JPWO2004095578A1 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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宇俊 和泉
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Abstract

強誘電体キャパシタ(23)を形成した後、表面の傾斜が緩やかな絶縁膜(24)を、高密度プラズマCVD法又は常圧CVD法等により形成する。その後、アルミナ膜(25)を絶縁膜(24)上に形成する。このような方法によれば、アルミナ膜(25)のカバレッジの低さが問題となることはなく、強誘電体キャパシタ(23)が確実に保護される。

Description

本発明は、外部からの水素及び水分の進入に対する耐性の向上を図った半導体装置及びその製造方法に関する。
近時、強誘電体メモリ(FeRAM)における配線ルールは0.35μmとなっており、層間絶縁膜の形成に当たっては、主にプラズマCVD法が採用されている。
また、強誘電体メモリには、強誘電体キャパシタへの水素拡散を防止するために、強誘電体キャパシタを直接覆うアルミナ膜が水素拡散防止膜として形成されている。
しかし、強誘電体メモリに対しても、近時、微細化の要請が高まっており、微細化に伴って、強誘電体キャパシタ及び配線のスペックが厳しくなっている。一方で、アルミナ膜のカバレッジは比較的低い。これらのために、従来の構造では、強誘電体キャパシタの保護が十分とはいえず、強誘電体キャパシタの劣化が問題となっている。
また、層間絶縁膜に関しては、多層配線構造が形成されたときに、強誘電体キャパシタ及び配線等の間で、層間絶縁膜に空隙が形成されることがある。このため、高い信頼性が得にくくなっている。
更に、高い耐湿性は、強誘電体メモリに限らず、ほとんどの半導体装置で要求される性質である。
このため、多層配線構造において、2つの配線層の間にSiN膜が設けられたものも提案されている。しかしながら、このような構造でも耐湿性は十分ではない。
特開2001−36026号公報 特開2001−15703号公報
本発明の目的は、強誘電体キャパシタ等の半導体素子の劣化を抑制することができる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
本願発明に係る第1の半導体装置には、半導体基板と、前記半導体基板の上方に形成された強誘電体キャパシタと、前記強誘電体キャパシタを直接覆い、その表面の傾斜が前記強誘電体キャパシタの表面の傾斜よりも緩やかな絶縁膜と、が設けられている。そして、前記絶縁膜上に前記強誘電体キャパシタへの水素の拡散を防止する水素拡散防止膜が形成されている。
本願発明に係る第2の半導体装置には、半導体基板と、前記半導体基板上に形成された半導体素子と、前記半導体基板の上方に形成され、前記半導体素子に接続されたパッドと、前記半導体素子と前記パッドとの間に形成された1又は2以上の配線層とが設けられている。そして、前記1又は2以上の配線層のうちで最も上方に位置する最上配線層と前記パッドとの間に、その下層側への水分の進入を防止する水分進入防止膜が形成されている。
本願発明に係る第1の半導体装置の製造方法では、半導体基板の上方に強誘電体キャパシタを形成した後、前記強誘電体キャパシタを直接覆い、その表面の傾斜が前記強誘電体キャパシタの表面の傾斜よりも緩やかな絶縁膜を形成する。そして、前記絶縁膜上に、前記強誘電体キャパシタへの水素の拡散を防止する水素拡散防止膜を形成する。
本願発明に係る第2の半導体装置の製造方法では、半導体基板上に半導体素子を形成した後、前記半導体素子の上方に1又は2以上の配線層を形成する。次に、前記1又は2以上の配線層のうちで最も上方に位置する最上配線層よりも上方に、その下層側への水分の進入を防止する水分進入防止膜を形成する。そして、前記水分進入防止膜の上方に、前記半導体素子に接続されるパッドを形成する。
図1は、本発明の実施形態に係る方法によって製造する強誘電体メモリのメモリセルアレイの構成を示す回路図である。
図2A乃至図2Gは、本発明の第1の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。
図3A乃至図3Eは、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る方法によって製造する強誘電体メモリ(半導体装置)のメモリセルアレイの構成を示す回路図である。
このメモリセルアレイには、一の方向に延びる複数本のビット線3、並びにビット線3が延びる方向に対して垂直な方向に延びる複数本のワード線4及びプレート線5が設けられている。また、これらのビット線3、ワード線4及びプレート線5が構成する格子と整合するようにして、複数個の本実施形態に係る強誘電体メモリのメモリセルがアレイ状に配置されている。各メモリセルには、強誘電体キャパシタ1及びMOSトランジスタ2が設けられている。
MOSトランジスタ2のゲートはワード線4に接続されている。また、MOSトランジスタ2の一方のソース・ドレインはビット線3に接続され、他方のソース・ドレインは強誘電体キャパシタ1の一方の電極に接続されている。そして、強誘電体キャパシタ1の他方の電極がプレート線5に接続されている。なお、各ワード線4及びプレート線5は、それらが延びる方向と同一の方向に並ぶ複数個のMOSトランジスタ2により共有されている。同様に、各ビット線3は、それが延びる方向と同一の方向に並ぶ複数個のMOSトランジスタ2により共有されている。ワード線4及びプレート線5が延びる方向、ビット線3が延びる方向は、夫々行方向、列方向とよばれることがある。
このように構成された強誘電体メモリのメモリセルアレイでは、強誘電体キャパシタ1に設けられた強誘電体膜の分極状態に応じて、データが記憶される。
(第1の実施形態)
次に、本発明の第1の実施形態について説明する。但し、ここでは、便宜上、各メモリセルの構造については、その製造方法と共に説明する。図2A乃至図2Gは、本発明の第1の実施形態に係る強誘電体メモリ(半導体装置)の製造方法を工程順に示す断面図である。なお、図2A乃至図2Gには、1本のビット線(図1中のビット線3に相当)を共有する2個のMOSトランジスタに相当する部分を図示する。
第1の実施形態では、先ず、図2Aに示すように、シリコン基板等の半導体基板11の表面にウェル12を形成する。次いで、半導体基板11の表面に、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)により素子分離領域13を形成する。続いて、ゲート絶縁膜14、ゲート電極15、キャップ膜16、サイドウォール17、ソース・ドレイン拡散層18及びシリサイド層19をウェル12の表面に形成することにより、スイッチング素子としてMOSトランジスタ20を形成する。このMOSトランジスタ20が、図1におけるMOSトランジスタ2に相当する。なお、各MOSトランジスタ20には、ソース及びドレイン用に2個のソース・ドレイン拡散層18を形成するが、その一方は、2個のMOSトランジスタ20間で共有させる。
次に、全面にシリコン酸窒化膜21を、MOSトランジスタ20を覆うようにして形成し、更に全面に層間絶縁膜としてSiO膜22を形成し、CMP(化学機械的研磨:Chemical Mechanical Polishing)等によりSiO膜22を平坦化する。シリコン酸窒化膜21は、SiO膜22を形成する際のゲート絶縁膜14等の水分劣化を防止するために形成されている。
その後、図2Bに示すように、SiO膜22上に、プレーナ構造の強誘電体キャパシタ23を形成する。強誘電体キャパシタ23は、順次積層された下部電極23a、強誘電体膜23b及び上部電極23cから構成する。この強誘電体キャパシタ23が、図1における強誘電体キャパシタ1に相当する。
続いて、図2Cに示すように、その表面の傾斜が強誘電体キャパシタ23の表面の傾斜よりも緩やかな絶縁膜24を形成する。絶縁膜24としては、例えばTEOS(テトラエチル・オルソシリケート:Tetra−Ethyl Ortho−Silicate)及びOを用いて、常圧CVD法により、不純物が添加されていないSiO膜(NSG(Non−doped Silicate Glass)膜)、Pが添加されたSiO膜(PSG(Phospho−Silicate Glass)膜)、B及びPが添加されたSiO膜(BPSG(Boron Phospho−Silicate Glass)膜)、Fが添加されたSiO膜(FSG(Fluoro−Silicate Glass)膜)等を形成してもよい。また、絶縁膜24として、例えば高密度プラズマ(HDP:High Density Plasma)CVD法により、NSG膜、PSG膜、BPSG膜、FSG膜、SiON等を形成してもよい。更に、絶縁膜24として、プラズマCVD法により、SiO膜、SiON膜等を形成してもよい。
但し、常圧CVD法又はプラズマCVD法により絶縁膜24を形成した場合には、その後に、N又はNOのプラズマを用いたプラズマ処理を絶縁膜24に施すことにより、絶縁膜24中の水分を減少させると共に、絶縁膜24の膜質を改善することが好ましい。また、このときの処理温度は、200℃乃至450℃とすることが好ましい。
また、常圧CVD法により絶縁膜24を形成する場合には、その前にプラズマCVD法によりSiO膜又はSiON膜を300Å乃至1000Å程度形成しておくことが好ましい。これは、カバレッジの向上及び水分の強誘電体キャパシタ23への進入を防止するためである。
更に、成膜時の半導体基板11の温度は、175℃乃至350℃とすることが好ましい。これは、温度が175℃未満であると、カバレッジが低下し、また、温度が350℃を超えると、既に形成されている強誘電体キャパシタ23が破壊される虞があるからである。
次に、図2Dに示すように、絶縁膜24上にアルミナ膜(アルミニウム酸化膜)25を水素拡散防止膜として形成する。強誘電体キャパシタ23の側面等には急峻な部分が存在するため、強誘電体キャパシタ23を直接覆うようにアルミナ膜を形成すると、カバレッジが不足することがあるが、本実施形態では、絶縁膜24が形成されており、その表面の傾斜が緩やかであるため、アルミナ膜25のカバレッジの低さは問題とならない。
次いで、図2Eに示すように、Si酸化膜26を層間絶縁膜として全面に形成し、Si酸化膜26の平坦化をCMP等により行う。
その後、図2Fに示すように、パターニング及びエッチング技術を用いて、Si酸化膜26、アルミナ膜25、絶縁膜24、SiO膜22及びシリコン酸窒化膜21に、各シリサイド層19まで到達するコンタクトホールを形成することにより、プラグコンタクト部を開口する。そして、各コンタクトホール内にバリアメタル膜(図示せず)を形成し、その内部に、例えばCVD法によりW膜を埋め込み、CMPを行ってW膜を平坦化することにより、Wプラグ27及び28を形成する。Wプラグ28は、2個のMOSトランジスタ20により共有されているシリサイド層19に接続されたWプラグであり、Wプラグ27は、残りのシリサイド層19に接続されたWプラグである。
次に、図2Gに示すように、パターニング及びエッチング技術を用いて、Si酸化膜26、アルミナ膜25及び絶縁膜24に、上部電極23cまで到達するコンタクトホールを形成する。そして、Si酸化膜26上に、上部電極23cとWプラグ27とをコンタクトホールを介して接続する配線29、及びWプラグ28に接続される配線30を形成する。
なお、配線29及び30の形成前に、酸素雰囲気、窒素雰囲気又はこれらの混合ガスの雰囲気中で、400℃乃至600℃のアニールを強誘電体キャパシタ23に施しておくことが好ましい。このようなアニールを行うことにより、それまでの工程で生じた強誘電体キャパシタ23の特性の劣化が回復する。
その後、更に、層間絶縁膜の形成、コンタクトプラグの形成及び下から第2層目以降の配線の形成等を行う。そして、例えばシリコン酸化膜及びSi膜からなるパッシベーション膜を形成して強誘電体キャパシタを有する強誘電体メモリを完成させる。なお、上層配線の形成に際しては、下部電極23aに接続された配線(図示せず)がプレート線(図1におけるプレート線5に相当する。)に接続されるようにし、配線29がビット線(図1におけるビット線3に相当する。)に接続されるようにする。ゲート電極15については、それ自体をワード線としてもよく、また、上層配線において、ゲート電極15がワード線に接続されるようにしてもよい。
このような第1の実施形態によれば、アルミナ膜25のカバレッジは問題とならないので、強誘電体キャパシタ23への水素の進入をより確実に防止することができる。即ち、強誘電体キャパシタ23をより確実に保護することが可能となる。
特に、絶縁膜24として、高密度プラズマCVD法によりシリコン酸窒化膜を形成した場合には、この絶縁膜24が水分進入防止膜としても機能するため、強誘電体キャパシタ23の保護がより強固になる。
なお、水素拡散防止膜の厚さは、10nm乃至100nmであることが好ましい。これは、厚さが10nm未満であると、十分に水素の拡散を防止することができないことがあり、また、厚さが100nmを超えると、水素拡散防止膜のエッチングが困難となるからである。
また、水素拡散防止膜としては、アルミナ膜の他に、Al酸窒化膜、Ta酸化膜、Ti酸化膜等を形成してもよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。但し、ここでは、便宜上、半導体装置の構造については、その製造方法と共に説明する。図3A乃至図3Eは、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体メモリ(半導体装置)の製造方法を工程順に示す断面図である。
第2の実施形態では、第1の実施形態と同様にして、半導体素子(図示せず)等を半導体基板(図示せず)上に形成した後、図3Aに示すように、半導体基板の上方に層間絶縁膜31を形成する。
次に、層間絶縁膜31上に、下部電極の原料膜(下部電極膜)、強誘電体膜及び上部電極の原料膜(上部電極膜)を順次堆積し、上部電極膜及び強誘電体膜をパターニングすることにより、上部電極34及び強誘電体容量絶縁膜33を形成する。次いで、全面にアルミナ膜35を形成し、アルミナ膜35及び下部電極膜をパターニングすることにより、下部電極32を形成する。そして、全面にアルミナ膜36を形成する。アルミナ膜35及び36の厚さは、例えば夫々50nm程度、20nm程度である。
その後、全面に層間絶縁膜37を形成し、層間絶縁膜37、アルミナ膜36及び層間絶縁膜31に、コンタクトホールを形成し、このコンタクトホール内にWプラグ38を埋め込む。更に、層間絶縁膜37、アルミナ膜36及びアルミナ膜35に、夫々上部電極34及び下部電極32まで達するコンタクトホールを形成する。そして、層間絶縁膜37上に、上部電極34に接続されるAl配線39、下部電極32に接続されるAl配線40、Wプラグ38に接続されるAl配線41を形成する。続いて、全面に、厚さが20nm程度のアルミナ膜42を形成し、その上に層間絶縁膜43を形成する。
次に、層間絶縁膜43及びアルミナ膜42にAl配線41等まで達するコンタクトホールを形成し、このコンタクトホール内にWプラグ44を埋め込む。次いで、層間絶縁膜43上にAl配線45を形成する。
その後、図3Bに示すように、プラズマCVD法により、TEOSを原料として厚さが2.2μm程度のSiO膜46を形成する。そして、CMPによりSiO膜46を1.0μm程度の厚さになるまで研磨して平坦化する。その後、NOを用いたプラズマ処理をSiO膜46に対して施すことにより、SiO膜46中に存在する水分を低減する。
続いて、図3Cに示すように、全面にプラズマCVD法により、TEOSを原料として厚さが100nm程度のSiO膜47を形成する。そして、NOを用いたプラズマ処理をSiO膜47に対して施すことにより、SiO膜47中に存在する水分を低減する。次に、SiO膜47の上に水分進入防止膜としてアルミナ膜48を形成し、その上にプラズマCVD法により、TEOSを原料として厚さが100nm程度のSiO膜49を形成する。そして、NOを用いたプラズマ処理をSiO膜49に対して施すことにより、SiO膜49中に存在する水分を低減する。そして、Al配線45まで達するコンタクトホールを形成し、このコンタクトホール内にWプラグ50を埋め込む。アルミナ膜48の厚さは、例えば50nm程度である。
但し、SiO膜46をHDP(高密度プラズマ)CVD法により形成し、SiO膜46中にボイド(す)が発生していない場合には、CMPによる平坦化の後に、必要に応じてNOプラズマ処理を行い、SiO膜47を形成することなくSiO膜46上に直接アルミナ膜48を形成してもよい。
次いで、図3Dに示すように、SiO膜49上にAl配線51を形成する。このとき、図3Eに示すように、Al配線51と同じ層にワイヤボンディング用のパッド54も形成する。即ち、SiO膜49上にAl膜を形成し、これをパターニングすることにより、Al配線51及びパッド54を同じAl膜から形成する。
その後、図3D及び図3Eに示すように、全面にパッシベーション膜として、高密度プラズマSiO膜52及びSi膜53を順次形成する。そして、パッド54の一部を露出する開口部を高密度プラズマSiO膜52及びSi膜53に形成する。
このような第2の実施形態によれば、より確実に水分の半導体素子(強誘電体キャパシタ等)への進入を防止することができる。即ち、強誘電体キャパシタや配線等を覆うようにして水分進入防止膜が形成されている場合には、水分進入防止膜上まで水分が進入してそこに水分が集中し、その後、半導体素子まで進入してしまう虞があるが、本実施形態のように、パッド54と最上層の配線層との間に水分進入防止膜(アルミナ膜48)が形成されていれば、水分は半導体素子までより到達しにくくなり、進入をより確実に防止することができる。
また、第2の実施形態で水分進入防止膜として用いているアルミナ膜48は、水素の拡散を防止する作用をも奏する。このため、強誘電体キャパシタの水素劣化をより抑制することも可能である。従って、水分進入防止膜としては、水分の進入を防止することができるだけでなく、水素の拡散をも防止できるものを用いることが好ましい。
ここで、本願発明者が実際に行った耐湿試験の結果について説明する。この耐湿試験では、所定の温度及び湿度の条件下に製造された半導体装置を置き、72時間後、168時間後、336時間後に正常に動作するか否かを調査した。この結果を表1〜表3に示す。実施例1では、第2の実施形態と同様に、最上配線層(最も上方に位置する配線層)とパッドとの間に水分進入防止膜としてアルミナ膜が形成されている。一方、実施例2では、実施例1のようなアルミナ膜は形成されていない。表1〜表3中の「不可の数」の分母は、測定に用いた試料の総数であり、分子は正常に動作せずフェイルと判断されたものの総数である。表1〜表3に示すように、第2の実施形態に係る実施例1では、長期間の耐湿性が極めて優れていた。
なお、最上層の配線層を覆うようにして、高密度プラズマCVD法により絶縁膜を形成した後に、その上に水分進入防止膜を形成してもよい。
また、水分進入防止膜の厚さは、10nm乃至100nmであることが好ましい。これは、厚さが10nm未満であると、十分に水分の進入を防止することができないことがあり、また、厚さが100nmを超えると、水分進入防止膜のエッチングが困難となるからである。
更に、水分進入防止膜としては、アルミナ膜の他に、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、タンタル酸化膜、チタン酸化膜等を形成してもよい。
また、パッドは、ワイヤボンディング用に限定されず、例えばパッド上にバンプが形成されてもよい。
第1及び第2の実施形態のいずれにおいても、アルミナ膜の形成方法は、特に限定されない。例えば、物理的蒸着法又はMOCVD法によりアルミナ膜を形成してもよく、また、下記の化学式で表される加水分解を用いてアルミナ膜を形成してもよい。
Figure 2004095578
また、パッシベーション膜の形成に当たっては、Si膜下のシリコン酸化膜を高密度プラズマCVD法により形成するか、又は2つのシリコン酸化膜を高密度プラズマCVD法により形成し、それらの間に水素拡散防止膜を形成して、上側のシリコン酸化膜上にSi膜を形成することが好ましい。なお、TEOS酸化膜をSi膜下のシリコン酸化膜として用いてもよい。
更に、配線材料もAlに限定されない。例えばCu配線又はAl−Cu合金配線を用いてもよい。また、コンタクトプラグの形成に当たっては、Wプラグを埋め込む前にコンタクトホール内に、順次形成されたTiN膜及びTi膜からなるバリアメタル膜又はTiN膜のみからなるバリアメタル膜を形成しておくことが好ましい。
また、強誘電体キャパシタの容量絶縁膜(強誘電体膜)としては、例えばPZT(Pb(Zr,Ti)O)膜又はSBT(SrBiTa)膜等を用いることができる。これらの膜を形成するための方法も特に限定されないが、例えばMOCVD法により形成することができる。
そして、第1の実施形態と第2の実施形態とを同時に適用すれば、双方の効果が得られる。
以上詳述したように、本発明によれば、水素拡散防止膜又は水分進入防止膜によって、より確実に水素又は水分の進入を防止することができる。このため、信頼性が向上すると共に、歩留り及び生産性が向上する。
Figure 2004095578
Figure 2004095578
Figure 2004095578
【0009】
のパッド54も形成する。即ち、SiO膜49上にAl膜を形成し、これをパターニングすることにより、Al配線51及びパッド54を同じAl膜から形成する。
その後、図3D及び図3Eに示すように、全面にパッシベーション膜として、高密度プラズマSiO膜52及びSi膜53を順次形成する。そして、パッド54の一部を露出する開口部を高密度プラズマSiO膜52及びSi膜53に形成する。
このような第2の実施形態によれば、より確実に水分の半導体素子(強誘電体キャパシタ等)への進入を防止することができる。即ち、強誘電体キャパシタや配線等を覆うようにして水分進入防止膜が形成されている場合には、水分進入防止膜上まで水分が進入してそこに水分が集中し、その後、半導体素子まで進入してしまう虞があるが、本実施形態のように、パッド54と最上層の配線層との間に水分進入防止膜(アルミナ膜48)が形成されていれば、水分は半導体素子までより到達しにくくなり、進入をより確実に防止することができる。
また、第2の実施形態で水分進入防止膜として用いているアルミナ膜48は、水素の拡散を防止する作用をも奏する。このため、強誘電体キャパシタの水素劣化をより抑制することも可能である。従って、水分進入防止膜としては、水分の進入を防止することができるだけでなく、水素の拡散をも防止できるものを用いることが好ましい。
ここで、本願発明者が実際に行った耐湿試験の結果について説明する。この耐湿試験では、所定の温度及び湿度の条件下に製造された半導体装置を置き、72時間後、168時間後、336時間後に正常に動作するか否かを調査した。この結果を表1〜表3に示す。実施例1では、第2の実施形態と同様に、最上配線層(最も上方に位置する配線層)とパッドとの間に水分進入防止膜としてアルミナ膜が形成されている。一方、比較例2では、実施例1のようなアルミナ膜は形成されていない。表1〜表3中の「不可の数」の分母は、測定に用いた試料の総数であり、分子は正常に動作せずフェイルと判断されたものの総数である。表1〜表3に示すように、第2の実施形態に係る実施例1では、長期間の耐湿性が極めて優れていた。
【0012】
Figure 2004095578
Figure 2004095578
Figure 2004095578

Claims (34)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板の上方に形成された強誘電体キャパシタと、
    前記強誘電体キャパシタを直接覆い、その表面の傾斜が前記強誘電体キャパシタの表面の傾斜よりも緩やかな絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に形成され、前記強誘電体キャパシタへの水素の拡散を防止する水素拡散防止膜と、
    を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記絶縁膜は、高密度プラズマCVD法により形成された膜であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記絶縁膜は、不純物が添加されていないシリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、フッ素が添加されたシリコン酸化膜、リンが添加されたシリコン酸化膜、並びにボロン及びリンが添加されたシリコン酸化膜からなる群から選択された1種の膜であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記水素拡散防止膜は、アルミニウム酸化膜、アルミニウム酸窒化膜、タンタル酸化膜及びチタン酸化膜からなる群から選択された1種の膜であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  5. 前記水素拡散防止膜の厚さは、10nm乃至100nmであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  6. 前記半導体基板上に形成された半導体素子と、
    前記半導体基板の上方に形成され、前記半導体素子に接続されたパッドと、
    前記半導体素子と前記パッドとの間に形成された1又は2以上の配線層と、
    前記1又は2以上の配線層のうちで最も上方に位置する最上配線層と前記パッドとの間に形成され、その下層側への水分の進入を防止する水分進入防止膜と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  7. 前記水分進入防止膜は、アルミニウム酸化膜、シリコン窒化膜及びシリコン酸窒化膜からなる群から選択された1種の膜であることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  8. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成された半導体素子と、
    前記半導体基板の上方に形成され、前記半導体素子に接続されたパッドと、
    前記半導体素子と前記パッドとの間に形成された1又は2以上の配線層と、
    前記1又は2以上の配線層のうちで最も上方に位置する最上配線層と前記パッドとの間に形成され、その下層側への水分の進入を防止する水分進入防止膜と、
    を有することを特徴とする半導体装置。
  9. 前記最上配線層を覆うようにして高密度プラズマCVD法により形成された絶縁膜を有することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  10. 前記水分進入防止膜は、アルミニウム酸化膜、シリコン窒化膜及びシリコン酸窒化膜からなる群から選択された1種の膜であることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  11. 前記水分進入防止膜の厚さは、10nm乃至100nmであることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  12. 前記半導体基板と前記最上配線層との間のいずれかの層に形成された強誘電体キャパシタを有することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  13. 半導体基板の上方に強誘電体キャパシタを形成する工程と、
    前記強誘電体キャパシタを直接覆い、その表面の傾斜が前記強誘電体キャパシタの表面の傾斜よりも緩やかな絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜上に、前記強誘電体キャパシタへの水素の拡散を防止する水素拡散防止膜を形成する工程と、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 前記絶縁膜を高密度プラズマCVD法により形成することを特徴とする請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 前記絶縁膜を形成する際の前記半導体基板の温度を175℃乃至350℃とすることを特徴とする請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
  16. 前記絶縁膜として、不純物が添加されていないシリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、フッ素が添加されたシリコン酸化膜、リンが添加されたシリコン酸化膜、並びにボロン及びリンが添加されたシリコン酸化膜からなる群から選択された1種の膜を形成することを特徴とする請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
  17. 前記水素拡散防止膜として、アルミニウム酸化膜、アルミニウム酸窒化膜、タンタル酸化膜及びチタン酸化膜からなる群から選択された1種の膜を形成することを特徴とする請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
  18. 前記水素拡散防止膜の厚さを、10nm乃至100nmとすることを特徴とする請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
  19. 前記絶縁膜を常圧CVD法又はプラズマCVD法により、テトラエチル・オルソシリケートを原料として形成することを特徴とする請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
  20. 前記絶縁膜を形成する工程の後に、N又はNOのプラズマを用いたプラズマ処理を前記絶縁膜に対して施す工程を有することを特徴とする請求項19に記載の半導体装置の製造方法。
  21. 前記プラズマ処理を施す工程において、処理室内の温度を200℃乃至450℃とすることを特徴とする請求項20に記載の半導体装置の製造方法。
  22. 前記アルミニウム酸化膜を物理的蒸着法、MOCVD法又は加水分解法により形成することを特徴とする請求項17に記載の半導体装置の製造方法。
  23. 前記絶縁膜として、高密度プラズマCVD法又はプラズマCVD法によりシリコン酸化膜又はシリコン酸窒化膜を形成することを特徴とする請求項22に記載の半導体装置の製造方法。
  24. 前記絶縁膜を形成する工程は、
    プラズマCVD法によりシリコン酸化膜又はシリコン酸窒化膜を形成する工程と、
    常圧CVD法によりテトラエチル・オルソシリケートを原料として不純物が添加されていないシリコン酸化膜を形成する工程と、
    を有することを特徴とする請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
  25. 前記強誘電体キャパシタを形成する工程の前に、前記半導体基板上に半導体素子を形成する工程を有し、
    前記水素拡散防止膜を形成する工程の後に、
    前記強誘電体キャパシタの上方に1又は2以上の配線層を形成する工程と、
    前記1又は2以上の配線層のうちで最も上方に位置する最上配線層よりも上方に、その下層側への水分の進入を防止する水分進入防止膜を形成する工程と、
    前記水分進入防止膜の上方に、前記半導体素子に接続されるパッドを形成する工程と、
    を有することを特徴とする請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
  26. 前記水分進入防止膜として、アルミニウム酸化膜、シリコン窒化膜及びシリコン酸窒化膜からなる群から選択された1種の膜を形成することを特徴とする請求項25に記載の半導体装置の製造方法。
  27. 前記水素拡散防止膜を形成する工程の後に、
    前記水素拡散防止膜上に層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜の平坦化を行う工程と、
    前記層間絶縁膜、前記水素拡散防止膜及び前記絶縁膜に前記強誘電体キャパシタの一部に到達するコンタクトホールを形成する工程と、
    酸素及び窒素からなる群から選択された少なくとも1種のガスを含有する雰囲気中で400℃乃至600℃のアニールを前記強誘電体キャパシタに施す工程と、
    前記コンタクトホールを介して前記強誘電体キャパシタに接続される配線を形成する工程と、
    を有することを特徴とする請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
  28. 半導体基板上に半導体素子を形成する工程と、
    前記半導体素子の上方に1又は2以上の配線層を形成する工程と、
    前記1又は2以上の配線層のうちで最も上方に位置する最上配線層よりも上方に、その下層側への水分の進入を防止する水分進入防止膜を形成する工程と、
    前記水分進入防止膜の上方に、前記半導体素子に接続されるパッドを形成する工程と、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  29. 前記水分進入防止膜を形成する工程の前に、前記最上配線層を覆う絶縁膜を高密度プラズマCVD法により形成する工程を有することを特徴とする請求項28に記載の半導体装置の製造方法。
  30. 前記水分進入防止膜として、アルミニウム酸化膜、シリコン窒化膜及びシリコン酸窒化膜からなる群から選択された1種の膜を形成することを特徴とする請求項28に記載の半導体装置の製造方法。
  31. 前記水分進入防止膜の厚さを、10nm乃至100nmとすることを特徴とする請求項28に記載の半導体装置の製造方法。
  32. 前記水分進入防止膜を形成する工程の前に、前記最上配線層を覆う絶縁膜をプラズマCVD法によりテトラエチル・オルソシリケートを原料として形成する工程を有することを特徴とする請求項28に記載の半導体装置の製造方法。
  33. 前記水分進入防止膜を形成する工程の前に、
    前記最上配線層を覆う第1の絶縁膜をプラズマCVD法によりテトラエチル・オルソシリケートを原料として形成する工程と、
    前記第1の絶縁膜の平坦化を行う工程と、
    前記第1の絶縁膜に対してNOのプラズマを用いたプラズマ処理を施す工程と、
    前記第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜をプラズマCVD法によりテトラエチル・オルソシリケートを原料として形成する工程と、
    前記第2の絶縁膜に対してNOのプラズマを用いたプラズマ処理を施す工程と、
    を有し、
    前記パッドを形成する工程の前に、
    前記水分進入防止膜上に第3の絶縁膜をプラズマCVD法によりテトラエチル・オルソシリケートを原料として形成する工程と、
    前記第3の絶縁膜に対してNOのプラズマを用いたプラズマ処理を施す工程と、
    を有することを特徴とする請求項28に記載の半導体装置の製造方法。
  34. 前記半導体素子の上方に1又は2以上の配線層を形成する工程と並行して、前記半導体基板の上方に強誘電体キャパシタを形成する工程を有することを特徴とする請求項28に記載の半導体装置の製造方法。
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