JPWO2004003988A1 - プラズマ処理方法 - Google Patents

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Abstract

プラズマ処理方法は、表面に有機層を有する被処理体プラズマ処理方法は、表面に有機層を有する被処理体を準備する工程と、前記被処理体に対して、H2のプラズマを照射して前記有機層の耐プラズマ性を向上させる工程とを有する。

Description

本発明は、半導体装置の製造工程でなされるプラズマ処理方法に関する。
エッチング対象層をプラズマエッチングする際にはフォトレジスト等のレジストマスクが用いられている。特に最近では微細加工の要請に応えて約0.13μm以下の開口パターンを形成するのに適したArFフォトトレジストやF2フォトレジスト、すなわち、ArFガスやFガスを発光源としたレーザー光で露光するフォトレジストがよく使用されている。
しかし、ArFフォトレジスト層やF2フォトレジスト層は耐プラズマ性が低いため、エッチング途中でフォトレジスト層の表面が荒れてしまうという問題がある。フォトレジスト層の表面が荒れてしまうことで、エッチングの進行とともに開口部の形状が変化して、設計した形状のエッチング孔やエッチング溝が形成できなくなってしまう。また、エッチング途中で、フォトレジスト層がなくなる箇所ができ、本来エッチングしたくない箇所もエッチングされてしまう。
フォトレジスト層の耐プラズマ性を向上させる方法として、フォトレジスト層表面に紫外線、電子線やイオンビームを照射する方法(特開平60−110124号公報、特開平2−252233号公報、特開昭57−157523号公報)、フォトレジストを加熱硬化する方法(特開平4−23425号公報)や有機Si化合物に熱や光のエネルギーを与えて薄い硬化層をフォトレジスト層表面にコーティングする方法(特開平2−40914号公報)がある。
上記のフォトレジスト層の耐プラズマ性を向上させる方法では、その後のエッチング工程で使用する容器とは別の容器内で耐プラズマ性の向上処理を行わなければならない。フォトレジスト層の耐プラズマ性の向上処理を行う容器からエッチング容器へ被処理体を搬送することは、搬送工程での歩留まりの低下や搬送時間によるスループットの低下を招く。さらに、耐プラズマ性の向上処理を行う容器をエッチング容器と別に設けることは、余分なスペースが必要であるばかりでなくコストアップを招く。
また、耐プラズマ性の向上処理を行う容器をエッチング容器と別に設けず、エッチング容器に紫外線照射手段や加熱手段を付加することも可能だが、紫外線照射手段や加熱手段が必要であることには変わりなく、やはりコストアップを招いてしまう。
一方、エッチング対象部を直接フォトレジスト層で覆うと、その後のフォトレジスト層を露光・現像して開口パターンを形成する工程で、開口パターンの設計寸法精度が落ちてしまう。このため、エッチング対象部とフォトレジストマスク層の間に反射防止層を挿入している。この反射防止層をCとFとを有する物質を含むガス、例えば、CとOの混合ガス、HBrとCFとHeの混合ガス、CHとCFとHeの混合ガスのプラズマでエッチングすることが提案されている(特開平10−26162号公報)。反射防止層をエッチングするエッチングガスとしては、例えばCFとOとの混合ガスも知られている(特開平7−307328号公報)。
しかしながら、反射防止層をCとOの混合ガスやCFとOの混合ガスのプラズマでエッチングした場合は、ArFフォトレジスト層の表面が荒れたり、ArFフォトレジスト層に縦筋が入ったり、マスク層であるArFフォトレジスト層も相当量エッチングされてしまいマスクとしての機能を果たせなくなることもある。
本発明の目的は、歩留まりの低下やスループットの低下をもたらさずに、かつコストアップを招くことなく、ArFフォトレジスト層等の有機層の耐エッチング性を向上させることができるプラズマ処理方法を提供することにある。
また、このようにして有機層の耐エッチング性を向上させつつプラズマエッチングを行うことができるプラズマ処理方法を提供することにある。
さらに、反射防止層やその下地のエッチング対象層をエッチングする際に、ArFフォトレジスト層やF2フォトレジスト層等のマスク層の耐プラズマ性を高く維持することができるプラズマ処理方法を提供することにある。
さらにまた、ArFフォトレジスト層やF2フォトレジスト層等のマスク層の表面荒れを抑えながら、かつ良好なエッチング選択比を維持しながら、大きなエッチングレートで下地の反射防止層やエッチング対象層をエッチングすることができるプラズマ処理方法を提供することにある。
本発明の第1の観点によれば、表面に有機層を有する被処理体を準備する工程と、前記被処理体に対して、Hのプラズマを照射して前記有機層の耐プラズマ性を向上させる工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第2の観点によれば、表面に有機層を有する被処理体を準備する工程と、前記被処理体に対して、Hと不活性ガスとを含む処理ガスのプラズマを照射して前記有機層の耐プラズマ性を向上させる工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第3の観点によれば、表面に有機層を有する被処理体を準備する工程と、前記被処理体に対して、Hを有する物質と不活性ガスとを含む処理ガスのプラズマを照射して前記有機層の耐プラズマ性を向上させる工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第4の観点によれば、表面にArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層を有する被処理体を準備する工程と、前記被処理体に対して、Hを有する物質を含む処理ガスのプラズマを照射して前記フォトレジスト層の耐プラズマ性を向上させる工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第5の観点によれば、エッチング対象部と、このエッチング対象部を覆う、開口パターンが形成された有機層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、前記処理容器内でHを有する物質を含む処理ガスをプラズマ化し、前記有機層にそのプラズマを照射する工程と、前記処理容器内でエッチングガスをプラズマ化し、前記開口パターンを通して前記エッチング対象部をエッチングする工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第6の観点によれば、表面にArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層を有する被処理体を準備する工程と、前記被処理体に対して、Nを有する物質を含む処理ガスのプラズマを照射して前記フォトレジストの耐プラズマ性を向上させる工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第7の観点によれば、エッチング対象部と、このエッチング対象部を覆う反射防止層と、この反射防止層を覆う、開口パターンが形成されたArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、前記処理容器に処理ガスを導入する工程と、前記処理ガスをプラズマ化する工程と、そのプラズマを前記被処理体に作用させて、前記フォトレジスト層の耐プラズマ性を向上させるとともに、前記開口パターンを通して前記反射防止層をエッチングする工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第8の観点によれば、処理容器の中に、エッチング対象層と、このエッチング対象層を覆う反射防止層と、この反射防止膜層を覆い開口パターンが形成されたマスク層とを有する被処理体を配置する工程と、前記処理容器内にHを含む処理ガスを導入する工程と、前記処理ガスをプラズマ化する工程と、前記プラズマにより、前記マスク層の開口パターンを通して前記反射防止層を前記マスク層に対して選択的にエッチングする工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第9の観点によれば、エッチング対象層と、このエッチング対象層を覆う開口パターンが形成された、ArFフォトレジストまたはF2フォトレジストで構成されたマスク層とを有する被処理体を載置台に載置する工程と、CFとHをプラズマ化し、前記マスク層の開口パターンを通して前記エッチング対象層を途中までエッチングする初期エッチング工程と、この初期エッチング工程の後、フロロカーボンを含むエッチングガスをプラズマ化し、前記エッチング対象層をエッチングする主エッチング工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第10の観点によれば、エッチング対象層と、このエッチング対象層を覆う反射防止層と、この反射防止層を覆う開口パターンが形成されたアクリル酸樹脂からなるマスク層とを有する被処理体を載置台に載置する工程と、CFをプラズマ化し、前記マスク層の開口パターンを通して前記反射防止層をエッチングする第1エッチング工程と、CFとHをプラズマ化し、前記マスク層の開口パターンを通して前記エッチング対象層を途中までエッチングする第2エッチング工程と、この第2エッチング工程の後、フロロカーボンを含むエッチングガスをプラズマ化し、前記エッチング対象層をエッチングする第3エッチング工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第11の観点によれば、処理容器の中に配置されたサセプタに、エッチング対象層とこのエッチング対象層を覆い開口が形成されたマスク層とを有する被処理体を載置する工程と、前記処理容器内にHを含む処理ガスを導入する工程と、前記サセプタに、100MHz以上の周波数の高周波電力と、3MHz以上の周波数の高周波電力と供給する工程と、前記処理容器内の圧力を13.3Pa(100mTorr)以下にする工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第12の観点によれば、エッチング対象部と、このエッチング対象部を覆う開口パターンが形成された、ArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、前記処理容器内でNを有する物質を含む処理ガスをプラズマ化し、前記フォトレジスト層に照射する工程と、前記処理容器内でエッチングガスをプラズマ化し、前記開口パターンを通して前記エッチング対象部をエッチングする工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第13の観点によれば、エッチング対象部と、このエッチング対象部を覆う反射防止層と、この反射防止層を覆う開口パターンが形成されたArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、前記処理容器内でNを有する物質を含む処理ガスをプラズマ化し、前記開口パターンを通して前記反射防止層をエッチングする第1エッチング工程と、前記処理容器内でエッチングガスをプラズマ化し、前記開口パターンを通して前記エッチング対象部をエッチングする第2エッチング工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
第14の観点によれば、エッチング対象層と、前記エッチング対象層を覆う開口パターンが形成された有機マスク層とを有する被処理体を、Siを含む物質の露出部を有する構成部材を備えた処理容器内に配置する工程と、前記処理容器内にH、NおよびHeからなる群から選択された少なくとも1種の処理ガスを導入する工程と、前記処理ガスをプラズマ化して、前記有機マスク層をプラズマ処理する工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
第15の観点によれば、エッチング対象層と、前記エッチング対象層を覆う有機膜と、前記有機膜を覆う開口パターンが形成された有機マスク層とを有する被処理体を、Siを含む物質の露出部を有する構成部材を備えた処理容器内に配置する工程と、前記処理容器内にエッチングガスを導入する工程と、前記エッチングガスをプラズマ化し、前記有機マスク層の開口パターンを通して前記有機膜をエッチングする工程と、前記処理容器内にH、NおよびHeからなる群から選択された少なくとも1種の処理ガスを導入する工程と、前記処理ガスをプラズマ化して前記有機マスク層をプラズマ処理する工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
第16の観点によれば、エッチング対象層と、前記エッチング対象層を覆う有機膜と、前記有機膜を覆う開口パターンが形成された有機マスク層とを有する被処理体を、Siを含む物質の露出部を有する構成部材を備えた処理容器内に配置する工程と、前記処理容器内にHを導入する工程と、導入されたHをプラズマ化し、前記有機マスク層の開口パターンを通して前記有機膜をエッチングする工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第17の観点によれば、エッチング対象層と、このエッチング対象層を覆う開口パターンが形成されたArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、前記被処理体を収容した処理容器内にCを含む処理ガスを導入する工程と、前記処理ガスをプラズマ化する工程と、前記処理ガスのプラズマにより、前記被処理体中のエッチング対象層を、前記フォトレジスト層の開口パターンを通してエッチングする工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第18の観点によれば、エッチング対象層と、このエッチング対象層を覆う開口パターンが形成されたマスク層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、前記被処理体を収容した処理容器内にCとOと含む処理ガスを導入する工程と、前記処理ガスをプラズマ化する工程と、前記処理ガスのプラズマにより、前記被処理体中のエッチング対象層を、前記マスク層の開口パターンを通してエッチングする工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第19の観点によれば、エッチング対象部と、このエッチング対象部を覆う反射防止層と、この反射防止層を覆う開口パターンが形成されたArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、前記処理容器内でCとFとを有する物質とHを有する物質とを含むエッチングガスをプラズマ化し、前記開口パターンを介して前記反射防止層をエッチングする工程と、前記エッチング対象部をエッチングする工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第20の観点によれば、エッチング対象部と、このエッチング対象部を覆う反射防止層と、この反射防止層を覆う開口パターンが形成されたマスク層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、前記処理容器内でCとFとを有する物質とハイドロカーボンとを含むエッチングガスをプラズマ化し、前記開口パターンを介して前記反射防止層をエッチングする工程と、前記エッチング対象部をエッチングする工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第21の観点によれば、エッチング対象部と、このエッチング対象部を覆う反射防止層と、この反射防止層を覆う開口パターンが形成されたマスク層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、前記処理容器内でCとFとを有する物質とCとHとFとを有しFの原子数に対するHの原子数の比が3以上の物質とを含むエッチングガスをプラズマ化し、前記開口パターンを介して前記反射防止層をエッチングする工程と、前記エッチング対象部をエッチングする工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
木発明の第22の観点によれば、エッチング対象部と、このエッチング対象部を覆う開口パターンが形成された、ArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、前記処理容器内でCとFとを有する物質とCOとを含む処理ガスをプラズマ化し、そのプラズマを前記フォトレジスト層に照射する工程と、前記処理容器内でエッチングガスをプラズマ化し、そのプラズマにより前記開口パターンを介して前記エッチング対象部をエッチングする工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第23の観点によれば、エッチング対象部と、このエッチング対象部を覆う反射防止層と、この反射防止層を覆う開口パターンが形成された、ArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、前記処理容器内でCとFとを有する物質とCOとを含む第1エッチングガスをプラズマ化し、そのプラズマにより前記開口パターンを介して前記反射防止層をエッチングする第1エッチング工程と、前記処理容器内で第2エッチングガスをプラズマ化し、そのプラズマにより前記開口パターンを介して前記エッチング対象部をエッチングする第2エッチング工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第24の観点によれば、エッチング対象部と、エッチング対象部を覆う反射防止層と、この反射防止層を覆う開口パターンが形成されたマスク層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、前記処理容器内でCFとCOとを含む第1エッチングガスをプラズマ化し、そのプラズマにより前記開口パターンを介して前記反射防止層をエッチングする第1エッチング工程と、前記処理容器内で第2エッチングガスをプラズマ化し、そのプラズマにより前記開口パターンを介して前記エッチング対象部をエッチングする第2エッチング工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第25の観点によれば、エッチング対象層と、このエッチング対象層を覆う有機反射防止層と、この有機反射防止層を覆う開口パターンが形成されたArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、この処理容器内にSiを含む物質を有するエッチングガスを導入する工程と、このエッチングガスをプラズマ化し、前記フォトレジスト層の開口パターンを通して有機反射防止層をエッチングする工程とを有するプラズマ処理方法。
本発明の第26の観点によれば、処理容器の中にあるサセプタに、エッチング対象層とこのエッチング対象層を覆い開口が形成されたマスク層とを有する被処理体を載置する工程と、前記処理容器内に前記被処理体と表面の少なくとも一部がSiである部材とが存在する下で前記処理容器の中に不活性ガスを入れる工程と、前記不活性ガスの少なくとも一部をイオン化する高周波エネルギーを前記処理容器の中に与える工程と、前記処理容器の中にエッチングガスを導入する工程と、そのエッチングガスをプラズマ化する工程と、前記エッチングガスのプラズマにより、前記処理容器の中で前記マスク層の開口パターンを通して前記エッチング対象層をエッチングする工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第27の観点によれば、処理容器の中にあるサセプタに、エッチング対象層とこのエッチング対象層を覆い開口パターンが形成されたマスク層とを有する被処理体を載置する工程と、前記処理容器内で前記マスク層表面にSi含有層を形成する工程と、前記処理容器内にエッチングガスを導入する工程と、前記エッチングガスをプラズマ化する工程と、前記処理容器の中で、前記エッチングガスのプラズマにより、前記マスク層の開口パターンを通して前記エッチング対象層をエッチングする工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第28の観点によれば、表面の少なくとも一部がSiである部材と、第1電極と、この第1電極と対向位置にある第2電極とが内部に設けられた処理容器を準備する工程と、前記処理容器内の前記第1電極に、エッチング対象層とこのエッチング対象層を覆い開口パターンが形成されたマスク層とを有する被処理体を載置する工程と、前記処理容器内に不活性ガスを導入する工程と、前記第1電極に高周波電力を印加する工程と、前記第2電極に高周波電力を印加する工程と、前記処理容器の中にエッチングガスを導入する工程と、前記処理容器の中で、前記高周波電力によりプラズマ化されたエッチングガスにより、前記マスク層の開口パターンを通して前記エッチング対象層をエッチングする工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
本発明の第29の観点によれば、処理容器の中にあるサセプタに、エッチング対象層とこのエッチング対象層を覆い開口パターンが形成されたArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層とを有する被処理体を載置する工程と、前記処理容器の中にSi化合物を含むエッチングガスを導入する工程と、前記エッチングガスをプラズマ化する工程と、前記処理容器の中で、前記エッチングガスのプラズマにより、前記フォトレジスト層の開口パターンを通して前記エッチング対象層をエッチングする工程とを有するプラズマ処理方法が提供される。
図1は、本発明のプラズマ処理方法が実施可能なプラズマ処理装置の一例を示す断面図、
図2は、本発明のプラズマ処理方法が実施可能なプラズマ処理装置の他の例を示す断面図、
図3、本発明の第1の実施形態の実施に用いる被処理体を模式的に示す断面図、
図4A、4Bは、本発明の第2の実施形態の実施に用いる被処理体の状態を工程順に模式的に示す断面図、
図5A、5Bは、本発明の第3の実施形態の実施に用いる被処理体を状態を工程順に模式的に示す断面図、
図6A、6B、6Cは、本発明の第4の実施形態の実施に用いる被処理体の状態を工程順に模式的に示す断面図、
図7A、7B、7Cは、本発明の第5の実施形態の実施に用いる被処理体の状態を工程順に模式的に示す断面図、
図8は、本発明の第5の実施形態の一連の工程を示すフローチャート、
図9A、9B、9Cは、本発明の第5の実施形態の変形例の実施に用いる被処理体の状態を工程順に模式的に示す断面図、
図10は、本発明の第5の実施形態の変形例における一連の工程を示すフローチャート、
図11A、11Bは、本発明の第5の実施形態の実施例におけるプラズマ処理の効果を示すチャート、
図12は、本発明の第6の実施形態の実施に用いる被処理体を模式的に示す断面図、
図13A、13Bは、本発明の第7の実施形態の実施に用いる被処理体の状態を工程順に模式的に示す断面図、
図14A、14Bは、本発明の第8の実施形態の実施に用いる被処理体の状態を工程順に模式的に示す断面図、
図15は、本発明の第9の実施形態の実施に用いる被処理体を模式的に示す断面図、
図16A、16Bは、本発明の第10の実施形態の実施に用いる被処理体の状態を工程順に模式的に示す断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明のプラズマ処理方法が実施可能なプラズマ処理装置の一例を示す断面図である。
このプラズマ処理装置1は、処理容器2を有する。処理容器2は金属、例えば、表面が酸化処理されたアルミニウムにより形成されていて、保安接地されている。処理容器2内の底部には絶縁体3を介して、平行平板電極の下部電極として機能するサセプタ5が設けられている。このサセプタ5には、ハイパスフィルタ(HPF)6が接続されており、さらに、整合器51を介して第2の高周波電源50が接続されている。サセプタ5の上には静電チャック11が設けられ、その上には半導体ウエハ等の被処理体Wが載置される。
静電チャック11は、絶縁体間に電極12が介在された構成をしており、電極12に接続された直流電源13から直流電圧を印加することにより、被処理体Wを静電吸着する。そして、被処理体Wを囲むようにアルミナ、SiやSiO等からなるフォーカスリング15が配置されていて、エッチングの均一性を向上させている。
また、サセプタ5の上方には、サセプタ5と対向するようにSi、SiOやアモルファスカーボン等からなるシャワーヘッド状の上部電極板24が支持体25に支持されて設けられている。上部電極板24と支持体25でサセプタ5に対向する平行平板電極の上部電極21を構成している。上部電極21には、ローパスフィルター42が接続されており、さらに整合器41を介して第1の高周波電源40が接続されている。
上部電極21の上面の中央にはガス導入口26が設けられ、このガス導入口26にはガス供給管27が接続されており、このガス供給管27には、ガス導入口26側から順に、バルブ28、マスフローコントローラ29、処理ガス供給源30が接続されている。この処理ガス供給源30からは所定の処理ガスが供給される。
一方、処理容器2の底部には排気管31が接続されており、この排気管31には排気装置35が接続されている。また、処理容器2の側壁にはゲートバルブ32があり、被処理体Wが、隣接するロードロック室(図示せず)との間で搬送されるようになっている。
このように構成される装置においては、まず、ゲートバルブ32を開放して、被処理体Wを処理容器2内に搬入し、静電チャック11上に配置する。次いで、ゲートバルブ32を閉じ、排気装置35によって処理容器2内を減圧した後、バルブ28を開放し、エッチングガス供給源30から所定の処理ガスを供給し処理容器2内の圧力を所定の値とする。
この状態で第1、第2の高周波電源40、50から高周波電力を供給して処理ガスをプラズマ化し、被処理体Wの所定の膜に対するプラズマ処理(耐プラズマ性向上処理またはプラズマエッチング)を実施する。この場合に、第1、第2の高周波電源40、50から高周波電力を供給するタイミングの前後に、静電チャック11内の電極12に直流電圧を印加して、被処理体Wを静電チャック11上に静電吸着させ、この状態で所定のプラズマ処理を実施する。
図2は、本発明が実施されるプラズマ処理装置の他の例を示す断面図である。
このプラズマエッチング装置61は、処理容器62を有する。処理容器62は小径の上部62aと大径の下部62bとからなる段つき円筒状をなし、金属、例えば、表面が酸化処理されたアルミニウムにより形成されていて接地されている。処理容器62内の底部には絶縁体63を介して、平行平板電極の下部電極として機能する導電性材料、例えば表面が酸化処理されたアルミニウムからなるサセプタ65が設けられている。サセプタ65の上には静電チャック71が設けられ、その上には半導体ウエハ等の被処理体Wが載置される。
静電チャック71は、絶縁体間に電極72が介在された構成をしており、電極72に接続された直流電源73を印加することにより、被処理体Wを静電吸着する。そして、被処理体Wを囲むようにSiやSiO等からなるフォーカスリング75が配置されていて、エッチングの均一性を向上させている。
また、サセプタ65の上方には、サセプタ65と対向するようにシャワーヘッド状のSi等からなる上部電極板81が処理容器62の上部62aに支持されて設けられている。処理容器62がサセプタに対向する平行平板型電極としても機能している。処理容器62の上部62aの周囲には、マルチポールリング磁石82が回転可能に設けられている。
処理容器62の上面の中央にはガス導入口86が設けられ、このガス導入口86にはガス供給管87が接続されており、このガス供給管87には、ガス導入口86側から順に、バルブ88、マスフローコントローラ89、処理ガス供給源90が接続されている。この処理ガス供給源90からは所定の処理ガスが供給される。
一方、処理容器62の底部には排気管91が接続されており、この排気管91には排気装置95が接続されている。また、処理容器62の側壁にはゲートバルブ(図示せず)が設けられており、被処理体Wが、隣接するロードロック室(図示せず)との間で搬送されるようになっている。
下部電極であるサセプタ65には、整合器100を介して第1の高周波電源101と第2の高周波電源102が接続されている。第1、第2の高周波電源101,102の周波数はそれぞれ例えば100MHzと3.2MHzである。
このように構成される装置においては、まず、ゲートバルブ(図示せず)を開放して、被処理体Wを処理容器62内に搬入し、静電チャック71上に配置する。次いで、ゲートバルブを閉じ、排気装置95によって処理容器62内を減圧した後、バルブ88を開放し、エッチングガス供給源90から所定の処理ガスを供給し処理容器62内の圧力を所定の値とする。
この状態で第1、第2の高周波電源101、102から高周波電力を供給して処理ガスをプラズマ化し、被処理体Wの所定の膜に対するプラズマ処理(耐プラズマ性向上処理またはプラズマエッチング)を実施する。この場合に、第1、第2の高周波電源101、102から高周波電力を供給するタイミングの前後に、静電チャック71内の電極72に直流電圧を印加して、被処理体Wを静電チャック71上に静電吸着させ、この状態で所定のプラズマ処理を実施する。
次に、本発明のプラズマ処理方法の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
ここでは、図1に示すプラズマ処理装置1を用いて、図3に示すような、エッチング対象層であるSiO膜121とこれを覆うマスク層であるArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層122とを有する被処理体Wにプラズマ照射して、フォトレジスト層122の耐プラズマ性を向上させる工程と、この工程の後にフォトレジスト層122をマスクとしてエッチング対象層121をプラズマエッチングする工程とを実施する。
ArFフォトレジストやF2フォトレジストとしては、脂環族含有アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、シクロオレフィン−無水マレイン酸樹脂、メタクリル酸樹脂等を使用することができる。
まず、ゲートバルブ32を開放して、被処理体Wを処理容器2内に搬入し、静電チャック11上に配置する。次いで、ゲートバルブ32を閉じ、排気装置35によって処理容器2内を減圧した後、バルブ28を開放し、処理ガス供給源30から処理ガス、例えばHを供給し、処理容器2内の圧力を所定の値、好ましくは13.3Pa(100mTorr)以下、例えば6.7Pa(50mTorr)とする。この状態で、上部電極21と下部電極であるサセプタ5に高周波電力を印加し、処理ガスをプラズマ化して被処理体W中のフォトレジス層122にプラズマ照射する。このとき、上下電極に高周波電力を印加するタイミングの前後に、直流電源13を静電チャック11内の電極12に印加して、被処理体Wを静電チャック11上に静電吸着させる。
のプラズマに代えて、HとHe、Ne、Ar、Kr、Xeなどの不活性ガスとを含む処理ガスのプラズマや、他のHを有する物質のプラズマ、Hを有する物質と他の物質、例えば不活性ガスとを含む処理ガスのプラズマを照射してもよい。他のHを有する物質としては例えばNHを挙げることができる。これらのガスの照射によって、有機層であるフォトレジスト層122の耐プラズマ性が向上する。詳細なメカニズムは必ずしも明確ではないが、Hを有するプラズマが有機層であるフォトレジスト層122の架橋反応を促進したり、C−O結合やC−H結合がC−C結合に変わることで化学的結合が強化され、耐プラズマ性を向上させているものと考えられる。Hを有する物質としては、取扱いが容易であることから上記HやNHが好ましい。NHはNを有する物質でもあるが、処理ガスとして他のNを有する物質、例えばNを含んでいてもよい。Nも取扱いが容易であるという利点がある。 処理ガスとしてNを有する物質を用いることによってもフォトレジスト層122の耐プラズマ性が向上するからHを有する物質を用いずにNを有する物質を用いてもよい。この場合の耐プラズマが向上する詳細なメカニズムは必ずしも明確ではないが、NとArFフォトレジスト中のCとが結合して、ArFフォトレジスト表面にCN系の保護膜ができ、ArFフォトレジストの耐プラズマ性が向上するものと考えられる。処理ガスにN等のNを有する物質が含まれている場合に、さらにHを有する物質が含まれていることが好ましい。Hの存在によりNとCとの結合が促進されると考えられるからである。Hを有する物質としては、H、CHF、CH、CHFの中から選択される1以上を使用することができる。
以上のようにして所定の時間だけプラズマを照射した後、処理ガスの供給および高周波電力の印加を停止する。
この後、処理容器2内の圧力をエッチング工程に適した所定の値、例えば2.0Pa(15mTorr)とし、処理ガス供給源30からエッチングガスを供給する。エッチングガスとしてはフロロカーボンを含むガス、例えばCを含むものが好ましい。具体的な例としてはC+O+Arを挙げることができる。エッチング対象部がSiO層であり、エッチングガスがCを含むガスの場合には、エッチング対象部であるSiO膜121の有機層であるフォトレジスト層122に対する選択比(エッチング対象部のエッチングレート/有機層のエッチングレート)が高い。Cの中でもより選択比の高い直鎖Cが好ましく、その中でも特に1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンチン(以下「2−C」と記載する。)を用いた場合に、上記選択比は極めて大きくなる。また、エッチングガスとしてはCを含むものも好適である。Cを用いることにより、エッチング工程でArFフォトレジスト上にポリマーが堆積されるため、フォトレジストの目減りがなく、所望の開口形状を維持したままエッチングホールを形成することができる。
このようにエッチングガスを流すと同時に、上部電極21と下部電極であるサセプタ5に高周波電力を印加してエッチングガスをプラズマ化して、そのプラズマにより、フォトレジスト層122をマスクとしてSiO膜121をエッチングする。
エッチング中に、所定の発光強度を終点検出器(図示せず)によって検出し、これに基いてエッチングを終了する。
なお、エッチング対象部は、SiO膜に限るものではなく、TEOS、BPSG、PSG、SOG、熱酸化膜、HTO、FSG、有機系酸化Si膜、CORAL(ノベラス社)等の酸化膜(酸素化合物)や低誘電体有機絶縁膜等のエッチングに適用可能である。この場合に、エッチング対象部の材質によっては、エッチングガスとして、処理ガスに別のガスを添加しただけのガスを使用することができる。このように処理ガスのプラズマを照射する工程の後に別のガスを添加するだけでエッチングすることができれば、プラズマ放電を維持したまま、処理ガスのプラズマを照射する工程とエッチングする工程とを連続で行うことが可能である。具体例としては、処理ガスのプラズマを照射する工程で、処理ガスとしてHを用い、その後、エッチングガスとしてHとCFとArの混合ガスを用いて、エッチング対象部として例えば有機酸化膜をエッチングする工程を実施することが挙げられる。
また、ArFフォトレジストやF2フォトレジストのような耐プラズマ性の低いフォトレジスト材料に限らず、これらの代わりに他の有機フォトレジスト層でもよく、さらには、フォトレジストに限らず他の有機層であってもよい。プラズマ処理装置の構成も図1のものに限るものではない。
次に、上記第1の実施形態に係る方法の実施例について説明する。
ここでは、プラズマを照射する工程での諸条件としては、処理容器内圧力を6.7Pa(50mTorr)とし、処理ガスHの流量を0.05〜0.2L/min(50〜200sccm)とし、照射時間を30秒とし、上部電極には60MHzの周波数の高周波電力を500〜1000Wのパワーで印加し、下部電極には高周波電力を印加しなかった。また、エッチング工程での諸条件としては、処理容器内圧力を2.0Pa(15mTorr)とし、エッチングガスC、Ar、Oの流量をそれぞれ0.015L/min(15sccm)、0.38L/min(380sccm)、0.019L/min(19sccm)とし、上部電極には60MHzの周波数の高周波電力を2170Wのパワーで印加し、下部電極には2MHzの周波数の高周波電力を1550Wのパワーで印加した。
このような実施例と、プラズマを照射する工程を省略した比較例とで、エッチング工程でのSiO膜のArFフォトレジストマスクに対する選択比(SiO膜のエッチングレート/ArFフォトレジストマスクのエッチングレート)を比較した。被処理体Wの測定箇所4点全てについて、実施例のようにプラズマ照射を行うことにより、プラズマ照射を行わない比較例に比べて上記選択比が上昇した。上昇率は6〜19%だった。
(第2の実施形態)
ここでは、上記プラズマエッチング装置1を用いて、図4AのようなSiO膜131と、このSiO膜131を覆う反射防止膜132と、この反射防止膜132を覆うArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層133を有する被処理体Wに対して、フォトレジスト層133のパターン開口を通して反射防止膜132をエッチングするとともに、フォトレジスト層133の耐プラズマ性を向上させる第1エッチング工程(図4A)と、この工程の後のフォトレジスト層133を通してSiO膜131をプラズマエッチングする第2エッチング工程(図4B)を実施する。
まず、被処理体Wを処理容器2内に搬入・配置し、処理ガス供給源30から第1エッチングガスを兼ねた処理ガス、例えばNとHを供給するとともに、処理容器2内の圧力を所定の値、例えば107Pa(800mTorr)にする。この際の処理容器内圧力は107〜160Pa(800〜1200mTorr)が好ましい。107Paより低いとフォトレジスト層133、特にパターン開口の肩部もエッチングされてしまうからであり、160Paより大きいと開口部分のエッチングが進行しないからである。第1エッチングガスを兼ねた処理ガスとしては、Nを含むガス、例えばN、NHを用いることができ、その他にHを含むガス、例えば、H、CHF、CH、CHFの中から選択される1以上を使用することができる。
次いで、上下部電極に高周波電力を印加し、第1エッチングガスをプラズマ化して、フォトレジスト層133をマスクとして反射防止膜132をエッチングする。反射防止膜としては、アモルファスカーボンや有機系高分子材料使用することができる。このエッチングは、同時にフォトレジスト層133の耐プラズマ性を向上させる処理も兼ねている。所定の時間だけエッチングしたところで第1エッチングを終了する。
このように処理ガスとエッチングガスを同じにすることで、フォトレジスト層133にプラズマを照射する工程と反射防止層132をエッチングする工程との間のガス切り替えが不要となり短時間での処理ができ、スループットの向上を図ることができる。また、反射防止層132のエッチングの際にArFフォトレジストの耐プラズマ性向上処理ができるので、そのための余分な装置や空間が不要である。
次いで、処理ガス(第1エッチングガス)をエッチングガス(第2エッチングガス)に切り替えて、第1エッチングと同様に、フォトレジスト133を通してSiO膜131をプラズマエッチングする第2エッチングを行う。この際のエッチングガスとしては、第1の実施形態と同様、フロロカーボンを含むガス、例えばCを含むものが好ましい。具体的な例としてはC+O+CO+Arを挙げることができる。Cの中でも、直鎖Cが好ましく、特に2−Cが好ましい。エッチングガスに用いるフロロカーボンとしてはCも好適である。
なお、この第2の実施形態においても、エッチング対象部は、SiO膜に限るものではなく、TEOS、BPSG、PSG、SOG、熱酸化膜、HTO、FSG、有機系酸化Si膜、CORAL(ノベラス社)等の酸化膜(酸素化合物)や低誘電体有機絶縁膜等のエッチングに適用可能である。また、ArFフォトレジストやF2フォトレジストのような耐プラズマ性の低いフォトレジスト材料に限らず、他の有機フォトレジスト層でもよく、さらには、フォトレジストに限らず他の有機層であってもよい。プラズマ処理装置の構成も図1のものに限るものではない。
次に、上記第2の実施形態に係る方法の実施例について説明する。
ここでは、第1エッチングの諸条件としては、処理容器内圧力を107Pa(800mTorr)とし、処理ガス(第1エッチングガス)N、Hの流量をそれぞれ0.6L/min(600sccm)とし、上部電極には60MHzの周波数の高周波電力を1000Wのパワーで印加し、下部電極には2MHzの周波数の高周波電源を300Wのパワーで印加した。第2エッチングの諸条件としては、エッチングガスが1,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−シクロ−1−ペンテン(以下「c−C」と記載する。)を含むガスの場合(実施例2−1)には、処理容器内圧力を2.0Pa(15mTorr)とし、エッチングガスc−C、Ar、Oの流量をそれぞれ0.015L/min(15sccm)、0.38L/min(380sccm)、0.019L/min(19sccm)とし、上部電極には周波数60MHz、パワー2170Wで、下部電極には周波数2MHz、パワー1550Wで高周波電力を印加し、エッチングガスが2−Cを含むガスの場合(実施例2−2)には、処理容器内圧力を2.7Pa(20mTorr)とし、エッチングガス2−C、Ar、O、COの流量をそれぞれ0.027L/min(27sccm)、0.5L/min(500sccm)、0.027L/min(27sccm)、0.05L/min(50sccm)とし、上部電極には周波数60MHz、パワー1600Wで、下部電極には周波数2MHz、パワー2000Wで高周波電力を印加した。
これに対して、処理ガスがArFフォトレジストの耐プラズマ性の向上作用がないと思われるCFで第1エッチングを行った後、実施例2−1と同様にしてc−Cを含むガスで第2エッチングを行ったものを比較例2−1とし、実施例2−2と同様にして2−Cを含むガスで第2エッチングを行ったものを比較例2−2とした。結果を表1に示す。
Figure 2004003988
表1に示すように、反射防止膜をエッチングする第1エッチング工程で、NとHとの混合ガスのプラズマを用いたことにより、ArFフォトレジスト膜の耐プラズマ性が向上し、その後のSiO膜をエッチングする第2エッチング工程で、SiO膜のArFフォトレジスト膜に対する選択比(SiOのエッチングレート/ArFフォトレジストのエッチングレート)が高くなることが確認された。
(第3の実施形態)
ここでは、図2に示すプラズマエッチング装置61を用いて、図5Aのような、エッチング対象層であるSiO膜141と、このSiO膜141を覆う反射防止膜142と、この反射防止膜142を覆うArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層143を有する被処理体Wに対して、プラズマによりフォトレジスト層143の耐プラズマ性を向上させるとともにフォトレジスト層143の開口パターン143aを通して反射防止膜142をエッチングする工程(図5A)と、この工程の後のフォトレジスト層143を通してSiO膜141をプラズマエッチングする工程(図5B)を実施する。
この実施形態においてもArFフォトレジストおよびF2フォトレジストとしては、脂環族含有アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、シクロオレフィン−無水マレイン酸樹脂を使用することができる。反射防止層としては、有機系高分子材料やアモルファスカーボンを使用することができる。
まず、図示しないゲートバルブを開放して、被処理体Wを処理容器62内に搬入し、静電チャック71上に配置する。次いで、ゲートバルブを閉じ、排気装置95によって処理容器62内を減圧した後、バルブ88を開放し、処理ガス供給源90から処理ガス、例えばHを供給し、処理容器62内の圧力を所定の値とする。処理ガスはHのみであってもよいし、Ar等の希釈ガスを例えばHと同流量程度添加してもよい。処理ガスとしてHの代わりに他のHを有する物質を用いてもよい。
この状態で第1、第2の高周波電源101,102から高周波電力を供給し、処理ガスをプラズマ化させて被処理体Wに作用させる。このとき、高周波電力を供給するタイミングの前後に、直流電源73を静電チャック71内の電極72に印加して、被処理体Wを静電チャック71上に静電吸着させる。
以上のようにして、所定時間プラズマ処理を行って、フォトレジスト層143の耐プラズマ性を向上させるとともに反射防止層142をエッチングするが、この際の処理容器62内の圧力は13.3Pa(100mTorr)以下とすることが好ましい。このように低圧にしてHを含む処理ガスのプラズマをマスク層であるフォトレジスト層143に照射するとその表面が改質されてマスク層の耐プラズマ性が向上する。フォトレジスト層143の耐プラズマ性を向上させることにより、この後、フォトレジスト層143の開口パターン143aを介してエッチング対象層をプラズマエッチングエッチングする際にエッチング対象層のマスク層に対する選択比、すなわち、エッチング対象層のエッチングレート/マスク層のエッチングレートを高くすることができる。また、このエッチング工程でプラズマによってマスク層であるフォトレジスト層143に筋や溝が入ることを防止することができる。さらに、マスク層であるフォトレジスト層143の開口部が拡大するのを抑えることができる。マスク層であるフォトレジスト層143の耐プラズマ性が向上する詳細なメカニズムは必ずしも明確ではないが、フォトレジスト層143の表層にHラジカルが作用してフォトレジスト層内からCH等のガスを引き抜くことで、マスク層内の炭素間同士の化学結合がより強力なものに変化するためと考えられる。なお、処理ガスにはNを有する物質を含まない方が好ましい。処理ガス中にNを有する物質が含まれると、マスク層の側壁表面をCとNを主成分とする保護膜が覆ってしまい、耐プラズマ性を向上させる作用があると考えられているHラジカルが側壁表面から内部に浸透できなくなってしまい、マスク層の側壁表面の耐プラズマ性向上が厚い幅に渡ってできなくなるからである。処理におけるフォトレジスト層143へのダメージをより緩和する観点から、処理圧力は8〜30mTorrであることが好ましい。
また、第1の高周波電源101からサセプタ65にプラズマ形成用の高周波電力を供給していることによってもマスク層であるフォトレジスト層143の耐プラズマ性が向上する。この際の周波数は100MHz以上が好ましい。また、サセプタ65に第2の高周波電源102から上記のものとは別の高周波電力、好ましくは周波数が3MHz以上のものを供給することでプラズマ中の活性種、特にイオンを制御することができる。この別の高周波電力は100W以下であることが好ましい。低圧・低電力(低バイアス)の雰囲気下で処理することでマスク層であるフォトレジスト層143へのダメージを最小限にすることができるからである。また、低圧、低電力(低バイアス)の雰囲気下ではフォトレジスト層143の側壁からも内部までHラジカルが浸透するため、フォトレジスト層143の側壁表面から内部にかけての厚い部分で耐プラズマ性の向上を図ることができる。フォトレジスト層143は有機材料であり炭素を含有するのでこのような表面改質作用が著しいからである。また、フォトレジスト層143を構成するArFフォトレジストやF2フォトレジストについては、耐プラズマ性向上処理の前後でかなり耐プラズマ性が変化するため、微細加工の際にこのような処理を適用すると効果が絶大である。また、このような耐プラズマ性向上処理と同時に、エッチング対象層のエッチングのために必要な反射防止層142をエッチングするので、マスク層であるフォトレジスト層143をほとんどエッチングすることなく反射防止層142をエッチングすることができる。
このとき、上述のようにサセプタ65に100MHz以上の周波数の高周波電力を供給することで処理容器62内のH2が解離し様々な活性種となり、その活性種の中で主にHラジカルがマスク層であるフォトレジスト層143の耐プラズマ性向上に寄与し、主にHラジカルとイオンが反射防止層142のエッチングに寄与する。これらの活性種の寄与バランスが優れているためマスク層であるフォトレジスト層143の耐プラズマ性を向上させながら同時に反射防止層142を有効にエッチングすることができる。さらに、サセプタ65に第2の高周波電源102から3MHz以上の周波数の高周波電源から高周波電力を供給することでこの活性種中のイオンの動きを制御することができる。
次に、上記処理ガスをエッチング対象層であるSiO膜141をエッチングするためのエッチングガス、例えばCとOとArの混合ガスのようなフロロカーボンを含むガスを供給し、第1および第2の高周波電源からサセプタ65に高周波電力を印加して上記処理ガスをプラズマ化し、そのプラズマによりフォトレジスト層143をマスクとしてSiO膜141をエッチングする。
エッチング中に、所定の発光強度を終点検出器(図示せず)によって検出し、これに基いてエッチングを終了する。
なお、本実施形態においても、エッチング対象部は、SiO膜に限るものではなく、TEOS、BPSG、PSG、SOG、熱酸化膜、HTO、FSG、有機系酸化Si膜、CORAL(ノベラス社)等の酸化膜(酸素化合物)や低誘電体有機絶縁膜等のエッチングに適用可能である。また、ArFフォトレジストやF2フォトレジストのような耐プラズマ性の低いフォトレジスト材料に限らず、他の有機フォトレジスト層でもよく、さらには、フォトレジストに限らず他のマスク層であってもよい。プラズマ処理装置の構成も図2のものに限るものではない。
次に、本実施形態に基づく実施例について説明する。
ここでは、まず、チャンバー内圧力を1.07Pa(8.0mTorr)、4.00Pa(30mTorr)、13.3Pa(100mTorr)の3通りとし、処理ガス供給源から処理ガスとしてHを供給した。第1および第2の高周波電源の周波数はそれぞれ100MHz、3.2MHzとし、その電力を2400W、500Wとした。また、第2の高周波電源から電力を供給しない場合(=0W)についても評価した。評価はマスク層の断面状態を顕微鏡(SEM)で観測して行った。
その結果、圧力が1.07Pa(8.0mTorr)、4.00Pa(30mTorr)のときはマスク層への筋入り・溝入りや開口部の拡大はほとんどなかった。圧力が13.3Pa(100mTorr)のときにはマスク層への筋入り・溝入りや開口部の拡大は余りなかった。圧力が高くなると筋入り・溝入りが起きやすくなっていた。
また、第2の高周波電源から供給される電力については、0Wのときが500Wのときに比べてマスク層への筋入り・溝入りや開口部の拡大が少なかった。これらの結果等から考慮すれば、第2の高周波電源から供給される電力は100W以下が好ましい。
さらに、圧力を1.07Pa(8.0mTorr)に固定して、Hの流量を50mL/min(sccm)、100mL/min(sccm)、120mL/min(sccm)、200mL/min(sccm)と変化させたところ、流量が少ないときの方がマスク層への筋入り・溝入りや開口部の拡大が少なかった。
この後のエッチング対象層であるSiO膜をエッチングする工程では、処理容器内にエッチングガスとしてCとOとArの混合ガスを用い、処理容器内の圧力を6.66Pa(50mTorr)とし、サセプタ65に供給する高周波電力は第1の高周波電源からは600W、第2の高周波電源からは1800Wとした。第1の高周波電源からの高周波電力の供給によりエッチングガスはプラズマ化し、エッチング対象層であるSiO膜がエッチングされた。終点検出法等によってエッチングを終了した後、同様にSEM観察を行った結果、エッチング対象層のプラズマエッチング終了後においても、マスク層の大幅減少、マスク層への筋入り・溝入りやマスク層の開口部の拡大は余りなかった。これにより、本発明によるマスク層の耐プラズマ性の向上効果が、エッチング対象層のプラズマエッチング後にも持続されていることが分かった。
(第4の実施形態)
ここでは、上記図1に示すプラズマ処理装置1を用いて、図6Aのような、エッチング対象層であるSiO層151と、これを覆う反射防止層152と、反射防止層152を覆う開口パターン153aが形成されたマスク層であるArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層153を有する被処理体Wに対して、フォトレジスト層153の開口パターンを介して反射防止膜152をエッチングする工程と、SiO層151をエッチングする工程とを実施する。
この実施形態においてもArFフォトレジストおよびF2フォトレジストとしては、脂環族含有アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、シクロオレフィン−無水マレイン酸樹脂を使用することができる。反射防止層としては、有機系高分子材料やアモルファスカーボンを使用することができる。
本実施形態においては、このようなエッチング工程を、フォトレジスト層153の開口パターン153aを通して反射防止膜152をプラズマエッチングする第1エッチング工程と、フォトレジスト層153の開口パターンを通してSiO層151を途中までエッチングする第2エッチング工程と、第2エッチング工程の後にSiO層151をさらにエッチングする第3エッチング工程の3段階で行う。これらのうち第2エッチング工程はSiO層151の初期エッチング工程として行われ、第3エッチング工程はSiO層151の主エッチング工程として行われる。
まず、ゲートバルブ32を開放して、被処理体Wを処理容器2内に搬入し、静電チャック11上に配置する。次いで、ゲートバルブ32を閉じ、排気装置35によって処理容器2内を減圧した後、バルブ28を開放し、エッチングガス供給源30からHを供給し、処理容器2内の圧力を所定の値とする。この状態で第1、第2の高周波電源40、50から高周波電力を供給し、Hをプラズマ化して被処理体Wに作用させフォトレジスト層153の開口パターンを通して反射防止層152をエッチングする(第1のエッチング;図6A)。一方、第1、第2の高周波電源40、50から高周波電力を供給するタイミングの前後に、直流電源13を静電チャック11内の電極12に印加して、被処理体Wを静電チャック11上に静電吸着させる。エッチング中に、所定の発行強度を終点検出器(図示せず)によって検出し、これに基づいて高周波電力の供給を停止し第1エッチング工程を終了する。
次いで、同一処理容器内または別の処理容器内に第1エッチング工程と同様にしてCFとHの混合ガスを供給し、フォトレジスト層153の開口パターンを通してSiO層151を途中までエッチングする(第2エッチング工程;図6B)。所定のエッチング時間、例えば60秒が経過したらこの第2エッチング工程を終了する。その後、同一処理容器内または別の処理容器内に第2エッチング工程と同様にして第2エッチング工程とは異なるガス、例えば直鎖CとOとArの混合ガスを供給し、SiO層151をさらにエッチングする(第3エッチング工程;図6C)。終点検出に基づいてこの第3エッチング工程を終了する。
このように、CFとHのプラズマを用いたSiO層151の第2エッチング工程によって、マスク層であるArFフォトレジスト層153の表面に、特にSiO層151との境界付近により多く保護膜が形成され、その後の第3エッチング工程においてフォトレジスト層153の形状の変形を抑制することができる。また、第1エッチング工程において、反射防止層152をHのプラズマを用いてエッチングすることにより、第3エッチング工程におけるフォトレジスト層153の形状の変形をより有効に抑制することができる。これは、Hのプラズマによりマスク層であるフォトレジスト層153の表面近傍から酸素原子が脱離して構造的により強固な炭素間結合が形成されるためと考えられる。
このようなプラズマによるフォトレジスト層153の形状の変形を抑制する効果は、その材料が特にプラズマによって変形しやすいメタクリル酸樹脂(構造中にメタクリル酸が取り込まれている樹脂をいう)の場合に顕著なものとなるが、アクリル酸樹脂(構造中にアクリル酸が取り込まれている樹脂をいう)等、他の樹脂であっても同様の効果を得ることができる。ただし、フォトレジスト層の材料がアクリル酸樹脂の場合には、微細加工可能なマスク材の中でプラズマに対する変形耐性が比較的大きいので、反射防止層をエッチングする第1エッチングの際に必ずしもHガスを用いる必要はなく、Hよりもエッチングレートが高く、マスク層へのダメージがフロロカーボンの中でも最も少ないCFのプラズマを用いて高速で反射防止層152をエッチングすることができる。
また、第3エッチング工程のエッチングガスとして、直鎖CとOとを含むガスを用いることにより、エッチング対象層であるSiO層151をより異方的に、より速くエッチングすることができる。なお、第3エッチング工程のエッチングガスは、これに限るものではないが、第2エッチング工程で用いられるCFとHの混合ガスとは別のガスであることが好ましい。これは、第2エッチング工程でマスク層の形状の変形を抑制する構造を形成した後、第3エッチング工程のエッチングガスに切り替えることにより、例えば、より異方的エッチングやより高速のエッチング等所望の機能を持たせることができるからである。SiO層151をより異方的に、より速くエッチングする観点からは、エッチングガスとしてフロロカーボンを含むガスを好適に用いることができるが、上述した直鎖CとOとを含むガスが特に好ましい。
以上は、反射防止層152が存在する場合のエッチング工程について説明したが、反射防止層が存在しない場合には、上記第1のエッチング工程を省略して、最初に、CFとHをプラズマ化し、ArFフォトレジスト層の開口パターンを通してエッチング対象層であるSiO層を途中までエッチングする初期エッチング工程を実施し、この初期エッチング工程の後、好ましくはフロロカーボンを含むエッチングガス、より好ましくは上述した直鎖CとOとを含むガスをプラズマ化し、エッチング対象層であるSiO層の残部をエッチングする主エッチング工程を実施すればよい。この場合にもマスク層であるArFフォトレジスト層表面に、特にエッチング対象層であるSiO層との境界付近により多く保護膜が形成され、その後の主エッチング工程におけるArFフォトレジスト層の形状の変形を抑制することができる。
なお、本実施形態においても、エッチング対象部は、SiO膜に限るものではなく、TEOS、BPSG、PSG、SOG、熱酸化膜、HTO、FSG、有機系酸化Si膜、CORAL(ノベラス社)等の酸化膜(酸素化合物)や低誘電体有機絶縁膜等のエッチングに適用可能である。また、ArFフォトレジストやF2フォトレジストのような耐プラズマ性の低いフォトレジスト材料に限らず、他の有機フォトレジスト層でもよく、さらには、フォトレジストに限らず他のマスク層であってもよい。プラズマ処理装置の構成も図1のものに限るものではない。
次に、本実施形態に基づく実施例について説明する。
上記図6Aに示す被処理体の反射防止層152およびエッチング対象層であるSiO層151について、図1に示す装置を用いて表2に示す条件のNo.1〜6のエッチングを行った。なお、いずれのエッチングにおいても、第1の高周波電源の周波数を60MHzとし、第2の高周波電源の周波数を2MHzとした。
具体的には、No.1〜3はフォトレジスト層153としてアクリル酸樹脂のArFフォトレジストを用いたものであり、いずれも第3エッチング工程はCとOとArとを用いており、これらの中でNo.1は第1エッチング工程でCFを用い、第2エッチング工程を行わなかったもの、No.2は第1エッチング工程でCFを用い、第2エッチング工程でCFとHとを用いたもの、No.3は第1エッチング工程でHを用い、第2エッチング工程でCFとHとを用いたものである。また、No.4〜6はフォトレジスト層153としてメタクリル酸樹脂のArFフォトレジストを用いたものであり、いずれも第3エッチング工程は直鎖CとOとArとを用いており、これらの中でNo.4は第1エッチング工程でCFを用い、第2エッチング工程を行わなかったもの、No.5は第1エッチング工程でCFを用い、第2エッチング工程でCFとHとを用いたもの、No.6は第1エッチング工程でHを用い、第2エッチング工程でCFとHとを用いたものである。
全工程終了後、各条件のサンプルについてフォトレジスト層153の形状の変形を調査した。その結果、フォトレジスト層153としてアクリル酸樹脂を用いたNo.1〜3のうち、第2エッチング工程を行わなかったNo.1はフォトレジスト層の変形の指標である縦筋が存在していたが、第2エッチング工程を行ったNo.2、3では、第1エッチング工程で使用したガスにかかわらず、縦筋が存在していなかった。一方、ArFフォトレジスト層153としてアクリル酸樹脂より耐プラズマ性が低いメタクリル酸樹脂を用いたNo.4〜6のうち、第2エッチング工程を行わなかったNo.4は縦筋が存在していた。また、第1エッチング工程でCFを用い第2エッチング工程を行ったNo.5は縦筋が少なくなり、これにより第2エッチング工程により縦筋が抑制されることが確認された。第2エッチング工程を行い、かつ第1エッチング工程のガスをHにしたNo.6では縦筋が存在していなかった。つまり、フォトレジスト層153がプラズマに対する耐性の低い材料で構成されている場合、第2エッチング工程に加えて、第1エッチング工程でHにより反射防止層152をエッチングすることによりフォトレジスト層の変形の指標である縦筋が発生しなくなることが確認された。
Figure 2004003988
(第5の実施形態)
ここでは、図1に示すプラズマ処理装置1を用いて、図7Aに示すような、Si等の下地層160上に形成されたSiO層等のエッチング対象層161(厚さ例:1500nm)と、このエッチング対象層161を覆う有機反射防止層162(厚さ例:60nm)と、この有機反射防止層162を覆う開口パターン163a(直径例:0.18μm)が形成されたArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層163とを有する被処理体Wに対して、フォトレジスト層163の開口パターン163aを通して、有機反射防止層162をプラズマエッチングする工程と、次いでエッチング対象層161をプラズマエッチングして開口パターン161aを形成する工程を実施する。
以下、図7A〜7Cおよび図8のフローチャートを参照して説明する。
フォトレジスト層163を構成するArFフォトレジストおよびF2フォトレジストとしては、脂環族含有アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、シクロオレフィン−無水マレイン酸樹脂、メタクリル酸樹脂等を使用することができる。
有機反射防止層162としては、有機系高分子材料を適用することができる。
また、本実施形態では、プラズマ処理装置1の上部電極板24は、少なくとも表面が単結晶Si、SiC等のSiを含む材料で構成されている。
まず、ゲートバルブ32を開放して、被処理体Wを処理容器2内に搬入し(STEP1)、静電チャック11上に配置する。次いで、ゲートバルブ32を閉じ、排気装置35によって処理容器2内を減圧した後、バルブ28を開放し、処理ガス供給源30からHガスを供給し(STEP2)、処理容器2内の圧力を所定の値とする。
この状態で第1の高周波電源40、第2の高周波電源50から高周波電力を供給してHガスをプラズマ化し、フォトレジスト層163の開口パターンを通して有機反射防止層162をエッチングする(STEP3)(図7A)。一方、第1の高周波電源40、第2の高周波電源50から高周波電力を供給するタイミングの前後に、静電チャック11内の電極12に直流電圧を印加して、被処理体Wを静電チャック11上に静電吸着させる。所定の時間だけエッチングしたら高周波電力やエッチングガスの供給を停止して有機反射防止層162のエッチングを終了する(図7B)。プラズマ中の特定の物質の発光強度を終点検出器(図示せず)によって検出し、これに基づいてエッチング工程を終了してもよい。
本実施形態の場合、Hのプラズマによる有機反射防止層162のエッチング過程において、少なくとも表面がSiからなる上部電極板24から供給されるSiとHプラズマがフォトレジスト層163の表面に作用することにより、フォトレジスト層163の表面には、Si−OやSi−C等を含む薄い保護層163bが形成される。
すなわち、Hのプラズマによる有機反射防止層162のエッチングの過程で、フォトレジスト層163の表面のCまたはHとの反応が起こり、その結果として、反応性の高いCやOがフォトレジスト層163の表面に多数存在する状態となり、これらの高反応性のCやOが上部電極板24から供給されたSiと反応し、Si−CあるいはSi−O等の物質を含む薄い保護層163bを形成すると考えられる。
このように、フォトレジスト層163の開口パターン163aを通して有機反射防止層162をプラズマエッチングする際に、フォトレジスト層163の表面に薄い保護層163bが形成され、別の余分な工程を必要とすることなく、フォトレジスト層163の耐プラズマ性を向上させることができる。したがって、有機反射防止層162をエッチングする際に表面荒れやストライエーションが入ることなく、フォトレジスト層163の耐プラズマ性を高く維持することができる。
次いで、同一処理容器内または別の処理容器内で、エッチングガスとして例えばCとOとArを供給し(STEP4)、有機反射防止層162のエッチングと同様な手順でフォトレジスト層163の開口パターン163aを通してエッチング対象層161をプラズマエッチングする(STEP5)。これにより、エッチング対象層161に、たとえば高アスペクト比の開口パターン161aを形成する(図7C)。そして、エッチング対象層161のエッチング完了後、被処理体Wを、ゲートバルブ32を通じて処理容器2の外部に取り出す(STEP6)。
このエッチング対象層161のエッチングに際して、本実施形態の場合には、フォトレジスト層163の表面には保護層163bが形成されていることによって高い耐プラズマ性の状態にあるので、エッチング対象層161のプラズマエッチングにおいてもフォトレジスト層163の耐プラズマ性や、エッチング対象層161のフォトレジスト層163に対する選択比が高く維持される。このため、フォトレジスト層163の表面荒れや縦筋入りを生じさせず、エッチング対象層161を高いエッチングレートの条件にてプラズマエッチングすることができる。この結果、別の余分な工程を必要としないことと相まって、プラズマエッチング工程でのスループットが向上する。また、フォトレジスト層163の開口パターン163aにおける縦筋入りが発生しないので、フォトレジスト層163をマスクとしてエッチング対象層161に形成される開口パターン161aの精度も向上する。
上記STEP2において、フォトレジスト層163の耐プラズマ性の向上の観点からは、Hの代わりにHe、Nを用いることができる。ただし、He、Nを用いる場合、有機反射防止層162はほとんどエッチングされない。なお、有機反射防止層162はなくてもよく、このときは、H、He、Nの少なくとも1種のプラズマ処理によって、専らフォトレジスト層163の耐プラズマ性の向上処理を行うことができる。
次に、図9A〜9Cおよび図10のフローチャートを参照して、本実施形態の変形例について説明する。
この変形例では、有機反射防止層162をCFガスのプラズマでエッチングした後、エッチング対象層161のエッチングに先立って、Hガスによるプラズマ処理にてフォトレジスト層163の表面に保護層163bを形成する例を示す。
すなわち、まず、ゲートバルブ32を開放して、被処理体Wを処理容器2内に搬入し(STEP11)、静電チャック11上に配置する。次いで、ゲートバルブ32を閉じ、排気装置35によって処理容器2内を減圧した後、バルブ28を開放し、処理ガス供給源30からCFガスを供給し(STEP12)、処理容器2内の圧力を所定の値とする。
この状態で第1の高周波電源40、第2の高周波電源50から高周波電力を供給してCFガスをプラズマ化し、フォトレジスト層163の開口パターンを通して有機反射防止層162をエッチングする(STEP13)(図9A)。
一方、第1の高周波電源40、第2の高周波電源50から高周波電力を供給するタイミングの前後に、静電チャック11内の電極12に直流電圧を印加して、被処理体Wを静電チャック11上に静電吸着させる。所定の時間だけエッチングしたら高周波電力やエッチングガスの供給を停止して有機反射防止層162のエッチングを終了する。プラズマ中の特定の物質の発光強度を終点検出器(図示せず)によって検出し、これに基づいてエッチング工程を終了してもよい。
次に、処理容器2に供給するガスをHガスに切り換えて(STEP14)、当該Hガスをプラズマ化し、Hプラズマと上部電極板24から供給されるSiとをフォトレジスト層163の表面に所定時間だけ作用させて、フォトレジスト層163の表面に、Si−OやSi−C等を含む薄い保護層163bを形成する(STEP15)(図9B)。
すなわち、この変形例の場合、フォトレジスト層163のプラズマ処理の過程で、フォトレジスト層163の表面のCまたはHと反応が起こり、その結果として、反応性が高いCやOがフォトレジスト層163の表面に多数存在する状態となり、高反応性のCやOが上部電極板24から供給されるSiと反応し、Si−OやSi−Cとなって薄い保護層163bが形成されると考えられる。このSi−OやSi−C等を含む薄い保護層163bにより、フォトレジスト層163の耐プラズマ性が向上する。
次いで、同一処理容器内または別の処理容器内で、エッチングガスとして例えばCとArとOを使用して(STEP16)、有機反射防止層162のエッチングと同様な手順でフォトレジスト層163の開口パターン163aを通してエッチング対象層161をプラズマエッチングする(ステップ17)。これにより、たとえば高アスペクト比の開口パターン161aを形成する(図9C)。そして、エッチング対象層161のエッチング完了後、被処理体Wを、ゲートバルブ32を通じて処理容器2の外部に取り出す(STEP18)。
このエッチング対象層161の開口パターン161aのエッチングに際して、本変形例の場合には、上述のように、フォトレジスト層163の表面は保護層163bが形成されることによって高い耐プラズマ性を持った状態にあるので、フォトレジスト層163の耐プラズマ性やエッチングの対マスク選択比が高く維持される。しかもフォトレジスト層163に表面荒れや縦筋入りを生じることなく、高いエッチングレートの条件にてプラズマエッチングによる開口パターン161aの形成を行うことができる。この結果、別に余分な工程を必要としないことと相まって、プラズマエッチング工程でのスループットが向上する。
上述のSTEP15における保護層163bの形成処理では、Hの代わりに、またはHとともに、N、Heを用いてもよい。
なお、本実施形態において、エッチング対象層161は、例示したSiOに代表されるSi酸化物に限るものではなく、Si窒化物、Si炭化物等の他のSi化合物、単結晶Si、多結晶Si、有機材料、有機−無機ハイブリッド材料、金属、金属化合物等が適用可能である。また、本実施形態では、例示したArFフォトレジストやF2フォトレジストのような耐プラズマ性の低いフォトレジスト材料において特に有効であるが、これに限らず、電子線でリソグラフィーを行うEBレジスト、真空紫外線でリソグラフィーを行うEUVレジスト、KrFレジスト等の他の有機フォトレジスト層でも同様の効果を得ることができ、さらには、フォトレジスト層に限らず他のマスク層であってもよい。さらに、プラズマ処理装置の構成も図1のものに限るものではない。
さらにまた、保護層を形成する際のSi源として上部電極板を用いたが、これに限らず、処理容器内の構成部材、例えばフォーカスリング、シールドリング、インナーチャンバーを少なくともその表面がSiを含むようにすることにより同様のSi源として用いることができる。ただし、上部電極板は、被処理体と対向して設けられているため、耐プラズマ性の向上処理が被処理体の面内で均一に行うことができるという利点があり、好ましい。
次に、本実施形態に基づく実施例について説明する。
以下の各実施例および比較例での第1の高周波電源40、第2の高周波電源50の周波数はそれぞれ60MHz、13.56MHzとした。
(1)[フォトレジスト層のプラズマ処理]
ここでは、エッチング対象層を覆う開口パターンが形成されたフォトレジスト層に対して、H、N、Heの各々をプラズマ化してプラズマ処理する実施例1〜3と、Arをプラズマ化してプラズマ処理する比較例1を行った。プラズマ処理は1分間行った。フォトレジスト層としてはArFフォトレジストを用いた。
実施例5−1
処理容器内圧力:2.01Pa(15mTorr)
第1の高周波電源からの高周波電力:2200W
第2の高周波電源からの高周波電力:100W
処理ガスおよびその流量:Hを0.1L/min(100sccm)
実施例5−2
処理容器内圧力:2.01Pa(15mTorr)
第1の高周波電源からの高周波電力:2200W
第2の高周波電源からの高周波電力:100W
処理ガスおよびその流量:Nを0.1L/min(100sccm)
実施例5−3
処理容器内圧力:2.01Pa(15mTorr)
第1の高周波電源からの高周波電力:2200W
第2の高周波電源からの高周波電力:100W
処理ガスおよびその流量:Heを0.1L/min(100sccm)
(比較例5−1)
処理容器内圧力:2.01Pa(15mTorr)
第1の高周波電源からの高周波電力:2200W
第2の高周波電源からの高周波電力:100W
処理ガスおよびその流量:Arを0.1L/min(100sccm)
図11Aおよび図11Bは、それぞれアクリル系およびメタクリル系のArFフォトレジストを用いたフォトレジスト層における、プラズマ処理直後の表面分析結果(H、N、He、Arでそれぞれ示される線図)を示す図である。これらに示されるように、実施例5−1〜5−3では、アクリル系およびメタクリル系のいずれのArFフォトレジストにおいても、H、N、Heの各々のプラズマによるプラズマ処理によって、フォトレジスト層の表面にSi−OやSi−C等に相当する結合エネルギーを持つ物質を含む保護層が存在することが観測された。
これに対して、比較例5−1のArによるプラズマ処理の場合には、アクリル系およびメタクリル系のいずれのArFフォトレジストにおいても、上部電極板から供給されるSiの付着が観測されるのみであった。
フォトレジスト層の表面にSiが付着することによっても耐プラズマ性は向上するが、この場合にはアッシング後にエッチング対象層のホール付近にSiが付着する不都合が生じることがある。この点から、プラズマ処理には、H、N、Heを使用するのがよいことが確認された。
(2)[有機反射防止層のエッチング後のフォトレジスト層のプラズマ処理]
エッチング対象層と、エッチング対象層を覆う有機反射防止層と、有機反射防止層を覆う開口パターンが形成されたフォトレジスト層とを有する被処理体Wについて、以下の条件で有機反射防止層をエッチングし、その後、実施例5−1〜5−3、比較例5−1と同じ条件でフォトレジスト層163をプラズマ処理した(図9A,9B、図10のSTEP11〜15)。
処理容器内圧力:6.7Pa(50mTorr)
第1の高周波電源からの高周波電力:1000W
第2の高周波電源からの高周波電力:100W
エッチングガスおよびその流量:CFを0.1L/min(100sccm)
次いで、エッチング対象層161を以下の条件でエッチングした(図9C、図5のSTEP16〜18)。
処理容器内圧力:2.01Pa(15mTorr)
第1の高周波電源からの高周波電力:2170W
第2の高周波電源からの高周波電力:1550W
エッチングガスおよびその流量:
c−C:0.015L/min(15sccm)
Ar:0.380L/min(380sccm)
:0.019L/min(19sccm)
以上のようにエッチング対象層のエッチングを行った後、電子顕微鏡写真で各被処理体のエッチング箇所の断面形状を観察した。その結果、ArFフォトレジストからなるフォトレジスト層をH、N、He、Arでプラズマ処理した被処理体ではいずれもフォトレジスト層の表面荒れや縦筋入りはほとんど見られなかった。これに対して上記工程中においてフォトレジスト層のプラズマ処理を行わなかった被処理体ではフォトレジストの表面荒れや縦筋入りが見られた。
また、有機反射防止層のエッチング後でエッチング対象層のエッチング前にフォトレジスト層のプラズマ処理を行う場合は、有機反射防止層とエッチング対象層のエッチング前にフォトレジスト層163のプラズマ処理を行う場合に比べて、エッチング対象層のエッチング後のArFフォトレジスト層の表面荒れや縦筋入りは少なかった。したがって、有機反射防止層のエッチングでエッチング速度が大きくしかもArFフォトレジストへのダメージが比較的少ないCFプラズマを使用し、その後、ArFフォトレジスト層のプラズマ処理を行い、次いで、エッチング対象層のエッチングを行うようにすれば、スループット及びエッチング精度の向上が可能となる。
(第6の実施形態)
ここでは、図1のプラズマ処理装置1を用いて、図12のような、例えばSiOからなる下地層171と、これを覆う反射防止層172と、反射防止層172を覆う開口パターンが形成されたArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層173を有する被処理体Wに対して、フォトレジストマスク層173の開口パターン173aを介して反射防止層172をプラズマエッチングする工程を実施する。この実施形態においても、ArFフォトレジストおよびF2フォトレジストとしては、脂環族含有アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、シクロオレフィン−無水マレイン酸樹脂等を使用することができる。また、反射防止層62としては、無機系のものでも、有機系のものでも使用可能であり、例えば炭素含有材料であるアモルファスカーボンや、有機高分子材料を使用することができる。
エッチングに際しては、まず、ゲートバルブ32を開放して、被処理体Wを処理容器2内に搬入し、静電チャック11上に載置する。次いで、ゲートバルブ32を閉じ、排気装置35によって処理容器2内を減圧した後、バルブ28を開放し、処理ガス供給源30から上記処理ガス、例えばCとOとを供給し、処理容器2内の圧力を所定の値とする。
この状態で、上部電極21と下部電極であるサセプタ5に高周波電源を印加し、処理ガスをプラズマ化して被処理体W中の反射防止層172をフォトレジストマスク層173の開口パターン173aを介してエッチングする。一方、上下電極に高周波電力を印加するタイミングの前後に、直流電圧を静電チャック11内の電極12に印加して、被処理体Wを静電チャック11上に静電吸着する。
エッチング中に、所定の発光強度を終点検出器(図示せず)によって検出し、これに基いてエッチングを終了する。
本実施形態では、このようにCを含む処理ガス、例えばCとOとを含む処理ガスを用いて、フォトレジスト層173を介して反射防止層172をエッチングすることにより、フォトレジスト層173の表面荒れを抑え、反射防止層のフォトレジスト層に対する選択比を高く維持するとともに、反射防止層172のエッチングレートを大きくすることができる。
なお、本実施形態では、本発明は上記実施の形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、エッチング対象層として反射防止層の場合を示したが、これに限らず他の層をエッチングする場合であってもよい。また、Cを含有する処理ガスとしては、CとOとを含むものに限らない。さらに、CとOとを含む処理ガスを用いた場合には、マスク層としては、ArFフォトレジストやF2フォトレジストに限らず、他のフォトレジストを用いることもでき、さらには、非レジストマスク層を用いることもできる。また、エッチング装置の構成も図1のものに限るものではない。
以下、本実施形態に基づく実施例について説明する。
まず、実施例の条件は次の通りとした。すなわち、処理容器内圧力を1.33Pa(10mTorr)と6.66Pa(50mTorr)にし、処理ガスのCとOの流量比をC:O=5:2、3:2、5:4、1:1、3:4にし、上部電極には周波数60MHzの高周波電力を600、1000、1400Wで、下部電極には周波数2MHzの高周波電力を100Wで印加した。
一方、比較例の条件は次の通りとした。すなわち、処理容器内圧力を6.66Pa(50mTorr)にし、処理ガスをCFとし、上部電極には周波数60MHzの高周波電力を1000Wで、下部電極には周波数2MHzの高周波電力を100Wで印加した。
このような条件でエッチングを行ったところ、反射防止層のArFフォトレジストマスク層に対する選択比(反射防止層のエッチングレート/ArFフォトレジストマスク層のエッチングレート)は、実施例と比較例であまり変わらなかったが、反射防止層のエッチングレートは、実施例では比較例の1.2〜3.6倍となった。また、比較例のみならず実施例においても、ArFフォトレジストマスク層の表面荒れは発生しなかった。このことから、実施例によりArFフォトレジストマスク層の表面荒れを生じさせずに、高エッチングレートで反射防止膜をエッチングできることが確認された。
(第7の実施形態)
ここでは、上記図1に示すプラズマ処理装置1を用いて、図13Aのようなエッチング対象であるSiO層181とこれを覆う反射防止層182とさらにこれを覆うArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層183とを有する被処理体Wにおいて、フォトレジスト層183の開口パターン183aを通して反射防止層182をエッチングする工程と、この工程の後のSiO層181をエッチングする工程について説明する。この実施形態においても、ArFフォトレジストおよびF2フォトレジストとしては、脂環族含有アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、シクロオレフィン−無水マレイン酸樹脂を使用することができる。反射防止層としては、有機高分子材料やアモルファスカーボンを使用することができる。
まず、ゲートバルブ32を開放して、被処理体Wを処理容器2内に搬入し、静電チャック11上に配置する。次いで、ゲートバルブ32を閉じ、排気装置35によって処理容器2内を減圧した後、バルブ28を開放し、処理ガス供給源30からCとFとを有する物質とHを含有する物質とを含むエッチングガスを供給し、処理容器2内の圧力を所定の値、例えば6.66Pa(50mTorr)とする。この状態で、上部電極21と下部電極であるサセプタ5に高周波電源を印加し、エッチングガスをプラズマ化して被処理体W中の反射防止層182をエッチングする(図13A)。これにより、反射防止層182のエッチング終了後のフォトレジスト層183の残膜量を多くすることができ、その次のエッチング対象部のエッチング工程で所望の開口形状を有する孔や溝を形成することができる。
このエッチングの際に用いられるCとFとを含有する物質としては、ArFフォトレジスト層に与えるダメージが少ないCFが例示される。また、Hを有する物質としては、ハイドロカーボン、H、ハイドロフルオロカーボンを用いることができる。ハイドロカーボンとしてはCH等が例示される。ハイドロフルオロカーボンとしては、Fの原子数に対するHの原子数の比が3以上の物質が好適であり、そのような物質としてCHFが例示される。CHFを用いる場合には、エッチングガス中のCとFとを有する物質の流量に対するCHFの流量の比を0.04〜0.07とすることにより、CHFを全く入れないときに比べて反射防止層のエッチング終了後のArFフォトレジスト層の残膜量をかなり増加させることができる。
一方、上下電極に高周波電源を印加するタイミングの前後に、直流電源13を静電チャック11内の電極12に印加して、被処理体Wを静電チャック11上に静電吸着する。このようにして反射防止層182のエッチングが終了したらエッチングガスおよび高周波電力の供給を停止する。
次いで、処理容器2内に別のエッチングガス、例えばCとOとArの混合ガスを供給し、処理容器2内の圧力を所定の値、例えば2.00Pa(15mTorr)に調整する。上部電極21と下部電極であるサセプタ5に高周波電源を印加し、このエッチングガスをプラズマ化して被処理体W中のSiO層181をエッチングする(図13B)。エッチング中に、所定の発光強度を終点検出器(図示せず)によって検出し、これに基いてエッチングを終了する。
なお、エッチング対象部は、上記のようなSiO層に限るものではなく、TEOS、BPSG、PSG、SOG、熱酸化膜、HTO、FSG、有機系酸化Si膜、CORAL(ノベラス社)等の酸化膜(酸素化合物)や低誘電体有機絶縁膜等のエッチングに適用可能である。また、適用されるプラズマエッチング装置の構成も図1のものに限るものではない。
次に、本実施形態に基づく実施例について説明する。
被処理体は図13AのようなSiO層(膜厚は2μm)とこれを覆う反射防止層(膜厚は60nm)とさらにこれを覆うArFフォトレジスト層(膜厚は360nm)を有するものを用いた。
実施例の反射防止層のエッチング条件は以下のとおりとした。すなわち、処理容器2内の圧力を6.66Pa(50mTorr)とし、エッチングガスをCF(流量は100mL/min(sccm))とCHF(流量は4または7mL/min(sccm))の混合ガスとし、上部電極には60MHzの周波数の高周波電源から1000Wの高周波電力を印加し、下部電極には2MHzの周波数の高周波電源から100Wの高周波電力を印加した。また、CHFに代えて、それぞれH(流量は5、10または15mL/min(sccm))、CH(流量は5または10mL/min(sccm))およびCHF(流量は10、30、50または70mL/min(sccm))を用いたエッチングガスでも同様にエッチングを行った。
比較例ではエッチングガスをCFのみ(流量は100mL/min(sccm))とし、その他のエッチング条件は実施例と同じとした。
以上の実施例および比較例の条件で反射防止膜182のエッチングを行い、一定のエッチング時間経過後のArFフォトレジスト層の残膜の厚さを測定したところ以下の結果が得られた。
実施例において、CHFを用いた場合には、その流量が4mL/minでは375nm、7mL/minでは405nmであった。Hを用いた場合には、その流量が5mL/minでは345nm、10mL/minと15mL/minでは360nmであった。CHを用いた場合は、その流量が5mL/minでは345nm、10mL/minでは400nmであった。CHFを用いた場合は、その流量が10mL/minでは350nm、30mL/minでは360nm、50mL/minでは360nm、70mL/minでは390nmであった。これに対して、比較例では330nmであった。
以上より、いずれの実施例においても比較例より残膜の厚さは増加していることが確認された。これはArFフォトレジスト層をエッチングするF活性種がHを有するガスから生成したH活性種と適度に反応してHF等のガスになり処理容器外へ排出されたためと考えられる。
また、これらの実施例の中でも特にCHFが優れていた。CHFの流量が少量であるにもかかわらず残膜量が多かったのは、分子中のH原子の数がF原子の数に比べて多かったためと考えられる。ただし、Hのような化学的に安定している物質では、H活性種が生成してもF活性種と反応するよりも別のH活性種と反応して再結合する方が優勢であると推測され、残膜量は他の物質のときと比べて多くはなかった。
したがって、物質自体がある程度不安定であってこの物質中にH原子が多く存在するもの、例えばハイドロカーボン(CH、C等)やハイドロフルオロカーボン(特に、Fの原子数に対するHの原子数の比が3以上のもの、例えばCHF)等をエッチングガスに入れるとよいことが確認された。また、CHFを使用する場合には、CとFとを有する物質であるCFの流量に対するCHFの流量の比が0.04〜0.07という少量であっても残膜量を多くすることができることも確認された。
(第8の実施形態)
ここでは、上記図1に示すプラズマ処理装置1を用いて、図14Aのような、エッチング対象層であるSiO層191とこれを覆う反射防止層192とさらにこれを覆うArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層193とを有する被処理体Wに対して、フォトレジスト層193の開口パターン193aを通して反射防止層192をエッチングする工程と、この工程の後のSiO層191をエッチングする工程とを実施する。この実施形態においてもArFフォトレジストおよびF2フォトレジストとしては、脂環族含有アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、シクロオレフィン−無水マレイン酸樹脂を使用することができる。反射防止層としては、有機高分子材料やアモルファスカーボンを使用することができる。
まず、ゲートバルブ32を開放して、被処理体Wを処理容器2内に搬入し、静電チャック11上に配置する。次いで、ゲートバルブ32を閉じ、排気装置35によって処理容器2内を減圧した後、バルブ28を開放し、処理ガス供給源30からCとFとを有する物質とCOとを含む第1エッチングガス、例えばCFとCOの混合ガスを供給し、処理容器2内の圧力を所定の値、例えば13.3Pa(100mTorr)とする。この状態で、上部電極21と下部電極であるサセプタ5に高周波電源を印加し、第1エッチングガスをプラズマ化して被処理体W中の反射防止層192をエッチングする(図14A)。一方、上下電極に高周波電源を印加するタイミングの前後に、直流電源13を静電チャック11内の電極12に印加して、被処理体Wを静電チャック11上に静電吸着する。反射防止層192のエッチングが終了したら第1エッチングガスおよび高周波電力の供給を停止する。
次いで、処理容器2内に第2エッチングガス、例えばC、Cのようなフルオロカーボンを含むガス、具体的にはCまたはCとOとArの混合ガスを供給し、処理容器2内の圧力を第2エッチングの所定の値、例えば2.00Pa(15mTorr)に調整する。上部電極21と下部電極であるサセプタ5に高周波電源を印加し、第2エッチングガスをプラズマ化して被処理体W中のSiO層191をエッチングする(図14B)。エッチング中に、所定の発光強度を終点検出器(図示せず)によって検出し、これに基づいてエッチングを終了する。
なお、エッチング対象部は、上記のようなSiO層に限るものではなく、TEOS、BPSG、PSG、SOG、熱酸化膜、HTO、FSG、有機系酸化Si膜、CORAL(ノベラス社)等の酸化膜(酸素化合物)や低誘電体有機絶縁膜等のエッチングに適用可能である。また、適用されるプラズマエッチング装置の構成も図1のものに限るものではない。
次に、本実施形態に基づく実施例について説明する。
被処理体として図14Aのものを用いた。実施例の第1エッチング条件は以下のとおりとした。すなわち、処理容器2内の圧力を6.66Pa(50mTorr)または13.3Pa(100mTorr)とし、第1エッチングガスの流量をCF:75、100または200mL/min(sccm)、CO:25、100または200mL/min(sccm)とし、上部電極には60MHzの周波数の高周波電源から1000、1500または2000Wの高周波電力を印加し、下部電極には2MHzの周波数の高周波電源から100Wの高周波電力を印加した。
比較例の第1エッチング条件は以下のとおりとした。すなわち、容器内圧力を6.66Pa(50mTorr)とし、第1エッチングガスとしてCFのみを100mL/min(sccm)の流量で添加し(COは添加せず)、高周波電源の周波数、印加電力は実施例と同じとした。
実施例および比較例の第2エッチング条件は以下のとおりとした。すなわち、処理容器内圧力を2.00Pa(15mTorr)とし、第2エッチングガスのC、O、Arの流量をそれぞれ15、19、380mL/min(sccm)とし、上部電極には60MHzの周波数の高周波電源から2170Wの高周波電力を印加し、下部電極には2MHzの周波数の高周波電源から1550Wの高周波電力を印加した。
以上のような条件で第1エッチングおよび第2エッチングを行った結果、第2エッチング工程でのSiO層のArFフォトレジスト層に対する選択比(SiO層のエッチングレート/ArFフォトレジスト層のエッチングレート)は、実施例が比較例を大きく上回った。例えば、実施例の第1エッチング条件が、圧力:13.3Pa(100mTorr)、CF流量:75mL/min(sccm)、CO流量:25mL/min(sccm)、上部電極印加電力:1000Wのときの上記選択比は9.7であり、比較例の上記選択比は6.3であった。
また、第2エッチング工程のCに代えてCを使用したときにも、上記選択比は実施例(第1エッチングガスがCFとCO)が比較例(第1エッチングガスがCFのみ)を上回った。
なお、CとFとを有する物質とCOとを含むガスのプラズマによって炭素間結合を有する保護膜がArFフォトレジスト層表面に形成されると考えられるため、単にArFフォトレジスト層表面にCとFとを有する物質とCOとを含むガスのプラズマを照射するだけでArFフォトレジスト層の耐プラズマ性を向上させることができる。
また、本発明は、ArFフォトレジスト層の場合ほど耐プラズマ性の向上効果はないものの、ArFフォトレジスト層以外のマスク層にも適用することができる。
さらに、第2エッチングガスとしてはCやCを含むガスに限らず、フロロカーボン、ハイドロフロロカーボン等の他のフッ素含有化合物を含むガスも使用することができる。
(第9の実施形態)
ここでは、上記図1に示すプラズマ処理装置1を用いて、図15のような、エッチング対象であるSiO層201と、これを覆う有機反射防止層202と、この有機反射防止層202を覆う開口パターン203aが形成されたArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層203とを有する被処理体Wに対して、フォトレジスト層203の開口パターンを通して、有機反射防止層202をプラズマエッチングする工程と、次いでSiO層201をプラズマエッチングする工程とを実施する。この実施形態においてもArFフォトレジストおよびF2フォトレジストとしては、脂環族含有アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、シクロオレフィン−無水マレイン酸樹脂を使用することができる。有機反射防止層202は、例えば有機系高分子材料で形成されている。
まず、ゲートバルブ32を開放して、被処理体Wを処理容器2内に搬入し、静電チャック11上に配置する。次いで、ゲートバルブ32を閉じ、排気装置35によって処理容器2内を減圧した後、バルブ28を開放し、エッチングガス供給源30から、Si含有物質であるSiFを含むエッチングガスを供給し処理容器2内の圧力を所定の値とする。SiFの代わりに他のSiを含む物質を用いてもよいが、有機反射防止層202のエッチング速度を大きくする観点からSiFが好ましい。エッチングガスにはSi含有物質の他にCHF、HBr、HeまたはHを含んでもよく、例えばSiFとHを用いる。
この状態で第1、第2の高周波電源40、50から高周波電力を供給してエッチングガスをプラズマ化し、フォトレジスト層203の開口パターン203aを通して有機反射防止層202をエッチングする。一方、第1、第2の高周波電源40、50から高周波電力を供給するタイミングの前後に、静電チャック11内の電極12に直流電圧を印加して、被処理体Wを静電チャック11上に静電吸着させる。所定の時間だけエッチングしたら高周波電力やエッチングガスの供給を停止して有機反射防止層202のエッチングを終了する。所定の発行強度を終点検出器(図示せず)によって検出し、これに基づいてエッチング工程を終了してもよい。
次いで、同一処理容器内または別の処理容器内で、有機反射防止層202のエッチングと同様な手順でフォトレジスト層の開口パターン203aを通してSiO層201をプラズマエッチングする。このときのエッチングガスとしては、例えばCとOとArを使用することができるがこれに限定されるものではない。
このように、フォトレジスト層203の開口パターンを通して有機反射防止膜202をプラズマエッチングする際に、Siを含むガスであるSiFガスを用いるので、エッチング中にフォトレジスト層203の表面にSiを含む薄い硬化層が形成され、フォトレジスト層203の耐プラズマ性を向上させることができる。したがって、有機反射防止層202をエッチングする際に表面荒れや縦筋入りが入ることなく、耐プラズマ性の低いArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層203の耐プラズマ性を高く維持することができる。この場合に、有機反射防止層202のエッチングガスがHを含有する場合には、フォトレジスト層203の表面のC=O結合が化学的により強固なC−C結合またはC=C結合に変換するため、上述のフォトレジスト層203表面へのSiを含む薄い硬化層の形成と相まって、耐プラズマ性をより向上させることができる。
また、このようにして有機反射防止層202をエッチングした後に、フォトレジスト層203の開口パターン203aを通してエッチング対象層であるSiO層201のエッチングを実施するので、有機反射防止層202をエッチングした際に耐プラズマ性が向上したフォトレジスト層203は、エッチング対象であるSiO層201のプラズマエッチングにおいてもプラズマ耐性が高く維持され、フォトレジスト層の表面荒れや縦筋入りを生じさせずプラズマエッチングすることができる。
なお、エッチング対象層は、上記SiOに代表されるSi酸化物に限るものではなく、Si窒化物、Si炭化物等の他のSi化合物、単結晶Si、多結晶Si、有機材料、有機−無機ハイブリッド材料、金属、金属化合物等が適用可能である。また、プラズマ処理装置の構成も図1のものに限るものではない。
次に、本実施形態に基づく実施例について説明する。
ここでは、図15の構造の被処理体を用いて、Siを含む物質を有する様々なエッチングガスを用いた有機反射防止層のエッチング(実施例9−1〜9−7)と、Siを含む物質を有しないエッチングガスを用いた有機反射防止層のエッチング(比較例9−1,9−2)を行った。
各実施例および比較例での第1の高周波電源、第2の高周波電源の周波数はそれぞれ60MHz、13.56MHzとした。また、以下の条件での各実施例および比較例での有機反射防止層のエッチングの後に、後述するエッチング条件の下でSiO層のプラズマエッチングを行った。
有機反射防止層のエッチング
実施例9−1
処理容器内圧力:0.67Pa(5mTorr)
第1の高周波電源からの高周波電力:300W
第2の高周波電源からの高周波電力:60W
エッチングガスおよびその流量:
SiFを0.08L/min(80sccm)
実施例9−2
処理容器内圧力:6.7Pa(50mTorr)
第1の高周波電源からの高周波電力:700W
第2の高周波電源からの高周波電力:100W
エッチングガスおよびその流量:
SiFを0.1L/min(100sccm)
実施例9−3
処理容器内圧力:0.67Pa(5mTorr)
第1の高周波電源からの高周波電力:300W
第2の高周波電源からの高周波電力:60W
エッチングガスおよびその流量:
SiFを0.04L/min(40sccm)
CHFを0.04L/min(40sccm)
実施例9−4
処理容器内圧力:0.67Pa(5mTorr)
第1の高周波電源からの高周波電力:300W
第2の高周波電源からの高周波電力:60W
エッチングガスおよびその流量:
SiFを0.04L/min(40sccm)
HBrを0.04L/min(40sccm)
実施例9−5
処理容器内圧力:0.67Pa(5mTorr)
第1の高周波電源からの高周波電力:300W
第2の高周波電源からの高周波電力:60W
エッチングガスおよびその流量:
SiFを0.04L/min(40sccm)
Heを0.04L/min(40sccm)
実施例9−6
処理容器内圧力:0.67Pa(5mTorr)
第1の高周波電源からの高周波電力:300W
第2の高周波電源からの高周波電力:60W
エッチングガスおよびその流量:
SiFを0.04L/min(40sccm)
HBrを0.02L/min(20sccm)
Heを0.02L/min(20sccm)
実施例9−7
処理容器内圧力:6.7Pa(50mTorr)
第1の高周波電源からの高周波電力:1000W
第2の高周波電源からの高周波電力:100W
エッチングガスおよびその流量:
SiFを0.03L/min(30sccm)
を0.02L/min(20sccm)
(比較例9−1)
処理容器内圧力:0.93Pa(7mTorr)
第1の高周波電源からの高周波電力:100W
第2の高周波電源からの高周波電力:250W
エッチングガスおよびその流量:
CFを0.072L/min(72sccm)
CHFを0.026L/min(26sccm)
を0.006L/min(6sccm)
(比較例9−2)
処理容器内圧力:6.7Pa(50mTorr)
第1の高周波電源からの高周波電力:1000W
第2の高周波電源からの高周波電力:100W
エッチングガスおよびその流量:
CFを0.1L/min(100sccm)
SiO 層のエッチング
(実施例9−1、9−3〜9−6および比較例9−1)
処理容器内圧力:16Pa(120mTorr)
第1の高周波電源からの高周波電力:550W
第2の高周波電源からの高周波電力:350W
エッチングガスおよびその流量:
CFを0.1L/min(100sccm)
CHFを0.06L/min(60sccm)
(実施例9−2、9−7および比較例9−2)
処理容器内圧力:2.7Pa(20mTorr)
第1の高周波電源からの高周波電力:1800W
第2の高周波電源からの高周波電力:1150W
エッチングガスおよびその流量:
を0.025L/min(25sccm)
を0.026L/min(26sccm)
Arを0.7L/min(700sccm)
以上のようにSiO層201のエッチングを行った後、電子顕微鏡写真で各実施例および比較例の被処理体Wのエッチング箇所の断面形状を観察した。その結果、実施例9−1〜9−7ではいずれもArFフォトレジスト層203の表面荒れや縦筋入りはほとんど見られなかったが、比較例9−1、9−2ではいずれもArFフォトレジスト層203の表面荒れや縦筋入りが見られた。
(第10の実施形態)
ここでは、図16Aに示すような、SiO膜に代表されるSi酸化物からなるエッチング対象層211とこれを覆うArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるマスク層212とを有する被処理体Wに対し、図1のプラズマ処理装置を用いて、以下に示す一連の工程を実施する。この実施形態においてもArFフォトレジストやF2フォトレジストとしては、脂環族含有アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、シクロオレフィン−無水マレイン酸樹脂、メタクリル酸樹脂等を使用することができる。本実施形態においては、図1の装置におけるシャワーヘッドでもある上部電極板24がSiで構成されている。
まず、ゲートバルブ32を開放して、被処理体Wを処理容器2内に搬入し、静電チャック11上に配置する。次いで、ゲートバルブ32を閉じ、排気装置35によって処理容器2内を減圧した後、バルブ28を開放し、処理ガス供給源30から不活性ガス、例えばArを供給し、処理容器2内の圧力を例えば1.33Pa(10mTorr)とする。不活性ガスとしてはKr、Xe等、他のものを用いてもよい。この状態で、上部電極21と下部電極であるサセプタ5にそれぞれ高周波電源40および50から高周波電力を印加し、不活性ガスの少なくとも一部をイオン化してSiからなる上部電極板24をスパッタする。一方、上下電極に高周波電力を印加するタイミングの前後に、直流電源13を静電チャック11内の電極12に印加して、被処理体Wを静電チャック11上に静電吸着させる。
この際に、上部電極21に印加する高周波電力が不活性ガスのイオン化を促すエネルギーである。このようにしてSiからなる上部電極板24をスパッタすることにより、図16Bに示すように、マスク層212の表面にSi含有層213を形成することができる。マスク層212の表面にSi含有層213を形成する時間は、短すぎると耐プラズマ性向上の効果が余りなく、長すぎるとマスク層212の開口部分のエッチング対象層211表面にもSi含有層が多く形成されてしまいその後のエッチングを阻害してしまうから適当な時間を選択することが好ましい。例えば、上部電極21に印加する高周波電力の周波数:60MHz、電力:2000W、サセプタ5に印加する高周波電力の周波数:2MHz電力:100Wの条件を採用することができるが、この条件では、上記処理の時間は60〜90秒間の範囲が好ましかった。
また、電力については、上部電極印加電力を1250W、サセプタ印加電力を400Wとした場合(いわゆるVPPを低くした場合)よりも上記条件の方がSi含有層形成時のマスク層の開口形状の変化を少なくすることができた。VPPが高過ぎるとマスク層の開口が拡がってしまい、その後のエッチング工程で設計した開口パターンの孔や溝が作成できなくなってしまう。
上述のようなマスク層表面へのSi含有層形成が終わったら、高周波電力の印加を停止する。
この後、処理容器2内にエッチングガスを導入し、上部電極21とサセプタ5に高周波電力を印加し、エッチング対象層211をエッチングする。例えばエッチング対象層211がSi酸化物で形成されている場合は、C、C、Cの中から選択される少なくとも1つを含むガスであることが好ましい。このようなエッチングガスとしては、CとOとArの混合ガスが例示される。また、処理容器2内の圧力は2.67Pa(20mTorr)、上部電極21とサセプタ5に印加する高周波電力はそれぞれ1600Wと800Wが例示される。この際の高周波電力の周波数は、ともにスパッタリング時と同じ60MHz、2MHzが例示される。高周波電力の印加によりエッチングガスはプラズマ化し、例えばSi酸化物からなるエッチング対象層211をエッチングする。エッチングが終了したらエッチングガスおよび高周波電力の印加を停止する。
上記例示の条件でSi酸化物からなるエッチング対象層211をエッチングしたところ、マスク層212に対するエッチング対象層211の選択比(エッチング対象層のエッチングレート/マスク層のエッチングレート)は28.8であった。マスク層212表面へのSi含有層形成を行っていないときのエッチングでは上記選択比は8.2であった。
このようにしてエッチングを行った後、引き続きSi含有層213が表面に形成されたマスク層212を除去する工程(アッシング工程)を実施する。ここではSi含有層213が表面に形成されたマスク層212の除去を多段階で行う場合の例を示す。
第1段階では、処理容器2内にフッ素を含むガス、例えばCFを導入し、所定時間上部電極21とサセプタ5に高周波電力を印加し、マスク層212に形成されたSi含有層213をほぼ完全に除去する。Si含有層が残っていると次の第2段階で、マスク層212を除去し終わったときに被処理体の表面にSi含有物が付着していることがあるからである。この際に、処理容器2内の圧力は6.66Pa(50mTorr)、上部電極21とサセプタ5に印加する高周波電力はそれぞれ1600Wと800W、周波数はともにスパッタリング時と同じ60MHz、2MHzが例示される。この条件で例えば90秒間処理することによりSi含有層213をほぼ完全に除去することができる。
また、この際のガスとして、CFにOとArを添加したガスを用いた場合には、ArFフォトレジストからなるマスク層212にダメージを与えてしまった。したがって、CF単独のガスを使用するか、CFにOやAr等を添加する場合には少量であることが好ましい。
フッ素化合物を含有するガスとしては、CF以外のガスを用いてもよいが、Si含有層213の下地のArFフォトレジスト等からなるマスク層212へのダメージを少なくする観点からCFを用いることが好ましい。
第2段階では、所定の処理ガスを導入し、上部電極21と下部電極であるサセプタ5に高周波電力印加して、Si含有層213が大部分除去された後のマスク層212自体を除去する。このとき、処理ガスとしては、フッ素化合物を含まないガス、例えばOガス単独、またはOとNやArとを含む混合ガス、またはOとNとHとの混合ガス等を用いることが好ましい。
この第2段階の処理を実際に行った。この場合に、圧力、高周波電力、高周波電源の周波数等は上記第1段階における例から変更せずに、処理ガスのみを変更させてアッシングを行った。ここではOを使用した。マスク層212を除去した被処理体を観察すると、孔や溝の開口形状及び断面形状はほぼ設計したとおりであった。また、Si含有物の被処理体への付着も起こらなかった。
本実施形態では、以上のように平行平板型電極に高周波電力を印加した際のエネルギーにより不活性ガスをイオン化し、これによりSiからなる上部電極板24をスパッタしてマスク層212の表面に付着しSi含有層を形成するので、マスク層自体のときに比べて耐プラズマ性をかなり向上させることができる。特に、マスク層212として耐プラズマ性が低いArFフォトレジストまたはF2フォトレジストを用いた場合には、その耐プラズマ性向上効果は著しい。
また、エッチング対象層をエッチングした後のアッシングにおいて、Si含有層213の除去とマスク層212自体の除去に分けて多段階に除去するので、Si含有層213とマスク層が形成されている場合でもそれぞれの層の性質に適した除去をすることができる。もちろん一度にSi含有層213とマスク層212を除去することも可能である。いずれを採用するかは、多段階での除去と一度での除去との総合的な利点及び欠点を比較して決定すればよい。
なお、スパッタリングによりマスク層にSi含有層を形成する際のターゲットとしては、上記例示の上部電極板に限らず、処理容器内に配置された、表面の少なくとも一部がSiである部材であれば、フォーカスリング等の他の部材であってもよいし、新たにターゲットとしてSi部材を配置してもよい。また、デバイス加工していない他のSiウエハ自体(ベアウエハ)を処理容器内に入れてターゲットとして使用することができる。また、ターゲットとして用いるSiとしては単結晶Siがスパッタリングを行うのに都合がよい。
さらに、上記例ではスパッタリングをプラズマエッチングを行うための平行平板型装置を利用して高周波エネルギーを用いて行ったが、これに限らず、少なくとも不活性ガスの一部がイオン化するエネルギーを与えられるものを採用することができる。例えばエネルギーとしては高周波エネルギーに限らずマイクロ波エネルギー等を使用することができる。また、高周波エネルギーを用いる場合でも、上記平行平板とは異なり、アンテナン高周波電力を印加して誘導電磁界を形成する方式を用いることもできる。
さらにまた、マスク層212の表面にSi含有層213を形成する方法はスパッタリングに限らない。例えば、マスク層212の表面にCVDでSi含有層213を形成してもよい。CVDでSi含有層213を形成する場合には、原料となるガスとしては有機シラン系ガスや無機シラン系ガスを使用することができるが、無機シラン系ガスのほうが好ましい。この場合のCVDは、これらのガスを用いて常法に従って実施することができる。
マスク層212の表面にSi含有層213を形成する方法として、エッチングガスにSiF等のSi化合物を加える方法を採用することもできる。これにより、ArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるマスク層212の体プラズマ性向上とエッチング対象層211のエッチングを同時に行うことができる。
なお、本実施形態において、エッチング対象層としては、上記Si酸化物に限るものではなく、例えばSiC、SiN、有機低誘電体、SiOF、金属、金属化合物等、種々の材料のものを適用可能である。ただし、マスク層の表面に形成された層はSiを主成分とするため、エッチング対象層がSiである被処理体には適用が困難である。マスク層表面とエッチング対象層が同じ材質だとエッチングレートがほぼ同じになるからである。また、マスク層としては、ArFフォトレジストやF2フォトレジストのような耐プラズマ性の低いフォトレジスト材料に限らず、他の有機フォトレジスト層でもよく、さらには、フォトレジストに限らず他のマスク層であってもよい。

Claims (170)

  1. 表面に有機層を有する被処理体を準備する工程と、
    前記被処理体に対して、Hのプラズマを照射して前記有機層の耐プラズマ性を向上させる工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  2. 請求項1の方法において、前記有機層はマスク層であるプラズマ処理方法。
  3. 請求項2の方法において、前記マスク層はフォトレジスト層であるプラズマ処理方法。
  4. 請求項3の方法において、前記フォトレジスト層はArFフォトレジストまたはF2フォトレジストで構成されているプラズマ処理方法。
  5. 表面に有機層を有する被処理体を準備する工程と、
    前記被処理体に対して、Hと不活性ガスとを含む処理ガスのプラズマを照射して前記有機層の耐プラズマ性を向上させる工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  6. 請求項5の方法において、前記有機層はマスク層であるプラズマ処理方法。
  7. 請求項6の方法において、前記マスク層はフォトレジスト層であるプラズマ処理方法。
  8. 請求項7の方法において、前記フォトレジスト層はArFフォトレジストまたはF2フォトレジストで構成されているプラズマ処理方法。
  9. 請求項5の方法において、前記処理ガスはNを含むプラズマ処理方法。
  10. 表面に有機層を有する被処理体を準備する工程と、
    前記被処理体に対して、Hを有する物質と不活性ガスとを含む処理ガスのプラズマを照射して前記有機層の耐プラズマ性を向上させる工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  11. 請求項10の方法において、前記有機層はマスク層であるプラズマ処理方法。
  12. 請求項11の方法において、前記マスク層はフォトレジスト層であるプラズマ処理方法。
  13. 請求項10の方法において、前記Hを有する物質はNHであるプラズマ処理方法。
  14. 請求項10の方法において、前記処理ガスはNを含むプラズマ処理方法。
  15. 表面にArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層を有する被処理体を準備する工程と、
    前記被処理体に対して、Hを有する物質を含む処理ガスのプラズマを照射して前記フォトレジスト層の耐プラズマ性を向上させる工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  16. 請求項15の方法において、前記Hを有する物質はHであるプラズマ処理方法。
  17. 請求項15の方法において、前記Hを有する物質はNHであるプラズマ処理方法。
  18. 請求項15の方法において、前記処理ガスはNを含むプラズマ処理方法。
  19. 請求項15の方法において、前記プラズマを照射する工程は、圧力が13.3Pa(100mTorr)以下の雰囲気で実施されるプラズマ処理方法。
  20. 請求項19の方法において、前記プラズマを照射する工程は、圧力が1.1〜4.0Pa(8〜30mTorr)の雰囲気で実施されるプラズマ処理方法。
  21. 請求項19の方法において、前記被処理体は、前記フォトレジスト層の下にエッチング対象層を有し、前記フォトレジストは開口パターンを有し、前記プラズマ照射の後、前記フォトレジスト層の前記開口パターンを介して前記エッチング対象層をプラズマエッチングする工程を有するプラズマ処理方法。
  22. エッチング対象部と、このエッチング対象部を覆う、開口パターンが形成された有機層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、
    前記処理容器内でHを有する物質を含む処理ガスをプラズマ化し、前記有機層にそのプラズマを照射する工程と、
    前記処理容器内でエッチングガスをプラズマ化し、前記開口パターンを通して前記エッチング対象部をエッチングする工程と、
    を有するプラズマ処理方法。
  23. 請求項22の方法において、前記Hを有する物質はHであるプラズマ処理方法。
  24. 請求項22の方法において、前記Hを有する物質はNHであるプラズマ処理方法。
  25. 請求項22の方法において、前記処理ガスはNを含むプラズマ処理方法。
  26. 請求項22の方法において、前記有機層はマスク層であるプラズマ処理方法。
  27. 請求項26の方法において、前記マスク層はフォトレジスト層であるプラズマ処理方法。
  28. 請求項27の方法において、前記フォトレジスト層はArFフォトレジストまたはF2フォトレジストで構成されるプラズマ処理方法。
  29. 請求項22の方法において、前記処理ガスと前記エッチングガスは、同じガスであるプラズマ処理方法。
  30. 請求項22の方法において、前記エッチングガスは、前記処理ガスに別のガスを添加したガスであるプラズマ処理方法。
  31. 請求項22の方法において、前記エッチング対象部はSiO層であるプラズマ処理方法。
  32. 請求項31の方法において、前記エッチングガスはCを含むガスであるプラズマ処理方法。
  33. 請求項22の方法において、前記プラズマを照射する工程は、圧力が13.3Pa(100mTorr)以下の雰囲気で実施されるプラズマ処理方法。
  34. 請求項33の方法において、前記プラズマを照射する工程は、圧力が1.1〜4.0Pa(8〜30mTorr)の雰囲気で実施されるプラズマ処理方法。
  35. 表面にArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層を有する被処理体を準備する工程と、
    前記被処理体に対して、Nを有する物質を含む処理ガスのプラズマを照射して前記フォトレジスト層の耐プラズマ性を向上させる工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  36. 請求項35の方法において、前記Nを有する物質はNであるプラズマ処理方法。
  37. 請求項35の方法において、前記Nを有する物質はNHであるプラズマ処理方法。
  38. 請求項35の方法において、前記処理ガスはHを有する物質を含むプラズマ処理方法。
  39. 請求項38の方法において、前記Hを有する物質は、H、CHF、CH、CHFの中から選択される1以上であるプラズマ処理方法。
  40. エッチング対象部と、このエッチング対象部を覆う反射防止層と、この反射防止層を覆う、開口パターンが形成されたArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、
    前記処理容器に処理ガスを導入する工程と、
    前記処理ガスをプラズマ化する工程と、
    そのプラズマを前記被処理体に作用させて、前記フォトレジスト層の耐プラズマ性を向上させるとともに、前記開口パターンを通して前記反射防止層をエッチングする工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  41. 請求項40の方法において、前記処理ガスはHを含むプラズマ処理方法。
  42. 請求項41の方法において、前記被処理体は、前記処理容器の中に配置されたサセプタに載置され、前記プラズマを前記被処理体に作用させる工程は、前記サセプタに、100MHz以上の周波数の高周波電力と、3MHz以上の周波数の高周波電力とを供給するプラズマ処理方法。
  43. 請求項42の方法において、前記3MHz以上の周波数の高周波電力は100W以下であるプラズマ処理方法。
  44. 請求項41の方法において、前記処理ガスはHからなるプラズマ処理方法。
  45. 処理容器の中に、エッチング対象層と、このエッチング対象層を覆う反射防止層と、この反射防止膜層を覆い開口パターンが形成されたマスク層とを有する被処理体を配置する工程と、
    前記処理容器内にHを含む処理ガスを導入する工程と、
    前記処理ガスをプラズマ化する工程と、
    前記プラズマにより、前記マスク層の開口パターンを通して前記反射防止層を前記マスク層に対して選択的にエッチングする工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  46. 請求項45の方法において、前記被処理体は、前記処理容器の中に配置されたサセプタに載置され、前記エッチング工程は、前記サセプタに、100MHz以上の周波数の高周波電力と、3MHz以上の周波数の高周波電力とを重畳させて印加するプラズマ処理方法。
  47. 請求項46の方法において、前記3MHz以上の周波数の高周波電力は100W以下であるプラズマ処理方法。
  48. 請求項45の方法において、前記マスク層は、ArFフォトレジスト層またはF2フォトレジスト層であるプラズマ処理方法。
  49. 請求項45の方法において、前記処理ガスはHからなるプラズマ処理方法。
  50. 請求項49の方法において、前記反射防止層をエッチングする工程の後、CFとHをプラズマ化し、前記マスク層の開口パターンを通して前記エッチング対象層を途中までエッチングする工程と、その途中までエッチングする工程の後、エッチングガスをプラズマ化し、前記エッチング対象層の残部をエッチングする工程とをさらに有するプラズマ処理方法。
  51. 請求項50の方法において、前記マスク層は、ArFフォトレジスト層またはF2フォトレジスト層であるプラズマ処理方法。
  52. 請求項50の方法において、前記マスク層はメタクリル酸樹脂からなるプラズマ処理方法。
  53. 請求項50の方法において、前記エッチングガスはCFとHの混合ガスとは別のガスであるプラズマ処理方法。
  54. 請求項50の方法において、前記エッチング対象層はSiO層であり、前記エッチングガスはCとOとを含むガスであるプラズマ処理方法。
  55. エッチング対象層と、このエッチング対象層を覆う開口パターンが形成された、ArFフォトレジストまたはF2フォトレジストで構成されたマスク層とを有する被処理体を載置台に載置する工程と、
    CFとHをプラズマ化し、前記マスク層の開口パターンを通して前記エッチング対象層を途中までエッチングする初期エッチング工程と、
    この初期エッチング工程の後、フロロカーボンを含むエッチングガスをプラズマ化し、前記エッチング対象層をエッチングする主エッチング工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  56. 請求項55の方法において、前記エッチング対象層はSiO層であるプラズマ処理方法。
  57. エッチング対象層と、このエッチング対象層を覆う反射防止層と、この反射防止層を覆う開口パターンが形成されたアクリル酸樹脂からなるマスク層とを有する被処理体を載置台に載置する工程と、
    CFをプラズマ化し、前記マスク層の開口パターンを通して前記反射防止層をエッチングする第1エッチング工程と、
    CFとHをプラズマ化し、前記マスク層の開口パターンを通して前記エッチング対象層を途中までエッチングする第2エッチング工程と、
    この第2エッチング工程の後、フロロカーボンを含むエッチングガスをプラズマ化し、前記エッチング対象層をエッチングする第3エッチング工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  58. 請求項57の方法において、前記エッチング対象層はSiO層であるプラズマ処理方法。
  59. 処理容器の中に配置されたサセプタに、エッチング対象層とこのエッチング対象層を覆い開口が形成されたマスク層とを有する被処理体を載置する工程と、
    前記処理容器内にHを含む処理ガスを導入する工程と、
    前記サセプタに、100MHz以上の周波数の高周波電力と、3MHz以上の周波数の高周波電力と供給する工程と、
    前記処理容器内の圧力を13.3Pa(100mTorr)以下にする工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  60. 請求項59の方法において、前記3MHz以上の周波数の高周波電力は100W以下であるプラズマ処理方法。
  61. エッチング対象部と、このエッチング対象部を覆う開口パターンが形成された、ArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、
    前記処理容器内でNを有する物質を含む処理ガスをプラズマ化し、前記フォトレジスト層に照射する工程と、
    前記処理容器内でエッチングガスをプラズマ化し、前記開口パターンを通して前記エッチング対象部をエッチングする工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  62. 請求項61の方法において、前記Nを有する物質はNであるプラズマ処理方法。
  63. 請求項62の方法において、前記処理ガスはHを含むプラズマ処理方法。
  64. 請求項62の方法において、前記処理ガスは、CHF、CH、CHFからなる群から選択された1種以上を含むプラズマ処理方法。
  65. 請求項61の方法において、前記Nを有する物質はNHであるプラズマ処理方法。
  66. エッチング対象部と、このエッチング対象部を覆う反射防止層と、この反射防止層を覆う開口パターンが形成されたArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、
    前記処理容器内でNを有する物質を含む処理ガスをプラズマ化し、前記開口パターンを通して前記反射防止層をエッチングする第1エッチング工程と、
    前記処理容器内でエッチングガスをプラズマ化し、前記開口パターンを通して前記エッチング対象部をエッチングする第2エッチング工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  67. 請求項66の方法において、前記Nを有する物質はNであるプラズマ処理方法。
  68. 請求項67の方法において、前記処理ガスはHを含むプラズマ処理方法。
  69. 請求項68の方法において、前記第1エッチング工程は、前記処理容器内の圧力を107〜160Pa(800〜1200mTorr)にして実施されるプラズマ処理方法。
  70. 請求項69の方法において、前記エッチング対象層はSiO層であり、前記エッチングガスはCを含むプラズマ処理方法。
  71. 請求項70において、前記Cは、1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンチンであるプラズマ処理方法。
  72. 請求項67の方法において、前記処理ガスは、CHF、CH、CHFからなる群から選択された1種以上を含むプラズマ処理方法。
  73. 請求項66の方法において、前記Nを有する物質はNHであるプラズマ処理方法。
  74. 請求項66の方法において、前記エッチング対象層はSiO層であり、前記エッチングガスはCを含むプラズマ処理方法。
  75. 請求項66の方法において、前記エッチング対象層はSiO層であり、前記エッチングガスはCを含むプラズマ処理方法。
  76. 請求項75の方法において、前記Cは直鎖Cであるプラズマ処理方法。
  77. 請求項76の方法において、前記直鎖Cは、1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンチンであるプラズマ処理方法。
  78. 請求項75の方法において、前記処理ガスはNとHとを含み、前記第1エッチング工程は、前記処理容器内の圧力を107〜160Pa(800〜1200mTorr)にして実施されるプラズマ処理方法。
  79. エッチング対象層と、前記エッチング対象層を覆う開口パターンが形成された有機マスク層とを有する被処理体を、Siを含む物質の露出部を有する構成部材を備えた処理容器内に配置する工程と、
    前記処理容器内にH、NおよびHeからなる群から選択された少なくとも1種の処理ガスを導入する工程と、
    前記処理ガスをプラズマ化して、前記有機マスク層をプラズマ処理する工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  80. 請求項79の方法において、前記プラズマ処理工程の後、前記エッチング対象層のエッチングを行う工程をさらに有するプラズマ処理方法。
  81. 請求項79の方法において、前記有機マスク層は、有機フォトレジスト層であるプラズマ処理方法。
  82. 請求項81の方法において、前記有機フォトレジスト層は、ArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるプラズマ処理方法。
  83. 請求項79の方法において、前記Siを含む物質は単結晶Siからなるプラズマ処理方法。
  84. 請求項79の方法において、前記Siを含む物質はSiCからなるプラズマ処理方法。
  85. 請求項79の方法において、前記Siを含む物質の露出部を有する構成部材は、前記処理容器内に設けられた被処理体の対向電極であるプラズマ処理方法。
  86. エッチング対象層と、前記エッチング対象層を覆う有機膜と、前記有機膜を覆う開口パターンが形成された有機マスク層とを有する被処理体を、Siを含む物質の露出部を有する構成部材を備えた処理容器内に配置する工程と、
    前記処理容器内にエッチングガスを導入する工程と、
    前記エッチングガスをプラズマ化し、前記有機マスク層の開口パターンを通して前記有機膜をエッチングする工程と、
    前記処理容器内にH、NおよびHeからなる群から選択された少なくとも1種の処理ガスを導入する工程と、
    前記処理ガスをプラズマ化して前記有機マスク層をプラズマ処理する工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  87. 請求項86の方法において、前記エッチングガスはCFを含むプラズマ処理方法。
  88. 請求項86の方法において、前記プラズマ処理工程の後、前記エッチング対象層のエッチングを行う工程をさらに有するプラズマ処理方法。
  89. 請求項86の方法において、前記有機膜は有機反射防止膜であるプラズマ処理方法。
  90. 請求項86の方法において、前記有機マスク層は、有機フォトレジスト層であるプラズマ処理方法。
  91. 請求項90の方法において、前記有機フォトレジスト層は、ArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるプラズマ処理方法。
  92. 請求項86の方法において、前記Siを含む物質は単結晶Siからなるプラズマ処理方法。
  93. 請求項86の方法において、前記Siを含む物質はSiCからなるプラズマ処理方法。
  94. 請求項86の方法において、前記Siを含む物質の露出部を有する構成部材は、前記処理容器内に設けられた被処理体の対向電極であるプラズマ処理方法。
  95. エッチング対象層と、前記エッチング対象層を覆う有機膜と、前記有機膜を覆う開口パターンが形成された有機マスク層とを有する被処理体を、Siを含む物質の露出部を有する構成部材を備えた処理容器内に配置する工程と、
    前記処理容器内にHを導入する工程と、
    導入されたHをプラズマ化し、前記有機マスク層の開口パターンを通して前記有機膜をエッチングする工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  96. 請求項95において、前記有機膜をエッチングする工程の後、前記エッチング対象層のエッチングを行う工程をさらに有するプラズマ処理方法。
  97. 請求項95の方法において、前記有機膜は有機反射防止膜であるプラズマ処理方法。
  98. 請求項95の方法において、前記有機マスク層は、有機フォトレジスト層であるプラズマ処理方法。
  99. 請求項98の方法において、前記有機フォトレジスト層は、ArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるプラズマ処理方法。
  100. 請求項95の方法において、前記Siを含む物質は単結晶Siからなるプラズマ処理方法。
  101. 請求項95の方法において、前記Siを含む物質はSiCからなるプラズマ処理方法。
  102. 請求項95の方法において、前記Siを含む物質の露出部を有する構成部材は、前記処理容器内に設けられた被処理体の対向電極であるプラズマ処理方法。
  103. エッチング対象層と、このエッチング対象層を覆う開口パターンが形成されたArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、
    前記被処理体を収容した処理容器内にCを含む処理ガスを導入する工程と、
    前記処理ガスをプラズマ化する工程と、
    前記処理ガスのプラズマにより、前記被処理体中のエッチング対象層を、前記フォトレジスト層の開口パターンを通してエッチングする工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  104. 請求項103の方法において、前記エッチング対象層は炭素含有層であるプラズマ処理方法。
  105. 請求項103の方法において、前記エッチング対象層は有機層であるプラズマ処理方法。
  106. エッチング対象層と、このエッチング対象層を覆う開口パターンが形成されたマスク層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、
    前記被処理体を収容した処理容器内にCとOと含む処理ガスを導入する工程と、
    前記処理ガスをプラズマ化する工程と、
    前記処理ガスのプラズマにより、前記被処理体中のエッチング対象層を、前記マスク層の開口パターンを通してエッチングする工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  107. 請求項106の方法において、前記マスク層は、フォトレジスト層であるプラズマ処理方法。
  108. 請求項107の方法において、前記エッチング対象層は、反射防止層であるプラズマ処理方法。
  109. 請求項107の方法において、前記フォトレジスト層は、ArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるプラズマ処理方法。
  110. 請求項106の方法において、前記エッチング対象層は、炭素含有層であるプラズマ処理方法。
  111. 請求項106の方法において、前記エッチング対象層は、有機層であるプラズマ処理方法。
  112. エッチング対象部と、このエッチング対象部を覆う反射防止層と、この反射防止層を覆う開口パターンが形成されたArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、
    前記処理容器内でCとFとを有する物質とHを有する物質とを含むエッチングガスをプラズマ化し、前記開口パターンを介して前記反射防止層をエッチングする工程と、
    前記エッチング対象部をエッチングする工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  113. 請求項112の方法において、前記Hを有する物質はハイドロカーボンであるプラズマ処理方法。
  114. 請求項113の方法において、前記ハイドロカーボンはCHであるプラズマ処理方法。
  115. 請求項112の方法において、前記Hを有する物質はHであるプラズマ処理方法。
  116. 請求項112の方法において、前記Hを有する物質はハイドロフルオロカーボンであるプラズマ処理方法。
  117. 請求項116の方法において、前記ハイドロフルオロカーボンはFの原子数に対するHの原子数の比が3以上であるプラズマ処理方法。
  118. 請求項117の方法において、前記ハイドロフルオロカーボンはCHFであるプラズマ処理方法。
  119. 請求項118の方法において、前記エッチングガス中の前記CとFとを有する物質の流量に対する前記CHFの流量の比は0.04〜0.07であるプラズマ処理方法。
  120. 請求項112の方法において、前記CとFとを有する物質はCFであるプラズマ処理方法。
  121. エッチング対象部と、このエッチング対象部を覆う反射防止層と、この反射防止層を覆う開口パターンが形成されたマスク層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、
    前記処理容器内でCとFとを有する物質とハイドロカーボンとを含むエッチングガスをプラズマ化し、前記開口パターンを介して前記反射防止層をエッチングする工程と、
    前記エッチング対象部をエッチングする工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  122. 請求項121の方法において、前記ハイドロカーボンはCHであるプラズマ処理方法。
  123. 請求項121の方法において、前記CとFとを有する物質はCFであるプラズマ処理方法。
  124. 請求項121の方法において、前記マスク層は、ArFフォトレジスト層またはF2フォトレジスト層であるプラズマ処理方法。
  125. エッチング対象部と、このエッチング対象部を覆う反射防止層と、この反射防止層を覆う開口パターンが形成されたマスク層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、
    前記処理容器内でCとFとを有する物質とCとHとFとを有しFの原子数に対するHの原子数の比が3以上の物質とを含むエッチングガスをプラズマ化し、前記開口パターンを介して前記反射防止層をエッチングする工程と、
    前記エッチング対象部をエッチングする工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  126. 請求項125の方法において、前記CとHとFとを有しFの原子数に対するHの原子数の比が3以上の物質はCHFであるプラズマ処理方法。
  127. 請求項125の方法において、前記CとFとを有する物質はCFであるプラズマ処理方法。
  128. 請求項127の方法において、前記エッチングガス中のCとFとを有する物質の流量に対する前記CHFの流量の比は0.04〜0.07であるプラズマ処理方法。
  129. 請求項125の方法において、前記マスク層は、ArFフォトレジスト層またはF2フォトレジスト層であるプラズマ処理方法。
  130. エッチング対象部と、このエッチング対象部を覆う開口パターンが形成された、ArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、
    前記処理容器内でCとFとを有する物質とCOとを含む処理ガスをプラズマ化し、そのプラズマを前記フォトレジスト層に照射する工程と、
    前記処理容器内でエッチングガスをプラズマ化し、そのプラズマにより前記開口パターンを介して前記エッチング対象部をエッチングする工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  131. 請求項130の方法において、前記CとFとを有する物質はCFであるプラズマ処理方法。
  132. 請求項130の方法において、前記処理ガスと前記エッチングガスは同じガスであるプラズマ処理方法。
  133. 請求項132の方法において、前記エッチング対象部は反射防止層であるプラズマ処理方法。
  134. エッチング対象部と、このエッチング対象部を覆う反射防止層と、この反射防止層を覆う開口パターンが形成された、ArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、
    前記処理容器内でCとFとを有する物質とCOとを含む第1エッチングガスをプラズマ化し、そのプラズマにより前記開口パターンを介して前記反射防止層をエッチングする第1エッチング工程と、
    前記処理容器内で第2エッチングガスをプラズマ化し、そのプラズマにより前記開口パターンを介して前記エッチング対象部をエッチングする第2エッチング工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  135. 請求項134の方法において、前記CとFとを有する物質はCFであるプラズマ処理方法。
  136. 請求項134の方法において、前記エッチング対象部はSiO層であり、前記第2エッチングガスはCを含むプラズマ処理方法。
  137. 請求項134の方法において、前記エッチング対象部はSiO層であり、前記第2エッチングガスはCを含むプラズマ処理方法。
  138. エッチング対象部と、エッチング対象部を覆う反射防止層と、この反射防止層を覆う開口パターンが形成されたマスク層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、
    前記処理容器内でCFとCOとを含む第1エッチングガスをプラズマ化し、そのプラズマにより前記開口パターンを介して前記反射防止層をエッチングする第1エッチング工程と、
    前記処理容器内で第2エッチングガスをプラズマ化し、そのプラズマにより前記開口パターンを介して前記エッチング対象部をエッチングする第2エッチング工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  139. 請求項138の方法において、前記エッチング対象部はSiO層であり、前記第2エッチングガスはCを含むプラズマ処理方法。
  140. 請求項139の方法において、前記エッチング対象部はSiO層であり、前記第2エッチングガスはCを含むプラズマ処理方法。
  141. エッチング対象層と、このエッチング対象層を覆う有機反射防止層と、この有機反射防止層を覆う開口パターンが形成されたArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層とを有する被処理体を処理容器内に配置する工程と、
    この処理容器内にSiを含む物質を有するエッチングガスを導入する工程と、
    このエッチングガスをプラズマ化し、前記フォトレジスト層の開口パターンを通して有機反射防止層をエッチングする工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  142. 請求項141の方法において、前記Siを含む物質は、SiFであるプラズマ処理方法。
  143. 請求項142の方法において、前記エッチングガスは、CHFを含有するプラズマ処理方法。
  144. 請求項142の方法において、前記エッチングガスは、HBrを含有するプラズマ処理方法。
  145. 請求項142の方法において、前記エッチングガスは、Heを含有するプラズマ処理方法。
  146. 請求項142の方法において、前記エッチングガスは、Hを含有するプラズマ処理方法。
  147. 請求項141の方法において、前記有機反射防止層をエッチングする工程の後に、さらに、前記ArFフォトレジスト層の開口パターンを通して前記エッチング対象層をプラズマエッチングする工程を有するプラズマ処理方法。
  148. 処理容器の中にあるサセプタに、エッチング対象層とこのエッチング対象層を覆い開口が形成されたマスク層とを有する被処理体を載置する工程と、
    前記処理容器内に前記被処理体と表面の少なくとも一部がSiである部材とが存在する下で前記処理容器の中に不活性ガスを入れる工程と、
    前記不活性ガスの少なくとも一部をイオン化する高周波エネルギーを前記処理容器の中に与える工程と、
    前記処理容器の中にエッチングガスを導入する工程と、
    そのエッチングガスをプラズマ化する工程と、
    前記エッチングガスのプラズマにより、前記処理容器の中で前記マスク層の開口パターンを通して前記エッチング対象層をエッチングする工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  149. 請求項148の方法において、前記マスク層は、ArFフォトレジスト層またはF2フォトレジスト層であるプラズマ処理方法。
  150. 請求項148の方法において、前記表面の少なくとも一部がSiである部材は、前記被処理体の周りにあるフォーカスリングであるプラズマ処理方法。
  151. 請求項148の方法において、前記表面の少なくとも一部がSiである部材は、前記エッチングガスを前記処理容器内に導入するシャワーヘッドであるプラズマ処理方法。
  152. 請求項148の方法において、前記エッチング対象層はSi酸化物であり、前記エッチングガスは、C、CおよびCからなる群から選ばれる少なくとも1つを含むプラズマ処理方法。
  153. 請求項148の方法において、前記エッチング工程の後に、マスク層を多段階でプラズマ除去する工程をさらに有するプラズマ処理方法。
  154. 請求項153の方法において、前記マスク層を多段階でプラズマ除去する工程は、フッ素化合物を含むガスのプラズマでマスク層の一部を除去する第1除去工程と、フッ素化合物を含まないガスのプラズマで第1除去工程で残されたマスク層の少なくとも一部を除去する第2除去工程を有するプラズマ処理方法。
  155. 請求項154の方法において、前記マスク層はArFフォトレジスト層であり、前記第1除去工程で用いるガスはCFであるプラズマ処理方法
  156. 請求項148の方法において、前記エネルギーを前記処理容器内に導入する工程は、前記処理容器の外に設けられたアンテナに高周波電力を印加することを含むプラズマ処理方法。
  157. 請求項148の方法において、前記エネルギーを前記処理容器内に導入する工程は、前記処理容器内に設けられた前記サセプタの対向電極に高周波電力を印加することを含むプラズマ処理方法。
  158. 処理容器の中にあるサセプタに、エッチング対象層とこのエッチング対象層を覆い開口パターンが形成されたマスク層とを有する被処理体を載置する工程と、
    前記処理容器内で前記マスク層表面にSi含有層を形成する工程と、
    前記処理容器内にエッチングガスを導入する工程と、
    前記エッチングガスをプラズマ化する工程と、
    前記処理容器の中で、前記エッチングガスのプラズマにより、前記マスク層の開口パターンを通して前記エッチング対象層をエッチングする工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  159. 請求項158の方法において、前記プラズマエッチングする工程の後に、マスク層を多段階でプラズマ除去する工程をさらに有するプラズマ処理方法。
  160. 請求項159の方法において、前記マスク層を多段階でプラズマ除去する工程は、フッ素化合物を含むガスのプラズマでマスク層の一部を除去する第1除去工程と、フッ素化合物を含まないガスのプラズマで第1除去工程で残されたマスク層の少なくとも一部を除去する第2除去工程を有する。
  161. 請求項160の方法において、前記マスク層はArFフォトレジスト層またはF2フォトレジスト層であり、前記第1除去工程で用いるガスはCFであるプラズマ処理方法。
  162. 請求項158の方法において、前記マスク層はArFフォトレジスト層またはF2フォトレジスト層であるプラズマ処理方法。
  163. 請求項158の方法において、前記エッチング対象層はSi酸化物であり、前記エッチングガスはC、C、Cの中から選ばれる少なくとも1つを含むプラズマ処理方法。
  164. 請求項158の方法において、前記Si含有層を形成する工程は、PVD法により実施されるプラズマ処理方法。
  165. 請求項158の方法において、前記Si含有層を形成する工程は、CVD法により実施されるプラズマ処理方法。
  166. 表面の少なくとも一部がSiである部材と、第1電極と、この第1電極と対向位置にある第2電極とが内部に設けられた処理容器を準備する工程と、
    前記処理容器内の前記第1電極に、エッチング対象層とこのエッチング対象層を覆い開口パターンが形成されたマスク層とを有する被処理体を載置する工程と、
    前記処理容器内に不活性ガスを導入する工程と、
    前記第1電極に高周波電力を印加する工程と、
    前記第2電極に高周波電力を印加する工程と、
    前記処理容器の中にエッチングガスを導入する工程と、
    前記処理容器の中で、前記高周波電力によりプラズマ化されたエッチングガスにより、前記マスク層の開口パターンを通して前記エッチング対象層をエッチングする工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  167. 請求項166の方法において、前記表面の少なくとも一部がSiである部材は、前記第2電極の電極板であるプラズマ処理方法。
  168. 請求項166の方法において、前記プラズマエッチングする工程の後に、マスク層を多段階でプラズマ除去する工程をさらに有するプラズマ処理方法。
  169. 処理容器の中にあるサセプタに、エッチング対象層とこのエッチング対象層を覆い開口パターンが形成されたArFフォトレジストまたはF2フォトレジストからなるフォトレジスト層とを有する被処理体を載置する工程と、
    前記処理容器の中にSi化合物を含むエッチングガスを導入する工程と、
    前記エッチングガスをプラズマ化する工程と、
    前記処理容器の中で、前記エッチングガスのプラズマにより、前記フォトレジスト層の開口パターンを通して前記エッチング対象層をエッチングする工程と
    を有するプラズマ処理方法。
  170. 請求項169の方法において、前記Si化合物は、SiFであるプラズマ処理方法。
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