JP4034123B2 - 光学異性体用分離剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光学異性体用分離剤、特に液体クロマトグラフィー法による光学異性体の分離に用いられる分離剤に関するものであり、医薬品、食品、農薬、香料の分析において、幅広いキラル化合物を、高い分離係数をもって光学分割することのできる光学異性体用分離剤、及びその不斉識別能の評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
多くの有機化合物には物理的、化学的性質、例えば沸点、融点、溶解度といった物性が全く同一であるが、生理活性に差が見られる異性体、すなわち光学異性体が存在する。生物の生体を構成するタンパク質や糖質自身がほとんどの場合、片方のみの光学異性体でできているため、他の種類の光学異性体に対する作用の仕方に差異が生じ生理活性差が現れるためである。これは左手用手袋(すなわち光学活性体である生体)に対する右手と左手(作用する各光学異性体)のつけやすさの違い(生理活性差)に例えることができる。
【0003】
特に医薬品の分野において、二つの光学異性体間で薬効、毒性の点で顕著な差が見られる場合が往々にしてあり、このため厚生省は医薬品製造指針において、「当該薬物がラセミ体である場合には、それぞれの異性体について、吸収、分布、代謝、排泄動態を検討しておくことが望ましい」と光学異性体を峻別する方針を記載している。
【0004】
先に述べたように光学異性体間では物理的、化学的性質、例えば沸点、融点、溶解度といった物性が全く同一であるために通常の分離手段では分析が行えない。このために幅広い種類の光学異性体を簡便に、かつ精度良く分析する光学異性体分離技術の研究が精力的に行われてきた。そしてこれら要求に応える分析手法として高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)による光学分割方法、特にHPLC用キラルカラムによる光学分割方法が進歩した。ここで言うキラルカラムには不斉識別剤そのもの、あるいは不斉識別剤を適当な担体上に担持させたキラル固定相が使用されている。
【0005】
例えば光学活性ポリメタクリル酸トリフェニルメチル(特開昭57−150432号公報参照)、セルロース又はアミロース誘導体(Y.Okamoto, M.kawashima and K.Hatada, J.Am.Chem.Soc., 106, 5337, 1984)、タンパクであるオボムコイド(特開昭63−307829号)等が開発されている。
【0006】
そして数あるこれらHPLC用キラル固定相の中でも、セルロースやアミロース誘導体をシリカゲル上に担持させた光学分割カラムは、極めて幅広い化合物に対し、高い不斉識別能を有することが知られている。さらに近年ではHPLC用キラル固定相と連続的な液体クロマト分取方法である擬似移動床法を組み合わせた工業規模での光学活性体液体クロマト分取法の検討が進められている(Pharm Tech Japan, 12,43(1996))。
【0007】
分析用手段として用いられるHPLC用キラル固定相では、2つの光学異性体ピークが、短い分析時間で完全分離することで十分に満足されていたが、生産手段としての液体クロマト分取法においては、分取生産性をより向上させるために、単に完全に分離するのみならず、分取目的化合物の2つの光学異性体ピークをさらに分ける、すなわち少しでもより大きな分離係数α値をもったキラル固定相が求められている。
【0008】
こういった中、例えば多糖誘導体などの光学活性な高分子化合物を不斉識別剤としたキラル固定相の有する不斉識別能力をより十分に発揮させ、さらに高い分離係数α値を得るための種々の工夫が凝らされているが、高い不斉識別能の評価方法は実際にHPLC測定を行う以外にないのが現状であり、より簡単な不斉識別能の評価方法が望まれている。
【0009】
特開平2−289601号は、−CO-NHR(Rは、少なくとも1個の不斉中心を有する、炭素原子数1〜30のグループ)で置換した多糖誘導体を光学分離用に開示している。
【0010】
本発明は上記事情に基づいてなされたものである。すなわち本発明の課題は、より簡単な不斉識別能の評価方法、及びその評価方法を用いて得られる、より高い不斉識別能を持つ光学異性体用分離剤を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決するべく鋭意研究した結果、光学異性体用分離剤の示差走査熱量測定(DSC)を行い、その昇温過程で得られる示差熱量曲線において、担持させた高分子化合物の分解温度に到達する前に、高分子化合物の発熱ピークが観測されるような分離剤が、光学異性体の高い分離係数α値を示すことを見出し、本発明を完成した。
【0012】
即ち、本発明は、光学活性な高分子化合物を担持させた光学異性体用分離剤であって、その示差走査熱量測定(DSC)の昇温過程で得られる示差熱量曲線において、担持させた高分子化合物の分解温度に到達する前に、高分子化合物の発熱ピークが存在することを特徴とする光学異性体用分離剤を提供する。
【0013】
また本発明は、光学活性な高分子化合物を担持させた光学異性体用分離剤の示差走査熱量測定(DSC)を行い、その昇温過程で得られる示差熱量曲線において、担持させた高分子化合物の分解温度に到達する前の、高分子化合物の発熱ピークの有無を観測することを特徴とする光学異性体用分離剤の不斉識別能の評価方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0015】
本発明に用いられる光学活性な高分子化合物としては、多糖誘導体、光学活性ポリアミド、光学活性ポリエステル、光学活性ポリアミノ酸、光学活性ポリエーテル、ポリマーに光学活性化合物を結合させたもの、蛋白質、変性蛋白質、或いはこれらの複合物が挙げられる。特に、多糖誘導体、或いはその複合物が好適に用いられる。
【0016】
本発明に用いられる多糖誘導体は、多糖と、その水酸基と反応しうる官能基を有する化合物とを反応させることにより得られる。
【0017】
多糖としては、合成多糖、天然多糖及び天然物変成多糖のいずれかを問わず、好ましくは結合様式の規則性の高いものが望ましい。例示すればβ−1,4−グルカン(セルロース)、α−1,4−グルカン(アミロース、アミロペクチン)、α−1,6−グルカン(デキストラン)、β−1,6−グルカン(ブスツラン)、β−1,3−グルカン(例えばカードラン、シゾフィラン等)、α−1,3−グルカン、β−1,2−グルカン(Crown Gall 多糖)、β−1,4−ガラクタン、β−1,4−マンナン、α−1,6−マンナン、β−1,2−フラクタン(イヌリン)、β−2,6−フラクタン(レバン)、β−1,4−キシラン、β−1,3−キシラン、β−1,4−キトサン、α−1,4−N−アセチルキトサン(キチン)、プルラン、アガロース、アルギン酸等であり、アミロースを含有する澱粉も含まれる。これらの中では、高純度の多糖を容易に入手できるセルロース、アミロース、β−1,4−キシラン、β−1,4−キトサン、キチン、β−1,4−マンナン、イヌリン、カードラン等が好ましく、特にセルロース、アミロースが好ましい。
【0018】
これら多糖の数平均重合度(1分子中に含まれるピラノースあるいはフラノース環の平均数)は5以上、好ましくは10以上であり、特に上限はないが、1000以下であることが取り扱いの容易さの点で望ましい。
【0019】
また多糖の水酸基と反応しうる官能基を有する化合物としては、イソシアン酸誘導体、カルボン酸、エステル、酸ハロゲン化物、酸アミド化合物、ハロゲン化合物、アルデヒド、アルコールあるいはその他脱離基を有する化合物であればいかなるものでもよく、これらの脂肪族、脂環族、芳香族、ヘテロ芳香族化合物を用いることができる。本発明に用いられる多糖誘導体として更に好ましいのは、1グルコースユニットあたり0.1個以上のウレタン結合又はエステル結合を有する多糖のカルバメート誘導体あるいはエステル誘導体であり、更に好ましくは不斉中心をもつカルバメート誘導体あるいはエステル誘導体である。
【0020】
担体上への光学活性な高分子化合物の担持量は、担体に対して1〜100重量%が好ましく、より好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは15〜40重量%である。
【0021】
ここで言う担体とは、多孔質有機担体又は多孔質無機担体が挙げられ、好ましくは多孔質無機担体である。多孔質有機担体として適当なものは、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート等からなる高分子物質であり、多孔質無機担体として適当なものは、シリカ、アルミナ、マグネシア、ガラス、カオリン、酸化チタン、ケイ酸塩、ヒドロキシアパタイトなどである。特に好ましい担体はシリカゲルであり、シリカゲルの粒径は0.1μm〜10mm、好ましくは1μm〜300μmであり、特に好ましくは5μm〜50μmである。平均孔径は10Å〜100μm、好ましくは50Å〜50000Åである。表面は残存シラノールの影響を排除するために表面処理が施されていることが望ましいが、全く表面処理が施されていなくても問題ない。
【0022】
本発明の光学活性な高分子化合物を担持させた分離剤とは、高分子化合物が担体上に塗布され物理的な吸着で担持されていても、担体と塗布された高分子化合物間の化学結合、担体上の高分子化合物同士の化学結合、第三成分を使用した化学結合、担体上の高分子化合物への光照射、γ線などの放射線照射、マイクロ波などの電磁波の照射による反応、ラジカル反応などによって、さらなる化学結合を形成せしめることで、より強固な固定化がなされていても構わない。さらに不斉識別剤としての光学活性な高分子化合物と光学活性でない高分子化合物が同時に担持されていても構わない。
【0023】
本発明の光学異性体用分離剤は、示差走査熱量測定(DSC)を行った際、1度目の昇温過程で得られる示差熱量曲線において、担持させた高分子化合物の分解温度に到達する前に、高分子化合物の発熱ピークを有することを特徴とし、このような発熱ピークを有する分離剤が、より高い不斉識別能を持つことができるのである。
【0024】
DSCの測定は、窒素雰囲気下で行うことが好ましい。昇温速度に特に限定はないが、0.5〜100℃/min、更には5〜50℃/minで行うことが好ましい。 測定開始温度に特に限定はないが、室温より低い温度から開始することが好ましい。
【0025】
DSC測定において、上記のような発熱ピークを有する高分子化合物を用いた分離剤は、言い換えると部分的にもしくは全体に不安定構造を有する高分子化合物を用いた分離剤と考えることが出来る。このような高分子化合物を用いた分離剤の製造法は特に限定されておらず、高分子化合物の部分的もしくは全体的な不安定構造形成に影響を及ぼす製造工程としては、一般的に高分子化合物の加熱、急冷操作、可塑剤などの成分の添加、高分子化合物に嵩高い置換基を導入する構造変換などの方法により、部分的もしくは全体的に高分子化合物の不安定構造を形成させる方法が知られている。
【0026】
本発明の分離剤は、光学活性な高分子化合物を溶媒に溶解してポリマードープを得、それを担体に担持させ、溶媒を留去することにより得られる。留去の後、熱処理し、冷却してもよい。製造物を示差走査熱量測定(DSC)に供し、昇温過程で得られる示差熱量曲線において、担持させた高分子化合物の分解温度に到達する前に、高分子化合物の発熱ピークが存在するものを選択する。担持は混合または塗布で行う。留去は減圧加熱で行う。担持、留去を繰り替えしてもよい。
【0027】
留去時間を選択して本発明の分離剤を得ることができる。これは溶剤、留去温度に依存する。
【0028】
光学活性な高分子化合物を担体に担持する際の溶剤としては、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、アミド系溶剤、イミド系溶剤、炭化水素系溶剤、酸系溶剤、アミン系溶剤、ハロゲン系溶剤、アルコール系溶剤、及びニトリル系溶剤など、多糖誘導体が可溶な溶媒であればいかなるものでも使用できる。これらの溶剤は1種類でも2種類以上の任意の混合溶剤でもよい。
【0029】
光学活性な高分子化合物を担体に担持する温度は、20℃〜80℃が好ましい。
【0030】
光学活性な高分子化合物を担体に担持した後の留去時間は、担持する際に使用した溶剤により適宜決定される。
【0031】
熱処理は、光学活性な高分子化合物の分解温度以下であればいかなる温度でも良いが、100℃以上で行うことが好ましい。熱処理後の冷却方法は徐冷でも急冷でもよい。ここでいう徐冷とは熱処理後、充填剤を室温で放置することをいい、急冷とは氷浴、ドライアイス−エタノール、ドライアイス−メタノール、液体窒素など0℃以下の液体中で充填剤を冷却することをいう。
【0032】
本発明の光学異性体用分離剤は、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、超臨界クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動などのクロマトグラフィー法、膜分離法等の光学分割法に用いるのが一般的であるが、特に液体クロマトグラフィー用キラル固定相として用いるのが好ましい。また、擬似移動床式に代表される連続式液体クロマトグラフィーによる光学分割法にも好適に用いることができる。
【0033】
光学活性な高分子化合物を担体に担持する際、第三成分を添加しても良い。第三成分は、分離剤として使用した際に流出してこない化合物であれば特に限定はないが、ポリスチレン、ポリカプロラクタム、AS樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアセタール、ポリカーボネートなどの高分子化合物が好適に用いられる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0035】
実施例1:分解温度に到達する前に発熱ピークの存在するアミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]担持型光学異性体用分離剤の作製方法
▲1▼ シリカゲルの表面処理
多孔質シリカゲル(粒子径20μm)を公知の方法により、3−アミノプロピルトリエトキシシランと反応させることによりアミノプロピルシラン処理(APS処理)を施した。得られたAPS処理シリカゲルをイソシアネートと反応することで、カルバモイル表面処理が施されたシリカゲルを得た。
【0036】
▲2▼ アミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]の合成
アミロース20g及び乾燥ピリジン500mlの混合物に窒素雰囲気下、(S)−フェニルエチルイソシアネート109g(アミロース水酸基に対して2当量)を添加し、ピリジン還流温度にて24時間加熱攪拌を行った。反応混合物を放冷後、室温下で攪拌したメタノール5.0Lに10分かけて注ぎ込んだ。そのまま攪拌を30分続け、さらに30分静置後、上澄みをデカント除去し、最終的に析出した固体のアミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]をグラスフィルターで濾取した。グラスフィルター上にてメタノール300mlで3回の洗浄後、真空乾燥(60℃、5時間)を行った。その結果、黄色がかった白色固体69.2g(93%)を得た。
【0037】
▲3▼ アミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]のシリカゲルへの担持
上記▲2▼で得たアミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]10gをテトラヒドロフラン(THF)95mlとN,N−ジメチルアセトアミド5mlの混合溶液に溶解させ、このポリマードープの半量を均一に▲1▼のシリカゲル40gに塗布した。塗布後、THFを加熱しながら60分以上かけて減圧留去した。さらに残りの半量のポリマードープを同様に均一塗布後、1度目と同様の条件で減圧留去することで、目的のアミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]担持型分離剤を得た。
【0038】
▲4▼ ▲3▼で作製した分離剤の示差走査熱量測定(DSC)
測定には、パーキンエルマー社製DSC−7を使用した。分離剤は測定前に50℃で真空乾燥を2時間行い、直径7mmのアルミニウム製試料容器に分離剤5mgを装填したものをサンプルとした。測定は窒素雰囲気下、0℃で3分間ホールドした後、20℃/minで210℃まで昇温させ、その過程の熱の出入りを観測した。得られたDSC測定結果を図1に示した。
【0039】
▲5▼ 作製分離剤からのHPLC用充填カラムの作製
▲3▼で作製したアミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]をシリカゲル上に担持した分離剤を充填剤として用い、長さ25cm、内径1.0cmのステンレス製カラムにスラリー充填法で充填し、光学異性体用分離カラムを作製した。
【0040】
実施例2:分解温度に到達する前に発熱ピークの存在するアミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]担持型光学異性体用分離剤の作製方法
▲1▼ シリカゲルの表面処理
実施例1の▲1▼と同じ手法で表面処理した。
【0041】
▲2▼ アミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]の合成
実施例1の▲2▼と同じ手法で合成した。
【0042】
▲3▼ アミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]のシリカゲルへの担持
上記▲2▼で得たアミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]10gをテトラヒドロフラン(THF)100mlに溶解させ、このポリマードープの約半量を均一に▲1▼のシリカゲル40gに塗布した。塗布後、THFを加熱しながら減圧留去した。留去時間は30分以内とした。残り半量のポリマードープを同様に均一塗布後、1度目と同様の条件で減圧留去し、目的のアミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]担持型分離剤を得た。
【0043】
▲4▼ ▲3▼で作製した分離剤の示差走査熱量測定(DSC)
▲3▼で作製した分離剤の示差走査熱量を、実施例1の▲4▼と同様にして測定した。得られたDSC測定結果を図2に示した。
【0044】
▲5▼ 作製分離剤からのHPLC用充填カラムの作製
▲3▼で作製したアミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]をシリカゲル上に担持した分離剤を充填剤として用い、実施例1の▲5▼と同様にして光学異性体用分離カラムを作製した。
【0045】
比較例1:分解温度に到達するまで発熱ピークの存在しないアミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]担持型光学異性体用分離剤の作製方法
▲1▼ シリカゲルの表面処理
実施例1の▲1▼と同じ手法で表面処理した。
【0046】
▲2▼ アミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]の合成
実施例1の▲2▼と同じ手法で合成した。
【0047】
▲3▼ アミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]のシリカゲルへの担持
上記▲2▼で得たアミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]10gをテトラヒドロフラン(THF)100mlに溶解させ、このポリマードープの約半量を均一に▲1▼のシリカゲル40gに塗布した。塗布後、THFを加熱しながら減圧留去した。留去時間は60分以上とした。残り半量のポリマードープを同様に均一塗布後、1度目と同様の条件で減圧留去し、目的のアミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]担持型分離剤を得た。
【0048】
▲4▼ ▲3▼で作製した分離剤の示差走査熱量測定(DSC)
▲3▼で作製した分離剤の示差走査熱量を、実施例1の▲4▼と同様にして測定した。得られたDSC測定結果を図3に示した。
【0049】
▲5▼ 作製分離剤からのHPLC用充填カラム作製
▲3▼で作製したアミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]をシリカゲル上に担持した分離剤を充填剤として用い、実施例1の▲5▼と同様にして光学異性体用分離カラムを作製した。
【0050】
応用例
実施例1,2において作製した、発熱ピークのあるアミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]をシリカゲル上に担持した分離剤、及び比較例1において作製した発熱ピークのないアミロース トリス[(S)−フェニルエチルカルバメート]をシリカゲル上に担持した分離剤を充填剤としたHPLC用光学異性体分離用カラムを用いて、下記条件の液体クロマトグラフィー法により下記式で示されるラセミ体1〜3の光学分割を行った。結果を表1に示す。
【0051】
【化1】
Figure 0004034123
【0052】
<分析条件>
移動相;ヘキサン/2−プロパノール=90/10(v/v)
流速;4.7ml/min
温度;25℃
検出;254nm
分離係数α値の計算式;α=k2'/k1'
[式中、k1'、k2'は各光学異性体の保持係数であり、k1'=(t1−t0)/t0、k2'=(t2−t0)/t0で求められる。ここで、t1、t2は各光学異性体の溶出時間、t0はトリ−tert−ブチルベンゼンの溶出時間である。]
【0053】
【表1】
Figure 0004034123

【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の▲4▼で測定したDSC測定結果を示す図である。
【図2】 実施例2の▲4▼で測定したDSC測定結果を示す図である。
【図3】 比較例1の▲4▼で測定したDSC測定結果を示す図である。

Claims (3)

  1. 光学活性な高分子化合物を担持させた光学異性体用分離剤であって、その示差走査熱量測定(DSC)の昇温過程で得られる示差熱量曲線において、担持させた高分子化合物の分解温度に到達する前に、高分子化合物の発熱ピークが存在することを特徴とする光学異性体用分離剤であり、
    前記光学活性な高分子化合物がアミロースのカルバメート誘導体である光学異性体用分離剤
  2. 液体クロマトグラフィー用キラル固定相として用いることを特徴とする請求項記載の分離剤。
  3. アミロースのカルバメート誘導体を担持させた光学異性体用分離剤の示差走査熱量測定(DSC)を行い、その昇温過程で得られる示差熱量曲線において、担持させたアミロースのカルバメート誘導体の分解温度に到達する前に、アミロースのカルバメート誘導体の発熱ピークの有無を観測することを特徴とする光学異性体用分離剤の不斉識別能の評価方法。
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