JPWO2004073742A1 - B型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質の分解阻害剤 - Google Patents

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Abstract

キャスペース−1によりB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(XIP)が切断されて分解することおよびその切断認識部位を見出したことに基づいて、XIPの分解阻害、より具体的にはキャスペース−1によるXIPの分解阻害、XIPの分解に基づく疾患の予防および/または治療、B型肝炎ウイルスの複製および/または転写の阻害、B型肝炎の予防および/または治療、並びにB型肝炎ウイルスによる肝癌の予防および/または治療のための手段を提供する。

Description

本発明は、B型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(Hepatitis B virus x interacting protein;以下、XIPと略称することがある)の分解阻害、より具体的にはキャスペース−1(Caspase−1)によるXIPの分解阻害、XIPの分解に基づく疾患の予防および/または治療、B型肝炎ウイルス(Hepatitis B virus;以下、HBVと略称することがある)の複製および/または転写の阻害、B型肝炎の予防および/または治療、並びにHBVに起因する肝癌の予防および/または治療のための手段に関する。
キャスペース−1は広く組織に分布するシステインプロテアーゼであり、炎症性サイトカインの産生やアポトーシスの誘導に関与する。細胞質内では不活性体(プロ体)として存在し、細胞内外の刺激により活性体へと変換される。最近、D型肝炎ウイルスの感染と、キャスペース−1の発現量との相関が報告されている(非特許文献1)。
肝炎を引き起こす肝炎ウイルスはA型、B型、C型、D型およびE型の5つのゲノムタイプに類別される。最近では、F型やG型の存在も知られるようになってきている。
B型肝炎ウイルスは、急性肝炎および慢性肝炎を引き起こす(非特許文献2)。さらに、慢性的なHBV感染による慢性B型肝炎は肝細胞癌(hepatocellular carcinoma)へ進展することが知られている(非特許文献3)。肝細胞癌は、原発性肝癌(hepatic cancer)の中で最も多く見られる癌であり、肝癌の約9割を占める。B型肝炎の肝細胞癌への進展のメカニズムには、HBV遺伝子由来の蛋白質、例えばB型肝炎ウイルスx蛋白質(Hepatitis B virus x protein;以下、HBxと略称することがある)の関与が報告されている。
HBxは、DNA結合領域を持たないが、転写因子と相互作用することにより、様々なウイルスプロモーターや細胞のプロモーターのトランス作用因子として働く(非特許文献4)。すなわち、HBxはこれらプロモーターの転写活性を促進する。具体的には、HBxが、HBV由来の遺伝子の発現を増強し、HBVの複製を促進することが報告されている(非特許文献5)。また、HBxが、細胞増殖に関する細胞内情報伝達経路を活性化することが知られている。このようにHBxは、遺伝子の転写調節等の作用により、肝臓の発癌に関与すると考えられる(非特許文献4)。
一方、XIPは、HBxと結合する因子として肝細胞癌由来のcDNAライブラリーから発見され、HBxのHBV複製促進作用を抑制することが報告されている(非特許文献6)。
以下に本明細書で引用した文献を列記する。
非特許文献1:ジアン(Jiang Y.)ら、「Zhonghua Gan Zang Bing Za Zhi.」、2001年、第9巻、増刊:p.9−11。
非特許文献2:シーガー(Seeger C.)ら、「マイクロバイオロジー アンド モレキュラーバイオロジーレビューズ(Microbiology and Molecular Biology Reviews)」、2000年、第64巻、p.51−68。
非特許文献3:ビースレイ(Beasley RP.)ら、「ランセット(Lancet)」、1981年、第2巻、p.1129−1133。
非特許文献4:ラブ(Rabe C.)ら、「ダイジェスティブ ディジージィズ(Digestive Diseases)」、2001年、第19巻、p.279−287。
非特許文献5:ゼンミン(Zhenming Xu TS)ら、「ジャーナル オブ ヴィロロジー(Journal of Virology)」、2002年、第76巻、p.2579−2584。
非特許文献6:メレガリ(Melegari M.)ら、「ジャーナル オブ ヴィロロジー(Journal of Virology)」、1998年、第72巻、p.1737−1743。
非特許文献7:ウルマー(Ulmer)、「サイエンス(Science)」、1983年、第219巻、p.666−671。
非特許文献8:「ペプチド合成」(日本国)、丸善株式会社、1975年。
非特許文献9:「ペプチド合成(Peptide Synthesis)」(米国)、インターサイエンス、1996年。
本発明においては、キャスペース−1と相互作用する蛋白質を見出し、キャスペース−1による当該蛋白質の分解に基づく疾患の予防手段および/または治療手段を提供すべく種々の検討を重ねた。
そして、キャスペース−1がXIPと相互作用することをインシリコ(in silico)で予測した。さらに、キャスペース−1によりXIPが切断され分解されることを実験的に明らかにし、キャスペース−1によるXIPの切断部位を見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明の一態様は、キャスペース−1によるXIPの切断を阻害することを特徴とする、XIPの分解に基づく疾患の予防剤および/または治療剤に関する。
また、本発明の一態様は、キャスペース−1によるXIPの切断を阻害することを特徴とする、HBVの複製および/または転写の阻害剤に関する。
さらに、本発明の一態様は、キャスペース−1によるXIPの切断を阻害することを特徴とする、抗HBV剤に関する。
さらにまた、本発明の一態様は、キャスペース−1によるXIPの切断を阻害することを特徴とする、B型肝炎の予防剤および/または治療剤に関する。
また、本発明の一態様は、キャスペース−1によるXIPの切断を阻害することを特徴とする、肝癌の予防剤および/または治療剤に関する。
さらに、本発明の一態様は、配列表の配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6または配列番号7に記載のアミノ酸配列からなるペプチドに関する。
さらにまた、本発明の一態様は、配列表の配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6または配列番号7に記載のアミノ酸配列を含有するペプチドに関する。
また、本発明の一態様は、上記ペプチドを含んでなるXIP分解阻害剤に関する。
さらに、本発明の一態様は、上記ペプチドを含んでなり、キャスペース−1によるXIPの切断を阻害することを特徴とするXIP分解阻害剤に関する。
さらにまた、本発明の一態様は、上記分解阻害剤を含んでなる医薬組成物に関する。
また、本発明の一態様は、上記分解阻害剤を含んでなるXIPの分解に基づく疾患の予防剤および/または治療剤に関する。
さらに、本発明の一態様は、上記分解阻害剤を含んでなるHBVの複製および/または転写の阻害剤に関する。
さらにまた、本発明の一態様は、上記分解阻害剤を含んでなる抗HBV剤に関する。
また、本発明の一態様は、上記分解阻害剤を含んでなるB型肝炎の予防剤および/または治療剤に関する。
さらに、本発明の一態様は、上記分解阻害剤を含んでなる肝癌の予防剤および/または治療剤に関する。
さらにまた、本発明の一態様は、キャスペース−1を阻害する工程を含むXIPの分解阻害方法に関する。
また、本発明の一態様は、キャスペース−1によるXIPの切断を阻害する工程を含むXIPの分解阻害方法に関する。
さらに、本発明の一態様は、上記分解阻害方法を用いることを特徴とするXIPの分解に基づく疾患の予防方法および/または治療方法に関する。
さらにまた、本発明の一態様は、上記分解阻害方法を用いることを特徴とするHBVの複製および/または転写の阻害方法に関する。
また、本発明の一態様は、上記分解阻害方法を用いることを特徴とするB型肝炎の予防方法および/または治療方法に関する。
さらに、本発明の一態様は、上記分解阻害方法を用いることを特徴とする肝癌の予防方法および/または治療方法に関する。
さらにまた、本発明の一態様は、上記分解阻害剤を用いることを特徴とするXIPの分解に基づく疾患の予防方法および/または治療方法に関する。
また、本発明の一態様は、上記分解阻害剤を用いることを特徴とするHBVの複製および/または転写の阻害方法に関する。
さらに、本発明の一態様は、上記分解阻害剤を用いることを特徴とするB型肝炎の予防方法および/または治療方法に関する。
さらにまた、本発明の一態様は、上記分解阻害剤を用いることを特徴とする肝癌の予防方法および/または治療方法に関する。
また、本発明の一態様は、XIPの分解阻害剤の同定方法であって、キャスペース−1によるXIPの切断を可能にする条件下、キャスペース−1および/またはXIPを化合物と接触させ、ついでXIPの分解を検出することができるシグナルおよび/またはマーカーを使用する系を用いて、該シグナルおよび/またはマーカーの存在若しくは不存在および/または変化を検出することにより、該化合物がXIPの分解を阻害するか否かを決定することを特徴とする同定方法に関する。
さらに、本発明の一態様は、XIPの分解阻害剤の同定方法であって、キャスペース−1によるXIPの切断を可能にする条件下、キャスペース−1および/またはXIPを化合物と接触させ、ついでXIP量またはXIP分解物量の存在若しくは不存在および/または変化を検出することにより、該化合物がXIPの分解を阻害するか否かを決定することを特徴とする同定方法に関する。
さらにまた、本発明の一態様は、上記同定方法により同定された化合物に関する。
また、本発明の一態様は、キャスペース−1、キャスペース−1をコードするポリヌクレオチドおよびキャスペース−1をコードするポリヌクレオチドを含有するベクターのうちの少なくともいずれか1つと、XIP、XIPをコードするポリヌクレオチドおよびXIPをコードするポリヌクレオチドを含有するベクターのうちの少なくともいずれか1つを含んでなるキットに関する。
第1図は、XIP(配列番号1)のキャスペース−1による切断認識部位を示す図である。アミノ酸配列は1文字表記し、切断部位は「/」で示した。
第2図は、キャスペース−1(CASP1)とXIP(配列番号1)の相互作用をインシリコで予測した結果を示す図である。キャスペース−1とXIP(配列番号1)の間でローカルアライメントを行い、高いスコア(score)を示した領域を図示した。アミノ酸配列は1文字表記した。(実施例1)
第3図は、キャスペース−1が、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)とXIP(配列番号1)の融合蛋白質(GST−XIP)を切断したが、GSTは切断しなかったことを示す図である。図中の「+」および「−」はそれぞれ、キャスペース−1の有無を示す。各矢印は、図示したように、GST−XIPまたはGSTを示す。矢頭は、GST−XIPがキャスペース−1により切断され分解されて生じた断片を示す。(実施例2)
第4図は、GSTとXIP(配列番号1)の融合蛋白質(GST−XIP)がキャスペース−1により切断されて生じる高分子量側の断片および/または低分子量側の断片が、XIP変異体とGSTの融合蛋白質〔GST−XIP(D25A)、GST−XIP(D39A)、GST−XIP(D58A)、GST−XIP(D70A)、GST−XIP(D25A,D70A)〕がキャスペース−1により切断されて生じた断片中に見出されたことを示す図である。また、GST−XIP(D25A,D70A)の断片には、上記断片を示す2つのバンド以外に、別な断片を示すバンドが検出された。このバンドは、GST−XIP(D25A,D70A,D80A)の断片には検出されなかった。図中の「+」および「−」はそれぞれ、キャスペース−1の有無を示す。(実施例4)
本発明は、参照によりここに援用されるところの、日本国特許出願番号第2003−045711号からの優先権を請求するものである。
本明細書中で使用されている技術的および科学的用語は、別途定義されていない限り、当業者により通常に理解される意味を持つ。本明細書中では当業者に既知の種々の方法が参照されている。そのような引用されている公知の方法を開示する刊行物等の資料は、引用により、本明細書中にそれらの全体が完全に記載されていると見なす。
以下、本発明について発明の実施の態様をさらに詳しく説明する。以下の詳細な説明は例示に過ぎず、本発明を何ら限定しない。
本発明においては、キャスペース−1とXIP(配列番号1)が相互作用することを、国際公開WO01/67299号公報記載の方法に従ってインシリコで予測した。さらに実験的に、キャスペース−1がXIP(配列番号1)を切断し分解することを初めて明らかにした。
XIP(配列番号1)のアミノ酸配列において、キャスペース−1による切断認識配列は、HLED/T(配列番号2)、LCTD/S(配列番号3)、TLSD/E(配列番号4)、LTSD/PTD/I(配列番号5)、LESD/N(配列番号6)およびQKHD/G(配列番号7)であると予想された(図1参照)。ここで、アミノ酸配列は1文字表記により記載した。アミノ酸配列中の「/」は切断部位を表わす。また、キャスペース−1による切断認識配列とは、キャスペース−1により認識される配列であって切断される部位を含む配列を意味する。
XIP(配列番号1)は、HBxと結合してそのHBV複製促進作用を抑制することが知られている(非特許文献6)。HBxは、HBV複製促進作用の他に、様々なウイルスプロモーターや細胞のプロモーターの転写活性を促進すること、および細胞増殖に係わる細胞内情報伝達経路を活性化することが知られている。これらから、XIP(配列番号1)は、HBxに結合してその作用を抑制することにより、ウイルス、例えばHBVの複製および/または転写や、細胞の異常な増殖を抑制する防御因子であると考えられる。
発明者らは、キャスペース−1によりXIP(配列番号1)が切断されて分解し、その結果、HBxの作用の抑制が解除され、それによりウイルス、例えばHBVの複製および/または転写や、細胞の異常な増殖が引き起こされると考えた。例えば、B型肝炎の発症および進行、並びに肝癌への進展のメカニズムにおいて、キャスペース−1がXIP(配列番号1)を分解して切断することにより、XIP(配列番号1)のHBV複製抑制作用が解除されるという経路が存在すると考えられる。
したがって、キャスペース−1によるXIP(配列番号1)の切断を阻害することにより、例えば、HBxの作用の抑制が可能になり、その結果HBVの複製および/または転写や細胞の異常な増殖の抑制が可能になる。さらには、XIP(配列番号1)の分解に基づく疾患の予防および/または治療が可能になる。具体的には、例えば、B型肝炎の発症および進行、並びに肝癌への進展を阻害することが可能になる。
これら知見に基づいて達成した本発明の一態様は、XIP分解阻害剤に関する。上記XIP分解阻害剤は好ましくは、キャスペース−1によるXIP(配列番号1)の切断を阻害することを特徴とする。
ここでXIP(配列番号1)の分解とは、XIP(配列番号1)のペプチド結合がそのアミノ酸配列のある箇所で切断され、その結果、XIP(配列番号1)が断片化されることをいう。また、阻害剤とは、ある機能に対して阻害効果を奏する化合物(後述する例として競合阻害効果を有するペプチド類、抗体および低分子化合物等が挙げられる)あるいは該化合物を含む組成物をいう。すなわち、XIP分解阻害剤とは、XIP(配列番号1)の分解を阻害する効果を奏する化合物あるいは該化合物を含む組成物を意味する。
本発明に係る分解阻害剤は、XIP(配列番号1)の分解を阻害する化合物、好ましくはキャスペース−1によるXIP(配列番号1)の切断を阻害する化合物を含んでなる。より好ましくは、キャスペース−1によるXIP(配列番号1)の切断を特異的に阻害する化合物を含んでなる。キャスペース−1によるXIP(配列番号1)の切断を特異的に阻害する化合物とは、キャスペース−1によるXIP(配列番号1)の切断を強く阻害するが、キャスペース−1による他の蛋白質の切断を阻害しないか、弱く阻害する化合物を意味する。
このような化合物として、キャスペース−1の酵素活性を阻害する化合物や、キャスペース−1とXIP(配列番号1)の相互作用を阻害する化合物等が挙げられる。ここで、「キャスペース−1とXIP(配列番号1)の相互作用」とは、キャスペース−1とXIP(配列番号1)がある様式により互いに作用を及ぼし、その結果、具体的にはXIP(配列番号1)が切断されて分解されることをいう。上記「ある様式」には、例えば結合、接触あるいは近接等が含まれるが、結果として互いに作用を及ぼし得る様式であればいずれの様式であってもよい。
キャスペース−1とXIP(配列番号1)の相互作用を阻害する化合物として、具体的には例えば、両蛋白質が相互作用する部位のアミノ酸配列からなるペプチドを例示できる。特に、キャスペース−1の基質となるXIP(配列番号1)由来のかかるペプチドは、両蛋白質の相互作用を競合的に阻害し、キャスペース−1によるXIP(配列番号1)の切断を阻害できるため有用である。このようなペプチドは、キャスペース−1またはXIP(配列番号1)のアミノ酸配列から設計し、自体公知のペプチド合成法により合成したペプチドから、キャスペース−1によるXIP(配列番号1)の切断を阻害するペプチドを選択することにより取得できる。選択は、後述するような、XIP(配列番号1)の分解を阻害する化合物の同定方法を利用して実施可能である。ここでペプチドとは、ペプチド結合または修飾されたペプチド結合により互いに結合している2個以上のアミノ酸を含むもの、例えば、ポリペプチドまたはオリゴペプチド等を意味する。
このようなペプチドとして、キャスペース−1によるXIP(配列番号1)の切断認識配列からなるペプチドが好適である。具体的には、HLED/T(配列番号2)、LCTD/S(配列番号3)、TLSD/E(配列番号4)、LTSD/PTD/I(配列番号5)、LESD/N(配列番号6)およびQKHD/G(配列番号7)等を例示できる。
キャスペース−1が少なくとも、XIP(配列番号1)の第25、70、80番目の各アスパラギン酸(D)のC末端側を切断することを実験的に明らかにしたことから、XIP(配列番号1)のアミノ酸配列中のこれら各アスパラギン酸を含む部分配列からなるペプチドがさらに好適である。XIP(配列番号1)の第25番目のアスパラギン酸(D)を含むペプチドとしてLCTD/S(配列番号3)、第70番目のアスパラギン酸(D)を含むペプチドとしてLESD/N(配列番号6)、また第80番目のアスパラギン酸(D)を含むペプチドとしてQKHD/G(配列番号7)を例示できる。
さらに、配列番号2から7のいずれか1つまたは2つ以上のアミノ酸配列を含むペプチドも、同様にXIP分解阻害剤の有効成分として使用できる。XIP分解阻害剤に使用できるこのようなペプチドの範囲にXIP(配列番号1)自体は含まれない。また、上記ペプチドに1個乃至数個のアミノ酸の欠失、置換、付加または挿入等の変異が導入されたペプチドも、上記阻害剤の有効成分として使用できる。配列番号2から7のいずれか1つまたは2つ以上のアミノ酸配列を含むペプチド、あるいは上記のような変異が導入されたペプチドは、さらにキャスペース−1によるXIP(配列番号1)の切断を阻害するペプチドが好ましい。変異が導入されたペプチドは天然に存在するペプチドであってよく、また変異を導入したペプチドであってもよい。欠失、置換、付加または挿入等の変異を導入する手段は自体公知であり、例えばウルマーの技術(非特許文献7)を利用できる。このような変異の導入において、当該ペプチドの基本的な性質(物性、機能または免疫学的活性等)を変化させないという観点から、例えば、同族アミノ酸(極性アミノ酸、非極性アミノ酸、疎水性アミノ酸、親水性アミノ酸、陽性荷電アミノ酸、陰性荷電アミノ酸および芳香族アミノ酸等)の間での相互の置換は容易に想定される。さらに、これら利用できるペプチドは、その構成アミノ基またはカルボキシル基等を、例えばアミド化修飾する等、機能の著しい変更を伴わない程度に改変が可能である。
上記ペプチドは、ペプチド化学において知られる一般的な方法で製造できる。例えば、成書(非特許文献8および9)に記載の方法が例示されるが、これらに限らず公知の方法が広く利用可能である。具体的には、通常の液相法および固相法によるペプチド合成法、例えばFmoc法等を挙げることができる。または市販のアミノ酸合成装置を用いて製造可能である。あるいは遺伝子工学的手法により取得することもできる。例えば目的とするペプチドをコードする遺伝子を宿主細胞中で発現できる組換えDNA(発現ベクター)を作成し、これを適当な宿主細胞、例えば大腸菌にトランスフェクションして形質転換体を得る。該形質転換体を培養し、得られる培養物から目的とするペプチドを回収することにより、ペプチドの製造が可能である。
XIP(配列番号1)の分解を阻害する化合物として、その他に、キャスペース−1またはXIP(配列番号1)を認識する抗体であって、キャスペース−1によるXIP(配列番号1)の切断を阻害する抗体を例示できる。このような抗体は、キャスペース−1またはXIP(配列番号1)自体、またはこれらの断片ペプチド、好ましくはこれらが相互作用する部位のアミノ酸配列からなるペプチドを抗原として、自体公知の抗体作製法により取得できる。
XIP(配列番号1)の分解を阻害する化合物として、さらに、後述する同定方法により得られた化合物、好ましくは低分子量化合物を挙げることができる。
本発明の一態様は、XIP(配列番号1)の分解を阻害する化合物の同定方法に関する。XIP(配列番号1)の分解を阻害する化合物の同定方法は、キャスペース−1またはXIP(配列番号1)、これらをコードする各遺伝子、該遺伝子を組込んだベクター、該ベクターを導入されてなる形質転換体、あるいは該遺伝子を発現している細胞等を単独でまたは組み合わせて用い、自体公知の医薬品スクリーニングシステムを利用して構築可能である。
化合物の同定方法に使用するキャスペース−1およびXIP(配列番号1)は、一般的に知られている化学合成法や遺伝子工学的手法により取得できる。すなわち、これらは、化学合成産物、無細胞系合成産物、またはこれらを発現している若しくは発現させた細胞自体、あるいは該細胞や生体試料から調製した産物のいずれでもよく、これら産物からさらに精製された産物であってもよい。また、キャスペース−1とXIP(配列番号1)の相互作用、およびこれら蛋白質の機能、例えばキャスペース−1の蛋白質分解酵素活性やXIP(配列番号1)の酵素基質としての性質に影響がなければ、N末端側やC末端側に標識物質が付加されていてもよい。標識物質としては、別の蛋白質やポリペプチド、例えばGST、β−ガラクトシダーゼ、IgG等の免疫グロブリンFc断片、His−tag、Myc−tag、HA−tag、FLAG−tag、またはXpress−tag等のタグペプチド類、ビオチン、放射性同位体等が例示できる。これら標識物質は、直接的に、またはリンカーペプチド等を介して間接的に、遺伝子工学的手法等を用いて付加できる。これら標識物質自体またはその機能の測定により、キャスペース−1またはXIP(配列番号1)の精製または検出を容易に実施できる。また、これら標識物質は、例えば、キャスペース−1またはXIP(配列番号1)との相互作用の検出に利用可能である。
上記同定方法は、キャスペース−1によるXIP(配列番号1)の切断を可能にする条件を選択し、当該条件下でキャスペース−1および/またはXIP(配列番号1)を調べようとする化合物(被検化合物)と接触させ、ついでXIP(配列番号1)の分解を検出できるシグナルおよび/またはマーカーを使用する系を用いて、このシグナルおよび/またはマーカーの存在若しくは不存在および/または変化を検出することにより実施できる。キャスペース−1によるXIP(配列番号1)の切断を可能にする条件は、インビトロ(in vitro)およびインビボ(in vivo)のいずれの条件であってもよい。例えば、キャスペース−1およびXIP(配列番号1)を共発現させた細胞を用いることもできる。キャスペース−1および/またはXIP(配列番号1)と被検化合物の接触は、キャスペース−1とXIP(配列番号1)の反応前に行ってもよいし、当該反応に共存させることにより行ってもよい。ここでシグナルとは、それ自体がその物理的または化学的性質により直接検出され得る物質を指し、マーカーとはその物質の物理的または生物学的性質を指標として間接的に検出され得る物質を指す。シグナルとしてはルシフェラーゼ、グリーン蛍光蛋白質、および放射性同位体等、マーカーとしては、レポーター遺伝子、例えばクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子等、または検出用のエピトープタグ、例えば6×His−tag等、公知のシグナルが利用できる。これらシグナルまたはマーカーの検出方法は当業者には周知である。簡便には、XIP(配列番号1)の分解は、XIP量またはXIP分解物量の存在若しくは不存在および/または変化の検出により測定できる。XIP量またはXIP分解物量の定量は、自体公知の蛋白質またはペプチドの検出方法、例えばウェスタンブロッティング法等を用いて実施できる。
被検化合物としては、例えば化学ライブラリーや天然物由来の化合物、またはキャスペース−1やXIP(配列番号1)の一次構造や立体構造に基づいてドラッグデザインして得られた化合物等が挙げられる。あるいは、XIP(配列番号1)のキャスペース−1による切断認識部位のペプチドの構造に基づいてドラッグデザインして得られた化合物等も被検化合物として好適である。
上記ペプチドおよび上記同定方法で得られた化合物も、本発明の範囲に含まれる。上記ペプチドおよび/または上記化合物を、単独でまたは2つ以上を組み合わせて、本発明に係るXIP分解阻害剤を製造できる。例えば2つ以上のペプチドを組み合わせて製造したXIP分解阻害剤は、XIP(配列番号1)におけるキャスペース−1による数箇所の切断を阻害できるため、XIP(配列番号1)の分解阻害において高い効果が得られる場合がある。これらペプチドおよび化合物は、その他、試薬として利用できる。例えばXIP(配列番号1)やHBx等の、B型肝炎の発症、進行、および肝癌への進展のメカニズムへの関与を分子レベルで研究するために有用である。
上記ペプチドおよび/または上記化合物を含むXIP分解阻害剤は、生物学的有用性と毒性のバランスを考慮して選別することにより、医薬組成物として調製可能である。かかる医薬組成物も本発明の範囲に包含される。
本発明の一態様は、キャスペース−1によるXIP(配列番号1)の切断を阻害することを特徴とする、XIP(配列番号1)の分解に基づく疾患の予防剤および/または治療剤に関する。キャスペース−1によるXIP(配列番号1)の切断の阻害は、例えば、キャスペース−1の作用を阻害すること、あるいは、キャスペース−1とXIP(配列番号1)の相互作用を阻害することにより達成できる。キャスペース−1の作用の阻害は、例えば、キャスペース−1の酵素活性を阻害することにより実施できる。キャスペース−1の酵素活性を阻害することは、該活性を阻害し得る化合物を本発明に係る同定方法を利用して取得し、該化合物を利用して行うことができる。また、公知のキャスペース−1の酵素活性阻害剤を使用して実施することもできる。キャスペース−1とXIP(配列番号1)の相互作用の阻害は、例えば、本発明に係るペプチドおよび/または上記同定方法により得られた化合物を用いて実施可能である。すなわち、上記予防剤および/または治療剤として、上記化合物および上記ペプチドのうち少なくとも1つを含んでなる予防剤および/または治療剤を例示できる。
XIP(配列番号1)が、HBxによるHBVの複製および転写の抑制に関与していることから、XIP(配列番号1)の分解に基づく疾患としては、B型肝炎が挙げられる。キャスペース−1によるXIP(配列番号1)の切断を阻害することにより、HBxによるHBVの複製および転写を抑制することが可能になり、さらにB型肝炎の予防および/または治療が可能になる。また、B型肝炎から進展する肝癌の予防および/または治療も、キャスペース−1によるXIP(配列番号1)の切断を阻害することにより可能である。これらから、キャスペース−1によるXIP(配列番号1)の切断を阻害することを特徴とする、HBVの複製および/または転写の阻害剤、並びに抗B型肝炎ウイルス剤も本発明の範囲に包含される。また、キャスペース−1によるXIP(配列番号1)の切断を阻害することを特徴とする、B型肝炎の予防剤および/または治療剤、並びに肝癌の予防剤および/または治療剤も、同様に本発明に包含される。具体的には、上記化合物および上記ペプチドのうち少なくとも1つを含んでなる阻害剤並びに予防剤および/または治療剤を例示できる。
さらに、XIP(配列番号1)の分解に基づく疾患の予防剤および/または治療剤の有効成分として、本発明に係るXIP分解阻害剤を利用できる。上記XIP分解阻害剤はまた、HBVの複製および/または転写の阻害剤、並びに抗B型肝炎ウイルス剤の有効成分として使用できる。また、上記XIP分解阻害剤は、B型肝炎の発症および進行、並びに肝癌に対する予防剤および/または治療剤の有効成分として好適である。
本発明に係るXIP分解阻害剤、HBVの複製および/または転写の阻害剤、抗B型肝炎ウイルス剤、並びにXIP(配列番号1)の分解に基づく疾患、例えばB型肝炎や肝癌の予防剤および/または治療剤は、好ましくは、適当な医薬上許容される担体(医薬用担体)を含む。医薬用担体は、製剤の剤形に応じて通常使用される、充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤や賦形剤等を例示できる。例えば、水、医薬的に許容される有機溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、寒天、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース等が挙げられるが、これらに限らない。これらは、剤形に応じて適宜1種類または2種類以上を組み合わせて使用できる。さらに、所望により、通常の蛋白質製剤に使用され得る各種の成分、例えば安定化剤、殺菌剤、緩衝剤、等張化剤、キレート剤、pH調整剤等を適宜含むこともできる。
本発明に係るXIP分解阻害剤、HBVの複製および/または転写の阻害剤、抗B型肝炎ウイルス剤、並びにXIP(配列番号1)の分解に基づく疾患、例えばB型肝炎や肝癌の予防剤および/または治療剤に含まれる有効成分の量は、広範囲から適宜選択される。通常、約0.00001〜70重量%、好ましくは0.0001〜5重量%程度の範囲とするのが適当である。
用量範囲は特に限定されず、含有される成分の有効性、投与形態、投与経路、疾患の種類、対象の性質(体重、年齢、病状および他の医薬の使用の有無等)、および担当医師の判断等に応じて適宜選択される。一般的には適当な用量は、例えば対象の体重1kgあたり約0.01μg乃至100mg程度、好ましくは約0.1μg〜1mg程度の範囲であることが好ましい。しかしながら、当該分野においてよく知られた最適化のための一般的な常套的実験によりこれら用量を変更できる。上記投与量は1日1〜数回に分けて投与することができ、数日または数週間に1回の割合で間欠的に投与してもよい。また、治療に必要な他の化合物または医薬を一緒に処方してもよい。
投与経路は、全身投与または局所投与のいずれも選択できる。この場合、疾患、症状等に応じた適当な投与経路を選択する。例えば、非経口経路として、通常の静脈内投与、動脈内投与の他、皮下、皮内、筋肉内等への投与が挙げられる。あるいは経口による投与も可能である。さらに、経粘膜投与または経皮投与も可能である。癌疾患に用いる場合は、腫瘍に注射等により直接投与することが好ましい。
剤形としては、各種の投与形態が治療目的に応じて選択できる。その代表例には、錠剤、丸剤、散剤、粉末剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤等の固体投与形態や、水溶液製剤、エタノール溶液製剤、懸濁剤、脂肪乳剤、リポソーム製剤、シクロデキストリン等の包接体、シロップ、エリキシル等の液剤投与形態が含まれる。これらは更に投与経路に応じて経口剤、非経口剤(点滴剤、注射剤)、経鼻剤、吸入剤、経膣剤、坐剤、舌下剤、点眼剤、点耳剤、軟膏剤、クリーム剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤等に分類され、それぞれ通常の方法に従い、調合、成形、調製することができる。
散剤、丸剤、カプセル剤および錠剤は、ラクトース、グルコース、シュークロースおよびマンニトール等の賦形剤、澱粉およびアルギン酸ソーダ等の崩壊剤、マグネシウムステアレートおよびタルク等の滑沢剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロースおよびゼラチン等の結合剤、脂肪酸エステル等の界面活性剤、およびグリセリン等の可塑剤等を用いて製造できる。錠剤やカプセルを製造するには、固体の製薬担体が用いられる。
懸濁剤は、水、シュークロース、ソルビトールおよびフラクトース等の糖類、ポリエチレングリコール等のグリコール類、および油類を使用して製造できる。
注射用の溶液は、塩溶液、グルコース溶液、または塩水とグルコース溶液の混合物からなる担体を用いて調製可能である。
リポソーム化は、例えばリン脂質を有機溶媒(クロロホルム等)に溶解した溶液に、上記有効成分を溶媒(エタノール等)に溶解した溶液を加えた後、溶媒を留去し、これにリン酸緩衝液を加え、振とう、超音波処理および遠心処理した後、上清をろ過処理して回収することにより行い得る。
脂肪乳剤化は、例えば上記有効成分、油成分(大豆油、ゴマ油およびオリーブ油等の植物油、MCT等)、および乳化剤(リン脂質等)等を混合、加熱して溶液とした後に、必要量の水を加え、乳化機(ホモジナイザー、例えば高圧噴射型や超音波型等)を用いて、乳化・均質化処理して行い得る。また、これを凍結乾燥化することも可能である。なお、脂肪乳剤化するとき、乳化助剤を添加してもよく、乳化助剤としては、例えばグリセリンや糖類(例えばブドウ糖、ソルビトールおよび果糖等)が例示される。
シクロデキストリン包接化は、例えば上記有効成分を溶媒(エタノール等)に溶解した溶液に、シクロデキストリンを水等に加温溶解した溶液を加えた後、冷却して析出した沈殿をろ過し、滅菌乾燥することにより行い得る。この際、使用されるシクロデキストリンは、上記有効成分の大きさに応じて、空隙直径の異なるシクロデキストリン(α、β、γ型)を適宜選択すればよい。
本発明の一態様はまた、XIP(配列番号1)の分解阻害方法に関する。本発明に係るXIP(配列番号1)の分解阻害方法は、例えば、キャスペース−1の作用を阻害することにより実施できる。あるいは、XIP(配列番号1)の分解阻害方法は、キャスペース−1とXIP(配列番号1)の相互作用を阻害することにより達成できる。キャスペース−1の作用の阻害、およびキャスペース−1とXIP(配列番号1)の相互作用の阻害は、上記したように実施可能である。
本発明に係るXIP(配列番号1)の分解阻害方法を用いることにより、XIP(配列番号1)の分解に基づく疾患の予防方法および/または治療方法を実施できる。XIP(配列番号1)がHBxによるHBVの複製および転写を抑制することから、上記XIP(配列番号1)の分解阻害方法を用いて、HBVの複製および/または転写の阻害方法を達成できる。さらに、上記XIP(配列番号1)の分解阻害方法を用いることにより、B型肝炎およびB型肝炎に起因する肝癌の予防方法および/または治療方法を実施できる。
このような阻害方法並びに予防方法および/または治療方法はまた、上記XIP分解阻害剤を用いて実施可能である。例えば、上記予防方法および/または治療方法は、XIP(配列番号1)の分解に基づく疾患の罹患患者に上記XIP分解阻害剤を投与することにより達成できる。
上記阻害方法並びに疾患の予防方法および/または治療方法も、本発明の範囲に包含される。
本発明の一態様は、さらに試薬キットに関する。本発明の試薬キットは、キャスペース−1、キャスペース−1をコードするポリヌクレオチドおよびキャスペース−1をコードするポリヌクレオチドを含有するベクターのうちの少なくともいずれか1つと、XIP(配列番号1)、XIP(配列番号1)をコードするポリヌクレオチドおよびXIP(配列番号1)をコードするポリヌクレオチドを含有するベクターのうちの少なくともいずれか1つを含んでなる。上記キットは、例えば本発明に係る同定方法に使用できる。
キャスペース−1およびXIP(配列番号1)は、上記のように、一般的に知られている化学合成法や遺伝子工学的手法により取得できる。
キャスペース−1またはXIP(配列番号1)をコードするポリヌクレオチドは、ヒトcDNAライブラリーから自体公知の遺伝子工学的手法により調製できる。キャスペース−1またはXIP(配列番号1)をコードするポリヌクレオチドを含有するベクターは、上記ポリヌクレオチドを適当な発現DNAベクター、例えば細菌プラスミド由来のベクターに自体公知の遺伝子工学的手法で導入することにより得られる。
上記キットは、XIP(配列番号1)の分解を検出するためのシグナルおよび/またはマーカー、緩衝液、並びに塩等、必要とされる物質を含むことができる。さらに、安定化剤および/または防腐剤等の物質を含んでいてもよい。製剤化にあたっては、使用する各物質それぞれに応じた製剤化手段を導入すればよい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されない。
(キャスペース−1とXIP(配列番号1)の相互作用のインシリコでの探索)
キャスペース−1と相互作用する蛋白質を、国際公開第01/67299号公報に記載の予測方法に従ってインシリコで予測した。まず、キャスペース−1のアミノ酸配列をある長さのペプチドに分解し、各ペプチドのアミノ酸配列あるいはそのアミノ酸配列と相同なアミノ酸配列を持った蛋白質をデータベース中で検索した。ついで、得られた蛋白質とキャスペース−1との間でローカルアライメントを行い、ローカルアライメントのスコアが高い蛋白質をキャスペース−1と相互作用すると予測した。
解析の結果、キャスペース−1の部分配列である5アミノ酸残基からなるペプチドTSDSTおよびDSQGVとそれぞれ相同性のあるペプチドTSDPTおよびDSQGLが、XIP(配列番号1)のアミノ酸配列中に存在することが分かった(図2)。ここにおいて、アミノ酸配列は1文字表記する。さらに、キャスペース−1とXIP(配列番号1)との間でローカルアライメントを行なった結果、スコアが20以上に達した領域が4箇所見出された(図2)。この結果から、XIP(配列番号1)はキャスペース−1と相互作用する蛋白質であると予測した。
(キャスペース−1によるXIP切断の解析)
<材料>
ヒトXIP(配列番号1)のcDNAは、ヒト脳cDNAライブラリーから、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)により獲得した。ヒトXIP(配列番号1)のcDNAを、大腸菌用発現ベクターpGEX−4T(アマシャム社)へ組込み、XIP(配列番号1)の発現プラスミド、pGEX−4T−XIPを構築した。この発現プラスミドを用いて、XIP(配列番号1)のN末端にGST−tagが付加された融合蛋白質(以下、GST−XIPと呼称する)を得た。クローニングしたXIP cDNAのアミノ酸翻訳配列は、NCBI蛋白質データベースのアクセッション番号NP_006393の配列と同一であった。
<方法>
GST−XIPの作製と精製を次のように行った。まず、pGEX−4T−XIPを保持している大腸菌を対数増殖期(OD600=0.6−0.8)になるまで25℃で培養した。その後、イソプロピル−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド(IPTG)を終濃度0.1mMとなるように添加し、さらに25℃で4時間インキュベーションして発現誘導を行った。集菌後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、溶解用緩衝液(lysis buffer)(50mM Tris−HCl,pH7.5/1mM ジチオスレイトール(DTT)/1mM エチレンジアミン四酢酸/1mM フェニルメチルスルホニルフルオリド)に懸濁後、リゾチームを終濃度0.5mg/mlとなるように加え、氷中に30分間静置した。ノニデット P−40(Nonidet P−40)を終濃度1%となるように添加して超音波処理を行った後、遠心分離処理により上清を回収した。この上清から、グルタチオン−セファロース4Bを用いてGST−XIPを精製した。精製したGST−XIPは、透析用溶液(50mM HEPES,pH7.5/0.1% CHAPS/10mM DTT)で透析後、使用時まで−80℃で保存した。
キャスペース−1 プロテアーゼアッセイは次のように行った。50mM HEPES,pH7.5、0.1% CHAPSおよび10mM DTTを含む反応液中に、キャスペース−1(Calbiochem社)の存在下または非存在下でGST−XIPを添加し(反応液全量10μl)、37℃で2時間反応させた。陰性対照として、GST−XIPの代わりにGSTを用いて同様の反応を行った。反応後、2×ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)サンプルバッファーを10μl加え、100℃で2分間熱処理を行い、氷上で2分間放置した。このうち、10μlをSDS−PAGE(ゲル濃度10%)で展開し、抗GST抗体(アマシャム社)を用いたウェスタンブロット法にてGSTおよびGST−XIPを検出した。
<結果>
キャスペース−1とGST−XIPを反応させた結果、GST−XIPのバンドの減少とそれに伴う断片の増加が認められた(図3)。一方、GSTは、キャスペース−1により切断されなかった。このことから、キャスペース−1がXIP(配列番号1)を切断し分解することが判明した。
XIP(配列番号1)について、キャスペース−1により認識されて切断される部位のアミノ酸配列(切断認識配列)を検討した。キャスペース−1の既知基質における切断認識配列として、下記の配列が知られている:プロインターロイキン−1βのYVHD/A(配列番号8);プロインターロイキン−18のLESD/N(配列番号9);カルパスタチンのALDD/L(配列番号10)、LSSD/F(配列番号11)およびALAD/S(配列番号12);PITSLREキナーゼのYVPD/S(配列番号13);キャスペース−3のIETD/S(配列番号14);並びにアクチンのLVCD/N(配列番号15)およびELPD/G(配列番号16)。ここで、「/」は切断部位を表わす。これら配列との類似性から、キャスペース−1によるXIP(配列番号1)の切断認識配列は、HLED/T(配列番号2)、LCTD/S(配列番号3)、TLSD/E(配列番号4)、LTSD/PTD/I(配列番号5)、LESD/N(配列番号6)およびQKHD/G(配列番号7)であると推定できた(図1)。この結果は、XIP(配列番号1)がキャスペース−1により分解されることを支持する。
(キャスペース−1によるXIPの切断位置の同定)
<材料>
XIPのアミノ酸配列(配列番号1)中の1箇所あるいは数箇所のアスパラギン酸(D)がアラニン(A)に変換されたXIP変異体のN末端にGST−tagが付加されたGST−XIP変異体を発現させる各種GST−XIP変異体発現プラスミドを作製した。これら変異体発現プラスミドの作製は、実施例2で作成したXIP発現プラスミド、pGEX−4T−XIPを鋳型として、Quik Change Site−Directed Mutagenesis Kit(STRATAGENE社)を用いて行った。
上記GST−XIP変異体発現プラスミドを用いて、下記のGST−XIP変異体を作製した:XIPのアミノ酸配列(配列番号1)中の最初のメチオニンから第25、39、58または70番目のアスパラギン酸(D)がアラニン(A)に変換されたGST−XIP変異体;第25および70番目の2箇所のアスパラギン酸(D)がアラニン(A)に変換されたGST−XIP変異体;並びに、第25、70および80番目の3箇所のアスパラギン酸(D)がアラニン(A)に変換されたGST−XIP変異体。
<方法>
各GST−XIP変異体の作製と精製は、上記各GST−XIP変異体発現プラスミドを用いて、実施例2に記載の方法と同じ方法で行った。以下、XIPの第25、39、58または70番目のアスパラギン酸(D)をアラニン(A)に変換した各GST−XIP変異体を、それぞれGST−XIP(D25A)、GST−XIP(D39A)、GST−XIP(D58A)またはGST−XIP(D70A)と呼称する。第25および70番目の2箇所のアスパラギン酸(D)がアラニン(A)に変換されたGST−XIP変異体をGST−XIP(D25A,D70A)と呼称する。また、第25、70および80番目の3箇所のアスパラギン酸(D)がアラニン(A)に変換されたGST−XIP変異体をGST−XIP(D25A,D70A,D80A)と呼称する。
キャスペース−1 プロテアーゼアッセイは、GST−XIPおよび上記各GST−XIP変異体を用いて、実施例2に記載の方法と同じ方法で行った。
<結果>
結果を第4図に示す。キャスペース−1 プロテアーゼアッセイの結果、野生型XIPであるGST−XIPでは、断片が生じたことを示すバンドが2本認められた。この2本のバンドが示す断片のうち高分子量側に位置する断片は、GST−XIP(D25A)、GST−XIP(D39A)、GST−XIP(D58A)で検出されたが、GST−XIP(D70A)では検出されなかった。一方、低分子量側に位置する断片は、GST−XIP(D39A)、GST−XIP(D58A)、GST−XIP(D70A)で検出されたが、GST−XIP(D25A)では検出されなかった。
GST−XIP(D25A,D70A)を基質としたときには、上記断片以外に新たな別の断片が検出された。この断片は、GST−XIP(D25A,D70A,D80A)を基質としたときには検出されなかった。
以上の結果から、キャスペース−1は少なくとも、XIP(配列番号1)の第25、70、80番目の各アスパラギン酸(D)のC末端側を切断すると判定できた。
本発明ではキャスペース−1と相互作用する蛋白質XIP(配列番号1)を見出した。そして、その相互作用においてキャスペース−1がXIP(配列番号1)を切断し分解することを初めて明らかにし、その切断認識部位を見出した。XIP(配列番号1)は、HBV遺伝子由来の蛋白質HBxの作用を阻害する。HBxは、HBVの複製促進作用および転写活性化作用を有し、B型肝炎の発症、進行および肝癌への進展に関与すると考えられる。これらから、本発明において提供するXIP分解阻害剤および/またはXIP分解阻害方法は、HBVの複製および/または転写の阻害、B型肝炎の予防および/または治療、並びにHBVによる肝癌の予防および/または治療のために非常に有用である。
配列番号2:キャスペース−1により認識される、B型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(配列番号1)の部分配列。
配列番号3:キャスペース−1により認識される、B型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(配列番号1)の部分配列。
配列番号4:キャスペース−1により認識される、B型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(配列番号1)の部分配列。
配列番号5:キャスペース−1により認識される、B型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(配列番号1)の部分配列。
配列番号6:キャスペース−1により認識される、B型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(配列番号1)の部分配列。
配列番号7:キャスペース−1により認識される、B型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(配列番号1)の部分配列。
配列番号8:キャスペース−1により認識される、プロインターロイキン−1βの部分配列。
配列番号9:キャスペース−1により認識される、プロインターロイキン−18の部分配列。
配列番号10:キャスペース−1により認識される、カルパスタチンの部分配列。
配列番号11:キャスペース−1により認識される、カルパスタチンの部分配列。
配列番号12:キャスペース−1により認識される、カルパスタチンの部分配列。
配列番号13:キャスペース−1により認識される、PITSLREキナーゼの部分配列。
配列番号14:キャスペース−1により認識される、キャスペース−3の部分配列。
配列番号15:キャスペース−1により認識される、アクチンの部分配列。
配列番号16:キャスペース−1により認識される、アクチンの部分配列。
配列番号17:キャスペース−1とB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質とのローカルアライメントにおいて高いスコアを示す、キャスペース−1の部分配列。
配列番号18:キャスペース−1とB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質とのローカルアライメントにおいて高いスコアを示す、B型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質の部分配列。
配列番号19:キャスペース−1とB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質の配列において同一の部分配列。
配列番号20:キャスペース−1とB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質とのローカルアライメントにおいて高いスコアを示す、キャスペース−1の部分配列。
配列番号21:キャスペース−1とB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質とのローカルアライメントにおいて高いスコアを示す、B型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質の部分配列。
配列番号22:キャスペース−1とB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質とのローカルアライメントにおいて高いスコアを示す、キャスペース−1の部分配列。
配列番号23:キャスペース−1とB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質とのローカルアライメントにおいて高いスコアを示す、B型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質の部分配列。
配列番号24:キャスペース−1とB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質とのローカルアライメントにおいて高いスコアを示す、キャスペース−1の部分配列。
配列番号25:キャスペース−1とB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質とのローカルアライメントにおいて高いスコアを示す、B型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質の部分配列。
【配列表】
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Claims (29)

  1. キャスペース−1(Caspase−1)によるB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(XIP)の切断を阻害することを特徴とする、B型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(XIP)の分解に基づく疾患の予防剤および/または治療剤。
  2. キャスペース−1(Caspase−1)によるB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(XIP)の切断を阻害することを特徴とする、B型肝炎ウイルス(HBV)の複製および/または転写の阻害剤。
  3. キャスペース−1(Caspase−1)によるB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(XIP)の切断を阻害することを特徴とする、抗B型肝炎ウイルス(HBV)剤。
  4. キャスペース−1(Caspase−1)によるB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(XIP)の切断を阻害することを特徴とする、B型肝炎の予防剤および/または治療剤。
  5. キャスペース−1(Caspase−1)によるB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(XIP)の切断を阻害することを特徴とする、肝癌の予防剤および/または治療剤。
  6. 配列表の配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6または配列番号7に記載のアミノ酸配列からなるペプチド。
  7. 配列表の配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6または配列番号7に記載のアミノ酸配列を含有するペプチド。
  8. 請求の範囲第6項または第7項に記載のペプチドを含んでなるB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(XIP)分解阻害剤。
  9. 請求の範囲第6項または第7項に記載のペプチドを含んでなり、キャスペース−1(Caspase−1)によるB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(XIP)の切断を阻害することを特徴とするXIP分解阻害剤。
  10. 請求の範囲第8項または第9項に記載の阻害剤を含んでなる医薬組成物。
  11. 請求の範囲第8項または第9項に記載の阻害剤を含んでなるB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(XIP)の分解に基づく疾患の予防剤および/または治療剤。
  12. 請求の範囲第8項または第9項に記載の阻害剤を含んでなるB型肝炎ウイルス(HBV)の複製および/または転写の阻害剤。
  13. 請求の範囲第8項または第9項に記載の阻害剤を含んでなる抗B型肝炎ウイルス(HBV)剤。
  14. 請求の範囲第8項または第9項に記載の阻害剤を含んでなるB型肝炎の予防剤および/または治療剤。
  15. 請求の範囲第8項または第9項に記載の阻害剤を含んでなる肝癌の予防剤および/または治療剤。
  16. キャスペース−1(Caspase−1)を阻害する工程を含むB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(XIP)の分解阻害方法。
  17. キャスペース−1(Caspase−1)によるB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(XIP)の切断を阻害する工程を含むXIPの分解阻害方法。
  18. 請求の範囲第16項または第17項に記載の阻害方法を用いることを特徴とするB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(XIP)の分解に基づく疾患の予防方法および/または治療方法。
  19. 請求の範囲第16項または第17項に記載の阻害方法を用いることを特徴とするB型肝炎ウイルス(HBV)の複製および/または転写の阻害方法。
  20. 請求の範囲第16項または第17項に記載の阻害方法を用いることを特徴とするB型肝炎の予防方法および/または治療方法。
  21. 請求の範囲第16項または第17項に記載の阻害方法を用いることを特徴とする肝癌の予防方法および/または治療方法。
  22. 請求の範囲第8項または第9項に記載の阻害剤を用いることを特徴とするB型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(XIP)の分解に基づく疾患の予防方法および/または治療方法。
  23. 請求の範囲第8項または第9項に記載の阻害剤を用いることを特徴とするB型肝炎ウイルス(HBV)の複製および/または転写の阻害方法。
  24. 請求の範囲第8項または第9項に記載の阻害剤を用いることを特徴とするB型肝炎の予防方法および/または治療方法。
  25. 請求の範囲第8項または第9項に記載の阻害剤を用いることを特徴とする肝癌の予防方法および/または治療方法。
  26. B型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(XIP)の分解阻害剤の同定方法であって、キャスペース−1(Caspase−1)によるXIPの切断を可能にする条件下、Caspase−1および/またはXIPを化合物と接触させ、ついでXIPの分解を検出することができるシグナルおよび/またはマーカーを使用する系を用いて、該シグナルおよび/またはマーカーの存在若しくは不存在および/または変化を検出することにより、該化合物がXIPの分解を阻害するか否かを決定することを特徴とする同定方法。
  27. B型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(XIP)の分解阻害剤の同定方法であって、キャスペース−1(Caspase−1)によるXIPの切断を可能にする条件下、Caspase−1および/またはXIPを化合物と接触させ、ついでXIP量またはXIP分解物量の存在若しくは不存在および/または変化を検出することにより、該化合物がXIPの分解を阻害するか否かを決定することを特徴とする同定方法。
  28. 請求の範囲第26項または第27項に記載の同定方法により同定された化合物。
  29. キャスペース−1(Caspase−1)、Caspase−1をコードするポリヌクレオチドおよびCaspase−1をコードするポリヌクレオチドを含有するベクターのうちの少なくともいずれか1つと、B型肝炎ウイルスx相互作用蛋白質(XIP)、XIPをコードするポリヌクレオチドおよびXIPをコードするポリヌクレオチドを含有するベクターのうちの少なくともいずれか1つを含んでなるキット。
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