JPWO2005043577A1 - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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克己 足達
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義則 山田
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Abstract

本発明は、片面に行方向に延伸された表示電極が複数対ずつ並設された第一基板と、片面に列方向に複数のアドレス電極がストライプ状に並設された第二基板とを有し、前記表示電極と前記アドレス電極が放電空間を挟んで交差するように第一および第二基板が対向配置され、当該交差部分に対応して放電セルが形成された構成のプラズマディスプレイパネルであって、一対の表示電極は金属材料からなり、各表示電極は、行方向に延伸された基部と、当該基部から一対の表示電極の放電間隙に臨んで形成された複数の対向部とを備え、放電セル内において、一対の表示電極の各対向部同士の間に放電開始ギャップが形成されるとともに、当該放電開始ギャップの2つ以上がそれぞれ放電空間を挟んでアドレス電極と重なっており、駆動時には、各前記対向部で電界強度のピークが形成される構成とした。

Description

本発明は情報表示装置や平面型テレビジョン装置として用いられるプラズマディスプレイパネルに関する。
ガス放電パネルの一種であるプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と呼ぶ)は、ガス放電で発生した紫外線によって蛍光体を励起発光させ、画像表示する自発光型FPD(フラットディスプレイパネル)である。PDPは駆動電力の種類で交流(AC)型と直流(DC)型に分類される。AC型は、輝度、発光効率、寿命等の特性でDC型より優れている特徴を持つ。AC型の中でも特に反射型面放電タイプは、輝度および発光効率の点で際だち、コンピュータ用ディスプレイや大型テレビモニタ、業務用表示装置等として広く用いられている。
図9は、一般的なAC型PDPの主要構成を示す部分的な断面斜視図である。図中、z方向がPDPの厚み方向、xy平面がPDPのパネル面に平行な平面に相当する。当図に示すように、本PDP1は互いに主面を対向させて配設されたフロントパネルFPおよびバックパネルBPを主として構成される。
フロントパネルFPの基板となるフロントパネルガラス2には、その片側の主面に一対をなす2つの表示電極4、5(スキャン電極4、サステイン電極5)がx方向に沿って複数対にわたり構成され、各対の表示電極4、5間を主放電ギャップとして面放電(維持放電)を行うようになっている。当図9に示す表示電極4、5は、幅広帯状のITO材料からなる透明電極400、500と、各透明電極400、500に積層された金属材料からなる帯状基部401、501とで構成されている。
各スキャン電極4にはそれぞれ電気的に独立して給電される。また各サステイン電極5には電気的に同電位に接続され給電される。
上記表示電極4、5を配設したフロントパネルガラス2の主面には、表示電極4、5を覆うように絶縁性材料からなる誘電体層6と酸化マグネシウムからなる保護層7が順次コートされている。
バックパネルBPの基板となるバックパネルガラス3には、その片側主面に複数のアドレス(データ)電極11がy方向を長手方向としてストライプ状に並設される。このアドレス電極11は一例としてAgとガラスの混合材料を焼成してなる。
アドレス電極11を配設したバックパネルガラス3の主面には、アドレス電極11を覆うように、絶縁性材料からなる誘電体層10がコートされる。誘電体層10上には、隣接する2つのアドレス電極11の間隙に合わせて、y方向に沿って隔壁30が配設される。そして、隣接する2つの隔壁30の各側壁とその間の誘電体層10の面上には、円弧状断面形状を持つ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の何れかの色に対応する蛍光体層9R、9G、9Bが形成される。
以上の一対のフロントパネルFPとバックパネルBPは、アドレス電極11と表示電極4、5の互いの長手方向が直交するように対向配置される。
フロントパネルFPとバックパネルBPは、フリットガラス等の封止部材により、それぞれの周縁部にて封止され、両パネルFP、BPの対向主面内部が密閉されている。封止されたフロントパネルFPとバックパネルBPの内部には、一例としてNe−Xe系(Xeが5%〜30%の割合で含まれる)の放電ガスが所定の圧力(例えば通常40kPa〜66.5kPa程度)で封入される。
フロントパネルFPとバックパネルBPの間において、誘電体層6と蛍光体層9R、9G、9B、および隣接する2つの隔壁30で仕切られた各空間が放電空間38となる。また隣接する一対の表示電極4、5と、1本のアドレス電極11が放電空間38を挟んで交叉する領域が、画像表示にかかる放電セル8(図1を参照)に対応する。
そして、PDP駆動時には指定された放電セル8において、アドレス電極11と表示電極4、5の一方の間でアドレス放電が開始され、一対の表示電極4、5同士での維持放電により短波長紫外線(Xe共鳴線、波長約147nm)が発生し、当該紫外線を受けた蛍光体層9R、9G、9Bが可視光発光することで画像表示をなす。画像表示方式としては一般にはフィールド階調表示方式が採用され、放電回数の異なる複数の期間(サブフィールド)を階調に応じて選択することで、1枚の画像が階調表示される。
このようなPDPは、薄型で動画の表示品質に優れたディスプレイであるが、同様の薄型ディスプレイである液晶ディスプレイなどと比較すると、消費電力や発光時のピーク電流が大きい性質があり、これらの抑制が課題となっている。
また、構造的には、y方向で隣接する放電セル8間には明確な仕切がないため、駆動時に指定された所定の放電セルが放電発光する際に、隣接セルにも荷電粒子等が流出し、いわゆるクロストーク等の誤放電を発生してしまうことがある。この誤放電は解像度の低下を招き、画質を劣化させてしまうので、これについても解決が望まれている。
消費電力の低減を図るためにピーク電流を低下させる方法としては、例えば特開平8−315735号公報(当該公報の第4頁及び図1を参照)に、表示電極をその長手方向に沿って複数に分割することにより、ピーク電流を複数に分割する方法が提案されている。また、消費電力低減を図る別の対策として、特開2002−134030号公報には、透明電極を用いないことで材料、工程に掛かるコストの削減を図り、且つ複数の金属細線401、417、418、501、517、518からなる表示電極4、5を用いることで電気抵抗を低減させることを意図した構成(図7を参照)が提案されている。
また、PDPの誤放電を防止する方法としては、例えば特開2000−133149号公報(当該第4頁及び図7を参照)において、放電セル内の表示電極に2対の電極切片を形成することで、放電セルの中心に電界集中領域を設ける方法が提案されている。或いは特開2001−243883号公報には、表示電極の面積を削減し、帯状の電極基部401、501に突出部419a、419b、519a、519bを設けて当該突出部同士で電界集中させて放電させ、外側突出部420a、420b、520a、520bまで放電拡大させることを狙った構成(図8を参照)が記載されている。
特開平8−315735号公報 特開2002−134030号公報 特開2000−133149号公報 特開2001−243883号公報
しかしながら、特開平8−315735号公報のように表示電極を長手方向に分割する方法は、放電の電流ピークが分割される代わりに放電開始電圧が上昇してしまうという課題がある。放電開始電圧の上昇は、消費電力が増加することに加え、表示電極に電圧を印加する駆動用ドライバーICの耐圧を上げる必要があるため、その分材料コストも増加するので望ましくない。また、特開2002−134030号公報の構成では、通電性を向上させるために金属細線を太くする(電極面積を大きくなる)とセル開口率が低下し、十分な輝度が得られにくい。
また、特開2000−133149号公報に記載の方法では誤放電は防止されるが、放電時のピーク電流が大きくなるほか、放電セルの中心で電界集中させるために放電強度が放電セル中心部分で強く、放電セル全体の放電空間を有効に活用することが困難である。また、電極切片の間隔が近いため、無効電力が比較的大きいわりに輝度が低下しやすいという課題もある。
さらに、特開2001−243883号公報の方法では、放電空間を介した表示電極とアドレス電極との交差領域が小さくなり、アドレス放電の書き込み不良や放電遅れといった画像表示性能の低下問題を生じるおそれがある。
このため、上記いずれの従来方法を採用しても、課題を十分に解決することは難しい。また、これらの方法では表示電極の面積を一般的なものよりも低減させているが、この構成により輝度が低下するという別の問題が生じるおそれもある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、第一の目的として、材料、工程の削減及び歩留まりの向上により各種のコスト削減を図りつつ、良好な画像表示性能を発揮することが可能なPDPを提供する。
また第二の目的として、駆動時の無効電力の低減を図ることで消費電力を低減し、優れた発光効率を持つPDPを提供する。
また第三の目的として、アドレス放電の放電遅れや、クロストークなどの誤放電の発生の少ないPDPを提供する。
課題を解決するための手段と発明の効果
上記課題を解決するために、本発明は、片面に行方向に延伸された表示電極が複数対ずつ並設された第一基板と、片面に列方向に複数のアドレス電極がストライプ状に並設された第二基板とを有し、前記表示電極と前記アドレス電極が放電空間を挟んで交差するように第一および第二基板が対向配置され、当該交差部分に対応して放電セルが形成された構成のプラズマディスプレイパネルであって、一対の表示電極は金属材料からなり、各表示電極は、行方向に延伸された基部と、当該基部から一対の表示電極の放電間隙に臨んで形成された複数の対向部とを備え、放電セル内において、一対の表示電極の各対向部間に複数の放電開始ギャップが形成され、当該間隙の2つ以上がそれぞれ放電空間を挟んでアドレス電極と重なっている構成とした。
ここで前記対向部は、前記基部から列方向に延伸された接続部と、前記接続部から前記接続部の列方向幅より長く行方向に延伸された主放電部とで構成されており、一対の表示電極の各主放電部同士の間において、前記放電開始ギャップがそれぞれ形成される構成とすることもできる。
また、各表示電極の前記対向部は、一対の表示電極間において、互いに対称的な位置に形成することもできる。
以上の構成を持つ本発明によれば、駆動時に一対の表示電極に電圧が印加されると、前記複数の対向部(具体的には主放電部)においてそれぞれ電界強度のピークが形成され、この各部分で放電が発生する。この各ピーク位置では電界が集中しているので、比較的放電開始電圧が低くても良好に放電を開始することが可能となっている。
その後、この電界強度のピークの位置に対応して複数の放電が発生・拡大し、放電セル全体にわたり良好な規模の放電が形成される。このとき、本発明では表示電極が金属材料で構成されているため、透明電極を用いた場合に比べて電気抵抗が低減されており、駆動電圧の損失を低減することで実効電圧を高められるので、駆動に掛かる消費電力の低減を実現することができる。さらに、表示電極が上記のように金属材料から構成されているので電気抵抗が低いため、駆動時に表示電極上に壁電荷を形成するための時間(充電時間)を短くでき、良好に高速駆動を行えるという効果も望める。
このように本発明の構成によれば、消費電力の低減を図りながら、良好な画像表示性能を得るために必要な輝度も合わせて獲得することが可能である。
さらに、放電開始ギャップとアドレス電極との位置関係を調節することによって、本発明では、放電空間を挟んだアドレス電極と表示電極における、放電開始位置との交差にかかる面積(有効放電面積)をある程度確保している。このためアドレス放電の発生が容易になり、書き込み不良や放電遅れを抑制することが可能となるため望ましい。
また、各放電セル領域内において、各対向部は、アドレス電極を線対称として配置することもできる。
また各表示電極において、前記対向部が行方向にわたり複数配されており、同極性で隣接する対向部同士の間隙を、アドレス電極の幅よりも狭く設定されていることもできる。
このような構成によれば、放電開始位置を放電セルの中心よりも蛍光体層が塗布された隔壁に近接させることができる。したがって、放電により発生した紫外線が有効に蛍光体層に到達し、発光効率の向上が図れるようになる。
あるいは各表示電極において、前記対向部が列方向にわたり複数配されており、前記放電開始ギャップの幅を、アドレス電極の幅よりも狭く設定することもできる。
ここで、列方向で隣接する放電セル間には、行方向に延伸された補助隔壁をすることもできる。
このような補助隔壁を利用すれば、当該補助隔壁による障壁効果を利用して、放電セル内での列方向への放電(荷電粒子)の進展を規制することができる。これにより、一の放電セルで発生した荷電粒子が列方向への隣接セルに不用意に流れ込むのが抑制され、クロストーク等の誤放電の発生が効果的に防止される。
ここで本発明では、一対の表示電極の間において、互いに入り組むように列方向に配設した対向部同士の間で放電させた場合、その主な放電方向は従来構成の表示電極と異なり、行方向となる。このような構成では、荷電粒子が比較的列方向に隣接する放電セルに流れ込みにくいが、それでも補助隔壁を設けることによって、さらなるクロストーク防止や放電遅れ防止の効果を高めることが出来るので望ましい。
また、前記各表示電極が配された第一基板の表面には、前記各表示電極を被覆するように誘電体層が設けられており、各放電セル領域において、誘電体層には、前記放電開始ギャップの位置に対応して薄層領域が設けられている構成とすることもできる。
さらに、各放電セル領域において、誘電体層には同極性で隣接する対向部同士の位置に対応して厚層領域が設けられている構成とすることもできる。
このように薄層領域、厚層領域を設けることで、放電セル内により確実に複数の電界強度のピークを形成することが可能となるので望ましい。
このように本発明のPDPによれば、良好な消費電力での駆動を行い、且つ、発光効率の向上と上記クロストークの防止効果、および不要な放電の発生を防止できる効果により、優れた画像表示性能が実現できる。
また、本発明のPDPによれば、表示電極を金属材料のみで形成しているため、従来の透明電極と金属電極を併用する構造に比べ、材料及び製造工程の削減が図れる。したがって、これに基づいて大幅なコスト削減の実現が期待できる。
以下、本発明における各実施の形態およびバリエーションのPDPについて図面を参照しながら順次説明する。
なお、本発明PDPの主な特徴は以下の図1−図6に示す放電セル周辺の構成にあり、それ以外は前記図9の従来構成のPDP1とほぼ同等であるので重複説明を省く。
実施の形態1
本実施の形態1は、無効電力を低減し、且つ、放電開始電圧を低下させることが可能なPDPに関するものである。
図1は、本実施の形態1の放電セル周辺の構成を示す平面図である。
図1において、一対の表示電極4、5は、x方向に延伸されたAg材料からなる帯状基部401、501と、同じくAg材料からなり、一対の表示電極4、5間で互いに対称的に配置された対向部400a、400b、500a、500bとで構成される。
さらに対向部400a、400b、500a、500bのそれぞれは、短冊状の複数(ここでは放電セル8内に合計4個)の主放電部403a、403b、503a、503bと前記主放電部403a、403b、503a、503bとを接続する接続部402a、402b、502a、502bとが、全体として略L字型の鉤状に接続されてなる。ここで主放電部は403a、403b、503a、503b、行方向に複数(ここでは2箇所)の放電開始ギャップGfを形成するように2対ずつ対向配置されている。
主放電部403a、403b、503a、503bでは、その角を削り取ってなるベベル部rが形成されている。主放電部403a、403b、503a、503bの角が鋭利になっていると、場合によって駆動時に主放電部403a、403b、503a、503bの角に電荷が集中しすぎ、誤放電が生じることがあるので、これを防止するべく電荷をある程度拡散させるために設けたものである。
また、前記ベベル部rを設ける代わりに、主放電部403a、403b、503a、503bの角を削って曲線状に加工するという手段も可能である。
対向部400a、400b、500a、500bは、同極性で隣接する主放電部403a、403b(503a、503b)において互いにギャップGGを形成するように離間されている。アドレス電極は、ここではy方向に延伸された2本の分岐部11a、11bから構成し、一対の主放電部403a、403b、503a、503bと間における各放電開始ギャップGfが放電空間38を挟んで分岐部11a、11bの真上に重なるように位置されている。
サイズ例としては、表示電極4、5の全体をなすAg材料(Ag膜)の膜厚が1μm−3μm程度、帯状基部401、501のy方向幅を電気抵抗低減のため60μm−100μm、主放電部403a、403b、503a、503bのy方向幅を20μm−100μm程度、接続部402a、402b、502a、502bのx方向幅をセル開口率確保のため20μm−40μm程度とすることができるが、もちろん本発明の効果はこの値に限定されるものではない。しかしながら、表示電極4、5の各部分にある程度の幅が無いとアドレス放電が不安定になり、また放電セル8内で壁電荷を十分に蓄積できなくなる。反対に、表示電極4、5の各部分の幅を広くすると、これに比例してセル開口率が低くなるので注意が必要である。
さらに、フロントパネルFPの誘電体層6には、ギャップGGに対応する位置の膜厚を比較的厚く(全体表面から略10μm−40μm突出させて)形成してなる厚層領域Bを設けるとともに、各放電開始ギャップGfに対応する位置の膜厚を比較的薄く(全体表面から略5μm陥没した凹部として)形成してなる薄層領域Aが配されている。
薄層領域Aおよび厚層領域Bは、ともに感光性誘電体シートを用いたフォトリソグラフィー法や、印刷法などにより形成することができる。
なお、放電開始電圧を低減する目的で、表示電極にかかる誘電体層に凹部を形成することは従来から検討されているが、従来構成で放電開始電圧を効果的に低減するためには、誘電体層の膜厚差(陥没深さ)として15μmから20μm程度の深さが必要である。しかしながら、このような深い段差は放電開始電圧の低減は図れるものの、発生した放電が凹部領域に閉じこめられ、それ以上拡大しにくい課題もある。これに対し本発明では、放電セル内での電位分布の変調を行い、複数の電界ピークを発生させることが目的であって、従来のように放電開始電圧を直接的に低減する必要はないため、誘電体層に深い凹部の段差を設ける必要はない。具体的には上記の通り5μm程度、もしくはこれ以下の浅い凹部であっても本発明の効果は達成され、放電が凹部に閉じこめられるような問題は発生しない。
さらに従来の構成では、表示電極中の透明電極に対して誘電体層の薄層領域の相対的な位置がずれると、薄層領域中に対応する透明電極の面積が変化する。これにより、薄層領域と透明電極の相互作用が不規則になり、放電セルごとに放電電圧がばらつき易くなって、パネル全体での輝度が不均一になる。
現在、一般的に誘電体層の形成にはスクリーン印刷法が用いられているが、この方法で上記ばらつきを問題ないレベルまでなくすことは困難である。また、誘電体層の形成に精度の高いフォトリソグラフィー法を用いることは、コストが大幅に増加するという課題がある。これに対して、本発明の構成においては、表示電極が金属材料で構成されているため、表示電極の主放電部を含む領域に誘電体層の凹部を形成すれば、薄層領域中に対応する表示電極の面積を概ね変化しないものとすることができる。
誘電体層6の材料としては、SiOなどの低融点ガラスよりも誘電率が低く、且つ、耐圧の高い材料を用いることが望ましい。
ここで図1に示す例では、隔壁30を列部分301、行部分(補助隔壁)302から構成される井桁状の隔壁としたが、これはクロストークの防止を図るためであって、従来と同様のストライプ状の隔壁としてもよい。
本実施の形態1においては、表示電極4、5をAg材料で構成しているが、複合材料のCr/Cu/Cr膜、Al−Nd膜、或いは単体のCu、Al、Cr、Ti等、他の金属材料で形成することも可能である。
なお、ここには図示しないが、隔壁30の列部分301に沿って色再現性を高めるためのブラックマトリクスBM(「ブラックストライプ」とも称す)を設けてもよい。
以上の構成を持つ本実施の形態1のPDP1によれば、各放電開始ギャップGfが分岐部11a、11bの真上に配置されていることから、放電開始位置が分岐部11a、11bと近づいている。このため駆動時において、アドレス放電の発生が容易になり、書き込み不良や放電遅れの問題も抑制する効果が奏される。すなわち、従来技術(例えば特開2001−243883号公報)のように、表示電極4、5の面積を削減した構成では、放電空間38を挟んでアドレス電極と表示電極(特にスキャン電極4)との交差面積が極端に低下し易く(つまり有効放電面積が低下し易く)、アドレス放電が不安定になるが、本実施の形態1では上記の工夫により前記交差にかかる面積(有効放電面積)をある程度確保しているので、このようなアドレス放電の不具合が解消されるようになっている。
さらに、放電セル8内において主放電部403a、403b、503a、503bが、比較的狭い放電開始ギャップGfを隔てて2対配置されていることから、駆動時にはこの2つの放電開始ギャップGf付近のそれぞれにおいて複数の電界強度ピークが形成され、結果的に放電セル8内で複数箇所(ここでは行方向に2カ所)の放電発生が列方向に沿ってなされる。このため、従来に比べて放電発生時点での放電規模が大きく、これに続いて良好な輝度及び規模の放電を確保することが可能となり、優れた画像表示性能が発揮される。
また、本実施の形態1では、各放電開始ギャップGf付近において電界を集中させることで、部分的に強い電界が形成され、比較的容易に放電発生できるため、駆動にかかる放電開始電圧の低減効果も期待できるようになっている。
さらに本実施の形態1では、厚層領域Bにおいて誘電体層6の厚みを確保することで部分的に表示電極4、5との間で形成される容量が小さく抑えられ、壁電荷の蓄積量が抑えられる。これにより放電セル8領域内では、壁電荷の蓄積量の少ない厚層領域Bを挟み、その両側の2箇所(すなわち各放電開始ギャップGf)に電界強度ピークが振り分けられる効果(電界変調効果)が奏される。誘電体層6の薄層領域Aでは、厚層領域Bとは反対に壁電荷の蓄積量が豊富であり、放電発生が容易である。このため、薄層領域Aに相当する領域では、比較的低い放電開始電圧においても放電を行うことが可能になっている。このため、より確実に放電開始ギャップGfにおいて放電開始がなされることとなる。
なお、上記薄層領域Aと厚層領域Bは必須構成ではなく、このうちのいずれかのみを設けてもよいし、いずれも設けなくてもよい。しかしながら、放電開始電圧の低減と複数の放電開始位置を確実に得るためには、やはりこれら両方を設けることが望ましい。
さらに本実施の形態1では、放電開始ギャップGfを形成する主放電部403a、403b、503a、503bがギャップGGだけ離れて配置されていることから、透明電極400、500を持つ従来構成(図9参照)に比べ、一対の表示電極4、5間の容量が小さく抑えられている。このため維持放電期間に非点灯を選択された放電セル8において、前記表示電極4、5間の容量に応じて消費される、放電に寄与しない充電電力、いわゆる無効電力の発生を抑制する効果が奏される。
また、ギャップGGを挟んで主放電部403a、403b、503a、503bが隔壁30付近に設けられているので、これらの主放電部403a、403b、503a、503bで発生する放電を円弧状断面形状を持つ蛍光体層9R、9G、9B(図9を参照)に近接させることができる。したがって、放電にかかる紫外線が有効に蛍光体層9R、9G、9Bに到達し、発光効率の向上が図れるようになる。
また、図1の構成では、y方向における隣接セル間に隔壁30の行部分302を設けていることから、一の放電セル8で発生した放電が隣接セルにまで拡大するのが防止され、クロストークなどの誤放電が効果的に抑制される。
<バリエーション1、2、3>
実施の形態1では図1に示したように、対向部400a、400b、500a、500bの構成をL字型を利用した鉤型としたが、本発明ではこの形状に限定するものではなく、主放電部403a、403b、503a、503bと接続部402a、402b、502a、502b、及び帯状基部401、501との接続方法を調節することで、このほかにもT字型(主放電部の中央領域付近の側部に接続部を設ける)、Z字型(主放電部と帯状基部を傾斜した接続部で接続する)等とすることもできる。
図2は、実施の形態1のバリエーション(バリエーション1)である図1の構成との違いは、対向部の構成及び厚層領域Bを設けていない点のみである。
当図2に示す対向部400a、400bは、各主放電部403a、403b、503a、503bの両端をそれぞれ2本の接続部402a、402b、502a、502b、404a、404b、504a、504bで接続した三角枠体として構成している。
このような構成を持つバリエーション1によれば、実施の形態1とほぼ同様の効果が奏されるほか、接続部404a、404b、504a、504bが増えたことで表示電極4、5の通電性が改善され、より効率よく放電を行うことが可能となっている。また、各主放電部403a、403b、503a、503bを複数の接続部402a、402、502a、502b、404a、404b、504a、504bで接続しているため、このうち1つの接続部において断線部分が生じても、他の接続部によって主放電部と帯状基部との電気的接続が維持されている。従って、当該断線部分を有する主放電部のいずれかが放電セル内で電気的に孤立し、機能しなくなる危険(パターン不良による断線等の不具合)の発生を回避することができる。このため表示電極4、5において、たとえばセル開口率を上げるために接続部を細線で構成し、その際にこのいずれかが断線を生じたとしても、PDPを正常に機能させることができる率が高まり、製造時の歩留まりを向上させることができる。
なお図2の構成では、厚層領域Bは設けられていないが、放電開始ギャップGfの真下に分岐部11a、11bが重なっているので、放電セル8内に十分に放電開始位置を複数確保することが可能となっている。
なお、接続部404a、404b、504a、504bを金属細線から構成することで、セル開口率もそれほど低下しないようになっている。
本発明では、表示電極4、5の面積をセル開口率に留意しながら増大させることで、より輝度向上と通電性の向上を図ることができる。次に示す図3は、この点において図1の構成を変化させたものである。
図3に示すバリエーション2では、図1の構成と異なる点として、各主放電部403a、403b、503a、503bと帯状基部401、501との間に、帯状基部401、501と平行に第二帯状基部406、506を設け、且つ、接続部407a、407b、507a、507bを設けた点にある。さらにこの構成例では、厚層領域Bを設けず、帯状アドレス電極11において、前記対向部500a、500bのギャップGGに対応する位置に幅広部11cを形成している。当該幅広部11cは、放電開始ギャップGfにも一部重なるように配置されている。
以上の構成を持つバリエーション2においても、実施の形態1およびバリエーション1とほぼ同様の効果が奏されるほか、第二帯状基部406、506及び、接続部407a、407b、507a、507bを増設した分、電極面積が増えることでさらなる表示電極4、5の通電性の向上が図られ、消費電力の低減を期待できるようになっている。また、幅広部11cを設けたことから、これによってアドレス放電の良好な確実性も奏されることとなる。
なお、電極面積をそれほど増大させなくても、以下の手段により、一定の放電規模を確保することも可能である。図4は、その他のバリエーション(バリエーション3)の構成を示す図である。
当図に示す表示電極4、5は、帯状基部401、501に対し、隔壁30上に沿って延伸された接続部402a、402b、502a、502bと、これらにそれぞれ接続された主放電部403a、403b、503a、503bとを備える。そして、同極性で隣接する主放電部403a、403b或いは503a、503bが、それぞれ凹状接続部408、508で接続された構成を持っている。そして、当該凹状接続部408、508が、帯状アドレス電極11と重なり、且つ、主放電部403a、403b或いは503a、503bの間に存在する各放電開始ギャップGfも一部アドレス電極11と重なるようにそれぞれ配置されている。さらに、各放電開始ギャップGfに対応する位置に薄層領域Aが配設されている。
以上の構成を持つバリエーション3によれば、実施の形態1およびバリエーション1、2とほぼ同様の効果が奏されるほか、放電セル8内でセル開口率に影響する電極面積が比較的小さいので、その分良好なセル開口率となり、すぐれた輝度のもとに画像表示性能を確保することができる。また、凹状接続部408、508を配したことで、主放電部403a、403b、503a、503b間の通電性が確保され、その分、放電開始当初から良好な放電規模がなされるようになっている。
なお、図2、3、4に示した各バリエーション1−3の構成では、各主放電部403a、403b、503a、503bをそれぞれ複数の接続部で接続しているため、万一、いずれかの接続部で断線が発生しても、主放電部への電力供給が可能である。したがって、PDP製造時の歩留まりを改善し、コスト削減を図れるという大きな効果も有している。
実施の形態2
次に示す図5は、実施の形態2におけるPDP1の放電セル8周辺の構成を示す図である。
実施の形態2のPDP1の構成は、表示電極4、5をAg材料で構成し、且つ放電開始ギャップGfに合わせて薄層領域Aを設ける点等では実施の形態1と同様であるが、以下の特徴を持つ。
図5に示すように、表示電極4、5には、帯状基部401、501から隔壁30に帯状の延伸部412a、512aが配され、当該各延伸部412a、512aは、それぞれ一対の表示電極4、5の間隙で互いに入り組むように配されており、且つ放電セル8内において、延伸部412a、512aにL字状鉤型の対向部416a、416b、516a、516bがギャップGGをおいて配設されている。対向部416a、416b、516a、516bは、実施の形態1と同様に接続部402a、502a、主放電部403a、503aで構成される。
これにより本実施の形態2では、対向する対向部416aと516b、対向部516aと416bとの間で対向する各主放電部403a、503aにおいて、それぞれ放電開始ギャップGfが存在する。放電開始ギャップGfの位置は、放電空間38を挟んでアドレス電極11の真上とし、且つ、当該アドレス電極11の幅よりギャップGfが小さくなるように設定されている。
このように実施の形態2では放電セル8内において、列方向に2カ所、放電方向としては行方向に配された2つの放電開始ギャップGfが存在する構成となっている。
なお、全体的な表示電極4、5の形状パターンは、ここでは隔壁30を線対称としてx方向で隣接する放電セル8において対称的に形成されている。
さらに本実施の形態2では、放電開始ギャップGfに対応する位置(放電セル8内で2箇所)に、実施の形態2で述べた誘電体層6の薄層領域Aが形成されている。
以上の構成の表示電極4、5を持つ実施の形態2のPDP1によっても、実施の形態1と同様の効果が奏されるほか、以下の別な効果も期待できる。
すなわち、本実施の形態2のように、列方向に2カ所の放電開始ギャップGfを設ける構成においては、主放電部403a、503aの長さ(y方向長)をある程度延長でき、その分、放電開始ギャップGfが形成される領域を広げ、放電開始時点からの放電規模を大きくできる等の設計上の余裕を備える特徴がある。一般に、放電セル8はy方向を長手とする形状となっているため、本実施の形態2ではこのように主放電部403a、503aの長さを延長することが容易である。
さらに駆動時の効果としては、アドレス期間において、各電極4、5、11に外部より給電がなされると、まず任意の放電セル8において、アドレス電極11と表示電極(スキャン電極)4との間にアドレス放電が発生する。続いて放電維持期間の初期において表示電極4、5に電圧印加されると、前記任意の放電セル8における表示電極4、5の間隙で最短距離である対向部416aと516b、対向部516aと416bの放電開始ギャップGfにおいて電界強度のピークが形成され、この部分で放電(行方向への放電)が発生する。その後、表示電極4、5では、放電セル8内で2箇所の放電開始ギャップGfが存在することからxy方向に迅速に放電が拡大し、対向部416aと516b、対向部516aと416bの全体にわたり良好な規模の放電が形成される。
なお、対向部416aと516b、対向部516aと416bにおいて表示電極4、5の間隙が最短間隙となるようにすることは、望ましくない部分での短絡放電を防止する上で望ましい。例えば、対向部516bと基部401との距離が最短となっている場合には、これらの間で望ましくない短絡放電が発生してしまう可能性が高いので、このような場合に上記対策が必要である。
また、表示電極4、5における対向部416aと516b、対向部516aと416bがギャップGGを隔てて配置されていることにより、表示電極4、5間の容量が低減され、効果的に無効電力が削減される。
さらに、前述のように対向部416aと516b、対向部516aと416bと異極性の基部401、501との間を適当に確保することは、短絡放電を防止するとともに無効電力を低減する意味でも望ましい。
さらに前記放電発生時には、放電セル8内に放電開始ギャップGfに対応する保護層6の薄層領域Aのそれぞれにおいて電界強度のピークが形成されるので、当該ピーク位置に応じて効果的に維持放電が発生・拡大され、大幅な輝度向上が期待できる。
なお、本実施の形態1及び2のように、薄層領域Aを放電セル8内において複数箇所設けると、これに応じて放電セル8内に複数の電界強度のピークが形成され、各ピーク位置に対応して放電が発生する。従って、面積の大きい薄層領域Aを一カ所設ける構成に比べて放電規模が良好に拡大することが発明者らの実験により明らかにされている。このため薄層領域Aはセル内において2箇所以上設けるようにしてもよい。
なお、実施の形態2では、対向部416a、416b、516a、516bと薄層領域Aを組み合わせる構成例を示したが、誘電体層の薄層領域Aは必ずしも設けなくてもよい。
また、延伸部の備える対向部の数は図4の構成に限定するものではなく、適宜変更してもよい。
さらに、主放電部403a、503aをあまり列方向に長くしすぎると、対向する表示電極との間で望ましくない短絡放電が生じるので、この点で注意する必要がある。
また、図5には図示していないが、y方向(列方向)で隣接する放電セル8間に、実施の形態1と同様の補助隔壁(行部分302)を設けてもよい。本実施の形態2では、放電セル8内で一対の表示電極4、5の間隙において互いに入り組むように延伸部412a、512aが配されていることから、対向部416a、416b、516a、516bにおける放電方向が行方向となっている。このような構成では、その性質上、駆動時の荷電粒子が比較的列方向に隣接する放電セル8に流れ込みにくい。したがって、これに補助隔壁(行部分302)を設けることによって、さらなるクロストーク防止や放電遅れ防止の効果を高めることが出来るので望ましい。
<バリエーション4>
実施の形態2の構成では、放電開始ギャップGfがアドレス電極11と重なっているため、特にアドレス放電の確実性(放電確率の向上および放電遅れの抑制)が高い。この効果は、放電空間38を介して当該放電開始ギャップGfに重なるアドレス電極11の面積を増大させ、見かけ上の両者の交差領域を拡大することで、さらに良好に得られる。
図6は、放電開始ギャップGfに対応するアドレス電極11の領域に、矩形状の幅広部11dを設けた構成(バリエーション4)を示す。当図4の構成ではさらに、各主放電部403a、503aと接続する接続部411a、411b、511a、511bを増設し、断線時の通電性確保および歩留まり改善を図っている。
このような構成によっても、実施の形態2とほぼ同様の効果が奏され、且つ上記アドレス放電の確実と表示電極4、5断線時の画像表示性能確保、および歩留まり改善によるコスト削減等の効果が奏されるようになっている。
<その他の事項>
上記実施の形態1、2及びそのバリエーション1−4では、一対の表示電極が列方向に同じ配列で配設される構成(いわゆるABAB配列)を示したが、本発明はこれに限定するものではなく、スキャン電極、サステイン電極の配列が隣接する表示電極対ごとに入れ替わる構成(いわゆるABBA配列)であってもよい。
本発明にかかるPDPは、軽量の大型テレビ等として有用である。また業務用表示装置等の用途にも応用できる。
[図1]実施の形態1のPDPにおける放電セル周辺の構成図である。
[図2]実施の形態1のバリエーションのPDPにおける放電セル周辺の構成図である。
[図3]実施の形態1のバリエーションのPDPにおける放電セル周辺の構成図である。
[図4]実施の形態1のバリエーションのPDPにおける放電セル周辺の構成図である。
[図5]実施の形態2のPDPにおける放電セル周辺の構成図である。
[図6]実施の形態2のバリエーションのPDPにおける放電セル周辺の構成図である。
[図7]従来のPDPにおける放電セル周辺の構成図である。
[図8]従来のPDPにおける放電セル周辺の構成図である。
[図9]一般的なPDPの構成を示す部分斜視図である。
本発明は情報表示装置や平面型テレビジョン装置として用いられるプラズマディスプレイパネルに関する。
ガス放電パネルの一種であるプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と呼ぶ)は、ガス放電で発生した紫外線によって蛍光体を励起発光させ、画像表示する自発光型FPD(フラットディスプレイパネル)である。PDPは駆動電力の種類で交流(AC)型と直流(DC)型に分類される。AC型は、輝度、発光効率、寿命等の特性でDC型より優れている特徴を持つ。AC型の中でも特に反射型面放電タイプは、輝度および発光効率の点で際だち、コンピュータ用ディスプレイや大型テレビモニタ、業務用表示装置等として広く用いられている。
図9は、一般的なAC型PDPの主要構成を示す部分的な断面斜視図である。図中、z方向がPDPの厚み方向、xy平面がPDPのパネル面に平行な平面に相当する。当図に示すように、本PDP1は互いに主面を対向させて配設されたフロントパネルFPおよびバックパネルBPを主として構成される。
フロントパネルFPの基板となるフロントパネルガラス2には、その片側の主面に一対をなす2つの表示電極4、5(スキャン電極4、サステイン電極5)がx方向に沿って複数対にわたり構成され、各対の表示電極4、5間を主放電ギャップとして面放電(維持放電)を行うようになっている。当図9に示す表示電極4、5は、幅広帯状のITO材料からなる透明電極400、500と、各透明電極400、500に積層された金属材料からなる帯状基部401、501とで構成されている。
各スキャン電極4にはそれぞれ電気的に独立して給電される。また各サステイン電極5には電気的に同電位に接続され給電される。
上記表示電極4、5を配設したフロントパネルガラス2の主面には、表示電極4、5を覆うように絶縁性材料からなる誘電体層6と酸化マグネシウムからなる保護層7が順次コートされている。
バックパネルBPの基板となるバックパネルガラス3には、その片側主面に複数のアドレス(データ)電極11がy方向を長手方向としてストライプ状に並設される。このアドレス電極11は一例としてAgとガラスの混合材料を焼成してなる。
アドレス電極11を配設したバックパネルガラス3の主面には、アドレス電極11を覆うように、絶縁性材料からなる誘電体層10がコートされる。誘電体層10上には、隣接する2つのアドレス電極11の間隙に合わせて、y方向に沿って隔壁30が配設される。そして、隣接する2つの隔壁30の各側壁とその間の誘電体層10の面上には、円弧状断面形状を持つ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の何れかの色に対応する蛍光体層9R、9G、9Bが形成される。
以上の一対のフロントパネルFPとバックパネルBPは、アドレス電極11と表示電極4、5の互いの長手方向が直交するように対向配置される。
フロントパネルFPとバックパネルBPは、フリットガラス等の封止部材により、それぞれの周縁部にて封止され、両パネルFP、BPの対向主面内部が密閉されている。封止されたフロントパネルFPとバックパネルBPの内部には、一例としてNe-Xe系(Xeが5%〜30%の割合で含まれる)の放電ガスが所定の圧力(例えば通常40kPa〜66.5kPa程度)で封入される。
フロントパネルFPとバックパネルBPの間において、誘電体層6と蛍光体層9R、9G、9B、および隣接する2つの隔壁30で仕切られた各空間が放電空間38となる。また隣接する一対の表示電極4、5と、1本のアドレス電極11が放電空間38を挟んで交叉する領域が、画像表示にかかる放電セル8(図1を参照)に対応する。
そして、PDP駆動時には指定された放電セル8において、アドレス電極11と表示電極4、5の一方の間でアドレス放電が開始され、一対の表示電極4、5同士での維持放電により短波長紫外線(Xe共鳴線、波長約147nm)が発生し、当該紫外線を受けた蛍光体層9R、9G、9Bが可視光発光することで画像表示をなす。画像表示方式としては一般にはフィールド階調表示方式が採用され、放電回数の異なる複数の期間(サブフィールド)を階調に応じて選択することで、1枚の画像が階調表示される。
このようなPDPは、薄型で動画の表示品質に優れたディスプレイであるが、同様の薄型ディスプレイである液晶ディスプレイなどと比較すると、消費電力や発光時のピーク電流が大きい性質があり、これらの抑制が課題となっている。
また、構造的には、y方向で隣接する放電セル8間には明確な仕切がないため、駆動時に指定された所定の放電セルが放電発光する際に、隣接セルにも荷電粒子等が流出し、いわゆるクロストーク等の誤放電を発生してしまうことがある。この誤放電は解像度の低下を招き、画質を劣化させてしまうので、これについても解決が望まれている。
消費電力の低減を図るためにピーク電流を低下させる方法としては、例えば特開平8−315735号公報(当該公報の第4頁及び図1を参照)に、表示電極をその長手方向に沿って複数に分割することにより、ピーク電流を複数に分割する方法が提案されている。また、消費電力低減を図る別の対策として、特開2002−134030号公報には、透明電極を用いないことで材料、工程に掛かるコストの削減を図り、且つ複数の金属細線401、417、418、501、517、518からなる表示電極4、5を用いることで電気抵抗を低減させることを意図した構成(図7を参照)が提案されている。
また、PDPの誤放電を防止する方法としては、例えば特開2000−133149号公報(当該第4頁及び図7を参照)において、放電セル内の表示電極に2対の電極切片を形成することで、放電セルの中心に電界集中領域を設ける方法が提案されている。或いは特開2001−243883号公報には、表示電極の面積を削減し、帯状の電極基部401、501に突出部419a、419b、519a、519bを設けて当該突出部同士で電界集中させて放電させ、外側突出部420a、420b、520a、520bまで放電拡大させることを狙った構成(図8を参照)が記載されている。
特開平8−315735号公報 特開2002−134030号公報 特開2000−133149号公報 特開2001−243883号公報
しかしながら、特開平8−315735号公報のように表示電極を長手方向に分割する方法は、放電の電流ピークが分割される代わりに放電開始電圧が上昇してしまうという課題がある。放電開始電圧の上昇は、消費電力が増加することに加え、表示電極に電圧を印加する駆動用ドライバーICの耐圧を上げる必要があるため、その分材料コストも増加するので望ましくない。また、特開2002−134030号公報の構成では、通電性を向上させるために金属細線を太くする(電極面積を大きくなる)とセル開口率が低下し、十分な輝度が得られにくい。
また、特開2000−133149号公報に記載の方法では誤放電は防止されるが、放電時のピーク電流が大きくなるほか、放電セルの中心で電界集中させるために放電強度が放電セル中心部分で強く、放電セル全体の放電空間を有効に活用することが困難である。また、電極切片の間隔が近いため、無効電力が比較的大きいわりに輝度が低下しやすいという課題もある。
さらに、特開2001−243883号公報の方法では、放電空間を介した表示電極とアドレス電極との交差領域が小さくなり、アドレス放電の書き込み不良や放電遅れといった画像表示性能の低下問題を生じるおそれがある。
このため、上記いずれの従来方法を採用しても、課題を十分に解決することは難しい。また、これらの方法では表示電極の面積を一般的なものよりも低減させているが、この構成により輝度が低下するという別の問題が生じるおそれもある。

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、第一の目的として、材料、工程の削減及び歩留まりの向上により各種のコスト削減を図りつつ、良好な画像表示性能を発揮することが可能なPDPを提供する。
また第二の目的として、駆動時の無効電力の低減を図ることで消費電力を低減し、優れた発光効率を持つPDPを提供する。
また第三の目的として、アドレス放電の放電遅れや、クロストークなどの誤放電の発生の少ないPDPを提供する。
上記課題を解決するために、本発明は、片面に行方向に延伸された表示電極が複数対ずつ並設された第一基板と、片面に列方向に複数のアドレス電極がストライプ状に並設された第二基板とを有し、前記表示電極と前記アドレス電極が放電空間を挟んで交差するように第一および第二基板が対向配置され、当該交差部分に対応して放電セルが形成された構成のプラズマディスプレイパネルであって、一対の表示電極は金属材料からなり、各表示電極は、行方向に延伸された基部と、当該基部から一対の表示電極の放電間隙に臨んで形成された複数の対向部とを備え、放電セル内において、一対の表示電極の各対向部間に複数の放電開始ギャップが形成され、当該間隙の2つ以上がそれぞれ放電空間を挟んでアドレス電極と重なっている構成とした。
ここで前記対向部は、前記基部から列方向に延伸された接続部と、前記接続部から前記接続部の列方向幅より長く行方向に延伸された主放電部とで構成されており、一対の表示電極の各主放電部同士の間において、前記放電開始ギャップがそれぞれ形成される構成とすることもできる。
また、各表示電極の前記対向部は、一対の表示電極間において、互いに対称的な位置に形成することもできる。
以上の構成を持つ本発明によれば、駆動時に一対の表示電極に電圧が印加されると、前記複数の対向部(具体的には主放電部)においてそれぞれ電界強度のピークが形成され、この各部分で放電が発生する。この各ピーク位置では電界が集中しているので、比較的放電開始電圧が低くても良好に放電を開始することが可能となっている。
その後、この電界強度のピークの位置に対応して複数の放電が発生・拡大し、放電セル全体にわたり良好な規模の放電が形成される。このとき、本発明では表示電極が金属材料で構成されているため、透明電極を用いた場合に比べて電気抵抗が低減されており、駆動電圧の損失を低減することで実効電圧を高められるので、駆動に掛かる消費電力の低減を実現することができる。さらに、表示電極が上記のように金属材料から構成されているので電気抵抗が低いため、駆動時に表示電極上に壁電荷を形成するための時間(充電時間)を短くでき、良好に高速駆動を行えるという効果も望める。
このように本発明の構成によれば、消費電力の低減を図りながら、良好な画像表示性能を得るために必要な輝度も合わせて獲得することが可能である。
さらに、放電開始ギャップとアドレス電極との位置関係を調節することによって、本発明では、放電空間を挟んだアドレス電極と表示電極における、放電開始位置との交差にかかる面積(有効放電面積)をある程度確保している。このためアドレス放電の発生が容易になり、書き込み不良や放電遅れを抑制することが可能となるため望ましい。
また、各放電セル領域内において、各対向部は、アドレス電極を線対称として配置することもできる。
また各表示電極において、前記対向部が行方向にわたり複数配されており、同極性で隣接する対向部同士の間隙を、アドレス電極の幅よりも狭く設定されていることもできる。
このような構成によれば、放電開始位置を放電セルの中心よりも蛍光体層が塗布された隔壁に近接させることができる。したがって、放電により発生した紫外線が有効に蛍光体層に到達し、発光効率の向上が図れるようになる。
あるいは各表示電極において、前記対向部が列方向にわたり複数配されており、前記放電開始ギャップの幅を、アドレス電極の幅よりも狭く設定することもできる。
ここで、列方向で隣接する放電セル間には、行方向に延伸された補助隔壁をすることもできる。
このような補助隔壁を利用すれば、当該補助隔壁による障壁効果を利用して、放電セル内での列方向への放電(荷電粒子)の進展を規制することができる。これにより、一の放電セルで発生した荷電粒子が列方向への隣接セルに不用意に流れ込むのが抑制され、クロストーク等の誤放電の発生が効果的に防止される。
ここで本発明では、一対の表示電極の間において、互いに入り組むように列方向に配設した対向部同士の間で放電させた場合、その主な放電方向は従来構成の表示電極と異なり、行方向となる。このような構成では、荷電粒子が比較的列方向に隣接する放電セルに流れ込みにくいが、それでも補助隔壁を設けることによって、さらなるクロストーク防止や放電遅れ防止の効果を高めることが出来るので望ましい。
また、前記各表示電極が配された第一基板の表面には、前記各表示電極を被覆するように誘電体層が設けられており、各放電セル領域において、誘電体層には、前記放電開始ギャップの位置に対応して薄層領域が設けられている構成とすることもできる。
さらに、各放電セル領域において、誘電体層には同極性で隣接する対向部同士の位置に対応して厚層領域が設けられている構成とすることもできる。
このように薄層領域、厚層領域を設けることで、放電セル内により確実に複数の電界強度のピークを形成することが可能となるので望ましい。
このように本発明のPDPによれば、良好な消費電力での駆動を行い、且つ、発光効率の向上と上記クロストークの防止効果、および不要な放電の発生を防止できる効果により、優れた画像表示性能が実現できる。
また、本発明のPDPによれば、表示電極を金属材料のみで形成しているため、従来の透明電極と金属電極を併用する構造に比べ、材料及び製造工程の削減が図れる。したがって、これに基づいて大幅なコスト削減の実現が期待できる。
以下、本発明における各実施の形態およびバリエーションのPDPについて図面を参照しながら順次説明する。
なお、本発明PDPの主な特徴は以下の図1−図6に示す放電セル周辺の構成にあり、それ以外は前記図9の従来構成のPDP1とほぼ同等であるので重複説明を省く。
(実施の形態1)
本実施の形態1は、無効電力を低減し、且つ、放電開始電圧を低下させることが可能なPDPに関するものである。
図1は、本実施の形態1の放電セル周辺の構成を示す平面図である。
図1において、一対の表示電極4、5は、x方向に延伸されたAg材料からなる帯状基部401、501と、同じくAg材料からなり、一対の表示電極4、5間で互いに対称的に配置された対向部400a、400b、500a、500bとで構成される。
さらに対向部400a、400b、500a、500bのそれぞれは、短冊状の複数(ここでは放電セル8内に合計4個)の主放電部403a、403b、503a、503bと前記主放電部403a、403b、503a、503bとを接続する接続部402a、402b、502a、502bとが、全体として略L字型の鉤状に接続されてなる。ここで主放電部は403a、403b、503a、503b、行方向に複数(ここでは2箇所)の放電開始ギャップGfを形成するように2対ずつ対向配置されている。
主放電部403a、403b、503a、503bでは、その角を削り取ってなるベベル部rが形成されている。主放電部403a、403b、503a、503bの角が鋭利になっていると、場合によって駆動時に主放電部403a、403b、503a、503bの角に電荷が集中しすぎ、誤放電が生じることがあるので、これを防止するべく電荷をある程度拡散させるために設けたものである。
また、前記ベベル部rを設ける代わりに、主放電部403a、403b、503a、503bの角を削って曲線状に加工するという手段も可能である。
対向部400a、400b、500a、500bは、同極性で隣接する主放電部403a、403b(503a、503b)において互いにギャップGGを形成するように離間されている。アドレス電極は、ここではy方向に延伸された2本の分岐部11a、11bから構成し、一対の主放電部403a、403b、503a、503bと間における各放電開始ギャップGfが放電空間38を挟んで分岐部11a、11bの真上に重なるように位置されている。
サイズ例としては、表示電極4、5の全体をなすAg材料(Ag膜)の膜厚が1−3μm程度、帯状基部401、501のy方向幅を電気抵抗低減のため60μm−100μm、主放電部403a、403b、503a、503bのy方向幅を20μm−100μm程度、接続部402a、402b、502a、502bのx方向幅をセル開口率確保のため20μm−40μm程度とすることができるが、もちろん本発明の効果はこの値に限定されるものではない。しかしながら、表示電極4、5の各部分にある程度の幅が無いとアドレス放電が不安定になり、また放電セル8内で壁電荷を十分に蓄積できなくなる。反対に、表示電極4、5の各部分の幅を広くすると、これに比例してセル開口率が低くなるので注意が必要である。
さらに、フロントパネルFPの誘電体層6には、ギャップGGに対応する位置の膜厚を比較的厚く(全体表面から略10μm−40μm突出させて)形成してなる厚層領域Bを設けるとともに、各放電開始ギャップGfに対応する位置の膜厚を比較的薄く(全体表面から略5μm陥没した凹部として)形成してなる薄層領域Aが配されている。
薄層領域Aおよび厚層領域Bは、ともに感光性誘電体シートを用いたフォトリソグラフィー法や、印刷法などにより形成することができる。
なお、放電開始電圧を低減する目的で、表示電極にかかる誘電体層に凹部を形成することは従来から検討されているが、従来構成で放電開始電圧を効果的に低減するためには、誘電体層の膜厚差(陥没深さ)として15μmから20μm程度の深さが必要である。しかしながら、このような深い段差は放電開始電圧の低減は図れるものの、発生した放電が凹部領域に閉じこめられ、それ以上拡大しにくい課題もある。これに対し本発明では、放電セル内での電位分布の変調を行い、複数の電界ピークを発生させることが目的であって、従来のように放電開始電圧を直接的に低減する必要はないため、誘電体層に深い凹部の段差を設ける必要はない。具体的には上記の通り5μm程度、もしくはこれ以下の浅い凹部であっても本発明の効果は達成され、放電が凹部に閉じこめられるような問題は発生しない。
さらに従来の構成では、表示電極中の透明電極に対して誘電体層の薄層領域の相対的な位置がずれると、薄層領域中に対応する透明電極の面積が変化する。これにより、薄層領域と透明電極の相互作用が不規則になり、放電セルごとに放電電圧がばらつき易くなって、パネル全体での輝度が不均一になる。
現在、一般的に誘電体層の形成にはスクリーン印刷法が用いられているが、この方法で上記ばらつきを問題ないレベルまでなくすことは困難である。また、誘電体層の形成に精度の高いフォトリソグラフィー法を用いることは、コストが大幅に増加するという課題がある。これに対して、本発明の構成においては、表示電極が金属材料で構成されているため、表示電極の主放電部を含む領域に誘電体層の凹部を形成すれば、薄層領域中に対応する表示電極の面積を概ね変化しないものとすることができる。
誘電体層6の材料としては、SiO2などの低融点ガラスよりも誘電率が低く、且つ、耐圧の高い材料を用いることが望ましい。
ここで図1に示す例では、隔壁30を列部分301、行部分(補助隔壁)302から構成される井桁状の隔壁としたが、これはクロストークの防止を図るためであって、従来と同様のストライプ状の隔壁としてもよい。
本実施の形態1においては、表示電極4、5をAg材料で構成しているが、複合材料のCr/Cu/Cr膜、Al−Nd膜、或いは単体のCu、Al、Cr、Ti等、他の金属材料で形成することも可能である。
なお、ここには図示しないが、隔壁30の列部分301に沿って色再現性を高めるためのブラックマトリクスBM(「ブラックストライプ」とも称す)を設けてもよい。
以上の構成を持つ本実施の形態1のPDP1によれば、各放電開始ギャップGfが分岐部11a、11bの真上に配置されていることから、放電開始位置が分岐部11a、11bと近づいている。このため駆動時において、アドレス放電の発生が容易になり、書き込み不良や放電遅れの問題も抑制する効果が奏される。すなわち、従来技術(例えば特開2001−243883号公報)のように、表示電極4、5の面積を削減した構成では、放電空間38を挟んでアドレス電極と表示電極(特にスキャン電極4)との交差面積が極端に低下し易く(つまり有効放電面積が低下し易く)、アドレス放電が不安定になるが、本実施の形態1では上記の工夫により前記交差にかかる面積(有効放電面積)をある程度確保しているので、このようなアドレス放電の不具合が解消されるようになっている。
さらに、放電セル8内において主放電部403a、403b、503a、503bが、比較的狭い放電開始ギャップGfを隔てて2対配置されていることから、駆動時にはこの2つの放電開始ギャップGf付近のそれぞれにおいて複数の電界強度ピークが形成され、結果的に放電セル8内で複数箇所(ここでは行方向に2カ所)の放電発生が列方向に沿ってなされる。このため、従来に比べて放電発生時点での放電規模が大きく、これに続いて良好な輝度及び規模の放電を確保することが可能となり、優れた画像表示性能が発揮される。
また、本実施の形態1では、各放電開始ギャップGf付近において電界を集中させることで、部分的に強い電界が形成され、比較的容易に放電発生できるため、駆動にかかる放電開始電圧の低減効果も期待できるようになっている。
さらに本実施の形態1では、厚層領域Bにおいて誘電体層6の厚みを確保することで部分的に表示電極4、5との間で形成される容量が小さく抑えられ、壁電荷の蓄積量が抑えられる。これにより放電セル8領域内では、壁電荷の蓄積量の少ない厚層領域Bを挟み、その両側の2箇所(すなわち各放電開始ギャップGf)に電界強度ピークが振り分けられる効果(電界変調効果)が奏される。誘電体層6の薄層領域Aでは、厚層領域Bとは反対に壁電荷の蓄積量が豊富であり、放電発生が容易である。このため、薄層領域Aに相当する領域では、比較的低い放電開始電圧においても放電を行うことが可能になっている。このため、より確実に放電開始ギャップGfにおいて放電開始がなされることとなる。
なお、上記薄層領域Aと厚層領域Bは必須構成ではなく、このうちのいずれかのみを設けてもよいし、いずれも設けなくてもよい。しかしながら、放電開始電圧の低減と複数の放電開始位置を確実に得るためには、やはりこれら両方を設けることが望ましい。
さらに本実施の形態1では、放電開始ギャップGfを形成する主放電部403a、403b、503a、503bがギャップGGだけ離れて配置されていることから、透明電極400、500を持つ従来構成(図9参照)に比べ、一対の表示電極4、5間の容量が小さく抑えられている。このため維持放電期間に非点灯を選択された放電セル8において、前記表示電極4、5間の容量に応じて消費される、放電に寄与しない充電電力、いわゆる無効電力の発生を抑制する効果が奏される。
また、ギャップGGを挟んで主放電部403a、403b、503a、503bが隔壁30付近に設けられているので、これらの主放電部403a、403b、503a、503bで発生する放電を円弧状断面形状を持つ蛍光体層9R、9G、9B(図9を参照)に近接させることができる。したがって、放電にかかる紫外線が有効に蛍光体層9R、9G、9Bに到達し、発光効率の向上が図れるようになる。
また、図1の構成では、y方向における隣接セル間に隔壁30の行部分302を設けていることから、一の放電セル8で発生した放電が隣接セルにまで拡大するのが防止され、クロストークなどの誤放電が効果的に抑制される。
<バリエーション1、2、3>
実施の形態1では図1に示したように、対向部400a、400b、500a、500bの構成をL字型を利用した鉤型としたが、本発明ではこの形状に限定するものではなく、主放電部403a、403b、503a、503bと接続部402a、402b、502a、502b、及び帯状基部401、501との接続方法を調節することで、このほかにもT字型(主放電部の中央領域付近の側部に接続部を設ける)、Z字型(主放電部と帯状基部を傾斜した接続部で接続する)等とすることもできる。
図2は、実施の形態1のバリエーション(バリエーション1)である図1の構成との違いは、対向部の構成及び厚層領域Bを設けていない点のみである。
当図2に示す対向部400a、400bは、各主放電部403a、403b、503a、503bの両端をそれぞれ2本の接続部402a、402b、502a、502b、404a、404b、504a、504bで接続した三角枠体として構成している。
このような構成を持つバリエーション1によれば、実施の形態1とほぼ同様の効果が奏されるほか、接続部404a、404b、504a、504bが増えたことで表示電極4、5の通電性が改善され、より効率よく放電を行うことが可能となっている。また、各主放電部403a、403b、503a、503bを複数の接続部402a、402b、502a、502b、404a、404b、504a、504bで接続しているため、このうち1つの接続部において断線部分が生じても、他の接続部によって主放電部と帯状基部との電気的接続が維持されている。従って、当該断線部分を有する主放電部のいずれかが放電セル内で電気的に孤立し、機能しなくなる危険(パターン不良による断線等の不具合)の発生を回避することができる。このため表示電極4、5において、たとえばセル開口率を上げるために接続部を細線で構成し、その際にこのいずれかが断線を生じたとしても、PDPを正常に機能させることができる率が高まり、製造時の歩留まりを向上させることができる。
なお図2の構成では、厚層領域Bは設けられていないが、放電開始ギャップGfの真下に分岐部11a、11bが重なっているので、放電セル8内に十分に放電開始位置を複数確保することが可能となっている。
なお、接続部404a、404b、504a、504bを金属細線から構成することで、セル開口率もそれほど低下しないようになっている。
本発明では、表示電極4、5の面積をセル開口率に留意しながら増大させることで、より輝度向上と通電性の向上を図ることができる。次に示す図3は、この点において図1の構成を変化させたものである。
図3に示すバリエーション2では、図1の構成と異なる点として、各主放電部403a、403b、503a、503bと帯状基部401、501との間に、帯状基部401、501と平行に第二帯状基部406、506を設け、且つ、接続部407a、407b、507a、507bを設けた点にある。さらにこの構成例では、厚層領域Bを設けず、帯状アドレス電極11において、前記対向部500a、500bのギャップGGに対応する位置に幅広部11cを形成している。当該幅広部11cは、放電開始ギャップGfにも一部重なるように配置されている。
以上の構成を持つバリエーション2においても、実施の形態1およびバリエーション1とほぼ同様の効果が奏されるほか、第二帯状基部406、506及び、接続部407a、407b、507a、507bを増設した分、電極面積が増えることでさらなる表示電極4、5の通電性の向上が図られ、消費電力の低減を期待できるようになっている。また、幅広部11cを設けたことから、これによってアドレス放電の良好な確実性も奏されることとなる。
なお、電極面積をそれほど増大させなくても、以下の手段により、一定の放電規模を確保することも可能である。図4は、その他のバリエーション(バリエーション3)の構成を示す図である。
当図に示す表示電極4、5は、帯状基部401、501に対し、隔壁30上に沿って延伸された接続部402a、402b、502a、502bと、これらにそれぞれ接続された主放電部403a、403b、503a、503bとを備える。そして、同極性で隣接する主放電部403a、403b或いは503a、503bが、それぞれ凹状接続部408、508で接続された構成を持っている。そして、当該凹状接続部408、508が、帯状アドレス電極11と重なり、且つ、主放電部403a、403b或いは503a、503bの間に存在する各放電開始ギャップGfも一部アドレス電極11と重なるようにそれぞれ配置されている。さらに、各放電開始ギャップGfに対応する位置に薄層領域Aが配設されている。
以上の構成を持つバリエーション3によれば、実施の形態1およびバリエーション1、2とほぼ同様の効果が奏されるほか、放電セル8内でセル開口率に影響する電極面積が比較的小さいので、その分良好なセル開口率となり、すぐれた輝度のもとに画像表示性能を確保することができる。また、凹状接続部408、508を配したことで、主放電部403a、403b、503a、503b間の通電性が確保され、その分、放電開始当初から良好な放電規模がなされるようになっている。
なお、図2、3、4に示した各バリエーション1−3の構成では、各主放電部403a、403b、503a、503bをそれぞれ複数の接続部で接続しているため、万一、いずれかの接続部で断線が発生しても、主放電部への電力供給が可能である。したがって、PDP製造時の歩留まりを改善し、コスト削減を図れるという大きな効果も有している。
(実施の形態2)
次に示す図5は、実施の形態2におけるPDP1の放電セル8周辺の構成を示す図である。
実施の形態2のPDP1の構成は、表示電極4、5をAg材料で構成し、且つ放電開始ギャップGfに合わせて薄層領域Aを設ける点等では実施の形態1と同様であるが、以下の特徴を持つ。
図5に示すように、表示電極4、5には、帯状基部401、501から隔壁30に帯状の延伸部412a、512aが配され、当該各延伸部412a、512aは、それぞれ一対の表示電極4、5の間隙で互いに入り組むように配されており、且つ放電セル8内において、延伸部412a、512aにL字状鉤型の対向部416a、416b、516a、516bがギャップGGをおいて配設されている。対向部416a、416b、516a、516bは、実施の形態1と同様に接続部402a、502a、主放電部403a、503aで構成される。
これにより本実施の形態2では、対向する対向部416aと516b、対向部516aと416bとの間で対向する各主放電部403a、503aにおいて、それぞれ放電開始ギャップGfが存在する。放電開始ギャップGfの位置は、放電空間38を挟んでアドレス電極11の真上とし、且つ、当該アドレス電極11の幅よりギャップGfが小さくなるように設定されている。
このように実施の形態2では放電セル8内において、列方向に2カ所、放電方向としては行方向に配された2つの放電開始ギャップGfが存在する構成となっている。
なお、全体的な表示電極4、5の形状パターンは、ここでは隔壁30を線対称としてx方向で隣接する放電セル8において対称的に形成されている。
さらに本実施の形態2では、放電開始ギャップGfに対応する位置(放電セル8内で2箇所)に、実施の形態2で述べた誘電体層6の薄層領域Aが形成されている。
以上の構成の表示電極4、5を持つ実施の形態2のPDP1によっても、実施の形態1と同様の効果が奏されるほか、以下の別な効果も期待できる。
すなわち、本実施の形態2のように、列方向に2カ所の放電開始ギャップGfを設ける構成においては、主放電部403a、503aの長さ(y方向長)をある程度延長でき、その分、放電開始ギャップGfが形成される領域を広げ、放電開始時点からの放電規模を大きくできる等の設計上の余裕を備える特徴がある。一般に、放電セル8はy方向を長手とする形状となっているため、本実施の形態2ではこのように主放電部403a、503aの長さを延長することが容易である。
さらに駆動時の効果としては、アドレス期間において、各電極4、5、11に外部より給電がなされると、まず任意の放電セル8において、アドレス電極11と表示電極(スキャン電極)4との間にアドレス放電が発生する。続いて放電維持期間の初期において表示電極4、5に電圧印加されると、前記任意の放電セル8における表示電極4、5の間隙で最短距離である対向部416aと516b、対向部516aと416bの放電開始ギャップGfにおいて電界強度のピークが形成され、この部分で放電(行方向への放電)が発生する。その後、表示電極4、5では、放電セル8内で2箇所の放電開始ギャップGfが存在することからxy方向に迅速に放電が拡大し、対向部416aと516b、対向部516aと416bの全体にわたり良好な規模の放電が形成される。
なお、対向部416aと516b、対向部516aと416bにおいて表示電極4、5の間隙が最短間隙となるようにすることは、望ましくない部分での短絡放電を防止する上で望ましい。例えば、対向部516bと基部401との距離が最短となっている場合には、これらの間で望ましくない短絡放電が発生してしまう可能性が高いので、このような場合に上記対策が必要である。
また、表示電極4、5における対向部416aと516b、対向部516aと416bがギャップGGを隔てて配置されていることにより、表示電極4、5間の容量が低減され、効果的に無効電力が削減される。
さらに、前述のように対向部416aと516b、対向部516aと416bと異極性の基部401、501との間を適当に確保することは、短絡放電を防止するとともに無効電力を低減する意味でも望ましい。
さらに前記放電発生時には、放電セル8内に放電開始ギャップGfに対応する保護層6の薄層領域Aのそれぞれにおいて電界強度のピークが形成されるので、当該ピーク位置に応じて効果的に維持放電が発生・拡大され、大幅な輝度向上が期待できる。
なお、本実施の形態1及び2のように、薄層領域Aを放電セル8内において複数箇所設けると、これに応じて放電セル8内に複数の電界強度のピークが形成され、各ピーク位置に対応して放電が発生する。従って、面積の大きい薄層領域Aを一カ所設ける構成に比べて放電規模が良好に拡大することが発明者らの実験により明らかにされている。このため薄層領域Aはセル内において2箇所以上設けるようにしてもよい。
なお、実施の形態2では、対向部416a、416b、516a、516bと薄層領域Aを組み合わせる構成例を示したが、誘電体層の薄層領域Aは必ずしも設けなくてもよい。
また、延伸部の備える対向部の数は図4の構成に限定するものではなく、適宜変更してもよい。
さらに、主放電部403a、503aをあまり列方向に長くしすぎると、対向する表示電極との間で望ましくない短絡放電が生じるので、この点で注意する必要がある。
また、図5には図示していないが、y方向(列方向)で隣接する放電セル8間に、実施の形態1と同様の補助隔壁(行部分302)を設けてもよい。本実施の形態2では、放電セル8内で一対の表示電極4、5の間隙において互いに入り組むように延伸部412a、512aが配されていることから、対向部416a、416b、516a、516bにおける放電方向が行方向となっている。このような構成では、その性質上、駆動時の荷電粒子が比較的列方向に隣接する放電セル8に流れ込みにくい。したがって、これに補助隔壁(行部分302)を設けることによって、さらなるクロストーク防止や放電遅れ防止の効果を高めることが出来るので望ましい。
<バリエーション4>
実施の形態2の構成では、放電開始ギャップGfがアドレス電極11と重なっているため、特にアドレス放電の確実性(放電確率の向上および放電遅れの抑制)が高い。この効果は、放電空間38を介して当該放電開始ギャップGfに重なるアドレス電極11の面積を増大させ、見かけ上の両者の交差領域を拡大することで、さらに良好に得られる。
図6は、放電開始ギャップGfに対応するアドレス電極11の領域に、矩形状の幅広部11dを設けた構成(バリエーション4)を示す。当図4の構成ではさらに、各主放電部403a、503aと接続する接続部411a、411b、511a、511bを増設し、断線時の通電性確保および歩留まり改善を図っている。
このような構成によっても、実施の形態2とほぼ同様の効果が奏され、且つ上記アドレス放電の確実と表示電極4、5断線時の画像表示性能確保、および歩留まり改善によるコスト削減等の効果が奏されるようになっている。
<その他の事項>
上記実施の形態1、2及びそのバリエーション1−4では、一対の表示電極が列方向に同じ配列で配設される構成(いわゆるABAB配列)を示したが、本発明はこれに限定するものではなく、スキャン電極、サステイン電極の配列が隣接する表示電極対ごとに入れ替わる構成(いわゆるABBA配列)であってもよい。
本発明にかかるPDPは、軽量の大型テレビ等として有用である。また業務用表示装置等の用途にも応用できる。
実施の形態1のPDPにおける放電セル周辺の構成図である。 実施の形態1のバリエーションのPDPにおける放電セル周辺の構成図である。 実施の形態1のバリエーションのPDPにおける放電セル周辺の構成図である。 実施の形態1のバリエーションのPDPにおける放電セル周辺の構成図である。 実施の形態2のPDPにおける放電セル周辺の構成図である。 実施の形態2のバリエーションのPDPにおける放電セル周辺の構成図である。 従来のPDPにおける放電セル周辺の構成図である。 従来のPDPにおける放電セル周辺の構成図である。 一般的なPDPの構成を示す部分斜視図である。
符号の説明
4 表示電極(スキャン電極)
5 表示電極(サステイン電極)
11a、11b 分岐部
400a、400b、500a、500b、416a、416b、516a、516b 対向部
401、501 帯状基部
402a、402b、502a、502b、404a、404b、504a、504b、411a、407a、407b、507a、507b、411b、511a、511b 接続部
403a、403b、503a、503b 主放電部
406、506 第二帯状基部
408、508 凹状接続部
412a、512a 延伸部

Claims (10)

  1. 片面に行方向に延伸された表示電極が複数対ずつ並設された第一基板と、片面に列方向に複数のアドレス電極がストライプ状に並設された第二基板とを有し、前記表示電極と前記アドレス電極が放電空間を挟んで交差するように第一および第二基板が対向配置され、当該交差部分に対応して放電セルが形成された構成のプラズマディスプレイパネルであって、
    一対の表示電極は金属材料からなり、
    各表示電極は、行方向に延伸された基部と、当該基部から一対の表示電極の放電間隙に臨んで形成された複数の対向部とを備え、
    放電セル内において、一対の表示電極の各対向部同士の間に放電開始ギャップが形成されるとともに、当該放電開始ギャップの2つ以上がそれぞれ放電空間を挟んでアドレス電極と重なっている
    構成であることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 前記対向部は、
    前記基部から一対の表示電極の放電間隙に延伸された接続部と、
    前記接続部から行方向に延伸され、前記接続部の列方向幅より長い主放電部とで構成されており、
    一対の表示電極の各主放電部同士の間において、前記放電開始ギャップがそれぞれ形成される
    構成であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 各表示電極の前記対向部は、一対の表示電極間において、互いに対称的な位置に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記アドレス電極は、少なくとも放電セル領域において、列方向に延伸された複数の分岐部を備えており、
    前記放電開始ギャップが、放電空間を挟んで前記分岐部と重なる位置に配されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 各表示電極において、前記対向部が行方向にわたり複数配されており、
    同極性で隣接する対向部同士の間隙が、アドレス電極の幅よりも狭く設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  6. 各表示電極において、前記対向部が列方向にわたり複数配されており、
    前記放電開始ギャップの幅が、アドレス電極の幅よりも狭く設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  7. 列方向で隣接する放電セル間には、行方向に延伸された補助隔壁が配設されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  8. 前記各表示電極が配された第一基板の表面には、前記各表示電極を被覆するように誘電体層が設けられており、
    各放電セル領域において、
    誘電体層には、前記放電開始ギャップの位置に対応して薄層領域が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  9. 前記各表示電極が配された第一基板の表面には、前記各表示電極を被覆するように誘電体層が設けられており、
    各放電セル領域において、
    誘電体層には、同極性で隣接する対向部同士の間の位置に対応して厚層領域が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  10. 前記金属材料は、Ag、Cu,Al,Cr,Tiのいずれか1種以上、またはCr/Cu/Cr、Al−Ndの少なくともいずれかより構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
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