JP2019065169A - ゴム系樹脂架橋発泡体及び止水シール材 - Google Patents
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Abstract
Description
発泡体の材料としては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等のアクリロニトリル成分を一定量以上含有するゴム系樹脂と、アゾジカルボンアミドとを含む発泡性樹脂を発泡させてなるゴム系樹脂架橋発泡体が特許文献1及び2に記載されている。該発泡体は、その優れた諸物性により、止水シール材用途として有用であることが記載されている。
止水シール材として用いられる発泡体には、止水性、シール性等の性能に加え、経年劣化しない長期安定性が求められる。発泡体の経年劣化の原因の1つとして、大気中のオゾンによって発泡体に亀裂等の劣化が生じるオゾン劣化が挙げられる。発泡体のオゾン劣化は、特にオゾン濃度が高い地域で使用される場合に問題となり、例えば、自動車のように幅広い地域で使用される製品に適用される止水シール材について、耐オゾン性を向上させることが望まれている。自動車用の止水シール材とは、例えば、ウィンドウ、ランプカバー等と本体との間隙を埋めるために用いられる止水シール材である。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[7]を提供するものである。
[1]アクリロニトリル成分を30質量%以上含有するアクリロニトリル−ブタジエンゴム系樹脂及びアミン系老化防止剤を含有し、該アミン系老化防止剤の含有量が、アクリロニトリル−ブタジエンゴム系樹脂100質量部に対して1〜10質量部である、ゴム系樹脂架橋発泡体。
[2]前記アミン系老化防止剤が、フェニレンジアミン系老化防止剤である、上記[1]に記載のゴム系樹脂架橋発泡体。
[3]前記フェニレンジアミン系老化防止剤が、N’−フェニル−p−フェニレンジアミン誘導体である、上記[1]又は[2]に記載のゴム系樹脂架橋発泡体。
[4]架橋度が70質量%以上である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のゴム系樹脂架橋発泡体。
[5]更に、カーボンブラックを、アクリロニトリル−ブタジエンゴム系樹脂100質量部に対して1〜10質量部含有する、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のゴム系樹脂架橋発泡体。
[6]見掛け密度が20〜200kg/m3である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のゴム系樹脂架橋発泡体。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載のゴム系樹脂架橋発泡体を用いた止水シール材。
本発明のゴム系樹脂架橋発泡体(以下、単に「発泡体」ともいう)は、アクリロニトリル成分を30質量%以上含有するアクリロニトリル−ブタジエンゴム系樹脂及びアミン系老化防止剤を含有し、該アミン系老化防止剤の含有量が、アクリロニトリル−ブタジエンゴム系樹脂100質量部に対して1〜10質量部である、ゴム系樹脂架橋発泡体である。
本発明の発泡体は、アクリロニトリル成分を30質量%以上含有するアクリロニトリル−ブタジエンゴム系樹脂(以下、「NBR系樹脂」ともいう)を含有する。
NBR系樹脂は、アクリロニトリル成分を30質量%以上含有し、室温(20℃)でゴム弾性(rubber elasticity)を有するものであれば、特に限定されない。
NBR系樹脂は、アクリロニトリル成分を30質量%以上含有することにより、寸法変化が生じ難く、長期安定性が良好となる。同様の観点から、NBR系樹脂中におけるアクリルニトリル成分の含有量は、35〜80質量%が好ましく、37〜70質量%がより好ましく、40〜60質量%が更に好ましい。一方、NBR系樹脂のアクリロニトリル成分の含有量が30質量%未満であると、発泡体の寸法変化が生じ易く、長期安定性に劣る。
なお、2種以上のNBR系樹脂を用いる場合は、その重量平均値をアクリロニトリル成分の含有量とする。
本明細書において、上記のアクリロニトリル成分の含有量とは、NBR系樹脂中に含まれる、アクリロニトリル由来の構造単位の含有量を意味するものである。
NBR系樹脂中におけるブタジエン成分の含有量は、20〜65質量%が好ましく、30〜63質量%がより好ましく、40〜60質量%が更に好ましい。
NBR系樹脂の具体例としては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化されたアクリロニトリル−ブタジエンゴム(HNBR)、カルボキシル化されたアクリロニトリル−ブタジエンゴム(XNBR)、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレンゴム(NBIR)等が挙げられる。これらの中でも、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)が好ましい。
NBR系樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
液状のNBR系樹脂としては、液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム(液状NBR)、液状の水素化されたアクリロニトリル−ブタジエンゴム(液状HNBR)、液状のカルボキシル化されたアクリロニトリル−ブタジエンゴム(液状XNBR)、液状アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレンゴム(液状NBIR)、及びアクリロニトリルとブタジエンと老化防止機能等を有する機能性モノマーとの液状三元共重合体等の液状アクリロニトリル系ゴム等が挙げられる。液状のNBR系樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中では、発泡体の止水性を向上させる観点から、液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム(液状NBR)が好ましい。
NBR系樹脂以外のゴム系樹脂としては、室温(20℃)でゴム弾性(rubber elasticity)を有するものであれば特に制限はなく、クロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ウレタンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
NBR系樹脂以外のゴム系樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の発泡体が、NBR系樹脂以外のゴム系樹脂を含有する場合、その含有量は、発泡体の止水性を向上させる観点から、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。また、本発明の発泡体は、NBR系樹脂以外のゴム系樹脂を含有しないものであってもよい。
NBR系樹脂の含有量が55質量%以上であると、十分な機械強度を有しつつ、発泡体の柔軟性、シール性等が得られる。また、NBR系樹脂の含有量が98質量%以下であると、アミン系老化防止剤等を十分に添加することができ、シール性、柔軟性等と耐オゾン性とをバランス良く向上させることができる。同様の観点から、NBR系樹脂の含有量は、70〜95質量%がより好ましく、80〜92質量%が更に好ましい。
本発明の発泡体は、アミン系老化防止剤をNBR系樹脂100質量部に対して1〜10質量部含有するものである。
本発明の発泡体は、アミン系老化防止剤を、NBR系樹脂100質量部に対して1〜10質量部含有することにより、優れた耐オゾン性と耐ブリード性とを両立することができる。その機構については定かではないが、アミン系老化防止剤は、本発明の発泡体が含有するNBR系樹脂との親和性が高く、発泡体中に均一に分散されるため、発泡体の形状にしてオゾンとの接触面積が増加した場合においても、耐オゾン性を向上させる効果を十分に発揮されると考えられる。一方で、上記の親和性により、アミン系老化防止剤は発泡体からブリードし難く、NBR系樹脂100質量部に対して1〜10質量部という特定の含有量の範囲において、特に優れた耐オゾン性と耐ブリード性とが両立されていると考えられる。
フェニレンジアミン系老化防止剤とは、パラフェニレンジアミン及びその誘導体からなる老化防止剤であり、耐オゾン性と耐ブリード性とを高度に両立させる観点から、芳香環を2個以上含むものが好ましく、N’−フェニル−p−フェニレンジアミン誘導体がより好ましい。
(式中、R1及びR2は、各々独立に、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜15の有機基を示す。)
R1で表される有機基としては、置換又は無置換の脂肪族炭化水素基、置換又は無置換の芳香族基等が挙げられる。
置換又は無置換の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基、各種アミル基、各種ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基等の直鎖状又は分岐状アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;各種エテニル基、各種プロペニル基、各種ブテニル基、各種ペンテニル基、各種ヘキセニル基、各種ヘプテニル基、各種オクテニル基、各種ノネニル基、各種デセニル基等の直鎖状又は分岐状アルケニル基;各種エチニル基、各種プロピニル基、各種ブチニル基、各種ペンチニル基、各種へキシニル基、各種へプチニル基、各種オクチニル基、各種ノニニル基等の直鎖状又は分岐状アルキニル基等が挙げられる。なお、「各種」とは、n−、sec−、tert−、iso−を含む各種異性体を意味する。脂肪族炭化水素基の置換基としては、後述する置換又は無置換の芳香族基、ヘテロ原子を含有する置換基等が挙げられる。
置換又は無置換の芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。芳香族基の置換基としては、上記の置換又は無置換の脂肪族炭化水素基、後述するヘテロ原子を含有する置換基等が挙げられる。
上記ヘテロ原子としては、硫黄原子、酸素原子等が挙げられ、これらは、スルホニル基、水酸基、カルボニル基等のヘテロ原子を含有する置換基として含まれていてもよい。
これらの中でも、R1としては、耐オゾン性と耐ブリード性とを高度に両立させる観点から、置換又は無置換の芳香族基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
R2で表される有機基としては、R1で表される有機基として挙げられた基と同じものが挙げられる。これらの中でも、分岐状アルキル基が好ましい。分岐状アルキル基としては、イソプロピル基、1,3−ジメチルブチル基、1,4−ジメチルペンチル基、1−エチル−3−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、1−メチルヘプチル基等がより好ましく、イソプロピル基、1,3−ジメチルブチル基が更に好ましい。
アミン系老化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、アミン系老化防止剤の含有量が1質量部未満であると、十分な耐オゾン性を得ることが困難になり、10質量部を超えるとブリードの発生を抑制することが困難になる。同様の観点から、アミン系老化防止剤の含有量は、NBR系樹脂100質量部に対して、3〜9質量部が好ましく、5〜8質量部がより好ましく、6〜8質量部が更に好ましい。
本発明の発泡体は、更に、カーボンブラックを含有することが好ましい。
本発明の発泡体は、カーボンブラックを含有することで、より優れた耐オゾン性が得られる。その機構については定かではないが、カーボンブラックが発泡体の表面及び内部に分散することにより、発泡体を構成するNBR系樹脂とオゾンとの接触が阻害されることに起因すると推測される。
ヨウ素吸着量が20mg/g以上であると、耐オゾン性を良好にしつつ、発泡体の密着性が良好になる傾向にある。同様の観点から、ヨウ素吸着量は、30mg/g以上が好ましく、35mg/g以上がより好ましい。また、ヨウ素吸着量は、150mg/g以下が好ましく、100mg/g以下がより好ましい。
DBP吸着量が60mL/100g以上であると、耐オゾン性を良好にしつつ、発泡体の密着性が良好になる傾向にある。同様の観点から、DBP吸着量は、65mL/100g以上が好ましく、70mL/100g以上がより好ましい。また、DBP吸着量は、150mg/g以下が好ましい。
なお、ヨウ素吸着量は、JIS K6217−1に準拠して求めることができ、DBP吸着量の測定は、JIS K6217−4に準拠して求めることができる。
なお、カーボンブラックの平均粒子径は、透過型電子顕微鏡により粒子の直径を測定してその平均値を算出することにより求めることができる。
本発明の発泡体は、上記の各成分以外の添加剤を含有していてもよい。
添加剤としては、粘着付与樹脂、難燃剤、酸化防止剤、前記カーボンブラック以外の充填材、顔料、着色剤、防カビ剤、発泡助剤、難燃助剤等が挙げられる。これらの中でも、酸化防止剤を含有することが好ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等が挙げられる。
酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤と硫黄系酸化防止剤とを併用してもよい。
酸化防止剤の含有量は、NBR系樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。
充填材としては、タルク、炭酸カルシウム、ベントナイト、フュームドシリカ、アルミニウムシリケート、アセチレンブラック、アルミニウム粉等が挙げられる。
これらの添加剤は、各々について、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の発泡体は、NBR系樹脂を架橋してなる架橋発泡体である。
本発明の発泡体の架橋度は、70質量%以上であることが好ましい。架橋度を70質量%以上とすることで、機械強度が高くなり、耐久性をより向上させやすくなると共に、耐オゾン性がより優れたものとなる。一方で、本発明の発泡体の架橋度は、柔軟性及びシール性を良好とする観点からは、95質量%以下であることが好ましい。同様の観点から、架橋度は、80〜93質量%がより好ましく、85〜90質量%が更に好ましい。
架橋度は、以下の方法により測定することができる。
<架橋度の測定方法>
ゴム系樹脂架橋発泡体から約100mgの試験片を採取し、試験片の重量A(mg)を精秤する。次に、この試験片を120℃のキシレン30cm3中に浸漬して24時間放置した後、200メッシュの金網で濾過して金網上の不溶解分を採取、真空乾燥し、不溶解分の重量B(mg)を精秤する。得られた値から、下記式により架橋度(質量%)を算出する。
架橋度(質量%)=100×(B/A)
本発明の発泡体の見掛け密度は、適度な機械強度を有しつつ、発泡体の柔軟性、シール性等を向上させる観点から、20〜200kg/m3が好ましく、20〜150kg/m3がより好ましく、25〜120kg/m3が更に好ましく、25〜100kg/m3がより更に好ましい。
発泡体の見掛け密度は、JIS K7222(2005)に準拠して測定することができる。
本発明の発泡体の独立気泡率は70%以上であることが好ましい。独立気泡率が70%以上であると、十分な止水性が得られるため、止水シール材として好適である。同様の観点から、独立気泡率は80〜100%がより好ましく、85〜100%が更に好ましく、90〜100%がより更に好ましい。なお、気泡の一部に連続気泡が含まれていてもよい。
本発明における独立気泡率は、下記の要領で測定されたものをいう。
(独立気泡率の測定方法)
まず、発泡体から一辺が5cmの平面正方形状で且つ一定厚みの試験片を切り出す。そして、試験片の厚みを測定して試験片の見掛け体積V1を算出すると共に、試験片の重量W1を測定する。
次に、気泡の占める体積V2を下記式に基づいて算出する。なお、試験片を構成している樹脂の密度はρg/cm3とする。
気泡の占める体積V2=V1−W1/ρ
続いて、試験片を23℃の蒸留水中に水面から100mmの深さに沈めて、試験片に15kPaの圧力を3分間に亘って加える。しかる後、試験片を水中から取り出して試験片の表面に付着した水分を除去して試験片の重量W2を測定し、下記式に基づいて連続気泡率F1及び独立気泡率F2を算出する。
連続気泡率F1(%)=100×(W2−W1)/V2
独立気泡率F2(%)=100−F1
本発明の発泡体の厚さは、その用途に応じて適宜選択すればよいが、0.5〜15mmが好ましく、0.8〜10mmがより好ましく、1〜10mmが更に好ましい。発泡体の厚さが1mm以上であると、機械強度が十分となり取り扱いが容易となり、15mm以下であると、発泡体自体の重量による変形を抑制することができる。
本発明の発泡体の用途は、特に限定されないが、建築、エレクトロニクス、車両等の各種分野において、各種構造物の間隙を埋めて水の浸入を防止するために用いられる止水シール材として好適である。
本発明のゴム系樹脂架橋発泡体は、上記した各成分と発泡剤とを混合して発泡性樹脂組成物を調製し、該発泡性樹脂組成物を発泡させる方法により製造することができる。
具体的には、まず、NBR系樹脂、アミン系老化防止剤、発泡剤及び必要に応じてカーボンブラック、その他の添加剤を配合及び混練して発泡性樹脂組成物を調製し、該発泡性樹脂組成物をシート状に成形することによりゴム系発泡性樹脂シートを準備する。次いで、得られたゴム系発泡性樹脂シートを電離放射線等により架橋させた後、加熱炉、オーブン等の加熱装置内にて加熱して発泡させる方法により製造することが好ましい。
発泡剤としては、熱分解型発泡剤が好ましい。熱分解型発泡剤としては、有機発泡剤、無機発泡剤が使用可能である。有機発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸金属塩(アゾジカルボン酸バリウム等)、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物;ヒドラゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体;トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物等が挙げられる。
無機発泡剤としては、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、無水クエン酸モノソーダ等が挙げられる。
これらの中でも、微細な気泡を得る観点、及び経済性、安全面の観点から、アゾ化合物が好ましく、アゾジカルボンアミドがより好ましい。
熱分解型発泡剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
発泡性組成物における熱分解型発泡剤の配合量は、NBR系樹脂100質量部に対して、3〜25質量部が好ましく、5〜20質量部がより好ましく、7〜17質量部が更に好ましい。
ゴム系発泡性樹脂シートは、例えば、発泡性樹脂組成物を、バンバリーミキサー、加圧ニーダ等の混練機を用いて混練した後、押出機、カレンダ、コンベアベルトキャスティング等により連続的に押し出すことにより製造することができる。
ゴム系発泡性樹脂シートの架橋方法としては、電離性放射線を照射して架橋する方法、有機過酸化物を配合して架橋する方法等が挙げられる。
電離性放射線により架橋する場合、電離性放射線としては、光、γ線、電子線等が挙げられる。電離性放射線の照射量は、0.5〜10Mradが好ましく、0.7〜5.0Mradがより好ましい。
電離性放射線により架橋を行った場合、径が小さく均一な気泡を有するゴム系樹脂架橋発泡体のシートを得ることができる。このような径が小さく均一な気泡を有するゴム系樹脂架橋発泡体のシートは、その表面が平滑であって被着面に対する接触面積が大きくなり密着性が向上するため止水性に優れている。
有機過酸化物により架橋する場合、有機過酸化物としては、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、クミルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチルパーオキシクメン等が挙げられる。
有機過酸化物の配合量は、NBR系樹脂100質量部に対して、0.05〜10質量部が好ましく、0.1〜7質量部がより好ましい。
ゴム系発泡性樹脂シートを発泡させる方法としては、オーブン等のバッチ方式、発泡性樹脂シートを長尺のシート状として連続的に加熱炉内を通す連続発泡方式等が挙げられる。加熱温度は、発泡剤の種類等にもよるが、200〜320℃が好ましく、250〜300℃がより好ましい。
本発明の止水シール材は、上記の本発明のゴム系樹脂架橋発泡体を用いた止水シール材である。
本発明の止水シール材は、本発明の発泡体のみから構成されていてもよいし、熱可塑性樹脂であるポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸ビニル樹脂(ポリビニルアセテート)、塩化ビニル樹脂(ポリ塩化ビニル)、塩化ビニリデン樹脂(ポリ塩化ビニリデン)等を主原料とした熱可塑性樹脂フィルムをラミネート(積層)した構成であってもよい。熱可塑性樹脂フィルムをラミネートすることにより、表面の平滑性を向上させることができ、その結果、柔軟性及び密着性を向上させることができる。また、止水性を向上させる観点から、発泡体に、シリコン、フッ素等を分子構造に含んだ低極性の分子の薄膜を付与してもよい。
本発明の止水シール材は、建築、エレクトロニクス、車両等の各種分野において、各種構造物の間隙を埋めて水の浸入を防止するために用いられる止水シール材として好適に使用され、特に、オゾン濃度が高い地域での使用が想定される自動車用ランプの止水シール材として好適である。
(1)アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)
日本ゼオン(株)製、商品名「Nipol DL101L」、
密度:1.00g/cm3(固体)
アクリロニトリル成分の含有量:42.5質量%
硫黄分;1,500質量ppm 測定方法:ICP−AES
(2)老化防止剤
6PPD:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクラック6C」
分子量268.4
IPPD:N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクラック810−NA」
分子量226.3
BHT:2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール
大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクラック200」
分子量220.4
(3)カーボンブラック
旭カーボン(株)製「#60」、
ヨウ素吸着量43mg/g、DBP吸着量114mL/100g
平均粒径45nm
(4)フェノール系酸化防止剤(粉体状)
チバ・ジャパン(株)製、商品名「イルガノックス1010」
(5)硫黄系酸化防止剤
大内新興化学工業(株)製「ノクラック400」、チオジプロピオン酸ジラウリル
(6)発泡剤
アゾジカルボンアミド
大塚化学(株)製、商品名「SO−L」、分解温度:197℃
表1の記載にしたがって各成分を配合し、加圧ニーダにより混練して発泡性樹脂組成物を得た。次に、この発泡性樹脂組成物を、押出機に供給して溶融混練した後、押出機から溶融状態の発泡性樹脂組成物を押出速度50kg/時間にて押出すことにより、厚み1.6mmのゴム系発泡性樹脂シートを製造した。続いて、ゴム系発泡性樹脂シートの両面に加速電圧450keVにて電離性放射線を1.8Mrad照射することにより、ゴム系発泡性樹脂シートを架橋した。
そして、ゴム系発泡性樹脂シートを加熱炉中に供給し、270℃にて加熱することにより発泡させ、厚さ5mmのゴム系樹脂架橋発泡体を得た。
上記ゴム系樹脂架橋発泡体に対して、以下に示す各種物性評価、オゾン劣化試験及び耐ブリード性の評価を行った。結果を表1に示す。
配合組成を表1に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてゴム系樹脂架橋発泡体を製造し、下記評価を行った。結果を表1に示す。
(1)見掛け密度
JIS K 7222に準拠して測定した。
(2)架橋度
前述の方法に基づいて架橋度(質量%)を測定した。
(3)オゾン劣化試験
オゾン劣化試験は、JIS K6259に準拠して行った。
具体的には、得られた発泡体を幅10mm×長さ150mmに切り出した後、サンプルの中央部が長さ方向へ20%伸長されるように治具を用いて固定した状態で、試験温度40℃、オゾン濃度50pphmの条件でオゾンに曝し続けた際に、その表面にクラックが発生するまでの時間を計測した。
クラック発生時間に応じて、以下の基準に基づいて耐オゾン性を評価した。
A:500時間以上
B:250時間以上、500時間未満
C:100時間以上、250時間未満
D:100時間未満
(4)耐ブリード性
得られた発泡体の外観を目視にて観察し、以下の基準に基づいて評価した。
A:ブリードが観察されなかった。
B:ブリードが観察された。
Claims (7)
- アクリロニトリル成分を30質量%以上含有するアクリロニトリル−ブタジエンゴム系樹脂及びアミン系老化防止剤を含有し、該アミン系老化防止剤の含有量が、アクリロニトリル−ブタジエンゴム系樹脂100質量部に対して1〜10質量部である、ゴム系樹脂架橋発泡体。
- 前記アミン系老化防止剤が、フェニレンジアミン系老化防止剤である、請求項1に記載のゴム系樹脂架橋発泡体。
- 前記フェニレンジアミン系老化防止剤が、N’−フェニル−p−フェニレンジアミン誘導体である、請求項1又は2に記載のゴム系樹脂架橋発泡体。
- 架橋度が70質量%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム系樹脂架橋発泡体。
- 更に、カーボンブラックを、アクリロニトリル−ブタジエンゴム系樹脂100質量部に対して1〜10質量部含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム系樹脂架橋発泡体。
- 見掛け密度が20〜200kg/m3である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム系樹脂架橋発泡体。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴム系樹脂架橋発泡体を用いた止水シール材。
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