JPWO2003068973A1 - 肝炎の診断に有用なdna配列とコードされたポリペプタイド - Google Patents

肝炎の診断に有用なdna配列とコードされたポリペプタイド Download PDF

Info

Publication number
JPWO2003068973A1
JPWO2003068973A1 JP2003568084A JP2003568084A JPWO2003068973A1 JP WO2003068973 A1 JPWO2003068973 A1 JP WO2003068973A1 JP 2003568084 A JP2003568084 A JP 2003568084A JP 2003568084 A JP2003568084 A JP 2003568084A JP WO2003068973 A1 JPWO2003068973 A1 JP WO2003068973A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hepatitis
polypeptide
seq
antibody
clone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003568084A
Other languages
English (en)
Inventor
暉勝 有馬
暉勝 有馬
和明 石橋
和明 石橋
王 紅
紅 王
Original Assignee
暉勝 有馬
暉勝 有馬
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 暉勝 有馬, 暉勝 有馬 filed Critical 暉勝 有馬
Publication of JPWO2003068973A1 publication Critical patent/JPWO2003068973A1/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/005Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from viruses
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2770/00MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA ssRNA viruses positive-sense
    • C12N2770/00011Details
    • C12N2770/24011Flaviviridae
    • C12N2770/24211Hepacivirus, e.g. hepatitis C virus, hepatitis G virus
    • C12N2770/24222New viral proteins or individual genes, new structural or functional aspects of known viral proteins or genes

Abstract

慢性非B非C肝炎、急性非A非B非C非D非E非G(以下非A−G)肝炎のある患者の血清中の抗体により認識される、以前は未知の、ポリペプタイド抗原をコードするものとして、新しいcDNAクローンKが単離され、その特徴が検討された。患者血清中の抗Kポリペプタイド抗体に関連した肝炎は、防するために必要であると考えられる。クローンKに対応するRNA配列は、肝炎ウィルスA、肝炎ウィルスB、肝炎ウィルスC、肝炎ウィルスD、肝炎ウィルスE、および肝炎ウィルスG以外の外因性の感染性病原物質の核酸に含まれており、ヒトにおける非A−G肝炎の進行に付加的な疫学的病因物質あるいは関連する一つの因子を表しているのかもしれない。K核酸と対応するポリペプタイドおよび、それぞれの変異株は、非A−G肝炎の予防、診断および治療を目指した一連の手段において有用であるだろう。

Description

技術分野
6種類のヒト肝炎ウイルスが、報告されてきた。肝炎ウイルスA、肝炎ウイルスB、肝炎ウイルスC、肝炎ウイルスD、肝炎ウイルスEそして、肝炎ウイルスGである(肝炎ウイルスGは肝炎を起こすとは考えにくい)。この発明は、一つのDNA配列とその配列がコードするペプチドについてのものである。そのコードされたペプチドは、非B非C慢性肝炎のある患者の抗体により特異的に認識される一つの抗原を代表するものである。結果的に、そのペプチドは急性の非A、非B、非C、非D、非E、そして非G型急性肝炎(これらのうち急性B型肝炎と急性C型肝炎が慢性化する可能性がある)に特異的である。本発明の、その塩基配列とコードされたポリペプチドは非A−G型肝炎の診断に有用である。
背景技術
ウイルス性肝炎は主要な公衆健康に関する問題の一つであり、世界中の肝臓病のもっとも一般的な原因である。年間300,000の急性ウイルス性肝炎の症例が米国では発生しているが、幸にも劇症肝炎になる例はまれな結果であるが、B型肝炎とC型肝炎は多くは、慢性ウイルス性肝炎となる。慢性ウイルス性肝炎に感染した例は5000,000人おり、疑いもなく慢性肝臓病のもっとも一般的な原因である。より効果的な公衆衛生手段と肝炎ウイルスBワクチンの実施により、世界中で急性ウイルス性肝炎のインシデンスは減少しつつあるが、C型急性肝炎のケースは85%の頻度である。15,000人のアメリカ人(約40,000人の日本人)が、慢性ウイルス性肝炎の結果として年間死亡している。そして、C型肝炎のケースでは、次の20年間に年間死亡率は25,000人に達すると見積もられる。ウイルス性肝炎の年間治療費は莫大であり何億ドルにものぼるばかりか、生活の質は、説明しようの無い障害を受ける。
引用されたように、6つの肝炎ウイルス、肝炎ウイルスA、B、C、D、EそしてGは、遺伝子組成および構造が異っている。DNAウイルスであるHBV以外は、すべてRNA遺伝子をもつウイルスである。HBVはDNA遺伝子を複製する際に、RNAを中間型として利用する。HDVは、HBVの表面抗原をウイルスそれ自身の構築のために必要としており以下の文献に詳細は述べられている。(Schiff et al.eds.,supra,pages 725−744(1998).HGV does not appear to cause hepatitis.Tan et al.,J Infect Dis 179:1055(1999))
肝炎ウイルスの非経口的感染様式
肝炎ウイルスにとって非経口的感染様式をとることがよく知られている。(Sjogren,Chan et al.,Davis,Rizzetto et al.,Krawczynski et al.and Schiff,Schiff et al.eds.,supra,pages 745−869(1998))既知の肝炎ウイルス HAV、HBV、HCV、HDV、HEV及びHGVは非経口的に感染する。それらの伝染様式は以下のような形式である。
A型肝炎:主な感染経路は糞便から口、人と人との接触または汚染された食物または水の経口感染である。性的感染は同性愛男性の間で著しい。まれではあれ、非経口的な感染ルートも輸血または血液製剤にひきつづき起こったことが報告されている。
B型肝炎:輸血、性交渉、経皮的そして周産期の感染、ヘルスケアー環境そして移植。そのほか、密接な身体の接触、蚊のように血液を摂取する昆虫、精液、唾液などの様々な体液などにより起こりうる。
C型肝炎:輸血、移植、不法な肝炎C。輸血などを通した大量のまたは経皮的曝露、感染したドナーや不法な薬物の共有、性的行動により感染した接触による曝露、家庭内接触、周産期の曝露、およびヘルスケアーの環境による周産期の曝露などである。
D型肝炎:B型肝炎の伝染様式と同じ径路である。つまり、周産期の感染かまたは顕性または不顕性感染である。
E型肝炎:糞便経口感染経路が感染のもっともよくある感染経路である。E型肝炎は、東南アジア、中央アジア、中近東、アフリカの一部、そしてメキシコにおける大量の伝染性の急性肝炎、また散発性肝炎の大部分を占める。いくつかの報告では、B型肝炎またはC型肝炎または輸血後のE型肝炎の発症から、非経口的感染径路が示唆されている。
G型肝炎:G型肝炎の肝炎における役割は明らかに定義されていないし、G型肝炎は、前述のように肝炎を起こすとは考えがたいが、G型肝炎は非経口的、性交渉、周産期に感染する。
6番目の(非A非B非C非D非E非G)肝炎ウイルス
過去30年間5個の肝炎因子(HAV、HBV、HCV、HDV及びHEV)が発見されてきた。そしてなお少なくとも1つのウイルスの証拠がある。(Purcell,Proc Natl Acad Sci USA 91:2401(1994).)先述のように、G型肝炎は肝炎を起こすようではないので非A−G肝炎は6番目の肝炎ウイルスとなる。
散発性急性非A−G肝炎は輸血を介した感染を示唆している
1971年から1974年までの急性肝炎の入院患者のうち保存されていた血清の57例、当時は非A非B肝炎の診断であったが、抗HAVIgM、B型肝炎表面抗原(HBsAg)、抗HCVIgG及び抗HEVIgGの存在について再検された。非A非B肝炎患者の27血清(47%)はすべての検査において陰性であった。これらの非A−G肝炎には、小児、老人の患者も含まれているが、入院しているコントロールの患者に比べ経静脈的薬物投与歴のあるグループであるようだった。(Binotto et al.,Aust N Z J Med 30:668(2000))
輸血による慢性非B非C型肝炎
われわれは、輸血に関連した急性肝炎(急性TAH)のインシデンスがほとんどゼロに近づきつつある時点にある。そして、1回の輸血歴についてほとんどおそらく0.5%以下の頻度であると、Alterは報告し、輸血後急性肝炎は仮想的に駆除されてしまったと報告している。また、Gerlichらは、安全における改良改善は、とても小さくそして莫大な費用がかかるだろうと述べている。
しかしながら、輸血後の慢性非B非C型肝炎が存在する証拠が示唆されている。1970年代の早期に5回の輸血研究で同定された非A非B肝炎の患者たちは、その後経過観察され生存している129例の内39例(30%)は以前輸血後急性肝炎と診断されたわけであるが、A型、B型、C型およびG型肝炎ウイルスには関連していなかった。このことは、ほかの同定されていない感染因子が慢性非B非C型肝炎の慢性期の状態に存在することを示している。
最近発見された候補(TTV,SENV)は肝炎ウイルスとされているが肝炎を起こしていない
可能性のある肝炎ウイルスとして、TTウイルス(TTV)は輸血後の非A−G肝炎の患者血液から発見された。しかしながら、TTVは、肝炎に関連がないこと、もともと肝炎ウイルスではないかもしれないと報告された。さらに、TTV感染は透析患者では一般的であるが、肝臓病患者とは関連がないとされている。最近、SENウイルス(SENV)と命名されたDNAウイルスは、非A−G肝炎の主要な原因であると発表された。この新型ウイルスは現在のアメリカの献血車のほとんど2.0%でSENVに感染したほとんど大多数は、肝炎に至らないことがわかっている。他の肝炎をもつ日本人患者378例の研究では、SENVはおそらく肝炎には関連する因子ではないことが示唆されている。
慢性ウイルス性肝炎は肝細胞癌のもっとも高い危険因子である
慢性肝炎は、以下に示すように肝細胞癌の主要な原因である。
症例数の予測:1985年には、315,000例の新規の肝細胞癌の世界的な発症がみられる。これは、全部のヒトのがんのうち4.1%を占める。アジアでの発症が最も多く、世界中の肝臓癌の70%を占める。アフリカは、患者総数では37600例を占める。日本は一年間におおよそ23000例を占める。北アメリカでは、年間に7000例の発症があり、ヨーロッパでは、30000、旧ソビエト連邦では12000の発生がある。また、オーストラリア、ニュージーランドおよび太平洋諸島では年間10000以下の発症であると、Boschは上記の引用文献の13−14ページにおいて論評している。
原発性肝臓癌の順位:予測されるすべての癌患者数に関して比較的な頻度の点で、それぞれの原発部位を別々に勘定すると、原発性肝臓癌は5番目にランクされる。発展途上国では、原発性肝臓癌は、統計的に、男性では、胃癌、肺癌に次いで、3番目にポピュラーな癌であると上記のBosch引用文献14ページに論評されている。
原発性肝臓癌の死亡率:癌登録で報告された死亡数/発生数比は、1に近いか、1以上である。このことは、大多数の患者が1年以上生存しないことを示唆している。とくに発展途上国では、多くの臨床研究で確認されている。ヨーロッパのうち、イタリー、スペイン、フランス、スイスおよびいくつかの東ヨーロッパ諸国では、比較的高い死亡率である。(100,000件につき5.0以上)ギリシャは確立された癌登録が無いのだが、上記のBoschは引用文献15−16ページで、男16.1、女7.8と最も高い死亡率はであると論評している。
原発性肝臓癌の頻度:もっともハイリスクの地域は、東南アジアの沿岸地域、中国、日本、サハラ砂漠周囲のアフリカ諸国そしてメラネシア諸島である。中間リスクの地域は、北地中海諸国であり、低リスクであるのは、北ヨーロッパ、ほとんどのアメリカ諸国そしてオーストラリアであると上記のBoschは引用文献16ページで、論評している。
原発性肝臓癌の傾向:96の癌登録統計では、最近2回の期間(1978年から1982年と1983年から1986年)が、その登録の多様性と診断力の差はあるのだが、傾向を評価するために選ばれた。ヨーロッパではスカンジナビア諸国で増加傾向と報告された。日本では原発性肝臓癌の登録された発生率は、15−20%増加している。日本における増加傾向は1970年から報告されており、多くは1960年代初頭にその当時生存している集団が、輸血または汚染された注射針によりC型肝炎ウイルスに多くのヒトが暴露されたのが大きな要因であるとされてきた。増加傾向を示唆するほかの癌登録統計には、オーストラリア、カナダ(男性)と米国におけるいくつかの民族集団での登録がある。とくに男性における緩やかな増加は、フランス、イタリー、そして英国のいくつかの登録された統計でも記録されてきた。原発性肝臓癌の年令補正発症率における減少は、インド、イスラエル、スペイン、そしてラテンアメリカで報告されてきた。HBVのハイリスクの諸国で誕生の早期に、多くは母親から、HBVに暴露されることは、早期の肝臓癌の発症と発症率の増加と男性に早期に肝臓癌が起こることを説明しているのかもしれない。他のHCV、アルコール、経口避妊薬そしてたばこのようなほかの危険因子は、部分的には癌の発症が遅いこと、年令とともに発症率が累進的に増加すること、そして男性の患者が多い点で年令のピークが比較的高いことなどを説明しているのかもしれないと、上記のBoschは引用文献20−21ページで、論評している。
原発性肝臓癌の危険因子と不均一な一貫性:米国、ヨーロッパ、そして日本における原発性肝臓癌の低リスクの集団で、HBVとHCVは、原発性肝臓癌の70%から75%を占める。したがって、非A−G肝炎は、その残り、すなわち原発性肝臓癌の20%ぐらいまでに、これらの地域では関与している。東南アジア、中国、そしてサハラ砂漠周辺諸国などのハイリスクの諸国ではHBVの有病率が高く、原発性肝臓癌の60%以上は、HBVによるものである。これらの地域では、HCVの関与は少なく、おそらく10%以下であるようだ。経口避妊薬は、C型肝炎、B型肝炎の発癌過程において、共因子または促進因子としての役割があるかもしれない。上記のBoschが引用文献23−25ページで、論評しているように、われわれにはアフラトキシンの危険性について定量する能力が限られているので長期にわたるそれぞれの曝露を評価する信頼される技術が欠如している。
出願人らのクリニックにおける非A−G肝炎関連肝臓病の頻度
1998年に633名の慢性肝臓病患者を表1に示すように診察した。患者たちはHBV−DNA,HCV−RNA,HTLV−I,HIVの検査がされた。慢性非B非C肝炎の患者の肝生検の組織像は、慢性ウイルス性肝炎の組織像に矛盾のないものであった。約10−20%の慢性肝臓病の患者は非B非Cのタイプであり、それはまた、下記の引用文献のように非A−Eまたは非A−Gのタイプである(表1)。
Figure 2003068973
肝炎ウイルス抗原をターゲットとする非中和抗体
B型肝炎ウイルス遺伝子によりコードされ、また感染肝細胞に発現される2つの抗原に対する血清非中和抗体、それらはHBVの遺伝子複製に関連している内部抗原(HBc抗原)ともう一つの分泌抗原(HBe抗原)は、進行中のB型慢性肝炎または肝炎が休止した患者で検出できることがよく知られている。同様に、C型肝炎ウイルス遺伝子のコードし感染肝細胞に発現される構造蛋白および非構造蛋白を含む抗原に対する非中和抗体も、C型肝炎感染の臨床経過の中で検出されうる。(Chan et al.and Davis,Schiff et al.,eds.,supra,pages 757−791 and pages 793−836(1998).)したがって、同様の現象が非A−G肝炎患者でも容易に予想されうる。
肝臓病の患者およびコントロールにおいて循環している肝由来のmRNA
ある研究で、比重遠心法により抽出された末梢血リンパ球から総RNAが、抽出された。そのうちmRNAは逆転写され肝リパーゼ特異的プライマーを用いたRT−PCRにより肝リパーゼの相補的DNAが増幅された。
増幅されたDNAは肝臓癌患者のサンプルでも正常コントロールのそれでもエチヂウムブロマイドの存在下でアガロースゲル電気泳動で証明された。Leonhardt et al.,Eur J Surg 165:539(1999)同様に急性及び慢性肝臓病患者の大多数では、末梢血単核球からアルブミンのmRNAがRT−PCRにより検出されることが報告されている。(Muller et al.,Hepatology 25:896(1997))さらに、肝臓の細胞に主にみられるアルファーフェト蛋白のmRNAも、同じ方法で、肝臓病患者および健康ボランティアの末梢血細胞から、高頻度に検出されることが報告されている。(Ishikawa et al.,Jpn J Clin Oncol 28:723(1998))このことは、肝臓を含む幾つかの組織で増殖を続ける非A−G肝炎ウイルス由来のmRNAが、非A−G肝炎の患者末梢血の中に存在すると予想することは可能である。
肝炎を診断する抗体テストの鋭敏度
A型肝炎とB型肝炎のためのスクリーニングテストは1970年台の中期に、輸血後肝炎の症例を検査することを可能にした。またその結果、輸血後肝炎の約25%がB型肝炎ウイルスによるものであり、A型肝炎ウイルスによる輸血後肝炎がないことが示された。結果的に、約75%の輸血後肝炎は非A非B肝炎に分類された。1989年にカイロン社の研究者たちが単一抗原を用いた酵素抗体法をC型肝炎ウイルス感染の検出のために開発するまでは、非A非B肝炎原因物質はウイルス学的謎のままであった。NIHに保管されていた素性の明らかなサンプルについて、過去にさかのぼってHCV抗原を対象とする抗体検査EIA−1を用いた検査では、献血者のうちの非A非B肝炎の70%から90%は、C型肝炎ウイルス関連であることが示された。献血者血液のHCV検査は、甚大な効果をもたらした。EIA−1は、開発後1年で40,000ものC型肝炎感染を予防し、第二世代の検査方法EIA−2は、輸血によるC型肝炎感染をほとんどゼロにまで減少させた。(Alter,Am J Med 107:16S(1999).)
出願人の非A非Bそして非A非B非C肝炎ウイルスの分子クローニングの経験
非A非B輸血後肝炎の感染したチンパンジーの血漿から見つけられたRNAの分子クローニングは、約10kbのウイルス遺伝子の存在を示していた。(Choo et al,Science 244:359(1989))同様に、出願人は、非A非B肝炎患者から非A非B肝炎に関連したクローンを同定していた。(Arima and Fukai,EPO Application No.89309261.9(1989).)ほとんどの非A非B輸血後肝炎は、C型肝炎ウイルス感染に関連したものであり、非A非B輸血後肝炎の強力な診断検査として広く受け入れられている。しかしながら、ほかのウイルス性の要因がこの症候群をおこすかどうかは、以前明確ではない。この発明者のうちの一人(有馬暉勝)を含めて、複数の研究者は、非A非B肝炎患者血清と反応するポリペプタイドをコードするcDNA核酸配列を発見してきたが、C型肝炎ウイルスおよびその変異株の塩基配列には対応する部分がない。(Arima et al.,Gastroenterology Jpn 24:540(1989);Arima et al.,Gastroenterology Jpn 24:545(1989);Arima et al.,Gastroenterology Jpn 24:685(1989);Arima et al.,Gastroenterology Jpn 25:18(1990).)これらのcDNAは明らかにヒト遺伝子のそれではなく、また、したがって、肝炎の状態に反応する宿主特異的な反応でもない。
発明の開示
ごく最近、ヒトの肝炎ウイルスのなかで、B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスだけが慢性肝炎を引き起こすことが知られている。しかしながら、他のまだ発見されていない慢性肝炎を起こす因子が存在することが、申請者らおよび以下に引用する米国で出版された論評により示唆されている。
慢性肝炎の原因である構造的また液体性のウイルスの構造物と新しいウイルスの構造物に対する抗体が、上記のように、その病気のある患者の血清中に共存している。さらに、少なくとも、アルブミン、アルファーフェト蛋白(AFP)、肝特異的リパーゼなどのmRNAの断片が、患者血清中のみならず、正常人の末梢血中に放出されていることが知られている。結果的に、肝細胞の中で複製する際にウイルス遺伝子が転写され、そのmRNAが血液中に放出されていると予想するのは、比較的容易である。
したがって、出願人は物理的あるいは化学的手段で、HBV−DNAとHCV−RNA両者陰性の慢性非B非C肝炎患者血清の末梢血単核球、血漿、血清の分画からRNAを用意した。これらの分画の中に、非A−G肝炎ウイルス、ウイルス様粒子そして肝細胞を含む感染細胞に由来するmRNAが患者の末梢血に存在することが予想される。抽出した核酸は二本鎖の相補的DNAに変換され(cDNA)λgt11というバクテリオファージの発現ベクターに組み込まれた。慢性非B非C肝炎患者由来のリコンビナントDNAを含むλgt11は、プラークイムノスクリーニング法により慢性非B非C肝炎患者血清抗体と反応する遺伝子再構成タンパクを産生するものがスクリーニングされた。
一つの遺伝子再構成ファージ、Kと命名されたクローンは、慢性NBNC肝炎患者血清の70%以上と特異的に反応するポリペプタイド配列をコードする挿入部分のある再構成DNAを含むことが判明した。
大腸菌に発現させたグルタチオンSトランスフェラーゼ融合クローンKタンパクとプラーク免疫スクリーニングで陽性の血清との反応をウエスターンブロティングで検討すると、クローンKのタンパクとGST融合タンパクは、予想された分子量の場所に一本のbandとして同定された。
プラーク免疫スクリーニングでは、アガーゲル上で増殖する大腸菌の溶菌したプラークとして再構成λGT11の発現するこのポリペプチド抗原は、慢性非B非C型肝炎の72%、急性非A−G型肝炎の27.6%、そして維持透析患者の14.5%、輸血歴のある透析患者の23%、そしてALTが基準値を上回る献血ドナーの12.5%を、検出することができる。抗K抗体(以後anti−K)は、無症状の無作為抽出血液ドナーでは、めったに検出できないが、輸血に関連した肝炎の予防のためにドナー血液を検査できる有用性は、以上および以下に示唆された。
世界的なanti−Kの分布は、日本、台湾、韓国、米国、ブラジル、ドイツ、イタリー、ギリシャ、そしてチェコで確認された。したがって、この抗原は、以後K−ポリペプタイドと称し、すくなくともプラーク免疫スクリーニングにより、その病気の検出とスクリーニングに有用であるようである。
クローンKの核酸塩基配列とそのコードするポリペプタイドは非B非C肝炎を起こすと考えられるウイルスに関連している。さらに、その核酸塩基配列はヒト染色体DNAの中には含まれていないようである。後者の結果は、クローンKが既知の肝炎ウイルス以外の非A−G肝炎に関連した外来性感染性の病因ゲノムに含まれていること、を示唆しており、結果的に慢性非B非C肝炎に進展する因子としてはたらく付加的および疫学的な因子およびヒトの急性非A−G肝炎を代表するものかもしれない。
この発明の他の態様として、出願人は、さまざまな免疫診断およびヒト由来の検体におけるanti−K抗体の検出とK関連核酸の検出プローブアッセイを表す。議論されている問題のK−ポリペプタイドは遺伝子再構成バクテリオファージの宿主細胞または、遺伝子再構成プラスミド、または化学合成により生産される。
クローンKにより代表される病因物質に対する予防のためのワクチンは、Kポリペプタイドに代表される免疫診断的エピトープの一つ若しくは複数を含む構成物として規定される。さらに、Kポリペプタイドの免疫診断的エピトープの一つ若しくは複数の抗原決定基に対するポリクローナルまたはモノクローナル抗体は、既知の熟練した技術を用いることで、容易に生産される。そのような抗体、またはそれからのアクティブな断片は、クローンKに代表されるエージェントに対する受動的免疫として有用である。
さらに、この発明のなかに記載されたDNA配列の近傍の核酸配列は、非A−G肝炎の診断と外の疾患の鑑別診断において、有効である。これらの付加的な配列はクローンKのここに記載された配列に基づき標準的な技術により容易に発見できる。
発明を実施するための最良の形態
慢性非B非C肝炎(結果的に非A−G肝炎を含めて)の診断に有用なポリペプタイドと代表的な核酸およびアミノ酸配列は、他に報告されたどの非A−G肝炎エージェントと関連がなく、優先的技術を越える重大な進歩を意味するものであろう。そのようなポリペプタイドは、相当する核酸と同様に、非A−G肝炎の完全な予防と診断の手段を開発しようとする労力においてとても大きな価値のあるものであろう。この発明はそのようなポリペプタイドとそれに呼応した核酸配列を含むものである。
慢性非B非C肝炎、結果的に非A−G肝炎に特異的なクローンKの同定
RNAは、臨床的および組織学的に慢性非B非C肝炎を示す5名の患者の末梢血単核球、血漿、および血清から分離された。これらのプールされた末梢血単核球、血漿、血清は、Ting et al.,Vox Sang 20:561(1971)に報告されたように全血から分離された。それらは、ウイルスおよびウイルス様粒子が豊富と考えられる。RNAは、Sambrookらにより評論されているようにLife Technologies社(Gaithersburg MD,USA)のTrizol試薬という商業化製品を使い、抽出された。そのRNAからcDNAライブラリーの構築は、Sambrookらにより紹介されている様に、Life Technologies社のSuper Script Chioceシステムという商品を用いて行われた。さらに、発現ベクターのλgt11ファージのEcoRIサイトに組み込まれ、Sambrookらに引用されているStratagene社のギガパックIIIゴールドを用いてin vitro packagingを行った。
プラーク免疫スクリーニングとして、Sambrookの記載しているようにバクテリオファージλgt11ベクターに構築された発現ライブラリーの発色スクリーニングが行われた。図1に示すように、リコンビナントのバクテリオファージは、大腸菌に感染して増殖し結果的に10個のcDNAクローンから、5名の慢性非B非C肝炎患者のプール血清由来の抗体と反応する、慢性非B非C肝炎関連抗原が存在するものが免疫スクリーニングされた。一つの陽性クローン“K”が、3回の継続したプラーク免疫スクリーニング法で同定され、純化された。1回目のスクリーニングで、583個の陽性cDNAクローンが、スクリーニングプレートからピックアップされた。第2回目のスクリーニングで、そのうち24個が明らかな陽性とされ、最終的に4個のクローンがピックアップされた。その4個のクローンのなかから、慢性B型肝炎、慢性C型肝炎、慢性非B非C肝炎および正常コントロールの血清からなる血清パネルによってクローンKが選択された。
クローンKの新たな核酸配列とアミノ酸配列
クローンKに挿入された核酸配列と挿入された核酸配列にコードされた演繹されるアミノ酸配列(以下Kポリペプタイド)は、図2に示されている。核酸配列もアミノ酸配列も、化学論文あるいは様々な特許出願に報告されたB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスの核酸配列とは相同性がない。クローンKのDNA配列もアミノ酸配列も肝炎ウイルスA、B、D、EおよびGの利用可能な塩基配列とも相同性がなく、また、主要なデータベースに記録された他の塩基配列との相同性もない。このように、クローンKは新たなポリペプタイドをコードする新たな塩基配列を代表しており、臨床的および組織学的に慢性非B非C肝炎、結果的には慢性非A−G肝炎を呈する患者の抗体が認識する一つ若しくは、複数のエピトープを保持していることになる。そのようなわけで、その病因物質は、ヒトに非A−G肝炎を引き起こす付加的因子を代表しているのかもしれない。
クローンKの核酸配列には、古典的グリコシレーション部位は存在しない
この公開されたクローンKの核酸配列には古典的なグリコシレーション部位はない。このことは、真核細胞および他の宿主細胞に発現されたKポリペプタイドは、公開されたKポリペプタイドの機能的エピトープの特徴を所有しているに違いないことを示唆している。さまざまなタンパクが特異的なグリコシレーションパターンを要求することは、よく見られることであるが、このように、適切な宿主細胞が予想できないことは、Kポリペプタイドの配列と関連した配列の一因ではないに違いない。
グルタチオンSトランスフェラーゼとクローンKの融合タンパクの作成
Kポリペプチドをコードするインサートは、発現プラスミドにサブクローニングされ上記のSambrook et al.,supra,pages A9.27−9.28(2001)にしたがって、大腸菌のGST融合タンパクとして発現された。クローンKのインサートを含んだプラスミドpUC19は、EcoRIで切断され、Kの断片はGearing et al.,EMBO J 8:3667(1989)にしたがってプラスミドベクターpGEX−2Tのバリアントにサブクローニングされた。このバリアントは、pGEX−2Taと名付けられ、BamHI制限酵素で切断されたpGEX−2Tのプラスミドに、上記のSambrook et al.,supra,pages A6.4,15.6−15.8 and A4.15−A4.17(2001)の方法に従って、大腸菌DNAポリメラーゼのクレノウ断片の酵素活性により5′断端が突出したものを末端平滑にし、ライゲーションして作成された。クローンKがコードするポリペプタイドは、グルタチオン−S−トランスフェラーゼの融合タンパクとして、pGEX−2TaプラスミドによりSmith et al., Gene 67:31(1988)の方法により大腸菌株DH5aに発現された。また、GSTとクローンKの融合タンパクは上記のSambrook et al.,pages 15.4−15.8(2001)により精製された。
SDS−PAGEによる推定分子量を示すGST融合Kタンパクの同定
上記の精製されたGST融合Kタンパクは、界面活性剤と還元剤により溶解されSambrookらの上記参考文献pages A8.40−A8.55(2001)にしたがって、Laemmliの不連続緩衝液システムを用いたsodium dodecyl sulfate polyacrylamide gel electrophoresis(SDS−PAGE)により分子量に応じて分離された。そのゲルは、15%の分離ゲル(pH8.8)と4.5%のスタッキングゲル(pH6.8)とからなり、2% SDS,0.125M Tris pH6.8,10%グリセロール,1% 2−メルカプトエタノールと0.02% pyronin Y tracking dyeに溶解された精製されたGST−K抗原は、5分間ボイルした後で、そのゲルのウエルに入れられ、電気泳動で分離された。1つのウエルに128マイクロL(2.7mg相当)をアプライし、定電流で色素がゲルの下端に達するまで電気泳動した。図2のSDS−PAGEの2つのウエル(レーンAとB)レーンAは、低分子の分子量マーカーでレーンBは精製GST融合クローンKタンパクである。それらは、GST融合クローンKタンパクの分子量を同定する目的でCBBで染色された。ウエルBで泳動されたGST融合クローンKタンパクの明らかな分子量は、ウエルAで泳動されたその分子量とレインボー分子量マーカー(Amersham Corp.,Arlington Heights,IL)の泳動距離の対数プロットによる標準曲線から推定された。そして、予想された分子量(32KD)の融合タンパクと同一であることが確認された。
ウエスターンブロティングによるGST融合クローンKタンパクと抗K抗体の反応
上記のSambrook et al.page A9.28(2001)のウエスターンブロティングにしたがい、GST融合クローンKタンパクとそれに特異的な抗Kポリペプタイド抗体の反応を検討した。
プラーク免疫スクリーニングで強い陽性を示した血清と、2つの陰性コントロール予想されたGST融合クローンKタンパクの分子量の位置に抗体と反応するバンドがでることが上記の図2のSDS−PAGE後のウエスターンブロティングで確認された。
精製されたGST融合クローンKタンパクは3つのウエル(レーンC、DそしてE)にアプライされ図2のウエルBの横でSDS−PAGEで電気泳動された。電気泳動の後、レーンC、DそしてEのゲルは、そのポリアクリルアミドゲルから、ポリビニリデンジフルオライド(PVDF)膜に電気的に転写された。
その膜は次に風乾され、泳動のレーンに沿って 3枚に切断され、別々に前処置された上記3種類の血清と反応させた。前処置にはGSTに対する血清中の抗体を吸収してしまうためにKのインサートの含まれないワイルドタイプのpGEX−2Tを含む細菌培養液を使用して行った。レーンCは、プラーク免疫スクリーニング法で陽性の血清、目標のKポリペプタイドに特異的と仮定される血清と、他の2つのウエル(レーンDとE)は、同様のプラーク免疫スクリーニング法で陰性のコントロール血清のために準備された。最終的に、結合した抗体は二次抗体、西洋わさびペルオキシデース標識抗ヒトIgG+IgM抗体とその酵素の基質による発色反応により検出された。その結果、GST融合クローンKタンパクは、一人の患者血清の抗K抗体によりその泳動上の局在が、ウエルCに示されるように予想された分子量の大きさで32KDのポリペプタイドとして検出された(図2)。より詳しいその方法については、酵素抗体法については上記の文献Sambrook et al,pages A9.28 for review,A9.34−A9.37を参照。ポリアクリルアミドゲル電気泳動についてはA8.40−A8.45を参照。免疫ブロティングについてはA8.52−A8.53を参照。そして免疫ブロティングにおけるタンパクの染色についてはA8.54−A8.55(2001)を参照のこと。
Kポリペプチドの大量精製用の大腸菌プラスミド中のK核酸配列の発現
公開されるK核酸配列はファージベクター、およびプラスミドベクターに下記のようにクローン化された。そのKポリペプタイドは、現在は、大腸菌を宿主としたベクターに発現されているが、たとえば真核細胞、酵母、哺乳動物細胞に発現することも、上記Sambrook et al pages A3.1−A3.10(2001)により可能である。
サブクローニングそしてまたクローンKまたは、その関連した核酸配列を発現するのに使用できるベクターは、挿入された核酸配列が適切な転写および翻訳のために必要な他の配列に沿って挿入することができる。そのようなベクターは、上記の宿主細胞の一つ又はそれ以上で翻訳され、複製することができる。現在の発明で有用なベクターには以下の性格のいくつかまたはすべてを保有することが望ましい。
(1)長期間宿主細胞の中で安定に維持されること
(2)望ましい宿主細胞の中で高率に複製されたコピーができるように増殖できること
(3)挿入された配列の翻訳をプロモートできる配列を所有していること
(4)薬剤耐性などの選択可能な配列を保有すること
(5)翻訳を終了させる配列を保有すること
発現のためには、ベクターには少なくとも一つのプロモーター、あるいは、Shine−Delgarno配列(Shine et al.,Nature 254:34(1975))、あるいは、それに類似した配列で開始コドンと少なくとも一つの終止コドン、および少なくとも一つの分泌主導またはシグナルが含まれることが望ましい。クローンKの転写および翻訳に必要な他の要素には、ベクターを使用する方法論について記載された科学的文献が追加されているかもしれない。真核細胞および原核細胞に適したベクターの一般的なアプローチの仕方、さまざまなクローニングの実例およびベクターに組み込まれた挿入遺伝子の発現は、上記のSambrook et al.,chapters 1−4,7,14−17(2001)に述べられている。酵母ベクターは、酵母の人工的染色体ベクターとして、たとえば、Burke et al.がScience 236:806(1987)に記載している。
輸血に関連した遅発性の非A−G肝炎に有用な抗K抗体テスト
上記の免疫アッセイの結果は、明らかに、非A−G肝炎に特異的なマーカーとしてのクローンKに対する抗体が免疫診断方法として有用性であることを示している。このように、Kポリペプタイドは、非A−G肝炎の診断に値する少なくとも一つのエピトープを所有している。ここに公開された結果に基づき、非A−G肝炎の診断に有効なエピトープまたは、Kポリペプタイドのエピトープは、非A−G肝炎のある比率における免疫反応性の陽性率が、一般の献血ポピュレーションの無作為な血液ドナーにおけるそれよりも高いことであると定義されるかもしれない。クローンKが単離されたファージライブラリーを構築するために使用されたプール血清は、完全に人由来であった。したがって、クローンKは人に限定された宿主をホストとする原因物質に由来すると考えるのが可能である。急性輸血関連肝炎の頻度は、ほとんどゼロに近づきつつあり、ほとんど輸血のエピソード一回当たり、0.5%以下であるとVox−Sang 67:Suppl 319(1994)で、Alterは述べている。しかしながら、長期的な研究では、以前輸血関連肝炎と診断された生存者の129例のうち30%は、A、B、CおよびG型肝炎ウイルスには関連していないことが示された。このことは、慢性の非B−C肝炎、おそらく遅発型の非A−G肝炎の、慢性期に当たる患者において、ほかの現在同定されていない原因物質が存在することを示している。(Seeff L et al.,Hepatology 33:455(2001))以下に示すように、(実施例3における表4)ALTが上昇しているが、HCV−RNAおよびHBV−DNA陰性の40例のドナーのうち12.5%は、プラーク免疫スクリーニング法で抗K抗体が陽性であった。さらに、下記の(実施例3における表4)ように、維持透析をうけている患者の研究では、100例の輸血歴のある患者のうち10%はプラーク免疫スクリーニング法で、抗K抗体陽性であったのにくらべ、輸血歴のない72例では、わずか2.8%が同方法で抗K抗体陽性であった。さらに、イタリーおよびドイツにおいて実施例3の表5に示すように、それぞれ複数回輸血をうけた患者の13例中23.1%および38例中10.5%が、同方法で抗K抗体陽性であった。
輸血関連非A−G肝炎を予防するための献血に対する抗K抗体テストの有用性
輸血と抗K抗体の間の密接な関係は明らかに、上に示された。さらに実施例3の表3に示されたようにALT正常の日本人の血液ドナー60例の1.7%(1例)は、HBV−DNAおよびHCV−RNA陰性で抗K抗体陽性であった。また、実施例3の表5に示されたように156例のイタリーの健常コントロールのうち4例(2.7%)は抗K抗体陽性であった。さらに興味深いことにブラジル、チェコスロバキア、ドイツでは、表5に示すように、血液ドナーにおいて、同プラーク免疫スクリーニング法による抗K抗体陽性率は、より高く、12.5%位が陽性と観察された。これらの証拠は、血液ドナーに対する抗K抗体テストは、クローンK関連非A−G肝炎の伝播を予防するために有効であるに違いないことを示している。
慢性非A−G肝炎の診断に有用な抗K抗体テスト
1998年には、慢性肝炎、肝硬変、原発性肝臓癌に罹患した633名の患者が、表1に示すように出願人のクリニックを受診した。これらの患者の肝臓の組織学的所見は慢性ウイルス性肝炎に矛盾のない例である。そのうち13.4%に当たる85名には、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスの遺伝子はPCR法で検出されなかった。したがって、これらの85名には慢性非B非C肝炎、既知の肝炎ウイルスのうちB型とC型肝炎ウイルスだけが慢性肝炎を引き起こすことがわかっているので慢性非A−G肝炎と命名してもいいかもしれないが、または慢性の原因不明肝炎の可能性がある。肝硬変および原発性肝臓癌患者では、表1に示すように、抗K抗体の陽性率が慢性肝炎の患者におけるそれよりも高いことは、注目されるべきことである。
急性非A−G肝炎の診断に対する抗K抗体テストの有用性
既知の肝炎ウイルス、A、B、C、DおよびEは、急性肝炎を引き起こすことができる。それらのうち、D型肝炎ウイルスは、その複製のためにB型肝炎ウイルスを必要とするし、E型肝炎ウイルスは限られた地域にしかみられない。急性肝炎が流行する場合、A、BおよびC型肝炎ウイルスは通常同定されうる。しかしながら、Schiffが上記のSchiff et al.,eds.,pages 719−724に記載するように、肝臓病の約17%は説明がつかず現在でも原因不明の肝炎あるいは病因不明の肝炎、非A−E肝炎、非A−G肝炎または、E型肝炎がごくまれにしかみられない地域では、非A−C肝炎と呼ばれてきた。下記の表5に示すように、プラーク免疫スクリーニング法による抗K抗体は、非A−G肝炎および急性期の急性非A−C肝炎患者の6.7から27.6%にみられる。ヒト免疫グロブリンに対する二次抗体は、ヒトIgG抗体に対する免疫グロブリンとヒトIgM抗体に対する抗体が含まれているので、ヒトIgM抗体に対して高タイターの二次抗体を使用すれば抗K抗体陽性の率は急性非A−G肝炎で、さらに増加する可能性がある。
抗K抗体テストのための酵素抗体法
さらに別の態様により、今回の発明であるKポリペプタイドをマイクロタイタープレートのウェルにコートし、古典的な酵素抗体法(ELISA)において、サンプルと反応させ洗浄した後に酵素標識抗ヒト免疫グロブリン抗体を添加することにより測定されうる。固相化の方法としては、放射状パーティションクロマトグラフィーにおいてグラスファイバーも利用できる。検出は、慣例的に最適な基質/色素反応物質を添加することにより行うことができるし、結果的な産物は測定できる。一般的なELISAの議論については、Belager et al.,Klotz and Notermans,Langone et al.eds,Immunological Techniques,part D:Selected Immunoassay,Methods in Enzymology 84:19−31,194−201 and 223−238,(1982)のそれぞれを参照のこと。
抗K抗体検出のためのほかの方法
今回の発明のポリペプタイドに応用できる互換性のある検出方法には、上記に記載され、ウエスターンブロット法に限らず、Towbinらが引用したTowbin et al.,Proc Natl Acad Sci 76:4350(1979);radio−immunoassay,Sambrook et al.,supra,pages A9.29−A9.30(2001);competitive assays,Diamandis,Clin Biochem 21:139(1988);noncompetitive assays,Thoma et al.,Eur J Biochem 123:613(1982);immunoprecipitation,Tojo et al.,Clin Chem 34:2423(1988);dot blots,Jahn et al.,Proc Natl Acad Sci USA 81:1684(1984);そしてparticle concentration fluorescence immunoassay法(PCFIA),Jolley et al.,J Immunol Meth 67:21(1984)などがある。
K核酸およびKポリペプタイドの化学的合成
別の態様として、クローンKの核酸およびその断片のみならず、Kポリペプタイドの配列およびその断片は化学的によく知られた方法により合成可能である。化学的な合成方法の総説としては、Sambrook et al.,supra 10.42−10.46(2001)and Itakura et al.,Ann Rev Biochem 53:323−356(1984)を参照のこと。合成したい配列のポリペプタイドは、Milligen−Biosearch Model 9600 Peptide Synthesizersのような商業化され利用できうる自動ポリペプタイド合成機により化学的に合成できる。
非A−G肝炎に対するワクチン開発のためのKポリペプタイドの有効性
Kポリペプタイドおよびその断片は、予防に有効なワクチン、慢性非B非C肝炎および急性非A−G肝炎の改善および治療のための、潜在的な有効性を持っている。下記の実施例3に記載されたように、その抗原決定基およびKポリペプタイドに代表される抗原決定基は慢性非B非C型肝炎と急性非A−G肝炎の血清に存在する抗体と反応することが示されている。したがって、Kポリペプタイドまたはその断片が、もし必要なら適切なキャリアー巨大分子と結合させることにより、非A−G肝炎に特異的な免疫反応をヒトにそのようなポリペプタイドを免疫することにより惹起させることが可能である。Tam,Proc Natl Acad Sci USA 85:5409(1988)and Hudecz et al.,Bioconjug Chem.10:781(1999)を参照のこと。Kポリペプタイドまたは適切な断片は、ポリペプタイドとしても、あるいは融合蛋白の部分として、リコンビナントベクターに発現させて得ることもできれば、化学的に合成することも可能である。Kポリペプタイドに代表される病因物質に直接向けられた免疫応答を惹起するために、ポリペプタイドあるいは融合蛋白は薬理学的によく知られた技術をもちいてヒトに投与可能である。
非A−G肝炎の受動免疫療法の開発のためのKポリペプタイド
Kポリペプタイドは、よく知られた方法、あるいは材料を使用して受動免疫療法の一部として機能するように制御するために使用できるかもしれない。たとえば、Kポリペプタイドあるいはその断片は、Kポリペプタイドに代表される病因物質に対する直接的な抗体としての、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の作成に使用できる可能性がある。そのような抗体あるいは免疫反応部分は部分的に、薬理学的に使用可能なキャリアーとともにヒトの血液中に直接注入することにより、K抗原に対する免疫を誘導するのに使用できる。受動免疫に関する理論的根拠は、注入された抗体が、患者の内因性の免疫システムには依存せずに、その疾患を引き起こす病因物質に結合し、不活化を助長し助け、除去するというものである。受動免疫は、少なくとも病因物質の広い陣容に対して、一過性の免疫として有効であるとされている。例えば、モノクローナル抗体を用いた受動免疫は、いくつかのウイルスに関して有効であることが知られている。Schlesinger et al.,Laskey ed.,Technological Advances in Vaccine Development,pages 11−20(1988)を参照のこと。同様に、ポリクローナル抗体を使用した受動免疫はサルの免疫不全ウイルスおよびヒトの免疫不全ウイルスIIに有効であることが知られている。Putkonen et al.,Nature 352:436(1991)参照のこと。
Kポリペプタイドを標的としたモノクローナル抗体
ポリペプタイドをスタート材料とした、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を作成する方法は、様々な科学的論文により確立されている。たとえば、Kポリペプタイドで免疫された個体の免疫グロブリン分画は、固相化されたKポリペプタイドを含むカラムで親和性により精製されうる。このことは、Kポリペプタイドに対するポリクローナルな抗体の作成を可能にする。同様に、Kポリペプタイドは、分泌型モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを作ることも可能である。そのようなハイブリドーマは、制御可能で分泌型モノクローナル抗体が、よく知られた方法により、単離され精製されうる。Kohler,Science 233:1281(1986)参照のこと。
患者血清または組織におけるクローンK関連核酸の検出に使用できるプローブ
公開されたクローンKの核酸配列は、核酸ターゲットを利用した種々のアッセイ方法において有用である。例えば、クローンKの核酸配列は、患者血清または組織におけるクローンK関連核酸の存在を検出するプローブとして使用できるかもしれない。クローンKの配列あるいはその断片は、適切な放射性タグ(たとえば32P)でラベルしたり、適切な非放射性タグ(たとえばビオチン)でラベルして、患者血清あるいは組織由来の、増幅のためには、患者血清あるいは、増幅したあるいは非増幅核酸とハイブリダイゼーションさせることが可能である。患者血清あるいは組織由来の核酸の増幅には、よく知られた増幅システムが使用できるであろう。例えば、公開されたクローンKの核酸配列に基づくプライマーにより、患者血清あるいは組織から抽出されたDNAまたはRNA由来の相補的DNAを鋳型にすることにより、ポリメラーゼチェインリアクション(以下PCR)で増幅されうる。PCRを実施するための様々なステップは、上記Sambrook et al.,pages 8.1−8.126(2001)に記載されている。
クローンK関連非A−G肝炎のK核酸配列検出のためのin situハイブリダイゼーション法
増幅されたあるいは非増幅核酸のハイブリダイゼーションは組織内でも遂行することが可能であり、抽出された核酸でも可能である、そして液体シンチレーションカウンターあるいはオートラジオグラフィあるいは、適切な非放射性タグを用いた検出方法でも可能である。核酸ハイブリダイゼーションの技術的な総説として上記、Sambrook et al.,supra,pages 9.35,9.73−9.81 and 10.1−10.10(2001)を参照のこと。図2Aに公開された核酸配列に相応するRNA配列は、最適な条件下でRNAプローブの利用も最適な技術を利用した方法により可能である。
クローンKの標準的な部位特異的突然変異法および他の方法
全長にわたるクローンKの配列、またはそのほかの標的核酸とのハイブリダイゼーションを検出できる適切な診断に有用な断片は、上記の核酸ハイブリダイゼーションに使用できる。同様に、すでに準備されたクローンKの配列が、標準的な部位特異的突然変異法あるいは他の方法により変更されうるということは、理解できることである。Sambrook et al.,supra,pages 13.2−13.10(2001)を参照のこと。突然変異の多様性を示す非A−G肝炎と関連したクローンKと関連する病因を検出するのに有用なプローブの陣容を提供しているといえる。たとえば、多くのRNAウイルスは高率に多様性があるということはよく知られている。そしてそのような変異株の適切な検出に適したクローンK関連の配列を提供することは、上に示されたよく知られた方法を使用することが必要であるだろう。一般的に、公開されたクローンKにハイブリダイズできる核酸配列は、つぎのような条件で洗浄することで可能である。すなわち、完全にマッチしたKとKのハイブリッドのTm値という計算された融解温度よりも約20から30℃低い温度で塩濃度との組み合わせの条件で洗浄の条件を低から中等度にするという条件である。これについては、Sambrook et al.,の上記文献のpages 10.2−10.6 and 10.47−10.48(2001)を参照のこと。そしてこの洗浄条件をゆるめることは、クローンKに代表される診断的プローブの潜在的有用性をもつことになるだろう。
K核酸のコドンの第3番目の位置の核酸を変更した核酸配列とKポリペプタイドのマイナーチェンジ
公開されるクローンKの塩基配列は、コードするアミノ酸の配列を変更せずに、似たような方法で、その核酸配列の第3番目の位置の核酸を変更することができる。上記Sambrook et al.,のpage 15.12(2001)を参照のこと。一方、アミノ酸配列においても、例えば、置換、付加および欠失といったマイナーチェンジをしても、その測定の能力に明らかな悪影響を与えない可能性がある。なぜならば、その抗原決定基またはクローンKに代表されるKポリペプタイドの抗原決定基は、K病原因子の測定系においてそのような変更されたポリペプタイドが免疫的診断能力を破壊しない程度であれば、変化しないからである。そのようなわけで、ポリペプタイドと対応する抗原決定基、それは構造上のマイナーチェンジをもつものであるが、実質上は、公開されるクローンKの核酸配列がコードするポリペプタイドあるいは抗原決定基の厳密に相同性があるポリペプタイドあるいは抗原決定基と、同じ、あるいは同等のものと考えられる。
診断的有用性を増加させるために、K核酸配列を伸張させること
公開されるクローンKの配列に対応する核酸配列の近傍の遺伝子配列に代表される付加的核酸は、標準的な方法を用いることにより、容易に得ることができる。K配列の5′側であれ、3′側であれ、そのような核酸配列は、公開されるクローンKの診断的有用性を増加させ得る。または、核酸プローブとして別個の有用性も考えられる。さらに付け加えるに、そのような核酸配列は、公開されるKポリペプタイドの診断的有用性を増加させるアミノ酸配列をコードする可能性がある。または、そのような核酸配列が、非依存性の免疫診断有用性をもつ付加的な非A−G肝炎の抗原決定基をコードする可能性もある。そのような近傍の核酸配列を同定したり単離する方法(遺伝子のクローリング、あるいはウオーキングと呼ばれる)は、よく知られた技術により可能である。近傍の核酸配列を同定したり単離するさまざまな方法の総説としては、Sambrookらの前述の文献pages 4.8−4.10 and 13.15−13.18(2001)を参照のこと。例えば、上記の文献に引用され下記に記述する例に述べられたλgt11ライブラリーは、公開されたクローンKの配列の5′側あるいは3′側の部分に特異的なオリゴヌクレオタイドプローブによって再度スクリーニングすることで、上記のような近傍の核酸配列が同定あるいは単離される可能性がある。そのような場合には、オリジナルの公開されるクローンKとオーバーラップするクローンが単離される可能性もあるし、クローンKの近傍の核酸配列を含むこともあるであろう。または、公開されるクローンKの核酸配列をもとにしたオリゴヌクレオタイドは新しいcDNAライブラリーのプライマーとして使用される可能性もあり、そのライブラリーからクローンの近傍の核酸配列を含むクローンが単離され得る。
今回の発明は、以下の例に、それらは今回の発明の限られた展望に制限される訳ではないが、詳述されている。
図面の簡単な説明
第1図は、プラーク免疫スクリーニングの結果を示す。
第2図は、ウエスターンブロティングによるanti−K抗体の同定結果を示す。
実施例
実施例1
クローンKの単離とDNAの性格付け
NYCOMED PHARMA AS Diagnostics,Oslo,NorwayのLymphoprepをもちいて分離された末梢血単核球をプールして準備されたcDNAライブラリーのプラーク免疫スクリーニングを通して、慢性非B非C肝炎患者から得られた血清と反応するファージクローンが、以下のような方法により同定された。
ステップ1
10mlの末梢血が、1mlのLymphoprepに重層され、Tingらの方法により単核球が得られた。(参考文献:Ting et al.,Vox Sang 20:561(1971))そして、RNAは販売会社の指示書により抽出された。同様に血漿および血清のRNAは、GIBCO BRL,Life Technology(Gaithersburg,MD,USA)のTRIZOL−LSを使用することにより抽出された。
ステップ2
cDNAへの変換および二本鎖cDNAライブラリーの構築には、GIBCO−BRL Super Script Choice Systemが使用された、EcoRIアダプターリンカーを結合した後、そのcDNAはλgt11アーム(Stratagene社)に結合させ、Stratagene社のGigapack III Goldにより、in vitro packagingを行い、ファージとして活性化させた。結果的に、約1000万個のファージライブラリーが得られ、そのうち約66%は挿入部分があるファージ(いわゆるリコンビナントファージ)であった。
ステップ3
大腸菌株Y1090を50μg/mlアンピシリン,0.2%w/vマルトース and 10mM硫酸マグネシウムを含むLBブロス培地で100ml培養し、600nmの波長で吸光度0.5まで培養を継続した。その大腸菌は遠心によりペレットとして回収し、氷冷した10mM硫酸マグネシウムの9.2mlに懸濁した。
50,000プラーク形成単位のバクテリオファージを300mlのSM緩衝液と、450mlの上記の細菌懸濁液に混ぜ、37℃10分間150/分の回転で緩やかに混ぜた。つづいて、チューブを47℃にて暖め、9mlのトップアガロース(0.75%w/vのアガロースとアンピシリン50μg/mlを含むLB broth)をそれぞれの大腸菌とファージを含んだチューブに加えた。チューブはそれから、直径150mmのアンピシリン50μg/mlを含んだLBアガープレートに注ぎ、固体にさせ、42℃で逆さまの状態で培養した。おおよそ、3時間の後ファージの増殖に伴いプラークが見えるようになる。それから、イソプロピル・チオ・β・ガラクトサイドの低濃度の溶液にあらかじめ浸して、乾かしたニトロセルロース膜(径137mm)をそのプレートの上にかけて、さらに37℃で3時間培養した。そして、膜は方向が判別できるようにインクつきの針でマークをした。それから、その膜は剥がされ、蒸留水で洗われ、そして、乾燥された。乾燥された膜を2%の無脂肪乾燥ミルクを含んだTBS緩衝液(0.1M Tris pH7.4,0.5M NaCl,0.1% w/v NaN)でブロッキングするために、15分から60分室温で反応した。
ステップ4
慢性非B非C肝炎のあることが疑われる5人の血漿あるいは血清(それぞれ10ml)はプールされ、同量の大腸菌Y1090溶解液であらかじめ吸収された。その溶解液は、4リットルの培養で得られたその大腸菌のペレットを3回にわたりホモゲナイゼーションすることで得られたものである。その大腸菌溶解液と血清あるいは血漿の混合液は、10分間7100Gで遠心され、その約4mlの上清(非処置のプール血漿の10mlに相当する量である)は、5%の無脂肪乾燥ミルクを含む1倍のTBS液960mlで希釈された。
ステップ5
ステップ3の膜のミルク/TBS液を吸引で取り除き、ステップ4の処理後の抗体と膜を反応させた。膜は抗体液と室温で一晩ゆっくり振盪させながら反応させた。抗体溶液は吸引により取り除き、膜は30分間づつ6回TBS/Tweenを交換して洗浄した。そして、西洋馬鈴薯ペロキシダーゼ標識抗ヒトIgGおよびIgM(Cappel/ICN社)を1倍のTBSで2%の非脂肪乾燥ミルクを含む液体で3500倍に希釈し、膜はこの二次抗体溶液それぞれ20mlのなかで2.5時間室温で反応させられた、そして前回と同様に6回TBS/Tweenを交換して洗浄された。最後の洗浄の後基質液、500μg/ml of 4−chloro−1−naphtol(Sigma社、St.Louis,MO,USA)を含む10mM Tris−HCl,pH6.5,150mM NaCl溶液が添加され、約2−7分後に反応したプラークの濃い発色が得られるまで反応された。その発色反応は蒸留水で洗浄することで停止された。
反応したプラークは、濃い青い円形の約1mm直径の、しばしばドーナツ様の外観を呈し、同定された。1つのクローンは、クローンKと後になるクローンであるが、非B非C肝炎患者のプール血清と反応することが判明した。このバクテリオファージは膜上での配置からもとのバクテリオファージのアガロースプレートから、広径のパスツールピペットを用いてアガロースの層ごとプラグとして打ち抜くことで拾い上げられた。そのプラグに含まれたファージは、一晩4℃で1mlのSMバッファーで50マイクロリットルのクロロホルムを含む溶液に懸濁する事により溶出された。そのバクテリオファージクローンは引き続いてプラーク免疫スクリーニングを上記のように三回繰り返すことで、増殖され精製された。
図1(C)に示されたように、クローンKのリコンビナントのλgt11と同量の野生型(非リコンビナント)のλgt11とを同量混合して、上記のように発現ののち膜にそのポリペプタイドをブロットした膜は、2×3cmに切断され、抗Kポリペプタイド抗体の検出(プラーク免疫スクリーニング法)に使用された。下記に述べるような慢性肝炎B、Cおよび非B非C肝炎、さらに血液ドナー、維持透析の患者、多数回の輸血を受けた患者の血清中の抗体の有無は、このプラーク免疫スクリーニング法で検討され、表2、3、4および5に示されている。
実施例2
クローンKのDNAとそのコードするアミノ酸配列
クローンKのファージに含まれる挿入されたDNA配列を検討するために以下のステップが行われた。
ステップ1
プラーク免疫スクリーニングにより選別されたファージクローンKから得られたリコンビナントDNAの挿入部分は、gt11のEcoRI site近傍のプライマーとして、順方向GGTGG CGACG ACTCC TGGAG CCCG,と逆方向のTTGAC ACCAG ACCAA CTGGT AATG,の二つのプライマーにより増幅された。その増幅されたDNAは、順方向のプライマーにより、ABI PRISM BigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit(PE Applied Biosystems社,Foster City,CA,USA)をもちいてラベルされた。そのラベルされたDNAは、ABI PRISM 310で電気泳動され、Sequence Navigator Software(PE Applied Biosystems,Foster City,CA,USA)により解析された。
上記の方法により決定されたクローンKのリコンビナントDNA配列は、それがコードするアミノ酸配列が演繹され、下記の図2に示されている。その配列には古典的なN−関連または、O−関連のグリコシール化部位は含まれていない。
このDNAの解析とそのコードする蛋白の配列は、科学的文献または特許出願されたものに報告されたA型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、およびG型肝炎ウイルスの塩基配列と有意のホモロジーは見いだせなかった。また、同様に、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、およびG型肝炎ウイルスのアミノ酸レベルでのホモロジーも出版された文献、上記の有馬らの特許出願の文献でも見いだせず、2001年12月7日付けのGenBankおよびEMBLデータベースでも、ホモロジーのある塩基配列の報告はみられなかった。
実施例3
ヒト血清における抗K抗体の検出のためのプラーク免疫スクリーニング法
クローンK抗原は、急性非A−G肝炎患者、慢性非B非C肝炎(非A−G肝炎と同義)、維持透析患者、頻回の輸血歴のある患者からの血清において、その免疫的反応性がプラーク免疫スクリーニング法で検討された。慢性B型肝炎、慢性C型肝炎そして健常人の血清は、コントロールとして、そのテストに含まれていた。
プラーク免疫スクリーニングのために、プラークとして発現されたクローンKのポリペプタイドは、ニトロセルロース膜に転写され固相化された。そしてその結合蛋白は、固相化された蛋白に対する抗K抗体として結合することのできる条件で血清中の抗K抗体がテストされた。抗K抗体の結合は、酵素ラベルされた抗体のシグナルにより検出された。そのシグナル抗体は、西洋わさびペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ヒトIgG+IgM抗体から成るものである。図1(C)に示すように、西洋わさびに対する適切な色素基質との反応によって、目に見える指標として抗K抗体の存在または、非存在を個別の患者由来の検体で判別できる。この免疫診断方法において、固相化されたKポリペプタイドとシグナル抗体とに挟まれた患者の抗Kポリペプタイド抗体の存在を意味している。一方、抗Kポリペプタイド抗体陰性の例は、抗原と抗体の結合による複合物が形成されず、色素反応がバックグラウンド以上に検出されなかったことを意味していている。
下記の表2、3、4および5に示すように、抗原決定基あるいはKポリペプタイドに代表される抗原決定基は、慢性非B非C肝炎、結果的には急性非A−G肝炎、そして特に血液ドナーのスクリーニングテストで、著しい診断的有用性を持っている。出願人のクリニックでは、慢性非B非C患者の25例(72%)が、プラーク免疫スクリーニング法でテストしたところKポリペプタイドに対して反応する抗体が検出され、その抗体を保有していた。対照的に慢性B型肝炎の30例、慢性C型肝炎の110例のうち2例(1.8%)が、その検出できる抗K抗体を保有していた。付け加えれば、慢性C型肝炎で陽性であった後者の2例には輸血歴があったことは強調されるべきであろう。
Figure 2003068973
その後、日本人の一般ポピュレーションにおける抗K抗体の存在を調べる目的で、無作為な血液ドナー(HBV−DNA,HCV−RNA,HIV−RNA and HTLV−1−RNA陰性)を上記のプラーク免疫スクリーニングでテストした(表3)。ALT(GPT)が基準値内の血液ドナー60例のうち、ただ1例(1.7%)が抗K抗体陽性であった。一方これに反して、ALT(GPT)が基準値を超えた血液ドナー40例では5例(12.5%)という有意な数が抗K抗体陽性であり、このことは、外因性のK抗原が無症状の一般ポピュレーションにおいて、感染に関連していることを示唆している。
Figure 2003068973
上記に記載されたように、抗K抗体陽性に関連した肝炎は、輸血で伝播されるように思われ、血液で伝播する疾患のハイリスク集団であると考えられる維持透析を受けている172例の患者について、抗K抗体の有無をプラーク免疫スクリーニング法で検査した。(表4)維持透析の患者は、日本の血液センターが第一世代の抗HCV抗体テストを開始した1990年以前に血液透析を開始した69例のグループと、その1990年以降に血液透析が開始された103例の2群に分けて検討された。さらに輸血歴により抗HCVテストの影響で現在の抗K抗体の有無とその血清中のHCV−RNAの有無から、さらに分類された。対象患者はHBV−DNAとHCV−RNAが検討された。対象患者は前例HIV−RNAおよびHTLV−IRNA陰性であった。2例の患者、1例は1994年に透析を開始し輸血歴もない例、もう1例1975年に透析を開始して輸血歴のある1例は、B型肝炎ウイルスDNA陽性で抗K抗体およびHCV−RNA両者陰性であった。血清ALT(GPT)が異常に上昇している6例のうち2例はHCV−RNA陽性であったが、いずれも抗K抗体は陰性であった。全症例中13例のHCV−RNAキャリアーのうち1例のみが抗K抗体陽性であり、肝炎ウイルスCと抗K抗体関連肝炎の重感染はまれであることを示唆していた。輸血歴のある100例のうちそれぞれ、10例(10%)が抗K抗体陽性で、12例(12%)がHCV−RNA陽性であった。一方、72例の輸血歴のない症例では、それぞれ、2例(2.8%)が抗K抗体陽性で、1例(1.4%)がHCV−RNA陽性であった。この知見は肝炎ウイルスCが血液で伝播することがよく知られているのと同様に、抗K抗体関連肝炎が血液伝播であることを示唆している。輸血歴のある患者において献血血液に抗HCV抗体テストが導入されたことにより、HCV−RNA陽性患者が10/53(18.9%)から2/47(4.3%)に減少させている。逆に抗K抗体陽性例は、同期間に、9.4%から10.6%にわずかに増加している。さらに、全患者でみると、HCV抗体テストの導入により、HCV抗体陽性の患者の比率は、15.9%から1.9%に減少したのに比べ、抗K抗体陽性の率は、8.7%から5.8%にわずかに減少したことをみても、HCVの伝播と抗K抗体関連肝炎病原物質との間の関連はきわめてまれな相関関係であるということを示唆している。
Figure 2003068973
プラーク免疫スクリーニング法により抗K抗体の世界的な分布が、日本(表2、3及び4)、台湾、韓国、ブラジル、ドイツ、イタリー、ギリシャ、そしてチェコの研究者らから提供された血清サンプルで検討され、下記に示すような結果であることが確かめられた(表5)。台湾の急性期の非A−G急性肝炎の29例のうち8例(27.6%)が抗K抗体陽性であった。この陽性率の上昇は、これらの患者が回復期にあることが予想される。また、慢性の非B非C肝炎での抗K抗体は、イタリーの12例のうち2例(16.7%)、ドイツの21例のうち7例(33.3%)でも検出された。頻回輸血患者では、イタリーの13例のうち3例(23.1%)で、ドイツの38例のうち4例(10.5%)が、抗K抗体陽性であった。さらに、ドイツの64例の血液ドナーでは、8例(12.5%)が陽性で、イタリーの156人の健常人のうち4例(2.7%)が抗K抗体陽性であった。これらの知見は、とくに肝臓病患者と頻回輸血患者、さらに血液ドナーおよび健常人での、抗K抗体陽性のポピュレーションが世界的に分布していることを示している。上記のようにSjogren et al.,Chan et al.,Rizzeto et al.,Krawczynki et al.and Schiff et al.,pages 745−867(1998)に記載されたように、既知の肝炎ウイルスは血液ドナーおよび健常人において、検出される。
Figure 2003068973
検体は以下の研究者らの懇意により提供されたものである。
Dr.Yun−Fun Liaw,Liver Research Unit,Chang Gung Memorial Hospital,Chang Gung University,Taipei,Taiwan,
Dr.Christian Niel,Dept of Virology,Fundacao Oswaldo Cruz,Rio de Janeiro,Brazil,
Dr.Vladimir Strakrle,Dept of Infectious Deseases,Custody Hospital,Brno,Czech Republic,
Dr.Gabriele Pozzato,Ospadale Cattinara,Medicina Interna,Trieste,Italy,
Dr.Sergei Viazov,Institut fur Virologie,Uniklinikum Essen,Essen,Germany,
Dr.Jongyoung Choi,Dept of Intern Med,Catholic University Medical College,Seoul,Korea and
Dr.Anjelos Hatzakis,National Retrovirus Reference Center,Athens University Medical School,Athens,Greece.
抗原性エピトープ又はエピトープをマッピングするために、Kペプタイド(69残基)の5領域に相当する部分的にオーバーラップした合成ペブタイド:1−22残基(K1)、11−34(K2)、23−46(K3)、35−58(K4)及び47−69(K5)を、慢性非B非C肝炎患者40名からの血清を用いてテストした。このテストで用いた酵素免疫法により、K1及びK2のみが、プラークイムノスクリーニングで陽性である20患者のうちの同じ6名に対して反応した。プラークイムノスクリーイングで陰性だった別の20患者へはいずれも反応していなかった。さらに40患者はいずれもK3、K4及びK5には反応しなかった。これらの結果は、Kペプタイドの11−22アミノ酸残基の配列に少くとも1つのエピトープが存在していることを示す。
より精細なエピトープマッピングのために、3分子次いで1分子ずらした直列のアミノ酸12分子からなるペプチドを用いた研究によって、9−20番目のアミノ酸配列が少なくとも重要なエピトープのひとつであることが明らかになった。
上述の詳細な記載は、この発明のよりよき理解のためだけに提供されたものであり、その精神と以下に付加する請求権利に逸脱しない熟練した技術によりいくつかの部分的変更が明らかになる可能性があるので、不必要に限定されないと理解されるべきである。
Figure 2003068973
Figure 2003068973
Figure 2003068973
【配列表】
Figure 2003068973

【図面の簡単な説明】
図1:プラーク免疫スクリーニング
(A) クローンK組込みλgt11が感染した大腸菌を含む細菌学シャーレから取り上げられた膜と慢性非B非C肝炎罹患患者血清との反応。膜に結合した抗体は、4−chloro−1−naphtolと酵素の反応により結果的に濃い青のスポットとして検出される。
(B) 野生型の(遺伝子組み替えされていない)λgt11が感染した大腸菌を含む細菌学シャーレから取り上げられた膜と図1Aで使用した血清との反応。図1Aでみられた酵素反応により検出可能な膜に結合できる抗体は検出できない。
(C) 図1Aで用いられたクローンK組込みλgt11と図1Bで用いられた野生型ラムダgt11が同力価感染した大腸菌の含まれる細菌学シャーレから取り上げられた膜と、図1Aおよび図1Bで用いられた同じ血清との反応。濃い青のスポットと薄い青のスポットが混合した結果を示している。この膜はanti−K抗体の検出に使用可能である(プラーク免疫スクリーニング法)この免疫診断方法により、陽性の結果は、固相化されたKポリペプタイドと酵素抗体に挟まれた、Kポリペプタイド抗体が患者には存在することを示している。Anti−K抗体が無い場合には(結果が陰性のとき)、抗原と抗体と酵素抗体の複合物は形成されず、バックグラウンド以上の色素反応は検出されない。
図2:ウエスターンブロティングによるanti−K抗体の同定
(A) SDS−ポリアクリルアミドゲルにより分離された低分子量マーカー(Amersham Corp.,Arlington Heights,IL)とそのゲルのクーマシー・ブリリアント・ブルーによる染色
(B) 近接のレーン(lane A)に泳動された、精製および液化されたグルタチオンSトランスフェラーゼとクローンKの融合タンパクは、その融合タンパクとして予測された32KDの分子量であることが明らかとなった。
同じ板で泳動された融合タンパクの他の3つのレーンは、ポリビニリデンジフルオライド(PVDF)の膜に転写し、レーンに沿って切断された。切断された膜(レーンC、D、そしてE)は、別個に血清抗体と、順々に反応させた。結合した抗体は、二次抗体の西洋馬鈴薯ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgGおよびIgM抗体とそれに引き続く基質の青色を呈する酵素反応により染色された
(C) プラーク免疫スクリーニング法で陽性であった患者血清と反応させ、DABで酵素抗体により発色させたら、予想通りGSTとクローンKの融合タンパクは、32KD付近の単一の茶色のバンドであることを示している。
(DおよびE) Cの横のプラーク免疫スクリーニングで陰性の2つのコントロール血清と反応させたレーンでは茶色のバンドは検出できない。

Claims (21)

  1. 配列番号2で規定された核酸配列を含む精製単離されたDNA分子。
  2. 配列番号1に規定されたポリペプタイドの免疫診断的な有用性を保持したポリペプタイドをコードするDNA配列を含む精製単離されたDNA分子。
  3. 配列番号1に配列を記載し定義されたポリペプタイドをコードするDNA配列を含む請求項1に記載の精製単離されたDNA分子。
  4. 配列番号1に規定されたアミノ酸配列にある非A−G肝炎の診断に有効な抗原決定基と実質上同じ抗原決定基を保持するポリペプタイドをコードするDNA配列を含む精製単離DNA分子。
  5. 配列番号1に規定されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。
  6. 配列番号1に規定されたポリペプタイドの免疫診断的有用性を有するアミノ酸配列を含むポリペプタイド。
  7. 配列番号1に規定されたポリペプタイドにおける非A−G肝炎の診断に有用な抗原決定基と実質上同等の抗原決定基を保持するアミノ酸配列を含むポリペプタイド。
  8. 配列番号1に規定されたポリペプタイドのアミノ酸配列を含むポリペプタイド。
  9. 請求項1のDNA配列を含むベクター。
  10. 請求項3のDNA配列を含むベクター。
  11. 請求項7または8のベクターにより形質転換された宿主細胞。
  12. 宿主細胞が原核細胞である請求項9に記載の宿主細胞。
  13. 宿主細胞が真核細胞である請求項9に記載の宿主細胞。
  14. 請求項9に記載の宿主細胞をポリペプタイドを発現させるために適した条件で培養しポリペプタイドを回収することを含む配列番号1に規定されたポリペプタイドの免疫診断的有用性を有するポリペプタイドを調製する方法。
  15. ポリペプタイドを化学的に合成することを含む、配列番号1に規定されたポリペプタイドの免疫診断的有用性を有するポリペプタイドを調製する方法。
  16. 配列番号1に規定されたポリペプタイドの免疫診断的有用性を有するポリペプタイドと患者の血清とを接触させること、及び当該血清が当該ポリペプタイドと免疫反応し得る物質を含むかどうか決定すること、を含む非A−G肝炎の診断の方法。
  17. 血液から血清を分離すること、当該血清と配列番号1に規定されるポリペプチドの免疫診断的有用性を有するポリペプチドとを接触させること、当該血清が当該ポリペプチドと免疫反応し得る構成物を含んでいるかどうかを決定すること、及び当該決定に基づいて血液の分類ならびに取扱うことを含む、輸血用血液の篩い分け方法。
  18. 配列番号1に規定されたポリペプタイドの免疫診断的有用性を有するポリペプタイド及び薬学的に許容される担体とを含む、非A−G肝炎の予防、改善、または治療のためのワクチン。
  19. 配列番号1に規定されるポリペプチドに存する非A−GH診断に利用し得るエピトープと実質的に同じエピトープに対して特異性を有する抗体の抗原結合部位を有する、精製及び単離されたポリペプチド。
  20. ポリペプタイドがモノクローナル抗体である、請求項16に記載のポリペプタイド。
  21. 請求項16のポリペプタイド及び薬学的に許容される担体を含む、非A−G肝炎に対する受動免疫用組成物。
JP2003568084A 2002-02-13 2002-12-03 肝炎の診断に有用なdna配列とコードされたポリペプタイド Withdrawn JPWO2003068973A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002035161 2002-02-13
JP2002035161 2002-02-13
PCT/JP2002/012679 WO2003068973A1 (fr) 2002-02-13 2002-12-03 Sequence d'adn utilisee dans le diagnostic de l'hepatite et polypeptide ainsi code

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2003068973A1 true JPWO2003068973A1 (ja) 2005-06-02

Family

ID=27678048

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003568084A Withdrawn JPWO2003068973A1 (ja) 2002-02-13 2002-12-03 肝炎の診断に有用なdna配列とコードされたポリペプタイド

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP1536013A4 (ja)
JP (1) JPWO2003068973A1 (ja)
AU (2) AU2002349383A1 (ja)
WO (2) WO2003068973A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003068973A1 (fr) * 2002-02-13 2003-08-21 Terukatsu Arima Sequence d'adn utilisee dans le diagnostic de l'hepatite et polypeptide ainsi code

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU741656B2 (en) * 1997-07-25 2001-12-06 Tamura, Ryoji Non-B non-C non-G hepatitis virus gene, polynucleotide, polypeptide, virion, method for separating virion, and method for detecting virus
CA2296792A1 (en) * 1999-02-26 2000-08-26 Genset S.A. Expressed sequence tags and encoded human proteins
AU2001241541A1 (en) * 2000-02-17 2001-08-27 Millennium Predictive Medicine, Inc. Novel genes, compositions, kits, and methods for identification, assessment, prevention, and therapy of human prostate cancer
NZ524229A (en) * 2000-09-01 2006-01-27 Epigenomics Ag Method for simultaneous detection of many different methylation positions of specific cytosine residues in genomic DNA in the sequence context of 5'-CpG-3'
WO2003068973A1 (fr) * 2002-02-13 2003-08-21 Terukatsu Arima Sequence d'adn utilisee dans le diagnostic de l'hepatite et polypeptide ainsi code
WO2004038028A2 (en) * 2002-10-28 2004-05-06 F. Hoffmann-La Roche Ag Hepatitis x virus antigen

Also Published As

Publication number Publication date
EP1536013A1 (en) 2005-06-01
WO2003068810A1 (en) 2003-08-21
AU2002349383A1 (en) 2003-09-04
WO2003068973A1 (fr) 2003-08-21
AU2003208851A1 (en) 2003-09-04
EP1536013A4 (en) 2005-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2662350B2 (ja) Nanbvの診断用薬
US6217872B1 (en) Non-A, non-B hepatitis virus genomic cDNA and antigen polypeptide
EP0610436B1 (en) Hepatitis-c virus testing
JP2006036795A (ja) E型肝炎ウィルスワクチン及びその接種方法
EP0463848A2 (en) Non-A, non-B hepatitis virus particles
EP0933426A1 (en) Non-a, non-b hepatitis virus genomic cdna fragments and antigen polypeptides
JPH07503614A (ja) Hcv蛋白のための哺乳動物発現システム
WO1994018217A1 (en) Non-a, non-b, non-c, non-d, non-e hepatitis reagents and methods for their use
JPH10503642A (ja) G型肝炎ウイルスおよびその分子クローニング
JPH09503912A (ja) E型肝炎ウイルスの免疫反応性抗原
JP3061258B2 (ja) 非a非b非c非d非e型肝炎試薬及びそれらの使用方法
JPH0940694A (ja) 肝炎gbウイルスの合成ペプチド及びその使用
JP4475803B2 (ja) E型肝炎ウイルスを検出するための方法および組成物
US6451578B1 (en) Non-A, non-B, non-C, non-D, non-E hepatitis reagents and methods for their use
JPWO2003068973A1 (ja) 肝炎の診断に有用なdna配列とコードされたポリペプタイド
US6720166B2 (en) Non-a, non-b, non-c, non-c, non-d, non-e hepatitis reagents and methods for their use
JP3848663B2 (ja) 非a非b非c非d非e型肝炎試薬及びそれらの使用方法
JP2003525428A (ja) E型肝炎ウイルスを検出するための方法及び組成物
US6586568B1 (en) Non-A, non-B, non-C, non-D, non-E hepatitis reagents and methods for their use
US6558898B1 (en) Non-A, non-B, non-C, non-D, non-E hepatitis reagents and methods for their use
JPH06303980A (ja) 非A非B型肝炎ウイルス遺伝子cDNAおよび抗原ポリペプチド
EP0745129B1 (en) Non-a, non-b, non-c, non-d, non-e hepatitis reagents and methods for their use
KR960015513B1 (ko) 한국형 c형 간염 진단시약 및 백신
Ferruccio et al. Hepatitis Delta Virus: Infection and Disease

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080812

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20080904