JPWO2002098633A1 - パイプラインのライニング方法およびライニングの取替え方法 - Google Patents
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Abstract
軟質ゴム製のライニングチューブ1を、流体の摩耗比率に合わせた形状に、パイプライン一工区長さより少し短めに押出成形により作製し、その両端にガスケット20を加硫接着した後、可塑剤を抑えた硬めの粘着シートを貼り付けた補強シート4で包み込み、それを鋼管2の内側に引き込む。その後、予めライニングチューブ1内に貫通させているロープ6で皿形ピグ5を牽引してライニングチューブ1を拡管して、鋼管2とライニングチューブ1間の空気を絞り出し、前記粘着シートによりライニングチューブ1と鋼管2を圧着する。
Description
背景技術
a)発明の分野
本発明は、砂礫混じりの水が高速で流れる水力発電、揚水発電の導水管、乾燥帯の灌漑用導水管、土砂、石炭や鉱石の粉粒などを含む摩耗性流体を輸送するスラリーパイプライン、腐食性流体を輸送するパイプライン、摩耗が激しいカプセル輸送管などを連続的にライニングする方法およびその取替方法に関する。
b)従来技術の説明
発明者は、水力発電において、貯水池に流下した土砂、有機物等を水と共に取水管に積極的に吸引して排出し、貯水池への土砂、有機物等の堆積を防止することを目的とする技術を、特許第1954831号「貯水池における砂礫の排出方法」において提案している。
更に、そのような技術を改良して、特願平11−89057「水力発電用ダムならびにそれを用いた発電および揚水方法」および特願2000−26560「ダム施工方法、水力発電方法」において次のように提案している。
すなわち、「水力発電の落差を最大化するために、河川の本流、支流の最上流にダムを造り、発電所を山地の麓に造る。その間に多数のダムを階段状に造り、その水系に大規模ダムを造った場合を想定して、それと同じ集水流域面積になるようにする。この多数のダム群は、流下する土砂や有機物を導水管で吸引排出するだけでなく、ダム上流の河床を水平または逆勾配になる程、土砂を導水管で吸引排出して洪水時の水量をも貯留可能にする。そうして小規模ダム群の総貯水量を大規模ダムに造った場合と同等になる。この提案技術(以下、新水力発電方法と言う)の落差は河川最上流ダムで2000mになる場合もあり、階段状のダムの落差と平均すると400〜800mになる。それに対し大規模ダムの落差は200m前後であるので、落差は2〜4倍に増大する。発電量は(落差)×(流量)に比例し、集水流域面積と貯水量が同じであれば、流量は同じであるので、新水力発電方法は同じ水系に大規模ダムを造った場合と比較して発電量は2〜4倍に増大し、発電コストは大規模ダムの3円/KWhと同等になる。在来の小規模ダムの発電コストは30円/KWh以上と高く、これが水力開発の大きな障害になっていたが、この問題が解決する。」との提案をしている。
このような新水力発電方法を実現させるためには、次のような課題を解決しなければならない。即ち、この水力発電方法では落差2000mになると導水管内を流れ下る流速は15m/秒近くなる。在来型の水圧鉄管(導水管)の場合は、5m/秒と比べ流速は3倍以上に増大する。摩耗は流速の二乗に比例するので、摩耗量は9倍になる。また、在来法は流水中の砂礫の混入率は細砂が1%混入に対し、新水力発電方法では摩耗性の大きい粒径の大きい砂礫が混入し、その上に混入率は6%になる。
以上のことを総合すると、新水力発電方法の導水管摩耗量は、在来法の水圧鉄管の54倍程になる。その上、砂礫の粒径が大きいため、下部が上部の8倍ほど多く摩耗する。この苛酷な摩耗環境に耐えられる在来技術は一つも無い。
例えば、在来の水圧鉄管の管厚は、内圧から設計計算で求められた厚さに15mm厚さを摩耗代として加えた厚さにしている。在来法では、3年に一度のタールエポキシ補修塗装をしても耐用年数は50年ほどであるが、新水力発電方法の苛酷な摩耗環境では2年で管の穴が開き鉄屑になる。
中小水力発電所の水圧鉄管の低圧部分にはFRP管が使われている。この管の内面は、不飽和ポリエステル樹脂と有機系不織布からなる保護層で、その外周をガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂で補強し、その外周を樹脂モルタルなどで補強した管である。
この保護層は腐食しないので、鋼管のように3年に一度の補修塗装が不要になり、管接続がジャッキ圧入だけで簡単であるなどの利点で使われている。保護層の不飽和ポリエステル樹脂は、その耐摩耗性が鉄と同程度であり、その層厚み6mmである。
在来型の水圧鉄管として使うなら耐用年数は30〜40年ぐらいであるが、新水力発電方法の導水管のような苛酷な摩耗環境で使うならば、ほぼ半年で産業廃棄物になる。
日本フレクト(株)の提案技術である「ごみ輸送管」(特開平8−301446)のゴミ輸送速度は、新水力発電方法の導水管流速と比べ遥かに遅く、従って摩耗環境は遥かに軽微である。ゴミ輸送に限定するならば、この提案技術でも使えるが、新水力発電方法の導水管のような厳しい摩耗環境では、2か月程使用すれば管に穴が開き使用できなくなる。
その理由は、
1)この技術は、耐摩耗性が鋼管より優れた高クローム鋼の内貼部材を摩耗しやすい鋼管底部にボルト・ナットで固定する方法である。この技術を苛酷な摩耗環境の新水力発電の導水管に使用すると、前記のボルト・ナットの穴の側面は流体の流れ方向に直角であり、この側面に砂礫が高速で衝突して渦流を起こし激しい局部摩耗を起こし、内貼部材が剥離する。
2)鋼管を溶接接続する場合やフランジ継手の場合でも、接続部に内貼部材に隙間が生じ、流体の流れ方向に直角な側面が流体に晒され、そこでも高速の砂礫が激しく衝突して渦流を生じ、局部摩耗が起こり、間隙は次第に拡大し、鋼管本体に穴開きを生ずる。
3)ゴミ輸送の場合、ゴミは管下部しか流れないが、新水力発電の導水管は管上部でも細砂を混入した水が高速で流れ摩耗するので、ライニングは必要である。
住友電気工業(株)の提案技術である「管内面被覆用チューブ」(特開昭58−167156)は、砂礫の混入が殆どなく、流速が遅く、摩耗が殆ど起こらず、ただ腐食だけが起こるような管の防食を目的としたライニング、たとえば水道管やガス管などのライニングであり、苛酷な摩耗環境の新水力発電の導水管としての使用は下記の理由により不適である。
1)管内面へのライニングは、熱溶融性接着剤もしくは熱硬化性接着剤を用いているが、管とライニングの間に両者の膨脹係数の差により剪断応力が発生する。高分子樹脂は鉄の10倍ぐらい膨張係数が大きく、ライニング厚さが厚くなる程、剪断応力は増大し、管の両端部に剪断応力が集まりライニングの剥離が起こる。
従って厚肉のライニングはできない。この提案技術のライニング厚さは1mmで薄く、大きな剪断応力は発生しないが、この厚さでは防食用ライニングには適しているが、苛酷な摩耗環境の新水力発電の導水管では1か月で摩耗してしまう。
2)ライニングチューブを、その内面に接着剤を塗布し、それをリール状に巻いてチューブ反転器に入れ、それの加圧口から空気を圧入して、チューブの内外面を反転させて、接着剤塗布面を外面に出しながら、管内に挿入する方法である。この方法は、管内径が100A(内径105.3mm)、ライニング厚さ1mm、ライニングチューブ長さ数百メートルであるならば、チューブ反転器内の収まる。
しかしながら、3m外径の導水管を用いた発電方式では、内面ライニング長さは数キロメートル、ライニング厚さは90mmにもなり、それを収納するチューブ反転器は巨大になり実用化できない。また、ライニングが摩耗した際の取替え性の発想が欠落している。
三井東圧化学(株)の提案技術である「耐蝕複合管」(特開昭63−235797)は、コンクリート管、ヒューム管、アスベスト管のような耐酸性や耐腐食に劣る管の内表面を、熱硬化性樹脂よりなるプライマー層を介して強化プラスチック(FRP)でライニングする方法である。FRPは耐蝕性に優れているが、耐摩耗性は鉄と同程度で、保護層の厚みは、通常6mmであるが、その厚みならば、3m外径の導水管を用いた新水力発電方式のような苛酷な摩耗環境では半年で摩耗してしまう。
そこで、発明者は、数キロメートルにわたって敷設されたパイプライの内面にライニングチューブを引き込み、ピグで拡管して連続ライニングする方法を、特許第1698219号(「粘着材層を含む積層ライニングを具えるラインパイプおよびその施工方法」)において先行提案した。
この先行提案発明は、
▲1▼ライニング材で最も耐磨耗性に優れている軟質天然ゴムの厚肉ライニングの連続ライニングができる。
▲2▼管が伸縮性のある継手で接続されたパイプラインでも連続ライニングができる。
▲3▼ライニングチューブが摩耗した時のライニング取替え耐用年数をほぼ永久化する等の目的で考案された。
その方法は、パイプの内面とライニングチューブとの密着を、乾燥固化する接着剤を使用することなく、粘着剤の液状可塑剤と硬めの粘着剤を介して両者の間に介在する空気を絞り出し、大気圧の作用で圧着する方法である。しかしながら、これらの方法でも開発過程で以下のような問題点が発見された。すなわち、
▲1▼先行発明では、既設のパイプライン長さに対するライニングチューブの長さ合わせは、ライニングチューブ長さを既設パイプライン長さより長めに製作し、ライニングチューブ引き込み後、パイプライン長さに合わせてライニングチューブを切断し、その端面にガスケットを、乾燥固化する接着剤で固着する方法であったが、その接着力は弱く、流体の管壁摩擦力や鋼管とライニングチューブの線膨脹係数は、鋼管の8倍も大きく、その応力で接着部が剥離する問題が発生する。
加硫接着の接着力は非常に強力であるが、それには未加硫状態のライニングチューブとガスケットに加硫接着するので、蒸気加熱装置、加圧装置など大掛かりな設備と時間と熟練が必要であり、施工現地での接着は困難である。設備が整った工場での未加硫状態でのライニングチューブとガスケットの加硫接着が必要である。
▲2▼先行発明では、ライニングチューブの拡管はパイプラインの一端からピグランチャー内に収納されたピグを圧搾空気で圧送し、他端のピグキャッチャーでピグを受けとる方法であるが、パイプライン外径が3mに大径化すると、これら諸設備が巨大化して現地への搬入取り付け、取り外しに多くの費用と時間がかかる。
▲3▼先行発明では、鋼管とライニングを粘着剤で粘着させているが、一工区の長さ長くなると引き込み力が巨大になり、かつ引き込みに長時間を要する。
▲4▼高落差の水力発電は、15m/秒の高速で砂礫がフランジ面に衝突し、また、管壁摩擦力による大きな剪断力が発生する。先願発明は大きな管壁摩擦力に耐えられず、取水口で剥離が起こる。
▲5▼砂漠緑化、石炭スラリー輸送用のパイプライン長さは、何千キロメートルにもなり、かかる長距離にわたって摩耗したライニングチューブを短期間に引き剥さなければならない。水力発電の導水管の場合も同様に長さは数十キロメートルになり、発電停止時間を短縮するために、より一層の短時間の取替えが必要になる。すなわち、先行発明の空気圧入方式の引き剥がし方法では時間がかかり過ぎるという問題点がある。
▲6▼ライニングチューブ長さは何Kmにもなる。その輸送方法はライニングチューブ製作工場から現地までは船または貨物列車で施工現地の港または最寄りの駅まで輸送し、そこから索道で施工現地まで搬送するが、現地の状況によっては、現地近くまでトレーラー自動車で輸送して、そこでライニングチューブを接続しなければならない場合が生ずる。しかしながら、このような場合の接続方法が開示されていない。
▲7▼既設の揚水発電の水圧鉄管では内径6mで、かつ径が漸減している場合が多い。また途中にマンホールなど枝管があるが、先行発明ではかかる形状のライニングは不可能である。
そこで、本発明は、前記先行提案発明が抱えるすべての問題点を解消したライニング方法およびそのライニングの取り替え方法を提供することを目的とし、特に、パイプラインの外径が3mと大径化しても支障なく能率的にライニングを行なって、ライニングチューブのコストを有利に低減させて経済性を高めると共に、そのライニングチューブの取り替え作業の効率を高め、また好適にはライニングチューブの寿命の予測を可能にして、事前の準備を容易ならしめることを目的とする。
発明の開示
本発明のライニング方法は、
(1)鋼管継手を介して多数の鋼管を接続してパイプラインを敷設し、その両端をフランジ継手に形成してなる一工区長さのパイプラインの内面に、ライニングチューブをライニングするに当って、
流体の磨耗比率に合わせた形状に、前記一工区長さより少し短めに押し出し成型されてなる軟質ゴム製のライニングチューブを用意し、その両端にガスケットを加硫接着した後、ライニングチューブを可塑剤を抑えた硬めの粘着シートを貼り付けた補強シートで包み、その補強シートに包まれたライニングチューブをパイプラインの内側にロープ牽引車で引き込み、更に、所定間隔に連結された上下二段の車輪付き台車に補強シートに包まれたライニングチューブを乗せて引き込み、その引き込みが完了した後に、前記牽引車および台車を引き抜き回収し、ライニングチューブを引き伸ばして、前記ガスケットを前記フランジ面に合わせて仮留めし、そして予めライニングチューブ内に貫通させているロープで皿型ピグを牽引してライニングチューブを拡管して、鋼管とライニング間の空気を絞り出し、パイプライン両端部近くに予め粘着している粘着シートにより、再び空気が侵入しないようにシールし大気圧で圧着して、予め管内に塗布している粘着剤に対し塑性のある防錆油やグリースのような油脂類が補強シートを通って、硬めの粘着シートに浸透拡散して粘着剤を軟化させて、前記補強シートとライニングチューブとを強固に粘着させることができることを特徴とする連続的ライニング方法である。
上記(1)のライニング方法において、ライニングチューブとガスケットとの加硫接着は、ガスケットと一体構造のスリーブを取り付け、流体の管壁摩擦力で引き剥がされないように、流れ方向に対して所定の斜め角度で切断し接着することによって行なうことが望ましい。
さらに、上記(1)のライニング方法において、ガスケットが加硫接着されたライニングチューブを、複数個の鼓型ピンチロールで円形にし、その外周にプライマー塗布し、次いでライニングチューブを上方に押し上げ、ライニングチューブと異なる色に着色した未加硫の液状ウレタンゴム、加硫剤、加硫促進剤とをライニングチューブの外面に塗布して加硫し、それを斜め下方に下ろし、そこでも未加硫ウレタンゴム、加硫剤、加硫促進剤とを塗布して加硫することによって、ライニングチューブと異なる色に着色され、かつ上部よりも下部を厚くし形成して流体磨耗に対して所定以上の期間耐えられるようなウレタンゴム層を、ライニングチューブの外周に設けることが望ましい。
そのようなウレタンゴム層を設けることによって、油脂類による膨潤を防止し、またライニングチューブの取替え時期が所定期間、たとえば1年後に迫ったことを容易に判別でき、取替え用の新しいライニングチューブの製作、現地搬入等の取替え準備を調える余裕を与えることができる。
さらに、上記ウレタンゴム層を設ける工程を含んだライニング方法において、少なくとも以下の1)〜4)の工程、すなわち、
1)ライニングチューブの全長に牽引用ロープを貫通させ、そのライニングチューブの先端と後端にガムブラダー(ゴム製空気袋)を挿入し、それを貫通する管内に牽引用ロープを通し、その一端を連結する工程、
2)前記ライニングチューブ後端のガムブラダーのライニングチューブより出ている部分に、ガムプラダーの外径より少し小さめの内径に形成されたゴムスリーブを予め嵌挿し、ガムブラダーに圧搾空気を入れて膨らまして、ゴムスリーブがガムブラダーを強く締め付けるようにし、さらに、牽引用ロープを進行方向に引っ張って、その引張力によって、ゴムスリーブがガムブラダーを経由してライニングチューブ後端を押し、ライニングチューブを前方に押しだす工程、
3)後続するライニングチューブのガムブラダーに圧搾空気を入れ、それに貫通している牽引用ロープと前方の牽引用ロープとを連結し、前方のライニングチューブの前進に伴って、後続も引っ張られて前進するようにする工程、
4)予めライニングチューブの端に嵌挿しているポリエチレン・スリーブをチューブ連結部に移動させて、両ライニングチューブ端のガスケット間を覆い、スリーブの両端を緊結する工程、
を含んでなることが望ましく、それによって、工区長さに対応したライニングチューブを次々に連結して、ウレタンゴムの塗布と加硫を連続的に行なうことができる。
さらに、上記(1)のライニング方法において、パイプライン両端のフランジ継手部において、ライニングチューブ端部の前記ガスケットと両面粘着シートと前記補強シートの端部を、多数の細かい鋸歯状溝を同心円状または螺旋状に切削加工した締め付け面を有するストッパープレートおよびガスケット保護プレートで締め付け、前記フランジに締め付け固着して強固に保持することが望ましく、また、パイプライン両端の上流側および下流側のそれぞれの端部から所定範囲内にある鋼管と補強シートとを、両面粘着シートで粘着させることが望ましく、さらに、各鋼管継手の端部内周面に対して、予め無数の突起を有するナイロン製パッキンを固着させ、そのパッキン先端部の無数の突起を前記補強シートの布面に食い込ませることが望ましい。
そのような方法によって、補強シートに負荷される流体の管壁摩擦力を鋼管に 効果的に伝達し、ライニングチューブを堅固に保持することができる。
上記(1)のライニング方法において、ライニングチューブをパイプライン内に引き込むための上下二段の動力駆動車輪付き牽引車は、上下二段の車輪A及び車輪Bが動力で互いに反対方向に回転するような構造を有していることが望ましい。
また、本発明は、
(2)鋼管継手を介して多数の鋼管を接続してパイプラインを敷設し、その両端をフランジ継手に形成してなる一工区長さのパイプラインの内面にライニングされたライニングチューブを取替えるに当って、少なくとも以下の1)〜6)の工程、すなわち、
1)パイプラインの一工区両端の上流側および下流側のフランジ継手を外し、鋼管内面と補強シートを粘着している管端部付近の粘着部を引き剥がす工程、
2)真空ポンプのサクションパイプを、ライニングチューブの上流側および下流側の両端開口部から挿入し、その開口部を密封して真空ポンプを作動させて、ライニングチューブ内を負圧にし、ライニングチューブを大気圧で押し潰す工程、
3)パイプラインの上流側より上下二段の動力駆動車輪付き牽引車を複数個連結し、前記の上下二段の車輪付き台車を所定間隔にロープで連結し、押し潰されたライニングチューブの下に挿入して下流側に向け走行させ、ライニングチューブを上方に持ち上げる工程、
4)前記牽引車が下流側に到達した際に、それを回収し、前記上下二段の車輪付き台車を移動しないように前記のロープで固定する工程、
5)パイプラインの一工区の下流側に、摩耗チューブを回転させ捩じりながら引き出す装置を設置し、上流側の摩耗チューブの端を、捩じり力が伝達しない回転式継手を介して新しいライニングチューブとロープで連結する工程、
6)前記の固定した台車上に新しいライニングチューブを乗せ上流側より押し込み、それと同時に下流側の回転捩じり引き出し装置を作動させて摩滅したライニングチューブを下流側に引き出す工程、
を含んでなることを特徴とするライニングの取替方法である。
上記(2)のライニングの取替方法において、上下二段の動力駆動車輪付き牽引車は、上下二段の車輪A及び車輪Bが動力で互いに反対方向に回転するような構造を有していることが望ましい。
発明を実施するための最良の形態
本発明のライニング方法においては、ラインパイプの内周面に沿って配設されるライニングチューブは、図2に示すように、その肉厚が周方向で、輸送流体による摩耗量に応じて厚くして、摩耗量の多い部分は肉厚に、磨耗量の少ない部分は薄肉になるように押し出し成型して製作されたものを採用する。
このような形態を採用したのは、ライニングしていない鋼管2の周方向の摩耗量の変化は、流体中の粉体の粒径、粉体の比重、粉体の混入率などにより異なることから、このような鋼管内壁の磨耗量の上下位置による違いに応じるためである。
ちなみに、上下の摩耗量の差の大きいのは浚渫土砂の排砂管で、上下の磨耗量の比は1:8である。これは大きな礫まで吸引するからである。また、高濃度石炭スラリー用配管では、石炭を微粉炭まで細かく破砕したものが流れ、比重も砂礫より小さいので、上下の磨耗量の差は1:4と小さく、水道用配管は、浄水場の沈殿池で粘土まで取り除いた水が流れるので、上下の摩耗量の差は殆ど無い。
このような構成のライニングチューブを用いることによって、パイプラインを一定期間使用した後、ライニングチューブの摩耗末期に至って、それの周方向の残存肉厚を周方向の全体にわたって実質的に均一ならしめることができ、これにより、ライニングチューブの特定部分に余剰の肉厚が残存することがないので、ライニングチューブのコストの低減、原材料歩留りの向上等の下で経済性を有利に向上させることができる。
そして、このことは、ライニングチューブの周方向の肉厚を、ライニングチューブのないパイプの周方向における各部の摩耗率に比例して変化させて、ライニングチューブの周方向における残存肉厚を一層均一化した場合に特に顕著である。
ライニングチューブ1の材質は、軟質天然ゴムが好適であり、たとえば、Dunlop hardness 35,Lupke resilience 60が最適である。
それを選択した理由は、土砂流送の国際会議で発表した資料(Reference:B.E.A.Jacobs,J.G.James,「THE WEAR RATES OF SOME ABRASION RESISTANT MATERIALS」9th International Conference on 「HYDRAULIC TRANSPORT OF SOLIDS INPIPES」Rome,Italy:17−19 October 1984)によると、上記の軟質天然ゴムが最も耐摩耗性に優れ、鋼管の12倍も優れていると報告されているからである。
また、このライニングチューブ1の外周にライニングされるウレタンゴムは、耐摩耗性、耐化学薬品性、耐油性、耐オゾン性に優れたポリエーテルウレタンゴムが好適である。ウレタンゴムには他にポリエステルウレタンゴムがあるが、前者と比べ耐摩耗性や耐寒性にやや劣るので、過酷な磨耗環境での使用には適していない。
このような軟質ゴム製のライニングチューブ1は、鋼管内に引き込まれる際には、図3に示すように、できるだけ見掛けの断面積を減らして引き込みを容易にするために、偏平にした後に丸められ、その外周面に紐12(図4)がスパイラル状に巻きつけられ、元に戻らないようにされ、さらに、その外周面を補強シート4が包んだ状態で引き込まれる。
なお、スパイラル状に巻かれた紐12は、後述するようなビグによるチューブ拡管時に破断され、埋め殺しにされる。
従来技術では、厚肉ライニングをした管を、砂礫を積極的に吸引して排出するような取水管に使うと、次のような原因により、フランジ部から剥離する。▲1▼管壁摩擦力によりガスケットとライニングチューブとを乾燥固化する接着剤で接着しているが、その接着部から剥離する。▲2▼ガスケットに砂礫が激しく当たりガスケットとフランジ面の間の接着が剥離する。▲3▼高分子材からなるライニング材の膨脹係数は、鋼管の10倍も大きく、ライニングを乾燥固化する接着剤で鋼管に固着すると温度変化により両者の境界面で管軸方向に剪断応力が発生する。その剪断応力はライニング厚さに比例して大きく、パイプラインの中央部ではゼロであるが、パイプライン端のフランジ部に近くなる程大きくなり、フランジ部でライニング剥離が起る。そして、ゴムライニングとガスケットの接着は、乾燥固化型、あるいは重合固化型のいずれの接着剤を使っても、その接着力はゴム本体の強度と比べかなり弱い。
これに対して、、本発明のライニング方法を取水管に適用する場合には、図1に示すような取水口構造を採用することによって、従来技術に見られるライニング剥離を防止している。
すなわち、スリーブ付きガスケット20を一体構造に製作し、それとライニングチューブ1の接着面は、管壁摩擦力で剥離し難いように、流れ方向に対して傾斜させ、その面に未加硫のライニングチューブ1を加圧し蒸気で加熱し、ゴム本体と同等以上に強い加硫接着で接着する。
ライニングチューブ1の厚さは、周方向に摩耗量に応じて変化させているので、それに対応しスリーブも同じ厚みに変化させ、それとガスケットとを一体構造に作る。その際、必要に応じて両者の間に未加硫ゴムシートを介在させる。ライニングチューブ他端も同様な方法でスリーブ付きガスケット20を加硫接着する。かかる作業は現地施工では不可能であり、これらの設備の整った工場でライニングチューブが未加硫の状態の時に加工する。
そのため、ライニングチューブ長さは、パイプライン長さより2〜3%ほど短めに制作し、ライニングチューブを鋼管内に引き込んだ後、現地でライニングチューブ先端に予め結び付けたロープを引っ張り、ライニングチューブを引き伸ばしてガスケットをパイプライン端部のフランジ面に合わせて仮留して両者の長さを合わせる。
このライニングチューブの引き伸ばしの際に、補強シートがライニングチューブに粘着していると、引き伸ばしに非常に大きな力を要するので、補強シートのライニングチューブに接する面に貼り付けている両面粘着シートは、可塑剤の配合を極力抑えた硬めの粘着剤にし、押し付けただけでは容易に粘着しないようにしておく。
ライニングチューブ1の引き込み長さが長距離になる時は、引込み力を軽減するために、図11のような台車を約20m間隔に設置して、その上に丸められたライニングチューブを乗せて引き込む。
その方法は、先ず、図11の引き込み台車の車輪Aを電動式の車輪の自走式牽引車を複数台使用し、その内の一台でライニングチューブの補強シート先端のロープを牽引させ、残りの牽引車でライニングチューブ先端部を乗せて、一定間隔でロープで連結された台車を牽引させる。その台車にライニングチューブを積載させて引き込む。なお、引き込みが完了した後に、牽引車および台車は引き抜かれ回収される。
そうすると、鋼管とライニングチューブの摩擦力が殆ど無くなり、パイプライニングの長さが何キロメートルの長距離になっても、後方からピンチローラーで押し込むだけでライニングチューブをパイプライン内に貫通できる。
そして、ライニングチューブを拡管し管内面に圧着した後、予め管内面に塗布している可塑性のある防錆油やグリース等の油脂類が、補強シートに浸透し硬めの粘着シートに拡散浸透して粘着剤を通常の柔らかさに出来るので、ライニングチューブと補強シートとが強固に粘着する。
図4は、皿型ピグによるライニングチューブの拡管方法を図示している。3m外径の先願発明の圧搾空気による砲弾型ピグ圧送は、付帯設備が巨大化して多くの取扱時間を要するが、本発明が採用する拡管方式は、皿型ピグと牽引用ワイヤーとそれを牽引するウインチさえあればライニングチューブを拡管しライニングできる。
なお、牽引用ロープはライニングチューブの工場製作時にライニングチューブ内をロープ牽引用自走車を走行させて、ワイヤーを貫通させておく。
従来技術では、鋼管と厚肉ライニングチューブとの間に乾燥固化型接着剤を用いるが、その際に両者の境界面に膨脹係数の差に起因する剪断応力が発生することは避けられない。乾燥固化型接着剤は剥離すれば接着力はゼロになり、ライニングを保持できない。
しかしながら、本発明では、それに代わって粘着剤により鋼管と補強シートとライニングチューブとの相互間を粘着して保持する。
この粘着剤は、鋼管と高分子材料の膨脹係数の差による応力が発生すると、ある範囲はそれに耐えるが、その限界を越えると緩やかな流動し、応力緩和を起こす。しかし、粘着剤は緩やかに流動しても粘着力は保持したままで剥離は起こらないよう、剪断応力を引張りまたは圧縮応力に変えてライニング厚さを変化させて応力を分散して保持するような方法で行なう。
図1に示すように、ライニング1と補強シート4の間に両面粘着シート3を介在させて両者を粘着させる。鋼管2と補強シート4とは、補強シート4に粘着剤を含浸させ、両者を粘着させる。補強シート4に粘着剤を含浸させる方法は、可塑剤を限界まで抑えた硬めの両面粘着シートを鋼管内面に予め貼り付けておく。また補強シート4にも可塑剤を予め含浸させておく。ライニング時に両者がピグにより押し付けられた時、補強シート含浸の可塑剤で硬めの両面粘着シートが軟化して両者が粘着保持されるからである。
ただし、補強シートと鋼管を粘着させる範囲は、摩耗ライニングチューブの取替え性を良くするために、パイプライン両端から所定の距離、たとえば3m以内とする。
パイプライン両端から3m以内の内側の鋼管と補強シートが接する面は、防錆油または潤滑グリースが介在するだけであり、両者は自由に滑動し管軸方向の剪断力は発生しない。
なお、後述するように鋼管継手の下流側に所定長さのシートファスナーが取り付けられ、それが補強シートの繊維に食い込み大きな剪断抵抗を発揮して補強シートに負荷された管壁摩擦力を支えるような構造が望ましい。
上記補強シートに負荷される管壁摩擦力は、パイプライン端部のフランジに強固に保持され、鋼管に対して伝達保持される。すなわち、ライニングチューブ端部のガスケット、両面粘着シート、補強シートは、パイプライン端部に取り付けられたガスケット保護プレート21とストッパープレート22との間で、ボルト23により強く締め付け保持される。
また上記ストッパープレート22のボルト穴にはネジが切られ、ボルト23を締め付けることにより、これらの端部は強く締め付けられ保持される構造になっている。その保持力を一層強くするために、ガスケットおよび補強シートに接する面に、鋸歯状の小さな溝が切削により形成される(SERRATED加工)ことが望ましい。このような溝の配列は、鋼管内径と同心円または螺旋状にすることが好ましく、ガスケット面と補強シートの繊維が細かい溝に食い込み、大きな摩擦抵抗を発揮し保持力を高められる。
上記ガスケット保護プレート21とストッパープレート22の二つのプレートは、その他に二つの機能を有する。
その一つは、図1に示すように、粒径の大きい砂礫が高速でガスケット面に衝突して傷めるのを防止するためである。ガスケット保護プレート21は、高速の砂礫が激しく衝突し摩耗するので、耐摩耗性の優れた材料、例えば13Mn鋼、Ni−Hard Steelなどの合金鋼などを使う。あるいは、それら金属を肉盛溶接したものを使う。
二つのプレートのもう一つの機能は、ライニングチューブのパイプライン内の引き込みが終わる時、ライニングチューブ末端のガスケットがフランジ面に接して正確な位置に停止させることである。それにはライニングチューブ引き込み前に、ライニングチューブ引き込み末端のガスケットと両面粘着シート、および補強シートの端部を二つのプレートで挟み、ボルト23を締め付けて、ストッパープレート22のボルト穴のネジでガスケットと両面粘着シート、および補強シートの端部を強く締め付ける。そうしてライニングチューブ引き込みを始め、引き込みが終わる直前に一旦停止して、ライニングチューブが捩じれてないか、ライニングチューブの最上部のボルト23がフランジ9の最上部のボルト穴に入るか、他のボルトも相対応するボルト穴に入るかどうか位置調整する。そしてゆっくりと引き込みを再開して、ストッパープレート22がフランジ面に当たった時、引き込みを停止する。ストッパープレートはそれ以上ガスケットが引き込まれるのを防止する働きをする。
なお、パイプライン相互を連結する場合は、ライニング後に、ガスケット保護プレートを取り去り、双方のフランジのガスケットを接触させフランジをボルト・ナットで締め付けて接続する。この場合のガスケット保護プレートは、工事期間中だけのガスケット保護であり、材質は普通鋼で良く、内径は鋼管内径と同じで良い。
本発明のライニング方法において、ライニングチューブの外周に紅色着色ウレタンゴムをコーティングして、所定の厚さのウレタンゴム層を形成する目的は二つある。
その一つは、ライニングチューブが摩耗消失して紅色着色ウレタンゴムが露出し、取替え時期が、たとえば一年後に迫ったことを予告し、使用者に新しいライニングチューブの製作や、現地への搬入など取替え作業の準備をさせる時間的な余裕を与えるためである。
もう一つの目的は、パイプライン内面にはグリースや防錆油等の油脂類が塗布されており、天然ゴム製ライニングチューブにその油脂類が接触するとゴムが膨潤し性能が低下する。これを防止するため耐油性に優れたウレタンゴムで全外面にコーティングして油脂類が天然ゴムに接触させないためである。
現在行われているコーティング方法は、長さ12mのゴムチューブ内にマンドレルを挿入して円筒形にして、マンドレルの軸を回転軸にして回転させながら、プライマー塗布、未加硫の液状ウレタンゴムを塗布し、熱風で加硫して1.5mm厚さにし、再び未加硫ウレタンゴム塗布して、熱風で加硫し、2回塗装で膜厚3mmのウレタンゴムの層を形成させている。
本発明の場合、ライニングチューブ1の長さは何キロメートにもなり、チューブ回転塗布はできないので、図8のように、鼓型ピンチローラー31とガイドローラ36およびライニングチューブ内に貫通している牽引用ロープとで、ライニングチューブ1を所望の角度αで持ち上げ、その角度で降ろし、その過程でプライマーのスプレー塗装、熱風乾燥、未加硫の液状ウレタンゴムのスプレー塗布、加硫剤および加硫促進剤の塗布とブラシの振動による撹拌混合、熱風加硫をして所定の膜厚にする(図8を用いて説明を追加する)。
ライニングの摩耗は、下部が上部の何倍も大きいため、本発明に採用されるウレタンゴムの膜厚は、1年以上の耐用年数になるように、その下部の厚さを上部より厚くしなければならない。そのため、ライニングチューブを持ち上げる所定の角度αにして、液状ウレタンゴムが流れて落ちて下部が厚くなるようリング状のスポンジ34で押えの加減を調整して所定の厚さにする。
各種の工区長さに対応したライニングチューブを次々に連結し、ライニングチューブの外面に連続的にウレタンゴムの塗布と加硫を行なうには、以下のような方法を用いることが望ましい。すなわち、
1)図9に示すように、先行するライニングチューブ1aの全長に牽引用ロープ6aを貫通させる。ライニングチューブ1の先端と後端にガムブラダー27a(ゴム製空気袋)を挿入し、それを貫通する管内に牽引用ロープ6aを通し、その一端をシャックル43に連結する。
2)ライニングチューブ1a後端のガムブラダー27aのライニングチューブより出ている部分にゴムスリーブ42を予め嵌挿しておく。ゴムスリーブ42の内径はガムプラダー27aの外径より少し小さめに製作する。そしてガムブラダー27aに圧搾空気を入れて膨らまし、ゴムスリーブ42がガムブラダー27aを強く締め付ける。牽引用ロープ6aを進行方向に引っ張ると、その力はシャックル43、ガムブラダー27aを経由して、ゴムスリーブ42がライニングチューブ1aの後端を押し、ライニングチューブ1aを前に押し出す。
3)後続するライニングチューブ1bのガムブラダー27bに圧搾空気を入れ、それに貫通している牽引用ロープ6bと前方の牽引用ロープ6aとをシャクル43を介して連結する。そして前方のライニングチューブ1aが前進すれば、後続のライニングチューブ1bも引っ張られて前進する構造にする。
4)予めライニングチューブ6の端に嵌挿しているポリエチレン・スリーブ29をチューブ連結部に移動させ、両ライニングチューブ端のガスケット20の間を覆って、スリーブの両端を紐で緊結する。そうして連結部分のガスケット20、ガムブラダー27等にプライマーや液状ウレタンゴムで塗布されるのを防止する。
本発明のライニング方法においては、補強シートに負荷される流体の管壁摩擦力を継手部において保持することもできる。
図5には、継手部の内面に設けられるナイロン織布パッキン7が示されており、その先端部には無数の微細突起7aが設けられている。この微細突起7aは、シートファスナーと同じ原理でライニング後の補強シート4の繊維に食い込み、補強シート4にかかる管壁摩擦力を鋼管に伝達して支えるように機能する。シートファスナーは、管軸方向の剪断力には強い力を発揮するが、垂直に引き剥がす力に対して小さい力で引き剥がせる。この特徴を利用して、後で述べる理由により取替えを容易にするためである。
このようなナイロン織布パッキン7を採用する鋼管継手構造が、図6に示されている。このような管継手構造は、発明者が先に特願2000−240251において提案したもので、接合すべき2本のパイプの管軸方向に対する所定範囲の角度変位および管軸方向への伸縮に追従し、地盤と配管との間に摩擦力が発生することを阻止できるような自封性シール構造を具え、特に伸縮性および可撓性に優れた構造である。
図において、突合わせ接合するパイプ2a、2bのうち、一方のパイプ2aの管端部内周面には、超高張力鋼製の継手リング8がそれの一端部(遊端)が管軸方向に突出するようにして溶接・固着されている。
一方、このパイプ2aの外周面には、その管端部近傍に係止リング11が溶接・固着されると共に、その係止リング11から管軸方向の所定の位置にストッパリング19が溶接・固着されている。
これに対し、接合すべき他方のパイプ2bの外周面には、その管端部近傍に、補剛リング16が溶接・固着されると共に、この補強リング16の外周面には、一方のパイプ2aが接合される際にそのパイプ2aの管軸方向への移動を案内するための案内管17が溶接・固着されると共に、その案内管17の開口端から管軸方向に向って内側に60度の角度で折曲された複数の爪17aが一体に形成されている。
このパイプ2bの管端部内周面には、継手リング8外周面の一部に接触しそれを支持するシール部突起10が、前記一方のパイプ2aの管軸方向に対する最大変位角度およびパイプ外径に関連して決められる特定の曲率を有する円弧面を断面とする環状曲面に形成されている。
そして、前記補剛リング16の内周面からパイプ2b内周面のシール部にかけての全内周面に、両面に粘着材を有する粘着シート3を圧着することにより、粘着材層が形成され、さらに、この粘着シート(粘着材層)3の上には、粘性の高い潤滑グリース11を含浸させてなるナイロン織布製のパッキン7が圧着されている。
さらに、ナイロン織布製のパッキン7の端部には、多数の突起を有するシートファスナー7aが一体的に設けられ、そのシートファスナー7aの突起が、ラインパイプの管内に引き込まれるライニングチューブ1の外周を被覆している補強シート4の繊維に食い込むように構成されている。
このようなライニングチューブ1は、耐磨耗性に優れた軟質天然ゴム製であり、そのチューブの外周面を紅色に着色されたウレタンゴム層(図示を省略している)でコーティングし、さらにそのウレタンゴム層の外側に補強シート4が被覆形成されている。
そこで、このような管継手構造を有するパイプラインにおいて、パイプラインの内面にライニングする場合には、補強シート4に負荷される管壁摩擦力はパイプラインの上流で最も大きく、下流に行くに従って小さくなる。そこで補強シート4は、上流側でその先端部をフランジ部分の締付けで支え、次いで3m長さの粘着部分で支え、更に1m長さの短管を複数個を鋼管継手で接続し、それに設けたナイロン織布パッキン7の先端部のシートファスナー7aで支えるようにするのが望ましい。
このシートファスナー部7aの長さLは、そこに掛かる剪断力の大小で調節されるが、複数個の短管は管壁摩擦力が他の部分より大きいので長くする。
このパイプラインの上流部に複数個の短管を使う理由は、もう一つの別の理由がある。それは敷設すべき管路には直線部分と湾曲部分があり、湾曲部分には流体の遠心力が作用するので、それをアンカーブロックを介して地盤で支えるため、敷設に先だってアンカーブロックを設置しておく。アンカーブロック間の直線状の区間を一工区として、その距離に応じた本数の鋼管を配列してワイヤー・ジャッキで一括圧入し接続するが、工区間の測量長さと圧入後のパイプライン長さに多少の誤差がでるのは避けられない。その誤差を1m長さの短管の数で調節するためである。
図6に示すように、鋼管継手の下流側はシートファスナー部7aで補強シート4を保持し、上流側は補強シート4に含浸されたグリースで自由に滑るようにしている。これは継手部の伸縮間隙Cが変動しても、その変位がライニングチューブを局部的に引き伸ばしたり、圧縮してシワの発生を防止するためである。
従来技術では乾燥固化型、または重合固化型の接着剤で管とライニングとを固着させているが、かかる場合、伸縮継手部で伸縮が起こると、局部的に引き伸ばされ、その状態が長く持続するとゴムが老化して永久伸びを起こし、ライニング厚さが局部的に薄くなる。
更に持続するとゴムの劣化が起こってライニングが破断し、また、伸縮間隙が小さくなるとライニングにシワが生ずるので、共に好ましくないのである。
本発明のライニング方法において、ライニングチューブ拡管は、図4に示すように皿型多段ピグをロープ6で引っ張って拡管する。
ロープ6は、予めライニングチューブを工場にて製作する際に、チューブ内に貫通させておく。ピグ拡管前のライニングチューブ引き込み後、ライニングチューブはパイプラインより2〜3%短く造られているので、ライニングチューブ先端に予め結び付けられたロープ6を引っ張り、ライニングチューブだけ引き伸ばし、その先端のガスケット20をパイプラインのフランジ面9に合わせ、それを半割りフランジ9aで仮止めし、長さ合わせをする。その後、前記皿型ピグ5でライニングチューブを拡管する。
従来の砲弾型ピグを用いて圧搾空気による拡管方法は、大口径になるとピグランチャー、ピグキャッチャーが巨大化して、それの取り付け、取り外しに長時間を要するという課題があったが、本発明においては、図4に示すような皿型多段ピグ5をロープ6で引っ張ることによってライニングチューブを拡管するようにした。
次に、本発明にかかる磨耗したライニングチューブの取替方法は、以下のような手順で行なうことが望ましい。
まず、摩耗したライニングチューブの引き出しは、図7のように真空ポンプ13でチューブ内を負圧にして、大気圧で押し潰す。
次に、上下二段車輪型の動力駆動牽引台車を複数個連結し、それに上下二段車輪型台車を所定間隔で連結してライニングチューブ1と鋼管の間に挿入し走行させる。前記上下二段車輪型の動力駆動牽引車とは、図11に示すように、車輪Aと車輪Bが動力で上下車輪が逆方向に回転する構造のもので、車輪Aは鋼管内面に接し、前方に前進するように動力で回転し、車輪Bはライニングチューブ外周の補強シートに接し前方に前進するように車輪Aとは逆方向に動力で回転し、ライニングを上方に押し上げるように機能する。
前記の上下二段車輪型台車とは、図11の車輪Aと車輪Bが動力駆動ではなく、自由に回転する車輪を有する台車である。
前記の上下二段車輪型の動力駆動牽引車を使うのは、図6に示すような鋼管継手のナイロン製パッキン先端部のシートファスナー7aと補強シート4を効果的に引き剥がすためである。シートファスナー7aは管軸方向の剪断力には大きな抵抗を示すが、引き剥がしには小さな力で剥がすことができるという特徴があり、上下二段車輪型の動力駆動牽引車を走行させ引き剥がし、その後に、上下二段車輪型台車を一定間隔に連結してライニング上方に浮き上がられて保持する
次に、摩耗したライニングチューブを下流側に取り付けた捩じり装置で、チューブを捩じりながら下流側に引き出す。チューブを捩じる理由は、チューブが押し潰された状態では未だ空気が残存しており、捩じることにより空気を絞り出し、見掛け上の外径を小さくして引き抜きを容易にするためである。摩耗したライニングチューブを引き出す時、そのチューブの上流側をロープでライニングチューブに連結して、同時に引き込む。この際、摩耗チューブの捩じり力がライニングチューブに及ばないように、ロープ連結部に回転式継手を介在させる。ウレタンゴムが残存した状態で引き出せば、補強シートは傷んでいないので補強シートとして再利用できる。また部分的に傷んでいても補修することで再利用は可能である。
図12に示すように、パイプラインの管径が変化している場合、あるいは管径が非常に大きいか又は特殊な径の場合、あるいはパイプラインの途中に海老管などの曲管があって、ライニングチューブを連続的に押し出し成型で製作できない場合には、以下の1)〜11)のような方法でライニングチューブを製作し、ライニングする。
1)管の内面形状に合わせてライニングチューブを造るために、先ず、図13のようにチューブ形状の最上部を長さ方向に切断して展開した平面状シートを製作する。
2)平面状のシート1をチューブ状にする接続部の外面側およびチューブ相互の接続部の外面側に、強化繊維入りゴムシート37を加硫接着する。
3)ライニングチューブの最上流と最下流の端部に、スリーブ付きガスケット20を加硫接着する。
4)パイプラインの途中にマンホールなどフランジ付き短管があれば、平面状に展開した相当位置にフランジ付き短管の内面と同一形状のライニングとガスケットを加硫接着する。
5)ライニングの外面側に液状の未加硫着色ウレタンゴムをコーティングし、加硫し硬化させ、その膜厚は1年以上摩耗に耐える厚さにする。
6)前記の強化繊維入りゴムシート37の内面側に両面粘着剤を貼り付ける。そして平面状ライニングゴムシートを幅方向の端の両面粘着剤で貼り付け、チューブ状にし、更に、チューブ相互を接続し、一体化したライニングチューブ1を製作する。
7)パイプラインの途中に海老管または曲り管があれば、その長手方向の中央部に蛍光塗料を塗布し、内面に粘着剤に対し可塑性を有する防錆油を塗布する。
8)ライニングチューブ1を偏平にして丸める。その外周を内面側に硬い目の両面粘着シート3を貼り付けた補強シート4で包み、補強シート先端部と後端部の数メートルは硬めの両面粘着シート3を貼り付けておく。そしてライニングチューブ先端にはガムブラダーとその圧力を調節するエアーホースを上流側に牽引するロープなどを予め挿入しておく。そしてライニングチューブ1の先端、曲り管、海老管などの要所には容易に判る目印とテレビカメラを設置し、その近くをロープで縛り、そのロープ1の端はパイプラインの上端部まで延長させる。そうした状態でライニングチューブ1の先端をパイプラインの上流側より挿入し、その先端がパイプライン先端に正確に一致した時、ガムブラダーに空気を送り膨脹させる。それにより硬めの両面粘着シートは予め塗布されていた可塑性を有する防錆油で軟化して粘着性が増大させ、ライニングと補強シート4、鋼管内面が粘着剤で強固に粘着させる。
9)マンホールなどのあるライニングチューブ1は、チューブ挿入前にマンホール部のライニングをロープで結び、そのロープ先端をマンホールに貫通させてから、ライニングチューブを管内に挿入する。そしてマンホール部のライニングがマンホールの位置に達した時、ロープを引っ張り、マンホール部のフランジ継手にライニングのガスケットを合わせ固定する。
10)パイプライン内の予め塗布している曲り管や海老管のセンター位置を示す蛍光塗料と、ライニング付けられた目印の位置が一致するようにそれぞれ箇所に結び付けたロープを引っ張り位置を調整し、パイプライン端のフランジ面とライニング端部ガスケット面を一致させて仮留する。位置調整後、ライニングチューブを曲り管、海老管部で捕縛しているロープの結びを解放して、ロープを撤去する。
11)ライニングチューブの先端にあるガムプラダーをロープで上流方向に牽引し、管内径の漸増すれば、ガムブラダーに圧搾空気を送り、常に一定圧力以上でライニングを管に押し付けるようにし、ライニングチューブと管の間に介在している空気を絞り出す。そしてライニングと鋼管の両端は間は粘着剤でシールされ、空気が再び侵入しないようにし、ライニングは鋼管に大気圧で圧着される。
なお、水力発電の導水管の摩耗状況のチェックは、オフピーク時の発電を停止いた時、導水管の適当な位置に設置した内視鏡監視枝管より内視鏡を管内に出して、ウレタンゴムの露出の有無をチェックする。これらのチェックは麓の水力発電所のコントロールセンターで遠隔操縦で多数の地点を容易にチェックできるようにする。
何キロメートルもの長さのライニングチューブを敷設現地に搬送するには、通常はライニングチューブ製作工場に鉄道貨車の引き込み線を設けて、貨車にライニングチューブを折り畳むようにして積載して、その貨車が一杯になれば、そのライニングチューブの延長部を次の貨車に積載し、その貨車が一杯になれば次の貨車へてとライニングチューブを連続的に積載する。そして施工現地の最寄り駅から索道で現地まで搬送する。海外の場合も船の船倉にライニングチューブを折り畳んで積み込み、鉄道のある港まで輸送して貨車輸送となれる。
なお、何等かの事情でトレーラー輸送に限定される場合は、以下の1)〜6)のような方法で、トレーラーに積み込み可能長さにして、施工現地で接続して、ライニンググ長さを一工区の所定長さにする。
1)図10に示すような下流側のライニングチューブ1の接続面は、予め工場で流体摩擦力で剥がれない角度に斜め切断加工し、強化繊維入りゴムシート37を端部の外周に加硫接着しておく。また、予め工場においてガムブラダー牽引用ロープ6、およびエアホース40をライニングチューブ1内に挿通させて、現地に搬入する。
2)上流側のライニングチューブ1の接続面は、予め工場で流体摩擦力で剥がれない方向に斜め切断し、ガムブラダー27を挿入しておく。またチューブ外周面および斜め切断面には離型紙付き両面粘着剤を離型紙付き面を外側にして粘着させて、現地に搬入する。
3)半割り型拡管リング39の下半分を基礎に固定して、そこに下流側のライニングチューブ1の端部を置き、その上に半割り型拡管リング39の上半分で覆い、独立気泡型スポンジ38で囲まれた空間の空気を真空ポンプで抜き、独立気泡型スポンジ38をライニングチューブ内の大気圧で圧縮し、ライニングチューブ1を拡管して、実質的な真円とする。
4)上流側のライニングチューブ1の端部に複数個の半割り型外周押さえリング41を嵌め、ガムブラダー27に圧搾空気を入れ、半割り型外周押さえリング41を内面から加圧し、ピグ牽引用ロープ6を流体流れ方向に引っ張って、チューブ1の端部の斜め切断面が下流側斜め切断面に接するようにして、両面粘着シート3の離型紙をはぎ取り、両方の斜め切断面を粘着させる。更に、真空拡管リング39の真空部分に空気を入れ、拡管状態を元の径に戻し、斜め切断面の粘着面を外周から木ハンマーなどで満遍なく叩き、両者を完全に粘着させる。
5)半割り型外周押さえリング41を取り外して、両面粘着シート3の離型紙をはぎ取り、その上に強化繊維入りゴムシート37を粘着させ、その上から半割り型外周押さえリング41で押さえ、ガムブラダー27で膨らませ強化繊維入りゴムシート37の粘着面を加圧して十分に粘着させる。適時に位置を変え、粘着面を満遍なく加圧する。
6)ガムプラダー27内の圧搾空気を抜き、シャックル43に一端が固定された牽引用ロープ6を流れ方向に引っ張り出し、同時にエアーホース40も引っ張り出して回収する。
以上、本発明のライニング方法を導水管に適用した場合を中心に説明したが、これに限られるものではなく、天然ガスパイプラインのようにパイプ内に天然ガスを通す場合は、摩耗は殆ど無いが硫化水素、炭酸ガスが水に溶けてパイプを腐食させるので、ライニング材としては、耐油性、耐薬品性に優れたニトリルゴム(NBR)を使うことが望ましく、そのような材料を6mm厚さに押し出し成型してライニングチューブを製作し、それを補強シートに包んでライニングする。
なお、このニトリルゴムは、防錆油やグリースにより膨潤する恐れが無く、摩耗も殆ど起こらないことから、紅色着色のウレタンゴム層を設ける必要性はほとんどない。
このような天然ガスパイプラインに本発明のライニング方法を適用すれば、天然ガス中に含まれる湿潤な硫化水素や炭酸ガスをライニングで遮断し、かつ補強シートに含浸した防錆油で腐食が防止できるので耐用年数は永久的である。
かくして、本発明によれば、以下のような顕著な効果を奏することができる。
(1)ライニングチューブの肉厚を周方向に変化させることで、ライニングチューブそれ自体のコストを低減して経済性を高めることができる。
(2)ライニングチューブの取替え時期の接近が容易に発見できる。即ち、ライニングチューブの円周方向の厚さは、摩耗性流体による周方向の摩耗率に合わせてあるので、軟質ゴムからなるライニングチューブが摩滅してなくなってウレタンゴム層が露出するのは、周方向で差がなく、殆ど同時期になる。
従って、ウレタンゴム層が露出する時は、円周方向の広い範囲が露出し、発見が容易である。パイプラインの適当な位置に設置された監視用枝管から定期的に内視鏡で管内をチェックしておれば、黒色のライニングチューブに対し、紅色着色のウレタンゴムの層の露出は容易に発見できるので、見落とすことはない。
(3)ライニングチューブの取替え時期を事前に予告してくれるので、新しいライニングチューブの製作等の十分な準備が容易である。
(4)取替え時は、ライニングチューブは摩耗し尽くされ、好適には、ウレタンゴム層と補強シートだけが残存するが、補強シートは殆ど摩耗されていないので、再使用が可能である。
(5)この方法に従って、ライニングチューブの取替えをすれば、パイプライン内面は全く摩耗していないので、パイプラインの耐用年数は永久的である。
(6)摩耗したライニングチューブの引き剥がし方法に就いて、先願発明では、管とライニングの間は高粘性の可塑剤と粘着剤とが介在し、それを引き剥がすにはパイプ端から圧搾空気をパイプとライニングチューブの間に吹き込んで、ライニングチューブを押し潰す方法を取っているが、ライニングチューブ内に滞留している空気を追い出しながら押し潰すので時間がかかったが、本発明では真空ポンプでライニングチューブ内を負圧にすれば、ライニングチューブの全長が同時かつ迅速に負圧になり、管とライニングの間には防錆油とグリースしか存在せず、外周全長に大気圧が作用して急速に押し潰されるので、短時間の取替えが可能になる。
(7)苛酷な摩耗環境にある導水管やパイプラインでも耐用年数を永久化する特長とする本発明と、前述したような本発明者の先行提案技術である「水力発電方法」および「鋼管継手」との三つの技術を組み合わせると、持続的経済発展を可能にし、非常に大きな効果が発揮できる。
その一つの例が中小規模の水力発電である。在来型の中小水力発電のダム湖は貯水効率(ダム堰堤体積に対する貯水量の倍数)が小さく10〜20倍しかなく、ダム湖は短期間に土砂で埋まり、洪水時、豊水期の水は発電に使われず、堰堤を越えて無効放流され、渇水期の水量しか発電に使えない。
本発明でライニングした導水管で流下する土砂だけでなく河床に前からあった砂礫も吸引して排出し、ダム上流の河床が逆勾配になる程、深く浚渫することができる。そうすると豊水期の水量は勿論、洪水時の水量も貯留して発電に使うことがでる。それにより発電に利用できる水量は在来の3倍になる。そして電力のピーク時にはダム湖が空になるまで使い切り、オフピークに貯水する電力調節機能、洪水時の水を総て貯留する洪水防御機能、土石流をダムで食い止め、それを発電時に水と共に下流に流し、砂礫分離装置で分離し、砂礫集積場の流送する砂防機能の三つの機能を永久的に持続できる。
かかるダムをある水系の本流、支流の最上流部に造り、発電所を山地の麓に設置して落差を最大化し、更に、両者の間に湧き水や支流の流入する地点に多数のダムを造り、集水流域面積を大規模ダムと同じにする。そうすると、その水系に大規模ダムを造った場合と比較し、平均落差は大規模ダムの数倍(それをm倍とする)になり、集水流域面積と貯水量は大規模ダムと同じであるので発電量は大規模ダムのm倍になる。大規模ダムのように広大で肥沃な森林や農地、それに居住地を水没させて流域住民の生活基盤を奪うことはないので、巨額の補償費は不要である。従って発電コストは大規模ダム以下に安くなる。
(8)多雨地帯の水を分水嶺を越えて乾燥地帯に送水する事業に、本発明と、前述したような本発明者の先行提案技術である「水力発電方法」および「鋼管継手」との三つの技術を組み合わせると収益性を著しく高めることができる。
即ち、多雨地帯の河川の多数のダムを造り水力発電する一方、そのダム湖の水を分水嶺直下の導水トンネルに水力で得られた電力で揚水し、乾燥地帯に設置された発電所に導水し、水力発電後、その水を灌漑用水に使う。これら多数のダムと長距離の導水管の耐用年数は永久的にその機能を持続するので、減価償却費は実質的にゼロになり、収益性を著しく高めることができる。
(9)既設の水力発電、揚水発電の水圧鉄管には、内径が6mもあり、かつ径が漸減しているので、ライニングチューブを押し出し成型方法では製作できないが、ライニングを平板状に展開し、それを強化繊維入りゴムシートを介して粘着接続することにより、いかなる大径で径が漸減するなど複雑な形状の物でもライニングが可能になり、耐用年数を永久化することができる。
産業上の利用可能性
以上説明したように、本発明にかかるパイプラインのライニング方法およびその取替え方法は、砂礫混じりの水が高速で流れる水力発電、揚水発電の導水管、乾燥帯の灌漑用導水管、土砂、石炭や鉱石の粉粒などを含む摩耗性流体を輸送するスラリーパイプライン、腐食性流体を輸送するパイプライン、摩耗が激しいカプセル輸送管などを連続的にライニングし、磨耗したライニングを効率良く取替える方法であり、パイプラインの外径が3mと大径化しても支障なく能率的にライニングを行なって、ライニングチューブのコストを有利に低減させて経済性を高めると共に、そのライニングチューブの取り替え作業の効率を高め、またライニングチューブの寿命の予測を可能にして、事前の準備を容易ならしめることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明のライニング方法を水力発電の取水用導水管に適用した場合の、取水口付近の概略図である。
図2は、本発明のライニング方法に用いられる、押出し成型で製作されたライニングチューブの概略的断面図である。
図3は、補強シートで包まれたライニングチューブの丸められた状態を示す概略的断面図である。
図4は、ピグによるライニングチューブの拡管を説明する概略図である。
図5は、ナイロン織布製パッキンとその先端に固着されたシートファスナーを示す概略図である。
図6は、ライニングされた鋼管継手部を示す断面図である。
図7は、摩耗したライニングの取替え方法を説明する概略図である。
図8は、ライニングチューブ外面にウレタンゴムを連続塗布する方法を説明するための概略図である。
図9は、ウレタンゴムを連続的に塗布したライニングチューブの接続部の詳細図である。
図10は、ライニングチューブの現地での接続方法を説明するための概略図である。
図11は、ライニングチューブの引き込み用台車を示す概略図である。
図12は、海老管および外径が漸減している水圧鉄管の概略図である。
図13は、海老管および外径が漸減している水圧鉄管の展開図である。
a)発明の分野
本発明は、砂礫混じりの水が高速で流れる水力発電、揚水発電の導水管、乾燥帯の灌漑用導水管、土砂、石炭や鉱石の粉粒などを含む摩耗性流体を輸送するスラリーパイプライン、腐食性流体を輸送するパイプライン、摩耗が激しいカプセル輸送管などを連続的にライニングする方法およびその取替方法に関する。
b)従来技術の説明
発明者は、水力発電において、貯水池に流下した土砂、有機物等を水と共に取水管に積極的に吸引して排出し、貯水池への土砂、有機物等の堆積を防止することを目的とする技術を、特許第1954831号「貯水池における砂礫の排出方法」において提案している。
更に、そのような技術を改良して、特願平11−89057「水力発電用ダムならびにそれを用いた発電および揚水方法」および特願2000−26560「ダム施工方法、水力発電方法」において次のように提案している。
すなわち、「水力発電の落差を最大化するために、河川の本流、支流の最上流にダムを造り、発電所を山地の麓に造る。その間に多数のダムを階段状に造り、その水系に大規模ダムを造った場合を想定して、それと同じ集水流域面積になるようにする。この多数のダム群は、流下する土砂や有機物を導水管で吸引排出するだけでなく、ダム上流の河床を水平または逆勾配になる程、土砂を導水管で吸引排出して洪水時の水量をも貯留可能にする。そうして小規模ダム群の総貯水量を大規模ダムに造った場合と同等になる。この提案技術(以下、新水力発電方法と言う)の落差は河川最上流ダムで2000mになる場合もあり、階段状のダムの落差と平均すると400〜800mになる。それに対し大規模ダムの落差は200m前後であるので、落差は2〜4倍に増大する。発電量は(落差)×(流量)に比例し、集水流域面積と貯水量が同じであれば、流量は同じであるので、新水力発電方法は同じ水系に大規模ダムを造った場合と比較して発電量は2〜4倍に増大し、発電コストは大規模ダムの3円/KWhと同等になる。在来の小規模ダムの発電コストは30円/KWh以上と高く、これが水力開発の大きな障害になっていたが、この問題が解決する。」との提案をしている。
このような新水力発電方法を実現させるためには、次のような課題を解決しなければならない。即ち、この水力発電方法では落差2000mになると導水管内を流れ下る流速は15m/秒近くなる。在来型の水圧鉄管(導水管)の場合は、5m/秒と比べ流速は3倍以上に増大する。摩耗は流速の二乗に比例するので、摩耗量は9倍になる。また、在来法は流水中の砂礫の混入率は細砂が1%混入に対し、新水力発電方法では摩耗性の大きい粒径の大きい砂礫が混入し、その上に混入率は6%になる。
以上のことを総合すると、新水力発電方法の導水管摩耗量は、在来法の水圧鉄管の54倍程になる。その上、砂礫の粒径が大きいため、下部が上部の8倍ほど多く摩耗する。この苛酷な摩耗環境に耐えられる在来技術は一つも無い。
例えば、在来の水圧鉄管の管厚は、内圧から設計計算で求められた厚さに15mm厚さを摩耗代として加えた厚さにしている。在来法では、3年に一度のタールエポキシ補修塗装をしても耐用年数は50年ほどであるが、新水力発電方法の苛酷な摩耗環境では2年で管の穴が開き鉄屑になる。
中小水力発電所の水圧鉄管の低圧部分にはFRP管が使われている。この管の内面は、不飽和ポリエステル樹脂と有機系不織布からなる保護層で、その外周をガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂で補強し、その外周を樹脂モルタルなどで補強した管である。
この保護層は腐食しないので、鋼管のように3年に一度の補修塗装が不要になり、管接続がジャッキ圧入だけで簡単であるなどの利点で使われている。保護層の不飽和ポリエステル樹脂は、その耐摩耗性が鉄と同程度であり、その層厚み6mmである。
在来型の水圧鉄管として使うなら耐用年数は30〜40年ぐらいであるが、新水力発電方法の導水管のような苛酷な摩耗環境で使うならば、ほぼ半年で産業廃棄物になる。
日本フレクト(株)の提案技術である「ごみ輸送管」(特開平8−301446)のゴミ輸送速度は、新水力発電方法の導水管流速と比べ遥かに遅く、従って摩耗環境は遥かに軽微である。ゴミ輸送に限定するならば、この提案技術でも使えるが、新水力発電方法の導水管のような厳しい摩耗環境では、2か月程使用すれば管に穴が開き使用できなくなる。
その理由は、
1)この技術は、耐摩耗性が鋼管より優れた高クローム鋼の内貼部材を摩耗しやすい鋼管底部にボルト・ナットで固定する方法である。この技術を苛酷な摩耗環境の新水力発電の導水管に使用すると、前記のボルト・ナットの穴の側面は流体の流れ方向に直角であり、この側面に砂礫が高速で衝突して渦流を起こし激しい局部摩耗を起こし、内貼部材が剥離する。
2)鋼管を溶接接続する場合やフランジ継手の場合でも、接続部に内貼部材に隙間が生じ、流体の流れ方向に直角な側面が流体に晒され、そこでも高速の砂礫が激しく衝突して渦流を生じ、局部摩耗が起こり、間隙は次第に拡大し、鋼管本体に穴開きを生ずる。
3)ゴミ輸送の場合、ゴミは管下部しか流れないが、新水力発電の導水管は管上部でも細砂を混入した水が高速で流れ摩耗するので、ライニングは必要である。
住友電気工業(株)の提案技術である「管内面被覆用チューブ」(特開昭58−167156)は、砂礫の混入が殆どなく、流速が遅く、摩耗が殆ど起こらず、ただ腐食だけが起こるような管の防食を目的としたライニング、たとえば水道管やガス管などのライニングであり、苛酷な摩耗環境の新水力発電の導水管としての使用は下記の理由により不適である。
1)管内面へのライニングは、熱溶融性接着剤もしくは熱硬化性接着剤を用いているが、管とライニングの間に両者の膨脹係数の差により剪断応力が発生する。高分子樹脂は鉄の10倍ぐらい膨張係数が大きく、ライニング厚さが厚くなる程、剪断応力は増大し、管の両端部に剪断応力が集まりライニングの剥離が起こる。
従って厚肉のライニングはできない。この提案技術のライニング厚さは1mmで薄く、大きな剪断応力は発生しないが、この厚さでは防食用ライニングには適しているが、苛酷な摩耗環境の新水力発電の導水管では1か月で摩耗してしまう。
2)ライニングチューブを、その内面に接着剤を塗布し、それをリール状に巻いてチューブ反転器に入れ、それの加圧口から空気を圧入して、チューブの内外面を反転させて、接着剤塗布面を外面に出しながら、管内に挿入する方法である。この方法は、管内径が100A(内径105.3mm)、ライニング厚さ1mm、ライニングチューブ長さ数百メートルであるならば、チューブ反転器内の収まる。
しかしながら、3m外径の導水管を用いた発電方式では、内面ライニング長さは数キロメートル、ライニング厚さは90mmにもなり、それを収納するチューブ反転器は巨大になり実用化できない。また、ライニングが摩耗した際の取替え性の発想が欠落している。
三井東圧化学(株)の提案技術である「耐蝕複合管」(特開昭63−235797)は、コンクリート管、ヒューム管、アスベスト管のような耐酸性や耐腐食に劣る管の内表面を、熱硬化性樹脂よりなるプライマー層を介して強化プラスチック(FRP)でライニングする方法である。FRPは耐蝕性に優れているが、耐摩耗性は鉄と同程度で、保護層の厚みは、通常6mmであるが、その厚みならば、3m外径の導水管を用いた新水力発電方式のような苛酷な摩耗環境では半年で摩耗してしまう。
そこで、発明者は、数キロメートルにわたって敷設されたパイプライの内面にライニングチューブを引き込み、ピグで拡管して連続ライニングする方法を、特許第1698219号(「粘着材層を含む積層ライニングを具えるラインパイプおよびその施工方法」)において先行提案した。
この先行提案発明は、
▲1▼ライニング材で最も耐磨耗性に優れている軟質天然ゴムの厚肉ライニングの連続ライニングができる。
▲2▼管が伸縮性のある継手で接続されたパイプラインでも連続ライニングができる。
▲3▼ライニングチューブが摩耗した時のライニング取替え耐用年数をほぼ永久化する等の目的で考案された。
その方法は、パイプの内面とライニングチューブとの密着を、乾燥固化する接着剤を使用することなく、粘着剤の液状可塑剤と硬めの粘着剤を介して両者の間に介在する空気を絞り出し、大気圧の作用で圧着する方法である。しかしながら、これらの方法でも開発過程で以下のような問題点が発見された。すなわち、
▲1▼先行発明では、既設のパイプライン長さに対するライニングチューブの長さ合わせは、ライニングチューブ長さを既設パイプライン長さより長めに製作し、ライニングチューブ引き込み後、パイプライン長さに合わせてライニングチューブを切断し、その端面にガスケットを、乾燥固化する接着剤で固着する方法であったが、その接着力は弱く、流体の管壁摩擦力や鋼管とライニングチューブの線膨脹係数は、鋼管の8倍も大きく、その応力で接着部が剥離する問題が発生する。
加硫接着の接着力は非常に強力であるが、それには未加硫状態のライニングチューブとガスケットに加硫接着するので、蒸気加熱装置、加圧装置など大掛かりな設備と時間と熟練が必要であり、施工現地での接着は困難である。設備が整った工場での未加硫状態でのライニングチューブとガスケットの加硫接着が必要である。
▲2▼先行発明では、ライニングチューブの拡管はパイプラインの一端からピグランチャー内に収納されたピグを圧搾空気で圧送し、他端のピグキャッチャーでピグを受けとる方法であるが、パイプライン外径が3mに大径化すると、これら諸設備が巨大化して現地への搬入取り付け、取り外しに多くの費用と時間がかかる。
▲3▼先行発明では、鋼管とライニングを粘着剤で粘着させているが、一工区の長さ長くなると引き込み力が巨大になり、かつ引き込みに長時間を要する。
▲4▼高落差の水力発電は、15m/秒の高速で砂礫がフランジ面に衝突し、また、管壁摩擦力による大きな剪断力が発生する。先願発明は大きな管壁摩擦力に耐えられず、取水口で剥離が起こる。
▲5▼砂漠緑化、石炭スラリー輸送用のパイプライン長さは、何千キロメートルにもなり、かかる長距離にわたって摩耗したライニングチューブを短期間に引き剥さなければならない。水力発電の導水管の場合も同様に長さは数十キロメートルになり、発電停止時間を短縮するために、より一層の短時間の取替えが必要になる。すなわち、先行発明の空気圧入方式の引き剥がし方法では時間がかかり過ぎるという問題点がある。
▲6▼ライニングチューブ長さは何Kmにもなる。その輸送方法はライニングチューブ製作工場から現地までは船または貨物列車で施工現地の港または最寄りの駅まで輸送し、そこから索道で施工現地まで搬送するが、現地の状況によっては、現地近くまでトレーラー自動車で輸送して、そこでライニングチューブを接続しなければならない場合が生ずる。しかしながら、このような場合の接続方法が開示されていない。
▲7▼既設の揚水発電の水圧鉄管では内径6mで、かつ径が漸減している場合が多い。また途中にマンホールなど枝管があるが、先行発明ではかかる形状のライニングは不可能である。
そこで、本発明は、前記先行提案発明が抱えるすべての問題点を解消したライニング方法およびそのライニングの取り替え方法を提供することを目的とし、特に、パイプラインの外径が3mと大径化しても支障なく能率的にライニングを行なって、ライニングチューブのコストを有利に低減させて経済性を高めると共に、そのライニングチューブの取り替え作業の効率を高め、また好適にはライニングチューブの寿命の予測を可能にして、事前の準備を容易ならしめることを目的とする。
発明の開示
本発明のライニング方法は、
(1)鋼管継手を介して多数の鋼管を接続してパイプラインを敷設し、その両端をフランジ継手に形成してなる一工区長さのパイプラインの内面に、ライニングチューブをライニングするに当って、
流体の磨耗比率に合わせた形状に、前記一工区長さより少し短めに押し出し成型されてなる軟質ゴム製のライニングチューブを用意し、その両端にガスケットを加硫接着した後、ライニングチューブを可塑剤を抑えた硬めの粘着シートを貼り付けた補強シートで包み、その補強シートに包まれたライニングチューブをパイプラインの内側にロープ牽引車で引き込み、更に、所定間隔に連結された上下二段の車輪付き台車に補強シートに包まれたライニングチューブを乗せて引き込み、その引き込みが完了した後に、前記牽引車および台車を引き抜き回収し、ライニングチューブを引き伸ばして、前記ガスケットを前記フランジ面に合わせて仮留めし、そして予めライニングチューブ内に貫通させているロープで皿型ピグを牽引してライニングチューブを拡管して、鋼管とライニング間の空気を絞り出し、パイプライン両端部近くに予め粘着している粘着シートにより、再び空気が侵入しないようにシールし大気圧で圧着して、予め管内に塗布している粘着剤に対し塑性のある防錆油やグリースのような油脂類が補強シートを通って、硬めの粘着シートに浸透拡散して粘着剤を軟化させて、前記補強シートとライニングチューブとを強固に粘着させることができることを特徴とする連続的ライニング方法である。
上記(1)のライニング方法において、ライニングチューブとガスケットとの加硫接着は、ガスケットと一体構造のスリーブを取り付け、流体の管壁摩擦力で引き剥がされないように、流れ方向に対して所定の斜め角度で切断し接着することによって行なうことが望ましい。
さらに、上記(1)のライニング方法において、ガスケットが加硫接着されたライニングチューブを、複数個の鼓型ピンチロールで円形にし、その外周にプライマー塗布し、次いでライニングチューブを上方に押し上げ、ライニングチューブと異なる色に着色した未加硫の液状ウレタンゴム、加硫剤、加硫促進剤とをライニングチューブの外面に塗布して加硫し、それを斜め下方に下ろし、そこでも未加硫ウレタンゴム、加硫剤、加硫促進剤とを塗布して加硫することによって、ライニングチューブと異なる色に着色され、かつ上部よりも下部を厚くし形成して流体磨耗に対して所定以上の期間耐えられるようなウレタンゴム層を、ライニングチューブの外周に設けることが望ましい。
そのようなウレタンゴム層を設けることによって、油脂類による膨潤を防止し、またライニングチューブの取替え時期が所定期間、たとえば1年後に迫ったことを容易に判別でき、取替え用の新しいライニングチューブの製作、現地搬入等の取替え準備を調える余裕を与えることができる。
さらに、上記ウレタンゴム層を設ける工程を含んだライニング方法において、少なくとも以下の1)〜4)の工程、すなわち、
1)ライニングチューブの全長に牽引用ロープを貫通させ、そのライニングチューブの先端と後端にガムブラダー(ゴム製空気袋)を挿入し、それを貫通する管内に牽引用ロープを通し、その一端を連結する工程、
2)前記ライニングチューブ後端のガムブラダーのライニングチューブより出ている部分に、ガムプラダーの外径より少し小さめの内径に形成されたゴムスリーブを予め嵌挿し、ガムブラダーに圧搾空気を入れて膨らまして、ゴムスリーブがガムブラダーを強く締め付けるようにし、さらに、牽引用ロープを進行方向に引っ張って、その引張力によって、ゴムスリーブがガムブラダーを経由してライニングチューブ後端を押し、ライニングチューブを前方に押しだす工程、
3)後続するライニングチューブのガムブラダーに圧搾空気を入れ、それに貫通している牽引用ロープと前方の牽引用ロープとを連結し、前方のライニングチューブの前進に伴って、後続も引っ張られて前進するようにする工程、
4)予めライニングチューブの端に嵌挿しているポリエチレン・スリーブをチューブ連結部に移動させて、両ライニングチューブ端のガスケット間を覆い、スリーブの両端を緊結する工程、
を含んでなることが望ましく、それによって、工区長さに対応したライニングチューブを次々に連結して、ウレタンゴムの塗布と加硫を連続的に行なうことができる。
さらに、上記(1)のライニング方法において、パイプライン両端のフランジ継手部において、ライニングチューブ端部の前記ガスケットと両面粘着シートと前記補強シートの端部を、多数の細かい鋸歯状溝を同心円状または螺旋状に切削加工した締め付け面を有するストッパープレートおよびガスケット保護プレートで締め付け、前記フランジに締め付け固着して強固に保持することが望ましく、また、パイプライン両端の上流側および下流側のそれぞれの端部から所定範囲内にある鋼管と補強シートとを、両面粘着シートで粘着させることが望ましく、さらに、各鋼管継手の端部内周面に対して、予め無数の突起を有するナイロン製パッキンを固着させ、そのパッキン先端部の無数の突起を前記補強シートの布面に食い込ませることが望ましい。
そのような方法によって、補強シートに負荷される流体の管壁摩擦力を鋼管に 効果的に伝達し、ライニングチューブを堅固に保持することができる。
上記(1)のライニング方法において、ライニングチューブをパイプライン内に引き込むための上下二段の動力駆動車輪付き牽引車は、上下二段の車輪A及び車輪Bが動力で互いに反対方向に回転するような構造を有していることが望ましい。
また、本発明は、
(2)鋼管継手を介して多数の鋼管を接続してパイプラインを敷設し、その両端をフランジ継手に形成してなる一工区長さのパイプラインの内面にライニングされたライニングチューブを取替えるに当って、少なくとも以下の1)〜6)の工程、すなわち、
1)パイプラインの一工区両端の上流側および下流側のフランジ継手を外し、鋼管内面と補強シートを粘着している管端部付近の粘着部を引き剥がす工程、
2)真空ポンプのサクションパイプを、ライニングチューブの上流側および下流側の両端開口部から挿入し、その開口部を密封して真空ポンプを作動させて、ライニングチューブ内を負圧にし、ライニングチューブを大気圧で押し潰す工程、
3)パイプラインの上流側より上下二段の動力駆動車輪付き牽引車を複数個連結し、前記の上下二段の車輪付き台車を所定間隔にロープで連結し、押し潰されたライニングチューブの下に挿入して下流側に向け走行させ、ライニングチューブを上方に持ち上げる工程、
4)前記牽引車が下流側に到達した際に、それを回収し、前記上下二段の車輪付き台車を移動しないように前記のロープで固定する工程、
5)パイプラインの一工区の下流側に、摩耗チューブを回転させ捩じりながら引き出す装置を設置し、上流側の摩耗チューブの端を、捩じり力が伝達しない回転式継手を介して新しいライニングチューブとロープで連結する工程、
6)前記の固定した台車上に新しいライニングチューブを乗せ上流側より押し込み、それと同時に下流側の回転捩じり引き出し装置を作動させて摩滅したライニングチューブを下流側に引き出す工程、
を含んでなることを特徴とするライニングの取替方法である。
上記(2)のライニングの取替方法において、上下二段の動力駆動車輪付き牽引車は、上下二段の車輪A及び車輪Bが動力で互いに反対方向に回転するような構造を有していることが望ましい。
発明を実施するための最良の形態
本発明のライニング方法においては、ラインパイプの内周面に沿って配設されるライニングチューブは、図2に示すように、その肉厚が周方向で、輸送流体による摩耗量に応じて厚くして、摩耗量の多い部分は肉厚に、磨耗量の少ない部分は薄肉になるように押し出し成型して製作されたものを採用する。
このような形態を採用したのは、ライニングしていない鋼管2の周方向の摩耗量の変化は、流体中の粉体の粒径、粉体の比重、粉体の混入率などにより異なることから、このような鋼管内壁の磨耗量の上下位置による違いに応じるためである。
ちなみに、上下の摩耗量の差の大きいのは浚渫土砂の排砂管で、上下の磨耗量の比は1:8である。これは大きな礫まで吸引するからである。また、高濃度石炭スラリー用配管では、石炭を微粉炭まで細かく破砕したものが流れ、比重も砂礫より小さいので、上下の磨耗量の差は1:4と小さく、水道用配管は、浄水場の沈殿池で粘土まで取り除いた水が流れるので、上下の摩耗量の差は殆ど無い。
このような構成のライニングチューブを用いることによって、パイプラインを一定期間使用した後、ライニングチューブの摩耗末期に至って、それの周方向の残存肉厚を周方向の全体にわたって実質的に均一ならしめることができ、これにより、ライニングチューブの特定部分に余剰の肉厚が残存することがないので、ライニングチューブのコストの低減、原材料歩留りの向上等の下で経済性を有利に向上させることができる。
そして、このことは、ライニングチューブの周方向の肉厚を、ライニングチューブのないパイプの周方向における各部の摩耗率に比例して変化させて、ライニングチューブの周方向における残存肉厚を一層均一化した場合に特に顕著である。
ライニングチューブ1の材質は、軟質天然ゴムが好適であり、たとえば、Dunlop hardness 35,Lupke resilience 60が最適である。
それを選択した理由は、土砂流送の国際会議で発表した資料(Reference:B.E.A.Jacobs,J.G.James,「THE WEAR RATES OF SOME ABRASION RESISTANT MATERIALS」9th International Conference on 「HYDRAULIC TRANSPORT OF SOLIDS INPIPES」Rome,Italy:17−19 October 1984)によると、上記の軟質天然ゴムが最も耐摩耗性に優れ、鋼管の12倍も優れていると報告されているからである。
また、このライニングチューブ1の外周にライニングされるウレタンゴムは、耐摩耗性、耐化学薬品性、耐油性、耐オゾン性に優れたポリエーテルウレタンゴムが好適である。ウレタンゴムには他にポリエステルウレタンゴムがあるが、前者と比べ耐摩耗性や耐寒性にやや劣るので、過酷な磨耗環境での使用には適していない。
このような軟質ゴム製のライニングチューブ1は、鋼管内に引き込まれる際には、図3に示すように、できるだけ見掛けの断面積を減らして引き込みを容易にするために、偏平にした後に丸められ、その外周面に紐12(図4)がスパイラル状に巻きつけられ、元に戻らないようにされ、さらに、その外周面を補強シート4が包んだ状態で引き込まれる。
なお、スパイラル状に巻かれた紐12は、後述するようなビグによるチューブ拡管時に破断され、埋め殺しにされる。
従来技術では、厚肉ライニングをした管を、砂礫を積極的に吸引して排出するような取水管に使うと、次のような原因により、フランジ部から剥離する。▲1▼管壁摩擦力によりガスケットとライニングチューブとを乾燥固化する接着剤で接着しているが、その接着部から剥離する。▲2▼ガスケットに砂礫が激しく当たりガスケットとフランジ面の間の接着が剥離する。▲3▼高分子材からなるライニング材の膨脹係数は、鋼管の10倍も大きく、ライニングを乾燥固化する接着剤で鋼管に固着すると温度変化により両者の境界面で管軸方向に剪断応力が発生する。その剪断応力はライニング厚さに比例して大きく、パイプラインの中央部ではゼロであるが、パイプライン端のフランジ部に近くなる程大きくなり、フランジ部でライニング剥離が起る。そして、ゴムライニングとガスケットの接着は、乾燥固化型、あるいは重合固化型のいずれの接着剤を使っても、その接着力はゴム本体の強度と比べかなり弱い。
これに対して、、本発明のライニング方法を取水管に適用する場合には、図1に示すような取水口構造を採用することによって、従来技術に見られるライニング剥離を防止している。
すなわち、スリーブ付きガスケット20を一体構造に製作し、それとライニングチューブ1の接着面は、管壁摩擦力で剥離し難いように、流れ方向に対して傾斜させ、その面に未加硫のライニングチューブ1を加圧し蒸気で加熱し、ゴム本体と同等以上に強い加硫接着で接着する。
ライニングチューブ1の厚さは、周方向に摩耗量に応じて変化させているので、それに対応しスリーブも同じ厚みに変化させ、それとガスケットとを一体構造に作る。その際、必要に応じて両者の間に未加硫ゴムシートを介在させる。ライニングチューブ他端も同様な方法でスリーブ付きガスケット20を加硫接着する。かかる作業は現地施工では不可能であり、これらの設備の整った工場でライニングチューブが未加硫の状態の時に加工する。
そのため、ライニングチューブ長さは、パイプライン長さより2〜3%ほど短めに制作し、ライニングチューブを鋼管内に引き込んだ後、現地でライニングチューブ先端に予め結び付けたロープを引っ張り、ライニングチューブを引き伸ばしてガスケットをパイプライン端部のフランジ面に合わせて仮留して両者の長さを合わせる。
このライニングチューブの引き伸ばしの際に、補強シートがライニングチューブに粘着していると、引き伸ばしに非常に大きな力を要するので、補強シートのライニングチューブに接する面に貼り付けている両面粘着シートは、可塑剤の配合を極力抑えた硬めの粘着剤にし、押し付けただけでは容易に粘着しないようにしておく。
ライニングチューブ1の引き込み長さが長距離になる時は、引込み力を軽減するために、図11のような台車を約20m間隔に設置して、その上に丸められたライニングチューブを乗せて引き込む。
その方法は、先ず、図11の引き込み台車の車輪Aを電動式の車輪の自走式牽引車を複数台使用し、その内の一台でライニングチューブの補強シート先端のロープを牽引させ、残りの牽引車でライニングチューブ先端部を乗せて、一定間隔でロープで連結された台車を牽引させる。その台車にライニングチューブを積載させて引き込む。なお、引き込みが完了した後に、牽引車および台車は引き抜かれ回収される。
そうすると、鋼管とライニングチューブの摩擦力が殆ど無くなり、パイプライニングの長さが何キロメートルの長距離になっても、後方からピンチローラーで押し込むだけでライニングチューブをパイプライン内に貫通できる。
そして、ライニングチューブを拡管し管内面に圧着した後、予め管内面に塗布している可塑性のある防錆油やグリース等の油脂類が、補強シートに浸透し硬めの粘着シートに拡散浸透して粘着剤を通常の柔らかさに出来るので、ライニングチューブと補強シートとが強固に粘着する。
図4は、皿型ピグによるライニングチューブの拡管方法を図示している。3m外径の先願発明の圧搾空気による砲弾型ピグ圧送は、付帯設備が巨大化して多くの取扱時間を要するが、本発明が採用する拡管方式は、皿型ピグと牽引用ワイヤーとそれを牽引するウインチさえあればライニングチューブを拡管しライニングできる。
なお、牽引用ロープはライニングチューブの工場製作時にライニングチューブ内をロープ牽引用自走車を走行させて、ワイヤーを貫通させておく。
従来技術では、鋼管と厚肉ライニングチューブとの間に乾燥固化型接着剤を用いるが、その際に両者の境界面に膨脹係数の差に起因する剪断応力が発生することは避けられない。乾燥固化型接着剤は剥離すれば接着力はゼロになり、ライニングを保持できない。
しかしながら、本発明では、それに代わって粘着剤により鋼管と補強シートとライニングチューブとの相互間を粘着して保持する。
この粘着剤は、鋼管と高分子材料の膨脹係数の差による応力が発生すると、ある範囲はそれに耐えるが、その限界を越えると緩やかな流動し、応力緩和を起こす。しかし、粘着剤は緩やかに流動しても粘着力は保持したままで剥離は起こらないよう、剪断応力を引張りまたは圧縮応力に変えてライニング厚さを変化させて応力を分散して保持するような方法で行なう。
図1に示すように、ライニング1と補強シート4の間に両面粘着シート3を介在させて両者を粘着させる。鋼管2と補強シート4とは、補強シート4に粘着剤を含浸させ、両者を粘着させる。補強シート4に粘着剤を含浸させる方法は、可塑剤を限界まで抑えた硬めの両面粘着シートを鋼管内面に予め貼り付けておく。また補強シート4にも可塑剤を予め含浸させておく。ライニング時に両者がピグにより押し付けられた時、補強シート含浸の可塑剤で硬めの両面粘着シートが軟化して両者が粘着保持されるからである。
ただし、補強シートと鋼管を粘着させる範囲は、摩耗ライニングチューブの取替え性を良くするために、パイプライン両端から所定の距離、たとえば3m以内とする。
パイプライン両端から3m以内の内側の鋼管と補強シートが接する面は、防錆油または潤滑グリースが介在するだけであり、両者は自由に滑動し管軸方向の剪断力は発生しない。
なお、後述するように鋼管継手の下流側に所定長さのシートファスナーが取り付けられ、それが補強シートの繊維に食い込み大きな剪断抵抗を発揮して補強シートに負荷された管壁摩擦力を支えるような構造が望ましい。
上記補強シートに負荷される管壁摩擦力は、パイプライン端部のフランジに強固に保持され、鋼管に対して伝達保持される。すなわち、ライニングチューブ端部のガスケット、両面粘着シート、補強シートは、パイプライン端部に取り付けられたガスケット保護プレート21とストッパープレート22との間で、ボルト23により強く締め付け保持される。
また上記ストッパープレート22のボルト穴にはネジが切られ、ボルト23を締め付けることにより、これらの端部は強く締め付けられ保持される構造になっている。その保持力を一層強くするために、ガスケットおよび補強シートに接する面に、鋸歯状の小さな溝が切削により形成される(SERRATED加工)ことが望ましい。このような溝の配列は、鋼管内径と同心円または螺旋状にすることが好ましく、ガスケット面と補強シートの繊維が細かい溝に食い込み、大きな摩擦抵抗を発揮し保持力を高められる。
上記ガスケット保護プレート21とストッパープレート22の二つのプレートは、その他に二つの機能を有する。
その一つは、図1に示すように、粒径の大きい砂礫が高速でガスケット面に衝突して傷めるのを防止するためである。ガスケット保護プレート21は、高速の砂礫が激しく衝突し摩耗するので、耐摩耗性の優れた材料、例えば13Mn鋼、Ni−Hard Steelなどの合金鋼などを使う。あるいは、それら金属を肉盛溶接したものを使う。
二つのプレートのもう一つの機能は、ライニングチューブのパイプライン内の引き込みが終わる時、ライニングチューブ末端のガスケットがフランジ面に接して正確な位置に停止させることである。それにはライニングチューブ引き込み前に、ライニングチューブ引き込み末端のガスケットと両面粘着シート、および補強シートの端部を二つのプレートで挟み、ボルト23を締め付けて、ストッパープレート22のボルト穴のネジでガスケットと両面粘着シート、および補強シートの端部を強く締め付ける。そうしてライニングチューブ引き込みを始め、引き込みが終わる直前に一旦停止して、ライニングチューブが捩じれてないか、ライニングチューブの最上部のボルト23がフランジ9の最上部のボルト穴に入るか、他のボルトも相対応するボルト穴に入るかどうか位置調整する。そしてゆっくりと引き込みを再開して、ストッパープレート22がフランジ面に当たった時、引き込みを停止する。ストッパープレートはそれ以上ガスケットが引き込まれるのを防止する働きをする。
なお、パイプライン相互を連結する場合は、ライニング後に、ガスケット保護プレートを取り去り、双方のフランジのガスケットを接触させフランジをボルト・ナットで締め付けて接続する。この場合のガスケット保護プレートは、工事期間中だけのガスケット保護であり、材質は普通鋼で良く、内径は鋼管内径と同じで良い。
本発明のライニング方法において、ライニングチューブの外周に紅色着色ウレタンゴムをコーティングして、所定の厚さのウレタンゴム層を形成する目的は二つある。
その一つは、ライニングチューブが摩耗消失して紅色着色ウレタンゴムが露出し、取替え時期が、たとえば一年後に迫ったことを予告し、使用者に新しいライニングチューブの製作や、現地への搬入など取替え作業の準備をさせる時間的な余裕を与えるためである。
もう一つの目的は、パイプライン内面にはグリースや防錆油等の油脂類が塗布されており、天然ゴム製ライニングチューブにその油脂類が接触するとゴムが膨潤し性能が低下する。これを防止するため耐油性に優れたウレタンゴムで全外面にコーティングして油脂類が天然ゴムに接触させないためである。
現在行われているコーティング方法は、長さ12mのゴムチューブ内にマンドレルを挿入して円筒形にして、マンドレルの軸を回転軸にして回転させながら、プライマー塗布、未加硫の液状ウレタンゴムを塗布し、熱風で加硫して1.5mm厚さにし、再び未加硫ウレタンゴム塗布して、熱風で加硫し、2回塗装で膜厚3mmのウレタンゴムの層を形成させている。
本発明の場合、ライニングチューブ1の長さは何キロメートにもなり、チューブ回転塗布はできないので、図8のように、鼓型ピンチローラー31とガイドローラ36およびライニングチューブ内に貫通している牽引用ロープとで、ライニングチューブ1を所望の角度αで持ち上げ、その角度で降ろし、その過程でプライマーのスプレー塗装、熱風乾燥、未加硫の液状ウレタンゴムのスプレー塗布、加硫剤および加硫促進剤の塗布とブラシの振動による撹拌混合、熱風加硫をして所定の膜厚にする(図8を用いて説明を追加する)。
ライニングの摩耗は、下部が上部の何倍も大きいため、本発明に採用されるウレタンゴムの膜厚は、1年以上の耐用年数になるように、その下部の厚さを上部より厚くしなければならない。そのため、ライニングチューブを持ち上げる所定の角度αにして、液状ウレタンゴムが流れて落ちて下部が厚くなるようリング状のスポンジ34で押えの加減を調整して所定の厚さにする。
各種の工区長さに対応したライニングチューブを次々に連結し、ライニングチューブの外面に連続的にウレタンゴムの塗布と加硫を行なうには、以下のような方法を用いることが望ましい。すなわち、
1)図9に示すように、先行するライニングチューブ1aの全長に牽引用ロープ6aを貫通させる。ライニングチューブ1の先端と後端にガムブラダー27a(ゴム製空気袋)を挿入し、それを貫通する管内に牽引用ロープ6aを通し、その一端をシャックル43に連結する。
2)ライニングチューブ1a後端のガムブラダー27aのライニングチューブより出ている部分にゴムスリーブ42を予め嵌挿しておく。ゴムスリーブ42の内径はガムプラダー27aの外径より少し小さめに製作する。そしてガムブラダー27aに圧搾空気を入れて膨らまし、ゴムスリーブ42がガムブラダー27aを強く締め付ける。牽引用ロープ6aを進行方向に引っ張ると、その力はシャックル43、ガムブラダー27aを経由して、ゴムスリーブ42がライニングチューブ1aの後端を押し、ライニングチューブ1aを前に押し出す。
3)後続するライニングチューブ1bのガムブラダー27bに圧搾空気を入れ、それに貫通している牽引用ロープ6bと前方の牽引用ロープ6aとをシャクル43を介して連結する。そして前方のライニングチューブ1aが前進すれば、後続のライニングチューブ1bも引っ張られて前進する構造にする。
4)予めライニングチューブ6の端に嵌挿しているポリエチレン・スリーブ29をチューブ連結部に移動させ、両ライニングチューブ端のガスケット20の間を覆って、スリーブの両端を紐で緊結する。そうして連結部分のガスケット20、ガムブラダー27等にプライマーや液状ウレタンゴムで塗布されるのを防止する。
本発明のライニング方法においては、補強シートに負荷される流体の管壁摩擦力を継手部において保持することもできる。
図5には、継手部の内面に設けられるナイロン織布パッキン7が示されており、その先端部には無数の微細突起7aが設けられている。この微細突起7aは、シートファスナーと同じ原理でライニング後の補強シート4の繊維に食い込み、補強シート4にかかる管壁摩擦力を鋼管に伝達して支えるように機能する。シートファスナーは、管軸方向の剪断力には強い力を発揮するが、垂直に引き剥がす力に対して小さい力で引き剥がせる。この特徴を利用して、後で述べる理由により取替えを容易にするためである。
このようなナイロン織布パッキン7を採用する鋼管継手構造が、図6に示されている。このような管継手構造は、発明者が先に特願2000−240251において提案したもので、接合すべき2本のパイプの管軸方向に対する所定範囲の角度変位および管軸方向への伸縮に追従し、地盤と配管との間に摩擦力が発生することを阻止できるような自封性シール構造を具え、特に伸縮性および可撓性に優れた構造である。
図において、突合わせ接合するパイプ2a、2bのうち、一方のパイプ2aの管端部内周面には、超高張力鋼製の継手リング8がそれの一端部(遊端)が管軸方向に突出するようにして溶接・固着されている。
一方、このパイプ2aの外周面には、その管端部近傍に係止リング11が溶接・固着されると共に、その係止リング11から管軸方向の所定の位置にストッパリング19が溶接・固着されている。
これに対し、接合すべき他方のパイプ2bの外周面には、その管端部近傍に、補剛リング16が溶接・固着されると共に、この補強リング16の外周面には、一方のパイプ2aが接合される際にそのパイプ2aの管軸方向への移動を案内するための案内管17が溶接・固着されると共に、その案内管17の開口端から管軸方向に向って内側に60度の角度で折曲された複数の爪17aが一体に形成されている。
このパイプ2bの管端部内周面には、継手リング8外周面の一部に接触しそれを支持するシール部突起10が、前記一方のパイプ2aの管軸方向に対する最大変位角度およびパイプ外径に関連して決められる特定の曲率を有する円弧面を断面とする環状曲面に形成されている。
そして、前記補剛リング16の内周面からパイプ2b内周面のシール部にかけての全内周面に、両面に粘着材を有する粘着シート3を圧着することにより、粘着材層が形成され、さらに、この粘着シート(粘着材層)3の上には、粘性の高い潤滑グリース11を含浸させてなるナイロン織布製のパッキン7が圧着されている。
さらに、ナイロン織布製のパッキン7の端部には、多数の突起を有するシートファスナー7aが一体的に設けられ、そのシートファスナー7aの突起が、ラインパイプの管内に引き込まれるライニングチューブ1の外周を被覆している補強シート4の繊維に食い込むように構成されている。
このようなライニングチューブ1は、耐磨耗性に優れた軟質天然ゴム製であり、そのチューブの外周面を紅色に着色されたウレタンゴム層(図示を省略している)でコーティングし、さらにそのウレタンゴム層の外側に補強シート4が被覆形成されている。
そこで、このような管継手構造を有するパイプラインにおいて、パイプラインの内面にライニングする場合には、補強シート4に負荷される管壁摩擦力はパイプラインの上流で最も大きく、下流に行くに従って小さくなる。そこで補強シート4は、上流側でその先端部をフランジ部分の締付けで支え、次いで3m長さの粘着部分で支え、更に1m長さの短管を複数個を鋼管継手で接続し、それに設けたナイロン織布パッキン7の先端部のシートファスナー7aで支えるようにするのが望ましい。
このシートファスナー部7aの長さLは、そこに掛かる剪断力の大小で調節されるが、複数個の短管は管壁摩擦力が他の部分より大きいので長くする。
このパイプラインの上流部に複数個の短管を使う理由は、もう一つの別の理由がある。それは敷設すべき管路には直線部分と湾曲部分があり、湾曲部分には流体の遠心力が作用するので、それをアンカーブロックを介して地盤で支えるため、敷設に先だってアンカーブロックを設置しておく。アンカーブロック間の直線状の区間を一工区として、その距離に応じた本数の鋼管を配列してワイヤー・ジャッキで一括圧入し接続するが、工区間の測量長さと圧入後のパイプライン長さに多少の誤差がでるのは避けられない。その誤差を1m長さの短管の数で調節するためである。
図6に示すように、鋼管継手の下流側はシートファスナー部7aで補強シート4を保持し、上流側は補強シート4に含浸されたグリースで自由に滑るようにしている。これは継手部の伸縮間隙Cが変動しても、その変位がライニングチューブを局部的に引き伸ばしたり、圧縮してシワの発生を防止するためである。
従来技術では乾燥固化型、または重合固化型の接着剤で管とライニングとを固着させているが、かかる場合、伸縮継手部で伸縮が起こると、局部的に引き伸ばされ、その状態が長く持続するとゴムが老化して永久伸びを起こし、ライニング厚さが局部的に薄くなる。
更に持続するとゴムの劣化が起こってライニングが破断し、また、伸縮間隙が小さくなるとライニングにシワが生ずるので、共に好ましくないのである。
本発明のライニング方法において、ライニングチューブ拡管は、図4に示すように皿型多段ピグをロープ6で引っ張って拡管する。
ロープ6は、予めライニングチューブを工場にて製作する際に、チューブ内に貫通させておく。ピグ拡管前のライニングチューブ引き込み後、ライニングチューブはパイプラインより2〜3%短く造られているので、ライニングチューブ先端に予め結び付けられたロープ6を引っ張り、ライニングチューブだけ引き伸ばし、その先端のガスケット20をパイプラインのフランジ面9に合わせ、それを半割りフランジ9aで仮止めし、長さ合わせをする。その後、前記皿型ピグ5でライニングチューブを拡管する。
従来の砲弾型ピグを用いて圧搾空気による拡管方法は、大口径になるとピグランチャー、ピグキャッチャーが巨大化して、それの取り付け、取り外しに長時間を要するという課題があったが、本発明においては、図4に示すような皿型多段ピグ5をロープ6で引っ張ることによってライニングチューブを拡管するようにした。
次に、本発明にかかる磨耗したライニングチューブの取替方法は、以下のような手順で行なうことが望ましい。
まず、摩耗したライニングチューブの引き出しは、図7のように真空ポンプ13でチューブ内を負圧にして、大気圧で押し潰す。
次に、上下二段車輪型の動力駆動牽引台車を複数個連結し、それに上下二段車輪型台車を所定間隔で連結してライニングチューブ1と鋼管の間に挿入し走行させる。前記上下二段車輪型の動力駆動牽引車とは、図11に示すように、車輪Aと車輪Bが動力で上下車輪が逆方向に回転する構造のもので、車輪Aは鋼管内面に接し、前方に前進するように動力で回転し、車輪Bはライニングチューブ外周の補強シートに接し前方に前進するように車輪Aとは逆方向に動力で回転し、ライニングを上方に押し上げるように機能する。
前記の上下二段車輪型台車とは、図11の車輪Aと車輪Bが動力駆動ではなく、自由に回転する車輪を有する台車である。
前記の上下二段車輪型の動力駆動牽引車を使うのは、図6に示すような鋼管継手のナイロン製パッキン先端部のシートファスナー7aと補強シート4を効果的に引き剥がすためである。シートファスナー7aは管軸方向の剪断力には大きな抵抗を示すが、引き剥がしには小さな力で剥がすことができるという特徴があり、上下二段車輪型の動力駆動牽引車を走行させ引き剥がし、その後に、上下二段車輪型台車を一定間隔に連結してライニング上方に浮き上がられて保持する
次に、摩耗したライニングチューブを下流側に取り付けた捩じり装置で、チューブを捩じりながら下流側に引き出す。チューブを捩じる理由は、チューブが押し潰された状態では未だ空気が残存しており、捩じることにより空気を絞り出し、見掛け上の外径を小さくして引き抜きを容易にするためである。摩耗したライニングチューブを引き出す時、そのチューブの上流側をロープでライニングチューブに連結して、同時に引き込む。この際、摩耗チューブの捩じり力がライニングチューブに及ばないように、ロープ連結部に回転式継手を介在させる。ウレタンゴムが残存した状態で引き出せば、補強シートは傷んでいないので補強シートとして再利用できる。また部分的に傷んでいても補修することで再利用は可能である。
図12に示すように、パイプラインの管径が変化している場合、あるいは管径が非常に大きいか又は特殊な径の場合、あるいはパイプラインの途中に海老管などの曲管があって、ライニングチューブを連続的に押し出し成型で製作できない場合には、以下の1)〜11)のような方法でライニングチューブを製作し、ライニングする。
1)管の内面形状に合わせてライニングチューブを造るために、先ず、図13のようにチューブ形状の最上部を長さ方向に切断して展開した平面状シートを製作する。
2)平面状のシート1をチューブ状にする接続部の外面側およびチューブ相互の接続部の外面側に、強化繊維入りゴムシート37を加硫接着する。
3)ライニングチューブの最上流と最下流の端部に、スリーブ付きガスケット20を加硫接着する。
4)パイプラインの途中にマンホールなどフランジ付き短管があれば、平面状に展開した相当位置にフランジ付き短管の内面と同一形状のライニングとガスケットを加硫接着する。
5)ライニングの外面側に液状の未加硫着色ウレタンゴムをコーティングし、加硫し硬化させ、その膜厚は1年以上摩耗に耐える厚さにする。
6)前記の強化繊維入りゴムシート37の内面側に両面粘着剤を貼り付ける。そして平面状ライニングゴムシートを幅方向の端の両面粘着剤で貼り付け、チューブ状にし、更に、チューブ相互を接続し、一体化したライニングチューブ1を製作する。
7)パイプラインの途中に海老管または曲り管があれば、その長手方向の中央部に蛍光塗料を塗布し、内面に粘着剤に対し可塑性を有する防錆油を塗布する。
8)ライニングチューブ1を偏平にして丸める。その外周を内面側に硬い目の両面粘着シート3を貼り付けた補強シート4で包み、補強シート先端部と後端部の数メートルは硬めの両面粘着シート3を貼り付けておく。そしてライニングチューブ先端にはガムブラダーとその圧力を調節するエアーホースを上流側に牽引するロープなどを予め挿入しておく。そしてライニングチューブ1の先端、曲り管、海老管などの要所には容易に判る目印とテレビカメラを設置し、その近くをロープで縛り、そのロープ1の端はパイプラインの上端部まで延長させる。そうした状態でライニングチューブ1の先端をパイプラインの上流側より挿入し、その先端がパイプライン先端に正確に一致した時、ガムブラダーに空気を送り膨脹させる。それにより硬めの両面粘着シートは予め塗布されていた可塑性を有する防錆油で軟化して粘着性が増大させ、ライニングと補強シート4、鋼管内面が粘着剤で強固に粘着させる。
9)マンホールなどのあるライニングチューブ1は、チューブ挿入前にマンホール部のライニングをロープで結び、そのロープ先端をマンホールに貫通させてから、ライニングチューブを管内に挿入する。そしてマンホール部のライニングがマンホールの位置に達した時、ロープを引っ張り、マンホール部のフランジ継手にライニングのガスケットを合わせ固定する。
10)パイプライン内の予め塗布している曲り管や海老管のセンター位置を示す蛍光塗料と、ライニング付けられた目印の位置が一致するようにそれぞれ箇所に結び付けたロープを引っ張り位置を調整し、パイプライン端のフランジ面とライニング端部ガスケット面を一致させて仮留する。位置調整後、ライニングチューブを曲り管、海老管部で捕縛しているロープの結びを解放して、ロープを撤去する。
11)ライニングチューブの先端にあるガムプラダーをロープで上流方向に牽引し、管内径の漸増すれば、ガムブラダーに圧搾空気を送り、常に一定圧力以上でライニングを管に押し付けるようにし、ライニングチューブと管の間に介在している空気を絞り出す。そしてライニングと鋼管の両端は間は粘着剤でシールされ、空気が再び侵入しないようにし、ライニングは鋼管に大気圧で圧着される。
なお、水力発電の導水管の摩耗状況のチェックは、オフピーク時の発電を停止いた時、導水管の適当な位置に設置した内視鏡監視枝管より内視鏡を管内に出して、ウレタンゴムの露出の有無をチェックする。これらのチェックは麓の水力発電所のコントロールセンターで遠隔操縦で多数の地点を容易にチェックできるようにする。
何キロメートルもの長さのライニングチューブを敷設現地に搬送するには、通常はライニングチューブ製作工場に鉄道貨車の引き込み線を設けて、貨車にライニングチューブを折り畳むようにして積載して、その貨車が一杯になれば、そのライニングチューブの延長部を次の貨車に積載し、その貨車が一杯になれば次の貨車へてとライニングチューブを連続的に積載する。そして施工現地の最寄り駅から索道で現地まで搬送する。海外の場合も船の船倉にライニングチューブを折り畳んで積み込み、鉄道のある港まで輸送して貨車輸送となれる。
なお、何等かの事情でトレーラー輸送に限定される場合は、以下の1)〜6)のような方法で、トレーラーに積み込み可能長さにして、施工現地で接続して、ライニンググ長さを一工区の所定長さにする。
1)図10に示すような下流側のライニングチューブ1の接続面は、予め工場で流体摩擦力で剥がれない角度に斜め切断加工し、強化繊維入りゴムシート37を端部の外周に加硫接着しておく。また、予め工場においてガムブラダー牽引用ロープ6、およびエアホース40をライニングチューブ1内に挿通させて、現地に搬入する。
2)上流側のライニングチューブ1の接続面は、予め工場で流体摩擦力で剥がれない方向に斜め切断し、ガムブラダー27を挿入しておく。またチューブ外周面および斜め切断面には離型紙付き両面粘着剤を離型紙付き面を外側にして粘着させて、現地に搬入する。
3)半割り型拡管リング39の下半分を基礎に固定して、そこに下流側のライニングチューブ1の端部を置き、その上に半割り型拡管リング39の上半分で覆い、独立気泡型スポンジ38で囲まれた空間の空気を真空ポンプで抜き、独立気泡型スポンジ38をライニングチューブ内の大気圧で圧縮し、ライニングチューブ1を拡管して、実質的な真円とする。
4)上流側のライニングチューブ1の端部に複数個の半割り型外周押さえリング41を嵌め、ガムブラダー27に圧搾空気を入れ、半割り型外周押さえリング41を内面から加圧し、ピグ牽引用ロープ6を流体流れ方向に引っ張って、チューブ1の端部の斜め切断面が下流側斜め切断面に接するようにして、両面粘着シート3の離型紙をはぎ取り、両方の斜め切断面を粘着させる。更に、真空拡管リング39の真空部分に空気を入れ、拡管状態を元の径に戻し、斜め切断面の粘着面を外周から木ハンマーなどで満遍なく叩き、両者を完全に粘着させる。
5)半割り型外周押さえリング41を取り外して、両面粘着シート3の離型紙をはぎ取り、その上に強化繊維入りゴムシート37を粘着させ、その上から半割り型外周押さえリング41で押さえ、ガムブラダー27で膨らませ強化繊維入りゴムシート37の粘着面を加圧して十分に粘着させる。適時に位置を変え、粘着面を満遍なく加圧する。
6)ガムプラダー27内の圧搾空気を抜き、シャックル43に一端が固定された牽引用ロープ6を流れ方向に引っ張り出し、同時にエアーホース40も引っ張り出して回収する。
以上、本発明のライニング方法を導水管に適用した場合を中心に説明したが、これに限られるものではなく、天然ガスパイプラインのようにパイプ内に天然ガスを通す場合は、摩耗は殆ど無いが硫化水素、炭酸ガスが水に溶けてパイプを腐食させるので、ライニング材としては、耐油性、耐薬品性に優れたニトリルゴム(NBR)を使うことが望ましく、そのような材料を6mm厚さに押し出し成型してライニングチューブを製作し、それを補強シートに包んでライニングする。
なお、このニトリルゴムは、防錆油やグリースにより膨潤する恐れが無く、摩耗も殆ど起こらないことから、紅色着色のウレタンゴム層を設ける必要性はほとんどない。
このような天然ガスパイプラインに本発明のライニング方法を適用すれば、天然ガス中に含まれる湿潤な硫化水素や炭酸ガスをライニングで遮断し、かつ補強シートに含浸した防錆油で腐食が防止できるので耐用年数は永久的である。
かくして、本発明によれば、以下のような顕著な効果を奏することができる。
(1)ライニングチューブの肉厚を周方向に変化させることで、ライニングチューブそれ自体のコストを低減して経済性を高めることができる。
(2)ライニングチューブの取替え時期の接近が容易に発見できる。即ち、ライニングチューブの円周方向の厚さは、摩耗性流体による周方向の摩耗率に合わせてあるので、軟質ゴムからなるライニングチューブが摩滅してなくなってウレタンゴム層が露出するのは、周方向で差がなく、殆ど同時期になる。
従って、ウレタンゴム層が露出する時は、円周方向の広い範囲が露出し、発見が容易である。パイプラインの適当な位置に設置された監視用枝管から定期的に内視鏡で管内をチェックしておれば、黒色のライニングチューブに対し、紅色着色のウレタンゴムの層の露出は容易に発見できるので、見落とすことはない。
(3)ライニングチューブの取替え時期を事前に予告してくれるので、新しいライニングチューブの製作等の十分な準備が容易である。
(4)取替え時は、ライニングチューブは摩耗し尽くされ、好適には、ウレタンゴム層と補強シートだけが残存するが、補強シートは殆ど摩耗されていないので、再使用が可能である。
(5)この方法に従って、ライニングチューブの取替えをすれば、パイプライン内面は全く摩耗していないので、パイプラインの耐用年数は永久的である。
(6)摩耗したライニングチューブの引き剥がし方法に就いて、先願発明では、管とライニングの間は高粘性の可塑剤と粘着剤とが介在し、それを引き剥がすにはパイプ端から圧搾空気をパイプとライニングチューブの間に吹き込んで、ライニングチューブを押し潰す方法を取っているが、ライニングチューブ内に滞留している空気を追い出しながら押し潰すので時間がかかったが、本発明では真空ポンプでライニングチューブ内を負圧にすれば、ライニングチューブの全長が同時かつ迅速に負圧になり、管とライニングの間には防錆油とグリースしか存在せず、外周全長に大気圧が作用して急速に押し潰されるので、短時間の取替えが可能になる。
(7)苛酷な摩耗環境にある導水管やパイプラインでも耐用年数を永久化する特長とする本発明と、前述したような本発明者の先行提案技術である「水力発電方法」および「鋼管継手」との三つの技術を組み合わせると、持続的経済発展を可能にし、非常に大きな効果が発揮できる。
その一つの例が中小規模の水力発電である。在来型の中小水力発電のダム湖は貯水効率(ダム堰堤体積に対する貯水量の倍数)が小さく10〜20倍しかなく、ダム湖は短期間に土砂で埋まり、洪水時、豊水期の水は発電に使われず、堰堤を越えて無効放流され、渇水期の水量しか発電に使えない。
本発明でライニングした導水管で流下する土砂だけでなく河床に前からあった砂礫も吸引して排出し、ダム上流の河床が逆勾配になる程、深く浚渫することができる。そうすると豊水期の水量は勿論、洪水時の水量も貯留して発電に使うことがでる。それにより発電に利用できる水量は在来の3倍になる。そして電力のピーク時にはダム湖が空になるまで使い切り、オフピークに貯水する電力調節機能、洪水時の水を総て貯留する洪水防御機能、土石流をダムで食い止め、それを発電時に水と共に下流に流し、砂礫分離装置で分離し、砂礫集積場の流送する砂防機能の三つの機能を永久的に持続できる。
かかるダムをある水系の本流、支流の最上流部に造り、発電所を山地の麓に設置して落差を最大化し、更に、両者の間に湧き水や支流の流入する地点に多数のダムを造り、集水流域面積を大規模ダムと同じにする。そうすると、その水系に大規模ダムを造った場合と比較し、平均落差は大規模ダムの数倍(それをm倍とする)になり、集水流域面積と貯水量は大規模ダムと同じであるので発電量は大規模ダムのm倍になる。大規模ダムのように広大で肥沃な森林や農地、それに居住地を水没させて流域住民の生活基盤を奪うことはないので、巨額の補償費は不要である。従って発電コストは大規模ダム以下に安くなる。
(8)多雨地帯の水を分水嶺を越えて乾燥地帯に送水する事業に、本発明と、前述したような本発明者の先行提案技術である「水力発電方法」および「鋼管継手」との三つの技術を組み合わせると収益性を著しく高めることができる。
即ち、多雨地帯の河川の多数のダムを造り水力発電する一方、そのダム湖の水を分水嶺直下の導水トンネルに水力で得られた電力で揚水し、乾燥地帯に設置された発電所に導水し、水力発電後、その水を灌漑用水に使う。これら多数のダムと長距離の導水管の耐用年数は永久的にその機能を持続するので、減価償却費は実質的にゼロになり、収益性を著しく高めることができる。
(9)既設の水力発電、揚水発電の水圧鉄管には、内径が6mもあり、かつ径が漸減しているので、ライニングチューブを押し出し成型方法では製作できないが、ライニングを平板状に展開し、それを強化繊維入りゴムシートを介して粘着接続することにより、いかなる大径で径が漸減するなど複雑な形状の物でもライニングが可能になり、耐用年数を永久化することができる。
産業上の利用可能性
以上説明したように、本発明にかかるパイプラインのライニング方法およびその取替え方法は、砂礫混じりの水が高速で流れる水力発電、揚水発電の導水管、乾燥帯の灌漑用導水管、土砂、石炭や鉱石の粉粒などを含む摩耗性流体を輸送するスラリーパイプライン、腐食性流体を輸送するパイプライン、摩耗が激しいカプセル輸送管などを連続的にライニングし、磨耗したライニングを効率良く取替える方法であり、パイプラインの外径が3mと大径化しても支障なく能率的にライニングを行なって、ライニングチューブのコストを有利に低減させて経済性を高めると共に、そのライニングチューブの取り替え作業の効率を高め、またライニングチューブの寿命の予測を可能にして、事前の準備を容易ならしめることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明のライニング方法を水力発電の取水用導水管に適用した場合の、取水口付近の概略図である。
図2は、本発明のライニング方法に用いられる、押出し成型で製作されたライニングチューブの概略的断面図である。
図3は、補強シートで包まれたライニングチューブの丸められた状態を示す概略的断面図である。
図4は、ピグによるライニングチューブの拡管を説明する概略図である。
図5は、ナイロン織布製パッキンとその先端に固着されたシートファスナーを示す概略図である。
図6は、ライニングされた鋼管継手部を示す断面図である。
図7は、摩耗したライニングの取替え方法を説明する概略図である。
図8は、ライニングチューブ外面にウレタンゴムを連続塗布する方法を説明するための概略図である。
図9は、ウレタンゴムを連続的に塗布したライニングチューブの接続部の詳細図である。
図10は、ライニングチューブの現地での接続方法を説明するための概略図である。
図11は、ライニングチューブの引き込み用台車を示す概略図である。
図12は、海老管および外径が漸減している水圧鉄管の概略図である。
図13は、海老管および外径が漸減している水圧鉄管の展開図である。
Claims (10)
- 鋼管継手を介して多数の鋼管を接続してパイプラインを敷設し、その両端をフランジ継手に形成してなる一工区長さのパイプラインの内面に、ライニングチューブをライニングするに当って、
流体の磨耗比率に合わせた形状に、前記一工区長さより少し短めに押し出し成型されてなる軟質ゴム製のライニングチューブを予め用意し、その両端にガスケットを加硫接着した後、そのライニングチューブを可塑剤を抑えた硬めの粘着シートを貼り付けた補強シートで包み、その補強シートに包まれたライニングチューブをパイプラインの内側にロープ牽引車で引き込み、更に、所定間隔に連結された上下二段の車輪付き台車に補強シートに包まれたライニングチューブを乗せて引き込み、その引き込みが完了した後に、前記牽引車および台車を引き抜き回収し、ライニングチューブを引き伸ばして、前記ガスケットを前記フランジ面に合わせて仮留めし、そして予めライニングチューブ内に貫通させているロープで皿型ピグを牽引してライニングチューブを拡管して、鋼管とライニング間の空気を絞り出し、パイプライン両端部近くに予め粘着している粘着シートにより、再び空気が侵入しないようにシールし大気圧で圧着することを特徴とするライニング方法。 - 前記ガスケットが加硫接着されたライニングチューブを、複数個の鼓型ピンチロールで円形にし、その外周にプライマー塗布し、次いでライニングチューブを上方に押し上げ、ライニングチューブと異なる色に着色した未加硫の液状ウレタンゴム、加硫剤、加硫促進剤とをライニングチューブの外面に塗布して加硫し、それを斜め下方に下ろし、そこでも未加硫ウレタンゴム、加硫剤、加硫促進剤とを塗布して加硫することによって、ライニングチューブと異なる色に着色され、かつ上部よりも下部を厚くし形成して流体磨耗に対して所定以上の期間耐えられるようなウレタンゴム層を、ライニングチューブの外周に設けるようにしたことを特徴とする請求の範囲第1項に記載のライニング方法。
- 前記ライニングチューブとガスケットとの加硫接着は、ガスケットと一体構造のスリーブを取り付け、流体の管壁摩擦力で引き剥がされないように、流れ方向に対して所定の斜め角度で切断し接着することによって行なうことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の連続ライニング方法。
- 以下の1)〜4)の工程、すなわち、
1)ライニングチューブの全長に牽引用ロープを貫通させ、そのライニングチューブの先端と後端にガムブラダー(ゴム製空気袋)を挿入し、それを貫通する管内に牽引用ロープを通し、その一端をシャックルなどで連結する工程、
2)前記ライニングチューブ後端のガムブラダーのライニングチューブより出ている部分に、ガムプラダーの外径より少し小さめの内径に形成されたゴムスリーブを予め嵌挿し、ガムブラダーに圧搾空気を入れて膨らまして、ゴムスリーブがガムブラダーを強く締め付けるようにし、さらに、牽引用ロープを進行方向に引っ張って、その引張力によって、ゴムスリーブがシャックルおよびガムブラダーを経由してライニングチューブ後端を押し、ライニングチューブを前方に押しだす工程、
3)後続するライニングチューブのガムブラダーに圧搾空気を入れ、それに貫通している牽引用ロープと前方の牽引用ロープとをシャックルを介して連結し、前方のライニングチューブの前進に伴って、後続も引っ張られて前進するようにする工程、
4)予め、ライニングチューブの端に嵌挿しているポリエチレン・スリーブをチューブ連結部に移動させて、両ライニングチューブ端のガスケット間を覆い、スリーブの両端を紐で緊結する工程、
を含んでなることを特徴とする請求の範囲第3項に記載のライニング方法。 - 前記パイプライン両端のフランジ継手部において、ライニングチューブ端部の前記ガスケットと両面粘着シートと前記補強シートの端部とを、多数の細かい鋸歯状溝を同心円状または螺旋状に切削加工した締め付け面を有するストッパープレートおよびガスケット保護プレートで締め付けて、前記フランジに締め付け固着する工程を含んでいる請求項1に記載のライニング方法。
- 前記パイプライン両端の上流側および下流側のそれぞれの端部から所定範囲内にある鋼管と補強シートとを、両面粘着シートで粘着させる工程を含んでいる請求項1に記載のライニング方法。
- 前記各鋼管継手の端部内周面に対して、予め無数の突起を有するナイロン製パッキンを固着させ、そのパッキン先端部の無数の突起を前記補強シートの布面に食い込ませる工程を含んでいる請求項1に記載のライニング方法。
- 前記の上下二段の動力駆動車輪付き牽引車は、上下二段の車輪A及び車輪Bが動力で互いに反対方向に回転するような構造を有していることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の連続ライニング方法。
- 鋼管継手を介して多数の鋼管を接続してパイプラインを敷設し、その両端をフランジ継手に形成してなる一工区長さのパイプラインの内面に、ライニングされたライニングチューブを取替るに当って、少なくとも、以下の1)〜6)の工程、すなわち、
1)パイプラインの一工区両端の上流側および下流側のフランジ継手を外し、鋼管内面と補強シートを粘着している管端部付近の粘着部を引き剥がす工程、
2)真空ポンプのサクションパイプをライニングチューブの上流側および下流側の両端開口部から挿入し、その開口部を密封して真空ポンプを作動させて、ライニングチューブ内を負圧にし、ライニングチューブを大気圧で押し潰す工程、
3)パイプラインの上流側より上下二段の動力駆動車輪付き牽引車を複数個連結し、前記の上下二段の車輪付き台車を所定間隔にロープで連結し、押し潰されたライニングチューブの下に挿入して下流側に向け走行させ、ライニングチューブを上方に持ち上げる工程、
4)前記牽引車が下流側に到達した際に、それを回収し、前記上下二段の車輪付き台車を移動しないように前記のロープで固定する工程、
5)パイプラインの一工区の下流側に摩耗チューブを回転させ捩じりながら引き出す装置を設置し、上流側の摩耗チューブの端を捩じり力が伝達しない回転式継手を介して新しいライニングチューブとロープで連結する工程、
6)前記の固定した台車上に新しいライニングチューブを乗せ上流側より押し込み、それと同時に下流側の回転捩じり引き出し装置を作動させて摩滅したライニングチューブを下流側に引き出す工程、
を含んでなることを特徴とするライニングの取り替え方法。 - 前記の上下二段の動力駆動車輪付き牽引車は、上下二段の車輪A及び車輪Bが動力で互いに反対方向に回転するような構造を有していることを特徴とする請求の範囲第9項に記載のライニングの取り替え方法。
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