JPWO2003056054A1 - 浸炭焼入部材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は,疲労強度及び寸法精度に優れた浸炭焼入部材及びその製造方法に関する。
背景技術
例えば自動変速機の動力伝達用部品である歯車などには,表面硬度と靱性の両者を高めるべく,浸炭焼入を施した浸炭焼入部材が多用されている。
従来の浸炭焼入部材は,肌焼き鋼(JIS:SCM420H,SCR420H,SNCM220)などを用いて所望形状に成形した後,これを浸炭雰囲気中においてガス浸炭し,その後油等に焼入れて作製するのが一般的であった。
ところで,上記浸炭焼入部材に対しては,これまで以上にコストダウンと性能向上が求められている。
このコストダウンと性能向上を両立させるためには,上記従来の肌焼き鋼を用いた通常の浸炭焼入方法により作製した浸炭焼入部材における種々の問題点を,一つずつ解消していく必要がある。
浸炭焼入部材が有する課題の一つには,浸炭焼入後の強度をさらに向上させる一方,焼入歪みをこれまで以上に抑制して寸法精度を向上させるというものがある。
しかしながら,周知のごとく,焼入性を向上させた場合には,通常,焼入歪みを増大させることに繋がる。浸炭焼入前の強度まで向上して加工性が低下し,加工コストが高くなるおそれもある。
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,焼入歪みを十分に抑制しつつ高強度化を図ることができる浸炭焼入部材及びその製造方法を提供しようとするものである。
発明の開示
本発明の第1の側面は,Feを主成分として含有すると共に,Cを0.10〜0.50重量%,Siを0.50〜1.50重量%含有し,かつ,一端焼入試験による焼き入れ性Jが35〜50(at12.5mm)である合金鋼を素材として用い,
該素材を所望の形状の部材に成形した後,酸化防止雰囲気において浸炭処理することによって浸炭層を形成し,
該浸炭処理後に,パーライト変態点(A1点)からマルテンサイト変態開始点(Ms点)まで単調に冷却する条件で,かつ焼入急冷度Hが0.01〜0.08(cm−1)となる条件で焼入処理を行うことを特徴とする浸炭焼入部材の製造方法にある。
ここで,上記一端焼入試験による焼き入れ性Jとは,JIS:G0561に規定された一端焼入試験法(一般にはジョミニー一端焼入試験法と呼ばれる)により得られる値である。また,(at12.5mm)は,ジョミニー一端焼入試験用の棒状試験片において,その水冷側端面から12.5mmの位置についての焼き入れ性Jの値であることを意味するものである。
また,上記焼入急冷度Hとは,Grossmannらによって提唱され広く普及している焼入れの強さを表す指標であって,被処理材である鋼の熱伝導率をγ(kcal/mh℃),焼入雰囲気における上記鋼の表面熱伝達係数をα(kcal/mh2℃)とした場合,H=0.5×(α/γ)にて定義されるものである。
そして,本発明においては,上記のごとく,C含有量及びSi含有量と焼き入れ性Jが上記特定の範囲内にある特定の合金鋼を素材として用い,酸化防止雰囲気において浸炭処理によって浸炭層を形成した後,上記単調冷却の条件及び上記特定の焼入急冷度Hの条件の両方を満たすように焼き入れする。即ち,これらすべての材料特性及び製造条件を確実に具備することによって,初めて,焼入歪みを十分に抑制しつつ高強度化を図った浸炭焼入部材を得ることができるのである。
この点をさらに説明すると,上記C含有量を0.1〜0.50重量%とすることにより,浸炭焼入後における非浸炭部(内部)の適度な靱性と強度を確保することができる。一方,C含有量が0.1重量%未満の場合には,上記効果があまり得られず,また,0.50重量%を超えると焼入前硬度が高くなりすぎ,加工コストの上昇および靱性低下のおそれがある。また,浸炭焼入後の非浸炭部内部の組織変態率上昇により,変態応力が増大し,大きな焼入歪みにより部品精度低下の要因となる。
また,本発明では,その成分にSiを積極的に含み,またその含有量は,0.50〜1.50重量%とする。そして,上記浸炭処理は,酸化防止雰囲気において行う。これにより,浸炭処理時に発生しやすい粒界酸化を抑制しつつ,面疲労強度の向上,焼き入れ性の向上,焼き戻し軟化抵抗の向上等を得ることができる。ここで,上記Siの含有量が0.50重量%未満の場合には,上記向上効果が少なく,特に,浸炭処理時における粒界酸化防止効果が低下してしまうという問題がある。一方,1.50重量%を超える場合には,上記向上効果が飽和してくると共に焼入前の均一オーステナイト化が困難であるという問題がある。また,材料の塑性加工性,切削加工性,あるいは成形性の低下を抑制するために,Siの含有量を0.70重量%以下に抑えることがより好ましい。従って,Siの含有量のより好ましい範囲は,0.50重量%超え,0.70重量%以下の範囲内である。
また,上記素材の上記焼き入れ性Jは35〜50(at12.5mm)に限定する。これにより,上記焼入急冷度Hの範囲を上記の範囲に限定しても優れた焼入効果を得ることができる。一方,上記焼き入れ性Jが35未満の場合には,浸炭処理後の焼入工程において,上記浸炭層および非浸炭部(内部)に十分な焼入効果を与えることができず所望の高強度化を図ることができない。それ故,より好ましくは,上記焼き入れ性Jを38以上とすることが好ましい。また,上記焼き入れ性Jが50を超える場合には,特に,非浸炭部である内部の組織変態率上昇により,変態応力が増大し,焼入歪みが生じやすくなるという問題がある。また,この焼き入れ性Jが高いほど,浸炭焼き入れ前の硬度が高くなるので,浸炭処理前の塑性加工性,切削加工性等の加工性が低下する。そのため,この加工性低下を防止するためには,上記焼き入れ性Jを45以下とすることがより好ましい。
また,上記焼入急冷度Hは0.01〜0.08(cm−1)に限定する。そして,上述した特定の炭素量及び焼き入れ性能を有する上記合金を素材として用いることによって,焼入時における焼入れ歪みを抑制し優れた寸法精度を確保することができる。一方,上記焼入急冷度Hが0.01(cm−1)未満の場合には,上記焼き入れ性Jが35未満の場合と同様に,浸炭処理後の焼入工程において,上記浸炭層および非浸炭部(内部)に十分な焼入効果を与えることができず所望の高強度化を図ることができない。また,焼入急冷度Hが0.08(cm−1)を超える場合には,上記焼き入れ性Jが50を超える場合と同様に,特に,非浸炭部である内部の組織変態率上昇により,変態応力が増大し,焼入歪みが生じやすくなるという問題がある。
また,上記焼入処理は,上記焼入急冷度Hの範囲だけでなく,上記のごとくA1点からMs点まで単調に冷却する条件で必ず行う。ここでいう単調に冷却とは,冷却途中で再加熱しないこと,すなわち,冷却中の材料温度が上昇することが無いことを意味する。従って,上記の単調冷却の条件を満たす場合としては,材料温度が降下し続ける場合,もしくはその途中で温度降下が止まったとしても温度一定となって決して上昇せず,その後再び降下する場合を含み,また,冷却速度の変化は勿論許容される。
そして,このような単調冷却を必須条件に加えることによって,炭化物の析出を抑制することができるのである。
また,上記単調冷却の条件では,上記浸炭部におけるいわゆる恒温変態曲線に示されるS曲線のノーズの領域にかからないように冷却する条件を選択することができる。そして,これにより,十分なマルテンサイト変態を確保することができる。
そして,多言するようであるが,本発明では,以上のごとく,上記C含有量,Si含有量,焼き入れ性J,酸化防止雰囲気における浸炭処理,上記単調冷却の条件及び上記特定の焼入急冷度Hの条件の両方を満たす焼入処理のすべてを具備することによって,焼入歪みを十分に抑制しつつ高強度化を図った浸炭焼入部材を得ることができるのであり,上記要件の1つでも欠けると,所期の目的を達し得ないのである。そして,本願発明者らは,これらを多数の実験を通して初めて見出したのである。
次に,本発明の第2の側面は,上記製造方法により製造された浸炭焼入部材であって,上記浸炭層の表面硬度が700〜900Hv,上記浸炭層内側の非浸炭部の内部硬度が250〜450Hvであることを特徴とする浸炭焼入れ部材にある。
この浸炭焼入部材は,上記優れた製造方法を採用し,かつ,成分範囲処理条件を調整して上記のごとく浸炭層の表面硬度及び非浸炭部の内部硬度を上記特定の範囲に限定したものである。これにより,部材に作用する付加荷重により発生する部材への作用応力と,部材形状の凹凸,穴等に伴って発生する部材表面近傍での応力集中とを合成した部材へ付加される応力分布に対し,静的強度(引張強度,曲げ強度,ねじり強度等)と動的強度(面疲労強度,曲げ疲労強度,ねじり疲労強度等)を表面から内部(心部)まで確保することができる。
上記浸炭層の表面硬度が700Hv未満の場合には,部材表面近傍での応力集中に対し,強度を確保できない問題が考えられる。また,最表面での耐摩耗性不足という問題も考えられる。一方表面硬度が900Hvを超える場合,表層にセメンタイト等の炭化物の生成が考えられ,かえって強度不足,特に靱性の低下という問題が考えられる。
また,上記非浸炭部の内部硬度が250Hv未満の場合には強度不足,特に静的強度不足という問題が考えられる。一方,内部硬度が450Hvを超えると,組織の変態率から考えて,450Hvを確保するよう焼入処理するときに大きな変態応力が発生し,これが大きな焼入歪みとなって部品精度低下の要因となるという問題がある。
発明を実施するための最良の形態
本発明の第1の側面の浸炭焼入部材の製造方法においては,上記浸炭処理は,1〜30hPaに減圧した減圧雰囲気下において行うことが好ましい。これにより,上記酸化防止雰囲気を減圧により容易に得ることができ,浸炭時の粒界酸化を十分に防止することができる。ここで上記減圧雰囲気の減圧の値が1hPa未満は,酸化抑制に対しては過剰であるし,減圧のための装置も高減圧仕様となり,コスト上昇してしまうという問題がある。一方,30hPaを超える場合には,酸化抑制効果の低下,浸炭炉内における煤の発生等の問題がある。
また,上記浸炭処理は,不活性ガスを主成分とする雰囲気下において行うことも好ましい。この場合にも,上記酸化防止雰囲気を容易に形成することができる。上記不活性ガスとしては,例えば,窒素ガス,アルゴンガス等がある。
また,上記浸炭層の表面炭素量が0.6〜1.5重量%となるように上記浸炭処理を行うことが好ましい。浸炭層の表面炭素濃度は浸炭焼入材の表面硬さに影響し,浸炭層の表面炭素量が0.6重量%未満の場合には,表面硬さが不足するという問題があり,一方,1.5重量%を超えると炭化物の析出量が多くなって基地の焼入性が顕著に低下し,表面硬さが不足するという問題がある。
また,上記素材の表面から生じる粒界酸化が3μm以下であることが好ましい。即ち,素材の成分組成,上記浸炭時の酸化防止雰囲気,加熱温度,加熱時間等を調整することにより,上記粒界酸化を表面から3μm以下に抑制することが好ましい。
粒界酸化物(部)が生成されると粒界強度が低下するため,一般浸炭焼入層(部)より強度が低く,粒界酸化が3μmを超えて深くまで生じた場合には,部材の強度不足や硬度低下等による対摩耗性の低下を引き起こすおそれがある。また,粒界酸化生成時に,その周辺の合金元素も化学的な化合物反応により粒界酸化物に取り込まれる。これにより,粒界酸化物周辺の浸炭焼入層における焼入性向上元素が上記粒界酸化物に取り込まれて消費され,粒界酸化物層周囲に添加物の枯渇領域が生じるため,浸炭焼入層そのものの焼入性不足が生じ,硬度不足,強度不足を引き起こすおそれがある。
また,上記素材の表面圧縮残留応力が300〜800MPaであることが好ましい。即ち,素材の成分組成,上記浸炭時の酸化防止雰囲気,加熱温度,加熱時間等を調整することにより,上記表面の圧縮残留応力を300MPa以上にすることが好ましい。これにより,表面近傍の引張作用応力を部材の表面近傍の圧縮残留応力により,作用応力を緩和することができ,特に動的強度(面疲労強度,曲げ疲労強度,ねじり疲労強度)を向上することができる。一方,上記表面圧縮残留応力が800MPaを超える場合には,マルテンサイト量を多くするため,焼入処理時の冷却速度を限度を超えて大きくしなければならない。そのため,大きな焼入れ歪みが生じてしまい,部材の寸法精度が確保できないという問題が生じる。
上記表面圧縮残量応力は,浸炭層に焼入れ処理してマルテンサイトを生成させ,変態に伴う体積膨張により圧縮応力場を生じさせることによって得ることができる。しかし,マルテンサイトの生成量が少ない場合,すなわち残留オーステナイトが多い場合,またはトルースタイト組織が多い場合は,十分な圧縮残留応力場を形成できない。従って,残留オーステナイトを減少させること(具体的には25%以下とすること)とトルースタイト組織を減少させること(具体的には10%以下とすること)は,このような圧縮残留応力効果を高める観点において有利に作用する。なお,マルテンサイト変態時の体積膨張の吸収は,マルテンサイト量が少ない場合は周囲の残留オーステナイト,またはトルースタイト組織を塑性変形させて進行するため応力緩和し,表面圧縮残留応力の増大にはそれほど寄与しない。しかし,マルテンサイト量が増え残留オーステナイト,またはトルースタイト組織が上記のように減少すると,塑性変形により導入された転位の密度が増加し,すべり変形が拘束されるため,表面圧縮残留応力は急速に増加する。
また,焼入れ後にショットピーニング等の表層加工を施して圧縮残留応力を増加させる方法もある。後者の場合,ショットピーニング処理により残留オーステナイトをマルテンサイト化させると,圧縮残留応力を向上させる上でより有利となる。
また,上記焼入処理はオーステナイト領域の温度から300℃までの間,上記焼入急冷度Hの範囲において単調に冷却する条件で焼入を行うことが好ましい。これにより,十分な焼入効果を得ることができる。一方,オーステナイト領域の温度から300℃までの間の冷却における上記焼入急冷度Hが0.01(cm−1)未満の場合は,焼入れ不足となり,所望の焼入組織,特性が確保できず,部材強度不足となる。また,オーステナイト領域の温度から300℃までの間の冷却における上記焼入急冷度Hが焼入急冷度Hが0.08(cm−1)を超える場合には,急冷が過剰で組織変態応力及び熱応力が増大し,焼入歪みが大きくなり部品精度が低下するおそれがある。
また,上記焼入処理はガス冷却により焼入れすることが好ましい。この場合には,上記焼入急冷度Hを比較的容易に確保することができる。
また,上記ガス冷却は不活性ガスにて行うことが好ましい。これにより,焼入時における安全性を確保することができる。
また,上記不活性ガスは窒素ガスであることが好ましい。窒素ガスは,量産操業時における入手容易性,コスト,取り扱い容易性などの点から上記不活性ガスに採用することが好ましい。
次に,本発明の第2の側面の浸炭焼入部材においては,上記浸炭層の残留オーステナイト面積率が25%以下であることが好ましい。残留オーステナイト面積率が25%を超える場合には,浸炭焼入工程より後の加工工程,あるいは,部材を使用中の作用応力・温度変化に伴い,残留オーステナイトがマルテンサイトへ組織変態を起こし,そのときの変態応力により歪みを発生し,部品精度を低下させるおそれがある。なお,残留オーステナイト面積率は,より望ましくは20%以下であるのがよい。また,残留オーステナイト面積率を減少させるためには,例えばショットピーニング等により,残留オーステナイトを強制的にマルテンサイト化して面積率を減らすこともできる。
また,上記浸炭層表層のトルースタイト組織の面積率が10%以下であることが好ましい。上記トルースタイトは,浸炭焼入れ後の浸炭層に生成する不完全焼入れ組織であり硬さも小さいため,組織の面積率が10%を超える場合には,低強度のトルースタイトにより部品の強度が低下するおそれがある。
また,上記浸炭焼入部材は,その内部組織がベイナイトであることが好ましい。より具体的には,断面組織におけるベイナイトの面積率は50%以上であることが望ましい。ベイナイトはマルテンサイトと異なり,格子をなす鉄原子が部分的に拡散しながら変態が進行する。従って,マルテンサイトと比較して変態に伴う歪みの発生が小さく,しかも,さらに冷却速度が小さくなったときに生成するパーライトよりは硬さが大きいので,内側の非浸炭部の強度を適度に高めることができる。内層部をベイナイト主体に構成するには,上記冷却急冷度Hを0.01〜0.08(cm−1)の範囲に設定することによって,ベイナイトが主体となる組織が得られるように組成選定することが望ましい。これにより,強度と靱性を合わせ持った部品を得ることができる。
また,上記浸炭焼入部材は,浸炭歯車であることが好ましい。歯車は,様々な厳しい条件が要求される部品であり,上記製造方法により得られた優れた特性が非常に有効である。
実施例
本発明の実施例に係る浸炭焼入部材につき,さらに具体例を示して詳しく説明する。
(実施例1)
実施例1として,本発明の効果を確認するために行なった実験結果について説明する。
まず,表1に示す化学組成の鋼(鋼11〜14)をアーク炉で溶製後,熱間圧延により直径150mm及び直径32mmの丸棒とし,925℃に1時間保持後空冷の焼ならしを行った。
鋼11,鋼12は本実施例において新たに開発した成分組成を有する鋼種であり,鋼13及び鋼14はそれぞれJISの肌焼鋼SCM420及びSNCM815に相当する鋼種である。
まず,すべての鋼種について,JIS:G0561に基づきジョミニー一端焼入試験を行って焼き入れ性Jを求めた。
この結果を表1に示す。この特性は,後述する製法に関係ない素材の特性である。
表1より知られるごとく,鋼11,鋼12は,材質及び焼き入れ性Jの面から本発明における素材に適用可能な合金鋼である。一方,鋼13は,焼き入れ性JとSi含有量が本発明範囲を外れ,鋼14はSi含有量が本発明範囲を外れている。
次に,上記鋼11〜14を用いて,直径25mm,長さ50mmの丸棒試験片(図示略)を加工すると共に,図1に示す形状の回転曲げ疲れ試験片1を加工した。
また,直径150mmの焼ならし材からは,図2に示すごとく,機械加工によりピッチ半径54mm,歯数27,モジュール4,歯幅9mm,軸穴半径35mm(等価丸棒径10.5mmφ)の試験用平歯車4を作製した。
そして,上記鋼11,12及び鋼14から作製した各試験片及び歯車は,表2に示す「製法1」の条件で低圧浸炭(真空浸炭)及びガス焼入れを行った。
また,鋼13から作製した各試験片は,表3に示す「製法2」の条件でガス浸炭及び油焼入れを行った。
ここで,上記「製法1」は,表1に示すごとく,浸炭処理後における焼入急冷度Hが0.05(cm−1)で有り,本発明の製造方法の要件を具備したものである。
また,上記「製法2」は,表4に示すごとく,浸炭処理後における焼入急冷度Hが0.15(cm−1)で有り,本発明の製造方法の要件を具備していないものである。
次に,上記のごとく作製した各試験片に対し次のような試験を行った。
まず直径25mmの丸棒試験片について,ビッカース硬度計により横断面の硬さ分布(内部硬度)を調べた。また,浸炭焼入材の表層硬さ(表面硬度)は,表面から0.02mmの位置において測定した。さらに,これと同等の位置においてトルースタイトの面積率を,走査型電子顕微鏡写真を画像解析することにより測定した。
また,粒界酸下層は,光学顕微鏡にて,表層金属組織から最大の酸化層深さを測定した。
また,表面炭素濃度は,X線マクロアナライザーにて表面から50μmの位置を測定した。
また,残留オーステナイト面積率は,X線回折装置においてCo−Kα線を用いて部材表面を測定した。
また,表面残留応力は,X線応力測定器にてFe−Kα線を用いて半価幅中点法により測定した。
これらの結果を表4に示す。
表4に示すごとく,鋼11,鋼12を製法1により処理して得られた浸炭焼入れ材「鋼11,12+製法1」(以下,鋼種と製法の組み合わせを「鋼種+製法」という表記で示す)の中心部の硬さはすべて250Hv以上である。表層及び中心部の組織はいずれもマルテンサイトであり,顕著な不完全焼入組織は存在していない。
これに対し,「鋼13+製法2」の表層硬さ及び中心部硬さは,上記「鋼11,12+製法1」のいずれに比べても低い。
また,「鋼14+製法1」の表層硬さ及び中心部硬さは上記「鋼11,12+製法1」とほぼ同等であるが,残留オーステナイト面積率が大きく表面残留が小さくなる。それに伴い面疲労強度が劣る。
次に,回転曲げ疲れ試験は,小野式回転曲げ疲れ試験機を用い,繰り返し数1千万回を基準とする疲労強度を求めた。その結果を曲げ疲労,面疲労として表4に示した。
表4からわかるように,「鋼11,12+製法1」では,回転曲げ疲労強度において,「鋼13+製法2」および「鋼14+製法1」を大きく上回る特性が得られている。
次に,歯車については,以下のようにギヤ精度及び寸法精度を評価した。
ギヤ精度を評価するに当たっては,専用の精密ギヤ精度測定機を用い,左右歯面それぞれにギヤの圧力各方向の誤差量とネジレ角方向の誤差量を測定した。また,歯溝高さを全周測定し,最大値から最小値を差し引いた値を歯溝の振れとして算出した。
寸法精度を評価するに当たっては,歯車の互いに向かい合った2つの歯溝にボールを入れ,その外周寸法を専用のO.B.D測定器を用いて測定した。O.B.Dの測定は,図2に示すごとく,円周方向は直角2方向(X,Y)で有り,歯幅方向は上・中・下の3箇所(A,B,C)とした。そして,O.B.D楕円として,直角2方向でのO.B.Dの差の絶対値を求め,O.B.Dテーパーとして歯幅方向での上部O.B.Dと下部O.B.Dの差を求めた。
これらの結果を表5に示す。
表5より知られるごとく,ギヤ精度,寸法精度ともに,「鋼11,12+製法1」が他のものに比べて優れた精度を示した。
以上の結果から,C含有量及びSi含有量と焼き入れ性Jが上記特定の範囲内にある特定の合金鋼を素材として用い,酸化防止雰囲気における浸炭処理によって浸炭層を形成した後,上記特定の焼入急冷度Hの条件下において焼き入れした「鋼11,12+製法1」の場合には,焼入歪みを十分に抑制しつつ高強度化を図ることができることがわかる。
特に合金鋼は,Feを主成分とし,副成分として,C:0.12〜0.22質量%,Si:0.5〜1.5質量%,Mn:0.25〜0.45質量%,Ni:0.5〜1.5質量%,Cr:1.3〜2.3質量%,B:0.001〜0.003質量%,Ti:0.02〜0.06質量%,Nb:0.02〜0.12質量%,Al:0.005〜0.05質量%を含有するように設定するとよい。
より具体的には上記合金鋼として,
N≡106×C(質量%)+10.8×Si(質量%)+19.9×Mn(質量%)+16.7×Ni(質量%)+8.55×Cr(質量%)+45.5×Mo(質量%)+28
により表される成分パラメータNが95以下となるように組成調整するとよい。ここで上記鋼種11,12のNはそれぞれ87.6,93.4であり,本発明の成分範囲外となる鋼種13,14ではNは95より大きくなる。Nが95を超えると,鋼の圧延状態の硬さや焼ならし状態の硬さが著しく上昇し,機械加工性及び冷間加工性が得られなくなるからである。したがって,製造性を重視する場合にはこの成分パラメータNが95以下となるように鋼の成分組成を制御する必要がある。
上記本発明の成分範囲内となる合金鋼は,冷却速度が少なくとも0.1℃/秒以下の範囲においてはベイナイトが生成せず,かつ,冷却速度が少なくとも12℃/秒以上の領域ではフェライトが生成しない。上記冷却速度の範囲は,鋼の連続冷却変態線図(Continuous Cooling Transformation diagram:CCT線図)を種々の冷却速度により測定することにより特定できる。
本発明では,ガス冷却でも浸炭層に十分焼きが入るように,鋼の組成を,冷却速度が少なくとも12℃/秒以上(以下,これを上限冷却速度という)の領域ではフェライトが生成しなくなるように設定する。12℃/秒以上に冷却速度を大きくしてもフェライトが生成するようでは,ガス冷却によって浸炭層に十分にマルテンサイトが形成されず,硬さが不足することにつながる。
しかし,焼入れ性が過度に良好となるのも,却って不利に作用し,浸炭の影響が及ばない内層部においてもマルテンサイトが過剰に生成するようであれば,部材全体としてのマルテンサイト生成量が大きくなって寸法精度の低下につながる。そこで,ガス焼入時に,浸炭層においては十分にマルテンサイトが生成するが,内層部では過度のマルテンサイトが形成されないように,組成を選定することが重要である。具体的には,冷却速度が少なくとも0.1℃/秒以下の範囲においてはベイナイトが生成しないようにする。0.1℃/秒以下の冷却速度でもベイナイトが生成するようであれば,浸炭層の影響が及ばない内層部にまで深く焼きが入って歪みが増大してしまう。
また,0.1℃/秒未満の冷却速度でベイナイトが生成しないようにすれば,実際の焼き鈍し冷却速度範囲にてベイナイトの生成が十分抑制され,フェライト+パーライトの多い加工性に富んだ組織を得ることができる。したがって,焼きなまし状態,すなわちオーステナイトからの冷却速度が放冷または空冷に相当する範囲において,加工性を向上させるのに十分低い素材硬度が得られ,浸炭焼入前の加工を容易に行うことができる。
さらに,冷却速度を0.1〜10℃/sとすることによって内層部をベイナイト主体となる組織が得られるように組成選定することが望ましく,特に3℃/sにて冷却したときベイナイト主体となるものが望ましい。
(実施例2)
次に,本例では,表6に示す化学成分の鋼(鋼21〜24及び鋼31〜38)を溶製したのち造塊し,次に分塊圧延,棒鋼圧延して直径70mmの丸棒を製造した。
続いて,70mmφの丸棒を熱間鍛造により120mmφに延伸し,925℃で焼きならし処理した後,実施例1と同様の各試験片及び歯車(図1,図2参照)を作製した。
次に,各試験片及び歯車を,3種類の製造方法(製法3〜5)に振り分けて処理した。
「製法3」は,ガス浸炭と油焼入れを特徴とするもので,浸炭ガス雰囲気中で930℃×5時間加熱→850℃×1時間拡散→130℃油焼入れ→186℃×1時間焼戻しの条件で浸炭焼入れ,焼戻しを行うものである。この場合の焼入急冷度Hは0.15(cm−1)である。
「製法4」は,真空浸炭とガス冷却を特徴とするもので,真空浸炭で930℃×5時間加熱→850℃×1時間拡散→窒素ガス冷却→180℃×1時間焼戻しの条件で浸炭焼入れ,焼戻しを行うものである。この場合の焼入急冷度Hは0.05(cm−1)である。
「製法5」は,上記製法4における窒素ガス冷却を130℃油焼入に変更したものであり,この場合の焼入急冷度Hは0.15(cm−1)である。
そして,上記製法により処理した各試験片及び歯車について,実施例1と同様の測定及び試験等を行った。
その結果を表7,表8に示す。
表7,表8に示すように,鋼種31〜38は曲げ疲労強度あるいは面疲労強度が低く,また,油冷却による部品は焼入れ歪による精度のばらつきが大きく,実用上問題が多い。
鋼種31〜34はガス浸炭時の粒界酸化生成による不完全焼入組織ができており,それに伴い表面硬度も低いため各強度が低い。また,油冷却により,焼入れがガス冷却よりも急激であり,冷却むらも大きいため,焼入歪みによる精度のばらつきが大きくなった。
また,鋼種37,38は,鋼材の焼入れ性に対して油冷却での焼入れが強すぎ,内部の硬度が上昇しすぎた。また表面の組織変態と内部の組織変態の割合差が小さくなり,すなわち,表面硬度と内部硬度の差が小さくなり,結果的に表層圧縮残留応力が小さくなったため,各強度が低くなった。また,油冷却により,焼入れがガス冷却よりも急激であり,冷却むらも大きいため,焼入歪みによる精度のばらつきが大きくなった。
一方,鋼種21〜24では,何れも表面硬度が高く,内部硬度も適切な値を示し,また歪みも小さくに抑制でき,高強度と低歪みを両立できていることが明らかである。
したがって,本例からも,C含有量及びSi含有量と焼き入れ性Jが上記特定の範囲内にある特定の合金鋼を素材として用い,酸化防止雰囲気において浸炭処理によって浸炭層を形成した後,上記特定の焼入急冷度Hの条件下において焼き入れした場合には,焼入歪みを十分に抑制しつつ高強度化を図ることができることがわかる。
この場合,合金鋼はFeを主成分とし,副成分と,C:0.1〜0.5質量%,Si:0.5〜1.0質量%,Mn:0.3〜1.0質量%,Cr:0.1〜1.0質量%,P:0.003〜0.015質量%,S:0.005〜0.03質量%,Al:0.01〜0.06質量%,N:0.005〜0.03質量%を含むとともに,Mo:0.3〜1.3質量%,Ni:0.1〜1.0質量%の1種以上をを含有するように設定するとよい。さらに副成分として,V:0.05〜1.5質量%,Nb:0.02〜0.2質量%,Ti:0.01〜0.2質量%の1種以上,または,B:0.0005〜0.005質量%,Ti:0.005〜0.1質量%,または,B:0.0005〜0.005質量%,Ti:0.11〜0.2質量%を含有してもよい。更に他の元素として,質量%で,Ca:0.01%以下,Mg:0.01%以下,Zr:0.05%以下,Te:0.1%以下よりなる群から選択される,少なくとも1種以上を含有してもよい。
【図面の簡単な説明】
図1は,回転曲げ疲れ試験片を示す説明図である。
図2aは,評価用歯車の平面図である。
図2bは,評価用歯車の断面図である。
Claims (15)
- Feを主成分として含有すると共に,Cを0.10〜0.50重量%,Siを0.50〜1.50重量%含有し,かつ,一端焼入試験による焼き入れ性Jが35〜50(at12.5mm)である合金鋼を素材として用い,
該素材を所望の形状の部材に成形した後,酸化防止雰囲気において浸炭処理することによって浸炭層を形成し,
該浸炭処理後に,パーライト変態点(A1点)からマルテンサイト変態開始点(Ms点)まで単調に冷却する条件で,かつ焼入急冷度Hが0.01〜0.08(cm−1)となる条件で焼入処理を行うことを特徴とする浸炭焼入部材の製造方法。 - 請求項1において,上記浸炭処理は,1〜30hPaに減圧した減圧雰囲気下において行うことを特徴とする浸炭焼入部材の製造方法。
- 請求項1において,上記浸炭処理は,不活性ガスを主成分とする雰囲気下において行うことを特徴とする浸炭焼入部材の製造方法。
- 請求項1において,上記浸炭層の表面炭素量が0.6〜1.5重量%となるように上記浸炭処理を行うことを特徴とする浸炭焼入部材の製造方法。
- 請求項1において,上記素材の表面から生じる粒界酸化が3μm以下であることを特徴とする浸炭焼入部材の製造方法。
- 請求項1において,上記素材の表面圧縮残留応力が300〜800MPaであることを特徴とする浸炭焼入部材の製造方法。
- 請求項1において,上記焼入処理はオーステナイト領域の温度から300℃までの間,上記焼入急冷度Hの範囲において焼入を行うことを特徴とする浸炭焼入部材の製造方法。
- 請求項1において,上記焼入処理はガス冷却により焼入れすることを特徴とする浸炭焼入部材の製造方法。
- 請求項8において,上記ガス冷却は不活性ガスにて行うことを特徴とする浸炭焼入部材の製造方法。
- 請求項9において,上記不活性ガスは窒素ガスであることを特徴とする浸炭焼入部材の製造方法。
- 請求項1に記載の製造方法により製造された浸炭焼入部材であって,上記浸炭層の表面硬度が700〜900Hv,上記浸炭層内側の非浸炭部の内部硬度が250〜450Hvであることを特徴とする浸炭焼入れ部材。
- 請求項11において,上記浸炭層の残留オーステナイト面積率が25%以下であることを特徴とする浸炭焼入部材。
- 請求項11において,上記浸炭層表層のトルースタイト組織の面積率が10%以下であることを特徴とする浸炭焼入部材。
- 請求項11において,内部組織がベイナイトであることを特徴とする浸炭焼入部材。
- 請求項11において,上記浸炭焼入部材は,浸炭歯車であることを特徴とする浸炭焼入部材の製造部材
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