JPWO2005028601A1 - 油脂の乾式分別方法 - Google Patents

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Abstract

ハードバターなど、常温で固状、体温付近で融解する、または液状である油脂にごく微量(数%)しか含まれない高融点画分を効果的に低減できる乾式分別法を提供することを目的とする。G2U及びこれより高融点のグリセリドを含有する、晶析・固液分離して得た結晶画分を、昇温して一部融解し、次いで固液分離することを特徴とする、油脂の乾式分別方法。但し、Gは飽和またはトランス酸型脂肪酸残基、Uはシス型不飽和脂肪酸残基であって、G2UはG2残基U1残基結合したトリグリセリド。

Description

この発明は、油脂、特にハードバターなどのように常温で固状であり、体温付近で融解する、または液状である油脂に有用な油脂の乾式分別方法に関するものである。
油脂分別技術には、溶剤分別法、乾式分別法が一般に知られている。分別技術とは、融解性状の差を利用して油脂を結晶画分と液体画分に分画する技術であるが、分別方法によって、結晶画分と液体画分の分画性能に違いが出てくる。
溶剤分別法は、油脂に溶剤(アセトン、ヘキサン、アルコール等)を0.5〜5倍加えて溶解後冷却し、結晶を析出させて分画する方法で結晶画分と液体画分の分画性能は極めて良好であるが、溶剤を使用しているため、その取扱には安全衛生上、十分な注意が必要であり、設備も大掛かりとなり、また、溶剤を除去するためコスト高となる問題がある。一方、乾式分別法は、加熱溶融した油脂を冷却して結晶を析出させ、これを濾過等して液体部と分離する方法で、溶剤を使用しないことから安全性、低コストの面で良好であるが、結晶画分と液体画分の分画性能が低いことが問題となる。
特にG2Uを主成分とするハードバターの製造において、それより高融点の成分を、典型的にはGGG(Gは飽和またはトランス酸型脂肪酸残基)、GG−DG(飽和またはトランス酸型脂肪酸残基を2個有するジグリセリド)を効率良く除去することが困難であった。ハードバター中のGGG含量の多いものをチョコレートに使用した場合、チョコレートの口溶けが悪くなり、また、ハードバター中のGG−DG含量の多いものをチョコレートに使用した場合、チョコレートの結晶性(冷却曲線)、テンパリング性に問題が生じる。
従来の技術では、乾式分別法の分画性能に満足できない場合、溶剤分別法で良く用いられる、多段階分別の方法を取り入れることで、結晶画分と液体画分の分画性能は改善されているが、1,3ジ飽和−2不飽和トリグリセリドを多く含む油脂からトリ飽和グリセリドを分画する方法はまだ解明されておらず、乾式分別法の結晶画分と液体画分の分画性能は良好とは言えないものであった。
本発明者は、鋭意検討した結果、1,3ジ飽和−2不飽和トリグリセリドを多く含む結晶画分を昇温して1,3ジ飽和−2不飽和トリグリセリド成分を融解し、トリ飽和グリセリドを結晶画分として固液分離することで、1,3ジ飽和−2不飽和トリグリセリドとトリ飽和グリセリドの分画性能の良好な乾式分別法を完成するに至った。
すなわち、本発明は、G2U及びこれより高融点のグリセリドを含有する、晶析・固液分離して得た結晶画分を、昇温して一部融解し、次いで固液分離することを特徴とする油脂の乾式分別方法ものである。上記結晶画分がG2U及びGU2を含有する油脂(A)を晶析・固液分離することにより、G2Uの濃縮された結晶画分(AF)とGU2の濃縮された液体画分(AL)とに分画して得た結晶画分(AF)であることで、また、G2Uが1、3−ジ飽和−2−不飽和トリグリセライド、飽和脂肪酸残基の炭素数が16個から22個であり、油脂(A)が植物バター、エステル交換反応油もしくはそれらを乾式分別して得られた結晶画分、または異性化硬化油脂である油脂の乾式分別方法を骨子とするものである。但し、Gは飽和またはトランス酸型脂肪酸残基、Uはシス型不飽和脂肪酸残基であって、G2UはG残基が2個、U残基が1個結合したトリグリセリド。
以上のように、G2U及びこれより高融点のグリセリドを含有する、晶析・固液分離して得た結晶画分を、昇温して一部融解することで、経時的な結晶析出がなく、高融点のグリセリドを結晶側に濃縮して固液分離することで、品質上、作業性において良好なチョコレート用油脂(ハードバター)を得ることが出来る乾式分別法が得られた。
本発明は、溶剤(アセトン、ヘキサン等)を使用せず油脂を分画する乾式分別法に関する。
G2Uは、Gは飽和またはトランス酸型脂肪酸残基、Uはシス型不飽和脂肪酸残基を言い、2つの飽和またはトランス酸型脂肪酸残基と1つのシス型不飽和脂肪酸残基が結合したトリグリセリドで、これより高融点のグリセリドとしては、GGG、すなわち3つの飽和またはトランス酸型脂肪酸残基が結合したトリグリセリド、例えば、1,3−ジステアロ−2−パルミトイルグリセリド(St−P−St)及びGG−DG、すなわち2つの飽和またはトランス酸型脂肪酸残基が結合したジグリセリド、例えば、1,2−ジステアロイルグリセリド(St−St−DG)である。G2U及びこれより高融点のグリセリドを含有する油脂で、例えばG2Uが主成分で、含有量としては60重量%以上のもので、高融点のグリセリド(GGG+GG−DG)が1重量%以上のものを言い、G2UのTypeとしては、GUG型、GGU型が挙げられる。
G2Uを主成分とし、高融点のグリセリドを少量含有する油脂から高融点のグリセリドを分画する方法としては、溶剤分別法で溶媒に油脂を加温溶解後、冷却して結晶を析出させて分画する方法が、または、乾式分別法で油脂を加熱完全融解後、冷却して結晶析出させて分画する方法が考えられる。しかしながら、高融点のグリセリドの含有量が主成分の含有量に対して少量の場合、いずれの分別法においても、高融点のグリセリドを特異的に結晶析出させることは非常に困難であるが、本発明の主成分を含め油脂を固化したものを昇温して一部融解する方法では、主成分と高融点のグリセリドの持つ液体画分に対する溶解度の差を利用することで容易に高融点のグリセリド以外を融解させ、主成分中から少量の高融点のグリセリドを分離することが出来る。
G2U及びGU2を含有する油脂(A)は、植物バター、エステル交換反応油もしくはそれらを分別して得られた結晶画分、または異性化硬化油脂のものが好ましい。植物バターとしては、例えば、パーム油、大豆油、ナタネ油、コーン油、綿実油、ヒマワリ油、ヤシ油、シア脂など植物性油脂が挙げられる。上記油脂類の単独、または混合油脂、あるいはそれらの部分、及び全水添、エステル交換などを施したG2U及びGU2を含有する油脂(A)をG2Uの結晶化温度よりも低く、GU2の結晶化温度よりも高い範囲で晶析・固液分離することにより、G2Uの濃縮された結晶画分(AF)とGU2の濃縮された液体画分(AL)に分画し、得られた結晶画分(AF)を使用する。結晶画分(AP)は溶剤分別で得たものでも良いが、乾式分別で得た結晶画分(AF)の方が製造設備上、溶剤除去不要であり簡単に得ることが出来る。
結晶画分(AF)は、ハードバターとして使用することが出来るが、G2U及びこれより高融点のグリセリド(GGG、及びGG−DG)を含有しており、このGGG、及びGG−DGはハードバターの機能を低下させる傾向がある。そこで、次に結晶画分を昇温して一部融解することにより、高融点のグリセリドを結晶側に残存濃縮して固液分離する。
固体の融解されていない結晶画分を昇温して一部融解するには、結晶画分を出来るだけ均一にG2Uを融解するが、それより高融点のグリセリドは融解しない温度に昇温する。均一に昇温させる方法には、例えば外気温度を目的の温度に設定した空間に結晶画分を一定時間以上静置する方法がある。この場合、結晶画分(AF)を粗砕、または解砕することで結晶画分(AF)の表面積が大きくなり、均一に昇温する時間を短縮することが出来る。また、攪拌を伴うと更に均一昇温は良好となる。
結晶画分を昇温して一部融解させることにより、高融点のグリセリドが結晶側に濃縮し、それを固液分離することで、この高融点のグリセリドを分画することが出来る。結晶画分中のG2Uが1,3−ジ飽和−2−不飽和トリグリセライド(SUS:S=飽和脂肪酸残基、U=シス型不飽和脂肪酸残基)である場合、SUSとSSS及びSS−DGを従来の乾式分別法、すなわち全部を融解後、冷却、固化により分画することは非常に困難であった。従来の乾式分別法で、結晶画分を全部融解後、冷却して高融点のグリセリド(SSS)を析出させて固液分離した場合、SUSが経時的に結晶析出し、液体側に品質の低下、収率の低下、及びフィルタープレスによる固液分離が困難となる。
SUSの飽和脂肪酸残基(S)としては、炭素数が16個から22個のもの(C16:パルミチン酸、C18:ステアリン酸、C20:アラキジン酸、C22:ベヘン酸)で、シス型不飽和脂肪酸残基(U)としては、二重結合の数には限定されないが、特には、二重結合の数が1個のオレイン酸が好ましい。SUSとしては、1,3−ジステアロ−2−オレオイルトリグリセライド(StOSt)、1,3−ジパルミテイト−2−オレオイルトリグリセライド(POP)、1−パルミト,3−ステアロ−2−オレオイルトリグリセライド(POSt)が挙げられる。昇温温度はG2Uを融解するが、それより高融点のグリセリドは融解せず、両者が固液分離できるような昇温を行う。また、グリセリドの分子種に応じた昇温を行えば良く、例えば、StOStの場合、昇温して一部融解させる温度は、40〜45℃が適する。40℃未満の場合、StOSt成分も固化して固液分離することが困難であり、45℃を越えると、全てが融解しやすくなる。昇温する場合、更に42℃〜44℃の範囲で作業すると、StOSt成分とこれより高融点のグリセリドの分離性能を高くすることができる。また、POPを多く含む油脂の場合は、27〜30.5℃が適している。
昇温温度が低くなると結晶画分(AF)の融解する度合が小さくなり、高融点のトリグリセリドが多く除去され、G2Uが濃縮された結晶画分の収率が低下する傾向がある。また、昇温温度が低いと、圧搾時間が長くなり、及び品質においても高融点(GGG,及びGG−DG)の分離性能が低下する傾向がある。昇温温度が低すぎると、G2Uを融解せず固液分離が困難となる。昇温温度が高くなると、融解する結晶画分(AF)が多くなるため収率は高くなるが、高融点のトリグリセリドが融解してしまうため、品質において高融点(GGG、及びGG−DG)の分離性能が低下する傾向がある。
昇温操作後の固液を分画する方法は、圧搾、吸引濾過、自然濾過、遠心分離等、固体と液体を分離する方法であれば、特に限定はされないが、求める結晶画分、液体画分の収率、及び品質を考慮すると圧搾方法が好ましい。圧搾の際の圧力(圧搾)度合は、結晶画分と液体画分が分画され、結晶画分が圧力によって融解しないよう調整すれば良く、特に限定はない。また、分画する際のフィルターのメッシュ度合についても、結晶画分の粒径に合わせて選択すれば良く、特に限定されない。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の実施例(数値等)はこれに限られるものではない。また、実施例に記載の%、部表示は重量%、部を意味する。
<G2U及びGU2を含有する油脂の製造>
ステアリン酸エチルエステルとハイオレイックヒマワリ油に1,3位特異性を有するリパーゼを触媒としてエステル交換反応を行い、その後エチルエステルを蒸留除去しエステル交換反応油を調製した。このエステル交換反応油(StOSt・StOO・StStSt等を含む)を50℃以上で完全融解後、23℃で固化させ(品温23℃)、圧搾濾過により固液分離し、結晶画分(収率50%)を得た。結晶画分のStOSt、StOO、StStSt、StSt−DGの含有量を下記に示す。成分分析は高速液体クロマトグラフィーにて行った。
Figure 2005028601
上記23℃で固化させた結晶画分を粗砕した後、結晶画分全量をメルターに入れて加熱融解させた。メルターは、W380mm×L380mm×H400mmのステンレス槽の内部に加熱コイルを備えたもので、コイル内部に一定温度の温水を循環出来る構造のものを使用した。結晶画分が43.0℃の温度になるまで昇温させた後、攪拌(30rpm)をしながら、一定時間(約120分)保持を行い、フィルタープレスにて圧搾濾過し、固液分離を行い、高融点のグリセリドが濃縮された結晶側を除去した液体側を得た。液体側の高融点のグリセリド、並びに代表的G2U,及びGU2の組成(重量%)組成を表2に示す。
結晶画分が40.5℃の温度になるまで昇温させたこと以外は、実施例1と同様に固液分離を行い、高融点のグリセリドが濃縮された結晶側を除去した液体側を得た。液体側の高融点のグリセリド、並びに代表的G2U,及びGU2の組成(重量%)組成を表2に示す。
結晶画分が44.5℃の温度になるまで昇温させたこと以外は、実施例1と同様に固液分離を行い、高融点のグリセリドが濃縮された結晶側を除去した液体側を得た。液体側の高融点のグリセリド、並びに代表的G2U,及びGU2の組成(重量%)組成を表2に示す。
〔比較例1〕
結晶画分が39.0℃の温度になるまで昇温させたこと以外は、実施例1と同様に固液分離を行い、高融点のグリセリドが濃縮された結晶側を除去した液体側を得た。液体側の高融点のグリセリド、並びに代表的G2U,及びGU2の組成(重量%)組成を表2に示す。
〔比較例2〕
結晶画分が46.0℃の温度になるまで昇温させたこと以外は、実施例1と同様に固液分離を行い、高融点のグリセリドが濃縮された結晶側を除去した液体側を得た。液体側の高融点のグリセリド、並びに代表的G2U,及びGU2の組成(重量%)を表2に示す。
Figure 2005028601
比較例1では、昇温温度が低く固液分離できなかった。また、比較例2では昇温温度が高く、完全融解し、固液分離できなかった。
実施例1、2、3は、高融点のグリセリドの分画が良好に出来た。
<チョコレートテスト>
上記の実施例1〜3、及び比較例2を用いてチョコレートを作成し、口溶け等の品質を確認した。チョコレートは定法に従って作成した。
Figure 2005028601
*検討油脂:結晶画分(実施例1〜3、及び比較例2)/パーム分別油=45/55
チョコレートをモールド成型品を20℃、1週間保存後、5人のパネラーにて官能評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2005028601
パーム油から乾式分別法において得られたパーム中融点画分(PMF:POP含量46.5%、PPP含量1.31%)に含有する高融点のグリセリド(PPP:トリパルミテイトグリセロール)の分画を行った。分画方法は次の通りである。冷却固化させたPMFを粗砕した後、メルターに入れて加熱融解させた。加熱融解に使用したメルターは、ステアリン酸エチルエステルとハイオレイックヒマワリ油に1,3位特異性を有するリパーゼを触媒としてエステル交換反応に使用したものを用いた。PMFが29.0℃の温度になるまで昇温させた後、一定時間(約1時間)保持を行い、フィルタープレスにて圧搾濾過し、固液分離を行った。液体側に含まれるPOP、及びPPPの組成(重量%)を表4に示す。
PMFが29.1℃の温度になるまで昇温させたこと以外は、実施例4と同様固液分離を行い、高融点のグリセリドが濃縮された結晶側を除去した液体側を得た。液体側に含まれるPOP、及びPPPの組成(重量%)を表4に示す。
PMFが30.0℃の温度になるまで昇温させたこと以外は、実施例4と同様固液分離を行い、高融点のグリセリドが濃縮された結晶側を除去した液体側を得た。液体側に含まれるPOP、及びPPPの組成(重量%)を表4に示す。
〔比較例3〕
PMFが26.5℃の温度になるまで昇温させたこと以外は、実施例4と同様固液分離を行い、高融点のグリセリドが濃縮された結晶側を除去した液体側を得た。液体側に含まれるPOP、及びPPPの組成(重量%)を表4に示す。
〔比較例4〕
PMFが30.7℃の温度になるまで昇温させたこと以外は、実施例4と同様固液分離を行い、高融点のグリセリドが濃縮された結晶側を除去した液体側を得た。液体側に含まれるPOP、及びPPPの組成(重量%)を表4に示す。
Figure 2005028601
実施例4〜6は、PPP含量が1.0%以下となり、高融点のグリセリドを分画することが出来た。比較例3は、PPP含量は1.0%以下となったが、昇温温度が低いためにPOP画分も結晶側に融解されずに残り、液体側のPOP含量が減少した。また、26.5℃ではPMFの粘度が高く、圧搾濾過が充分に出来なかった。
〔比較例5〕
実施例1で用いたのと同じエステル交換反応油(StOSt・StOO・StStSt等を含む)を50℃以上で完全融解後、23℃で固化させ(品温23℃)、圧搾濾過により固液分離して得た結晶画分(収率50%)を従来の乾式分別法に準じて70℃で完全融解した後、15rpmの攪拌をしながら1時間で品温が38℃になるまで冷却を行った。その後、1時間保持し、更に30分で品温を31℃まで冷却した。品温を31℃で2時間保持した後、品温を39℃まで加熱し、39℃で1時間保持後、遠心分離(1800G、5分間)により固液分離で高融点のグリセリドを分離した。フィルタープレスで固液分離したところ、目詰まりして運転困難であった。分離後の液体側の高融点のグリセリド、並びに代表的G2U,及びGU2の組成(重量%)の結果を表5に示す。
Figure 2005028601
比較例5は、高融点のグリセリド(StSt−DG、及びStStSt)の分離は含有量の点から実施例1〜3と同等の除去が出来ているが、比較例5の分離作業上、遠心分離による固液分離している間、経時的に結晶の析出が起こり、液体側の収率が実施例1〜3に比べ、3割程度低くなった。

Claims (5)

  1. G2U及びこれより高融点のグリセリドを含有する、晶析・固液分離して得た結晶画分を、昇温して一部融解し、これによって高融点のグリセリドを結晶側に濃縮して固液分離することを特徴とする、油脂の乾式分別方法。
    但し、Gは飽和またはトランス酸型脂肪酸残基、Uはシス型不飽和脂肪酸残基であって、G2UはG残基が2個、U残基が1個結合したトリグリセリド。
  2. 結晶画分がG2U及びGU2を含有する油脂(A)を晶析・固液分離することにより、G2Uの濃縮された結晶画分(AF)とGU2の濃縮された液体画分(AL)とに分画して得た結晶画分(AF)である、請求項1記載の分別方法。
    但しGU2はG残基が1個、U残基が2個結合したトリグリセリド。
  3. G2Uが1、3−ジ飽和−2−不飽和トリグリセライドである請求項1、2記載の分別方法。
  4. 飽和脂肪酸残基の炭素数が16個から22個である請求項1、2、3記載の分別方法。
  5. 油脂(A)が植物バター、エステル交換反応油もしくはそれらを分別して得られた結晶画分、または異性化硬化油脂である請求項2記載の分別方法。
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