JPWO2005019260A1 - インターフェロンβ複合体 - Google Patents
インターフェロンβ複合体 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2005019260A1 JPWO2005019260A1 JP2005513387A JP2005513387A JPWO2005019260A1 JP WO2005019260 A1 JPWO2005019260 A1 JP WO2005019260A1 JP 2005513387 A JP2005513387 A JP 2005513387A JP 2005513387 A JP2005513387 A JP 2005513387A JP WO2005019260 A1 JPWO2005019260 A1 JP WO2005019260A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- interferon
- peg
- complex
- polyethylene glycol
- lysine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/52—Cytokines; Lymphokines; Interferons
- C07K14/555—Interferons [IFN]
- C07K14/565—IFN-beta
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
- A61K38/16—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- A61K38/17—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- A61K38/19—Cytokines; Lymphokines; Interferons
- A61K38/21—Interferons [IFN]
- A61K38/215—IFN-beta
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/50—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates
- A61K47/51—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent
- A61K47/56—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent the modifying agent being an organic macromolecular compound, e.g. an oligomeric, polymeric or dendrimeric molecule
- A61K47/59—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent the modifying agent being an organic macromolecular compound, e.g. an oligomeric, polymeric or dendrimeric molecule obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polyureas or polyurethanes
- A61K47/60—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent the modifying agent being an organic macromolecular compound, e.g. an oligomeric, polymeric or dendrimeric molecule obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polyureas or polyurethanes the organic macromolecular compound being a polyoxyalkylene oligomer, polymer or dendrimer, e.g. PEG, PPG, PEO or polyglycerol
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
- A61P31/12—Antivirals
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Zoology (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Gastroenterology & Hepatology (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Toxicology (AREA)
- Immunology (AREA)
- Virology (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Communicable Diseases (AREA)
- Oncology (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
Abstract
Description
天然型あるいは天然型と同一の一次構造を持つインターフェロンβに水溶性ポリマーであるポリエチレングリコール(PEG)を結合するには、各種の方法が用いられ得る。例えば、Katreらは、リジンなどのアミノ基修飾をインターフェロンβのPEG化に応用している(米国特許第4766106号、米国特許第4917888号、国際公開第WO87/00056号参照)。具体的には、分子量約300〜100,000の水溶性ポリマー(PEG)を組換え型インターフェロンβあるいはIL−2に、そのアミノ酸配列の1〜10個のリジン残基を介して結合させた複合体が報告されている。また、リンホカインのアミノ基にPEGを結合させる技術についても「化学修飾リンホカインおよびその製造法」において既に報告されている(特開昭60−226821号参照)。しかしながら、実際に上記の方法でインターフェロンβにPEGを結合させると、インターフェロンβの活性は10%未満に低下してしまい、実用に供することはできない。
従来のいずれの報告においても、インターフェロンβの特定のリジンのアミノ基に選択的にPEGを結合する技術に関する記載は全く無い。もし、PEGの結合によるインターフェロンβの生物活性の低下率が低いリジンを選択し、特異的に修飾することが可能となれば、医薬品として投与する総蛋白質量を抑えることにより患者への副作用の低減、更には、品質管理を容易にすることにつながる。
一方、リジン残基を介さず、還元的アルキル化方法を用いてインターフェロンのアミノ末端のαアミノ基を選択的に活性化させるのに適したpHで反応させることにより、水溶性ポリマーをアミノ末端に選択的に結合させる方法も知られている(特開平9−25298号、参照)。しかし、この方法によりインターフェロンβをPEG化すると、実際にはモノPEG化は起こらず、いずれかのリジン残基又はN末端の非選択的PEG化が起こり、十分な抗ウイルス活性及び細胞増殖抑制活性を持たない不均一な混合物が生成してしまう。
さらに重要なことは、Pepinskyらが報告しているように(Pepinsky et al.,The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,vol.297,p1059−1066,(2001)参照)、精製したN末端にPEGを結合させたインターフェロンβにおいても、PEGの分子量が20,000より大きくなると残存活性(結合前インターフェロンβの活性に対する比)が劇的に低下し、分子量40,000のPEGを結合させた場合は活性が消失することが知られている。
インターフェロンαにおいても、Bailonらはインターフェロンαのリジン残基に非選択的に分子量40,000の高分子分岐鎖PEGを1分子結合させている(Bailon et al.,Bioconjugate Chem.12,195(2001))。しかしながら、高分子量である40,000のPEGを結合させると、インターフェロンβのN末端にPEGを結合させた時と同様に、インターフェロンαの残存活性は7%と大きく低下すると報告している。
すなわち、低分子量のPEGで修飾するために見いだされてきた技術(PEGの結合個数や結合部分)を、そのまま高分子量のPEGに応用することは難しい。つまり、医薬品としての有用性に繋がるインビボの循環半減期の延長やクリアランス値の減少などの効果を十分に得るために必要な分子量(20,000以上)のPEGを結合させた、高活性のインターフェロンβ複合体を得るためには、新たな技術が必要であった。
以上のとおり、これまで、高分子量の水溶性ポリマーを結合する際に起きるインターフェロンβの活性低下を回避する修飾対象リジン残基の選択や、そのための技術は報告されていない。また、インターフェロンβ中に存在する11残基のリジンの何れか一つに選択的にPEG等の高分子水溶性ポリマー結合することで、活性の高いインターフェロンβ複合体が得られることも報告されていない。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく種々検討した結果、天然型のインターフェロンβには80番目のアスパラギンに糖鎖が結合しており、3次元構造上これに近接する19番目や134番目のリジン残基に選択的に高分子量の修飾物を結合することが活性低下を抑える手段であることを見出した。分子量10,000を越えるような高分子(例えば、PEG)であっても、上記19番目、あるいは134番目のリジンに選択的に結合させれば、インターフェロンβの活性低下を抑えることができる。
19番目のリジン残基は、これまでPEGをインターフェロンβのアミノ基に結合する際には除去されるべきリジンの一つとして挙げられており(国際公開WO01/15736号参照)、従来の技術からは当該結合部位は推定し得ないものである。また、134番目のリジン残基についても、当該部位に高分子量修飾物を選択的に結合させることでインターフェロンβの活性の低下が抑えられることもこれまで報告されたことはない。
すなわち、本発明は、糖単位の数が5以下の少糖類及び単糖類、これらの糖アルコール、並びに炭素数2ないし6の多価アルコールから成る群より選ばれる少なくとも1種の添加剤存在下で、インターフェロンβとポリエチレングリコールとを結合させることを特徴とするインターフェロンβ複合体の製造方法、及び該方法によって製造されるインターフェロンβ複合体、特に、インターフェロンβのアミノ酸配列の19番目のリジンあるいは134番目のリジンに特異的にポリエチレングリコールを結合させることを特徴とするインターフェロンβ複合体を提供する。
本発明のインターフェロンβ複合体は、高い血液溶解性、インターフェロンβ活性、物理的及び生物学的安定性を有し、医薬として、インターフェロンβが適用される全ての症状・疾患の治療、予防、緩和に有用である。
本発明の方法に供されるインターフェロンβは、天然型、天然型の糖鎖の部分を改変したもの、もしくは糖鎖を有するあるいは糖鎖を有しない組み換え型を用いることができる。本発明の方法では、このようなインターフェロンβとして、市販のものを用いてもよい。なお、天然型では19番目のリジンと3次元構造上近接する位置に、糖鎖が結合している80番目のアスパラギンが存在し、高分子量のPEGなどを結合する場合、立体障害により反応効率が低下する可能性があるため、糖鎖を持たない組換え型を用いることが好ましい。また本発明の方法に供されるインターフェロンβとしては、天然型のアミノ酸配列に1個あるいは数個のアミノ酸を欠失・置換・付加を加えたものを用いることができる。
本発明のインターフェロンβには、天然型インターフェロンβのほか、組換え型インターフェロンβやそれらの改変体も含む。なお、改変体とは、上記したような、天然型インターフェロンのアミノ酸配列あるいは糖鎖に改変や修飾を加えたものを意味する。本明細書における19番目、あるいは134番目のリジンとは、この天然型インターフェロンβのアミノ酸配列(図4及び配列番号1)におけるアミノ酸番号であり、改変体の場合は当該配列中の前記リジンに対応するアミノ酸番号となる。
これらのインターフェロンβは、組織からの抽出、タンパク質合成、天然細胞又は組換え細胞を用いた生物学的製造など、いかなる方法で得られるものであってもよい。遺伝子工学的に生産された、糖鎖を持たないインターフェロンβは市販されており、本発明の方法では、このような市販のインターフェロンβも用いることができる。
ポリエチレングリコール(PEG)は、人体に無害で、インターフェロンβに結合させて複合体として投与した際、該複合体が血液に溶解するのに必要なレベルの水溶性を付与する。生理活性物質にPEGを結合することにより、生体内での該生理活性物質の物理的及び熱安定性の向上、酵素分解に対する保護、溶解度の増加、インビボの循環半減期の延長、クリアランス値の減少が達成されることは公知であり、本発明においても、このような効果からPEGを好ましく用いることができる。
インターフェロンβ中のリジン残基のアミノ基にPEGを結合させるためのPEG末端活性化はいずれの方法を用いてもよい。例えば、末端にヒドロキシスクシンイミドエステル又はニトロベンゼンスルホネートエステル構造のような、アミノ基反応性の構造を有するPEGを用いることができる。本明細において、これら末端構造を「アミノ基反応性の官能基」、これら末端構造を持つPEGを「アミノ基反応性の官能基により活性化されたポリエチレングリコール」と記載する。これらの構造を有するPEGは、従来よりアミノ基との結合のために広く用いられており、周知の合成方法により容易に製造することもでき、また市販されてもいる。本発明では、このような市販品も好ましく用いることができる。
PEGの平均分子量は、特に限定されないが、生体内でのインターフェロンβの物理的及び熱安定性、酵素分解に対する保護、溶解度の増加、インビボの循環半減期の延長、クリアランス値の減少を図る観点から、好ましくは約10,000〜60,000、さらに好ましくは、約20,000〜40,000である。
インターフェロンβとPEGとの結合反応は、pH5.0〜8.5、好ましくはpH5.5〜8.0において、またインターフェロンβ活性低下抑制剤の存在下、好ましくはリン酸、クエン酸などの緩衝液中で、インターフェロンβとPEGとを反応させることにより行うことができる。なお、インターフェロンβ活性低下抑制剤とは、インターフェロンβを反応に適したpH5.0〜8.5の環境に置くことによる凝集などを抑制するのみならず、標的である19番目、あるいは134番目のリジン、さらにはその近傍への特異的なPEGの結合反応を助けるものである。インターフェロンβの活性を保持した状態で、所望の部位にPEGを効率よく結合させるための活性低下抑制剤の例として、糖類、とりわけ、糖単位の数が5以下の少糖類及び単糖類、これらの糖アルコール、並びに炭素数2〜6の多価アルコール等を挙げることができる。なかでも、グルコース、マンニトール、ソルビトール、シュクロース又はトレハロースのような二糖類や単糖類、及びこれらの糖アルコール、並びにエチレングリコールやグリセロールのような、炭素数2又は3の多価アルコールが好ましい。これらのインターフェロンβ活性低下抑制剤は、単独でも2種以上組み合わせても用いることができる。
本発明の方法に供されるインターフェロンβ活性低下抑制剤の濃度は、特に限定されないが、反応混合物全体の重量に対し、約1〜90%(複数種類のインターフェロンβ活性低下抑制剤を用いる場合には合計量、以下同じ)、より好ましくは約1〜50%、さらに好ましくは約10〜30%程度である。インターフェロンβとPEGとの混合比率(インターフェロンβ:PEG)も、特に限定されないが、通常、モル比で、約1:1〜1:400程度であり、スクシンイミジルエステル活性化PEGでは約1:4〜1:100が好ましい。本発明の方法に適した反応温度は通常4〜40℃、好ましくは4〜25℃である。反応時間は、反応温度等に応じて適宜設定されるが、通常、約1時間〜24時間程度が適当である。
上記反応方法により、インターフェロンβのアミノ酸配列の19番目又は134番目のリジン、あるいはこれらに立体的に近接する部位に特異的にポリエチレングリコールを結合させることができる。なお、「立体的に近接する部位」とは、インターフェロンβの活性なコンフォーメーションにおける近接部位であって、具体的には、19番目のリジンであれば、17番目のシステイン、80番目アスパラギン(特に、これに結合した糖鎖)、である。また、特異的とは、選択的、優先的に19番目もしくは134番目のリジン、あるいはこれらに立体的に近接する部位にポリエチレングリコールが結合することであって、これにより均一なモノPEG化インターフェロンβが得られる。
なお、システインのチオール基との結合反応には末端にオルトピリジルジスルフィド、ビニルスルフォン、マレイミド又はヨードアセトアミド構造のようなチオール基反応性の構造を有する水溶性ポリマー、好ましくはマレイミド構造を有するものを用いる。特に望ましい分子量である10,000〜60,000のPEGをインターフェロンβのアミノ酸配列のシステイン残基に結合させるには、インターフェロンβの糖鎖が天然型より小さいもの、もしくは糖鎖が除去されているか、糖鎖を本来有しないものが好ましい。このようなインターフェロンβを用いることにより、一段階の反応で、還元解裂することのない結合反応を高効率で進行させることができる。
結合反応後、例えば、イオン交換、ゲル濾過、疎水又は親和性担体を用いたクロマトグラム等の方法、もしくはこれらの組み合わせにより、未反応のインターフェロンβやPEG、副生成物を除去して、リジン19番目、あるいは134番目にPEGが結合した所望のインタフェロンβ複合体を精製、あるいは濃縮することができる。
最も効率よくリジン19番目あるいは134番目にPEGが結合したインタフェロンβ複合体を精製、濃縮する方法の一つは、イオン交換担体を用いたクロマトグラムである。用いるイオン交換担体は好ましくは陽イオン交換担体であり、更に好ましくはスルホプロピル基、スルホン酸基あるいはカルボキシメチル基を基材に結合させた担体であり、何れも市販品として入手利用が可能である。例えば、HiTrap SP HP(アマシャムファルマシア)、Poros HS(アプライドバイオシステムズ)あるいはSP−5PW(東ソー)を用いた場合、塩濃度勾配により、反応液中に存在する極僅かな2分子のPEGが結合したインターフェロンβ複合体、次に目的のインターフェロンβのアミノ酸配列の19番目のリジンにPEGが結合した複合体が全体の40%以上の比率で溶出され、その後にマイナーな結合位置の異性体としてN末端アミノ基、又は33、46、108番目のリジンにPEGが結合した複合体や未反応のインターフェロンβが溶出、分画される。この時、同時に134番目のリジンにPEGが結合したインターフェロンβ複合体を単離することができる。
陽イオン交換担体への結合は、反応液をpH3.0〜pH8.0で結合に適したイオン強度に調整して行う。このとき、陽イオン交換担体はカラムに充填されていても、反応液中に縣濁させていてもよいが、未反応の親水性ポリマーが陽イオン交換担体中で凝固することで目的の複合体の分離の効率を下げる時は、縣濁結合させた後に担体をカラムに充填して溶出するのが好ましい。陽イオン交換担体からの溶出は、クエン酸、酢酸、リン酸などから構成される緩衝溶液中で塩濃度やpHの勾配もしくは無勾配段階的増加させることにより行うことができる。
分画溶出したインターフェロンβ複合体におけるPEGの結合部位の解析は、実施例3に記したようにペプチドマッピング、得られたPEG結合断片のアミノ酸分析や配列決定により行うことができる。
このようにして製造された19番目、あるいは134番目のリジンにPEGを結合させたインターフェロンβ複合体の抗ウイルス活性は、公知の方法(例えば、Armstrong,J.A.,Methods In Enzymology,78,381−387,(1981)やRubinstein et al.,J.Virol.37,755(1981);Borden et.Al.,Canc.Res.42,4948(1982)等)により容易に測定することができる。19番目のリジンに分子量40,000のPEGを結合させたインターフェロンβは結合前の活性の10%以上の活性を保持しており、これは分子量20,000のPEGを結合させた時と同等の活性である。また、134番目のリジンに分子量40,000のPEGを結合させたインターフェロンβは結合前の活性の70〜100%の活性を保持している。従来、インターフェロンβのN末端に分子量40,000のPEGを結合した複合体の残存活性は0%であることが報告されており(Pepinsky et al.,The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,vol.297,p1059−1066,(2001))、インターフェロンβへの高分子量PEGの結合部位として19番目、あるいは134番目のリジンを用いることは極めて有用であることがわかる。
本発明の方法は、PEG以外の物質についても、インターフェロンβの活性低下を伴わない複合体作製方法として適用できる。PEG以外の物質は、ヒドロキシスクシンイミドエステル又はニトロベンゼンスルホネートエステル構造のような、アミノ基反応性の構造を有していることが好ましい。第二の分子はPEG、血清タンパク質などの生体内安定性を付与するための分子に限らず、酵素、サイトカイン若しくは抗体分子等又はこれらの一部のように全く異なる機能を持つ生理活性物質であってもよい。これらの複合体は、インターフェロンβの活性を併せ持つ融合分子や標識体を構築する際に有効である。
さらに、本発明の方法は、インターフェロンβを各種支持体、例えば糖、硝子、樹脂素材の平面あるいは粒子に固相化する際にも応用できる。すなわち、インターフェロンβと各種支持体の結合点として、19番目、あるいは134番目のリジンを使用することにより、活性低下を起こさずインターフェロンβを固相化することができる。なお、この方法では、同様なアミノ基反応性の官能基を持った架橋剤を導入するか、支持体にこれらを予め結合しておく必要がある。
上記した本発明のインターフェロンβとPEGの複合体は、IFNの生理活性を利用した種々の疾患の治療に用いることができる。例えば、B型慢性活動性肝炎、C型慢性肝炎及びその他ウィルス性疾患、膠芽腫、髄芽腫、星細胞腫、皮膚悪性黒色腫等種々の悪性新生物、多発性硬化症等の自己免疫疾患等の治療に用いることができる。更に、血管新生を伴う疾患、例えば、リウマチ性関節炎、乾癬等の炎症性疾患、糖尿病網膜症、未熟児網膜症、血管新生緑内障、Stevens−Johnson症候群及びその類縁疾患、眼類天疱瘡及びその類縁疾患、角膜腐蝕あるいはトラコーマ等等の眼疾患及び癌(乳癌、前立腺癌、悪性黒色腫、腎癌、脳腫瘍、カポジ肉腫等)の治療に用いることができる。
本発明のインターフェロンβ複合体は、そのまま、もしくは公知の薬理学に許容される担体、賦形剤などと混合した医薬組成物として経口又は非経口に投与することができるが、皮下、筋肉内あるいは静脈内注射により投与することが好ましい。
経口投与のための剤型としては、具体的には錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などがあげられる。かかる剤型は、自体公知の方法によって製造され、製剤分野において通常用いられる担体もしくは賦形剤を含有するものである。
例えば、錠剤用の担体、賦形剤としては、ラクトース、マルトース、サッカロース、澱粉、ステアリン酸マグネシウムなどがあげられる。非経口投与のための剤型としては、例えば、点眼剤、軟膏剤、注射剤、湿布剤、坐薬、経鼻吸収剤、経肺吸収剤、経皮吸収剤、局所徐放剤などがあげられる。
溶液製剤は、公知の方法、例えば、インターフェロンβ複合体を通常、注射剤に用いられる無菌の水溶液に溶解、又は懸濁させ、あるいは乳化又はリポソームに包埋させたることにより調製されうる。
固体製剤は、公知の方法、例えば、インターフェロンβ複合体にマンニトール、トレハロース、ソルビトール、ラクトース、グルコースなどを賦形剤として加え、凍結乾燥物とすることにより調製されうる。前記凍結乾燥物は、さらに粉体化したり、さらにこの粉体をポリ乳酸やグリコール酸などと混ぜ固体化して用いることもできる。
ゲル化剤は、公知の方法、例えば、インターフェロンβ複合体をグリセリン、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸などの増粘剤や多糖に溶解することにより調製されうる。いずれの製剤においても、安定化剤としてヒト血清アルブミン、ヒト免疫グロブリン、α2マクログロブリン、アミノ酸などを添加することができ、また分散剤あるいは吸収促進剤としてIFNの生理活性を損なわない範囲でアルコール、糖アルコール、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などを添加することができる。また、微量金属や有機酸塩も必要に応じて加えることができる。
本発明の複合体の投与量は、患者の年齢、体重、投与対象疾患、症状、投与形態、投与ルート、PEGの分子量などに応じて、適宜決定されるが、一般的には1,000単位〜10,000万単位/回、好ましくは10,000単位〜1,800万単位/回で1回/月〜1回/日、好ましくは1回/月〜1回/週の範囲で投与される。
図2は、19番目のリジンのアミノ基にポリエチレングリコールが結合したインターフェロンβ複合体をPoros HSカラムで分離精製した際のピーク1〜4(図中(i)〜(iv))の成分のSDS−PAGEによる分離後、銀染色により解析した結果を示す図である。
図3は、19番目のリジンのアミノ基にポリエチレングリコールが結合したインターフェロンβ複合体のSP−5PWカラムを用いた分離精製を示す図である。
図4は、インターフェロンβのアミノ酸配列とリジルエンドペプチダーゼによる切断予想部位を示す図である。
図5は、分子量40KのPEGとの結合反応後にSP−5PWで分離した2〜4(図中では丸付き数字で表示してある。)の溶出成分、及び、PEG反応前のインターフェロンβ(最下段 Pre)のリジルエンドペプチダーゼ処理によるペプチドマップを示す図である。
図6は、分子量40KのPEGを19番目のリジンで結合したインターフェロンβのウサギにおける血中滞留性を示す図である。
図7は、分子量40KのPEGを19番目のリジンで結合したインターフェロンβによるウサギにおける薬理マーカー(2−5AS合成酵素の活性)の誘導を経時的に示した図である。
図8は、134番目のリジンのアミノ基にポリエチレングリコールが結合したインターフェロンβ複合体をTOYOPEARL CM 650により分離した際の各ピーク分画のSDS−PAGE(A)、ピーク3(図中(iii))の分画をSP−5PW(B)により分析した結果を示した図である(溶出順にクロマトチャートを下から上の順に並べた)。
図9は、PEGが非選択的に2分子以上結合したインターフェロンβ複合体と19番目あるいは134番目のリジンに選択的にPEGが1分子結合した複合体の活性を示した図である。TOYOPEARL CM 650(S)(東ソー)カラムによるクロマトチャート(B)と、分取した分画に対応するSDS−PAGEによる分析結果(A)、及び、各画分のタンパク量当たりの抗ウイルス活性値とPEG結合前のIFN−βの比活性に対する活性保持率(C)を対応させて示した。
図10は、分子量20,000(20K)と40,000(40K)のPEGを結合したIFN−β複合体のウサギ静脈内投与後の血中滞留性性を示した図である。
本明細書は、本願の優先権の基礎である特願2003−299850号の明細書に記載された内容を包含する。
[実施例1]
組換え型インターフェロンβのアミノ基へのヒドロキシスクシンイミドエステル活性化ポリエチレングリコール結合反応における添加剤の影響:
0.5M塩化ナトリウム、100mM酢酸緩衝液(pH5.0)に保存した組換え型ヒトインターフェロンβ(最終濃度200μg/ml、Goeddelらの方法(Nucleic Acid.Res.Vol.8,4057−4074(1980)に従って組み換え大腸菌により発現精製を行った。)に各々、グルコース、グリセロール又はエチレングリコールを最終濃度が1、5、10、20%となるように添加した後、非添加コントロールと共に1Mリン酸水素二ナトリウム溶液を用いてpHを7.8に調節した。ヒドロキシスクシンイミドエステル活性化ポリエチレングリコール(平均分子量40K、Shearwater Polymers,INC社製品、日本油脂より購入)をインターフェロンβに対して約10倍モル混合し、4℃で一晩結合反応をさせた。反応後、未反応のインターフェロンβを除き、各々調製した反応液のインターフェロンβ活性の測定を行った。
活性の測定は、酵素抗体(サンドイッチイムノアッセイ)法を用いた(石川榮治「酵素免疫測定法」(第3版)、180頁、医学書院を参照)。具体的には、ウサギ抗インターフェロンβ抗体をイムノプレートに固相化し、試料と同時に活性を持つインターフェロンβ構造のみを認識するマウスモノクローナル抗体の酵素標識体を添加した。未結合物を洗浄後、発色基質を添加し、標準品の発色値との対比から試料のインターフェロンβ活性を算出した(インターフェロンβ活性は培養細胞の抗ウイルス活性に基づく生物活性測定法と同等の結果が得られることを確認した)。同様に界面活性剤であるTween80あるいはHCO60を添加した場合は、インターフェロンβの凝集は抑制されるものの、PEGの結合反応の進行も大きく抑制されたため、結合体の活性を測定するには至らなかった。
表1に示したように、グルコース、グリセロール、エチレングリコールを適量反応溶液に存在させた場合、コントロール(添加剤非存在下でのPEG結合反応で得られたPEG−インターフェロンβ複合体の活性)に比較して、明らかな活性向上効果が認められた。
[実施例2]
19番目のリジンのアミノ基にポリエチレングリコールが結合したインターフェロンβ複合体の分離精製:
0.5M塩化ナトリウム、100mM酢酸緩衝液(pH5.0)に保存した組換え型ヒトインターフェロンβ(最終濃度200μg/ml)にエチレングリコールを(最終濃度20%)添加した後、1Mリン酸水素二ナトリウム溶液を用いてpHを7.6に調節した。ヒドロキシスクシンイミドエステル活性化ポリエチレングリコール(平均分子量40K、日本油脂より購入)を混合し、4℃で一晩結合反応をさせた。反応液を10mM NaCl−0.05% Tween20を含む20mM酢酸緩衝液(pH4.5)に対して4℃で一晩透析を行った。透析液を腸イオン交換カラムである Poros HS 1.7mL−gel(アプライドバイオシステムズ製)、あるいはSP−5PW(東ソー)に供した。溶出は溶媒A:10mM NaClを含む20mM酢酸緩衝液(pH4.5〜4.7)に対する溶媒B:1M NaClを含む20mM酢酸緩衝液(pH4.5〜4.7)の混合比率を上げることにより行った。具体的には、Poros HSにおいては溶媒Bの比率を30、40、50、100%と非連続的に、SP−5PWにおいては0→100%の連続勾配により溶出を行った。図1にPoros HS溶出の吸光クロマトチャートを示した。吸光クロマトチャート上、溶媒Bの比率を30、40、50、100%に段階的に上昇させた際に溶出された成分をそれぞれピーク1〜4(図中(i)〜(iv))と名付けた。
図2に各ピーク(1〜4)成分をSDS−PAGEにより分離後銀染色により解析した結果を示した。ピーク2に目的の19番目のリジン残基に分子量40KのPEGを結合したインタフェロンβ複合体を得ることができた。副生物として3のピークに33番目のリジン残基にPEGが結合したインタフェロンβ複合体、4のピークにN末端アミノ基、及び108、134番目のリジン残基にPEGが結合したインタフェロンβ複合体など、反応では完全に制御することができずに存在する僅かなPEG結合部位の異性体を分離することが可能であった。未反応のインターフェロンβはピーク4、PEGが2分子結合したインターフェロンβはピーク1に分離することができた。
図3にSP−5PWで溶出したときの吸光クロマトチャートを示した。SP−5PWでも、Poros HSを用いた時と同様の分離が可能であり、目的の19番目のリジン残基に分子量40KのPEGを結合したインタフェロンβ複合体はピーク2として全タンパク量の約65%(未反応のインターフェロンβを除いたPEG複合体における割合は65%以上である)を占めていた。
[実施例3]
組換え型インターフェロンβのポリエチレングリコールの結合部位の確認:
実施例2で分離したSP−5PWの各ピーク画分を、固相抽出カートリッジ(OASIS HLB、Waters)で脱塩・濃縮した後、遠心エバポレーターにて乾固した。さらに、6mol/Lグアニジンを含むトリス緩衝液(pH9)で溶解した後、ジチオスレイトールによるCysの還元、ヨードアセトアミドによるカルボキシアミドメチル化を行った後、リジルエンドペプチダーゼを添加し37℃で5時間放置し、構造特異的消化を行った。最後に酢酸にて酵素反応を停止し、分析のための前処理済み試料とした。
初めに、この試料の逆相HPLC分析(カラム:Cadenza CD−C(184.6x150)を用い、検出波長:214nm(UV)、カラム温度:40℃、流速:0.8mL/分、移動相A:酢酸/TFA/蒸留水(1/0.2/1000)、移動相B:酢酸/TFA/アセトニトリル/蒸留水(0.9/0.2/800/200)、グラジエント:80分で移動相Bを5%から70%にした。その後、5分で移動相Bを70%から100%にした。分析サイクル:120分)を行った。
PEG結合反応前のインターフェロンβのリジルエンドペプチダーゼ断片に対応するHPLCクロマトチャートにおけるピーク(K1〜K12)を図4、図5−preに示した。図4の矢印は、リジルエンドペプチダーゼ切断部位を示す。切断により生じるペプチド断片をK1〜K12と名付けた。図5のK1〜K12は、それぞれ図4のペプチド断片K1〜K12に相当する。これに対し、ピーク2のペプチドマップは図5−2(図中(ii)、以下同様)に示したように、ペプチドK1及びK2の顕著な消失が認められた。このことは、19番目のリジン側鎖のアミノ基にPEGが導入され、消化を免れることによりペプチドK1及びK2が生成されないことによるものと考えられ、PEG導入部位は19番目のリジンであると推定された。
ピーク3のペプチドマップは図5−3に示した結果となり、ペプチドK2の顕著な消失が認められた。これは、33番目のリジン側鎖のアミノ基にPEGが導入され、消化を免れることによりペプチドK2が生成されないためと考えられ、PEG導入部位はLys33が主であると推定された。
ピーク4については図5−4に示したように、K1の減少が認められることからN末結合体が存在することが推定された。その他に、K10ペプチドが半減していることから、Lys134あるいはLys123異性体が含まれる可能性が示唆された。
次に、ピークの逆相HPLC分析において75分付近のピークとして現れるPEGペプチド結合断片のアミノ酸配列分析を行った。この結果と前述のペプチドマップの情報から、反応主生成物であるピーク2が目的の19番目のリジンにPEGが結合した複合体であると確認された。それぞれ僅かな副生物として、ピーク3に33番目のリジン、ピーク4に134、108番目のリジン及びN末端にPEGが結合した位置異性体が分離されていた。
[実施例4]
19番目のリジン残基に選択的に分子量40K及び20KのPEGを結合したインターフェロンβ複合体の残存活性測定:
19番目のリジン残基に選択的に分子量40K及び20KのPEGを結合した組換え型ヒトインターフェロンβ複合体を実施例2の方法で合成・単離精製し、PEG結合前の組換え型ヒトインターフェロンβとの活性比較を行った。インターフェロンβ活性の比較は抗ウイルス活性を測定することで判定した。具体的には、ヒト羊膜細胞であるFL細胞とシンドビス(sindbis)ウイルス、あるいは水疱性口内炎(vesicular stomatitis)ウイルス(VSV)を組み合わせたバイオアッセイ法を用いることで判定した(Armstrong,J.A.,Methods In Enzymology,78,381−387,(1981))。
その結果、PEG結合前の組換え型ヒトインターフェロンβの活性は1.22×108MIU/mg、40KのPEG結合体の抗ウイルス活性は5.5×107MIU/mgであり、残存活性は45%と高値であった。同様にして測定した20KのPEG結合体の残存活性は38.7%であった。
[実施例5]
19番目のリジン残基に選択的に分子量40KのPEGを結合したインターフェロンβ複合体の体内動態、薬効マーカー誘導活性評価:
19番目のリジン残基に選択的に分子量40KのPEGを結合した組換え型ヒトインターフェロンβ複合体を実施例2の方法で合成・単離精製し、ウサギ(NZW、雄)に9M/kgで投与した。投与前及び投与15分、1.5時間、3.5時間、8時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日後に採血し、血漿の抗ウイルス活性の測定及び全血の2−5AS合成酵素の活性を行った。抗ウイルス活性の測定は実施例1に記載した方法で、2−5AS合成酵素の活性測定は2−5Aキット‘栄研’(栄研化学)を用い、指定された方法に従って行った。図6に抗ウイルス活性測定に基づく経時的なインターフェロンβの血中残存活性、図7に薬効指標としての2−5AS合成酵素の活性の結果をグラフで示した。分子量40KのPEGを結合させることで、インターフェロンβの血中残存活性(AUC)が20.8倍増加し、これは薬効マーカーの誘導活性の上昇(PEG結合によりAUCが7.6倍、7日後においても未修飾インターフェロンβの薬理マーカー誘導最高値を上回っていた)に繋がっていた。
[実施例6]
134番目のリジンのアミノ基にポリエチレングリコールが結合したインターフェロンβ複合体の分離精製:
実施例2と同様にして得た組換え型ヒトインターフェロンβのPEG結合反応溶液に5倍容の10mM酢酸緩衝液(pH4.5)を添加し、同緩衝液で平衡化した陽イオン交換カラム(TOYOPEARL CM 650(S)(東ソー))に供した。
1Mの塩化ナトリウムを含む同緩衝液が0から65%となるように連続勾配で混合比を上げて溶出されるタンパク質を分画した。溶出された分画をSDS−PAGE及びSP−5PWカラム(東ソー)で分析した。それぞれの結果を図8−A及びBに示した。
その結果、実施例2と同様に3つのピークが得られたが、3番目のピーク(図8−Aのピーク(iii))に含まれる分画を個別にSP−5PWカラムで分析すると、更に幾つかの成分に単離していることが判った(図8−B)。この中で構成比が最も高く、最後に溶出されるピーク(図8−Bの矢印)を含む画分を実施例3と同様の方法で分析した結果、134番目のリジンにPEGが結合したIFN−β複合体が単離されていた。
[実施例7]
PEG結合リジンが非選択的な反応方法と選択的な結合反応によって得られるPEGインターフェロンβの活性比較:
実施例2と同様の方法で、0.5M塩化ナトリウム、100mM酢酸緩衝液(pH5.0)に保存した組換え型ヒトインターフェロンβあるいは天然型インターフェロンにエチレングリコールを最終濃度20%となるように添加した後、1Mリン酸水素二ナトリウム溶液を用いてpH5.5(反応条件1)もしくは7.6前後(反応条件2)に調節した。ヒドロキシスクシンイミドエステル活性化ポリエチレングリコール(平均分子量10K、20K、40K Shearwater Polymers,INC社製品、日本油脂株式会社より購入)をインターフェロンβ1分子に対して45倍となるように混合し、4℃で一晩結合反応をさせた。
同時に、、組換え型ヒトインターフェロンβあるいは天然型インターフェロンβ溶液にSDSを最終濃度が0.1%になるように添加した後、反応液のpHを9.0になるように調整した(反応条件3)。これを、ヒドロキシスクシンイミドエステル活性化ポリエチレングリコール(平均分子量10K、20K、40K)をインターフェロンβ1分子に対して45倍となるように混合し、4℃で一晩結合反応をさせた。
それぞれ反応後の溶液中のインターフェロンβ活性を実施例4と同様に抗ウイルス活性測定法で評価し、SDS−PAGEにて結合反応の進行を確認した。
表2に示したように、PEGの結合するリジンの選択性を確保していない反応条件3ではインターフェロンβの活性がPEG分子量に因らず、10%以下に低下していた。一方、19番目あるいは134番目のリジンへの結合選択性を上げた反応条件1および2では、PEG分子量に因らず、インターフェロンβの活性は最低でも10%以上保持されていることが確認された。
[実施例8]
PEGが非選択的に2分子以上結合したインターフェロンβ複合体と19番目あるいは134番目のリジンに選択的にPEGが1分子結合した複合体の活性比較:
実施例6と同様にPEG結合反応後、TOYOPEARL CM 650(S)(東ソー)カラムで分離した、PEGが非選択的に2分子以上結合したインターフェロンβ複合体と19番目あるいは134番目のリジンに選択的にPEGが1分子結合した複合体をそれぞれ含む画分のインターフェロンβ活性を抗ウイルス活性測定法(実施例4記載)で測定した。その結果、図9に示すようにPEGが非選択的に2分子以上結合したインターフェロンβ複合体が1%程度の活性しか保持していないのに対し、19番目あるいは134番目のリジンに選択的に40KのPEGが1分子結合した複合体は10%以上の活性を保持していた。
[実施例9]
分子量20,000と40,000のPEGを結合したIFN−β複合体の血中滞留性比較:
分子量20,000と40,000のPEGを結合したIFN−β及びPEGを結合していないIFN−βを125Iで標識し、ウサギの静脈内に投与後、6日目まで経時的に採血し、γカウンターで放射活性を測定して血中に残留している各インターフェロンβ量を測定した。図10に投与時の放射活性を100%としたときの血中残留量の経時変化を表示した。6日目までの血中残留量の積分値はPEGの分子量が40,000の時はPEGを結合していないIFN−βの5.5倍に上昇していた。またPEGの分子量が20,000の時はPEGを結合していないIFN−βの1.5倍の上昇に止まった。このことから、分子量が20,000以上のPEGを活性を保持したままIFN−βに結合することは、IFN−β複合体の血中滞留性にとって重要であることが確認された。
本明細書中で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書中にとり入れるものとする。
産業上の利用の可能性
本発明によれば、インターフェロンβのアミノ酸配列の19番目、あるいは134番目のリジンに特異的にポリエチレングリコールを特異的に結合させることができる。本発明の方法で得られるインターフェロンβ複合体は高い活性を保持しつつ、生体内での十分な溶解性と物理的・生物学的安定性、並びに優れた循環半減期とクリアランス値を有する。したがって、本発明のインターフェロンβ複合体は、副作用が少なく、効果の高い医薬品として有用である。
Claims (13)
- 糖単位の数が5以下の少糖類及び単糖類、これらの糖アルコール、並びに炭素数2ないし6の多価アルコールから成る群より選ばれる少なくとも1種の添加剤存在下で、インターフェロンβとポリエチレングリコールとを結合させることを特徴とするインターフェロンβ複合体の製造方法。
- 前記添加剤が、二糖類、単糖類及びこれらの糖アルコール、並びに炭素数2及び3の多価アルコールから成る群より選ばれる、請求項2記載の製造方法。
- 前記添加剤が、グルコース、マンニトール、ソルビトール、シュクロース、トレハロース、エチレングリコール及びグリセロールから成る群より選ばれる、請求項1乃至3記載の製造方法。
- 前記インターフェロンβが、天然型インターフェロンβあるいは組換え型インターフェロンβ、もしくはそれらの改変体である、請求項1乃至4記載の製造方法。
- 前記ポリエチレングリコールの平均分子量が10,000〜60,000である、請求項1乃至4記載のインターフェロンβ複合体の製造方法。
- インターフェロンβのアミノ酸配列の19番目又は134番目のリジン、あるいはこれらに立体的に近接する部位に特異的にポリエチレングリコールを結合させることを特徴とする、請求項1乃至5記載の製造方法。
- インターフェロンβのアミノ酸配列の19番目又は134番目のリジンに特異的にポリエチレングリコールを結合させることを特徴とする、請求項1乃至5記載の製造方法。
- pH5.0〜8.5にてポリエチレングリコールをインターフェロンβと反応させることを特徴とする、請求項1乃至7記載の製造方法。
- pH5.0〜8.5にてアミノ基反応性の官能基により活性化されたポリエチレングリコールとインターフェロンβを反応させた後、イオン交換担体による濃縮精製工程を経てインターフェロンβのアミノ酸配列の19番目、あるいは134番目のリジンに特異的にポリエチレングリコールが結合したインターフェロンβ複合体を得ることを特徴とする、請求項1乃至8記載の製造方法。
- ヒドロキシスクシンイミドエステル又はニトロベンゼンスルホネートエステル構造を有する化合物によりポリエチレングリコールを活性化することを特徴とする、請求項9記載の製造方法。
- 請求項1乃至10記載の方法によって製造されるインターフェロンβ複合体。
- 抗ウイルスアッセイにおけるインターフェロンβ活性が、結合前のインターフェロンβの10%以上の効力を保持していることを特徴とする、請求項11記載のインターフェロンβ複合体。
- 請求項11又は12記載のインターフェロンβ複合体を含む医薬組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005513387A JP4850514B2 (ja) | 2003-08-25 | 2004-08-24 | インターフェロンβ複合体 |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003299850 | 2003-08-25 | ||
JP2003299850 | 2003-08-25 | ||
JP2005513387A JP4850514B2 (ja) | 2003-08-25 | 2004-08-24 | インターフェロンβ複合体 |
PCT/JP2004/012452 WO2005019260A1 (ja) | 2003-08-25 | 2004-08-24 | インターフェロンβ複合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2005019260A1 true JPWO2005019260A1 (ja) | 2007-11-01 |
JP4850514B2 JP4850514B2 (ja) | 2012-01-11 |
Family
ID=34213782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005513387A Active JP4850514B2 (ja) | 2003-08-25 | 2004-08-24 | インターフェロンβ複合体 |
Country Status (11)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US7691975B2 (ja) |
EP (1) | EP1666496B1 (ja) |
JP (1) | JP4850514B2 (ja) |
KR (1) | KR101157679B1 (ja) |
CN (2) | CN100519581C (ja) |
AU (1) | AU2004266969B2 (ja) |
CA (1) | CA2536643C (ja) |
ES (1) | ES2452640T3 (ja) |
PL (1) | PL1666496T3 (ja) |
PT (1) | PT1666496E (ja) |
WO (1) | WO2005019260A1 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101163716B (zh) * | 2005-04-30 | 2011-09-07 | 成都生物制品研究所 | 白细胞介素-6聚乙二醇结合物及其制备方法和应用 |
WO2009080699A2 (en) * | 2007-12-20 | 2009-07-02 | Merck Serono S.A. | Peg-interferon-beta formulations |
GB0912485D0 (en) * | 2009-07-17 | 2009-08-26 | Polytherics Ltd | Improved conjugation method |
KR101979045B1 (ko) | 2011-10-01 | 2019-05-15 | 가부시키가이샤 도우사 고가쿠 겐큐쇼 | 당쇄 부가 폴리펩티드 및 상기 폴리펩티드를 포함하는 의약 조성물 |
JP6112009B2 (ja) * | 2012-02-29 | 2017-04-12 | 東レ株式会社 | 体腔液貯留抑制剤 |
CA2908211C (en) | 2013-03-29 | 2022-07-19 | Glytech, Inc. | Polypeptide glycosylated with sialylated sugar chain |
JP2017100946A (ja) * | 2014-03-28 | 2017-06-08 | 東レ株式会社 | 悪液質の治療剤又は予防剤 |
Family Cites Families (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1985003934A1 (en) | 1984-03-06 | 1985-09-12 | Takeda Chemical Industries, Ltd. | Chemically modified protein and process for its preparation |
US4766106A (en) * | 1985-06-26 | 1988-08-23 | Cetus Corporation | Solubilization of proteins for pharmaceutical compositions using polymer conjugation |
DE3676670D1 (de) * | 1985-06-26 | 1991-02-07 | Cetus Corp | Solubilisierung von proteinen fuer pharmazeutische zusammensetzungen mittels polymerkonjugierung. |
US4917888A (en) * | 1985-06-26 | 1990-04-17 | Cetus Corporation | Solubilization of immunotoxins for pharmaceutical compositions using polymer conjugation |
US5824784A (en) | 1994-10-12 | 1998-10-20 | Amgen Inc. | N-terminally chemically modified protein compositions and methods |
DE69805844T2 (de) * | 1997-12-19 | 2002-10-24 | Applied Research Systems | Ifnnar/ifn komplex |
DK1656952T3 (da) | 1998-10-16 | 2014-01-20 | Biogen Idec Inc | Polyalkylenglycolkonjugater af interferon beta-1A og anvendelser deraf |
WO2001013736A1 (en) * | 1999-08-20 | 2001-03-01 | Honeybaked Ham, Inc. | Apparatus for coating meat |
US6531122B1 (en) * | 1999-08-27 | 2003-03-11 | Maxygen Aps | Interferon-β variants and conjugates |
MXPA02001969A (es) * | 1999-08-27 | 2003-07-21 | Maxygen Aps | Nuevas moleculas similares a interferon beta. |
EP1270642B1 (en) * | 1999-12-24 | 2011-08-31 | Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. | Branched polyalkylene glycols |
US7226903B2 (en) * | 2001-10-10 | 2007-06-05 | Neose Technologies, Inc. | Interferon beta: remodeling and glycoconjugation of interferon beta |
JP2004035515A (ja) | 2002-07-05 | 2004-02-05 | Toray Ind Inc | インターフェロンβ複合体の製造方法 |
-
2004
- 2004-08-24 PL PL04772408T patent/PL1666496T3/pl unknown
- 2004-08-24 CN CNB2004800313015A patent/CN100519581C/zh active Active
- 2004-08-24 CN CN200910142688.6A patent/CN101880326B/zh active Active
- 2004-08-24 PT PT47724083T patent/PT1666496E/pt unknown
- 2004-08-24 US US10/569,211 patent/US7691975B2/en active Active
- 2004-08-24 CA CA2536643A patent/CA2536643C/en active Active
- 2004-08-24 ES ES04772408.3T patent/ES2452640T3/es active Active
- 2004-08-24 WO PCT/JP2004/012452 patent/WO2005019260A1/ja active Application Filing
- 2004-08-24 KR KR1020067003751A patent/KR101157679B1/ko active IP Right Grant
- 2004-08-24 AU AU2004266969A patent/AU2004266969B2/en active Active
- 2004-08-24 JP JP2005513387A patent/JP4850514B2/ja active Active
- 2004-08-24 EP EP04772408.3A patent/EP1666496B1/en active Active
-
2009
- 2009-10-15 US US12/579,438 patent/US7915386B2/en active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR20060134905A (ko) | 2006-12-28 |
AU2004266969B2 (en) | 2010-02-25 |
CN1871257A (zh) | 2006-11-29 |
CA2536643C (en) | 2013-11-12 |
CN100519581C (zh) | 2009-07-29 |
US20100145017A1 (en) | 2010-06-10 |
JP4850514B2 (ja) | 2012-01-11 |
KR101157679B1 (ko) | 2012-06-20 |
CN101880326A (zh) | 2010-11-10 |
EP1666496B1 (en) | 2014-03-12 |
US7915386B2 (en) | 2011-03-29 |
US20060246034A1 (en) | 2006-11-02 |
PT1666496E (pt) | 2014-06-24 |
WO2005019260A1 (ja) | 2005-03-03 |
EP1666496A1 (en) | 2006-06-07 |
CN101880326B (zh) | 2018-02-16 |
AU2004266969A1 (en) | 2005-03-03 |
ES2452640T3 (es) | 2014-04-02 |
CA2536643A1 (en) | 2005-03-03 |
PL1666496T3 (pl) | 2014-08-29 |
EP1666496A4 (en) | 2006-09-13 |
US7691975B2 (en) | 2010-04-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI364295B (en) | Polymer conjugates of cytokines, chemokines, growth factors, polypeptide hormones and antagonists thereof with preserved receptor-binding activity | |
US7311902B2 (en) | Conjugates comprising human IL-18 and substitution mutants thereof | |
JP5336372B2 (ja) | G−csf部位特異的モノコンジュゲート | |
RU2485134C2 (ru) | Интерферон альфа 2в, модифицированный полиэтиленгликолем, получение препарата и его применение | |
PL206536B1 (pl) | Kompozycja, kompozycja farmaceutyczna glikozylowanego interferonu-beta-1a, zastosowanie kompozycji glikozylowanego interferonu-beta-1a, sposób in vitro przedłużania aktywności glikozylowanego interferonu-beta-1a | |
JP2007533665A (ja) | 新規g−csf結合体 | |
US20090214472A1 (en) | Interferon-beta polymer conjugates | |
EP2113517B1 (en) | Conjugates comprising angiostatin and its fragments, methods for preparing the conjugates thereof | |
US7915386B2 (en) | Method of producing an interferon-β complex | |
JP2001064300A (ja) | エリスロポエチン誘導体 | |
JP2008543304A (ja) | ヒト顆粒球コロニー刺激因子イソ型(HumanGranulocyte−ColonyStimulatingFactorIsoforms) | |
EP2196475B1 (en) | INTERFERON ALPHA 2a MODIFIED BY POLYETHYLENE GLYCOL, ITS SYNTHESIS PROCESS AND APPLICATION | |
RU2575796C2 (ru) | Пегилированный конъюгат варианта рекомбинантного консенсусного интерферона и способ его получения, и применение | |
RU2575796C9 (ru) | Пегилированный конъюгат варианта рекомбинантного консенсусного интерферона и способ его получения, и применение | |
RU2576372C2 (ru) | МОЛЕКУЛА ИНТЕРФЕРОНА-β-1а ЧЕЛОВЕКА, МОДИФИЦИРОВАННАЯ ПОЛИЭТИЛЕНГЛИКОЛЕМ, ОБЛАДАЮЩАЯ ПРОТИВОВИРУСНОЙ, ИММУНОМОДУЛИРУЮЩЕЙ И АНТИПРОЛИФЕРАТИВНОЙ АКТИВНОСТЯМИ, С ПОВЫШЕННОЙ СТАБИЛЬНОСТЬЮ, УМЕНЬШЕННОЙ ИММУНОГЕННОСТЬЮ, УЛУЧШЕННЫМИ ФАРМАКОКИНЕТИЧЕСКИМИ И ФАРМАКОДИНАМИЧЕСКИМИ ПАРАМЕТРАМИ, ПРИГОДНАЯ ДЛЯ МЕДИЦИНСКОГО ПРИМЕНЕНИЯ И ИММУНОБИОЛОГИЧЕСКОЕ СРЕДСТВО НА ЕЕ ОСНОВЕ | |
JP2005281302A (ja) | 修飾インターロイキン−11及びそれを含有する医薬組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100309 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100507 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110111 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111011 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111019 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4850514 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141028 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |