JPWO2003028299A1 - 鉄道車両の情報伝達装置 - Google Patents
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Abstract
鉄道車両などのように複数の車両が分離と接続が繰返し行われ、車両の床下にインバータなどのノイズ発生機器が取付けられる。車両のデータ通信はネットワークで行われる。車両間は搬送波信号をデータ信号(ベースバンド信号)で変調した変調波信号によってデータ通信を行うようにする。変調波信号はノイズ周波数に対して極めて高い周波数にできるので、車両間のデータ伝送をノイズの影響を受けることなく行える。
Description
技術分野
本発明は、車両間の連結と分離が行われる鉄道車両間の情報伝達をノイズの影響を受けることなく高速大容量伝送が精度良く行えるようにした鉄道車両の情報伝達装置に関する。
背景技術
鉄道車両においては、運用の無駄を排除することを目的として、一列車当たりの車両数が乗客数に応じて調整される。そのため、車両の分離と連結は頻繁に行われる。また、車両の定期検査の時にも、一両単位に切り離して整備するために分離と連結が行われる。このような運用形態に対応するため、車両の前後には、機械的な連結装置以外に、各車両間の情報伝送のために接続装置(信号接続装置)や空気接続装置も設置されている。
信号接続装置としては主にピンとコネクタで接続するものが用いられているが、切り離し後に長時間外気に晒されるために接続端子表面が酸化して酸化膜が発生する。酸化膜は絶縁物であることから、車両を再び連結したときに接続端子間の電気的な接続を阻害する。このため、接続不良が発生し、鉄道運用上の大きな阻害原因となっている。
また、最近の鉄道車両は駆動装置、電源装置、空調設備などはインバータ化されて数Hzから数十MHzのノイズを発生している。インバータ化されたノイズ発生源の機器は、通常、車両の床下に取付けられている。
鉄道車両は制御信号(保守信号を含む)やサービス信号(メディア信号)などのデータ通信をネットワークを用いて行っている。データ通信装置は、車両内においては金属で作られている車体のシールド効果によって通信エラーが発生しにくくなっている。しかし、車両間は、連結器や各配線で接続されているだけであることからシールド効果が小さくなる。そのため、車両のデータ通信装置間を接続する配線にノイズが印加されて、通信エラーが発生する。
なお、鉄道車両において制御信号(保守信号を含む)やサービス信号(メディア信号)などのデータ通信をネットワークで行うことは、雑誌「鉄道車両と技術」NO.58、第2頁〜第8頁に記載されている。
接続装置(信号接続装置)の接触不良を防止するには、10Vを超える大きな電圧を印加して酸化膜を電気的に破壊することが知られている。具体的には、車両接続の初期に10Vを越える高電圧を加え、その後は数Vの電圧で情報伝達したり、常時10Vを越える電圧で情報伝達をしている。また、接続端子の表面を金などの柔らかくて化学変化しにくい導電材料でメッキすることで、接触不良を防止することも広く行われている。
接続初期だけ10Vを越える高電圧を印加して、その後、数Vの低電圧で情報通信する方法は、初期の高電圧印加だけでは酸化膜の破壊が十分でなく、再び接触不良が発生する危険性がある。また、高電圧を発生する装置、低電圧の通信装置、およびこれらを切り替える装置が必要となり、構成が複雑になる。
一方、常時10Vを越える高電圧で伝送する方法は、出力段の能動素子の電力損失が増大する。また、電圧の振幅を大きくするほど高速な出力段のトランジスタが必要となることから、最近のシリアル通信のように10Mbpsを越える高速大容量の伝送を実現するのは困難である。
接続装置の接触不良を防止するは、接続装置にアンテナを設け、車両間を無線通信することが考えられる。鉄道車両のデータ通信は高速大容量化され、高速ブロードバンドネットワークを用いることが検討されている。データ信号の周波数は10〜100MHz程度であり、インバータ化されたノイズ発生源のノイズの影響を受けることになる。
本発明の目的は、車両間の連結と分離が行われる鉄道車両間の情報伝送をノイズの影響を受けることなく高速大容量伝送が精度良く行える鉄道車両の情報伝送装置を提供することにある。
発明の開示
本発明の特徴とするところは、搬送波をデータ信号(ベースバンド信号)で変調した変調波信号によって車両間のデータ通信を行うようにしたことにある。
変調波信号はノイズ周波数に対して極めて高い周波数にできるので、車両間のデータ伝送をノイズの影響を受けることなく行える。また、高周波の搬送波をベースバンド信号で変調した変調波信号で伝送すると、データ伝送に必要な帯域にバンドパスフィルタで周波数を制限でき電圧振幅が小さくても通信可能になる。したがって、鉄道車両間の情報伝送をノイズの影響を受けることなく高速大容量伝送(ブロードバンド通信)が精度良く行えるようになる。
発明を実施するための最良の形態
第1図〜第3図に本発明の一実施例を示す。第1図は本発明のネットワーク構成図、第2図は無線伝送装置の一例詳細ブロック図、第3図は信号接続装置の一例構成図である。
第1図において、1は鉄道車両の一車両内のネットワーク構成で、ネットワーク制御装置15と2台の無線伝送装置14(A、B)から構成される。ネットワーク制御装置15は制御信号(保守信号を含む)やサービス信号などのデータ伝送を制御するもので、ネットワークケーブル18(IEEE1394、Ethernetケーブルなど)を通して無線伝送装置14と接続される。連結された隣接車両とのネットワーク接続は無線伝送装置14を介して行われ、接続ケーブルには、高周波伝送特性に優れた同軸ケーブル17が使用される。
ネットワーク制御装置15と無線伝送装置14との接続にはEthernetケーブルなどを使用し、信号(データ)伝送にはベースバンド信号を使用する。車両間の無線伝送装置14の情報伝送には搬送波をベースバンド信号で変調した変調波信号を使用する。ベースバンド信号は、符号化方法にもよるが、0と1で情報を伝送する信号で、通常、直流から数百MHzの信号帯域成分を有する。一方、変調波信号は、搬送波信号をデータ信号で変調した変調波信号で、搬送波信号の周波数を選定することで、希望の周波数に変換できる。
鉄道車両では、車両を駆動する高電圧インバータ駆動装置や車両内の電源を供給する電源装置など、多くのインバータ装置が使用されているため、数10MHz以下の大きなノイズが存在する。そのため、ベースバンド伝送はこのノイズの影響を受け易くなる。
車両内では、車体が金属で作られているため、このシールド効果により比較的ノイズの影響を受けにくいが、車体間には車体のシールド効果が無く、ノイズの影響が大きくなる。そこで、車両間の伝送にはノイズ源よりも高い周波数にした変調波信号を使用する。車両内の配線には、比較的低価格に準備できるベースバンド伝送を使用する。
従来、車両間の伝送エラーを防止する目的で、10V前後の電圧振幅で伝送することが行われていたが、この場合10Mbpsを超える高速伝送を実現することは実用上困難である。これに対し、車両間の伝送に変調波伝送を使用することで、100Mbpsを超える、高速な車両のネットワークが実現できる。
第2図は無線伝送装置14の一例詳細構成を示し、ネットワーク制御装置15は、ルータ、集線装置(HUB)、サーバなどで構成される。無線伝送装置14のデータ伝送装置192はケーブル18を介してネットワーク制御装置15に接続されている。データ伝送装置192からのデータ信号は変調器193で変調され、周波数変換増幅器194で希望周波数に変換されると共に増幅される。
周波数変換増幅器194によって増幅された変調波信号は、バンドパスフィルタ195で不要な信号を取り除きサーキュレータ196へ送られる。サーキュレータ196は信号伝送に方向性を持ち、バンドパスフィルタ195を通過した変調波信号を同軸ケーブル17に送信し、同軸ケーブル17から受信した変調波信号をバンドパスフィルタ195に伝送せずの受信側のバンドパスフィルタ197に伝送する。
隣接車両から送信されてくる変調波信号は、サーキュレータ196を通り受信側のバンドパスフィルタ197へ送られ、通信に不要な信号が取り除かれる。バンドパスフィルタ197を通過した変調波信号は周波数変換増幅器198で復調しやすい周波数へ変換すると共に増幅され、復調器119で変調波信号からデータ信号が取り出される。
データ伝送装置192は、変調器193および復調器199とネットワーク制御装置15とのデータ橋渡し処理を行う。具体的には、ネートワーク制御装置15からのデータ信号がシリアル信号の場合はデータ抽出やクロックの再生を行い、変調器193へ送信する。同様に、復調器199からのデータ信号に対してもクロック再生などを実行し、ネットワーク処理装置15の通信方式に会わせた後に送信する。
なお、データ伝送装置192は、メモリを持ちデータを蓄えて処理しても良いが、データが車両の制御信号の場合には、遅延時間を短縮することが望まれる。具体的には、10μs以下にするのが望ましい。
サーキュレータ196は必ずしも必要でなく、混合器を使用することもできる。ただし、鉄道車両では、以下の理由によってサーキュレータ196を設けたほうが実用上から望ましい。
鉄道車両では、車両の分割、併合のために伝送路の接続部に電気接続装置が必要となる。同軸ケーブルのような均一な伝送路では問題にならないが、分割併合を必要とする電気接続装置は均一に作成することが難しく、インピーダンスの不整合が発生し、この部分で反射が発生する。反射した信号は送信側へと戻り、送信部の増幅回路の誤動作を発生させる。これを防止するために、サーキュレータ196が使用される。
なお、第2図は送信と受信を1本の同軸ケーブル17で伝送する場合を示したが、送信と受信を別な同軸ケーブルで行うようにすることもできる。その場合には、送信部にアイソレータを使用し、送信信号が戻るのを防止する。
次に、車両間の伝送に使用する周波数の設定について説明する。第1図に示すように、一車両の無線伝送装置Aは隣接する他の車両の無線伝送装置Bに接続されるので、無線伝送装置Aの出力信号(変調波信号)は無線伝送装置Bで受信され、無線伝送装置Bの出力信号(変調波信号)は無線伝送装置Aで受信されることになる。
搬送波信号を使用した伝送では信号の干渉を防止する必要性から、無線伝送装置14の送信と受信の搬送波周波数を分離し、受信側のバンドパスフィルタ197で自分が送信した信号を除去する必要がある。
また、車両を制御する制御信号(制御データ)を伝送する場合などは信頼性が要求されるので、ネットワークを2重系にするのが一般的である。2重系の場合、信号接続装置での信号の干渉を防止するため、1系と2系で異なる周波数を使用する必要がある。したがって、少なくとも4種類の周波数で伝送する必要があり、4種類の無線伝送装置14が必要となる。無線伝送装置14の種類を半減するために搬送波信号のの周波数を次のように設定する。
第4図は無線伝送装置14の種類を半減する搬送波信号の周波数割り当ての一例である。この場合、無線伝送装置AからBへの搬送波周波数を帯域1から選定し、1系をf11、2系をf12とする。また、無線伝送装置BからAへの搬送波周波数は帯域2から選定し、1系をf21、2系を22とする。
さらに、無線伝送装置Aにおける送信側のバンドパスフィルタ195の通過帯域を周波数帯域1、受信側のバンドパスフィルタ197の通過帯域を周波数帯域2とし、また、無線伝送装置Bにおける送信側のバンドパスフィルタ195の通過帯域は周波数帯域2、受信側のバンドパスフィルタ197のそれを周波数帯域1する。
このようにすれば、バンドパスフィルターの異なる2種の無線伝送装置で、2重系のネットワークが構成できる。
第3図は車両接続部の信号接続装置2の詳細な一例構成を示す。
ネットワーク制御装置15にはネットワークケーブル18を通して無線伝送装置14と駆動装置16が接続される。駆動装置16は装置全体を駆動するために使用する。なお、ネットワーク制御装置15と無線伝送装置14との接続はIEEE1394やEthernetが用いられ、ネットワーク制御装置15と駆動装置16との接続はCAN(Control Area Network)やDeviceNetなどのリアルタイム制御に適したネットワークが用いられる。
無線伝送装置14には、伝送線路17(一般的には同軸ケーブル)が接続され、また伝送線路17にはアンテナ11が接続される。さらに、アンテナ11は電気接続装置2を構成する他の車両のもう一つのアンテナ11と面して配置されている。他の車両のもう一つのアンテナ11は伝送線路17を介して無線伝送装置14に接続される。他の車両の無線伝送装置14もネットワークケーブル18でネットワーク制御装置15が接続されている。
信号接続装置2は電磁シールド構造に形成され、アンテナ11は金属などの導電性の材料からなる電磁シールド材12で電気的にシールドされる。アンテナ11はシールド材12で囲われている。電磁シールド材12とアンテナ11の間には電磁波の吸収材19が設けられると共に、アンテナ11はポリエチレンや空気などの絶縁物13で、電磁シールド材12および電磁波の吸収材19と絶縁されている。
無線伝送装置14は、高周波の搬送波(一般的には正弦波)をネットワーク制御装置15から送信されるベースバンド信号(データ信号)で変調して、変調波信号を伝送線路17へ送信する。変調方式としては、例えば符号の大小で搬送波の振幅を変化させるASK(Amplitude Shift Keying)変調、搬送波の位相を変化させるPSK(Phase Shift Keying)など多く方式があり、いずれの方式を用いることができる。
無線伝送装置14から送信された変調波信号はアンテナ11で放射され他方のアンテナ11で受信される。他方のアンテナ11で受信された変調波信号は他方の車両の無線伝送装置14で復調されベースバンド信号が取り出され、ネットワーク制御装置15に加えられる。
第3図の接続装置2は、外気に晒される車両間の信号接続をアンテナ11で構成し、アンテナ11へ変調は信号を伝送することで通信している。そのため車両間のネットワークを電気的に接続する必要がなく、接触不良の問題を回避できる。
車両間のネットワークには駆動装置16やブレーキなどの重要な情報(制御信号)が伝送される。このため、外部からの妨害電波などで通信が途絶えると、車両の運転停止など大きな問題となる。これを防止するために、アンテナ11の周辺を金属などの電磁シールド材12で囲う構造にしている。なお、隣接車両(前後車両)の電磁シールド材12は機械的に接触して電気的に接続されていてもノイズの影響を防止できる。
電磁シールド材12はアンテナ11から放射された電波が外部へ放射されるのを阻止するが、電波を反射する。一方のアンテナ11から放射された変調波は、直接に他方のアンテナ11へ向う直接波と、シールド材12の表面で反射した反射波とが他方のアンテナ11に受信される。他方のアンテナ11は直接波と反射波を受信することになり、アンテナ表面で電波の干渉が発生し、受信性能が著しく低下する。
電磁波の吸収材19はこれを防止するもので、アンテナ11とシールド材12の間に設置される。アンテナ11からシールド材12方向へ放射された電磁波は吸収剤19で吸収されるためシールド材12で反射しなくなる。そのため、他方のアンテナ11は直接波のみ受信することになり、直接波と反射波の干渉が無くなり受信性能の劣化を防止できる。
なお、電磁波の吸収材19は必ず必要なものではなく、アンテナ11、絶縁物13、およびシールド材12の幾何学的な構造を工夫し、両アンテナ11間に導波管のような電磁波の伝送路を形成しても直接波と反射波の干渉を防止できる。
また、接続装置2に使用するアンテナ11は小さい方が好ましく、アンテナ11を螺旋状に加工することなどにより小型化できる。ただし、アンテナ11の大きさは波長の1/10程度が限界である。
さらに、搬送波は少なくとも被搬送波(ベースバンド信号)の10倍程度であることが望ましい。現在、実用に供されているネットワークの転送速度は少なくとも、10MHz程度あり、100MHz以上の搬送波周波数を使用することがよい。これにより、アンテナ11の大きさは少なくとも30cm程度にできる。
また、一対のアンテナ11で双方向通信する場合は、時分割して双方向(A方向とB方向)の通信を実行する。A方向通信の場合は、図示左側の無線伝送装置14が送信装置、図示右側の無線伝送装置14が受信装置となる。また、B方向の時は図示左側が受信装置、図示右側が送信装置となる。このように時分割して双方向通信する方式を半二重通信と称している。
一対のアンテナでも常時双方向通信を行うことも可能である。これを全二重通信と称する。この場合、一本の伝送線路17にf1とf2の二つの周波数を多重することで実施する。例えば、周波数f1をA方向伝送、周波数f2をB方向通信に割り当てる。図示右側の無線伝送装置14では搬送波f1を変調して伝送線路17へ送信すると共に、伝送線路17からバンドパスフィルタ197で信号f2を取り出し復調する。図示右側の無線伝送装置14ではこの逆、つまり搬送波f2を変調して送信し、バンドパスフィルタ197でf1を取り出し復調する。
第5図に接続装置2の他の例を示す。
第5図に示す接続装置2は複数のアンテナ11を備えている。第5図(a)は二対のアンテナ11を備え、異なる周波数f1、f2で双方向通信する。例えば、周波数f1で図示の左から右へ、周波数f2で図示の右から左へ通信する。したがって、全二重通信が可能となる。
第5図(b)は多数のアンテナ11を接続装置2が備えている例である。異なる周波数f1〜fnで通信することにより、高速な双方向通信が達成できる。一般に、無線通信装置14の通信速度は有線通信に比べ遅くなる。したがって、無線通信がネットワーク全体の性能を低下させることが多くなる。ネットワークケーブル18を使用した有線通信の通信速度が半二重通信方式で100Mpbs、無線通信のアンテナ一対当たりの通信速度が半二重通信方式で10Mbps等の場合には、アンテナ11を10組設けることによって無線通信による性能低下を防止できる。
第6図は接続装置2の一例を示す構成図で、第6図(a)は外観図、(b)は接続部の断面図である。
一方の接続装置2Aは次のように構成されている。アンテナ11の周囲には絶縁物13を介して金属などからなる電磁シールド材12Aが配置され、アンテナ11から外界への電磁波の放射、外界電磁波の影響を防止する。なお、電磁シールド材12Aの内面には第3図に示した電磁波の吸収材19を設け屡こともできる。
一方の接続装置2Aを他方の接続装置2Bに挿着して電気的に接続するために、他方の接続装置2Bのシールド材12Bは、一方の接続装置2Aのシールド材12Aより直径が大きく構成されている。また、各接続装置2A、2Bのアンテナ11は、相対して向かい合うように配置されている。アンテナ11には伝送線路17が接続されるている。なお、伝送線17は無線伝送装置14に接続されている。
第6図のように複数のアンテナ11を一個の接続装置2A、2Bに形成することによって、複数の接続を同時に行うができる。
第7図は接続装置2の他の例を示す構成図である。第7図(a)は外観図、(b)は接続部の断面図である。
第7図は電気的接続をアンテナでなくピンで構成したものである。第7図は第6図のアンテナ11をピン型の接続端子22と23にしたものである。オス型の接続端子22はメス型の接続端子23の内部へ挿入されることで相互が電気的に接続される。各接続端子22、23は伝送線17によって無線伝送装置14に接続されている。この場合には、無線伝送装置14は有線の信号伝送装置が用いられる。
ピン型の接続端子22、23は相互を電気的に接続するために設けられている。鉄道車両は接続端子22と23を切り離して外気に長時間晒されると、ピン22、23の表面が酸化して接触不良を発生する。接触不良が発生した場合、両ピン22、23間の寄生容量を介して流れる電流だけとなり、電圧の振幅値が1/10から1/100に低下する。
ネットワーク制御装置15からのベースバンド信号を用いた伝送では、受信信号をある電位を基準としてそれより高電位か低電位かで判定して符号を復元する。そのため、受信信号が数分の1に低下しただけでデータの判別が不可能になる。これに対し、信号伝送装置14で変調した変調波信号で通信すると、通常、信号レベルが1/10000程度に減少しても通信できるようになる。
このようにして鉄道車両間のデータ通信を行うのであるが、搬送波をデータ周波数(ベースバンド信号)で変調した変調波信号によって車両間のデータ通信を行うようにしている。変調波信号はノイズ周波数に対して極めて高い周波数にできるので、車両間のデータ伝送をノイズの影響を受けることなく行える。また、高周波の搬送波をベースバンド信号で変調した変調波信号で伝送すると、データ伝送に必要な帯域にバンドパスフィルタで周波数を制限でき電圧振幅が小さくても通信可能になる。したがって、鉄道車両間の情報伝送をノイズの影響を受けることなく高速大容量伝送が精度良く行えるようになる。
次に、鉄道車両に使用される駆動装置は、数kVの電圧、数百A以上で駆動するため、車両間に大きな電位差が発生する。そのため、第7図に示すような電気的に接続された接続装置2を用いると、各車両の信号伝送装置(無線伝送装置14に相当する有線の信号伝送装置14)間に電流(直流電流)が流れ、信号伝送装置14の部品が破損する。
第8図にこのようなことを解決するための実施例を示す。なお、第8図は接続装置2をアンテナを用いた例を示している。
第8図に示すように、信号伝送装置14と接続装置2の間を分離する絶縁装置25を設け、直流分を遮断するようにしている。
第8図(b)、(c)に絶縁装置25の具体例を示す。絶縁装置25としてはトランスあるいはコンデンサが用いられる。27は増幅器である。
第8図(b)のトランスの場合、高周波信号はトランスで相互に伝送されるが、直流はトランスで阻止される。また、第8図(c)コンデンサの場合は、信号とグランドに共にコンデンサを追加することで、高周波のみが相互伝送され、直流はコンデンサによって阻止される。
なお、周波数がGHzを越えるような高周波伝送では、トランスやコンデンサは、ディスクリート部品でなく、パターン配線で基板上に作成したものが用いられる。
第9図、第10図に本発明を採用した鉄道車両のより具体的な構成を示す。
第9図は接続装置2が一組の場合であり、第10図は二組の場合を示している。なお、接続装置2はのアンテナが一対の例を記載しているが、第5図のように複数のアンテナが配置された接続装置2を用いることもできる。
第9図において、アンテナ51はブリッジ型無線伝送装置14Bに接続され、ブリッジ型無線伝送装置14Bはさらにネットワーク制御装置15へ接続されている。ネットワーク制御装置15は、無線伝送装置30と受信装置31からなるローカルネットワーク(LAN)58に接続されている。LAN58は、無線でネットワークが組まれている。なお、LAN58は画像情報やテキストデータの伝送が主目的に用いられるので情報LANと呼ぶことにする。
ネットワーク制御装置15は、駆動装置16と運転制御装置32が接続されている。また、ネットワーク制御装置15はリピータ型無線伝送装置14Rに接続され、リピータ型無線伝送装置14Rには電気接続装置2が接続されている。ここで、駆動装置16と運転制御装置32が接続されたLANでは、車両機器の制御データが伝送されることから、制御LAN59と呼ぶことにする。
第9図の図示左側を先行車両、右側を後続車両とする。後続車両のネットワーク構成は、先行車両と同じなので説明を省略する。また、実際の鉄道車両では、必要に両が応じ複数の車両が接続され、16両を越えることもある。
まず、ブリッジ型無線伝送装置14Bとリピータ型無線伝送装置14Rについて説明する。
ブリッジ型無線伝送装置14Bは、受信情報を解析して、送信する必要があるポートにだけデータを送信する機能を持っている。一方、リピータ型無線伝送装置14Rは、受信したデータを中継する装置で、入力端子からの受信データは波形成形されただけでそのまま出力端子から送信される。
したがって、ブリッジ型無線伝送装置14Bは、データをメモリに記録して解析する作業が必要となるため、入力したデータが出力されるまでには多くの時間がかかる。これに対してリピータ型無線伝送装置14Rは入力信号を波形成形してそのまま送信するので、入力端子と出力端子間の遅延時間が短くなる。
情報を解析してデータ送信の有無を判定する装置としてルータがある。ブリッジ型無線伝送装置14Bは各機器が接続されているポートを把握していて、データを送信すべき機器がつながっているボートにだけデータを送信する。これに対し、ルータはネットワークを把握していて、データを送信すべきネットワークにだけデータを送信する。
アンテナ51は列車と外部との通信に使用される。例えば駅のホームに設置された通信装置と通信することで、地上の情報を車両側へ、車両内の情報を地上側へ伝送できる。伝送する情報は、情報LAN58で使用する情報と制御LAN59で使用する情報に分類できる。情報LAN58で使用する情報には、映画などの画像情報、ニュース、乗客情報などがある。また、制御LAN59で使用する情報には、制御装置の温度や故障情報などの機器のメンテナンス情報がある。
アンテナ51を使用して地上と情報伝送することにより、車両内で画像情報やニュース情報を必要に応じて逐次切り替えることが可能となる。一方、地上側では、車両故障発生時などに車両の状況を受信することで、地上の専門家が状況を的確に把握することで、迅速な対策がとれるようになる。なお、地上側から伝送された画像情報などは、車両内に設置されたハードディスクなどに記録することも可能である。これにより車両と地上間の通信が常時できない環境でも、常時、乗客に画像情報サービスを提供することができる。
なお、第9図の場合でも、アンテナ51に接続される無線伝送装置14は、必ずしもブリッジ型無線伝送装置14Bでなく、伝送遅延が制御LAN59で必要な時間以内であるならばリピータ型無線伝送装置14Rを用いることもできる。また、ブリッジ型無線伝送装置14Bとネットワーク制御装置15を一体にて構成したものを用いることもできる。
第10図は、情報LAN58の情報を伝送する接続装置2と、制御LAN59の情報を伝送する接続装置2を分離した構成の例である。
アンテナ51はブリッジ型無線伝送装置14Bに接続される。ブリッジ型無線伝送装置14Bには、情報LAN58側のネットワーク制御装置15と、制御LAN59側のネットワーク制御装置15がそれぞれ独立して接続される。情報LAN58は接続装置2で後続列車の情報LAN58に接続され、また、制御LAN59は接続装置2を通して後続列車の制御LAN59に接続されている。先行列車と後続列車の情報LAN58を結ぶ無線伝送装置にはブリッジ型無線伝送装置14Bが用いられ、制御LAN59を接続する無線伝送装置にはリピータ型無線伝送装置14Rが使用されている。
情報LAN59で通信される情報は、車両間で時間遅れが発生しても問題とならない。また、総ての情報を後続列車に伝送する必要の無いことも多い。そのため、伝送遅延が大きくなるがデータ送信の有無を判定する機能を持つブリッジ型無線伝送装置14Bを用いることが望ましい。
制御LAN59は、複数の装置の協調を取る必要がある。具体的には、駆動装置16やブレーキ装置(図示せず)が接続されており、例えば車両を停止させる場合、駆動装置16とブレーキ装置で情報を相互に伝送して、駆動装置16で足りない制動力をブレーキ装置が補うなどの協調制御を行う。したがって、制御LAN59ではデータの伝送遅延を極力短くする必要がある。具体的には、列車全体で10ms以下にすることが望ましい。したがって、制御LAN59には伝送遅延が短いリピータ型無線伝送装置14Rを使用することがよい。
第11図は、情報LAN58の接続装置として開放型のアンテナ52と53を使用した例である。
先に説明したように情報LAN58では、データの伝送遅延が発生しても良い。開放型のアンテナの場合、外来電波の影響により通信不良が発生することがある。しかしこのような場合でも、データを再送することで喪失したデータを復活できる。
また、地上側装置と無線伝送するアンテナ51は、車両の車内または外側のどちらにも設置することができる。第9図、第10図は車内に設置した例で、例えば運転席のフロントガラスの上部に設置される。ガラスは電磁波を通過させるので、地上の通信の障害とならない。第11図のように車外に設置すると、ガラスなどの障害物が無くなるために通信距離を長くできるという効果がある。
第12図に駆動装置16の一例詳細構成図を示す。
第12図において、架線104から電力を供給された電力変換器100は、可変電圧、可変周波数制御した出力を誘導電動機103に供給する。ここでは図示しないが、誘導電動機103は車両(電気車)の車輪と機械的に連結されており、電力変換器100の出力に応じて車両を制御する。なお、駆動装置16は、誘導電動機103の定数や電流値から回転速度を推定して誘導電動機103を制御する、速度センサレス方式の構成示している。
制御装置101には、運転制御装置32から送られる運転パターン、電流検出器(CT)109で検出した各相出力電流、および電圧検出器(PT)110で検出したフィルタコンデンサ電圧ECFが入力される。制御装置101はこれらの情報をもとにフィードバック制御を行い、結果をゲート信号に変換して電力変換器100に出力することで、電気車を制御している。
ここで、フィルタリアクトル(FL)107、フィルタコンデンサ(FC)108、電力変換器100、制御装置101は車体の下側に設置されていることから、床下機器と呼ばれている。床下機器の制御装置101は、運転台に設置された運転制御装置32と接続する必要があるため、複雑な車体内を長距離にわたって配線する必要がある。
また、電力変換器100にはIGBT(Insulated Gate Bippolar Transistor)などの高速スイッチングスイッチング素子を使用しているため、大きなスイッチングノイズが発生することから、耐ノイズ性を高める必要がある。
駆動装置16の制御の処理周期は数百μsの高速を要求され、このため、電流検出器(CT)109で検出した各相出力電流、および電圧検出器(PT)110で検出したフィルタコンデンサ電圧ECFなどのフィードバック信号は高速に検出する必要がある。これに対して運転制御装置32からのパターン情報などは10ms程度の周期でよく、高速の応答を必要としない。
無線伝送は有線伝送に比べ、一般的に伝送速度が遅いが、配線を必要としない。運転制御装置32と制御装置101に無線送受信機105、106を接続し、運転制御装置32からのパターン情報を無線通信することで、電磁ノイズや配線の問題を解決する。無線通信の速度は、16ビットのデータを10個(160ビット)を1ms周期で送信させるとすれば、通信速度は160kbpsとなる。パターン情報の通信には少なくとも160kbps以上の無線通信設備を使用することが望ましい。
比較的低速の通信でよく、また床下機器から離れた運転台との通信を無線通信させることで、床下機器まで配線が必要がなくなり、省線化が図れる。また無線の絶縁機能により耐ノイズ性向上も図ることができ、かつ床下機器配置の自由度も向上できる。
第13図に床下機器内部の省線化と電気品の配置の自由度を考慮した駆動装置16の他の例を示す。なお、第12図と同じ部品には同一符号を付している。
第13図はフィードバック信号であるフィルタコンデンサ(FC)108の電圧検出部を、A/D変換器と無線機を内蔵した無線機内蔵電圧検出器111としたものである。検出したフィルタコンデンサ電圧は制御装置101へ通信する。
第14図に無線機内蔵電圧検出器111の一例構成を示す。
フィルタコンデンサ(FC)108の電圧を分圧器151で分圧した直流電圧を電源152に入力する。電源152は入力電圧が変化しても電圧一定の出力電圧を出力する電源(DC−DCコンバータ)で、A/D変換器153と無線機154へ電力を供給する。また、分圧器151の出力はA/D変換器153でディジタル信号に変換され、無線機154で送信される。
制御装置101にはA/D変換されたのフィルタコンデンサ電圧が無線で伝送されるので、フィルタコンデンサ108と制御装置101の絶縁が必要となくなるばかりでなく、従来使われていたFC108と制御装置101とのアナログ配線が不要になる。このため、FC電圧の検出値がノイズの影響を受けにくくなり、制御の高精度化が実現できる。
フィルタコンデンサ電圧は、2レベルインバータで1信号、3レベルインバータでも上アームと下アーム電圧の2信号であり、データ量としては少ないものとなる。現在、実用に供されている電圧制御の処理周期は200μs程度であり、同等の応答速度を実現しようとすると、12ビットのA/D変換器を使用しても200kbps程度の速度であれば通信は可能である。しかし、より高速に電圧データを読み取る必要のある処理もあり、1Mbpsの通信速度とすることが望ましい。
第15図は、運転制御装置32、FC108に加え、無線機内蔵電流検出器112で検出した誘導電動機103のU、V、W相の電流検出値を無線で制御装置101へ通信するようにしたものである。
駆動装置16を第15図のように構成することにより、床下機器の省配線と耐ノイズ性が一層高まる。無線機内蔵電流検出器112の構成は基本的には無線機内蔵電圧検出器111と同様でよく、直流電源、A/D変換器、無線機から構成される。通信速度も現状の電流制御と同様の応答速度を実現するのであれば、電圧検出と同様の1Mbpsでよい。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明の鉄道車両の情報伝送装置は、車両間のデータ伝送をノイズの影響を受けることなく行え、また、高周波の搬送波をベースバンド信号で変調した変調波信号で伝送すると、データ伝送に必要な帯域にバンドパスフィルタで周波数を制限でき電圧振幅が小さくても通信可能になる。したがって、鉄道車両間の情報伝送をノイズの影響を受けることなく高速大容量伝送を精度良く行うことが要求される列車に適している。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す構成図、第2図は本発明の信号伝送装置の一例構成図、第3図は信号接続装置の一例を示す断面図、第4図は本発明を説明するための周波数特性図、第5図は信号接続装置の他の例を示す断面図、第6図は信号接続装置の一例を示す構成図、第7図は信号接続装置の他の例を示す構成図、第8図は本発明の他の実施例の要部を示す構成図、第9図は本発明を採用した鉄道車両の具体的な構成図、第10図は本発明を採用した鉄道車両の具体的な他の構成図、第11図は本発明を採用した鉄道車両の具体的な他の構成図、第12図は駆動装置の一例詳細構成図、第13図は駆動装置の他の一例詳細構成図、第14図は無線機内蔵電圧検出器の一例構成図、第15図は駆動装置の他の一例詳細構成図である。
本発明は、車両間の連結と分離が行われる鉄道車両間の情報伝達をノイズの影響を受けることなく高速大容量伝送が精度良く行えるようにした鉄道車両の情報伝達装置に関する。
背景技術
鉄道車両においては、運用の無駄を排除することを目的として、一列車当たりの車両数が乗客数に応じて調整される。そのため、車両の分離と連結は頻繁に行われる。また、車両の定期検査の時にも、一両単位に切り離して整備するために分離と連結が行われる。このような運用形態に対応するため、車両の前後には、機械的な連結装置以外に、各車両間の情報伝送のために接続装置(信号接続装置)や空気接続装置も設置されている。
信号接続装置としては主にピンとコネクタで接続するものが用いられているが、切り離し後に長時間外気に晒されるために接続端子表面が酸化して酸化膜が発生する。酸化膜は絶縁物であることから、車両を再び連結したときに接続端子間の電気的な接続を阻害する。このため、接続不良が発生し、鉄道運用上の大きな阻害原因となっている。
また、最近の鉄道車両は駆動装置、電源装置、空調設備などはインバータ化されて数Hzから数十MHzのノイズを発生している。インバータ化されたノイズ発生源の機器は、通常、車両の床下に取付けられている。
鉄道車両は制御信号(保守信号を含む)やサービス信号(メディア信号)などのデータ通信をネットワークを用いて行っている。データ通信装置は、車両内においては金属で作られている車体のシールド効果によって通信エラーが発生しにくくなっている。しかし、車両間は、連結器や各配線で接続されているだけであることからシールド効果が小さくなる。そのため、車両のデータ通信装置間を接続する配線にノイズが印加されて、通信エラーが発生する。
なお、鉄道車両において制御信号(保守信号を含む)やサービス信号(メディア信号)などのデータ通信をネットワークで行うことは、雑誌「鉄道車両と技術」NO.58、第2頁〜第8頁に記載されている。
接続装置(信号接続装置)の接触不良を防止するには、10Vを超える大きな電圧を印加して酸化膜を電気的に破壊することが知られている。具体的には、車両接続の初期に10Vを越える高電圧を加え、その後は数Vの電圧で情報伝達したり、常時10Vを越える電圧で情報伝達をしている。また、接続端子の表面を金などの柔らかくて化学変化しにくい導電材料でメッキすることで、接触不良を防止することも広く行われている。
接続初期だけ10Vを越える高電圧を印加して、その後、数Vの低電圧で情報通信する方法は、初期の高電圧印加だけでは酸化膜の破壊が十分でなく、再び接触不良が発生する危険性がある。また、高電圧を発生する装置、低電圧の通信装置、およびこれらを切り替える装置が必要となり、構成が複雑になる。
一方、常時10Vを越える高電圧で伝送する方法は、出力段の能動素子の電力損失が増大する。また、電圧の振幅を大きくするほど高速な出力段のトランジスタが必要となることから、最近のシリアル通信のように10Mbpsを越える高速大容量の伝送を実現するのは困難である。
接続装置の接触不良を防止するは、接続装置にアンテナを設け、車両間を無線通信することが考えられる。鉄道車両のデータ通信は高速大容量化され、高速ブロードバンドネットワークを用いることが検討されている。データ信号の周波数は10〜100MHz程度であり、インバータ化されたノイズ発生源のノイズの影響を受けることになる。
本発明の目的は、車両間の連結と分離が行われる鉄道車両間の情報伝送をノイズの影響を受けることなく高速大容量伝送が精度良く行える鉄道車両の情報伝送装置を提供することにある。
発明の開示
本発明の特徴とするところは、搬送波をデータ信号(ベースバンド信号)で変調した変調波信号によって車両間のデータ通信を行うようにしたことにある。
変調波信号はノイズ周波数に対して極めて高い周波数にできるので、車両間のデータ伝送をノイズの影響を受けることなく行える。また、高周波の搬送波をベースバンド信号で変調した変調波信号で伝送すると、データ伝送に必要な帯域にバンドパスフィルタで周波数を制限でき電圧振幅が小さくても通信可能になる。したがって、鉄道車両間の情報伝送をノイズの影響を受けることなく高速大容量伝送(ブロードバンド通信)が精度良く行えるようになる。
発明を実施するための最良の形態
第1図〜第3図に本発明の一実施例を示す。第1図は本発明のネットワーク構成図、第2図は無線伝送装置の一例詳細ブロック図、第3図は信号接続装置の一例構成図である。
第1図において、1は鉄道車両の一車両内のネットワーク構成で、ネットワーク制御装置15と2台の無線伝送装置14(A、B)から構成される。ネットワーク制御装置15は制御信号(保守信号を含む)やサービス信号などのデータ伝送を制御するもので、ネットワークケーブル18(IEEE1394、Ethernetケーブルなど)を通して無線伝送装置14と接続される。連結された隣接車両とのネットワーク接続は無線伝送装置14を介して行われ、接続ケーブルには、高周波伝送特性に優れた同軸ケーブル17が使用される。
ネットワーク制御装置15と無線伝送装置14との接続にはEthernetケーブルなどを使用し、信号(データ)伝送にはベースバンド信号を使用する。車両間の無線伝送装置14の情報伝送には搬送波をベースバンド信号で変調した変調波信号を使用する。ベースバンド信号は、符号化方法にもよるが、0と1で情報を伝送する信号で、通常、直流から数百MHzの信号帯域成分を有する。一方、変調波信号は、搬送波信号をデータ信号で変調した変調波信号で、搬送波信号の周波数を選定することで、希望の周波数に変換できる。
鉄道車両では、車両を駆動する高電圧インバータ駆動装置や車両内の電源を供給する電源装置など、多くのインバータ装置が使用されているため、数10MHz以下の大きなノイズが存在する。そのため、ベースバンド伝送はこのノイズの影響を受け易くなる。
車両内では、車体が金属で作られているため、このシールド効果により比較的ノイズの影響を受けにくいが、車体間には車体のシールド効果が無く、ノイズの影響が大きくなる。そこで、車両間の伝送にはノイズ源よりも高い周波数にした変調波信号を使用する。車両内の配線には、比較的低価格に準備できるベースバンド伝送を使用する。
従来、車両間の伝送エラーを防止する目的で、10V前後の電圧振幅で伝送することが行われていたが、この場合10Mbpsを超える高速伝送を実現することは実用上困難である。これに対し、車両間の伝送に変調波伝送を使用することで、100Mbpsを超える、高速な車両のネットワークが実現できる。
第2図は無線伝送装置14の一例詳細構成を示し、ネットワーク制御装置15は、ルータ、集線装置(HUB)、サーバなどで構成される。無線伝送装置14のデータ伝送装置192はケーブル18を介してネットワーク制御装置15に接続されている。データ伝送装置192からのデータ信号は変調器193で変調され、周波数変換増幅器194で希望周波数に変換されると共に増幅される。
周波数変換増幅器194によって増幅された変調波信号は、バンドパスフィルタ195で不要な信号を取り除きサーキュレータ196へ送られる。サーキュレータ196は信号伝送に方向性を持ち、バンドパスフィルタ195を通過した変調波信号を同軸ケーブル17に送信し、同軸ケーブル17から受信した変調波信号をバンドパスフィルタ195に伝送せずの受信側のバンドパスフィルタ197に伝送する。
隣接車両から送信されてくる変調波信号は、サーキュレータ196を通り受信側のバンドパスフィルタ197へ送られ、通信に不要な信号が取り除かれる。バンドパスフィルタ197を通過した変調波信号は周波数変換増幅器198で復調しやすい周波数へ変換すると共に増幅され、復調器119で変調波信号からデータ信号が取り出される。
データ伝送装置192は、変調器193および復調器199とネットワーク制御装置15とのデータ橋渡し処理を行う。具体的には、ネートワーク制御装置15からのデータ信号がシリアル信号の場合はデータ抽出やクロックの再生を行い、変調器193へ送信する。同様に、復調器199からのデータ信号に対してもクロック再生などを実行し、ネットワーク処理装置15の通信方式に会わせた後に送信する。
なお、データ伝送装置192は、メモリを持ちデータを蓄えて処理しても良いが、データが車両の制御信号の場合には、遅延時間を短縮することが望まれる。具体的には、10μs以下にするのが望ましい。
サーキュレータ196は必ずしも必要でなく、混合器を使用することもできる。ただし、鉄道車両では、以下の理由によってサーキュレータ196を設けたほうが実用上から望ましい。
鉄道車両では、車両の分割、併合のために伝送路の接続部に電気接続装置が必要となる。同軸ケーブルのような均一な伝送路では問題にならないが、分割併合を必要とする電気接続装置は均一に作成することが難しく、インピーダンスの不整合が発生し、この部分で反射が発生する。反射した信号は送信側へと戻り、送信部の増幅回路の誤動作を発生させる。これを防止するために、サーキュレータ196が使用される。
なお、第2図は送信と受信を1本の同軸ケーブル17で伝送する場合を示したが、送信と受信を別な同軸ケーブルで行うようにすることもできる。その場合には、送信部にアイソレータを使用し、送信信号が戻るのを防止する。
次に、車両間の伝送に使用する周波数の設定について説明する。第1図に示すように、一車両の無線伝送装置Aは隣接する他の車両の無線伝送装置Bに接続されるので、無線伝送装置Aの出力信号(変調波信号)は無線伝送装置Bで受信され、無線伝送装置Bの出力信号(変調波信号)は無線伝送装置Aで受信されることになる。
搬送波信号を使用した伝送では信号の干渉を防止する必要性から、無線伝送装置14の送信と受信の搬送波周波数を分離し、受信側のバンドパスフィルタ197で自分が送信した信号を除去する必要がある。
また、車両を制御する制御信号(制御データ)を伝送する場合などは信頼性が要求されるので、ネットワークを2重系にするのが一般的である。2重系の場合、信号接続装置での信号の干渉を防止するため、1系と2系で異なる周波数を使用する必要がある。したがって、少なくとも4種類の周波数で伝送する必要があり、4種類の無線伝送装置14が必要となる。無線伝送装置14の種類を半減するために搬送波信号のの周波数を次のように設定する。
第4図は無線伝送装置14の種類を半減する搬送波信号の周波数割り当ての一例である。この場合、無線伝送装置AからBへの搬送波周波数を帯域1から選定し、1系をf11、2系をf12とする。また、無線伝送装置BからAへの搬送波周波数は帯域2から選定し、1系をf21、2系を22とする。
さらに、無線伝送装置Aにおける送信側のバンドパスフィルタ195の通過帯域を周波数帯域1、受信側のバンドパスフィルタ197の通過帯域を周波数帯域2とし、また、無線伝送装置Bにおける送信側のバンドパスフィルタ195の通過帯域は周波数帯域2、受信側のバンドパスフィルタ197のそれを周波数帯域1する。
このようにすれば、バンドパスフィルターの異なる2種の無線伝送装置で、2重系のネットワークが構成できる。
第3図は車両接続部の信号接続装置2の詳細な一例構成を示す。
ネットワーク制御装置15にはネットワークケーブル18を通して無線伝送装置14と駆動装置16が接続される。駆動装置16は装置全体を駆動するために使用する。なお、ネットワーク制御装置15と無線伝送装置14との接続はIEEE1394やEthernetが用いられ、ネットワーク制御装置15と駆動装置16との接続はCAN(Control Area Network)やDeviceNetなどのリアルタイム制御に適したネットワークが用いられる。
無線伝送装置14には、伝送線路17(一般的には同軸ケーブル)が接続され、また伝送線路17にはアンテナ11が接続される。さらに、アンテナ11は電気接続装置2を構成する他の車両のもう一つのアンテナ11と面して配置されている。他の車両のもう一つのアンテナ11は伝送線路17を介して無線伝送装置14に接続される。他の車両の無線伝送装置14もネットワークケーブル18でネットワーク制御装置15が接続されている。
信号接続装置2は電磁シールド構造に形成され、アンテナ11は金属などの導電性の材料からなる電磁シールド材12で電気的にシールドされる。アンテナ11はシールド材12で囲われている。電磁シールド材12とアンテナ11の間には電磁波の吸収材19が設けられると共に、アンテナ11はポリエチレンや空気などの絶縁物13で、電磁シールド材12および電磁波の吸収材19と絶縁されている。
無線伝送装置14は、高周波の搬送波(一般的には正弦波)をネットワーク制御装置15から送信されるベースバンド信号(データ信号)で変調して、変調波信号を伝送線路17へ送信する。変調方式としては、例えば符号の大小で搬送波の振幅を変化させるASK(Amplitude Shift Keying)変調、搬送波の位相を変化させるPSK(Phase Shift Keying)など多く方式があり、いずれの方式を用いることができる。
無線伝送装置14から送信された変調波信号はアンテナ11で放射され他方のアンテナ11で受信される。他方のアンテナ11で受信された変調波信号は他方の車両の無線伝送装置14で復調されベースバンド信号が取り出され、ネットワーク制御装置15に加えられる。
第3図の接続装置2は、外気に晒される車両間の信号接続をアンテナ11で構成し、アンテナ11へ変調は信号を伝送することで通信している。そのため車両間のネットワークを電気的に接続する必要がなく、接触不良の問題を回避できる。
車両間のネットワークには駆動装置16やブレーキなどの重要な情報(制御信号)が伝送される。このため、外部からの妨害電波などで通信が途絶えると、車両の運転停止など大きな問題となる。これを防止するために、アンテナ11の周辺を金属などの電磁シールド材12で囲う構造にしている。なお、隣接車両(前後車両)の電磁シールド材12は機械的に接触して電気的に接続されていてもノイズの影響を防止できる。
電磁シールド材12はアンテナ11から放射された電波が外部へ放射されるのを阻止するが、電波を反射する。一方のアンテナ11から放射された変調波は、直接に他方のアンテナ11へ向う直接波と、シールド材12の表面で反射した反射波とが他方のアンテナ11に受信される。他方のアンテナ11は直接波と反射波を受信することになり、アンテナ表面で電波の干渉が発生し、受信性能が著しく低下する。
電磁波の吸収材19はこれを防止するもので、アンテナ11とシールド材12の間に設置される。アンテナ11からシールド材12方向へ放射された電磁波は吸収剤19で吸収されるためシールド材12で反射しなくなる。そのため、他方のアンテナ11は直接波のみ受信することになり、直接波と反射波の干渉が無くなり受信性能の劣化を防止できる。
なお、電磁波の吸収材19は必ず必要なものではなく、アンテナ11、絶縁物13、およびシールド材12の幾何学的な構造を工夫し、両アンテナ11間に導波管のような電磁波の伝送路を形成しても直接波と反射波の干渉を防止できる。
また、接続装置2に使用するアンテナ11は小さい方が好ましく、アンテナ11を螺旋状に加工することなどにより小型化できる。ただし、アンテナ11の大きさは波長の1/10程度が限界である。
さらに、搬送波は少なくとも被搬送波(ベースバンド信号)の10倍程度であることが望ましい。現在、実用に供されているネットワークの転送速度は少なくとも、10MHz程度あり、100MHz以上の搬送波周波数を使用することがよい。これにより、アンテナ11の大きさは少なくとも30cm程度にできる。
また、一対のアンテナ11で双方向通信する場合は、時分割して双方向(A方向とB方向)の通信を実行する。A方向通信の場合は、図示左側の無線伝送装置14が送信装置、図示右側の無線伝送装置14が受信装置となる。また、B方向の時は図示左側が受信装置、図示右側が送信装置となる。このように時分割して双方向通信する方式を半二重通信と称している。
一対のアンテナでも常時双方向通信を行うことも可能である。これを全二重通信と称する。この場合、一本の伝送線路17にf1とf2の二つの周波数を多重することで実施する。例えば、周波数f1をA方向伝送、周波数f2をB方向通信に割り当てる。図示右側の無線伝送装置14では搬送波f1を変調して伝送線路17へ送信すると共に、伝送線路17からバンドパスフィルタ197で信号f2を取り出し復調する。図示右側の無線伝送装置14ではこの逆、つまり搬送波f2を変調して送信し、バンドパスフィルタ197でf1を取り出し復調する。
第5図に接続装置2の他の例を示す。
第5図に示す接続装置2は複数のアンテナ11を備えている。第5図(a)は二対のアンテナ11を備え、異なる周波数f1、f2で双方向通信する。例えば、周波数f1で図示の左から右へ、周波数f2で図示の右から左へ通信する。したがって、全二重通信が可能となる。
第5図(b)は多数のアンテナ11を接続装置2が備えている例である。異なる周波数f1〜fnで通信することにより、高速な双方向通信が達成できる。一般に、無線通信装置14の通信速度は有線通信に比べ遅くなる。したがって、無線通信がネットワーク全体の性能を低下させることが多くなる。ネットワークケーブル18を使用した有線通信の通信速度が半二重通信方式で100Mpbs、無線通信のアンテナ一対当たりの通信速度が半二重通信方式で10Mbps等の場合には、アンテナ11を10組設けることによって無線通信による性能低下を防止できる。
第6図は接続装置2の一例を示す構成図で、第6図(a)は外観図、(b)は接続部の断面図である。
一方の接続装置2Aは次のように構成されている。アンテナ11の周囲には絶縁物13を介して金属などからなる電磁シールド材12Aが配置され、アンテナ11から外界への電磁波の放射、外界電磁波の影響を防止する。なお、電磁シールド材12Aの内面には第3図に示した電磁波の吸収材19を設け屡こともできる。
一方の接続装置2Aを他方の接続装置2Bに挿着して電気的に接続するために、他方の接続装置2Bのシールド材12Bは、一方の接続装置2Aのシールド材12Aより直径が大きく構成されている。また、各接続装置2A、2Bのアンテナ11は、相対して向かい合うように配置されている。アンテナ11には伝送線路17が接続されるている。なお、伝送線17は無線伝送装置14に接続されている。
第6図のように複数のアンテナ11を一個の接続装置2A、2Bに形成することによって、複数の接続を同時に行うができる。
第7図は接続装置2の他の例を示す構成図である。第7図(a)は外観図、(b)は接続部の断面図である。
第7図は電気的接続をアンテナでなくピンで構成したものである。第7図は第6図のアンテナ11をピン型の接続端子22と23にしたものである。オス型の接続端子22はメス型の接続端子23の内部へ挿入されることで相互が電気的に接続される。各接続端子22、23は伝送線17によって無線伝送装置14に接続されている。この場合には、無線伝送装置14は有線の信号伝送装置が用いられる。
ピン型の接続端子22、23は相互を電気的に接続するために設けられている。鉄道車両は接続端子22と23を切り離して外気に長時間晒されると、ピン22、23の表面が酸化して接触不良を発生する。接触不良が発生した場合、両ピン22、23間の寄生容量を介して流れる電流だけとなり、電圧の振幅値が1/10から1/100に低下する。
ネットワーク制御装置15からのベースバンド信号を用いた伝送では、受信信号をある電位を基準としてそれより高電位か低電位かで判定して符号を復元する。そのため、受信信号が数分の1に低下しただけでデータの判別が不可能になる。これに対し、信号伝送装置14で変調した変調波信号で通信すると、通常、信号レベルが1/10000程度に減少しても通信できるようになる。
このようにして鉄道車両間のデータ通信を行うのであるが、搬送波をデータ周波数(ベースバンド信号)で変調した変調波信号によって車両間のデータ通信を行うようにしている。変調波信号はノイズ周波数に対して極めて高い周波数にできるので、車両間のデータ伝送をノイズの影響を受けることなく行える。また、高周波の搬送波をベースバンド信号で変調した変調波信号で伝送すると、データ伝送に必要な帯域にバンドパスフィルタで周波数を制限でき電圧振幅が小さくても通信可能になる。したがって、鉄道車両間の情報伝送をノイズの影響を受けることなく高速大容量伝送が精度良く行えるようになる。
次に、鉄道車両に使用される駆動装置は、数kVの電圧、数百A以上で駆動するため、車両間に大きな電位差が発生する。そのため、第7図に示すような電気的に接続された接続装置2を用いると、各車両の信号伝送装置(無線伝送装置14に相当する有線の信号伝送装置14)間に電流(直流電流)が流れ、信号伝送装置14の部品が破損する。
第8図にこのようなことを解決するための実施例を示す。なお、第8図は接続装置2をアンテナを用いた例を示している。
第8図に示すように、信号伝送装置14と接続装置2の間を分離する絶縁装置25を設け、直流分を遮断するようにしている。
第8図(b)、(c)に絶縁装置25の具体例を示す。絶縁装置25としてはトランスあるいはコンデンサが用いられる。27は増幅器である。
第8図(b)のトランスの場合、高周波信号はトランスで相互に伝送されるが、直流はトランスで阻止される。また、第8図(c)コンデンサの場合は、信号とグランドに共にコンデンサを追加することで、高周波のみが相互伝送され、直流はコンデンサによって阻止される。
なお、周波数がGHzを越えるような高周波伝送では、トランスやコンデンサは、ディスクリート部品でなく、パターン配線で基板上に作成したものが用いられる。
第9図、第10図に本発明を採用した鉄道車両のより具体的な構成を示す。
第9図は接続装置2が一組の場合であり、第10図は二組の場合を示している。なお、接続装置2はのアンテナが一対の例を記載しているが、第5図のように複数のアンテナが配置された接続装置2を用いることもできる。
第9図において、アンテナ51はブリッジ型無線伝送装置14Bに接続され、ブリッジ型無線伝送装置14Bはさらにネットワーク制御装置15へ接続されている。ネットワーク制御装置15は、無線伝送装置30と受信装置31からなるローカルネットワーク(LAN)58に接続されている。LAN58は、無線でネットワークが組まれている。なお、LAN58は画像情報やテキストデータの伝送が主目的に用いられるので情報LANと呼ぶことにする。
ネットワーク制御装置15は、駆動装置16と運転制御装置32が接続されている。また、ネットワーク制御装置15はリピータ型無線伝送装置14Rに接続され、リピータ型無線伝送装置14Rには電気接続装置2が接続されている。ここで、駆動装置16と運転制御装置32が接続されたLANでは、車両機器の制御データが伝送されることから、制御LAN59と呼ぶことにする。
第9図の図示左側を先行車両、右側を後続車両とする。後続車両のネットワーク構成は、先行車両と同じなので説明を省略する。また、実際の鉄道車両では、必要に両が応じ複数の車両が接続され、16両を越えることもある。
まず、ブリッジ型無線伝送装置14Bとリピータ型無線伝送装置14Rについて説明する。
ブリッジ型無線伝送装置14Bは、受信情報を解析して、送信する必要があるポートにだけデータを送信する機能を持っている。一方、リピータ型無線伝送装置14Rは、受信したデータを中継する装置で、入力端子からの受信データは波形成形されただけでそのまま出力端子から送信される。
したがって、ブリッジ型無線伝送装置14Bは、データをメモリに記録して解析する作業が必要となるため、入力したデータが出力されるまでには多くの時間がかかる。これに対してリピータ型無線伝送装置14Rは入力信号を波形成形してそのまま送信するので、入力端子と出力端子間の遅延時間が短くなる。
情報を解析してデータ送信の有無を判定する装置としてルータがある。ブリッジ型無線伝送装置14Bは各機器が接続されているポートを把握していて、データを送信すべき機器がつながっているボートにだけデータを送信する。これに対し、ルータはネットワークを把握していて、データを送信すべきネットワークにだけデータを送信する。
アンテナ51は列車と外部との通信に使用される。例えば駅のホームに設置された通信装置と通信することで、地上の情報を車両側へ、車両内の情報を地上側へ伝送できる。伝送する情報は、情報LAN58で使用する情報と制御LAN59で使用する情報に分類できる。情報LAN58で使用する情報には、映画などの画像情報、ニュース、乗客情報などがある。また、制御LAN59で使用する情報には、制御装置の温度や故障情報などの機器のメンテナンス情報がある。
アンテナ51を使用して地上と情報伝送することにより、車両内で画像情報やニュース情報を必要に応じて逐次切り替えることが可能となる。一方、地上側では、車両故障発生時などに車両の状況を受信することで、地上の専門家が状況を的確に把握することで、迅速な対策がとれるようになる。なお、地上側から伝送された画像情報などは、車両内に設置されたハードディスクなどに記録することも可能である。これにより車両と地上間の通信が常時できない環境でも、常時、乗客に画像情報サービスを提供することができる。
なお、第9図の場合でも、アンテナ51に接続される無線伝送装置14は、必ずしもブリッジ型無線伝送装置14Bでなく、伝送遅延が制御LAN59で必要な時間以内であるならばリピータ型無線伝送装置14Rを用いることもできる。また、ブリッジ型無線伝送装置14Bとネットワーク制御装置15を一体にて構成したものを用いることもできる。
第10図は、情報LAN58の情報を伝送する接続装置2と、制御LAN59の情報を伝送する接続装置2を分離した構成の例である。
アンテナ51はブリッジ型無線伝送装置14Bに接続される。ブリッジ型無線伝送装置14Bには、情報LAN58側のネットワーク制御装置15と、制御LAN59側のネットワーク制御装置15がそれぞれ独立して接続される。情報LAN58は接続装置2で後続列車の情報LAN58に接続され、また、制御LAN59は接続装置2を通して後続列車の制御LAN59に接続されている。先行列車と後続列車の情報LAN58を結ぶ無線伝送装置にはブリッジ型無線伝送装置14Bが用いられ、制御LAN59を接続する無線伝送装置にはリピータ型無線伝送装置14Rが使用されている。
情報LAN59で通信される情報は、車両間で時間遅れが発生しても問題とならない。また、総ての情報を後続列車に伝送する必要の無いことも多い。そのため、伝送遅延が大きくなるがデータ送信の有無を判定する機能を持つブリッジ型無線伝送装置14Bを用いることが望ましい。
制御LAN59は、複数の装置の協調を取る必要がある。具体的には、駆動装置16やブレーキ装置(図示せず)が接続されており、例えば車両を停止させる場合、駆動装置16とブレーキ装置で情報を相互に伝送して、駆動装置16で足りない制動力をブレーキ装置が補うなどの協調制御を行う。したがって、制御LAN59ではデータの伝送遅延を極力短くする必要がある。具体的には、列車全体で10ms以下にすることが望ましい。したがって、制御LAN59には伝送遅延が短いリピータ型無線伝送装置14Rを使用することがよい。
第11図は、情報LAN58の接続装置として開放型のアンテナ52と53を使用した例である。
先に説明したように情報LAN58では、データの伝送遅延が発生しても良い。開放型のアンテナの場合、外来電波の影響により通信不良が発生することがある。しかしこのような場合でも、データを再送することで喪失したデータを復活できる。
また、地上側装置と無線伝送するアンテナ51は、車両の車内または外側のどちらにも設置することができる。第9図、第10図は車内に設置した例で、例えば運転席のフロントガラスの上部に設置される。ガラスは電磁波を通過させるので、地上の通信の障害とならない。第11図のように車外に設置すると、ガラスなどの障害物が無くなるために通信距離を長くできるという効果がある。
第12図に駆動装置16の一例詳細構成図を示す。
第12図において、架線104から電力を供給された電力変換器100は、可変電圧、可変周波数制御した出力を誘導電動機103に供給する。ここでは図示しないが、誘導電動機103は車両(電気車)の車輪と機械的に連結されており、電力変換器100の出力に応じて車両を制御する。なお、駆動装置16は、誘導電動機103の定数や電流値から回転速度を推定して誘導電動機103を制御する、速度センサレス方式の構成示している。
制御装置101には、運転制御装置32から送られる運転パターン、電流検出器(CT)109で検出した各相出力電流、および電圧検出器(PT)110で検出したフィルタコンデンサ電圧ECFが入力される。制御装置101はこれらの情報をもとにフィードバック制御を行い、結果をゲート信号に変換して電力変換器100に出力することで、電気車を制御している。
ここで、フィルタリアクトル(FL)107、フィルタコンデンサ(FC)108、電力変換器100、制御装置101は車体の下側に設置されていることから、床下機器と呼ばれている。床下機器の制御装置101は、運転台に設置された運転制御装置32と接続する必要があるため、複雑な車体内を長距離にわたって配線する必要がある。
また、電力変換器100にはIGBT(Insulated Gate Bippolar Transistor)などの高速スイッチングスイッチング素子を使用しているため、大きなスイッチングノイズが発生することから、耐ノイズ性を高める必要がある。
駆動装置16の制御の処理周期は数百μsの高速を要求され、このため、電流検出器(CT)109で検出した各相出力電流、および電圧検出器(PT)110で検出したフィルタコンデンサ電圧ECFなどのフィードバック信号は高速に検出する必要がある。これに対して運転制御装置32からのパターン情報などは10ms程度の周期でよく、高速の応答を必要としない。
無線伝送は有線伝送に比べ、一般的に伝送速度が遅いが、配線を必要としない。運転制御装置32と制御装置101に無線送受信機105、106を接続し、運転制御装置32からのパターン情報を無線通信することで、電磁ノイズや配線の問題を解決する。無線通信の速度は、16ビットのデータを10個(160ビット)を1ms周期で送信させるとすれば、通信速度は160kbpsとなる。パターン情報の通信には少なくとも160kbps以上の無線通信設備を使用することが望ましい。
比較的低速の通信でよく、また床下機器から離れた運転台との通信を無線通信させることで、床下機器まで配線が必要がなくなり、省線化が図れる。また無線の絶縁機能により耐ノイズ性向上も図ることができ、かつ床下機器配置の自由度も向上できる。
第13図に床下機器内部の省線化と電気品の配置の自由度を考慮した駆動装置16の他の例を示す。なお、第12図と同じ部品には同一符号を付している。
第13図はフィードバック信号であるフィルタコンデンサ(FC)108の電圧検出部を、A/D変換器と無線機を内蔵した無線機内蔵電圧検出器111としたものである。検出したフィルタコンデンサ電圧は制御装置101へ通信する。
第14図に無線機内蔵電圧検出器111の一例構成を示す。
フィルタコンデンサ(FC)108の電圧を分圧器151で分圧した直流電圧を電源152に入力する。電源152は入力電圧が変化しても電圧一定の出力電圧を出力する電源(DC−DCコンバータ)で、A/D変換器153と無線機154へ電力を供給する。また、分圧器151の出力はA/D変換器153でディジタル信号に変換され、無線機154で送信される。
制御装置101にはA/D変換されたのフィルタコンデンサ電圧が無線で伝送されるので、フィルタコンデンサ108と制御装置101の絶縁が必要となくなるばかりでなく、従来使われていたFC108と制御装置101とのアナログ配線が不要になる。このため、FC電圧の検出値がノイズの影響を受けにくくなり、制御の高精度化が実現できる。
フィルタコンデンサ電圧は、2レベルインバータで1信号、3レベルインバータでも上アームと下アーム電圧の2信号であり、データ量としては少ないものとなる。現在、実用に供されている電圧制御の処理周期は200μs程度であり、同等の応答速度を実現しようとすると、12ビットのA/D変換器を使用しても200kbps程度の速度であれば通信は可能である。しかし、より高速に電圧データを読み取る必要のある処理もあり、1Mbpsの通信速度とすることが望ましい。
第15図は、運転制御装置32、FC108に加え、無線機内蔵電流検出器112で検出した誘導電動機103のU、V、W相の電流検出値を無線で制御装置101へ通信するようにしたものである。
駆動装置16を第15図のように構成することにより、床下機器の省配線と耐ノイズ性が一層高まる。無線機内蔵電流検出器112の構成は基本的には無線機内蔵電圧検出器111と同様でよく、直流電源、A/D変換器、無線機から構成される。通信速度も現状の電流制御と同様の応答速度を実現するのであれば、電圧検出と同様の1Mbpsでよい。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明の鉄道車両の情報伝送装置は、車両間のデータ伝送をノイズの影響を受けることなく行え、また、高周波の搬送波をベースバンド信号で変調した変調波信号で伝送すると、データ伝送に必要な帯域にバンドパスフィルタで周波数を制限でき電圧振幅が小さくても通信可能になる。したがって、鉄道車両間の情報伝送をノイズの影響を受けることなく高速大容量伝送を精度良く行うことが要求される列車に適している。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す構成図、第2図は本発明の信号伝送装置の一例構成図、第3図は信号接続装置の一例を示す断面図、第4図は本発明を説明するための周波数特性図、第5図は信号接続装置の他の例を示す断面図、第6図は信号接続装置の一例を示す構成図、第7図は信号接続装置の他の例を示す構成図、第8図は本発明の他の実施例の要部を示す構成図、第9図は本発明を採用した鉄道車両の具体的な構成図、第10図は本発明を採用した鉄道車両の具体的な他の構成図、第11図は本発明を採用した鉄道車両の具体的な他の構成図、第12図は駆動装置の一例詳細構成図、第13図は駆動装置の他の一例詳細構成図、第14図は無線機内蔵電圧検出器の一例構成図、第15図は駆動装置の他の一例詳細構成図である。
Claims (9)
- ネットワークによってデータの通信が行われる車両と、前記ネットワークにおけるデータ通信を制御するネットワーク制御手段と、搬送波信号を前記データ信号で変調した変調波信号を発生する信号伝送手段と、前記車両の外側に設けられ、前記変調波信号を連結された他の車両に伝達する信号接続装置とを具備することを特徴とする鉄道車両の情報伝送装置。
- ネットワークによってデータの通信が行われ、床下にノイズ発生機器が取付けられている車両と、前記ネットワークにおけるデータ通信を制御するネットワーク制御手段と、搬送波信号を前記データ信号で変調し、前記ノイズ発生機器が発生するノイズ周波数より高い周波数の変調波信号を発生する信号伝送手段と、前記車両の連結部外側に設けられ、前記変調波信号を連結された他の車両に伝達する信号接続装置とを具備することを特徴とする鉄道車両の情報伝送装置。
- ネットワークによってデータの通信が行われ、床下にノイズ発生機器が取付けられている車両と、前記ネットワークにおけるデータ通信を制御するネットワーク制御手段と、搬送波信号を前記データのベースバンド信号で変調し、前記ノイズ発生機器が発生するノイズ周波数より高い周波数の変調波信号を発生する信号伝送手段と、前記車両の連結部外側に設けられ、前記変調波信号を連結された他の車両に伝達するシールド材で囲われている信号接続装置とを具備することを特徴とする鉄道車両の情報伝送装置。
- ネットワークによってデータの通信が行われ、床下にノイズ発生機器が取付けられている車両と、前記ネットワークにおけるデータ通信を制御するネットワーク制御手段と、搬送波信号を前記データのベースバンド信号で変調し、前記ノイズ発生機器が発生するノイズ周波数より高い周波数の変調波信号を発生する信号伝送手段と、前記車両の連結部外側に設けられ、前記変調波信号を連結された他の車両の信号接続装置に電気的に接続される信号接続装置と、前記信号伝送手段と前記信号接続装置の間に設けられ、直流を遮断する絶縁手段とを具備することを特徴とする鉄道車両の情報伝送装置。
- ネットワークによってデータの通信が行われ、床下にノイズ発生機器が取付けられている車両と、前記ネットワークにおけるデータ通信を制御するネットワーク制御手段と、搬送波信号を前記データのベースバンド信号で変調した変調波信号を発生する変調手段および連結された他の車両から送信される変調波信号を復調したデータを前記ネットワークに送信する復調手段を有する信号伝送手段と、前記車両の連結部外側に設けられ、前記変調波信号を連結された他の車両の伝達する信号接続装置とを具備することを特徴とする鉄道車両の情報伝送装置。
- ネットワークによって車両制御情報とサービス情報を含むデータの通信が行われ、床下にノイズ発生機器が取付けられている車両と、前記ネットワークにおけるデータ通信を制御するネットワーク制御手段と、搬送波信号を前記データのベースバンド信号で変調し、前記ノイズ発生機器が発生するノイズ周波数より高い周波数の変調波信号を発生する信号伝送手段と、前記車両の連結部外側に設けられ、前記変調波信号を連結された他の車両の信号接続装置に複数のコネクタによって電気的に接続される信号接続装置と、前記信号伝送手段と前記信号接続装置の間に設けられ、直流を遮断する絶縁手段とを具備することを特徴とする鉄道車両の情報伝送装置。
- ネットワークによって車両制御情報とサービス情報を含むデータのブロードバンド通信が行われ、床下にノイズ発生機器が取付けられている車両と、前記ネットワークにおけるデータ通信を制御するネットワーク制御手段と、搬送波信号を前記データ信号で変調し、前記ノイズ発生機器が発生するノイズ周波数より高い周波数の変調波信号を発生する信号伝送手段と、前記車両の連結部外側に設けられ、前記変調波信号を連結された他の車両に伝達する信号接続装置とを具備することを特徴とする鉄道車両の情報伝送装置。
- ネットワークによってデータの通信が行われ、床下にノイズ発生機器が取付けられている車両と、前記ネットワークにおけるデータ通信を制御するネットワーク制御手段と、搬送波信号を前記データのベースバンド信号で変調し、前記ノイズ発生機器が発生するノイズ周波数より高い周波数の変調波信号を発生する無線伝送手段と、前記車両の連結部外側に設けられ、前記変調波信号を連結された他の車両の信号接続装置にアンテナによって無線送信する信号接続装置とを具備することを特徴とする鉄道車両の情報伝送装置。
- ネットワークによって車両制御情報とサービス情報を含むデータのブロードバンド通信が行われ、床下にノイズ発生機器が取付けられている車両と、前記ネットワークにおけるデータ通信を制御するネットワーク制御手段と、搬送波信号を前記データ信号で変調し、前記ノイズ発生機器が発生するノイズ周波数より高い周波数の変調波信号を発生する無線伝送手段と、前記車両の連結部外側に設けられ、前記変調波信号を連結された他の車両の信号接続装置に複数のアンテナによって無線送信する前記アンテナがシールド材で囲われている信号接続装置とを具備することを特徴とする鉄道車両の情報伝送装置。
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