JPWO2003079872A1 - マット - Google Patents
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Abstract
マット基材(2)のみで構成された、又は、マット基材(2)の表面にマット原反(1)が接合されて構成された、マットにおいて、マット基材(2)が、ゴム配合物を架橋処理して得られた架橋ゴムからなっており、ゴム配合物が、ゴム成分として、アクリロニトリル−ブタジエンゴムポリマーとアクリルゴムポリマーとを含有している。このマットでは、ゴム配合物がアクリルゴムポリマーも含有しているので、マット基材(2)の耐候性、特に耐オゾン劣化性が、良好である。
Description
技術分野
本発明は、マット基材のみで構成されたマット、又は、マット基材の表面にマット原反が接合されて構成されたマット、に関するものである。本発明は、特に、マット基材の耐オゾン劣化性などの耐候性が良好であるマット、に関するものである。本発明のマットは、足拭きマットなどのマット、特にレンタル用として使用されるマットである。
背景技術
マットの、特にレンタル用マットの、マット基材は、通常、ゴム配合物を架橋処理して得られた架橋ゴムからなっている。そして、マット基材のゴム配合物に含有させるゴム成分としては、ゴム配合物の耐油性や価格などの観点から、アクリロニトリル−ブタジエンゴムポリマー(以下、「NBRポリマー」と称する)が一般的に用いられている。
しかしながら、ゴム配合物のゴム成分として、NBRポリマーを用いると、架橋ゴムの、耐候性、特に耐オゾン劣化性が、悪かった。そのため、マット基材が当該架橋ゴムからなっているマットでは、保管中や配送中に、マット基材においてオゾン劣化が進行し、特に折畳まれた状態の場合には、折畳み部分に亀裂が生じるという不具合があった。このような不具合は、当該架橋ゴムが発泡ゴムである場合に、更に顕著であった。そこで、オゾン劣化による亀裂の発生を防止できる架橋ゴムを得ることができる、ゴム配合物が、要望されていた。
発明の開示
本発明は、耐候性、特に耐オゾン劣化性が良好であり、しかも、耐油性が良好であり、更に、従来のマットに比して製造コストがあまり高くない、マットを提供することを目的とする。
本発明は、マット基材のみで構成された、又は、マット基材の表面にマット原反が接合されて構成された、マットにおいて、マット基材が、ゴム配合物を架橋処理して得られた架橋ゴムからなっており、ゴム配合物が、ゴム成分として、アクリロニトリル−ブタジエンゴムポリマーとアクリルゴムポリマーとを含有していることを特徴としている。
本発明によれば、マット基材を得るのに用いるゴム配合物が、ゴム成分として、アクリルゴムポリマーも含有しているので、当該ゴム配合物を架橋処理して得られた架橋ゴム(即ち、マット基材)の、耐候性、特に耐オゾン劣化性を、良好なものにできる。しかも、ゴム配合物の製造時に老化防止剤を配合しなくても、上記耐候性を良好に維持できる。
本発明は、更に、次の構成(1)〜(8)を採用してもよい。
(1)マット基材の表面にマット原反が接合されて構成された、マットにおいて、マット基材が、マット原反の裏面全面に接合される本体部のみで構成されており、若しくは、該本体部と、マット原反の裏面には接合されず又は部分的に接合され、且つ、マット原反の縁からはみ出るように本体部の縁に接合されている、耳部と、で構成されており、若しくは、上記本体部と、マット原反の裏面には接合されず又は部分的に接合され、且つ、マット原反の縁に沿うように本体部の縁に接合されている、エッジ部と、で構成されており、少なくとも本体部を得るのに用いるゴム配合物が、ゴム成分として、アクリロニトリル−ブタジエンゴムポリマーとアクリルゴムポリマーとを含有している。
上記構成(1)によれば、少なくとも本体部を得るのに用いるゴム配合物が、ゴム成分として、アクリルゴムポリマーも含有しているので、当該ゴム配合物を架橋処理して得られた架橋ゴム(即ち、マット基材の少なくとも本体部)の、耐候性、特に耐オゾン劣化性を、良好なものにできる。しかも、ゴム配合物の製造時に老化防止剤を配合しなくても、上記耐候性を良好に維持できる。
なお、上記構成(1)は、次の構成(I)、(II)を採用してもよい。
(I)少なくとも本体部を構成する架橋ゴムが、発泡ゴムである。
上記構成(I)によれば、マット基材の軽量化を達成できる。
(II)本体部を構成する架橋ゴムが発泡ゴムであり、耳部又はエッジ部を構成する架橋ゴムがソリッドゴムである。
本発明のマットをレンタル用として使用する場合には、マットを洗濯して再生するのが一般的であるが、その洗濯の際、耳部又はエッジ部には負荷が集中して加わり易い。しかしながら、上記構成(II)においては、耳部又はエッジ部が、ソリッドゴムからなっているので、発泡ゴムからなっている場合に比して、高い耐久性を有している。従って、耳部又はエッジ部が洗濯の際に傷み難い。しかも、本体部は発泡ゴムからなっているので、マット基材全体としては軽量化が達成される。なお、ソリッドゴムとは、発泡していないゴムを言う。
更に、上記構成(II)は、次の構成(i)を採用してもよい。
(i)本体部を得るのに用いるゴム配合物が、ゴム成分として、アクリロニトリル−ブタジエンゴムポリマーとアクリルゴムポリマーとを含有しており、耳部又はエッジ部を得るのに用いるゴム配合物が、ゴム成分として、アクリロニトリル−ブタジエンゴムポリマーを含有し且つアクリルゴムポリマーを含有していない。
発泡ゴムは、ソリッドゴムよりも耐オゾン劣化性が劣る。そのため、本体部が発泡ゴムであると、マット基材全体の耐オゾン劣化性が劣ることとなる。しかしながら、上記構成(i)によれば、本体部を得るのに用いるゴム配合物がアクリルゴムポリマーを含有しているので、本体部は、発泡ゴムであっても、良好な耐オゾン劣化性を有している。従って、マット基材全体の耐オゾン劣化性を向上できる。しかも、上記構成(i)においては、耳部又はエッジ部が、比較的高価なアクリルゴムポリマーを含有していない分だけ、安価となる。
(2)マット基材のみで構成されたマットにおいて、マット基材が、その表面又は裏面に、多数の凸部を有している。
なお、凸部としては、半球形状や柱形状の突起を採用してもよく、又は、板状に延びた突起を採用してもよい。凸部の形状や大きさなどは、目的に応じて適宜設計する。
上記構成(2)によれば、凸部間の窪みによって、ダストを良好に捕集できる。また、凸部による指圧作用によって、疲労防止効果を発揮できる。
なお、上記構成(2)は、次の構成(III)を採用してもよい。
(III)マット基材及び凸部の少なくとも一方が、発泡ゴムである。
上記構成(III)によれば、マット基材が発泡ゴムである場合には、マットの軽量化を達成できる。凸部が発泡ゴムである場合には、凸部の弾性率を低く調節することによって、疲労防止効果を向上できる。
(3)アクリロニトリル−ブタジエンゴムポリマーとアクリルゴムポリマーとの含有比率が、85:15〜50:50である。
架橋ゴムの耐オゾン劣化性はアクリルゴムポリマーの含有比率が高くなるほど良好となる傾向にある。また、架橋ゴムの、強度、引裂き強度、伸度などの諸特性は、アクリルゴムポリマーの含有比率が高くなるほど悪くなる傾向にある。更に、アクリルゴムポリマーは、通常、NBRポリマーよりも高価である。しかしながら、上記構成(3)によれば、NBRポリマーとアクリルゴムポリマーとの含有比率が85:15〜50:50であるので、架橋ゴムの耐オゾン劣化性を良好にでき、また、架橋ゴムの強度などの上記諸特性をマット用のゴムとして充分な程度に維持することができ、更に、マットが比較的安価となる。
(4)ゴム配合物に老化防止剤が配合されていない。
上記構成(4)によれば、ゴム配合物中に老化防止剤が配合されていないので、この老化防止剤の滲出による床の汚染を防止できる。
(5)ゴム配合物に相溶化剤が配合されている。
上記構成(5)によれば、NBRポリマーとアクリルゴムポリマーとを充分に均一に混練できる。従って、マット基材の、耐候性や、強度、伸度などの諸特性を容易に向上できる。
(6)架橋処理が、硫黄架橋によって行われたものである。
上記構成(6)によれば、架橋ゴムの硬度や弾性率を比較的容易に設計できる。
(7)架橋処理が、硫黄架橋と、硫黄以外を架橋剤とした架橋と、によって行われたものである。
上記構成(7)によれば、ゴム配合物中のアクリルゴムポリマーが、硫黄によっては架橋しないタイプのもの又は架橋しにくいタイプのものであっても、硫黄以外の適宜の架橋剤が配合されているので、アクリルゴムポリマーを好適に架橋できる。
なお、ゴム配合物中のアクリルゴムポリマーが、硫黄によっては架橋しないタイプのもの又は架橋しにくいタイプのものである場合において、配合されている架橋剤が硫黄のみである場合には、架橋ゴム中に、架橋されていない又は好適に架橋されていないアクリルゴムポリマーが存在することとなる。しかし、その場合でも、当該架橋ゴムは、マット基材として、良好な耐候性を有し、更には、マットに要求されるその他の諸特性を満たすことができるものに、設計できる。
なお、上記構成(7)は、次の構成(IV)を採用してもよい。
(IV)硫黄以外の架橋剤が、安息香酸アンモニウム、イソシアヌル酸、トリメルカプトトリアジン、ジチオカルバミン酸塩、又は有機カルボン酸アンモニウムである。
上記構成(IV)によれば、アクリルゴムポリマーを好適に架橋できる。なお、硫黄以外の架橋剤としては、床などの汚染性がないもの又は少ないものを選定するのが好ましいが、硫黄以外の架橋剤が、たとえ少しでも、床などの汚染性を有するものである場合には、その配合量を少なくするなどの配慮が必要である。(8)架橋処理が、過酸化物架橋によって行われたものである。
ところで、アルデヒドアンモニア類、アルデヒドアミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、スルフェンアミド類、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン酸塩類、チウラム類などのゴム用の架橋促進剤は、床汚染物質となる場合があり、これらの架橋促進剤を配合したゴム配合物から得られたマット基材の場合には、使用環境や使用方法などで不利な条件が重なると、架橋促進剤がマット基材から滲出して床汚染が起こってしまうことがある。しかしながら、上記構成(8)によれば、過酸化物架橋によって架橋処理を行うので、これら架橋促進剤を用いる必要がない。従って、架橋促進剤の滲出による床の汚染を防止できる。
また、上記構成(8)においては、更に共架橋剤をゴム配合物に配合することが、マット基材の強度、引裂強さ、耐摩耗性などの特性を向上させるので、好ましい。
なお、共架橋剤としては、例えば、エチレングリコール・ジメタクリレート、トリメチロールプロパン・トリメタクリレート、その他のメタクリレートモノマー;多価アルコールアクリレート、その他のアクリレートモノマー;トリアリルイソシアヌレート、イソシアヌル酸などが挙げられる。
本発明において、マット原反とは、通常、パイルが基布に植設されてなるものであるが、これに限らず、例えば、織り布、編み布、不織布シート、スポンジシート、芝状シートなども含み、更には、樹脂シート、ゴムシートなども含むものである。マット原反が樹脂シート又はゴムシートであるマットとしては、例えば、粘着マットが挙げられる。パイルや基布としては、目的に応じて種々の材質や構成のものを使用できる。マット原反の、マット基材との接着面には、パイル抜け防止、マット原反とマット基材との接着性向上などのために、樹脂プライマーやラテックスなどが裏打ち材として塗布される場合がある。樹脂プライマーやラテックスとしては、目的に応じて種々の材質や構成のものを使用できるが、本発明では、マット基材が、ゴム成分として、NBRポリマーとアクリルゴムポリマーとを含有しているので、NBRポリマーやアクリルゴムポリマーとの接着性が良好なものを選択するのが好ましい。また、樹脂プライマーやラテックスには、目的に応じて種々の配合剤を加えてもよい。また、樹脂プライマーやラテックスは、適宜の方法により架橋処理が行われていてもよい。また、樹脂プライマーやラテックスの代わりに、液状ゴム(又は液状ゴム配合物)などを使用してもよい。更に、所期の目的を阻害しない場合には、樹脂プライマーやラテックスなどを使用せず、パイルと基布とからなるマット原反を使用してもよい。
本発明のゴム配合物は、ゴム成分に加えて、適宜の、充填剤、活性剤、可塑剤、架橋剤、安定剤などを適宜の量だけ配合し、更には、架橋系に応じて適宜の架橋促進剤又は共架橋剤を、適宜の量だけ配合してもよい。
NBRポリマーとしては、耐油性と架橋ゴムの硬さとのバランスが良い、即ち、耐油性が比較的高く且つ架橋ゴムの硬さが比較的低い、という観点から、中高ニトリルのNBRポリマーを用いるのが好ましいが、これに限るものではない。また、配合されるアクリルゴムポリマーの量や特性によって、中高ニトリル以外のNBRポリマーを選定して耐油性や硬さを調節してもよい。
なお、市販のNBRポリマーには、一般に、老化防止剤が添加されている。しかし、その老化防止剤は、添加量が微量であるので、マット原反の汚染や床汚染など原因には殆どなり得ない。しかし、その老化防止剤としては、マット原反の汚染や床汚染などの発生原因を少しでも減らすという観点から、非汚染性のもの又は汚染性の極めて低いものを選定するのが好ましい。
アクリルゴムポリマーとしては、例えば、エーテル系やエステル系のエポキシ基タイプ、塩素基タイプ、活性塩素基タイプ、特殊架橋基タイプなどが挙げられるが、非ハロゲン材料が望まれているという観点から、塩素基を含まないタイプのものが好ましい。
なお、市販のアクリルゴムポリマーには、一般に、老化防止剤が添加されている。しかし、その老化防止剤は、添加量が微量であるので、マット原反の汚染や床汚染など原因には殆どなり得ない。しかし、その老化防止剤としては、マット原反の汚染や床汚染などの発生原因を少しでも減らすという観点から、非汚染性のもの又は汚染性の極めて低いものを選定するのが好ましい。
架橋処理は、硫黄架橋、硫黄と硫黄以外の架橋剤とを併用した架橋、又は、過酸化物架橋、によって行う方法が挙げられるが、その他の架橋によって行ってもよい。
架橋剤として、過酸化物を用いる場合は、ゴム配合物を、汚染性が良好な配合(汚染しにくい配合)に設定しやすい。この過酸化物架橋剤としては、未架橋処理のゴム配合物シートのポットライフを短くせず、加熱加圧処理時の加熱温度を極端に高くしなくてすみ、また配合時の取扱いが容易であるという観点から、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンなどのパーオキシケタール;p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジクミル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;などが好ましく用いられ、特に架橋反応分解物に着色性及び汚染性物質が含まれていないという観点から、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などが、より好ましく用いられる。更には、架橋反応中や架橋反応後のマットから発生する不快臭の程度が比較的低いという観点から、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシン)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などが、より好ましく用いられる。
過酸化物架橋の場合の好適な共架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルイタコネート、多官能性メタクリレートモノマー、多価アルコールメタクリレート、多価アルコールアクリレート、N,N−メタフェニレンジマレイミド、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、メタクリル酸亜鉛、ジメタクリル酸亜鉛、メタクリル酸マグネシウム、ジメタクリル酸マグネシウム;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などにマグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛などの金属を含有させてなる含金属モノマー;が挙げられる。
充填剤としては、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク、酸化チタンなどを用いることができ、目的に応じて、これらの内の1種を選択して、又は2種以上を混合して、用いる。
可塑剤としては、フタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体、テトラヒドロフタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、アゼライン酸誘導体、セバシン酸誘導体、ドデカン−2−酸誘導体、マレイン酸誘導体、フマル酸誘導体、トリメリット酸誘導体、ピロメリット酸誘導体、クエン酸誘導体、イタコン酸誘導体、オレイン酸誘導体、リシノール酸誘導体、ステアリン酸誘導体などの脂肪酸誘導体;スルホン酸誘導体、リン酸誘導体、グルタール酸誘導体などの酸誘導体;グリコール誘導体、グリセリン誘導体、パラフィン誘導体、エポキシ誘導体;その他の重合型可塑剤、鉱物油系軟化剤、植物油系軟化剤;などが挙げられる。なお、本発明において、「可塑剤」とは、軟化剤、伸展剤を含む概念である。
本発明においては、ゴム配合物に老化防止剤を配合しない方が好ましいが、配合する場合は、例えば、イミダゾール類、フェノール類などの老化防止剤の内、接触汚染性やマット原反のパイルへの汚染性が良好なもの(汚染しにくいもの)を用いることが好ましい。
ゴム配合物の混練及びゴム配合物シートの圧延は、公知の方法を選択して行うことができ、シート厚さは日的に応じて種々選択できる。また、マットの部位によって、シート厚さを適宜変更したりゴム配合物の配合を適宜変更したりしてもよい。なお、NBRポリマーとアクリルゴムポリマーとを均一に混練するための方法としては、例えば、次の(a),(b)が挙げられる。
(a)NBRポリマーとアクリルゴムポリマーと少量の充填剤とを予め十分に混練しておき、これにその他の配合剤を添加して更に混練する方法。
(b)ゴム配合物に相溶化剤を配合する方法。なお、相溶化剤としては、例えば、種々のグラフト体が挙げられる。種々のグラフト体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体とアクリロニトリル−スチレン共重合体とのグラフト体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体とアクリロニトリル−スチレン共重合体とのグラフト体などが挙げられる。
ゴム配合物に適宜の発泡剤を適宜の量だけ添加して、マット基材の全部又は一部を発泡ゴムとしてもよい。
ゴム配合物には、所期の目的を阻害しない範囲で、NBRポリマー及びアクリルゴムポリマーの両者以外のポリマーを配合してもよい。
発明を実施するための最良の形態
本発明のマットとしては、第1図、第2図、第3図、第5図、第6図、及び第7図に示す構成のものなどが用いられる。なお、第1図〜第5図に示すマットは、マット基材の表面にマット原反が接合されて構成されたものであり、第6図及び第7図に示すマットは、マット基材のみで構成されたものである。
第1図はマット基材が本体部のみからなるマット(第1例のマット)を示す断面図である。図において、1はマット原反、2はマット基材であり、マット基材2はここでは本体部21のみからなっている。本体部21は、マット原反1の裏面全面に接合されており、マット原反1と縁が略揃っている。この本体部21は、通常は、マット原反1より少し大きめに成形しておき、トリミングして、作製する。
第2図はマット基材が本体部のみからなるマットの別の例(第2例のマット)を示す断面図である。ここでは、本体部21の縁がマット原反1の縁からはみ出ている。この本体部21も、第1図の場合と同様に作製する。
第3図はマット基材が本体部と耳部とからなるマット(第3例のマット)を示す断面図である。本体部21はマット原反1と縁が略揃っており、耳部22は、マット原反1の裏面には接合されず又は部分的に接合され、マット原反1の縁からはみ出るように本体部21の縁に接合されている。この耳部22は、第4図に示すように、未架橋テープゴム3を未架橋本体部211に当接させて共にプレス成形し、本体部21に接合した架橋テープゴムをマット原反1の縁からはみ出るようにトリミングして、作製する。
第5図はマット基材が本体部とエッジ部とからなるマット(第4例のマット)を示す断面図である。本体部21はマット原反1と縁が略揃っており、エッジ部23は、マット原反1の裏面には接合されず又は部分的に接合され、マット原反1の縁に沿うように本体部21の縁に接合されている。このエッジ部23は、第4図に示すように成形した後、架橋テープゴムをマット原反1の縁に略揃うようにトリミングして、作製する。
なお、マットの縁の耐久性を向上させるために、耳部22又はエッジ部23を本体部21より厚くしてもよい。
第6図はマット基材のみで構成されたマット(第5例のマット)を示す斜視部分図である。このマットは、マット基材2の表面に多数の凸部41を有している。凸部41は、略円柱状の突起である。多数の凸部41は、規則的に配列されている。凸部41は、マット基材2と同じ材料又は異なる材料でできている。
マット基材2と同じ材料からなる凸部41を有するマットは、次のようにして製造する。即ち、圧延したゴム配合物シートを、凸部成形用の多数のキャビティを有する金型を用いて、加熱プレスする。
マット基材2と異なる材料からなる凸部41を有するマットは、次のようにして製造する。即ち、上記金型の上記キャビティに凸部用材料を予め入れておく。そして、圧延したゴム配合物シートを、上記金型を用いて、加熱プレスする。
第7図もマット基材のみで構成されたマット(第6例のマット)を示す斜視部分図である。このマットも、マット基材2の表面に多数の凸部41を有している。凸部41は、板状に延びた突起である。多数の凸部41は、平行に且つ等間隔に並んでいる。凸部41は、マット基材2と同じ材料又は異なる材料でできている。製造方法は、第6図のマットの場合と同じである。
(実施形態1〜12及び比較形態1、2)
実施形態1のマットは、第1図の構成を有している。第1図において、マット原反1は、ナイロンパイル11がポリエステル不織布からなる基布12に植設され、且つ、基布12の裏面にNBRラテックスが塗布されて、構成されている。
実施形態1のマットは、次のようにして作製した。
まず、マット原反1の裏面に、表1の実施形態1のゴム配合物からなるゴム配合物シートを、当接させた。そして、ゴム配合物シートをマット原反1と共に加熱加圧処理した。これにより、ゴム配合物シートとマット原反1との接合処理及びゴム配合物シートの架橋処理が行われ、ゴム配合物シートは、架橋ゴムシートとなり、マット基材2即ち本体部21を構成した。こうして、マット基材2がマット原反1に接合してなるマットが得られた。加熱加圧処理は、マット原反1の裏面にゴム配合物シートを当接したものを上下方向から熱板で挟んで加圧して行った。処理条件は、具体的には、ゴム配合物シートの厚さを1.3mmとし、熱板温度170℃、加圧時間15分間、加圧圧力0.25MPaとした。なお、ゴム配合物は、ゴム成分と種々の配合剤とからなるものであり、表1において、NBR、アクリルゴム1、及びアクリルゴム2は、ゴム成分であり、その他は配合剤である。
【表1】
実施形態2〜12及び比較形態1、2のマットも、それぞれ表1に示す各々のゴム配合物を用い、実施形態1のマットと同様にして作製した。
物性試験のための架橋ゴムシートは、表1のゴム配合物シートを加熱加圧処理することにより、作製した。加熱加圧処理は、ゴム配合物シートを上下方向から熱板で挟んで加圧して行った。処理条件は、具体的には、ゴム配合物シートの厚さを1.3mmとし、熱板温度170℃、加圧時間15分間、加圧圧力0.25MPaとした。
上記ゴム配合物シートは、ゴム成分と種々の配合剤とを公知の方法によりバンバリーミキサーで混練し、公知の方法によりロールで圧延することにより作製される。なお、実施形態1〜11においては、まず、NBRポリマーと、アクリルゴムポリマーと、配合量の半分の量の充填剤と、配合量の半分の量の可塑剤とを、バンバリーミキサーで混練し、次いで、残りの充填剤及び可塑剤を追加するとともに、架橋系の配合剤(即ち、架橋剤、共架橋剤、及び架橋促進剤)以外の配合剤を追加して、更に混練し、その後、ミキサーから取り出して、上記架橋系の配合剤を加えながらロールで混練し圧延した。また、実施形態12においては、まず、NBRポリマーと、アクリルゴムポリマーと、相溶化剤と、配合量の半分の量の充填剤と、配合量の半分の量の可塑剤とを、バンバリーミキサーで混練し、その後は、実施形態1〜11と同様に行った。
表1において、ゴム配合物の各成分の詳細は次の通りである。
・NBR…JSR株式会社製のNBR(品番:N230S)である。
・アクリルゴム1…日本メクトロン株式会社製のアクリルゴムポリマー(品番:PA312)である。
・アクリルゴム2…日本メクトロン株式会社製のアクリルゴムポリマー(品番:PA512)である。
なお、これら市販のNBR及びアクリルゴム1、2には、製造時から微量ながら老化防止剤が添加されている。即ち、ゴム配合物の製造時に老化防止剤を配合しない場合であっても、上記の微量の老化防止剤がゴム配合物に含まれている。
・ホワイトカーボン…ケイ酸塩系ホワイトカーボン。
・可塑剤…DINP(フタル酸ジイソノニル)。
・老化防止剤1…大内新興化学工業株式会社製の商品名「ノクラック200」。
・老化防止剤2…大内新興化学工業株式会社製の商品名「ノクラックAD」。
・架橋剤1…硫黄
・架橋剤2…大内新興化学工業株式会社製の商品名「ノクセラーZTC」。
・架橋剤3…日本油脂株式会社製の商品名「パーヘキサ25B−40」。
・共架橋剤…三新化学株式会社製の商品名「サンエステルTMP」。
・架橋促進剤…大内新興化学工業株式会社製の商品名「ノクセラーDM」。
・相溶化剤…日本油脂株式会社製の商品名「モディパーA8400」。
実施形態1〜12及び比較形態1、2について、架橋ゴムシート(即ち、マット基材)及びマットの物性を調べた。その結果を表2に示す。なお、表2において、引張強さ、引裂強さ、及び硬さは、架橋ゴムシートの物性であり、耐オゾン劣化性、耐洗濯劣化性、及び床汚染性は、マットの物性である。
【表2】
表2において、各物性の詳細は次の通りである。
・引張強さ(MPa)…JIS K 6251の加硫ゴムの引張試験方法に準じた。
・引裂強さ(N/mm)…JIS K 6252の加硫ゴムの引裂試験方法に準じた。なお、試験片の形状は、「切り込み無しアングル形」とした。
・硬さ…JIS K 6253の加硫ゴムの硬さ試験方法に準じた。なお、試験機はA型とした。
・熱老化テスト後の引裂強さ変化(ΔN/mm)…JIS K 6257の加硫ゴムの老化試験方法に準じた。但し、「熱老化テスト後の引裂強さ変化値(ΔN/mm)」=「熱老化テスト前の引裂強さ(N/mm)」−「熱老化テスト後の引裂強さ(N/mm)」とした。また、熱老化温度は120℃、熱老化時間は120時間とした。
・耐オゾン劣化性…マット作製後、そのマットから、短冊状の評価用サンプルを切り出し、該サンプルを、第8図に示すように、パイルを内側にして直径Dの曲率で折り曲げてサンプルホルダーに保持させた。なお、直径Dは7mmとした。この状態のサンプルを、スガ試験機株式会社製オゾンウェザーメーターOMS−LE製に供し、40℃、10pphmの条件下で、72時間オゾン暴露した。その結果をJIS K 6259のオゾン劣化状態の観察方法に従って評価した。なお、表2中の「NC」はノークラックの意味である。
・耐洗濯劣化性…容量30kgの大型洗濯機に、約30kgのマットを投入し、90℃の温水中で30分間洗浄し、脱水し、乾燥機中で乾燥させた。この洗浄・脱水・乾燥という処理を20回繰り返した後、マット基材の状態を観察した。
・床汚染性…次のようにして評価した。
(1)架橋ゴムシートから2cm×4cmのゴムシート試験片2枚を裁断して用意する。
(2)一方、10cm×5cmの床材サンプル(商品名:フロアリュームリッチFL200、東リ株式会社製)を2枚用意する。
(3)1枚の床材サンプルの上に、2cm×4cmのゴムシート試験片2枚を置き、その上に、残りの1枚の床材サンプルを重ね、更にその上に、アルミ板(厚さ1〜2mm程度、8cm×8cm)を重ね、その上に、1kgの荷重を載せる。これを1セットとする。
(4)プラスチック密閉容器中に、すのこを入れ、該すのこの上に、(3)で作ったセットを置く。
(5)プラスチック密閉容器に、すのこの半分が浸る程度まで水を入れる。そして、プラスチック密閉容器を密閉し、60℃の恒温槽中で7日間放置する。
(6)床材サンプルをプラスチック密閉容器から取り出し、ゴムシート試験片を取り除いた後、これを室温で乾燥させる。
(7)床材サンプルのゴムシート試験片の接触していた面に紫外線を照射する。紫外線の照射は、ダイプラ・ウィンテス株式会社製のダイプラ・メタルウェザー(KU−R3)を用い、波長295〜780nm、強度45mW/cm2の光を、85℃、湿度70%の条件下で、9時間照射することで行う。このように紫外線を照射することにより、床材サンプルへ移った汚染性物質が変色するので、床材サンプルの汚染度合の判断が容易となる。
(8)この床材サンプルの汚染度合を目視で判断して得点をつける。得点は、5:全く汚染無し、4:極微少の曇り有り、3:極少の汚染有り、2:少し汚染有り、1:強い汚染有り、とした。
表2からわかるように、実施形態1〜12のマットは、比較形態1、2のマットに比して、耐オゾン劣化性が良好である。そして、実施形態1〜12のマットは、比較形態1、2のマットに比して、引張強さ及び引裂強さにおいては、やや劣っているが、耐洗濯劣化性においては、劣っておらず、又は、マット製品としての性能上問題となるほどには大きく劣っていない。また、実施形態8〜11のマットは、他の実施形態や比較形態のマットに比して、床汚染性が優れている。
なお、アクリルゴムポリマーは、配合される薬品によっては、常温下でも徐々に架橋反応が進んでしまうので、そのような場合、ポットライフが短いものになってしまう。例えば、エポキシ系のアクリルゴムポリマーは、アミン類、四級塩類、アンモニウムベンゾエートなどと反応しやすいものであるので、用いる場合には、特に加硫促進剤の選定に注意が必要である。
また、本体部21と、耳部22(又はエッジ部23)と、からなるマット基材2においては、両者における配合成分を異ならせてもよい。勿論、両者におけるNBRポリマーとアクリルゴムポリマーとの配合割合を異ならせてもよい。
(実施形態13〜24)
実施形態13のマットは、第3図の構成を有している。第3図において、マット原反1は実施形態1のマット原反1と同じである。マット基材2は、本体部21と耳部22とで構成されている。
実施形態13のマットは、次のようにして作製した。
まず、第4図に示すように、マット原反1の裏面に、表3の実施形態13のゴム配合物からなるゴム配合物シート(未架橋本体部)211を、当接させるとともに、表4の実施形態13のゴム配合物からなるゴム配合物シート(未架橋テープゴム)3を、ゴム配合物シート211の周縁に約5mm重なるようにセットし、両者をマット原反1と共に加熱加圧処理した。これにより、ゴム配合物シートとマット原反1との接合処理及びゴム配合物シートの架橋処理が行われ、ゴム配合物シート211及びゴム配合物シート3は、架橋ゴムシートとなり、マット基材2即ち本体部21及び耳部22を構成した。耳部22は、適宜の幅(例えば10mm)にトリミングした。こうして、マット基材2がマット原反1に接合してなるマットが得られた。加熱加圧処理は、マット原反1の裏面にゴム配合物シートを当接したものを上下方向から熱板で挟んで加圧して行った。処理条件は、具体的には、ゴム配合物シート211の厚さを0.7mmとし、ゴム配合物シート3の厚さを1.7mmとし、熱板温度、加圧時間、及び加圧圧力を、実施形態1の場合と同じとした。なお、ゴム配合物シート211は、加熱加圧処理後に発泡して、得られた架橋ゴムシートの厚さが約1.3mmとなるよう設計されている。
なお、未架橋テープゴム3のゴム配合物の混練方法は、実施形態1と同じ方法で行った。また、未架橋本体部211のゴム配合物の混練方法は、発泡剤を架橋系の配合剤と同時に混練した以外は、実施形態1と同じ方法で行った。
【表3】
【表4】
実施形態14〜24及び比較形態3、4のマットも、それぞれ表3、4に示すゴム配合物を用い、実施形態13のマットと同様にして作製した。
物性試験のための架橋ゴムシートは、表3のゴム配合物シートを加熱加圧処理することにより、作製した。なお、ここでは、本体部21を構成する配合の架橋ゴムシートのみを作製した。加熱加圧処理は、ゴム配合物シートを上下方向から熱板で挟んで加圧して行った。処理条件は、具体的には、ゴム配合物シートの厚さを1.3mmとし、熱板温度170℃、加圧時間15分間、加圧圧力0.25MPaとした。
上記ゴム配合物シートは、実施形態1の場合と同様にして作製した。
表3、4において、ゴム配合物の各成分の詳細は次の通りである。但し、表1と同じものは省略した。
・発泡剤…永和化成工業株式会社製の商品名「ネオセルボンN#1000」である。
実施形態13〜24及び比較形態3、4について、架橋ゴムシート(即ち、マット基材の本体部)及びマットの物性を調べた。その結果を表5に示す。表5において、各物性の詳細は表2と同じであるが、発泡ゴムであるので、密度を測定した。また、硬さの測定は省略した。
【表5】
表5からわかるように、実施形態13〜24のマットは、比較形態3、4のマットに比して、耐オゾン劣化性が良好である。そして、実施形態13〜24のマットは、比較形態3、4のマットに比して、引張強さ及び引裂強さにおいては、やや劣っているが、耐洗濯劣化性においては、劣っておらず、又は、マット製品としての性能上問題となるほどには大きく劣っていない。また、実施形態20〜23のマットは、他の実施形態や比較形態のマットに比して、床汚染性が優れている。
(実施形態25)
実施形態25のマットは、第6図の構成を有している。このマットは、マット基材2のみで構成されており、その表面に多数の凸部41を有している。凸部41は、円柱状の突起である。多数の凸部41は、規則的に配列されている。凸部41は、マット基材2と同じ材料でできている。
実施形態25のマットは、次のようにして作製した。
まず、表3の実施形態16のゴム配合物を圧延して、厚さ2.0mmのゴム配合物シートを作製した。そして、多数の円柱状のキャビティが格子状に配列されている鉄板に、上記ゴム配合物シートを重ね、熱板により加熱プレス成形した。なお、キャビティの直径は7mmである。格子は、1辺が1.5mmの正方形である。加熱プレス成形の条件は、温度160℃、加圧時間20分間、圧力0.4MPaである。
実施形態25のマットによれば、凸部41間の窪みによって、ダストを良好に捕集できる。また、凸部41による指圧作用によって、疲労防止効果を発揮できる。
(比較形態5)
表3の比較形態3のゴム配合物を用いて、実施形態25と同様にしてマットを作製した。
そして、実施形態25及び比較形態5のマットについて、下記の耐候性試験を行った。
・耐候性試験…マットを、2つ折りにして、折り目にコンクリートブロックを載せた状態で屋外に30日間放置した。なお、コンクリートブロックは、底面30cm×20cm、重さ10kgである。この30日間の各日における最高オゾン濃度値は、2pphm〜5pphmであった。
耐候性試験の結果は次のとおりであった。即ち、マットの折り曲げ部を観察したところ、実施形態25のマットでは、オゾンクラックは全く見られなかったが、比較形態5のマットでは、C−5程度のオゾンクラックが見られた。
以上のように、本発明のマットは、耐オゾン劣化性が優れている。
なお、本発明は、次のような変形構造も採用できる。
(1)実施形態1〜12のマットにおいて、本体部21を発泡ゴムで構成する。これによれば、マットの軽量化を達成できる。
(2)実施形態13〜24のマットにおいて、耳部22の代わりに、耳部22と同じ材料で第5図に示すエッジ部23を設ける。これによっても、実施形態13〜24と同様の効果を奏する。
(3)実施形態13〜24のマットにおいて、本体部21を発泡ゴムではなくソリッドゴムで構成する。これによれば、発泡ゴムの場合よりも、本体部21の耐オゾン劣化性を及び耐久性を良好なものにできる。
(4)実施形態13〜24のマットにおいて、耳部22又はエッジ部23を得るのに用いるゴム配合物にアクリルゴムポリマーを配合しない。これによれば、アクリルゴムポリマーを配合しない分だけマットを安価にできる。
(5)実施形態1〜24では、第1図及び第3図の構成のマットを採用したが、これに限らず、第2図、第5図、又はその他の構成のマットを採用してもよい。これによっても、同様の作用効果が発揮される。また、実施形態25では、第6図の構成のマットを採用したが、これに限らず、第7図の構成のマットを採用してもよい。
(6)実施形態25の凸部41は、半球形状の突起、その他の形状の突起でもよい。
(7)第6図及び第7図のマットにおいては、凸部41をマット基材2の裏面に形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のマットの第1例を示す断面図である。
第2図は本発明のマットの第2例を示す断面図である。
第3図は本発明のマットの第3例を示す断面図である。
第4図は第3例又は第4例のマットの一製造工程を示す断面図である。
第5図は本発明のマットの第4例を示す断面図である。
第6図は本発明のマットの第5例を示す斜視部分図である。
第7図は本発明のマットの第6例を示す斜視部分図である。
第8図は耐オゾン劣化性を測定する際のマットの状態を示す断面部分図である。
本発明は、マット基材のみで構成されたマット、又は、マット基材の表面にマット原反が接合されて構成されたマット、に関するものである。本発明は、特に、マット基材の耐オゾン劣化性などの耐候性が良好であるマット、に関するものである。本発明のマットは、足拭きマットなどのマット、特にレンタル用として使用されるマットである。
背景技術
マットの、特にレンタル用マットの、マット基材は、通常、ゴム配合物を架橋処理して得られた架橋ゴムからなっている。そして、マット基材のゴム配合物に含有させるゴム成分としては、ゴム配合物の耐油性や価格などの観点から、アクリロニトリル−ブタジエンゴムポリマー(以下、「NBRポリマー」と称する)が一般的に用いられている。
しかしながら、ゴム配合物のゴム成分として、NBRポリマーを用いると、架橋ゴムの、耐候性、特に耐オゾン劣化性が、悪かった。そのため、マット基材が当該架橋ゴムからなっているマットでは、保管中や配送中に、マット基材においてオゾン劣化が進行し、特に折畳まれた状態の場合には、折畳み部分に亀裂が生じるという不具合があった。このような不具合は、当該架橋ゴムが発泡ゴムである場合に、更に顕著であった。そこで、オゾン劣化による亀裂の発生を防止できる架橋ゴムを得ることができる、ゴム配合物が、要望されていた。
発明の開示
本発明は、耐候性、特に耐オゾン劣化性が良好であり、しかも、耐油性が良好であり、更に、従来のマットに比して製造コストがあまり高くない、マットを提供することを目的とする。
本発明は、マット基材のみで構成された、又は、マット基材の表面にマット原反が接合されて構成された、マットにおいて、マット基材が、ゴム配合物を架橋処理して得られた架橋ゴムからなっており、ゴム配合物が、ゴム成分として、アクリロニトリル−ブタジエンゴムポリマーとアクリルゴムポリマーとを含有していることを特徴としている。
本発明によれば、マット基材を得るのに用いるゴム配合物が、ゴム成分として、アクリルゴムポリマーも含有しているので、当該ゴム配合物を架橋処理して得られた架橋ゴム(即ち、マット基材)の、耐候性、特に耐オゾン劣化性を、良好なものにできる。しかも、ゴム配合物の製造時に老化防止剤を配合しなくても、上記耐候性を良好に維持できる。
本発明は、更に、次の構成(1)〜(8)を採用してもよい。
(1)マット基材の表面にマット原反が接合されて構成された、マットにおいて、マット基材が、マット原反の裏面全面に接合される本体部のみで構成されており、若しくは、該本体部と、マット原反の裏面には接合されず又は部分的に接合され、且つ、マット原反の縁からはみ出るように本体部の縁に接合されている、耳部と、で構成されており、若しくは、上記本体部と、マット原反の裏面には接合されず又は部分的に接合され、且つ、マット原反の縁に沿うように本体部の縁に接合されている、エッジ部と、で構成されており、少なくとも本体部を得るのに用いるゴム配合物が、ゴム成分として、アクリロニトリル−ブタジエンゴムポリマーとアクリルゴムポリマーとを含有している。
上記構成(1)によれば、少なくとも本体部を得るのに用いるゴム配合物が、ゴム成分として、アクリルゴムポリマーも含有しているので、当該ゴム配合物を架橋処理して得られた架橋ゴム(即ち、マット基材の少なくとも本体部)の、耐候性、特に耐オゾン劣化性を、良好なものにできる。しかも、ゴム配合物の製造時に老化防止剤を配合しなくても、上記耐候性を良好に維持できる。
なお、上記構成(1)は、次の構成(I)、(II)を採用してもよい。
(I)少なくとも本体部を構成する架橋ゴムが、発泡ゴムである。
上記構成(I)によれば、マット基材の軽量化を達成できる。
(II)本体部を構成する架橋ゴムが発泡ゴムであり、耳部又はエッジ部を構成する架橋ゴムがソリッドゴムである。
本発明のマットをレンタル用として使用する場合には、マットを洗濯して再生するのが一般的であるが、その洗濯の際、耳部又はエッジ部には負荷が集中して加わり易い。しかしながら、上記構成(II)においては、耳部又はエッジ部が、ソリッドゴムからなっているので、発泡ゴムからなっている場合に比して、高い耐久性を有している。従って、耳部又はエッジ部が洗濯の際に傷み難い。しかも、本体部は発泡ゴムからなっているので、マット基材全体としては軽量化が達成される。なお、ソリッドゴムとは、発泡していないゴムを言う。
更に、上記構成(II)は、次の構成(i)を採用してもよい。
(i)本体部を得るのに用いるゴム配合物が、ゴム成分として、アクリロニトリル−ブタジエンゴムポリマーとアクリルゴムポリマーとを含有しており、耳部又はエッジ部を得るのに用いるゴム配合物が、ゴム成分として、アクリロニトリル−ブタジエンゴムポリマーを含有し且つアクリルゴムポリマーを含有していない。
発泡ゴムは、ソリッドゴムよりも耐オゾン劣化性が劣る。そのため、本体部が発泡ゴムであると、マット基材全体の耐オゾン劣化性が劣ることとなる。しかしながら、上記構成(i)によれば、本体部を得るのに用いるゴム配合物がアクリルゴムポリマーを含有しているので、本体部は、発泡ゴムであっても、良好な耐オゾン劣化性を有している。従って、マット基材全体の耐オゾン劣化性を向上できる。しかも、上記構成(i)においては、耳部又はエッジ部が、比較的高価なアクリルゴムポリマーを含有していない分だけ、安価となる。
(2)マット基材のみで構成されたマットにおいて、マット基材が、その表面又は裏面に、多数の凸部を有している。
なお、凸部としては、半球形状や柱形状の突起を採用してもよく、又は、板状に延びた突起を採用してもよい。凸部の形状や大きさなどは、目的に応じて適宜設計する。
上記構成(2)によれば、凸部間の窪みによって、ダストを良好に捕集できる。また、凸部による指圧作用によって、疲労防止効果を発揮できる。
なお、上記構成(2)は、次の構成(III)を採用してもよい。
(III)マット基材及び凸部の少なくとも一方が、発泡ゴムである。
上記構成(III)によれば、マット基材が発泡ゴムである場合には、マットの軽量化を達成できる。凸部が発泡ゴムである場合には、凸部の弾性率を低く調節することによって、疲労防止効果を向上できる。
(3)アクリロニトリル−ブタジエンゴムポリマーとアクリルゴムポリマーとの含有比率が、85:15〜50:50である。
架橋ゴムの耐オゾン劣化性はアクリルゴムポリマーの含有比率が高くなるほど良好となる傾向にある。また、架橋ゴムの、強度、引裂き強度、伸度などの諸特性は、アクリルゴムポリマーの含有比率が高くなるほど悪くなる傾向にある。更に、アクリルゴムポリマーは、通常、NBRポリマーよりも高価である。しかしながら、上記構成(3)によれば、NBRポリマーとアクリルゴムポリマーとの含有比率が85:15〜50:50であるので、架橋ゴムの耐オゾン劣化性を良好にでき、また、架橋ゴムの強度などの上記諸特性をマット用のゴムとして充分な程度に維持することができ、更に、マットが比較的安価となる。
(4)ゴム配合物に老化防止剤が配合されていない。
上記構成(4)によれば、ゴム配合物中に老化防止剤が配合されていないので、この老化防止剤の滲出による床の汚染を防止できる。
(5)ゴム配合物に相溶化剤が配合されている。
上記構成(5)によれば、NBRポリマーとアクリルゴムポリマーとを充分に均一に混練できる。従って、マット基材の、耐候性や、強度、伸度などの諸特性を容易に向上できる。
(6)架橋処理が、硫黄架橋によって行われたものである。
上記構成(6)によれば、架橋ゴムの硬度や弾性率を比較的容易に設計できる。
(7)架橋処理が、硫黄架橋と、硫黄以外を架橋剤とした架橋と、によって行われたものである。
上記構成(7)によれば、ゴム配合物中のアクリルゴムポリマーが、硫黄によっては架橋しないタイプのもの又は架橋しにくいタイプのものであっても、硫黄以外の適宜の架橋剤が配合されているので、アクリルゴムポリマーを好適に架橋できる。
なお、ゴム配合物中のアクリルゴムポリマーが、硫黄によっては架橋しないタイプのもの又は架橋しにくいタイプのものである場合において、配合されている架橋剤が硫黄のみである場合には、架橋ゴム中に、架橋されていない又は好適に架橋されていないアクリルゴムポリマーが存在することとなる。しかし、その場合でも、当該架橋ゴムは、マット基材として、良好な耐候性を有し、更には、マットに要求されるその他の諸特性を満たすことができるものに、設計できる。
なお、上記構成(7)は、次の構成(IV)を採用してもよい。
(IV)硫黄以外の架橋剤が、安息香酸アンモニウム、イソシアヌル酸、トリメルカプトトリアジン、ジチオカルバミン酸塩、又は有機カルボン酸アンモニウムである。
上記構成(IV)によれば、アクリルゴムポリマーを好適に架橋できる。なお、硫黄以外の架橋剤としては、床などの汚染性がないもの又は少ないものを選定するのが好ましいが、硫黄以外の架橋剤が、たとえ少しでも、床などの汚染性を有するものである場合には、その配合量を少なくするなどの配慮が必要である。(8)架橋処理が、過酸化物架橋によって行われたものである。
ところで、アルデヒドアンモニア類、アルデヒドアミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、スルフェンアミド類、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン酸塩類、チウラム類などのゴム用の架橋促進剤は、床汚染物質となる場合があり、これらの架橋促進剤を配合したゴム配合物から得られたマット基材の場合には、使用環境や使用方法などで不利な条件が重なると、架橋促進剤がマット基材から滲出して床汚染が起こってしまうことがある。しかしながら、上記構成(8)によれば、過酸化物架橋によって架橋処理を行うので、これら架橋促進剤を用いる必要がない。従って、架橋促進剤の滲出による床の汚染を防止できる。
また、上記構成(8)においては、更に共架橋剤をゴム配合物に配合することが、マット基材の強度、引裂強さ、耐摩耗性などの特性を向上させるので、好ましい。
なお、共架橋剤としては、例えば、エチレングリコール・ジメタクリレート、トリメチロールプロパン・トリメタクリレート、その他のメタクリレートモノマー;多価アルコールアクリレート、その他のアクリレートモノマー;トリアリルイソシアヌレート、イソシアヌル酸などが挙げられる。
本発明において、マット原反とは、通常、パイルが基布に植設されてなるものであるが、これに限らず、例えば、織り布、編み布、不織布シート、スポンジシート、芝状シートなども含み、更には、樹脂シート、ゴムシートなども含むものである。マット原反が樹脂シート又はゴムシートであるマットとしては、例えば、粘着マットが挙げられる。パイルや基布としては、目的に応じて種々の材質や構成のものを使用できる。マット原反の、マット基材との接着面には、パイル抜け防止、マット原反とマット基材との接着性向上などのために、樹脂プライマーやラテックスなどが裏打ち材として塗布される場合がある。樹脂プライマーやラテックスとしては、目的に応じて種々の材質や構成のものを使用できるが、本発明では、マット基材が、ゴム成分として、NBRポリマーとアクリルゴムポリマーとを含有しているので、NBRポリマーやアクリルゴムポリマーとの接着性が良好なものを選択するのが好ましい。また、樹脂プライマーやラテックスには、目的に応じて種々の配合剤を加えてもよい。また、樹脂プライマーやラテックスは、適宜の方法により架橋処理が行われていてもよい。また、樹脂プライマーやラテックスの代わりに、液状ゴム(又は液状ゴム配合物)などを使用してもよい。更に、所期の目的を阻害しない場合には、樹脂プライマーやラテックスなどを使用せず、パイルと基布とからなるマット原反を使用してもよい。
本発明のゴム配合物は、ゴム成分に加えて、適宜の、充填剤、活性剤、可塑剤、架橋剤、安定剤などを適宜の量だけ配合し、更には、架橋系に応じて適宜の架橋促進剤又は共架橋剤を、適宜の量だけ配合してもよい。
NBRポリマーとしては、耐油性と架橋ゴムの硬さとのバランスが良い、即ち、耐油性が比較的高く且つ架橋ゴムの硬さが比較的低い、という観点から、中高ニトリルのNBRポリマーを用いるのが好ましいが、これに限るものではない。また、配合されるアクリルゴムポリマーの量や特性によって、中高ニトリル以外のNBRポリマーを選定して耐油性や硬さを調節してもよい。
なお、市販のNBRポリマーには、一般に、老化防止剤が添加されている。しかし、その老化防止剤は、添加量が微量であるので、マット原反の汚染や床汚染など原因には殆どなり得ない。しかし、その老化防止剤としては、マット原反の汚染や床汚染などの発生原因を少しでも減らすという観点から、非汚染性のもの又は汚染性の極めて低いものを選定するのが好ましい。
アクリルゴムポリマーとしては、例えば、エーテル系やエステル系のエポキシ基タイプ、塩素基タイプ、活性塩素基タイプ、特殊架橋基タイプなどが挙げられるが、非ハロゲン材料が望まれているという観点から、塩素基を含まないタイプのものが好ましい。
なお、市販のアクリルゴムポリマーには、一般に、老化防止剤が添加されている。しかし、その老化防止剤は、添加量が微量であるので、マット原反の汚染や床汚染など原因には殆どなり得ない。しかし、その老化防止剤としては、マット原反の汚染や床汚染などの発生原因を少しでも減らすという観点から、非汚染性のもの又は汚染性の極めて低いものを選定するのが好ましい。
架橋処理は、硫黄架橋、硫黄と硫黄以外の架橋剤とを併用した架橋、又は、過酸化物架橋、によって行う方法が挙げられるが、その他の架橋によって行ってもよい。
架橋剤として、過酸化物を用いる場合は、ゴム配合物を、汚染性が良好な配合(汚染しにくい配合)に設定しやすい。この過酸化物架橋剤としては、未架橋処理のゴム配合物シートのポットライフを短くせず、加熱加圧処理時の加熱温度を極端に高くしなくてすみ、また配合時の取扱いが容易であるという観点から、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンなどのパーオキシケタール;p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジクミル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;などが好ましく用いられ、特に架橋反応分解物に着色性及び汚染性物質が含まれていないという観点から、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などが、より好ましく用いられる。更には、架橋反応中や架橋反応後のマットから発生する不快臭の程度が比較的低いという観点から、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシン)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などが、より好ましく用いられる。
過酸化物架橋の場合の好適な共架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルイタコネート、多官能性メタクリレートモノマー、多価アルコールメタクリレート、多価アルコールアクリレート、N,N−メタフェニレンジマレイミド、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、メタクリル酸亜鉛、ジメタクリル酸亜鉛、メタクリル酸マグネシウム、ジメタクリル酸マグネシウム;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などにマグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛などの金属を含有させてなる含金属モノマー;が挙げられる。
充填剤としては、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク、酸化チタンなどを用いることができ、目的に応じて、これらの内の1種を選択して、又は2種以上を混合して、用いる。
可塑剤としては、フタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体、テトラヒドロフタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、アゼライン酸誘導体、セバシン酸誘導体、ドデカン−2−酸誘導体、マレイン酸誘導体、フマル酸誘導体、トリメリット酸誘導体、ピロメリット酸誘導体、クエン酸誘導体、イタコン酸誘導体、オレイン酸誘導体、リシノール酸誘導体、ステアリン酸誘導体などの脂肪酸誘導体;スルホン酸誘導体、リン酸誘導体、グルタール酸誘導体などの酸誘導体;グリコール誘導体、グリセリン誘導体、パラフィン誘導体、エポキシ誘導体;その他の重合型可塑剤、鉱物油系軟化剤、植物油系軟化剤;などが挙げられる。なお、本発明において、「可塑剤」とは、軟化剤、伸展剤を含む概念である。
本発明においては、ゴム配合物に老化防止剤を配合しない方が好ましいが、配合する場合は、例えば、イミダゾール類、フェノール類などの老化防止剤の内、接触汚染性やマット原反のパイルへの汚染性が良好なもの(汚染しにくいもの)を用いることが好ましい。
ゴム配合物の混練及びゴム配合物シートの圧延は、公知の方法を選択して行うことができ、シート厚さは日的に応じて種々選択できる。また、マットの部位によって、シート厚さを適宜変更したりゴム配合物の配合を適宜変更したりしてもよい。なお、NBRポリマーとアクリルゴムポリマーとを均一に混練するための方法としては、例えば、次の(a),(b)が挙げられる。
(a)NBRポリマーとアクリルゴムポリマーと少量の充填剤とを予め十分に混練しておき、これにその他の配合剤を添加して更に混練する方法。
(b)ゴム配合物に相溶化剤を配合する方法。なお、相溶化剤としては、例えば、種々のグラフト体が挙げられる。種々のグラフト体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体とアクリロニトリル−スチレン共重合体とのグラフト体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体とアクリロニトリル−スチレン共重合体とのグラフト体などが挙げられる。
ゴム配合物に適宜の発泡剤を適宜の量だけ添加して、マット基材の全部又は一部を発泡ゴムとしてもよい。
ゴム配合物には、所期の目的を阻害しない範囲で、NBRポリマー及びアクリルゴムポリマーの両者以外のポリマーを配合してもよい。
発明を実施するための最良の形態
本発明のマットとしては、第1図、第2図、第3図、第5図、第6図、及び第7図に示す構成のものなどが用いられる。なお、第1図〜第5図に示すマットは、マット基材の表面にマット原反が接合されて構成されたものであり、第6図及び第7図に示すマットは、マット基材のみで構成されたものである。
第1図はマット基材が本体部のみからなるマット(第1例のマット)を示す断面図である。図において、1はマット原反、2はマット基材であり、マット基材2はここでは本体部21のみからなっている。本体部21は、マット原反1の裏面全面に接合されており、マット原反1と縁が略揃っている。この本体部21は、通常は、マット原反1より少し大きめに成形しておき、トリミングして、作製する。
第2図はマット基材が本体部のみからなるマットの別の例(第2例のマット)を示す断面図である。ここでは、本体部21の縁がマット原反1の縁からはみ出ている。この本体部21も、第1図の場合と同様に作製する。
第3図はマット基材が本体部と耳部とからなるマット(第3例のマット)を示す断面図である。本体部21はマット原反1と縁が略揃っており、耳部22は、マット原反1の裏面には接合されず又は部分的に接合され、マット原反1の縁からはみ出るように本体部21の縁に接合されている。この耳部22は、第4図に示すように、未架橋テープゴム3を未架橋本体部211に当接させて共にプレス成形し、本体部21に接合した架橋テープゴムをマット原反1の縁からはみ出るようにトリミングして、作製する。
第5図はマット基材が本体部とエッジ部とからなるマット(第4例のマット)を示す断面図である。本体部21はマット原反1と縁が略揃っており、エッジ部23は、マット原反1の裏面には接合されず又は部分的に接合され、マット原反1の縁に沿うように本体部21の縁に接合されている。このエッジ部23は、第4図に示すように成形した後、架橋テープゴムをマット原反1の縁に略揃うようにトリミングして、作製する。
なお、マットの縁の耐久性を向上させるために、耳部22又はエッジ部23を本体部21より厚くしてもよい。
第6図はマット基材のみで構成されたマット(第5例のマット)を示す斜視部分図である。このマットは、マット基材2の表面に多数の凸部41を有している。凸部41は、略円柱状の突起である。多数の凸部41は、規則的に配列されている。凸部41は、マット基材2と同じ材料又は異なる材料でできている。
マット基材2と同じ材料からなる凸部41を有するマットは、次のようにして製造する。即ち、圧延したゴム配合物シートを、凸部成形用の多数のキャビティを有する金型を用いて、加熱プレスする。
マット基材2と異なる材料からなる凸部41を有するマットは、次のようにして製造する。即ち、上記金型の上記キャビティに凸部用材料を予め入れておく。そして、圧延したゴム配合物シートを、上記金型を用いて、加熱プレスする。
第7図もマット基材のみで構成されたマット(第6例のマット)を示す斜視部分図である。このマットも、マット基材2の表面に多数の凸部41を有している。凸部41は、板状に延びた突起である。多数の凸部41は、平行に且つ等間隔に並んでいる。凸部41は、マット基材2と同じ材料又は異なる材料でできている。製造方法は、第6図のマットの場合と同じである。
(実施形態1〜12及び比較形態1、2)
実施形態1のマットは、第1図の構成を有している。第1図において、マット原反1は、ナイロンパイル11がポリエステル不織布からなる基布12に植設され、且つ、基布12の裏面にNBRラテックスが塗布されて、構成されている。
実施形態1のマットは、次のようにして作製した。
まず、マット原反1の裏面に、表1の実施形態1のゴム配合物からなるゴム配合物シートを、当接させた。そして、ゴム配合物シートをマット原反1と共に加熱加圧処理した。これにより、ゴム配合物シートとマット原反1との接合処理及びゴム配合物シートの架橋処理が行われ、ゴム配合物シートは、架橋ゴムシートとなり、マット基材2即ち本体部21を構成した。こうして、マット基材2がマット原反1に接合してなるマットが得られた。加熱加圧処理は、マット原反1の裏面にゴム配合物シートを当接したものを上下方向から熱板で挟んで加圧して行った。処理条件は、具体的には、ゴム配合物シートの厚さを1.3mmとし、熱板温度170℃、加圧時間15分間、加圧圧力0.25MPaとした。なお、ゴム配合物は、ゴム成分と種々の配合剤とからなるものであり、表1において、NBR、アクリルゴム1、及びアクリルゴム2は、ゴム成分であり、その他は配合剤である。
【表1】
実施形態2〜12及び比較形態1、2のマットも、それぞれ表1に示す各々のゴム配合物を用い、実施形態1のマットと同様にして作製した。
物性試験のための架橋ゴムシートは、表1のゴム配合物シートを加熱加圧処理することにより、作製した。加熱加圧処理は、ゴム配合物シートを上下方向から熱板で挟んで加圧して行った。処理条件は、具体的には、ゴム配合物シートの厚さを1.3mmとし、熱板温度170℃、加圧時間15分間、加圧圧力0.25MPaとした。
上記ゴム配合物シートは、ゴム成分と種々の配合剤とを公知の方法によりバンバリーミキサーで混練し、公知の方法によりロールで圧延することにより作製される。なお、実施形態1〜11においては、まず、NBRポリマーと、アクリルゴムポリマーと、配合量の半分の量の充填剤と、配合量の半分の量の可塑剤とを、バンバリーミキサーで混練し、次いで、残りの充填剤及び可塑剤を追加するとともに、架橋系の配合剤(即ち、架橋剤、共架橋剤、及び架橋促進剤)以外の配合剤を追加して、更に混練し、その後、ミキサーから取り出して、上記架橋系の配合剤を加えながらロールで混練し圧延した。また、実施形態12においては、まず、NBRポリマーと、アクリルゴムポリマーと、相溶化剤と、配合量の半分の量の充填剤と、配合量の半分の量の可塑剤とを、バンバリーミキサーで混練し、その後は、実施形態1〜11と同様に行った。
表1において、ゴム配合物の各成分の詳細は次の通りである。
・NBR…JSR株式会社製のNBR(品番:N230S)である。
・アクリルゴム1…日本メクトロン株式会社製のアクリルゴムポリマー(品番:PA312)である。
・アクリルゴム2…日本メクトロン株式会社製のアクリルゴムポリマー(品番:PA512)である。
なお、これら市販のNBR及びアクリルゴム1、2には、製造時から微量ながら老化防止剤が添加されている。即ち、ゴム配合物の製造時に老化防止剤を配合しない場合であっても、上記の微量の老化防止剤がゴム配合物に含まれている。
・ホワイトカーボン…ケイ酸塩系ホワイトカーボン。
・可塑剤…DINP(フタル酸ジイソノニル)。
・老化防止剤1…大内新興化学工業株式会社製の商品名「ノクラック200」。
・老化防止剤2…大内新興化学工業株式会社製の商品名「ノクラックAD」。
・架橋剤1…硫黄
・架橋剤2…大内新興化学工業株式会社製の商品名「ノクセラーZTC」。
・架橋剤3…日本油脂株式会社製の商品名「パーヘキサ25B−40」。
・共架橋剤…三新化学株式会社製の商品名「サンエステルTMP」。
・架橋促進剤…大内新興化学工業株式会社製の商品名「ノクセラーDM」。
・相溶化剤…日本油脂株式会社製の商品名「モディパーA8400」。
実施形態1〜12及び比較形態1、2について、架橋ゴムシート(即ち、マット基材)及びマットの物性を調べた。その結果を表2に示す。なお、表2において、引張強さ、引裂強さ、及び硬さは、架橋ゴムシートの物性であり、耐オゾン劣化性、耐洗濯劣化性、及び床汚染性は、マットの物性である。
【表2】
表2において、各物性の詳細は次の通りである。
・引張強さ(MPa)…JIS K 6251の加硫ゴムの引張試験方法に準じた。
・引裂強さ(N/mm)…JIS K 6252の加硫ゴムの引裂試験方法に準じた。なお、試験片の形状は、「切り込み無しアングル形」とした。
・硬さ…JIS K 6253の加硫ゴムの硬さ試験方法に準じた。なお、試験機はA型とした。
・熱老化テスト後の引裂強さ変化(ΔN/mm)…JIS K 6257の加硫ゴムの老化試験方法に準じた。但し、「熱老化テスト後の引裂強さ変化値(ΔN/mm)」=「熱老化テスト前の引裂強さ(N/mm)」−「熱老化テスト後の引裂強さ(N/mm)」とした。また、熱老化温度は120℃、熱老化時間は120時間とした。
・耐オゾン劣化性…マット作製後、そのマットから、短冊状の評価用サンプルを切り出し、該サンプルを、第8図に示すように、パイルを内側にして直径Dの曲率で折り曲げてサンプルホルダーに保持させた。なお、直径Dは7mmとした。この状態のサンプルを、スガ試験機株式会社製オゾンウェザーメーターOMS−LE製に供し、40℃、10pphmの条件下で、72時間オゾン暴露した。その結果をJIS K 6259のオゾン劣化状態の観察方法に従って評価した。なお、表2中の「NC」はノークラックの意味である。
・耐洗濯劣化性…容量30kgの大型洗濯機に、約30kgのマットを投入し、90℃の温水中で30分間洗浄し、脱水し、乾燥機中で乾燥させた。この洗浄・脱水・乾燥という処理を20回繰り返した後、マット基材の状態を観察した。
・床汚染性…次のようにして評価した。
(1)架橋ゴムシートから2cm×4cmのゴムシート試験片2枚を裁断して用意する。
(2)一方、10cm×5cmの床材サンプル(商品名:フロアリュームリッチFL200、東リ株式会社製)を2枚用意する。
(3)1枚の床材サンプルの上に、2cm×4cmのゴムシート試験片2枚を置き、その上に、残りの1枚の床材サンプルを重ね、更にその上に、アルミ板(厚さ1〜2mm程度、8cm×8cm)を重ね、その上に、1kgの荷重を載せる。これを1セットとする。
(4)プラスチック密閉容器中に、すのこを入れ、該すのこの上に、(3)で作ったセットを置く。
(5)プラスチック密閉容器に、すのこの半分が浸る程度まで水を入れる。そして、プラスチック密閉容器を密閉し、60℃の恒温槽中で7日間放置する。
(6)床材サンプルをプラスチック密閉容器から取り出し、ゴムシート試験片を取り除いた後、これを室温で乾燥させる。
(7)床材サンプルのゴムシート試験片の接触していた面に紫外線を照射する。紫外線の照射は、ダイプラ・ウィンテス株式会社製のダイプラ・メタルウェザー(KU−R3)を用い、波長295〜780nm、強度45mW/cm2の光を、85℃、湿度70%の条件下で、9時間照射することで行う。このように紫外線を照射することにより、床材サンプルへ移った汚染性物質が変色するので、床材サンプルの汚染度合の判断が容易となる。
(8)この床材サンプルの汚染度合を目視で判断して得点をつける。得点は、5:全く汚染無し、4:極微少の曇り有り、3:極少の汚染有り、2:少し汚染有り、1:強い汚染有り、とした。
表2からわかるように、実施形態1〜12のマットは、比較形態1、2のマットに比して、耐オゾン劣化性が良好である。そして、実施形態1〜12のマットは、比較形態1、2のマットに比して、引張強さ及び引裂強さにおいては、やや劣っているが、耐洗濯劣化性においては、劣っておらず、又は、マット製品としての性能上問題となるほどには大きく劣っていない。また、実施形態8〜11のマットは、他の実施形態や比較形態のマットに比して、床汚染性が優れている。
なお、アクリルゴムポリマーは、配合される薬品によっては、常温下でも徐々に架橋反応が進んでしまうので、そのような場合、ポットライフが短いものになってしまう。例えば、エポキシ系のアクリルゴムポリマーは、アミン類、四級塩類、アンモニウムベンゾエートなどと反応しやすいものであるので、用いる場合には、特に加硫促進剤の選定に注意が必要である。
また、本体部21と、耳部22(又はエッジ部23)と、からなるマット基材2においては、両者における配合成分を異ならせてもよい。勿論、両者におけるNBRポリマーとアクリルゴムポリマーとの配合割合を異ならせてもよい。
(実施形態13〜24)
実施形態13のマットは、第3図の構成を有している。第3図において、マット原反1は実施形態1のマット原反1と同じである。マット基材2は、本体部21と耳部22とで構成されている。
実施形態13のマットは、次のようにして作製した。
まず、第4図に示すように、マット原反1の裏面に、表3の実施形態13のゴム配合物からなるゴム配合物シート(未架橋本体部)211を、当接させるとともに、表4の実施形態13のゴム配合物からなるゴム配合物シート(未架橋テープゴム)3を、ゴム配合物シート211の周縁に約5mm重なるようにセットし、両者をマット原反1と共に加熱加圧処理した。これにより、ゴム配合物シートとマット原反1との接合処理及びゴム配合物シートの架橋処理が行われ、ゴム配合物シート211及びゴム配合物シート3は、架橋ゴムシートとなり、マット基材2即ち本体部21及び耳部22を構成した。耳部22は、適宜の幅(例えば10mm)にトリミングした。こうして、マット基材2がマット原反1に接合してなるマットが得られた。加熱加圧処理は、マット原反1の裏面にゴム配合物シートを当接したものを上下方向から熱板で挟んで加圧して行った。処理条件は、具体的には、ゴム配合物シート211の厚さを0.7mmとし、ゴム配合物シート3の厚さを1.7mmとし、熱板温度、加圧時間、及び加圧圧力を、実施形態1の場合と同じとした。なお、ゴム配合物シート211は、加熱加圧処理後に発泡して、得られた架橋ゴムシートの厚さが約1.3mmとなるよう設計されている。
なお、未架橋テープゴム3のゴム配合物の混練方法は、実施形態1と同じ方法で行った。また、未架橋本体部211のゴム配合物の混練方法は、発泡剤を架橋系の配合剤と同時に混練した以外は、実施形態1と同じ方法で行った。
【表3】
【表4】
実施形態14〜24及び比較形態3、4のマットも、それぞれ表3、4に示すゴム配合物を用い、実施形態13のマットと同様にして作製した。
物性試験のための架橋ゴムシートは、表3のゴム配合物シートを加熱加圧処理することにより、作製した。なお、ここでは、本体部21を構成する配合の架橋ゴムシートのみを作製した。加熱加圧処理は、ゴム配合物シートを上下方向から熱板で挟んで加圧して行った。処理条件は、具体的には、ゴム配合物シートの厚さを1.3mmとし、熱板温度170℃、加圧時間15分間、加圧圧力0.25MPaとした。
上記ゴム配合物シートは、実施形態1の場合と同様にして作製した。
表3、4において、ゴム配合物の各成分の詳細は次の通りである。但し、表1と同じものは省略した。
・発泡剤…永和化成工業株式会社製の商品名「ネオセルボンN#1000」である。
実施形態13〜24及び比較形態3、4について、架橋ゴムシート(即ち、マット基材の本体部)及びマットの物性を調べた。その結果を表5に示す。表5において、各物性の詳細は表2と同じであるが、発泡ゴムであるので、密度を測定した。また、硬さの測定は省略した。
【表5】
表5からわかるように、実施形態13〜24のマットは、比較形態3、4のマットに比して、耐オゾン劣化性が良好である。そして、実施形態13〜24のマットは、比較形態3、4のマットに比して、引張強さ及び引裂強さにおいては、やや劣っているが、耐洗濯劣化性においては、劣っておらず、又は、マット製品としての性能上問題となるほどには大きく劣っていない。また、実施形態20〜23のマットは、他の実施形態や比較形態のマットに比して、床汚染性が優れている。
(実施形態25)
実施形態25のマットは、第6図の構成を有している。このマットは、マット基材2のみで構成されており、その表面に多数の凸部41を有している。凸部41は、円柱状の突起である。多数の凸部41は、規則的に配列されている。凸部41は、マット基材2と同じ材料でできている。
実施形態25のマットは、次のようにして作製した。
まず、表3の実施形態16のゴム配合物を圧延して、厚さ2.0mmのゴム配合物シートを作製した。そして、多数の円柱状のキャビティが格子状に配列されている鉄板に、上記ゴム配合物シートを重ね、熱板により加熱プレス成形した。なお、キャビティの直径は7mmである。格子は、1辺が1.5mmの正方形である。加熱プレス成形の条件は、温度160℃、加圧時間20分間、圧力0.4MPaである。
実施形態25のマットによれば、凸部41間の窪みによって、ダストを良好に捕集できる。また、凸部41による指圧作用によって、疲労防止効果を発揮できる。
(比較形態5)
表3の比較形態3のゴム配合物を用いて、実施形態25と同様にしてマットを作製した。
そして、実施形態25及び比較形態5のマットについて、下記の耐候性試験を行った。
・耐候性試験…マットを、2つ折りにして、折り目にコンクリートブロックを載せた状態で屋外に30日間放置した。なお、コンクリートブロックは、底面30cm×20cm、重さ10kgである。この30日間の各日における最高オゾン濃度値は、2pphm〜5pphmであった。
耐候性試験の結果は次のとおりであった。即ち、マットの折り曲げ部を観察したところ、実施形態25のマットでは、オゾンクラックは全く見られなかったが、比較形態5のマットでは、C−5程度のオゾンクラックが見られた。
以上のように、本発明のマットは、耐オゾン劣化性が優れている。
なお、本発明は、次のような変形構造も採用できる。
(1)実施形態1〜12のマットにおいて、本体部21を発泡ゴムで構成する。これによれば、マットの軽量化を達成できる。
(2)実施形態13〜24のマットにおいて、耳部22の代わりに、耳部22と同じ材料で第5図に示すエッジ部23を設ける。これによっても、実施形態13〜24と同様の効果を奏する。
(3)実施形態13〜24のマットにおいて、本体部21を発泡ゴムではなくソリッドゴムで構成する。これによれば、発泡ゴムの場合よりも、本体部21の耐オゾン劣化性を及び耐久性を良好なものにできる。
(4)実施形態13〜24のマットにおいて、耳部22又はエッジ部23を得るのに用いるゴム配合物にアクリルゴムポリマーを配合しない。これによれば、アクリルゴムポリマーを配合しない分だけマットを安価にできる。
(5)実施形態1〜24では、第1図及び第3図の構成のマットを採用したが、これに限らず、第2図、第5図、又はその他の構成のマットを採用してもよい。これによっても、同様の作用効果が発揮される。また、実施形態25では、第6図の構成のマットを採用したが、これに限らず、第7図の構成のマットを採用してもよい。
(6)実施形態25の凸部41は、半球形状の突起、その他の形状の突起でもよい。
(7)第6図及び第7図のマットにおいては、凸部41をマット基材2の裏面に形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のマットの第1例を示す断面図である。
第2図は本発明のマットの第2例を示す断面図である。
第3図は本発明のマットの第3例を示す断面図である。
第4図は第3例又は第4例のマットの一製造工程を示す断面図である。
第5図は本発明のマットの第4例を示す断面図である。
第6図は本発明のマットの第5例を示す斜視部分図である。
第7図は本発明のマットの第6例を示す斜視部分図である。
第8図は耐オゾン劣化性を測定する際のマットの状態を示す断面部分図である。
Claims (14)
- マット基材のみで構成された、又は、マット基材の表面にマット原反が接合されて構成された、マットにおいて、
マット基材が、ゴム配合物を架橋処理して得られた架橋ゴムからなっており、
ゴム配合物が、ゴム成分として、アクリロニトリル−ブタジエンゴムポリマーとアクリルゴムポリマーとを含有していることを特徴とするマット。 - マット基材の表面にマット原反が接合されて構成された、マットにおいて、
マット基材が、マット原反の裏面全面に接合される本体部のみで構成されており、若しくは、
該本体部と、マット原反の裏面には接合されず又は部分的に接合され、且つ、マット原反の縁からはみ出るように本体部の縁に接合されている、耳部と、で構成されており、若しくは、
上記本体部と、マット原反の裏面には接合されず又は部分的に接合され、且つ、マット原反の縁に沿うように本体部の縁に接合されている、エッジ部と、で構成されており、
少なくとも本体部を得るのに用いるゴム配合物が、ゴム成分として、アクリロニトリル−ブタジエンゴムポリマーとアクリルゴムポリマーとを含有している、請求項1記載のマット。 - マット基材のみで構成されたマットにおいて、
マット基材が、その表面又は裏面に、多数の凸部を有している、請求項1記載のマット。 - アクリロニトリル−ブタジエンゴムポリマーとアクリルゴムポリマーとの含有比率が、85:15〜50:50である、請求項1記載のマット。
- ゴム配合物に老化防止剤が配合されていない、請求項1記載のマット。
- ゴム配合物に相溶化剤が配合されている、請求項1記載のマット。
- 架橋処理が、硫黄架橋によって行われた、請求項1記載のマット。
- 架橋処理が、硫黄架橋と、硫黄以外を架橋剤とした架橋と、によって行われた、請求項1記載のマット。
- 硫黄以外の架橋剤が、安息香酸アンモニウム、イソシアヌル酸、トリメルカプトトリアジン、ジチオカルバミン酸塩、又は有機カルボン酸アンモニウムである、請求項8記載のマット。
- 架橋処理が、過酸化物架橋によって行われた、請求項1記載のマット。
- 少なくとも本体部を構成する架橋ゴムが、発泡ゴムである、請求項2記載のマット。
- マット基材及び凸部の少なくとも一方が、発泡ゴムである、請求項3記載のマット。
- 本体部を構成する架橋ゴムが発泡ゴムであり、耳部又はエッジ部を構成する架橋ゴムがソリッドゴムである、請求項2記載のマット。
- 本体部を得るのに用いるゴム配合物が、ゴム成分として、アクリロニトリル−ブタジエンゴムポリマーとアクリルゴムポリマーとを含有しており、耳部又はエッジ部を得るのに用いるゴム配合物が、ゴム成分として、アクリロニトリル−ブタジエンゴムポリマーを含有し且つアクリルゴムポリマーを含有していない、請求項13記載のマット。
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