JPWO2004075296A1 - 強誘電体キャパシタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
窒素ガスと共に、Ru原料をMOCVDチャンバ内に供給する。この状態を維持することにより、Ru膜が形成される。次いで、窒素ガスを20体積%に減じると共に、反応ガスとして80体積%分の酸素ガスの供給を開始し、さらにBi原料の供給を開始し、その直後に、Ru原料の供給を停止する。この結果、MOCVDチャンバ内のBi量が上昇すると共に、Ru量は下降する。この間に、下部導電性化合物膜が形成される。Ru原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、Bi原料の供給を維持したまま、Ti原料及びLa原料の供給を開始する。この状態を維持することにより、BLT膜が形成される。下部導電性化合物膜により、BLT膜へのRuの拡散が抑制され、リーク電流の増大が防止される。
Description
本発明は、強誘電体不揮発性メモリ(FRAM)等に用いるBi層状系薄膜キャパシタの製造に好適な強誘電体キャパシタの製造方法に関する。
強誘電体不揮発性メモリ(FRAM)には、薄膜キャパシタが設けられている。そして、従来、この薄膜キャパシタを製造するに当たっては、先ず、スパッタ法により下部電極膜を形成し、次に、ゾル−ゲル法、スパッタ法又はMOCVD法により強誘電体膜を形成し、その後、上部電極膜を形成している。強誘電体膜としては、PZT系の強誘電体膜及びBi層状系の強誘電体膜が主に用いられている。
また、PZT系薄膜キャパシタ及びBi層状系薄膜キャパシタの電極材料としては、Pt、Ir、IrO2等が実際に用いられ、これらについて数多く研究が行われている。1990年代の中頃のPZT系薄膜キャパシタの研究段階においては、Ru系(RuO2を含む)の電極材料も検討されていた。しかし、Ru系の電極材料を用いると、キャパシタのリークを制御することが難しく、実用化には至らなかった。これは、強誘電体中のPbと電極膜中のRuとが反応し、Pb2Ru2O6〜7のようなパイロクロア構造の導電性化合物が生成されるためである。但し、Ruには、その地金価格がPt及びIrのそれよりも低いという利点はある。
一般に、PZT膜の成膜時には、膜中にPbが化学量論組成より多く入れられる。この超過分のPbは結晶化初期の段階で重要な役割を果たすと共に、高温でのPbの蒸発分を補う役割を持っており、結晶化後は主にPZT膜中の粒界に存在する。このような強誘電体膜に対して、PZT膜との界面にRuが存在すると、高温でPbと反応して上記のようなPb2Ru2O6〜7が生成され、粒界に導電パスが形成されてしまい、リーク電流が増大するのである。
特許第3095574号明細書には、この現象を逆手にとって、RuO2からなる電極とPZTからなる強誘電体膜との間に、意図的にPb2Ru2O6〜7からなる膜を形成する技術が記載されている。
近時、製造時間の短縮及び製造設備のコスト低減が要請されている。しかし、電極膜としてPt膜等をスパッタ法により形成する場合には、下部電極膜、強誘電体膜及び上部電極膜を形成するための各工程間でウェハの搬送が必要とされ、また、電極膜を形成するためのチャンバ及び強誘電体膜を形成するためのチャンバが必要とされる。このため、このような製造方法では、製造時間の短縮及び製造設備のコスト低減に限度がある。
また、Ru系の電極膜を用いた場合には、上述のように、リーク電流が増大するという欠点があり、この欠点は、特許第3095574号明細書に記載された技術によっても解決されていない。即ち、この製造方法では、RuO2膜を形成した後に、その上にPZT膜を形成し、アニールによってこれらの界面に、Pb2Ru2O6〜7を形成しているが、このような方法では、アニールの際に粒界拡散が生じるため、リーク電流の増大は避けられない。このような現象は、PZT系強誘電体膜の代わりにBi層状系強誘電体膜を用いた場合にも、同様に、Bi2Ru2O7−xのようなパイロクロア構造の導電性化合物が生成される可能性がある。
特許第3095574号明細書
また、PZT系薄膜キャパシタ及びBi層状系薄膜キャパシタの電極材料としては、Pt、Ir、IrO2等が実際に用いられ、これらについて数多く研究が行われている。1990年代の中頃のPZT系薄膜キャパシタの研究段階においては、Ru系(RuO2を含む)の電極材料も検討されていた。しかし、Ru系の電極材料を用いると、キャパシタのリークを制御することが難しく、実用化には至らなかった。これは、強誘電体中のPbと電極膜中のRuとが反応し、Pb2Ru2O6〜7のようなパイロクロア構造の導電性化合物が生成されるためである。但し、Ruには、その地金価格がPt及びIrのそれよりも低いという利点はある。
一般に、PZT膜の成膜時には、膜中にPbが化学量論組成より多く入れられる。この超過分のPbは結晶化初期の段階で重要な役割を果たすと共に、高温でのPbの蒸発分を補う役割を持っており、結晶化後は主にPZT膜中の粒界に存在する。このような強誘電体膜に対して、PZT膜との界面にRuが存在すると、高温でPbと反応して上記のようなPb2Ru2O6〜7が生成され、粒界に導電パスが形成されてしまい、リーク電流が増大するのである。
特許第3095574号明細書には、この現象を逆手にとって、RuO2からなる電極とPZTからなる強誘電体膜との間に、意図的にPb2Ru2O6〜7からなる膜を形成する技術が記載されている。
近時、製造時間の短縮及び製造設備のコスト低減が要請されている。しかし、電極膜としてPt膜等をスパッタ法により形成する場合には、下部電極膜、強誘電体膜及び上部電極膜を形成するための各工程間でウェハの搬送が必要とされ、また、電極膜を形成するためのチャンバ及び強誘電体膜を形成するためのチャンバが必要とされる。このため、このような製造方法では、製造時間の短縮及び製造設備のコスト低減に限度がある。
また、Ru系の電極膜を用いた場合には、上述のように、リーク電流が増大するという欠点があり、この欠点は、特許第3095574号明細書に記載された技術によっても解決されていない。即ち、この製造方法では、RuO2膜を形成した後に、その上にPZT膜を形成し、アニールによってこれらの界面に、Pb2Ru2O6〜7を形成しているが、このような方法では、アニールの際に粒界拡散が生じるため、リーク電流の増大は避けられない。このような現象は、PZT系強誘電体膜の代わりにBi層状系強誘電体膜を用いた場合にも、同様に、Bi2Ru2O7−xのようなパイロクロア構造の導電性化合物が生成される可能性がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、強誘電体膜と電極膜とを同一のチャンバ内で連続して形成することができる強誘電体キャパシタの製造方法を提供することを目的とする。
本願発明者は、鋭意検討の結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
本発明に係る強誘電体キャパシタの製造方法は、Bi層状系強誘電体膜を備えた強誘電体キャパシタの製造方法を対象とする。
第1の発明では、先ず、CVDチャンバ内に、第1の金属元素を含有するガスを導入して、前記第1の金属元素を含有する下部電極膜を形成する。次に、前記CVDチャンバ内に、前記第1の金属元素を含有するガスを導入しつづけながら、更にBi及びOを含有するガスを導入して、前記下部電極膜上に前記第1の金属元素及びBiを含有する第1の導電性化合物膜を形成する。次いで、前記CVDチャンバ内への前記第1の金属元素の導入を停止する。その後、前記CVDチャンバ内に、Bi及びOを含有するガスを導入しつづけながら、更に前記Bi層状系強誘電体膜を構成する金属元素のうちBiを除く強誘電体膜用金属元素を含有するガスを導入して、前記第1の導電性化合物膜上に前記Bi層状系強誘電体膜を形成する。続いて、前記CVDチャンバ内へのBi及び前記強誘電体膜用金属元素の導入を停止する。そして、前記Bi層状系強誘電体膜上に上部電極膜を形成する。
第2の発明では、先ず、下部電極膜を形成する。次に、前記CVDチャンバ内に、Bi、前記Bi層状系強誘電体膜を構成する金属元素のうちBiを除く強誘電体膜用金属元素及びOを含有するガスを導入して、前記下部電極膜上に前記Bi層状系強誘電体膜を形成する。次いで、前記CVDチャンバ内への前記強誘電体膜用金属元素の導入を停止する。その後、前記CVDチャンバ内に、Bi及びOを含有するガスを導入しつづけながら、第2の金属元素を含有するガスを導入して、前記Bi層状系強誘電体膜上に前記第2の金属元素及びBiを含有する第2の導電性化合物膜を形成する。続いて、前記CVDチャンバ内へのBiの導入を停止する。そして、前記CVDチャンバ内に、前記第2の金属元素を含有するガスを導入しつづけて、前記第2の導電性化合物膜上に前記第2の金属元素を含有する上部電極膜を形成する。
前述のように、従来の製造方法では、Ru等の電極膜中の金属元素とBi層状系の強誘電体膜中のBiとが反応してリーク電流が増大する可能性があるが、本発明においては、電極膜(下部電極膜及び/又は上部電極膜)と強誘電体膜とを同一のCVDチャンバ内で連続して形成すると共に、これらの膜の間に導電性化合物膜を形成している。このように、導電性化合物膜をCVD法で形成することによって、この膜内でBiと金属元素との反応を完了させることが可能となり、強誘電体膜での反応を防止することができる。この結果、リーク電流の増大を防止することができる。
本願発明者は、鋭意検討の結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
本発明に係る強誘電体キャパシタの製造方法は、Bi層状系強誘電体膜を備えた強誘電体キャパシタの製造方法を対象とする。
第1の発明では、先ず、CVDチャンバ内に、第1の金属元素を含有するガスを導入して、前記第1の金属元素を含有する下部電極膜を形成する。次に、前記CVDチャンバ内に、前記第1の金属元素を含有するガスを導入しつづけながら、更にBi及びOを含有するガスを導入して、前記下部電極膜上に前記第1の金属元素及びBiを含有する第1の導電性化合物膜を形成する。次いで、前記CVDチャンバ内への前記第1の金属元素の導入を停止する。その後、前記CVDチャンバ内に、Bi及びOを含有するガスを導入しつづけながら、更に前記Bi層状系強誘電体膜を構成する金属元素のうちBiを除く強誘電体膜用金属元素を含有するガスを導入して、前記第1の導電性化合物膜上に前記Bi層状系強誘電体膜を形成する。続いて、前記CVDチャンバ内へのBi及び前記強誘電体膜用金属元素の導入を停止する。そして、前記Bi層状系強誘電体膜上に上部電極膜を形成する。
第2の発明では、先ず、下部電極膜を形成する。次に、前記CVDチャンバ内に、Bi、前記Bi層状系強誘電体膜を構成する金属元素のうちBiを除く強誘電体膜用金属元素及びOを含有するガスを導入して、前記下部電極膜上に前記Bi層状系強誘電体膜を形成する。次いで、前記CVDチャンバ内への前記強誘電体膜用金属元素の導入を停止する。その後、前記CVDチャンバ内に、Bi及びOを含有するガスを導入しつづけながら、第2の金属元素を含有するガスを導入して、前記Bi層状系強誘電体膜上に前記第2の金属元素及びBiを含有する第2の導電性化合物膜を形成する。続いて、前記CVDチャンバ内へのBiの導入を停止する。そして、前記CVDチャンバ内に、前記第2の金属元素を含有するガスを導入しつづけて、前記第2の導電性化合物膜上に前記第2の金属元素を含有する上部電極膜を形成する。
前述のように、従来の製造方法では、Ru等の電極膜中の金属元素とBi層状系の強誘電体膜中のBiとが反応してリーク電流が増大する可能性があるが、本発明においては、電極膜(下部電極膜及び/又は上部電極膜)と強誘電体膜とを同一のCVDチャンバ内で連続して形成すると共に、これらの膜の間に導電性化合物膜を形成している。このように、導電性化合物膜をCVD法で形成することによって、この膜内でBiと金属元素との反応を完了させることが可能となり、強誘電体膜での反応を防止することができる。この結果、リーク電流の増大を防止することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示すタイミングチャートである。
図2A乃至図2Gは、本発明の第1の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。
図3は、本発明の第1の実施形態において製造された強誘電体キャパシタを示す断面図である。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示すタイミングチャートである。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す断面図である。
図6は、本発明の第2の実施形態において製造された強誘電体キャパシタを示す断面図である。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示すタイミングチャートである。
図8は、本発明の第3の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す断面図である。
図9は、本発明の第3の実施形態において製造された強誘電体キャパシタを示す断面図である。
図10は、本発明の第3の実施形態の変形例を示すタイミングチャートである。
図2A乃至図2Gは、本発明の第1の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。
図3は、本発明の第1の実施形態において製造された強誘電体キャパシタを示す断面図である。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示すタイミングチャートである。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す断面図である。
図6は、本発明の第2の実施形態において製造された強誘電体キャパシタを示す断面図である。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示すタイミングチャートである。
図8は、本発明の第3の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す断面図である。
図9は、本発明の第3の実施形態において製造された強誘電体キャパシタを示す断面図である。
図10は、本発明の第3の実施形態の変形例を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施の形態に係る強誘電体キャパシタの製造方法について添付の図面を参照して具体的に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態では、強誘電体キャパシタを含む強誘電体メモリを製造する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示すタイミングチャートである。また、図2A乃至図2Gは、同製造方法を工程順に示す断面図であり、図3は、第1の実施形態において製造された強誘電体キャパシタを示す断面図である。
先ず、図2Aに示すように、シリコン基板等の半導体基板11の表面に、例えばSTI(shallow trench isolation)により素子分離領域12を形成する。次いで、素子分離領域12により区画された素子活性領域において、半導体基板11の表面にウェル13を形成する。続いて、ゲート絶縁膜17、ゲート電極18、シリサイド層19、低濃度拡散層15、サイドウォール20及び高濃度拡散層16をウェル13の表面に形成することにより、MOSトランジスタ14を形成する。なお、各MOSトランジスタ14には、ソース及びドレイン用に2個の高濃度拡散層16を形成するが、その一方は、2個のMOSトランジスタ14間で共有させる。
次に、全面にシリコン酸窒化膜21を、MOSトランジスタ14を覆うようにして形成し、更に全面にシリコン酸化膜22を、例えば有機CVD法により形成する。シリコン酸窒化膜21は、シリコン酸化膜22を形成する際のゲート絶縁膜17等の水素劣化を防止するために形成されている。その後、各高濃度拡散層16間で到達するコンタクトホールをシリコン酸化膜22及びシリコン酸窒化膜21に形成することにより、プラグコンタクト部を開口する。そして、コンタクトホール内に、グルー膜23として、50nmのTiN膜及び30nmのTi膜からなる積層膜を形成した後、例えばCVD法によりW膜を埋め込み、CMP(化学機械的研磨)を行って平坦化することにより、Wプラグ24を形成する。
次いで、図2Bに示すように、全面にRu膜(下部電極膜)25、下部導電性化合物膜25a及びBLT((Bi,La)4Ti3O12)膜26を同一チャンバ内でMOCVD法により連続して形成する。
ここで、これらの膜25、25a及び26を形成する方法について説明する。これらの原料(プリカーサ)として、例えば表1に示すものを用いる。また、溶媒としては、例えばn−ヘキサンを用いる。MOCVD装置としては、これらの原料を同一の気化器内にて気化することが可能なものを用いることが望ましい。
Ru膜25の形成に当たっては、先ず、MOCVDチャンバのサセプタの温度を500℃にした後、このサセプタに半導体基板11を載置する。そして、半導体基板11の温度が一定となった後に、図1に示すように、キャリアガスとしての窒素ガスと共に、Ru原料をMOCVDチャンバ内に供給する。この状態を維持することにより、Ru膜25が形成される。
次いで、窒素ガスを20体積%に減じると共に、反応ガスとして80体積%分の酸素ガスの供給を開始し、さらにBi原料の供給を開始する。その直後に、Ru原料の供給を停止する。この結果、図1に示すように、MOCVDチャンバ内のBi量が上昇すると共に、Ru量は下降する。この間に、下部導電性化合物膜(Bi2Ru2O7−x膜)25aが形成される。
Ru原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、図1に示すように、Bi原料の供給を維持したまま、Ti原料及びLa原料の供給を開始する。この状態を維持することにより、BLT膜26が形成される。
次いで、図1に示すように、Ti原料及びLa原料の供給を停止し、その直後に、Bi原料の供給も停止する。
これらの工程により、Ru膜25、下部導電性化合物膜25a及びBLT膜26が形成される。
Bi原料、Ti原料及びLa原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、半導体基板11をMOCVDチャンバから取り出し、図2Bに示すように、BLT膜26上にPt膜(上部電極膜)27をスパッタ法により形成し、例えば500℃の酸素雰囲気中で60分間のアニールを行う。このアニールにより、Pt膜27のスパッタ成膜によるBLT膜26のプラズマ損傷が回復する。
続いて、図2Cに示すように、パターニング及びエッチング技術を用いて、Pt膜27、BLT膜26、下部導電性化合物膜25a及びRu膜25を加工することにより、Pt膜27を上部電極とし、Ru膜25を下部電極とし、これらの間にBLT膜26が挟まれたスタック構造の強誘電体キャパシタを形成する。なお、この加工では、例えばプラズマTEOS(tetraethyl orthosilicate)膜及びTiN膜の積層膜(図示せず)をハードマスクとして使用し、Pt膜27、BLT膜26、下部導電性化合物膜25a及びRu膜25を一括してエッチングする。
次に、図2Dに示すように、強誘電体キャパシタを覆うアルミナ保護膜28を全面に形成する。アルミナ保護膜28は、例えばCVD法により形成し、その厚さは、例えば5乃至20nm、本実施形態では10nmとする。
次いで、図2Eに示すように、全面に層間絶縁膜29を成膜した後、これをCMPにより平坦化する。層間絶縁膜29としては、例えばHDP(High Density Plasma)CVD装置を使用してシリコン酸化膜を成膜する。また、層間絶縁膜29としてTEOS酸化膜を成膜してもよい。CMP後の残し膜厚は、例えばPt膜27上で300nmとする。
続いて、図2Fに示すように、パターニング及びエッチング技術を用いて、層間絶縁膜29及びアルミナ保護膜28に、2個のMOSトランジスタ14により共有された高濃度拡散層16に接続されたWプラグ24まで到達するコンタクトホールを形成する。次に、このコンタクトホール内にグルー膜30として、例えば50nmのTiN膜を形成した後、例えばCVD法によりW膜を埋め込み、CMP(化学機械的研磨)を行って平坦化することにより、Wプラグ31を形成する。その後、例えば350℃でN2プラズマに層間絶縁膜29及びWプラグ31の表面を晒す。このプラズマ処理の時間は、例えば120秒間である。
次いで、全面にW酸化防止膜(図示せず)を形成する。W酸化防止膜としては、例えばSiON膜を使用することができ、その厚さは例えば100nm程度である。そして、パターニング及びエッチング技術を用いて、図2Gに示すように、W酸化防止膜及び層間絶縁膜29に、上部電極たるPt膜27まで到達するコンタクトホールを形成する。続いて、エッチングによる損傷を回復させるためのアニールを施す。このアニールは、例えば550℃でO2雰囲気の炉内アニールとしてもよく、その時間は例えば60分間である。このアニールの後、W酸化防止膜をエッチバックにより除去する。
次に、グルー膜、配線材料膜及びグルー膜を順次堆積する。下層のグルー膜としては、例えば厚さが70nmのTiN膜と5nmのTi膜との積層膜を形成してもよく、配線材料膜としては、例えば厚さが400nmのAl−Cu合金膜を形成してもよく、上層のグルー膜としては、例えば厚さが30nmのTiN膜と60nmのTi膜との積層膜を形成してもよい。
次いで、上層のグルー膜上に反射防止膜を塗布により形成し、更にレジストを塗布する。続いて、レジスト膜を配線パターンに整合するように加工し、加工後のレジスト膜をマスクとして、反射防止膜、上層のグルー膜、配線材料膜及び下層のグルー膜をエッチングする。反射防止膜としては、例えばSiON膜を使用することができ、その厚さは例えば30nm程度である。このようなエッチングにより、図2Gに示すように、グルー膜32、配線33及びグルー膜34が形成される。
その後、更に、層間絶縁膜の形成、コンタクトプラグの形成及び下から第2層目以降の配線の形成等を行う。そして、例えばTEOS酸化膜及びSiN膜からなるカバー膜を形成して強誘電体キャパシタを有する強誘電体メモリを完成させる。
このように、本実施形態においては、下部電極膜たるRu膜25と強誘電体膜たるBLT膜26とを同一チャンバ内で連続して形成するに当たって、原料の供給開始及び供給停止の順序を適切に規定しており、BLT膜26を形成する前に、下部導電性化合物膜25aを形成すると共に、この下部導電性化合物膜25a内でRuとBiとの反応を完了させている。このため、BLT膜26を形成する際には、RuのBLT膜26への拡散は下部導電性化合物膜25aにより防止される。従って、本実施形態によれば、Ru膜25を下部電極として用いても、従来のようにリーク電流が増大することはない。
ここで、本願発明者が第1の実施形態に係る製造方法の検証を行った結果について説明する。この検証では、Si基板(ウェハ)上にSiO2膜及びTiN膜を形成し、その上に強誘電体キャパシタを形成した。強誘電体キャパシタの形成条件は、第1の実施形態と同様である。但し、Ru膜25の厚さは100nm程度とし、BLT膜26の厚さは100nm程度とした。
そして、Pt膜27を形成する前に、BLT膜26及びRu膜25を含む積層膜の膜厚方向の組成をSIMSで分析したところ、BLT膜26とRu膜25との間に、20nm程度の厚さにわたってBi及びRuが共存する領域が観察された。この領域が下部導電性化合物膜25aである。また、BLT膜26中へのRuの拡散は観察されなかった。
更に、メタルスルーマスクを用いて上部電極膜たるPt膜27をスパッタ法により形成し、500℃の酸素雰囲気中で60分間のアニールを行った後に、5Vのリーク電流密度を測定したところ、当該電流密度は1×10−6A/cm2のオーダーであった。また、分極特性を示す1.5Vのスイッチ電荷量Qswは、30μC/cm2程度であった。これらの結果、第1の実施形態によれば、良好な特性の強誘電体キャパシタが得られることが確認された。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、強誘電体キャパシタの製造方法が第1の実施形態と相違している。図4は、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示すタイミングチャートである。また、図5は、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す断面図であり、図6は、第2の実施形態において製造された強誘電体キャパシタを示す断面図である。なお、図5は、第1の実施形態の一部の工程を示す図2Bに相当する。
本実施形態では、先ず、第1の実施形態と同様にして、Wプラグ24の形成までの工程を行う。
次いで、図5に示すように、全面にIr膜(下部電極膜)35をスパッタ法により形成する。
その後、図5に示すように、BLT膜26、上部導電性化合物膜37a及びRuO2膜37を同一チャンバ内でMOCVD法により連続して形成する。
ここで、これらの膜26、37a及び37を形成する方法について説明する。これらの原料(プリカーサ)及び溶媒としては、第1の実施形態と同様に、例えば表1に示すもの、n−ヘキサンを用いる。MOCVD装置としては、第1の実施形態と同様に、これらの原料を同一の気化器内にて気化することが可能なものを用いることが望ましい。
BLT膜26の形成に当たっては、先ず、MOCVDチャンバのサセプタの温度を500℃にした後、このサセプタに半導体基板11を載置する。そして、半導体基板11の温度が一定となった後に、図4に示すように、キャリアガスとしての窒素ガス20体積%及び反応ガスとしての酸素ガス80体積%と共に、Bi原料をMOCVDチャンバ内に供給する。その直後に、Ti原料及びLa原料の供給を開始する。この状態を維持することにより、BLT膜26が形成される。
次いで、Ti原料及びLa原料の供給を停止し、Ti原料及びLa原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、図4に示すように、Ru原料の供給を開始し、その直後に、Bi原料の供給を停止する。この結果、図4に示すように、MOCVDチャンバ内のRu量が上昇すると共に、Bi量は下降する。この間に、上部導電性化合物膜(Bi2Ru2O7−x膜)37aが形成される。
そして、Bi原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後にも、図4に示すように、Ru原料の供給を続けることにより、RuO2膜37が形成される。Ru膜ではなくRuO2膜37が形成されるのは、第1の実施形態におけるRu膜25の形成時とは異なり、本実施形態では、酸素ガスの供給が維持されているからである。
その後、図4に示すように、Ru原料の供給を停止する。
これらの工程により、BLT膜26、上部導電性化合物膜37a及びRuO2膜37が形成される。
そして、Ru原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、半導体基板11をMOCVDチャンバから取り出し、第1の実施形態と同様に、強誘電体キャパシタの加工以降の工程を行うことにより、強誘電体キャパシタを有する強誘電体メモリを完成させる。
本実施形態においては、上部電極膜たるRuO2膜37を形成する前に、上部導電性化合物膜37aを形成すると共に、この上部導電性化合物膜37a内でRuとBiとの反応を完了させている。このため、RuO2膜37を形成する際には、RuのBLT膜26への拡散は上部導電性化合物膜37aにより防止される。従って、本実施形態によれば、RuO2膜37を上部電極として用いても、従来のようにリーク電流が増大することはない。
ここで、本願発明者が第2の実施形態に係る製造方法の検証を行った結果について説明する。この検証では、第1の実施形態と同様に、Si基板(ウェハ)上にSiO2膜及びTiN膜を形成し、その上に強誘電体キャパシタを形成した。強誘電体キャパシタの形成条件は、第2の実施形態と同様である。但し、BLT膜26の厚さは100nm程度とし、RuO2膜37の厚さは100nm程度とした。
そして、RuO2膜37を形成した後に、RuO2膜37及びBLT膜26を含む積層膜の膜厚方向の組成をSIMSで分析したところ、RuO2膜37とBLT膜26との間に、20nm程度の厚さにわたってBi及びRuが共存する領域が観察された。この領域が上部導電性化合物膜37aである。また、BLT膜26中へのRuの拡散は観察されなかった。
更に、フォトリソグラフィ技術により、RuO2膜37及び上部導電性化合物膜37aに相当する厚さが120nmの部分をパターニングし、500℃の酸素雰囲気中で60分間のアニールを行った後に、5Vのリーク電流密度を測定したところ、当該電流密度は1×10−6A/cm2のオーダーであった。また、分極特性を示す1.5Vのスイッチ電荷量Qswは、30μC/cm2程度であった。これらの結果、第2の実施形態によれば、良好な特性の強誘電体キャパシタが得られることが確認された。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、強誘電体キャパシタの製造方法が第1及び第2の実施形態と相違している。図7は、本発明の第3の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示すタイミングチャートである。また、図8は、本発明の第3の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す断面図であり、図9は、第3の実施形態において製造された強誘電体キャパシタを示す断面図である。なお、図8は、第1の実施形態の一部の工程を示す図2Bに相当する。
本実施形態では、先ず、第1の実施形態と同様にして、Wプラグ24の形成までの工程を行う。
次いで、図8に示すように、全面にRu膜(下部電極膜)25、下部導電性化合物膜25a、BLT膜26、上部導電性化合物膜37a及びRuO2膜(上部電極膜)37を同一チャンバ内でMOCVD法により連続して形成する。
ここで、これらの膜25、25a、26、37a及び37を形成する方法について説明する。これらの原料(プリカーサ)及び溶媒としては、第1の実施形態と同様に、例えば表1に示すもの、n−ヘキサンを用いる。MOCVD装置としては、第1の実施形態と同様に、これらの原料を同一の気化器内にて気化することが可能なものを用いることが望ましい。
Ru膜25の形成に当たっては、第1の実施形態と同様に、先ず、MOCVDチャンバのサセプタの温度を500℃にした後、このサセプタに半導体基板11を載置する。そして、半導体基板11の温度が一定となった後に、図7に示すように、キャリアガスとしての窒素ガスと共に、Ru原料をMOCVDチャンバ内に供給する。この状態を維持することにより、Ru膜25が形成される。
次いで、窒素ガスを20体積%に減じると共に、反応ガスとして80体積%分の酸素ガスの供給を開始し、さらにBi原料の供給を開始する。その直後に、Ru原料の供給を停止する。この結果、図7に示すように、MOCVDチャンバ内のBi量が上昇すると共に、Ru量は下降する。この間に、下部導電性化合物膜(Bi2Ru2O7−x膜)25aが形成される。
Ru原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、図7に示すように、Bi原料の供給を維持したまま、Ti原料及びLa原料の供給を開始する。この状態を維持することにより、BLT膜26が形成される。
次いで、Ti原料及びLa原料の供給を停止し、Ti原料及びLa原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、図7に示すように、Ru原料の供給を開始し、その直後に、Bi原料の供給を停止する。この結果、図7に示すように、MOCVDチャンバ内のRu量が上昇すると共に、Bi量は下降する。この間に、上部導電性化合物膜(Bi2Ru2O7−x膜)37aが形成される。
そして、Bi原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後にも、図7に示すように、Ru原料の供給を続けることにより、RuO2膜37が形成される。
その後、図7に示すように、Ru原料の供給を停止する。
これらの工程により、Ru膜25、下部導電性化合物膜25a、BLT膜26、上部導電性化合物膜37a及びRuO2膜37が形成される。
そして、Ru原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、半導体基板11をMOCVDチャンバから取り出し、第1の実施形態と同様に、強誘電体キャパシタの加工以降の工程を行うことにより、強誘電体キャパシタを有する強誘電体メモリを完成させる。
本実施形態においては、BLT膜26を形成する前に、下部部導電性化合物膜25aを形成すると共に、この下部導電性化合物膜25a内でRuとBiとの反応を完了させている。更に、上部電極膜たるRuO2膜37を形成する前には、上部導電性化合物膜37aを形成すると共に、この上部導電性化合物膜37a内でRuとんBiとの反応を完了させている。このため、BLT膜26を形成する際には、Ru膜25からのRuのBLT膜26への拡散は下部導電性化合物膜25aにより防止され、RuO2膜37を形成する際には、RuO2膜37からのRuのBLT膜26への拡散は上部導電性化合物膜37aにより防止される。従って、本実施形態によれば、Ru膜25を下部電極として用い、RuO2膜37を上部電極として用いても、従来のようにリーク電流が増大することはない。
ここで、本願発明者が第3の実施形態に係る製造方法の検証を行った結果について説明する。この検証では、Si基板(ウェハ)上にSiO2膜及びTiN膜を形成し、その上に強誘電体キャパシタを形成した。強誘電体キャパシタの形成条件は、第3の実施形態と同様である。但し、Ru膜25の厚さは100nm程度とし、BLT膜26の厚さは100nm程度とし、RuO2膜37の厚さは100nm程度とした。
そして、RuO2膜37を形成した後に、RuO2膜37、BLT膜26及びRu膜25を含む積層膜の膜厚方向の組成をSIMSで分析したところ、RuO2膜37とBLT膜26との間及びBLT膜26とRu膜25との間に、夫々20nm程度の厚さにわたってBi及びRuが共存する領域が観察された。この領域が、夫々上部導電性化合物膜37a、下部導電性化合物膜25aである。また、BLT膜26中へのRuの拡散は観察されなかった。
更に、フォトリソグラフィ技術により、RuO2膜37及び上部導電性化合物膜37aに相当する厚さが120nmの部分をパターニングし、500℃の酸素雰囲気中で60分間のアニールを行った後に、5Vのリーク電流密度を測定したところ、当該電流密度は1×10−6A/cm2のオーダーであった。また、分極特性を示す1.5Vのスイッチ電荷量Qswは、30μC/cm2程度であった。これらの結果、第2の実施形態によれば、良好な特性の強誘電体キャパシタが得られることが確認された。
なお、第3の実施形態では、図7に示すように、Bi原料の供給を開始した直後に、Ru原料の供給を停止しているが、図10に示すように、Bi原料の供給量が定常状態に達してからRu原料の供給を停止してもよい。また、図7に示すように、Ru原料の供給を開始した直後に、Bi原料の供給を停止しているが、図10に示すように、Ru原料の供給量が定常状態に達してからBi原料の供給を停止してもよい。これらは、第1及び第2の実施形態においても同様である。
また、いずれの実施形態においても、Ru膜の代わりにRuO2膜を用いてもよく、RuO2膜の代わりにRu膜を用いてもよい。更に、電極膜の材料も特に限定されるものではない。
更に、Bi層状系の強誘電体膜はBLT膜に限定されるものではなく、例えば、BLT膜の代わりに、SBT(SrBi2Ta2O7)膜、SBN(SrBi2Nb2O9)膜又はBIT(Bi4Ti3O12)膜等を形成してもよい。これらの膜を形成する場合には、BLT膜を形成する場合のLa原料及びTi原料の代わりに、例えば、Sr原料及びTa原料を供給するか、Sr原料及びNb原料を供給するか、又はTi原料のみを供給すればよい。
次に、本発明の実施に好適なMOCVD装置について説明する。従来のMOCVD装置としては、原料ごとに気化器が設けられ、これらの気化器から原料ガスが各配管を介して混合器に供給され、この混合器内で各原料ガスが混合された後、シャワーヘッドからチャンバ内に供給されるものがある。これに対し、近時、1つの気化器内で複数の原料が気化して原料ガスが生成すると共に、これらが混合してシャワーヘッドからチャンバ内に供給されるMOCVD装置が開発されている。
従来のMOCVD装置では、気化器内で気化してからチャンバ内に供給されるまでの配管が長く必要であり、また、原料ガス間の温度差により、他の原料ガスの温度の影響を受けやすいため、原料ガスがチャンバ内に供給される前に、配管等の内部に粒子が発生することがある。これに対し、近時開発されたMOCVD装置では、このような粒子の発生が抑制される。
特に、本発明では、複数の原料ガスを同時にチャンバ内に供給する工程が多く、また、これらの供給のオン/オフの切り替えを適宜行う必要があるので、近時開発されたMOCVD装置による粒子の発生の抑制という効果が顕著である。また、近時開発されたMOCVD装置では、気化器が1台で済むため、多種の原料ガスを用いる場合には、気化器の数の低減によるコストの低減も可能である。
また、このような気化器を用いるに当たっては、Bi原料(Biの有機化合物)、La原料(Laの有機化合物)及びTi原料(Tiの有機化合物)等のBi層状系強誘電体膜の原料の供給系と、Ru原料(金属元素の有機化合物)の供給系とが接続されたものを用いることが望ましい。
なお、いずれの実施形態においても、MOCVDチャンバ内へのガスの供給が開始されてから、MOCVDチャンバ内での成膜が終了するまでの間、シャワーヘッドの温度及び基板温度を一定に保持することが望ましい。これらの温度を一定に保持することにより、より安定して各膜を成膜することが可能となる。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態では、強誘電体キャパシタを含む強誘電体メモリを製造する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示すタイミングチャートである。また、図2A乃至図2Gは、同製造方法を工程順に示す断面図であり、図3は、第1の実施形態において製造された強誘電体キャパシタを示す断面図である。
先ず、図2Aに示すように、シリコン基板等の半導体基板11の表面に、例えばSTI(shallow trench isolation)により素子分離領域12を形成する。次いで、素子分離領域12により区画された素子活性領域において、半導体基板11の表面にウェル13を形成する。続いて、ゲート絶縁膜17、ゲート電極18、シリサイド層19、低濃度拡散層15、サイドウォール20及び高濃度拡散層16をウェル13の表面に形成することにより、MOSトランジスタ14を形成する。なお、各MOSトランジスタ14には、ソース及びドレイン用に2個の高濃度拡散層16を形成するが、その一方は、2個のMOSトランジスタ14間で共有させる。
次に、全面にシリコン酸窒化膜21を、MOSトランジスタ14を覆うようにして形成し、更に全面にシリコン酸化膜22を、例えば有機CVD法により形成する。シリコン酸窒化膜21は、シリコン酸化膜22を形成する際のゲート絶縁膜17等の水素劣化を防止するために形成されている。その後、各高濃度拡散層16間で到達するコンタクトホールをシリコン酸化膜22及びシリコン酸窒化膜21に形成することにより、プラグコンタクト部を開口する。そして、コンタクトホール内に、グルー膜23として、50nmのTiN膜及び30nmのTi膜からなる積層膜を形成した後、例えばCVD法によりW膜を埋め込み、CMP(化学機械的研磨)を行って平坦化することにより、Wプラグ24を形成する。
次いで、図2Bに示すように、全面にRu膜(下部電極膜)25、下部導電性化合物膜25a及びBLT((Bi,La)4Ti3O12)膜26を同一チャンバ内でMOCVD法により連続して形成する。
ここで、これらの膜25、25a及び26を形成する方法について説明する。これらの原料(プリカーサ)として、例えば表1に示すものを用いる。また、溶媒としては、例えばn−ヘキサンを用いる。MOCVD装置としては、これらの原料を同一の気化器内にて気化することが可能なものを用いることが望ましい。
Ru膜25の形成に当たっては、先ず、MOCVDチャンバのサセプタの温度を500℃にした後、このサセプタに半導体基板11を載置する。そして、半導体基板11の温度が一定となった後に、図1に示すように、キャリアガスとしての窒素ガスと共に、Ru原料をMOCVDチャンバ内に供給する。この状態を維持することにより、Ru膜25が形成される。
次いで、窒素ガスを20体積%に減じると共に、反応ガスとして80体積%分の酸素ガスの供給を開始し、さらにBi原料の供給を開始する。その直後に、Ru原料の供給を停止する。この結果、図1に示すように、MOCVDチャンバ内のBi量が上昇すると共に、Ru量は下降する。この間に、下部導電性化合物膜(Bi2Ru2O7−x膜)25aが形成される。
Ru原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、図1に示すように、Bi原料の供給を維持したまま、Ti原料及びLa原料の供給を開始する。この状態を維持することにより、BLT膜26が形成される。
次いで、図1に示すように、Ti原料及びLa原料の供給を停止し、その直後に、Bi原料の供給も停止する。
これらの工程により、Ru膜25、下部導電性化合物膜25a及びBLT膜26が形成される。
Bi原料、Ti原料及びLa原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、半導体基板11をMOCVDチャンバから取り出し、図2Bに示すように、BLT膜26上にPt膜(上部電極膜)27をスパッタ法により形成し、例えば500℃の酸素雰囲気中で60分間のアニールを行う。このアニールにより、Pt膜27のスパッタ成膜によるBLT膜26のプラズマ損傷が回復する。
続いて、図2Cに示すように、パターニング及びエッチング技術を用いて、Pt膜27、BLT膜26、下部導電性化合物膜25a及びRu膜25を加工することにより、Pt膜27を上部電極とし、Ru膜25を下部電極とし、これらの間にBLT膜26が挟まれたスタック構造の強誘電体キャパシタを形成する。なお、この加工では、例えばプラズマTEOS(tetraethyl orthosilicate)膜及びTiN膜の積層膜(図示せず)をハードマスクとして使用し、Pt膜27、BLT膜26、下部導電性化合物膜25a及びRu膜25を一括してエッチングする。
次に、図2Dに示すように、強誘電体キャパシタを覆うアルミナ保護膜28を全面に形成する。アルミナ保護膜28は、例えばCVD法により形成し、その厚さは、例えば5乃至20nm、本実施形態では10nmとする。
次いで、図2Eに示すように、全面に層間絶縁膜29を成膜した後、これをCMPにより平坦化する。層間絶縁膜29としては、例えばHDP(High Density Plasma)CVD装置を使用してシリコン酸化膜を成膜する。また、層間絶縁膜29としてTEOS酸化膜を成膜してもよい。CMP後の残し膜厚は、例えばPt膜27上で300nmとする。
続いて、図2Fに示すように、パターニング及びエッチング技術を用いて、層間絶縁膜29及びアルミナ保護膜28に、2個のMOSトランジスタ14により共有された高濃度拡散層16に接続されたWプラグ24まで到達するコンタクトホールを形成する。次に、このコンタクトホール内にグルー膜30として、例えば50nmのTiN膜を形成した後、例えばCVD法によりW膜を埋め込み、CMP(化学機械的研磨)を行って平坦化することにより、Wプラグ31を形成する。その後、例えば350℃でN2プラズマに層間絶縁膜29及びWプラグ31の表面を晒す。このプラズマ処理の時間は、例えば120秒間である。
次いで、全面にW酸化防止膜(図示せず)を形成する。W酸化防止膜としては、例えばSiON膜を使用することができ、その厚さは例えば100nm程度である。そして、パターニング及びエッチング技術を用いて、図2Gに示すように、W酸化防止膜及び層間絶縁膜29に、上部電極たるPt膜27まで到達するコンタクトホールを形成する。続いて、エッチングによる損傷を回復させるためのアニールを施す。このアニールは、例えば550℃でO2雰囲気の炉内アニールとしてもよく、その時間は例えば60分間である。このアニールの後、W酸化防止膜をエッチバックにより除去する。
次に、グルー膜、配線材料膜及びグルー膜を順次堆積する。下層のグルー膜としては、例えば厚さが70nmのTiN膜と5nmのTi膜との積層膜を形成してもよく、配線材料膜としては、例えば厚さが400nmのAl−Cu合金膜を形成してもよく、上層のグルー膜としては、例えば厚さが30nmのTiN膜と60nmのTi膜との積層膜を形成してもよい。
次いで、上層のグルー膜上に反射防止膜を塗布により形成し、更にレジストを塗布する。続いて、レジスト膜を配線パターンに整合するように加工し、加工後のレジスト膜をマスクとして、反射防止膜、上層のグルー膜、配線材料膜及び下層のグルー膜をエッチングする。反射防止膜としては、例えばSiON膜を使用することができ、その厚さは例えば30nm程度である。このようなエッチングにより、図2Gに示すように、グルー膜32、配線33及びグルー膜34が形成される。
その後、更に、層間絶縁膜の形成、コンタクトプラグの形成及び下から第2層目以降の配線の形成等を行う。そして、例えばTEOS酸化膜及びSiN膜からなるカバー膜を形成して強誘電体キャパシタを有する強誘電体メモリを完成させる。
このように、本実施形態においては、下部電極膜たるRu膜25と強誘電体膜たるBLT膜26とを同一チャンバ内で連続して形成するに当たって、原料の供給開始及び供給停止の順序を適切に規定しており、BLT膜26を形成する前に、下部導電性化合物膜25aを形成すると共に、この下部導電性化合物膜25a内でRuとBiとの反応を完了させている。このため、BLT膜26を形成する際には、RuのBLT膜26への拡散は下部導電性化合物膜25aにより防止される。従って、本実施形態によれば、Ru膜25を下部電極として用いても、従来のようにリーク電流が増大することはない。
ここで、本願発明者が第1の実施形態に係る製造方法の検証を行った結果について説明する。この検証では、Si基板(ウェハ)上にSiO2膜及びTiN膜を形成し、その上に強誘電体キャパシタを形成した。強誘電体キャパシタの形成条件は、第1の実施形態と同様である。但し、Ru膜25の厚さは100nm程度とし、BLT膜26の厚さは100nm程度とした。
そして、Pt膜27を形成する前に、BLT膜26及びRu膜25を含む積層膜の膜厚方向の組成をSIMSで分析したところ、BLT膜26とRu膜25との間に、20nm程度の厚さにわたってBi及びRuが共存する領域が観察された。この領域が下部導電性化合物膜25aである。また、BLT膜26中へのRuの拡散は観察されなかった。
更に、メタルスルーマスクを用いて上部電極膜たるPt膜27をスパッタ法により形成し、500℃の酸素雰囲気中で60分間のアニールを行った後に、5Vのリーク電流密度を測定したところ、当該電流密度は1×10−6A/cm2のオーダーであった。また、分極特性を示す1.5Vのスイッチ電荷量Qswは、30μC/cm2程度であった。これらの結果、第1の実施形態によれば、良好な特性の強誘電体キャパシタが得られることが確認された。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、強誘電体キャパシタの製造方法が第1の実施形態と相違している。図4は、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示すタイミングチャートである。また、図5は、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す断面図であり、図6は、第2の実施形態において製造された強誘電体キャパシタを示す断面図である。なお、図5は、第1の実施形態の一部の工程を示す図2Bに相当する。
本実施形態では、先ず、第1の実施形態と同様にして、Wプラグ24の形成までの工程を行う。
次いで、図5に示すように、全面にIr膜(下部電極膜)35をスパッタ法により形成する。
その後、図5に示すように、BLT膜26、上部導電性化合物膜37a及びRuO2膜37を同一チャンバ内でMOCVD法により連続して形成する。
ここで、これらの膜26、37a及び37を形成する方法について説明する。これらの原料(プリカーサ)及び溶媒としては、第1の実施形態と同様に、例えば表1に示すもの、n−ヘキサンを用いる。MOCVD装置としては、第1の実施形態と同様に、これらの原料を同一の気化器内にて気化することが可能なものを用いることが望ましい。
BLT膜26の形成に当たっては、先ず、MOCVDチャンバのサセプタの温度を500℃にした後、このサセプタに半導体基板11を載置する。そして、半導体基板11の温度が一定となった後に、図4に示すように、キャリアガスとしての窒素ガス20体積%及び反応ガスとしての酸素ガス80体積%と共に、Bi原料をMOCVDチャンバ内に供給する。その直後に、Ti原料及びLa原料の供給を開始する。この状態を維持することにより、BLT膜26が形成される。
次いで、Ti原料及びLa原料の供給を停止し、Ti原料及びLa原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、図4に示すように、Ru原料の供給を開始し、その直後に、Bi原料の供給を停止する。この結果、図4に示すように、MOCVDチャンバ内のRu量が上昇すると共に、Bi量は下降する。この間に、上部導電性化合物膜(Bi2Ru2O7−x膜)37aが形成される。
そして、Bi原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後にも、図4に示すように、Ru原料の供給を続けることにより、RuO2膜37が形成される。Ru膜ではなくRuO2膜37が形成されるのは、第1の実施形態におけるRu膜25の形成時とは異なり、本実施形態では、酸素ガスの供給が維持されているからである。
その後、図4に示すように、Ru原料の供給を停止する。
これらの工程により、BLT膜26、上部導電性化合物膜37a及びRuO2膜37が形成される。
そして、Ru原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、半導体基板11をMOCVDチャンバから取り出し、第1の実施形態と同様に、強誘電体キャパシタの加工以降の工程を行うことにより、強誘電体キャパシタを有する強誘電体メモリを完成させる。
本実施形態においては、上部電極膜たるRuO2膜37を形成する前に、上部導電性化合物膜37aを形成すると共に、この上部導電性化合物膜37a内でRuとBiとの反応を完了させている。このため、RuO2膜37を形成する際には、RuのBLT膜26への拡散は上部導電性化合物膜37aにより防止される。従って、本実施形態によれば、RuO2膜37を上部電極として用いても、従来のようにリーク電流が増大することはない。
ここで、本願発明者が第2の実施形態に係る製造方法の検証を行った結果について説明する。この検証では、第1の実施形態と同様に、Si基板(ウェハ)上にSiO2膜及びTiN膜を形成し、その上に強誘電体キャパシタを形成した。強誘電体キャパシタの形成条件は、第2の実施形態と同様である。但し、BLT膜26の厚さは100nm程度とし、RuO2膜37の厚さは100nm程度とした。
そして、RuO2膜37を形成した後に、RuO2膜37及びBLT膜26を含む積層膜の膜厚方向の組成をSIMSで分析したところ、RuO2膜37とBLT膜26との間に、20nm程度の厚さにわたってBi及びRuが共存する領域が観察された。この領域が上部導電性化合物膜37aである。また、BLT膜26中へのRuの拡散は観察されなかった。
更に、フォトリソグラフィ技術により、RuO2膜37及び上部導電性化合物膜37aに相当する厚さが120nmの部分をパターニングし、500℃の酸素雰囲気中で60分間のアニールを行った後に、5Vのリーク電流密度を測定したところ、当該電流密度は1×10−6A/cm2のオーダーであった。また、分極特性を示す1.5Vのスイッチ電荷量Qswは、30μC/cm2程度であった。これらの結果、第2の実施形態によれば、良好な特性の強誘電体キャパシタが得られることが確認された。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、強誘電体キャパシタの製造方法が第1及び第2の実施形態と相違している。図7は、本発明の第3の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示すタイミングチャートである。また、図8は、本発明の第3の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す断面図であり、図9は、第3の実施形態において製造された強誘電体キャパシタを示す断面図である。なお、図8は、第1の実施形態の一部の工程を示す図2Bに相当する。
本実施形態では、先ず、第1の実施形態と同様にして、Wプラグ24の形成までの工程を行う。
次いで、図8に示すように、全面にRu膜(下部電極膜)25、下部導電性化合物膜25a、BLT膜26、上部導電性化合物膜37a及びRuO2膜(上部電極膜)37を同一チャンバ内でMOCVD法により連続して形成する。
ここで、これらの膜25、25a、26、37a及び37を形成する方法について説明する。これらの原料(プリカーサ)及び溶媒としては、第1の実施形態と同様に、例えば表1に示すもの、n−ヘキサンを用いる。MOCVD装置としては、第1の実施形態と同様に、これらの原料を同一の気化器内にて気化することが可能なものを用いることが望ましい。
Ru膜25の形成に当たっては、第1の実施形態と同様に、先ず、MOCVDチャンバのサセプタの温度を500℃にした後、このサセプタに半導体基板11を載置する。そして、半導体基板11の温度が一定となった後に、図7に示すように、キャリアガスとしての窒素ガスと共に、Ru原料をMOCVDチャンバ内に供給する。この状態を維持することにより、Ru膜25が形成される。
次いで、窒素ガスを20体積%に減じると共に、反応ガスとして80体積%分の酸素ガスの供給を開始し、さらにBi原料の供給を開始する。その直後に、Ru原料の供給を停止する。この結果、図7に示すように、MOCVDチャンバ内のBi量が上昇すると共に、Ru量は下降する。この間に、下部導電性化合物膜(Bi2Ru2O7−x膜)25aが形成される。
Ru原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、図7に示すように、Bi原料の供給を維持したまま、Ti原料及びLa原料の供給を開始する。この状態を維持することにより、BLT膜26が形成される。
次いで、Ti原料及びLa原料の供給を停止し、Ti原料及びLa原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、図7に示すように、Ru原料の供給を開始し、その直後に、Bi原料の供給を停止する。この結果、図7に示すように、MOCVDチャンバ内のRu量が上昇すると共に、Bi量は下降する。この間に、上部導電性化合物膜(Bi2Ru2O7−x膜)37aが形成される。
そして、Bi原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後にも、図7に示すように、Ru原料の供給を続けることにより、RuO2膜37が形成される。
その後、図7に示すように、Ru原料の供給を停止する。
これらの工程により、Ru膜25、下部導電性化合物膜25a、BLT膜26、上部導電性化合物膜37a及びRuO2膜37が形成される。
そして、Ru原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、半導体基板11をMOCVDチャンバから取り出し、第1の実施形態と同様に、強誘電体キャパシタの加工以降の工程を行うことにより、強誘電体キャパシタを有する強誘電体メモリを完成させる。
本実施形態においては、BLT膜26を形成する前に、下部部導電性化合物膜25aを形成すると共に、この下部導電性化合物膜25a内でRuとBiとの反応を完了させている。更に、上部電極膜たるRuO2膜37を形成する前には、上部導電性化合物膜37aを形成すると共に、この上部導電性化合物膜37a内でRuとんBiとの反応を完了させている。このため、BLT膜26を形成する際には、Ru膜25からのRuのBLT膜26への拡散は下部導電性化合物膜25aにより防止され、RuO2膜37を形成する際には、RuO2膜37からのRuのBLT膜26への拡散は上部導電性化合物膜37aにより防止される。従って、本実施形態によれば、Ru膜25を下部電極として用い、RuO2膜37を上部電極として用いても、従来のようにリーク電流が増大することはない。
ここで、本願発明者が第3の実施形態に係る製造方法の検証を行った結果について説明する。この検証では、Si基板(ウェハ)上にSiO2膜及びTiN膜を形成し、その上に強誘電体キャパシタを形成した。強誘電体キャパシタの形成条件は、第3の実施形態と同様である。但し、Ru膜25の厚さは100nm程度とし、BLT膜26の厚さは100nm程度とし、RuO2膜37の厚さは100nm程度とした。
そして、RuO2膜37を形成した後に、RuO2膜37、BLT膜26及びRu膜25を含む積層膜の膜厚方向の組成をSIMSで分析したところ、RuO2膜37とBLT膜26との間及びBLT膜26とRu膜25との間に、夫々20nm程度の厚さにわたってBi及びRuが共存する領域が観察された。この領域が、夫々上部導電性化合物膜37a、下部導電性化合物膜25aである。また、BLT膜26中へのRuの拡散は観察されなかった。
更に、フォトリソグラフィ技術により、RuO2膜37及び上部導電性化合物膜37aに相当する厚さが120nmの部分をパターニングし、500℃の酸素雰囲気中で60分間のアニールを行った後に、5Vのリーク電流密度を測定したところ、当該電流密度は1×10−6A/cm2のオーダーであった。また、分極特性を示す1.5Vのスイッチ電荷量Qswは、30μC/cm2程度であった。これらの結果、第2の実施形態によれば、良好な特性の強誘電体キャパシタが得られることが確認された。
なお、第3の実施形態では、図7に示すように、Bi原料の供給を開始した直後に、Ru原料の供給を停止しているが、図10に示すように、Bi原料の供給量が定常状態に達してからRu原料の供給を停止してもよい。また、図7に示すように、Ru原料の供給を開始した直後に、Bi原料の供給を停止しているが、図10に示すように、Ru原料の供給量が定常状態に達してからBi原料の供給を停止してもよい。これらは、第1及び第2の実施形態においても同様である。
また、いずれの実施形態においても、Ru膜の代わりにRuO2膜を用いてもよく、RuO2膜の代わりにRu膜を用いてもよい。更に、電極膜の材料も特に限定されるものではない。
更に、Bi層状系の強誘電体膜はBLT膜に限定されるものではなく、例えば、BLT膜の代わりに、SBT(SrBi2Ta2O7)膜、SBN(SrBi2Nb2O9)膜又はBIT(Bi4Ti3O12)膜等を形成してもよい。これらの膜を形成する場合には、BLT膜を形成する場合のLa原料及びTi原料の代わりに、例えば、Sr原料及びTa原料を供給するか、Sr原料及びNb原料を供給するか、又はTi原料のみを供給すればよい。
次に、本発明の実施に好適なMOCVD装置について説明する。従来のMOCVD装置としては、原料ごとに気化器が設けられ、これらの気化器から原料ガスが各配管を介して混合器に供給され、この混合器内で各原料ガスが混合された後、シャワーヘッドからチャンバ内に供給されるものがある。これに対し、近時、1つの気化器内で複数の原料が気化して原料ガスが生成すると共に、これらが混合してシャワーヘッドからチャンバ内に供給されるMOCVD装置が開発されている。
従来のMOCVD装置では、気化器内で気化してからチャンバ内に供給されるまでの配管が長く必要であり、また、原料ガス間の温度差により、他の原料ガスの温度の影響を受けやすいため、原料ガスがチャンバ内に供給される前に、配管等の内部に粒子が発生することがある。これに対し、近時開発されたMOCVD装置では、このような粒子の発生が抑制される。
特に、本発明では、複数の原料ガスを同時にチャンバ内に供給する工程が多く、また、これらの供給のオン/オフの切り替えを適宜行う必要があるので、近時開発されたMOCVD装置による粒子の発生の抑制という効果が顕著である。また、近時開発されたMOCVD装置では、気化器が1台で済むため、多種の原料ガスを用いる場合には、気化器の数の低減によるコストの低減も可能である。
また、このような気化器を用いるに当たっては、Bi原料(Biの有機化合物)、La原料(Laの有機化合物)及びTi原料(Tiの有機化合物)等のBi層状系強誘電体膜の原料の供給系と、Ru原料(金属元素の有機化合物)の供給系とが接続されたものを用いることが望ましい。
なお、いずれの実施形態においても、MOCVDチャンバ内へのガスの供給が開始されてから、MOCVDチャンバ内での成膜が終了するまでの間、シャワーヘッドの温度及び基板温度を一定に保持することが望ましい。これらの温度を一定に保持することにより、より安定して各膜を成膜することが可能となる。
本発明は、強誘電体不揮発性メモリ(FRAM)等に用いるBi層状系薄膜キャパシタの製造に好適な強誘電体キャパシタの製造方法に関する。
強誘電体不揮発性メモリ(FRAM)には、薄膜キャパシタが設けられている。そして、従来、この薄膜キャパシタを製造するに当たっては、先ず、スパッタ法により下部電極膜を形成し、次に、ゾル−ゲル法、スパッタ法又はMOCVD法により強誘電体膜を形成し、その後、上部電極膜を形成している。強誘電体膜としては、PZT系の強誘電体膜及びBi層状系の強誘電体膜が主に用いられている。
また、PZT系薄膜キャパシタ及びBi層状系薄膜キャパシタの電極材料としては、Pt、Ir、IrO2等が実際に用いられ、これらについて数多く研究が行われている。1990年代の中頃のPZT系薄膜キャパシタの研究段階においては、Ru系(RuO2を含む)の電極材料も検討されていた。しかし、Ru系の電極材料を用いると、キャパシタのリークを制御することが難しく、実用化には至らなかった。これは、強誘電体中のPbと電極膜中のRuとが反応し、Pb2Ru2O6〜7のようなパイロクロア構造の導電性化合物が生成されるためである。但し、Ruには、その地金価格がPt及びIrのそれよりも低いという利点はある。
一般に、PZT膜の成膜時には、膜中にPbが化学量論組成より多く入れられる。この超過分のPbは結晶化初期の段階で重要な役割を果たすと共に、高温でのPbの蒸発分を補う役割を持っており、結晶化後は主にPZT膜中の粒界に存在する。このような強誘電体膜に対して、PZT膜との界面にRuが存在すると、高温でPbと反応して上記のようなPb2Ru2O6〜7が生成され、粒界に導電パスが形成されてしまい、リーク電流が増大するのである。
特許第3095574号明細書には、この現象を逆手にとって、RuO2からなる電極とPZTからなる強誘電体膜との間に、意図的にPb2Ru2O6〜7からなる膜を形成する技術が記載されている。
近時、製造時間の短縮及び製造設備のコスト低減が要請されている。しかし、電極膜としてPt膜等をスパッタ法により形成する場合には、下部電極膜、強誘電体膜及び上部電極膜を形成するための各工程間でウェハの搬送が必要とされ、また、電極膜を形成するためのチャンバ及び強誘電体膜を形成するためのチャンバが必要とされる。このため、このような製造方法では、製造時間の短縮及び製造設備のコスト低減に限度がある。
また、Ru系の電極膜を用いた場合には、上述のように、リーク電流が増大するという欠点があり、この欠点は、特許第3095574号明細書に記載された技術によっても解決されていない。即ち、この製造方法では、RuO2膜を形成した後に、その上にPZT膜を形成し、アニールによってこれらの界面に、Pb2Ru2O6〜7を形成しているが、このような方法では、アニールの際に粒界拡散が生じるため、リーク電流の増大は避けられない。このような現象は、PZT系強誘電体膜の代わりにBi層状系強誘電体膜を用いた場合にも、同様に、Bi2Ru2O7-xのようなパイロクロア構造の導電性化合物が生成される可能性がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、強誘電体膜と電極膜とを同一のチャンバ内で連続して形成することができる強誘電体キャパシタの製造方法を提供することを目的とする。
本願発明者は、鋭意検討の結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
本発明に係る強誘電体キャパシタの製造方法は、Bi層状系強誘電体膜を備えた強誘電体キャパシタの製造方法を対象とする。
第1の発明では、先ず、CVDチャンバ内に、第1の金属元素を含有するガスを導入して、前記第1の金属元素を含有する下部電極膜を形成する。次に、前記CVDチャンバ内に、前記第1の金属元素を含有するガスを導入しつづけながら、更にBi及びOを含有するガスを導入して、前記下部電極膜上に前記第1の金属元素及びBiを含有する第1の導電性化合物膜を形成する。次いで、前記CVDチャンバ内への前記第1の金属元素の導入を停止する。その後、前記CVDチャンバ内に、Bi及びOを含有するガスを導入しつづけながら、更に前記Bi層状系強誘電体膜を構成する金属元素のうちBiを除く強誘電体膜用金属元素を含有するガスを導入して、前記第1の導電性化合物膜上に前記Bi層状系強誘電体膜を形成する。続いて、前記CVDチャンバ内へのBi及び前記強誘電体膜用金属元素の導入を停止する。そして、前記Bi層状系強誘電体膜上に上部電極膜を形成する。
第2の発明では、先ず、下部電極膜を形成する。次に、前記CVDチャンバ内に、Bi、前記Bi層状系強誘電体膜を構成する金属元素のうちBiを除く強誘電体膜用金属元素及びOを含有するガスを導入して、前記下部電極膜上に前記Bi層状系強誘電体膜を形成する。次いで、前記CVDチャンバ内への前記強誘電体膜用金属元素の導入を停止する。その後、前記CVDチャンバ内に、Bi及びOを含有するガスを導入しつづけながら、第2の金属元素を含有するガスを導入して、前記Bi層状系強誘電体膜上に前記第2の金属元素及びBiを含有する第2の導電性化合物膜を形成する。続いて、前記CVDチャンバ内へのBiの導入を停止する。そして、前記CVDチャンバ内に、前記第2の金属元素を含有するガスを導入しつづけて、前記第2の導電性化合物膜上に前記第2の金属元素を含有する上部電極膜を形成する。
前述のように、従来の製造方法では、Ru等の電極膜中の金属元素とBi層状系の強誘電体膜中のBiとが反応してリーク電流が増大する可能性があるが、本発明においては、電極膜(下部電極膜及び/又は上部電極膜)と強誘電体膜とを同一のCVDチャンバ内で連続して形成すると共に、これらの膜の間に導電性化合物膜を形成している。このように、導電性化合物膜をCVD法で形成することによって、この膜内でBiと金属元素との反応を完了させることが可能となり、強誘電体膜での反応を防止することができる。この結果、リーク電流の増大を防止することができる。
本発明によれば、電極膜の形成と強誘電体膜の形成とを1つのチャンバ内で連続して行うことができる。このため、製造時間を短縮すると共に、製造設備のコストを低減することができる。また、ウェハの搬送回数が低減されるため、搬送中に生じ得るコンタミネーションが抑制され、高い信頼性を得ることができる。更に、導電性化合物膜の形成により、強誘電体膜中でのリーク電流を大幅に低減することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る強誘電体キャパシタの製造方法について添付の図面を参照して具体的に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態では、強誘電体キャパシタを含む強誘電体メモリを製造する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示すタイミングチャートである。また、図2A乃至図2Gは、同製造方法を工程順に示す断面図であり、図3は、第1の実施形態において製造された強誘電体キャパシタを示す断面図である。
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態では、強誘電体キャパシタを含む強誘電体メモリを製造する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示すタイミングチャートである。また、図2A乃至図2Gは、同製造方法を工程順に示す断面図であり、図3は、第1の実施形態において製造された強誘電体キャパシタを示す断面図である。
先ず、図2Aに示すように、シリコン基板等の半導体基板11の表面に、例えばSTI(shallow trench isolation)により素子分離領域12を形成する。次いで、素子分離領域12により区画された素子活性領域において、半導体基板11の表面にウェル13を形成する。続いて、ゲート絶縁膜17、ゲート電極18、シリサイド層19、低濃度拡散層15、サイドウォール20及び高濃度拡散層16をウェル13の表面に形成することにより、MOSトランジスタ14を形成する。なお、各MOSトランジスタ14には、ソース及びドレイン用に2個の高濃度拡散層16を形成するが、その一方は、2個のMOSトランジスタ14間で共有させる。
次に、全面にシリコン酸窒化膜21を、MOSトランジスタ14を覆うようにして形成し、更に全面にシリコン酸化膜22を、例えば有機CVD法により形成する。シリコン酸窒化膜21は、シリコン酸化膜22を形成する際のゲート絶縁膜17等の水素劣化を防止するために形成されている。その後、各高濃度拡散層16間で到達するコンタクトホールをシリコン酸化膜22及びシリコン酸窒化膜21に形成することにより、プラグコンタクト部を開口する。そして、コンタクトホール内に、グルー膜23として、50nmのTiN膜及び30nmのTi膜からなる積層膜を形成した後、例えばCVD法によりW膜を埋め込み、CMP(化学機械的研磨)を行って平坦化することにより、Wプラグ24を形成する。
次いで、図2Bに示すように、全面にRu膜(下部電極膜)25、下部導電性化合物膜25a及びBLT((Bi,La)4Ti3O12)膜26を同一チャンバ内でMOCVD法により連続して形成する。
ここで、これらの膜25、25a及び26を形成する方法について説明する。これらの原料(プリカーサ)として、例えば表1に示すものを用いる。また、溶媒としては、例えばn−ヘキサンを用いる。MOCVD装置としては、これらの原料を同一の気化器内にて気化することが可能なものを用いることが望ましい。
Ru膜25の形成に当たっては、先ず、MOCVDチャンバのサセプタの温度を500℃にした後、このサセプタに半導体基板11を載置する。そして、半導体基板11の温度が一定となった後に、図1に示すように、キャリアガスとしての窒素ガスと共に、Ru原料をMOCVDチャンバ内に供給する。この状態を維持することにより、Ru膜25が形成される。
次いで、窒素ガスを20体積%に減じると共に、反応ガスとして80体積%分の酸素ガスの供給を開始し、さらにBi原料の供給を開始する。その直後に、Ru原料の供給を停止する。この結果、図1に示すように、MOCVDチャンバ内のBi量が上昇すると共に、Ru量は下降する。この間に、下部導電性化合物膜(Bi2Ru2O7-x膜)25aが形成される。
Ru原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、図1に示すように、Bi原料の供給を維持したまま、Ti原料及びLa原料の供給を開始する。この状態を維持することにより、BLT膜26が形成される。
次いで、図1に示すように、Ti原料及びLa原料の供給を停止し、その直後に、Bi原料の供給も停止する。
これらの工程により、Ru膜25、下部導電性化合物膜25a及びBLT膜26が形成される。
Bi原料、Ti原料及びLa原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、半導体基板11をMOCVDチャンバから取り出し、図2Bに示すように、BLT膜26上にPt膜(上部電極膜)27をスパッタ法により形成し、例えば500℃の酸素雰囲気中で60分間のアニールを行う。このアニールにより、Pt膜27のスパッタ成膜によるBLT膜26のプラズマ損傷が回復する。
続いて、図2Cに示すように、パターニング及びエッチング技術を用いて、Pt膜27、BLT膜26、下部導電性化合物膜25a及びRu膜25を加工することにより、Pt膜27を上部電極とし、Ru膜25を下部電極とし、これらの間にBLT膜26が挟まれたスタック構造の強誘電体キャパシタを形成する。なお、この加工では、例えばプラズマTEOS(tetraethyl orthosilicate)膜及びTiN膜の積層膜(図示せず)をハードマスクとして使用し、Pt膜27、BLT膜26、下部導電性化合物膜25a及びRu膜25を一括してエッチングする。
次に、図2Dに示すように、強誘電体キャパシタを覆うアルミナ保護膜28を全面に形成する。アルミナ保護膜28は、例えばCVD法により形成し、その厚さは、例えば5乃至20nm、本実施形態では10nmとする。
次いで、図2Eに示すように、全面に層間絶縁膜29を成膜した後、これをCMPにより平坦化する。層間絶縁膜29としては、例えばHDP(High Density Plasma)CVD装置を使用してシリコン酸化膜を成膜する。また、層間絶縁膜29としてTEOS酸化膜を成膜してもよい。CMP後の残し膜厚は、例えばPt膜27上で300nmとする。
続いて、図2Fに示すように、パターニング及びエッチング技術を用いて、層間絶縁膜29及びアルミナ保護膜28に、2個のMOSトランジスタ14により共有された高濃度拡散層16に接続されたWプラグ24まで到達するコンタクトホールを形成する。次に、このコンタクトホール内にグルー膜30として、例えば50nmのTiN膜を形成した後、例えばCVD法によりW膜を埋め込み、CMP(化学機械的研磨)を行って平坦化することにより、Wプラグ31を形成する。その後、例えば350℃でN2プラズマに層間絶縁膜29及びWプラグ31の表面を晒す。このプラズマ処理の時間は、例えば120秒間である。
次いで、全面にW酸化防止膜(図示せず)を形成する。W酸化防止膜としては、例えばSiON膜を使用することができ、その厚さは例えば100nm程度である。そして、パターニング及びエッチング技術を用いて、図2Gに示すように、W酸化防止膜及び層間絶縁膜29に、上部電極たるPt膜27まで到達するコンタクトホールを形成する。続いて、エッチングによる損傷を回復させるためのアニールを施す。このアニールは、例えば550℃でO2雰囲気の炉内アニールとしてもよく、その時間は例えば60分間である。このアニールの後、W酸化防止膜をエッチバックにより除去する。
次に、グルー膜、配線材料膜及びグルー膜を順次堆積する。下層のグルー膜としては、例えば厚さが70nmのTiN膜と5nmのTi膜との積層膜を形成してもよく、配線材料膜としては、例えば厚さが400nmのAl−Cu合金膜を形成してもよく、上層のグルー膜としては、例えば厚さが30nmのTiN膜と60nmのTi膜との積層膜を形成してもよい。
次いで、上層のグルー膜上に反射防止膜を塗布により形成し、更にレジストを塗布する。続いて、レジスト膜を配線パターンに整合するように加工し、加工後のレジスト膜をマスクとして、反射防止膜、上層のグルー膜、配線材料膜及び下層のグルー膜をエッチングする。反射防止膜としては、例えばSiON膜を使用することができ、その厚さは例えば30nm程度である。このようなエッチングにより、図2Gに示すように、グルー膜32、配線33及びグルー膜34が形成される。
その後、更に、層間絶縁膜の形成、コンタクトプラグの形成及び下から第2層目以降の配線の形成等を行う。そして、例えばTEOS酸化膜及びSiN膜からなるカバー膜を形成して強誘電体キャパシタを有する強誘電体メモリを完成させる。
このように、本実施形態においては、下部電極膜たるRu膜25と強誘電体膜たるBLT膜26とを同一チャンバ内で連続して形成するに当たって、原料の供給開始及び供給停止の順序を適切に規定しており、BLT膜26を形成する前に、下部導電性化合物膜25aを形成すると共に、この下部導電性化合物膜25a内でRuとBiとの反応を完了させている。このため、BLT膜26を形成する際には、RuのBLT膜26への拡散は下部導電性化合物膜25aにより防止される。従って、本実施形態によれば、Ru膜25を下部電極として用いても、従来のようにリーク電流が増大することはない。
ここで、本願発明者が第1の実施形態に係る製造方法の検証を行った結果について説明する。この検証では、Si基板(ウェハ)上にSiO2膜及びTiN膜を形成し、その上に強誘電体キャパシタを形成した。強誘電体キャパシタの形成条件は、第1の実施形態と同様である。但し、Ru膜25の厚さは100nm程度とし、BLT膜26の厚さは100nm程度とした。
そして、Pt膜27を形成する前に、BLT膜26及びRu膜25を含む積層膜の膜厚方向の組成をSIMSで分析したところ、BLT膜26とRu膜25との間に、20nm程度の厚さにわたってBi及びRuが共存する領域が観察された。この領域が下部導電性化合物膜25aである。また、BLT膜26中へのRuの拡散は観察されなかった。
更に、メタルスルーマスクを用いて上部電極膜たるPt膜27をスパッタ法により形成し、500℃の酸素雰囲気中で60分間のアニールを行った後に、5Vのリーク電流密度を測定したところ、当該電流密度は1×10-6A/cm2のオーダーであった。また、分極特性を示す1.5Vのスイッチ電荷量Qswは、30μC/cm2程度であった。これらの結果、第1の実施形態によれば、良好な特性の強誘電体キャパシタが得られることが確認された。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、強誘電体キャパシタの製造方法が第1の実施形態と相違している。図4は、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示すタイミングチャートである。また、図5は、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す断面図であり、図6は、第2の実施形態において製造された強誘電体キャパシタを示す断面図である。なお、図5は、第1の実施形態の一部の工程を示す図2Bに相当する。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、強誘電体キャパシタの製造方法が第1の実施形態と相違している。図4は、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示すタイミングチャートである。また、図5は、本発明の第2の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す断面図であり、図6は、第2の実施形態において製造された強誘電体キャパシタを示す断面図である。なお、図5は、第1の実施形態の一部の工程を示す図2Bに相当する。
本実施形態では、先ず、第1の実施形態と同様にして、Wプラグ24の形成までの工程を行う。
次いで、図5に示すように、全面にIr膜(下部電極膜)35をスパッタ法により形成する。
その後、図5に示すように、BLT膜26、上部導電性化合物膜37a及びRuO2膜37を同一チャンバ内でMOCVD法により連続して形成する。
ここで、これらの膜26、37a及び37を形成する方法について説明する。これらの原料(プリカーサ)及び溶媒としては、第1の実施形態と同様に、例えば表1に示すもの、n−ヘキサンを用いる。MOCVD装置としては、第1の実施形態と同様に、これらの原料を同一の気化器内にて気化することが可能なものを用いることが望ましい。
BLT膜26の形成に当たっては、先ず、MOCVDチャンバのサセプタの温度を500℃にした後、このサセプタに半導体基板11を載置する。そして、半導体基板11の温度が一定となった後に、図4に示すように、キャリアガスとしての窒素ガス20体積%及び反応ガスとしての酸素ガス80体積%と共に、Bi原料をMOCVDチャンバ内に供給する。その直後に、Ti原料及びLa原料の供給を開始する。この状態を維持することにより、BLT膜26が形成される。
次いで、Ti原料及びLa原料の供給を停止し、Ti原料及びLa原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、図4に示すように、Ru原料の供給を開始し、その直後に、Bi原料の供給を停止する。この結果、図4に示すように、MOCVDチャンバ内のRu量が上昇すると共に、Bi量は下降する。この間に、上部導電性化合物膜(Bi2Ru2O7-x膜)37aが形成される。
そして、Bi原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後にも、図4に示すように、Ru原料の供給を続けることにより、RuO2膜37が形成される。Ru膜ではなくRuO2膜37が形成されるのは、第1の実施形態におけるRu膜25の形成時とは異なり、本実施形態では、酸素ガスの供給が維持されているからである。
その後、図4に示すように、Ru原料の供給を停止する。
これらの工程により、BLT膜26、上部導電性化合物膜37a及びRuO2膜37が形成される。
そして、Ru原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、半導体基板11をMOCVDチャンバから取り出し、第1の実施形態と同様に、強誘電体キャパシタの加工以降の工程を行うことにより、強誘電体キャパシタを有する強誘電体メモリを完成させる。
本実施形態においては、上部電極膜たるRuO2膜37を形成する前に、上部導電性化合物膜37aを形成すると共に、この上部導電性化合物膜37a内でRuとBiとの反応を完了させている。このため、RuO2膜37を形成する際には、RuのBLT膜26への拡散は上部導電性化合物膜37aにより防止される。従って、本実施形態によれば、RuO2膜37を上部電極として用いても、従来のようにリーク電流が増大することはない。
ここで、本願発明者が第2の実施形態に係る製造方法の検証を行った結果について説明する。この検証では、第1の実施形態と同様に、Si基板(ウェハ)上にSiO2膜及びTiN膜を形成し、その上に強誘電体キャパシタを形成した。強誘電体キャパシタの形成条件は、第2の実施形態と同様である。但し、BLT膜26の厚さは100nm程度とし、RuO2膜37の厚さは100nm程度とした。
そして、RuO2膜37を形成した後に、RuO2膜37及びBLT膜26を含む積層膜の膜厚方向の組成をSIMSで分析したところ、RuO2膜37とBLT膜26との間に、20nm程度の厚さにわたってBi及びRuが共存する領域が観察された。この領域が上部導電性化合物膜37aである。また、BLT膜26中へのRuの拡散は観察されなかった。
更に、フォトリソグラフィ技術により、RuO2膜37及び上部導電性化合物膜37aに相当する厚さが120nmの部分をパターニングし、500℃の酸素雰囲気中で60分間のアニールを行った後に、5Vのリーク電流密度を測定したところ、当該電流密度は1×10-6A/cm2のオーダーであった。また、分極特性を示す1.5Vのスイッチ電荷量Qswは、30μC/cm2程度であった。これらの結果、第2の実施形態によれば、良好な特性の強誘電体キャパシタが得られることが確認された。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、強誘電体キャパシタの製造方法が第1及び第2の実施形態と相違している。図7は、本発明の第3の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示すタイミングチャートである。また、図8は、本発明の第3の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す断面図であり、図9は、第3の実施形態において製造された強誘電体キャパシタを示す断面図である。なお、図8は、第1の実施形態の一部の工程を示す図2Bに相当する。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、強誘電体キャパシタの製造方法が第1及び第2の実施形態と相違している。図7は、本発明の第3の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示すタイミングチャートである。また、図8は、本発明の第3の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を示す断面図であり、図9は、第3の実施形態において製造された強誘電体キャパシタを示す断面図である。なお、図8は、第1の実施形態の一部の工程を示す図2Bに相当する。
本実施形態では、先ず、第1の実施形態と同様にして、Wプラグ24の形成までの工程を行う。
次いで、図8に示すように、全面にRu膜(下部電極膜)25、下部導電性化合物膜25a、BLT膜26、上部導電性化合物膜37a及びRuO2膜(上部電極膜)37を同一チャンバ内でMOCVD法により連続して形成する。
ここで、これらの膜25、25a、26、37a及び37を形成する方法について説明する。これらの原料(プリカーサ)及び溶媒としては、第1の実施形態と同様に、例えば表1に示すもの、n−ヘキサンを用いる。MOCVD装置としては、第1の実施形態と同様に、これらの原料を同一の気化器内にて気化することが可能なものを用いることが望ましい。
Ru膜25の形成に当たっては、第1の実施形態と同様に、先ず、MOCVDチャンバのサセプタの温度を500℃にした後、このサセプタに半導体基板11を載置する。そして、半導体基板11の温度が一定となった後に、図7に示すように、キャリアガスとしての窒素ガスと共に、Ru原料をMOCVDチャンバ内に供給する。この状態を維持することにより、Ru膜25が形成される。
次いで、窒素ガスを20体積%に減じると共に、反応ガスとして80体積%分の酸素ガスの供給を開始し、さらにBi原料の供給を開始する。その直後に、Ru原料の供給を停止する。この結果、図7に示すように、MOCVDチャンバ内のBi量が上昇すると共に、Ru量は下降する。この間に、下部導電性化合物膜(Bi2Ru2O7-x膜)25aが形成される。
Ru原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、図7に示すように、Bi原料の供給を維持したまま、Ti原料及びLa原料の供給を開始する。この状態を維持することにより、BLT膜26が形成される。
次いで、Ti原料及びLa原料の供給を停止し、Ti原料及びLa原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、図7に示すように、Ru原料の供給を開始し、その直後に、Bi原料の供給を停止する。この結果、図7に示すように、MOCVDチャンバ内のRu量が上昇すると共に、Bi量は下降する。この間に、上部導電性化合物膜(Bi2Ru2O7-x膜)37aが形成される。
そして、Bi原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後にも、図7に示すように、Ru原料の供給を続けることにより、RuO2膜37が形成される。
その後、図7に示すように、Ru原料の供給を停止する。
これらの工程により、Ru膜25、下部導電性化合物膜25a、BLT膜26、上部導電性化合物膜37a及びRuO2膜37が形成される。
そして、Ru原料が完全にMOCVDチャンバ内に導入されなくなった後、半導体基板11をMOCVDチャンバから取り出し、第1の実施形態と同様に、強誘電体キャパシタの加工以降の工程を行うことにより、強誘電体キャパシタを有する強誘電体メモリを完成させる。
本実施形態においては、BLT膜26を形成する前に、下部部導電性化合物膜25aを形成すると共に、この下部導電性化合物膜25a内でRuとBiとの反応を完了させている。更に、上部電極膜たるRuO2膜37を形成する前には、上部導電性化合物膜37aを形成すると共に、この上部導電性化合物膜37a内でRuとんBiとの反応を完了させている。このため、BLT膜26を形成する際には、Ru膜25からのRuのBLT膜26への拡散は下部導電性化合物膜25aにより防止され、RuO2膜37を形成する際には、RuO2膜37からのRuのBLT膜26への拡散は上部導電性化合物膜37aにより防止される。従って、本実施形態によれば、Ru膜25を下部電極として用い、RuO2膜37を上部電極として用いても、従来のようにリーク電流が増大することはない。
ここで、本願発明者が第3の実施形態に係る製造方法の検証を行った結果について説明する。この検証では、Si基板(ウェハ)上にSiO2膜及びTiN膜を形成し、その上に強誘電体キャパシタを形成した。強誘電体キャパシタの形成条件は、第3の実施形態と同様である。但し、Ru膜25の厚さは100nm程度とし、BLT膜26の厚さは100nm程度とし、RuO2膜37の厚さは100nm程度とした。
そして、RuO2膜37を形成した後に、RuO2膜37、BLT膜26及びRu膜25を含む積層膜の膜厚方向の組成をSIMSで分析したところ、RuO2膜37とBLT膜26との間及びBLT膜26とRu膜25との間に、夫々20nm程度の厚さにわたってBi及びRuが共存する領域が観察された。この領域が、夫々上部導電性化合物膜37a、下部導電性化合物膜25aである。また、BLT膜26中へのRuの拡散は観察されなかった。
更に、フォトリソグラフィ技術により、RuO2膜37及び上部導電性化合物膜37aに相当する厚さが120nmの部分をパターニングし、500℃の酸素雰囲気中で60分間のアニールを行った後に、5Vのリーク電流密度を測定したところ、当該電流密度は1×10-6A/cm2のオーダーであった。また、分極特性を示す1.5Vのスイッチ電荷量Qswは、30μC/cm2程度であった。これらの結果、第2の実施形態によれば、良好な特性の強誘電体キャパシタが得られることが確認された。
なお、第3の実施形態では、図7に示すように、Bi原料の供給を開始した直後に、Ru原料の供給を停止しているが、図10に示すように、Bi原料の供給量が定常状態に達してからRu原料の供給を停止してもよい。また、図7に示すように、Ru原料の供給を開始した直後に、Bi原料の供給を停止しているが、図10に示すように、Ru原料の供給量が定常状態に達してからBi原料の供給を停止してもよい。これらは、第1及び第2の実施形態においても同様である。
また、いずれの実施形態においても、Ru膜の代わりにRuO2膜を用いてもよく、RuO2膜の代わりにRu膜を用いてもよい。更に、電極膜の材料も特に限定されるものではない。
更に、Bi層状系の強誘電体膜はBLT膜に限定されるものではなく、例えば、BLT膜の代わりに、SBT(SrBi2Ta2O7)膜、SBN(SrBi2Nb2O9)膜又はBIT(Bi4Ti3O12)膜等を形成してもよい。これらの膜を形成する場合には、BLT膜を形成する場合のLa原料及びTi原料の代わりに、例えば、Sr原料及びTa原料を供給するか、Sr原料及びNb原料を供給するか、又はTi原料のみを供給すればよい。
次に、本発明の実施に好適なMOCVD装置について説明する。従来のMOCVD装置としては、原料ごとに気化器が設けられ、これらの気化器から原料ガスが各配管を介して混合器に供給され、この混合器内で各原料ガスが混合された後、シャワーヘッドからチャンバ内に供給されるものがある。これに対し、近時、1つの気化器内で複数の原料が気化して原料ガスが生成すると共に、これらが混合してシャワーヘッドからチャンバ内に供給されるMOCVD装置が開発されている。
従来のMOCVD装置では、気化器内で気化してからチャンバ内に供給されるまでの配管が長く必要であり、また、原料ガス間の温度差により、他の原料ガスの温度の影響を受けやすいため、原料ガスがチャンバ内に供給される前に、配管等の内部に粒子が発生することがある。これに対し、近時開発されたMOCVD装置では、このような粒子の発生が抑制される。
特に、本発明では、複数の原料ガスを同時にチャンバ内に供給する工程が多く、また、これらの供給のオン/オフの切り替えを適宜行う必要があるので、近時開発されたMOCVD装置による粒子の発生の抑制という効果が顕著である。また、近時開発されたMOCVD装置では、気化器が1台で済むため、多種の原料ガスを用いる場合には、気化器の数の低減によるコストの低減も可能である。
また、このような気化器を用いるに当たっては、Bi原料(Biの有機化合物)、La原料(Laの有機化合物)及びTi原料(Tiの有機化合物)等のBi層状系強誘電体膜の原料の供給系と、Ru原料(金属元素の有機化合物)の供給系とが接続されたものを用いることが望ましい。
なお、いずれの実施形態においても、MOCVDチャンバ内へのガスの供給が開始されてから、MOCVDチャンバ内での成膜が終了するまでの間、シャワーヘッドの温度及び基板温度を一定に保持することが望ましい。これらの温度を一定に保持することにより、より安定して各膜を成膜することが可能となる。
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
CVDチャンバ内に、第1の金属元素を含有するガスを導入して、前記第1の金属元素を含有する下部電極膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内に、前記第1の金属元素を含有するガスを導入しつづけながら、更にBi(ビスマス)及びO(酸素)を含有するガスを導入して、前記下部電極膜上に前記第1の金属元素及びBi(ビスマス)を含有する第1の導電性化合物膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内への前記第1の金属元素の導入を停止する工程と、
前記CVDチャンバ内に、Bi(ビスマス)及びO(酸素)を含有するガスを導入しつづけながら、更に前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜を構成する金属元素のうちBi(ビスマス)を除く強誘電体膜用金属元素を含有するガスを導入して、前記第1の導電性化合物膜上に前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内へのBi(ビスマス)及び前記強誘電体膜用金属元素の導入を停止する工程と、
前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜上に上部電極膜を形成する工程と、
を有することを特徴とするBi(ビスマス)層状系強誘電体膜を備えた強誘電体キャパシタの製造方法。
CVDチャンバ内に、第1の金属元素を含有するガスを導入して、前記第1の金属元素を含有する下部電極膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内に、前記第1の金属元素を含有するガスを導入しつづけながら、更にBi(ビスマス)及びO(酸素)を含有するガスを導入して、前記下部電極膜上に前記第1の金属元素及びBi(ビスマス)を含有する第1の導電性化合物膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内への前記第1の金属元素の導入を停止する工程と、
前記CVDチャンバ内に、Bi(ビスマス)及びO(酸素)を含有するガスを導入しつづけながら、更に前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜を構成する金属元素のうちBi(ビスマス)を除く強誘電体膜用金属元素を含有するガスを導入して、前記第1の導電性化合物膜上に前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内へのBi(ビスマス)及び前記強誘電体膜用金属元素の導入を停止する工程と、
前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜上に上部電極膜を形成する工程と、
を有することを特徴とするBi(ビスマス)層状系強誘電体膜を備えた強誘電体キャパシタの製造方法。
(付記2)
下部電極膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内に、Bi(ビスマス)、前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜を構成する金属元素のうちBi(ビスマス)を除く強誘電体膜用金属元素及びO(酸素)を含有するガスを導入して、前記下部電極膜上に前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内への前記強誘電体膜用金属元素の導入を停止する工程と、
前記CVDチャンバ内に、Bi(ビスマス)及びO(酸素)を含有するガスを導入しつづけながら、第2の金属元素を含有するガスを導入して、前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜上に前記第2の金属元素及びBi(ビスマス)を含有する第2の導電性化合物膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内へのBi(ビスマス)の導入を停止する工程と、
前記CVDチャンバ内に、前記第2の金属元素を含有するガスを導入しつづけて、前記第2の導電性化合物膜上に前記第2の金属元素を含有する上部電極膜を形成する工程と、
を有することを特徴とするBi(ビスマス)層状系強誘電体膜を備えた強誘電体キャパシタの製造方法。
下部電極膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内に、Bi(ビスマス)、前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜を構成する金属元素のうちBi(ビスマス)を除く強誘電体膜用金属元素及びO(酸素)を含有するガスを導入して、前記下部電極膜上に前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内への前記強誘電体膜用金属元素の導入を停止する工程と、
前記CVDチャンバ内に、Bi(ビスマス)及びO(酸素)を含有するガスを導入しつづけながら、第2の金属元素を含有するガスを導入して、前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜上に前記第2の金属元素及びBi(ビスマス)を含有する第2の導電性化合物膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内へのBi(ビスマス)の導入を停止する工程と、
前記CVDチャンバ内に、前記第2の金属元素を含有するガスを導入しつづけて、前記第2の導電性化合物膜上に前記第2の金属元素を含有する上部電極膜を形成する工程と、
を有することを特徴とするBi(ビスマス)層状系強誘電体膜を備えた強誘電体キャパシタの製造方法。
(付記3)
前記CVDチャンバ内へのBi(ビスマス)及び前記強誘電体膜用金属元素の導入を停止する工程は、
前記CVDチャンバ内への前記強誘電体膜用金属元素の導入を停止する工程と、
前記CVDチャンバ内に、Bi(ビスマス)及びO(酸素)を含有するガスを導入しつづけながら、第2の金属元素を含有するガスを導入して、前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜上に前記第2の金属元素及びBi(ビスマス)を含有する第2の導電性化合物膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内へのBi(ビスマス)の導入を停止する工程と、
を有し、
前記上部電極膜を形成する工程は、
前記CVDチャンバ内に、前記第2の金属元素を含有するガスを導入しつづけて、前記第2の導電性化合物膜上に前記第2の金属元素を含有する上部電極膜を形成する工程を有することを特徴とする付記1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
前記CVDチャンバ内へのBi(ビスマス)及び前記強誘電体膜用金属元素の導入を停止する工程は、
前記CVDチャンバ内への前記強誘電体膜用金属元素の導入を停止する工程と、
前記CVDチャンバ内に、Bi(ビスマス)及びO(酸素)を含有するガスを導入しつづけながら、第2の金属元素を含有するガスを導入して、前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜上に前記第2の金属元素及びBi(ビスマス)を含有する第2の導電性化合物膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内へのBi(ビスマス)の導入を停止する工程と、
を有し、
前記上部電極膜を形成する工程は、
前記CVDチャンバ内に、前記第2の金属元素を含有するガスを導入しつづけて、前記第2の導電性化合物膜上に前記第2の金属元素を含有する上部電極膜を形成する工程を有することを特徴とする付記1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
(付記4)
前記第1の金属元素は、Ru(ルテニウム)であることを特徴とする付記1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
前記第1の金属元素は、Ru(ルテニウム)であることを特徴とする付記1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
(付記5)
前記第2の金属元素は、Ru(ルテニウム)であることを特徴とする付記2に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
前記第2の金属元素は、Ru(ルテニウム)であることを特徴とする付記2に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
(付記6)
前記CVDチャンバ内への前記第1の金属元素の導入を停止する工程を、Bi(ビスマス)及びO(酸素)を含有するガスの供給量が定常状態に達した後に行うことを特徴とする付記1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
前記CVDチャンバ内への前記第1の金属元素の導入を停止する工程を、Bi(ビスマス)及びO(酸素)を含有するガスの供給量が定常状態に達した後に行うことを特徴とする付記1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
(付記7)
前記CVDチャンバ内への前記第1の金属元素の導入を停止する工程を、Bi(ビスマス)及びO(酸素)を含有するガスの供給量が定常状態に達する前に行うことを特徴とする付記1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
前記CVDチャンバ内への前記第1の金属元素の導入を停止する工程を、Bi(ビスマス)及びO(酸素)を含有するガスの供給量が定常状態に達する前に行うことを特徴とする付記1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
(付記8)
前記CVDチャンバ内へのBi(ビスマス)の導入を停止する工程を、前記第2の金属元素を含有するガスの供給量が定常状態に達した後に行うことを特徴とする付記2に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
前記CVDチャンバ内へのBi(ビスマス)の導入を停止する工程を、前記第2の金属元素を含有するガスの供給量が定常状態に達した後に行うことを特徴とする付記2に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
(付記9)
前記CVDチャンバ内へのBi(ビスマス)の導入を停止する工程を、前記第2の金属元素を含有するガスの供給量が定常状態に達する前に行うことを特徴とする付記2に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
前記CVDチャンバ内へのBi(ビスマス)の導入を停止する工程を、前記第2の金属元素を含有するガスの供給量が定常状態に達する前に行うことを特徴とする付記2に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
(付記10)
前記下部電極膜は、Ru(ルテニウム)膜又はRuO2(酸化ルテニウム)膜であることを特徴とする付記4に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
前記下部電極膜は、Ru(ルテニウム)膜又はRuO2(酸化ルテニウム)膜であることを特徴とする付記4に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
(付記11)
前記上部電極膜は、Ru(ルテニウム)膜又はRuO2(酸化ルテニウム)膜であることを特徴とする付記5に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
前記上部電極膜は、Ru(ルテニウム)膜又はRuO2(酸化ルテニウム)膜であることを特徴とする付記5に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
(付記12)
前記下部導電性化合物膜は、Ru(ルテニウム)、Bi(ビスマス)及びO(酸素)からなることを特徴とする付記4に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
前記下部導電性化合物膜は、Ru(ルテニウム)、Bi(ビスマス)及びO(酸素)からなることを特徴とする付記4に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
(付記13)
前記上部導電性化合物膜は、Ru(ルテニウム)、Bi(ビスマス)及びO(酸素)からなることを特徴とする付記5に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
前記上部導電性化合物膜は、Ru(ルテニウム)、Bi(ビスマス)及びO(酸素)からなることを特徴とする付記5に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
(付記14)
Bi(ビスマス)の有機化合物、前記強誘電体膜用金属元素及び前記金属元素の有機化合物を同一の気化器を用いて気化することを特徴とする付記1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
Bi(ビスマス)の有機化合物、前記強誘電体膜用金属元素及び前記金属元素の有機化合物を同一の気化器を用いて気化することを特徴とする付記1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
(付記15)
Bi(ビスマス)の有機化合物、前記強誘電体膜用金属元素及び前記金属元素の有機化合物を同一の気化器を用いて気化することを特徴とする付記2に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
Bi(ビスマス)の有機化合物、前記強誘電体膜用金属元素及び前記金属元素の有機化合物を同一の気化器を用いて気化することを特徴とする付記2に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
(付記16)
前記気化器には、Bi(ビスマス)の有機化合物及び前記強誘電体膜用金属元素の供給手段と、前記金属元素の有機化合物の供給手段とが接続されていることを特徴とする付記14に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
前記気化器には、Bi(ビスマス)の有機化合物及び前記強誘電体膜用金属元素の供給手段と、前記金属元素の有機化合物の供給手段とが接続されていることを特徴とする付記14に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
(付記17)
前記気化器には、Bi(ビスマス)の有機化合物及び前記強誘電体膜用金属元素の供給手段と、前記金属元素の有機化合物の供給手段とが接続されていることを特徴とする付記15に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
前記気化器には、Bi(ビスマス)の有機化合物及び前記強誘電体膜用金属元素の供給手段と、前記金属元素の有機化合物の供給手段とが接続されていることを特徴とする付記15に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
(付記18)
前記CVDチャンバ内へのガスの供給を開始してから、前記CVDチャンバ内での成膜を終了するまでの間、前記CVDチャンバ内のシャワーヘッドの温度及び基板温度を一定に保持することを特徴とする付記1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
前記CVDチャンバ内へのガスの供給を開始してから、前記CVDチャンバ内での成膜を終了するまでの間、前記CVDチャンバ内のシャワーヘッドの温度及び基板温度を一定に保持することを特徴とする付記1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
(付記19)
前記CVDチャンバ内へのガスの供給を開始してから、前記CVDチャンバ内での成膜を終了するまでの間、前記CVDチャンバ内のシャワーヘッドの温度及び基板温度を一定に保持することを特徴とする付記2に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
前記CVDチャンバ内へのガスの供給を開始してから、前記CVDチャンバ内での成膜を終了するまでの間、前記CVDチャンバ内のシャワーヘッドの温度及び基板温度を一定に保持することを特徴とする付記2に記載の強誘電体キャパシタの製造方法。
以上詳述したように、本発明によれば、電極膜の形成と強誘電体膜の形成とを1つのチャンバ内で連続して行うことができる。このため、製造時間を短縮すると共に、製造設備のコストを低減することができる。また、ウェハの搬送回数が低減されるため、搬送中に生じ得るコンタミネーションが抑制され、高い信頼性を得ることができる。更に、導電性化合物膜の形成により、強誘電体膜中でのリーク電流を大幅に低減することができる。
Claims (19)
- Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜を備えた強誘電体キャパシタの製造方法は、
CVDチャンバ内に、第1の金属元素を含有するガスを導入して、前記第1の金属元素を含有する下部電極膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内に、前記第1の金属元素を含有するガスを導入しつづけながら、更にBi(ビスマス)及びO(酸素)を含有するガスを導入して、前記下部電極膜上に前記第1の金属元素及びBi(ビスマス)を含有する第1の導電性化合物膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内への前記第1の金属元素の導入を停止する工程と、
前記CVDチャンバ内に、Bi(ビスマス)及びO(酸素)を含有するガスを導入しつづけながら、更に前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜を構成する金属元素のうちBi(ビスマス)を除く強誘電体膜用金属元素を含有するガスを導入して、前記第1の導電性化合物膜上に前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内へのBi(ビスマス)及び前記強誘電体膜用金属元素の導入を停止する工程と、
前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜上に上部電極膜を形成する工程と、
を有する。 - Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜を備えた強誘電体キャパシタの製造方法は、
下部電極膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内に、Bi(ビスマス)、前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜を構成する金属元素のうちBi(ビスマス)を除く強誘電体膜用金属元素及びO(酸素)を含有するガスを導入して、前記下部電極膜上に前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内への前記強誘電体膜用金属元素の導入を停止する工程と、
前記CVDチャンバ内に、Bi(ビスマス)及びO(酸素)を含有するガスを導入しつづけながら、第2の金属元素を含有するガスを導入して、前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜上に前記第2の金属元素及びBi(ビスマス)を含有する第2の導電性化合物膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内へのBi(ビスマス)の導入を停止する工程と、
前記CVDチャンバ内に、前記第2の金属元素を含有するガスを導入しつづけて、前記第2の導電性化合物膜上に前記第2の金属元素を含有する上部電極膜を形成する工程と、
を有する。 - 請求項1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法において、
前記CVDチャンバ内へのBi(ビスマス)及び前記強誘電体膜用金属元素の導入を停止する工程は、
前記CVDチャンバ内への前記強誘電体膜用金属元素の導入を停止する工程と、
前記CVDチャンバ内に、Bi(ビスマス)及びO(酸素)を含有するガスを導入しつづけながら、第2の金属元素を含有するガスを導入して、前記Bi(ビスマス)層状系強誘電体膜上に前記第2の金属元素及びBi(ビスマス)を含有する第2の導電性化合物膜を形成する工程と、
前記CVDチャンバ内へのBi(ビスマス)の導入を停止する工程と、
を有し、
前記上部電極膜を形成する工程は、
前記CVDチャンバ内に、前記第2の金属元素を含有するガスを導入しつづけて、前記第2の導電性化合物膜上に前記第2の金属元素を含有する上部電極膜を形成する工程を有する。 - 請求項1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法において、
前記第1の金属元素は、Ru(ルテニウム)である。 - 請求項2に記載の強誘電体キャパシタの製造方法において、
前記第2の金属元素は、Ru(ルテニウム)である。 - 請求項1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法において、
前記CVDチャンバ内への前記第1の金属元素の導入を停止する工程を、Bi(ビスマス)及びO(酸素)を含有するガスの供給量が定常状態に達した後に行う。 - 請求項1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法において、
前記CVDチャンバ内への前記第1の金属元素の導入を停止する工程を、Bi(ビスマス)及びO(酸素)を含有するガスの供給量が定常状態に達する前に行う。 - 請求項2に記載の強誘電体キャパシタの製造方法において、
前記CVDチャンバ内へのBi(ビスマス)の導入を停止する工程を、前記第2の金属元素を含有するガスの供給量が定常状態に達した後に行う。 - 請求項2に記載の強誘電体キャパシタの製造方法において、
前記CVDチャンバ内へのBi(ビスマス)の導入を停止する工程を、前記第2の金属元素を含有するガスの供給量が定常状態に達する前に行う。 - 請求項4に記載の強誘電体キャパシタの製造方法において、
前記下部電極膜は、Ru(ルテニウム)膜又はRuO2(酸化ルテニウム)膜である。 - 請求項5に記載の強誘電体キャパシタの製造方法
前記上部電極膜は、Ru(ルテニウム)膜又はRuO2(酸化ルテニウム)膜である。 - 請求項4に記載の強誘電体キャパシタの製造方法において、
前記下部導電性化合物膜は、Ru(ルテニウム)、Bi(ビスマス)及びO(酸素)からなる。 - 請求項5に記載の強誘電体キャパシタの製造方法において、
前記上部導電性化合物膜は、Ru(ルテニウム)、Bi(ビスマス)及びO(酸素)からなる。 - 請求項1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法において、
Bi(ビスマス)の有機化合物、前記強誘電体膜用金属元素及び前記金属元素の有機化合物を同一の気化器を用いて気化する。 - 請求項2に記載の強誘電体キャパシタの製造方法において、
Bi(ビスマス)の有機化合物、前記強誘電体膜用金属元素及び前記金属元素の有機化合物を同一の気化器を用いて気化する。 - 請求項14に記載の強誘電体キャパシタの製造方法において、
前記気化器には、Bi(ビスマス)の有機化合物及び前記強誘電体膜用金属元素の供給手段と、前記金属元素の有機化合物の供給手段とが接続されている。 - 請求項15に記載の強誘電体キャパシタの製造方法において、
前記気化器には、Bi(ビスマス)の有機化合物及び前記強誘電体膜用金属元素の供給手段と、前記金属元素の有機化合物の供給手段とが接続されている。 - 請求項1に記載の強誘電体キャパシタの製造方法において、
前記CVDチャンバ内へのガスの供給を開始してから、前記CVDチャンバ内での成膜を終了するまでの間、前記CVDチャンバ内のシャワーヘッドの温度及び基板温度を一定に保持する。 - 請求項2に記載の強誘電体キャパシタの製造方法において、
前記CVDチャンバ内へのガスの供給を開始してから、前記CVDチャンバ内での成膜を終了するまでの間、前記CVDチャンバ内のシャワーヘッドの温度及び基板温度を一定に保持する。
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- 2003-02-19 WO PCT/JP2003/001773 patent/WO2004075296A1/ja active Application Filing
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