JPWO2004106212A1 - エレベータシステム - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、樹脂被覆ロープの寿命を十分に確保できる樹脂被覆ロープを利用したエレベータを提供することにある。そこで、本発明は、吊り合いおもりに設けられたプーリの軸は、吊り合いおもりの長手方向と平行であり、吊り合いおもりに設けられたプーリの軸と前記かご上又はかご下に設けられたプーリの軸は平行であるように構成した。
Description
本発明は、エレベータシステムに係り、特に、樹脂被覆ロープを用いたエレベータシステムに関する。
従来技術として、特開平2001−262482号公報,特表2002−504469号公報がある。これら公報には、スチールロープに代わり、樹脂被覆ロープを利用したエレベータが開示されている。
しかしながら、上記従来技術において、樹脂被覆ロープの寿命を考慮したエレベータのプーリ配置等について何ら考慮されていない。
しかしながら、上記従来技術において、樹脂被覆ロープの寿命を考慮したエレベータのプーリ配置等について何ら考慮されていない。
本発明の目的は、樹脂被覆ロープの寿命を十分に確保できる樹脂被覆ロープを利用したエレベータを提供することにある。
そこで、本発明は、吊り合いおもりに設けられたプーリの軸は、吊り合いおもりの長手方向と平行であり、吊り合いおもりに設けられたプーリの軸と前記かご上又はかご下に設けられたプーリの軸は平行であるように構成した。
そこで、本発明は、吊り合いおもりに設けられたプーリの軸は、吊り合いおもりの長手方向と平行であり、吊り合いおもりに設けられたプーリの軸と前記かご上又はかご下に設けられたプーリの軸は平行であるように構成した。
第1図は、本発明の一実施の形態における全体構成図である。第2図は、本発明の一実施の形態における昇降路,機械室上部構成図である。第3図は、本発明の他の一実施の形態における全体構成図である。第4図は、本発明の他の一実施の形態におけるかご上部構成図である。第5図は、本発明の他の一実施の形態における全体構成図である。第6図は、本発明の他の一実施の形態における全体構成図である。第7図は、本発明の他の一実施の形態における全体構成図である。第8図は、本発明の他の一実施の形態における昇降路,機械室上部構成図である。第9図は、本発明の他の一実施の形態における全体構成図である。第10図は、本発明の他の一実施の形態における昇降路,機械室上部構成図である。第11図は、本発明の他の一実施の形態における全体構成図である。
以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
第1図は、本発明の一実施形態の全体構成を示す図である。
この図では、そらせ車11の軸16と綱車10の軸15が略平行になるように、そらせ車11と綱車10が配置されている。また、釣り合いおもり上部の転向プーリ軸17とかご上転向プーリ軸18も略平行になるように、おもり転向プーリ5とかご上転向プーリが配置されている。そして、各プーリにローピングされている。この図では、エレベータ利用者が紙面の右方向から左方向に乗り込む(釣り合いおもりは乗りかごの後ろに落とされる)ようになっている。
第1図において、機械室床面1に設置されたビーム(図示せず)などに取り付けられるシンブルロッド2に樹脂被覆ロープ3の両端が接続されている。このロープ端から昇降路下部に向かってロープを垂らし、一方は釣り合いおもり4の上部に設置された転向プーリ5に巻き付けられてロープは上方に向かう。この転向プーリ5は、吊り合いおもり4の長手方向と転向プーリ軸17が平行になる方向に設置されている。これは、樹脂被覆ロープ3が特に嫌う表面摩耗のうち、プーリ溝の側面で発生する摩耗を最小にする為である。つまり、台26の上に取り付けられたそらせ車11の軸16に対してロープを90°ひねらないようにする為、転向プーリ5の軸17とそらせ車11の軸16とが平行となるように、転向プーリ5を、吊り合いおもり4の長手方向と転向プーリ軸17が平行になるように設置しているのである。
従来のスチールロープ使用時において、スチールロープの曲げ半径が大きい為、転向プーリ5は、その軸が釣合いおもりの長手方向と直行するように配置せざるを得なかった。つまり、転向プーリ5を、その軸方向が吊り合いおもりの長手方向と平行になるように配置すると、スチールロープの曲げ半径が大きい為、釣り合いおもり4の厚み(紙面左右方向)に対して転向プーリ5の径が大きくなり、このプーリ径が占有空間を決めてしまい、昇降路断面積が増加してしまう問題があった。その為、転向プーリ5を、その軸方向が吊り合いおもりの長手方向と平行になるように配置することは採用されていない。
本実施例では、曲げ半径の制約が小さい小径の樹脂被覆ロープを用いて転向プーリ径をおもり厚さよりも小さくし、プーリをおもり長手方向に直交配置する事によって全体としてのおもり厚みの増加を抑制した。ただし、小径ロープでは、かごやおもりの重量を支えるためには、本数で強度を稼ぐ必要が生じ、プーリ厚みが増加する。この場合、本実施例の機器配置ではプーリの軸方向の厚み増加はおもりの長手方向のプーリ長増加の形となるが、長手方向に対する制約はほとんどないので、この点からの新たな問題は生じず、側面摩耗を伴うロープひねりを完全に避けることができ、ロープの長寿命化の効果が生じる。
ロープ3のもう一方もシンブルロッド2から昇降路下方に垂らされて、かご上転向プーリ9に巻き付けられて方向を変えて上方に向かう。転向プーリ9はその軸18がクロスヘッド8から出された図示していないアングルに取り付けられている。クロスヘッド8はかごの乗り込み方向の左右に2本立っている枠7に頂部で水平に締結されている。かご枠7はプラットフォーム6に下部で締結され、かご室13は防振ゴム12を介してプラットフォーム6の上に載せられている。また、かご室13に対向する形で各階乗り場床14が位置して、利用者19が紙面左右方向のドア27を通って乗り降りすることになる。この実施例では、かご上転向プーリ9の軸18は台25上に取り付けられたモータ20の綱車10の軸15と平行方向に設置されており、樹脂被覆ロープの側面がかご上転向プーリ9の溝の側面でも削られることがないようにひねりを生じさせない機器配置を提案している。つまり、4つすべての回転軸を平行配置したため、樹脂ロープは全くひねられることなく、樹脂ロープは側面摩耗要素による寿命短縮の可能性は皆無となる。なお、かご側の転向プーリ9に関しては、もともとかごの奥行きは十分あるため、釣り合いおもり4のようにかごの厚み(奥行き)と径の大きさとの関係から生じる障害は皆無である。さらに、軸18がクロスヘッド8と平行設置なため、軸の両端に取り付けたアングルをクロスヘッドに直接接続できるので、従来の軸がクロスヘッドと直交する配置よりも配置が容易という別の効果を生み出す。(機器の具体配置は第2図で詳細に述べる。)また、軸長増加による軸の曲がりが顕在化した場合には、プーリを軸方向にいくつかに分割して複数の中間アングルを分割プーリ間に適宜配置して締結すればよい。さらにここでは、かご上転向プーリ9をクロスヘッド8の下部に設置して、ロープがクロスヘッドの下をくぐるような構成としているので昇降路頂部とかごの頂部とのすき間寸法であるオーバーヘッド距離を決める主要因に転向プーリがなることはなく、オーバーヘッド寸法を短くつめることができる効果も生じる。
昇降路下部のおもり側から上がってきたロープはおもり上部転向プーリ5と鉛直投影面で重なるそらせ車11と、昇降路下部のかご側から上がってきたロープはかご上部転向プーリ9と鉛直投影面で重なる綱車10に引っかけられ、つなげられることになる。また、綱車10にはエレベータ駆動電動機20が同軸に接続されている。ローピングの関係からシンブルロッド2はそらせ車11や綱車10よりも内側のデッドスペースに設置されることになるので、ややロープの切りつめ作業などで不便はあるものの、機械室床の有効活用に有益である。従来のシステムでは、スチールロープと鉄製の綱車では大きな粘着が確保できないので、綱車に2回ロープを巻き付けるフルラップ方式が用いられていたが、本実施例では、主ロープとして表面材が他の車表面材よりも柔らかい樹脂被覆ロープを用いているので、樹脂被覆ロープの寿命延長を最優先に考えて、綱車とロープの接触長さを最小限にとどめて表面摩耗を削減し、さらに、芯線の寿命を決定するロープの曲げ回数を減らす為、綱車とそらせ車におけるロープの曲げ回数を従来の1/3にして、表面と内部の両面から樹脂被覆ロープの寿命延長をはかるため1回のみロープを綱車とそらせ車に渡しかけるシングルラップ構成を用いている。さらに、フルラップ構成ではロープの中心はロープ1本+溝幅だけずれて巻き付けられるので、厳密には溝の側面でロープがこすられることになるが、この点の回避でも提案の樹脂被覆ロープにおけるシングルラップ構成は表面のうち特に側面摩耗寿命延長の点で有効である。
また、高速エレベータ以上の機種では電動機20の体格が大きいので、標準エレベータのように釣り合いおもり4の鉛直上に配置するのは得策ではなく、本提案では樹脂被覆ロープを用いた標準エレベータとは異なり、乗りかご上部の転向プーリ9の鉛直上方に電動機を配置して機械室内の機器占有空間を最小にとどめている。さらに、この配置では釣り合いおもりが後ろ落としとなるので、多くのエレベータがバンクとして横一列に並ぶバンク構成時にも樹脂被覆ロープの摩耗や曲げをほとんど生じさせない長寿命なエレベータ群のシステムを構築できる効果もある。さらに加えるに、乗り込み方向に発生するかごの偏荷重が仮に生じてもその回転モーメントは転向プーリの回転方向と同一方向なので、偏荷重の発生によって転向プーリ9の側面で樹脂被覆ロープが摩耗させられると言う不都合もこの機器配置なら生じない効果もある。
第2図に本発明の一実施例のうち、機械室と昇降路を上方からながめた機器配置構成図を示す。(a)は機械室床面を機械室天井よりながめた図であり、(b)は昇降路を機械室床下部よりながめた図である。(a)と(b)をつなぐ点線はロープのうちの1本の接続関係を示したものである。(a)からはシンブルロッド2よりロープは昇降路へ降りて行き、それぞれおもりとかごの転向プーリ5,9を通って上がって来たロープがそらせ車11と綱車9の上部を通ってねじれなく配置されていることがわかる。(b)からはロープをクロスヘッド8に当てずに上部に引き出すため、クロスヘッド幅よりも多少転向プーリ9の直径を大きく設定し、軸方向に複数(ここでは2つに)に分割された転向プーリ9がクロスヘッド8の下部、つまりかご室寄りに3つのアングル21で要所要所を取り付けていることがわかる。これは、小径プーリ化を実現する為の小径樹脂被覆ロープが主ロープ全体としてつり下げられる強度を増すために多数の本数でプーリにかけられるためである。アングルはクロスヘッドに直接複数箇所で取り付けられるが、軸18がクロスヘッド8の方向と平行である配置は構成部品点数の削減に効果があるし、軸の曲がり防止という効果も生み出す。さらに、この複数個の分割プーリの組み合わせ構成は、かご重量の違いによって変更されるべきロープ強度の違いへの対応をロープ本数、つまり、プーリ数の増減で対応できるので、多くの種類のプーリを用意しなくてもよい標準化の効果をも有しているといえる。また、複数掛け小径ロープの寿命に対するプーリ径の下限値は綱車にも当てはまることで、綱車にも小径のプーリが採用できることになる。小径の綱車を用いた場合、所定のかご速度を得ようとすれば電動機は高速回転,低トルクの特性を持つ電動機でよいことになり、このことは駆動用電動機の電気的容量は変わらないが、等価減速効果によって体格が小さくなることを意味しており、機械室に電動機を搬入,設置したりする際に好都合という効果を生む。また、複数本掛けの小径樹脂被覆ロープは張力管理などの点で調整手間が増える難点はあるものの、1本の破損ダメージがシステム全体に及ぼすダメージ度合いを軽減する効果もある。また、種々のかご重量機種に対して、主ロープ部分の総合強度をロープ本数の調整で対応することができるので、ロープ太さの違う樹脂被覆ロープを多数種類用意する必要がないので、樹脂ロープ開発費用と期間の短縮にも効果がある。さらに、樹脂被覆ロープでは表面特性をある程度自由に制御できるので、高粘着化が可能であり、従来の鉄同士の粘着確保のための特殊なアンダーカット溝形状でなく、加工が簡単な断面が丸形状のプーリ溝を使うことができる。
第3図に本発明の他の一実施例を示す。第1図と異なるのは、少数台のエレベータをビル内の決められた空間に押し込めるため、釣り合いおもりを後ろ落としから横落としにせざるを得ないケースにおいても、ロープの側面摩耗や曲げを最小限に押さえて、長寿命を確保しうる機器配置を提案している。『横落とし』とはかごへの乗り込み方向と直交する位置におもりが昇降する配置である。ここでは、エレベータ利用者19は紙面に垂直方向に乗降する。かご上部の転向プーリ9の軸18とクロスヘッド8が90°回転した位置関係であること、綱車15がかご上プーリ9と鉛直方向に重ならず、かご側シンブルロッド2と逆側にずれていること、かご上転向プーリ9がクロスヘッド8よりも上部に設置されていることなどが第1図の配置とは異なる。軸とクロスヘッドの90°回転は、おもり横落としのシステムでもロープひねりを生じさせないので側面摩耗を防止する効果がある。シンブルロッド2を外側に設置して、綱車とそらせ車を接近させた効果は、綱車へのロープの巻き付け角を大きく取り、粘着がやや劣る表面特性の樹脂被覆ロープでも採用できる効果と、おもりとかごの鉛直投影上の中心に近い位置に電動機を配置できるレイアウト上の効果を生む。さらに、かご上転向プーリをクロスヘッドよりも高い位置に配置した効果は、騒音の低減と超高速エレベータへの適用拡大である。つまり、この配置は、ややオーバーヘッド寸法上は不利になる配置ではあるが、速度の速いエレベータではもともとオーバヘッド寸法は大きいのでこの点は大きな問題とはならない。一方、プーリとロープの接触騒音は速度が早くなれば増大する方向であるが、音源をかご室から離せればその悪影響は軽減されることを考えると、この機器配置はたとえばプーリ周速が600m/min以上のエレベータシステムに格好の構成といえる。
第4図に本発明の他の一実施例のうちかご上上部の機器配置構成図を示す。この図は機械室からかご上をながめた図面である。かご上の転向プーリ9の軸18をクロスヘッド8に直交する位置に配置し、転向プーリ9をクロスヘッドを中心に2個左右にバランス配置し、中央にアングル21を配置し、クロスヘッド8の上部に取り付けている。軸18を中央部でアングル取り付けすれば、アングルは簡素な構造となり、原価低減に効果がある。かご上プーリ9の個数が図のように偶数であれば中央部で左右に片持ちの構造がとれるし、奇数個の場合には、複数本のクロスヘッド8を渡したり、アングルを『目』の字形として、空間にプーリをはめ込むようにして取り付ければ、音源をかご室から離して設置することは可能である。
第5図に本発明の他の一実施例を示す。第1図と配置が異なる点は、シンブルロッド2がそれぞれロープの外側に配置された点である。つまり、結果として、そらせ車11がおもり上プーリ5と、綱車10がかご上プーリ9とそれぞれ鉛直投影面内で重ならなくなった点である。その効果は、そらせ車と綱車を一層接近させることが可能なので、綱車への樹脂被覆ロープの巻き付角を大きく取れて、粘着特性があまりよくないものの、表面摩耗特性が優れたような樹脂被覆ロープでも採用できる点と、シンブルロッド部が落としロープの外側に出てくるので、ロープの切りつめ作業がやりやすい他の効果がある点である。勿論、90°ひねりが全くないことによる側面摩耗レスと、曲げ回数削減による芯線へのダメージ軽減というロープ寿命延長の基本効果のあることは第1図の実施例と同様である。
第6図に本発明の他の一実施例を示す。第5図と異なるのは、エレベータ利用者の乗り込み方向が紙面垂直方向であり、コンパクトなおもり横落としシステム実現できることが他の効果である。樹脂ロープの摩耗防止,曲げ回数削減による芯線へのダメージ防止,粘着向上による表面材強化樹脂ロープの使用,ロープ切りつめ作業の易化などの効果は全く損なわれていない。
第7図に本発明の他の一実施例を示す。第6図と異なるのは、シンブルロッド2のうちおもり側の1個がロープの外側に配置されている点と、おもりの長手方向と直交する方向におもり上部転向プーリの軸を配置した点である。シンブルロッドはロープの切りつめ時にアクセスするが、通常、片側で切断作業を行えるので、かご側のシンブルロッドがデッドスペースに隠れていることは作業上の大きな障害にはならず、シンブルロッドの1つがロープ落としの外側に出ていることは易作業上の効果を発揮する。一方、おもり上部で軸をおもり長手に対して90°ひねっているので第1図から第6図までの実施例と比べると若干側面摩耗の点で劣るものの、軸が長手方向と直交するのでおもり側の転向プーリの径を大きく取れる効果がある。この配置は、樹脂被覆ロープとして、表面特性を強化し、大容量機種向けを狙って引っ張り強度を高めるために芯線を太くした太径の樹脂被覆ロープを用いるのにはロープ寿命の点で大口径プーリのおもりへの格納が不可欠である。この実施例は太径樹脂被覆ロープを使ったシステム配置実現できる他の効果がある。
第8図に第7図の実施例の機械室と昇降路をそれぞれ上部よりながめた図面を示す。表現法は第2図と同様に(a)が機械室、(b)が昇降路で、両者をつなぐ点線はロープの配置を表す。そらせ車11とおもり上の転向プーリ5の部分でのみ樹脂被覆ロープは側面摩耗の可能性がある。
第9図に本発明の他の一実施例を示す。第7図と異なるのは、かご側の転向プーリにも90°ひねりを加えた配置である。第7図と同様に大口径樹脂被覆ロープを用いたエレベータシステムに格好な機器配置である。かご上部はおもり側と違い、大口径の転向プーリを設置する空間は十分にあるので、ロープ芯線太さと曲げ半径の寿命に関する制約下でおもり側プーリ径が決定し、かご側プーリ径はこれと整合の取れた値のかご上プーリを設定すれば、第7図の実施例と同様に樹脂被覆ロープを大容量機種のエレベータに適用することができ、電動機の容積削減の効果を得ることができる。
第10図に第9図の実施例の機械室と昇降路をそれぞれ上部よりながめた図面を示す。大口径の樹脂被覆ロープを用いるのでロープ本数を削減でき、その分、転向プーリの軸方向の長さを削減でき、その結果として、二カ所のひねりによるねじれ角度を小さくでき、側面摩耗を減らせる他の効果がある。
第11図に本発明の他の一実施例を示す。ここでは第10図までの実施例とは異なり、転向プーリがなく、ロープ端がそれぞれ釣り合いおもり側締結部23とかご側締結部24に接続されている。ここでのポイントはおもり側締結部23で接続される複数本の樹脂被覆ロープが成す平均的な列の方向とそらせ車11の軸16が平行であること、かご側締結部24で接続される複数本の樹脂被覆ロープが成す平均的な列の方向と綱車10の軸15が平行であること、綱車10の軸15とそらせ車11の軸16が平行であることである。これによって、樹脂被覆ロープの表面は、綱車とそらせ車の溝側面で削られる可能性は非常に減らされて、表面の摩耗寿命は延長される。さらに、綱車とそらせ車にはロープはシングルラップされる。これは、フルラップされた場合に、巻き付けられるロープが隣の溝に乗り移って行く際に溝の側面に沿って移動することによる樹脂被覆ロープの側面摩耗やはり軽減する効果がある。さらに、このシングルラップには巻き付け回数を低減する効果があり、芯線の断線寿命を決定づける曲げ回数を従来のフルラップの1/3に削減できるので、1:1ローピングのエレベータシステムにおいても摩耗と断線の両面から樹脂被覆ロープの寿命延長の効果を得ることができる。
このように本実施例によれば、樹脂被覆ロープを用いたエレベータシステムにおいて、その寿命を決定づける表面摩耗や芯線の断線や被覆剥離を、綱車,そらせ車,移動体の転向プーリなど各種プーリの配置,ロープ端の配列とローピングによって、その劣化原因を排除し、ロープの長寿命化を実現できる効果がある。
さらに本実施例によれば、樹脂被覆ロープを信頼度高く用いることができるので、エレベータ用に高速回転,低トルクの駆動用電動機を用いることができ、電動機の小型化,エレベータ機械室自体の削減と機器配置の自由度獲得などの効果がある。
第1図は、本発明の一実施形態の全体構成を示す図である。
この図では、そらせ車11の軸16と綱車10の軸15が略平行になるように、そらせ車11と綱車10が配置されている。また、釣り合いおもり上部の転向プーリ軸17とかご上転向プーリ軸18も略平行になるように、おもり転向プーリ5とかご上転向プーリが配置されている。そして、各プーリにローピングされている。この図では、エレベータ利用者が紙面の右方向から左方向に乗り込む(釣り合いおもりは乗りかごの後ろに落とされる)ようになっている。
第1図において、機械室床面1に設置されたビーム(図示せず)などに取り付けられるシンブルロッド2に樹脂被覆ロープ3の両端が接続されている。このロープ端から昇降路下部に向かってロープを垂らし、一方は釣り合いおもり4の上部に設置された転向プーリ5に巻き付けられてロープは上方に向かう。この転向プーリ5は、吊り合いおもり4の長手方向と転向プーリ軸17が平行になる方向に設置されている。これは、樹脂被覆ロープ3が特に嫌う表面摩耗のうち、プーリ溝の側面で発生する摩耗を最小にする為である。つまり、台26の上に取り付けられたそらせ車11の軸16に対してロープを90°ひねらないようにする為、転向プーリ5の軸17とそらせ車11の軸16とが平行となるように、転向プーリ5を、吊り合いおもり4の長手方向と転向プーリ軸17が平行になるように設置しているのである。
従来のスチールロープ使用時において、スチールロープの曲げ半径が大きい為、転向プーリ5は、その軸が釣合いおもりの長手方向と直行するように配置せざるを得なかった。つまり、転向プーリ5を、その軸方向が吊り合いおもりの長手方向と平行になるように配置すると、スチールロープの曲げ半径が大きい為、釣り合いおもり4の厚み(紙面左右方向)に対して転向プーリ5の径が大きくなり、このプーリ径が占有空間を決めてしまい、昇降路断面積が増加してしまう問題があった。その為、転向プーリ5を、その軸方向が吊り合いおもりの長手方向と平行になるように配置することは採用されていない。
本実施例では、曲げ半径の制約が小さい小径の樹脂被覆ロープを用いて転向プーリ径をおもり厚さよりも小さくし、プーリをおもり長手方向に直交配置する事によって全体としてのおもり厚みの増加を抑制した。ただし、小径ロープでは、かごやおもりの重量を支えるためには、本数で強度を稼ぐ必要が生じ、プーリ厚みが増加する。この場合、本実施例の機器配置ではプーリの軸方向の厚み増加はおもりの長手方向のプーリ長増加の形となるが、長手方向に対する制約はほとんどないので、この点からの新たな問題は生じず、側面摩耗を伴うロープひねりを完全に避けることができ、ロープの長寿命化の効果が生じる。
ロープ3のもう一方もシンブルロッド2から昇降路下方に垂らされて、かご上転向プーリ9に巻き付けられて方向を変えて上方に向かう。転向プーリ9はその軸18がクロスヘッド8から出された図示していないアングルに取り付けられている。クロスヘッド8はかごの乗り込み方向の左右に2本立っている枠7に頂部で水平に締結されている。かご枠7はプラットフォーム6に下部で締結され、かご室13は防振ゴム12を介してプラットフォーム6の上に載せられている。また、かご室13に対向する形で各階乗り場床14が位置して、利用者19が紙面左右方向のドア27を通って乗り降りすることになる。この実施例では、かご上転向プーリ9の軸18は台25上に取り付けられたモータ20の綱車10の軸15と平行方向に設置されており、樹脂被覆ロープの側面がかご上転向プーリ9の溝の側面でも削られることがないようにひねりを生じさせない機器配置を提案している。つまり、4つすべての回転軸を平行配置したため、樹脂ロープは全くひねられることなく、樹脂ロープは側面摩耗要素による寿命短縮の可能性は皆無となる。なお、かご側の転向プーリ9に関しては、もともとかごの奥行きは十分あるため、釣り合いおもり4のようにかごの厚み(奥行き)と径の大きさとの関係から生じる障害は皆無である。さらに、軸18がクロスヘッド8と平行設置なため、軸の両端に取り付けたアングルをクロスヘッドに直接接続できるので、従来の軸がクロスヘッドと直交する配置よりも配置が容易という別の効果を生み出す。(機器の具体配置は第2図で詳細に述べる。)また、軸長増加による軸の曲がりが顕在化した場合には、プーリを軸方向にいくつかに分割して複数の中間アングルを分割プーリ間に適宜配置して締結すればよい。さらにここでは、かご上転向プーリ9をクロスヘッド8の下部に設置して、ロープがクロスヘッドの下をくぐるような構成としているので昇降路頂部とかごの頂部とのすき間寸法であるオーバーヘッド距離を決める主要因に転向プーリがなることはなく、オーバーヘッド寸法を短くつめることができる効果も生じる。
昇降路下部のおもり側から上がってきたロープはおもり上部転向プーリ5と鉛直投影面で重なるそらせ車11と、昇降路下部のかご側から上がってきたロープはかご上部転向プーリ9と鉛直投影面で重なる綱車10に引っかけられ、つなげられることになる。また、綱車10にはエレベータ駆動電動機20が同軸に接続されている。ローピングの関係からシンブルロッド2はそらせ車11や綱車10よりも内側のデッドスペースに設置されることになるので、ややロープの切りつめ作業などで不便はあるものの、機械室床の有効活用に有益である。従来のシステムでは、スチールロープと鉄製の綱車では大きな粘着が確保できないので、綱車に2回ロープを巻き付けるフルラップ方式が用いられていたが、本実施例では、主ロープとして表面材が他の車表面材よりも柔らかい樹脂被覆ロープを用いているので、樹脂被覆ロープの寿命延長を最優先に考えて、綱車とロープの接触長さを最小限にとどめて表面摩耗を削減し、さらに、芯線の寿命を決定するロープの曲げ回数を減らす為、綱車とそらせ車におけるロープの曲げ回数を従来の1/3にして、表面と内部の両面から樹脂被覆ロープの寿命延長をはかるため1回のみロープを綱車とそらせ車に渡しかけるシングルラップ構成を用いている。さらに、フルラップ構成ではロープの中心はロープ1本+溝幅だけずれて巻き付けられるので、厳密には溝の側面でロープがこすられることになるが、この点の回避でも提案の樹脂被覆ロープにおけるシングルラップ構成は表面のうち特に側面摩耗寿命延長の点で有効である。
また、高速エレベータ以上の機種では電動機20の体格が大きいので、標準エレベータのように釣り合いおもり4の鉛直上に配置するのは得策ではなく、本提案では樹脂被覆ロープを用いた標準エレベータとは異なり、乗りかご上部の転向プーリ9の鉛直上方に電動機を配置して機械室内の機器占有空間を最小にとどめている。さらに、この配置では釣り合いおもりが後ろ落としとなるので、多くのエレベータがバンクとして横一列に並ぶバンク構成時にも樹脂被覆ロープの摩耗や曲げをほとんど生じさせない長寿命なエレベータ群のシステムを構築できる効果もある。さらに加えるに、乗り込み方向に発生するかごの偏荷重が仮に生じてもその回転モーメントは転向プーリの回転方向と同一方向なので、偏荷重の発生によって転向プーリ9の側面で樹脂被覆ロープが摩耗させられると言う不都合もこの機器配置なら生じない効果もある。
第2図に本発明の一実施例のうち、機械室と昇降路を上方からながめた機器配置構成図を示す。(a)は機械室床面を機械室天井よりながめた図であり、(b)は昇降路を機械室床下部よりながめた図である。(a)と(b)をつなぐ点線はロープのうちの1本の接続関係を示したものである。(a)からはシンブルロッド2よりロープは昇降路へ降りて行き、それぞれおもりとかごの転向プーリ5,9を通って上がって来たロープがそらせ車11と綱車9の上部を通ってねじれなく配置されていることがわかる。(b)からはロープをクロスヘッド8に当てずに上部に引き出すため、クロスヘッド幅よりも多少転向プーリ9の直径を大きく設定し、軸方向に複数(ここでは2つに)に分割された転向プーリ9がクロスヘッド8の下部、つまりかご室寄りに3つのアングル21で要所要所を取り付けていることがわかる。これは、小径プーリ化を実現する為の小径樹脂被覆ロープが主ロープ全体としてつり下げられる強度を増すために多数の本数でプーリにかけられるためである。アングルはクロスヘッドに直接複数箇所で取り付けられるが、軸18がクロスヘッド8の方向と平行である配置は構成部品点数の削減に効果があるし、軸の曲がり防止という効果も生み出す。さらに、この複数個の分割プーリの組み合わせ構成は、かご重量の違いによって変更されるべきロープ強度の違いへの対応をロープ本数、つまり、プーリ数の増減で対応できるので、多くの種類のプーリを用意しなくてもよい標準化の効果をも有しているといえる。また、複数掛け小径ロープの寿命に対するプーリ径の下限値は綱車にも当てはまることで、綱車にも小径のプーリが採用できることになる。小径の綱車を用いた場合、所定のかご速度を得ようとすれば電動機は高速回転,低トルクの特性を持つ電動機でよいことになり、このことは駆動用電動機の電気的容量は変わらないが、等価減速効果によって体格が小さくなることを意味しており、機械室に電動機を搬入,設置したりする際に好都合という効果を生む。また、複数本掛けの小径樹脂被覆ロープは張力管理などの点で調整手間が増える難点はあるものの、1本の破損ダメージがシステム全体に及ぼすダメージ度合いを軽減する効果もある。また、種々のかご重量機種に対して、主ロープ部分の総合強度をロープ本数の調整で対応することができるので、ロープ太さの違う樹脂被覆ロープを多数種類用意する必要がないので、樹脂ロープ開発費用と期間の短縮にも効果がある。さらに、樹脂被覆ロープでは表面特性をある程度自由に制御できるので、高粘着化が可能であり、従来の鉄同士の粘着確保のための特殊なアンダーカット溝形状でなく、加工が簡単な断面が丸形状のプーリ溝を使うことができる。
第3図に本発明の他の一実施例を示す。第1図と異なるのは、少数台のエレベータをビル内の決められた空間に押し込めるため、釣り合いおもりを後ろ落としから横落としにせざるを得ないケースにおいても、ロープの側面摩耗や曲げを最小限に押さえて、長寿命を確保しうる機器配置を提案している。『横落とし』とはかごへの乗り込み方向と直交する位置におもりが昇降する配置である。ここでは、エレベータ利用者19は紙面に垂直方向に乗降する。かご上部の転向プーリ9の軸18とクロスヘッド8が90°回転した位置関係であること、綱車15がかご上プーリ9と鉛直方向に重ならず、かご側シンブルロッド2と逆側にずれていること、かご上転向プーリ9がクロスヘッド8よりも上部に設置されていることなどが第1図の配置とは異なる。軸とクロスヘッドの90°回転は、おもり横落としのシステムでもロープひねりを生じさせないので側面摩耗を防止する効果がある。シンブルロッド2を外側に設置して、綱車とそらせ車を接近させた効果は、綱車へのロープの巻き付け角を大きく取り、粘着がやや劣る表面特性の樹脂被覆ロープでも採用できる効果と、おもりとかごの鉛直投影上の中心に近い位置に電動機を配置できるレイアウト上の効果を生む。さらに、かご上転向プーリをクロスヘッドよりも高い位置に配置した効果は、騒音の低減と超高速エレベータへの適用拡大である。つまり、この配置は、ややオーバーヘッド寸法上は不利になる配置ではあるが、速度の速いエレベータではもともとオーバヘッド寸法は大きいのでこの点は大きな問題とはならない。一方、プーリとロープの接触騒音は速度が早くなれば増大する方向であるが、音源をかご室から離せればその悪影響は軽減されることを考えると、この機器配置はたとえばプーリ周速が600m/min以上のエレベータシステムに格好の構成といえる。
第4図に本発明の他の一実施例のうちかご上上部の機器配置構成図を示す。この図は機械室からかご上をながめた図面である。かご上の転向プーリ9の軸18をクロスヘッド8に直交する位置に配置し、転向プーリ9をクロスヘッドを中心に2個左右にバランス配置し、中央にアングル21を配置し、クロスヘッド8の上部に取り付けている。軸18を中央部でアングル取り付けすれば、アングルは簡素な構造となり、原価低減に効果がある。かご上プーリ9の個数が図のように偶数であれば中央部で左右に片持ちの構造がとれるし、奇数個の場合には、複数本のクロスヘッド8を渡したり、アングルを『目』の字形として、空間にプーリをはめ込むようにして取り付ければ、音源をかご室から離して設置することは可能である。
第5図に本発明の他の一実施例を示す。第1図と配置が異なる点は、シンブルロッド2がそれぞれロープの外側に配置された点である。つまり、結果として、そらせ車11がおもり上プーリ5と、綱車10がかご上プーリ9とそれぞれ鉛直投影面内で重ならなくなった点である。その効果は、そらせ車と綱車を一層接近させることが可能なので、綱車への樹脂被覆ロープの巻き付角を大きく取れて、粘着特性があまりよくないものの、表面摩耗特性が優れたような樹脂被覆ロープでも採用できる点と、シンブルロッド部が落としロープの外側に出てくるので、ロープの切りつめ作業がやりやすい他の効果がある点である。勿論、90°ひねりが全くないことによる側面摩耗レスと、曲げ回数削減による芯線へのダメージ軽減というロープ寿命延長の基本効果のあることは第1図の実施例と同様である。
第6図に本発明の他の一実施例を示す。第5図と異なるのは、エレベータ利用者の乗り込み方向が紙面垂直方向であり、コンパクトなおもり横落としシステム実現できることが他の効果である。樹脂ロープの摩耗防止,曲げ回数削減による芯線へのダメージ防止,粘着向上による表面材強化樹脂ロープの使用,ロープ切りつめ作業の易化などの効果は全く損なわれていない。
第7図に本発明の他の一実施例を示す。第6図と異なるのは、シンブルロッド2のうちおもり側の1個がロープの外側に配置されている点と、おもりの長手方向と直交する方向におもり上部転向プーリの軸を配置した点である。シンブルロッドはロープの切りつめ時にアクセスするが、通常、片側で切断作業を行えるので、かご側のシンブルロッドがデッドスペースに隠れていることは作業上の大きな障害にはならず、シンブルロッドの1つがロープ落としの外側に出ていることは易作業上の効果を発揮する。一方、おもり上部で軸をおもり長手に対して90°ひねっているので第1図から第6図までの実施例と比べると若干側面摩耗の点で劣るものの、軸が長手方向と直交するのでおもり側の転向プーリの径を大きく取れる効果がある。この配置は、樹脂被覆ロープとして、表面特性を強化し、大容量機種向けを狙って引っ張り強度を高めるために芯線を太くした太径の樹脂被覆ロープを用いるのにはロープ寿命の点で大口径プーリのおもりへの格納が不可欠である。この実施例は太径樹脂被覆ロープを使ったシステム配置実現できる他の効果がある。
第8図に第7図の実施例の機械室と昇降路をそれぞれ上部よりながめた図面を示す。表現法は第2図と同様に(a)が機械室、(b)が昇降路で、両者をつなぐ点線はロープの配置を表す。そらせ車11とおもり上の転向プーリ5の部分でのみ樹脂被覆ロープは側面摩耗の可能性がある。
第9図に本発明の他の一実施例を示す。第7図と異なるのは、かご側の転向プーリにも90°ひねりを加えた配置である。第7図と同様に大口径樹脂被覆ロープを用いたエレベータシステムに格好な機器配置である。かご上部はおもり側と違い、大口径の転向プーリを設置する空間は十分にあるので、ロープ芯線太さと曲げ半径の寿命に関する制約下でおもり側プーリ径が決定し、かご側プーリ径はこれと整合の取れた値のかご上プーリを設定すれば、第7図の実施例と同様に樹脂被覆ロープを大容量機種のエレベータに適用することができ、電動機の容積削減の効果を得ることができる。
第10図に第9図の実施例の機械室と昇降路をそれぞれ上部よりながめた図面を示す。大口径の樹脂被覆ロープを用いるのでロープ本数を削減でき、その分、転向プーリの軸方向の長さを削減でき、その結果として、二カ所のひねりによるねじれ角度を小さくでき、側面摩耗を減らせる他の効果がある。
第11図に本発明の他の一実施例を示す。ここでは第10図までの実施例とは異なり、転向プーリがなく、ロープ端がそれぞれ釣り合いおもり側締結部23とかご側締結部24に接続されている。ここでのポイントはおもり側締結部23で接続される複数本の樹脂被覆ロープが成す平均的な列の方向とそらせ車11の軸16が平行であること、かご側締結部24で接続される複数本の樹脂被覆ロープが成す平均的な列の方向と綱車10の軸15が平行であること、綱車10の軸15とそらせ車11の軸16が平行であることである。これによって、樹脂被覆ロープの表面は、綱車とそらせ車の溝側面で削られる可能性は非常に減らされて、表面の摩耗寿命は延長される。さらに、綱車とそらせ車にはロープはシングルラップされる。これは、フルラップされた場合に、巻き付けられるロープが隣の溝に乗り移って行く際に溝の側面に沿って移動することによる樹脂被覆ロープの側面摩耗やはり軽減する効果がある。さらに、このシングルラップには巻き付け回数を低減する効果があり、芯線の断線寿命を決定づける曲げ回数を従来のフルラップの1/3に削減できるので、1:1ローピングのエレベータシステムにおいても摩耗と断線の両面から樹脂被覆ロープの寿命延長の効果を得ることができる。
このように本実施例によれば、樹脂被覆ロープを用いたエレベータシステムにおいて、その寿命を決定づける表面摩耗や芯線の断線や被覆剥離を、綱車,そらせ車,移動体の転向プーリなど各種プーリの配置,ロープ端の配列とローピングによって、その劣化原因を排除し、ロープの長寿命化を実現できる効果がある。
さらに本実施例によれば、樹脂被覆ロープを信頼度高く用いることができるので、エレベータ用に高速回転,低トルクの駆動用電動機を用いることができ、電動機の小型化,エレベータ機械室自体の削減と機器配置の自由度獲得などの効果がある。
Claims (11)
- 吊り合いおもりに設けられたプーリと、かご上又はかご下に設けられたプーリと、モータの駆動により駆動される綱車とを有し、これらプーリ,綱車を樹脂被覆ロープによってローピングされたエレベータシステムにおいて、
前記吊り合いおもりに設けられたプーリの軸は、吊り合いおもりの長手方向と平行であり、前記吊り合いおもりに設けられたプーリの軸と前記かご上又はかご下に設けられたプーリの軸は平行であることを特徴とするエレベータシステム。 - 吊り合いおもりに設けられたプーリと、かご上又はかご下に設けられたプーリと、モータの駆動により駆動される綱車とを有し、これらプーリ,綱車を樹脂被覆ロープによってローピングされたエレベータシステムにおいて、
前記吊り合いおもりに設けられたプーリの軸は、吊り合いおもりの長手方向と平行であり、前記吊り合いおもりに設けられたプーリの軸,前記かご上又はかご下に設けられたプーリの軸及び前記綱車の軸は互いに平行であり、前記各プーリ及び綱車の転向角度が90°以下であることを特徴とするエレベータシステム。 - 吊り合いおもりに設けられたプーリと、かご上又はかご下に設けられたプーリと、このプーリの上部に設けられたそらせ車と、モータの駆動により駆動される綱車とを有し、これらプーリ,綱車を樹脂被覆ロープによってローピングされたエレベータシステムにおいて、
前記吊り合いおもりに設けられたプーリの軸は、吊り合いおもりの長手方向と平行であり、前記吊り合いおもりに設けられたプーリの軸,前記かご上又はかご下に設けられたプーリの軸及び前記綱車の軸は互いに平行であり、前記綱車と前記かご上又はかご下に設けられたプーリが鉛直投影面で重なっており、前記吊り合いおもりに設けられたプーリと前記そらせ車が鉛直投影面で重なっていることを特徴とするエレベータシステム。 - 吊り合いおもりに設けられた転向プーリと、かご上又はかご下に設けられたプーリと、このプーリの上部に設けられたそらせ車と、モータの駆動により駆動される綱車とを有し、これらプーリ,綱車を樹脂被覆ロープによってローピングされたエレベータシステムにおいて、前記綱車と前記そらせ車の両軸が平行で、及び/又は前記転向プーリの軸と前記かご上又はかご下のプーリの軸が平行で、前記綱車と前記そらせ車の合計ロープ巻き付け角が180°以下であることを特徴とするエレベータシステム。
- 吊り合いおもりに設けられたプーリと、かご上に設けられたプーリと、このプーリの上部に設けられたそらせ車と、モータの駆動により駆動される綱車とを有し、これらプーリ,綱車を樹脂被覆ロープによってローピングされたエレベータシステムにおいて、
かごを吊り下げるクロスヘッドを有し、前記かご上に設けられた転向プーリ軸と前記クロスヘッドが平行に配置したことを特徴とするエレベータシステム。 - 吊り合いおもりに設けられたプーリと、かご上に設けられたプーリと、このプーリの上部に設けられたそらせ車と、モータの駆動により駆動される綱車とを有し、これらプーリ,綱車を樹脂被覆ロープによってローピングされたエレベータシステムにおいて、
かごを吊り下げるクロスヘッドを有し、このクロスヘッドと前記かご上に設けられた転向プーリ軸が直角に配置されたことを特徴とするエレベータシステム。 - 請求項1,2,3,4,5又は6において、
前記樹脂被覆ロープの断面形状はほぼ円形であり、前記綱車の溝形状は丸溝であることを特徴とするエレベータシステム。 - 請求項5又は6において、
前記かご上に設けられたプーリの周速度は600m/min以上であることを特徴とするエレベータシステム。 - 請求項5又は6において、
前記かご上に設けられたプーリは、前記クロスヘッドよりも下部の位置に、かつ鉛直投影面内で重なる位置に配置されることを特徴とするエレベータシステム。 - 請求項5又は6において、
前記かご上に設けられたプーリは、前記クロスヘッドよりも上部の位置に、かつ鉛直投影面内で重なる位置に配置されることを特徴とするエレベータシステム。 - 請求項1,2,3,4,5、又は6において、
前記樹脂被覆ロープの表面材は前記綱車,プーリの表面材よりも柔らかいことを特徴とするエレベータシステム。
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