JPWO2004013519A1 - 車両用差動装置 - Google Patents
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Abstract
車両のエンジンからの回転駆動力を駆動車軸に伝達する車両用差動装置が開示されている。この差動装置は1対のサイドギヤと、これらサイドギヤに噛合する3つのピニオンと、これら3つのピニオンを夫々枢支する3つのピニオン軸と、3つのピニオン軸の内端部を支持する軸支持部材とを備えた差動ギヤ機構を有すると共に、前記差動ギヤ機構を収容する一体構造のケース部材を有する。このケース部材は、前記回転駆動力がリングギヤを介して入力されるフランジ部と、サイドギヤとピニオンを組み込む為の複数の開口部を有する。3つのピニオンはそれらの軸心間の位相角が120度をなすように配設され、3つの開口部はケース部材の周壁部分のうちの円周3等分位置に形成されている。
Description
本発明は、車両用差動装置に関し、特に差動ギヤ機構に3つのピニオンを設け、ケース部材を一体構造に構成し、差動ギヤ機構の性能を高め、製作費を低減したものに関する。
車両用差動装置は、一般に、左右1対のサイドギヤと複数のピニオンとを含む差動ギヤ機構と、この差動ギヤ機構を収容するケース部材とを有する。前記差動ギヤ機構は、2ピニオン形式のものと4ピニオン形式のものが多い。2ピニオンの差動ギヤ機構は、構造が簡単化するけれども、ピニオンの負荷が高く、ピニオンが摩耗し易く耐久性を高めにくい。4ピニオンの差動ギヤ機構は、構造が多少複雑化するけれども、ピニオンの負荷が低くピニオンの耐久性を高め易い。
前記ケース部材は、差動ギヤ機構を収容するケース本体部と、フランジ部とを有し、このフランジ部にリングギヤが複数のボルトにて固定され、エンジンからの回転駆動力がリングギヤを介してフランジ部に伝達される。尚、前記リングギヤはフランジ部と一体形成される場合もある。
ここで、2ピニオン形式の差動ギヤ機構を備えた差動装置の場合、実用新案登録第3071694号公報にも記載のように、ケース部材を一体構造に構成し、ケース部材の両側部に、サイドギヤやピニオンを組み込む為の開口部を対向状に形状し、開口部を形成してない周壁部の内側にピニオンを配置し、1つの共通のピニオン軸を前記の周壁部に支持する。
特開平11−72158号公報に記載の差動装置のケース構造においては、2ピニオン形式の差動ギヤ機構を収容するケース部材を、リングギヤと一体の環状のケース本体と、このケース本体の軸心方向両端部に夫々固定される1対のカバー部材とで構成している。
4ピニオン形式の差動ギヤ機構を備えた差動装置の場合、ケース部材の周壁部の円周4等分位置にピニオン軸を支持する必要があるため、前記開口部を形成することが困難であるため、通常はケース部材を2分割構造に構成する。
ケース部材を2分割構造に構成する場合、ケース部材の部品数が多く、機械加工費が高価になるため、製作費が高価になる。
そこで、2ピニオン形式の差動ギヤ機構と、一体構造のケース部材を設ける場合、ケース部材の製作費を低減できるけれども、サイドギヤやピニオンを大型化すると、大きな開口部が必要となり、ケース部材の剛性強度の面で不利であり、ピニオンの負荷が高く、ピニオンが摩耗し易く耐久性を高めにくい。
本発明は、ピニオンの負荷を低減して耐久性を高めると共にケース部材の製作費を低減することのできる車両用差動装置を提供することである。
前記ケース部材は、差動ギヤ機構を収容するケース本体部と、フランジ部とを有し、このフランジ部にリングギヤが複数のボルトにて固定され、エンジンからの回転駆動力がリングギヤを介してフランジ部に伝達される。尚、前記リングギヤはフランジ部と一体形成される場合もある。
ここで、2ピニオン形式の差動ギヤ機構を備えた差動装置の場合、実用新案登録第3071694号公報にも記載のように、ケース部材を一体構造に構成し、ケース部材の両側部に、サイドギヤやピニオンを組み込む為の開口部を対向状に形状し、開口部を形成してない周壁部の内側にピニオンを配置し、1つの共通のピニオン軸を前記の周壁部に支持する。
特開平11−72158号公報に記載の差動装置のケース構造においては、2ピニオン形式の差動ギヤ機構を収容するケース部材を、リングギヤと一体の環状のケース本体と、このケース本体の軸心方向両端部に夫々固定される1対のカバー部材とで構成している。
4ピニオン形式の差動ギヤ機構を備えた差動装置の場合、ケース部材の周壁部の円周4等分位置にピニオン軸を支持する必要があるため、前記開口部を形成することが困難であるため、通常はケース部材を2分割構造に構成する。
ケース部材を2分割構造に構成する場合、ケース部材の部品数が多く、機械加工費が高価になるため、製作費が高価になる。
そこで、2ピニオン形式の差動ギヤ機構と、一体構造のケース部材を設ける場合、ケース部材の製作費を低減できるけれども、サイドギヤやピニオンを大型化すると、大きな開口部が必要となり、ケース部材の剛性強度の面で不利であり、ピニオンの負荷が高く、ピニオンが摩耗し易く耐久性を高めにくい。
本発明は、ピニオンの負荷を低減して耐久性を高めると共にケース部材の製作費を低減することのできる車両用差動装置を提供することである。
本発明の車両用差動装置は、車両のエンジンからの回転駆動力を駆動車軸に伝達する車両用差動装置において、1対のサイドギヤと、これらサイドギヤに噛合する3つのピニオンと、これら3つのピニオンを夫々枢支する3つのピニオン軸と、3つのピニオン軸の内端部を支持する軸支持部材とを備えた差動ギヤ機構を設けると共に、前記差動ギヤ機構を収容する一体構造のケース部材であって、前記回転駆動力がリングギヤを介して入力されるフランジ部と、サイドギヤとピニオンを組み込む為の複数の開口部を有するケース部材を設けたことを特徴とするものである。
差動ギヤ機構に3つのピニオンを設けるため、ピニオンの負荷を低減でき、耐久性を高めることができ、エンジンの高出力化に対応できる。3つのピニオン軸の内端部を支持する軸支持部材を設けたので、3つのピニオン軸の内端部を確実に支持することができる。
ケース部材を一体構造にしたので、ケース部材の製作費を低減できる。ケース部材にサイドギヤとピニオンを組み込む為の複数の開口部を形成するため、これら開口部からサイドギヤとピニオンを確実に組み込むことができる。
ここで、好ましい形態について説明する。
前記3つのピニオンはそれらの軸心間の位相角が120度をなすように配設され、複数の開口部は1対のサイドギヤの軸心回りの円周3等分位置に形成された3つの開口部からなる。そのため、ケース部材の周壁のうち3つの開口部以外の壁部にピニオン軸を支持する軸穴を形成ことができる。
前記3つの開口部は、3つのピニオンを組み込む為の2つの第1開口部と、2つのサイドギヤを順々に組み込む為の1つの第2開口部とからなる。
前記第1開口部は、側面視にてほぼD形の開口部であってフランジ部側がストレートのほぼD形の開口部であり、前記第2開口部は、第1開口部とは異なる形状の開口部であって、サイドギヤを組み込む際にサイドギヤを傾けた姿勢にして組み込み可能な特殊な形状の開口部である。
前記フランジ部にそれと別体のリングギヤが複数のボルトで固定されている。或いは、前記フランジ部にリングギヤが一体形成されている。
差動ギヤ機構に3つのピニオンを設けるため、ピニオンの負荷を低減でき、耐久性を高めることができ、エンジンの高出力化に対応できる。3つのピニオン軸の内端部を支持する軸支持部材を設けたので、3つのピニオン軸の内端部を確実に支持することができる。
ケース部材を一体構造にしたので、ケース部材の製作費を低減できる。ケース部材にサイドギヤとピニオンを組み込む為の複数の開口部を形成するため、これら開口部からサイドギヤとピニオンを確実に組み込むことができる。
ここで、好ましい形態について説明する。
前記3つのピニオンはそれらの軸心間の位相角が120度をなすように配設され、複数の開口部は1対のサイドギヤの軸心回りの円周3等分位置に形成された3つの開口部からなる。そのため、ケース部材の周壁のうち3つの開口部以外の壁部にピニオン軸を支持する軸穴を形成ことができる。
前記3つの開口部は、3つのピニオンを組み込む為の2つの第1開口部と、2つのサイドギヤを順々に組み込む為の1つの第2開口部とからなる。
前記第1開口部は、側面視にてほぼD形の開口部であってフランジ部側がストレートのほぼD形の開口部であり、前記第2開口部は、第1開口部とは異なる形状の開口部であって、サイドギヤを組み込む際にサイドギヤを傾けた姿勢にして組み込み可能な特殊な形状の開口部である。
前記フランジ部にそれと別体のリングギヤが複数のボルトで固定されている。或いは、前記フランジ部にリングギヤが一体形成されている。
図1は実施形態に係る車両用差動装置の断面図であり、図2は図1のII−II線断面図であり、図3はケース部材の斜視図であり、図4は図3の矢印IV方向から視たケース部材の側面図であり、図5は図3の矢印V方向から視たケース部材の底面図であり、図6は図4のVI−VI線断面図であり、図7は第2開口部から左側のサイドギヤを組み込む状態を説明する説明図であり、図8は第2開口部から右側のサイドギヤを組み込む状態を説明する説明図である。
本実施形態は、前輪駆動型の車両のエンジンからの回転駆動力を駆動車軸に伝達する車両用差動装置に本発明を適用した場合の一例である。
図1、図2に示すように、この車両用差動装置1は、差動ギヤ機構2と、この差動ギヤ機構2を収容する一体構造のケース部材3と、このケース部材3のフランジ部4に複数のボルト5で固定されたリングギヤ6と、デフケース7とを有する。
前記差動ギヤ機構2は、左右1対の駆動車軸8の端部に夫々相対回転不能に連結される1対のサイドギヤ9と、これらサイドギヤ9に噛合する3つのピニオン10と、これら3つのピニオン10を夫々枢支する3つのピニオン軸11と、3つのピニオン軸11の内端部を支持する軸支持部材12と、ケース部材3とサイドギヤ9の間に装着されたスラストワッシャ13とを備えている。
3つのピニオン10は、それらの軸心間の位相角が120度をなすように配設されてピニオン軸11により回転自在に支持されている。各ピニオン軸11の端部とケース本体14とにスプリングピン15が装着され、各ピニオン軸11が脱落しないように拘束されている。
軸支持部材12は短い円筒体からなり、この軸支持部材12には3つの支持穴16が周方向3等分位置に形成され、これら支持穴16に3つのピニオン軸11の内端部を貫通させて支持している。前記リングギヤ6はフランジ部4と別体に形成され、このリングギヤ6が複数のボルト5でフランジ部4に固定され、エンジンの回転駆動力がこのリングギヤ6に入力される。ケース部材3は、ケース本体14と、エンジンからの回転駆動力がリングギヤ6を介して入力されるフランジ部4と、サイドギヤ9とピニオン10を組み込む為の3つの開口部20,21,22を有する。
3つの開口部20,21,22は、ケース本体14の周壁14aのうちの1対のサイドギヤ9の軸心回りの円周3等分位置に形成されている。
3つの開口部20,21,22は、3つのピニオン10を組み込む為の2つの第1開口部20,21と、2つのサイドギヤ9を順々に組み込む為の1つの第2開口部22とからなる。
図3〜図7に示すように、第1開口部20,21は、周方向幅と軸心幅とがほぼ等しいような側面視にてほぼD形の開口部であってフランジ部4側がストレートのほぼD形の開口部である。図3、図4においては、2つの第1開口部20,21がケース本体14の上側部分に形成され、第1開口部20,21の周方向幅は、ケース本体14の周壁14aの全周の約20%程度の大きさである。
図5、図6、図7に示すように、第2開口部22は、第1開口部20,21とは異なる形状の開口部であって、サイドギヤ9を組み込む際にサイドギヤ9を傾けた姿勢にして組み込み可能な特殊な形状の開口部である。第2開口部22は、頂角約120度の二等辺三角形の底辺側に長方形を連ねたようなほぼ五角形であり、二等辺三角形の斜辺がフランジ部4に近接され、図5において五角形の底辺と軸心とのなす角度が約60度である。サイドギヤ9を組み込み易くする為に、フランジ部4の内側付近には第2開口部22に連なる凹部22aが形成されている。
ケース本体14の周壁14aのうちの第1,第2開口部20,21,22の間の3つの強度周壁14bには3つのピン穴23が形成され、3つのピン穴23の軸心間の位相角は120度である。
図1に示すように、デフケース7は、リングギヤ6の付近において左右に分割可能な2つのデフケース分割体を複数のボルトにて固定した構造のものである。デフケース7は、差動ギヤ機構2を収容したケース部材3とリングギヤ6の外周側を囲繞して潤滑油を収容するものである。デフケース7の左端部のリング部25aと、ケース本体14の間にベアリング26aが装着され、リング部25aと車軸8との間にはオイルシール27aが装着されている。デフケース7の右端部のリング部25bと、ケース本体14の間にベアリング26bが装着され、リング部25bと車軸8との間にはオイルシール27bが装着されている。
前記のケース部材3は例えばダクタイル鋳鉄等で鋳造により製作される。ピニオン10やリングギヤ6はギヤ類を製作する通常の材料(クロム・モリブデン鋼、ニッケル・クロム・モリブデン鋼など)で構成され、浸炭焼入れ処理が施される。
次に、このケース部材3の内部に差動ギヤ機構2を組み込む方法について簡単に説明する。図7に示すように、左側のサイドギヤ9aとスラストワッシャ13を約30度傾けた姿勢にして第2開口部22からケース本体14内に組み込んで図1に示す位置に組み込む。次に、図8に示すように、右側のサイドギヤ9bとスラストワッシャ13を約30度傾けた姿勢にして第2開口部22からケース本体14内に組み込んで図1に示す位置に組み込む。
次に、2つの第1開口部20、21からピニオン10を夫々組み込み、2つのサイドギヤ9と2つのピニオン10の全体を約120度時計回り又は反時計回りに回動させた状態で、片方の第1開口部20から軸支持部材11を組み込んでから、次に残りの1つのピニオンを、2つのピニオン10に対して120度の位相角となるように片方の第1開口部20から組み込む。
次に、2つのサイドギヤ9と3つのピニオン10と軸支持部材12の全体を約60度時計回り又は反時計回りに回動させ、3つのピニオン10のピン穴30を強度周壁14bの3つのピン穴23に夫々一致させると共に、軸支持部材12の3つのピン穴16を3つのピニオン10のピン穴30に夫々一致させる。次に、各ピニオン10について、強度周壁14bのピン穴23と、ピニオン10のピン穴30と、軸支持部材12のピン穴16にピニオン軸11を装着し、スプリングピン15を装着する。尚、デフケース7やベアリング26は、周知の組み付け方法により組み付けるものとする。
次に、以上説明した車両用差動装置1の作用と効果について説明する。
差動ギヤ機構2が3つのピニオン10を有するため、ピニオン10の負荷を低減でき、ピニオン10とサイドギヤ9の耐久性を高めることができるうえ、エンジンから入力リングギヤ6へ入力される回転駆動力が大きくなっても対応できる。3つのピニオン軸11の内端部を支持する軸支持部材12を設けたので、3つのピニオン軸11の内端部を確実に支持することができる。
ケース部材3を一体構造にしたので、ケース部材3の製作費を低減できる。ケース部材3に3つのピニオン10を組み込む為の2つの第1開口部20,21と、2つのサイドギヤ9を順々に組み込む為の1つの第2開口部22を形成するため、それらサイドギヤ9とピニオン10を簡単に確実に組み込むことができる。
第1,第2開口部20,21,22をケース本体14の周壁14aのうちの円周3等分位置に形成し、3つのピニオン10をそれらの軸心間の位相角が120度となるように配設するため、ケース本体3の周壁14aのうちの3つの強度周壁14bに3つのピニオン軸11を支持する3つのピン穴23を形成し、それらピン穴23にピニオン軸11を装着してピニオン10を支持することができる。
前記実施形態を部分的に変更する例について説明する。
1)前記第1,第2開口部20,21,22の形状は一例を示すものであり、図示の形状に限定されるものではない。
2)前記フランジ部4にリングギヤ6を一体形成してもよい。この場合、ケース部材3は例えばオーステンパー鋳鉄等の高級な鋳鉄材料で構成することが望ましい。但し、この材料に限定される訳ではない。
3)前記実施形態の車両用差動装置は、前輪駆動車の差動装置を例として説明したが、後輪駆動車の差動装置にも、本発明を同様に適用可能である。尚、後輪駆動車の差動装置のリングギヤは平歯車ではなくハス歯歯車とする。
図1、図2に示すように、この車両用差動装置1は、差動ギヤ機構2と、この差動ギヤ機構2を収容する一体構造のケース部材3と、このケース部材3のフランジ部4に複数のボルト5で固定されたリングギヤ6と、デフケース7とを有する。
前記差動ギヤ機構2は、左右1対の駆動車軸8の端部に夫々相対回転不能に連結される1対のサイドギヤ9と、これらサイドギヤ9に噛合する3つのピニオン10と、これら3つのピニオン10を夫々枢支する3つのピニオン軸11と、3つのピニオン軸11の内端部を支持する軸支持部材12と、ケース部材3とサイドギヤ9の間に装着されたスラストワッシャ13とを備えている。
3つのピニオン10は、それらの軸心間の位相角が120度をなすように配設されてピニオン軸11により回転自在に支持されている。各ピニオン軸11の端部とケース本体14とにスプリングピン15が装着され、各ピニオン軸11が脱落しないように拘束されている。
軸支持部材12は短い円筒体からなり、この軸支持部材12には3つの支持穴16が周方向3等分位置に形成され、これら支持穴16に3つのピニオン軸11の内端部を貫通させて支持している。前記リングギヤ6はフランジ部4と別体に形成され、このリングギヤ6が複数のボルト5でフランジ部4に固定され、エンジンの回転駆動力がこのリングギヤ6に入力される。ケース部材3は、ケース本体14と、エンジンからの回転駆動力がリングギヤ6を介して入力されるフランジ部4と、サイドギヤ9とピニオン10を組み込む為の3つの開口部20,21,22を有する。
3つの開口部20,21,22は、ケース本体14の周壁14aのうちの1対のサイドギヤ9の軸心回りの円周3等分位置に形成されている。
3つの開口部20,21,22は、3つのピニオン10を組み込む為の2つの第1開口部20,21と、2つのサイドギヤ9を順々に組み込む為の1つの第2開口部22とからなる。
図3〜図7に示すように、第1開口部20,21は、周方向幅と軸心幅とがほぼ等しいような側面視にてほぼD形の開口部であってフランジ部4側がストレートのほぼD形の開口部である。図3、図4においては、2つの第1開口部20,21がケース本体14の上側部分に形成され、第1開口部20,21の周方向幅は、ケース本体14の周壁14aの全周の約20%程度の大きさである。
図5、図6、図7に示すように、第2開口部22は、第1開口部20,21とは異なる形状の開口部であって、サイドギヤ9を組み込む際にサイドギヤ9を傾けた姿勢にして組み込み可能な特殊な形状の開口部である。第2開口部22は、頂角約120度の二等辺三角形の底辺側に長方形を連ねたようなほぼ五角形であり、二等辺三角形の斜辺がフランジ部4に近接され、図5において五角形の底辺と軸心とのなす角度が約60度である。サイドギヤ9を組み込み易くする為に、フランジ部4の内側付近には第2開口部22に連なる凹部22aが形成されている。
ケース本体14の周壁14aのうちの第1,第2開口部20,21,22の間の3つの強度周壁14bには3つのピン穴23が形成され、3つのピン穴23の軸心間の位相角は120度である。
図1に示すように、デフケース7は、リングギヤ6の付近において左右に分割可能な2つのデフケース分割体を複数のボルトにて固定した構造のものである。デフケース7は、差動ギヤ機構2を収容したケース部材3とリングギヤ6の外周側を囲繞して潤滑油を収容するものである。デフケース7の左端部のリング部25aと、ケース本体14の間にベアリング26aが装着され、リング部25aと車軸8との間にはオイルシール27aが装着されている。デフケース7の右端部のリング部25bと、ケース本体14の間にベアリング26bが装着され、リング部25bと車軸8との間にはオイルシール27bが装着されている。
前記のケース部材3は例えばダクタイル鋳鉄等で鋳造により製作される。ピニオン10やリングギヤ6はギヤ類を製作する通常の材料(クロム・モリブデン鋼、ニッケル・クロム・モリブデン鋼など)で構成され、浸炭焼入れ処理が施される。
次に、このケース部材3の内部に差動ギヤ機構2を組み込む方法について簡単に説明する。図7に示すように、左側のサイドギヤ9aとスラストワッシャ13を約30度傾けた姿勢にして第2開口部22からケース本体14内に組み込んで図1に示す位置に組み込む。次に、図8に示すように、右側のサイドギヤ9bとスラストワッシャ13を約30度傾けた姿勢にして第2開口部22からケース本体14内に組み込んで図1に示す位置に組み込む。
次に、2つの第1開口部20、21からピニオン10を夫々組み込み、2つのサイドギヤ9と2つのピニオン10の全体を約120度時計回り又は反時計回りに回動させた状態で、片方の第1開口部20から軸支持部材11を組み込んでから、次に残りの1つのピニオンを、2つのピニオン10に対して120度の位相角となるように片方の第1開口部20から組み込む。
次に、2つのサイドギヤ9と3つのピニオン10と軸支持部材12の全体を約60度時計回り又は反時計回りに回動させ、3つのピニオン10のピン穴30を強度周壁14bの3つのピン穴23に夫々一致させると共に、軸支持部材12の3つのピン穴16を3つのピニオン10のピン穴30に夫々一致させる。次に、各ピニオン10について、強度周壁14bのピン穴23と、ピニオン10のピン穴30と、軸支持部材12のピン穴16にピニオン軸11を装着し、スプリングピン15を装着する。尚、デフケース7やベアリング26は、周知の組み付け方法により組み付けるものとする。
次に、以上説明した車両用差動装置1の作用と効果について説明する。
差動ギヤ機構2が3つのピニオン10を有するため、ピニオン10の負荷を低減でき、ピニオン10とサイドギヤ9の耐久性を高めることができるうえ、エンジンから入力リングギヤ6へ入力される回転駆動力が大きくなっても対応できる。3つのピニオン軸11の内端部を支持する軸支持部材12を設けたので、3つのピニオン軸11の内端部を確実に支持することができる。
ケース部材3を一体構造にしたので、ケース部材3の製作費を低減できる。ケース部材3に3つのピニオン10を組み込む為の2つの第1開口部20,21と、2つのサイドギヤ9を順々に組み込む為の1つの第2開口部22を形成するため、それらサイドギヤ9とピニオン10を簡単に確実に組み込むことができる。
第1,第2開口部20,21,22をケース本体14の周壁14aのうちの円周3等分位置に形成し、3つのピニオン10をそれらの軸心間の位相角が120度となるように配設するため、ケース本体3の周壁14aのうちの3つの強度周壁14bに3つのピニオン軸11を支持する3つのピン穴23を形成し、それらピン穴23にピニオン軸11を装着してピニオン10を支持することができる。
前記実施形態を部分的に変更する例について説明する。
1)前記第1,第2開口部20,21,22の形状は一例を示すものであり、図示の形状に限定されるものではない。
2)前記フランジ部4にリングギヤ6を一体形成してもよい。この場合、ケース部材3は例えばオーステンパー鋳鉄等の高級な鋳鉄材料で構成することが望ましい。但し、この材料に限定される訳ではない。
3)前記実施形態の車両用差動装置は、前輪駆動車の差動装置を例として説明したが、後輪駆動車の差動装置にも、本発明を同様に適用可能である。尚、後輪駆動車の差動装置のリングギヤは平歯車ではなくハス歯歯車とする。
Claims (6)
- 車両のエンジンからの回転駆動力を駆動車軸に伝達する車両用差動装置において、
1対のサイドギヤと、これらサイドギヤに噛合する3つのピニオンと、これら3つのピニオンを夫々枢支する3つのピニオン軸と、3つのピニオン軸の内端部を支持する軸支持部材とを備えた差動ギヤ機構と、
前記差動ギヤ機構を収容する一体構造のケース部材であって、
前記回転駆動力がリングギヤを介して入力されるフランジ部と、サイドギヤとピニオンを組み込む為の複数の開口部を有するケース部材と、
を備えたことを特徴とする車両用差動装置。 - 前記3つのピニオンはそれらの軸心間の位相角が120度をなすように配設され、複数の開口部は前記ケース部材の周壁部分のうちの円周3等分位置に形成された3つの開口部からなることを特徴とする請求の範囲第1項の車両用差動装置。
- 前記3つの開口部は、3つのピニオンを組み込む為の2つの第1開口部と、2つのサイドギヤを順々に組み込む為の1つの第2開口部とからなることを特徴とする請求の範囲第2項の車両用差動装置。
- 前記第1開口部は、側面視にてほぼD形の開口部であってフランジ部側がストレートのほぼD形の開口部であり、前記第2開口部は、第1開口部とは異なる形状の開口部であって、サイドギヤを組み込む際にサイドギヤを傾けた姿勢にして組み込み可能な特殊な形状の開口部であることを特徴とする請求の範囲第3項の車両用差動装置。
- 前記フランジ部にそれと別体のリングギヤが複数のボルトで固定されたことを特徴とする請求の範囲第4項の車両用差動装置。
- 前記フランジ部にリングギヤが一体形成されたことを特徴とする請求の範囲第4項の車両用差動装置。
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