JPWO2004099766A1 - 光学異性体用分離剤 - Google Patents
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Abstract
多糖誘導体を有効成分とする光学異性体用分離剤であって、多糖の水酸基及びアミノ基の水素原子の少なくとも一部が、特定のアルキル基を有するベンゾイル基、及び特定のアルキル基を有する芳香族基で一つの水素原子が置換されたカルバモイル基の少なくとも一種と置換されている多糖誘導体を有効成分とする。本発明によれば、分析及び分取目的化合物に対する不斉識別能力の高い新規の光学異性体用分離剤を提供することができる。
Description
本発明は化合物の分離法、特にクロマトグラフィーによる光学異性体の分離に用いられる光学異性体用分離剤に関するものである。特に医薬品、食品、農薬、香料の分析において、幅広い種類のキラル化合物を、高い分離係数をもって光学分割する光学異性体用分離剤に関する。
実像と鏡像の関係を有する光学異性体は、物理的、化学的性質、例えば沸点、融点、溶解度等の物性が全く同一であるが、例えば味、匂い等の生理活性のような、生体に対する相互作用に差異がみられるケースが往々にしてある。
特に医薬品の分野においては、光学異性体間でその薬効、毒性の点で顕著な差が見られる場合が高い確率で予想される。このため、厚生省は、医薬品製造指針において「当該薬物がラセミ体である場合には、それぞれの異性体について、吸収、分布、代謝、排泄動態を検討しておくことが望ましい」と記載している。
先に述べたように、光学異性体の物理的、化学的性質、例えば沸点、融点、溶解度といった物性は全く同一であるために、光学異性体は、蒸留や晶析等の古典的な通常の分離手段では分離できなかった。
これに対して、幅広い種類の光学異性体を、簡便にかつ精度良く分析する技術の研究が精力的に行われてきた。そして、このような分析技術として、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)による光学分割法、特にHPLC用光学異性体分離用カラムによる光学分割方法が進歩してきた。
ここで言う光学異性体分離用カラムには、光学異性体用分離剤そのもの、あるいは光学異性体用分離剤を適当な担体上に担持させたキラル固定相が使用されている。
このような光学異性体用分離剤としては、例えば光学活性ポリメタクリル酸トリフェニルメチル(例えば、特開昭57−150432号公報参照。)、セルロース、アミロース誘導体(例えば、Y.Okamoto,M.Kawashima and K.Hatada,J.Am.Chem.Soc.,106,5337,1984参照。)、タンパクであるオボムコイド(例えば、特開昭63−307829号公報参照。)等が知られている。
そして数あるこれらの光学異性体用分離剤を用いる光学異性体分離用カラムの中でも、セルロース、アミロース誘導体をシリカゲル上に担持させた光学異性体分離用カラムは、極めて幅広い化合物に対し、高い不斉識別能を有することが知られている。近年では、HPLC用キラル固定相と擬似移動床法を組み合わせた工業規模での光学活性体液体クロマト法分取の検討が進められている(例えば、Phram Tech Japan 12,43参照。)。
このような観点から、これまでに分離できなかった光学異性体に対して分離可能なキラル固定相を見出していくことや、光学異性体を単に完全分離するのみならず、光学異性体のクロマト分取の生産性を向上させるために、分取目的化合物に対してさらによく分けるキラル固定相、すなわちより大きな分離係数α値をもったキラル固定相が求められている。そして、大きなα値を持った、不斉識別能力の高い多糖誘導体を見出す研究が精力的に行われている。
本発明は、分析及び分取目的化合物に対する不斉識別能力の高い新規の光学異性体用分離剤を提供することを課題とする。
特に医薬品の分野においては、光学異性体間でその薬効、毒性の点で顕著な差が見られる場合が高い確率で予想される。このため、厚生省は、医薬品製造指針において「当該薬物がラセミ体である場合には、それぞれの異性体について、吸収、分布、代謝、排泄動態を検討しておくことが望ましい」と記載している。
先に述べたように、光学異性体の物理的、化学的性質、例えば沸点、融点、溶解度といった物性は全く同一であるために、光学異性体は、蒸留や晶析等の古典的な通常の分離手段では分離できなかった。
これに対して、幅広い種類の光学異性体を、簡便にかつ精度良く分析する技術の研究が精力的に行われてきた。そして、このような分析技術として、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)による光学分割法、特にHPLC用光学異性体分離用カラムによる光学分割方法が進歩してきた。
ここで言う光学異性体分離用カラムには、光学異性体用分離剤そのもの、あるいは光学異性体用分離剤を適当な担体上に担持させたキラル固定相が使用されている。
このような光学異性体用分離剤としては、例えば光学活性ポリメタクリル酸トリフェニルメチル(例えば、特開昭57−150432号公報参照。)、セルロース、アミロース誘導体(例えば、Y.Okamoto,M.Kawashima and K.Hatada,J.Am.Chem.Soc.,106,5337,1984参照。)、タンパクであるオボムコイド(例えば、特開昭63−307829号公報参照。)等が知られている。
そして数あるこれらの光学異性体用分離剤を用いる光学異性体分離用カラムの中でも、セルロース、アミロース誘導体をシリカゲル上に担持させた光学異性体分離用カラムは、極めて幅広い化合物に対し、高い不斉識別能を有することが知られている。近年では、HPLC用キラル固定相と擬似移動床法を組み合わせた工業規模での光学活性体液体クロマト法分取の検討が進められている(例えば、Phram Tech Japan 12,43参照。)。
このような観点から、これまでに分離できなかった光学異性体に対して分離可能なキラル固定相を見出していくことや、光学異性体を単に完全分離するのみならず、光学異性体のクロマト分取の生産性を向上させるために、分取目的化合物に対してさらによく分けるキラル固定相、すなわちより大きな分離係数α値をもったキラル固定相が求められている。そして、大きなα値を持った、不斉識別能力の高い多糖誘導体を見出す研究が精力的に行われている。
本発明は、分析及び分取目的化合物に対する不斉識別能力の高い新規の光学異性体用分離剤を提供することを課題とする。
図1は、実施例1で製造した充填カラムを用い、構造式(3)で示される化合物1の光学異性体を液体クロマトグラフィーによって分離したときのクロマトグラフを示す図である。
図2は、実施例1で製造した充填カラムを用い、構造式(4)で示される化合物2の光学異性体を液体クロマトグラフィーによって分離したときのクロマトグラフを示す図である。
図3は、実施例2で製造した充填カラムを用い、構造式(3)で示される化合物1の光学異性体を液体クロマトグラフィーによって分離したときのクロマトグラフを示す図である。
図4は、実施例2で製造した充填カラムを用い、構造式(4)で示される化合物2の光学異性体を液体クロマトグラフィーによって分離したときのクロマトグラフを示す図である。
図5は、実施例3で製造した充填カラムを用い、構造式(3)で示される化合物1の光学異性体を液体クロマトグラフィーによって分離したときのクロマトグラフを示す図である。
図6は、実施例3で製造した充填カラムを用い、構造式(4)で示される化合物2の光学異性体を液体クロマトグラフィーによって分離したときのクロマトグラフを示す図である。
図7は、比較例1で製造した充填カラムを用い、構造式(3)で示される化合物1の光学異性体を液体クロマトグラフィーによって分離したときのクロマトグラフを示す図である。
図8は、比較例1で製造した充填カラムを用い、構造式(4)で示される化合物2の光学異性体を液体クロマトグラフィーによって分離したときのクロマトグラフを示す図である。
図9は、比較例2で製造した充填カラムを用い、構造式(3)で示される化合物1の光学異性体を液体クロマトグラフィーによって分離したときのクロマトグラフを示す図である。
図10は、比較例2で製造した充填カラムを用い、構造式(4)で示される化合物2の光学異性体を液体クロマトグラフィーによって分離したときのクロマトグラフを示す図である。
図2は、実施例1で製造した充填カラムを用い、構造式(4)で示される化合物2の光学異性体を液体クロマトグラフィーによって分離したときのクロマトグラフを示す図である。
図3は、実施例2で製造した充填カラムを用い、構造式(3)で示される化合物1の光学異性体を液体クロマトグラフィーによって分離したときのクロマトグラフを示す図である。
図4は、実施例2で製造した充填カラムを用い、構造式(4)で示される化合物2の光学異性体を液体クロマトグラフィーによって分離したときのクロマトグラフを示す図である。
図5は、実施例3で製造した充填カラムを用い、構造式(3)で示される化合物1の光学異性体を液体クロマトグラフィーによって分離したときのクロマトグラフを示す図である。
図6は、実施例3で製造した充填カラムを用い、構造式(4)で示される化合物2の光学異性体を液体クロマトグラフィーによって分離したときのクロマトグラフを示す図である。
図7は、比較例1で製造した充填カラムを用い、構造式(3)で示される化合物1の光学異性体を液体クロマトグラフィーによって分離したときのクロマトグラフを示す図である。
図8は、比較例1で製造した充填カラムを用い、構造式(4)で示される化合物2の光学異性体を液体クロマトグラフィーによって分離したときのクロマトグラフを示す図である。
図9は、比較例2で製造した充填カラムを用い、構造式(3)で示される化合物1の光学異性体を液体クロマトグラフィーによって分離したときのクロマトグラフを示す図である。
図10は、比較例2で製造した充填カラムを用い、構造式(4)で示される化合物2の光学異性体を液体クロマトグラフィーによって分離したときのクロマトグラフを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の光学異性体用分離剤は、tert−ブチル基を除く、炭素数が4のアルキル基を有する芳香族炭化水素基を有する多糖エステル誘導体及び多糖カルバメート誘導体の少なくともいずれかを有効成分とする。
本発明の光学異性体用分離剤は、前記アルキル基を有する芳香族カルボン酸及びその誘導体や前記アルキル基を有する芳香族イソシアナート誘導体と多糖の水酸基との間の縮合によって、常法に従って合成することができる。前記芳香族カルボン酸誘導体としては、例えば芳香族カルボン酸の塩化物、芳香族カルボン酸の酸無水物、芳香族カルボン酸のエステル等が挙げられる。前記芳香族カルボン酸、その誘導体、及び前記芳香族イソシアナートは、市販品を用いても良く、また常法に従って合成することができる。
前記多糖は、合成多糖、天然多糖及び天然物変成多糖のいずれかを問わず、光学活性を示すものであればいかなるものでもよい。前記多糖は、好ましくは結合様式の規則性の高いものが望ましい。
このような多糖としては、例えばβ−1,4−グルカン(セルロース)、α−1,4−グルカン(アミロース、アミロペクチン)、α−1,6−グルカン(デキストラン)、β−1,6−グルカン(ブスツラン)、β−1,3−グルカン(例えばカードラン、シゾフィラン等)、α−1,3−グルカン、β−1,2−グルカン(Crown Gall多糖)、β−1,4−ガラクタン、β−1,4−マンナン、α−1,6−マンナン、β−1,2−フラクタン(イヌリン)、β−2,6−フラクタン(レバン)、β−1,4−キシラン、β−1,3−キシラン、β−1,4−キトサン、α−1,4−N−アセチルキトサン(キチン)、プルラン、アガロース、アルギン酸、及びアミロースを含有する澱粉等が挙げられる。
これらの中では、前記多糖は、高純度の多糖を容易に入手できる観点から、セルロース、アミロース、β−1,4−キシラン、β−1,4−キトサン、キチン、β−1,4−マンナン、イヌリン、カードラン等が好ましく、特にセルロース、アミロースが好ましい。
これら多糖の数平均重合度(1分子中に含まれるピラノース及びフラノース(以下、これらを「単糖ユニット」とも言う)の個数の平均数)は、5以上、好ましくは10以上であることが好ましく、特に上限はないが、1,000以下であることが取り扱いの容易さの点で好ましい。
本発明の光学異性体用分離剤は、前記一般式(1)で示される原子団及び前記一般式(2)で示される原子団の少なくともいずれかを一単糖ユニット当たり0.1個以上有することが、光学異性体の分離における分離係数を高める上で好ましい。一単糖ユニット当たりの前記原子団の個数は、前記縮合時における、前記芳香族カルボン酸及びその誘導体や前記芳香族イソシアナートの、前記多糖の水酸基に対する当量によって調整することが可能である。
本発明の光学異性体用分離剤における多糖に対する前記原子団の結合の形態は、特に限定されない。例えば、本発明の光学異性体用分離剤は、同じ原子団が多糖に結合した多糖誘導体であっても良いし、異なる種類の原子団が多糖に結合した多糖誘導体であっても良い。
また、本発明の光学異性体用分離剤では、多糖に対する前記原子団の分布は均等であっても良いし、偏りがあっても良い。また、単糖ユニットに結合する前記原子団の個数は、全ての単糖ユニットにおいて同じであっても良いし、異なっていても良い。
また、単糖ユニットに結合する前記原子団の位置は、単糖ユニットにおける特定の水酸基の位置であっても良いし、特に規則性がなくても良い。
前記一般式(1)及び一般式(2)に示される原子団における前記芳香族炭化水素基は、分析及び分取目的物の構造に応じて選択される。このような芳香族炭化水素基としては、例えばフェニレン基、ナフチレン基、ピレニレン基等が挙げられる。
本発明では、前記原子団におけるアルキル基は、tert−ブチル基を除く、炭素数が4のアルキル基であり、分析及び分取目的物の構造に応じて選択される。前記アルキル基は、側鎖を有さない直鎖のアルキル基であっても良いし、側鎖を有する分岐アルキル基であっても良い。このようなアルキル基としては、例えばn−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基における前記アルキル基の結合位置は、分析及び分取目的物の構造に応じて選択される。このような結合位置としては、例えば、芳香族炭化水素基がフェニレン基であれば4位の位置が挙げられる。この理由としては、フェニレン基の4位に中程度の嵩高さの置換基を有することで、溶質である光学異性体が多糖誘導体に近接する際に、多糖誘導体への溶質の接近を邪魔せずに、溶質の向きを整え、また多糖誘導体自身の高次構造を不斉識別する上で有利な形状に整えるためと考えられる。
なお、前記芳香族炭化水素基は、本発明の効果を損なわない範囲において、前記アルキル基のほかにも、他の置換基を有していても良い。このような他の置換基としては、例えばハロゲン基、ヘテロ原子を有する置換基、ハロゲン原子及びヘテロ原子を有していても良い飽和又は不飽和又は環状の炭化水素基等があげられる。
本発明の光学異性体用分離剤は、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、例えば国際公開95/23125号パンフレットに開示されている擬似移動床方式等の、連続して光学異性体を分取することが可能な連続式液体クロマトグラフィー等のクロマトグラフィーに用いられる。
本発明の光学異性体用分離剤は、特に液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、及び前記連続式液体クロマトグラフィーに応用することがより好ましい。本発明の光学異性体用分離剤は、前記クロマトグラフィーに限らず、長鎖アルキル基の自己集合を利用したホストゲスト分離剤、膜分離、液晶材料への応用も可能である。
本発明の光学異性体用分離剤は、通常の光学異性体の分離方法に、この分離方法に応じた適当な形態で用いられる。このような形態としては、例えば、クロマトグラフィーやキャピラリー電気泳動では、光学異性体用分離剤の粒子、粒子状やゲル状の担体に担持された形態等が挙げられる。
前記光学異性体用分離剤の粒子は、光学異性体用分離剤自身を破砕することによって製造することができる。前記光学異性体用分離剤の粒子は、破砕物を球形化処理した粒子であることが、ラセミ体からの光学異性体の分離における分離係数を高める上で好ましく、さらに粒度が揃えられた粒子であることがより好ましい。光学異性体用分離剤の破砕及び球形化処理は、公知の方法によって行うことができる。また、粒度は、分級や、分級品の混合等の方法によって調整することができる。
前記担体は、本発明の光学異性体用分離剤を固定相中に固定することができるものであれば特に限定されない。このような担体としては、前述したクロマトグラフィー等の分離方法で使用されることが知られている種々の担体を用いることができ、例えば多孔質有機担体や、多孔質無機担体等が挙げられ、好ましくは多孔質無機担体である。
前記多孔質有機担体としては、例えばポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、及びこれらの誘導体等の高分子物質が挙げられる。前記多孔質無機担体としては、例えばシリカ、アルミナ、マグネシア、ガラス、カオリン、酸化チタン、ケイ酸塩、ヒドロキシアパタイト等が挙げられる。
また、前記担体が本発明の光学異性体用分離剤を担持する形態も特に限定されない。このような形態としては、例えば、光学異性体用分離剤と担体との間の物理的な吸着や、光学異性体用分離剤と担体との間の化学結合等が挙げられる。前記化学結合としては、例えば、光学異性体用分離剤と担体との間に介在する第三成分と光学異性体用分離剤との化学結合や、光学異性体用分離剤への光照射及びこれによるラジカル反応による、光学異性体用分離剤と担体との結合等が挙げられる。このような光学異性体用分離剤と担体との担持は、公知の方法によって行うことができる。
本発明において特に好ましい担体はシリカゲルである。シリカゲルの粒径は、0.1μmから10mmであることが好ましく、1μm〜300μmであることがより好ましく、1〜75μmが更に好ましい。また、多孔質担体の表面に形成される孔の平均孔径は、10Åから100μmであることが好ましく、50Å〜50000Åであることがより好ましい。
前記シリカゲルの表面は、残存するシラノールの影響を排除するために、適当なシラン化合物等の処理剤を用いて表面処理が施されていることが望ましいが、全く表面処理が施されていなくても問題ない。前記表面処理は公知の方法によって行うことができる。
前記担体における光学異性体用分離剤の担持量は、光学異性体の分離方法や担体の種類等に応じて異なるが、充填剤に対して1〜80質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがより好ましい。
本発明の光学異性体用分離剤は、幅広い種類の光学異性体の分離に用いることができる。したがって、本発明の光学異性体用分離剤は、従来の光学異性体用分離剤では分離が困難であったり不十分であった光学異性体の分離や、汎用機器で分離が困難であった光学異性体の汎用機器での分離に用いることができる。
このような光学異性体としては、例えば、不斉中心近傍に嵩高い置換基を有している化合物や、芳香族基、水酸基、アミノ基が適度な位置に配列している化合物等が挙げられる。
本発明の光学異性体用分離剤は、tert−ブチル基を除く、炭素数が4のアルキル基を有する芳香族炭化水素基を有する多糖エステル誘導体及び多糖カルバメート誘導体の少なくともいずれかを有効成分とする。
本発明の光学異性体用分離剤は、前記アルキル基を有する芳香族カルボン酸及びその誘導体や前記アルキル基を有する芳香族イソシアナート誘導体と多糖の水酸基との間の縮合によって、常法に従って合成することができる。前記芳香族カルボン酸誘導体としては、例えば芳香族カルボン酸の塩化物、芳香族カルボン酸の酸無水物、芳香族カルボン酸のエステル等が挙げられる。前記芳香族カルボン酸、その誘導体、及び前記芳香族イソシアナートは、市販品を用いても良く、また常法に従って合成することができる。
前記多糖は、合成多糖、天然多糖及び天然物変成多糖のいずれかを問わず、光学活性を示すものであればいかなるものでもよい。前記多糖は、好ましくは結合様式の規則性の高いものが望ましい。
このような多糖としては、例えばβ−1,4−グルカン(セルロース)、α−1,4−グルカン(アミロース、アミロペクチン)、α−1,6−グルカン(デキストラン)、β−1,6−グルカン(ブスツラン)、β−1,3−グルカン(例えばカードラン、シゾフィラン等)、α−1,3−グルカン、β−1,2−グルカン(Crown Gall多糖)、β−1,4−ガラクタン、β−1,4−マンナン、α−1,6−マンナン、β−1,2−フラクタン(イヌリン)、β−2,6−フラクタン(レバン)、β−1,4−キシラン、β−1,3−キシラン、β−1,4−キトサン、α−1,4−N−アセチルキトサン(キチン)、プルラン、アガロース、アルギン酸、及びアミロースを含有する澱粉等が挙げられる。
これらの中では、前記多糖は、高純度の多糖を容易に入手できる観点から、セルロース、アミロース、β−1,4−キシラン、β−1,4−キトサン、キチン、β−1,4−マンナン、イヌリン、カードラン等が好ましく、特にセルロース、アミロースが好ましい。
これら多糖の数平均重合度(1分子中に含まれるピラノース及びフラノース(以下、これらを「単糖ユニット」とも言う)の個数の平均数)は、5以上、好ましくは10以上であることが好ましく、特に上限はないが、1,000以下であることが取り扱いの容易さの点で好ましい。
本発明の光学異性体用分離剤は、前記一般式(1)で示される原子団及び前記一般式(2)で示される原子団の少なくともいずれかを一単糖ユニット当たり0.1個以上有することが、光学異性体の分離における分離係数を高める上で好ましい。一単糖ユニット当たりの前記原子団の個数は、前記縮合時における、前記芳香族カルボン酸及びその誘導体や前記芳香族イソシアナートの、前記多糖の水酸基に対する当量によって調整することが可能である。
本発明の光学異性体用分離剤における多糖に対する前記原子団の結合の形態は、特に限定されない。例えば、本発明の光学異性体用分離剤は、同じ原子団が多糖に結合した多糖誘導体であっても良いし、異なる種類の原子団が多糖に結合した多糖誘導体であっても良い。
また、本発明の光学異性体用分離剤では、多糖に対する前記原子団の分布は均等であっても良いし、偏りがあっても良い。また、単糖ユニットに結合する前記原子団の個数は、全ての単糖ユニットにおいて同じであっても良いし、異なっていても良い。
また、単糖ユニットに結合する前記原子団の位置は、単糖ユニットにおける特定の水酸基の位置であっても良いし、特に規則性がなくても良い。
前記一般式(1)及び一般式(2)に示される原子団における前記芳香族炭化水素基は、分析及び分取目的物の構造に応じて選択される。このような芳香族炭化水素基としては、例えばフェニレン基、ナフチレン基、ピレニレン基等が挙げられる。
本発明では、前記原子団におけるアルキル基は、tert−ブチル基を除く、炭素数が4のアルキル基であり、分析及び分取目的物の構造に応じて選択される。前記アルキル基は、側鎖を有さない直鎖のアルキル基であっても良いし、側鎖を有する分岐アルキル基であっても良い。このようなアルキル基としては、例えばn−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基における前記アルキル基の結合位置は、分析及び分取目的物の構造に応じて選択される。このような結合位置としては、例えば、芳香族炭化水素基がフェニレン基であれば4位の位置が挙げられる。この理由としては、フェニレン基の4位に中程度の嵩高さの置換基を有することで、溶質である光学異性体が多糖誘導体に近接する際に、多糖誘導体への溶質の接近を邪魔せずに、溶質の向きを整え、また多糖誘導体自身の高次構造を不斉識別する上で有利な形状に整えるためと考えられる。
なお、前記芳香族炭化水素基は、本発明の効果を損なわない範囲において、前記アルキル基のほかにも、他の置換基を有していても良い。このような他の置換基としては、例えばハロゲン基、ヘテロ原子を有する置換基、ハロゲン原子及びヘテロ原子を有していても良い飽和又は不飽和又は環状の炭化水素基等があげられる。
本発明の光学異性体用分離剤は、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、例えば国際公開95/23125号パンフレットに開示されている擬似移動床方式等の、連続して光学異性体を分取することが可能な連続式液体クロマトグラフィー等のクロマトグラフィーに用いられる。
本発明の光学異性体用分離剤は、特に液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、及び前記連続式液体クロマトグラフィーに応用することがより好ましい。本発明の光学異性体用分離剤は、前記クロマトグラフィーに限らず、長鎖アルキル基の自己集合を利用したホストゲスト分離剤、膜分離、液晶材料への応用も可能である。
本発明の光学異性体用分離剤は、通常の光学異性体の分離方法に、この分離方法に応じた適当な形態で用いられる。このような形態としては、例えば、クロマトグラフィーやキャピラリー電気泳動では、光学異性体用分離剤の粒子、粒子状やゲル状の担体に担持された形態等が挙げられる。
前記光学異性体用分離剤の粒子は、光学異性体用分離剤自身を破砕することによって製造することができる。前記光学異性体用分離剤の粒子は、破砕物を球形化処理した粒子であることが、ラセミ体からの光学異性体の分離における分離係数を高める上で好ましく、さらに粒度が揃えられた粒子であることがより好ましい。光学異性体用分離剤の破砕及び球形化処理は、公知の方法によって行うことができる。また、粒度は、分級や、分級品の混合等の方法によって調整することができる。
前記担体は、本発明の光学異性体用分離剤を固定相中に固定することができるものであれば特に限定されない。このような担体としては、前述したクロマトグラフィー等の分離方法で使用されることが知られている種々の担体を用いることができ、例えば多孔質有機担体や、多孔質無機担体等が挙げられ、好ましくは多孔質無機担体である。
前記多孔質有機担体としては、例えばポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、及びこれらの誘導体等の高分子物質が挙げられる。前記多孔質無機担体としては、例えばシリカ、アルミナ、マグネシア、ガラス、カオリン、酸化チタン、ケイ酸塩、ヒドロキシアパタイト等が挙げられる。
また、前記担体が本発明の光学異性体用分離剤を担持する形態も特に限定されない。このような形態としては、例えば、光学異性体用分離剤と担体との間の物理的な吸着や、光学異性体用分離剤と担体との間の化学結合等が挙げられる。前記化学結合としては、例えば、光学異性体用分離剤と担体との間に介在する第三成分と光学異性体用分離剤との化学結合や、光学異性体用分離剤への光照射及びこれによるラジカル反応による、光学異性体用分離剤と担体との結合等が挙げられる。このような光学異性体用分離剤と担体との担持は、公知の方法によって行うことができる。
本発明において特に好ましい担体はシリカゲルである。シリカゲルの粒径は、0.1μmから10mmであることが好ましく、1μm〜300μmであることがより好ましく、1〜75μmが更に好ましい。また、多孔質担体の表面に形成される孔の平均孔径は、10Åから100μmであることが好ましく、50Å〜50000Åであることがより好ましい。
前記シリカゲルの表面は、残存するシラノールの影響を排除するために、適当なシラン化合物等の処理剤を用いて表面処理が施されていることが望ましいが、全く表面処理が施されていなくても問題ない。前記表面処理は公知の方法によって行うことができる。
前記担体における光学異性体用分離剤の担持量は、光学異性体の分離方法や担体の種類等に応じて異なるが、充填剤に対して1〜80質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがより好ましい。
本発明の光学異性体用分離剤は、幅広い種類の光学異性体の分離に用いることができる。したがって、本発明の光学異性体用分離剤は、従来の光学異性体用分離剤では分離が困難であったり不十分であった光学異性体の分離や、汎用機器で分離が困難であった光学異性体の汎用機器での分離に用いることができる。
このような光学異性体としては、例えば、不斉中心近傍に嵩高い置換基を有している化合物や、芳香族基、水酸基、アミノ基が適度な位置に配列している化合物等が挙げられる。
本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1> セルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)(Cellulose tris(4−n−butylphenylcarbamate))担持型充填剤の製造法及び充填カラムの製造法。
(1)シリカゲルの表面処理
多孔質シリカゲル(粒径20μm)を公知の方法により、3−アミノプロピルトリエトキシシランと反応させることにより、多孔質シリカゲルにアミノプロピルシラン処理(APS処理)を施した。
(2)セルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)の合成
窒素雰囲気下、3.91gのセルロースと24.15g(セルロースが有する全ての水酸基に対して2.06当量)の4−n−ブチルフェニルイソシアナート(4−n−Butylphenylisocyanate)とを130mLの乾燥ピリジン中で、ピリジン還流温度下、24時間加熱攪拌を行った。その後、5.0mLの2−プロパノールを添加して過剰のイソシアナートをカルバメート化し、その後、得られた反応液を4.0Lのアセトニトリルに注ぎ込んだ。析出した固体をグラスフィルターで濾取し、濾取した固体をアセトニトリルで数回の洗浄し、真空乾燥(60℃、5時間)によって乾燥した。その結果、若干黄色がかった15.02gの白色固体が得られた(収率:90.6%)。得られた前記白色固体の炭素、水素、及び窒素元素の分析結果を以下に示す。
CHN結果:
測定値 C%:67.47 H%:7.04 N%:5.97
理論値 C%:68.10 H%:7.18 N%:6.11
(3)セルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤の製造
上記(2)で得た10gのセルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)を80mLのアセトンに溶解させ、このアセトン溶液を(1)のシリカゲル40.0gに均一に塗布した。塗布後、アセトンの減圧留去を行うことで目的のセルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤を得た。
(4)セルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤を用いた充填カラムの製造法
(3)で製造された担持型充填剤を、内径0.46cm、長さ25cmのステンレス製カラムにスラリー充填法により加圧、充填し、セルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤を充填した充填カラムを得た。
<実施例2> セルロース トリス(4−iso−ブチルフェニルカルバメート)(Cellulose tris(4−iso−butylphenylcarbamate))担持型充填剤の製造法及び充填カラムの製造法。
(1)シリカゲルの表面処理
実施例1の(1)と同じ方法によりシリカゲル表面処理を行った。
(2)セルロース トリス(4−iso−ブチルフェニルカルバメート)の合成
実施例1の(2)と同じ方法を用い、4−n−ブチルフェニルイソシアナートを4−iso−ブチルフェニルイソシアナート(4−iso−Butylphenylisocyanate)に代え、再沈殿用溶媒をアセトニトリルからメタノールに変えることで、目的のセルロース トリス(4−iso−ブチルフェニルカルバメート)を得た(収率:87.3%)。得られたセルロース トリス(4−iso−ブチルフェニルカルバメート)の炭素、水素、及び窒素元素の分析結果を以下に示す。
CHN結果:
測定値 C%:67.78 H%:7.09 N%:6.00
理論値 C%:68.10 H%:7.18 N%:6.11
(3)セルロース トリス(4−iso−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤の製造
セルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)をセルロース トリス(4−iso−ブチルフェニルカルバメート)に代える以外は、実施例1の(3)と同じ方法によりセルロース トリス(4−iso−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤を得た。
(4)セルロース トリス(4−iso−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤を用いた充填カラムの製造法
セルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤をセルロース トリス(4−iso−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤に代える以外は、実施例1の(4)と同じ方法によりカラム充填を行い、セルロース トリス(4−iso−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤を充填した充填カラムを得た。
<実施例3> セルロース トリス(4−sec−ブチルフェニルカルバメート)(Cellulose tris(4−sec−butylphenylcarbamate))担持型充填剤の製造法及び充填カラムの製造法。
(1)シリカゲルの表面処理
実施例1の(1)と同じ方法によりシリカゲル表面処理を行った。
(2)セルロース トリス(4−sec−ブチルフェニルカルバメート)の合成
実施例1の(2)と同じ方法を用い、4−n−ブチルフェニルイソシアナートを4−sec−ブチルフェニルイソシアナート(4−sec−Butylphenylisocyanate)に代えて反応を行うことで、目的のセルロース トリス(4−sec−ブチルフェニルカルバメート)を得た(収率:85.8%)。得られたセルロース トリス(4−sec−ブチルフェニルカルバメート)の炭素、水素、及び窒素元素の分析結果を以下に示す。
CHN結果:
測定値 C%:67.86 H%:7.14 N%:6.03
理論値 C%:68.10 H%:7.18 N%:6.11
(3)セルロース トリス(4−sec−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤の製造
セルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)をセルロース トリス(4−sec−ブチルフェニルカルバメート)に代える以外は、実施例1の(3)と同じ方法によりセルロース トリス(4−sec−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤を得た。
(4)セルロース トリス(4−sec−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤を用いた充填カラムの製造法
セルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤をセルロース トリス(4−sec−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤に代える以外は、実施例1の(4)と同じ方法によりカラム充填を行い、セルロース トリス(4−sec−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤を充填した充填カラムを得た。
<応用例1>
実施例で製造された充填カラムを用い、液体クロマトグラフィーにより、下記構造式(3)で示される化合物1、及び構造式(4)で示される化合物2の2種の化合物の不斉識別能力(保持係数k’値、分離係数α値)の評価を行った。この評価では、化合物1の光学異性体の混合溶液と、化合物2の光学異性体の混合溶液を試料として用いた。
化合物1は、J.Am.Chem.Soc.,55,1933,3857.に記載の方法によって、ケトン体の還元により入手することができる。化合物2は、NOVARTIS社製の市販医薬品Lescol(同社の登録商標)をクロロホルム加熱還流して得られる抽出物を、常法によりエチルエステル化することにより入手することができる。
なお、化合物2の1,3−ジオールの水酸基の相対的な立体配置はシス体であり、前記試料は3R,5S体と3S,5R体のラセミ混合物である。
前記評価は、濃度が1.0mg/mlである化合物1のヘキサン/2−プロパノール(ヘキサン/2−プロパノール=9/1)溶液、及び濃度が1.0mg/mlである化合物2のヘキサン/2−プロパノール(ヘキサン/2−プロパノール=1/3)溶液を試料とし、体積比が8:2のn−ヘキサンと2−プロパノールとの混合溶媒を移動相とし、移動相の流速を1.0mL/min.、検出波長を254nm、温度を25℃として行った。
また評価用の装置には、日本分光社製の液体クロマトグラフ装置(ポンプ:PU−980、UV検出器:UV−975、オートサンプラー:AS−950、カラムオーブン:860−CO、システムコントローラー:LCSS−900)を用いた。
比較として、芳香環上に置換基を有しないセルロース系誘導体を不斉識別剤とした市販のセルロース トリフェニルカルバメート担持型光学異性体分離用カラムCHIRALCEL OC(ダイセル化学工業社の登録商標、内径0.46cm、長さ25cm)、及び芳香環上の4位にメチル基を有するセルロース系誘導体を不斉識別剤とした市販のセルロース トリス(4−メチルフェニルカルバメート)担持型光学異性体分離用カラムCHIRALCEL OG(ダイセル化学工業社の登録商標、内径0.46cm、長さ25cm)を用い、前記実施例で得られた充填カラムと同様に評価した。
前記実施例で得られた充填カラムの不斉識別能力、及び比較用の前記市販カラムの不斉識別能力を表1に示す。また、前記充填カラム及び前記市販カラムを用いた測定のクロマトグラフを図1〜図10に示す。
なお、前記実施例で得られた充填カラムを用いる液体クロマトグラフィーで分離される成分のそれぞれの旋光性を、旋光検出器(例えば昭和電工社製OR−1)やCD検出器(例えば日本分光社製CD−1595)によって測定することにより、前記成分が光学異性体であることを確認することができる。
なお、以下の表1における保持係数(k’)、分離係数(α)は下式で定義される。
保持係数k’=(t−t0)/t0
(式中、tは対掌体の保持時間であり、t0はデッドタイムである。)
分離係数α=k2’/k1’
(式中、k1’はより弱く保持される対掌体の保持係数であり、k2’はより強く保持される対掌体の保持係数である。)
また表1中における「k1’」は、対掌体の内、より早く検出される成分(より弱く充填剤に保持される成分)の保持係数を意味する。
また、上記式におけるデッドタイムは、トリ−tert−ブチルベンゼン(Tri−tert−butylbezene)を前記評価条件によって前記液体クロマトグラフィーで測定したときのトリ−tert−ブチルベンゼンの溶出時間である。
また、図5及び図6の実施例3のクロマトグラフ中の2.93分のピークは、ごく僅かに溶出した光学異性体用分離剤のものと思われる。
以上より、前記実施例で得られた充填カラムを用いると、市販のカラムでは分離が困難であった光学異性体を分離することができることがわかる。
また、各実施例で用いられた充填剤を比べたときに、n−ブチル基を有する実施例1の充填剤は、化合物2のように、直鎖の炭素鎖を有する構造の光学異性体の分離能に優れている。
また、sec−ブチル基を有する実施例3の充填剤は、化合物1のように、ベンゼン環に結合する炭素原子に炭化水素基が分岐する構造の光学異性体の分離能に優れている。
また、iso−ブチル基を有する実施例2の充填剤は、化合物1及び化合物2に対する優れた分離能を示すが、個々の化合物に対しては、実施例1及び実施例3における充填剤ほどの優位さは見られない。
すなわち、分離対象の光学異性体の構造により類似する構造のアルキル基を有する充填剤を用いると、従来よりも精度の高い分離が行われることが示唆される。
<実施例1> セルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)(Cellulose tris(4−n−butylphenylcarbamate))担持型充填剤の製造法及び充填カラムの製造法。
(1)シリカゲルの表面処理
多孔質シリカゲル(粒径20μm)を公知の方法により、3−アミノプロピルトリエトキシシランと反応させることにより、多孔質シリカゲルにアミノプロピルシラン処理(APS処理)を施した。
(2)セルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)の合成
窒素雰囲気下、3.91gのセルロースと24.15g(セルロースが有する全ての水酸基に対して2.06当量)の4−n−ブチルフェニルイソシアナート(4−n−Butylphenylisocyanate)とを130mLの乾燥ピリジン中で、ピリジン還流温度下、24時間加熱攪拌を行った。その後、5.0mLの2−プロパノールを添加して過剰のイソシアナートをカルバメート化し、その後、得られた反応液を4.0Lのアセトニトリルに注ぎ込んだ。析出した固体をグラスフィルターで濾取し、濾取した固体をアセトニトリルで数回の洗浄し、真空乾燥(60℃、5時間)によって乾燥した。その結果、若干黄色がかった15.02gの白色固体が得られた(収率:90.6%)。得られた前記白色固体の炭素、水素、及び窒素元素の分析結果を以下に示す。
CHN結果:
測定値 C%:67.47 H%:7.04 N%:5.97
理論値 C%:68.10 H%:7.18 N%:6.11
(3)セルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤の製造
上記(2)で得た10gのセルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)を80mLのアセトンに溶解させ、このアセトン溶液を(1)のシリカゲル40.0gに均一に塗布した。塗布後、アセトンの減圧留去を行うことで目的のセルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤を得た。
(4)セルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤を用いた充填カラムの製造法
(3)で製造された担持型充填剤を、内径0.46cm、長さ25cmのステンレス製カラムにスラリー充填法により加圧、充填し、セルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤を充填した充填カラムを得た。
<実施例2> セルロース トリス(4−iso−ブチルフェニルカルバメート)(Cellulose tris(4−iso−butylphenylcarbamate))担持型充填剤の製造法及び充填カラムの製造法。
(1)シリカゲルの表面処理
実施例1の(1)と同じ方法によりシリカゲル表面処理を行った。
(2)セルロース トリス(4−iso−ブチルフェニルカルバメート)の合成
実施例1の(2)と同じ方法を用い、4−n−ブチルフェニルイソシアナートを4−iso−ブチルフェニルイソシアナート(4−iso−Butylphenylisocyanate)に代え、再沈殿用溶媒をアセトニトリルからメタノールに変えることで、目的のセルロース トリス(4−iso−ブチルフェニルカルバメート)を得た(収率:87.3%)。得られたセルロース トリス(4−iso−ブチルフェニルカルバメート)の炭素、水素、及び窒素元素の分析結果を以下に示す。
CHN結果:
測定値 C%:67.78 H%:7.09 N%:6.00
理論値 C%:68.10 H%:7.18 N%:6.11
(3)セルロース トリス(4−iso−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤の製造
セルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)をセルロース トリス(4−iso−ブチルフェニルカルバメート)に代える以外は、実施例1の(3)と同じ方法によりセルロース トリス(4−iso−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤を得た。
(4)セルロース トリス(4−iso−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤を用いた充填カラムの製造法
セルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤をセルロース トリス(4−iso−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤に代える以外は、実施例1の(4)と同じ方法によりカラム充填を行い、セルロース トリス(4−iso−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤を充填した充填カラムを得た。
<実施例3> セルロース トリス(4−sec−ブチルフェニルカルバメート)(Cellulose tris(4−sec−butylphenylcarbamate))担持型充填剤の製造法及び充填カラムの製造法。
(1)シリカゲルの表面処理
実施例1の(1)と同じ方法によりシリカゲル表面処理を行った。
(2)セルロース トリス(4−sec−ブチルフェニルカルバメート)の合成
実施例1の(2)と同じ方法を用い、4−n−ブチルフェニルイソシアナートを4−sec−ブチルフェニルイソシアナート(4−sec−Butylphenylisocyanate)に代えて反応を行うことで、目的のセルロース トリス(4−sec−ブチルフェニルカルバメート)を得た(収率:85.8%)。得られたセルロース トリス(4−sec−ブチルフェニルカルバメート)の炭素、水素、及び窒素元素の分析結果を以下に示す。
CHN結果:
測定値 C%:67.86 H%:7.14 N%:6.03
理論値 C%:68.10 H%:7.18 N%:6.11
(3)セルロース トリス(4−sec−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤の製造
セルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)をセルロース トリス(4−sec−ブチルフェニルカルバメート)に代える以外は、実施例1の(3)と同じ方法によりセルロース トリス(4−sec−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤を得た。
(4)セルロース トリス(4−sec−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤を用いた充填カラムの製造法
セルロース トリス(4−n−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤をセルロース トリス(4−sec−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤に代える以外は、実施例1の(4)と同じ方法によりカラム充填を行い、セルロース トリス(4−sec−ブチルフェニルカルバメート)担持型充填剤を充填した充填カラムを得た。
<応用例1>
実施例で製造された充填カラムを用い、液体クロマトグラフィーにより、下記構造式(3)で示される化合物1、及び構造式(4)で示される化合物2の2種の化合物の不斉識別能力(保持係数k’値、分離係数α値)の評価を行った。この評価では、化合物1の光学異性体の混合溶液と、化合物2の光学異性体の混合溶液を試料として用いた。
化合物1は、J.Am.Chem.Soc.,55,1933,3857.に記載の方法によって、ケトン体の還元により入手することができる。化合物2は、NOVARTIS社製の市販医薬品Lescol(同社の登録商標)をクロロホルム加熱還流して得られる抽出物を、常法によりエチルエステル化することにより入手することができる。
なお、化合物2の1,3−ジオールの水酸基の相対的な立体配置はシス体であり、前記試料は3R,5S体と3S,5R体のラセミ混合物である。
前記評価は、濃度が1.0mg/mlである化合物1のヘキサン/2−プロパノール(ヘキサン/2−プロパノール=9/1)溶液、及び濃度が1.0mg/mlである化合物2のヘキサン/2−プロパノール(ヘキサン/2−プロパノール=1/3)溶液を試料とし、体積比が8:2のn−ヘキサンと2−プロパノールとの混合溶媒を移動相とし、移動相の流速を1.0mL/min.、検出波長を254nm、温度を25℃として行った。
また評価用の装置には、日本分光社製の液体クロマトグラフ装置(ポンプ:PU−980、UV検出器:UV−975、オートサンプラー:AS−950、カラムオーブン:860−CO、システムコントローラー:LCSS−900)を用いた。
比較として、芳香環上に置換基を有しないセルロース系誘導体を不斉識別剤とした市販のセルロース トリフェニルカルバメート担持型光学異性体分離用カラムCHIRALCEL OC(ダイセル化学工業社の登録商標、内径0.46cm、長さ25cm)、及び芳香環上の4位にメチル基を有するセルロース系誘導体を不斉識別剤とした市販のセルロース トリス(4−メチルフェニルカルバメート)担持型光学異性体分離用カラムCHIRALCEL OG(ダイセル化学工業社の登録商標、内径0.46cm、長さ25cm)を用い、前記実施例で得られた充填カラムと同様に評価した。
前記実施例で得られた充填カラムの不斉識別能力、及び比較用の前記市販カラムの不斉識別能力を表1に示す。また、前記充填カラム及び前記市販カラムを用いた測定のクロマトグラフを図1〜図10に示す。
なお、前記実施例で得られた充填カラムを用いる液体クロマトグラフィーで分離される成分のそれぞれの旋光性を、旋光検出器(例えば昭和電工社製OR−1)やCD検出器(例えば日本分光社製CD−1595)によって測定することにより、前記成分が光学異性体であることを確認することができる。
なお、以下の表1における保持係数(k’)、分離係数(α)は下式で定義される。
保持係数k’=(t−t0)/t0
(式中、tは対掌体の保持時間であり、t0はデッドタイムである。)
分離係数α=k2’/k1’
(式中、k1’はより弱く保持される対掌体の保持係数であり、k2’はより強く保持される対掌体の保持係数である。)
また表1中における「k1’」は、対掌体の内、より早く検出される成分(より弱く充填剤に保持される成分)の保持係数を意味する。
また、上記式におけるデッドタイムは、トリ−tert−ブチルベンゼン(Tri−tert−butylbezene)を前記評価条件によって前記液体クロマトグラフィーで測定したときのトリ−tert−ブチルベンゼンの溶出時間である。
また、図5及び図6の実施例3のクロマトグラフ中の2.93分のピークは、ごく僅かに溶出した光学異性体用分離剤のものと思われる。
以上より、前記実施例で得られた充填カラムを用いると、市販のカラムでは分離が困難であった光学異性体を分離することができることがわかる。
また、各実施例で用いられた充填剤を比べたときに、n−ブチル基を有する実施例1の充填剤は、化合物2のように、直鎖の炭素鎖を有する構造の光学異性体の分離能に優れている。
また、sec−ブチル基を有する実施例3の充填剤は、化合物1のように、ベンゼン環に結合する炭素原子に炭化水素基が分岐する構造の光学異性体の分離能に優れている。
また、iso−ブチル基を有する実施例2の充填剤は、化合物1及び化合物2に対する優れた分離能を示すが、個々の化合物に対しては、実施例1及び実施例3における充填剤ほどの優位さは見られない。
すなわち、分離対象の光学異性体の構造により類似する構造のアルキル基を有する充填剤を用いると、従来よりも精度の高い分離が行われることが示唆される。
本発明によれば、分析及び分取目的化合物に対する不斉識別能力の高い新規の光学異性体用分離剤が提供され、従来では分離が困難であった光学異性体の分離や、所定の光学異性体の分離には使用できなかった装置による光学異性体の分離が可能となる。したがって、HPLC用キラル固定相と擬似移動床法を組み合わせた工業規模での光学活性体液体クロマト法分取における生産性のより一層の向上が期待される。
Claims (6)
- 前記多糖は、セルロース又はアミロースであることを特徴とする請求項1記載の光学異性体用分離剤。
- 前記芳香族炭化水素基はフェニレン基であり、前記一般式(1)に示されるカルボニル基又は前記一般式(2)に示される窒素原子に結合する前記フェニレン基の炭素原子に対して4位の炭素原子に前記アルキル基が結合していることを特徴とする請求項1記載の光学異性体用分離剤。
- 担体に担持されていることを特徴とする請求項1記載の光学異性体用分離剤。
- クロマトグラフィーの固定相に用いられる充填剤であることを特徴とする請求項1記載の光学異性体用分離剤。
- 連続して分離対象物質を分取することが可能な連続式液体クロマトグラフィーの固定相に用いられる充填剤であることを特徴とする請求項1記載の光学異性体用分離剤。
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