JPWO2004091308A1 - 生物の排泄物衛生化方法 - Google Patents

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Abstract

生物の排泄物を簡単に無害化することができ、病原性微生物やウイルスの感染拡大を効果的に予防することができる生物の排泄物衛生化方法を提供する。 光触媒体、例えば、酸化チタンの超微粒子を、家畜の飼料に混合する。この飼料を家畜に与える。家畜は、その飼料を摂取して消化した後に、排泄物を排泄する。この排泄物に対して、紫外線を照射する。すると、酸化チタンを触媒にして、空気中の水と酸素から活性酸素が作られ、この活性酸素に細菌等の有機物が触れると、酸化して分解されるので、排泄物が無害化される。

Description

本発明は、生物の排泄物を衛生化する方法に係り、特に、光触媒を用いた衛生化方法の改良に関するものである。
現在、鳥、豚、牛等の家畜動物や魚等の養殖生物が病原性微生物やウイルスの発生源となり、その糞尿等の排泄物を媒介として、人体へ感染する可能性が非常に問題視されている。かかる排泄物による感染及びその伝播のケースとしては、以下の三つがある。
(1)人が排泄物に直接接する場合
(2)他の生物との接触が媒介する場合
(3)食物連鎖による場合
(1)は、人が排泄物を処理するために意識的に接する場合ばかりでなく、処理場所の周囲に飛散している飛沫や、車や道具等への付着物などに、無意識に接する場合も含まれる。
(2)は、排泄物に接したねずみ、ゴキブリ、ハエ、蚊等の野生動物や昆虫類が、広範囲に移動して、これらの生物若しくはその排泄物に、人間が接することにより感染する場合である。
(3)は、排泄物を食した野生動物や昆虫が、他の動物に食べられるという食物連鎖が繋がっていき、感染した生物若しくはその排泄物に人間が接することにより、さらには感染した生物を人間が食することにより感染が拡大する場合である。
以上のように排泄物には、病原性微生物やウイルスの発生源となるという問題点があるが、その一方で、肥料等の資源として活用できるという利点がある。このため、従来から、排泄物を自然分解するまで放置することにより無害化させ、これを肥料として用いることが行われていた。
〔解決すべき課題〕
ところで、家畜等の排泄物を、人や他の生物との接触がないように、自然分解するまで放置することは、現実的には不可能である。このため、単に自然分解させる方法では、上記の(1)〜(3)のような多様な感染の可能性を効果的に防止することはできない。
これに対処するため、毒性のある薬物、例えばクレゾール消毒液などによって、排泄物を衛生化することが考えられる。しかしながら、かかる薬物は、強い消毒臭を伴うとともに、皮下吸収等の可能性があり、人体にとって安全とはいえない。そして、処理後の排泄物は、肥料等として使用できないなど、用途も限定されてしまう。畜舎等においては、排泄物を隔離して消毒薬を噴霧するなどの手段が考えられるが、排泄物を処理する度に隔離して消毒薬を撒布することは、手間がかかり作業効率が低下するとともに、経済的にも負担が増大することになる。
新種の病原性微生物やウイルスに対処するために、緊急避難的にかかる消毒を行う場合も考えられるが、その場合であっても、消毒できる領域が限定されてしまうとともに、持続的な効果は薄いため、以下のような場合を考慮すると、その有効性は疑問となる。
まず、消毒液を噴霧した場合、排泄物表面には有効に作用することはあるが、排泄物内部にまで浸透させることは困難である。このため、排泄物の内部で病原性微生物やウイルスが増殖し、やがて飛散する場合が考えられる。
また、新型ウイルスは、上記(2)(3)で説明したように、他の生物を媒介とする食物連鎖によって感染が拡大する場合が多い。しかし、家畜舎等において、排泄物に他の生物が接することを防止することは不可能であるとともに、消毒等によってこれを全て排除することも不可能である。従って、排泄物を食する虫、虫を食べる鳥、鳥からさらに遠隔地へと感染が拡大することは防止できない。特に、渡り鳥や魚の行動範囲は地球的規模で広がっているため、感染経路を特定することはできず、野生動物を含めた全ての感染動物を隔離したり、排泄物を消毒したりすることは、非現実的である。
現在、人体への安全性に問題のある消毒薬などを用いることなく、雑菌の繁殖や悪臭の発生を防止する技術として、光触媒が注目されており、動物を対象とする分野にも適用されている。例えば、特開2001−299120号公報には、畜舎等に敷かれる動物飼育用敷材に、光触媒物質を付着させる技術が開示されている。しかしながら、かかる技術では、敷材と排泄物との接触面しか衛生化の効果は期待できず、排泄物そのものを無害化することはできない。また、特開平10−66518号公報には、光触媒作用を有する酸化チタンを含む岩石を、種々の対象に混合するという技術が記載され、その対象として、肥料や動物の飼料が例示されている。しかしながら、この技術は、単に対象物に岩石を混合することにより、その岩石にたまたま含まれる光触媒によって、対象物の衛生化がある程度期待できるに過ぎない。結局、これらの従来技術では、光触媒による局所的な衛生化の可能性はあっても、上記(1)〜(3)で示したような排泄物による感染の拡大を防止することは全く志向したおらず、また、(1)〜(3)のような感染の拡大を防止する効果までは、到底期待できない。
新型ウイルスなどによる感染の発生は予測できず、感染の発見が遅れた場合、二次感染は生態系に乗じて広範囲に伝播し、急激に感染域を世界中に拡大してしまうことになる。しかし、その予防対策は技術的にも経済的にも非常に困難であり、今日に至るまで、排泄物に関する合理的かつ、効果的な予防技術はなかったのである。
本発明の目的は、生物の排泄物を簡単に無害化することができ、病原性微生物やウイルスの感染拡大を効果的に予防することができる生物の排泄物衛生化方法を提供することにある。
以上のような目的を達成するために、本発明の生物の排泄物衛生化方法は、光触媒体の微粒子を含めた食材を生物に与え、その生物の排泄物若しくは排泄物伝播域に光を照射することを特徴とする。
このような本発明によれば、生物の排泄物に光を照射するだけで無害化させることができるので、薬物による消毒に比べて、人体への悪影響もなく安全かつ容易に衛生化させることが可能となる。
好ましい態様では、前記生物は家畜であり、前記排泄物伝播域は畜舎であることを特徴とする。以上のような態様では、家畜に対しても安全であり、殺菌のために排泄物を隔離する必要がなく、作業者の手間がかからないので、作業者の負担が肉体的にも経済的にも大幅に軽減される。
好ましい態様では、前記生物が魚であることを特徴とする。以上のような態様では、魚の飼育水槽若しくは養殖場において、従来では衛生化が困難であった排泄物の沈殿域或いは循環水系において、排泄物に光を照射することによって、簡単に無害化することができるとともに、水質改善も可能となる。
好ましい態様では、前記生物が人間であることを特徴とする。以上のような態様では、人間が、排泄物の処理設備が整備されていない場所で作業若しくは居住している場合であっても、安全性を維持しつつ、排泄物を容易に無害化することができる。
好ましい態様では、前記排泄物を肥料として用いることを特徴とする。以上のような態様では、肥料に対して光照射による消毒ができるとともに、肥料を散布した場合に、肥料表面に分散した光触媒によって、雑草抑制効果も得られる。さらに、肥料の散布や保管時の悪臭予防にも効果を発揮する。
図1は、暗所にて保管した排泄物Aを対象にしたシャーレ内の培養寒天を示す説明図である。
図2は、UV照射を行った排泄物Bを対象にしたシャーレ内の培養寒天を示す説明図である。
図3は、図1及び図2で用いた河川水を対象にしたシャーレ内の培養寒天を示す説明図である。
以下には、本発明を適用した一つの実施の形態(以下、本実施形態とする)について、具体的に説明する。
[実施形態の手順]
まず、光触媒体の超微粒子を家畜の飼料に混合する。例えば、酸化チタンは食品添加物としても使われるものであり、自身が無味無臭で生態にも安全で化学的にも安定していて、容易に超微粒子とすることができるため、本実施形態に適している。
そして、この飼料を家畜に与える。家畜は、飼料を摂取して消化した後に、排泄物を排泄する。この排泄物に対して、例えば、400nm以下の波長の光(いわゆる紫外線)を照射する。すると、酸化チタンを触媒にして、空気中の水と酸素から活性酸素(スーパーオキサイドイオン、水酸基ラジカル)が作られ、この活性酸素に細菌等の有機物が触れると、酸化して分解される。つまり、UV光照射により、光触媒が有機物を分解するので、排泄物が無害化される。
なお、光の照射は、畜舎の地面や床、溝や穴などの排泄物が堆積される領域のみならず、排泄物が付着して伝播する可能性がある領域(排泄物伝播域)、例えば、壁や柱、作業道具、作業者の身体や衣服、車両、家畜等の生物自体に照射してもよく、鳥等の生物が生む卵等に照射してもよい。
[実施形態の作用効果]
以上のような本実施形態によれば、家畜の排泄物に光を照射するだけで無害化させることができるので、薬物による消毒に比べて、人体や家畜への悪影響もなく安全である。そして、排泄物を隔離する必要もないため、作業者の手間がかからず、肉体的にも経済的にも負担が大幅に軽減される。
また、家畜の食材に混合されているため、生体の消化器を経る過程で光触媒が効果的に分散され、排泄物自体に、いわば自己消毒能力が備わることになる。従って、排泄物がどのような態様で飛散して伝播しても、人為的光照射や自然光を浴びることによって、持続的に消毒能力を発揮でき、感染の拡大を容易に防止できる。例えば、排泄物が付着した動物や物が移動する過程で光を浴びる場合のみならず、排泄物を食する虫、虫を食べる鳥といったように、食物連鎖がある状況においても、各生物の排泄物が光を浴びることによって効率良く無害化されていくので、感染経路の特定等の手間をかけずに、感染の拡大が自然に防止される。
また、光触媒は、消毒薬とは異なり安全性が高いため、排泄物を混合攪拌した肥料資源として、そのまま使用することができる。その場合にも、排泄物の中間衛生処理として光照射による消毒ができる。そして、この肥料を散布した場合には、肥料表面に分散した光触媒によって、雑草抑制効果も得られる。さらに、肥料の散布や保管時の悪臭予防にも効果を発揮する。
また、既存の養鶏舎、養豚舎、養牛舎などにおいて、排泄域に触媒活性すべく照明器具を配備するだけで、若しくは既存の照明器具(例えば、蛍光灯など)を利用することによって、設備にかける費用は少なくても、感染を効果的に予防できる。
また、魚の飼育水槽若しくは養殖場においても、排泄物沈殿域や循環水系に、照明を配備することによって、少ない設備投資によって、排泄物の分解促進及びウイルス感染の予防等、上記と同様の効果が得られる上に、光触媒による水質の改善も期待できる。
[他の実施形態]
本発明は、上記のような実施形態に限定されるものではない。すなわち、対象となる生物としては、微生物から大型の生物まで、食物を摂取して排泄物を出すあらゆる生物が含まれる。そして、光触媒を混合する飼料には、生物の食用となるあらゆる食材が含まれる。例えば、比重1以下に調整された浮き餌は野鳥や水鳥、魚の餌として適している。ゴキブリやネズミなどには、一般的な餌のみならず、害敵駆除餌(それ自体が毒物を含むものであっても、罠等へ誘引するためのみで毒物を含まないものであってもよい)等に光触媒を混合することにより、糞の無害化、死骸の無害化も期待できる。
さらに、病原性微生物やウイルスの感染者や被疑者(人間)、あるいは被疑動物の食材にも適用でき、排泄物を介した飛沫飛散や伝播による感染の効果的予防措置を実現できる。人が、排泄物の処理設備が整備されていない場所で作業若しくは居住している場合に、その食材に光触媒を混合し、排泄物及びその伝播領域に光を照射することにより、衛生化を図ってもよい。
また、照射に用いる光源としては、光触媒を活性化できる波長の光を発光できるものであれば、特定のものには限定されない。いわゆる紫外線は100nm〜400nmであり、活性化には400nm以下の波長光が望ましいが、これ以外の波長を含んでいてもよい。通常の蛍光灯などによっても、その効果が期待できる。
使用する光触媒も、食材に含めることができ、生物への安全性が確保できるものであれば、その種類、大きさ等は、特定のものには限定されない。光触媒を食材に含めるための方法も、自由である。単に混合するばかりでなく、加熱したり、液体とともに混ぜたりするなど、あらゆる方法が考えられる。
以下、本発明が上述の効果を実現できることを証明するために行った実験結果を説明する。まず、ハムスターの飼料45gに対して、石原産業株式会社より発売されている光触媒用酸化チタンST−01(超微粒子)を5g混合し、加えて、生菌群を含むと思われる河川水1ccを加えて練り餌とした。なお、飼料としては、小麦粉、トウモロコシ、大豆粕、魚粉、緑黄色野菜等から成る一般的に市販されているものであり、特殊な薬物等を含まないものを用いた。
この練り餌をハムスターに1日5g与え、2日後より1日間分の排泄物を採取し、微細粉砕し、その試料を排泄物A、排泄物Bの2つに分けた。排泄物Aは、1日間暗所にて保管し、排泄物Bは、1日間UV照射(1mW/cm)を行った。その後、排泄物A,Bを、それぞれ0.5g取り出して、水温30度の精製水5ccにて希釈混合し、そのうわずみ10mlを、標準寒天法により1日間培養し、生菌群の消毒効果を観察した。標準寒天はプレートカウント標準寒天培地であって栄研器材株式会社にて販売されている商品コードMB0010である。
図1は排泄物Aを対象にしたシャーレ内の寒天、図2は排泄物Bを対象としたシャーレ内の寒天であり、それぞれデジタルカメラで撮影したものを鮮明にプリントアウトしたものである。図1から明らかな通り、UV照射を行わなかった排泄物Aについては、無数の生菌群がコロニーとして確認できた。図2から明らかな通り、UV照射を行った排泄物Bについては、生菌群は計数できなかった。この結果、光触媒が含まれる排泄物は、UV照射を受けることにより、消毒されることが確認できた。
なお、図3は、上記の河川水を標準寒天法により1日間培養し、デジタルカメラで撮影し、鮮明にプリントアウトしたものである。この図3から明らかな通り、使用した河川水には、生菌群がコロニーとして十分な菌数で含まれていることも確認した。
産業上の利用分野
以上のような本発明によれば、生物の排泄物を簡単に無害化でき、病原性微生物やウイルスの感染拡大を効果的に予防することが可能な生物の排泄物衛生化方法を提供することができる。
【0001】
【技術分野】
本発明は、生物の排泄物の伝播域からの感染を防止するための方法の改良に関するものである。
【背景技術】
現在、鳥、豚、牛等の家畜動物や魚等の養殖生物が病原性微生物やウイルスの発生源となり、その糞尿等の排泄物を媒介として、人体へ感染する可能性が非常に問題視されている。かかる排泄物による感染及びその伝播のケースとしては、以下の三つがある。
(1)人が排泄物に直接接する場合
(2)他の生物との接触が媒介する場合
(3)食物連鎖による場合
(1)は、人が排泄物を処理するために意識的に接する場合ばかりでなく、処理場所の周囲に飛散している飛沫や、車や道具等への付着物などに、無意識に接する場合も含まれる。
(2)は、排泄物に接したねずみ、ゴキブリ、ハエ、蚊等の野生動物や昆虫類が、広範囲に移動して、これらの生物若しくはその排泄物に、人間が接することにより感染する場合である。
(3)は、排泄物を食した野生動物や昆虫が、他の動物に食べられるという食物連鎖が繋がっていき、感染した生物若しくはその排泄物に人間が接することにより、さらには感染した生物を人間が食することにより感染が拡大する場合である。
以上のように排泄物には、病原性微生物やウイルスの発生源となるという問題点があるが、その一方で、肥料等の資源として活用できるという利点がある。このため、従来から、排泄物
【0003】
ることを防止することは不可能であるとともに、消毒等によってこれを全て排除することも不可能である。従って、排泄物を食する虫、虫を食べる鳥、鳥からさらに遠隔地へと感染が拡大することは防止できない。特に、渡り鳥や魚の行動範囲は地球的規模で広がっているため、感染経路を特定することはできず、野生動物を含めた全ての感染動物を隔離したり、排泄物を消毒したりすることは、非現実的である。
現在、人体への安全性に問題のある消毒薬などを用いることなく、雑菌の繁殖や悪臭の発生を防止する技術として、光触媒が注目されており、動物を対象とする分野にも適用されている。例えば、特開2001−299120号公報には、畜舎等に敷かれる動物飼育用敷材に、光触媒物質を付着させる技術が開示されている。しかしながら、かかる技術では、敷材と排泄物との接触面しか衛生化の効果は期待できず、排泄物の飛散や飛沫、生態系に乗じた伝播による感染予防はできない。また、特開平10−66518号公報には、光触媒作用を有する酸化チタンを含む岩石を、種々の対象に混合するという技術が記載され、その対象として、肥料や動物の飼料が例示されている。しかしながら、この技術は、単に対象物に岩石を混合することにより、その岩石にたまたま含まれる光触媒によって、対象物の衛生化がある程度期待できるに過ぎない。結局、これらの従来技術では、光触媒による局所的な衛生化の可能性はあっても、上記(1)〜(3)で示したような排泄物による感染の拡大を防止することは全く志向したおらず、また、(1)〜(3)のような感染の拡大を防止する効果までは、到底期待できない。
新型ウイルスなどによる感染の発生は予測できず、感染の発見が遅れた場合、二次感染は生態系に乗じて広範囲に伝播し、急激に感染域を世界中に拡大してしまうことになる。しかし、その予防対策は技術的にも経済的にも非常に困難であり、今日
【0004】
に至るまで、排泄物に関する合理的かつ、効果的な感染予防技術はなかったのである。
【発明の開示】
本発明の目的は、生物の排泄物の伝播域を簡単に無害化でき、病原性微生物やウイルスの感染拡大を効果的に予防することが可能な感染予防方法を提供することにある。
以上のような目的を達成するために、本発明の感染予防方法は、光触媒体の微粒子を含めた食材を生物に与え、その生物の排泄物の飛散飛沫が接触して伝播する可能性のある排泄物伝播域に、光を照射することを特徴とする。このような本発明によれば、生物の排泄物の飛散飛沫が接触して伝播する可能性のある排泄物伝播域に光を照射するだけで無害化させることができるので、薬物による消毒に比べて、人体への悪影響もなく安全かつ容易に感染予防を実現することが可能となる。
好ましい態様では、前記生物は家畜であり、前記排泄物伝播域は畜舎であることを特徴とする。以上のような態様では、家畜に対しても安全であり、殺菌のために排泄物を隔離する必要がなく、作業者の手間がかからないので、作業者の負担が肉体的にも経済的にも大幅に軽減される。
好ましい態様では、光触媒体の微粒子を含めた食材を飼育水槽若しくは養殖場の魚に与え、前記飼育水槽若しくは養殖場の循環水系に光を照射することを特徴とする。以上のような態様では、魚の飼育水槽若しくは養殖場において、従来では衛生化が困難であった排泄物の循環水系において、排泄物に光を照射することによって、簡単に無害化することができるとともに、水質改善も可能となる。
好ましい態様では、光触媒体の微粒子を含めた食材を、病原性微生物若しくはウイルスの感染者若しくはその被疑者の食
【0005】
材として、前記感染者若しくは被疑者の排泄物若しくはその伝播領域に、光を照射することを特徴とする。以上のような態様では、病原性微生物やウイルスの感染者や被疑者である人間について、その排泄物を介した飛沫飛散や伝播による感染の効果的予防措置を実現できる。人間が、排泄物の処理設備が整備されていない場所で作業若しくは居住している場合であっても、安全性を維持しつつ、排泄物を容易に無害化することができる。
好ましい態様では、光触媒の微粒子を含めた食材を生物に与え、その生物の排泄物に光を照射したものを肥料として用いることを特徴とする。以上のような態様では、肥料に対して光照射による消毒ができるとともに、肥料を散布した場合に、肥料表面に分散した光触媒によって、雑草抑制効果も得られる。さらに、肥料の散布や保管時の悪臭予防にも効果を発揮する。
好ましい態様では、前記排泄物伝播域は、壁若しくは柱であることを特徴とする。
好ましい態様では、前記排泄物伝播域は、作業道具であることを特徴とする。
好ましい態様では、前記排泄物伝播域は、作業者の衣服若しくは身体であることを特徴とする。
好ましい態様では、前記排泄物伝播域は、車両であることを特徴とする。
好ましい態様では、前記排泄物伝播域は、前記生物自体であることを特徴とする。
好ましい態様では、前記排泄物伝播域は、前記生物の卵であることを特徴とする。
好ましい態様では、前記生物が野鳥であることを特徴とする。
好ましい態様では、前記生物が野生動物であることを特徴とする。
好ましい態様では、前記食材は、害的駆除餌であることを特徴とする。
以上のような態様では、排泄物がどのような態様で飛散して伝播しても、人為的光照射を浴びることによって、持続的に消毒能力を発揮でき、感染の拡大を容易に防止できる。また、ウイルス感染者や被疑者の居住する伝播域では感染の拡大を効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
図1は、暗所にて保管した排泄物Aを対象にしたシャーレ内の培養寒天を示す説明図である。
図2は、UV照射を行った排泄物Bを対象にしたシャーレ内の培養寒天を示す説明図である。
図3は、図1及び図2で用いた河川水を対象にしたシャーレ内の培養寒天を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下には、本発明を適用した一つの実施の形態(以下、本実施形態とする)について、具体的に説明する。
[実施形態の手順]
まず、光触媒体の超微粒子を家畜の飼料に混合する。例えば、酸化チタンは食品添加物としても使われるものであり、自身が無味無臭で生態にも安全で化学的にも安定していて、容易に超微粒子とすることができるため、本実施形態に適している。
そして、この飼料を家畜に与える。家畜は、飼料を摂取して消化した後に、排泄物を排泄する。この排泄物に対して、例えば、400nm以下の波長の光(いわゆる紫外線)を照射する。すると、酸化チタンを触媒にして、空気中の水と酸素から活性酸素(スーパーオキサイドイオン、水酸基ラジカル)が作られ、この活性酸素に細菌等の有機物が触れると、酸化して分解される。つまり、UV光照射により、光触媒が有機物を分解するの
【0009】
る。図1から明らかな通り、UV照射を行わなかった排泄物Aについては、無数の生菌群がコロニーとして確認できた。図2から明らかな通り、UV照射を行った排泄物Bについては、生菌群は計数できなかった。この結果、光触媒が含まれる排泄物は、UV照射を受けることにより、消毒されることが確認できた。
なお、図3は、上記の河川水を標準寒天法により1日間培養し、デジタルカメラで撮影し、鮮明にプリントアウトしたものである。この図3から明らかな通り、使用した河川水には、生菌群がコロニーとして十分な菌数で含まれていることも確認した。
産業上の利用分野
以上のような本発明によれば、生物の排泄物の伝播域を簡単に無害化でき、病原性微生物やウイルスの感染拡大を効果的に予防することが可能な感染予防方法を提供することにある。

Claims (5)

  1. 光触媒体の微粒子を含めた食材を生物に与え、
    その生物の排泄物若しくは排泄物伝播域に光を照射することを特徴とする生物の排泄物衛生化方法。
  2. 前記生物は家畜であり、前記排泄物伝播域は畜舎であることを特徴とする請求項1記載の排泄物衛生化方法。
  3. 前記生物が魚であることを特徴とする請求項1記載の排泄物衛生化方法。
  4. 前記生物が人間であることを特徴とする請求項1記載の排泄物衛生化方法。
  5. 前記排泄物を肥料として用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の排泄物衛生化方法。
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