活剤としてのユウロピウム(Eu)の原料として酸化ユウロピウム(Eu2O3)を添加し、共賦活剤としてのジスプロシウム(Dy)の原料として酸化ジスプロシウム(Dy2O3)を添加する。このときのユウロピウム(Eu)の添加量は、Mで表す金属元素とユウロピウムとジスプロシウムのモル数の合計に対するモル%で1.5%を超え5%以下であり、ジスプロシウム(Dy)の添加量は、ユウロピウム(Eu)に対するモル比で0.3以上2以下である。さらに、アルミニウム(Al)の原料として例えばアルミナ(Al2O3)をストロンチウム、バリウム、カルシウム、ユウロピウムおよびジスプロシウムのモル数の和に対して、アルミニウムのモル比で2.1以上2.9以下になるように加え、フラックスとしてのホウ素化合物として例えばホウ酸(H3BO3)を原料の総質量に対して0.01〜10%程度添加し、ボールミル等を用いて充分に混合する。この混合物を還元雰囲気中例えば窒素−水素混合ガス気流中で、例えば約1300℃から1500℃の焼成温度で、約1時間から6時間の間焼成を行い、その後室温まで約1時間から6時間かけて冷却する。得られた焼成物を粉砕し篩分して、所定の粒径の蓄光性蛍光体を得る。
なお、本願発明におけるMで表す金属元素は、実質的にストロンチウムとバリウム、ストロンチウムとカルシウム、またはストロンチウムとバリウムとカルシウムとから構成されていればよく、これらの元素の他に微量の別の元素が含まれていたとしても、本願発明の範囲に含まれる。
次に、上記一実施の形態の実施例として、Mで表す金属元素がストロンチウム(Sr)およびバリウム(Ba)である場合を説明する。
まず始めに、ユウロピウム(Eu)およびジスプロシウム(Dy)の添加量と、初期残光輝度特性との関係を説明する。
まず、ストロンチウム(Sr)の原料として炭酸ストロンチウム(SrCO3)128.88g(0.873モル)に、バリウム(Ba)の原料として炭酸バリウム(BaCO3)を19.14g(0.097モル)加え、さらに賦活剤としてのユウロピウムの原料として酸化ユウロピウム(Eu2O3)を3.52g(Euとして0.02モル)添加し、共賦活剤としてのジスプロシウム(Dy)の原料として酸化ジスプロシウム(Dy2O3)を1.86g(Dyとして0.01モル)添加し、さらにアルミニウム原料としてのアルミナ(Al2O3)を117.26g(Alとして2.3モル、すなわちAl/(Sr+Eu+Dy)=2.3)加え、さらにフラックスとしてのホウ素(B)化合物としてホウ酸(H3BO3)を3.2g(すなわち原料に対して1.2質量%)添加し、ボールミルを用いて充分に混合する。この混合物を還元雰囲気中として窒素97%−水素3%混合ガス気流中で、1350℃の焼成温度で4時間焼成を行い、その後室温まで約1時間かけて冷却する。得られた焼成物を粉砕し篩分し#250メッシュを通過したものを蓄光性蛍光体の試料1−(3)とした。この試料1−(3)は、ストロンチウムが0.873モル、バリウムが0.097モルで、ストロンチウムとバリウムのモル数の合計0.97モルに対するストロンチウムのモル比は0.9、バリウムのモル比は0.1となる。さらに、ストロンチウム、バリウム、ユウロピウム、ジスプロシウムの合計に対するユウロピウムの添加量が2モル%、同じくジスプロシウムの添加量が1モル%であり、ユウロピウムに対するジスプロシウムのモル比、すなわちDy/Euは0.5である。また、アルミニウムのモル比、すなわちAl/(Sr+Eu+Dy)は、化学量論比2.0を超えた2.3である。
株式会社島津製作所)で粒度分布を測定した。これを図1に示す。
また、試料1−(2)すなわちユウロピウムの添加量が1.5モル%の条件では、5分後の残光輝度特性が比較例1に比べて1.82倍と好ましいものの、90分後の残光輝度特性が比較例1に比べて1.94倍となっており、期待値の2倍を僅かに下回っている。
さらに、試料1−(1)すなわちユウロピウムの添加量が1モル%の条件では、輝度全体が低下している。
次に、ジスプロシウムとユウロピウムの添加量の比(Dy/Eu)を変化させた場合の、初期残光輝度特性の変化を説明する。
表2に示す結果より好適であった試料1−(4)の条件、すなわちストロンチウム、バリウム、ユウロピウムおよびジスプロシウムの合計に対するユウロピウムの添加量が3モル%、ユウロピウムに対するジスプロシウムの比(Dy/Eu)が0.5である条件を中心に、ユウロピウムの添加量を3モル%に固定し、Dy/Euの値を表3に示すように0.1から2.5の範囲でそれぞれ変化させて、その他の条件は試料1−(3)と同様な製造条件にて蓄光性蛍光体を作成し、それぞれ試料1−(7)ないし試料1−(14)として得た。
さらに、上記測定において好適であった試料1−(9)、試料1−(4)、試料1−(13)すなわちユウロピウムの添加量がそれぞれ3%であって、ジスプロシウムの添加量が0.9%、1.5%、6%である蓄光性蛍光体を、上記比較例1とともに低照度条件で励起するのではなく、通常光の条件下の一例としてD65標準光源により400lxの明るさで20分間励起し、同様に残光輝度特性を測定した。その結果を、比較例1の残光輝度を1とした場合の相対輝度として表5に示す。
ストロンチウム(Sr)の原料として炭酸ストロンチウム(SrCO3)126.89g(0.8595モル)に、バリウム(Ba)の原料として炭酸バリウム(BaCO3)を18.85g(0.0955モル)加え、さらに賦活剤としてのユウロピウムの原料として酸化ユウロピウム(Eu2O3)を5.28g(Euとして0.03モル)添加し、共賦活剤としてのジスプロシウム(Dy)の原料として酸化ジスプロシウム(Dy2O3)を2.80g(Dyとして0.015モル)添加し、さらにアルミニウム原料としてのアルミナ(Al2O3)を104.51g(Alとして2.05モル、すなわちAl/(Sr+Ba+Eu+Dy)=2.05)加え、さらにフラックスとしてのホウ素(B)化合物としてホウ酸(H3BO3)を3.1g(すなわち原料に対して1.2質量%)添加し、ボールミルを用いて充分に混合する。この混合物を還元雰囲気中として窒素97%−水素3%混合ガス気流中で、1350℃の焼成温度で4時間焼成を行い、その後室温まで約1時間かけて冷却する。得られた焼成物を粉砕し篩分し#250メッシュを通過したものを蓄光性蛍光体の試料2−(1)とした。この試料2−(1)は、ストロンチウムが0.8595モル、バリウムが0.0955モルで、ストロンチウムとバリウムのモル数の合計0.955モルに対するストロンチウムのモル比は0.9、バリウムのモル比は0.1となる。さらに、ストロンチウム、バリウム、ユウロピウム、ジスプロシウムの合計に対するユウロピウムの添加量が3モル%、同じくジスプロシウムの添加量が1.5モル%であり、ユウロピウムに対するジスプロシウムのモル比、すなわちDy/Euは0.5である。また、アルミニウムのモル比、すなわちAl/(Sr+Ba+Eu+Dy)は、化学量論比2.0を超えた2.05である。
次に、Mで表す金属元素がストロンチウム(Sr)およびバリウム(Ba)である場合について、バリウムの割合と、初期残光輝度特性について説明する。
まず、ストロンチウム(Sr)の原料として炭酸ストロンチウム(SrCO3)112.79g(0.764モル)に、バリウム(Ba)の原料として炭酸バリウム(BaCO3)を37.69g(0.191モル)加え、さらに賦活剤としてのユウロピウムの原料として酸化ユウロピウム(Eu2O3)を5.28g(Euとして0.03モル)添加し、共賦活剤としてのジスプロシウム(Dy)の原料として酸化ジスプロシウム(Dy2O3)を2.80g(Dyとして0.015モル)添加し、さらにアルミニウム原料としてのアルミナ(Al2O3)を117.26g(Alとして2.3モル、すなわちAl/(Sr+Ba+Eu+Dy)=2.3)加え、さらにフラックスとしてのホウ素(B)化合物としてホウ酸(H3BO3)を3.3g(すなわち原料に対して1.2質量%)添加し、ボールミルを用いて充分に混合する。この混合物を還元雰囲気中として窒素97%−水素3%混合ガス気流中で、1350℃の焼成温度で4時間焼成を行い、その後室温まで約1時間かけて冷却する。得られた焼成物を粉砕し篩分し#250メッシュを通過したものを蓄光性蛍光体の試料3−(7)とした。この試料3−(7)は、ストロンチウムが0.764モル、バリウムが0.191モルで、ストロンチウムとバリウムのモル数の合計0.955モルに対するストロンチウムのモル比は0.8、バリウムのモル比は0.2となる。さらに、ストロンチウム、バリウム、ユウロピウム、ジスプロシウムのモル数の合計に対するユウロピウムの添加量が3モル%、同じくジスプロシウムの添加量が1.5モル%であり、ユウロピウムに対するジスプロシウムのモル比、すなわちDy/Euは0.5である。また、アルミニウムのモル比、すなわちAl/(Sr+Ba+Eu+Dy)は、化学量論比2.0を超えた2.3である。
なお、これらのMで表す金属元素がストロンチウムおよびバリウムからなる蓄光性蛍光体の発光波長を調べるため、上記の試料を発光スペクトル測定装置より測定すると、Mで表す金属元素がストロンチウムのみである蓄光性蛍光体と比較して、その発光波長のピークが若干短波長側にシフトしていることがわかった。このため、若干ではあるが、発光色が青みがかった色になっている。
次に、上記一実施の形態の別の実施例として、Mで表す金属元素の構成元素をバリウム(Ba)に変わってカルシウムを用いた例、すなわちMで表す金属元素がストロンチウム(Sr)およびカルシウム(Ca)である場合を説明する。
まず、ストロンチウム(Sr)の原料として炭酸ストロンチウム(SrCO3)126.89g(0.8595モル)に、カルシウム(Ca)の原料として炭酸カルシウム(CaCO3)を9.56g(0.0955モル)加え、さらに賦活剤としてのユウロピウムの原料として酸化ユウロピウム(Eu2O3)を5.28g(Euとして0.03モル)添加し、共賦活剤としてのジスプロシウム(Dy)の原料として酸化ジスプロシウム(Dy2O3)を2.80g(Dyとして0.015モル)添加し、さらにアルミニウム原料としてのアルミナ(Al2O3)を117.26g(Alとして2.3モル、すなわちAl/(Sr+Ca+Eu+Dy)=2.3)加え、さらにフラックスとしてのホウ素(B)化合物としてホウ酸(H3BO3)を3.1g(すなわち原料に対して1.2質量%)添加し、ボールミルを用いて充分に混合する。この混合物を還元雰囲気中として窒素97%−水素3%混合ガス気流中で、1350℃の焼成温度で4時間焼成を行い、その後室温まで約1時間かけて冷却する。得られた焼成物を粉砕し篩分し#250メッシュを通過したものを蓄光性蛍光体の試料4−(5)とした。この試料4−(5)は、ストロンチウムが0.8595モル、カルシウムが0.0955モルで、ストロンチウムとカルシウムのモル数の合計0.955モルに対するストロンチウムのモル比は0.9、カルシウムのモル比は0.1となる。さらに、ストロンチウム、カルシウム、ユウロピウム、ジスプロシウムのモル数の合計に対するユウロピウムの添加量が3モル%、同じくジスプロシウムの添加量が1.5モル%であり、ユウロピウムに対するジスプロシウムのモル比、すなわちDy/Euは0.5である。また、アルミニウムのモル比、すなわちAl/(Sr+Ca+Eu+Dy)は、化学量論比2.0を超えた2.3である。
調べた。その結果を、前記比較例1の残光輝度を1とした場合の相対輝度として表11に示す。
なお、これらのMで表す金属元素がストロンチウムおよびカルシウムからなる蓄光性蛍光体の発光波長を調べるため、上記の試料を発光スペクトル測定装置より測定すると、Mで表す金属元素がストロンチウムのみである蓄光性蛍光体と比較して、その発光波長のピークが若干長波長側にシフトしていることがわかった。このため、若干ではあるが、発光色が黄みがかった色になっている。
次に、上記一実施の形態のさらに別の実施例として、Mで表す金属元素がストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)およびカルシウム(Ca)である場合を説明する。
まず、ストロンチウム(Sr)の原料として炭酸ストロンチウム(SrCO3)119.84g(0.81175モル)に、バリウム(Ba)の原料として炭酸バリウム(BaCO3)を18.85g(0.0955モル)加え、カルシウム(Ca)の原料として炭酸カルシウム(CaCO3)を4.78g(0.04775モル)加え、さらに賦活剤としてのユウロピウムの原料として酸化ユウロピウム(Eu2O3)を5.28g(Euとして0.03モル)添加し、共賦活剤としてのジスプロシウム(Dy)の原料として酸化ジスプロシウム(Dy2O3)を2.80g(Dyとして0.015モル)添加し、さらにアルミニウム原料としてのアルミナ(Al2O3)を117.26g(Alとして2.3モル、すなわちAl/(Sr+Ba+Ca+Eu+Dy)=2.3)加え、さらにフラックスとしてのホウ素(B)化合物としてホウ酸(H3BO3)を3.2g(すなわち原料に対して1.2質量%)添加し、ボールミルを用いて充分に混合する。この混合物を還元雰囲気中として窒素97%−水素3%混合ガス気流中で、1350℃の焼成温度で4時間焼成を行い、その後室温まで約1時間かけて冷却する。得られた焼成物を粉砕し篩分し#250メッシュを通過したものを蓄光性蛍光体の試料5−(4)とした。この試料5−(4)は、ストロンチウムが0.81175モル、バリウムが0.0955モル、カルシウムが0.04775で、ストロンチウムとバリウムとカルシウムのモル数の合計0.955モルに対するストロンチウムのモル比は0.85、バリウムのモル比は0.1、カルシウムのモル比は0.05となる。さらにストロンチウム、バリウム、カルシウム、ユウロピウム、ジスプロシウムのモル数の合計に対するユウロピウムの添加量が3モル%、同じくジスプロシウムの添加量が1.5モル%であり、ユウロピウムに対するジスプロシウムのモル比、すなわちDy/Euは0.5である。また、アルミニウムのモル比、すなわちAl/(Sr+Ba+Ca+Eu+Dy)は、化学量論比2.0を超えた2.3である。
このことより、Mで表す金属元素がストロンチウム、バリウムおよびカルシウムからなる場合、Mに対するバリウムの割合、すなわちBa/(Sr+Ba+Ca)が0.03以上0.145以下であり、Mに対するカルシウムの割合、すなわちCa/(Sr+Ba+Ca)が0.005以上0.05以下であり、かつMに対するバリウムおよびカルシウムの割合の合計、すなわち(Ba+Ca)/(Sr+Ba+Ca)が0.035以上0.15以下のとき、Mであらわす金属元素がストロンチウムおよびバリウムによる蓄光性蛍光体には及ばずとも、優れた残光輝度特性をもつ蓄光性蛍光体となることがわかる。
Claims (7)
- MAl2O4で表される化合物で、Mは、ストロンチウム(Sr)およびバリウム(Ba)からなる化合物を母結晶にすると共に、
賦活剤としてユウロピウム(Eu)を添加し、
共賦活剤としてジスプロシウム(Dy)を添加する蓄光性蛍光体であって、
ユウロピウム(Eu)の添加量は、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対するモル%で1.5%を超え5%以下であり、
ジスプロシウム(Dy)の添加量は、ユウロピウム(Eu)に対するモル比で0.3≦Dy/Eu≦2であり、
アルミニウム(Al)の割合は、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対して、モル比で2.1以上2.9以下であり、
Mに対するバリウム(Ba)の割合が、0.03≦Ba/(Sr+Ba)≦0.2であることを特徴とした蓄光性蛍光体。 - MAl2O4で表される化合物で、Mは、ストロンチウム(Sr)およびカルシウム(Ca)からなる化合物を母結晶にすると共に、
賦活剤としてユウロピウム(Eu)を添加し、
共賦活剤としてジスプロシウム(Dy)を添加する蓄光性蛍光体であって、
ユウロピウム(Eu)の添加量は、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対するモル%で1.5%を超え5%以下であり、
ジスプロシウム(Dy)の添加量は、ユウロピウム(Eu)に対するモル比で0.3≦Dy/Eu≦2であり、
アルミニウム(Al)の割合は、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対して、モル比で2.1以上2.9以下であり、
Mに対するカルシウム(Ca)の割合は、0.005≦Ca/(Sr+Ca)≦0.1であることを特徴とした蓄光性蛍光体。 - MAl2O4で表される化合物で、Mは、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)およびカルシウム(Ca)からなる化合物を母結晶にすると共に、
賦活剤としてユウロピウム(Eu)を添加し、
共賦活剤としてジスプロシウム(Dy)を添加する蓄光性蛍光体であって、
ユウロピウム(Eu)の添加量は、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対するモル%で1.5%を超え5%以下であり、
ジスプロシウム(Dy)の添加量は、ユウロピウム(Eu)に対するモル比で0.3≦Dy/Eu≦2であり、
アルミニウム(Al)の割合は、Mで表す金属元素とユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(Dy)のモル数の合計に対して、モル比で2.1以上2.9以下であり、
Mに対するバリウム(Ba)の割合は、0.03≦Ba/(Sr+Ba+Ca)≦0.145であり、
Mに対するカルシウム(Ca)の割合は、0.005≦Ca/(Sr+Ba+Ca)≦0.05であり、
かつMに対するバリウム(Ba)およびカルシウム(Ca)の割合の合計は、0.035≦(Ba+Ca)/(Sr+Ba+Ca)≦0.15であることを特徴とした蓄光性蛍光体。 - アルミニウム(Al)化合物と、ストロンチウム(Sr)化合物と、バリウム化合物(Ba)と、ユウロピウム(Eu)化合物と、ジスプロシウム(Dy)化合物とを各元素が下記のモル比になるように混合し、還元雰囲気中にて焼成し、その後冷却、粉砕することを特徴とするアルカリ土類金属アルミン酸塩蓄光性蛍光体の製造方法。
0.015<Eu/(Sr+Ba+Eu+Dy)≦0.05、
0.3≦Dy/Eu≦2、
0.03≦Ba/(Sr+Ba)≦0.2、
2.1≦Al/(Sr+Ba+Eu+Dy)≦2.9 - アルミニウム(Al)化合物と、ストロンチウム(Sr)化合物と、カルシウム化合物(Ca)と、ユウロピウム(Eu)化合物と、ジスプロシウム(Dy)化合物とを各元素が下記のモル比になるように混合し、還元雰囲気中にて焼成し、その後冷却、粉砕することを特徴とするアルカリ土類金属アルミン酸塩蓄光性蛍光体の製造方法。
0.015<Eu/(Sr+Ca+Eu+Dy)≦0.05、
0.3≦Dy/Eu≦2、
0.005≦Ca/(Sr+Ca)≦0.1、
2.1≦Al/(Sr+Ca+Eu+Dy)≦2.9 - アルミニウム(Al)化合物と、ストロンチウム(Sr)化合物と、バリウム(Ba)化合物と、カルシウム(Ca)化合物と、ユウロピウム(Eu)化合物と、ジスプロシウム(Dy)化合物と を各元素が下記のモル比になるように混合し、還元雰囲気中にて焼成し、その後冷却、粉砕することを特徴とするアルカリ土類金属アルミン酸塩蓄光性蛍光体の製造方法。
0.015<Eu/(Sr+Ba+Ca+Eu+Dy)≦0.05、
0.3≦Dy/Eu≦2、
0.03≦Ba/(Sr+Ba+Ca)≦0.145、
0.005≦Ca/(Sr+Ba+Ca)≦0.05、
0.035≦(Ba+Ca)/(Sr+Ba+Ca)≦0.15、
2.1≦Al/(Sr+Ba+Ca+Eu+Dy)≦2.9 - 原料中に、フラックスとしてホウ素化合物を添加し焼成することを特徴とする請求の範囲第4項、第5項または第6項記載のアルカリ土類金属アルミン酸塩蓄光性蛍光体の製造方法。
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