JPWO2004032509A1 - ケーブルテレビ用セットトップボックスシステム、アクセスポイント装置、ならびにセットトップボックス装置 - Google Patents
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Abstract
STB装置を家庭内に自由に配置することができ、またSTB装置までの家庭内のケーブル設置を省略することができ、その結果、STB装置の家庭内設置の費用を削減することができるCATV用STBシステムである。CATV用STBシステムは、同軸ケーブルに接続され、この同軸ケーブルを通して配信されてきた映像信号を受信するAP装置と、このAP装置と対になり、TVに接続され、このTVに対して映像信号を出力するSTB装置(42)とから構成され、AP装置から送信されてきた無線信号を分離した映像信号のスクランブルを解き、制御用データを用いて顧客視聴管理を行うPOD(20)をSTB装置(42)側に設け、またAP装置およびSTB装置(42)に無線処理部をそれぞれ設けて、AP装置とSTB装置(42)との間を無線信号によって接続し、映像信号と顧客視聴管理の制御用データとを1つの無線帯域で多重化して送受信する。
Description
本発明は、ケーブルテレビ(CATV:cable television)用の情報伝送技術に関し、特に無線にて映像信号を送受信するセットトップボックス(STB:Set Top Box)装置、アクセスポイント(AP:Access Point)装置及びCATV用STBシステムに適用して有効な技術に関する。
本発明者が検討したところによれば、CATV用の情報伝送技術に関しては、以下のような技術が考えられる。
たとえば、家庭用のCATV用STB装置は、米国ケーブルラボが規格化している「Open Cable STB」に示されるように、各家庭へ配線される同軸ケーブルを通して、アナログあるいはデジタル方式のテレビ(TV:television)信号を家庭へ配信し、同時に顧客視聴管理情報を、別の周波数帯域(OOB:Out Of Band)を通して各家庭と基地局間で送受信を行っている。
また、本発明者が本発明の前提として検討したSTB装置として、たとえば図9に示すような技術があり、その概要を以下において説明する。図9は、本発明の前提となるSTB装置の構成例を示す。
本発明の前提となるSTB装置35は、FAT(Forward Application Transport)チューナ2、AD変換器3、QAM復調器4、FECデコーダ5、切り替えスイッチ6、OOBチューナ11、AD変換器12、QPSK復調器13、FECデコーダ14、OOB用MAC回路15、DA変換器16、QPSK変調器17、POD(Point Of Deployment)インタフェース18、POD20、POD用ECC発生器21、POD制御用CPU22、デスクランブラ23、デマルチプレクサ30、ビデオデコーダ31、オーディオデコーダ32、ビデオ出力端子37、オーディオ出力端子38、STB装置制御用CPU60などから構成されている。
このSTB装置35において、家庭へ配線される同軸ケーブル45により、家庭内へ設置されたSTB装置35にTV信号が配信され、STB装置35にて映像信号と音声信号に復元され、これらがビデオ出力端子37、オーディオ出力端子38からTV(図示せず)に接続されてTVプログラムを視聴者が楽しむことができる。TV信号は、FATチャンネルにより送信される。変調(圧縮)方式としては、MPEG−TS(MPEG Transport Stream)などのデジタル変調方式が用いられる。
FATチューナ2により、複数のFATチャンネルから1つが選択され、選択されたチャンネルの信号が、AD変換器3、QAM復調器4によりデジタル信号に復調され、さらにFECデコーダ5により誤り訂正処理を施された後に、PODインタフェース18を介してPOD20へ入力される。POD20では、デスクランブラ23により、スクランブルを解かれて、再びPODインタフェース18を介してSTB装置35へ戻される。
切り替えスイッチ6は、デジタル変調方式のTV信号の切り替え用で、POD20が装着されている場合にはPOD20でデスクランブルされた信号を、POD20が装着されていない場合にはデスクランブルされる前の信号を、MPEG−TSのデマルチプレクサ30へ入力する。デマルチプレクサ30は、デジタル変調されたTV信号の中から、映像信号と音声信号を分離し、それぞれをビデオデコーダ31とオーディオデコーダ32へ入力する。ビデオデコーダ31はMPEG方式で符号化(圧縮)された映像信号を復号処理して出力する。また、オーディオデコーダ32は、同じくMPEG方式、あるいはAC−3方式で符号化(圧縮)された音声信号を復号処理して出力する。
TV信号とは異なる顧客視聴管理の各種制御用のデータは、FATチャンネルとは異なる周波数帯域(OOB)を用いて基地局(図示せず)と各家庭へ設置されたSTB装置35間で送受信される。基地局からSTB装置35へ送られる、番組情報や、課金制御などの情報を含む制御用データは、OOBチューナ11にて選択された後、AD変換器12、QPSK復調器13にてデジタルデータに復号され、さらにFECデコーダ14にて誤り訂正処理が施される。FECデコーダ14の出力は、PODインタフェース18を介してPOD20へ入力されるとともに、OOB用MAC回路15へ入力される。POD20では、課金制御を行うPOD制御用CPU22がこの制御用データを取り込み、課金制御にこのデータを用いる。
一方、OOB用MAC回路15に入力されたデータは、このOOB用MAC回路15により必要なデータだけ選択された後に、STB装置35の全体の制御を行うSTB装置制御用CPU60に入力される。STB装置制御用CPU60は、この情報を元に、視聴者の選択による有料放送の受信申し込み処理などを行う。この処理は、具体的にはSTB装置制御用CPU60とPOD制御用CPU22の間でデータ通信を行い、有料放送の視聴依頼をPOD制御用CPU22へ行う。POD制御用CPU22は、前記OOBチャンネルにより送られてきた制御用データを用いて、必要に応じて有料放送視聴の情報を基地局へ送るとともに、視聴者がその放送を受信する権利を有する場合に、デスクランブラ23を制御してデジタル変調されたTV信号のスクランブルを解き、有料放送の視聴を可能にする。
有料放送視聴の情報は、POD用ECC発生器21により誤り訂正符号を付加されて、PODインタフェース18を介してQPSK変調器17へ送られ、同軸ケーブル45を介して送信可能な変調信号に変換され、さらにDA変換器16によりアナログ信号に変換され、OOBチューナ11へ入力される。さらに、同軸ケーブル45を通して基地局(図示せず)へ送られる。
ところで、前記のようなSTB装置について、本発明者が検討した結果、以下のようなことが明らかとなった。
たとえば、前述したSTB装置では、同一の同軸ケーブルを用いて、TV信号だけではなく顧客視聴管理の各種制御用のデータも送受信可能であり、安価なシステム構成で高機能なサービスをユーザに与えることができる優れたシステムである。しかし、全ての情報をケーブルを介して送るため、STB装置を増設するにはケーブルの配線が必須である。すなわち、同じ家庭内で、2台目以降のSTB装置を増設するには、家庭内において2台目、3台目のSTB装置、あるいはTVが設置されている部屋まで新規にケーブルの設置工事が必要である。通常、各家庭までのケーブルは既に配線されているものが多いが、家庭内の配線は多くの場合、全く行われておらず、多大な費用が必要となる。
そこで、本発明の目的は、STB装置を家庭内に自由に配置することができ、またSTB装置までの家庭内のケーブル設置を省略することができ、その結果、STB装置の家庭内設置の費用を削減することができるCATV用STBシステムを提供することにある。
なお、本発明者は、以前にPCT出願(国際出願番号:PCT/JP01/10209)において、STB装置をケーブルに接続される部分とTVに接続される部分とに分離したCATV用STBシステムを出願しているが、本発明とはPODを設ける位置が異なっている。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
たとえば、家庭用のCATV用STB装置は、米国ケーブルラボが規格化している「Open Cable STB」に示されるように、各家庭へ配線される同軸ケーブルを通して、アナログあるいはデジタル方式のテレビ(TV:television)信号を家庭へ配信し、同時に顧客視聴管理情報を、別の周波数帯域(OOB:Out Of Band)を通して各家庭と基地局間で送受信を行っている。
また、本発明者が本発明の前提として検討したSTB装置として、たとえば図9に示すような技術があり、その概要を以下において説明する。図9は、本発明の前提となるSTB装置の構成例を示す。
本発明の前提となるSTB装置35は、FAT(Forward Application Transport)チューナ2、AD変換器3、QAM復調器4、FECデコーダ5、切り替えスイッチ6、OOBチューナ11、AD変換器12、QPSK復調器13、FECデコーダ14、OOB用MAC回路15、DA変換器16、QPSK変調器17、POD(Point Of Deployment)インタフェース18、POD20、POD用ECC発生器21、POD制御用CPU22、デスクランブラ23、デマルチプレクサ30、ビデオデコーダ31、オーディオデコーダ32、ビデオ出力端子37、オーディオ出力端子38、STB装置制御用CPU60などから構成されている。
このSTB装置35において、家庭へ配線される同軸ケーブル45により、家庭内へ設置されたSTB装置35にTV信号が配信され、STB装置35にて映像信号と音声信号に復元され、これらがビデオ出力端子37、オーディオ出力端子38からTV(図示せず)に接続されてTVプログラムを視聴者が楽しむことができる。TV信号は、FATチャンネルにより送信される。変調(圧縮)方式としては、MPEG−TS(MPEG Transport Stream)などのデジタル変調方式が用いられる。
FATチューナ2により、複数のFATチャンネルから1つが選択され、選択されたチャンネルの信号が、AD変換器3、QAM復調器4によりデジタル信号に復調され、さらにFECデコーダ5により誤り訂正処理を施された後に、PODインタフェース18を介してPOD20へ入力される。POD20では、デスクランブラ23により、スクランブルを解かれて、再びPODインタフェース18を介してSTB装置35へ戻される。
切り替えスイッチ6は、デジタル変調方式のTV信号の切り替え用で、POD20が装着されている場合にはPOD20でデスクランブルされた信号を、POD20が装着されていない場合にはデスクランブルされる前の信号を、MPEG−TSのデマルチプレクサ30へ入力する。デマルチプレクサ30は、デジタル変調されたTV信号の中から、映像信号と音声信号を分離し、それぞれをビデオデコーダ31とオーディオデコーダ32へ入力する。ビデオデコーダ31はMPEG方式で符号化(圧縮)された映像信号を復号処理して出力する。また、オーディオデコーダ32は、同じくMPEG方式、あるいはAC−3方式で符号化(圧縮)された音声信号を復号処理して出力する。
TV信号とは異なる顧客視聴管理の各種制御用のデータは、FATチャンネルとは異なる周波数帯域(OOB)を用いて基地局(図示せず)と各家庭へ設置されたSTB装置35間で送受信される。基地局からSTB装置35へ送られる、番組情報や、課金制御などの情報を含む制御用データは、OOBチューナ11にて選択された後、AD変換器12、QPSK復調器13にてデジタルデータに復号され、さらにFECデコーダ14にて誤り訂正処理が施される。FECデコーダ14の出力は、PODインタフェース18を介してPOD20へ入力されるとともに、OOB用MAC回路15へ入力される。POD20では、課金制御を行うPOD制御用CPU22がこの制御用データを取り込み、課金制御にこのデータを用いる。
一方、OOB用MAC回路15に入力されたデータは、このOOB用MAC回路15により必要なデータだけ選択された後に、STB装置35の全体の制御を行うSTB装置制御用CPU60に入力される。STB装置制御用CPU60は、この情報を元に、視聴者の選択による有料放送の受信申し込み処理などを行う。この処理は、具体的にはSTB装置制御用CPU60とPOD制御用CPU22の間でデータ通信を行い、有料放送の視聴依頼をPOD制御用CPU22へ行う。POD制御用CPU22は、前記OOBチャンネルにより送られてきた制御用データを用いて、必要に応じて有料放送視聴の情報を基地局へ送るとともに、視聴者がその放送を受信する権利を有する場合に、デスクランブラ23を制御してデジタル変調されたTV信号のスクランブルを解き、有料放送の視聴を可能にする。
有料放送視聴の情報は、POD用ECC発生器21により誤り訂正符号を付加されて、PODインタフェース18を介してQPSK変調器17へ送られ、同軸ケーブル45を介して送信可能な変調信号に変換され、さらにDA変換器16によりアナログ信号に変換され、OOBチューナ11へ入力される。さらに、同軸ケーブル45を通して基地局(図示せず)へ送られる。
ところで、前記のようなSTB装置について、本発明者が検討した結果、以下のようなことが明らかとなった。
たとえば、前述したSTB装置では、同一の同軸ケーブルを用いて、TV信号だけではなく顧客視聴管理の各種制御用のデータも送受信可能であり、安価なシステム構成で高機能なサービスをユーザに与えることができる優れたシステムである。しかし、全ての情報をケーブルを介して送るため、STB装置を増設するにはケーブルの配線が必須である。すなわち、同じ家庭内で、2台目以降のSTB装置を増設するには、家庭内において2台目、3台目のSTB装置、あるいはTVが設置されている部屋まで新規にケーブルの設置工事が必要である。通常、各家庭までのケーブルは既に配線されているものが多いが、家庭内の配線は多くの場合、全く行われておらず、多大な費用が必要となる。
そこで、本発明の目的は、STB装置を家庭内に自由に配置することができ、またSTB装置までの家庭内のケーブル設置を省略することができ、その結果、STB装置の家庭内設置の費用を削減することができるCATV用STBシステムを提供することにある。
なお、本発明者は、以前にPCT出願(国際出願番号:PCT/JP01/10209)において、STB装置をケーブルに接続される部分とTVに接続される部分とに分離したCATV用STBシステムを出願しているが、本発明とはPODを設ける位置が異なっている。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
すなわち、本発明のCATV用STBシステムは、ケーブルに接続され、このケーブルを通して配信されてきた映像信号を受信するAP装置と、TVに接続され、このTVに対して映像信号を出力するSTB装置とに分割し、AP装置から送信されてきた無線信号から分離した映像信号のスクランブルを解き、制御用データを用いて顧客視聴管理を行うPODをSTB装置側に設けた構成において、両者の間を無線信号によって接続するとともに、TV信号(映像信号)だけではなく、課金情報などの顧客視聴管理の制御用データも1つの無線帯域で同じ無線信号の中に時間重畳して処理することにより、前述したようなシステムの利点を損なうことなく、AP装置とSTB装置間の配線をなくして、STB装置を自由に配置できるようにしたものである。
さらに、本発明のCATV用STBシステムは、映像信号、PODへの制御用データ、PODからの制御用データに時間情報を付加して送信し、受信時に時間情報を元に再生のタイミングを制御することができるようにしたものである。また、AP装置に複数の独立した各手段を含むことで、複数のSTB装置に対応できるようにしたものである。
よって、本発明のCATV用STBシステムによれば、STB装置を家庭内に自由に配置することができ、STB装置までの家庭内のケーブル設置を省略することができる。そのため、家庭内設置の費用を削減することができる。このことは、2台目以降のSTB装置の増設時に顕著である。
さらに、本発明により、STB装置とAP装置間の配線が不要となることから、家庭内でSTB装置を自由に持ち運びでき、視聴者へ新しい利便性を提供でき、新しい携帯TVシステムへの応用も期待することができる。
特に、本発明は、家庭内のSTB装置などの、TV信号を受信するワイヤレス受信装置およびシステムに適用して効果的であり、同様に、表示部と信号発信源が分離した映像再生装置にも適用することが可能である。
すなわち、本発明のCATV用STBシステムは、ケーブルに接続され、このケーブルを通して配信されてきた映像信号を受信するAP装置と、TVに接続され、このTVに対して映像信号を出力するSTB装置とに分割し、AP装置から送信されてきた無線信号から分離した映像信号のスクランブルを解き、制御用データを用いて顧客視聴管理を行うPODをSTB装置側に設けた構成において、両者の間を無線信号によって接続するとともに、TV信号(映像信号)だけではなく、課金情報などの顧客視聴管理の制御用データも1つの無線帯域で同じ無線信号の中に時間重畳して処理することにより、前述したようなシステムの利点を損なうことなく、AP装置とSTB装置間の配線をなくして、STB装置を自由に配置できるようにしたものである。
さらに、本発明のCATV用STBシステムは、映像信号、PODへの制御用データ、PODからの制御用データに時間情報を付加して送信し、受信時に時間情報を元に再生のタイミングを制御することができるようにしたものである。また、AP装置に複数の独立した各手段を含むことで、複数のSTB装置に対応できるようにしたものである。
よって、本発明のCATV用STBシステムによれば、STB装置を家庭内に自由に配置することができ、STB装置までの家庭内のケーブル設置を省略することができる。そのため、家庭内設置の費用を削減することができる。このことは、2台目以降のSTB装置の増設時に顕著である。
さらに、本発明により、STB装置とAP装置間の配線が不要となることから、家庭内でSTB装置を自由に持ち運びでき、視聴者へ新しい利便性を提供でき、新しい携帯TVシステムへの応用も期待することができる。
特に、本発明は、家庭内のSTB装置などの、TV信号を受信するワイヤレス受信装置およびシステムに適用して効果的であり、同様に、表示部と信号発信源が分離した映像再生装置にも適用することが可能である。
図1〜図6は本発明の実施の形態1のCATV用STBシステムを説明するための図であり、それぞれ図1はAP装置を示す構成図、図2はSTB装置を示す構成図、図3はデータ転送を示すタイミング図、図4はデータ転送を詳細に示すタイミング図、図5は無線MAC回路内のデータ受入/ヘッダ処理部を示すブロック図、図6は無線MAC回路内のデータ受信/出力制御部を示すブロック図、図7,図8は本発明の実施の形態2のCATV用STBシステムを説明するための図であり、それぞれ図7はAP装置を示す構成図、図8はデータ転送を詳細に示すタイミング図、図9は本発明の前提として検討したSTB装置を示す構成図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものには同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本発明による実施の形態1のCATV用STBシステムを、図1〜図6により説明する。
図1は、本実施の形態のCATV用STBシステムにおいて、同軸ケーブルに接続されるAP装置の構成図を示す。図2は、TVに接続されるSTB装置の構成図を示す。
本実施の形態によるCATV用STBシステムは、図1に示すような、同軸ケーブルに接続され、この同軸ケーブルを通して配信されてきた映像信号を受信するAP装置と、このAP装置と対になり、図2に示すような、TVに接続され、このTVに対して映像信号を出力するSTB装置とから構成される。
図1において、本実施の形態による、同軸ケーブル45に接続され、この同軸ケーブル45を通して配信されてきた映像信号を受信するAP装置1は、前述した本発明の前提となる図9のSTB装置35に比べて、デマルチプレクサ30、ビデオデコーダ31、オーディオデコーダ32、STB装置制御用CPU60で構成されるMPEGデコーダ部が、無線MAC回路8、無線PHY回路9、無線RF回路10、AP装置制御用CPU41で構成される無線処理部に置き換わり、画像を再生するのではなく、無線情報としてデータを図2に示すSTB装置42へ送受信する機能を有する装置である点が異なる。また、PODも存在しない。
すなわち、本実施の形態によるAP装置1は、FATチューナ2、AD変換器3、QAM復調器4、FECデコーダ5、無線MAC回路8、無線PHY回路9、無線RF回路10、OOBチューナ11、AD変換器12、QPSK復調器13、FECデコーダ14、DA変換器16、QPSK変調器17、AP装置制御用CPU41、無線入出力端子24などから構成されている。図1において、図9と同じ機能を持つブロックには同じ符号を付けてあり、それらの処理については説明を省略する。
このAP装置1には、同軸ケーブル45を通して配信されてきた映像信号の中から所望のチャンネルを選択する選択手段としてのFATチューナ2、選択されたチャンネルの映像信号をデジタル信号へ復調する復調手段としてのAD変換器3、QAM復調器4およびFECデコーダ5、顧客視聴管理の制御用データを処理する第1処理手段としてのAP装置制御用CPU41、デジタル変調された映像信号と処理された制御用データとを多重化し、変調した後に1つの無線帯域における無線信号に変換して送信する第1無線処理手段としての無線MAC回路8、無線PHY回路9および無線RF回路10などがそれぞれ設けられている。
このAP装置1において、無線MAC回路8には、FECデコーダ5から出力されるFATチャンネルのデータ(デジタルチャンネル、同図のd)と、FECデコーダ14から出力されるOOBチャンネルのダウンデータ(同図のe)が入力される。また無線MAC回路8からは、OOBチャンネルを利用して、図2のSTB装置42から基地局(図示せず)へ送られる管理データ(OOBチャンネルのアップデータ)がQPSK変調器17へ出力される(同図のf)。この無線MAC回路8は、前述の3種類のデータを時間軸上で多重化処理を行い、無線PHY回路9へ入出力する。
無線PHY回路9では、入力されたデータに誤り訂正符号を付加した上で、変調(現在の場合は、例えば256QAM変調だが、他の変調方式でも同じような効果が期待できる)し、さらに高周波処理部の無線RF回路10で高周波の無線信号に変換され、無線入出力端子24から出力される。また、STB装置42から送られてくるOOBチャンネルのアップデータは、逆に無線RF回路10で受信され、無線PHY回路9で復調され、無線MAC回路8へ送られる。
図2において、本実施の形態によるSTB装置42は、前記図1のAP装置1と対をなす受信機能を有し、TVに接続され、このTVに対して映像信号を出力する装置であり、無線入出力端子25、無線RF回路26、無線PHY回路27、無線MAC回路28、切り替えスイッチ6、OOB用MAC回路15、PODインタフェース18、POD20、POD用ECC発生器21、POD制御用CPU22、デスクランブラ23、デマルチプレクサ30、ビデオデコーダ31、オーディオデコーダ32、STB装置制御用CPU47、ビデオ出力端子37、オーディオ出力端子38などから構成されている。
このSTB装置42には、AP装置1から1つの無線帯域を使って送信されてきた無線信号を受信し、デジタル信号に変換した後に所望の信号を選択し、映像信号と顧客視聴管理の制御用データとを分離する第2無線処理手段としての無線RF回路26、無線PHY回路27および無線MAC回路28、分離された映像信号のスクランブルを解き、制御用データを用いて顧客視聴管理を行う展開手段としてのPOD20、スクランブルが解かれた映像信号を復号して、テレビに対して出力する復号手段としてのデマルチプレクサ30、ビデオデコーダ31およびオーディオデコーダ32、分離された制御用データを処理する第2処理手段としてのSTB装置制御用CPU47などがそれぞれ設けられている。
このSTB装置42では、無線入出力端子25から送受信した信号を、無線RF回路26でベースバンド信号に変換し、無線PHY回路27でデジタル信号へ変換し、無線MAC回路28により必要なデータの取捨選択を行う。具体的には、対となるAP装置1以外の装置から出力されている、他の装置へ転送されるデータなどを除外する。無線MAC装置28は、さらにAP装置1で多重化された3種類のデータから、STB装置42へ送られる2種類のデータ(FATチャンネルのデータとOOBチャンネルのダウンデータ)を分離し、それぞれ対応するブロックへ入出力する。
具体的には、図1のデジタルチャンネルのデータである、FATチャンネルから送られる映像信号(同図のd’)は、PODインタフェース18と切り替えスイッチ6へ接続される。OOBチャンネルのダウンデータ(同図のe’)は、同様にPODインタフェース18とOOB用MAC回路15へ接続される。PODインタフェース18から出力される、OOBチャンネルのアップデータ(同図のf’)は、PODインタフェース18から出力され、無線MAC回路28へ送られる。POD20の働きは、前述した本発明の前提となる図9の動作と同じである。また、デマルチプレクサ30、ビデオデコーダ31、オーディオデコーダ32の働きも、前述した図9の技術と同じである。
図3は、本実施の形態による無線でのデータ転送のタイミング図を示す。同図の(1)はAP装置1側の無線MAC回路8へのFATチャンネルのデータの入力タイミング(図1のd)、(2)は同様にOOBチャンネルのダウンデータの無線MAC回路8への入力タイミング(図1のe)、(3)はSTB装置42からAP装置39の無線MAC回路8に送られるOOBチャンネルのアップデータのタイミング((図2のf’、具体的にはSTB装置42側の無線MAC回路28への入力タイミング)、(4)は実際に無線で送られる3種類のデータのタイミング、(5)はSTB装置42側の無線MAC回路28のFATチャンネルのデータの出力タイミング(図2のd’)、(6)は同様にOOBチャンネルのダウンデータの出力タイミング(図2のe’)、(7)はSTB装置42側からAP装置1側に送られるOOBチャンネルのアップデータの出力タイミング(図1のf)をそれぞれ示す。
この無線でのデータ転送のタイミングでは、送信側において、FATチャンネルのデータ、OOBチャンネルのダウンデータ、OOBチャンネルのアップデータにそれぞれ時間情報を付加して無線で送信し、受信側ではそれぞれの時間情報を元に再生のタイミングを制御し、FATチャンネルのデータ、OOBチャンネルのダウンデータ、OOBチャンネルのアップデータとして再生する。
図3において、データパケット列54(54−0,54−1,・・・)は、FATチャンネルのデータパケット列51(51−0,51−1,・・・)に対応し、同様にデータパケット列55(55−0,55−1,・・・)はOOBチャンネルのダウンデータパケット列52(52−0,52−1,・・・)に、データパケット列56(56−0,56−1,・・・)はOOBチャンネルのアップデータパケット列53(53−0,53−1,・・・)にそれぞれ対応する。
また、データパケット列57(57−0,57−1,・・・)はデータパケット列51(51−0,51−1,・・・)に、データパケット列58(58−0,58−1,・・・)はデータパケット列52(52−0,52−1,・・・)に、データパケット列59(59−0,59−1,・・・)はデータパケット列53(53−0,53−1,・・・)にそれぞれ対応する。
図3(1)のデータは、パケット51の形式で、時系列で順次入力される。無線MAC回路8は、一定の基準周期(T)からの時間を測定し、この値(t−1,t−2,・・・)を無線LANとしてパケット54に付加するヘッダ(同図54のハッチング部)に埋め込んで、図3(4)のタイミングで無線で送信する。無線で送られたデータは、STB装置42で送受信され、無線RF回路26、無線PHY回路27で処理された後に、無線MAC回路28に入力される。無線MAC回路28は、受信したパケットの無線LANのヘッダから、埋め込まれたタイミング情報を得て、対応するパケット57の出力タイミングを調整する。そのため、無線MAC回路8へ入力される映像データの入ったパケット列51は、一定の時間(図3では2T)遅延して、同じ時間間隔でパケット列57として出力される。
図3(4)において、50は、無線LANの基準パルス(ビーコンパルス)であり、これを基準にして各種データの送受信タイミングが決められる。同図において、54−dは、対応するパケットがたまたま送られなかったためのダミーパケットであり、これを省略することも可能である。
図3(6)のパケット列58は、AP装置1からSTB装置42へ送られるOOBチャンネルのダウンデータを示す。これは、FATチャンネルのデータ51,54と同様に、タイミング情報(一定の基準周期(T)からの時間(d−1,d−2,・・・))をヘッダに埋め込んで転送され、STB装置42側でそのヘッダ情報をもとに出力タイミングを調整されて出力される。
また、図3(7)のパケット列59は、逆にSTB装置42からAP装置1へ送られるOOBチャンネルのアップデータを示す。これも、他のパケット列同様に、STB装置42側の無線MAC面路28でヘッダにタイミング情報(一定の基準周期(T)からの時間(e−1,e−2,・・・))を埋め込まれて無線で転送され、AP装置1側の無線MAC回路8でその情報をもとに出力タイミングを調整されて出力される。
図4は、前記図3の無線でのデータ転送において、図3(4)の無線送信のタイミングをさらに詳細に示す。
無線LANのデータ伝送は、図4のTで示す、一定の周期毎に分割されてデータが転送される。さらに、この周期Tは、3つの領域a,b,cに分割され、たとえば領域aではFATチャンネルのデータが転送され、領域bではOOBチャンネルのダウンデータが転送され、領域cではOOBチャンネルのアップデータが転送される。前記図3の例では、1つの周期Tに54のパケットのみ複数個転送されているが、そのような制約はなくて、同図のように、54(54−n,54−n+1,54−n+2,54−n+3),55(55−1,55−2),56(56−1,56−2)のいずれのパケットも、同じ周期Tの中で複数個転送することができる。領域の設定は、起動時に、それぞれのチャンネルのデータレートを判定し、それに基づいて設定する。図4の実施例では、3種類のデータを送受信するのに、それぞれに対応した3つの時間領域に分割して送受信していたが、それぞれのデータパケットのヘッダによりデータパケットの種類を識別することで、領域分割をしなくても同じ効果を実現可能である。
通常、OOBチャンネルのデータ転送レートは無線LANの転送レートより低いので、ダウン、アップのいずれの転送も、同じデータ量を、無線上では短時間に転送することができ、3種類のデータを単一の無線LANの信号で転送することが可能である。具体的には、たとえばIEEE802.11aの無線LAN規格では、データ転送レートが54Mビット/秒なのに対し、FATチャンネルが30−40Mビット/秒、OOBチャンネルが5Mビット/秒程度である。
図5は、本実施の形態による無線MAC回路8,28の中のデータ受入/ヘッダ処理部89のブロック図を示す。
本実施の形態の無線MAC回路8,28のデータ受入/ヘッダ処理部89は、パケット入力端子80、入力インタフェース81、入力バッファ82、パケット処理回路83、リンク制御回路84、タイマ85、ラッチ回路86、基準パルス発生回路87、出力端子88などから構成されている。
この無線MAC回路8,28のデータ受入/ヘッダ処理部89において、パケット入力端子80からパケットが入力されると、入力インタフェース81からの起動信号で、ラッチ回路86が、その時点でのタイマ85の値を保持し、このデータを入力バッファ82へ送る。パケット処理回路83はこれらのデータから無線LANとしてのヘッダや、パケットの内容を構成し、リンク制御回路84へ送り、出力端子88から出力する。実際には、送信側と受信側で処理遅延が避けられないので、処理遅れ分のオフセット値をタイマ85の値に加算した値を用いる。また、無線LANの基準パルスは、基準パルス発生回路87で発生され、この基準パルスに基づいて各種データの送受信のタイミングが決められる。
図6は、本実施の形態による無線MAC回路8,28のデータ受信/出力制御部98のブロック図を示す。
本実施の形態の無線MAC回路8,28のデータ受信/出力制御部98は、入力端子90、リンク制御回路91、タイマ92、パケット処理回路93、出力バッファ94、出力インタフェース95、比較器96、パケット出力端子97などから構成されている。
この無線MAC回路8,28のデータ受信/出力制御部98において、入力端子90から入力されたパケットデータは、リンク制御回路91で処理された後、パケット処理回路93で無線LANとしてのヘッダを処理され、パケット本体と、タイミング情報を出力バッファ94へ転送する。比較器96は、出力バッファ94内のタイミング情報と、リンク制御回路91内のタイマ92の値を比較し、一致した時点で起動信号を出力インタフェース95へ送る。出力インタフェース95は、起動信号を受けてから出力バッファ94内のパケットをパケット出力端子97から出力し始める。
以上のように構成されるCATV用STBシステムにおいて、実際の動作では、FATチャンネルのデータとOOBチャンネルのダウンデータに対して、それぞれ独立に、AP装置1の無線MAC回路8において図5に示す処理が施され、STB装置42の無線MAC回路28において図6に示す処理が行われる。また、OOBチャンネルのアップデータに対しては、前述とは逆に、無線MAC回路28において図5に示す処理が行われ、無線MAC回路8において図6に示す処理が行われる。
以上説明したように、本実施の形態のCATV用STBシステムによれば、同軸ケーブル45に接続され、この同軸ケーブル45を通して配信されてきた映像信号を受信するAP装置1と、TVに接続され、このTVに対して映像信号を出力するSTB装置42とに分割し、POD20をSTB装置42側に設けた構成において、両者の間を無線信号によって接続するとともに、映像信号だけではなく、課金情報などの顧客視聴管理の制御用データも同じ無線信号の中に重畳して処理することにより、本発明の前提技術において行われている課金制御の方式や、POD20などの装置を変更することなく、STB装置42を家庭内の任意の位置に設置、移動することが可能となり、既存の装置を変更することなく可搬性を実現し、ユーザの利便性が向上する。さらに、本発明の前提技術において必要であった2台目以降の増設時の配線作業が不要になり、工事費用が削減できる。
また、POD20から基地局にケーブルを通して送られるデータについても、本発明の前提技術と変わらない構成であり、POD20およびその周辺回路の変更が必要ない。
(実施の形態2)
本発明による実施の形態2のCATV用STBシステムを、図7,図8により説明する。
図7は、本実施の形態のCATV用STBシステムにおいて、同軸ケーブルに接続されるAP装置の構成図を示す。
本実施の形態によるCATV用STBシステムは、図7に示すような、同軸ケーブルに接続され、この同軸ケーブルを通して配信されてきた映像信号を受信するAP装置と、このAP装置と1対n(2以上の数(1でも可能))で対になり、たとえば前記実施の形態1の図2に示したような、複数のSTB装置とから構成される。
図7において、本実施の形態による、同軸ケーブル45に接続され、この同軸ケーブル45を通して配信されてきた映像信号を受信するAP装置48は、前述した実施の形態1のAP装置1に比べて、複数の受信部46が設置され、この複数の受信部46に対して共通なマルチプレクサ40、無線MAC回路8、無線PHY回路9、無線RF回路10が設けられている点が異なる。同図では、受信部46は3組(46−1,46−2,46−3)から構成されているが、3組に限定されるものではなく、何組でもよい。また、初期状態では1組だけ装着されて、STB装置を追加するたびに新たに追加していくようにしてもよい。
すなわち、本実施の形態のAP装置48は、複数の受信部46(46−1,46−2,46−3)、無線MAC回路8、無線PHY回路9、無線RF回路10、AP装置制御用CPU41、無線入出力端子24から構成される。各受信部46は、FATチューナ2、AD変換器3、QAM復調器4、FECデコーダ5、デマルチプレクサ61、OOBチューナ11、AD変換器12、QPSK復調器13、FECデコーダ14、DA変換器16、QPSK変調器17などから構成されている。
このAP装置48においては、前記実施の形態1の図1のAP装置1と異なり、FECデコーダ5の出力の後に、デジタルチャンネルのデータの選別を行うデマルチプレクサ61が設けられている。デマルチプレクサ61は、同じデジタルチャンネルに多重化されている複数の映像信号と、それに付随するデータの中から、その時に視聴者が選択している実際に視聴している唯一つの映像信号とそれに付随するデータのパケットのみを選択し、それ以外のパケットを破棄する働きをする。そのため、デマルチプレクサ61の出力は、その入力と比べて大幅にデータ量を減らすことが可能である。
無線MAC回路8では、複数の受信部46(46−1,46−2,46−3)からのFATチャンネルのデータ(g−1,g−2,g−3)と、OOBチャンネルのダウンデータ(e−1,e−2,e−3)を多重化して、無線PHY回路9へ送り、さらに無線RF回路10へとデータが伝送されて、最終的に無線信号として無線入出力端子24から出力される。一方、複数の受信部46(46−1,46−2,46−3)にそれぞれ対応するSTB装置の方から転送されてくる、OOBチャンネルのアップデータ(f−1,f−2,f−3)は、無線RF回路10、無線PHY回路9を通して、無線MAC回路8へ入力され、それぞれ対応する受信部46へ伝えられる。
図8は、本実施の形態に対応する無線LANでのデータ転送のタイミング図を示す。同図は、前記図4に対応し、図4と異なるのは、(1)の無線送信タイミングが、3つの領域(a,b,c)に分かれるだけではなく、それぞれがさらにいくつかの領域に分割されて、複数の受信部46およびSTB装置の対に対応したデータが転送される。図8の例では、前記図7の例が3組の受信部46を持つことから、領域a,b,cがそれぞれさらに3つの領域(a1,a2,a3、b1,b2,b3、c1,c2,c3)に分割され、それぞれの領域でFATチャンネルのデータ54(54−1−1,54−1−2,54−1−3,54−2−1,54−3−1)、OOBチャンネルのダウンデータ55(55−1−1,55−1−2,55−2−1,55−3−1)、OOBチャンネルのアップデータ56(56−1−1,56−1−2,56−2−1,56−3−1)が転送される。
1つのAP装置48で対応できる受信部およびSTB装置は、それぞれの受信部とSTB装置で占有するデータ量の総和が、無線LANのデータ伝送容量を超えない範囲で増やすことができる。これは、装置設置時に、予め決めておくこともできるし、後で逐次追加していくことも可能である。図8に示す実施の形態2では、3種類のデータを、送受信するのに、それぞれに対応した3つの時間領域に分割し、さらに対応するSTB装置に応じて領域分割して送受信していたが、それぞれのデータパケットのヘッダによりデータパケットの種類を識別することで、領域分割をしなくても同じ効果を実現可能であることは、実施の形態1の場合と同様である。
本実施の形態において、AP装置48に対応する、たとえば前記図2のSTB装置42では、無線MAC回路28の段階で、対応する受信部46、たとえば図7の46−1のデータのみが選別されるので、それ以降の処理は、前記実施の形態1の図1,図2で示した処理と同じ処理が施される。ただし、AP装置48の段階で、デマルチプレクサ61により不要なパケットが破棄されているので、STB装置42のデマルチプレクサ30に入力されるデータ量は減少しているが、最終的な映像信号と音声信号の分離などは必要なので、デマルチプレクサ30は必要である。
従って、本実施の形態のCATV用STBシステムでは、複数の受信部46を有する1つのAP装置48と、1つの無線の周波数帯域を用いて、複数のSTB装置用のデータを無線で送信することができ、装置の価格を低減することと、必要な周波数帯域を減らすことができるという利点がある。もちろん、前記実施の形態1に示した利点も実現できる。
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
(実施の形態1)
本発明による実施の形態1のCATV用STBシステムを、図1〜図6により説明する。
図1は、本実施の形態のCATV用STBシステムにおいて、同軸ケーブルに接続されるAP装置の構成図を示す。図2は、TVに接続されるSTB装置の構成図を示す。
本実施の形態によるCATV用STBシステムは、図1に示すような、同軸ケーブルに接続され、この同軸ケーブルを通して配信されてきた映像信号を受信するAP装置と、このAP装置と対になり、図2に示すような、TVに接続され、このTVに対して映像信号を出力するSTB装置とから構成される。
図1において、本実施の形態による、同軸ケーブル45に接続され、この同軸ケーブル45を通して配信されてきた映像信号を受信するAP装置1は、前述した本発明の前提となる図9のSTB装置35に比べて、デマルチプレクサ30、ビデオデコーダ31、オーディオデコーダ32、STB装置制御用CPU60で構成されるMPEGデコーダ部が、無線MAC回路8、無線PHY回路9、無線RF回路10、AP装置制御用CPU41で構成される無線処理部に置き換わり、画像を再生するのではなく、無線情報としてデータを図2に示すSTB装置42へ送受信する機能を有する装置である点が異なる。また、PODも存在しない。
すなわち、本実施の形態によるAP装置1は、FATチューナ2、AD変換器3、QAM復調器4、FECデコーダ5、無線MAC回路8、無線PHY回路9、無線RF回路10、OOBチューナ11、AD変換器12、QPSK復調器13、FECデコーダ14、DA変換器16、QPSK変調器17、AP装置制御用CPU41、無線入出力端子24などから構成されている。図1において、図9と同じ機能を持つブロックには同じ符号を付けてあり、それらの処理については説明を省略する。
このAP装置1には、同軸ケーブル45を通して配信されてきた映像信号の中から所望のチャンネルを選択する選択手段としてのFATチューナ2、選択されたチャンネルの映像信号をデジタル信号へ復調する復調手段としてのAD変換器3、QAM復調器4およびFECデコーダ5、顧客視聴管理の制御用データを処理する第1処理手段としてのAP装置制御用CPU41、デジタル変調された映像信号と処理された制御用データとを多重化し、変調した後に1つの無線帯域における無線信号に変換して送信する第1無線処理手段としての無線MAC回路8、無線PHY回路9および無線RF回路10などがそれぞれ設けられている。
このAP装置1において、無線MAC回路8には、FECデコーダ5から出力されるFATチャンネルのデータ(デジタルチャンネル、同図のd)と、FECデコーダ14から出力されるOOBチャンネルのダウンデータ(同図のe)が入力される。また無線MAC回路8からは、OOBチャンネルを利用して、図2のSTB装置42から基地局(図示せず)へ送られる管理データ(OOBチャンネルのアップデータ)がQPSK変調器17へ出力される(同図のf)。この無線MAC回路8は、前述の3種類のデータを時間軸上で多重化処理を行い、無線PHY回路9へ入出力する。
無線PHY回路9では、入力されたデータに誤り訂正符号を付加した上で、変調(現在の場合は、例えば256QAM変調だが、他の変調方式でも同じような効果が期待できる)し、さらに高周波処理部の無線RF回路10で高周波の無線信号に変換され、無線入出力端子24から出力される。また、STB装置42から送られてくるOOBチャンネルのアップデータは、逆に無線RF回路10で受信され、無線PHY回路9で復調され、無線MAC回路8へ送られる。
図2において、本実施の形態によるSTB装置42は、前記図1のAP装置1と対をなす受信機能を有し、TVに接続され、このTVに対して映像信号を出力する装置であり、無線入出力端子25、無線RF回路26、無線PHY回路27、無線MAC回路28、切り替えスイッチ6、OOB用MAC回路15、PODインタフェース18、POD20、POD用ECC発生器21、POD制御用CPU22、デスクランブラ23、デマルチプレクサ30、ビデオデコーダ31、オーディオデコーダ32、STB装置制御用CPU47、ビデオ出力端子37、オーディオ出力端子38などから構成されている。
このSTB装置42には、AP装置1から1つの無線帯域を使って送信されてきた無線信号を受信し、デジタル信号に変換した後に所望の信号を選択し、映像信号と顧客視聴管理の制御用データとを分離する第2無線処理手段としての無線RF回路26、無線PHY回路27および無線MAC回路28、分離された映像信号のスクランブルを解き、制御用データを用いて顧客視聴管理を行う展開手段としてのPOD20、スクランブルが解かれた映像信号を復号して、テレビに対して出力する復号手段としてのデマルチプレクサ30、ビデオデコーダ31およびオーディオデコーダ32、分離された制御用データを処理する第2処理手段としてのSTB装置制御用CPU47などがそれぞれ設けられている。
このSTB装置42では、無線入出力端子25から送受信した信号を、無線RF回路26でベースバンド信号に変換し、無線PHY回路27でデジタル信号へ変換し、無線MAC回路28により必要なデータの取捨選択を行う。具体的には、対となるAP装置1以外の装置から出力されている、他の装置へ転送されるデータなどを除外する。無線MAC装置28は、さらにAP装置1で多重化された3種類のデータから、STB装置42へ送られる2種類のデータ(FATチャンネルのデータとOOBチャンネルのダウンデータ)を分離し、それぞれ対応するブロックへ入出力する。
具体的には、図1のデジタルチャンネルのデータである、FATチャンネルから送られる映像信号(同図のd’)は、PODインタフェース18と切り替えスイッチ6へ接続される。OOBチャンネルのダウンデータ(同図のe’)は、同様にPODインタフェース18とOOB用MAC回路15へ接続される。PODインタフェース18から出力される、OOBチャンネルのアップデータ(同図のf’)は、PODインタフェース18から出力され、無線MAC回路28へ送られる。POD20の働きは、前述した本発明の前提となる図9の動作と同じである。また、デマルチプレクサ30、ビデオデコーダ31、オーディオデコーダ32の働きも、前述した図9の技術と同じである。
図3は、本実施の形態による無線でのデータ転送のタイミング図を示す。同図の(1)はAP装置1側の無線MAC回路8へのFATチャンネルのデータの入力タイミング(図1のd)、(2)は同様にOOBチャンネルのダウンデータの無線MAC回路8への入力タイミング(図1のe)、(3)はSTB装置42からAP装置39の無線MAC回路8に送られるOOBチャンネルのアップデータのタイミング((図2のf’、具体的にはSTB装置42側の無線MAC回路28への入力タイミング)、(4)は実際に無線で送られる3種類のデータのタイミング、(5)はSTB装置42側の無線MAC回路28のFATチャンネルのデータの出力タイミング(図2のd’)、(6)は同様にOOBチャンネルのダウンデータの出力タイミング(図2のe’)、(7)はSTB装置42側からAP装置1側に送られるOOBチャンネルのアップデータの出力タイミング(図1のf)をそれぞれ示す。
この無線でのデータ転送のタイミングでは、送信側において、FATチャンネルのデータ、OOBチャンネルのダウンデータ、OOBチャンネルのアップデータにそれぞれ時間情報を付加して無線で送信し、受信側ではそれぞれの時間情報を元に再生のタイミングを制御し、FATチャンネルのデータ、OOBチャンネルのダウンデータ、OOBチャンネルのアップデータとして再生する。
図3において、データパケット列54(54−0,54−1,・・・)は、FATチャンネルのデータパケット列51(51−0,51−1,・・・)に対応し、同様にデータパケット列55(55−0,55−1,・・・)はOOBチャンネルのダウンデータパケット列52(52−0,52−1,・・・)に、データパケット列56(56−0,56−1,・・・)はOOBチャンネルのアップデータパケット列53(53−0,53−1,・・・)にそれぞれ対応する。
また、データパケット列57(57−0,57−1,・・・)はデータパケット列51(51−0,51−1,・・・)に、データパケット列58(58−0,58−1,・・・)はデータパケット列52(52−0,52−1,・・・)に、データパケット列59(59−0,59−1,・・・)はデータパケット列53(53−0,53−1,・・・)にそれぞれ対応する。
図3(1)のデータは、パケット51の形式で、時系列で順次入力される。無線MAC回路8は、一定の基準周期(T)からの時間を測定し、この値(t−1,t−2,・・・)を無線LANとしてパケット54に付加するヘッダ(同図54のハッチング部)に埋め込んで、図3(4)のタイミングで無線で送信する。無線で送られたデータは、STB装置42で送受信され、無線RF回路26、無線PHY回路27で処理された後に、無線MAC回路28に入力される。無線MAC回路28は、受信したパケットの無線LANのヘッダから、埋め込まれたタイミング情報を得て、対応するパケット57の出力タイミングを調整する。そのため、無線MAC回路8へ入力される映像データの入ったパケット列51は、一定の時間(図3では2T)遅延して、同じ時間間隔でパケット列57として出力される。
図3(4)において、50は、無線LANの基準パルス(ビーコンパルス)であり、これを基準にして各種データの送受信タイミングが決められる。同図において、54−dは、対応するパケットがたまたま送られなかったためのダミーパケットであり、これを省略することも可能である。
図3(6)のパケット列58は、AP装置1からSTB装置42へ送られるOOBチャンネルのダウンデータを示す。これは、FATチャンネルのデータ51,54と同様に、タイミング情報(一定の基準周期(T)からの時間(d−1,d−2,・・・))をヘッダに埋め込んで転送され、STB装置42側でそのヘッダ情報をもとに出力タイミングを調整されて出力される。
また、図3(7)のパケット列59は、逆にSTB装置42からAP装置1へ送られるOOBチャンネルのアップデータを示す。これも、他のパケット列同様に、STB装置42側の無線MAC面路28でヘッダにタイミング情報(一定の基準周期(T)からの時間(e−1,e−2,・・・))を埋め込まれて無線で転送され、AP装置1側の無線MAC回路8でその情報をもとに出力タイミングを調整されて出力される。
図4は、前記図3の無線でのデータ転送において、図3(4)の無線送信のタイミングをさらに詳細に示す。
無線LANのデータ伝送は、図4のTで示す、一定の周期毎に分割されてデータが転送される。さらに、この周期Tは、3つの領域a,b,cに分割され、たとえば領域aではFATチャンネルのデータが転送され、領域bではOOBチャンネルのダウンデータが転送され、領域cではOOBチャンネルのアップデータが転送される。前記図3の例では、1つの周期Tに54のパケットのみ複数個転送されているが、そのような制約はなくて、同図のように、54(54−n,54−n+1,54−n+2,54−n+3),55(55−1,55−2),56(56−1,56−2)のいずれのパケットも、同じ周期Tの中で複数個転送することができる。領域の設定は、起動時に、それぞれのチャンネルのデータレートを判定し、それに基づいて設定する。図4の実施例では、3種類のデータを送受信するのに、それぞれに対応した3つの時間領域に分割して送受信していたが、それぞれのデータパケットのヘッダによりデータパケットの種類を識別することで、領域分割をしなくても同じ効果を実現可能である。
通常、OOBチャンネルのデータ転送レートは無線LANの転送レートより低いので、ダウン、アップのいずれの転送も、同じデータ量を、無線上では短時間に転送することができ、3種類のデータを単一の無線LANの信号で転送することが可能である。具体的には、たとえばIEEE802.11aの無線LAN規格では、データ転送レートが54Mビット/秒なのに対し、FATチャンネルが30−40Mビット/秒、OOBチャンネルが5Mビット/秒程度である。
図5は、本実施の形態による無線MAC回路8,28の中のデータ受入/ヘッダ処理部89のブロック図を示す。
本実施の形態の無線MAC回路8,28のデータ受入/ヘッダ処理部89は、パケット入力端子80、入力インタフェース81、入力バッファ82、パケット処理回路83、リンク制御回路84、タイマ85、ラッチ回路86、基準パルス発生回路87、出力端子88などから構成されている。
この無線MAC回路8,28のデータ受入/ヘッダ処理部89において、パケット入力端子80からパケットが入力されると、入力インタフェース81からの起動信号で、ラッチ回路86が、その時点でのタイマ85の値を保持し、このデータを入力バッファ82へ送る。パケット処理回路83はこれらのデータから無線LANとしてのヘッダや、パケットの内容を構成し、リンク制御回路84へ送り、出力端子88から出力する。実際には、送信側と受信側で処理遅延が避けられないので、処理遅れ分のオフセット値をタイマ85の値に加算した値を用いる。また、無線LANの基準パルスは、基準パルス発生回路87で発生され、この基準パルスに基づいて各種データの送受信のタイミングが決められる。
図6は、本実施の形態による無線MAC回路8,28のデータ受信/出力制御部98のブロック図を示す。
本実施の形態の無線MAC回路8,28のデータ受信/出力制御部98は、入力端子90、リンク制御回路91、タイマ92、パケット処理回路93、出力バッファ94、出力インタフェース95、比較器96、パケット出力端子97などから構成されている。
この無線MAC回路8,28のデータ受信/出力制御部98において、入力端子90から入力されたパケットデータは、リンク制御回路91で処理された後、パケット処理回路93で無線LANとしてのヘッダを処理され、パケット本体と、タイミング情報を出力バッファ94へ転送する。比較器96は、出力バッファ94内のタイミング情報と、リンク制御回路91内のタイマ92の値を比較し、一致した時点で起動信号を出力インタフェース95へ送る。出力インタフェース95は、起動信号を受けてから出力バッファ94内のパケットをパケット出力端子97から出力し始める。
以上のように構成されるCATV用STBシステムにおいて、実際の動作では、FATチャンネルのデータとOOBチャンネルのダウンデータに対して、それぞれ独立に、AP装置1の無線MAC回路8において図5に示す処理が施され、STB装置42の無線MAC回路28において図6に示す処理が行われる。また、OOBチャンネルのアップデータに対しては、前述とは逆に、無線MAC回路28において図5に示す処理が行われ、無線MAC回路8において図6に示す処理が行われる。
以上説明したように、本実施の形態のCATV用STBシステムによれば、同軸ケーブル45に接続され、この同軸ケーブル45を通して配信されてきた映像信号を受信するAP装置1と、TVに接続され、このTVに対して映像信号を出力するSTB装置42とに分割し、POD20をSTB装置42側に設けた構成において、両者の間を無線信号によって接続するとともに、映像信号だけではなく、課金情報などの顧客視聴管理の制御用データも同じ無線信号の中に重畳して処理することにより、本発明の前提技術において行われている課金制御の方式や、POD20などの装置を変更することなく、STB装置42を家庭内の任意の位置に設置、移動することが可能となり、既存の装置を変更することなく可搬性を実現し、ユーザの利便性が向上する。さらに、本発明の前提技術において必要であった2台目以降の増設時の配線作業が不要になり、工事費用が削減できる。
また、POD20から基地局にケーブルを通して送られるデータについても、本発明の前提技術と変わらない構成であり、POD20およびその周辺回路の変更が必要ない。
(実施の形態2)
本発明による実施の形態2のCATV用STBシステムを、図7,図8により説明する。
図7は、本実施の形態のCATV用STBシステムにおいて、同軸ケーブルに接続されるAP装置の構成図を示す。
本実施の形態によるCATV用STBシステムは、図7に示すような、同軸ケーブルに接続され、この同軸ケーブルを通して配信されてきた映像信号を受信するAP装置と、このAP装置と1対n(2以上の数(1でも可能))で対になり、たとえば前記実施の形態1の図2に示したような、複数のSTB装置とから構成される。
図7において、本実施の形態による、同軸ケーブル45に接続され、この同軸ケーブル45を通して配信されてきた映像信号を受信するAP装置48は、前述した実施の形態1のAP装置1に比べて、複数の受信部46が設置され、この複数の受信部46に対して共通なマルチプレクサ40、無線MAC回路8、無線PHY回路9、無線RF回路10が設けられている点が異なる。同図では、受信部46は3組(46−1,46−2,46−3)から構成されているが、3組に限定されるものではなく、何組でもよい。また、初期状態では1組だけ装着されて、STB装置を追加するたびに新たに追加していくようにしてもよい。
すなわち、本実施の形態のAP装置48は、複数の受信部46(46−1,46−2,46−3)、無線MAC回路8、無線PHY回路9、無線RF回路10、AP装置制御用CPU41、無線入出力端子24から構成される。各受信部46は、FATチューナ2、AD変換器3、QAM復調器4、FECデコーダ5、デマルチプレクサ61、OOBチューナ11、AD変換器12、QPSK復調器13、FECデコーダ14、DA変換器16、QPSK変調器17などから構成されている。
このAP装置48においては、前記実施の形態1の図1のAP装置1と異なり、FECデコーダ5の出力の後に、デジタルチャンネルのデータの選別を行うデマルチプレクサ61が設けられている。デマルチプレクサ61は、同じデジタルチャンネルに多重化されている複数の映像信号と、それに付随するデータの中から、その時に視聴者が選択している実際に視聴している唯一つの映像信号とそれに付随するデータのパケットのみを選択し、それ以外のパケットを破棄する働きをする。そのため、デマルチプレクサ61の出力は、その入力と比べて大幅にデータ量を減らすことが可能である。
無線MAC回路8では、複数の受信部46(46−1,46−2,46−3)からのFATチャンネルのデータ(g−1,g−2,g−3)と、OOBチャンネルのダウンデータ(e−1,e−2,e−3)を多重化して、無線PHY回路9へ送り、さらに無線RF回路10へとデータが伝送されて、最終的に無線信号として無線入出力端子24から出力される。一方、複数の受信部46(46−1,46−2,46−3)にそれぞれ対応するSTB装置の方から転送されてくる、OOBチャンネルのアップデータ(f−1,f−2,f−3)は、無線RF回路10、無線PHY回路9を通して、無線MAC回路8へ入力され、それぞれ対応する受信部46へ伝えられる。
図8は、本実施の形態に対応する無線LANでのデータ転送のタイミング図を示す。同図は、前記図4に対応し、図4と異なるのは、(1)の無線送信タイミングが、3つの領域(a,b,c)に分かれるだけではなく、それぞれがさらにいくつかの領域に分割されて、複数の受信部46およびSTB装置の対に対応したデータが転送される。図8の例では、前記図7の例が3組の受信部46を持つことから、領域a,b,cがそれぞれさらに3つの領域(a1,a2,a3、b1,b2,b3、c1,c2,c3)に分割され、それぞれの領域でFATチャンネルのデータ54(54−1−1,54−1−2,54−1−3,54−2−1,54−3−1)、OOBチャンネルのダウンデータ55(55−1−1,55−1−2,55−2−1,55−3−1)、OOBチャンネルのアップデータ56(56−1−1,56−1−2,56−2−1,56−3−1)が転送される。
1つのAP装置48で対応できる受信部およびSTB装置は、それぞれの受信部とSTB装置で占有するデータ量の総和が、無線LANのデータ伝送容量を超えない範囲で増やすことができる。これは、装置設置時に、予め決めておくこともできるし、後で逐次追加していくことも可能である。図8に示す実施の形態2では、3種類のデータを、送受信するのに、それぞれに対応した3つの時間領域に分割し、さらに対応するSTB装置に応じて領域分割して送受信していたが、それぞれのデータパケットのヘッダによりデータパケットの種類を識別することで、領域分割をしなくても同じ効果を実現可能であることは、実施の形態1の場合と同様である。
本実施の形態において、AP装置48に対応する、たとえば前記図2のSTB装置42では、無線MAC回路28の段階で、対応する受信部46、たとえば図7の46−1のデータのみが選別されるので、それ以降の処理は、前記実施の形態1の図1,図2で示した処理と同じ処理が施される。ただし、AP装置48の段階で、デマルチプレクサ61により不要なパケットが破棄されているので、STB装置42のデマルチプレクサ30に入力されるデータ量は減少しているが、最終的な映像信号と音声信号の分離などは必要なので、デマルチプレクサ30は必要である。
従って、本実施の形態のCATV用STBシステムでは、複数の受信部46を有する1つのAP装置48と、1つの無線の周波数帯域を用いて、複数のSTB装置用のデータを無線で送信することができ、装置の価格を低減することと、必要な周波数帯域を減らすことができるという利点がある。もちろん、前記実施の形態1に示した利点も実現できる。
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
以上のように、本発明にかかるCATV用STBシステムは、CATV用の情報伝送技術に関し、特に無線にて映像信号を送受信するCATV用STBシステムに有用であり、さらに映像信号を受信するワイヤレス受信装置およびシステムや、表示部と信号発信源が分離した映像再生装置などにも広く応用することができる。
Claims (8)
- ケーブルを通して配信されてきた映像信号を受信するアクセスポイント装置と、
テレビに対して映像信号を出力するセットトップボックス装置とを有し、
前記アクセスポイント装置と前記セットトップボックス装置との間を無線信号によって接続し、デジタル変調方式の映像信号と顧客視聴管理の制御用データとを1つの無線帯域で多重化して送受信するケーブルテレビ用セットトップボックスシステムであって、
前記セットトップボックス装置は、前記アクセスポイント装置から送信されてきた無線信号を受信し、映像信号と顧客視聴管理の制御用データとを分離して、前記映像信号のスクランブルを解き、前記制御用データを用いて顧客視聴管理を行う展開手段を含むことを特徴とするケーブルテレビ用セットトップボックスシステム。 - 請求項1記載のケーブルテレビ用セットトップボックスシステムにおいて、
前記アクセスポイント装置は、前記配信されてきた映像信号の中から所望のチャンネルを選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたチャンネルの映像信号をデジタルデータに復調する復調手段と、前記顧客視聴管理の制御用データを処理する第1処理手段と、前記復調手段により復調された映像信号と前記第1処理手段により処理された制御用データとを多重化し、変調した後に無線信号に変換して送信する第1無線処理手段とを含み、
前記セットトップボックス装置は、前記アクセスポイント装置から送信されてきた無線信号を受信し、デジタル信号に変換した後に所望の信号を選択し、映像信号と顧客視聴管理の制御用データとを分離する第2無線処理手段と、前記第2無線処理手段により分離された映像信号のスクランブルを解き、制御用データを用いて顧客視聴管理を行う前記展開手段と、前記展開手段によりスクランブルが解かれた映像信号を復号して、テレビに対して出力する復号手段と、前記第2無線処理手段により分離された制御用データを処理する第2処理手段とを含むことを特徴とするケーブルテレビ用セットトップボックスシステム。 - 請求項2記載のケーブルテレビ用セットトップボックスシステムにおいて、
前記顧客視聴管理の制御用データは、前記アクセスポイント装置の前記第1処理手段から前記セットトップボックス装置の前記展開手段を介して前記第2処理手段へ、前記セットトップボックス装置の前記第2処理手段から前記展開手段を介して前記アクセスポイント装置の前記第1処理手段へ、双方向に送受信することを特徴とするケーブルテレビ用セットトップボックスシステム。 - 請求項3記載のケーブルテレビ用セットトップボックスシステムにおいて、
前記アクセスポイント装置の前記第1無線処理手段は、前記映像信号、前記展開手段への制御用データにそれぞれ時間情報を付加して送信し、
前記セットトップボックス装置の前記第2無線処理手段は、前記映像信号、前記展開手段への制御用データの受信時に前記時間情報を元に再生のタイミングを制御し、
前記セットトップボックス装置の前記第2無線処理手段は、前記展開手段からの制御用データに時間情報を付加して送信し、
前記アクセスポイント装置の前記第1無線処理手段は、前記展開手段からの制御用データの受信時に前記時間情報を元に再生のタイミングを制御することを特徴とするケーブルテレビ用セットトップボックスシステム。 - 請求項2記載のケーブルテレビ用セットトップボックスシステムにおいて、
前記アクセスポイント装置は、複数の独立した、前記選択手段、前記復調手段、および前記第1処理手段を含み、
前記セットトップボックス装置の複数と対になることを特徴とするケーブルテレビ用セットトップボックスシステム。 - ケーブルを通して配信されてきた映像信号を受信するアクセスポイント装置であって、
前記配信されてきた映像信号の中から所望のチャンネルを選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたチャンネルの映像信号をデジタルデータに復調する復調手段と、顧客視聴管理の制御用データを処理する第1処理手段と、前記復調手段により復調された映像信号と前記第1処理手段により処理された制御用データとを多重化し、変調した後に1つの無線帯域における無線信号に変換して送信する第1無線処理手段とを含むことを特徴とするアクセスポイント装置。 - 請求項6記載のアクセスポイント装置において、
前記アクセスポイント装置は、複数の独立した、前記選択手段、前記復調手段、および前記第1処理手段を含むことを特徴とするアクセスポイント装置。 - テレビに対して映像信号を出力するセットトップボックス装置であって、
1つの無線帯域を使って送信されてきた無線信号を受信し、デジタル信号に変換した後に所望の信号を選択し、映像信号と顧客視聴管理の制御用データとを分離する第2無線処理手段と、前記第2無線処理手段により分離された映像信号のスクランブルを解き、制御用データを用いて顧客視聴管理を行う展開手段と、前記展開手段によりスクランブルが解かれた映像信号を復号して、テレビに対して出力する復号手段と、前記第2無線処理手段により分離された制御用データを処理する第2処理手段とを含むことを特徴とするセットトップボックス装置。
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