JPWO2003065103A1 - 可変形ミラー、および当該可変形ミラーを備えた光制御装置 - Google Patents

可変形ミラー、および当該可変形ミラーを備えた光制御装置 Download PDF

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Abstract

本発明の可変形ミラーは、基板1と、相互に分離された状態で基板1に支持される複数の微小鏡20と、複数の微小鏡20の各々を独立して駆動し、それによって各微小鏡20と基板1との配置関係を制御する複数の駆動部とを備えている。複数の駆動部の各々は、互いに独立した駆動電圧が印加され得る複数の固定電極5〜7と、複数の固定電極5〜7に対向する位置に設けられた可動電極13〜15とを備えている。各微小鏡20は、微小鏡20の各々に関連付けられた少なくとも2つの可動電極13〜15と連結されている。これらの可動電極13〜15と固定電極5〜7との間の電位差によって発生する静電力により、各微小鏡20の基板1に対して垂直な方向への変位および/または前記基板に対する傾斜を行うことができる。

Description

技術分野
本発明は、静電力によって変位可能な光反射領域を備えた可変形ミラー(deformable mirror)、および、この可変形ミラーを用いて光の波面を制御する光制御装置に関する。
背景技術
可変形ミラーは、光の波面収差をアクティブに補正する補償光学装置や、ディスプレイや光通信などの光スイッチ等に応用されつつある。近年は、マイクロマシン技術を用いて多数の微小ミラーを一括的に形成し、低コスト化を図った開発事例が多数報告されている。このような微小ミラーの駆動には、静電力がよく利用される。静電力を利用して微小ミラーを駆動するタイプの可変形ミラーは、平面的で簡易な構造を有しているため、半導体製造プロセスとの整合性が高い。また、静電力は、ミラーなどの構成各部を微細化するほど、単位体積当たりの駆動力が大きくなる。
一方、静電力を利用する場合は、圧電素子などを利用する場合と異なり、基本的に吸引力のみしか働かないため、駆動方向が非対称的である。また、駆動部の構造体自体が伸縮して駆動力を発生する訳ではないため、間隙を置いて対向する電極対と、この電極対を支持するための構造とが必要となる。
可変形ミラーを大別すると、一枚の連続したミラー面を多数のアクチュエータによって変形させる「連続ミラー(Continuous mirror)」と、多数の相互に分離されたミラーを独立に動かす「分割ミラー(Segmented Mirrors)」とがある。
連続ミラーの例としては、薄膜ミラーと間隙を設けて配列した多数の電極との間で電位差を与えて静電力を発生させ、薄膜ミラーを電極方向に吸引して変形させるものがある(例えばG.Vdovin,P.M.Sarro,S.Middlehoek″Technology and applications of micromachined adaptive mirrors″,J.Micromech.Microeng.9(1999),R8−R20)。
また、分割ミラーの例としては、微小鏡を静電力によって基板方向に平行に吸引するもの(例えばW.D.Cowan,M.K.Lee,B.M.Welsh,et al.,″Surface Micromachined Segmented Mirrors for Adaptive Optics″,IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics,Vol.5,No.1,pp.90−101(1999))と、平行移動動作を伴わず傾斜動作をさせるもの(例えば特開2001−174724号公報)とがある。積層圧電素子を用いた分割ミラーには、平行移動動作と傾斜動作を同時に行うもの(例えばR.K.Tyson″Adaptive Optics Engineering Handbook″,Marcel Dekker,Inc.(2000),(Chapter 5,pp.155,Fig.2))がある。
しかしながら、上記のような可変形ミラーには、以下のような課題がある。
連続ミラーは、連続的で滑らかな波面を生成できるので、少ないアクチュエータでも波面フィット誤差を小さくできるが、その一方で、制御レンジの確保と駆動電圧の低減との両立が難しい。すなわち、充分な制御レンジを確保するには、ミラーと電極との間隙距離を大きくする必要があるが、静電力の大きさは間隙距離の自乗に反比例するため、高電圧を与えないと静電力が得られない。また、連続ミラーには、分割ミラーに比べて応答速度が小さく、ミラー膜の残留応力がミラーの平面性に大きく影響するといった問題もある。
一方、分割ミラーは、連続ミラーに比べて応答速度及び平面度に優れているという利点がある。また、各ミラーが独立しているため、制御レンジが波長λを超えた場合には、0〜λの範囲内において対応する主値に変換するという折り返し処理を実施すれば、任意の制御レンジを実現でき、低電圧化と制御レンジとの両立が可能である。
しかし、従来の分割ミラーでは、各ミラーを吸引して平行移動させているため、階段状の波面しか生成できなかった。この結果、波面フィット誤差を抑えるためには、ミラー分割数を連続ミラーに比べて大幅に増やす必要があった。このため、アクチュエータの数が増えてしまい、制御構成が複雑化したり、ミラー面積に対するミラー間のギャップ部の面積が増えることにより、反射効率の低下や不要回折光の影響の増大を招いている。
圧電素子を用いた分割ミラーでは、平行移動動作と傾斜動作とを両立させて滑らかな波面を生成できるため、少ないミラー分割数で波面フィット誤差を抑えることが可能である。しかし、半導体製造プロセスとの整合性がなく、低コストで一括生産することが困難である。
なお、圧電素子による構成を静電方式の可変形ミラーで実現するのは、下記の2つの理由により困難であった。
第1に、吸引力しか発生しない静電方式の可変形ミラーでは、平行移動動作と傾斜動作とを独立に制御することが困難である。
第2に、静電方式の可変形ミラーでは、構造体自身が伸縮して駆動力を発生する圧電素子とは異なり、間隙を隔てた電極対とこれを支持する支持構造が別々に必要なる。このため、このような可変形ミラーでは、大きな静電力を得るための広い面積の電極対と、平行移動動作と傾斜動作とを可能とする支持構造とを、限られたミラー分割面積内に両立して確保することが困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、少ないミラー分割数で波面フィット誤差を抑えた可変形ミラーおよび光制御装置を提供することにある。
発明の開示
本発明の可変形ミラーは、基板と、相互に分離された状態で前記基板に支持される複数の微小鏡と、前記複数の微小鏡の各々を独立して駆動し、それによって各微小鏡と前記基板との配置関係を制御する複数の駆動部とを備えた可変形ミラーであって、前記複数の駆動部の各々は、互いに独立した駆動電圧が印加され得る複数の固定電極と、前記複数の固定電極と対向する位置に設けられた可動電極とを備え、前記複数の微小鏡の各々は、前記微小鏡の各々に関連付けられた少なくとも2つの可動電極と連結されており、前記少なくとも2つの可動電極と、前記可動電極に対応する前記固定電極との間の電位差によって発生する静電力により、前記微小鏡の前記基板に対する垂直な方向への変位および/または前記基板に対する傾斜を行うことができる。
好ましい実施形態において、前記複数の駆動部の各々は、前記微小鏡における第1の特定部位の変位に関わる第1の固定電極と、前記微小鏡における前記第1の特定部位と異なる第2の特定部位の変位に関わる第2の固定電極と、を備え、前記第1および第2の固定電極への駆動電圧の印加によって前記第1および第2の特定部位の変位を独立に行い、それによって前記微小鏡と前記基板との配置関係を制御する。
好ましい実施形態において、前記第1および第2の固定電極の各々は、独立した駆動電圧が印加され得る複数の固定電極片に分割されており、前記複数の固定電極片に対して選択的に駆動電圧を印加することにより、対応する前記微小鏡の各特定部位の変位を前記基板に近接させる方向および前記基板から離間させる方向の双方向に制御することができる。
好ましい実施形態において、前記可動電極は、前記基板に支持されて回動軸を中心に回動する回動部材と、前記回動部材の運動に従って、前記微小鏡の特定部位と前記基板との距離を変化させる作用部材とを備え、前記回動部材は、前記回動軸上に配置された支持部と、前記支持部と結合した平板部とを有しており、前記回動部材の前記平板部は、前記回動軸に関して対称な位置に存する第1導電性部分および第2導電性部分を含み、前記複数の固定電極片は、前記平板部の第1導電性部分に間隙を介して対向する第1固定電極片と、前記平板部の第2導電性部分に間隙を介して対向する第2固定電極片とを含んでいる。
好ましい実施形態において、前記作用部材は、平板状の中間連結部材と、前記可動電極における前記第1導電性部分および第2導電性部分の一方を前記中間連結部材に結合する複数の突起部材とを備え、前記中間連結部材の概中心部において、前記中間連結部材と前記微小鏡とが連結されている。
好ましい実施形態において、前記第1導電性部分および第2導電性部分のいずれか一方と前記中間連結部材とは、前記突起部材を介して回動自在な関係にある。
好ましい実施形態において、前記複数の駆動部の各々は、前記微小鏡における前記第1および第2の特定部位のいずれとも異なる第3の特定部位の変位に関わる第3の固定電極を更に備え、前記第1から第3の固定電極への駆動電圧の印加によって前記第1および第3の特定部位の変位を独立に設定することにより、少なくとも前記微小鏡を前記基板に対して垂直に変位させる方向と、前記微小鏡を前記基板に対して2軸に傾ける方向とに制御することができる。
好ましい実施形態において、前記複数の微小鏡の各々は、波長λの光を反射し、前記複数の微小鏡に含まれる或る微小鏡によって反射される光の光路長と、前記或る微小鏡に隣接する微小鏡によって反射される光の光路長との差が実質的にn・λ(nは整数)となるように、前記複数の駆動部は、前記微小鏡の配置関係を制御する。
好ましい実施形態において、前記固定電極片は、互いに独立した駆動電圧が印加され得る複数の部分電極を更に備え、前記複数の部分電極は、少なくもとその面積が互いに異なる第1及び第2の部分電極を含み、前記第2の部分電極の面積は前記第1の部分電極の面積よりみ小さく設定され、かつ、前記第2の部分電極は、前記第1の部分電極よりも前記回動軸に近い位置に配設されている。
好ましい実施形態において、前記第1の部分電極の中心から前記回動軸までの距離と前記第1の部分電極の面積との積が、前記第2の部分電極の中心から前記回動軸までの距離と前記第2の部分電極の面積との積に対し、実質的に2の累乗倍の関係を有する。
好ましい実施形態において、前記駆動電圧を生成する駆動回路を前記基板上に備えている。
好ましい実施形態において、少なくとも前記固定電極および可動電極は、パターニングされた導電性膜から形成されている。
本発明の光制御装置は、複数の微小鏡が基板上に支持された可変形ミラーを備え、光源から出射された光ビームの波面を前記可変形ミラーによって所望の目標波面に変換する光制御装置であって、前記目標波面を設定するビーム制御目標設定手段と、前記ビーム制御目標設定手段の出力から前記各微小鏡と前記基板との配置関係の目標値を設定するミラー制御目標設定手段と、前記ミラー制御目標設定手段の出力に基づいて前記各微小鏡の制御を行うミラー制御手段とを備え、前記可変形ミラーは、上記いずれかの可変形ミラーであることを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
(実施形態1)
まず、図1および図2を参照しながら、本発明による可変形ミラーの第1の実施形態を説明する。
本実施形態の可変形ミラーは、複数個のアクチュエータ(駆動部)と、各アクチュエータを駆動するための駆動回路とが同一のシリコン基板上に集積された構成を有しており、半導体製造プロセス技術を好適に用いて作製され得る。
まず、図1を参照する。図1は、本実施形態における可変形ミラーの分解斜視図である。本実施形態の可変形ミラーは、複数の微小鏡(反射ミラー要素)20が2次元アレイ状に配列された構成を備えているが、図1は、複数の微小鏡20のうちの1つの微小鏡およびその駆動部を拡大したものである。
本実施形態の可変形ミラーでは、復数の駆動部により、基板1上に配列された各微小鏡20の姿勢および基板1からの距離が制御される。各駆動部は、基板1に形成された不図示の駆動回路によって制御される。
本実施形態では、基板1上に窒化シリコン系の絶縁層2が形成され、その絶縁層2上に、ベース3、ヨーク当接部4、第1の固定電極5、第2の固定電極6、および第3の固定電極7が形成されている。ベース3、ヨーク当接部4、および固定電極5〜7は、アルミニウム(Al)または多結晶シリコン等の導電膜をパターニングすることによって形成されている。
図1に示されている1つの微小鏡20を駆動するため、本実施形態では、第1の固定電極5、第2の固定電極6、および第3の固定電極7を用いる。これにより、微小鏡20の基板1に対する傾斜動作だけではなく、基板1からの垂直方向変位および/または傾斜を独立して制御することが可能になる。
以下、本実施形態の構成を更に詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の可変型ミラーでは、第1の固定電極5が2つの固定電極片5a、5bに分割されており、この2つの固定電極片5a、5bには、それぞれ、独立した駆動電圧が印加される。これと同様に、第2の固定電極6は、それぞれが独立した駆動電圧の印加を受ける固定電極片6a、6bに分割されており、第3の固定電極7は、それぞれが独立した駆動電圧の印加を受ける固定電極片7a、7bに分割されている。一方、ベース3およびヨーク当接部4の電位は接地電位に設定されている。
固定電極片5a、5b〜7a、7bは、絶縁層2に形成されたビア(不図示)によって基板1に形成された駆動回路に接続されている。駆動回路は、0〜5Vの範囲内で各々独立した電圧を固定電極片5a、5b〜7a、7bに与えることができる。この6つの固定電極片5a、5b〜7a、7bへ印加する電圧を調節することにより、1つの微小鏡20の姿勢を制御することができる。
支持ポスト11は、ベース3の位置3aにおいてベース3と接続している。支持ポスト11には、ヒンジ12を介して、第1のヨーク13,第2のヨーク14、および第3のヨーク15が取り付けられている。これらのヨーク13〜15は、対応する固定電極5〜7に対向し、それぞれが「可動電極」として機能する。
本実施形態における支持ポスト11、ヒンジ12、および第1〜第3のヨーク13〜15は、アルミニウム(Al)または多結晶シリコンなどの導電性部材をパターニングすることによって形成され、ベース3と導通して接地電位に設定されている。
第1のヨーク13は、第1の固定電極5の固定電極片5a、5bに対向する位置に第1の部分13aおよび第2の部分13bを有している。固定電極片5aに駆動電圧を与えた場合、第1の部分13aが固定電極片5a側に吸引される。これに対し、固定電極片5bに駆動電圧を与えた場合は、第2の部分13bが固定電極片5b側に吸引される。このようにして、回動軸Aを中心にしてCW(時計回り)方向およびCCW(反時計回り)方向のいずれに対しても選択的に回動力を付与できる。
同様に、第2のヨーク14は、第1の部分14aおよび14bを有しており、第3のヨーク15は、第1の部分15aおよび15bを有している。各固定電極片6a、6b、7a、7bに対して選択的に駆動電圧を与えることにより、回動軸Aを中心にCW方向およびCCW方向の任意の方向に回動力を発生することが可能である。
中間連結部材16は、概略三角形の平面的な形状を有しており、三角形の頂点部分に近い位置に形成された3点の突起部材17〜19を備えている。この突起部材17〜19は、中間連結部材16の平板状部分の下面から垂直方向に突出している。
3つの突起部材17〜19のうち、突起部材17は、位置13cにおいて第1のヨーク13と連結している。同様に、突起部材18は位置14cにおいて第2のヨーク14と連結し、突起部材19は位置15cにおいて第3のヨーク15と連結している。第1のヨーク13〜第3のヨーク15を個別に回動駆動させることにより、突起部材17〜19の変位を独立に制御できるため、中間連結部材16の姿勢を制御することができる。本実施形態では、3つの突起部材17〜19が1直線上に並んでいないため、3軸的な姿勢制御を行うことができる。
微小鏡20は、上面に反射面21を備え、突起22によって中間連結部材16と、その概中心部の位置16aにおいて一体に連結されている。このため、中間連結部材16の姿勢が微小鏡20の姿勢を決定することになる。本実施形態の反射面21は、窒化シリコン層と酸化シリコン層とを繰り返し積層した誘電体多層ミラー膜から形成されており、高い反射効率を実現している。誘電体反射ミラー膜は、好ましくは5μm以上の厚さを有し、これによって微小鏡20自体の剛性を高め、残留応力による反射面21の平面度低下を防止している。
本実施形態では、微小鏡20を中間連結部材16とその概中心部において連結している。このため、ヨーク13〜15の変位に伴う不要な応力モーメントによる反射面21の平面度低下が防止される。すなわち、ヨーク13〜15が回動軸Aを中心に個別に変位した際には、ヨーク13〜15の互いの相対角度差に起因する不要な応力モーメントが発生するが、これによる撓みの発生は中間連結部材16までにとどめられ、中間連結部材16と位置16aの1点で連結された微小鏡20の平面度にまで影響が及ぶことがない。
本実施形態の構成によれば、第1〜第3の固定電極5〜7の固定電極片5a、5b〜7a、7bに対して選択的に駆動電圧を与えることにより、微小鏡20を、z方向の変位、x軸周りの傾き、および/またはy軸周りの傾きについて、正負双方向に駆動することが可能である。
微小鏡20を基板1から垂直方向に離間させる場合、固定電極片5a、6b、7aを選択し、それぞれ突起部材17〜19がz軸に沿って正方向に同量だけ変位するような駆動電圧を与えれば良い。逆に、微小鏡20を基板1に接近させる場合には、固定電極片5b、6a、7bを選択し、それぞれ、突起部材17〜19がz軸に沿って負方向に同量だけ変位するような駆動電圧を与えれば良い。
x軸周りのCCW方向の傾きを与える場合は、固定電極片5a、6a、7aを選択し、それぞれ突起部材17、19がz軸に沿って正方向、突起部材18が負方向に同量だけ変位するような駆動電圧を与えれば良い。
x軸周りのCW方向の傾き、y軸周りの傾き、およびこれらの全ての複合的な動作も全て同様であり、6つの固定電極片5a、5b〜7a、7bから適宜選択した電極に適当な駆動電圧を与えてやれば、微小鏡20を基板1に対して任意の姿勢をとらせることができる。
なお、微小鏡20の姿勢と6つの固定電極片5a、5b〜7a、7bに与える駆動電圧との関係は、予めテーブル化して格納しておくことができる。
次に、図2を参照しながら、図1の微小鏡をアレイ配列した可変形ミラーについて、隣接する反射ミラー同士の姿勢の設定方法を説明する。本実施形態における可変形ミラーは、歪んだ波面を平坦に補正する補償光学装置の一部として使用されている。
図2は、本実施形態の可変形ミラーの概略断面図である。図2(a)は微小鏡20を連続的に接続して波面を補正した場合の例を示し、図2(b)は光の位相の周期性を利用して波長単位で微小鏡20の境界における光路差をずらした場合の例を記載している。簡単化のため、ここでは、1次元ミラーアレイの動作を説明するが、2次元のミラーアレイであっても同様である。
波長λの入射光30が基板1に垂直に入射するとする。図2に示す入射光30は、一点鎖線で示すような歪んだ波面を持っている。微小鏡20で反射された入射光30は、出射光31となる。本実施形態における出射光31の波面は、図2の破線で示すような平坦な波面に補正される。
微小鏡20は、その外縁部20a、20bにおける可動ストロークが±0.25〜0.5λの間の値をとるように設定されている。具体的には、微小鏡20によって反射される光の往復路において、光路長制御範囲が±0.5λよりも大きく、かつ±1λよりも小さくなるように設定される。このように設定することにより、ヨーク13〜15と固定電極5〜7との間の間隙を極力小さくし、その結果、低電圧駆動時においても、大きな静電力を発生させるとともに、微小鏡20の傾きを優先的に決定した場合に外縁部20a、20bの一方が±0.5λ以上の光路長差をとり得るように可動ストロークを確保できる。
図2(a)では、入射光30の波面に対する補正レンジが微小鏡20の可動ストローク範囲内にあり、微小鏡20を連続的に接続して波面を補正した場合を示している。
駆動回路40から固定電極5〜7に駆動電圧が印加されると、それに応じてヨーク13〜15が静電力で吸引され、微小鏡20の姿勢が制御される。駆動回路40は、例えば8ビットの駆動電圧値を発生し、ビア41を介して絶縁層2上の固定電極5〜7と個別に接続されている。駆動回路40の駆動電圧は図示しない波面センサで出射光31の波面を検出した結果に基づき、やはり図示しない制御回路によって生成される。
微小鏡20の姿勢および位置は、その外縁部20a、20bにおいて隣接する反射ミラーと連続的な反射面を形成するようにように制御され、入射光30の歪んだ波面を折れ線状の連続波面で補正する。このため、微小鏡20を単純に平行移動させて階段状の波面で補正するのに比べ、少ないミラー分割数で波面フィット誤差を抑えることができる。
図2(b)は、入射光30の波面の補正レンジが微小鏡20の可動ストローク範囲を超えた場合を示している。この場合、微小鏡20の周縁部20bと、これに隣接する反射ミラーの周縁部20aとの間で、0.5λの段差を形成している。このとき、反射光31の波面は破線で示すように位相2π(光路長差λ)のずれを生ずるが、このような位相のずれは、単波長の光の場合、位相のずれがないことと等価である。このことを一般化すると、隣接する微小鏡20の境界における入反射光の光路長差が実質的にn・λ(nは整数)となるように各微小鏡20の配置関係を制御すれば、任意の補正レンジを実現できる。
以上のように本実施形態では、複数の固定電極5〜7に対して独立した駆動電圧を印加することにより、これらの複数の固定電極5〜7に関連付けられた微小鏡20を、基板1に対して垂直な方向へ変位させるとともに、基板1に対して所望の方位へ傾斜させる制御が可能である。このため、半導体製造プロセスとの整合性の高い静電駆動方式を採用した可変形ミラーにおいても、少ないミラー分割数で波面フィット誤差を抑えることが可能となる。
また、各固定電極5〜7が複数の固定電極片5a、5b〜7a、7bを備えているため、それぞれに選択的に駆動電圧を印加することにより、対応する微小鏡20の各部位を、基板1に近づけたり、基板1から遠ざけたりすることができる(双方向制御可能)。このため、微小鏡20の平行移動動作と傾斜動作とを相互に干渉無く、独立して制御することができる。
なお、固定電極5〜7およびヨーク13〜15により、3つの駆動部を構成した例について説明したが、駆動部の数は、これに限定されるものではない。2つの駆動部により、各微小鏡20の平行移動動作と1軸の傾斜動作を行っても良く、また4つ以上の駆動部を用いて各微小鏡20を動かすことも可能である。特に、中間連結部材16を介さずに突起部材17〜19を直接微小鏡20と連結し、微小鏡20に適当な柔軟性を与えた構成にして4つ以上の駆動源で駆動すれば、反射面21の曲率を制御することも可能である。このようにすれば、連続ミラーと分割ミラーの両方の特徴を併せ持つ可変形ミラーを提供することもできる。
(実施形態2)
図3を参照しながら、本発明による可変形ミラーの第2の実施形態を説明する。図3は本実施形態における可変形ミラーの分解斜視図である。
本実施形態の可変形ミラーと実施形態1における可変形ミラーとの異なる点は、中間連結部材50の構成にある。すなわち、基板1、絶縁層2、ベース3、ヨーク当接部4、固定電極5〜7、支持ポスト11、ヒンジ12、ヨーク13〜15、突起部材17〜19、微小鏡20、反射面21、および突起22については、本実施形態の可変形ミラーと実施形態1の可変形ミラーとは同一の構成を有している。
本実施形態における中間連結部材50は、3対のヒンジ部50bを備え、各ヒンジ部50bは回動軸Aと平行な軸に沿ってそれぞれの突起部材17〜19を回動自在に支持している。この構成により、ヨーク13〜15が回動軸Aを中心に個別に変位した際に発生するねじり応力が中間連結部材50全体を撓ませることを効果的に防止している。これによって、微小鏡20の突起22との連結部である斜線部50aの変位量および傾き角度の再現性と線形性とを向上させ、つまりは微小鏡20の姿勢精度を高めることができる。
なお、本実施形態では、突起部材17〜19を回動自在に支持するヒンジ部を中間連結部材50側に設けたが、これをヨーク13〜15の側に設けても良い。
(実施形態3)
図4を参照しながら、本発明の可変形ミラーの第3の実施形態を説明する。図4は本実施形態における可変形ミラーの分解斜視図である。
本実施形態の可変形ミラーが実施形態2における可変形ミラーと異なる点は、固定電極60〜62の構成にある。すなわち、本実施形態における第1の固定電極60は、固定電極片60a、60bに分かれており、固定電極片60a、60bは、それぞれ、更に独立的に駆動電圧が印加され得る8つの部分電極に分かれている。以下、固定電極片60aについて説明を行うが、固定電極片60bや第2、第3の固定電極61、62の固定電極片61a、61b、62a、62bも、固定電極片60aと同様である。
図4に示されるように、固定電極片60aは、8つの部分電極60a1〜60a8に分かれており、各々に独立した駆動電圧が印加され得る。このような構成を採用することにより、2値の駆動電圧で駆動することが可能となるため、駆動電圧を8ビットで制御する必要がなくなり、ディジタル−アナログ変換(D/A)回路が不要になる。
駆動に用いる「静電力」は、電極の面積に比例する。このため、前記″Surface Micromachined Segmented Mirrors for Adaptive Optics″は、上位ビットに対応する部分電極の面積は、その下位ビットに対応する部分電極の面積の2倍にすることを開示している。例えば8ビット相当の電極構成を考えると、最上位ビット部の部分電極の面積は最下位ビット部のものの128倍となり、部分電極の面積の差が極めて大きくなる。このため、多ビット化に対応しようとすると、下位ビット部の部分電極の面積が極めて小さくなり、電極面積に対するギャップによる無効面積の比が大きくなる。また、電極を作製するために微細加工プロセスが必要となり、製造が困難になる。更に、電極形状が点に近づいていくため、現実の動作が、平行平板間に働く静電力を前提する動作モデルから外れてしまい、可動電極の変位に対する静電力の特性が上位ビット部と下位ビット部で異なってしまう。
このような問題を解決するため、本実施形態では、第1のヨーク13をCCW方向に回動させるトルクが、上位ビット部の部分電極とその下位ビットの部分電極とでは2倍の関係となるように構成している。すなわち、各部分電極の面積だけでなく、回動軸Aから部分電極までの距離を設計パラメータとして自由度を持たせ、上位ビット部の部分電極を下位ビット部の部分電極よりも回動軸Aから離れた位置に配置して、下位ビット部の部分電極の面積と上位ビット部のものとの比が極端に大きくなることを防止している。
図4では、回動軸Aに最も近い部分電極60a8が最下位ビットに対応し、以下部分電極60a7〜60a2と順次上位ビットに対応して、回動軸Aに最も遠い部分電極60a1が最上位ビットに対応している。各部分電極の中心から回動軸Aまでの距離と、各部分電極の面積との積は、最下位ビットの部分電極60a8を1として、それぞれ2、4、8、・・・、128と2の累乗の関係を持たせている。
一方、各部分電極の面積についての例を挙げれば、部分電極60a1と回動軸Aとの距離は、部分電極60a8と回動軸Aとの距離の約8倍に設けられているため、部分電極60a1と部分電極60a8との面積比は16倍程度である。このように、8ビット相当の制御を行う構成においても部分電極同士の面積比は小さく抑えることができ、上記の問題を解決できる。
このように、小さい面積の部分電極を大きい面積の部分電極よりもヨーク13の回動軸Aの近くに配置することにより、極端な部分電極の面積差を招くことなく突起部材17の変位量のダイナミックレンジを確保し、多ビットの制御を行うことができる。
(実施形態4)
上記の実施形態1〜3では、各微小鏡に3つの可動電極を割り当て、3つの可動電極の動作を組み合わせることにより、各微小鏡の基板に対する配置関係(基板からの距離及び方位)を制御している。これに対し、本実施形態では、各微小鏡に2つの可動電極を割り当て、2つの可動電極の動作を組み合わせることにより、各微小鏡の基板に対する配置関係を制御する。
以下、図5を参照しながら、本実施形態における可変形ミラーを説明する。図5は、本実施形態における可変形ミラーのうち、1つの微小鏡20と、この微小鏡を駆動する駆動部とを示す分解斜視図である。
本実施形態では、微小鏡20が突起部材17を介してヨーク13の第2の部分13bと結合し、更に突起部材18を介してヨーク14の第1の部分14aと結合している。
本実施形態では、中間連結部材16を用いず、微小鏡20を2つのヨーク13、14に結合している点でも、前述の実施形態と異なっている。中間連結部材16が存在しないため、製造プロセスの工程数が減少する利点があるが、駆動に伴なって微小鏡20に応力が発生するため、微小鏡20には適当な柔軟性を与えることが好ましい。
本実施形態の構成は、他の実施形態に比べて単純であるが、各微小鏡20の平行移動動作と1軸の傾斜動作とを行うことができる。
(実施形態5)
図6を参照しながら、本発明による光制御装置の実施形態を説明する。この光制御装置は、可変形ミラーを用いた集光位置制御装置である。本実施形態では、複数の入出力用光ファイバアレイ間の接続切換えを行う光クロスコネクトに適用している。
図6に示すように、入力用光ファイバアレイ70は、N×N本の信号入力用光ファイバを束ねたものであり、信号入力用光ファイバの先端がN×Nの2次元アレイを形成している。本実施形態では、N=8として、光ファイバの隣接ピッチ間隔が250μmとなるようにしている。1つの光ファイバから出射した光は、レンズ71により概平行光にされる。レンズ71は焦点距離f=40mm、開口径8mmであり、この焦点位置の近傍に入力用光ファイバアレイ70が配置される。
可変形ミラー72は、実施形態1〜4におけるいずれかの可変ミラーであり、内部に駆動回路を備えている。駆動回路は、ミラー制御手段73からの制御信号を受けて、各反射ミラーの姿勢制御を行う。
可変形ミラー72で反射された光はハーフミラー74によって一部はレンズ75に、残りの一部は波面の状態を検出するための波面センサ76に向けられる。
レンズ75を通過した光は、出力用光ファイバアレイ77に集光される。レンズ75の焦点距離および開口径は、レンズ71の焦点距離および開口径と同じである。
波面センサ76は、シャック=ハルトマン(Shack−Hartmann)型波面センサである。出力用光ファイバアレイ77は、入力用光ファイバアレイ70と同じように、N×N本の信号入力用光ファイバを束ねたものであり、出力用光ファイバ77の先端はN×Nの2次元アレイを形成している。
ビーム制御目標設定手段78は、入力用光ファイバアレイ70と出力用光ファイバアレイ77との間で、どの光ファイバのビームをどの光ファイバに向けて偏向させるかを決定し、その対応情報をミラー制御目標設定手段79に出力する。ミラー制御目標設定手段79は、この入出力ビーム間の対応を実現するために必要な各ミラーの目標姿勢を設定する。本実施形態では、これを予め設定した対応テーブルを用いて実現している。このため、ビーム制御目標設定手段78からの出力をアドレスとして与えると、その内容として各ミラーの基板からの距離と2軸の傾き角度が出力される。この対応テーブルは予め計算もしくは実験的に決定されてROMに書き込まれている。
ミラー制御手段73は、ミラー制御目標設定手段79からの出力を目標値とし、波面センサ76の出力をフィードバック情報として用いながら、各ミラーの駆動制御信号を出力する。
以上の構成により、可変形ミラー72は、位相変調型の空間光変調器として、選択された入力用光ファイバの光ビームを所望の出力用光ファイバの固定位置に焦点を合致させるよう光ビーム制御を行う。本実施形態の可変形ミラー72は、通常のバイナリーな空間光変調器と異なり、各反射ミラーの傾きを制御してブレーズ形状が実現できるため、回折効率を大幅に向上することができる。このため、入出力ファイバ間の光伝達効率を向上させるるとともに、不要な回折光が他の出力用光ファイバに漏れ込むことを防止してクロストークの発生を抑えることができる。
なお、ビーム制御目標設定手段78は、単に入出力の光ファイバを1対1に対応させるだけでなく、入力光信号を1対多にファンアウトするような設定を行うこともできる。この場合、ミラー制御目標設定手段79はマルチビームを生成できるようにミラー波面を設定する。
本実施形態では、ミラー制御手段73が波面センサ76からのフィードバック信号を用いた制御を行っているが、本発明は、これに限定されるものではなく、可変形ミラー72に十分な追従性がある場合はこのフィードバック信号を用いないオープン制御にしてもよい。
また、本実施形態では、光制御装置を光クロスコネクトに適用しているが、本発明は、これに限定されるものではなく、RGB光源光をスクリーン上の所望の位置に走査する投射型ディスプレイに適用することもできる。更には、本発明を、ブレーズ形状を有する可変形ミラーを用いた光偏向装置や、可変焦点の集光装置などに適用することもできる。
産業上の利用可能性
本発明の可変形ミラーによれば、独立した駆動電圧を印加可能な複数の固定電極と、これと対向する可動電極との間の電位差によって発生する静電力により、微小鏡を基板に対して垂直に変位させる方向と傾ける方向とに独立に制御できる。このため、半導体製造プロセスによって容易に作製される静電駆動方式の可変形ミラーにおいて、少ないミラー分割数でも波面フィット誤差を抑えることができる。
また、各固定電極が複数の固定電極片を備えている場合、それぞれに選択的に駆動電圧を印加することにより、対応する微小鏡の各部位を基板に近接させる方向と、基板から離間させる方向との双方向に制御することが可能である。このため、微小鏡の平行移動動作と傾斜動作を干渉無く独立に制御することができる。
更に、回動軸を中心に回動する可動電極の回動部材が作用部材を介して微小鏡に作用し、この回動部材の平板部が回動軸に関して対称な位置に存する第1および第2固定電極片と対向するように構成している場合、大きな静電力を得るための広い面積の電極対と、平行移動動作と傾斜動作とを可能とする支持構造とを限られたミラー分割面積内に両立して確保することができる。
なお、可動電極を複数の突起部材を介して平板状の中間連結部材と結合し、微小鏡を中間連結部材とその概中心部において連結することにより、可動電極の変位に伴う不要応力による反射面の平面度低下を防止することができる。また、中間連結部材に突起部材を回動自在に支持させることにより、中間連結部材全体が変形することを防止し、微小鏡の姿勢精度を高めることができる。
固定電極片を複数の部分電極から構成し、面積の小さい第2の部分電極を面積の大きい第1の部分電極よりも回動軸に近い位置に配設すれば、部分電極の面積差を小さく抑えつつ微小鏡の変位量のダイナミックレンジを確保して、多ビットの制御を行うことができる。
本発明の可変形ミラーを光制御装置に用いることにより、回折効率の高い光位相変調を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施形態1における可変形ミラーの分解斜視図である。
図2は、本発明の実施形態1における可変形ミラーの概略断面図である。
図3は、本発明の実施形態2における可変形ミラーの分解斜視図である。
図4は、本発明の実施形態3における可変形ミラーの分解斜視図である。
図5は、本発明の実施形態4における可変形ミラーの分解斜視図である。
図6は、本発明による光制御装置の実施形態(実施形態5)を示す概略構成図である。
本発明は、静電力によって変位可能な光反射領域を備えた可変形ミラー(deformable mirror)、および、この可変形ミラーを用いて光の波面を制御する光制御装置に関する。
可変形ミラーは、光の波面収差をアクティブに補正する補償光学装置や、ディスプレイや光通信などの光スイッチ等に応用されつつある。近年は、マイクロマシン技術を用いて多数の微小ミラーを一括的に形成し、低コスト化を図った開発事例が多数報告されている。このような微小ミラーの駆動には、静電力がよく利用される。静電力を利用して微小ミラーを駆動するタイプの可変形ミラーは、平面的で簡易な構造を有しているため、半導体製造プロセスとの整合性が高い。また、静電力は、ミラーなどの構成各部を微細化するほど、単位体積当たりの駆動力が大きくなる。
一方、静電力を利用する場合は、圧電素子などを利用する場合と異なり、基本的に吸引力のみしか働かないため、駆動方向が非対称的である。また、駆動部の構造体自体が伸縮して駆動力を発生する訳ではないため、間隙を置いて対向する電極対と、この電極対を支持するための構造とが必要となる。
可変形ミラーを大別すると、一枚の連続したミラー面を多数のアクチュエータによって変形させる「連続ミラー(Continuous mirror)」と、多数の相互に分離されたミラーを独立に動かす「分割ミラー(Segmented Mirrors)」とがある。
連続ミラーの例としては、薄膜ミラーと間隙を設けて配列した多数の電極との間で電位差を与えて静電力を発生させ、薄膜ミラーを電極方向に吸引して変形させるものがある(例えばG.Vdovin, P.M.Sarro, S.Middlehoek "Technology and applications of micromachined adaptive mirrors" , J. Micromech. Microeng. 9 (1999), R8-R20)。
また、分割ミラーの例としては、微小鏡を静電力によって基板方向に平行に吸引するもの(例えばW.D.Cowan, M.K.Lee, B.M.Welsh, et al.,"Surface Micromachined Segmented Mirrors for Adaptive Optics", IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics, Vol.5, No.1, pp.90-101 (1999))と、平行移動動作を伴わず傾斜動作をさせるもの(例えば特開2001-174724号公報)とがある。積層圧電素子を用いた分割ミラーには、平行移動動作と傾斜動作を同時に行うもの(例えばR.K.Tyson "Adaptive Optics Engineering Handbook", Marcel Dekker,Inc. (2000), (Chapter 5, pp.155 , Fig.2))がある。
しかしながら、上記のような可変形ミラーには、以下のような課題がある。
連続ミラーは、連続的で滑らかな波面を生成できるので、少ないアクチュエータでも波面フィット誤差を小さくできるが、その一方で、制御レンジの確保と駆動電圧の低減との両立が難しい。すなわち、充分な制御レンジを確保するには、ミラーと電極との間隙距離を大きくする必要があるが、静電力の大きさは間隙距離の自乗に反比例するため、高電圧を与えないと静電力が得られない。また、連続ミラーには、分割ミラーに比べて応答速度が小さく、ミラー膜の残留応力がミラーの平面性に大きく影響するといった問題もある。
一方、分割ミラーは、連続ミラーに比べて応答速度及び平面度に優れているという利点がある。また、各ミラーが独立しているため、制御レンジが波長λを超えた場合には、0〜λの範囲内において対応する主値に変換するという折り返し処理を実施すれば、任意の制御レンジを実現でき、低電圧化と制御レンジとの両立が可能である。
しかし、従来の分割ミラーでは、各ミラーを吸引して平行移動させているため、階段状の波面しか生成できなかった。この結果、波面フィット誤差を抑えるためには、ミラー分割数を連続ミラーに比べて大幅に増やす必要があった。このため、アクチュエータの数が増えてしまい、制御構成が複雑化したり、ミラー面積に対するミラー間のギャップ部の面積が増えることにより、反射効率の低下や不要回折光の影響の増大を招いている。
圧電素子を用いた分割ミラーでは、平行移動動作と傾斜動作とを両立させて滑らかな波面を生成できるため、少ないミラー分割数で波面フィット誤差を抑えることが可能である。しかし、半導体製造プロセスとの整合性がなく、低コストで一括生産することが困難である。
なお、圧電素子による構成を静電方式の可変形ミラーで実現するのは、下記の2つの理由により困難であった。
第1に、吸引力しか発生しない静電方式の可変形ミラーでは、平行移動動作と傾斜動作とを独立に制御することが困難である。
第2に、静電方式の可変形ミラーでは、構造体自身が伸縮して駆動力を発生する圧電素子とは異なり、間隙を隔てた電極対とこれを支持する支持構造が別々に必要なる。このため、このような可変形ミラーでは、大きな静電力を得るための広い面積の電極対と、平行移動動作と傾斜動作とを可能とする支持構造とを、限られたミラー分割面積内に両立して確保することが困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、少ないミラー分割数で波面フィット誤差を抑えた可変形ミラーおよび光制御装置を提供することにある。
本発明の可変形ミラーは、基板と、相互に分離された状態で前記基板に支持される複数の微小鏡と、前記複数の微小鏡の各々を独立して駆動し、それによって各微小鏡と前記基板との配置関係を制御する複数の駆動部とを備えた可変形ミラーであって、前記複数の駆動部の各々は、互いに独立した駆動電圧が印加され得る複数の固定電極と、前記複数の固定電極と対向する位置に設けられた可動電極とを備え、前記複数の微小鏡の各々は、前記微小鏡の各々に関連付けられた少なくとも2つの可動電極と連結されており、前記少なくとも2つの可動電極と、前記可動電極に対応する前記固定電極との間の電位差によって発生する静電力により、前記微小鏡の前記基板に対する垂直な方向への変位および/または前記基板に対する傾斜を行うことができる。
好ましい実施形態において、前記複数の駆動部の各々は、前記微小鏡における第1の特定部位の変位に関わる第1の固定電極と、前記微小鏡における前記第1の特定部位と異なる第2の特定部位の変位に関わる第2の固定電極と、を備え、前記第1および第2の固定電極への駆動電圧の印加によって前記第1および第2の特定部位の変位を独立に行い、それによって前記微小鏡と前記基板との配置関係を制御する。
好ましい実施形態において、前記第1および第2の固定電極の各々は、独立した駆動電圧が印加され得る複数の固定電極片に分割されており、前記複数の固定電極片に対して選択的に駆動電圧を印加することにより、対応する前記微小鏡の各特定部位の変位を前記基板に近接させる方向および前記基板から離間させる方向の双方向に制御することができる。
好ましい実施形態において、前記可動電極は、前記基板に支持されて回動軸を中心に回動する回動部材と、前記回動部材の運動に従って、前記微小鏡の特定部位と前記基板との距離を変化させる作用部材とを備え、前記回動部材は、前記回動軸上に配置された支持部と、前記支持部と結合した平板部とを有しており、前記回動部材の前記平板部は、前記回動軸に関して対称な位置に存する第1導電性部分および第2導電性部分を含み、前記複数の固定電極片は、前記平板部の第1導電性部分に間隙を介して対向する第1固定電極片と、前記平板部の第2導電性部分に間隙を介して対向する第2固定電極片とを含んでいる。
好ましい実施形態において、前記作用部材は、平板状の中間連結部材と、前記可動電極における前記第1導電性部分および第2導電性部分の一方を前記中間連結部材に結合する複数の突起部材とを備え、前記中間連結部材の概中心部において、前記中間連結部材と前記微小鏡とが連結されている。
好ましい実施形態において、前記第1導電性部分および第2導電性部分のいずれか一方と前記中間連結部材とは、前記突起部材を介して回動自在な関係にある。
好ましい実施形態において、前記複数の駆動部の各々は、前記微小鏡における前記第1および第2の特定部位のいずれとも異なる第3の特定部位の変位に関わる第3の固定電極を更に備え、前記第1から第3の固定電極への駆動電圧の印加によって前記第1および第3の特定部位の変位を独立に設定することにより、少なくとも前記微小鏡を前記基板に対して垂直に変位させる方向と、前記微小鏡を前記基板に対して2軸に傾ける方向とに制御することができる。
好ましい実施形態において、前記複数の微小鏡の各々は、波長λの光を反射し、前記複数の微小鏡に含まれる或る微小鏡によって反射される光の光路長と、前記或る微小鏡に隣接する微小鏡によって反射される光の光路長との差が実質的にn・λ(nは整数)となるように、前記複数の駆動部は、前記微小鏡の配置関係を制御する。
好ましい実施形態において、前記固定電極片は、互いに独立した駆動電圧が印加され得る複数の部分電極を更に備え、前記複数の部分電極は、少なくもとその面積が互いに異なる第1及び第2の部分電極を含み、前記第2の部分電極の面積は前記第1の部分電極の面積よりみ小さく設定され、かつ、前記第2の部分電極は、前記第1の部分電極よりも前記回動軸に近い位置に配設されている。
好ましい実施形態において、前記第1の部分電極の中心から前記回動軸までの距離と前記第1の部分電極の面積との積が、前記第2の部分電極の中心から前記回動軸までの距離と前記第2の部分電極の面積との積に対し、実質的に2の累乗倍の関係を有する。
好ましい実施形態において、前記駆動電圧を生成する駆動回路を前記基板上に備えている。
好ましい実施形態において、少なくとも前記固定電極および可動電極は、パターニングされた導電性膜から形成されている。
本発明の光制御装置は、複数の微小鏡が基板上に支持された可変形ミラーを備え、光源から出射された光ビームの波面を前記可変形ミラーによって所望の目標波面に変換する光制御装置であって、前記目標波面を設定するビーム制御目標設定手段と、前記ビーム制御目標設定手段の出力から前記各微小鏡と前記基板との配置関係の目標値を設定するミラー制御目標設定手段と、前記ミラー制御目標設定手段の出力に基づいて前記各微小鏡の制御を行うミラー制御手段とを備え、前記可変形ミラーは、上記いずれかの可変形ミラーであることを特徴とする。
本発明の可変形ミラーによれば、独立した駆動電圧を印加可能な複数の固定電極と、これと対向する可動電極との間の電位差によって発生する静電力により、微小鏡を基板に対して垂直に変位させる方向と傾ける方向とに独立に制御できる。このため、半導体製造プロセスによって容易に作製される静電駆動方式の可変形ミラーにおいて、少ないミラー分割数でも波面フィット誤差を抑えることができる。
また、各固定電極が複数の固定電極片を備えている場合、それぞれに選択的に駆動電圧を印加することにより、対応する微小鏡の各部位を基板に近接させる方向と、基板から離間させる方向との双方向に制御することが可能である。このため、微小鏡の平行移動動作と傾斜動作を干渉無く独立に制御することができる。
更に、回動軸を中心に回動する可動電極の回動部材が作用部材を介して微小鏡に作用し、この回動部材の平板部が回動軸に関して対称な位置に存する第1および第2固定電極片と対向するように構成している場合、大きな静電力を得るための広い面積の電極対と、平行移動動作と傾斜動作とを可能とする支持構造とを限られたミラー分割面積内に両立して確保することができる。
なお、可動電極を複数の突起部材を介して平板状の中間連結部材と結合し、微小鏡を中間連結部材とその概中心部において連結することにより、可動電極の変位に伴う不要応力による反射面の平面度低下を防止することができる。また、中間連結部材に突起部材を回動自在に支持させることにより、中間連結部材全体が変形することを防止し、微小鏡の姿勢精度を高めることができる。
固定電極片を複数の部分電極から構成し、面積の小さい第2の部分電極を面積の大きい第1の部分電極よりも回動軸に近い位置に配設すれば、部分電極の面積差を小さく抑えつつ微小鏡の変位量のダイナミックレンジを確保して、多ビットの制御を行うことができる。
本発明の可変形ミラーを光制御装置に用いることにより、回折効率の高い光位相変調を行うことができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
(実施形態1)
まず、図1および図2を参照しながら、本発明による可変形ミラーの第1の実施形態を説明する。
本実施形態の可変形ミラーは、複数個のアクチュエータ(駆動部)と、各アクチュエータを駆動するための駆動回路とが同一のシリコン基板上に集積された構成を有しており、半導体製造プロセス技術を好適に用いて作製され得る。
まず、図1を参照する。図1は、本実施形態における可変形ミラーの分解斜視図である。本実施形態の可変形ミラーは、複数の微小鏡(反射ミラー要素)20が2次元アレイ状に配列された構成を備えているが、図1は、複数の微小鏡20のうちの1つの微小鏡およびその駆動部を拡大したものである。
本実施形態の可変形ミラーでは、複数の駆動部により、基板1上に配列された各微小鏡20の姿勢および基板1からの距離が制御される。各駆動部は、基板1に形成された不図示の駆動回路によって制御される。
本実施形態では、基板1上に窒化シリコン系の絶縁層2が形成され、その絶縁層2上に、ベース3、ヨーク当接部4、第1の固定電極5、第2の固定電極6、および第3の固定電極7が形成されている。ベース3、ヨーク当接部4、および固定電極5〜7は、アルミニウム(Al)または多結晶シリコン等の導電膜をパターニングすることによって形成されている。
図1に示されている1つの微小鏡20を駆動するため、本実施形態では、第1の固定電極5、第2の固定電極6、および第3の固定電極7を用いる。これにより、微小鏡20の基板1に対する傾斜動作だけではなく、基板1からの垂直方向変位および/または傾斜を独立して制御することが可能になる。
以下、本実施形態の構成を更に詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の可変型ミラーでは、第1の固定電極5が2つの固定電極片5a、5bに分割されており、この2つの固定電極片5a、5bには、それぞれ、独立した駆動電圧が印加される。これと同様に、第2の固定電極6は、それぞれが独立した駆動電圧の印加を受ける固定電極片6a、6bに分割されており、第3の固定電極7は、それぞれが独立した駆動電圧の印加を受ける固定電極片7a、7bに分割されている。一方、ベース3およびヨーク当接部4の電位は接地電位に設定されている。
固定電極片5a、5b〜7a、7bは、絶縁層2に形成されたビア(不図示)によって基板1に形成された駆動回路に接続されている。駆動回路は、0〜5Vの範囲内で各々独立した電圧を固定電極片5a、5b〜7a、7bに与えることができる。この6つの固定電極片5a、5b〜7a、7bへ印加する電圧を調節することにより、1つの微小鏡20の姿勢を制御することができる。
支持ポスト11は、ベース3の位置3aにおいてベース3と接続している。支持ポスト11には、ヒンジ12を介して、第1のヨーク13,第2のヨーク14、および第3のヨーク15が取り付けられている。これらのヨーク13〜15は、対応する固定電極5〜7に対向し、それぞれが「可動電極」として機能する。
本実施形態における支持ポスト11、ヒンジ12、および第1〜第3のヨーク13〜15は、アルミニウム(Al)または多結晶シリコンなどの導電性部材をパターニングすることによって形成され、ベース3と導通して接地電位に設定されている。
第1のヨーク13は、第1の固定電極5の固定電極片5a、5bに対向する位置に第1の部分13aおよび第2の部分13bを有している。固定電極片5aに駆動電圧を与えた場合、第1の部分13aが固定電極片5a側に吸引される。これに対し、固定電極片5bに駆動電圧を与えた場合は、第2の部分13bが固定電極片5b側に吸引される。このようにして、回動軸Aを中心にしてCW(時計回り)方向およびCCW(反時計回り)方向のいずれに対しても選択的に回動力を付与できる。
同様に、第2のヨーク14は、第1の部分14aおよび14bを有しており、第3のヨーク15は、第1の部分15aおよび15bを有している。各固定電極片6a、6b、7a、7bに対して選択的に駆動電圧を与えることにより、回動軸Aを中心にCW方向およびCCW方向の任意の方向に回動力を発生することが可能である。
中間連結部材16は、概略三角形の平面的な形状を有しており、三角形の頂点部分に近い位置に形成された3点の突起部材17〜19を備えている。この突起部材17〜19は、中間連結部材16の平板状部分の下面から垂直方向に突出している。
3つの突起部材17〜19のうち、突起部材17は、位置13cにおいて第1のヨーク13と連結している。同様に、突起部材18は位置14cにおいて第2のヨーク14と連結し、突起部材19は位置15cにおいて第3のヨーク15と連結している。第1のヨーク13〜第3のヨーク15を個別に回動駆動させることにより、突起部材17〜19の変位を独立に制御できるため、中間連結部材16の姿勢を制御することができる。本実施形態では、3つの突起部材17〜19が1直線上に並んでいないため、3軸的な姿勢制御を行うことができる。
微小鏡20は、上面に反射面21を備え、突起22によって中間連結部材16と、その概中心部の位置16aにおいて一体に連結されている。このため、中間連結部材16の姿勢が微小鏡20の姿勢を決定することになる。本実施形態の反射面21は、窒化シリコン層と酸化シリコン層とを繰り返し積層した誘電体多層ミラー膜から形成されており、高い反射効率を実現している。誘電体反射ミラー膜は、好ましくは5μm以上の厚さを有し、これによって微小鏡20自体の剛性を高め、残留応力による反射面21の平面度低下を防止している。
本実施形態では、微小鏡20を中間連結部材16とその概中心部において連結している。このため、ヨーク13〜15の変位に伴う不要な応力モーメントによる反射面21の平面度低下が防止される。すなわち、ヨーク13〜15が回動軸Aを中心に個別に変位した際には、ヨーク13〜15の互いの相対角度差に起因する不要な応力モーメントが発生するが、これによる撓みの発生は中間連結部材16までにとどめられ、中間連結部材16と位置16aの1点で連結された微小鏡20の平面度にまで影響が及ぶことがない。
本実施形態の構成によれば、第1〜第3の固定電極5〜7の固定電極片5a、5b〜7a、7bに対して選択的に駆動電圧を与えることにより、微小鏡20を、z方向の変位、x軸周りの傾き、および/またはy軸周りの傾きについて、正負双方向に駆動することが可能である。
微小鏡20を基板1から垂直方向に離間させる場合、固定電極片5a、6b、7aを選択し、それぞれ突起部材17〜19がz軸に沿って正方向に同量だけ変位するような駆動電圧を与えれば良い。逆に、微小鏡20を基板1に接近させる場合には、固定電極片5b、6a、7bを選択し、それぞれ、突起部材17〜19がz軸に沿って負方向に同量だけ変位するような駆動電圧を与えれば良い。
x軸周りのCCW方向の傾きを与える場合は、固定電極片5a、6a、7aを選択し、それぞれ突起部材17、19がz軸に沿って正方向、突起部材18が負方向に同量だけ変位するような駆動電圧を与えれば良い。
x軸周りのCW方向の傾き、y軸周りの傾き、およびこれらの全ての複合的な動作も全て同様であり、6つの固定電極片5a、5b〜7a、7bから適宜選択した電極に適当な駆動電圧を与えてやれば、微小鏡20を基板1に対して任意の姿勢をとらせることができる。
なお、微小鏡20の姿勢と6つの固定電極片5a、5b〜7a、7bに与える駆動電圧との関係は、予めテーブル化して格納しておくことができる。
次に、図2を参照しながら、図1の微小鏡をアレイ配列した可変形ミラーについて、隣接する反射ミラー同士の姿勢の設定方法を説明する。本実施形態における可変形ミラーは、歪んだ波面を平坦に補正する補償光学装置の一部として使用されている。
図2は、本実施形態の可変形ミラーの概略断面図である。図2(a)は微小鏡20を連続的に接続して波面を補正した場合の例を示し、図2(b)は光の位相の周期性を利用して波長単位で微小鏡20の境界における光路差をずらした場合の例を記載している。簡単化のため、ここでは、1次元ミラーアレイの動作を説明するが、2次元のミラーアレイであっても同様である。
波長λの入射光30が基板1に垂直に入射するとする。図2に示す入射光30は、一点鎖線で示すような歪んだ波面を持っている。微小鏡20で反射された入射光30は、出射光31となる。本実施形態における出射光31の波面は、図2の破線で示すような平坦な波面に補正される。
微小鏡20は、その外縁部20a、20bにおける可動ストロークが±0.25〜0.5λの間の値をとるように設定されている。具体的には、微小鏡20によって反射される光の往復路において、光路長制御範囲が±0.5λよりも大きく、かつ±1λよりも小さくなるように設定される。このように設定することにより、ヨーク13〜15と固定電極5〜7との間の間隙を極力小さくし、その結果、低電圧駆動時においても、大きな静電力を発生させるとともに、微小鏡20の傾きを優先的に決定した場合に外縁部20a、20bの一方が±0.5λ以上の光路長差をとり得るように可動ストロークを確保できる。
図2(a)では、入射光30の波面に対する補正レンジが微小鏡20の可動ストローク範囲内にあり、微小鏡20を連続的に接続して波面を補正した場合を示している。
駆動回路40から固定電極5〜7に駆動電圧が印加されると、それに応じてヨーク13〜15が静電力で吸引され、微小鏡20の姿勢が制御される。駆動回路40は、例えば8ビットの駆動電圧値を発生し、ビア41を介して絶縁層2上の固定電極5〜7と個別に接続されている。駆動回路40の駆動電圧は図示しない波面センサで出射光31の波面を検出した結果に基づき、やはり図示しない制御回路によって生成される。
微小鏡20の姿勢および位置は、その外縁部20a、20bにおいて隣接する反射ミラーと連続的な反射面を形成するように制御され、入射光30の歪んだ波面を折れ線状の連続波面で補正する。このため、微小鏡20を単純に平行移動させて階段状の波面で補正するのに比べ、少ないミラー分割数で波面フィット誤差を抑えることができる。
図2(b)は、入射光30の波面の補正レンジが微小鏡20の可動ストローク範囲を超えた場合を示している。この場合、微小鏡20の周縁部20bと、これに隣接する反射ミラーの周縁部20aとの間で、0.5λの段差を形成している。このとき、反射光31の波面は破線で示すように位相2π(光路長差λ)のずれを生ずるが、このような位相のずれは、単波長の光の場合、位相のずれがないことと等価である。このことを一般化すると、隣接する微小鏡20の境界における入反射光の光路長差が実質的にn・λ(nは整数)となるように各微小鏡20の配置関係を制御すれば、任意の補正レンジを実現できる。
以上のように本実施形態では、複数の固定電極5〜7に対して独立した駆動電圧を印加することにより、これらの複数の固定電極5〜7に関連付けられた微小鏡20を、基板1に対して垂直な方向へ変位させるとともに、基板1に対して所望の方位へ傾斜させる制御が可能である。このため、半導体製造プロセスとの整合性の高い静電駆動方式を採用した可変形ミラーにおいても、少ないミラー分割数で波面フィット誤差を抑えることが可能となる。
また、各固定電極5〜7が複数の固定電極片5a、5b〜7a、7bを備えているため、それぞれに選択的に駆動電圧を印加することにより、対応する微小鏡20の各部位を、基板1に近づけたり、基板1から遠ざけたりすることができる(双方向制御可能)。このため、微小鏡20の平行移動動作と傾斜動作とを相互に干渉無く、独立して制御することができる。
なお、固定電極5〜7およびヨーク13〜15により、3つの駆動部を構成した例について説明したが、駆動部の数は、これに限定されるものではない。2つの駆動部により、各微小鏡20の平行移動動作と1軸の傾斜動作を行っても良く、また4つ以上の駆動部を用いて各微小鏡20を動かすことも可能である。特に、中間連結部材16を介さずに突起部材17〜19を直接微小鏡20と連結し、微小鏡20に適当な柔軟性を与えた構成にして4つ以上の駆動源で駆動すれば、反射面21の曲率を制御することも可能である。このようにすれば、連続ミラーと分割ミラーの両方の特徴を併せ持つ可変形ミラーを提供することもできる。
(実施形態2)
図3を参照しながら、本発明による可変形ミラーの第2の実施形態を説明する。図3は本実施形態における可変形ミラーの分解斜視図である。
本実施形態の可変形ミラーと実施形態1における可変形ミラーとの異なる点は、中間連結部材50の構成にある。すなわち、基板1、絶縁層2、ベース3、ヨーク当接部4、固定電極5〜7、支持ポスト11、ヒンジ12、ヨーク13〜15、突起部材17〜19、微小鏡20、反射面21、および突起22については、本実施形態の可変形ミラーと実施形態1の可変形ミラーとは同一の構成を有している。
本実施形態における中間連結部材50は、3対のヒンジ部50bを備え、各ヒンジ部50bは回動軸Aと平行な軸に沿ってそれぞれの突起部材17〜19を回動自在に支持している。この構成により、ヨーク13〜15が回動軸Aを中心に個別に変位した際に発生するねじり応力が中間連結部材50全体を撓ませることを効果的に防止している。これによって、微小鏡20の突起22との連結部である斜線部50aの変位量および傾き角度の再現性と線形性とを向上させ、つまりは微小鏡20の姿勢精度を高めることができる。
なお、本実施形態では、突起部材17〜19を回動自在に支持するヒンジ部を中間連結部材50側に設けたが、これをヨーク13〜15の側に設けても良い。
(実施形態3)
図4を参照しながら、本発明の可変形ミラーの第3の実施形態を説明する。図4は本実施形態における可変形ミラーの分解斜視図である。
本実施形態の可変形ミラーが実施形態2における可変形ミラーと異なる点は、固定電極60〜62の構成にある。すなわち、本実施形態における第1の固定電極60は、固定電極片60a、60bに分かれており、固定電極片60a、60bは、それぞれ、更に独立的に駆動電圧が印加され得る8つの部分電極に分かれている。以下、固定電極片60aについて説明を行うが、固定電極片60bや第2、第3の固定電極61、62の固定電極片61a、61b、62a、62bも、固定電極片60aと同様である。
図4に示されるように、固定電極片60aは、8つの部分電極60a1〜60a8に分かれており、各々に独立した駆動電圧が印加され得る。このような構成を採用することにより、2値の駆動電圧で駆動することが可能となるため、駆動電圧を8ビットで制御する必要がなくなり、ディジタル−アナログ変換(D/A)回路が不要になる。
駆動に用いる「静電力」は、電極の面積に比例する。このため、前記"Surface Micromachined Segmented Mirrors for Adaptive Optics"は、上位ビットに対応する部分電極の面積は、その下位ビットに対応する部分電極の面積の2倍にすることを開示している。例えば8ビット相当の電極構成を考えると、最上位ビット部の部分電極の面積は最下位ビット部のものの128倍となり、部分電極の面積の差が極めて大きくなる。このため、多ビット化に対応しようとすると、下位ビット部の部分電極の面積が極めて小さくなり、電極面積に対するギャップによる無効面積の比が大きくなる。また、電極を作製するために微細加工プロセスが必要となり、製造が困難になる。更に、電極形状が点に近づいていくため、現実の動作が、平行平板間に働く静電力を前提する動作モデルから外れてしまい、可動電極の変位に対する静電力の特性が上位ビット部と下位ビット部で異なってしまう。
このような問題を解決するため、本実施形態では、第1のヨーク13をCCW方向に回動させるトルクが、上位ビット部の部分電極とその下位ビットの部分電極とでは2倍の関係となるように構成している。すなわち、各部分電極の面積だけでなく、回動軸Aから部分電極までの距離を設計パラメータとして自由度を持たせ、上位ビット部の部分電極を下位ビット部の部分電極よりも回動軸Aから離れた位置に配置して、下位ビット部の部分電極の面積と上位ビット部のものとの比が極端に大きくなることを防止している。
図4では、回動軸Aに最も近い部分電極60a8が最下位ビットに対応し、以下部分電極60a7〜60a2と順次上位ビットに対応して、回動軸Aに最も遠い部分電極60a1が最上位ビットに対応している。各部分電極の中心から回動軸Aまでの距離と、各部分電極の面積との積は、最下位ビットの部分電極60a8を1として、それぞれ2、4、8、・・・、128と2の累乗の関係を持たせている。
一方、各部分電極の面積についての例を挙げれば、部分電極60a1と回動軸Aとの距離は、部分電極60a8と回動軸Aとの距離の約8倍に設けられているため、部分電極60a1と部分電極60a8との面積比は16倍程度である。このように、8ビット相当の制御を行う構成においても部分電極同士の面積比は小さく抑えることができ、上記の問題を解決できる。
このように、小さい面積の部分電極を大きい面積の部分電極よりもヨーク13の回動軸Aの近くに配置することにより、極端な部分電極の面積差を招くことなく突起部材17の変位量のダイナミックレンジを確保し、多ビットの制御を行うことができる。
(実施形態4)
上記の実施形態1〜3では、各微小鏡に3つの可動電極を割り当て、3つの可動電極の動作を組み合わせることにより、各微小鏡の基板に対する配置関係(基板からの距離及び方位)を制御している。これに対し、本実施形態では、各微小鏡に2つの可動電極を割り当て、2つの可動電極の動作を組み合わせることにより、各微小鏡の基板に対する配置関係を制御する。
以下、図5を参照しながら、本実施形態における可変形ミラーを説明する。図5は、本実施形態における可変形ミラーのうち、1つの微小鏡20と、この微小鏡を駆動する駆動部とを示す分解斜視図である。
本実施形態では、微小鏡20が突起部材17を介してヨーク13の第2の部分13bと結合し、更に突起部材18を介してヨーク14の第1の部分14aと結合している。
本実施形態では、中間連結部材16を用いず、微小鏡20を2つのヨーク13、14に結合している点でも、前述の実施形態と異なっている。中間連結部材16が存在しないため、製造プロセスの工程数が減少する利点があるが、駆動に伴なって微小鏡20に応力が発生するため、微小鏡20には適当な柔軟性を与えることが好ましい。
本実施形態の構成は、他の実施形態に比べて単純であるが、各微小鏡20の平行移動動作と1軸の傾斜動作とを行うことができる。
(実施形態5)
図6を参照しながら、本発明による光制御装置の実施形態を説明する。この光制御装置は、可変形ミラーを用いた集光位置制御装置である。本実施形態では、複数の入出力用光ファイバアレイ間の接続切換えを行う光クロスコネクトに適用している。
図6に示すように、入力用光ファイバアレイ70は、N×N本の信号入力用光ファイバを束ねたものであり、信号入力用光ファイバの先端がN×Nの2次元アレイを形成している。本実施形態では、N=8として、光ファイバの隣接ピッチ間隔が250μmとなるようにしている。1つの光ファイバから出射した光は、レンズ71により概平行光にされる。レンズ71は焦点距離f=40mm、開口径8mmであり、この焦点位置の近傍に入力用光ファイバアレイ70が配置される。
可変形ミラー72は、実施形態1〜4におけるいずれかの可変ミラーであり、内部に駆動回路を備えている。駆動回路は、ミラー制御手段73からの制御信号を受けて、各反射ミラーの姿勢制御を行う。
可変形ミラー72で反射された光はハーフミラー74によって一部はレンズ75に、残りの一部は波面の状態を検出するための波面センサ76に向けられる。
レンズ75を通過した光は、出力用光ファイバアレイ77に集光される。レンズ75の焦点距離および開口径は、レンズ71の焦点距離および開口径と同じである。
波面センサ76は、シャック=ハルトマン(Shack-Hartmann)型波面センサである。出力用光ファイバアレイ77は、入力用光ファイバアレイ70と同じように、N×N本の信号入力用光ファイバを束ねたものであり、出力用光ファイバ77の先端はN×Nの2次元アレイを形成している。
ビーム制御目標設定手段78は、入力用光ファイバアレイ70と出力用光ファイバアレイ77との間で、どの光ファイバのビームをどの光ファイバに向けて偏向させるかを決定し、その対応情報をミラー制御目標設定手段79に出力する。ミラー制御目標設定手段79は、この入出力ビーム間の対応を実現するために必要な各ミラーの目標姿勢を設定する。本実施形態では、これを予め設定した対応テーブルを用いて実現している。このため、ビーム制御目標設定手段78からの出力をアドレスとして与えると、その内容として各ミラーの基板からの距離と2軸の傾き角度が出力される。この対応テーブルは予め計算もしくは実験的に決定されてROMに書き込まれている。
ミラー制御手段73は、ミラー制御目標設定手段79からの出力を目標値とし、波面センサ76の出力をフィードバック情報として用いながら、各ミラーの駆動制御信号を出力する。
以上の構成により、可変形ミラー72は、位相変調型の空間光変調器として、選択された入力用光ファイバの光ビームを所望の出力用光ファイバの固定位置に焦点を合致させるよう光ビーム制御を行う。本実施形態の可変形ミラー72は、通常のバイナリーな空間光変調器と異なり、各反射ミラーの傾きを制御してブレーズ形状が実現できるため、回折効率を大幅に向上することができる。このため、入出力ファイバ間の光伝達効率を向上させるるとともに、不要な回折光が他の出力用光ファイバに漏れ込むことを防止してクロストークの発生を抑えることができる。
なお、ビーム制御目標設定手段78は、単に入出力の光ファイバを1対1に対応させるだけでなく、入力光信号を1対多にファンアウトするような設定を行うこともできる。この場合、ミラー制御目標設定手段79はマルチビームを生成できるようにミラー波面を設定する。
本実施形態では、ミラー制御手段73が波面センサ76からのフィードバック信号を用いた制御を行っているが、本発明は、これに限定されるものではなく、可変形ミラー72に十分な追従性がある場合はこのフィードバック信号を用いないオープン制御にしてもよい。
また、本実施形態では、光制御装置を光クロスコネクトに適用しているが、本発明は、これに限定されるものではなく、RGB光源光をスクリーン上の所望の位置に走査する投射型ディスプレイに適用することもできる。更には、本発明を、ブレーズ形状を有する可変形ミラーを用いた光偏向装置や、可変焦点の集光装置などに適用することもできる。
本発明の可変形ミラーによれば、独立した駆動電圧を印加可能な複数の固定電極と、これと対向する可動電極との間の電位差によって発生する静電力により、微小鏡を基板に対して垂直に変位させる方向と傾ける方向とに独立に制御できる。このため、半導体製造プロセスによって容易に作製される静電駆動方式の可変形ミラーにおいて、少ないミラー分割数でも波面フィット誤差を抑えることができる。
本発明の実施形態1における可変形ミラーの分解斜視図である。 本発明の実施形態1における可変形ミラーの概略断面図である。 本発明の実施形態2における可変形ミラーの分解斜視図である。 本発明の実施形態3における可変形ミラーの分解斜視図である。 本発明の実施形態4における可変形ミラーの分解斜視図である。 本発明による光制御装置の実施形態(実施形態5)を示す概略構成図である。

Claims (13)

  1. 基板と、
    相互に分離された状態で前記基板に支持される複数の微小鏡と、
    前記複数の微小鏡の各々を独立して駆動し、それによって各微小鏡と前記基板との配置関係を制御する複数の駆動部と、
    を備えた可変形ミラーであって、
    前記複数の駆動部の各々は、
    互いに独立した駆動電圧が印加され得る複数の固定電極と、前記複数の固定電極と対向する位置に設けられた可動電極とを備え、
    前記複数の微小鏡の各々は、前記微小鏡の各々に関連付けられた少なくとも2つの可動電極と連結されており、
    前記少なくとも2つの可動電極と、前記可動電極に対応する前記固定電極との間の電位差によって発生する静電力により、前記微小鏡の前記基板に対する垂直な方向への変位および/または前記基板に対する傾斜を行うことができる可変形ミラー。
  2. 前記複数の駆動部の各々は、
    前記微小鏡における第1の特定部位の変位に関わる第1の固定電極と、
    前記微小鏡における前記第1の特定部位と異なる第2の特定部位の変位に関わる第2の固定電極と、
    を備え、
    前記第1および第2の固定電極への駆動電圧の印加によって前記第1および第2の特定部位の変位を独立に行い、それによって前記微小鏡と前記基板との配置関係を制御する請求項1に記載の可変形ミラー。
  3. 前記第1および第2の固定電極の各々は、独立した駆動電圧が印加され得る複数の固定電極片に分割されており、
    前記複数の固定電極片に対して選択的に駆動電圧を印加することにより、対応する前記微小鏡の各特定部位の変位を前記基板に近接させる方向および前記基板から離間させる方向の双方向に制御することができる請求項2に記載の可変形ミラー。
  4. 前記可動電極は、
    前記基板に支持されて回動軸を中心に回動する回動部材と、
    前記回動部材の運動に従って、前記微小鏡の特定部位と前記基板との距離を変化させる作用部材とを備え、
    前記回動部材は、
    前記回動軸上に配置された支持部と、
    前記支持部と結合した平板部と、
    を有しており、
    前記回動部材の前記平板部は、前記回動軸に関して対称な位置に存する第1導電性部分および第2導電性部分を含み、
    前記複数の固定電極片は、
    前記平板部の第1導電性部分に間隙を介して対向する第1固定電極片と、
    前記平板部の第2導電性部分に間隙を介して対向する第2固定電極片と、
    を含んでいる請求項3に記載の可変形ミラー。
  5. 前記作用部材は、平板状の中間連結部材と、前記可動電極における前記第1導電性部分および第2導電性部分の一方を前記中間連結部材に結合する複数の突起部材と、を備え、
    前記中間連結部材の概中心部において、前記中間連結部材と前記微小鏡とが連結されている請求項4に記載の可変形ミラー。
  6. 前記第1導電性部分および第2導電性部分のいずれか一方と前記中間連結部材とは、前記突起部材を介して回動自在な関係にある請求項5に記載の可変形ミラー。
  7. 前記複数の駆動部の各々は、
    前記微小鏡における前記第1および第2の特定部位のいずれとも異なる第3の特定部位の変位に関わる第3の固定電極を更に備え、
    前記第1から第3の固定電極への駆動電圧の印加によって前記第1および第3の特定部位の変位を独立に設定することにより、少なくとも前記微小鏡を前記基板に対して垂直に変位させる方向と、前記微小鏡を前記基板に対して2軸に傾ける方向とに制御することができる請求項2から6のいずれかに記載の可変形ミラー。
  8. 前記複数の微小鏡の各々は、波長λの光を反射し、
    前記複数の微小鏡に含まれる或る微小鏡によって反射される光の光路長と、前記或る微小鏡に隣接する微小鏡によって反射される光の光路長との差が実質的にn・λ(nは整数)となるように、前記複数の駆動部は、前記微小鏡の配置関係を制御する請求項1から7のいずれかに記載の可変形ミラー。
  9. 前記固定電極片は、互いに独立した駆動電圧が印加され得る複数の部分電極を更に備え、
    前記複数の部分電極は、少なくもとその面積が互いに異なる第1及び第2の部分電極を含み、前記第2の部分電極の面積は前記第1の部分電極の面積よりも小さく設定され、かつ、前記第2の部分電極は、前記第1の部分電極よりも前記回動軸に近い位置に配設されている請求項4から8のいずれかに記載の可変形ミラー。
  10. 前記第1の部分電極の中心から前記回動軸までの距離と前記第1の部分電極の面積との積が、前記第2の部分電極の中心から前記回動軸までの距離と前記第2の部分電極の面積との積に対し、実質的に2の累乗倍の関係を有する請求項9に記載の可変形ミラー。
  11. 前記駆動電圧を生成する駆動回路を前記基板上に備えている、請求項1から10のいずれかに記載の可変形ミラー。
  12. 少なくとも前記固定電極および可動電極は、パターニングされた導電性膜から形成されている請求項1から11のいずれかに記載の可変形ミラー。
  13. 複数の微小鏡が基板上に支持された可変形ミラーを備え、光源から出射された光ビームの波面を前記可変形ミラーによって所望の目標波面に変換する光制御装置であって、
    前記目標波面を設定するビーム制御目標設定手段と、
    前記ビーム制御目標設定手段の出力から前記各微小鏡と前記基板との配置関係の目標値を設定するミラー制御目標設定手段と、
    前記ミラー制御目標設定手段の出力に基づいて前記各微小鏡の制御を行うミラー制御手段とを備え、
    前記可変形ミラーが、請求項1から12のいずれかに記載の可変形ミラーである、光制御装置。
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