JPWO2004036471A1 - 電子決済方法並びに電子マネーの記録媒体及び処理装置 - Google Patents

電子決済方法並びに電子マネーの記録媒体及び処理装置 Download PDF

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Abstract

電子マネーシステムにおいて、電子マネーの消費を心理的に促進させることにより経済効果が期待できる電子マネーの決済方法を提供する。電子マネーを用いて電子的に決済する際に、所定の基準日と決済日との差にしたがい電子マネーの残額を所定比率に基いて減額し、その減額した残額を新たな電子マネーの残額とすることにより経時的に電子マネーを減価し、その減価した電子マネーの残額から決済時における請求額の少なくとも一部を支払う。

Description

本発明は、交換価値を示す額面が電子的な形態で記憶されており、電子的な商取引決済に使用可能な決済用預金口座を含む広義の電子マネーを用いた電子マネーシステムにおける決済方法に関する。
近年、貨幣として使用可能な額面を電子的な形でICメモリカード等に記憶した電子マネーが提案され、普及しつつある。電子マネーシステムについて種々の技術が考案されている(例えば、参考文献1参照)。
図12に、従来の電子マネーを記憶したメモリカードとその処理装置とからなるシステム構成を示す。ICカード1aは、ユーザの認証データや電子マネーの残額等のデータを暗号化して入出力するための暗号化処理部12と、電子マネーの額面(バリュー)を残額データ14aとして記憶するメモリ14とを有する。ICカード1aは一般小売店等に設置された処理装置21bにより、記憶するデータが読み取られ、必要に応じて更新される。
ユーザが電子マネーを用いて支払を行なう際の処理は以下のとおりである。
電子マネーの処理装置21bは、ICカード1aが挿入されると、認証情報を読み出し、ICカード1aのユーザ及び電子マネー情報が正当なものであるか否かの認証を行なう。この認証はネットワーク50を介して認証機関にある認証装置61により行なわれる。認証の結果が正当であると認められると、処理装置21bはICカード1aに記憶されたバリューのうち支払額に相当するバリューを処理装置21bに移動する。この際、ICカード1aの残額データ(バリュー)14aの値が更新(減額)される。
その後、例えばクレジットカード会社等の決済機関にある決済装置81は、処理装置21bから決済情報を受け、電子マネーによる支払の発生に対して金融機関の処理装置と協働して支払決済処理を行なう。
また、電子マネーではないが、限られた範囲内で電子マネーと同様に商品の購入等ができるものとして、参考文献2や参考文献3に開示された有効期限付きのポイントやサービスカードを用いた決済方法も考案されている。また、参考文献4には電子的に金額データが記録されたカードを用いた決済方法が開示されている。
<参考文献>
参考文献1:特開平10−124604号公報
参考文献2:特開平10−78989号公報
参考文献3:特開平8−16668号公報
参考文献4:特開平3−191497号公報
発明が解決しようとする課題
従来の電子マネーシステムでは、ICカード等に記録された電子マネーの額(バリュー)の値は時間経過によって変動するものではない。つまり、ICカードに10000円のバリューが記録された場合、そのカードからの支払やバリューの補充がないかぎり、何年経過しようともバリューは10000円のまま保持される。
景気が低迷した社会情勢においては、消費者の心理は保有する金銭の消費よりも貯蓄に興味を示し、一般消費者は上記のような電子マネーを保持している場合、通常の貨幣と同様、消費せずに貯蓄しようと考えるであろう。
また、従来の電子マネーシステムでは、支払いの全額を所定の電子マネーで支払うことが可能であり、支払い可能な最小金額の制限もないので、例えば戻し税などを従来の電子マネーの形で還付しても、高々戻し税総額相当しか個人消費の拡大は期待できず、従来から戻し税が日常的消費の中で吸収されて個人消費の「拡大につながりにくいという課題を解決することはできなかった。
電子マネーは電子的に取引されるものではあるが、通常の物理的に市場に流通する貨幣と同等の貨幣価値を有するものであり、電子マネーを用いて商品やサービスの購入の機会が増大すれば、それだけ市場が活性化し、景気が向上すると考えられる。すなわち、電子マネーを市場にて流通させる機会を増加することにより、需要が増大し、一層の経済発展が期待される。これには、一般消費者において電子マネーを消費しようとする心理的な欲求が必要である。また、戻し税などで還付したときに、減税額の何倍もの消費を誘導することが出来れば、消費市場はより一層活性化させることができる。
(その解決方法)
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、電子マネーの消費を心理的に促進させることにより、また、所定の電子マネーの額面以上の消費を誘導することにより、消費刺激効果が期待できる電子マネーの決済方法を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の電子決済方法は、所定の記録媒体に記録された金銭的価値に関する情報である電子マネーを用いて電子的に決済する電子マネーシステムにおける決済方法である。その決済方法は、記録媒体に第1の電子マネーの残額を記録し、決済時において、所定の基準日と決済日との差に基づき、第1の電子マネーの残額を所定比率に基いて減額し、その減額した残額を新たな第1の電子マネーの残額とすることにより経時的に第1のマネーを減価する。その減価した第1の電子マネーの残額から、決済時における請求額の少なくとも一部を支払う。
本発明に係る第2の電子決済方法は、所定の記録媒体に記録された金銭的価値に関する情報である電子マネーを用いて電子的に決済する方法である。その決済方法は、記録媒体に第1の電子マネーの残額および第2の電子マネーの残額を記録し、決済時において、第1の電子マネーを使用するときは第2の電子マネーと組み合わせた使用を義務づけ、支払請求額中の第1の電子マネーの占める割合の上限を設ける。
本発明に係る第3の電子決済方法は、所定の記録媒体に記録された金銭的価値に関する情報である電子マネーを用いて電子的に決済する電子マネーシステムにおける決済方法である。その決済方法は、記録媒体に第1の電子マネーの残額を記録し、決済時において、支払い金額が所定の金額を超える時には第1の電子マネーを用いて決済することを許可し、支払い金額が所定の金額に満たない場合には第1の電子マネーを用いた決済を禁止する。
本発明に係る第1の電子マネーの記録媒体は、電子的決済可能な金銭的価値に関する情報である電子マネーの残額が記録された記録媒体であって、経時的に減価する電子マネーである減価電子マネーの残額の情報と、減価電子マネーを減価処理するときに用いる、減価処理前後の減価電子マネーの残額の比率である減価率とを記録する。
本発明に係る第2の電子マネーの記録媒体は、電子的決済可能な金銭的価値に関する情報である電子マネーの残額が記録された記録媒体である。その記録媒体は、第1の電子マネーの残額の情報と、第2の電子マネーの残額の情報と、第1の電子マネーと第2の電子マネーとを用いた決済時において、支払請求額中の第1の電子マネーの占める割合の上限を示す情報とを記録する。
本発明に係る第1の電子マネーの処理装置は、上記の電子マネーの記録媒体に記録された情報を読み出し、所定の基準日と決済日との差に基づき、記録媒体に記録された減価電子マネーの残額を減価率に基いて減額する。
本発明に係る第2の電子マネーの処理装置は、本発明に係る第2の電子マネーの記録媒体に記録された情報を読み出し、支払い請求額と第1の電子マネーの占める割合の上限を示す情報にしたがい、記録媒体に記録された第1の電子マネーおよび第2の電子マネーの残額を合計が支払い請求額となるよう減額し、支払い先の電子マネーを支払い請求額だけ増額する。
本発明に係る第3の電子マネーの処理装置は、決済時において、本発明の記録媒体に記録された情報を読み出し、支払い金額が所定の金額を超える時には第1の電子マネーを用いて決済することを許可し、支払い金額が前記所定の金額に満たない場合には前記第1の電子マネーを用いた決済を禁止する。
(従来技術より有利な効果)
本発明によれば、経時的に減価する電子マネーを用いて電子的決済が可能となる。一般消費者は経時的に減価する電子マネーが支給された場合、電子マネーの貯蓄等をせずに積極的に消費しようとすると考えられ、故に、本発明により、個人消費が誘導されて需要の増大が図れる。
図1は、本発明の実施の形態1の電子マネーシステムの構成図である。
図2は、実施の形態1における電子マネーシステムにおける電子マネーの流れの一例を説明した図である。
図3は、実施の形態1における減価電子マネーを用いた決済処理を示すフローチャートである。
図4は、決済処理における電子マネーの残額計算処理を示すフローチャートである。
図5は、決済処理における支払処理を示すフローチャートである。
図6は、本発明の実施の形態2の電子マネーシステムの構成図である。
図7は、銀行における減価電子マネー用口座を説明した図である。
図8は、減価電子マネーの減額分の返還処理を示すフローチャートである。
図9は、実施の形態2における電子マネーシステムにおける電子マネーの流れの一例を説明した図である。
図10は、実施の形態2における決済処理を示すフローチャートである。
図11は、実施の形態3における減価電子マネーのフローを説明した図である。
図12は、従来の電子マネーシステムの構成図である。
以下添付の図面を参照して、本発明に係る電子マネー決済方法の実施の形態を詳細に説明する。
実施の形態1
1. システム構成
本発明に係る電子マネーシステムに用いる電子マネーは、所定の基準日からの経過日数にしたがいその貨幣価値が減価するものである。このような経時的に減価する電子マネーが消費者に支給された場合、消費者はその価値ができるだけ高いうちに、すなわち支給後できるだけ早い時期に使ってしまおうとする心理的作用が働くと考えられる。このため、そのような電子マネーは貯蓄に回されず、消費率が向上する。つまり、消費者の商品等の購買意欲が喚起され、電子マネーが市場における流通性が高まるため、需要が増大すると考えられる。これにより、経済の活性化が期待できる。
図1を用いて本発明の電子マネーシステムの構成を説明する。なお、以下の説明では、経時的にその価値が減少する電子マネーを「減価電子マネー」といい、これに対し経時的にその価値が変動しない従来の電子マネーを「通常電子マネー」という。
図1において、ICカード1は、減価電子マネー及び通常電子マネーのバリューを記録した媒体であり、暗号化処理部11とメモリ13を有する。
暗号化処理部11は、ICカードを使用するユーザの認証情報や、電子マネーのバリューのデータを暗号化処理して入出力する。
ICカード1のメモリ13には以下の情報13a〜13fが記憶されている。
認証情報(13a):そのICカード1を使用可能なユーザの認証情報。
通常マネー残額情報(13b):ICカード1に記憶された通常電子マネーの残額を示す情報。
減価マネー残額情報(13c):ICカード1に記憶された減価電子マネーの残額を示す情報。
減価率情報(13d):減価電子マネーに関し、経時的な減額を行なう際の減額の割合を示す情報。
最終減額日情報(13e):減価電子マネーに関し、最後に減額計算が実施された日の日付けを示す情報。
使用条件(13f):減価電子マネーに関する使用条件を示す情報(詳細は後述)。
減額日情報(13g):減額処理を行なう日を示す情報。
電子マネーを記憶したICカード1は一般小売店20に設置された処理装置21で処理される。すなわち、処理装置21はICカード1に対してデータの読み取り、書き込みを行なう。処理装置21には、ユーザの暗証番号や支払金額の情報等を入力するための入力装置22が接続されている。
処理装置21はネットワーク50を介して、認証機関60内にある認証装置61と、銀行70内にある電子マネー口座管理装置71と、決済機関80内にある決済装置81とに接続されている。電子マネー口座管理装置71は銀行70内の電子マネー用の個人口座を管理する装置である。ネットワーク50は例えばインターネットが想定される。
処理装置21、認証装置61、電子マネー口座管理装置70及び決済装置81はコンピュータが所定のプログラムを読み取り実行することによりそれらの機能が実現されてもよい(以下の実施形態に同じ)。また、そのようなプログラムはCD−ROM、DVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体で提供されてもよい。
次に、本実施形態における電子マネーの利用態様を説明する。
メモリ13において通常マネー残額情報13bと減価マネー残額情報13cとが記憶されており、本ICカード1では、経時的に価値が減少する減価電子マネーと、経時的な価値変動がない通常電子マネーの2種類の電子マネーの使用が可能である。
減価電子マネーに対する使用条件として以下のルールを設ける。
(ルールA):減価電子マネーのみによる支払は禁止し、通常電子マネーと組み合わせて使用するようにする。このとき、全支払額に対する減価電子マネーでの支払額の比率の上限値(以下「最大利用率」という。)を設ける。例えば、最大利用率を10%とすると、ある商品を購入したときに、その商品の代金の10%までしか減価電子マネーでは支払えない。この場合、残りの代金は通常電子マネーにより支払うことになる。
(ルールB):1回の支払において減価電子マネーを使用できる金額の下限値(以下「最小利用額」という。)を設ける。例えば、最小利用額を1,000円とすると、1回の支払において、減価電子マネーの利用額が1,000円以上でないと、減価電子マネーでの支払いはできない。
最大利用率、最小利用額の情報はICカード1内のメモリ13において使用条件13fとして保持される。ルールAにより減価電子マネーのみによる支払いが禁止される。つまり、減価電子マネーに付随してそれより大きい額の他の種類のマネー(例えば、通常電子マネー)の使用が強制されるため、より多量の消費を生むことになり、経済効果が期待できる。また、ルールBにより、消費者は減価電子マネーを使用する場合にある金額以上の商品を購入しなければならなくなるため、有効需要が増大し、経済効果が期待できる。なお、本実施形態では、より大きな有効需要の増大を得るためにルールAにおいて減価電子マネーのみによる支払は禁止したが、減価電子マネーのみによる支払を認めてもよい。
また、本実施形態及び以下の実施形態においては、ルールA、Bを組み合わせて適用するが、ルールAまたはBのいずれか一方のみを単独で適用してもよい。例えば、ルールBのみを適用し、支払い総額が一定以上でないと減価電子マネーによる支払いを許可しないとしてもよい。この場合、消費者は減価電子マネーを消費するために、一定金額以上の商品、サービスの購入を余儀なくされ、日常的な低額商品やサービスに対して減価電子マネーが消費されることがなくなるため、個人消費が拡大され、経済効果が期待できる。
また、ルールBにおいて、減価電子マネーの最小利用額の代わりに、電子マネーが使用できる、支払い総額の下限値(以下「最小支払額」という。)を設けてもよい。すなわち、1回の支払において、支払い総額が最小支払額以上のときのみ、電子マネーでの支払いを許可し、支払い総額が最小支払額に満たないときは、電子マネーでの支払いを禁止するようにしてもよい。例えば、最小支払額を10,000円とすると、1回の支払において、総支払い額が10,000円以上でないと、その支払額の一部または全部を電子マネーで支払うことはできないようにする。この場合、最小支払額による制限は、減価電子マネーによる支払いにのみ適用してもよいし、減価電子マネーと通常電子マネーの組み合わせでの支払いに適用してもよい。例えば、支払い総額が最小支払額以上のときのみ、減価電子マネーの使用を許可し、支払い総額が最小支払額に満たないときは、減価電子マネーの使用を禁止するようにしてもよい。また、支払い総額が最小支払額以上のときは、減価電子マネーと通常電子マネーを組み合わせた支払いを許可するようにしてもよい。
2. 電子マネーの流れ
図2は本発明の電子マネーシステムにおいて電子マネーの流れを説明した図である。電子マネーは、従業員A1、A2を雇用する会社Aから、それぞれの従業員A1、A2に対して給与として支払われる。
従業員A1、A2が支給された電子マネーで商品を購入すると、従業員A1、A2のICカードからその購入代金分の電子マネーのバリューが減額され、その商品を販売した小売店20に移動される。その後、小売店20から電子マネーの決済情報がA社取引銀行に対して決済情報を送信し、A社取引銀行にて決済される。B社から支給された従業員B1、B2に対する給与も同様のフローとなる。
図2においては、例えば、給与の一部を減価電子マネーで支給し、A社とB社の商品に限り購入費用の一部に充当できるようA社とB社とが契約を結んでもよい。これにより、A、B両社の売上増加が期待される。電子マネーの価値を減価させるのは消費を加速するためであり、A社とB社双方の社員が双方の企業の製品を積極的に購入することになり、それらの企業の売上増加が期待できる。
3. 電子マネーシステムの処理
以上のように構成される電子マネーシステムについて、図3〜図5のフローチャートを用いて処理装置21の処理を説明する。
図3のフローチャートは、電子マネーのバリューが記録されたICカード1を用いて支払処理を行なうときの処理装置21の処理を示した図である。
操作者により処理装置21へICカード1が挿入されると、処理装置21はその挿入を確認し(S1)、ICカード1のメモリ13に格納された情報13a〜13fを読み取る(S2)。続いて、認証処理(S3)を行い、ICカードの正当性が確認されると、電子マネーのバリューの残額計算処理を行ない(S5)、その後に支払処理を行なう(S6)。
図3のステップS3の認証処理では、ICカードの認証情報13a及びユーザが入力したパスワード等の情報が認証機関60に送信され、ICカード及びユーザの正当性が検証される。認証機関60はその検証結果を処理装置21に返信する。
図3のステップS5における電子マネーのバリューの残額処理について図4のフローチャートを用いて説明する。
まず、最終減額日情報13eから最後に減価電子マネーの減額が実施された日である最終減額日を認定し、最終減額日から現時点までの間で減額処理日が何回あったかを求める(S13)(この回数の値をNとする。)。ここで、減額処理日とは、減額処理を実行する日として事前に設定された日であり、例えば、給与支給日に設定される。
次に、経過した減額処理日の回数(N)と減価率情報13eで定まる減価率とに基いて減価電子マネーの減額計算を行なう(S14〜S15)。具体的には、現時点でICカード1において残高が記録されている減価電子マネーについて、最終減額日から現時点までの経過日と減価率情報13eで定まる減価率とに基いて、経時的に価値が減少する額(以下「減価額」という)を計算する(S14)。求めた減価額を、減価マネー残額情報13eで定まる減価マネー残額から減算する(S15)。なお、経過した減額処理日の回数(N)が0のときは、まだ減額する時期ではないとし、ステップS14、S15はスキップする。
電子マネーの振り込みの確認を行なう(S16)。振り込みの確認については、処理装置21がネットワーク50を介して銀行70の電子マネー口座管理装置71と通信することにより、振り込み情報を取得する。減価電子マネー及び通常電子マネーのそれぞれについて振り込み額P、Qを確認する。
振り込み情報を確認した結果、減価電子マネーの振り込みがある場合(S17で「YES」)、振り込まれた減価電子マネーについて減額処理を行なう。すなわち、振り込み日以降の減額処理日の経過回数を求め(S18)(この回数の値をMとする。)、経過回数と減価率に基き、振り込まれた減価電子マネーを減額する(S19)。減額した振り込み額を、減価マネー残額に加算する(S20)。なお、振り込みがない場合(S17で「NO」)は、上記のステップ(S18〜S20)はスキップする。
次に、通常電子マネーについての振り込みの有無を確認する(S21)。通常電子マネーの振り込みがあるときは、通常マネー残額に、振り込まれた通常電子マネーの額を加算する(S22)。
最後に、上記ステップS14−15、S19−20において、減価電子マネーの減額処理が実施されていれば、最終減額処理日情報13eを更新する(S23)。
以上のようにして、ICカード1に対し、減価電子マネー及び通常電子マネーのバリューの更新が行なわれる。引き続き、支払処理(S6)が行なわれる。
図5のフローチャートを用いて図3のステップS6における支払処理を説明する。
まず、処理装置21は入力装置22を介して入力された支払請求額の情報を取得する(S31)。支払が発生していなければ、すなわち、支払請求額が正でなければ(S32で「NO」)、以降の処理は行なわずに本処理を終了する。支払が発生していれば、すなわち、支払請求額が正であれば(S32で「YES」)、以降の支払処理のための各ステップ(S33〜S42)を実行する。
まず、支払請求額が最小利用額以上であるか否かを判断する(S33)。
支払請求額Cが最小利用額より少ない場合(ステップS33で「NO」)、ルールBにより本支払いにおいて減価電子マネーの利用が禁止されるので、通常電子マネーで全額支払うことになる。つまり、減価電子マネーによる支払額を0に、通常電子マネーによる支払額を支払請求額と等しい額に決定する(S39)。この場合、通常マネー残額から支払請求額の全額が減算される。
支払請求額Cが最小利用額以上の場合(ステップS33で「YES」)、本支払いにおいて減価電子マネーでの支払が許可される。しかし、ルールAにより減価電子マネーの利用比率上の制約がある。そこで、減価マネー残額が、支払い請求額において一定比率以上あるか否かを判断する(S34)。ここで一定比率とはルールAにおける「最大利用率」のことである。この判断は、例えば、以下の関係式を満たすか否かで判断できる。
減価マネー残額 > 支払請求額 × 最大利用率
減価マネー残額が支払い請求額において一定比率未満の場合(S34で「NO」)は、減価マネー残額全てを使っても最大利用率による上限に達しないので、減価マネー残額全てを支払いに用いることにする。すなわち、減価電子マネーによる支払額をその残額と同じ額に設定し(S35)、通常電子マネーによる支払額を請求額から減価電子マネーによる支払分を減じた額に設定する(S36)。この場合、減価マネー残額が全額減額され、通常マネー残額から、(請求額−減価マネー残額)が減額される。
減価マネー残額が支払い請求額において一定比率以上の場合(S34で「YES」)、減価電子マネーを最大限使えるよう支払額を決定する。すなわち、減価電子マネーによる支払額を、請求額の一定額(=支払請求額×最大利用率)に設定し(S37)、通常電子マネーによる支払額を請求額から減価電子マネーによる支払分を減じた額に設定する(S38)。すなわち、この場合、減価マネー残額から請求額の一定額(=支払請求額×最大利用率)が減額され、通常マネー残額から、(請求額−請求額の一定額)が減額される。
以上のように、電子マネーにより決済を行なう際には、ルールA、Bを満たすよう、減価電子マネー及び通常電子マネーでの支払額を決定する。
減価電子マネー及び通常電子マネーでの支払額の決定後、処理装置21において請求額を支払うための処理が行なわれる(S40)。具体的には、上記ステップS35〜39のそれぞれにおいて求められた電子マネーの支払額に基き、ICカード1のメモリ13内の減価マネー残額情報13c及び通常マネー残額情報13bの更新処理を行なう。同時に、小売店の処理装置21内に保持されている減価電子マネー及び通常電子マネーの残額情報を更新する。つまり、その更新処理においては、小売店の処理装置21内に保持されている減価電子マネー及び通常電子マネーの残額情報にそれぞれのマネーの支払額分が加算される。
今回の処理において、減価電子マネーについて経時的な減価が発生した場合(すなわち、減価額が正であるとき)は(S41で「YES」)、その減価額をその電子マネー支給者に変換するための処理を行なう(S42)。具体的には、小売店の処理装置21内に保持されている、その減価電子マネーに支給者に関する減価電子マネーの減価額情報を更新する。減価電子マネーの支給者に関する情報は例えばユーザの認証情報に基き認証機関から得るようにする。
減価額を支給者に返還するのは次の理由による。企業が減価電子マネーを振出した場合、使用された減価電子マネーを通常貨幣に兌換する義務がありますので、企業から見ると負債と見なされる。リニアに一定の比率で減価する場合は減価額をフィードバックしなくても、振り出した電子マネーの総額を一定比率で減額することにより負債総額を常に把握することができる。ところが、減価比率がノンリニアで、例えば50%減額したらあとは減額しないように設定されている場合は、電子マネーの総額から減額の総額を単純に演算できなくなる。そのような場合でも負債総額となる電子マネーの有効総額を正確に把握するためには、個々の電子マネーの減額分をフィードバックしてそれを累計する必要がある。すなわち、減価額をフィードバックするのはノンリニアな減価をさせる場合であっても市中での総量を把握することを可能とするためである。
なお、減価電子マネーの使用条件として減価電子マネーの有効期限を設けても良い。有効期限に関する情報は例えば使用条件13fに含ませても良い。減価電子マネーの残額計算時において有効期限の切れた減価電子マネーはその価値をゼロとして処理する。
以上のように、本実施形態によれば、経時的に減価する電子マネーを用いて電子的決済が可能となる。一般消費者は経時的に減価する電子マネーが支給された場合、電子マネーの貯蓄等をせずに積極的に消費しようとすると考えら、個人消費が誘導され、需要の増大が図れる。
実施の形態2
本発明に係る電子マネーシステムの別の形態を説明する。本実施形態では、ICカードを用いずに銀行口座上での振り替えによる、減価電子マネーを用いた決済処理を行なう。
図6に、本実施形態の電子マネーシステムの構成を示す。本実施形態の決済装置81は処理部82と記憶部83を有する。記憶部83は以下の情報83a〜83gを格納する。
認証情報(83a):利用者の認証情報。
普通預金残額情報(83b):銀行の普通預金口座の残額を示す情報。
減価預金残額情報(83c):銀行の減価預金口座の残額を示す情報。
減価率情報(83d):減価電子マネーに関し、経時的な減額を行なう際の減額の割合を示す情報。
最終減額日情報(83e):減価電子マネーに関し、最後に減額計算が実施された日の日付けを示す情報。
使用条件(83f):減価電子マネーに関する使用条件を示す情報。
減額日情報(83g):減額処理を行なう日を示す情報。
処理部83は記憶部83からの情報83a〜83gの読み出し、記憶部83内の情報83a〜83gの更新処理を行なう。
本実施形態における減価電子マネーの処理の概要を説明する。本実施形態においても、実施の形態1と同様に減価電子マネーの使用においてはルールA、Bの制約があるものとする。また、A社からその従業員A1の預金口座に金額が振り込まれるものとする。
銀行90には、図7に示すように、銀行口座としてA社の口座95、従業員A1の普通預金口座96a、減価電子マネー用の預金口座(以下「減価預金口座」という。)96bが設けられている。銀行90は減価預金口座にある減価電子マネーの残高を経時的に減価し、減価分をその減価電子マネーの振り出し元であるA社に還元する。具体的には、図8に示すように、所定の減額処理日毎に(S51)、従業員A1の減価預金口座96bの預金残高を確認し(S52)、その預金残高に減価率を乗算して減価額を計算する(S53)。その減価額分を減価預金口座96bの残高から減じる処理を行ない(S54)、減価額分を減価預金口座96bからA社の口座95に口座振り替えする(S55)。
図9に示すように、A社から従業員A1の預金口座96a、96bに金額が振り込まれる。従業員A1は小売店20で商品を購入し、その代金の一部を減価電子マネーで支払うことを応諾する。小売店20は従業員A1についての支払請求を決済機関80に請求する。決済機関80はその支払請求に対し、従業員A1の銀行Aの減価預金口座96bの残高を確認し、支払金額のうちの一定比率分を従業員A1の減価預金口座96bから引き落とし、且つ残金を普通預金口座96aから引き落として小売店20の銀行口座に振り替えるよう、銀行Aに精算請求を行なう。この場合、減価預金口座96bの残高が上記一定比率分の金額に満たないときは、その不足分は従業員A1の普通預金口座96aから充当する。
図10のフローチャートを用いて上記の処理を説明する。
決済装置81は小売店20から支払請求額の情報を取得する(S61)。支払が発生していなければ(S62で「NO」)、以降の処理は行なわずに本処理を終了する。支払が発生していれば(S62で「YES」)、以降の決済処理のための各ステップ(S63〜S70)を実行する。
まず、支払請求額が最小利用額以上であるか否かを判断する(S63)。支払請求額が最小利用額より少ない場合(ステップS63で「NO」)、ルールBにより本支払いにおいては減価電子マネーを利用できないので、普通預金口座から全額支払うことになる。つまり、減価預金口座からの支払額を0に、普通預金からの支払額を支払請求額と等しい額に決定する(S69)。この場合、普通預金残額から支払請求額の全額が減算される。
支払請求額が最小利用額以上の場合(ステップS63で「YES」)、本支払いにおいて減価電子マネーでの支払が可能である。ルールAを考慮し、減価預金残額が、支払い請求額において一定比率(最大利用率)以上あるか否かを判断する(S64)。
減価預金残額が支払い請求額において一定比率未満の場合(S64で「NO」)は、減価電子マネーによる支払額を減価預金残額の全額とし(S65)、普通預金からの支払額を(請求額−減価預金残額)とする(S66)。この場合、減価預金残額が全額減額され、通常預金残額から、(請求額−減価預金残額)が減額される。
減価マネー残額が支払い請求額において一定比率以上の場合(S64で「YES」)、減価預金口座からの支払額を、請求額の一定額(=支払請求額×最大利用率)に設定し(S67)、普通預金口座からの支払額を請求額から減価電子マネーによる支払分を減じた額に設定する(S68)。このとき、減価預金残額から請求額の一定額(=支払請求額×最大利用率)が減額される。
減価預金口座及び普通預金口座からの支払額の決定後、銀行90に対して精算の請求が行なわれる(S70)。具体的には、上記ステップS65〜69のそれぞれにおいて求められた支払額を減価預金口座及び普通預金口座から小売店20の口座に振り込むための請求を銀行90に対して行なう。また、決済装置81の記憶部83内の普通預金残額情報83b及び減価預金残額情報83cの更新処理を行なう。
以上のように、本実施形態においては、電子マネーが記録されたICカードを用いずに減価電子マネーを用いた商品の購入代金の支払について決済が可能となる。
実施の形態3
以上説明した経時的に減価する電子マネーについての利用態様の別の例を説明する。具体的には、国から戻し税として所定の金額が減価電子マネーを用いて個人に支払われた場合を説明する。
図11において、国庫100から戻し税として所定の金額が個人Cの減価預金口座94aに振り込まれる。個人Cは小売店20において商品を購入する。小売店は20は、その代金の支払請求を銀行90に行なう。銀行90は個人Cの減価預金口座94a及び普通預金口座94bからその支払請求に応じた額を小売店の預金口座97に振り替える。なお、銀行90の決済装置91の処理は、実施の形態2における図10のフローチャートで示した処理と同様である。
なお、減価預金口座94aにおける経時的な減価分は定期的に国庫100に対して再納税される。例えば、毎月の所定日(例えば1日)に個人Cの減価預金口座94aの預金残高を確認し、その残高の減価率分を国庫100に再納税するようにする。その際、再納税した額を、個人Cの減価預金口座94aの預金残高から減額する。本処理は図8に示す処理と同様である。以上のように再納税するのは次の理由による。
政府が戻し減税として電子マネーを振り出した場合、電子マネー分だけカレンシーの市中のフローが増大することになるので、フローの総量を把握するためには有効な電子マネーの総額を把握することが必要である。リニアに減額する場合、その把握は容易であるが、ノンリニアに減額するようにすると個々の電子マネーの減額をフィードバックしなければ総量を把握することができない。このように、再納税するのはノンリニアな減価をさせる場合でも、市中での総量を把握することを可能とするためである。
また、戻し税として減価電子マネーを振り出す意味は、減税を確実に有効需要の増加に結びつけることが期待できるからである。つまり、戻し税が貯蓄に回らず、消費に回るようにするために減価させるのである。減価させるということはマイナスの利息と等価になり、確実に消費に回ることが期待できる。
また、支払い金額の一定比率しか減価電子マネーを使えないようにすること(ルールA)により、減税額の何倍かの消費を誘導できるものと考えられる。例えば、減価電子マネーを使えるのを支払い額の20%までとすれば、1兆円減税が5兆円減税分の効果を奏するものと期待できる。
また、減価電子マネーの支払い金額の下限を設けること(ルールB)により、低額の商品等の購入に使用され、結果的に有効需要の増大につながらなくなることを回避する。すなわち、高額商品による個人消費を誘導して有効需要の増大を図っている。
本発明は、交換価値を示す額面が電子的な形態で記憶されており、電子的な商取引決済に使用可能な決済用預金口座を含む広義の電子マネーを用いた電子マネーシステムにおける決済方法に関する。
近年、貨幣として使用可能な額面を電子的な形でICメモリカード等に記憶した電子マネーが提案され、普及しつつある。電子マネーシステムについて種々の技術が考案されている(例えば、特許文献1参照)。
図12に、従来の電子マネーを記憶したメモリカードとその処理装置とからなるシステム構成を示す。ICカード1aは、ユーザの認証データや電子マネーの残額等のデータを暗号化して入出力するための暗号化処理部12と、電子マネーの額面(バリュー)を残額データ14aとして記憶するメモリ14とを有する。ICカード1aは一般小売店等に設置された処理装置21bにより、記憶するデータが読み取られ、必要に応じて更新される。
ユーザが電子マネーを用いて支払を行なう際の処理は以下のとおりである。
電子マネーの処理装置21bは、ICカード1aが挿入されると、認証情報を読み出し、ICカード1aのユーザ及び電子マネー情報が正当なものであるか否かの認証を行なう。この認証はネットワーク50を介して認証機関にある認証装置61により行なわれる。認証の結果が正当であると認められると、処理装置21bはICカード1aに記憶されたバリューのうち支払額に相当するバリューを処理装置21bに移動する。この際、ICカード1aの残額データ(バリュー)14aの値が更新(減額)される。
その後、例えばクレジットカード会社等の決済機関にある決済装置81は、処理装置21bから決済情報を受け、電子マネーによる支払の発生に対して金融機関の処理装置と協働して支払決済処理を行なう。
また、電子マネーではないが、限られた範囲内で電子マネーと同様に商品の購入等ができるものとして、特許文献2や特許文献3に開示された有効期限付きのポイントやサービスカードを用いた決済方法も考案されている。また、特許文献4には電子的に金額データが記録されたカードを用いた決済方法が開示されている。
特開平10−124604号公報 特開平10−78989号公報 特開平8−16668号公報 特開平3−191497号公報
従来の電子マネーシステムでは、ICカード等に記録された電子マネーの額(バリュー)の値は時間経過によって変動するものではない。つまり、ICカードに10000円のバリューが記録された場合、そのカードからの支払やバリューの補充がないかぎり、何年経過しようともバリューは10000円のまま保持される。
景気が低迷した社会情勢においては、消費者の心理は保有する金銭の消費よりも貯蓄に興味を示し、一般消費者は上記のような電子マネーを保持している場合、通常の貨幣と同様、消費せずに貯蓄しようと考えるであろう。
また、従来の電子マネーシステムでは、支払いの全額を所定の電子マネーで支払うことが可能であり、支払い可能な最小金額の制限もないので、例えば戻し税などを従来の電子マネーの形で還付しても、高々戻し税総額相当しか個人消費の拡大は期待できず、従来から戻し税が日常的消費の中で吸収されて個人消費の「拡大につながりにくいという課題を解決することはできなかった。
電子マネーは電子的に取引されるものではあるが、通常の物理的に市場に流通する貨幣と同等の貨幣価値を有するものであり、電子マネーを用いて商品やサービスの購入の機会が増大すれば、それだけ市場が活性化し、景気が向上すると考えられる。すなわち、電子マネーを市場にて流通させる機会を増加することにより、需要が増大し、一層の経済発展が期待される。これには、一般消費者において電子マネーを消費しようとする心理的な欲求が必要である。また、戻し税などで還付したときに、減税額の何倍もの消費を誘導することが出来れば、消費市場はより一層活性化させることができる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、電子マネーの消費を心理的に促進させることにより、また、所定の電子マネーの額面以上の消費を誘導することにより、消費刺激効果が期待できる電子マネーの決済方法を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の電子決済方法は、コンピュータシステムにおいて、所定の記録媒体に記録された金銭的価値に関する情報である電子マネーを用いて電子的に決済する方法である。記録媒体には第1の電子マネーの残額が記録されている。第1の電子決済方法によれば、コンピュータシステムにおいて、記録媒体より第1の電子マネーの残額を読み出し、請求額を取得し、所定の基準日と決済日との差に基づき、第1の電子マネーの残額を所定比率に基いて減額し、減額した残額を新たな第1の電子マネーの残額とすることにより経時的に第1のマネーを減価し、その減価した第1の電子マネーの残額から、決済時における請求額の少なくとも一部を減算する。
本発明に係る第2の電子決済方法は、コンピュータシステムにおいて、所定の記録媒体に記録された金銭的価値に関する情報である電子マネーを用いて電子的に決済する方法である。記録媒体には第1の電子マネーの残額および第2の電子マネーの残額が記録されている。第2の電子決済方法によれば、コンピュータシステムにおいて、所定の決済時において、第1の電子マネーと第2の電子マネーとを組み合わせて決済処理を行う場合にのみ、第1の電子マネーの残額から請求額の少なくとも一部を減算することを許可し、かつ、支払請求額中の第1の電子マネーの占める割合の上限が設けられている。
本発明に係る第3の電子決済方法は、所定の記録媒体に記録された金銭的価値に関する情報である電子マネーを用いて電子的に決済する電子マネーシステムにおける決済方法である。その決済方法は、記録媒体に第1の電子マネーの残額を記録し、決済時において、支払い金額が所定の金額を超える時には第1の電子マネーを用いて決済することを許可し、支払い金額が所定の金額に満たない場合には第1の電子マネーを用いた決済を禁止する。
本発明に係る第4の電子決済方法は、コンピュータシステムにおいて、所定の記録媒体に記録された金銭的価値に関する情報である電子マネーを用いて電子的に決済する方法である。記録媒体には電子マネーの残額が記録されている。第4の電子決済方法によれば、コンピュータシステムにおいて、所定の基準日から所定期間経過すると、電子マネーの残額を所定比率に基づいて減額し、減額した残額を新たな電子マネー残額として記録媒体に記録するとともに、減額した金銭的価値の所有権を他に移動する。
本発明に係る第1の電子マネーの記録媒体は、電子的決済可能な金銭的価値に関する情報である電子マネーの残額が記録され、コンピュータを用いた電子的な決済に使用される記録媒体であって、コンピュータにより経時的に減価される電子マネーである第1の電子マネーの残額の情報と、コンピュータが第1の電子マネーを減価処理するときに用いる、減価処理前後の第1の電子マネーの残額の比率である減価率とを記録する。
本発明に係る第2の電子マネーの記録媒体は、電子的決済可能な金銭的価値に関する情報である電子マネーの残額が記録され、コンピュータを用いた電子的な決済に使用される記録媒体である。その記録媒体は、第1の電子マネーの残額の情報と、第2の電子マネーの残額の情報と、コンピュータによる第1の電子マネーと第2の電子マネーとを組み合わせて決済処理を行う時において、支払額中の第1の電子マネーの占める割合の上限を示す情報とを記録する。
本発明に係る第1の電子マネーの処理装置は、上記の電子マネーの記録媒体に記録された情報を読み出し、所定の基準日と決済日との差に基づき、記録媒体に記録された減価電子マネーの残額を減価率に基いて減額する。
本発明に係る第2の電子マネーの処理装置は、本発明に係る第2の電子マネーの記録媒体に記録された情報を読み出し、支払い請求額と第1の電子マネーの占める割合の上限を示す情報にしたがい、記録媒体に記録された第1の電子マネーおよび第2の電子マネーの残額を合計が支払い請求額となるよう減額し、支払い先の電子マネーを支払い請求額だけ増額する。
本発明に係る第3の電子マネーの処理装置は、決済時において、本発明の記録媒体に記録された情報を読み出し、支払い金額が所定の金額を超える時には第1の電子マネーを用いて決済することを許可し、支払い金額が前記所定の金額に満たない場合には前記第1の電子マネーを用いた決済を禁止する。
本発明によれば、経時的に減価する電子マネーを用いて電子的決済が可能となる。一般消費者は経時的に減価する電子マネーが支給された場合、電子マネーの貯蓄等をせずに積極的に消費しようとすると考えられ、故に、本発明により、個人消費が誘導されて需要の増大が図れる。
以下添付の図面を参照して、本発明に係る電子マネー決済方法の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
1. システム構成
本発明に係る電子マネーシステムに用いる電子マネーは、所定の基準日からの経過日数にしたがいその貨幣価値が減価するものである。このような経時的に減価する電子マネーが消費者に支給された場合、消費者はその価値ができるだけ高いうちに、すなわち支給後できるだけ早い時期に使ってしまおうとする心理的作用が働くと考えられる。このため、そのような電子マネーは貯蓄に回されず、消費率が向上する。つまり、消費者の商品等の購買意欲が喚起され、電子マネーが市場における流通性が高まるため、需要が増大すると考えられる。これにより、経済の活性化が期待できる。
図1を用いて本発明の電子マネーシステムの構成を説明する。なお、以下の説明では、経時的にその価値が減少する電子マネーを「減価電子マネー」といい、これに対し経時的にその価値が変動しない従来の電子マネーを「通常電子マネー」という。
図1において、ICカード1は、減価電子マネー及び通常電子マネーのバリューを記録した媒体であり、暗号化処理部11とメモリ13を有する。
暗号化処理部11は、ICカードを使用するユーザの認証情報や、電子マネーのバリューのデータを暗号化処理して入出力する。
ICカード1のメモリ13には以下の情報13a〜13fが記憶されている。
認証情報(13a):そのICカード1を使用可能なユーザの認証情報。
通常マネー残額情報(13b):ICカード1に記憶された通常電子マネーの残額を示す情報。
減価マネー残額情報(13c):ICカード1に記憶された減価電子マネーの残額を示す情報。
減価率情報(13d):減価電子マネーに関し、経時的な減額を行なう際の減額の割合を示す情報。
最終減額日情報(13e):減価電子マネーに関し、最後に減額計算が実施された日の日付けを示す情報。
使用条件(13f):減価電子マネーに関する使用条件を示す情報(詳細は後述)。
減額日情報(13g):減額処理を行なう日を示す情報。
電子マネーを記憶したICカード1は一般小売店20に設置された処理装置21で処理される。すなわち、処理装置21はICカード1に対してデータの読み取り、書き込みを行なう。処理装置21には、ユーザの暗証番号や支払金額の情報等を入力するための入力装置22が接続されている。
処理装置21はネットワーク50を介して、認証機関60内にある認証装置61と、銀行70内にある電子マネー口座管理装置71と、決済機関80内にある決済装置81とに接続されている。電子マネー口座管理装置71は銀行70内の電子マネー用の個人口座を管理する装置である。ネットワーク50は例えばインターネットが想定される。
処理装置21、認証装置61、電子マネー口座管理装置70及び決済装置81はコンピュータが所定のプログラムを読み取り実行することによりそれらの機能が実現されてもよい(以下の実施形態に同じ)。また、そのようなプログラムはCD−ROM、DVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体で提供されてもよい。
次に、本実施形態における電子マネーの利用態様を説明する。
メモリ13において通常マネー残額情報13bと減価マネー残額情報13cとが記憶されており、本ICカード1では、経時的に価値が減少する減価電子マネーと、経時的な価値変動がない通常電子マネーの2種類の電子マネーの使用が可能である。
減価電子マネーに対する使用条件として以下のルールを設ける。
(ルールA):減価電子マネーのみによる支払は禁止し、通常電子マネーと組み合わせて使用するようにする。このとき、全支払額に対する減価電子マネーでの支払額の比率の上限値(以下「最大利用率」という。)を設ける。例えば、最大利用率を10%とすると、ある商品を購入したときに、その商品の代金の10%までしか減価電子マネーでは支払えない。この場合、残りの代金は通常電子マネーにより支払うことになる。
(ルールB):1回の支払において減価電子マネーを使用できる金額の下限値(以下「最小利用額」という。)を設ける。例えば、最小利用額を1,000円とすると、1回の支払において、減価電子マネーの利用額が1,000円以上でないと、減価電子マネーでの支払いはできない。
最大利用率、最小利用額の情報はICカード1内のメモリ13において使用条件13fとして保持される。ルールAにより減価電子マネーのみによる支払いが禁止される。つまり、減価電子マネーに付随してそれより大きい額の他の種類のマネー(例えば、通常電子マネー)の使用が強制されるため、より多量の消費を生むことになり、経済効果が期待できる。また、ルールBにより、消費者は減価電子マネーを使用する場合にある金額以上の商品を購入しなければならなくなるため、有効需要が増大し、経済効果が期待できる。なお、本実施形態では、より大きな有効需要の増大を得るためにルールAにおいて減価電子マネーのみによる支払は禁止したが、減価電子マネーのみによる支払を認めてもよい。
また、本実施形態及び以下の実施形態においては、ルールA、Bを組み合わせて適用するが、ルールAまたはBのいずれか一方のみを単独で適用してもよい。例えば、ルールBのみを適用し、支払い総額が一定以上でないと減価電子マネーによる支払いを許可しないとしてもよい。この場合、消費者は減価電子マネーを消費するために、一定金額以上の商品、サービスの購入を余儀なくされ、日常的な低額商品やサービスに対して減価電子マネーが消費されることがなくなるため、個人消費が拡大され、経済効果が期待できる。
また、ルールBにおいて、減価電子マネーの最小利用額の代わりに、電子マネーが使用できる、支払い総額の下限値(以下「最小支払額」という。)を設けてもよい。すなわち、1回の支払において、支払い総額が最小支払額以上のときのみ、電子マネーでの支払いを許可し、支払い総額が最小支払額に満たないときは、電子マネーでの支払いを禁止するようにしてもよい。例えば、最小支払額を10,000円とすると、1回の支払において、総支払い額が10,000円以上でないと、その支払額の一部または全部を電子マネーで支払うことはできないようにする。この場合、最小支払額による制限は、減価電子マネーによる支払いにのみ適用してもよいし、減価電子マネーと通常電子マネーの組み合わせでの支払いに適用してもよい。例えば、支払い総額が最小支払額以上のときのみ、減価電子マネーの使用を許可し、支払い総額が最小支払額に満たないときは、減価電子マネーの使用を禁止するようにしてもよい。また、支払い総額が最小支払額以上のときは、減価電子マネーと通常電子マネーを組み合わせた支払いを許可するようにしてもよい。
2. 電子マネーの流れ
図2は本発明の電子マネーシステムにおいて電子マネーの流れを説明した図である。電子マネーは、従業員A1、A2を雇用する会社Aから、それぞれの従業員A1、A2に対して給与として支払われる。
従業員A1、A2が支給された電子マネーで商品を購入すると、従業員A1、A2のICカードからその購入代金分の電子マネーのバリューが減額され、その商品を販売した小売店20に移動される。その後、小売店20から電子マネーの決済情報がA社取引銀行に対して決済情報を送信し、A社取引銀行にて決済される。B社から支給された従業員B1、B2に対する給与も同様のフローとなる。
図2においては、例えば、給与の一部を減価電子マネーで支給し、A社とB社の商品に限り購入費用の一部に充当できるようA社とB社とが契約を結んでもよい。これにより、A、B両社の売上増加が期待される。電子マネーの価値を減価させるのは消費を加速するためであり、A社とB社双方の社員が双方の企業の製品を積極的に購入することになり、それらの企業の売上増加が期待できる。
3. 電子マネーシステムの処理
以上のように構成される電子マネーシステムについて、図3〜図5のフローチャートを用いて処理装置21の処理を説明する。
図3のフローチャートは、電子マネーのバリューが記録されたICカード1を用いて支払処理を行なうときの処理装置21の処理を示した図である。
操作者により処理装置21へICカード1が挿入されると、処理装置21はその挿入を確認し(S1)、ICカード1のメモリ13に格納された情報13a〜13fを読み取る(S2)。続いて、認証処理(S3)を行い、ICカードの正当性が確認されると、電子マネーのバリューの残額計算処理を行ない(S5)、その後に支払処理を行なう(S6)。
図3のステップS3の認証処理では、ICカードの認証情報13a及びユーザが入力したパスワード等の情報が認証機関60に送信され、ICカード及びユーザの正当性が検証される。認証機関60はその検証結果を処理装置21に返信する。
図3のステップS5における電子マネーのバリューの残額処理について図4のフローチャートを用いて説明する。
まず、最終減額日情報13eから最後に減価電子マネーの減額が実施された日である最終減額日を認定し、最終減額日から現時点までの間で減額処理日が何回あったかを求める(S13)(この回数の値をNとする。)。ここで、減額処理日とは、減額処理を実行する日として事前に設定された日であり、例えば、給与支給日に設定される。
次に、経過した減額処理日の回数(N)と減価率情報13eで定まる減価率とに基いて減価電子マネーの減額計算を行なう(S14〜S15)。具体的には、現時点でICカード1において残高が記録されている減価電子マネーについて、最終減額日から現時点までの経過日と減価率情報13eで定まる減価率とに基いて、経時的に価値が減少する額(以下「減価額」という)を計算する(S14)。求めた減価額を、減価マネー残額情報13eで定まる減価マネー残額から減算する(S15)。なお、経過した減額処理日の回数(N)が0のときは、まだ減額する時期ではないとし、ステップS14、S15はスキップする。
電子マネーの振り込みの確認を行なう(S16)。振り込みの確認については、処理装置21がネットワーク50を介して銀行70の電子マネー口座管理装置71と通信することにより、振り込み情報を取得する。減価電子マネー及び通常電子マネーのそれぞれについて振り込み額P、Qを確認する。
振り込み情報を確認した結果、減価電子マネーの振り込みがある場合(S17で「YES」)、振り込まれた減価電子マネーについて減額処理を行なう。すなわち、振り込み日以降の減額処理日の経過回数を求め(S18)(この回数の値をMとする。)、経過回数と減価率に基き、振り込まれた減価電子マネーを減額する(S19)。減額した振り込み額を、減価マネー残額に加算する(S20)。なお、振り込みがない場合(S17で「NO」)は、上記のステップ(S18〜S20)はスキップする。
次に、通常電子マネーについての振り込みの有無を確認する(S21)。通常電子マネーの振り込みがあるときは、通常マネー残額に、振り込まれた通常電子マネーの額を加算する(S22)。
最後に、上記ステップS14−15、S19−20において、減価電子マネーの減額処理が実施されていれば、最終減額処理日情報13eを更新する(S23)。
以上のようにして、ICカード1に対し、減価電子マネー及び通常電子マネーのバリューの更新が行なわれる。引き続き、支払処理(S6)が行なわれる。
図5のフローチャートを用いて図3のステップS6における支払処理を説明する。
まず、処理装置21は入力装置22を介して入力された支払請求額の情報を取得する(S31)。支払が発生していなければ、すなわち、支払請求額が正でなければ(S32で「NO」)、以降の処理は行なわずに本処理を終了する。支払が発生していれば、すなわち、支払請求額が正であれば(S32で「YES」)、以降の支払処理のための各ステップ(S33〜S42)を実行する。
まず、支払請求額が最小利用額以上であるか否かを判断する(S33)。
支払請求額Cが最小利用額より少ない場合(ステップS33で「NO」)、ルールBにより本支払いにおいて減価電子マネーの利用が禁止されるので、通常電子マネーで全額支払うことになる。つまり、減価電子マネーによる支払額を0に、通常電子マネーによる支払額を支払請求額と等しい額に決定する(S39)。この場合、通常マネー残額から支払請求額の全額が減算される。
支払請求額Cが最小利用額以上の場合(ステップS33で「YES」)、本支払いにおいて減価電子マネーでの支払が許可される。しかし、ルールAにより減価電子マネーの利用比率上の制約がある。そこで、減価マネー残額が、支払い請求額において一定比率以上あるか否かを判断する(S34)。ここで一定比率とはルールAにおける「最大利用率」のことである。この判断は、例えば、以下の関係式を満たすか否かで判断できる。
減価マネー残額 > 支払請求額 × 最大利用率
減価マネー残額が支払い請求額において一定比率未満の場合(S34で「NO」)は、減価マネー残額全てを使っても最大利用率による上限に達しないので、減価マネー残額全てを支払いに用いることにする。すなわち、減価電子マネーによる支払額をその残額と同じ額に設定し(S35)、通常電子マネーによる支払額を請求額から減価電子マネーによる支払分を減じた額に設定する(S36)。この場合、減価マネー残額が全額減額され、通常マネー残額から、(請求額−減価マネー残額)が減額される。
減価マネー残額が支払い請求額において一定比率以上の場合(S34で「YES」)、減価電子マネーを最大限使えるよう支払額を決定する。すなわち、減価電子マネーによる支払額を、請求額の一定額(=支払請求額×最大利用率)に設定し(S37)、通常電子マネーによる支払額を請求額から減価電子マネーによる支払分を減じた額に設定する(S38)。すなわち、この場合、減価マネー残額から請求額の一定額(=支払請求額×最大利用率)が減額され、通常マネー残額から、(請求額−請求額の一定額)が減額される。
以上のように、電子マネーにより決済を行なう際には、ルールA、Bを満たすよう、減価電子マネー及び通常電子マネーでの支払額を決定する。
減価電子マネー及び通常電子マネーでの支払額の決定後、処理装置21において請求額を支払うための処理が行なわれる(S40)。具体的には、上記ステップS35〜39のそれぞれにおいて求められた電子マネーの支払額に基き、ICカード1のメモリ13内の減価マネー残額情報13c及び通常マネー残額情報13bの更新処理を行なう。同時に、小売店の処理装置21内に保持されている減価電子マネー及び通常電子マネーの残額情報を更新する。つまり、その更新処理においては、小売店の処理装置21内に保持されている減価電子マネー及び通常電子マネーの残額情報にそれぞれのマネーの支払額分が加算される。
今回の処理において、減価電子マネーについて経時的な減価が発生した場合(すなわち、減価額が正であるとき)は(S41で「YES」)、その減価額をその電子マネー支給者に変換するための処理を行なう(S42)。具体的には、小売店の処理装置21内に保持されている、その減価電子マネーに支給者に関する減価電子マネーの減価額情報を更新する。減価電子マネーの支給者に関する情報は例えばユーザの認証情報に基き認証機関から得るようにする。
減価額を支給者に返還するのは次の理由による。企業が減価電子マネーを振出した場合、使用された減価電子マネーを通常貨幣に兌換する義務がありますので、企業から見ると負債と見なされる。リニアに一定の比率で減価する場合は減価額をフィードバックしなくても、振り出した電子マネーの総額を一定比率で減額することにより負債総額を常に把握することができる。ところが、減価比率がノンリニアで、例えば50%減額したらあとは減額しないように設定されている場合は、電子マネーの総額から減額の総額を単純に演算できなくなる。そのような場合でも負債総額となる電子マネーの有効総額を正確に把握するためには、個々の電子マネーの減額分をフィードバックしてそれを累計する必要がある。すなわち、減価額をフィードバックするのはノンリニアな減価をさせる場合であっても市中での総量を把握することを可能とするためである。
なお、減価電子マネーの使用条件として減価電子マネーの有効期限を設けても良い。有効期限に関する情報は例えば使用条件13fに含ませても良い。減価電子マネーの残額計算時において有効期限の切れた減価電子マネーはその価値をゼロとして処理する。
以上のように、本実施形態によれば、経時的に減価する電子マネーを用いて電子的決済が可能となる。一般消費者は経時的に減価する電子マネーが支給された場合、電子マネーの貯蓄等をせずに積極的に消費しようとすると考えら、個人消費が誘導され、需要の増大が図れる。
(実施の形態2)
本発明に係る電子マネーシステムの別の形態を説明する。本実施形態では、ICカードを用いずに銀行口座上での振り替えによる、減価電子マネーを用いた決済処理を行なう。
図6に、本実施形態の電子マネーシステムの構成を示す。本実施形態の決済装置81は処理部82と記憶部83を有する。記憶部83は以下の情報83a〜83gを格納する。
認証情報(83a):利用者の認証情報。
普通預金残額情報(83b):銀行の普通預金口座の残額を示す情報。
減価預金残額情報(83c):銀行の減価預金口座の残額を示す情報。
減価率情報(83d):減価電子マネーに関し、経時的な減額を行なう際の減額の割合を示す情報。
最終減額日情報(83e):減価電子マネーに関し、最後に減額計算が実施された日の日付けを示す情報。
使用条件(83f):減価電子マネーに関する使用条件を示す情報。
減額日情報(83g):減額処理を行なう日を示す情報。
処理部83は記憶部83からの情報83a〜83gの読み出し、記憶部83内の情報83a〜83gの更新処理を行なう。
本実施形態における減価電子マネーの処理の概要を説明する。本実施形態においても、実施の形態1と同様に減価電子マネーの使用においてはルールA、Bの制約があるものとする。また、A社からその従業員A1の預金口座に金額が振り込まれるものとする。
銀行90には、図7に示すように、銀行口座としてA社の口座95、従業員A1の普通預金口座96a、減価電子マネー用の預金口座(以下「減価預金口座」という。)96bが設けられている。銀行90は減価預金口座にある減価電子マネーの残高を経時的に減価し、減価分をその減価電子マネーの振り出し元であるA社に還元する。具体的には、図8に示すように、所定の減額処理日毎に(S51)、従業員A1の減価預金口座96bの預金残高を確認し(S52)、その預金残高に減価率を乗算して減価額を計算する(S53)。その減価額分を減価預金口座96bの残高から減じる処理を行ない(S54)、減価額分を減価預金口座96bからA社の口座95に口座振り替えする(S55)。
図9に示すように、A社から従業員A1の預金口座96a、96bに金額が振り込まれる。従業員A1は小売店20で商品を購入し、その代金の一部を減価電子マネーで支払うことを応諾する。小売店20は従業員A1についての支払請求を決済機関80に請求する。決済機関80はその支払請求に対し、従業員A1の銀行Aの減価預金口座96bの残高を確認し、支払金額のうちの一定比率分を従業員A1の減価預金口座96bから引き落とし、且つ残金を普通預金口座96aから引き落として小売店20の銀行口座に振り替えるよう、銀行Aに精算請求を行なう。この場合、減価預金口座96bの残高が上記一定比率分の金額に満たないときは、その不足分は従業員A1の普通預金口座96aから充当する。
図10のフローチャートを用いて上記の処理を説明する。
決済装置81は小売店20から支払請求額の情報を取得する(S61)。支払が発生していなければ(S62で「NO」)、以降の処理は行なわずに本処理を終了する。支払が発生していれば(S62で「YES」)、以降の決済処理のための各ステップ(S63〜S70)を実行する。
まず、支払請求額が最小利用額以上であるか否かを判断する(S63)。支払請求額が最小利用額より少ない場合(ステップS63で「NO」)、ルールBにより本支払いにおいては減価電子マネーを利用できないので、普通預金口座から全額支払うことになる。つまり、減価預金口座からの支払額を0に、普通預金からの支払額を支払請求額と等しい額に決定する(S69)。この場合、普通預金残額から支払請求額の全額が減算される。
支払請求額が最小利用額以上の場合(ステップS63で「YES」)、本支払いにおいて減価電子マネーでの支払が可能である。ルールAを考慮し、減価預金残額が、支払い請求額において一定比率(最大利用率)以上あるか否かを判断する(S64)。
減価預金残額が支払い請求額において一定比率未満の場合(S64で「NO」)は、減価電子マネーによる支払額を減価預金残額の全額とし(S65)、普通預金からの支払額を(請求額−減価預金残額)とする(S66)。この場合、減価預金残額が全額減額され、通常預金残額から、(請求額−減価預金残額)が減額される。
減価マネー残額が支払い請求額において一定比率以上の場合(S64で「YES」)、減価預金口座からの支払額を、請求額の一定額(=支払請求額×最大利用率)に設定し(S67)、普通預金口座からの支払額を請求額から減価電子マネーによる支払分を減じた額に設定する(S68)。このとき、減価預金残額から請求額の一定額(=支払請求額×最大利用率)が減額される。
減価預金口座及び普通預金口座からの支払額の決定後、銀行90に対して精算の請求が行なわれる(S70)。具体的には、上記ステップS65〜69のそれぞれにおいて求められた支払額を減価預金口座及び普通預金口座から小売店20の口座に振り込むための請求を銀行90に対して行なう。また、決済装置81の記憶部83内の普通預金残額情報83b及び減価預金残額情報83cの更新処理を行なう。
以上のように、本実施形態においては、電子マネーが記録されたICカードを用いずに減価電子マネーを用いた商品の購入代金の支払について決済が可能となる。
(実施の形態3)
以上説明した経時的に減価する電子マネーについての利用態様の別の例を説明する。具体的には、国から戻し税として所定の金額が減価電子マネーを用いて個人に支払われた場合を説明する。
図11において、国庫100から戻し税として所定の金額が個人Cの減価預金口座94aに振り込まれる。個人Cは小売店20において商品を購入する。小売店は20は、その代金の支払請求を銀行90に行なう。銀行90は個人Cの減価預金口座94a及び普通預金口座94bからその支払請求に応じた額を小売店の預金口座97に振り替える。なお、銀行90の決済装置91の処理は、実施の形態2における図10のフローチャートで示した処理と同様である。
なお、減価預金口座94aにおける経時的な減価分は定期的に国庫100に対して再納税される。例えば、毎月の所定日(例えば1日)に個人Cの減価預金口座94aの預金残高を確認し、その残高の減価率分を国庫100に再納税するようにする。その際、再納税した額を、個人Cの減価預金口座94aの預金残高から減額する。本処理は図8に示す処理と同様である。以上のように再納税するのは次の理由による。
政府が戻し減税として電子マネーを振り出した場合、電子マネー分だけカレンシーの市中のフローが増大することになるので、フローの総量を把握するためには有効な電子マネーの総額を把握することが必要である。リニアに減額する場合、その把握は容易であるが、ノンリニアに減額するようにすると個々の電子マネーの減額をフィードバックしなければ総量を把握することができない。このように、再納税するのはノンリニアな減価をさせる場合でも、市中での総量を把握することを可能とするためである。
また、戻し税として減価電子マネーを振り出す意味は、減税を確実に有効需要の増加に結びつけることが期待できるからである。つまり、戻し税が貯蓄に回らず、消費に回るようにするために減価させるのである。減価させるということはマイナスの利息と等価になり、確実に消費に回ることが期待できる。
また、支払い金額の一定比率しか減価電子マネーを使えないようにすること(ルールA)により、減税額の何倍かの消費を誘導できるものと考えられる。例えば、減価電子マネーを使えるのを支払い額の20%までとすれば、1兆円減税が5兆円減税分の効果を奏するものと期待できる。
また、減価電子マネーの支払い金額の下限を設けること(ルールB)により、低額の商品等の購入に使用され、結果的に有効需要の増大につながらなくなることを回避する。すなわち、高額商品による個人消費を誘導して有効需要の増大を図っている。
本発明の実施の形態1の電子マネーシステムの構成図である。 実施の形態1における電子マネーシステムにおける電子マネーの流れの一例を説明した図である。 実施の形態1における減価電子マネーを用いた決済処理を示すフローチャートである。 決済処理における電子マネーの残額計算処理を示すフローチャートである。 決済処理における支払処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2の電子マネーシステムの構成図である。 銀行における減価電子マネー用口座を説明した図である。 減価電子マネーの減額分の返還処理を示すフローチャートである。 実施の形態2における電子マネーシステムにおける電子マネーの流れの一例を説明した図である。 実施の形態2における決済処理を示すフローチャートである。 実施の形態3における減価電子マネーのフローを説明した図である。 従来の電子マネーシステムの構成図である。
符号の説明
1 ICカード
11 暗号化処理部
13 メモリ
20 一般小売店
21 処理装置
22 入力装置
50 ネットワーク
60 認証機関
70、90 銀行
71 電子マネー口座管理装置
80 決済機関
81 決済装置
82 処理部
83 記憶部
100 国庫

Claims (22)

  1. 所定の記録媒体に記録された金銭的価値に関する情報である電子マネーを用いて電子的に決済する電子マネーシステムにおける決済方法であって、
    前記記録媒体に第1の電子マネーの残額を記録し、
    決済時において、所定の基準日と決済日との差に基づき、前記第1の電子マネーの残額を所定比率に基いて減額し、該減額した残額を新たな第1の電子マネーの残額とすることにより経時的に第1のマネーを減価し、
    その減価した第1の電子マネーの残額から決済時における請求額の少なくとも一部を支払う
    ことを特徴とする電子決済方法。
  2. さらに、前記記録媒体に、経時的に減価しない第2の電子マネーの残額を記録し、
    決済時に前記第1の電子マネーを使用するときは、前記第2の電子マネーと組み合わせて使用することを特徴とする請求項1記載の電子決済方法。
  3. 支払請求額中の前記第1の電子マネーの占める割合の上限を設けたことを特徴とする請求項2記載の電子決済方法。
  4. 前記第1の電子マネーを使用する際の支払可能額の下限を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一に記載の電子決済方法。
  5. 所定の記録媒体に記録された金銭的価値に関する情報である電子マネーを用いて電子的に決済する方法であって、
    前記記録媒体に第1の電子マネーの残額および第2の電子マネーの残額を記録し、
    決済時において、前記第1の電子マネーを使用するときは、前記第2の電子マネーと組み合わせて使用し、支払請求額中の前記第1の電子マネーの占める割合の上限を設けたことを特徴とすることを特徴とする電子決済方法。
  6. 前記第1の電子マネーを使用する際の支払可能額の下限を設けたことを特徴とする請求項5記載の電子決済方法。
  7. 前記第1の電子マネーの有効期限を設けたことを特徴とする請求項5記載の電子決済方法。
  8. 電子的決済可能な金銭的価値に関する情報である電子マネーの残額が記録された記録媒体であって、
    経時的に減価する電子マネーである減価電子マネーの残額の情報と、
    前記減価電子マネーを減価処理するときに用いる、減価処理前後の減価電子マネーの残額の比率である減価率と
    を記録したことを特徴とする電子マネーの記録媒体。
  9. 経時的にその価値が変動しない電子マネーである通常電子マネーの残額の情報と、
    決済時の支払請求額中の減価電子マネーの占める割合の上限とをさらに記録したことを特徴とする請求項8記載の電子マネーの記録媒体。
  10. 前記減価電子マネーの支払可能額の下限の情報をさらに記録したことを特徴とする請求項8記載の電子マネーの記録媒体。
  11. 前記減価電子マネーを減価する時点を示す減額処理日の情報をさらに記録したことを特徴とする請求項8記載の電子マネーの記録媒体。
  12. 電子的決済可能な金銭的価値に関する情報である電子マネーの残額が記録された記録媒体であって、
    第1の電子マネーの残額の情報と、第2の電子マネーの残額の情報と、
    前記第1の電子マネーと第2の電子マネーとを用いた決済時において、支払請求額中の前記第1の電子マネーの占める割合の上限を示す情報を記録したことを特徴とする電子マネーの記録媒体。
  13. 前記第1の電子マネーの有効期限を示す情報を記録したことを特徴とする請求項12記載の電子マネーの記録媒体。
  14. 前記第1の電子マネーを使用する際の支払可能額の下限を記録したことを特徴とする請求項12記載の電子マネーの記録媒体。
  15. 請求項8ないし11のいずれか一に記載の記録媒体に記録された情報を読み出し、所定の基準日からの経過日数にしたがい、前記記録媒体に記録された減価電子マネーの残額を前記減価率に基いて減額する、ことを特徴とする電子マネーの処理装置。
  16. 請求項12ないし14のいずれか一に記載の記録媒体に記録された情報を読み出し、支払い請求額と第1の電子マネーの占める割合の上限を示す情報にしたがい、前記記録媒体に記録された第1の電子マネーおよび第2の電子マネーの残額を合計が支払い請求額となるよう減額し、支払い先の電子マネーを支払い請求額だけ増額する、ことを特徴とする電子マネーの処理装置。
  17. 所定の記録媒体に記録された金銭的価値に関する情報である電子マネーを用いて電子的に決済する電子マネーシステムにおける決済方法であって、
    前記記録媒体に第1の電子マネーの残額を記録し、
    決済時において、支払い金額が所定の金額を超える時には前記第1の電子マネーを用いて決済することを許可し、支払い金額が前記所定の金額に満たない場合には前記第1の電子マネーを用いた決済を禁止する
    ことを特徴とする電子決済方法。
  18. さらに、前記記録媒体あるいは他の記録媒体に第2の電子マネーの残額を記録し、
    決済時において、支払い金額が前記所定の金額を超える時には前記第1の電子マネーと前記第2の電子マネーの両方を用いて決済することを特徴とする請求項17記載の電子決済方法。
  19. 前記第1の電子マネーは、経時的に減価することを特徴とする請求項17記載の電子決済方法。
  20. 前記記録媒体に前記第1の電子マネーが減価する程度を示す減価情報が記録されており、所定の日と決済日の差と、前記減価情報とに基づいて前記第1の電子マネーの原価後の残額を計算し、前記第1の原価電子マネーの残額を原価後の残額で実質的に置き換えることを特徴とする請求項19記載の電子決済方法。
  21. 前記第1の電子マネーに有効期限が設定されていることを特徴とする請求項17記載の電子決済方法。
  22. 決済時において、請求項8ないし11のいずれか一に記載の記録媒体に記録された情報を読み出し、支払い金額が所定の金額を超える時には前記第1の電子マネーを用いて決済することを許可し、支払い金額が前記所定の金額に満たない場合には前記第1の電子マネーを用いた決済を禁止する、ことを特徴とする電子マネーの処理装置。
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