JPWO2003030534A1 - デジタル放送用送受信システム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、送受信システムに関し、より特定的には、例えば地上デジタル放送などに用いられ、映像信号や音声信号を送受信するための送受信システムに関する。
背景技術
近年、デジタル放送技術は、目覚ましい発展を遂げている。デジタル放送の場合、受信障害への耐性が強い方式を採用することができるので、デジタル放送は、従来のアナログ放送と比較して、より安定した映像、音声およびデータ放送を提供することができる。そのため、従来のアナログ放送は、衛星・地上波を問わず、徐々にデジタル放送へと転換されつつある。
ところが、デジタル放送にも、アナログ放送には存在しなかった特有の問題が存在する。デジタル放送特有の問題とは、受信信号の信号レベルが低くなり、それに伴い信号品質があるレベルを下回ると、デジタル放送用受信装置が出力する映像や音声に障害が現れ始め、さらに信号品質が低下すると、映像や音声が信号途絶時と同じ状態にまで急激に劣化して、視聴が不可能となるといった問題である。
以下、この特有の問題について、さらに詳しく説明する。映像信号の受信品質が一定品質を下回ると、従来のデジタル放送用受信装置は、乱れた映像を表示し始める(たとえば、ブロック状のノイズを画面に表示し始める)。さらに映像信号の品質低下が進むと、従来のデジタル放送用受信装置は、乱れが急速に拡大した映像を表示し、信号途絶時と同じ状態となり、その状態が解消されるまで映像表示を停止する。あるいは、従来のデジタル放送用受信装置は、途絶直前に表示していた画面をそのまま表示し続ける。また、音声信号の受信品質が一定品質を下回ると、従来のデジタル放送用受信装置は、途切れのある音を出力し始める。さらに受信信号の品質低下が進むと、従来のデジタル放送用受信装置は、途切れの頻繁な音を出力するようになり、信号途絶と同じ状態となって、その状態が解消されるまで音声出力を停止する。
一方、アナログ放送の場合、信号レベルが低下するにつれて以下のような状態となる。映像信号の受信レベルの低下が進むと、アナログ放送用受信装置が表示する映像は、カラー映像から白黒映像となる。さらに受信レベルが低下すると、アナログ放送用受信装置が表示する映像は、徐々にノイズに埋もれた映像となり、最後には見ることが不可能な映像となる。また、音声信号の受信レベルの低下が進むと、アナログ放送用受信装置が出力する音声は、少しずつノイズ成分を含むようになり、最後に聞くことが不可能な音声となる。なお、アナログテレビ放送の場合、一般に、映像信号と比較して音声信号の方が信号レベルの低下への耐性が強いので、アナログテレビ放送用受信装置は、映像の表示が途絶えるような状況になっても、音声の出力を続けることができる。
信号品質が十分に確保できた場合、従来のデジタル放送用受信装置は、アナログ放送と比較して非常に高品質な音声や映像を提供することができる。ところが、信号品質がある一定レベルを下回った場合、従来のデジタル放送用受信装置は、急激に視聴が不可能な状態となる。その結果、視聴者は、アナログテレビ放送のときよりも、不快感を感じることとなる。
上記のように、視聴していた映像や音声が突然乱れ始め、程なく出力停止に至る現象は、デジタル地上波放送を、車などの移動体において移動しながら視聴するデジタル放送用受信装置において、しばしば発生する。なぜなら、デジタル地上波放送の場合、地上に設けられた放送局や中継局が電波を放射するので、電波の伝搬特性が地形や障害物の有無に応じて変化する。その結果、ある受信場所では、受信信号の品質が大きく低下することとなるからである。また、信号品質の変動が大きいため、デジタル放送用受信装置は、視聴者が映像や音声を視聴できたりできなかったりする状況を頻繁に繰り返す。ところが、従来のデジタル放送用受信装置は、このような受信信号の品質低下によって発生する障害に対し、単に静止画を出力するといった程度の対策をするだけであった。
なお、特開2000−358004号公報(以下、特許文献1という)には、巡回送信するデータ(このシステムでは、同じデータを巡回して送信することを想定している)の内、データ受信の為に必須または受信頻度の高いデータを複数回送信するシステムが記載されている。特許文献1に記載のシステムは、データ受信開始までの待ち時間を短縮すると共に、データ取得時間を短縮して、データ受信の効率を高めることができる。ところが、特許文献1に記載のシステムは、受信レベルの低下時に突然再生不可能になるというデジタル放送特有の問題を解決するシステムではなかった。
また、社団法人 電波産業界、「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式」、ARIB STD−B31、1.0版、平成13年5月31日策定、第3章、P10(以下、非特許文献1という)に記載されているように、日本の地上デジタル放送では、一つの送信チャネルを階層に分割し、階層毎にキャリア変調方式や誤り訂正符号化率を異なるものなるようにしている。たとえば、誤り発生を抑えたい信号については、誤り耐性の高いキャリア変調方式および高い誤り訂正能力を持つ誤り訂正符号化率を採用する。
しかし、非特許文献1に記載の方法によれば、階層毎に受信限界となる信号レベルが異なるために、誤り発生を抑えたい信号の誤り発生率を抑えることはできるものの、受信信号の品質が大きく低下した場合、非特許文献1に記載の方法によっては、共に正しく受信できない可能性がある。すなわち、非特許文献1に記載の方法では、誤り耐性に差をつけるため、ある程度の受信品質劣化に耐える受信装置を提供することができるが、共に受信限界レベルを下回るような場合、この方法を適用した受信装置は、上記デジタル放送特有の問題を発生してしまう。このように、従来、いずれのデジタル放送用受信装置でも、上記デジタル放送特有の問題を解決することはできなかった。
それゆえに、本発明の目的は、デジタル放送に用いられてる信号を送受信するシステムであって、受信信号の品質が低下して発生する障害(例えば、信号が映像信号や音声信号の場合、映像が乱れたり音声が途切れたり、最悪の場合には映像表示や音声出力が停止されるといった現象)を減らすことができる送受信システムを提供することである。
そして、一般に、視聴者は、映像乱れと比較して、音声の途切れに対して格段に強い不快感を感じる場合が多い。そのため、たとえ映像は乱れても、音声の途切れを防止できれば、視聴者の不満は、ある程度まで軽減できる。音声の途切れを防止するだけであれば、映像の乱れと音声の途切れとの両方を防止するのに比べ、伝送情報量の増加が少なくて済むことが期待される。
それゆえに、本発明のさらなる目的は、デジタル放送に用いられて映像信号および音声信号を送受信するシステムであって、受信信号の品質が低下して発生する音声の途切れだけを減らすことができる、伝送情報量の増加が少ない送受信システムを提供することである。
発明の開示
本発明は、上記のような目的を達成するために、以下に述べるような特徴を有している。
第1の局面は、デジタル放送に用いられ、信号を送受信するためのシステムであって、
信号を送信する送信装置と、
送信装置が送信した信号を受信して処理する受信装置とを備え、
送信装置は、送信しようとする原信号と、当該原信号の情報量を削減した信号であって、かつ当該原信号を時間的にずれさせた予備信号とを多重化して送信し、
受信装置は、
多重化信号を受信して原信号と予備信号とに分離し、
当該原信号と当該予備信号との時間的なずれを打ち消し、
当該原信号の品質に応じて当該原信号または当該予備信号を選択し、
選択した方の信号を処理することを特徴とする。
上記第1の局面によれば、原信号と、当該原信号を時間的にずれさせた予備信号とを多重化して送信するので、原信号と予備信号とでは、互いに対応する部分が異なる時間に伝送される。そのため、受信した原信号のある部分が一定品質を下回って処理不能であるとき、予備信号の対応部分が処理不能であるとは限らない。そこで、受信した多重化信号を原信号と予備信号とに分離して時間的なずれを解消した上で、原信号が一定品質以上であるか否かを判定し、判定結果が肯定であれば原信号を、否定であれば予備信号を選択して処理する。
これにより、受信信号の品質が低下して発生する障害を減らすことができる。ここで、原信号は、典型的には、下記第5の局面のように、映像信号および/または音声信号であるが、文字やプログラムなどのデータ信号でもよい。原信号が映像信号および/または音声信号である場合、受信信号の品質低下による映像の乱れや音声の途切れを減らすことができる。
しかも、予備信号の情報量は、原信号よりも少ないので、原信号を単に2回送信する場合と比べ、伝送情報量の増加が少なくて済む。
第2の局面は、第1の局面において、送信装置は、
送信しようとする原信号を二分岐する分岐部と、
分岐部から出力される一方の原信号が与えられ、当該原信号の情報量を削減する情報量削減部と、
情報量削減部が原信号の情報量を削減して得られた予備信号が与えられ、当該予備信号に遅延を加える第1の遅延部と、
分岐部から出力される他方の原信号と、第1の遅延部が予備信号に遅延を加えて得られた遅延予備信号とが与えられ、当該原信号と、当該遅延予備信号とを多重化する多重化部と、
多重化部が原信号と遅延予備信号とを多重化して得られた多重化信号を送信する送信部とを含み、
受信装置は、
送信部から送信された多重化信号を受信する受信部と、
受信部が受信した多重化信号を原信号と遅延予備信号とに分離する分離部と、
分離部が分離して得られた原信号が与えられ、当該原信号に遅延を加える第2の遅延部と、
第2の遅延部が原信号に遅延を加えて得られた遅延原信号が与えられ、当該遅延原信号の品質が基準値以上であるか否かを判定する判定部と、
分離部が分離して得られた遅延予備信号と、判定部による品質判定を受けた遅延原信号と、当該判定の結果とが与えられ、当該判定結果に応じて、当該遅延原信号および当該遅延予備信号のいずれかを選択する選択部と、
選択部が選択した方の遅延信号を処理する処理部とを含む。
上記第2の局面によれば、送信装置は、原信号と、当該原信号に対して遅延した予備信号とを多重化して送信する。一方、受信装置は、多重化信号を受信して原信号と遅延予備信号とに分離した後、原信号を遅延させることにより、原信号と予備信号との時間的なずれを解消している。
第3の局面は、第2の局面において、送信装置は、
分岐部から出力される他方の原信号と、第1の遅延部が予備信号に遅延を加えて得られた遅延予備信号とを符号化して多重化部に与える符号化部をさらに含み、
受信装置は、
分離部が分離して得られた、符号化された原信号と、符号化された遅延予備信号とを復号化して、当該原信号を第2の遅延部に、当該遅延予備信号を選択部に与える復号化部をさらに含む。
上記第3の局面によれば、送信装置において各信号が符号化され、受信装置において、符号化された各信号が復号化される(下記第9,14,19の局面も同様である)。
第4の局面は、第3の局面において、情報量削減部は、符号化部が遅延予備信号を原信号よりも圧縮して符号化することによって実現される。
上記第4の局面によれば、符号化と共に情報量の削減が可能となる(下記第10の局面も同様である)。
第5の局面は、第2の局面において、送信しようとする原信号が映像信号および/または音声信号であり、
基準値は、処理部が遅延原信号を処理して得られる映像および/または音声に障害が発生し始める直前の信号品質と対応するような値である。
上記第5の局面によれば、原信号が映像信号および/または音声信号である。この場合、信号品質が低下して、遅延原信号を処理して再生される映像および/または音声に障害(映像の乱れや音声の途切れ)が発生し始める直前に、処理の対象が遅延原信号から遅延予備信号に切り替わる。ここで、信号品質は、例えば信号のレベルや、誤り発生率などによって表現される(下記第11の局面も同様である)。
第6の局面は、第2の局面において、第1の遅延部および第2の遅延部は、送信すべき原信号の伝送レートに応じて、遅延量を変化させることと特徴とする。
上記第6の局面によれば、何らかの事情で送信すべき信号の伝送レートが変更になったとしても、メモリ不足が原因で遅延処理ができなくなるといった事態を回避することが可能となる(下記第12,16,21,29および35の局面も同様である)。
第7の局面は、第2の局面において、選択部は、ユーザの指示に応じて、分離部が出力する原信号を選択することを特徴とする。
上記第7の局面によれば、リアルタイム再生を所望するユーザの要望に応えることが可能となる(下記第17,30の局面も同様である)。
第8の局面は、第1の局面において、送信装置は、
送信しようとする原信号を二分岐する分岐部と、
分岐部から出力される一方の原信号が与えられ、当該原信号の情報量を削減する情報量削減部と、
分岐部から出力される他方の原信号が与えられ、当該原信号に遅延を加える第1の遅延部と、
情報量削減部が原信号の情報量を削減して得られた予備信号と、第1の遅延部が原信号に遅延を加えて得られた遅延原信号とが与えられ、当該遅延原信号と、当該予備信号とを多重化する多重化部と、
多重化部が遅延原信号と予備信号とを多重化して得られた多重化信号を送信する送信部とを含み、
受信装置は、
送信部から送信された多重化信号を受信する受信部と、
受信部が受信した多重化信号を、遅延原信号と予備信号とに分離する分離部と、
分離部が分離して得られた予備信号が与えられ、当該予備信号に遅延を加える第2の遅延部と、
分離部が分離して得られた遅延原信号が与えられ、当該遅延原信号の品質が基準値以上であるか否かを判定する判定部と、
第2の遅延部が予備信号に遅延を加えて得られた遅延予備信号と、判定部による品質判定を受けた遅延原信号と、当該判定の結果とが与えられ、当該判定結果に応じて、当該遅延原信号または当該遅延予備信号を選択する選択部と、
選択部が選択した方の遅延信号を処理する処理部とを含む。
上記第8の局面によれば、送信装置は、予備信号に対して遅延した原信号と、予備信号とを多重化して送信する(言い換えれば、原信号と、原信号に対して先行する予備信号とを多重化して送信する)。一方、受信装置は、多重化信号を受信して原信号と遅延予備信号とに分離した後、予備信号を遅延させることにより、原信号と予備信号との時間的なずれを解消している。
第9の局面は、第8の局面において、送信装置は、
情報量削減部が原信号の情報量を削減して得られた予備信号と、第1の遅延部が原信号に遅延を加えて得られた遅延原信号とを符号化して多重化部に与える符号化部をさらに含み、
受信装置は、
分離部が分離して得られた、符号化された遅延原信号と、符号化された予備信号とを復号化して、当該遅延原信号を判定部に、当該予備信号を第2の遅延部に与える復号化部をさらに含む。
第10の局面は、第9の局面において、情報量削減部は、符号化部が遅延予備信号を原信号よりも圧縮して符号化することによって実現される。
第11の局面は、第8の局面において、送信しようとする原信号が映像信号および/または音声信号であり、
基準値は、処理部が遅延原信号を処理して得られる映像および/または音声に障害が発生し始める直前の信号品質と対応するような値である。
第12の局面は、第8の局面において、第1の遅延部および第2の遅延部は、送信すべき原信号の伝送レートに応じて、遅延量を変化させることと特徴とする。
第13の局面は、第1の局面において、送信しようとする原信号には、複数の情報を示す複数の信号が含まれており、
送信装置は、
送信しようとする原信号を二分岐して出力する分岐部と、
分岐部から出力される一方の原信号に含まれる信号の一部を選択して、予備信号として出力する第1の選択部と、
第1の選択部から出力される予備信号に遅延を加えて、遅延予備信号として出力する第1の遅延部と、
分岐部から出力される他方の原信号と、第1の遅延部から出力される遅延予備信号とを多重化して出力する多重化部と、
多重化部から出力される多重化信号を送信する送信部とを含み、
受信装置は、
送信部から送信された多重化信号を受信する受信部と、
受信部が受信した多重化信号を原信号と遅延予備信号とに分離して出力する分離部と、
分離部が分離した原信号に遅延を加えて、遅延原信号として出力する第2の遅延部と、
第2の遅延部からの遅延原信号または分離部からの遅延予備信号のいずれかを、受信品質に応じて選択する第2の選択部と、
第2の選択部が選択した方の遅延信号を処理する処理部とを含む。
上記第13の局面によれば、送信装置は、原信号に含まれる信号の一部を選択することによって原信号の情報量を削減する。また、送信装置は、原信号と、当該原信号に対して遅延した予備信号とを多重化して送信する。一方、受信装置は、多重化信号を受信して原信号と遅延予備信号とに分離した後、原信号を遅延させることにより、原信号と予備信号との時間的なずれを解消している。
第14の局面は、第13の局面において、送信装置は、さらに、
分岐部から出力される原信号を符号化して、多重化部に入力する第1の符号化部と、
第1の遅延部から出力される予備信号を符号化して、多重化部に入力する第2の符号化部とを含み、
受信装置は、さらに、
第2の遅延部から出力される遅延原信号を復号化して、受信品質を示す情報と共に、第2の選択部に入力する第1の復号化部と、
分離部から出力される遅延予備信号を復号化して、受信品質を示す情報と共に、第2の選択部に入力する第2の復号化部とを含む。
第15の局面は、第13の局面において、第1の選択部は、選択すべき信号を時間に応じて変えていくことを特徴とする。
上記第15の局面によれば、送信装置は、時間帯に応じて、選択すべき信号を変化させていくので、重要な時間帯における重要な情報については、視聴者に確実に伝えることが可能となる(下記第20の局面についても同様である)。
第16の局面は、第13の局面において、第1の遅延部および第2の遅延部は、送信すべき原信号の伝送レートに応じて、遅延量を変化させることと特徴とする。
第17の局面は、第13の局面において、選択部は、ユーザの指示に応じて、分離部が出力する原信号を選択することを特徴とする。
第18の局面は、第1の局面において、送信しようとする原信号には、複数の情報を示す複数の信号が含まれており、
送信装置は、
送信しようとする原信号を二分岐して出力する分岐部と、
分岐部から出力される一方の原信号に遅延を加えて、遅延原信号として出力する第1の遅延部と、
分岐部から出力される他方の原信号に含まれる信号の一部を選択し、予備信号として出力する第1の選択部と、
第1の遅延部から出力される遅延原信号と、選択部から出力される予備信号とを多重化して出力する多重化部と、
多重化部から出力される多重化信号を送信する送信部とを含み、
受信装置は、
送信部から送信された多重化信号を受信する受信部と、
受信部が受信した多重化信号を遅延原信号と予備信号とに分離して出力する分離部と、
分離部が分離した予備信号に遅延を加えて出力する第2の遅延部と、
第2の遅延部からの遅延予備信号または分離部からの遅延原信号のいずれかを、受信品質に応じて選択する第2の選択部と、
第2の選択部が選択した方の遅延信号を処理する処理部とを含む。
上記第18の局面によれば、送信装置は、原信号に含まれる信号の一部を選択することによって原信号の情報量を削減する。また、送信装置は、予備信号に対して遅延した原信号と、予備信号とを多重化して送信する(言い換えれば、原信号と、原信号に対して先行する予備信号とを多重化して送信する)。一方、受信装置は、多重化信号を受信して原信号と遅延予備信号とに分離した後、予備信号を遅延させることにより、原信号と予備信号との時間的なずれを解消している。
第19の局面は、第18の局面において、送信装置は、さらに、
第1の遅延部から出力される遅延原信号を符号化して、多重化部に入力する第1の符号化部と、
第1の選択部から出力される予備信号を符号化して、多重化部に入力する第2の符号化部とを含み、
受信装置は、さらに、
分離部から出力される遅延原信号を復号化して、受信品質を示す情報と共に、第2の選択部に入力する第1の復号化部と、
第2の遅延部から出力される遅延予備信号を復号化して、受信品質を示す情報と共に、第2の選択部に入力する第2の復号化部とを含む。
第20の局面は、第18の局面において、第1の選択部は、選択すべき信号を時間に応じて変えていくことを特徴とする。
第21の局面は、第18の局面において、第1の遅延部および第2の遅延部は、送信すべき原信号の伝送レートに応じて、遅延量を変化させることと特徴とする。
第22の局面は、第1の局面において、原信号は、符号化済みの信号であることを特徴とする。
第23の局面は、第1の局面において、受信装置は、移動体に備え付けられていることを特徴とする。
第24の局面は、デジタル放送に用いられ、映像信号および音声信号を送受信するためのシステムであって、
映像信号および音声信号を送信する送信装置と、
送信装置が送信した映像信号および音声信号を受信する受信装置とを備え、
送信装置は、送信しようとする映像信号および原音声信号と、当該原音声信号の情報量を削減した信号であって、かつ当該原音声信号を時間的にずれさせた予備音声信号とを多重化して送信し、
受信装置は、
多重化信号を受信して、映像信号および原音声信号と、予備音声信号とに分離し、
当該映像信号および当該原音声信号と、当該予備信号との時間的なずれを打ち消し、
当該原音声信号の品質に応じて当該原音声信号または当該予備音声信号を選択し、
当該映像信号と、選択した方の音声信号とを処理することを特徴とする。
上記第24の局面によれば、映像信号および原音声信号と、当該原音声信号を時間的にずれさせた予備音声信号とを多重化して送信するので、原音声信号と予備音声信号とでは、互いに対応する部分が異なる時間に伝送される。そのため、受信した原音声信号のある部分が一定品質を下回って処理不能であるとき、予備音声信号の対応部分が処理不能であるとは限らない。そこで、受信した多重化信号を映像信号および原信号と予備信号とに分離して時間的なずれを解消した上で、原音声信号が一定品質以上であるか否かを判定し、判定結果が肯定であれば原音声信号を、否定であれば予備音声信号を選択して、映像信号と共に処理する。
これにより、受信信号の品質低下による音声の途切れだけを減らすことができる。映像については予備信号を送信していないので、映像の乱れを減らすことはできないが、映像および音声の両方について予備信号を送信する場合と比べ、予備信号のための伝送情報量の増加が少ないので、コストがかからない。
しかも、予備音声信号の情報量は、原音声信号よりも少ないので、原音声信号を単に2回送信する場合と比べ、伝送情報量の増加が少なくて済む。
第25の局面は、第24の局面において、送信装置は、
送信しようとする原音声信号を二分岐する分岐部と、
分岐部から出力される一方の原音声信号が与えられ、当該原音声信号の情報量を削減する情報量削減部と、
情報量削減部が原音声信号の情報量を削減して得られた予備音声信号が与えられ、当該予備音声信号に遅延を加える第1の遅延部と、
送信しようとする映像信号と、分岐部から出力される他方の原音声信号と、第1の遅延部が予備音声信号に遅延を加えて得られた遅延予備音声信号とが与えられ、当該映像信号と、当該原音声信号と、当該遅延予備音声信号とを多重化する多重化部と、
多重化部が映像信号と原音声信号と遅延予備音声信号とを多重化して得られた多重化信号を送信する送信部とを含み、
受信装置は、
送信部から送信された多重化信号を受信する受信部と、
受信部が受信した多重化信号を、映像信号と原音声信号と遅延予備音声信号とに分離する分離部と、
分離部が分離して得られた映像信号および原音声信号が与えられ、当該映像信号および当該原音声信号に遅延を加える第2の遅延部と、
第2の遅延部が原音声信号に遅延を加えて得られた遅延原音声信号が与えられ、当該遅延原音声信号の品質が基準値以上であるか否かを判定する判定部と、
分離部が分離して得られた遅延予備音声信号と、判定部による品質判定を受けた遅延原音声信号と、当該判定の結果とが与えられ、当該判定結果に応じて、当該遅延原音声信号または当該遅延予備音声信号を選択する選択部と、
第2の遅延部が映像信号に遅延を加えて得られた遅延映像信号と、選択部が選択した方の遅延音声信号とを処理する処理部とを含む。
上記第25の局面によれば、送信装置は、映像信号および原音声信号と、当該映像信号および当該原信号に対して遅延した予備音声信号とを多重化して送信する。一方、受信装置は、多重化信号を受信して映像信号および原音声信号と遅延予備音声信号とに分離した後、映像信号および原音声信号を遅延させることによって、映像信号および原音声信号と予備音声信号との時間的なずれを解消している。
第26の局面は、第25の局面において、送信装置は、
送信しようとする映像信号と、分岐部から出力される他方の原音声信号と、第1の遅延部が予備音声信号に遅延を加えて得られた遅延予備音声信号とを符号化して多重化部に与える符号化部をさらに含み、
受信装置は、
分離部が分離して得られた、符号化された映像信号と、符号化された原音声信号と、符号化された遅延予備音声信号とを復号化して、当該映像信号および当該原音声信号を第2の遅延部に、当該遅延予備音声信号を選択部に与える復号化部をさらに含む。
上記第26の局面によれば、送信装置において各信号が符号化され、受信装置において、符号化された各信号が復号化される(下記第32の局面も同様である)。
第27の局面は、第26の局面において、情報量削減部は、符号化部が遅延予備音声信号を原音声信号よりも圧縮して符号化することによって実現される。
上記第27の局面によれば、符号化と共に情報量の削減が可能となる(下記第33の局面も同様である)。
第28の局面は、第25の局面において、基準値は、処理部が遅延原音声信号を処理して得られる音声に障害が発生し始める直前の信号品質と対応するような値である。
上記第28の局面によれば、信号品質が低下して、遅延原音声信号を処理して再生される音声に障害(音声の途切れ)が発生し始める直前に、処理の対象が遅延原音声信号から遅延予備音声信号に切り替わる。ここで、信号品質は、例えば信号のレベルや、誤り発生率などによって表現される(下記第34の局面も同様である)。
第29の局面は、第25の局面において、第1の遅延部および第2の遅延部は、送信すべき映像信号および音声信号の伝送レートに応じて、遅延量を変化させることと特徴とする。
第30の局面は、第25の局面において、選択部は、ユーザの指示に応じて、分離部が出力する原音声信号を選択することを特徴とする。
第31の局面は、第24の局面において、送信装置は、
送信しようとする原音声信号を二分岐する分岐部と、
分岐部から出力される一方の原音声信号が与えられ、当該原音声信号の情報量を削減する情報量削減部と、
送信しようとする映像信号と、分岐部から出力される他方の原音声信号とが与えられ、当該映像信号および当該原音声信号に遅延を加える第1の遅延部と、
第1の遅延部が映像信号に遅延を加えて得られた遅延映像信号と、第1の遅延部が原音声信号に遅延を加えて得られた遅延原音声信号と、情報量削減部が原音声信号の情報量を削減して得られた予備音声信号とが与えられ、当該遅延映像信号と、当該遅延原音声信号と、当該予備音声信号とを多重化する多重化部と、
多重化部が遅延映像信号と遅延原音声信号と予備音声信号とを多重化して得られた多重化信号を送信する送信部とを含み、
受信装置は、
送信部から送信された多重化信号を受信する受信部と、
受信部が受信した多重化信号を、遅延映像信号と遅延原音声信号と予備音声信号とに分離する分離部と、
分離部が分離して得られた予備音声信号が与えられ、当該予備音声信号に遅延を加える第2の遅延部と、
分離部が分離して得られた遅延原音声信号が与えられ、当該遅延原音声信号の品質が基準値以上であるか否かを判定する判定部と、
第2の遅延部が予備音声信号に遅延を加えて得られた遅延予備音声信号と、判定部による品質判定を受けた遅延原音声信号と、当該判定の結果とが与えられ、当該判定結果に応じて、当該遅延原音声信号または当該遅延予備音声信号を選択する選択部と、
分離部が分離して得られた遅延映像信号と、選択部が選択した方の遅延音声信号とを処理する処理部とを含む。
上記第31の局面によれば、送信装置は、予備音声信号に対して遅延した映像信号および原音声信号と、予備音声信号とを多重化して送信する(言い換えれば、映像信号および原音声信号と、当該映像信号および当該原音声信号に対して先行する予備音声信号とを多重化して送信する)。一方、受信装置は、多重化信号を受信して遅延映像信号および遅延原音声信号と予備音声信号とに分離した後、予備音声信号を遅延させることによって、映像信号および原音声信号と予備音声信号との時間的なずれを解消している。
第32の局面は、第31の局面において、送信装置は、
第1の遅延部が映像信号に遅延を加えて得られた遅延映像信号と、第1の遅延部が原音声信号に遅延を加えて得られた遅延原音声信号と、情報量削減部が原音声信号の情報量を削減して得られた予備音声信号とを符号化して多重化部に与える符号化部をさらに含み、
受信装置は、
分離部が分離して得られた、符号化された遅延映像信号と、符号化された遅延原音声信号と、符号化された予備音声信号とを復号化して、当該映像信号を処理部に、当該遅延原音声信号を判定部に、当該予備音声信号を第2の遅延部に与える復号化部とさらに含む。
第33の局面は、第32の局面において、情報量削減部は、符号化部が遅延予備音声信号を原音声信号よりも圧縮して符号化することによって実現される。
第34の局面は、第31の局面において、基準値は、処理部が遅延原音声信号を処理して得られる音声に障害が発生し始める直前の信号品質と対応するような値である。
第35の局面は、第31の局面において、第1の遅延部および第2の遅延部は、送信すべき映像信号および音声信号の伝送レートに応じて、遅延量を変化させることと特徴とする。
第36の局面は、第24の局面において、受信装置は、移動体に備え付けられていることを特徴とする。
第37の局面は、デジタル放送に用いられ、信号を送信するための送信装置であって、
送信しようとする原信号の情報量を削減して予備信号として出力する情報量削減手段と、
原信号と予備信号とを時間的にずらす時間ずらし手段と、
時間ずらし手段によって時間的にずらされた原信号と予備信号とを多重化して送信する多重化送信手段とを含む。
第38の局面は、デジタル放送に用いられ、本来再生するための原信号と原信号の受信状況に応じて再生するための予備信号との多重化信号を受信するための受信装置であって、
多重化信号を受信して原信号と予備信号とに分離する分離手段と、
分離手段によって分離された原信号と予備信号との時間的なずれを打ち消す時間打ち消し手段と、
原信号の品質に応じて、時間打ち消し手段によって時間的なずれが打ち消された原信号または予備信号を選択する選択手段と、
選択手段が選択した方の信号を処理する処理手段とを含む。
第39の局面は、デジタル放送に用いられ、映像信号および音声信号を送信するための送信装置であって、
送信しようとする原音声信号の情報量を削減して予備音声信号として出力する情報量削減手段と、
送信しようとする映像信号および原音声信号と、予備音声信号とを時間的にずらす時間ずらし手段と、
時間ずらし手段によって時間的にずらされた映像信号と原音声信号と予備音声信号とを多重化して送信する多重化送信手段とを含む。
第40の局面は、デジタル放送に用いられ、本来再生するための映像信号および原音声信号と原音声信号の受信状況に応じて再生するための予備音声信号との多重化信号を受信するための受信装置であって、
多重化信号を受信して映像信号および原音声信号と、予備音声信号とに分離する分離手段と、
分離手段によって分離された映像信号および原音声信号と、予備信号との時間的なずれを打ち消す時間打ち消し手段と、
原音声信号の品質に応じて、時間打ち消し手段によって時間的なずれが打ち消された原音声信号または予備音声信号を選択する選択手段と、
映像信号と、選択手段が選択した方の音声信号とを処理する処理手段とを含む。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態(第1〜第6の実施形態)に係るデジタル放送用送受信システムの全体構成を示すブロック図である。図1に示す全体構成図は、以下に説明する全ての実施形態において適用される。図1において、本発明の実施形態に係るデジタル放送用送受信システム1は、信号源2からの映像信号および音声信号(なお、本実施形態では、単に「信号」と読んだ場合、映像信号と音声信号とを区別しないものとする)を送信する送信装置3と、送信装置3が送信した信号を受信して映像および音声を再生する受信装置4とを備える。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る送受信システム1は、映像および音声を一体的に処理する(第2の実施形態も同様)。
図2は、図1の信号源2から第1の実施形態に係る送信装置3に入力される信号の一構成例を示す模式図である。図2において、信号は、連続する複数のフレーム(時間的に古いものからA1,A2,A3,…のように呼ぶ)で構成されている。このように構成された信号が、A1,A2,A3…の順に信号源2から送信装置3に入力され、送信装置3によって受信装置4へ送信される。送信された信号は、受信装置4によって受信され、再生処理される。受信装置4は、車などの移動体に備え付けられている。
図3は、第1の実施形態に係る送信装置3の構成を示すブロック図である。図3において、送信装置3は、入力部101と、分岐部102と、情報量削減部103と、遅延部104と、符号化部105と、多重化部106と、送信部107と、アンテナ108とを含む。入力部101は、信号源2からの信号を送信装置3の内部に入力する。分岐部102は、入力部101が入力した信号(以下、原信号という)を二分岐する。
分岐部102、情報量削減部103、遅延部104、符号化部105および多重化部106は、以下に説明するような機能をソフトウエア的に備えていてもよいし、ハードウエア的に備えていてもよい(その他の実施形態についても同様)。
情報量削減部103は、分岐部102から出力される一方の原信号の情報量を削減して出力する。情報量削減部103が出力する情報量が削減された信号を予備信号と呼ぶ。以下、情報量の削減方法を具体的にいくつか示す。たとえば、原信号が映像信号と音声信号とから構成されている場合、情報量削減部103は、予備信号として、音声信号だけを出力する。また、原信号が多チャンネル品質の音声信号である場合、情報量削減部103は、モノラル音声信号を予備信号として出力する。また、原信号が一般的に音楽用コンパクトディスクに収録されている程度の高音質音声信号である場合、情報量削減部103は、電話音声品質のような低品質の音声信号を予備信号として出力する。
遅延部104は、情報量削減部103からの予備信号を一定フレーム数だけ遅延させて出力する。この遅延させるフレーム数を、遅延フレーム数と呼ぶ。遅延フレーム数は、数秒間分が適切である。遅延部104は、予備信号を遅延フレーム数分だけ遅延させて出力する。遅延部104が出力する遅延後の予備信号を遅延予備信号と呼ぶ。また、遅延フレーム数をN(Nは、1以上の自然数)とし、遅延フレーム数に相当する時間を遅延時間と呼んで、T[秒]で表すこととする。
ここで、遅延部104における遅延フレーム数Nおよび遅延時間Tについて具体的に説明しておく。車などの移動体において信号を受信する場合、電波の受信品質は、地形や障害物の有無に応じて刻々と変化する。したがって、受信信号の品質は受信地点によって大きく異なることとなるので、受信障害が発生する場合がある。図4は、実際に500MHz帯域の地上デジタル放送波を時速約40Kmで移動する自動車に設置したアンテナで受信したときの受信信号のレベル変動の一例を示す図である。
図4において、縦軸は、受信信号の信号レベルを示す。縦軸の一目盛りは、10dBである。横軸は、時間を示す。横軸の一目盛りは、5秒である。図4に示すように、受信信号の受信レベルは、刻々と変化する。受信信号がある一定のレベルR[dB]を下回った場合、信号の品質が著しく劣化し、受信障害が発生する。なお、信号レベルの変動は、信号送信波が路面や周囲の建造物等に反射して生じた多数の波が干渉した結果生じる。また、信号レベルの変動周期は、移動体の移動速度や、信号が送信される周波数に依存する。
上記説明から分かるように、移動体において信号を受信する場合、受信装置が、現在、異常受信状態であったとしても、数秒後(例えば、5秒後)には、正常受信状態となる可能性が十分ある。ただし、原信号と予備信号との送信時間差が大きすぎると、受信装置は、初期動作時において、予備信号が受信できた後、映像や音声を再生することとなるので、一定の待ち時間が生じる。そのため、遅延時間として適切な時間は、初期動作時において、映像や音声が出力されるまで、視聴者が許容できる程度の待ち時間であり、かつ移動体における受信状況が改善するのに必要な時間がよい。すなわち、遅延時間としては、数秒が最適している。たとえば、遅延時間を約5秒と想定する。
次に、遅延フレーム数について説明する。デジタル放送の規格に、日本国における地上波デジタルテレビ放送標準規格を採用し、伝送モードがモード3であり、ガードインターバル長が1/8であり、かつフレーム長が231.336msとした場合(社団法人 電波産業界、「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式」、ARIB STD−B31、1.0版、平成13年5月31日策定、表3−1参照)、遅延時間T=約5秒に相当する遅延フレーム数Nは、N=22となる。すなわち、この例の場合、遅延部104は、情報量削減部103からの予備信号を22フレーム分遅延させて、出力することとなる。
符号化部105は、分岐部102から出力される原信号を符号化して出力すると共に、それとは別に、遅延部104からの遅延予備信号を符号化して出力する。たとえば、ここでの符号化方式を、MPEG−2方式とする。
多重化部106は、符号化部105からの符号化された原信号と、符号化された遅延予備信号とを時分割多重化して出力する。具体的には、多重化部106は、各フレームに存在する余分な領域(以下、NULL領域という)に遅延予備信号を挿入して、原信号と遅延予備信号との多重化を図る(以下の実施形態についても同様)。NULL領域は、変調方式の選択により容易に設けることができる。このように、各フレームのNULL領域に遅延予備信号を挿入することによって、従来のデジタル放送システムと同一のタイミングでの受信が可能となる。なお、多重化部106は、周波数多重化してもよい。
送信部107は、多重化部106が原信号と遅延予備信号とを多重化して得た信号(以下、多重化信号)を送信する。アンテナ108は、多重化信号を電波に変換して放射する。
図5は、第1の実施形態に係る受信装置4の構成を示すブロック図である。図5において、受信装置4は、アンテナ109と、受信部110と、分離部111と、復号化部112と、遅延部113と、判定部114と、選択部115と、再生処理部116とを含む。アンテナ109は、電波を捕捉して多重化信号に変換する。受信部110は、アンテナ109からの多重化信号を受信する。
分離部111、復号化部112、遅延部113、判定部114、選択部115および再生処理部116は、以下に説明するような機能をソフトウエア的に備えていてもよいし、ハードウエア的に備えていてもよい(その他の実施形態についても同様)。
分離部111は、受信部110が受信した多重化信号を、符号化された原信号と、符号化された遅延予備信号とに分離する。復号化部112は、分離部111が分離して得られた、符号化された原信号と、符号化された遅延予備信号とを復号化する。
遅延部113は、復号化部112が復号化して得られた原信号を一定フレーム数だけ遅延させて出力する。遅延部113における遅延フレーム数Nおよび遅延時間Tは、送信装置3の遅延部104における遅延フレーム数Nおよび遅延時間Tと同一である。すなわち、遅延部113は、Nフレーム分だけ復号化部112が復号化して得られた原信号を遅延させて出力する。遅延部113が出力する信号を遅延原信号と呼ぶ。
判定部114は、遅延部113からの遅延原信号の品質が基準値以上であるか否かを判定する。選択部115は、判定部114からの判定結果(図5上、点線矢印で示す)に基づいて、判定部114からの遅延原信号または復号化部112からの遅延予備信号のいずれかを選択して出力する。再生処理部116は、選択部115が出力した方の信号を処理して、映像および音声を再生する。
上記のように構成された送受信システム1の動作について、以下に説明する。図3および図5には、図2に示したフレームAiが送信装置3に入力された時点における各部の入出力状態が示されている。図中のAi’は、原信号のフレームAiと対応するような予備信号のフレームを表すものとする
図3において、入力部101から送信装置3の内部へと入力されてきた原信号Aiは分岐部102によって二分岐され、一方が情報量削減部103へ、他方が符号化部105へと与えられる。情報量削減部103は、与えられた原信号Aiの情報量を削減し、予備信号Ai’として出力する。遅延部104は、情報量削減部103から出力される予備信号Ai’にNフレーム分の遅延を加え、遅延予備信号Ai−N’を出力する。
すなわち、遅延部104は、例えば少なくともN+1フレーム分の記憶領域を持っており、フレームAi’が入力されてきた時、Nフレーム分の記憶領域には、フレームAi−1’〜Ai−N’が既に記憶されている。遅延部104は、入力されてきたフレームAi’を残りの1フレーム分の記憶領域に書き込むと共に、当該Nフレーム分の記憶領域からフレームAi−N’だけを読み出して符号化部105に与える。なお、遅延部104は、リング状に構成されたNフレーム分の記憶領域を持っていても同様の処理が行える。すなわち、遅延部104は、先入れ先出し(FIFO)処理を行うようなものであればよい。
符号化部105は、与えられた原信号Aiおよび遅延予備信号Ai−N’を符号化する。次に、多重化部106は、符号化部105から出力される2つの信号Ai,およびAi−N’を多重化する。送信部107は、こうして多重化された多重化信号Ai+Ai−N’を、アンテナ108から電波の態様で送信する。
図5において、上記のようにして送信された電波がアンテナ109によって捕捉され、多重化信号Ai+Ai−N’に変換される。受信部110は、アンテナ109からの多重化信号Ai+Ai−N’を受信する。分離部111は、受信部110から出力される多重化信号Ai+Ai−N’を、原信号Aiと、遅延予備信号Ai−N’とに分離する。復号化部112は、分離部111から出力され、符号化された原信号Aiおよび符号化された遅延予備信号Ai−N’をそれぞれ復号化して出力する。遅延部113は、復号化部112からの原信号Aiに遅延時間に相当するNフレーム分の遅延を加えて、遅延原信号Ai−Nを出力する。
すなわち、遅延部113は、例えば少なくともN+1フレーム分の記憶領域を持っており、フレームAiが入力されてきた時、Tフレーム分の記憶領域には、フレームAi−1〜Ai−Nが既に記憶されている。遅延部113は、入力されてきたフレームAiを残りの1フレーム分の記憶領域に書き込むと共に、当該Nフレーム分の記憶領域からフレームAi−Nだけを読み出して判定部114に与える。なお、遅延部113は、リング状に構成されたNフレーム分の記憶領域を持っていても同様の処理が行える。すなわち、遅延部113は、先入れ先出し(FIFO)処理を行うようなものであればよい。
判定部114は、遅延原信号Ai−Nの品質が基準値以上であるか否かを判定する。ここで、信号の品質は、例えば信号のレベルや、誤り発生率などによって表現される。一方、基準値として、映像の乱れや音声の途切れが発生し始める直前の品質と対応する値が選ばれる。あるいは、基準値として、映像表示や音声出力が停止される直前の品質と対応する値を選んでも良い。
選択部115は、判定部114の判定結果に応じて、遅延原信号Ai−Nおよび遅延予備信号Ai−N’のいずれかを選択する。具体的には、選択部115は、遅延原信号Ai−Nの品質が基準値以上であれば遅延原信号Ai−Nを選択し、基準値に満たなければ遅延予備信号Ai−N’を選択する。そして、選択された方の遅延信号Ai−NまたはAi−N’が再生処理部116に与えられ、再生処理部116は、当該遅延信号を処理して映像および音声を再生する。
このように、第1の実施形態に係る送受信システム1では、送信装置3が、原信号Aiと、当該原信号Aiの情報量を削減した信号であって、かつ当該原信号Aiよりも時間をNフレーム分遅延させた予備信号Ai−N’とを多重化して送信する。
一方、受信装置4は、当該多重化信号Ai+Ai−N’を受信して、原信号Aiと遅延予備信号Ai−N’とに分離した後、原信号AiをNフレーム分遅延させることにより、原信号と予備信号との時間的なずれを解消する。そして、受信装置4は、遅延原信号Ai−Nの品質を判定して、品質が基準を満たしていれば当該遅延原信号Ai−Nを処理し、満たしていなければ遅延予備信号Ai−N’を処理して映像および音声を再生する。
すなわち、受信装置4は、現在の受信状況と数秒前の受信状況と比較して、数秒前の受信状況が良好であれば、受信装置4は、数秒前に受信した原信号を再生する。一方、数秒前の受信状況が劣悪であれば、現在の受信状況の良し悪しに関係なく、受信装置4は、現在受信中の予備信号を再生する。ところが、数秒前の受信状況が劣悪であったとしても、現在の受信状況が劣悪であるとは限らず、逆に、現在の受信状況が良好な場合が多い(図4参照)。したがって、受信装置4は、なるべく視聴者に不快を与えにくい信号を再生することとなり、受信状況の悪化に伴って突然、再生が途絶えるといったデジタル放送特有の問題を大幅に解消することが可能となる。
なお、送信装置3が二種類の符号化部を具備することで、図3における情報量削減部103を削減することが可能となる。図6は、二種類の符号化部を含む送信装置3の構成を示す図である。図6において、送信装置3は、入力部101と、分岐部102と、遅延部104と、第1の符号化部105aと、第2の符号化部105bと、多重化部106と、送信部107と、アンテナ108とを含む。図6において、図3における送信装置3と同様の機能を有する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
第2の符号化部105bは、第1の符号化部105aによる符号化に比べ、情報量を少なくなるような符号化方式を用いて符号化を行う。例えば、原信号Aiが映像信号である場合、第1の符号化部105aは、MPEG−2符号化方式によって符号化を行い、第2の符号化部105bは、より情報圧縮効果の高いMPEG−4符号化方式によって符号化を行う。これにより、第2の符号化部105bは、情報量を削減した遅延予備信号Ai−N’出力することができる。
なお、図6において、第1の符号化部105aおよび第2の符号化部105bが用いる情報圧縮方式が同一である場合でも、第2の符号化部105bが、映像の解像度やフレーム数などを第1の符合化部105aよりも少なくして、情報圧縮を行うようにすれば、同様の効果が得られる。また、原信号Aiが音声信号である場合でも、映像信号の場合と同様に、第1の符号化部105aと第2の符号化部105bとの符号化率をそれぞれ異なるものとすれば、第2の符号化部105bは、情報量を削減した信号を生成することができる。
また、原信号Aiが映像信号、音声信号およびデータ信号からなる場合、音声信号だけを遅延させて送信させるには、符号済みの信号から音声信号だけを選択するようにしてもよい。図7は、音声信号だけを選択するようにした送信装置3の構成を示すブロック図である。図7において、符号化部105cは、原信号Aiを符号化して出力する。選択部103cは、符号化された信号から音声信号に相当する信号だけを選択して、予備信号Ai’として出力する。例えば、MPEG−2のような情報圧縮方式におけるデータには、復号時に信号の種類を判別するためのIDが記録されている。したがって、選択部103cは、このようなIDを用いて、音声信号だけを選択することができる。
(第2の実施形態)
図8(a)は、図1の信号源2から第2の実施形態に係る送信装置3に入力される信号の一構成例を示す模式図である。図8(b)は、第2の実施形態に係る送信装置3の構成を示すブロック図である。図8(a)に示すように、信号源2からの信号については、第1の実施形態と同様(図2参照)であるので、説明を省略する。
図8(b)において、送信装置3は、入力部201と、分岐部202と、情報量削減部203と、遅延部204と、符号化部205と、多重化部206と、送信部207と、アンテナ208とを含む。入力部201は、信号源2からの信号を送信装置3の内部に入力する。分岐部202は、入力部201が入力した信号(以下、原信号)を二分岐する。情報量削減部203は、分岐部202から出力される一方の原信号の情報量を削減して出力する。情報量の削減に関する具体的方法として、第1の実施形態と同様、複数のものが考えられる。
遅延部204は、分岐部202から出力される他方の原信号を一定フレーム分だけ遅延させて出力する。遅延部204における遅延フレーム数Nおよび遅延時間Tについては、第1の実施形態と同様である。
符号化部205は、情報量削減部203が原信号の情報量を削減して得た信号(予備信号)と、遅延部204が原信号に遅延を加えて得た信号(遅延原信号)とをそれぞれ符号化して出力する。多重化部206は、符号化された遅延原信号と、符号化された予備信号とを多重化して出力する。送信部207は、多重化部206が遅延原信号と予備信号とを多重化して得た信号(多重化信号)を送信する。アンテナ208は、多重化信号を電波に変換して放射する。
図9は、第2の実施形態に係る受信装置4の構成を示すブロック図である。図9において、受信装置4は、アンテナ209と、受信部210と、分離部211と、復号化部212と、遅延部213と、判定部214と、選択部215と、再生処理部216とを含む。アンテナ209は、電波を捕捉して多重化信号に変換する。受信部210は、アンテナ209からの多重化信号を受信する。分離部211は、受信部210が受信した多重化信号を、符号化された遅延原信号と、符号化された予備信号とに分離する。復号化部212は、分離部211が分離して得られた、符号化された遅延原信号と、符号化された予備信号とを復号化する。
遅延部213は、復号化部212が復号化して得られた予備信号を一定フレーム数だけ遅延させて、遅延予備信号として出力する。遅延部213における遅延フレーム数Nおよび遅延時間Tは、送信装置3における遅延部204で用いられる値と同様である。
判定部214は、復号化部212が復号化して得た遅延原信号の品質が基準値以上であるか否かを判定する。判定結果(図9上、点線矢印)は、選択部215に入力される。選択部215は、当該判定結果に応じて、遅延部213からの遅延予備信号または判定部214からの遅延原信号のいずれかを選択して出力する。再生処理部216は、選択部215が選択した方の遅延信号を処理して、映像および音声を再生する。
上記のように構成された送受信システム1の動作について、以下に説明する。図8(b)および図9には、フレーム“Ai”が送信装置3に入力された時点における各部の入出力状態が示されている。図中の記載方法については、第1の実施形態と同様であり、Ai’は、原信号のフレームAiと対応するような予備信号のフレームを表している。
図8(b)において、送信装置3に入力されてきた原信号Aiは二分岐され、一方が情報量削減部203へ、他方が遅延部204へと与えられる。情報量削減部203は、与えられた原信号Aiの情報量を削減し、予備信号Ai’として出力する。遅延部204は、原信号AiにNフレーム分の遅延を加えて、遅延原信号Ai−Nを出力する。
すなわち、遅延部204は、例えば少なくともN+1フレーム分の記憶領域を持っており、フレームAiが入力されてきた時、Nフレーム分の領域には、フレームAi−N〜Ai−1が既に記憶されている。遅延部204は、入力されてきたフレームAiを残りの記憶領域に書き込むと共に、Nフレーム分の記憶領域からフレームAi−Nだけを読み出して符号化部205に与える。なお、遅延部204は、リング状に構成されたNフレーム分の記憶領域を持っていても同様の処理が行える。すなわち、先入れ先出し(FIFO)処理を行うのであれば、遅延部204は、どのような構造であってもよい。
符号化部205は、与えられた遅延原信号Ai−Nおよび予備信号Ai’をそれぞれ符号化して出力する。多重化部206は、符号化部205から出力される2つの信号Ai−NおよびAi’を多重化する。送信部207は、こうして多重化された信号Ai−N+Ai’を、アンテナ208から電波の態様で送信する。
図9において、上記のようにして送信された電波がアンテナ209によって捕捉され、受信部210は、多重化信号Ai−N+Ai’を受信する。分離部211は、受信部210からの多重化信号を、符号化された原信号Ai−Nと、符号化された予備信号Ai’とに分離する。復号化部212は、分離部211から出力される2つの符号化された信号Ai−N,Ai’をそれぞれ復号化する。遅延部213は、復号化部212から出力される予備信号Ai’にNフレーム分の遅延を加えて、遅延予備信号Ai−N’を出力する。
すなわち、遅延部213は、例えば少なくともN+1フレーム分の記憶領域を持っており、フレームAi’が入力されてきた時、Nフレーム分の領域には、フレームAi−N’〜Ai−1’が既に記憶されている。遅延部213は、入力されてきたフレームAi’を残りの記憶領域に書き込むと共に、Nフレーム分の記憶領域からフレームAi−N’だけを読み出して選択部215に与える。なお、遅延部213は、リング状に構成されたNフレーム分の記憶領域を持っていても同様の処理が行える。すなわち、先入れ先出し(FIFO)処理を行うのであれば、遅延部213は、どのような構成であってもよい。
判定部214は、復号化部212から出力される遅延原信号Ai−Nの品質が基準値以上であるか否かを判定する。ここで、信号の品質は、例えば信号のレベルや、誤り発生率などによって表現される。一方、基準値は、映像の乱れや音声の途切れが発生し始める直前の品質と対応する値が選ばれる。あるいは、基準値として、映像表示や音声出力が停止される直前の品質と対応する値が選ばれてもよい。
選択部215は、判定部214の判定結果に応じて、遅延原信号Ai−Nまたは遅延予備信号Ai−N’のいずれかを選択する。すなわち、選択部215は、遅延原信号Ai−Nの品質が基準値以上であれば遅延原信号Ai−Nを選択し、基準値に満たなければ遅延予備信号Ai−N’を選択する。そして、選択された方の遅延信号Ai−NまたはAi−N’が再生処理部216に与えられ、再生処理部216は、当該遅延信号を処理して映像および音声を再生する。
このように、第2の実施形態に係る送受信システム1では、送信装置3が、遅延原信号Ai−Nと、当該遅延原信号Ai−Nに対してNフレーム分先行する予備信号Ai’とを多重化して送信する。
一方、受信装置4は、当該多重化信号Ai−N+Ai’受信して、遅延原信号Ai−Nと予備信号Ai’とに分離した後、予備信号Ai’をNフレーム分遅延させることにより、原信号と予備信号との時間的なずれを解消している。そして、原信号Ai−Nの品質を判定して、品質が基準を満たしていれば当該原信号Ai−Nを処理し、満たしていなければ遅延予備信号Ai−N’を処理して映像および音声を再生する。
すなわち、受信装置4は、現在の受信状況と数秒前の受信状況と比較して、現在の受信状況が良好であれば、現在受信中の原信号を再生する。一方、現在の受信状況が劣悪であれば、数秒前の受信状況の良し悪しに関係なく、受信装置4は、数秒前に受信した予備信号を再生する。ところが、現在の受信状況が劣悪であったとしても、数秒前の受信状況が劣悪であるとは限らず、逆に、数秒前の受信状況が良好な場合が多い。したがって、受信装置4は、なるべく視聴者に不快を与えにくい信号を再生することとなり、受信状況の悪化に伴って突然、再生が途絶えるといったデジタル放送特有の問題を大幅に解消することが可能となる。
なお、上記第1または第2の実施形態では、原信号が映像信号および音声信号であるとしたが、映像信号だけでもよく、また音声信号だけでもよい。あるいは、原信号が文字やプログラムなどのデータ信号であってもよい。また、原信号は、これらの少なくとも二つが混在するような信号であってもよい。
以上のように、第1または第2の実施形態では、原信号と、当該原信号を時間的にずれさせた予備信号とが多重化されて送信されるので、原信号と予備信号とでは、互いに対応する部分が異なる時間に伝送される。そのため、受信した原信号のある部分が一定品質を下回って処理不能であったとしても、予備信号の対応部分が処理不能であるとは限らない。そこで、受信した多重化信号を原信号と予備信号とに分離して時間的なずれを解消した上で、原信号が一定品質以上であるか否かを判定し、一定品質以上であれば原信号を、一定品質未満であれば予備信号を選択して処理する。
これにより、受信信号の品質が低下して発生する障害(例えば、信号が映像信号や音声信号の場合、映像の乱れや音声の途切れ)を減らすことができる。
しかも、予備信号の情報量は、原信号よりも少ないので、原信号を単に2回送信する場合と比べ、伝送情報量の増加が少なくて済む。
ところで、上記第1または第2の実施形態において、基本的には、映像および音声の両方について予備信号を送受信することとしたので、映像の乱れと音声の途切れとを共に減らすことが可能である。
一方、下記第3,第4の実施形態では、映像と比べて情報量の少ない音声についてだけ予備信号を送受信することにより、予備信号による伝送情報量の増加を最小限に抑えつつ、音声の途切れだけを減らすようにしている。一般に、ユーザは、音声がわずかでも途切れると耐え難い不快感を感じるが、映像が多少乱れても耐え難いほどの不快感を感じることは少ないためである。
(第3の実施形態)
図10(a)は、図1の信号源2から第3の実施形態に係る送信装置3に入力される信号の一構成例を示す模式図である。図10(b)は、第3の実施形態に係る送信装置3の構成を示すブロック図である。図10(a)において、映像信号は、連続する複数の映像フレーム(時間的に古いものからA1,A2,A3,…のように呼ぶ)で構成され、音声信号は、連続する複数の音声フレーム(時間的に古いものからB1,B2,B3,…のように呼ぶ)とで構成されている。このように構成された映像信号および音声信号が、(A1,B1),(A2,B2),(A3,B3),…の順に送信装置3に入力され、送信装置3によって送信される。送信された映像信号および音声信号は、受信装置4によって受信され、再生処理される。
図10(b)において、送信装置3は、入力部301と、分岐部302と、情報量削減部303と、遅延部304と、符号化部305と、多重化部306と、送信部307と、アンテナ308とを含む。入力部301は、信号源2からの映像信号および音声信号を送信装置3の内部に入力する。分岐部302は、入力部301が入力した音声信号(以下、原音声信号)を二分岐する。情報量削減部303は、分岐部302から出力される一方の原音声信号の情報量を削減して出力する。情報量の削減方法については、第1の実施形態と同様であるので、詳しい説明は省略する。
遅延部304は、情報量削減部303が原音声信号の情報量を削減して得た信号(以下、予備音声信号)を一定フレーム数だけ遅延させて、遅延予備音声信号として出力する。遅延部304における遅延フレーム数Nおよび遅延時間Tは、第1の実施形態と同様であるので、詳しい説明を省略する。
符号化部305は、入力部301が入力した映像信号と、分岐部302から出力される他方の原音声信号と、遅延部304が出力する遅延予備音声信号とをそれぞれ符号化して出力する。多重化部306は、符号化された映像信号と、符号化された原音声信号と、符号化された遅延予備音声信号とを多重化し、多重化信号として出力する。送信部307は、多重化部306からの多重化信号を送信する。アンテナ308は、多重化信号を電波に変換して放射する。
図11は、第3の実施形態に係る受信装置4の構成を示すブロック図である。図11において、受信装置4は、アンテナ309と、受信部310と、分離部311と、復号化部312と、遅延部313と、判定部314と、選択部315と、再生処理部316とを含む。アンテナ309は、電波を捕捉して多重化信号に変換する。受信部310は、アンテナ309からの多重化信号を受信する。分離部311は、受信部310が受信した多重化信号を、符号化された映像信号と、符号化された原音声信号と、符号化された遅延予備音声信号とに分離する。復号化部312は、分離部311が分離することによって得られた3つの信号、すなわち符号化された映像信号と、符号化された原音声信号と、符号化された遅延予備音声信号とをそれぞれ復号化して出力する。
遅延部313は、復号化部312が復号化して得た映像信号および原音声信号をそれぞれ一定フレーム数だけ遅延させて、遅延映像信号および遅延原音声音声信号として出力する。遅延部313における遅延フレーム数Nおよび遅延時間Tは、送信装置3における遅延部304で用いられる値と同様である。
判定部314は、遅延部313からの遅延原音声信号の品質が基準値以上であるか否かを判定する。判定結果(図11上、点線矢印)は、選択部315に入力される。選択部315は、判定部314による判定結果に応じて、遅延原音声信号または遅延予備音声信号のいずれかを選択して出力する。再生処理部316は、遅延部313からの遅延映像信号と、選択部315が選択した方の遅延音声信号とを処理して、映像および音声を再生する。
上記のように構成された送受信システム1の動作について、以下に説明する。図10(b)および図11には、フレーム“(Ai,Bi)”が送信装置3に入力された時点における各部の入出力状態が示されている。図中のBi’は、原音声信号のフレームBiと対応するような予備音声信号のフレームを表している。
図10(b)において、送信装置3に入力されてきた映像信号Aiは、符号化部305へと与えられる。また、送信装置3に入力されてきた原音声信号Biは二分岐され、一方が情報量削減部303へ、他方が符号化部305へと与えられる。情報量削減部303は、与えられた原音声信号Biの情報量を削減する。遅延部304は、情報量削減部303から出力される予備音声信号Bi’にNフレーム分の遅延を与えて、遅延予備音声信号Bi−N’を出力する。
すなわち、遅延部304は、例えば少なくともN+1フレーム分の記憶領域を持っており、フレームBiが入力されてきた時、Nフレーム分の領域には、フレームBi−N’〜Bi−1’が既に記憶されている。遅延部304は、入力されてきたフレームBi’を残りの記憶領域に書き込むと共に、Nフレーム分の記憶領域からフレームBi−N’だけを読み出して符号化部305に与える。なお、遅延部304は、リング状に構成されたNフレーム分の記憶領域を持っていても同様の処理が行える。すなわち、先入れ先出し(FIFO)処理を行うのであれば、遅延部304は、どのような構造であってもよい。
符号化部305は、与えられた映像信号Ai、原音声信号Biおよび遅延予備音声信号Bi−N’をそれぞれ符号化する。多重化部306は、符号化部305から出力される3つの信号Ai,Bi,Bi−N’を多重化する。送信部307は、こうして多重化された信号Ai+Bi+Bi−N’を、アンテナ308から電波の態様で送信する。
図11において、上記のようにして送信された電波がアンテナ309によって捕捉され、多重化信号に変換される。受信部310は、アンテナ309からの多重化信号Ai+Bi+Bi−N’を受信する。分離部311は、受信部310が受信した多重化信号Ai+Bi+Bi−N’を、符号化された映像信号Aiと、符号化された原音声信号Biと、符号化された遅延予備音声信号Bi−N’とに分離する。復号化部312は、分離部311から出力される3つの符号化された信号Ai,Bi,Bi−N’をそれぞれ復号化する。遅延部313は、復号化部312から出力される映像信号Aiおよび原音声信号BiにNフレーム分の遅延を与えて、遅延映像信号Ai−Nおよび遅延原音声信号Bi−Nを出力する。
すなわち、遅延部313は、例えば少なくとも2×(N+1)フレーム分の記憶領域を持っており、フレームAiおよびBi入力されてきたとき、2×Nフレーム分の記憶領域には、フレームAi−N〜Ai−1およびBi−N〜Bi−1が既に記憶されている。遅延部313は、入力されてきたフレームAiおよびBiを残りの2フレーム分の記憶領域に書き込むと共に、当該2×Nフレーム分の記憶領域からフレームAi−NおよびBi−nだけを読み出して、それぞれ、再生処理部316および判定部314に与える。なお、遅延部313は、リング状に構成された2×Nフレーム分の記憶領域を持っていても同様の処理が行える。すなわち、先入れ先出し(FIFO)処理を行うのであれば、遅延部313は、どのような構造であってもよい。
判定部314は、遅延部313から与えられる遅延原音声信号Bi−Nの品質が基準値以上であるか否かを判定する。ここで、信号の品質は、例えば信号のレベルや、誤り発生率などによって表現される。一方、基準値は、映像の乱れや音声の途切れが発生し始める直前の品質と対応する値が選ばれる。あるいは、映像表示や音声出力が停止される直前の品質と対応する値が選ばれてもよい。
選択部315は、判定部314の判定結果に応じて、遅延原音声信号Bi−Nまたは遅延予備音声信号Bi−N’のいずれかを選択する。すなわち、選択部315は、遅延原音声信号Bi−Nの品質が基準値以上であれば遅延原音声信号Bi−Nを選択し、基準値に満たなければ遅延予備音声信号Bi−N’を選択する。そして、遅延映像信号Ai−Nと、選択された方の遅延音声信号Bi−NまたはBi−N’とが再生処理部316に与えられ、再生処理部316は、当該遅延信号を処理して映像および音声を再生する。
このように、第3の実施形態に係る送受信システム1では、送信装置3が、映像信号Aiおよび原音声信号Biと、当該原音声信号Biの情報量を削減した信号であって、かつ当該原音声信号Biよりも時間をNフレーム分遅延させた予備信号Bi−N’とを多重化して送信する。
一方、受信装置4は、当該多重化信号Ai+Bi+Bi−N’を受信して、映像信号Aiと原音声信号Biと遅延予備音声信号Bi−N’とに分離した後、映像信号Aiおよび原音声信号BiをNフレーム分遅延させることにより、映像信号および原音声信号と予備音声信号との時間的なずれを解消している。そして、遅延原音声信号Bi−Nの品質を判定して、品質が基準を満たしていれば当該遅延原音声信号Bi−Nを遅延映像信号Ai−Nと共に処理し、満たしていなければ遅延予備音声信号Bi−N’を遅延映像信号Ai−Nと共に処理して、映像および音声を再生する。
すなわち、受信装置4は、音声信号について、現在の受信状況と数秒前の受信状況と比較して、数秒前の受信状況が良好であれば、受信装置4は、数秒前に受信した原信号を再生する。一方、数秒前の受信状況が劣悪であれば、現在の受信状況の良し悪しに関係なく、受信装置4は、現在受信中の予備音声信号を再生する。ところが、数秒前の受信状況が劣悪であったとしても、現在の受信状況が劣悪であるとは限らず、逆に、現在の受信状況が良好な場合が多い(図4参照)。したがって、受信装置4は、なるべく視聴者に不快を与えにくい音声信号を再生することとなり、受信状況の悪化に伴って突然、音声再生が途絶えるといったデジタル放送特有の問題を大幅に解消することが可能となる。
(第4の実施形態)
図12(a)は、図1の信号源2から第4の実施形態に係る送信装置3に入力される信号の一構成例を示す模式図である。図12(b)は、第4の実施形態に係る送信装置3の構成を示すブロック図である。図12(a)に示すように、信号源からの信号については、第3の実施形態と同様(図10(a)参照)であるので、説明を省略する。
図12(b)において、送信装置3は、入力部401と、分岐部402と、情報量削減部403と、遅延部404と、符号化部405と、多重化部406と、送信部407と、アンテナ408とを含む。入力部401は、信号源2からの映像信号および音声信号を送信装置3の内部に入力する。分岐部402は、入力部401が入力した音声信号(以下、原音声信号)を二分岐する。情報量削減部403は、分岐部402から出力される一方の原音声信号の情報量を削減して、予備音声信号として出力する。情報量の削減に関する具体的方法として、第1の実施形態と同様、複数のものが考えられる。
遅延部404は、入力部401が入力した映像信号と、分岐部402から出力される他方の原音声信号とに一定フレーム分だけの遅延を与えて、遅延映像信号および遅延原音声信号として出力する。
符号化部405は、遅延部404からの遅延映像信号と、遅延部404からの遅延原音声信号と、情報量削減部403からの予備音声信号とをそれぞれ符号化する。多重化部406は、符号化された遅延映像信号と、符号化された遅延原音声信号と、符号化された予備音声信号とを多重化する。送信部407は、多重化部406が遅延映像信号と遅延原音声信号と予備音声信号とを多重化することによって得られた信号(以下、多重化信号)を送信する。アンテナ408は、多重化信号を電波に変換して放射する。
図13は、第4の実施形態に係る受信装置4の構成を示すブロック図である。図13において、受信装置4は、アンテナ409と、受信部410と、分離部411と、復号化部412と、遅延部413と、判定部414と、選択部415と、再生処理部416とを含む。アンテナ409は、電波を捕捉して多重化信号に変換する。受信部410は、アンテナ409からの多重化信号を受信する。分離部411は、受信部410が受信した多重化信号を、符号化された遅延映像信号と、符号化された遅延原音声信号と、符号化された予備音声信号とに分離する。
復号化部412は、分離部411が分離して得た3つの信号、すなわち符号化された遅延映像信号と、符号化された遅延原音声信号と、符号化された予備音声信号とをそれぞれ復号化して出力する。
遅延部413は、復号化部412によって復号化された予備音声信号を一定フレーム数だけ遅延させて、遅延予備音声信号として出力する。遅延部413における遅延フレーム数Nおよび遅延時間Tについては、送信装置3における遅延部404で用いられる値と同様である。
判定部414は、復号化部412が復号化して得られた遅延原音声信号の品質が基準値以上であるか否かを判定する。判定結果(図13上、点線矢印)は、選択部415に入力される。選択部415は、当該判定結果に応じて、遅延部413からの遅延予備音声信号または判定部414からの遅延原音声信号のいずれかを選択する。再生処理部416は、復号化部412が復号化して得た遅延映像信号と、選択部415が選択した方の遅延音声信号とを処理して、映像および音声を再生する。
上記のように構成された送受信システム1の動作について、以下に説明する。図12(b)および図13には、図12(a)のフレーム“(Ai,Bi)”が送信装置3に入力された時点における各部の入出力状態が示されている。図中のBi’は、原音声信号のフレームBiと対応するような予備音声信号のフレームを表している。
図12(b)において、送信装置3に入力されてきた映像信号Aiは、遅延部404へと与えられる。送信装置3に入力されてきた原音声信号Biは二分岐され、一方が遅延部404へ、他方が情報量削減部403へと与えられる。情報量削減部403は、与えられた原音声信号Biの情報量を削減する。遅延部404は、与えられた映像信号Aiおよび原音声信号BiにNフレーム分の遅延を加えて、遅延映像信号Ai−Nおよび遅延原音声信号Bi−Nを出力する。
すなわち、遅延部404は、例えば少なくとも2×(N+1)フレーム分の記憶領域を持っており、フレームAiおよびBiが入力されてきた時、2×Nフレーム分の記憶領域には、フレームAi−N〜Ai−1およびBi−N〜Bi−1が既に記憶されている。遅延部404は、入力されてきたフレームAiおよびBiを残りの2フレーム分の記憶領域に書き込むと共に、当該2×Nフレーム分の記憶領域からフレームAi−NおよびBi−Nを読み出して符号化部405に与える。なお、遅延部404は、リング状に構成された2×Nフレーム分の記憶領域を持っていても同様の処理が行える。すなわち、先入れ先出し(FIFO)処理を行うのであれば、遅延部404は、どのような構造であってもよい。
符号化部405は、与えられた遅延映像信号Ai−N、遅延原音声信号Bi−Nおよび予備音声信号Bi’をそれぞれ符号化する。多重化部406は、符号化部405から出力される3つの信号Ai−N,Bi−N,Bi’を多重化して出力する。送信部407は、こうして多重化された信号Ai−N+Bi−N+Bi’を、アンテナ408から電波の態様で送信する。
図13において、上記のようにして送信された電波がアンテナ409によって捕捉され、多重化信号に変換される。受信部410は、アンテナ409からの多重化信号Ai−N+Bi−N+Bi’を受信する。分離部411は、受信部410が受信した多重化信号Ai−N+Bi−N+Bi’を、符号化された遅延映像信号Ai−Nと、符号化された遅延原音声信号Bi−Nと、符号化された予備音声信号Bi’とに分離する。復号化部412は、分離部411から出力される3つの符号化された信号Ai−N,Bi−N,Bi’をそれぞれ復号化する。遅延部413は、復号化部412から出力される予備音声信号Bi’にNフレーム分の遅延を加えて、遅延予備音声信号Bi−N’を出力する。
すなわち、遅延部413は、例えば少なくともN+1フレーム分の記憶領域を持っており、フレームBi’が入力されてきた時、Nフレーム分の領域には、フレームBi−N’〜Bi−1’が既に記憶されている。遅延部413は、入力されてきたフレームBi’を残りの記憶領域に書き込むと共に、Nフレーム分の記憶領域からフレームBi−N’だけを読み出して選択部415に与える。なお、遅延部413は、リング状に構成されたNフレーム分の記憶領域を持っていても同様の処理が行える。すなわち、先入れ先出し(FIFO)処理を行うのであれば、遅延部413は、どのような構造であってもよい。
判定部414は、復号化部412から与えられる遅延原音声信号Bi−Nの品質が基準値以上であるか否かを判定する。ここで、信号の品質は、例えば信号のレベルや、誤り発生率などによって表現される。一方、基準値は、映像の乱れや音声の途切れが発生し始める直前の品質と対応する値が選ばれる。あるいは、基準値として、映像表示や音声出力が停止される直前の品質と対応する値が選ばれてもよい。
選択部415は、判定部414の判定結果に応じて、遅延原音声信号Bi−Nまたは遅延予備音声信号Bi−N’のいずれかを選択する。すなわち、選択部415は、遅延原音声信号Bi−Nの品質が基準値以上であれば遅延原音声信号Bi−Nを選択し、基準値に満たなければ遅延予備音声信号Bi−N’を選択する。そして、遅延映像信号Ai−Nと、選択された方の遅延音声信号Bi−NまたはBi−N’とが再生処理部416に与えられ、再生処理部416は、当該遅延信号を処理して映像および音声を再生する。
このように、第4の実施形態にかかる送受信システム1では、送信装置3が、遅延映像信号Ai−Nと、遅延原音声信号Bi−Nと、当該遅延映像信号Ai−Nおよび当該遅延原音声信号Bi−Nに対してNフレーム先行する予備音声信号Bi’とを多重化して送信する。
一方、受信装置4は、当該多重化信号Ai−N+Bi−N+Bi’を受信して、遅延映像信号Ai−Nと遅延原音声信号Bi−Nと予備音声信号Bi’とに分離した後、予備音声信号Bi’をNフレーム分遅延させることより、映像信号および原音声信号と予備音声信号との時間的なずれを解消している。そして、受信装置4は、遅延原音声信号Bi−Nの品質を判定して、品質が基準を満たしていれば当該遅延原音声信号Bi−Nを遅延映像信号Ai−Nと共に処理し、満たしていなければ遅延予備音声信号Bi−N’を遅延映像信号Ai−Nと共に処理して、映像および音声を再生する。
すなわち、受信装置4は、音声信号について、現在の受信状況と数秒前の受信状況と比較して、現在の受信状況が良好であれば、現在受信中の原信号を再生する。一方、現在の受信状況が劣悪であれば、数秒前の受信状況の良し悪しに関係なく、受信装置4は、数秒前に受信した予備音声信号を再生する。ところが、現在の受信状況が劣悪であったとしても、数秒前の受信状況が劣悪であるとは限らず、逆に、数秒前の受信状況が良好な場合が多い(図4参照)。したがって、受信装置4は、なるべく視聴者に不快を与えにくい音声信号を再生することとなり、受信状況の悪化に伴って突然、再生が途絶えるといったデジタル放送特有の問題を大幅に解消することが可能となる。
以上のように、第3または第4の実施形態では、映像信号および原音声信号と、当該原音声信号を時間的にずれさせた予備音声信号とを多重化して送信するので、原音声信号と予備音声信号とでは、互いに対応する部分が異なる時間に伝送される。そのため、受信した原音声信号のある部分が一定品質を下回って処理不能であったとしても、予備音声信号の対応部分が処理不能であるとは限らない。そこで、受信した多重化信号を映像信号および原信号と予備信号とに分離して時間的なずれを解消した上で、原音声信号が一定品質以上であるか否かを判定し、一定品質以上であれば原音声信号を、一定品質未満であれば予備音声信号を選択して、映像信号と共に処理する。
これにより、受信信号の品質低下による音声の途切れだけを減らすことができる。映像については予備信号を送信していないので、映像の乱れを減らすことはできないが、映像および音声の両方について予備信号を送信する場合(たとえば、第1の実施形態や第2の実施形態)と比べ、予備信号のための伝送情報量の増加が少ないので、コストがかからない。
しかも、予備音声信号の情報量は、原音声信号よりも少ないので、原音声信号を単に2回送信する場合と比べ、伝送情報量の増加が少なくて済む。
なお、第2〜第4の実施形態においても、図6を用いて第1の実施形態において説明したように、送信装置3が圧縮符号化率の異なる二種類の符号化部を具備することで、情報量削減部を削減することが可能となる。
(第5の実施形態)
図14(a)は、図1の信号源2から第5の実施形態に係る送信装置3に入力される信号の一構成例を示す模式図である。図14(b)は、第5の実施形態に係る送信装置3の構成を示すブロック図である。図14(a)において、信号は、連続する複数のフレーム(時間的に古いものからV1,V2,V3,…のように呼ぶ)で構成されている。さらに、各フレームViは、複数種類のパケットから構成されている。1フレーム中において、各種類のパケットは、少なくとも一つ以上存在する。パケットの種類としては、映像パケット、音声パケットおよびデータパケット等がある。
このように構成された信号が、V1,V2,V3,…の順に送信装置3に入力され、送信装置3によって送信される。送信された信号は、受信装置4によって受信され、再生処理される。
図14(b)において、送信装置3は、入力部501と、分岐部502と、選択部503と、遅延部504と、第1の符号化部505aと、第2の符号化部505bと、多重化部506と、送信部507と、アンテナ508とを含む。入力部501は、信号源2からの原信号Viを送信装置3の内部に入力する。分岐部502は、入力部501が入力した原信号Viを二分岐する。
選択部503は、原信号Viの内、再送信したいパケットを選択し、予備信号W iとして出力する。たとえば、原信号Vi上のフレームが映像パケット、音声パケットおよびデータパケットから構成されている場合、選択部503は、再送信したいパケットとして、音声パケットのみを選択し、それを予備信号Wiとして出力する。なお、原信号が映像パケットのみから構成される場合などは、選択部503は、再送信したい信号として映像パケットのみを選択する。
遅延部504は、選択部503が選択した予備信号Wiに一定フレーム数だけのの遅延を加えて、遅延予備信号Wi−Nとして出力する。遅延部504における遅延フレーム数Nおよび遅延時間Tは、第1の実施形態の場合と同様であるので、詳しい説明を省略する。
第1の符号化部505aは、原信号Viを符号化し、符号化後の信号Xiを出力する。第2の符号化部505bは、遅延予備信号Wi−Nを符号化し、符号化後の信号Yi−Nを出力する。第2の符号化部505bは、第1の符号化部505aと比較して、より情報量を削減する効果が高い符号化方式に従う符号化器であるとする。たとえば、第1の符号化器505aはMPEG−2符号化方式に従う符号化器であるとし、第2の符号化器505bはMPEG−4符号化方式のようなMPEG−2符号化方式よりも情報量削減効果の高い符号化方式に従う符号化器であるとする。このように第2の符号化部505bの符号化方式と第1の符号化部505aの符号化方式とを相異なるものとすることによって、信号Yi−Nの情報量を信号Xiの情報量より少なくすることができる。
多重化部506は、第1の符号化部505aからの信号Xiと第2の符号化部505bからの信号Yi−Nとを多重化して、多重化信号Xi+Yi−Nを出力する。多重化部506は、多重化信号の作成の際、受信側で同期再生を行うための時間情報や、信号を認識するための識別情報(ID)、その他の制御信号などを多重化信号に付加する。
送信部507は、多重化部からの多重化信号Xi+Yi−Nを送信するための変調を行う。アンテナ508は、送信部507で変調して得られた電気信号を電波に変換して放射する。
図15は、第5の実施形態に係る受信装置4の構成を示すブロック図である。図15において、受信装置4は、アンテナ509と、受信部510と、分離部511と、遅延部513と、第1の復号化部512aと、第2の復号化部512bと、選択部515と、再生処理部516とを含む。
アンテナ509は、電波を捕捉して電気信号に変換する。受信部510は、アンテナ509で変換された電気信号を変調し、多重化された信号Xi+Yi−Nに変換する。分離部511は、送信装置3の多重化部506において付加された信号を識別するための識別情報(ID)に基づいて、多重化信号Xi+Yi−Nを信号Xiと信号Yi−Nとに分離する。また、分離部511は、信号Xiと信号Yi−Nとの送信時間差(送信装置3における遅延部504で与えられた遅延時間、図15上、時間情報と記す)を、当該識別情報に基づいて算出し、遅延部513に入力する。
遅延部513は、分離部511が算出した時間情報に対応するフレーム数(遅延フレーム数Nと一致する)だけ、信号Xiを遅延させ、信号Xi−Nとして出力する。具体的には、遅延部513は、入力された信号Xiを一旦メモリなどの記憶媒体に記憶させ、Nフレーム分が経過した時点で出力するようにすればよい。この作業を連続させることで、遅延部513は、Nフレーム分だけ遅らせた信号を出力することができる。
第1の復号化部512aは、遅延部513でNフレーム分遅延された信号Xi−Nを復号化して、信号Vi−Nとして出力する。第2の復号化部512bは、分離部511で分離された信号Yi−Nを復号化して、信号Wi−Nとして出力する。また、第1の復号化部512aおよび第2の復号化部512bは、受信した信号の品質情報(図15上、矢印で記す)を、選択部515に伝える。たとえば、符号化方式がMPEG−2符号化方式の場合、データ中にエラーの発生を検出するためのエラー情報フラグが備えられているため、第1の復号化部512aおよび第2の復号化部512bは、このエラー情報フラグを検出することによって、受信品質の劣化を検出し、品質情報として選択部515に伝える。第1の復号化部512aおよび第2の復号化部512bは、それぞれ、送信装置3における第1の符号化部505aおよび第2の符号化部505bで採用した符号化方式に対応した復号化方式を用いる。
選択部515は、各信号の品質情報に基づいて、第1の復号化部512aからの信号Vi−Nまたは第2の復号化部512bからの信号Wi−Nのいずれかの品質の良い方の信号を出力する。
図16は、選択部515の動作例を示す模式図である。図16(a)は、第1の復号化部512aから出力される原信号Viをフレーム単位で示した図であり、縦一列で一つのフレームを表し、各フレーム上の四角枠が各パケットを表すものとする。ここでは、簡単のため、各フレームには、それぞれ一つずつの映像パケット、音声パケットおよびデータパケットが含まれているものとしている。図16(b)は、原信号Viの品質情報を示した図であり、図16(c)は、第2の復号化部512bから出力される予備信号Wiをフレーム単位で示した図であり、図16(d)は、予備信号Wiの品質情報を示した図であり、図16(e)は、選択部515の出力信号を示す図である。
原信号Viは映像パケット信号、音声パケット信号およびデータパケット信号からなり(図16(a)参照)、信号Wiは音声パケット信号である(図16(c)参照)とする。このとき、予備信号Wiは、音声パケット信号であるので、原信号Viと予備信号Wiの品質情報は、それぞれ音声信号の品質を示すものであるとする。なお、図16では、説明の簡単のために、遅延フレーム数Nは1であるとしている。黒枠は、一フレームが誤りの場合を示し、白枠は、一フレームが誤りでない場合を示している。また、品質情報を示す信号は、0であれば誤りがないことを表し、1であれば誤りがあることを表すものとする。また、図の右方向に進むにつれて時間が経過するものとする。
図17は、1フレーム期間における選択部515の動作を示すフローチャートである。以下、図16および図17を参照しながら、選択部515の動作について説明する。
まず、1フレーム期間が開始すると、選択部515は、信号Vi−Nの品質情報が1であるか否かを判断する(ステップS10)。1でない場合(すなわち、0である場合)、選択部515は、当該フレームに関して、原信号Vi−Nを出力する(ステップS13)。一方、1である場合、選択部515は、予備信号Wi−Nの品質情報を参照する(ステップS11)。
次に、選択部515は、当該フレームにおける予備信号Wi−Nの品質情報が1であるか否かを判断する(ステップS12)。1でない場合(すなわち、0である場合)、選択部515は、当該フレームに関して、原信号Vi−Nに置き換えて、予備信号Wi−Nを出力し(ステップS14)、1フレーム分の処理を終了する。一方、1である場合、原信号Vi−Nおよび予備信号Wi−Nともに誤りがあるということであるので、選択部515は、原信号Vi−Nを出力し(ステップS13)、1フレーム分の処理を終了する。
図16に示すような信号V(V1〜V10)が受信された場合、原信号V(V1〜V10)と予備信号W(W1〜W10)とを比較すると、原信号V6以外については、第2の復号化部512bからの出力信号の方が、正しく(誤りなく)受信できている。したがって、選択部515は、図16(e)に示すように、音声信号の誤りが低減された信号を出力することとなる。
再生処理部516は、選択部515により出力された信号を処理して、映像や音声に変換し、出力する。
以上のように、第5の実施形態では、原信号と当該原信号に時間的なずれを与えた予備信号とを多重化して送信するので、予備信号と原信号とは互いに対応する部分が異なる時間に伝送される。そのため、受信した原信号のある部分が一定品質を下回って処理不能であったとしても、予備信号の対応部分が処理不能であるとは限らなくなる。そこで、受信した多重化信号を原信号と予備信号とに分離して、時間的なずれを解消した上で、原信号が一定品質以上であるか否かを判定し、一定品質以上であれば原信号を、一定品質以下であれば予備信号を選択して処理する。
これにより、受信信号の品質が低下して発生する障害(例えば、信号が映像信号や音声信号の場合、映像の乱れや音声の途切れ)を減らすことが可能となる。しかも、予備信号の情報量は、原信号よりも少ないので、原信号を単に二回送信する場合と比べて、伝送情報量の増加を低減することが可能となる。
なお、上記実施形態では、第2の符号化部505bの符号化方式の方が、第1の符号化部505aの符号化方式よりも情報圧縮率が高いものであるとしたが、別に、第1の符号化部505aと第2の符号化部505bとが同一の符号化方式に従う場合でも、第2の符号化部505bにおいて、映像の解像度や映像フレーム数を減少させる(たとえば、通常の映像フレーム数が30であった場合、映像フレーム数を15とする)ことで、信号Yi−Nの情報量を信号Xiの情報量より少なくすることができる。なお、ここでいう映像フレームとは、原信号を構成するフレームとは異なる概念であり、テレビ画面上で1秒間に30回静止画が更新されるように、画面上に表示するための1枚の静止画のことである。
また、たとえば、原信号Viが音声信号であって、かつ選択部503で予備信号Wiとして音声パケット信号を選択する場合、第1の符号化部505aが原信号Viに含まれる音声パケット信号を高音質・多チャンネル品質の符号に変換し、第2の符号化部505bが信号Wiを単一チャネル・低品質(電話音声品質等)の符号に変換するようにしても、信号Yi−Nの情報量を信号Xiの情報量より少なくすることができる。なお、このような場合、たとえば、信号Wiが映像パケット信号と音声パケット信号とからなり、選択部503で音声パケット信号だけを選択すれば、音声パケット信号を同一品質の符号に変換したとしても、信号Xiと比較して信号Yiの情報量は、少なくなる。これは、もともと、映像信号に比べて、音声信号に必要とされる情報量が小さいからである。
なお、原信号Viと信号Wiとの入れ替えを行う場合、入れ替えたい信号が映像信号であれば、選択部515は、映像フレーム単位で信号の置き換えてもよい。すなわち、選択部515は、うまく受信できなかった映像フレームを予備信号によって作成される映像フレームに置き換えるようにしてもよい。
また、入れ替えたい信号が音声信号であれば、選択部515は、音声信号をアナログの電気信号に変換する直前のデジタル値波形信号の時点で、遅延原信号と遅延予備信号とを置き換えるようにしてもよい。
なお、信号Vが多チャンネル音声信号である場合、選択部503は、信号Wとして、モノラル音声信号を選択し、選択部515は、信号Vの全てのチャンネルの信号を信号Wのモノラル音声信号に置き換えるか、少なくとも一つのチャンネルだけ置き換え、その他のチャンネルは無音としてもよい。
なお、信号Wが音声信号の場合、選択部515は、第2の符号化部512bからの品質情報を用いなくても良い場合がある。これは、一般に信号誤りが発生した期間の音声信号は、信号時に無音とされるため、選択部515が、信号Vと信号Wとの無音期間を検出することで、品質の善し悪しを検出することができるからである。すなわち、選択部515は、信号Vが無音となった期間において、信号Wは無音でないならば、信号Wは正常に受信できたとみなして、信号の置き換えを行う。
なお、選択部515は、選択する信号を、その時々の重要度に応じて、時間的に変化させてもよい。図18は、選択する信号を時間的に変化させる場合の選択部515の動作を示すフローチャートである。ここで、原信号は、映像信号、音声信号およびデータ信号からなるものとする。図18に示すように、選択部515は、コマーシャル期間か否かを判断して(ステップS20)、コマーシャル期間である場合、原信号から映像信号と音声信号とを選択して(ステップS21)、出力する(ステップS22)。一方、コマーシャル期間でない場合、選択部515は、音声信号のみを選択して(ステップS23)、出力する(ステップS24)。選択部515をこのように動作させることで、遅延時間を与え再送する信号の種類を時間的に変化させることができ、重要な時間帯には、必要な信号を送信するように切り替えることが可能となる。なお、ここでは、重要な時間帯として、コマーシャル期間と用いたが、その他、ニュース放送期間等を用いるようにしてもよい。
(第6の実施形態)
第1〜第5の実施形態では、送信装置において、原信号を符号化することとしたが、第6の実施形態では、原信号として、既に符号化されている信号を用いる。
図19(a)は、第6の実施形態に係る送信装置3に入力される符号化済みの原信号Fiを示す模式図である。図19(b)は、第6の実施形態に係る送信装置3の構成を示すブロック図である。図19(a)に示すように、原信号Fiは、フレーム単位で構成される。例えば、原信号Fiには、映像信号、音声信号およびデータ信号が含まれているものとする。
図19(b)において、送信装置3は、入力部601と、分岐部602と、選択部603と、符号化部605と、遅延部604と、再多重化部606と、送信部607と、アンテナ608とを含む。
入力部601は、信号源2からの符号化済みの原信号Fiを受信し、送信装置3内部に入力する。分岐部602は、入力部601からの原信号Fiを二分岐させ、再多重化部606および選択部603に入力する。
選択部603は、原信号Fiの中から音声信号に相当する信号だけを選択する。たとえば、原信号FiがMPEG−2のような情報圧縮方式により符号化された信号である場合、原信号Fiは、フレーム単位で構成される。さらに、各フレームは、複数のパケットから構成される。各パケットには、復号時に信号の種類を判別するためのIDが記録されている。選択部603は、このIDを判別することで、原信号Fiから音声信号だけを選択することができる。選択部603は、選択した信号を信号Giとして、符号化部605に入力する。
符号化部605は、選択部603で選択した信号Giの情報量を削減するために再び符号化を行う。たとえば、符号化部605は、信号Giが多チャンネルの音声品質である場合、モノラル音声品質の音声信号に再符号化したり、原信号を構成する音声信号がコンパクトディスク程度の高品質である場合、情報量を削減した信号を電話品質の音声信号とする。なお、映像信号、音声信号およびデータ信号からなる原信号Fiの情報量と比べて、音声信号の情報量はもともと少ないため、符号化部605を省略してもよい。
遅延部604は、符号化部605が出力する符号化後の予備信号Hiにフレーム単位でNフレーム分の遅延を加え、遅延予備信号Hi−Nを再多重化部606に入力する。遅延部604における遅延フレーム数Nおよび遅延時間Tについては、第1の実施形態と同様であるので省略する。
再多重化部606では、原信号Fiと遅延予備信号Hi−Nとを多重化して出力する。再多重化部606は、多重化の際、受信側で同期再生を行うための時間情報や、信号を識別するための識別情報(ID:原信号Fiに付加されていたIDとは異なるものである)、その他の制御信号を付加する。送信部607は、再多重化部606で得られた信号を送信するために変調を行う。アンテナ608は、送信部607で変調して得られた電気信号を電波に変換して放射する。
第6の実施形態における受信装置の構成については、第5の実施形態における受信装置と同様であるので、図15を援用し、説明を省略する。
このように、第6の実施形態に係る送信装置3は、予め符号化されている原信号Fiと、当該原信号Fiの情報量を削減した信号であって、かつ当該原信号Fiよりも時間をNフレーム分遅延させた予備信号Hi−Nとを多重化して送信する。
一方、受信装置側では、当該多重化信号を受信して、原信号Fiと予備信号とに分離した後、原信号FiをNフレーム分遅延させることにより、原信号と予備信号との時間的なずれを解消する。そして、原信号Fiの品質を判定して、品質が基準を満たしていれば当該原信号Fiを処理し、満たしていなければ予備信号を処理して映像および音声を再生することとなる。
これにより、受信信号の品質が低下して発生する障害(例えば、信号が映像信号や音声信号の場合、映像の乱れや音声の途切れ)を減らすことが可能となる。しかも、予備信号の情報量は、原信号よりも少ないので、原信号を単に二回送信する場合と比べて、伝送情報量の増加を低減することが可能となる。
なお、第6の実施形態においても、第5の実施形態と同様、図18を用いて説明したように、選択する信号を時間的に変化させるようにしてもよい。
なお、上記第5,第6の実施形態では、送信装置において、予備信号を遅延して多重化することとしたが、原信号を遅延した多重送信するようにしてもよい。この場合の送信装置および受信装置の構成については、第2の実施形態の場合と同様、送信装置においては、原信号を遅延させる遅延部を設け、受信装置においては、予備信号を遅延させる遅延部を設ければよい。
すなわち、送信装置は、送信しようとする原信号を二分岐して出力する分岐部と、分岐部から出力される一方の原信号に遅延を加えて、遅延原信号として出力する遅延部と、分岐部から出力される他方の原信号に含まれる信号の一部を選択し、予備信号として出力する選択部と、遅延部から出力される遅延原信号と前記選択部から出力される予備信号とを多重化して出力する多重化部と、多重化部から出力される多重化信号を送信する送信部とを含む。受信装置は、送信装置から送信された多重化信号を受信する受信部と、受信部が受信した多重化信号を遅延原信号と予備信号とに分離して出力する分離部と、分離部が分離した予備信号に遅延を加えて出力する遅延部と、第2の遅延部からの遅延予備信号または分離部からの遅延原信号のいずれかを、受信品質に応じて選択する第2の選択部と、第2の選択部が選択した方の遅延信号を処理する処理部とを含むようにすればよい。
また、この場合、送信装置は、さらに、遅延部から出力される遅延原信号を符号化して、多重化部に入力する第1の符号化部と、選択部から出力される予備信号を符号化して、多重化部に入力する第2の符号化部とを含むようにし、受信装置は、さらに、分離部から出力される遅延原信号を復号化して、受信品質を示す情報と共に、選択部に入力する第1の復号化部と、第2の遅延部から出力される遅延予備信号を復号化して、受信品質を示す情報と共に、選択部に入力する第2の復号化部とを含むようにしてもよい。
なお、上記第1〜第6の実施形態において、情報量を削減した予備信号を送信するための帯域は、原信号の帯域と異なる帯域であってもよい。現在の地上デジタル放送では、階層伝送という方式により、同一帯域であっても、変調方式や誤り訂正符号化率を変えることによって誤り耐性を強くさせている。この現在の地上デジタル放送に対して、原信号と予備信号との帯域を異なるものとする本発明を応用する。すなわち、送信装置は、情報量を落とし送信時間差を与えた予備信号を、別の階層(変調方式や誤り訂正符号化率が強い階層)で送信する。これにより、本発明の効果をさらに高めることが可能となる。
なお、上記第1〜第6の実施形態では、送信装置3において信号を符号化し、受信装置4において、符号化された信号を復号化しているが、伝送情報量を減らす必要がなければ、符号化および復号化を省略してもよい(すなわち、送信装置3から符号化部105,205,305,405,505a,505b,605が、受信装置4から復号化部112,212,312,412,512a,512bが省略される)。
また、上記第1〜第6の実施形態では、信号が電波に変換されて送受信装置(3,4)間を無線伝送されているが、電話回線や光ファイバ網を通じて有線伝送されてもよい。また、原信号は無線伝送し、予備信号だけを有線伝送してもよい。
また、上記第1〜第6の実施形態では、外部の信号源2から信号が送信装置3へと供給されているが、送信装置3が信号源2を備えていてもよい。
また、上記第1〜第6の実施形態では、受信装置4に備わる再生処理部116,216,316,416,516が信号を処理して映像および音声を再生しているが、受信装置4の外部に再生装置が設けられてもよい。この場、再生処理部116,216,316,416,516は、信号を単に受信装置4の外部へと出力する処理だけを行う。
また、上記第1〜第6の実施形態では、原信号と予備信号とをN(Nは、1以上の自然数)フレーム分だけずらして送信しているが、フレーム以外の時間的な単位でずらしてもよい。この場合、初期動作開始時の待ち時間として視聴者が許す範囲で、両信号の時間的なずれを大きくすることにより、映像の乱れや音声のとぎれを防止する効果を高めることができる。原信号と予備信号との時間的なずれを大きくする場合、遅延部には、大容量の記憶媒体、例えばハードディスクや大容量半導体メモリなどが用いられる。
また、上記第1〜第6の実施形態における、信号の情報量を削減する方法についは、周波数帯域を狭めたり、チャンネル数を減らす等の方法でもよい。
また、上記第1〜第6の実施形態では、予備信号を1回だけ送信しているが、複数回送信するようにしてもよい。すなわち、例えば、原信号に対してNフレーム分ずれた第1の予備信号と、原信号に対してN+nフレーム分(nは自然数)ずれた第2の予備信号とを送信する。こうして予備信号の送信回数を増やせば、伝送情報量は増加するものの、映像の乱れや音声の途切れを防止できる可能性が高まる。
なお、上記第1〜第6の実施形態では、視聴者が許容できる程度の待ち時間であり、かつ移動体における受信状況が改善するのに必要な時間を遅延時間とし、たとえば、約5秒であるとした。ところが、何らかの事情で、放送すべき原信号の伝送レートを高くしなければならない場合、送信装置側および受信装置側の遅延部で使用するメモリが不足する場合があり、遅延処理ができない可能性が生ずる。そのため、原信号の伝送レートおよび受信装置側の遅延部におけるメモリ容量に応じて、送信装置側の遅延部は、遅延時間を早めたり遅らせたりして、遅延時間を可変させるようにしてもよい。たとえば、送信装置側の遅延部は、遅延時間を5秒としていたところを、2.5秒のように可変させる。この場合、送信装置側の多重化部は、原信号と予備信号との時間差を示す時間情報を付加して多重化する。受信装置側の遅延部は、当該時間情報に基づいて、原信号と予備信号との時間差を検出し、遅延時間を可変させながら、遅延原信号を出力する。このようにすることによって、何らかの事情で原信号の伝送レートを変更したとしても、遅延処理が可能な送信装置および受信装置を提供することができる。
なお、上記第1、第3、第5および第6の実施形態では、受信装置が常に遅延信号を再生することとしたが、ユーザの指示に応じて、遅延信号を再生せず、遅延されていない原信号を再生するようにしてもよい。具体的には、この場合、受信装置側の選択部は、ユーザの指示に応じて、現在受信中の遅延されていない原信号を読み込み、再生処理部に再生処理させるようにすればよい。これによって、ユーザの所望に応じたリアルタイム再生が可能となる。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明に係る送受信システムは、受信レベルの低下によって、突然、映像が乱れたり音声が途切れたり、最悪の場合には映像表示や音声出力が停止されるといったデジタル放送特有の問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施形態(第1〜第6の実施形態)に係るデジタル放送用送受信システムの全体構成を示すブロック図である。
図2は、図1の信号源2から第1の実施形態に係る送信装置3に入力される信号の一構成例を示す模式図である。
図3は、第1の実施形態に係る送信装置3の構成を示すブロック図である。
図4は、実際に500MHz帯域の地上デジタル放送波を時速約40Kmで移動する自動車に設置したアンテナで受信したときの受信信号のレベル変動の一例を示す図である。
図5は、第1の実施形態に係る受信装置4の構成を示すブロック図である。
図6は、二種類の符号化部を含む送信装置3の構成を示す図である。
図7は、音声信号だけを選択するようにした送信装置3の構成を示すブロック図である。
図8は、(a)は、図1の信号源2から第2の実施形態に係る送信装置3に入力される信号の一構成例を示す模式図であり、(b)は、第2の実施形態に係る送信装置3の構成を示すブロック図である。
図9は、第2の実施形態に係る受信装置4の構成を示すブロック図である。
図10は、(a)は、図1の信号源2から第3の実施形態に係る送信装置3に入力される信号の一構成例を示す模式図であり、(b)は、第3の実施形態に係る送信装置3の構成を示すブロック図である。
図11は、第3の実施形態に係る受信装置4の構成を示すブロック図である。
図12は、(a)は、図1の信号源2から第4の実施形態に係る送信装置3に入力される信号の一構成例を示す模式図であり、(b)は、第4の実施形態に係る送信装置3の構成を示すブロック図である。
図13は、第4の実施形態に係る受信装置4の構成を示すブロック図である。
図14は、(a)は、図1の信号源2から第5の実施形態に係る送信装置3に入力される信号の一構成例を示す模式図であり、(b)は、第5の実施形態に係る送信装置3の構成を示すブロック図である。
図15は、第5の実施形態に係る受信装置4の構成を示すブロック図である。
図16は、選択部515の動作例を示す模式図である。
図17は、1フレーム期間における選択部515の動作を示すフローチャートである。
図18は、選択する信号を時間的に変化させる場合の選択部515の動作を示すフローチャートである。
図19は、第6の実施形態に係る送信装置3に入力される符号化済みの原信号Fiを示す模式図である。
Claims (40)
- デジタル放送に用いられ、信号を送受信するためのシステムであって、
信号を送信する送信装置と、
前記送信装置が送信した信号を受信して処理する受信装置とを備え、
前記送信装置は、送信しようとする原信号と、当該原信号の情報量を削減した信号であって、かつ当該原信号を時間的にずれさせた予備信号とを多重化して送信し、
前記受信装置は、
前記多重化信号を受信して原信号と予備信号とに分離し、
当該原信号と当該予備信号との時間的なずれを打ち消し、
当該原信号の品質に応じて当該原信号または当該予備信号を選択し、
選択した方の信号を処理することを特徴とする、送受信システム。 - 前記送信装置は、
送信しようとする原信号を二分岐する分岐部と、
前記分岐部から出力される一方の原信号が与えられ、当該原信号の情報量を削減する情報量削減部と、
前記情報量削減部が原信号の情報量を削減して得られた予備信号が与えられ、当該予備信号に遅延を加える第1の遅延部と、
前記分岐部から出力される他方の原信号と、前記第1の遅延部が予備信号に遅延を加えて得られた遅延予備信号とが与えられ、当該原信号と、当該遅延予備信号とを多重化する多重化部と、
前記多重化部が原信号と遅延予備信号とを多重化して得られた多重化信号を送信する送信部とを含み、
前記受信装置は、
前記送信部から送信された多重化信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した多重化信号を原信号と遅延予備信号とに分離する分離部と、
前記分離部が分離して得られた原信号が与えられ、当該原信号に遅延を加える第2の遅延部と、
前記第2の遅延部が原信号に遅延を加えて得られた遅延原信号が与えられ、当該遅延原信号の品質が基準値以上であるか否かを判定する判定部と、
前記分離部が分離して得られた遅延予備信号と、前記判定部による品質判定を受けた遅延原信号と、当該判定の結果とが与えられ、当該判定結果に応じて、当該遅延原信号および当該遅延予備信号のいずれかを選択する選択部と、
前記選択部が選択した方の遅延信号を処理する処理部とを含む、請求項1に記載の送受信システム。 - 前記送信装置は、
前記分岐部から出力される他方の原信号と、前記第1の遅延部が予備信号に遅延を加えて得られた遅延予備信号とを符号化して前記多重化部に与える符号化部をさらに含み、
前記受信装置は、
前記分離部が分離して得られた、符号化された原信号と、符号化された遅延予備信号とを復号化して、当該原信号を前記第2の遅延部に、当該遅延予備信号を前記選択部に与える復号化部をさらに含む、請求項2に記載の送受信システム。 - 前記情報量削減部は、前記符号化部が前記遅延予備信号を前記原信号よりも圧縮して符号化することによって実現される、請求項3に記載の送受信システム。
- 送信しようとする原信号が映像信号および/または音声信号であり、
前記基準値は、前記処理部が遅延原信号を処理して得られる映像および/または音声に障害が発生し始める直前の信号品質と対応するような値である、請求項2に記載の送受信システム。 - 前記第1の遅延部および前記第2の遅延部は、送信すべき原信号の伝送レートに応じて、遅延量を変化させることと特徴とする、請求項2に記載の送受信システム。
- 前記選択部は、ユーザの指示に応じて、前記分離部が出力する原信号を選択することを特徴とする、請求項2に記載の送受信システム。
- 前記送信装置は、
送信しようとする原信号を二分岐する分岐部と、
前記分岐部から出力される一方の原信号が与えられ、当該原信号の情報量を削減する情報量削減部と、
前記分岐部から出力される他方の原信号が与えられ、当該原信号に遅延を加える第1の遅延部と、
前記情報量削減部が原信号の情報量を削減して得られた予備信号と、前記第1の遅延部が原信号に遅延を加えて得られた遅延原信号とが与えられ、当該遅延原信号と、当該予備信号とを多重化する多重化部と、
前記多重化部が遅延原信号と予備信号とを多重化して得られた多重化信号を送信する送信部とを含み、
前記受信装置は、
前記送信部から送信された多重化信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した多重化信号を、遅延原信号と予備信号とに分離する分離部と、
前記分離部が分離して得られた予備信号が与えられ、当該予備信号に遅延を加える第2の遅延部と、
前記分離部が分離して得られた遅延原信号が与えられ、当該遅延原信号の品質が基準値以上であるか否かを判定する判定部と、
前記第2の遅延部が予備信号に遅延を加えて得られた遅延予備信号と、前記判定部による品質判定を受けた遅延原信号と、当該判定の結果とが与えられ、当該判定結果に応じて、当該遅延原信号または当該遅延予備信号を選択する選択部と、
前記選択部が選択した方の遅延信号を処理する処理部とを含む、請求項1に記載の送受信システム。 - 前記送信装置は、
前記情報量削減部が原信号の情報量を削減して得られた予備信号と、前記第1の遅延部が原信号に遅延を加えて得られた遅延原信号とを符号化して前記多重化部に与える符号化部をさらに含み、
前記受信装置は、
前記分離部が分離して得られた、符号化された遅延原信号と、符号化された予備信号とを復号化して、当該遅延原信号を前記判定部に、当該予備信号を前記第2の遅延部に与える復号化部をさらに含む、請求項8に記載の送受信システム。 - 前記情報量削減部は、前記符号化部が前記遅延予備信号を前記原信号よりも圧縮して符号化することによって実現される、請求項9に記載の送受信システム。
- 送信しようとする原信号が映像信号および/または音声信号であり、
前記基準値は、前記処理部が遅延原信号を処理して得られる映像および/または音声に障害が発生し始める直前の信号品質と対応するような値である、請求項8に記載の送受信システム。 - 前記第1の遅延部および前記第2の遅延部は、送信すべき原信号の伝送レートに応じて、遅延量を変化させることと特徴とする、請求項8に記載の送受信システム。
- 送信しようとする原信号には、複数の情報を示す複数の信号が含まれており、
前記送信装置は、
送信しようとする原信号を二分岐して出力する分岐部と、
前記分岐部から出力される一方の原信号に含まれる信号の一部を選択して、予備信号として出力する第1の選択部と、
前記第1の選択部から出力される予備信号に遅延を加えて、遅延予備信号として出力する第1の遅延部と、
前記分岐部から出力される他方の原信号と、前記第1の遅延部から出力される遅延予備信号とを多重化して出力する多重化部と、
前記多重化部から出力される多重化信号を送信する送信部とを含み、
前記受信装置は、
前記送信部から送信された多重化信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した多重化信号を原信号と遅延予備信号とに分離して出力する分離部と、
前記分離部が分離した原信号に遅延を加えて、遅延原信号として出力する第2の遅延部と、
前記第2の遅延部からの遅延原信号または前記分離部からの遅延予備信号のいずれかを、受信品質に応じて選択する第2の選択部と、
前記第2の選択部が選択した方の遅延信号を処理する処理部とを含む、請求項1に記載の送受信システム。 - 前記送信装置は、さらに、
前記分岐部から出力される原信号を符号化して、前記多重化部に入力する第1の符号化部と、
前記第1の遅延部から出力される予備信号を符号化して、前記多重化部に入力する第2の符号化部とを含み、
前記受信装置は、さらに、
前記第2の遅延部から出力される遅延原信号を復号化して、受信品質を示す情報と共に、前記第2の選択部に入力する第1の復号化部と、
前記分離部から出力される遅延予備信号を復号化して、受信品質を示す情報と共に、前記第2の選択部に入力する第2の復号化部とを含む、請求項13に記載の送受信システム。 - 前記第1の選択部は、選択すべき信号を時間に応じて変えていくことを特徴とする、請求項13に記載の送受信システム。
- 前記第1の遅延部および前記第2の遅延部は、送信すべき原信号の伝送レートに応じて、遅延量を変化させることと特徴とする、請求項13に記載の送受信システム。
- 前記選択部は、ユーザの指示に応じて、前記分離部が出力する原信号を選択することを特徴とする、請求項13に記載の送受信システム。
- 送信しようとする原信号には、複数の情報を示す複数の信号が含まれており、
前記送信装置は、
送信しようとする原信号を二分岐して出力する分岐部と、
前記分岐部から出力される一方の原信号に遅延を加えて、遅延原信号として出力する第1の遅延部と、
前記分岐部から出力される他方の原信号に含まれる信号の一部を選択し、予備信号として出力する第1の選択部と、
前記第1の遅延部から出力される遅延原信号と、前記選択部から出力される予備信号とを多重化して出力する多重化部と、
前記多重化部から出力される多重化信号を送信する送信部とを含み、
前記受信装置は、
前記送信部から送信された多重化信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した多重化信号を遅延原信号と予備信号とに分離して出力する分離部と、
前記分離部が分離した予備信号に遅延を加えて出力する第2の遅延部と、
前記第2の遅延部からの遅延予備信号または前記分離部からの遅延原信号のいずれかを、受信品質に応じて選択する第2の選択部と、
前記第2の選択部が選択した方の遅延信号を処理する処理部とを含む、請求項1に記載の送受信システム。 - 前記送信装置は、さらに、
前記第1の遅延部から出力される遅延原信号を符号化して、前記多重化部に入力する第1の符号化部と、
前記第1の選択部から出力される予備信号を符号化して、前記多重化部に入力する第2の符号化部とを含み、
前記受信装置は、さらに、
前記分離部から出力される遅延原信号を復号化して、受信品質を示す情報と共に、前記第2の選択部に入力する第1の復号化部と、
前記第2の遅延部から出力される遅延予備信号を復号化して、受信品質を示す情報と共に、前記第2の選択部に入力する第2の復号化部とを含む、請求項18に記載の送受信システム。 - 前記第1の選択部は、選択すべき信号を時間に応じて変えていくことを特徴とする、請求項18に記載の送受信システム。
- 前記第1の遅延部および前記第2の遅延部は、送信すべき原信号の伝送レートに応じて、遅延量を変化させることと特徴とする、請求項18に記載の送受信システム。
- 前記原信号は、符号化済みの信号であることを特徴とする、請求項1に記載の送受信システム。
- 前記受信装置は、移動体に備え付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の送受信システム。
- デジタル放送に用いられ、映像信号および音声信号を送受信するためのシステムであって、
映像信号および音声信号を送信する送信装置と、
前記送信装置が送信した映像信号および音声信号を受信する受信装置とを備え、
前記送信装置は、送信しようとする映像信号および原音声信号と、当該原音声信号の情報量を削減した信号であって、かつ当該原音声信号を時間的にずれさせた予備音声信号とを多重化して送信し、
前記受信装置は、
前記多重化信号を受信して、映像信号および原音声信号と、予備音声信号とに分離し、
当該映像信号および当該原音声信号と、当該予備信号との時間的なずれを打ち消し、
当該原音声信号の品質に応じて当該原音声信号または当該予備音声信号を選択し、
当該映像信号と、選択した方の音声信号とを処理することを特徴とする、送受信システム。 - 前記送信装置は、
送信しようとする原音声信号を二分岐する分岐部と、
前記分岐部から出力される一方の原音声信号が与えられ、当該原音声信号の情報量を削減する情報量削減部と、
前記情報量削減部が原音声信号の情報量を削減して得られた予備音声信号が与えられ、当該予備音声信号に遅延を加える第1の遅延部と、
送信しようとする映像信号と、前記分岐部から出力される他方の原音声信号と、前記第1の遅延部が予備音声信号に遅延を加えて得られた遅延予備音声信号とが与えられ、当該映像信号と、当該原音声信号と、当該遅延予備音声信号とを多重化する多重化部と、
前記多重化部が映像信号と原音声信号と遅延予備音声信号とを多重化して得られた多重化信号を送信する送信部とを含み、
前記受信装置は、
前記送信部から送信された多重化信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した多重化信号を、映像信号と原音声信号と遅延予備音声信号とに分離する分離部と、
前記分離部が分離して得られた映像信号および原音声信号が与えられ、当該映像信号および当該原音声信号に遅延を加える第2の遅延部と、
前記第2の遅延部が原音声信号に遅延を加えて得られた遅延原音声信号が与えられ、当該遅延原音声信号の品質が基準値以上であるか否かを判定する判定部と、
前記分離部が分離して得られた遅延予備音声信号と、前記判定部による品質判定を受けた遅延原音声信号と、当該判定の結果とが与えられ、当該判定結果に応じて、当該遅延原音声信号または当該遅延予備音声信号を選択する選択部と、
前記第2の遅延部が映像信号に遅延を加えて得られた遅延映像信号と、前記選択部が選択した方の遅延音声信号とを処理する処理部とを含む、請求項24に記載の送受信システム。 - 前記送信装置は、
送信しようとする映像信号と、前記分岐部から出力される他方の原音声信号と、前記第1の遅延部が予備音声信号に遅延を加えて得られた遅延予備音声信号とを符号化して前記多重化部に与える符号化部をさらに含み、
前記受信装置は、
前記分離部が分離して得られた、符号化された映像信号と、符号化された原音声信号と、符号化された遅延予備音声信号とを復号化して、当該映像信号および当該原音声信号を前記第2の遅延部に、当該遅延予備音声信号を前記選択部に与える復号化部をさらに含む、請求項25に記載の送受信システム。 - 前記情報量削減部は、前記符号化部が前記遅延予備音声信号を前記原音声信号よりも圧縮して符号化することによって実現される、請求項26に記載の送受信システム。
- 前記基準値は、前記処理部が遅延原音声信号を処理して得られる音声に障害が発生し始める直前の信号品質と対応するような値である、請求項25に記載の送受信システム。
- 前記第1の遅延部および前記第2の遅延部は、送信すべき映像信号および音声信号の伝送レートに応じて、遅延量を変化させることと特徴とする、請求項25に記載の送受信システム。
- 前記選択部は、ユーザの指示に応じて、前記分離部が出力する原音声信号を選択することを特徴とする、請求項25に記載の送受信システム。
- 前記送信装置は、
送信しようとする原音声信号を二分岐する分岐部と、
前記分岐部から出力される一方の原音声信号が与えられ、当該原音声信号の情報量を削減する情報量削減部と、
送信しようとする映像信号と、前記分岐部から出力される他方の原音声信号とが与えられ、当該映像信号および当該原音声信号に遅延を加える第1の遅延部と、
前記第1の遅延部が映像信号に遅延を加えて得られた遅延映像信号と、前記第1の遅延部が原音声信号に遅延を加えて得られた遅延原音声信号と、前記情報量削減部が原音声信号の情報量を削減して得られた予備音声信号とが与えられ、当該遅延映像信号と、当該遅延原音声信号と、当該予備音声信号とを多重化する多重化部と、
前記多重化部が遅延映像信号と遅延原音声信号と予備音声信号とを多重化して得られた多重化信号を送信する送信部とを含み、
前記受信装置は、
前記送信部から送信された多重化信号を受信する受信部と、
受信部が受信した多重化信号を、遅延映像信号と遅延原音声信号と予備音声信号とに分離する分離部と、
前記分離部が分離して得られた予備音声信号が与えられ、当該予備音声信号に遅延を加える第2の遅延部と、
前記分離部が分離して得られた遅延原音声信号が与えられ、当該遅延原音声信号の品質が基準値以上であるか否かを判定する判定部と、
前記第2の遅延部が予備音声信号に遅延を加えて得られた遅延予備音声信号と、前記判定部による品質判定を受けた遅延原音声信号と、当該判定の結果とが与えられ、当該判定結果に応じて、当該遅延原音声信号または当該遅延予備音声信号を選択する選択部と、
前記分離部が分離して得られた遅延映像信号と、前記選択部が選択した方の遅延音声信号とを処理する処理部とを含む、請求項24に記載の送受信システム。 - 前記送信装置は、
前記第1の遅延部が映像信号に遅延を加えて得られた遅延映像信号と、前記第1の遅延部が原音声信号に遅延を加えて得られた遅延原音声信号と、前記情報量削減部が原音声信号の情報量を削減して得られた予備音声信号とを符号化して前記多重化部に与える符号化部をさらに含み、
前記受信装置は、
前記分離部が分離して得られた、符号化された遅延映像信号と、符号化された遅延原音声信号と、符号化された予備音声信号とを復号化して、当該映像信号を前記処理部に、当該遅延原音声信号を前記判定部に、当該予備音声信号を前記第2の遅延部に与える復号化部とさらに含む、請求項31に記載の送受信システム。 - 前記情報量削減部は、前記符号化部が前記遅延予備音声信号を前記原音声信号よりも圧縮して符号化することによって実現される、請求項32に記載の送受信システム。
- 前記基準値は、前記処理部が遅延原音声信号を処理して得られる音声に障害が発生し始める直前の信号品質と対応するような値である、請求項31に記載の送受信システム。
- 前記第1の遅延部および前記第2の遅延部は、送信すべき映像信号および音声信号の伝送レートに応じて、遅延量を変化させることと特徴とする、請求項31に記載の送受信システム。
- 前記受信装置は、移動体に備え付けられていることを特徴とする、請求項24に記載の送受信システム。
- デジタル放送に用いられ、信号を送信するための送信装置であって、
送信しようとする原信号の情報量を削減して予備信号として出力する情報量削減手段と、
前記原信号と前記予備信号とを時間的にずらす時間ずらし手段と、
前記時間ずらし手段によって時間的にずらされた前記原信号と前記予備信号とを多重化して送信する多重化送信手段とを含む、送信装置。 - デジタル放送に用いられ、本来再生するための原信号と前記原信号の受信状況に応じて再生するための予備信号との多重化信号を受信するための受信装置であって、
前記多重化信号を受信して前記原信号と前記予備信号とに分離する分離手段と、
前記分離手段によって分離された原信号と予備信号との時間的なずれを打ち消す時間打ち消し手段と、
前記原信号の品質に応じて、前記時間打ち消し手段によって時間的なずれが打ち消された原信号または予備信号を選択する選択手段と、
前記選択手段が選択した方の信号を処理する処理手段とを含む、受信装置。 - デジタル放送に用いられ、映像信号および音声信号を送信するための送信装置であって、
送信しようとする原音声信号の情報量を削減して予備音声信号として出力する情報量削減手段と、
送信しようとする映像信号および原音声信号と、前記予備音声信号とを時間的にずらす時間ずらし手段と、
前記時間ずらし手段によって時間的にずらされた前記映像信号と前記原音声信号と前記予備音声信号とを多重化して送信する多重化送信手段とを含む、送信装置。 - デジタル放送に用いられ、本来再生するための映像信号および原音声信号と前記原音声信号の受信状況に応じて再生するための予備音声信号との多重化信号を受信するための受信装置であって、
前記多重化信号を受信して前記映像信号および前記原音声信号と、前記予備音声信号とに分離する分離手段と、
前記分離手段によって分離された映像信号および原音声信号と、予備信号との時間的なずれを打ち消す時間打ち消し手段と、
前記原音声信号の品質に応じて、前記時間打ち消し手段によって時間的なずれが打ち消された原音声信号または予備音声信号を選択する選択手段と、
前記映像信号と、前記選択手段が選択した方の音声信号とを処理する処理手段とを含む、受信装置。
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