JPWO2003092759A1 - 多孔質複合材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は多孔質複合材料の製造方法に関する。さらに詳しくは、大きな気孔径と高い気孔率を有し、骨充填剤等のインプラントに適した機械的強度特性を備えた、多孔質複合材料の製造方法に関する。
背景技術
従来、骨欠損部の修復には、自家骨の一部を移植する手法や、人工インプラントにより補充・置換する手法が採用されている。こうした骨代替用インプラントには、生体骨類似の機械的特性に加えて、生体適合性や骨伝導性・骨誘導性(骨組織を呼び込み、骨形成を促す性質)といった性質が求められる。そのため、骨組織が侵入しやすく、良好な骨伝導性・骨誘導性が得られる、多孔質セラミックス等の多孔質材料が、骨代替用インプラントに好んで使用されてきた。
しかしながら、現在市販されている多孔質ハイドロキシアパタイトは非吸収性のため、多孔質といえども外部と連絡のない気孔には細胞が侵入できず、最終的に得られる強度もあまり高くなかった。また、手術時に水分を吸収すると崩壊しやすくなるため、強度を必要とする手術での使用には困難があるという問題点もあった。
一方、生体吸収性で気孔率75%の多孔質β−TCPからなる骨充填剤(オスフェリオン登録商標オリンパス社製(平均気孔径100〜400μm))が市販されているが、このβ−TCPは操作時に非常に崩れやすいという問題がある。そのため、移植部位に合わせた成形が困難で、インプラントが移植部位から容易に脱落してしまうなど、扱い難い点も多かった。
他方、発明者らは、生体骨類似の構造を有するハイドロキシアパタイトとコラーゲンからなる複合材料を開発し、その性状を改良するために、これまで種々の検討を行ってきた。例えば、特開平7−101708号公報には、コラーゲン溶液とリン酸の混合溶液を水酸化カルシウムの懸濁液中に徐々に添加することで、生体骨類似のヤング率を有するアパタイト・有機物複合体の製造方法が開示されている。また、特開平11−199209号公報には、反応時のpHと温度を制御することで生体骨類似の構造を実現できることが開示されている。さらに、特開平2000−5298号公報には、有機酸を用いてコラーゲン表面へのアパタイト形成を向上させる技術が開示されている。
しかしながら、これらの努力にもかかわらず、従来の技術で得られるハイドロキシアパタイトとコラーゲンからなる複合体は気孔径が小さく(0〜100μm程度)、また気孔率が低いもの(50%以下)も多かった。
本発明は、大きな気孔径と高い気孔率を有し、骨充填剤等のインプラントに適した機械的強度特性を有する、新規多孔質複合材料を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ハイドロキシアパタイトとコラーゲンからなる複合体において、該複合体を構成するコラーゲンの一部をゼラチン化させて凍結した後、凍結乾燥すると、大きな気孔径と高い気孔率を有する複合材料が得られることを見出した。さらに、該複合材料に表面架橋を施すことによって、骨充填材等のインプラントに適した機械的強度特性が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(10)を提供するものである。
(1)炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、およびハイドロキシアパタイトから選ばれるいずれか1または2以上のカルシウム塩と、少なくとも一部がゼラチン化されているコラーゲンとを含む複合体を凍結した後、さらに凍結乾燥する工程を含む、多孔質複合材料の製造方法。
(2)上記(1)記載の方法によって得られる多孔質複合材料に、さらにコラーゲン間の表面架橋を導入する工程を含む、多孔質複合材料の製造方法。
(3)表面架橋を導入する工程が、多孔質複合材料を架橋剤を含む溶液に浸漬することによって行われる、上記(2)記載の方法。
(4)ゼラチン化されているコラーゲンに架橋剤を添加して、コラーゲン間の内部架橋を導入する工程を含む、上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の方法。
(5)カルシウム塩がハイドロキシアパタイトである、上記(1)〜(4)のいずれか1に記載の方法。
(6)以下の工程を含む、多孔質複合材料の製造方法。
1)ハイドロキシアパタイトとコラーゲンを含む複合体において、該複合体を構成するコラーゲンの少なくとも一部をゼラチン化させる工程
2)上記複合体に架橋剤を添加し、コラーゲン間の内部架橋を導入する工程
3)上記複合体を凍結した後、さらに凍結乾燥して多孔質複合材料を得る工程
4)上記多孔質複合材料を架橋剤を含む溶液に浸漬して、コラーゲン間の表面架橋を導入する工程
(7)コラーゲン間の内部架橋および/または表面架橋が、グルタールアルデヒドを架橋剤として導入される、上記(2)〜(6)のいずれか1に記載の方法。
(8)得られる多孔質複合材料が気孔率80%以上を有する、上記(1)〜(7)のいずれか1に記載の方法。
(9)上記(1)〜(8)のいずれか1に記載の方法によって製造される気孔率80%以上の多孔質複合材料。
(10)上記(9)記載の多孔質複合材料からなるインプラント。
発明の開示
1. 多孔質複合材料の製造方法
本発明は、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムおよびハイドロキシアパタイトから選ばれる1または2以上のカルシウム塩と、コラーゲンとを含む多孔質複合材料の製造方法に関する。
本発明の製造方法は、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムおよびハイドロキシアパタイトから選ばれる1または2以上のカルシウム塩と、少なくとも一部がゼラチン化されているコラーゲンとを含む複合体を凍結した後、凍結乾燥することにより、多数の孔を有する複合材料(多孔質複合材料)を製造することを特徴とする。得られた多孔質複合材料は、さらにコラーゲン間の表面架橋を導入することによって、インプラントに適した機械的強度特性を実現することができる。
以下、本発明の製造方法について詳細に説明する。
1.1 カルシウム塩と、少なくとも一部がゼラチン化されているコラーゲンとを含む複合体:
本発明の多孔質複合材料は、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムおよびハイドロキシアパタイトから選ばれる1または2以上のカルシウム塩と、少なくとも一部がゼラチン化されているコラーゲンとを含む複合体から製造される。
1)カルシウム塩(ハイドロキシアパタイト)
本発明の複合体を構成する「カルシウム塩」は、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムおよびハイドロキシアパタイトから選ばれる1または2以上のカルシウム塩であるが、特にハイドロキシアパタイトが最も好ましい。
ハイドロキシアパタイトは、一般組成をCa5(PO4)3OH、とする化合物であり、CaHPO4、Ca3(PO4)2、Ca4O(PO4)2、Ca10(PO4)6(OH)2、CaP4O11、Ca(PO3)2、Ca2P2O7、Ca(H2PO4)2・H2Oなどのリン酸カルシウムと称される1群の化合物を含む。また、ハイドロキシアパタイトは、Ca5(PO4)3OH、またはCa10(PO4)6(OH)2の組成式で示される化合物を基本成分とするもので、Ca成分の一部分は、Sr、Ba、MG、Fe、Al、Y、La、Na、K、Hなどから選ばれる1種以上で置換されてもよい。また、(PO4)成分の一部分が、VO4、BO3、SO4、CO3、SiO4等から選ばれる1種以上で置換されてもよい。さらに、(OH)成分の一部分が、F、Cl、O、CO3等から選ばれる1種以上で置換されてもよい。また、これらの各成分の一部に欠陥があってもよい。生体骨中のアパタイトのPO4およびOH成分の一部は通常CO3に置換されているため、本多孔質複合材料の製造中、前記各成分が大気中からのCO3の混入によって一部置換(0〜10質量%程度)されてもよい。
なお、ハイドロキシアパタイトは、通常の微結晶・非晶質ならびに結晶体の他に、同型固溶体、置換型固溶体、侵入型固溶体であってもよい。また、この「ハイドロキシアパタイト」中、カルシウムおよびリンの原子比(Ca/P)は1.3〜1.8の範囲内にあることが好ましく、特に1.5〜1.7がより好ましい。原子比が1.3〜1.8の範囲内にあると、生成物中のアパタイト(リン酸カルシウム化合物)の組成と結晶構造が、脊椎動物の骨の中に存在するアパタイトと類似の組成と構造をとりうるため、生体親和性・生体吸収性が高くなるからである。
2)コラーゲン
本発明の複合体を構成する「コラーゲン」には、三重らせん構造をとる通常のコラーゲン分子のほか、熱処理等によりこの三重らせん構造が壊れ、ゼラチン化した「変性コラーゲン」をも含むものとする。
コラーゲンは、現在では20種類程度の分子種の異なるものが、哺乳動物に限らず、魚類を含む広範な動物の生体組織中に存在することが知られており、「コラーゲン類」と総称される。本発明で用いられるコラーゲンは、その出発原料とする動物の種、組織部位、年齢等は特に限定されず、任意のものを用いることができる。なお、一般的には、哺乳動物(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ウサギ、ネズミ等)や鳥類(例えば、ニワトリ等)の皮膚、骨、軟骨、腱、臓器などから得られるコラーゲンが用いられる。また、魚類(例えば、タラ、ヒラメ、カレイ、サケ、マス、マグロ、サバ、タイ、イワシ、サメ等)の皮、骨、軟骨、ひれ、うろこ、臓器などから得られるコラーゲン様蛋白を出発原料として用いてもよい。あるいは、動物組織からの抽出ではなく、遺伝子組み替え技術によって得られたコラーゲンを用いてもよい。
コラーゲンの分子種のなかで最も量が多く、よく研究されているのはI型コラーゲンで、通常、単にコラーゲンという場合はI型コラーゲンを指すことも多い。本発明で用いられるコラーゲンの分子種は特に限定されないが、I型コラーゲンを主成分とすることが好ましい。さらに、コラーゲンは、コラーゲンタンパク質のアミノ酸残基を、アセチル化、コハク化、マレイル化、フタル化、ベンゾイル化、エステル化、アミド化、グアニジノ化など、適当に化学修飾して用いてもよい。
コラーゲンの調製方法としては、例えば、前記出発原料(遺伝子組み替え技術は除く)から中性緩衝液や塩酸、酢酸、クエン酸などの希酸で抽出する方法が挙げられる。前者は中性塩可溶性コラーゲン、後者は酸可溶性コラーゲンと呼ばれる。しかし、いずれも抽出されるコラーゲンの量は少なく、大部分は不溶性コラーゲンとして残留する。この不溶性コラーゲンを可溶化させる方法としては、酵素可溶化法とアルカリ可溶化法が知られている。前者は酵素可溶化コラーゲン、後者はアルカリ可溶化コラーゲンと呼ばれるが、ともにほぼ100%の収率で分子状のコラーゲンとして可溶化できる。
本発明に用いられるコラーゲンの調製方法(抽出型)は、特に限定されないが、コラーゲンが可溶化しているときの分子量が大きいと、立体障害のために複合体の強度が不十分となるため、モノメリック(単分子)なコラーゲンを用いることが好ましい。特に、酵素可溶化コラーゲンとアルカリ可溶化コラーゲンは、モノメリック分が多量であることに加えて、調製段階でコラーゲンの抗原性の大部分を有する非螺旋部(テロペプチド)が、選択的に分解・除去されるため、本発明の有機無機多孔質複合材料に好適である。なお、この非螺旋部が分解、除去されたコラーゲンはアテロコラーゲンと呼ばれる。
酵素可溶化コラーゲンとアルカリ可溶化コラーゲンでは、等イオン点に違いがみられる。等イオン点とは、タンパク質分子に固有の解離基に由来する正、負の両荷電がちょうど相殺するpHのことで、コラーゲンの場合は等イオン点のpH領域に近づくと、可溶化していたものが線維化することが知られている。一般的に、酵素可溶化コラーゲンの等イオン点はpH8〜9で、アルカリ可溶化コラーゲンの等イオン点はpH4〜5である。本発明では、pHが7〜11に保たれた反応容器中でコラーゲンの線維化が進み、自己組織化しやすい酵素可溶化コラーゲンを用いることがより好ましい。また、可溶化するための酵素としては、例えば、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、プロナーゼなどが例示されるが、酵素反応後の処理の容易性からペプシン、プロナーゼが好適に用いられる。
3)カルシウム塩とコラーゲンを含む複合体
本発明で用いられる複合体中のコラーゲンは、少なくとも一部がゼラチン化されていなければならない。なお、「ゼラチン」とは、熱湯処理等によりコラーゲンのペプチド連鎖間の塩類結合や水素結合が開裂して、非可逆的に水溶性蛋白質に変化した変性コラーゲンを意味する。前述したように、本明細書中において「コラーゲン」という用語には、このゼラチン化したコラーゲンをも含むものとする。コラーゲンのゼラチン化は、カルシウム塩とコラーゲンを含む複合体において、該複合体を構成するコラーゲンの一部をゼラチン化させてもよいし、あるいは市販のゼラチン粉末を溶解したものなど、ゼラチン化させたコラーゲンを外部から複合体に添加してもよい。
本発明の製造方法は、「カルシウム塩とコラーゲンを含む複合体」が反応の出発物質となるが、このような複合体は、市販のものを用いてもよいし、既知の方法に従って作製してもよい。該複合体の好適な例としては、「ハイドロキシアパタイトとコラーゲンを含む複合体」を挙げることができ、特に、「自己組織化されたハイドロキシアパタイトとコラーゲンを含む複合体」が最も好ましい。これらの複合体については、2.3で詳述する。
1.2 コラーゲンのゼラチン化
カルシウム塩とコラーゲンを含む複合体において、該複合体を構成するコラーゲンの一部をゼラチン化させる方法としては、例えば、PBSやTris等の生理的緩衝液、あるいは水を複合体に添加して加温する方法や、少量の酸を加えた生理的緩衝液や水を複合体に添加して加温する方法等が挙げられる。
添加する緩衝液や水の量は、コラーゲン1gに対して24〜60ml程度(コラーゲン25%の複合体の場合、該複合体1gに対して6〜15ml程度)が好ましい。この緩衝液の添加量を変化させることによって、得られる多孔質複合材料の気孔率や気孔径、強度を適宜制御することができる。また、酸を加える場合は、グルコン酸等の弱酸を用い、pHを調整するために、炭酸カルシウム等の弱アルカリとともに加えることが好ましい。用いる酸の量は、グルコン酸の場合であれば、コラーゲン1gに対して0.8gから4g程度(コラーゲン25%の複合体の場合、該複合体1gに対してグルコン酸200mg〜1000mg程度)が好ましい。なお、同時に加えるアルカリの量は、pHが5.0前後となるよう、グルコン酸の量に合わせて適宜設定すればよい。
反応温度は、酸を加えない場合であれば、40〜50℃、特に45℃程度が好ましく、反応時間は60分〜120分程度が好ましい。酸を加える場合は、35〜45℃、特に40℃程度が好ましく、反応時間は60分〜120分程度が好ましい。すなわち、酸を加える方法では比較的低温でコラーゲンをゼラチン化させることができる。
この反応温度や反応時間を変化させることによって、ゼラチン化の割合を変化させ、得られる多孔質複合材料の気孔径や機械的強度特性を適宜制御することができる。すなわち、反応温度が低すぎたり、反応時間が短かすぎたりすると、十分なゼラチン化が起こらず、結果として多孔質複合材料の気孔径が小さくなり、強度が低下する。また、反応温度が高すぎたり、反応時間が長すぎたりすると、ゼラチン化が過剰になり、得られる多孔質複合材料の強度が低下する。
1.3 複合体の凍結
次に、少なくとも一部がゼラチン化されているコラーゲンを含む複合体は、適当な型に入れて凍結させる。
1)冷却
前記したゼラチン化反応後の複合体は、加温された状態のままでは粘性が低く、このまま型に入れると複合体が沈澱し、均一な構造の多孔質複合体を得ることができない。そこで、一旦冷却して、ゲル化させてから型に入れることが好ましい。冷却方法は特に限定されず、例えば氷冷するなどして、ゼリー状、あるいはムース状になるまで冷却する。
この冷却工程で、ゼラチン化されたコラーゲンは複合体内に均一に入り込み、ゼリー状に固化する。したがって、これを凍結させると複合体内に氷の結晶が均一に成長し、この氷の結晶部分が次の凍結乾燥工程で気孔となり、大きな気孔径と高い気孔率、および特有の機械的特性(弾性)を有する多孔質複合材料を与える。
2)内部架橋
さらに、型に入れる前の複合体に、適当な架橋剤を添加することによって複合体を構成するコラーゲン間に内部架橋を導入すると、得られる多孔体の気孔径が大きくなり、通気孔も増すため、好ましい。
ここで、「内部架橋」とは、複合体の内部に存在するコラーゲン間に導入される架橋を意味する。架橋は、ゼラチン化されていないコラーゲン間のほか、ゼラチン化されたコラーゲン間、ゼラチン化されていないコラーゲンとゼラチン化されたコラーゲン間のいずれの間においても生じる。また架橋は、コラーゲンのどの部分を架橋するものであってもよいが、特にカルボキシル基と水酸基、カルボキシル基とε−アミノ基、ε−アミノ基同士を架橋することが好ましい。
架橋は、架橋剤や縮合剤を用いた化学的架橋、γ線、紫外線、熱脱水、電子線等を用いた物理的架橋など、いずれの方法で行ってもよいが、架橋剤を用いた化学的架橋が好ましい。
用いられる架橋剤としては、例えば、グルタールアルデヒド、ホルムアルデヒド等のアルデヒド系架橋剤;ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート系架橋剤;1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等のカルボジド系架橋剤;エチレングリコールジエチルエーテル等のポリエポキシ系架橋剤;トランスグルタミナーゼ等が挙げられるが、グルタールアルデヒドが好ましい。添加する架橋剤の量は、用いる架橋剤によって適宜設定されるが、グルタールアルデヒドの場合であれば、ゼラチン化前のコラーゲン初期量1gに対して0.4〜40mg、特に4〜10mg程度(コラーゲン25%の複合体1gに対して、0.1〜10mg、特に1〜2.5mg程度)が好ましい。
3)凍結
冷却した複合体は、常法に従い凍結させる。凍結は、冷凍庫内で凍結の進むスピードを遅くするようにして、氷の結晶を成長させる。この氷の結晶が、次の凍結乾燥工程によって気孔となる。気孔の大きさは得られる多孔質複合材料の強度に影響するため、微妙な温度制御が可能な冷蔵庫を用いれば、凍結のスピードを制御することができるため、より好ましい。
1.4 凍結乾燥
凍結した複合体は、常法に従い凍結乾燥させる。この凍結乾燥工程によって、凍結工程で複合体内に形成された無数の氷の結晶が、気孔となり、所望の気孔率と気孔径を有する多孔質複合材料を与える。
1.5 表面架橋
得られた多孔質複合材料は、コラーゲン間に表面架橋を導入して、機械的強度特性を高めることができる。ここで、「表面架橋」とは、多孔質複合材料の表面に存在するコラーゲン間に導入される架橋を意味する。
表面架橋は、架橋剤や縮合剤を用いた化学的架橋、γ線、紫外線、熱脱水、電子線等を用いた物理的架橋など、いずれの方法で行ってもよい。架橋剤としては、例えば、グルタールアルデヒド、ホルムアルデヒド等のアルデヒド系架橋剤;ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート系架橋剤;1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等のカルボジド系架橋剤;エチレングリコールジエチルエーテル等のポリエポキシ系架橋剤;トランスグルタミナーゼ等が挙げられる。これらの架橋剤の使用量は、架橋剤の種類によって適宜設定されるが、複合体1gに対して1μmol以上とすることが好ましい。
前記架橋は、コラーゲン同士のどの部分を架橋するものであってもよいが、特にカルボキシル基と水酸基、カルボキシル基とε−アミノ基、ε−アミノ基同士を架橋することが好ましい。また、反応可能な官能基のうち、その少なくとも1%以上に架橋が導入されることが好ましく、5%以上に導入されることがより好ましい。架橋が不十分だと十分な機械的強度特性が期待できないからである。ただし、過剰な架橋剤の使用は、複合体を却って脆くするため注意が必要である。
前記架橋方法のうち、グルタールアルデヒド等の架橋剤を用いた化学的架橋は、架橋度のコントロールしやすさや、得られる複合体の生体適合性という面から、特に好ましい。化学的架橋は、架橋剤を含む溶液に前項で得られた多孔質複合材料を浸漬することによって行うことができる。
以下、本発明の好適な態様として、グルタールアルデヒドを用いた架橋方法について説明する。まず、前項で得られた多孔質複合材料を、グルタールアルデヒド0.001〜1%、好ましくは0.005〜0.1%程度を含む溶液に浸漬(脱泡吸引)する。溶媒としては、50〜100%のエタノールを用いると、架橋が密になるため好ましい。浸漬条件は、グルタールアルデヒドの濃度に応じて適宜設定されるが、架橋反応を均等に進めるため、通常室温以下で60分〜5時間程度かけてゆっくりと行うことが好ましい。架橋反応後、多孔質複合材料は純水で洗浄して過剰なグルタールアルデヒドを除去する。さらに、グリシン溶液等を用いて残留するグルタールアルデヒドを中和するとよい。また、架橋後の多孔質複合材料はさらに凍結乾燥してもよい。
こうして、表面架橋を導入することによって、多孔質複合材料は所望の機械的強度特性を有するようになる。また、架橋の導入率によって、生体内での分解速度も制御することができる。
1.6 その他
その他、本発明の目的と効果を損なわない範囲で、上記工程に適当な改変や追加工程を加えることができる。例えば、架橋反応に先立って、ヒアルロン酸等の多糖類を加えることにより、架橋点を増やして、機械的強度をより高めることができる。また、ゼラチン化したコラーゲンの代りにヒアルロン酸等の多糖類を加え、これらに架橋を導入し、ゲル化させて凍結させることによっても、大きな気孔径と高い気孔率を有する多孔体を得ることができる。
さらに、表面架橋後の多孔質複合材料の強度を高めるために、種々の処理を施すこともできる。例えば、ハイドロキシアパタイトとコラーゲンからなる複合体のスラリーに浸漬することによって、多孔質複合材料表面にハイドロキシアパタイトとコラーゲンのコーティングを施してもよい。また、ハイドロキシアパタイトのスラリーに浸漬することによって、多孔質複合材料表面にハイドロキシアパタイトのコーティングを施してもよい。あるいは、カルシウム、リンへの交互浸漬法によって、多孔質複合材料表面のみならず、多孔質複合材料内部にハイドロキシアパタイトを析出させてもよい。
2. 本発明の多孔質複合材料
2.1 多孔質複合材料の物性(気孔率、気孔径、機械的強度特性)
本発明の方法によって得られる多孔質複合材料は、高い気孔率と気孔径、ならびに適度な機械的強度特性を有する。好ましい条件において得られる多孔質複合材料の気孔率は、80〜95%、気孔径は50〜2000μm程度である。しかしながら、この多孔質複合材料の気孔率や気孔径は、ゼラチン化工程における、緩衝液の量や反応温度・反応時間、凍結工程における凍結スピード等によって適宜変化させることができる。従って、前記した条件を変化させることによって、所望の気孔率、気孔径を有する多孔質複合材料を得ることができる。さらに、内部架橋や表面架橋の条件を適宜設定することによって、所望の強度を有する多孔質複合材料を得ることができる。
2.2 多孔質複合材料の物性の評価
本発明の多孔質複合材料の気孔率、気孔径は、例えば、電子顕微鏡写真の画像解析等によって測定、評価することができる。また、機械的強度特性は、例えば、三点曲げ強度やその値から求められるヤング率により、あるいは移植試験等の実使用時の操作性を官能評価することにより、評価することができる。
2.3 自己組織化されたハイドロキシアパタイトとコラーゲンを含む多孔質複合材料
本発明の多孔質複合材料の好適な例として、ハイドロキシアパタイトのc軸がコラーゲン繊維に沿うように配向した微小多孔質構造を有するハイドロキシアパタイトとコラーゲンを含む多孔質複合材料を挙げることができる。
該複合生体材料は、自己組織化されたハイドロキシアパタイトとコラーゲンを含む複合体を出発物質として製造される。ここで、「自己組織化」とは、一般的には「同種あるいは異種の原子、分子、微粒子などが、非共有結合的相互作用によって集合し、特異的な組織を形成すること(東京化学同人「生化学辞典」より)」を意味するが、特に本発明中においては、コラーゲン繊維に沿って、アパタイト構造を有するハイドロキシアパタイトが生体骨特有の配向、すなわちハイドロキシアパタイトのc軸がコラーゲン繊維に沿うように配向した微小多孔質構造を形成することを意味するものとする。自己組織化されたハイドロキシアパタイトとコラーゲンを含む複合体は、例えば、Kikuchiらの方法(Kikuchi,S.et al,J,,Biomater.,22(13)(2001),1705−1711,S.Itoh et al,J.Biomed Mater Res,(2001),445−453)に従って製造することができる。
このハイドロキシアパタイトのc軸がコラーゲン繊維に沿うように配向した微小多孔質構造は、本発明の製造工程中でも一部維持される。従って、得られる多孔質複合材料は、生体骨類似の微小多孔質構造を有する多孔質複合材料となる。
2.4 その他
本発明の多孔質複合材料には、本発明の目的・効果を損なわない範囲で、さらに他の成分を含有させることもできる。かかる成分としては、例えばSt、MgおよびCO3等の無機塩、クエン酸およびリン脂質等の有機物、骨形成タンパク質、抗ガン剤等の薬剤が挙げられる。
3. 多孔質複合材料の利用方法
3.1 インプラント
本発明の方法によって得られた多孔質複合材料は、高い気孔率であり、各構成成分がともに生分解性であるため、細胞の侵入性が良好で、かつ、ハイドロキシアパタイトやコラーゲンを含むため骨伝導性に優れている。しかも、架橋によって適度な機械的強度特性と生体内滞留性(適度な生体内分解速度)を制御することができる。従って、本発明の多孔質複合材料は、骨充填剤等の整形外科領域で用いられるインプラントや歯科領域で用いられるインプラントに適している。
前記インプラントの形態・形状は特に限定されず、ブロック状、ペースト状、膜状、粒状、スポンジ状など、その用途にあわせて任意の形態・形状に成形することができる。
本発明の多孔質複合材料は、圧縮強度は低いが、水分を吸収することにより、スポンジのような弾性を有し、変形するほど(つぶれるほどの)の力を加えても崩れにくく、再び水分を吸収して、速やかに元の形状に戻る。この特徴は、手術時の優れた操作性を実現する。また、この特徴を生かして、本発明の多孔質複合材料をインプラントとして使用する場合に、生理食塩水など適当な液体に一旦浸漬してから使用してもよい。
3.2 薬物除放担体(細胞担体、DNA担体)
また、本発明の多孔質複合材料は、タンパク質やDNA等を吸着する性質を有するハイドロキシアパタイト等の表面積が大きく、また実質部の密度も高すぎないため、薬剤等の浸透・放出が起こりやすい。したがって、本発明の多孔質複合材料は薬物除放担体として利用できる。本発明の多孔質複合材料を用いた薬物除放担体は、薬剤の吸着性が高く、形状の維持に優れている。また、従来のハイドロキシアパタイトとコラーゲンからなるブロック体に比べて、薬物の吸着性や細胞の侵入性がより高い。本発明の多孔質複合材料を用いた薬物除放担体は、例えば、抗癌剤等を含浸させるて骨肉腫などの切除骨の再建に用いることで、癌再発の防止とともに生体硬組織の誘導を行うことができる。
また、前記担体は、薬物に限らず、細胞やDNAの担体としても用いることができる。例えば、細胞担体として用いる場合であれば、陰圧にして担体内に細胞を吸引させて導入し、これを目的とする部位に適用する。
3.3 細胞培養基盤(足場材料)
本発明の多孔質複合材料は、その高い気孔率と気孔径、およびその柔軟性を生かして、細胞培養の基盤(足場材料)として利用することができる。例えば、生理活性の高いサイトカインを含有させ、これを基盤として力学・電気などを加えた生体類似環境下あるいは生体内で組織培養を行うことにより、骨髄、肝臓などの組織再建を行うことができる。
すなわち、本発明によって得られる多孔質複合材料は、人工骨、人工関節、腱と骨との接合材、歯科用インプラント材、カテーテル用経皮端子、薬剤徐放担体、細胞担体、DNA担体、細胞培養基盤、骨髄誘導チャンバー、組織再建用チャンバー・基材等に幅広く利用することができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例により本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]ハイドロキシアパタイト/コラーゲン(HAp/Col)多孔体の作製
1.HAp/Col複合材料の製造
(1)コラーゲンのゼラチン化
Kikuchiらの方法(M.Kikuchi,et al.,Biomater.,22(13)(2001),1705−1711)に従って調製したHAp/Col複合体(HAp:Col=3:1)の粉末(凍結乾燥粉末)500mgに、PBS 6mlを加えて混合し、45℃で90分インキュベートして、コラーゲンの一部をゼラチン化させた。
(2)内部架橋
上記ゼラチン化させたHAp/Col複合体を冷却し、とろとろの状態になったところで、0.5mlのPBSに25%グルタールアルデヒド2μlを加えたものを添加し、型に入れて氷冷した。
(3)凍結
氷冷したHAp/Col複合体を型のまま450mlのプラスチックケースに入れ、密封した上で−20℃のフリーザーで凍結した。
(4)凍結乾燥
凍結したHAp/Col複合体を、常法に従い凍結乾燥した。得られた多孔体を図1に示す。
(5)表面架橋
0.01%のグルタールアルデヒドを含む50%エタノールに、凍結乾燥した複合体を2時間浸漬して、多孔体表面のコラーゲン間に架橋(表面架橋)を導入した。反応終了後、純水で洗浄して残留したグルタールアルデヒドを除去し、さらにグリシン溶液を添加して残留グルタールアルデヒドを中和後、純水で洗浄、乾燥させて、目的とするHAp/Col多孔体を得た。
2.HAp/Col多孔体の評価
図1から明らかなように、得られたHAp/Col多孔体は、ポアサイズ50〜2000μm程度の比較的大きな気泡を無数に含み、その気孔率は約80〜95%程度と推定された。このHAp/Col多孔体に表面架橋を加えたものは、水に浸漬すると、弾性を有するスポンジ状になり、外から力を加えて変形させても、力を取り除くとまたすぐに元に戻る性質を有していた。
[実施例2]HAp/Col多孔体作製条件の検討
実施例1の製造工程で各条件を変化させ、得られる多孔体の気孔径、気孔率について検討した。なお、各多孔体は表面架橋は行っていない。
1.ゼラチン化条件の検討
(1)インキュベーション時間
ゼラチン化工程のインキュベーション時間を30分にするほかは、実施例1.と同様にしてHAp/Col多孔体を作製し、実施例1で得られたHAp/Col多孔体と比較した(図2)。
その結果、インキュベーション時間が30分で作製された多孔体は、90分で作製された多孔体に比較して気孔径が非常に小さかった。
(2)PBS量
ゼラチン化工程で加えるPBS量を5mlまたは7mlにするほかは、実施例1.と同様にしてHAp/Col多孔体を作製し、実施例1で得られたHAp/Col多孔体と比較した(図3)。
その結果、PBSが5ml、6ml、7mlのいずれの量でも、十分大きな気孔径を有する多孔体が得られることが確認された。また、気孔径は7mlのほうが5ml、6mlよりもわずかに大きく、水に浸漬するとより柔軟であった。
(3)ゼラチン化しないHAp/Colの混合
ゼラチン化工程で、HAp/Col(500mg)のうち3割はPBSを加えて45℃、90分インキュベーションし、残り7割はPBSを加えて40℃、60分インキュベーションし(40℃、60分ではほとんどゼラチン化は起こらない)、その後これらを混ぜ、実施例1.と同様にしてHAp/Col多孔体を作製した(図4)。
その結果、上記方法でも十分な気孔径を有する多孔体が得られた。この多孔体は実施例1の多孔体よりも連通孔が多かった。
(4)酸の添加
ゼラチン化工程で、グルコン酸300mgと炭酸カルシウム83mgをPBS4mlに加え、40℃、90分インキュベーションした。それ以外は、実施例1と同様にして多孔体を作製した。
その結果、酸を添加すると40℃でもゼラチン化が起こり、大きな気孔径を有する多孔体が得られることがわかった。
2.内部架橋条件の検討
内部架橋工程で加える25%グルタールアルデヒドを5μlにするほかは、実施例1.と同様にしてHAp/Col多孔体を作製し、実施例1で得られたHAp/Col多孔体と比較した(図5)。
その結果、25%グルタールアルデヒドを5μl添加して作製した多孔体を水に浸漬したものは、2μlで作製した多孔体を同様に水に浸漬したものに比較して、より硬く、連通孔が多かった。
4.凍結条件の検討
凍結工程で、HAp/Col複合体をケースに入れずに−80℃のフリーザーで凍結させるほかは、実施例1.と同様にしてHAp/Col多孔体を作製し、実施例1.と同様にしてHAp/Col多孔体を作製し、実施例1で得られたHAp/Col多孔体と比較した(図6)。
その結果、−80℃で凍結させて作製した多孔体は、−20℃で凍結させて作製した多孔体に比較して、気孔径が非常に小さかった。
[実施例3]HAp/Col多孔体のラット大腿骨内移植実験
1.移植用インプラントの調製
Kikuchiらの方法に従って調整したHAp/Col複合体(HAp:Col=3:1)の粉末500mgに、PBS4mlおよびグルコン酸300mgと炭酸カルシウム83mgを加え、40℃で90分インキュベートし、ゼラチン化させた。ゼラチン化させた複合体は−20℃のフリーザーで凍結し、さらに凍結乾燥してHAp/Col多孔体を得た。得られた多孔体を0.01%のグルタールアルデヒド溶液に2時間浸漬して、複合体表面のコラーゲン間に架橋(表面架橋)を導入した。
さらに上記の条件で、実施例1と同様の方法で内部架橋を施した多孔体、および0.5%グルタールアルデヒド(GA)で表面架橋を導入した多孔体も作製した。
作製した多孔体を2×2×3mmの大きさに切断し、ラット大腿骨内移植用インプラントを調製した。
2.ラット大腿骨内移植
ウィスター系ラットの大腿骨遠位部に直径約3mmの骨孔をあけ、調製したインプラントを移植した。インプラントは移植後1、2、3、4、6週後の各時点で取り出しヘマトキシリン・エオジン染色を行って観察した(図7〜図12)。
3.結果
(1)0.01%GA表面架橋HAp/Col多孔体
この多孔体は、内部架橋を施した(2)の多孔体に比べて、気孔率が低く連通孔も少ないため、細胞の侵入性も良くないが、時間の経過とともにインプラントは吸収され、良好な骨の形成が認められた。
ちなみに、移植1週間目では周囲からの良好な細胞侵入や新生骨の形成が一部では認められたが(図7B、7C)、他の一部では細胞の侵入していない気孔も認められた(図7A)。移植2週間目では細胞の侵入も増加し、インプラントに接した新生骨の形成も認められた。移植3週間目では、実質部での細胞の侵入と新生骨の形成はさらに増加し(図8A、8C)、新生骨の形成につれて、吸収によるインプラントの減少も目立ってきた(図8B)。
(2)0.01%GA表面架橋+内部架橋HAp/Col多孔体
内部架橋を加えた多孔体は、(1)の多孔体に比べて気孔径がやや大きく、細胞の侵入性もより良好であった。ちなみに、移植2週間目から良好な細胞侵入とインプラント周囲での新生骨の形成が認められる一方で(図9A)、破骨細胞によるインプラントの吸収も認められた(図9B)。移植4週間目では、インプラントと新生骨の吸収が認められ(図10A〜C)、移植6週間目では、インプラントと新生骨の吸収がさらに進行していることが認められた(図11A〜C)
(3)0.05%GA表面架橋HAp/Col多孔体
この多孔体は架橋が多いためインプラントの吸収が悪く、移植後6週間たってもインプラントの残存が認められた(図12D)。
本明細書中で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書中にとり入れるものとする。
産業上の利用の可能性
本発明によれば、大きな気孔径と高い気孔率、ならびに骨代替用インプラントに適した機械的強度特性を有する、生分解性多孔質複合材料を製造することができる。該方法によって製造された多孔質複合材料は、インプラント、薬物除放担体等の各種担体、細胞培養基盤として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例1で作製されたHAp/Col多孔体の写真である(A:多孔体全体写真、B:拡大写真)。
図2は、ゼラチン化工程のインキュベーション時間が30分と90分の場合における、作製された多孔体を示す写真である(A:30分、B:90分)。
図3は、ゼラチン化工程で加えるPBSの量が5mlと7mlの場合における、作製された多孔体を示す写真である(A:5ml、B:7ml)
図4は、ゼラチン化しないHAp/Colの混合によって作製された多孔体の写真である(A:多孔体全体写真、B:拡大写真)。
図5は、内部架橋工程で加えるGA量が2μlと5μlの場合における、作製された多孔体を示す写真である(A:25%GA2μl、B:25%GA5μl)。
図6は、凍結温度が−20℃と−80℃の場合における、作製された多孔体を示す写真である(A:−20℃、B:−80℃)
図7は、実施例3における「0.01%GA表面架橋+内部架橋HAp/Col多孔体」のラット大腿骨内移植1週間目のHE染色画像である。
図8は、実施例3における、「0.01%GA表面架橋+内部架橋HAp/Col多孔体」のラット大腿骨内移植3週間目のHE染色画像である。
図9は、実施例3における、「0.01%GA表面架橋+内部架橋HAp/Col多孔体」のラット大腿骨内移植2週間目のHE染色画像である。
図10は、実施例3における、「0.01%GA表面架橋+内部架橋HAp/Col多孔体」のラット大腿骨内移植4週間目のHE染色画像である。
図11は、実施例3における、「0.01%GA表面架橋+内部架橋HAp/Col多孔体」のラット大腿骨内移植6週間目のHE染色画像である。
図12は、実施例3における、「0.05%GA表面架橋HAp/Col多孔体」のラット大腿骨内移植6週間目のHE染色画像である。
問題がある。そのため、移植部位に合わせた成形が困難で、インプラントが移植部位から容易に脱落してしまうなど、扱い難い点も多かった。
他方、発明者らは、生体骨類似の構造を有するハイドロキシアパタイトとコラーゲンからなる複合材料を開発し、その性状を改良するために、これまで種々の検討を行ってきた。例えば、特開平7−101708号公報には、コラーゲン溶液とリン酸の混合溶液を水酸化カルシウムの懸濁液中に徐々に添加することで、生体骨類似のヤング率を有するアパタイト・有機物複合体の製造方法が開示されている。また、特開平11−199209号公報には、反応時のpHと温度を制御することで生体骨類似の構造を実現できることが開示されている。さらに、特開平2000−5298号公報には、有機酸を用いてコラーゲン表面へのアパタイト形成を向上させる技術が開示されている。
しかしながら、これらの努力にもかかわらず、従来の技術で得られるハイドロキシアパタイトとコラーゲンからなる複合体は気孔径が小さく(0〜100μm程度)、また気孔率が低いもの(50%以下)も多かった。
本発明は、大きな気孔径と高い気孔率を有し、骨充填剤等のインプラントに適した機械的強度特性を有する、新規多孔質複合材料を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ハイドロキシアパタイトとコラーゲンからなる複合体において、該複合体を構成するコラーゲンの一部をゼラチン化させて凍結した後、凍結乾燥すると、大きな気孔径と高い気孔率を有する複合材料が得られることを見出した。さらに、該複合材料に表面架橋を施すことによって、骨充填材等のインプラントに適した機械的強度特性が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(12)を提供するものである。
(1)炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、およびハイドロキシアパタイトから選ばれるいずれか1または2以上のカルシウム塩と、少なくとも一部がゼラチン化されているコラーゲンとを含む複合体を冷却してゼラチンをゲル化させ、次いで凍結した後、さらに凍結乾燥する工程を含む、多孔質複合材料の製造方法。
(2)上記(1)記載の方法によって得られる多孔質複合材料に、さらにコラーゲン間の表面架橋を導入する工程を含む、多孔質複合材料の製造方法。
(3)表面架橋を導入する工程が、多孔質複合材料を架橋剤を含む溶液に浸漬することによって行われる、上記(2)記載の方法。
(4)ゼラチン化されているコラーゲンに架橋剤を添加して、コラーゲン間の内部架橋を導入する工程を含む、上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の方法。
(5)カルシウム塩がハイドロキシアパタイトである、上記(1)〜(4)のいずれか1に記載の方法。
(6)以下の工程を含む、多孔質複合材料の製造方法。
1)ハイドロキシアパタイトとコラーゲンを含む複合体において、該複合体を構成するコラーゲンの少なくとも一部をゼラチン化させる工程
2)上記複合体に架橋剤を添加し、コラーゲン間の内部架橋を導入する工程
3)上記複合体を冷却してゼラチンをゲル化させ、次いで凍結した後、さらに凍結乾燥して多孔質複合材料を得る工程
4)上記多孔質複合材料を架橋剤を含む溶液に浸漬して、コラーゲン間の表面架橋を導入する工程
(7)コラーゲン間の内部架橋および/または表面架橋が、グルタールアルデヒドを架橋剤として導入される、上記(2)〜(6)のいずれか1に記載の方法。
(8)コラーゲン間の表面架橋が、エタノールを溶媒とした架橋剤を含む溶液に多孔質複合材料を浸漬して導入される、上記(2)〜(7)のいずれか1に記載の方法。
(9)得られる多孔質複合材料が気孔率80%以上を有する、上記(1)〜(8)のいずれか1に記載の方法。
(10)ハイドロキシアパタイトのc軸がコラーゲン繊維に沿うように配向した複合体である、上記(1)〜(9)のいずれか1に記載の方法。
(11)上記(1)〜(10)のいずれか1に記載の方法によって製造される気孔率80%以上の多孔質複合材料。
(12)上記(11)記載の多孔質複合材料からなるインプラント。
発明の開示
1.多孔質複合材料の製造方法
本発明は、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムおよびハイドロキシアパタイトから選ばれる1または2以上のカルシウム塩と、コラーゲンとを含む多孔質複合材料の製造方法に関する。
本発明の製造方法は、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムおよびハイドロキシアパタイトから選ばれる1または2以上のカルシウム塩と、少なくとも一部がゼラチン化されているコラーゲンとを含む複合体を冷却してゼラチンをゲル化させ、次いで凍結した後、凍結乾燥することにより、多数の孔を有する複合材料(多孔質複合材料)を製造することを特徴とする。
得られた多孔質複合材料は、さらにコラーゲン間の表面架橋を導入することによって、インプラントに適した機械的強度特性を実現することができる。
以下、本発明の製造方法について詳細に説明する。
1.1 カルシウム塩と、少なくとも一部がゼラチン化されているコラーゲンとを含む複合体:
本発明の多孔質複合材料は、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムおよび
Claims (10)
- 炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、およびハイドロキシアパタイトから選ばれるいずれか1または2以上のカルシウム塩と、少なくとも一部がゼラチン化されているコラーゲンとを含む複合体を凍結した後、さらに凍結乾燥する工程を含む、多孔質複合材料の製造方法。
- 請求の範囲第1項記載の方法によって得られる多孔質複合材料に、さらにコラーゲン間の表面架橋を導入する工程を含む、多孔質複合材料の製造方法。
- 表面架橋を導入する工程が、多孔質複合材料を架橋剤を含む溶液に浸漬することによって行われる、請求の範囲第2項記載の方法。
- ゼラチン化されているコラーゲンに架橋剤を添加して、コラーゲン間の内部架橋を導入する工程を含む、請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項に記載の方法。
- カルシウム塩がハイドロキシアパタイトである、請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1項に記載の方法。
- 以下の工程を含む、多孔質複合材料の製造方法。
1) ハイドロキシアパタイトとコラーゲンを含む複合体において、該複合体を構成するコラーゲンの少なくとも一部をゼラチン化させる工程
2) 上記複合体に架橋剤を添加し、コラーゲン間の内部架橋を導入する工程
3) 上記複合体を凍結した後、さらに凍結乾燥して多孔質複合材料を得る工程
4) 上記多孔質複合材料を架橋剤を含む溶液に浸漬して、コラーゲン間の表面架橋を導入する工程 - コラーゲン間の内部架橋および/または表面架橋が、グルタールアルデヒドを架橋剤として導入される、請求の範囲第2項〜第6項のいずれか1項に記載の方法。
- 得られる多孔質複合材料が気孔率80%以上を有する、請求の範囲第1項〜第7項のいずれか1項に記載の方法。
- 請求の範囲第1項〜第8項のいずれか1項に記載の方法によって製造される気孔率80%以上の多孔質複合材料。
- 請求の範囲第9項記載の多孔質複合材料からなるインプラント。
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