JPWO2002096891A1 - ジヒドロジアリールオキサゼピン誘導体及び該誘導体を含有する医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
下記式[1]で表されるジヒドロジアリールオキサゼピン誘導体又はその類縁体及びこれらを含有する医薬組成物を提供する。これらの化合物は、優れた機能性消化管疾患改善作用を示す。
Description
発明の背景
本発明は、カルシウムチャネル拮抗作用を有し、機能性消化管疾患、特に過敏性腸症候群のような腸疾患の治療又は予防処置に有用な5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物及びこれを有効成分とする医薬組成物に関する。
加えて、本発明は、新規な5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体を供給するための重要な中間体に関する。
例えば、ヨーロッパ特許第0404359A1号には、5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕チアゼピン誘導体が胃腸管に対して選択性を有するカルシウムチャネル拮抗薬として有用であると開示されている。又、クインら(Quinn,P.ら)、Brit.J.Pharmacol.,1994,112(Suppl.),Abst.573P及びワリスら(Wallis,R.M.ら)、Brit.J.Pharmacol.,1994,112(Suppl.),Abst.574Pには、上記誘導体の一種である(S)−5−〔〔1−(4−メトキシフェニル)エチル〕ピロリジン−2−イルメチル〕−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕チアゼピン マレイン酸塩が同様の効果を有することを開示している。しかしながら、これらの化合物は胃腸管に対する活性、選択性が十分とは言えず、かつ、口渇、散瞳等の副作用の一因となる抗コリン作用を有することが欠点の一つであった。また、国際特許第9733885A1号及び第9912925A1号には消化管運動不全の改善薬として5−(2−ピロジニルメチル)−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体が開示されている。更に国際特許第0040570A1号には消化管運動不全の改善薬として5−アルキル−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体が開示されている。しかるに、これらの化合物は胃腸管に対する活性、選択性がいまだ十分とは言えず、薬剤として供されるに至っていない。
近年、社会環境の複雑化に伴い、多くの人が過度のストレスにさらされるようになり、便通異常や腹痛などを主症状とする過敏性腸症候群の患者が増加している。このような疾患の改善には、抗コリン薬、緩下薬、止瀉薬、整腸薬、粘膜麻痺薬、消化管運動機能調節薬、自律神経調節薬、漢方薬、抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬、抗精神病薬、セロトニン拮抗薬、セロトニン作動薬等が用いられている。しかしながら、これら薬剤は、臨床効果が不十分であり、また副作用の面から必ずしも満足できるものとは言い難い。従って、副作用を有さない優れた機能性消化管疾患改善作用を示す新しいタイプの薬剤開発が望まれている。
発明の開示
本発明は、優れた機能性消化管疾患改善作用を示す新規化合物を提供することを目的とする。
本発明は、又、該新規化合物を含有する医薬組成物を提供することを目的とする。
本発明は、又、該新規化合物を製造するための中間体を提供することを目的とする。
カルシウムチャネル拮抗薬は、平滑筋収縮抑制作用を有することから腸管の異常な収縮亢進に起因する疾患、例えば過敏性腸症候群のような腸疾患に有効であると考えられ、実際ニカルジピンやベラパミル等のカルシウムチャネル拮抗薬が過敏性腸症候群に有効であると報告されている[Am.J.Gastroenterol.,80,317(1985),Gut,28,1609(1987),J.Clin.Psychiatry,48,388(1987),Pharmacol.Ther.,60,121(1993)]。しかしながら、カルシウムチャネル拮抗薬の主作用である心臓血管系への作用によりほとんど臨床に応用されていないのが現状である。このようなことから、機能性消化管疾患、特に過敏性腸症候群のような腸疾患の治療剤として、低毒性、即ち心臓血管系へ影響を及ぼさない腸管選択的なカルシウムチャネル拮抗薬の開発を目指し、鋭意研究を行った。その結果、5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの1,2,3,4,6,7,8,9位のいずれか少なくとも一箇所にハロゲン基を導入すること及び/又は末端の芳香環上に特定の構造の環状アミノ基を導入することにより、腸管に対するカルシウム拮抗作用が向上し、血管に対するカルシウム拮抗作用との選択性も向上する事を見いだした。
すなわち下記一般式〔I〕で表される化合物が、腸管選択性なカルシウムチャネル拮抗活性を示し機能性消化管疾患改善薬として有効であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明の化合物は、消化管運動機能疾患を含む機能性消化管疾患、例えば、過敏性腸症候群、反芻症候群、球症候群、機能性胸焼症、食道起因姓胸痛症、機能性胃腸障害、機能性嚥下困難症、機能性嘔吐、嚥下症、呑気症、機能性便秘、機能性腹部膨満、機能性腹痛症候群、機能性下痢、オッジ括約筋機能異常、胆嚢機能異常症、肛門挙筋症候群、機能性便失禁、骨盤底強調運動障害、消散性肛門痛、小児消化管機能障害(小児逆流症、小児反芻症候群、周期性嘔吐症候群、機能性胃腸障害、過敏性腸症候群、機能性腹痛、発作性腹痛、空気嚥下症、機能性下痢、小児排便困難症、機能性便秘、機能性便貯留、機能性非貯留型便失禁等)等の治療薬として有用であり、特に過敏性腸症候群の治療に有用である。
さらに、本発明の化合物は、機能性消化管疾患の類似の病態を伴う疾患(不安性障害(パニック障害および全般性不安障害)、身体表現性障害、解離性障害、気分障害などの神経症、過食症、神経性拒食症、睡眠障害、糖尿病性胃腸症等)、および、腹部外科手術後の消化器症状にも有用である。
本化合物はこうした疾患の治療において、単独で用いる事もできるが、抗コリン薬、緩下薬、止瀉薬、整腸薬、粘膜麻痺薬、消化管運動機能調節薬、自律神経調節薬、漢方薬、抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬、抗精神病薬、セロトニン拮抗薬、セロトニン作動薬等の薬剤と併せて用いることもできる。又、本発明の化合物は薬理作用として優れるのみならず、代謝的に安定であることも期待される。
即ち、本発明は、下記一般式〔I〕で表される5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩、それらの水和物又は溶媒和物及びこれを有効成分とする医薬組成物に関する。
〔式中、環G、J、Kはそれぞれベンゼン環または含窒素芳香環を表す。R1〜R8は同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子又は水素原子を表し、R9〜R13は同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アミノ基又は低級アルキルアミノ基及びそれらの低級アシル体、低級ジアルキルアミノ基、環状アルキルアミノ基を表すか、又はR9とR10、若しくはR10とR11は一緒になって−O(CH2)nO−基(nは1、2又は3)を表す。AはCH2、CHOH、CO、又はOのいずれか、BはCH2、CHOH又はCOのいずれか、又はA−BがCH=CHを表し、DはCH2、CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2のいずれか、或いはB−DがCH2を表す。XとZはお互いに結合してCH2−CH2又はCH2−CH2−CH2のいずれかを表し、そのときにYは水素原子を表す。或いは、YとZはお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2のいずれかを表し、そのときにXは水素原子を表す。XとZ、及びYとZがいずれもお互いに結合しないときXとYは水素原子を表し、Zは低級アルキル基を表す。
但し、R9〜R13のいずれかが式[E]で表される環状アミノ基である場合、R1〜R8はハロゲン原子又は水素原子のいずれでもよいが、R9〜R13のいずれもが式[E]で表される環状アミノ基でない場合には、R1〜R8のいずれか1つないし2つがハロゲン原子であり他は水素原子を表すものとする。
式中、n、mは1又は2を表し、Wは炭素原子、低級アルキル基で置換されていてもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。]
又、この5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体のうち一般式〔I〕にて、Xが水素原子を表し、YとZがお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2のいずれかを表すか、又はXとYが水素原子を表し、Zは低級アルキル基を表す化合物を一般式〔XXVI〕にて表記すると、この化合物〔XXVI〕については、対応する一般式〔XVI〕で表されるアミド誘導体若しくはその塩を分子内アリール化して一般式〔XV〕で表される5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体若しくはその塩を得、さらにこれを還元することにより製造できることを本発明者らは見出した。即ち本発明は、一般式〔I〕で表される化合物のうち、一般式〔XXVI〕にて表記される化合物を製造するための重要中間体である一般式〔XV〕及び一般式〔XVI〕で表される化合物、その立体異性体及びその塩にも関する。
〔式中、環G、J、Kはそれぞれベンゼン環または含窒素芳香環を表す。R1〜R8は同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子又は水素原子を表し、R9〜R13は同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アミノ基又は低級アルキルアミノ基及びそれらの低級アシル体、低級ジアルキルアミノ基、環状アルキルアミノ基を表すか、又はR9とR10、若しくはR10とR11は一緒になって−O(CH2)nO−基(nは1、2又は3)を表す。L1はCH2、CHOH、Oのいずれか、L2はCH2、CHOH、CH2−CH2、CHOH−CH2、CH2−CH2−CH2、CHOH−CH2−CH2のいずれか、又はL1とL2でCH2、CHOH、CH=CHを表す。YとZはお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2を表すか、又はYとZはお互いに結合しないときYは水素原子を表し、Zは低級アルキル基を表す。
但し、R9〜R13のいずれかが式〔E〕で表される環状アミノ基である場合、R1〜R8はハロゲン原子又は水素原子のいずれでもよいが、R9〜R13のいずれもが式〔E〕で表される環状アミノ基でない場合には、R1〜R8のいずれか1つないし2つがハロゲン原子であり他は水素原子を表すものとする。
〔式中、n、mは1又は2を表し、Wは炭素原子、低級アルキル基で置換されていてもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。〕
発明を実施するための最良の形態
上記一般式〔I〕における環G,J,Kの含窒素芳香環としては6員環化合物が望ましく、例えばピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環があげられる。但し、環G,Jにおいて、オキサゼピン環上に芳香環窒素原子が存在する事はなく、また、R1〜R8のいずれかがハロゲン原子である場合、そのハロゲン原子は芳香環窒素原子には結合しない。また環Kにおいて芳香環窒素原子は、Aとは結合せず、窒素原子上に置換基を持たない。
上記一般式〔I〕における環G,J,Kについては、(i)環G、Jがいずれもベンゼン環である場合、(ii)環G、Jのいずれか一方がピリジン環であり、他方がベンゼン環である場合、(iii)環Kがベンゼン環である上記(i)又は(ii)の場合、(iv)環Kがピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環のいずれかである上記(i)又は(ii)の場合、又は(v)環G、J及びKがいずれもベンゼン環である場合が好ましい。一般式[XV]及び[XVI]においても同様である。
上記一般式におけるR1〜R8のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等をあげることが出来るが、好ましくはフッ素原子又は塩素原子である。R1〜R8のうち、R2、R3、R6、R7のいずれか1つがフッ素原子又は塩素原子であり、他が水素原子であることがより好ましい。R9〜R13のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子等、臭素原子等、低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜5の低級アルキル基、低級アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜5の低級アルコキシ基、低級アルキルアミノ基としては、モノメチルアミノ基、モノエチルアミノ基、モノプロピルアミノ基等の炭素数1〜5の低級アルキルアミノ基が挙げられる。アミノ基及びこれらの低級アルキルアミノ基の低級アシル体としてはホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ホルミルメチルアミノ基、ホルミルエチルアミノ基、ホルミルプロピルアミノ基、アセチルメチルアミノ基、アセチルエチルアミノ基、アセチルプロピルアミノ基、プロピオニルメチルアミノ基、プロピオニルエチルアミノ基、プロピオニルプロピルアミノ基等、炭素数1〜3の脂肪酸アシル体が挙げられる。ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基等の炭素数の合計が2〜7の低級アルキルアミノ基、環状アルキルアミノ基としてはアゼチジノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ホモピペリジノ基、ピペラジノ基、モルフォリノ基等の4から7員環アミノ基、−O(CH2)nO−基としては、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基を挙げることができる。これらのうち、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、低級アルキル基としては、炭素数1〜3の低級アルキル基が好ましい。低級アルコキシ基としては、炭素数1〜3の低級アルコキシ基が好ましい。又、モノアルキルアミノ基としては炭素数1〜3の低級アルキルアミノ基が好ましく、ジアルキルアミノ基としては、アルキル基の炭素数の合計が2〜6のものが好ましい。環状アルキルアミノ基としては環の員数が4から6のものが好ましい。アミノ基又はこれらの低級アルキルアミノ基の低級アシル体のアシル基としてはホルミル基ないしアセチル基が好ましい。ここでR9〜R13が同時に水素原子とならないのが好ましい。
上記一般式[I]においては、以下のものが好ましく、一般式[XV]及び[XVI]においても同様である。
(i)XとZがお互いに結合してCH2−CH2又はCH2−CH2−CH2を表し、Yが水素原子、
(ii)YとZがお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2を表し、Xが水素原子、
(iii)XとYが水素原子であり、Zが低級アルキル基、
(iv)R10、R11のうちいずれか一つ、或いは双方がメトキシ基であるか、或いはR10とR11が一緒になってメチレンジオキシ基を表し、R9及びR12、R13が水素原子、
(v)R11がメトキシ基であり、R9、R10及びR12、R13が水素原子、
(vi)R10、R11のいずれか1つがアミノ基又は低級アルキルアミノ基及びそれらの低級アシル体、低級ジアルキルアミノ基、或いは環状アルキルアミノ基であり、他が水素原子,
(vii)R1〜R8のいずれもが水素原子、
(viii)R1〜R8のいずれか1つがフッ素原子又は塩素原子であり、他が水素原子、
(ix)R2、R3、R6、R7のいずれか1つがフッ素原子又は塩素原子であり、他が水素原子、
(x)A、B−Dの双方がCH2、
(xi)Xの結合した炭素原子の絶対配置がR体、
(xii)Xの結合した炭素原子の絶対配置がS体、
(xiii)Yの結合した炭素原子の絶対配置がR体、
(xiv)Yの結合した炭素原子の絶対配置がS体。
式[E]で表される環状アミノ基としては、アゼチジノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基等の窒素原子を1つ含む環状アミノ基、ピペラジノ基、モルフォリノ基など更に窒素原子や酸素原子などのヘテロ原子を含む環状アミノ基をあげることが出来るが、好ましくはピロリジノ基及びモルフォリノ基である。R9〜R13のうち、R10、R11のいずれか1つが環状アミノ基であり、他が水素原子であることがより好ましい。
A−B−DはCH2−CH2、CO−CH2、CHOH−CH2、CHOH−CH2−CH2、CH2−CHOH−CH2、CH=CH−CH2、CO−CH2−CH2、O−CH2−CH2、CH2−CO−CH2、又はCH2−CH2−CH2のいずれかが好ましい。
本発明では、これらのうち、好ましい化合物は、例えば下記の式〔II〕で表される化合物である。但し、式中、芳香環G、J、K、R1〜R13、A、B、Dは式〔I〕と同じものを表し、rは1または2を表す。
〔II〕で表される化合物としては、例えば、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−アミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−アミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−メチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−フロロフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−フロロフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−アセチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−アセチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−アミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−アミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−メチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−フロロフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−フロロフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−アセチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−アセチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピペリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピペリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン及びそれらのハロゲン置換位置異性体、薬理学的に許容されるこれらの塩又は水和物、溶媒和物が挙げられる。
なお本発明化合物〔II〕は、1個又はそれ以上の不斉炭素原子を有しており、光学異性体が存在し得る。これらの光学異性体、それらの任意の混合物あるいはラセミ体は本発明の化合物に包含される。このうち、ジヒドロジベンゾオキサゼピン環にメチレンを介して結合したピロリジン環ないしピペリジン環の2位の立体配置がR体であることが好ましい。
また他に好ましい化合物は、例えば下記の式〔III〕で表される化合物である。
但し、式中、芳香環G、J、K、R1〜R13、A、B、Dは式〔I〕と同じものを表し、rは1または2を表す。式〔III〕で表される化合物としては、例えば、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−メトキシフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−アミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−アミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−メチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−フロロフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−フロロフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−アセチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−アセチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−メトキシフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−アミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−アミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−メチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−フロロフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−フロロフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−アセチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−アセチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピペリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピペリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン及びそれらのハロゲン置換位置異性体、薬理学的に許容されるこれらの塩又は水和物、溶媒和物が挙げられる。
なお本発明化合物〔III〕は、1個又はそれ以上の不斉炭素原子を有しており、光学異性体が存在し得る。これらの光学異性体、それらの任意の混合物あるいはラセミ体は本発明の化合物に包含される。このうち、ジヒドロジベンゾオキサゼピン環に結合したピロリジン環ないしピペリジン環の2位の立体配置がR体であることが好ましい。
また他に好ましい化合物は、例えば下記の式〔IV〕で表される化合物である。但し、式中、芳香環G、J、K、R1〜R13、A、B、Dは式〔I〕と同じものを表し、R14は炭素数1〜3の低級アルキル基を表す。
式〔IV〕で表される化合物としては、例えば、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−メトキシフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−メトキシフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−アミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−アミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−メチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−メチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−ジメチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−ジメチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−ピロリジノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−ピロリジノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−モルフォリノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−モルフォリノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−フロロフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−フロロフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−アセチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−アセチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−メトキシフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−メトキシフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−アミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−アミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−メチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−メチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−ジメチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−ジメチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−ピロリジノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−ピロリジノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−モルフォリノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−モルフォリノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−フロロフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−フロロフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−アセチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−アセチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−メチル−N−(4−ピロリジノフェネチル)]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−メチル−N−(3−ピロリジノフェネチル)]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−メチル−N−(4−ピペリジノフェネチル)]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−メチル−N−(3−ピペリジノフェネチル)]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−メチル−N−(4−モルフォリノフェネチル)]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−メチル−N−(3−モルフォリノフェネチル)]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン及びそれらのハロゲン置換位置異性体、薬理学的に許容されるこれらの塩又は水和物、溶媒和物が挙げられる。
本発明では、(i)R9〜R13のいずれか1つが式[E]で表される環状アミノ基であり、他が水素原子であり、R1〜R8のいずれもが水素原子である式[I]の誘導体、(ii)R9〜R13のいずれか1つが式[E]で表される環状アミノ基であり、他が水素原子であり、R1〜R8の1つ又は2つがフッ素原子又は塩素原子であり、他が水素原子である式[I]の誘導体、(iii)R9〜R13のいずれもが式[E]で表される環状アミノ基以外の基を表し、R1〜R8の1つ又は2つがフッ素原子又は塩素原子であり、他が水素原子である式[I]の誘導体が好ましい。
上記一般式〔XV〕及び〔XVI〕においては、(i)R1〜R8は同一でも異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子又は水素原子を表し、L1−L2がCH2又はCH2−CH2を表し、YとZはお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2を表すか、及び/又は(ii)R9〜R13は同一でも異なっていてもよく、水素原子、アミノ基又は低級アルキルアミノ基及びそれらの低級アシル体、低級ジアルキルアミノ基、環状アルキルアミノ基を表すのが好ましい。
具体的には、(R)−{〔2−(3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン−5−カルボニル)ピロリジン〕−1−イル}−2−(4−ジメチルアミノフェニル)エタノン、(R)−1−〔(4−ジメチルアミノフェニル)アセチル〕ピロリジン−2−カルボン酸〔2−(2−ブロモ−4−クロロベンジルオキシ)フェニル〕アミド、(R)−{(2−(2−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン−5−カルボニル)ピロリジン]−1−イル}−2−(4−ピロリジノフェニル)エタノン、(R)−1−〔(4−ピロリジノフェニル)アセチル〕ピロリジン−2−カルボン酸〔2−(2−ブロモ−5−フルオロベンジルオキシ)フェニル〕アミド、これらの立体異性体及び塩が好ましい。
本発明化合物〔I〕の薬理学的に許容される塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、リン酸塩等の鉱酸塩(無機塩)や酢酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、アスパラギン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩を挙げることができる。
本発明化合物〔I〕のうち式〔II〕で表される化合物は、例えば、例えば、国際特許第9733885A1号に開示されている方法に従い、下記の方法(反応式1)によって製造できる。
〔式中、芳香環G、J、K、R1〜R13、A、B、Dは式〔I〕と同じであり、rは1または2を表し、Wは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子を表す。〕
化合物〔V〕を、溶媒中塩基の存在下、上記一般式〔VI]で表される化合物と反応させることにより、本発明化合物〔II〕を製造することができる。上記反応における反応溶媒としては、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、アセトニトリル、トルエン、キシレン、ベンゼン等が好適に使用できる。前記塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、リチウムジイソプロピルアミド、n−ブチルリチウム、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシドなどを挙げることができる。反応温度は、通常0℃〜150℃、好適には室温〜100℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度あるいは溶媒の種類によって異なるが、通常1〜50時間である。化合物〔VI〕及び塩基の使用量は、化合物〔V〕の使用量に対して、それぞれ0.5〜5モル当量、好ましくは0.8〜2モル当量である。
なお、前記反応の原料に用いた化合物〔V〕は、公知の方法[J.Med.Chem.,7,609(1964)]により製造できる。
また、上記一般式〔VI〕で表されるハロゲン化物は、ヨーロッパ特許第0404359A1号に開示されている方法に準じて、プロリン、ホモプロリンを原料として、これらを還元して得られるアルコールをN−アルキル化し、次いで水酸基をメタンスルホニルクロリド、トシルクロリド等を用いてハロゲン化する事により、環拡大を伴って製造することが出来る。
又、本発明化合物〔II〕は、国際特許第9912925A1号に開示されている方法に従い、下記の方法(反応式2)によっても製造できる。
〔式中、芳香環G、J、K、R1〜R13、A、B、Dは前記と同じであり、rは1または2を表し、V及びV’は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トシルオキシ基、メシルオキシ基などの脱離基を表し、Uはt−ブチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、トシル基などアミノ基の保護基を表す。〕
化合物〔V〕を、塩基存在下、上記一般式〔VII〕で表されるN−t−ブトキシカルボニル−2−ピペリジルメチルトシレート等を滴下して反応させ、一般式〔VIII〕の化合物を調製し、ついで脱保護して一般式〔IX〕の化合物を得、これに一般式〔X〕の化合物を塩基存在下で反応させることにより、本発明化合物〔II〕を製造することができる。〔V〕から〔VIII〕及び、〔IX〕から〔II〕への反応溶媒、塩基としては、上記反応式1におけるのと同じものを使用することができる。
本発明化合物〔I〕のうち式〔III〕で表される化合物は、例えば、国際特許第0040570A1号に開示されている方法に従い、下記の方法(反応式3)によって製造できる。
〔式中、芳香環K、R9〜R13、A、B、D、V及びrは反応式2と同じものを表す。〕
化合物〔V〕を、溶媒中塩基の存在下、上記一般式〔XI〕で表される化合物と反応させることにより、本発明化合物〔III〕を製造することができる。上記反応における反応溶媒としては、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、アセトニトリル、トルエン、キシレン、ベンゼン等が好適に使用できる。前記塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム、リチウムジイソプロピルアミド、n−ブチルリチウム、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシドなどを挙げることができる。反応温度は、通常0℃〜150℃、好適には室温〜100℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度あるいは溶媒の種類によって異なるが、通常1〜50時間である。化合物〔XI〕及び塩基の使用量は、化合物〔V〕の使用量に対して、それぞれ0.5〜10モル当量、好ましくは0.8〜5モル当量である。
尚、上記一般式〔XI〕で表される化合物は、3−ヒドロキシピロリジン、3−ヒドロキシピペリジンをN−アルキル化した後に、オキシ塩化リン、塩化チオニル、トシルクロリド、メタンスルフォニルクロリド等を作用させることにより得ることができる。
本発明化合物〔I〕のうち式〔IV〕で表される化合物は、例えば、例えば、国際特許第0040570A1号に開示されている方法に従い、下記の方法(反応式4)によって製造できる。
〔式中、芳香環G、J、K、R1〜R13、A、B、D及びVは前記と同じであり、R14は低級アルキル基を表す。〕
すなわち、化合物〔V〕を上記一般式〔XII〕で表される化合物に導き、一般式〔XIII〕の化合物と塩基存在下、反応させる。ここで本反応における反応溶媒としては、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、アセトニトリル、トルエン、キシレン、ベンゼン等が好適に使用できる。前記塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、リチウムジイソプロピルアミド、n−ブチルリチウム、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシドなどを挙げることができる。反応温度は、通常0℃〜150℃、好適には室温〜100℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度あるいは溶媒の種類によって異なるが、通常1〜50時間である。塩基の使用量は、化合物〔XII〕に対して、等モル以上、好ましくは1〜5倍モルであり、化合物〔XII〕と〔XIII〕の量比は0.5〜2倍モル、好ましくは0.7倍から1.5倍である。
或いは、化合物〔V〕を上記一般式〔XIV〕で表される化合物に導き、ついで化合物〔X〕と塩基存在下、縮合させて本発明化合物〔IV〕を製造することができる。縮合反応における反応溶媒、塩基としては上記反応と同一の物を用いることができ、反応温度、反応時間に関しても同様である。塩基の使用量は、化合物〔XIV〕に対して、等モル以上、好ましくは1〜5倍モルであり、化合物〔XIV〕と〔X〕の量比は0.5〜2倍モル、好ましくは0.7倍から1.5倍である。
化合物〔XII〕は化合物〔V〕をα−ハロ酢酸エステルでアルキル化した後に還元してアルコールとし、更にその水酸基を脱離基に変換するか、或いは水酸基を保護した2−ハロエタノールによって化合物〔V〕をアルキル化し、脱保護後にその水酸基を脱離基に変換する等、既知の方法を組み合わせることにより容易の製造できる。また、化合物〔XIII〕は国際特許第0040570A1号に開示されているように、対応するハロゲン化物による1級アミンのアルキル化反応、対応するアルデヒドによる1級アミンの還元アルキル化反応、対応するカルボン酸によりアミンをアシル化した後に還元する等、種々の公知の方法により容易に製造できる。
化合物〔XIV〕は国際特許第0040570A1号に開示されているように、化合物〔V〕をハロ酢酸エステルでアルキル化した後に、アミド化して還元する等、種々の公知の方法により容易に製造できる。
又、上に示した以外に、本発明化合物〔I〕のうち式〔II〕または式〔IV〕で表される化合物は、国際特許第0117980A1号に記載の方法と類似の方法により、下記式〔XVI〕および式〔XV〕で表される化合物を経由して製造できる。即ち式〔II〕で表される化合物を式〔II−1〕、式〔IV〕で表される化合物を式〔IV−1〕で表記すると、これらは反応式5に従い、式〔XVI〕で表される化合物を分子内アリール化して式〔XV〕で表される化合物へと導き、続いてこれを還元することで、それぞれに対応する中間体から得られる。
〔式中、芳香環G、J、K、R1〜R14、L1、L2は式〔XV〕と同じであり、rは1または2を表し、YとZはお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2を表すか、又はYとZはお互いに結合しないときYは水素原子を表し、Zは低級アルキル基を表す。〕
ここで本還元反応における反応溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類があげられる。又、溶媒には、ベンゼン、トルエン、キシレン等が0〜50%含まれていてもよい。還元試剤としては、例えば、ジボラン、ボランアンモニア錯体、ボラン−tert−ブチルアミン錯体、ボラン−N,N−ジエチルアニリン錯体、ボラン−N,N−ジイソプロピルエチルアミン錯体、ボランジメチルアミン錯体、ボラン−4−(ジメチルアミノ)ピリジン錯体、ボランジフェニルホスフィン錯体、ボラン−4−エチルモルホリン錯体、ボラン−2,6−ルチジン錯体、ボラン−4−メチルモルホリン錯体、ボランジメチルスルフィド錯体、ボランモルホリン錯体、ボラン−1,4−オキサチアン錯体、ボラン−4−フェニルモルホリン錯体、ボランピリジン錯体、ボランテトラヒドロフラン錯体、ボラントリブチルホスフィン錯体、ボラントリエチルアミン錯体、ボラントリメチルアミン錯体、ボラントリフェニルホスフィン錯体等のボラン化合物、水素化アルミニウムリチウムや、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等の金属水素化物ないしこれらのアルキル、アルコキシないしアシル置換体が挙げられる。若しくはこれらの金属水素化物に酸などを加えることにより反応容器内に還元試剤を調製してもよい。ここで用いられる酸類としては、例えば、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などのブレンステッド酸、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三塩化アルミニウムなどのルイス酸およびその錯体などがあげられる。これらの還元試剤のうち、例えば、ジボラン、ボランテトラヒドロフラン錯体などを使用する方法、若しくは水素化ホウ素ナトリウムにメタンスルホン酸、三フッ化ホウ素およびその錯体などを加えることにより反応容器内に還元試剤を調製する方法が好適に使用できる。反応温度は、溶媒の沸点にもよるが、通常5℃〜100℃、好適には30℃〜60℃の範囲で行なわれる。反応時間は、還元試剤の種類、反応温度あるいは溶媒の種類によって異なるが、通常4〜70時間である。還元試剤の使用量は、還元試剤の種類によっても異なるが、発生しうるヒドリドの量が4倍モル以上、好ましくは7倍モル以上である。反応で得られた化合物〔II−1〕ないし化合物〔IV−1〕は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーないし晶析などにより精製することができる。又、化合物〔II−1〕ないし化合物〔IV−1〕は、適当な酸との塩の形態で晶析を行ない、取得してもよい。ここで適当な酸との塩とは、例えば、塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の鉱酸塩(無機塩)や酢酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、アスパラギン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩を挙げることができる。
前記還元反応の原料に用いた化合物〔XV〕は、化合物〔XVI〕を塩基存在下、金属触媒により分子内アリール化することにより製造できる。ここで本反応における反応溶媒としては、例えば、ベンゼン及びその置換体、ピリジン及びその置換体、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類などがあげられる。これらの反応溶媒のうち、例えば、トルエン、ピリジン、ピコリン、N−メチルピロリドンなどが好適に使用できる。前記塩基としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムなどの炭酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシドなどの金属アルコキシド類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンなどのアミン類があげられる。これらの塩基のうち、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどが好適に使用できる。前記金属触媒としては、例えば、銅、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)などの銅触媒、パラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどのパラジウム触媒ないしその錯体、ないし白金および塩化白金などの白金触媒及びその錯体などがあげられる。これらの金属触媒のうち、例えば、銅、臭化銅(I)などが好適に使用できる。これらの金属触媒は又、反応容器内に調製してもよい。反応温度は、溶媒の沸点にもよるが、通常室温〜200℃、好適には100℃〜150℃の範囲で行なわれる。反応時間は、前記塩基や金属触媒の種類、反応温度あるいは溶媒の種類によって異なるが、通常8〜200時間である。前記塩基の使用量は、その種類によっても異なるが、通常1倍モル〜10倍モル、好ましくは1倍モル〜4倍モルである。前記金属触媒の使用量は、その種類によっても異なるが、通常0.001倍モル〜1倍モル、好ましくは0.005倍モル〜0.2倍モルである。反応で得られた化合物〔XV〕は、反応液から抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィーないし晶析などにより精製し、次の反応に用いることができるが、そのまま次の反応に用いることもできる。ここで本化合物〔XV〕は、又、適当な酸との塩の形態で取得してもよい。ここで適当な酸との塩とは、例えば、塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の鉱酸塩(無機塩)や酢酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、アスパラギン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩を挙げることができる。
前記分子内アリール化反応の原料に用いた化合物〔XVI〕は、下記の方法(反応式6)によって製造できる。
〔式中、芳香環G、J、K、R1〜R13、L1、L2は式〔XVI〕と同じであり、YとZはお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2を表すか、又はYとZはお互いに結合しないときYは水素原子を表し、Zは低級アルキル基を表す。〕
すなわち化合物〔XVI〕は、化合物〔XVII〕と化合物〔XVIII〕を縮合することによって製造できる。ここで縮合反応とは、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドないしN−ジメチルアミノプロピル−N’−エチルカルボジイミドおよびその塩などを用いるアミド化反応、化合物〔XVIII〕を酸無水物としたのちに縮合させる酸無水物法、および化合物〔XVIII〕の酸塩化物ないし酸臭化物を経由する方法などの既知の方法から選択できる。反応で得られた化合物〔XVI〕は、反応液から抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィーないし晶析などにより精製し、次の反応に用いることができるが、そのまま次の反応に用いることもできる。ここで本化合物〔XVI〕は、又、適当な酸との塩の形態で取得してもよい。ここで適当な酸との塩とは、例えば、塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の鉱酸塩(無機塩)や酢酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、アスパラギン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩を挙げることができる。
前記反応式6の原料に用いた化合物〔XVII〕は、公知の方法[J.Med.Chem.,7,609(1964)]により製造できる。
化合物〔XVIII〕は下記の方法(反応式7)によって製造できる。
〔式中、芳香環K、R9〜R13、L1、L2は前記と同じであり、YとZはお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2を表すか、又はYとZはお互いに結合しないときYは水素原子を表し、Zは低級アルキル基を表す。〕
すなわち化合物〔XVIII〕は、化合物〔XIX〕と化合物〔XX〕を縮合することによって製造できる。ここで縮合反応とは、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドないしN−ジメチルアミノプロピル−N’−エチルカルボジイミドおよびその塩などを用いるアミド化反応、化合物〔XIX〕を酸無水物としたのちに縮合させる酸無水物法、および化合物〔XIX〕の酸塩化物ないし酸臭化物を経由する方法などの既知の方法から選択できる。反応で得られた化合物〔XVIII〕は、反応液を抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィーないし晶析などにより精製し、次の反応に用いることができるが、そのまま次の反応に用いることもできる。化合物〔XVIII〕は、又、化合物〔XX〕のカルボン酸部分を適当な保護基で保護し、化合物〔XIX〕との上記同様の縮合反応の後に脱保護を行なうことによって製造してもよい。ここで適当な保護基とは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、ないしその置換体とのエステル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル等とのシリルエステルなどが挙げられる。
又、本発明化合物〔I〕のうち式〔III〕で表される化合物は、下記の方法(反応式8)によっても製造できる。
〔式中、芳香環G、J、K、R1〜R13、A、B、D、V及びrは前記と同じである。〕
すなわち化合物〔III〕は、化合物〔XXI〕を塩基存在下、金属触媒により分子内アリール化することによっても製造できる。ここで本反応における反応溶媒としては、例えば、ベンゼン及びその置換体、ピリジン及びその置換体、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類などがあげられる。前記塩基としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムなどの炭酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシドなどの金属アルコキシド類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンなどのアミン類があげられる。前記金属触媒としては、例えば、銅、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)などの銅触媒、パラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどのパラジウム触媒ないしその錯体、ないし白金および塩化白金などの白金触媒及びその錯体などがあげられる。これらの金属触媒は又、反応容器内に調製してもよい。反応温度は、溶媒の沸点にもよるが、通常室温〜200℃、好適には80℃〜160℃の範囲で行なわれる。反応時間は、前記塩基や金属触媒の種類、反応温度あるいは溶媒の種類によって異なるが、通常5〜150時間である。前記塩基の使用量は、その種類によっても異なるが、通常1倍モル〜20倍モル、好ましくは1.5倍モル〜8倍モルである。前記金属触媒の使用量は、その種類によっても異なるが、通常0.001倍モル〜1倍モル、好ましくは0.005倍モル〜0.3倍モルである。反応で得られた化合物〔III〕は、反応液から抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーないし晶析などにより精製することができる。又、本発明化合物〔III〕は、適当な酸との塩の形態で晶析を行ない、取得してもよい。ここで適当な酸との塩とは、例えば、塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の鉱酸塩(無機塩)や酢酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、アスパラギン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩を挙げることができる。
前記分子内アリール化反応の原料に用いた化合物〔XXI〕は、化合物〔XVII〕のアミノ基を、化合物〔XI〕によりアルキル化することによって製造できる。ここでアルキル化反応とは、例えば、塩基存在下でのアルキル化反応が挙げられる。すなわち化合物〔XVII〕と化合物〔XI〕を、塩基存在下、適当な溶媒中にて反応させることにより製造できる。前記塩基としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムなどの炭酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシドなどの金属アルコキシド類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンなどのアミン類があげられる。反応で得られた化合物〔XXI〕は、反応液から抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどにより精製し、次の反応に用いることができるが、そのまま次の反応に用いることもできる。
本発明化合物を医薬製剤又は医薬組成物として用いる場合、医薬上許容され得る賦形剤、担体、希釈剤等の製剤補助剤を適宜混合し、常法により錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、粉末剤、丸剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、軟膏剤、坐剤又は注射剤等の形態で、経口又は非経口で投与することができる。本発明では、活性成分としての本発明の化合物と、医薬上許容され得る担体及び/又は希釈剤とを含有する医薬製剤又は医薬組成物が好ましい。ここで、担体及び希釈剤としては、グルコース、スクロース、ラクトース、タルク、シリカ、セルロース、メチルセルロース、スターチ、ゼラチン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、エタノール、水や油脂などがあげられる。
また、本発明化合物の投与量及び投与回数は、病気の種類、患者の年齢、体重等に応じて適宜選択することができる。例えば、本発明化合物を過敏性腸症候群のような腸疾患の治療剤として経口投与する場合は、成人に対し1日約0.1〜1000mgを1回〜数回に分けて投与すればよい。
<実施例>
以下に、本発明を実施例、試験例及び製剤例により、具体的に説明するが、以下に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン塩酸塩
(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
アルゴン気流下、60%水素化ナトリウム(44mg、1.1mmol)をヘキサンで洗浄し、ジメチルスルホキシド(5ml)に懸濁して室温で30分間撹拌した後、3−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(0.22g,1.0mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。50℃で更に30分間撹拌した後、この溶液に(R)−3−クロロ−1−(4−メトキシフェネチル)ピペリジン(0.25g、1.0mmol、国際特許第9733885A1号記載の方法により調製)のジメチルスルホキシド(2ml)溶液を滴下して、50℃で6時間攪拌した。反応液を飽和食塩水と酢酸エチルに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサンと酢酸エチル(7:3)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)ピペリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色油状物として得られた(0.30g、70%)。
ESI/Mass:433[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.60−1.90(4H,m),2.27(1H,m),2.50−2.60(1H,m),2.70−2.82(3H,m),2.98−3.10(1H,m),3.18−3.24(1H,m),3.35(1H,dd,J=9.3,12.9Hz),3.82(3H,s),4.02(1H,dd,J=3.60,13.2Hz),5.20(1H,d,J=12.0Hz),5.27(1H,d,J=12.0Hz),6.70−6.95(6H,m),6.98−7.05(1H,m),7.15−7.30(4H,m)
(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)ピペリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン塩酸塩
(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)ピペリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(300mg,0.7mmol)のジクロロメタン(5ml)溶液に4M塩化水素/ジオキサン0.3mlを加え、30分撹拌した後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をヘキサン、酢酸エチルの混合溶媒を用いて固化させ、析出した固体を濾別することにより表記化合物を褐色固体として得た(257mg、79%)。
ESI/Mass:433[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.90−2.06(1H,m),2.06−2.30(3H,m),2.74−2.86(1H,m),2.90−3.20(2H,m),3.25−3.40(1H,m),3.42−3.68(2H,m),3.80(3H,s),3.85−4.00(1H,m),4.24(1H,dd,J=7.8,14.1Hz),4.62(1H,dd,J=5.7,14.1Hz),5.12(1H,d,J=12.3Hz),5.32(1H,d,J=12.3Hz),6.72−7.03(8H,m),7.12(2H,d,J=8.4Hz),7.18−7.25(1H,m)
〔実施例2〕
(R)−8−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン塩酸塩
3−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの代わりに8−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを用いて実施例1と同様の操作により、(R)−8−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを得た。淡黄色固体。収率19%。
ESI/Mass:433[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.58−1.88(4H,m),2.22−2.30(1H,m),2.48−2.58(1H,m),2.68−2.82(3H,m),2.99−3.08(1H,m),3.21−3.36,2H,m),3.81(3H,s),4.00−4.05(1H,m),5.20(1H,d,J=13.0Hz),5.34(1H,d,J=13.0Hz),6.47−6.50(2H,m),6.79−6.93(3H,m),7.02−7.18(4H,m),7.26−7.34(2H,m)
これを実施例1と同様に4M塩酸/ジオキサンで処理し、表記化合物を褐色固体として得た。収率81%。
ESI/Mass:433[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.90−2.32(4H,m),2.75−2.88(1H,m),2.94−3.23(2H,m),3.28−3.60(3H,m),3.81(3H,s),3.91−4.00(1H,m),4.14−4.30(1H,m),4.58−4.73(1H,m),5.17(1H,d,J=13.0Hz),5.34(1H,d,J=13.0Hz),6.50−6.60(2H,m),6.81−7.00(3H,m),7.08−7.39(6H,m)
〔実施例3〕
(R)−2−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン塩酸塩
3−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの代わりに2−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを用いて実施例1と同様の操作により、(R)−2−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを得た。淡黄色固体。収率44%。
ESI/Mass:449[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.60−1.87(4H,m),2.20−2.28(1H,m),2048−2.56(1H,m),2.67−2.82(3H,m),2.93−3.06(1H,m),3.16−3.23(1H,m),3.34(1H,dd,J=10.3,14.7Hz),3.81(3H,s),4.04(1H,dd,J=4.0,14.7Hz),5.15(1H,d,J=13.0Hz),5.25(1H,J=13.0Hz),6.75−6.89(5H,m),6.97−7.04(2H,m),7.10−7.16(2H,m),7.22−7.30(2H,m)
これを実施例1と同様に4M塩化水素/ジオキサンで処理し、表記化合物を褐色固体として得た。収率90%。
ESI/Mass:449[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.92−2.28(4H,m),2.72−2.88(1H,m),2.93−3.13(2H,m),3.26−3.38(1H,m),3.43−3.6.(2H,m),3.81(3H,s),3.83−3.98(1H,m),4.20−4.35(1H,m),4.61−4.74(1H,m),5.11(1H,d,J=14.0Hz),5.27(1H,d,J=14.0Hz),6.87−6.92(5H,m),7.01−7.16(3H,m),7.22−7.30(3H,m)
〔実施例4〕
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン塩酸塩
3−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの代わりに3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを用いて実施例1と同様の操作により、(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを得た。淡黄色固体。収率55%。
ESI/Mass:449[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.60−1.90(4H,m),2.22−2.30(1H,m),2.52−2.62(1H,m),2.68−2.82(3H,m),2.97−3.07(1H,m),3.16−3.22(1H,m),3.35(1H,dd,J=10.3,14.7Hz),3.81(3H,s),4.03(1H,dd,J=4.0,14.7Hz),5.20(1H,d,J=13.7Hz),5.23(1H,d,J=13.7Hz),6.75−6.90(5H,m),6.96−7.02(2H,m),7.10−7.20(4H,m)
これを実施例1と同様に4M塩化水素/ジオキサンで処理し、表記化合物を褐色固体として得た。収率86%。
ESI/Mass:449[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.92−2.03(1H,m),2.10−2.30(3H,m),2.75−2.84(1H,m),2.96−3.12(2H,m),3.24−3.34(1H,m),3.44−3.60(2H,m),3.81(1H,s)3.87−3.981H,m),4.24(1H,dd,J=8.7,15.3Hz),4.62(1H,dd,J=6.3,15.3Hz),5.12(1H,d,J=14.0Hz),5.35(1H,d,J=14.0Hz),6.83−6.96(3H,m),6.84(2H,d,J=9.3Hz),7.01−7.19(4H,m),7.12(2H,d,J=9.3Hz)
〔実施例5〕
(R)−7−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン塩酸塩
(R)−3−クロロ−1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピペリジン
アセトニトリル(50ml)中に、(R)−2−ヒドロキシメチルピロリジン、(505mg、5.00mmol)、3,4−メチレンジオキシフェネチルメシレート(1.34g、5.50mmol)、炭酸ナトリウム(585mg,5.50mmol)、ヨウ化ナトリウム(50mg,0.33mmol)を加え、90℃で13.5時間加熱還流した後、減圧下に溶媒を留去し、残留物を酢酸エチルと飽和重曹水に分配した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残留物をジクロロメタン25mlに溶解し、氷冷下で撹拌しながら、ジイソプロピルエチルアミン712mg(5.5mmol)、およびメタンスルホニルクロリド630mg(5.5mmol)を加え、氷冷下で1時間、更に室温下で2時間撹拌した。反応液をジクロロメタンと飽和重曹水に分配した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、溶離液としてヘキサンと酢酸エチル(15:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−3−クロロ−1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピペリジンが淡黄色油状物質として得られた(1.02g、76%)。
NMR(CDCl3)δ:1.55−1.68(3H,m),1.75−1.87(1H,m),2.12−2.20(2H,m),2.55−2.64(2H,m),2.69−2.78(3H,m),3.08−3.18(1H,m),3.98−4.06(1H,m),5.93(2H,s),6.63−6.75(3H,m)
(R)−7−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
アルゴン気流下、60%水素化ナトリウム(48mg、1.2mmol)をヘキサンで洗浄した後、ジメチルスルホキシド(8ml)に懸濁し、室温で30分間撹拌した後、7−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(232mg,1mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。50℃で30分間撹拌した後、この溶液に(R)−3−クロロ−1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピペリジン(308mg、1.15mmol)のジメチルスルホキシド(3ml)溶液を滴下して、50℃で4時間攪拌した。反応液を飽和重曹水と酢酸エチルに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、溶離液としてヘキサンと酢酸エチル(10:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−7−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色固体として得られた(362mg、78%)。
ESI/Mass:463[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.60−1.84(4H,m),2.20−2.30(1H,m),2.49−2.59(1H,m),2.65−2.78(3H,m),2.95−3.05(1H,m),3.13−3.21(1H,m),3.34(1H,dd,J=10.3,13.0Hz),4.00(1H,dd,J=3.3,13.0Hz),5.15(1H,d,J=13.0Hz),5.23(1H,d,J=13.0Hz),5.95(2H,s),6.63−6.78(5H,m),6.96(1H,s),7.02−7.13(2H,m),7.26−7.37(2H,m)
(R)−7−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン塩酸塩
(R)−7−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(0.63g)のジクロロメタン(5ml)溶液に2M塩化水素/ジエチルエーテル3.0mlを加え、2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をヘキサン中で撹拌して表記化合物を淡褐色固体として得た(348mg、89%)。
ESI/Mass:463[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.92−2.33(4H,m),2.74−3.16(3H,m),3.24−3.37(1H,m),3.44−3.58(2H,m),3.88−3.98(1H,m),4.15−4.28(1H,m),4.60−4.72(1H,m),5.19(1H,d,J=14.0Hz),5.27(1H,d,J=14.0Hz),5.98(2H,s),6.64−6.77(5H,m),6.80−6.88(1H,m),6.98(1H,s),7.09−7.20(2H,m),7.28−7.38(2H,m)
〔実施例6〕
(R)−1−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(R)−2−ヒドロキシメチル−1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン
アセトニトリル(50ml)中に、D−プロリノール(2.02g、20.0mmol)、4−ジメチルアミノフェネチルメシレート、(5.35g、22.0mmol)、炭酸ナトリウム(2.65g、25.0mmol)、ヨウ化ナトリウム(300mg,2.0mmol)を加え、90℃で13.5時間加熱還流した後、室温まで冷却し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮乾固し、残留物を酢酸エチルと飽和重曹水に分配した。有機層に1M塩酸を加え、水層のpHを1に保ち、目的物を水層に抽出した。水層に4M水酸化ナトリウムを加え、水層のpHを14とし、生成する沈殿を酢酸エチルで抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去すると、(R)−2−ヒドロキシメチル−1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジンが淡黄色油状物質として得られた(4.91g、99%)。
NMR(CDCl3)δ:1.69−1.90(4H,m),2.29−2.38(1H,m),2.45−2.54(1H,m),2.56−2.64(1H,m),2.66−2.74(2H,m),2.88−2.94(1H,m),2.91(6H,ms),3.23−3.30(1H,m),3.31(1H,dd,J=2.7,12.0Hz),3.58(1H,dd,J=4.0,12.0Hz),6.70(2H,d,J=9.7Hz),7.07(2H,d,J=9.7Hz)
(R)−3−クロロ−1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピペリジン
(R)−2−ヒドロキシメチル−1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン(4.91g、19.8mmol)をジクロロメタン60mlに溶解し、氷冷下で撹拌しながら、ジイソプロピルエチルアミン3.11g(24.4mmol)、およびメタンスルホニルクロリド2.75g(24.0mmol)を加え、氷冷下で1時間、更に室温下で2時間撹拌した。反応液をジクロロメタンと飽和重曹水に分配し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、溶離液としてヘキサンと酢酸エチル(9:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−3−クロロ−1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピペリジンが淡黄色固体として得られた(3.03g、57%)。
NMR(CDCl3)δ:1.50−1.68(3H,m),1.76−1.88(1H,m),2.09−2.20(2H,m),2.55−2.62(2H,m),2.66−2.73(2H,m),2.75−2.84(1H,m),2.91(6H,s),3.08−3.17(1H,m),3.98−4.08(1H,m),6.69(2H,d,J=9.7Hz),7.06(2H,d,J=9.7Hz)
(R)−1−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
アルゴン気流下、60%水素化ナトリウム(35mg、0.88mmol)をヘキサンで洗浄した後、ジメチルスルホキシド(5ml)に懸濁し、室温で30分間撹拌した後、1−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(0.17g,0.80mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。50℃で30分間撹拌した後、この溶液に(R)−3−クロロ−1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピペリジン(0.18g、0.80mmol)のジメチルスルホキシド(2ml)溶液を滴下して、50℃で6時間攪拌した。反応液を飽和食塩水と酢酸エチルに分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサンと酢酸エチル(6:4)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−1−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピペリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色油状物として得られた(0.23g、64%)。
ESI/Mass:446[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.60−1.90(4H,m),2.20−2.30(1H,m),2.48−2.55(1H,m),2.70−2.80(3H,m),2.94(6H,s),2.98−3.08(1H,m),3.16−3.25(1H,m),3.38(1H,dd,J=9.3,13.0Hz),4.10(1H,dd,J=3.60,13.0Hz),5.35(1H,d,J=12.0Hz),5.42(1H,d,J=12.0Hz),6.70−6.78(3H,m),6.80−6.90(4H,m),7.00−7.15(3H,m),7.18−7.28(1H,m)
(R)−1−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(R)−1−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(228mg,0.5mmol)のジクロロメタン(5ml)溶液に4M塩化水素/ジオキサン0.5mlを加え、30分撹拌した後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をヘキサン、酢酸エチルの混合溶媒を用いて固化させ、析出した固体を濾別して表記化合物を褐色固体として得た(170mg、64%)。
ESI/Mass:446[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.92−2.30(3H,m),2.78−2.90(1H,m),2.91−3.16(3H,m),3.16(6H,s),3.38−3.50(2H,m),3.62−3.75(1H,m),3.82−3.95(1H,m),4.28(1H,dd,J=6.3,14.7Hz),4.77(1H,dd,J=6.0,14.7Hz),5.24(2H,s),6.76(1H,t,J=8.1Hz),6.90−7.12(5H,m),7.21−7.30(1H,m),7.37(2H,d,J=8.4Hz),7.71(2H,d,J=8.4Hz)
〔実施例7〕
(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
1−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの代わりに3−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを用いて実施例6と同様の操作により、(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色油状物として得られた(0.24g、53%)。
ESI/Mass:446[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.60−1.90(4H,m),2.22−2.32(1H,m),2.50−2.60(1H,m),2.70−2.82(3H,m),2.94(6H,s),2.98−3.08(1H,m),3.15−3.25(1H,m),3.34(1H,dd,J=9.3,13.0Hz),4.05(1H,dd,J=3.60,13.0Hz),5.20(1H,d,J=12.0Hz),5.26(1H,d,J=12.0Hz),6.68−6.90(7H,m),6.97−7.04(1H,m),7.08−7.15(2H,m),7.20−7.25(1H,m)
これを実施例6と同様に4M塩化水素/ジオキサンで処理し、表記化合物を淡褐色固体として得た(100%)。
ESI/Mass:446[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.95−2.30(3H,m),2.80−3.00(1H,m),3.00−3.25(9H,m),3.42−3.60(2H,m),3.60−3.75(1H,m),3.85−3.98(1H,m),4.19−4.28(1H,m),4.58−4.68(1H,m),5.11(1H,d,J=12.6Hz),5.35(1H,d,J=12.6Hz),6.76(1H,t,J=8.1Hz),6.80−7.08(5H,m),7.20(1H,dd,J=6.3,8.1Hz),7.43(2H,d,J=6.9Hz),7.75(2H,d,J=6.9Hz)
〔実施例8〕
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
1−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの代わりに3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを用いて実施例6と同様の操作により、(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンオキサゼピンを得た。
淡黄色油状物質。収率67%。
ESI/Mass:462[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.50−1.91(4H,m),2.23−2.32(1H,m),2.51−2.60(1H,m),2.65−2.83(3H,m),2.93(6H,s),2.97−3.07(1H,m),3.15−3.23(1H,m),3.34(1H,dd,J=10.3,14.3Hz),4.06(1H,dd,J=4.0,14.3Hz),5.22(2H,s),6.72(2H,d,J=10.0Hz),6.75−6.85(3H,m),6.98−7.01(2H,m),7.09−7.19(2H,m),7.11(2H,d,J=10.0Hz)
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンオキサゼピン(306mg,0.662mmol)を酢酸エチルとエタノール(2:1)の混合溶媒6.0mlに溶解し、2M塩化水素/エーテル(0.73ml,1.46mmol)を添加した後、酢酸エチル2.0mlを加えて室温で攪拌した。2日間、室温に静置した後、ろ過・乾燥して表記化合物を白色結晶として得た(96%)。
ESI/Mass:462[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:2.02−2.28(4H,m),2.80−2.90(1H,m),2.98−3.24(2H,m),3.17(6H,s),3.44−3.56(2H,m),3.59−3.69(1H,m),3.88−3.98(1H,m),4.23(1H,dd,J=7.7,15.7Hz),4.64(1H,dd,J=6.3,15.7Hz),5.11(1H,d,J=14.0Hz),5.33(1H,d,J=14.0Hz),6.85−6.97(3H,m),7.02−7.07(2H,m),7.12−7.18(2H,m),7.41(2H,d,J=9.3Hz),7.75(2H,d,J=9.3Hz)
〔実施例9〕
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
4−ピロリジノフェネチルアルコール
乾燥した酢酸パラジウム(270mg、1.20mmol)、2−(ジ−t−ブチルフォスフィノ)ビフェニル(720mg、2.40mmol)、t−ブトキシナトリウム(14.42g、150mmol)に2−(4−ブロモフェネトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(28.01g、98.39mmol)のトルエン(100ml)溶液とピロリジン(9.93ml、119mmol)を加え、70℃で12時間攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、生成物を有機層から1M塩酸で抽出した。水層を水酸化ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し、4−ピロリジノフェネチルアルコールを淡黄色固体として得た。(16.41g、87%)
NMR(CDCl3)δ:1.97−2.01(4H,m),2.77(2H,t,J=7.3Hz),3.24−3.29(4H,m),3.79(2H,q,J=6.7Hz),6.53(2H,d,J=9.3Hz),7.03(2H,d,J=9.35Hz)
4−ピロリジノフェネチルメシレート
4−ピロリジノフェネチルアルコール(16.41g、85.9mmol)をジクロロメタン(150ml)に溶解し、0℃でジイソプロピルエチルアミン(19.0ml、108mmol)とメタンスルフォニルクロリド(8.40ml、108mmol)を加えて一晩攪拌した。反応溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサンと酢酸エチル(7:3)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、4−ピロリジノフェネチルメシレートが白色固体として得られた(21.14g、80%)。
ESI/Mass:270[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.98−2.01(4H,m),2.84(3H,s),2.95(2H,t,J=8.0Hz),3.24−3.28(4H,m),4.46(2H,t,J=8.0Hz),6.52(2H,d,J=9.3Hz),7.07(2H,d,J=9.3Hz)
(R)−2−ヒドロキシメチル−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン
アセトニトリル(150ml)中に、D−プロリノール、(2.72g、25.0mmol)、4−ピロリジノフェネチルメシレート、(6.06g、22.5mmol)、炭酸カリウム(3.45g、25.0mmol)を加え、90℃で3.5時間加熱還流した後、室温まで冷却し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮乾固し、残留物を酢酸エチルと飽和重曹水に分配した。有機層に1M塩酸を加え、水層のpHを1に保ち、目的物を水層に抽出した。水層に4M水酸化ナトリウムを加え、水層のpHを14にし、生成した沈殿を酢酸エチルで抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去すると、(R)−2−ヒドロキシメチル−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジンが淡黄色油状物質として得られた(4.96g、85%)。
NMR(CDCl3)δ:1.70−1.91(4H,m),1.95−2.04(4H,m),2.26−2.36(1H,m),2.42−2.56(1H,m),2.57−2.77(4H,m),2.87−2.96(1H,m),3.18−3.27(4H,m),3.28(1H,dd,J=2.7,12.0Hz),3.57(1H,dd,J=4.0,12.0Hz),6.51(2H,d,J=9.3Hz),7.05(2H,d,J=9.7Hz)
(R)−3−クロロ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピペリジン
(R)−2−ヒドロキシメチル−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン(4.96g、19.1mmol)をジクロロメタン70mlに溶解し、氷冷下で撹拌しながら、ジイソプロピルエチルアミン3.21g(24.8mmol)、およびメタンスルホニルクロリド2.84g(24.8mmol)を加え、氷冷下で1時間、更に室温下で2時間撹拌した。反応液をジクロロメタンと飽和重曹水に分配した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、溶離液としてヘキサンと酢酸エチル(3:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−3−クロロ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピペリジンが淡黄色固体として得られた(3.23g、61%)。
ESI/Mass:293[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.50−1.70(3H,m),1.78−1.87(1H,m),1.96−2.01(4H,m),2.10−2.20(2H,m),2.54−2.61(2H,m),2.65−2.72(2H,m),2.75−2.85(1H,m),3.10−3.17(1H,m),3.23−3.28(4H,m),3.96−4.06(1H,m),6.51(2H,d,J=9.7Hz),7.05(2H,d,J=9.7Hz)
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
アルゴン気流下、60%水素化ナトリウム(348mg、8.7mmol)をヘキサンで洗浄した後、ジメチルスルホキシド(50ml)に懸濁し、室温で30分間撹拌した。これに2−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(1.70g、7.90mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。50℃で更に30分間撹拌した後、この溶液に(R)−3−クロロ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピペリジン(2.64g、9.02mmol)のジメチルスルホキシド(25ml)溶液を滴下して、50℃で3時間攪拌した。反応液を飽和重曹水と酢酸エチルに分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、溶離液として最初にヘキサンと酢酸エチル(6:1)を用い、次いでヘキサンと酢酸エチル(1:1)に変えて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色油状物質として得られた(2.29g、68%)。
ESI/Mass:472[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.59−1.86(4H,m),1.96−2.02(4H,m),2.21−2.29(1H,m),2.46−2.55(1H,m),2.60−2.78(3H,m),2.97−3.06(1H,m),3.19−3.31(6H,m),4.08(1H,dd,3.7,14.3Hz),5.16(1H,m),5.30(1H,d,J=13.0Hz),6.54(2H,d,J=9.0Hz),6.75−6.85(3H,m),6.95−7.09(4H,m),6.99(2H,d,J=9.0Hz)
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(2.29g)のジクロロメタン(30ml)溶液に2M塩化水素/ジエチルエーテル20mlを加え、2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をヘキサン中で撹拌して固化させて濾別し、表記化合物を淡褐色固体として得た(2.17g、81%)。
ESI/Mass:472[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.95−2.36(8H,m),2.84−2.96(1H,m),3.03−3.27(3H,m),3.40−3.72(6H,m),3.82−3.93(1H,m),4.21(1H,dd,J=8.7,15.7Hz),4.63(1H,dd,J=6.3,15.7Hz),5.13(1H,d,J=14.0Hz),5.33(1H,d,J=14.0Hz),6.81−7.03(6H,m),7.11−7.14(1H,m),7.37(2H,d,J=9.0Hz),7.60(2H,d,J=9.0Hz)
〔実施例10〕
(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
3−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンと(R)−3−クロロ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピペリジンを使用して、実施例6と同様の操作により(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを淡黄色油状物として得た(0.19g、50%)。
ESI/Mass:472[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.55−1.90(4H,m),1.95−2.06(4H,m),2.20−2.32(1H,m),2.48−2.60(1H,m),2.70−2.82(3H,m),2.95−3.10(1H,m),3.18−3.40(6H,m),4.06(1H,m),5.20(1H,d,J=12.0Hz),5.26(1H,d,J=12.0Hz),6.54(2H,d,J=8.7Hz),6.68−6.85(5H,m),6.95−7.03(1H,m),7.08(2H,d,J=8.7Hz),7.20−7.30(1H,m)
これを実施例6と同様に4M塩化水素/ジオキサンで処理し、表記化合物を淡褐色固体として得た(90%)。
ESI/Mass:472[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.95−2.30(4H,m),2.34(4H,m),2.82−2.95(1H,m),3.00−3.24(2H,m),3.39−3.78(7H,m),3.82−3.95(1H,m),4.21(1H,dd,J=7.2,14.1Hz),4.62(1H,dd,J=5.7,14.1Hz),5.11(1H,d,J=12.6Hz),5.34(1H,d,J=12.6Hz),6.76(1H,t,J=8.1Hz),6.80−7.05(5H,m),7.19(1H,t,J=8.1Hz),7.37(2H,d,J=8.4Hz),7.64(2H,d,J=8.4Hz)
〔実施例11〕
(R)−7−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
7−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンと(R)−3−クロロ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピペリジンを使用して、実施例6と同様の操作により(R)−7−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを淡黄色油状物として得た(0.19g、51%)。
ESI/Mass:472[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.58−1.90(4H,m),1.95−2.06(4H,m),2.20−2.32(1H,m),2.48−2.60(1H,m),2.68−2.82(3H,m),2.98−3.08(1H,m),3.18−3.40(6H,m),4.05(1H,dd,J=5.8,13.2Hz),5.14(1H,d,J=12.0Hz),5.31(1H,d,J=12.0Hz),6.45−6.58(3H,m),6.68−6.78(2H,m),7.02−7.13(4H,m),7.28−7.35(2H,m)
これを実施例6と同様に4M塩化水素/ジオキサンで処理し、表記化合物を褐色固体として得た(98%)。
ESI/Mass:472[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.95−2.30(4H,m),2.34(4H,m),2.78−2.92(1H,m),2.94−3.25(2H,m),3.40−3.76(7H,m),3.83−3.94(1H,m),4.23(1H,dd,J=7.2,14.4Hz),4.66(1H,dd,J=6.0,14.4Hz),5.13(1H,d,J=12.9Hz),5.24(1H,d,J=12.9Hz),6.58−6.63(1H,m),6.72−6.82(2H,m),7.05−7.25(4H,m),7.35(2H,d,J=8.4Hz),7.60(2H,d,J=8.4Hz)
〔実施例12〕
(R)−8−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
8−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンと(R)−3−クロロ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピペリジンを使用して、実施例6と同様の操作により(R)−8−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを淡黄色油状物として得た(0.13g、32%)。
ESI/Mass:472[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.58−1.90(4H,m),1.95−2.06(4H,m),2.18−2.34(1H,m),2.45−2.58(1H,m),2.65−2.80(3H,m),2.95−3.10(1H,m),3.14−3.38(6H,m),4.05−4.14(1H,m),5.21(1H,d,J=11.7Hz),5.35(1H,d,J=11.7Hz),6.48−6.58(4H,m),6.88−6.95(1H,m),7.02−7.12(4H,m),7.24−7.35(2H,m)
これを実施例6と同様に4M塩化水素/ジオキサンで処理し、表記化合物を褐色固体として得た(98%)。
ESI/Mass:472[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.95−2.30(4H,m),2.35(4H,m),2.78−2.94(1H,m),2.95−3.10(1H,m),3.10−3.25(1H,m),3.40−3.80(7H,m),3.80−3.95(1H,m),4.19(1H,dd,J=7.8,14.1Hz),4.64(1H,dd,J=4.2,14.1Hz),5.16(1H,d,J=12.3Hz),5.44(1H,d,J=12.3Hz),6.50−6.61(2H,m),6.88−7.00(1H,m),7.05−7.18(2H,m),7.30−7.41(4H,m),7.64(2H,d,J=7.8Hz)
〔実施例13〕
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンと(R)−3−クロロ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピペリジンを使用して、実施例6と同様の操作により(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを淡黄色油状物として得た(0.18g、68%)。
ESI/Mass:488[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.50−1.90(4H,m),1.95−2.06(4H,m),2.20−2.34(1H,m),2.50−2.62(1H,m),2.65−2.82(3H,m),2.90−3.10(1H,m),3.16−3.40(6H,m),4.05−4.14(1H,m),5.22(2H,s),6.54(2H,d,J=8.7Hz),6.75−6.88(3H,m),6.96−7.04(2H,d,J=8.7Hz),7.05−7.14(3H,m),7.18(1H,d,J=8.4Hz)
これを実施例6と同様に4M塩化水素/ジオキサンで処理し、表記化合物を褐色固体として得た(91%)。
ESI/Mass:488[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.95−2.30(4H,m),2.34(4H,m),2.78−2.92(1H,m),2.92−3.25(2H,m),3.40−3.81(7H,m),3.83−3.99(1H,m),4.21(1H,dd,J=6.9,14.1Hz),4.63(1H,dd,J=6.3,14.1Hz),5.10(1H,d,J=12.9Hz),5.36(1H,d,J=12.9Hz),6.85−7.06(5H,m),7.15(2H,t,J=8.1Hz),7.35(2H,d,J=8.7Hz),7.62(2H,d,J=8.7Hz)
〔実施例14〕
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
3−ピロリジノフェネチルアルコール
乾燥した酢酸パラジウム(58mg、0.26mmol)、2−(ジ−t−ブチルフォスフィノ)ビフェニル(136mg、0.46mmol)、t−ブトキシナトリウム(3.23g、33.6mmol)に2−(3−ブロモフェネトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(6.27g、21.9mmol)のトルエン(15ml)溶液とピロリジン(2.2ml、26.4mmol)を加え、70℃で12時間攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、生成物を有機層から1M塩酸で抽出した。水層を水酸化ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し、3−ピロリジノフェネチルアルコールを淡黄色固体として定量的に得た。
NMR(CDCl3)δ:1.98−2.02(4H,m),2.82(2H,t,J=7.0Hz),3.26−3.30(4H,m),3.86(2H,q,J=7.0Hz),6.42−6.54(3H,m),7.17(1H,t,J=8.3Hz)
3−ピロリジノフェネチルメシレート
3−ピロリジノフェネチルアルコールをジクロロメタン(20ml)に溶解し、0℃でトリエチルアミン(3.7ml、26.7mmol)とメタンスルフォニルクロリド(1.9ml、24.5mmol)を加えて一晩攪拌した。反応溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサンと酢酸エチル(7:3)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、3−ピロリジニノフェネチルメシレートが白色固体として得られた(5.13g、87%)。
ESI/Mass:270[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.98−2.03(4H,m),2.86(3H,s),2.98(2H,t,J=7.3Hz),3.25−3.30(4H,m),4.43(2H,t,J=7.3Hz),6.40−6.53(3H,m),7.16(1H,t,J=8.7Hz)
(R)−3−クロロ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピペリジン
4−ピロリジノフェネチルメシラートの代わりに3−ピロリジノフェネチルメシラートを用いて、実施例13と同様の方法により、合成した。収率50%。
ESI/Mass:293[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.55−1.70(2H,m),1.78−1.88(2H,m),1.95−2.03(4H,m),2.10−2.22(2H,m),2.30(1H,t,J=10.5Hz),2.60−2.67(2H,m),2.67−2.82(2H,m),3.16(1H,m),3.22−3.30(4H,m),4.02(1H,m),6.40(2H,m),6.49(1H,d,J=7,5Hz),7.13(1H,t,J=7.5Hz)
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンと(R)−3−クロロ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピペリジンを使用して、実施例6と同様の操作により(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを淡黄色油状物として得た(0.21g、45%)。
ESI/Mass:488[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.50−1.90(4H,m),1.95−2.06(4H,m),2.24−2.34(1H,m),2.55−2.70(1H,m),2.70−2.88(3H,m),3.02−3.15(1H,m),3.16−3.40(6H,m),4.02−4.14(1H,m),5.23(2H,s),6.40−6.58(3H,m),6.75−6.88(3H,m),6.96−7.04(2H,m),7.10−7.20(3H,m)
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
これを実施例6と同様に4M塩化水素/ジオキサンで処理し、表記化合物を褐色固体として得た(88%)。
ESI/Mass:488[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.95−2.30(4H,m),2.32(4H,m),2.77−2.90(1H,m),3.00−3.30(2H,m),3.38−3.78(7H,m),3.80−3.92(1H,m),4.21(1H,dd,J=6.6,14.1Hz),4.64(1H,dd,J=5.7,14.1Hz),5.10(1H,d,J=12.9Hz),5.33(1H,d,J=12.9Hz),6.82−7.08(5H,m),7.14(2H,t,J=8.4Hz),7.20−7.30(1H,m),7.38−7.53(2H,m),7.60−7.70(1H,m)
〔実施例15〕
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−モルホリノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
4−モルホリノフェネチルアルコール
乾燥した酢酸パラジウム(32.3mg、0.14mmol)、2−(ジ−t−ブチルフォスフィノ)ビフェニル(86.0mg、0.29mmol)、t−ブトキシナトリウム(1.73g、18mmol)に2−(4−ブロモフェネトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(3.42g、12.0mmol)のトルエン(9.0ml)溶液とモルホリン(1.22g、14mmol)を加え、70℃で16時間攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、生成物を有機層から1M塩酸で抽出した。水層を水酸化ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し4−モルホリノフェネチルアルコールを淡黄色固体として得た(2.35g、95%)。
NMR(CDCl3)δ:2.80(2H,t,J=8.7Hz),3.13(4H,t,J=6.8),3.78−3.88(6H,m),6.88(2H,d,J=11.7Hz),7.14(2H,d,J=11.7Hz)
4−モルホリノフェネチルメシレート
4−モルホリノフェネチルアルコール(2.35g、11.3mmol)をジクロロメタン(20ml)に溶解し、0℃でジイソプロピルエチルアミン(2.60ml、14.8mmol)とメタンスルフォニルクロリド(1.11ml、14.8mmol)を加えて4時間攪拌した。反応溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、溶出液として最初にヘキサンと酢酸エチル(3:1)を用い、次いで同溶媒(1:1)に変えて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、4−モルホリノフェネチルメシレートが白色固体として得られた(2.60g、81%)。NMR(CDCl3)δ:2.86(3H,s),2.98(2H,t,J=9.3Hz),3.14(4H,m),3.86(4H,m),4.38(2H,t,J=9.3Hz),6.87(2H,d,J=11.7Hz),7.14(2H,d,J=11.7Hz)
(R)−3−クロロ−1−(4−モルホリノフェネチル)ピペリジン
アセトニトリル(20ml)に4−モルホリノフェネチルメシレート(0.43g、1.51mmol)とD−プロリノール(0.17g、1.66mmol)、炭酸カリウム(0.40g、2.89mmol)を加え、70℃で一夜攪拌した。冷却後ろ過し、ろ液を減圧下で蒸発乾固去し、得られた残留物を水と酢酸エチルに分配した。目的物を酢酸エチル層から1M塩酸で抽出し、水層を中和してから再び酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥後、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−2−ヒドロキシメチル−1−(4−モルホリノフェネチル)ピロリジンが淡黄色固体として得られた(0.44g、1.5mmol、100%)。これをジクロロメタン(10ml)に溶解し、0℃でトリエチルアミン(0.29ml、2.1mmol)とメタンスルホニルクロリド(0.15ml、1.9mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応溶液を5%炭酸水素ナトリウム溶液とジクロロメタンに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサンと酢酸エチル(1:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−3−クロロ−1−(4−モルホリノフェネチル)ピペリジンが白色固体として得られた(0.30g、64%)。
ESI/Mass:309[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.50−1.86(4H,m),2.10−2.20(2H,m),2.28(1H,t,J=7.8Hz),2.55−2.64(2H,m),2.65−2.80(3H,m),3.10−3.18(4H,m),3.80−3.88(4H,m),3.96−4.04(1H,m),6.82−6.88(2H,m),7.10−7.20(2H,m)
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−モルホリノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(R)−3−クロロ−1−(4−モルホリノフェネチル)ピペリジンと3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを用いて実施例6と同様の操作により、(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−モルホリノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを得た。淡黄色油状物質。収率46%。
ESI/Mass:504[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.60−1.95(4H,m),2.22−2.31(1H,m),2.52−2.61(1H,m),2.69−2.80(3H,m),2.98−3.07(1H,m),3.01−3.19(1H,m),3.15(4H,t,J=5.3Hz),3.35(1H,dd,J=10,3,14.7Hz),3.87(4H,t,J=5.3Hz),4.03(1H,dd,J=4.0,14.7Hz),5.21(1H,d,J=13.3Hz),5.23(1H,d,J=13.3Hz),6.76−6.90(3H,m),6.88(2H,d,J=9.7Hz),6.97−7.01(2H,m),7.09−7.19(2H,m),7.14(2H,d,J=9.7Hz)
これを実施例6と同様に4M塩化水素/ジオキサンで処理し、表記化合物を淡褐色固体として得た。収率96%。
ESI/Mass:504[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.98−2.33(4H,m),2.83−3.30(4H,m),3.38−3.70(6H,m),3.87−3.98(1H,m),4.15−4.42(5H,m),4.60−4.70(1H,m),5.12(1H,d,J=14.0Hz),5.39(1H,d,J=14.0Hz),6.84−6.93(3H,m),7.04−7.19(4H,m),7.43(2H,s),7.78(2H,s)
〔実施例16〕
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
アルゴン気流下、60%水素化ナトリウム(100mg、2.5mmol)をヘキサンで洗浄した後、ジメチルスルホキシド(8ml)に懸濁した。室温で30分間撹拌した後、2−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(538mg、2.5mmol)を加え、室温で30分間、さらに50℃で40分間攪拌した。この溶液に(S)−1−(4−ジメチルアミノフェネチル)−3−メタンスルフォニルオキシピロリジン(312mg、1.0mmol、国際特許第0040570A1号記載の方法により調製)のジメチルスルホキシド(3ml)溶液を滴下して、50℃で13時間攪拌した。反応液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、溶離液として最初にヘキサンと酢酸エチル(3:1)を用い、ついでヘキサンと酢酸エチル(1:1)に変えて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色油状物として得られた(140mg、32%)。
ESI/Mass:432[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.74−1.84(1H,m),2.22−2.34(1H,m),2.37−2.47(1H,m),2.48−2.71(5H,m),2.75−2.85(1H,m),2.90(6H,s),3.18(1H,dd,J=7.7,10.7Hz),4.60−4.70(1H,m),5.25−5.40(2H,bs),6.37−6.49(3H,m),6.72−6.87(5H,m),6.95−7.24(3H,m),
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(140mg)のジクロロメタン(5ml)溶液に4M塩化水素/酢酸エチル1.0mlを加え、1時間撹拌した後、溶媒を減圧留去し、残留物をヘキサン中で撹拌して固化させ、濾別により表記化合物を淡黄色固体として得た(145mg、90%)。
ESI/Mass:432[M+H+]
NMR(CD3OD)δ:1.90−2.08(1H,m),2.10−2.30(1H,m),2.38−2.53(1H,m),2.60−2.73(1H,m),3.14(2H,t,J=8.0Hz),3.26(6H,s),3.49(2H,t,J=8.0Hz),3.60−3.82(2H,m),4.03−4.14(1H,m),4.95−5.03(1H,m),5.06−5.15(1H,m),6.73−6.92(3H,m),7.03−7.26(4H,m),7.47−7.59(4H,m)
〔実施例17〕
(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
2−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの代わりに3−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを用いて実施例16と同様の操作により、(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを得た。淡黄色固体。収率40%。
ESI/Mass:432[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.73−1.84(1H,m),2.21−2.30(1H,m),2.41−2.48(1H,m),2.50−2.71(5H,m),2.75−2.82(1H,m),2.90(6H,s),3.18(1H,dd,J=7.7,10.7Hz),5.28(1H,d,J=12.0Hz),5.40(1H,d,J=12.0Hz),6.48−6.54(1H,m),6.63−6.72(4H,m),7.01−7.12(4H,m),7.25−7.34(2H,m)
これを実施例16と同様に4M塩化水素/酢酸エチルで処理し、表記化合物を淡褐色固体として得た。収率92%。
ESI/Mass:432[M+H+]
NMR(CD3OD)δ:1.90−2.07(1H,m),2.14−2.27(1H,m),2.42−2.52(1H,m),2.63−2.77(1H,m),3.15(2H,t,J=9.0Hz),3.26(6H,s),3.49(2H,t,J=9.0Hz),3.64−3.82(2H,m),4.07−4.16(1H,m),4.97−5.06(1H,m),5.10−5.18(1H,m),6.72−6.94(4H,m),7.00−7.09(2H,m),7.43−7.65(5H,m)
〔実施例18〕
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
3−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの代わりに3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを用いて実施例16と同様の操作により、(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを得た。淡黄色油状物質。収率39%。
ESI/Mass:448[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.74−1.84(1H,m),2.22−2.34(1H,m),2.37−2.47(1H,m),2.48−2.71(5H,m),2.75−2.85(1H,m),2.90(6H,s),3.18(1H,dd,J=7.7,10.7Hz),4.60−4.70(1H,m),5.25−5.40(2H,bs),6.68(2H,d,J=9.7Hz),6.71−6.88(4H,m),6.92−7.10(3H,m)7.04(2H,d,J=9.7Hz)
これを実施例16と同様に4M塩化水素/酢酸エチルで処理し、表記化合物を褐色固体として得た。収率90%。
ESI/Mass:448[M+H+]
NMR(CD3OD)δ:1.86−2.08(1H,m),2.10−2.27(1H,m),2.40−2.53(1H,m),2.60−2.74(1H,m),3.12(2H,t,J=9.0Hz),3.27(6H,s),3.50(2H,t,J=9.0Hz),3.64−3.84(2H,m),4.06−4.16(1H,m),5.00−5.08(1H,m),5.10−5.19(1H,m),6.73−7.07(4H,m),7.17−7.42(3H,m),7.47−7.67(4H,m)
〔実施例19〕
(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(S)−3−メタンスルフォニルオキシ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン
3−ピロリジノフェネチルメシラート(1.80g、4.00mmol)、(S)−3−ピロリジノール塩酸塩(0.50g,4.05mmol)、炭酸カリウム(1.70g,12.3mmol)をアセトニトリル(20ml)に加え、100℃で12時間攪拌した。アセトニトリルを減圧留去した後、水と酢酸エチルに分配した。酢酸エチル層から1M塩酸で目的物を抽出し、水層を中和してから再び酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥後、減圧下に溶媒を留去すると、(S)−3−ヒドロキシ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジンが淡黄色固体として定量的に得られた。これをジクロロメタン(10ml)に溶解し、0℃でトリエチルアミン(0.76ml、5.49mmol)とメタンスルホニルクロリド(0.39ml、5.03mmol)を加えて一晩攪拌した。反応溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルムとメタノール(95:5)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−3−メタンスルフォニルオキシ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジンが淡黄色油状物として得られた(1.30g、96%)。
ESI/Mass:339[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.99(4H,m),2.03−2.15(1H,m),2.25−2.38(1H,m),2.44−2.54(1H,m),2.70−2.80(4H,m),2.80−3.02(3H,m),3.02(3H,s),3.23−3.30(4H,m),5.23(1H,m),6.42(2H,m),6.50(1H,d,J=7.5Hz),7.14(1H,t,J=7.5Hz)
(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
アルゴン気流下、60%水素化ナトリウム(88mg、2.2mmol)をヘキサンで洗浄して、ジメチルスルホキシド(10ml)に懸濁し、室温で30分間撹拌した後、3−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(0.43g,2.0mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。50℃で更に30分間撹拌した後、この溶液に(S)−3−メタンスルフォニルオキシ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン(0.34g、1.0mmol)のジメチルスルホキシド(4ml)溶液を滴下して、70℃で2時間攪拌した。反応液を飽和食塩水と酢酸エチルに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサンと酢酸エチル(1:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色油状物として得られた(0.19g、42%)。
ESI/Mass:458[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.68−1.84(1H,m),1.90−1.99(4H,m),2.22−2.36(1H,m),2.40−2.48(1H,m),2.50−2.76(5H,m),2.76−2.86(1H,m),3.16−3.28(5H,m),4.64(1H,m),5.36(2H,m),6.37−6.49(3H,m),6.72−6.87(5H,m),6.95(1H,d,J=6.6Hz),7.12−7.28(1H,t,J=7.5Hz),7.28(1H,d,J=6.6Hz)
これを実施例16と同様に4M塩化水素/酢酸エチルで処理し、表記化合物を褐色固体として得た(69%)。
NMR(CD3OD)δ:1.90−2.08(1H,m),2.10−2.30(5H,m),2.35−2.55(1H,m),2.60−2.78(2H,m),3.12(2H,t,J=8.1Hz),3.30−3.48(1H,m),3.53(1H,t,J=8.1Hz),3.60−3.83(6H,m),4.95−5.15(2H,m),6.70−7.10(6H,m),7.25−7.53(5H,m)
〔実施例20〕
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジン−1−イルフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンと(R)−3−メチルスルホニル−1−(3−ピロリジン−1−イルフェネチル)ピロリジンを使用して、実施例19と同様の操作により(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジン−1−イルフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを淡黄色油状物として得た(0.20g、43%)。
ESI/Mass:474[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.63−1.80(1H,m),1.92−2.00(4H,m),2.22−2.36(1H,m),2.40−2.48(1H,m),2.52−2.75(5H,m),2.75−2.86(1H,m),3.15−3.30(5H,m),4.60−4.70(1H,m),5.38(2H,brs),6.37−6.49(3H,m),6.72−6.80(3H,m),6.95(1H,dd,J=1.8,7.8Hz),7.04−7.14(3H,m),7.24(1H,d,J=7.8Hz)
これを実施例16と同様に4M塩化水素/酢酸エチルで処理し、表記化合物を褐色固体として得た(93%)。
ESI/Mass:474[M+H+]
NMR(CD3OD)δ:1.90−2.10(1H,m),2.13−2.32(5H,m),2.37−2.55(1H,m),2.60−2.78(2H,m),3.10(2H,t,J=7.8Hz),3.30−3.45(1H,m),3.53(1H,t,J=7.8Hz),3.58−3.81(5H,m),4.00−4.12(1H,m),4.95−5.18(2H,m),6.70−7.10(4H,m),7.16−7.50(7H,m)
〔実施例21〕
(R)−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(R)−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
アセトニトリル(20ml)中に、(R)−5,11−ジヒドロ−5−(2−ピロリジルメチル)ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(240mg、0.85mmol、国際特許第9912925A1号記載の方法により調製)、3−ピロリジノフェネチルメシレート(253mg、0.94mmol)、炭酸ナトリウム(106mg、1.0mmol)、ヨウ化ナトリウム(10mg、0.07mmol)を加え、90℃で6.5時間加熱還流した後、減圧下に溶媒を留去し、残留物を酢酸エチルと飽和重曹水に分配した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、溶離液として最初にヘキサンと酢酸エチル(15:1)を用い、次いでヘキサンと酢酸エチル(2:1)に変えて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色油状物質として得られた(208mg、54%)。
ESI/Mass:454[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.65−1.88(4H,m),1.99−2.05(4H,m),2.23−2.32(1H,m),2.55−2.64(1H,m),2.71−2.84(3H,m),3.06−3.16(1H,m),3.19−3.24(1H,m),3.28−3.32(4H,m),3.37(1H,dd,J=11.0,14.3Hz),4.15(1H,dd,J=4.0,14.3Hz),5.22(1H,d,J=13.0Hz),5.34(1H,d,J=13.0Hz),6.44−6.55(3H,m),6.75−6.83(3H,m),7.00−7.20(4H,m),7.26−7.32(2H,m)
(R)−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(R)−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(208mg)のジクロロメタン(2ml)溶液に2M塩化水素/ジエチルエーテル2.0mlを加え、2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をヘキサン中で撹拌して固化させ、濾別することにより表記化合物を淡褐色固体として得た(220mg、91%)。
ESI/Mass:454[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.90−2.42(8H,m),2.98−3.30(3H,m),3.40−3.90(8H,m),4.18−4.35(1H,m),4.62−4.76(1H,m),5.14(1H,d,J=13.0Hz),5.30(1H,d,J=13.0Hz),6.78−6.94(3H,m),6.97−7.16(3H,m),7.20−7.40(4H,m),7.45(1H,s),7.59(1H,s)
〔実施例22〕
(R)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(S)−3−ヒドロキシ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン
アセトニトリル(200ml)に4−ピロリジノフェネチルメシレート(13.45g、50.0mmol)と(S)−3−ピロリジノール塩酸塩(5.56g、45.0mmol)、炭酸カリウム(18.63g、135mmol)を加え、90℃で3時間攪拌した。冷却後ろ過し、ろ液を減圧下で蒸発乾固去し、得られた残留物を水と酢酸エチルに分配した。酢酸エチル層から1M塩酸で目的物を抽出し、水層を中和してから再び酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥後、減圧下に溶媒を留去すると、(S)−3−ヒドロキシ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジンが淡黄色固体として得られた(6.30g、52%)。
NMR(CDCl3)δ:1.74−1.84(1H,m),1.96−2.04(4H,m),2.15−2.25(1H,m),2.34−2.43(1H,m),2.55−2.63(1H,m),2.65−2.80(5H,m),2.92−3.03(1H,m),3.23−3.28(4H,m),4.33−4.40(1H,m),6.51(2H,d,J=9.3Hz),7.06(2H,d,J=9.3Hz)
(S)−3−メタンスルフォニルオキシ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン
(S)−3−ヒドロキシ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン(6.30g、23.4mmol)をジクロロメタン100mlに溶解し、0℃でジイソプロピルエチルアミン(5.28ml、30.0mmol)とメタンスルフォニルクロリド(2.34ml、30.0mmol)を加えて4時間撹拌した。反応液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタンとメタノール(10:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(S)−3−メタンスルフォニルオキシ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジンが淡黄色油状物として得られた(7.50g、49%)。
ESI/Mass:339[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.96−2.00(4H,m),2.04−2.16(1H,m),2.27−2.38(1H,m),2.44−2.52(1H,m),2.65−2.74(4H,m),2.82−2.98(3H,m),3.02(3H,s),3.23−3.28(4H,m),5.19−5.27(1H,m),6.50(2H,d,J=9.3Hz),7.05(2H,d,J=9.3Hz)
(R)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
アルゴン気流下、60%水素化ナトリウム(132mg、3.3mmol)をヘキサンで洗浄した後、ジメチルスルホキシド(10ml)に懸濁し、室温で30分間撹拌した後、5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(600mg、3.0mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。50℃で30分間撹拌した後、この溶液に(S)−3−メタンスルフォニルオキシ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン(340mg、1.0mmol)のジメチルスルホキシド(5ml)溶液を滴下して、50℃で42時間攪拌した。反応液を飽和食塩水と酢酸エチルに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサンと酢酸エチル(3:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色油状物として得られた(142mg、32%)。
NMR(CDCl3)δ:1.72−1.84(1H,m),1.96−2.04(4H,m),2.22−2.41(2H,m),2.49−2.71(5H,m),2.80−2.89(1H,m),3.22−3.27(5H,m),4.67−4.74(1H,m),5.30−5.50(2H,b),6.48(2H,d,J=9.7Hz),6.72−6.82(3H,m),6.95−7.13(3H,m),7.02(2H,d,J=9.7Hz),7.26−7.33(2H,m)
これを実施例21と同様に2M塩化水素/ジエチルエーテルで処理し、表記化合物を褐色固体として得た(83%)。
ESI/Mass:440[M+H+]
NMR(CD3OD)δ:1.90−2.08(1H,m),2.10−2.30(5H,m),2.35−2.55(1H,m),2.60−2.78(2H,m),3.08(2H,t,J=10.0Hz),3.23−3.38(1H,m),3.47(1H,t,J=10.0Hz),3.60−3.83(5H,m),4.02−4.11(1H,m),4.99−5.08(1H,m),5.10−5.18(1H,m),6.72−7.04(4H,m),7.15−7.24(2H,m),7.36−7.44(6H,m)
〔実施例23〕
(R)−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(S)−3−ヒドロキシ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン
アセトニトリル(20ml)に実施例21で合成した3−ピロリジノフェネチルメシレート(1.80g、4.00mmol)と(S)−3−ピロリジノール塩酸塩(0.50g、4.05mmol)、炭酸カリウム(1.70g、12.3mmol)を加え、100℃で12時間攪拌した。アセトニトリルを減圧下で留去した後、水と酢酸エチルに分配した。酢酸エチル層から目的物を1M塩酸で抽出し、中和してから再び酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥後、減圧下に溶媒を留去すると、(S)−3−ヒドロキシ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジンが淡黄色固体として得られた(1.04g、100%)。
NMR(CDCl3)δ:1.68−1.80(1H,m),1.91−2.02(4H,m),2.13−2.25(1H,m),2.30−2.40(1H,m),2.55−2.63(1H,m),2.67−2.80(5H,m),2.89−2.98(1H,m),3.15−3.25(4H,m),4.28−4.39(1H,m),6.39−6.42(2H,m),6.50(1H,d,J=8.0Hz),7.13(1H,t,J=8.0Hz)
(S)−3−メタンスルフォニルオキシ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン
(S)−3−ヒドロキシ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン(1.04g,4.00mmol)をジクロロメタン(10ml)に溶解し、0℃でトリエチルアミン(0.76ml、5.49mmol)とメタンスルホニルクロライド(0.39ml、5.03mmol)を加えて一晩攪拌した。反応溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルムとメタノール(95:5)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(S)−3−メタンスルフォニルオキシ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジンが淡黄色油状物として得られた(1.30g、96%)。
ESI/Mass:339[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.96−2.02(4H,m),2.03−2.15(1H,m),2.25−2.38(1H,m),2.44−2.54(1H,m),2.70−2.80(4H,m),2.80−3.02(3H,m),3.02(3H,s),3.23−3.30(4H,m),5.20−5.28(1H,m),6.42(2H,m),6.50(1H,d,J=7.5Hz),7.14(1H,t,J=7.5Hz)
(R)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
アルゴン気流下、60%水素化ナトリウム(132mg、3.3mmol)をヘキサンで洗浄した後、ジメチルスルホキシド(10ml)に懸濁し、室温で30分間撹拌した後、5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(600mg、3.0mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。50℃で30分間撹拌した後、この溶液に(S)−3−メタンスルフォニルオキシ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン(340mg、1.0mmol)のジメチルスルホキシド(5ml)溶液を滴下して、50℃で42時間攪拌した。反応液を飽和食塩水と酢酸エチルに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサンと酢酸エチル(3:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色油状物として得られた(225mg、51%)。
ESI/Mass:440[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.74−1.84(1H,m),1.95−2.00(4H,m),2.23−2.34(1H,m),2.34−2.43(1H,m),2.49−2.57(1H,m),2.61−2.76(5H,m),2.81−2.88(1H,m),3.23−3.29(4H,m),4.67−4.76(1H,m),5.30−5.50(2H,bs),6.34−6.48(3H,m),6.71−6.85(3H,m),6.94−6.97(1H,m),7.04−7.16(3H,m),7.25−7.32(2H,m)
これを実施例21と同様に2M塩化水素/ジエチルエーテルで処理し、表記化合物を褐色固体として得た(78%)。
ESI/Mass:440[M+H+]
NMR(CD3OD)δ:1.90−2.08(1H,m),2.10−2.30(5H,m),2.35−2.55(1H,m),2.60−2.78(1H,m),3.10(2H,t,J=10.0Hz),3.25−3.40(1H,m),3.25(2H,t,J=10.0Hz),3.60−3.80(5H,m),4.03−4.12(1H,m),4.99−5.09(1H,m),5.11−5.19(1H,m),6.70−7.04(5H,m),7.14−7.47(7H,m)
〔実施例24〕
5,11−ジヒドロ−5−〔2−〔N−メチル−N−(3−ピロリジノフェネチル)アミノ〕エチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
アセトニトリル(20ml)中に、5,11−ジヒドロ−5−〔2−(N−メチルアミノ)エチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(254mg、1.00mmol、国際特許第0040570A1号記載の方法により調製)、3−ピロリジノフェネチルメシレート(296mg、1.10mmol)、炭酸ナトリウム(138mg、1.30mmol)、ヨウ化ナトリウム(20mg、0.13mmol)を加え、90℃で6.5時間加熱還流した後、減圧下に溶媒を留去し、残留物を酢酸エチルと飽和重曹水に分配した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、溶離液として最初にヘキサンと酢酸エチル(10:1)を用い、次いでヘキサンと酢酸エチル(3:1)に変えて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、5,11−ジヒドロ−5−〔2−〔N−メチル−N−(3−ピロリジノフェネチル)アミノ〕エチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色油状物質として得られた(331mg、78%)。
ESI/Mass:428[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.96−2.00(4H,m),2.32(3H,s),2.61(4H,s),2.66(2H,t,J=8.0Hz),3.23−3.27(4H,m),3.90(2H,t,J=8.0Hz),5.29(2H,s),6.32−6.44(3H,m),6.77−6.84(3H,m),7.00−7.14(4H,m),7.25−7.32(2H,m)
これを実施例21と同様に2M塩化水素/ジエチルエーテルで処理し、表記化合物を褐色固体として得た(81%)。
ESI/Mass:428[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:2.28−2.40(4H,m),2.85(3H,d,J=4.3Hz),3.10−3.48(6H,m),3.55−3.74(4H,m),4.23−4.35(1H,m),4.40−4.52(1H,m),5.23(1H,d,J=14.3Hz),5.25(1H,d,J=14.3Hz),6.82−6.93(3H,m),7.06−7.11(2H,m),7.18(1H,d,J=8.7Hz),7.24−7.44(4H,m),7.53(1H,d,J=8.7Hz),7.78(1H,m)
〔実施例25〕
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩(=実施例8の化合物)
N−〔(4−ジメチルアミノフェニル)アセチル〕−D−プロリンメチルエステル
(4−ジメチルアミノフェニル)酢酸(7.4g、41.3mmol)、D−プロリンメチルエステル塩酸塩(7.19g、43.4mmol)の塩化メチレン(150ml)溶液に、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(6.1g、45.4mmol)、およびN−ジメチルアミノプロピル−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(8.7g、45.4mmol)を加えた。この混合物を室温にて6時間攪拌したのち、トリエチルアミン(6.3ml、45.4mmol)を加えた。これを室温にて一晩攪拌し、反応液を水(200ml)、5%重曹水(200ml)、水(200ml)にて逐次洗浄した。溶媒を減圧下に留去して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、塩化メチレンとメタノール(10:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去し、標題化合物を褐色油状物として取得した(11.0g、83%)。
ESI/Mass:291[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.82−2.26(4H,m),2.82−2.98(6H,m),3.40−3.76(2H,m),3.60(3H,s),3.73(2H,s),4.41−4.52(1H,m),6.64−6.74(2H,m),7.07−7.19(2H,m)
N−〔(4−ジメチルアミノフェニル)アセチル〕−D−プロリン
N−〔(4−ジメチルアミノフェニル)アセチル〕−D−プロリンメチルエステル(1.0g、3.4mmol)をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解させ、水(10ml)および1M水酸化ナトリウム水溶液(3.7ml、3.7mmol)を加えた。室温にて一晩攪拌したのち、飽和塩化アンモニウム水溶液(15ml)を加え、1M塩酸にてpHを4付近に調整した。この混合物を減圧下に溶媒を留去した後、アセトンを加えて混合した。濾過を行なって濾液を取得し、減圧下にて溶媒を留去し、乾燥することで標題化合物を黄色固体として取得した(0.91g、96%)。
ESI/Mass:277[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.80−2.28(3H,m),2.45−2.58(1H,m),2.95(6H,s),3.42−3.70(2H,m),3.65(2H,s),4.60−4.68(1H,m),6.72−6.83(2H,m),7.08−7.19(2H,m)
(R)−1−〔(4−ジメチルアミノフェニル)アセチル〕ピロリジン−2−カルボン酸〔2−(2−ブロモ−4−クロロベンジルオキシ)フェニル〕アミド
N−〔(4−ジメチルアミノフェニル)アセチル〕−D−プロリン(8.56g、31.0mmol)にトルエン(111ml)、N−メチルモルホリン(3.85ml、35.0mmol)を加えた。氷浴下でここにクロロギ酸エチル(3.26ml、34.1mmol)を加え、2時間攪拌した。ここに、2−(2−ブロモ−4−クロロベンジルオキシ)アニリン塩酸塩(10.8g、31.0mmol)、およびN−メチルモルホリン(4.09ml、37.2mmol)を加え、室温にて一晩攪拌した。反応液に水(40ml)を加え、有機層を水(40ml)にて洗浄したのち、硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、塩化メチレンとメタノール(30:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去し、標題化合物を黄色固体として取得した(16.3g、92%)。
ESI/Mass:572[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.80−1.94(1.2H,m),1.96−2.06(0.8H,m),2.08−2.36(1.2H,m),2.51−2.59(0.8H,m),2.79 and 2.92(total 6.0H,each s),3.45−3.75(4H,m),4.53−4.59(0.2H,m),4.81−4.87(0.8H,m),4.94−5.13(0.3H,m),5.13(1.7H,s),6.47−6.69(2.0H,m),6.84−7.14(5.1H,m),7.19−7.26(0.9H,m),7.51−7.68(1.9H,m),8.26(0.1H,br s),8.35−8.42(1.0H,m),9.53(1H,br s)
(R)−{〔2−(3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン−5−カルボニル)ピロリジン〕−1−イル}−2−(4−ジメチルアミノフェニル)エタノン
(R)−1−〔(4−ジメチルアミノフェニル)アセチル〕ピロリジン−2−カルボン酸〔2−(2−ブロモ−4−クロロベンジルオキシ)フェニル〕アミド(1.73g、3.03mmol)に炭酸カリウム(1.27g、9.19mmol)、臭化銅(I)(24.1mg、0.168mmol)、4−ピコリン(8.65ml)を加えた。これを145℃にて20時間加熱した後に、濾過して濾液を取得し、減圧下にて溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、塩化メチレンとメタノール(20:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去し、標題化合物を褐色固体として取得した(0.97g、66%)。
ESI/Mass:490[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.52−2.34(4H,m),2.92 and 2.96(total 6.0H,each s),3.44−3.77(4.1H,m),4.34−4.41(0.2H,m),4.65−4.72(0.4H,m),4.77−4.91(1.1H,m),5.08−5.15(0.2H,m),5.50−5.67(0.3H,m),6.34−6.41(0.7H,m),6.65−7.03(4.0H,m),7.06−7.50(6.5H,m),7.59(0.2H,br s),7.91−7.96(0.2H,m),8.11(0.1H,br s)
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
(R)−{〔2−(3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン−5−カルボニル)ピロリジン〕−1−イル}−2−(4−ジメチルアミノフェニル)エタノン(0.97g、1.98mmol)をテトラヒドロフラン(19.4ml)に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム(0.39g、10.4mmol)を加えた後、氷浴下にて三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体(1.69ml、13.9mmol)を加えた。反応液を37℃に42時間加熱したのち、水素化ホウ素ナトリウム(0.056g、1.5mmol)と三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体(0.24ml、1.99mmol)を加えた。反応液を37℃に24時間加熱したのち、氷浴下にて1.5M水酸化ナトリウム水溶液(16ml、24mmol)を加えた。反応液を60℃に12時間加熱したのち、トルエン(20ml)と水(10ml)に分配させた。有機層を取得し、減圧下にテトラヒドロフランを留去し、水(10ml)にて洗浄した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、塩化メチレンとメタノール(10:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去し、標題化合物を褐色固体として取得した(0.67g、74%)。
ESI/Mass:462[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.59−1.90(4H,m),2.22−2.31(1H,m),2.50−2.59(1H,m),2.66−2.84(3H,m),2.93(6H,s),2.97−3.06(1H,m),3.16−3.24(1H,m),3.34(1H,dd,J=13.0,9.4Hz),4.07(1H,dd,J=13.0,3.7Hz),5.22(2H,s),6.70−6.75(2H,m),6.75−6.86(3H,m),6.97−7.02(2H,m),7.08−7.14(3H,m),7.17(1H,d,J=7.9Hz)
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(10.6g、22.9mmol)を2−プロパノール(100ml)に溶解させ、4M塩化水素/2−プロパノール(22.9ml)を加えた。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物に4M塩化水素/2−プロパノール(11.5ml)を加えた。減圧下に溶媒を留去し、標題化合物を薄黄色固体として取得した(12.9g、100%)。
ESI/Mass:462[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:2.00−2.21(2H,m),2.21−2.34(2H,m),2.86−2.98(1H,m),3.03−3.15(1H,m),3.19(6H,s),3.15−3.30(1H,m),3.47−3.70(3H,m),3.90−4.00(1H,m),4.24(1H,dd,J=14.0,7.2Hz),4.65(1H,dd,J=14.0,6.0Hz),5.12(1H,d,J=12.7Hz),5.40(1H,d,12.7Hz),6.87(1H,dd,J=7.8,1.9Hz),6.89−7.00(2H,m),7.03−7.09(2H,m),7.14(1H,d,J=1.9Hz),7.18(1H,d,J=8.0Hz),7.45(2H,d,J=8.4Hz),7.79(2H,d,J=8.6Hz)
〔実施例26〕
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩(=実施例9の化合物)
(4−ピロリジノフェニル)酢酸
酢酸パラジウム(22.3mg、0.10mmol)、(2−ビフェニル)−ジ−tert−ブチルホスフィン(59.8mg、0.20mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド(2.40g、25.0mmol)にトルエン(10ml)を加え、(4−ブロモフェニル)酢酸(2.15g、10.0mmol)およびピロリジン(1.10ml、13.2mmol)を加えた。この混合物を70℃にて46時間加熱したのち、水(20ml)を加えた。水層のpHを2以下にしたのちにトルエンにて洗浄し、水層のpHを4〜5に調整した。氷浴にてしばらく攪拌したのちに濾過し、標題化合物を淡黄色固体として取得した(1.1g、54%)。
ESI/Mass:206[M+H+]
NMR(DMSO−d6)δ:1.90−1.95(4H,m),3.15−3.20(4H,m),3.38(2H,s),6.47(2H,d,J=8.4Hz),7.03(2H,d,J=8.4Hz)
N−〔(4−ピロリジノフェニル)アセチル〕−D−プロリンメチルエステル
(4−ピロリジノフェニル)酢酸(2.05g、10.0mmol)、D−プロリンメチルエステル塩酸塩(1.66g、10.0mmol)に塩化メチレン(20ml)を加え、トリエチルアミン(1.55ml、11.1mmol)、およびN−ジメチルアミノプロピル−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(2.11g、11.0mmol)を加えた。この混合物を室温にて4時間攪拌したのち、反応液を水(10ml)、水(5ml)、5%クエン酸水溶液(5ml)、5%重曹水(5ml)にて逐次洗浄した。硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を減圧下に留去し、標題化合物を淡赤色固体として取得した(3.06g、96%)。
NMR(CDCl3)δ:1.85−2.15(8H,m),3.23−3.28(4H,m),3.31−3.68(4H,m),3.68−3.75(3H,m),4.40−4.53(1H,m),6.45−6.54(2H,m),7.05−7.14(2H,m)
N−〔(4−ピロリジノフェニル)アセチル〕−D−プロリン
N−〔(4−ピロリジノフェニル)アセチル〕−D−プロリンメチルエステル(30.1g、94.2mmol)をテトラヒドロフラン(150ml)に溶解させ、水(134ml)および6M水酸化ナトリウム水溶液(16.5ml、99.2mmol)を加えた。室温にて4時間攪拌したのち、6M塩酸(16.6ml、99.7mmol)を加えた。この混合物のうち、テトラヒドロフランを減圧下に留去した後、冷蔵庫にて一晩静置した。これを濾過し、減圧下に乾燥することで標題化合物を淡紫色固体として取得した(23.4g、82%)。
ESI/Mass:303[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.85−2.05(7H,m),2.45−2.55(1H,m),3.23−3.29(4H,m),3.45−3.70(4H,m),4.60−4.64(1H,m),6.48−6.55(2H,m),7.07−7.11(2H,m)
(R)−1−〔(4−ピロリジノフェニル)アセチル〕ピロリジン−2−カルボン酸〔2−(2−ブロモ−5−フルオロベンジルオキシ)フェニル〕アミド
N−〔(4−ピロリジノフェニル)アセチル〕−D−プロリン(2.90g、9.59mmol)にトルエン(37.8ml)、N−メチルモルホリン(1.10g、10.8mmol)を加えた。氷浴下でクロロギ酸エチル(1.14g、10.5mmol)を加え、2時間攪拌した。ここに、2−(2−ブロモ−5−フルオロベンジルオキシ)アニリン塩酸塩(3.19g、9.59mmol)、およびN−メチルモルホリン(1.16g、11.5mmol)を加え、16時間かけて室温に昇温した。ここに水(30ml)、クエン酸(1.61g)、トルエン(10ml)を加えて分配させ、有機層を水(10ml)、水(10ml)、6.7%重曹水(10ml)、6.7%重曹水(10ml)、水(10ml)、水(10ml)にて逐次洗浄した。硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下に溶媒を留去して、標題化合物を薄黄色固体として取得した(5.13g、93%)。
ESI/Mass:580[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.77−2.20(7H,m),2.48−2.57(1H,m),3.14−3.25(4H,m),3.42−3.67(4H,m),4.80−4.88(1H,m),5.11(2H,s),6.29−6.46(2H,m),6.80−7.10(6H,m),7.43−7.61(2H,m),8.26−8.39(1H,m),9.57(1H,s)
(R)−{〔2−(2−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン−5−カルボニル)ピロリジン〕−1−イル}−2−(4−ピロリジノフェニル)エタノン
(R)−1−〔(4−ピロリジノフェニル)アセチル〕ピロリジン−2−カルボン酸〔2−(2−ブロモ−5−フルオロベンジルオキシ)フェニル〕アミド(5.0g、8.61mmol)に炭酸カリウム(3.58g、25.9mmol)、臭化銅(I)(63.5mg、0.443mmol)、4−ピコリン(25ml)を加えた。これを145℃にて21時間加熱した後に、濾過を行なって濾液を取得し、減圧下に溶媒を留去した。この混合物をトルエンと9.5%クエン酸水溶液に分配させ、有機層を9.5%クエン酸水溶液にて2回洗浄した。硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、塩化メチレンとメタノール(97:3)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去し、標題化合物を紫色固体として取得した(4.16g、97%)。
ESI/Mass:500[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.60−2.40(8H,m),3.14−3.35(4H,m),3.39−3.75(4H,m),4.29−5.68(3H,m),6.32−6.60(3H,m),6.77−8.11(8H,m)
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
(R)−{〔2−(2−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン−5−カルボニル)ピロリジン〕−1−イル}−2−(4−ピロリジノフェニル)エタノン(3.79g、7.59mmol)をテトラヒドロフラン(48ml)に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム(1.52g、40.2mmol)を加えた後、氷浴下にて三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体(7.38g、49.5mmol)を加えた。反応液を37℃に66時間加熱したのち、氷浴下にて1.5M水酸化ナトリウム水溶液(48ml、75mmol)を加えた。反応液を60℃に13時間加熱したのち、トルエン(30ml)を加えた。有機層を取得し、減圧下に溶媒を留去して21.0gとし、トルエン(12ml)を加えた。これを水(10ml)にて2回洗浄し、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、塩化メチレンとメタノール(97:3)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去し、標題化合物を紫色固体として取得した(2.95g、82%)。
ESI/Mass:472[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.59−1.90(4H,m),1.90−2.10(4H,m),2.18−2.30(1H,m),2.42−2.58(1H,m),2.62−2.83(3H,m),2.92−3.08(1H,m),3.12−3.38(6H,m),4.08(1H,dd,J=12.8,3.0Hz),5.16(1H,d,J=11.8Hz),5.30(1H,d,J=11.8Hz),6.54(2H,d,J=8.5Hz),6.72−6.86(3H,m),6.93−7.12(6H,m)
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(12.04g、25.5mmol)を2−プロパノール(250ml)に溶解させ、4M塩化水素/2−プロパノール(17.0ml)を加えた後、室温にて0.5時間攪拌した。減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物に、2−プロパノール(約50mL)を加え、減圧下に溶媒を留去することを4回繰り返し、標題化合物を薄赤色固体として取得した(14.89g、100%)。
ESI/Mass:472[M+H+]
NMR(DMSO−d6)δ:1.76−2.19(8H,m),2.89−3.25(4H,m),3.33−3.54(5H,m),3.54−3.67(2H,m),4.10(1H,dd,J=13.6,7.5Hz),4.39(1H,dd,J=13.6,6.5Hz),5.18(1H,d,J=12.0Hz),5.44(1H,d,J=12.1Hz),6.72−6.78(1H,m),6.83−6.90(2H,m),6.96−7.27(6H,m),7.31−7.38(2H,m)
〔実施例27〕
(R)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(=実施例22の化合物)
(R)−N−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕−2−(2−ブロモベンジルオキシ)アニリン
アルゴン気流下、2−(2−ブロモベンジルオキシ)アニリン(1.15g、4.13mmol)に(S)−3−メタンスルフォニルオキシ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン(0.30g、0.89mmol)を加え、アセトニトリル(50ml)に溶解させた。ここに炭酸カリウム(1.62g、11.7mmol)を加え、85時間還流させた。その後アセトニトリル(15ml)を加え、さらに48時間還流させた。反応液をセライトにて濾過して濾液を取得し、減圧下に溶媒を留去して、標題化合物を褐色油状の混合物として取得した(1.40g)。
ESI/Mass:520[M+H+]
(R)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
アルゴン気流下、(R)−N−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕−2−(2−ブロモベンジルオキシ)アニリン(1.40g、混合物として)に炭酸カリウム(1.71g、12.4mmol)、臭化銅(I)(53mg、0.37mmol)およびトルエン(30ml)を加えた。反応液を加熱下に53時間還流させ、臭化銅(I)(60mg、0.42mmol)を加えた。反応液を加熱下にさらに50時間還流させ、さらにトルエン(10ml)、炭酸カリウム(1.04g、7.52mmol)および臭化銅(I)(42mg、0.29mmol)を加えた。さらに反応液を加熱下に48時間還流させた後、セライトにて濾過し、濾液に水を加えた。有機層を取得し、硫酸ナトリウムにて乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物(1.12g)のうち187mgを高速液体クロマトグラフィーに付し、アセトニトリルと水(20:80から70:30までのグラジエント)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、塩化メチレンと飽和重曹水に分配させた。有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥させたのち、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物を薄層シリカゲルクロマトグラフィーに付し、ヘキサンと酢酸エチル(1:5)を用いて展開した。適当な部位のシリカゲルを集め、塩化メチレンとメタノール(3:1)の混合溶媒にて溶出した。溶出液を集め、減圧下に溶媒を留去し、標題化合物を白色固体として取得した(25.5mg、2工程収率39%)。
ESI/Mass:440[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.72−1.84(1H,m),1.92−2.05(4H,m),2.24−2.49(2H,m),2.49−2.77(5H,m),2.82−2.94(1H,m),3.18−3.36(5H,m),4.68−4.79(1H,m),5.19−5.62(2H,m),6.48(2H,d,J=8.4Hz),6.70−6.85(3H,m),6.95(1H,dd,J=7.8,1.6Hz),7.02(2H,d,J=8.6Hz),7.03−7.14(2H,m),7.25−7.35(2H,m)
〔実施例28〕
実施例1と同様の方法により、3−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの代わりに表1に示した化合物[V]を、(R)−3−クロロ−1−(4−メトキシフェネチル)ピペリジンの代わりに表1に示した化合物[VI]を用いることにより、表1に示した化合物[II]を調製することが出来る。
〔実施例29〕
実施例16と同様の方法により、2−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの代わりに表2に示した化合物[V]を、(S)−1−(4−ジメチルアミノフェネチル)−3−メタンスルフォニルオキシピロリジンの代わりに表2に示した化合物[XI]を用いることにより、表2に示した化合物[III]を調製することが出来る。
〔実施例30〕
実施例24と同様の方法により、2−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの代わりに表3に示した化合物[V]を、3−ピロリジノフェネチルメシレートの代わりに表3に示した化合物[X]を用いることにより、表3に示した化合物[IV]を調製することが出来る。
<製剤例>
以下に製剤例を記載する。
〔製剤例1〕
下記混合物を常法に従って混合し、打錠することにより、1錠当り主薬50mgを含有する錠剤を得た。
実施例8の化合物 50mg
乳糖 200mg
結晶セルロース 40mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
〔製剤例2〕
下記混合物を常法に従って造粒し、顆粒剤とした。
実施例8の化合物 50mg
乳糖 90mg
トウモロコシ澱粉 60mg
タルク 30mg
ステアリン酸マグネシウム 10mg
<試験例>
次に本発明化合物の薬理試験について記載する。
〔試験例1〕In vitroカルシウムチャネル拮抗作用(血管)
Crj:CD雄性ラット(8週齢〜12週齢)の胸部大動脈を摘出し、らせん標本を作製した。この血管標本を混合ガス(酸素95%、二酸化炭素5%)を通気した37℃のタイロード液中に懸垂した。血管の張力変化は、トランスデューサーを介し、ペン書きレコーダー上に等尺性を記録した。高カリウム収縮は、栄養液をタイロード液からカリウム−タイロード液(94.6mMのNaCl、45.0mMのKCl、1.8mMのCaCl2、1.04mMのMgCl2、0.4mMのNaH2PO4、11.9mMのNaHCO3、5.55mMのグルコース)に置換することにより惹起させた。被験化合物の高カリウム収縮抑制作用は、30分前処置により評価した。カルシウムチャネル拮抗活性は収縮の50%抑制を示す被験化合物濃度(IC50値)として表4に示した。
〔試験例2〕In vitroカルシウムチャネル拮抗作用(回腸)
Crj:CD雄性ラット(8週齢〜12週齢)の回腸を回盲部より3cmの部分から摘出した。この回腸標本を混合ガス(酸素95%、二酸化炭素5%)を通気した37℃のタイロード液中に懸垂した。回腸の張力変化は、トランスデューサーを介し、ペン書きレコーダー上に等張性を記録した。高カリウム収縮は、栄養液をタイロード液からカリウム−タイロード液(95.6mMのNaCl、45.0mMのKCl、1.8mMのCaCl2、1.04mMのMgCl2、0.4mMのNaH2PO4、11.9mMのNaHCO3、5.55mMのグルコース)に置換することにより惹起させた。被験化合物の高カリウム収縮抑制作用は、30分前処置により評価した。カルシウムチャネル拮抗活性は収縮の50%抑制を示す被験化合物濃度(IC50値)として表1に示した。又、血管に対するIC50値と回腸に対するIC50値の比を選択性として表4に併せて示した。
表4に示した結果から明らかであるように、本発明化合物は、極めて強いカルシウムチャネル拮抗効果を有し、特に腸管選択性が高いカルシウムチャネル拮抗薬であることが確認された。国際特許第9912925A1号、国際特許第0040570A1号には同じ方法による種々の5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体のカルシウム拮抗作用が記載されているが、本発明化合物は腸管に対する拮抗作用ないし腸管選択性において、これらの化合物を上回ることが示された。
〔試験例3〕In vivoマウス 5−ハイドロキシトリプトファン(5−HTP)誘発排便モデルに対する作用
G.J.Sangerらの方法(British Journal of Pharmacology,130:706−712,2000)に準じて行なった。
SLC:ICR雄性マウス6週齢を、マウス用ステンレス製五連ケージに移し、1時間以上馴化させた後、被験化合物を経口投与した(n=10)。その30分後に5−HTPを10mg/5mL/kg(5−HTPを使用しない群は生理食塩液を5mL/kg)を皮下投与した。その直後から30分間に排出する糞の状態(0:正常便および糞なし、1:下痢あるいは軟便としてスコア化)を各個体ごとに観察した。媒体(5−HTP有)群から媒体(5−HTP無)群を差し引いたスコア値を100%とし、50%抑制を示す被験化合物用量(ID50値)として算出した。
実施例8のID50値は8.3mg/kgであった。
〔試験例4〕In vivoラット結腸拡張腹痛モデルにおける腹痛閾値上昇作用
斉藤ら(Anesth.Analg.1998;87:382−387)の方法に準じた。
Crj:CD雄性ラット(250−350g)を用い、被験化合物を経口投与した(n=8)。結腸拡張用バルーン(長さ:7cm)は、血圧測定用のトランスデューサーに接続した。一日絶食したラットを軽度エーテル麻酔下に、肛門から非侵襲的にバルーンの末端から1cmの位置まで挿入した。結腸拡張用バルーンの内圧が100mmHg(cut off値)に達するまで、水を0.9ml/minの速度で結腸拡張用バルーンに注入した。結腸を拡張している際、目視による腹筋収縮が認められた時点の結腸拡張用バルーン内圧をそれぞれ腹痛閾値とした。結腸拡張の間隔は5分以上の時間をおいた。
鎮痛効果は、以下の式より求めた。鎮痛効果(%)=(薬物処置後の腹痛閾値−薬物未処置時の腹痛閾値)/(100−薬物未処置時の腹痛閾値)X100。鎮痛効果は、50%抑制を示す被験化合物用量(ID50)として算出した。
実施例8のID50値は2.6mg/kgであり、実施例12のID50値は1.9mg/kgであった。
また、正常血圧ラットにおいて、本発明の被験化合物を経口投与しても、血圧、心拍数共に影響が少ないことが確認された。
以上の試験例から明らかなように、本発明化合物は、機能性消化管疾患、特に過敏性腸症候群のような腸疾患の治療剤・予防薬として優れた効果を発揮し得る。
本発明は、カルシウムチャネル拮抗作用を有し、機能性消化管疾患、特に過敏性腸症候群のような腸疾患の治療又は予防処置に有用な5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物及びこれを有効成分とする医薬組成物に関する。
加えて、本発明は、新規な5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体を供給するための重要な中間体に関する。
例えば、ヨーロッパ特許第0404359A1号には、5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕チアゼピン誘導体が胃腸管に対して選択性を有するカルシウムチャネル拮抗薬として有用であると開示されている。又、クインら(Quinn,P.ら)、Brit.J.Pharmacol.,1994,112(Suppl.),Abst.573P及びワリスら(Wallis,R.M.ら)、Brit.J.Pharmacol.,1994,112(Suppl.),Abst.574Pには、上記誘導体の一種である(S)−5−〔〔1−(4−メトキシフェニル)エチル〕ピロリジン−2−イルメチル〕−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕チアゼピン マレイン酸塩が同様の効果を有することを開示している。しかしながら、これらの化合物は胃腸管に対する活性、選択性が十分とは言えず、かつ、口渇、散瞳等の副作用の一因となる抗コリン作用を有することが欠点の一つであった。また、国際特許第9733885A1号及び第9912925A1号には消化管運動不全の改善薬として5−(2−ピロジニルメチル)−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体が開示されている。更に国際特許第0040570A1号には消化管運動不全の改善薬として5−アルキル−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体が開示されている。しかるに、これらの化合物は胃腸管に対する活性、選択性がいまだ十分とは言えず、薬剤として供されるに至っていない。
近年、社会環境の複雑化に伴い、多くの人が過度のストレスにさらされるようになり、便通異常や腹痛などを主症状とする過敏性腸症候群の患者が増加している。このような疾患の改善には、抗コリン薬、緩下薬、止瀉薬、整腸薬、粘膜麻痺薬、消化管運動機能調節薬、自律神経調節薬、漢方薬、抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬、抗精神病薬、セロトニン拮抗薬、セロトニン作動薬等が用いられている。しかしながら、これら薬剤は、臨床効果が不十分であり、また副作用の面から必ずしも満足できるものとは言い難い。従って、副作用を有さない優れた機能性消化管疾患改善作用を示す新しいタイプの薬剤開発が望まれている。
発明の開示
本発明は、優れた機能性消化管疾患改善作用を示す新規化合物を提供することを目的とする。
本発明は、又、該新規化合物を含有する医薬組成物を提供することを目的とする。
本発明は、又、該新規化合物を製造するための中間体を提供することを目的とする。
カルシウムチャネル拮抗薬は、平滑筋収縮抑制作用を有することから腸管の異常な収縮亢進に起因する疾患、例えば過敏性腸症候群のような腸疾患に有効であると考えられ、実際ニカルジピンやベラパミル等のカルシウムチャネル拮抗薬が過敏性腸症候群に有効であると報告されている[Am.J.Gastroenterol.,80,317(1985),Gut,28,1609(1987),J.Clin.Psychiatry,48,388(1987),Pharmacol.Ther.,60,121(1993)]。しかしながら、カルシウムチャネル拮抗薬の主作用である心臓血管系への作用によりほとんど臨床に応用されていないのが現状である。このようなことから、機能性消化管疾患、特に過敏性腸症候群のような腸疾患の治療剤として、低毒性、即ち心臓血管系へ影響を及ぼさない腸管選択的なカルシウムチャネル拮抗薬の開発を目指し、鋭意研究を行った。その結果、5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの1,2,3,4,6,7,8,9位のいずれか少なくとも一箇所にハロゲン基を導入すること及び/又は末端の芳香環上に特定の構造の環状アミノ基を導入することにより、腸管に対するカルシウム拮抗作用が向上し、血管に対するカルシウム拮抗作用との選択性も向上する事を見いだした。
すなわち下記一般式〔I〕で表される化合物が、腸管選択性なカルシウムチャネル拮抗活性を示し機能性消化管疾患改善薬として有効であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明の化合物は、消化管運動機能疾患を含む機能性消化管疾患、例えば、過敏性腸症候群、反芻症候群、球症候群、機能性胸焼症、食道起因姓胸痛症、機能性胃腸障害、機能性嚥下困難症、機能性嘔吐、嚥下症、呑気症、機能性便秘、機能性腹部膨満、機能性腹痛症候群、機能性下痢、オッジ括約筋機能異常、胆嚢機能異常症、肛門挙筋症候群、機能性便失禁、骨盤底強調運動障害、消散性肛門痛、小児消化管機能障害(小児逆流症、小児反芻症候群、周期性嘔吐症候群、機能性胃腸障害、過敏性腸症候群、機能性腹痛、発作性腹痛、空気嚥下症、機能性下痢、小児排便困難症、機能性便秘、機能性便貯留、機能性非貯留型便失禁等)等の治療薬として有用であり、特に過敏性腸症候群の治療に有用である。
さらに、本発明の化合物は、機能性消化管疾患の類似の病態を伴う疾患(不安性障害(パニック障害および全般性不安障害)、身体表現性障害、解離性障害、気分障害などの神経症、過食症、神経性拒食症、睡眠障害、糖尿病性胃腸症等)、および、腹部外科手術後の消化器症状にも有用である。
本化合物はこうした疾患の治療において、単独で用いる事もできるが、抗コリン薬、緩下薬、止瀉薬、整腸薬、粘膜麻痺薬、消化管運動機能調節薬、自律神経調節薬、漢方薬、抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬、抗精神病薬、セロトニン拮抗薬、セロトニン作動薬等の薬剤と併せて用いることもできる。又、本発明の化合物は薬理作用として優れるのみならず、代謝的に安定であることも期待される。
即ち、本発明は、下記一般式〔I〕で表される5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩、それらの水和物又は溶媒和物及びこれを有効成分とする医薬組成物に関する。
〔式中、環G、J、Kはそれぞれベンゼン環または含窒素芳香環を表す。R1〜R8は同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子又は水素原子を表し、R9〜R13は同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アミノ基又は低級アルキルアミノ基及びそれらの低級アシル体、低級ジアルキルアミノ基、環状アルキルアミノ基を表すか、又はR9とR10、若しくはR10とR11は一緒になって−O(CH2)nO−基(nは1、2又は3)を表す。AはCH2、CHOH、CO、又はOのいずれか、BはCH2、CHOH又はCOのいずれか、又はA−BがCH=CHを表し、DはCH2、CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2のいずれか、或いはB−DがCH2を表す。XとZはお互いに結合してCH2−CH2又はCH2−CH2−CH2のいずれかを表し、そのときにYは水素原子を表す。或いは、YとZはお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2のいずれかを表し、そのときにXは水素原子を表す。XとZ、及びYとZがいずれもお互いに結合しないときXとYは水素原子を表し、Zは低級アルキル基を表す。
但し、R9〜R13のいずれかが式[E]で表される環状アミノ基である場合、R1〜R8はハロゲン原子又は水素原子のいずれでもよいが、R9〜R13のいずれもが式[E]で表される環状アミノ基でない場合には、R1〜R8のいずれか1つないし2つがハロゲン原子であり他は水素原子を表すものとする。
式中、n、mは1又は2を表し、Wは炭素原子、低級アルキル基で置換されていてもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。]
又、この5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体のうち一般式〔I〕にて、Xが水素原子を表し、YとZがお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2のいずれかを表すか、又はXとYが水素原子を表し、Zは低級アルキル基を表す化合物を一般式〔XXVI〕にて表記すると、この化合物〔XXVI〕については、対応する一般式〔XVI〕で表されるアミド誘導体若しくはその塩を分子内アリール化して一般式〔XV〕で表される5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体若しくはその塩を得、さらにこれを還元することにより製造できることを本発明者らは見出した。即ち本発明は、一般式〔I〕で表される化合物のうち、一般式〔XXVI〕にて表記される化合物を製造するための重要中間体である一般式〔XV〕及び一般式〔XVI〕で表される化合物、その立体異性体及びその塩にも関する。
〔式中、環G、J、Kはそれぞれベンゼン環または含窒素芳香環を表す。R1〜R8は同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子又は水素原子を表し、R9〜R13は同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アミノ基又は低級アルキルアミノ基及びそれらの低級アシル体、低級ジアルキルアミノ基、環状アルキルアミノ基を表すか、又はR9とR10、若しくはR10とR11は一緒になって−O(CH2)nO−基(nは1、2又は3)を表す。L1はCH2、CHOH、Oのいずれか、L2はCH2、CHOH、CH2−CH2、CHOH−CH2、CH2−CH2−CH2、CHOH−CH2−CH2のいずれか、又はL1とL2でCH2、CHOH、CH=CHを表す。YとZはお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2を表すか、又はYとZはお互いに結合しないときYは水素原子を表し、Zは低級アルキル基を表す。
但し、R9〜R13のいずれかが式〔E〕で表される環状アミノ基である場合、R1〜R8はハロゲン原子又は水素原子のいずれでもよいが、R9〜R13のいずれもが式〔E〕で表される環状アミノ基でない場合には、R1〜R8のいずれか1つないし2つがハロゲン原子であり他は水素原子を表すものとする。
〔式中、n、mは1又は2を表し、Wは炭素原子、低級アルキル基で置換されていてもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。〕
発明を実施するための最良の形態
上記一般式〔I〕における環G,J,Kの含窒素芳香環としては6員環化合物が望ましく、例えばピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環があげられる。但し、環G,Jにおいて、オキサゼピン環上に芳香環窒素原子が存在する事はなく、また、R1〜R8のいずれかがハロゲン原子である場合、そのハロゲン原子は芳香環窒素原子には結合しない。また環Kにおいて芳香環窒素原子は、Aとは結合せず、窒素原子上に置換基を持たない。
上記一般式〔I〕における環G,J,Kについては、(i)環G、Jがいずれもベンゼン環である場合、(ii)環G、Jのいずれか一方がピリジン環であり、他方がベンゼン環である場合、(iii)環Kがベンゼン環である上記(i)又は(ii)の場合、(iv)環Kがピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環のいずれかである上記(i)又は(ii)の場合、又は(v)環G、J及びKがいずれもベンゼン環である場合が好ましい。一般式[XV]及び[XVI]においても同様である。
上記一般式におけるR1〜R8のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等をあげることが出来るが、好ましくはフッ素原子又は塩素原子である。R1〜R8のうち、R2、R3、R6、R7のいずれか1つがフッ素原子又は塩素原子であり、他が水素原子であることがより好ましい。R9〜R13のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子等、臭素原子等、低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜5の低級アルキル基、低級アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜5の低級アルコキシ基、低級アルキルアミノ基としては、モノメチルアミノ基、モノエチルアミノ基、モノプロピルアミノ基等の炭素数1〜5の低級アルキルアミノ基が挙げられる。アミノ基及びこれらの低級アルキルアミノ基の低級アシル体としてはホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ホルミルメチルアミノ基、ホルミルエチルアミノ基、ホルミルプロピルアミノ基、アセチルメチルアミノ基、アセチルエチルアミノ基、アセチルプロピルアミノ基、プロピオニルメチルアミノ基、プロピオニルエチルアミノ基、プロピオニルプロピルアミノ基等、炭素数1〜3の脂肪酸アシル体が挙げられる。ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基等の炭素数の合計が2〜7の低級アルキルアミノ基、環状アルキルアミノ基としてはアゼチジノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ホモピペリジノ基、ピペラジノ基、モルフォリノ基等の4から7員環アミノ基、−O(CH2)nO−基としては、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基を挙げることができる。これらのうち、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、低級アルキル基としては、炭素数1〜3の低級アルキル基が好ましい。低級アルコキシ基としては、炭素数1〜3の低級アルコキシ基が好ましい。又、モノアルキルアミノ基としては炭素数1〜3の低級アルキルアミノ基が好ましく、ジアルキルアミノ基としては、アルキル基の炭素数の合計が2〜6のものが好ましい。環状アルキルアミノ基としては環の員数が4から6のものが好ましい。アミノ基又はこれらの低級アルキルアミノ基の低級アシル体のアシル基としてはホルミル基ないしアセチル基が好ましい。ここでR9〜R13が同時に水素原子とならないのが好ましい。
上記一般式[I]においては、以下のものが好ましく、一般式[XV]及び[XVI]においても同様である。
(i)XとZがお互いに結合してCH2−CH2又はCH2−CH2−CH2を表し、Yが水素原子、
(ii)YとZがお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2を表し、Xが水素原子、
(iii)XとYが水素原子であり、Zが低級アルキル基、
(iv)R10、R11のうちいずれか一つ、或いは双方がメトキシ基であるか、或いはR10とR11が一緒になってメチレンジオキシ基を表し、R9及びR12、R13が水素原子、
(v)R11がメトキシ基であり、R9、R10及びR12、R13が水素原子、
(vi)R10、R11のいずれか1つがアミノ基又は低級アルキルアミノ基及びそれらの低級アシル体、低級ジアルキルアミノ基、或いは環状アルキルアミノ基であり、他が水素原子,
(vii)R1〜R8のいずれもが水素原子、
(viii)R1〜R8のいずれか1つがフッ素原子又は塩素原子であり、他が水素原子、
(ix)R2、R3、R6、R7のいずれか1つがフッ素原子又は塩素原子であり、他が水素原子、
(x)A、B−Dの双方がCH2、
(xi)Xの結合した炭素原子の絶対配置がR体、
(xii)Xの結合した炭素原子の絶対配置がS体、
(xiii)Yの結合した炭素原子の絶対配置がR体、
(xiv)Yの結合した炭素原子の絶対配置がS体。
式[E]で表される環状アミノ基としては、アゼチジノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基等の窒素原子を1つ含む環状アミノ基、ピペラジノ基、モルフォリノ基など更に窒素原子や酸素原子などのヘテロ原子を含む環状アミノ基をあげることが出来るが、好ましくはピロリジノ基及びモルフォリノ基である。R9〜R13のうち、R10、R11のいずれか1つが環状アミノ基であり、他が水素原子であることがより好ましい。
A−B−DはCH2−CH2、CO−CH2、CHOH−CH2、CHOH−CH2−CH2、CH2−CHOH−CH2、CH=CH−CH2、CO−CH2−CH2、O−CH2−CH2、CH2−CO−CH2、又はCH2−CH2−CH2のいずれかが好ましい。
本発明では、これらのうち、好ましい化合物は、例えば下記の式〔II〕で表される化合物である。但し、式中、芳香環G、J、K、R1〜R13、A、B、Dは式〔I〕と同じものを表し、rは1または2を表す。
〔II〕で表される化合物としては、例えば、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−アミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−アミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−メチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−フロロフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−フロロフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−アセチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−アセチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−アミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−アミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−メチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−フロロフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−フロロフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−アセチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−アセチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピペリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピペリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン及びそれらのハロゲン置換位置異性体、薬理学的に許容されるこれらの塩又は水和物、溶媒和物が挙げられる。
なお本発明化合物〔II〕は、1個又はそれ以上の不斉炭素原子を有しており、光学異性体が存在し得る。これらの光学異性体、それらの任意の混合物あるいはラセミ体は本発明の化合物に包含される。このうち、ジヒドロジベンゾオキサゼピン環にメチレンを介して結合したピロリジン環ないしピペリジン環の2位の立体配置がR体であることが好ましい。
また他に好ましい化合物は、例えば下記の式〔III〕で表される化合物である。
但し、式中、芳香環G、J、K、R1〜R13、A、B、Dは式〔I〕と同じものを表し、rは1または2を表す。式〔III〕で表される化合物としては、例えば、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−メトキシフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−アミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−アミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−メチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−フロロフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−フロロフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−アセチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−アセチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−メトキシフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−アミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−アミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−メチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−フロロフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−フロロフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−アセチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−アセチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピペリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピペリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−モルフォリノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン及びそれらのハロゲン置換位置異性体、薬理学的に許容されるこれらの塩又は水和物、溶媒和物が挙げられる。
なお本発明化合物〔III〕は、1個又はそれ以上の不斉炭素原子を有しており、光学異性体が存在し得る。これらの光学異性体、それらの任意の混合物あるいはラセミ体は本発明の化合物に包含される。このうち、ジヒドロジベンゾオキサゼピン環に結合したピロリジン環ないしピペリジン環の2位の立体配置がR体であることが好ましい。
また他に好ましい化合物は、例えば下記の式〔IV〕で表される化合物である。但し、式中、芳香環G、J、K、R1〜R13、A、B、Dは式〔I〕と同じものを表し、R14は炭素数1〜3の低級アルキル基を表す。
式〔IV〕で表される化合物としては、例えば、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−メトキシフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−メトキシフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−アミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−アミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−メチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−メチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−ジメチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−ジメチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−ピロリジノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−ピロリジノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−モルフォリノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−モルフォリノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−フロロフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−フロロフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−アセチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−アセチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−メトキシフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−メトキシフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−アミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−アミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−メチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−メチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−ジメチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−ジメチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−ピロリジノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−ピロリジノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−モルフォリノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−モルフォリノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−フロロフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−フロロフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(4−アセチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−(3−アセチルアミノフェネチル)−N−メチル]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−メチル−N−(4−ピロリジノフェネチル)]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−メチル−N−(3−ピロリジノフェネチル)]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−メチル−N−(4−ピペリジノフェネチル)]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−メチル−N−(3−ピペリジノフェネチル)]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−メチル−N−(4−モルフォリノフェネチル)]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、5,11−ジヒドロ−5−{2−[N−メチル−N−(3−モルフォリノフェネチル)]アミノエチル}ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン及びそれらのハロゲン置換位置異性体、薬理学的に許容されるこれらの塩又は水和物、溶媒和物が挙げられる。
本発明では、(i)R9〜R13のいずれか1つが式[E]で表される環状アミノ基であり、他が水素原子であり、R1〜R8のいずれもが水素原子である式[I]の誘導体、(ii)R9〜R13のいずれか1つが式[E]で表される環状アミノ基であり、他が水素原子であり、R1〜R8の1つ又は2つがフッ素原子又は塩素原子であり、他が水素原子である式[I]の誘導体、(iii)R9〜R13のいずれもが式[E]で表される環状アミノ基以外の基を表し、R1〜R8の1つ又は2つがフッ素原子又は塩素原子であり、他が水素原子である式[I]の誘導体が好ましい。
上記一般式〔XV〕及び〔XVI〕においては、(i)R1〜R8は同一でも異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子又は水素原子を表し、L1−L2がCH2又はCH2−CH2を表し、YとZはお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2を表すか、及び/又は(ii)R9〜R13は同一でも異なっていてもよく、水素原子、アミノ基又は低級アルキルアミノ基及びそれらの低級アシル体、低級ジアルキルアミノ基、環状アルキルアミノ基を表すのが好ましい。
具体的には、(R)−{〔2−(3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン−5−カルボニル)ピロリジン〕−1−イル}−2−(4−ジメチルアミノフェニル)エタノン、(R)−1−〔(4−ジメチルアミノフェニル)アセチル〕ピロリジン−2−カルボン酸〔2−(2−ブロモ−4−クロロベンジルオキシ)フェニル〕アミド、(R)−{(2−(2−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン−5−カルボニル)ピロリジン]−1−イル}−2−(4−ピロリジノフェニル)エタノン、(R)−1−〔(4−ピロリジノフェニル)アセチル〕ピロリジン−2−カルボン酸〔2−(2−ブロモ−5−フルオロベンジルオキシ)フェニル〕アミド、これらの立体異性体及び塩が好ましい。
本発明化合物〔I〕の薬理学的に許容される塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、リン酸塩等の鉱酸塩(無機塩)や酢酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、アスパラギン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩を挙げることができる。
本発明化合物〔I〕のうち式〔II〕で表される化合物は、例えば、例えば、国際特許第9733885A1号に開示されている方法に従い、下記の方法(反応式1)によって製造できる。
〔式中、芳香環G、J、K、R1〜R13、A、B、Dは式〔I〕と同じであり、rは1または2を表し、Wは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子を表す。〕
化合物〔V〕を、溶媒中塩基の存在下、上記一般式〔VI]で表される化合物と反応させることにより、本発明化合物〔II〕を製造することができる。上記反応における反応溶媒としては、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、アセトニトリル、トルエン、キシレン、ベンゼン等が好適に使用できる。前記塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、リチウムジイソプロピルアミド、n−ブチルリチウム、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシドなどを挙げることができる。反応温度は、通常0℃〜150℃、好適には室温〜100℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度あるいは溶媒の種類によって異なるが、通常1〜50時間である。化合物〔VI〕及び塩基の使用量は、化合物〔V〕の使用量に対して、それぞれ0.5〜5モル当量、好ましくは0.8〜2モル当量である。
なお、前記反応の原料に用いた化合物〔V〕は、公知の方法[J.Med.Chem.,7,609(1964)]により製造できる。
また、上記一般式〔VI〕で表されるハロゲン化物は、ヨーロッパ特許第0404359A1号に開示されている方法に準じて、プロリン、ホモプロリンを原料として、これらを還元して得られるアルコールをN−アルキル化し、次いで水酸基をメタンスルホニルクロリド、トシルクロリド等を用いてハロゲン化する事により、環拡大を伴って製造することが出来る。
又、本発明化合物〔II〕は、国際特許第9912925A1号に開示されている方法に従い、下記の方法(反応式2)によっても製造できる。
〔式中、芳香環G、J、K、R1〜R13、A、B、Dは前記と同じであり、rは1または2を表し、V及びV’は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トシルオキシ基、メシルオキシ基などの脱離基を表し、Uはt−ブチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、トシル基などアミノ基の保護基を表す。〕
化合物〔V〕を、塩基存在下、上記一般式〔VII〕で表されるN−t−ブトキシカルボニル−2−ピペリジルメチルトシレート等を滴下して反応させ、一般式〔VIII〕の化合物を調製し、ついで脱保護して一般式〔IX〕の化合物を得、これに一般式〔X〕の化合物を塩基存在下で反応させることにより、本発明化合物〔II〕を製造することができる。〔V〕から〔VIII〕及び、〔IX〕から〔II〕への反応溶媒、塩基としては、上記反応式1におけるのと同じものを使用することができる。
本発明化合物〔I〕のうち式〔III〕で表される化合物は、例えば、国際特許第0040570A1号に開示されている方法に従い、下記の方法(反応式3)によって製造できる。
〔式中、芳香環K、R9〜R13、A、B、D、V及びrは反応式2と同じものを表す。〕
化合物〔V〕を、溶媒中塩基の存在下、上記一般式〔XI〕で表される化合物と反応させることにより、本発明化合物〔III〕を製造することができる。上記反応における反応溶媒としては、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、アセトニトリル、トルエン、キシレン、ベンゼン等が好適に使用できる。前記塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム、リチウムジイソプロピルアミド、n−ブチルリチウム、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシドなどを挙げることができる。反応温度は、通常0℃〜150℃、好適には室温〜100℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度あるいは溶媒の種類によって異なるが、通常1〜50時間である。化合物〔XI〕及び塩基の使用量は、化合物〔V〕の使用量に対して、それぞれ0.5〜10モル当量、好ましくは0.8〜5モル当量である。
尚、上記一般式〔XI〕で表される化合物は、3−ヒドロキシピロリジン、3−ヒドロキシピペリジンをN−アルキル化した後に、オキシ塩化リン、塩化チオニル、トシルクロリド、メタンスルフォニルクロリド等を作用させることにより得ることができる。
本発明化合物〔I〕のうち式〔IV〕で表される化合物は、例えば、例えば、国際特許第0040570A1号に開示されている方法に従い、下記の方法(反応式4)によって製造できる。
〔式中、芳香環G、J、K、R1〜R13、A、B、D及びVは前記と同じであり、R14は低級アルキル基を表す。〕
すなわち、化合物〔V〕を上記一般式〔XII〕で表される化合物に導き、一般式〔XIII〕の化合物と塩基存在下、反応させる。ここで本反応における反応溶媒としては、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、アセトニトリル、トルエン、キシレン、ベンゼン等が好適に使用できる。前記塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、リチウムジイソプロピルアミド、n−ブチルリチウム、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシドなどを挙げることができる。反応温度は、通常0℃〜150℃、好適には室温〜100℃の範囲で行われる。反応時間は、反応温度あるいは溶媒の種類によって異なるが、通常1〜50時間である。塩基の使用量は、化合物〔XII〕に対して、等モル以上、好ましくは1〜5倍モルであり、化合物〔XII〕と〔XIII〕の量比は0.5〜2倍モル、好ましくは0.7倍から1.5倍である。
或いは、化合物〔V〕を上記一般式〔XIV〕で表される化合物に導き、ついで化合物〔X〕と塩基存在下、縮合させて本発明化合物〔IV〕を製造することができる。縮合反応における反応溶媒、塩基としては上記反応と同一の物を用いることができ、反応温度、反応時間に関しても同様である。塩基の使用量は、化合物〔XIV〕に対して、等モル以上、好ましくは1〜5倍モルであり、化合物〔XIV〕と〔X〕の量比は0.5〜2倍モル、好ましくは0.7倍から1.5倍である。
化合物〔XII〕は化合物〔V〕をα−ハロ酢酸エステルでアルキル化した後に還元してアルコールとし、更にその水酸基を脱離基に変換するか、或いは水酸基を保護した2−ハロエタノールによって化合物〔V〕をアルキル化し、脱保護後にその水酸基を脱離基に変換する等、既知の方法を組み合わせることにより容易の製造できる。また、化合物〔XIII〕は国際特許第0040570A1号に開示されているように、対応するハロゲン化物による1級アミンのアルキル化反応、対応するアルデヒドによる1級アミンの還元アルキル化反応、対応するカルボン酸によりアミンをアシル化した後に還元する等、種々の公知の方法により容易に製造できる。
化合物〔XIV〕は国際特許第0040570A1号に開示されているように、化合物〔V〕をハロ酢酸エステルでアルキル化した後に、アミド化して還元する等、種々の公知の方法により容易に製造できる。
又、上に示した以外に、本発明化合物〔I〕のうち式〔II〕または式〔IV〕で表される化合物は、国際特許第0117980A1号に記載の方法と類似の方法により、下記式〔XVI〕および式〔XV〕で表される化合物を経由して製造できる。即ち式〔II〕で表される化合物を式〔II−1〕、式〔IV〕で表される化合物を式〔IV−1〕で表記すると、これらは反応式5に従い、式〔XVI〕で表される化合物を分子内アリール化して式〔XV〕で表される化合物へと導き、続いてこれを還元することで、それぞれに対応する中間体から得られる。
〔式中、芳香環G、J、K、R1〜R14、L1、L2は式〔XV〕と同じであり、rは1または2を表し、YとZはお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2を表すか、又はYとZはお互いに結合しないときYは水素原子を表し、Zは低級アルキル基を表す。〕
ここで本還元反応における反応溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類があげられる。又、溶媒には、ベンゼン、トルエン、キシレン等が0〜50%含まれていてもよい。還元試剤としては、例えば、ジボラン、ボランアンモニア錯体、ボラン−tert−ブチルアミン錯体、ボラン−N,N−ジエチルアニリン錯体、ボラン−N,N−ジイソプロピルエチルアミン錯体、ボランジメチルアミン錯体、ボラン−4−(ジメチルアミノ)ピリジン錯体、ボランジフェニルホスフィン錯体、ボラン−4−エチルモルホリン錯体、ボラン−2,6−ルチジン錯体、ボラン−4−メチルモルホリン錯体、ボランジメチルスルフィド錯体、ボランモルホリン錯体、ボラン−1,4−オキサチアン錯体、ボラン−4−フェニルモルホリン錯体、ボランピリジン錯体、ボランテトラヒドロフラン錯体、ボラントリブチルホスフィン錯体、ボラントリエチルアミン錯体、ボラントリメチルアミン錯体、ボラントリフェニルホスフィン錯体等のボラン化合物、水素化アルミニウムリチウムや、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等の金属水素化物ないしこれらのアルキル、アルコキシないしアシル置換体が挙げられる。若しくはこれらの金属水素化物に酸などを加えることにより反応容器内に還元試剤を調製してもよい。ここで用いられる酸類としては、例えば、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などのブレンステッド酸、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三塩化アルミニウムなどのルイス酸およびその錯体などがあげられる。これらの還元試剤のうち、例えば、ジボラン、ボランテトラヒドロフラン錯体などを使用する方法、若しくは水素化ホウ素ナトリウムにメタンスルホン酸、三フッ化ホウ素およびその錯体などを加えることにより反応容器内に還元試剤を調製する方法が好適に使用できる。反応温度は、溶媒の沸点にもよるが、通常5℃〜100℃、好適には30℃〜60℃の範囲で行なわれる。反応時間は、還元試剤の種類、反応温度あるいは溶媒の種類によって異なるが、通常4〜70時間である。還元試剤の使用量は、還元試剤の種類によっても異なるが、発生しうるヒドリドの量が4倍モル以上、好ましくは7倍モル以上である。反応で得られた化合物〔II−1〕ないし化合物〔IV−1〕は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーないし晶析などにより精製することができる。又、化合物〔II−1〕ないし化合物〔IV−1〕は、適当な酸との塩の形態で晶析を行ない、取得してもよい。ここで適当な酸との塩とは、例えば、塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の鉱酸塩(無機塩)や酢酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、アスパラギン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩を挙げることができる。
前記還元反応の原料に用いた化合物〔XV〕は、化合物〔XVI〕を塩基存在下、金属触媒により分子内アリール化することにより製造できる。ここで本反応における反応溶媒としては、例えば、ベンゼン及びその置換体、ピリジン及びその置換体、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類などがあげられる。これらの反応溶媒のうち、例えば、トルエン、ピリジン、ピコリン、N−メチルピロリドンなどが好適に使用できる。前記塩基としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムなどの炭酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシドなどの金属アルコキシド類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンなどのアミン類があげられる。これらの塩基のうち、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどが好適に使用できる。前記金属触媒としては、例えば、銅、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)などの銅触媒、パラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどのパラジウム触媒ないしその錯体、ないし白金および塩化白金などの白金触媒及びその錯体などがあげられる。これらの金属触媒のうち、例えば、銅、臭化銅(I)などが好適に使用できる。これらの金属触媒は又、反応容器内に調製してもよい。反応温度は、溶媒の沸点にもよるが、通常室温〜200℃、好適には100℃〜150℃の範囲で行なわれる。反応時間は、前記塩基や金属触媒の種類、反応温度あるいは溶媒の種類によって異なるが、通常8〜200時間である。前記塩基の使用量は、その種類によっても異なるが、通常1倍モル〜10倍モル、好ましくは1倍モル〜4倍モルである。前記金属触媒の使用量は、その種類によっても異なるが、通常0.001倍モル〜1倍モル、好ましくは0.005倍モル〜0.2倍モルである。反応で得られた化合物〔XV〕は、反応液から抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィーないし晶析などにより精製し、次の反応に用いることができるが、そのまま次の反応に用いることもできる。ここで本化合物〔XV〕は、又、適当な酸との塩の形態で取得してもよい。ここで適当な酸との塩とは、例えば、塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の鉱酸塩(無機塩)や酢酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、アスパラギン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩を挙げることができる。
前記分子内アリール化反応の原料に用いた化合物〔XVI〕は、下記の方法(反応式6)によって製造できる。
〔式中、芳香環G、J、K、R1〜R13、L1、L2は式〔XVI〕と同じであり、YとZはお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2を表すか、又はYとZはお互いに結合しないときYは水素原子を表し、Zは低級アルキル基を表す。〕
すなわち化合物〔XVI〕は、化合物〔XVII〕と化合物〔XVIII〕を縮合することによって製造できる。ここで縮合反応とは、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドないしN−ジメチルアミノプロピル−N’−エチルカルボジイミドおよびその塩などを用いるアミド化反応、化合物〔XVIII〕を酸無水物としたのちに縮合させる酸無水物法、および化合物〔XVIII〕の酸塩化物ないし酸臭化物を経由する方法などの既知の方法から選択できる。反応で得られた化合物〔XVI〕は、反応液から抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィーないし晶析などにより精製し、次の反応に用いることができるが、そのまま次の反応に用いることもできる。ここで本化合物〔XVI〕は、又、適当な酸との塩の形態で取得してもよい。ここで適当な酸との塩とは、例えば、塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の鉱酸塩(無機塩)や酢酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、アスパラギン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩を挙げることができる。
前記反応式6の原料に用いた化合物〔XVII〕は、公知の方法[J.Med.Chem.,7,609(1964)]により製造できる。
化合物〔XVIII〕は下記の方法(反応式7)によって製造できる。
〔式中、芳香環K、R9〜R13、L1、L2は前記と同じであり、YとZはお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2を表すか、又はYとZはお互いに結合しないときYは水素原子を表し、Zは低級アルキル基を表す。〕
すなわち化合物〔XVIII〕は、化合物〔XIX〕と化合物〔XX〕を縮合することによって製造できる。ここで縮合反応とは、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドないしN−ジメチルアミノプロピル−N’−エチルカルボジイミドおよびその塩などを用いるアミド化反応、化合物〔XIX〕を酸無水物としたのちに縮合させる酸無水物法、および化合物〔XIX〕の酸塩化物ないし酸臭化物を経由する方法などの既知の方法から選択できる。反応で得られた化合物〔XVIII〕は、反応液を抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィーないし晶析などにより精製し、次の反応に用いることができるが、そのまま次の反応に用いることもできる。化合物〔XVIII〕は、又、化合物〔XX〕のカルボン酸部分を適当な保護基で保護し、化合物〔XIX〕との上記同様の縮合反応の後に脱保護を行なうことによって製造してもよい。ここで適当な保護基とは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、ないしその置換体とのエステル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル等とのシリルエステルなどが挙げられる。
又、本発明化合物〔I〕のうち式〔III〕で表される化合物は、下記の方法(反応式8)によっても製造できる。
〔式中、芳香環G、J、K、R1〜R13、A、B、D、V及びrは前記と同じである。〕
すなわち化合物〔III〕は、化合物〔XXI〕を塩基存在下、金属触媒により分子内アリール化することによっても製造できる。ここで本反応における反応溶媒としては、例えば、ベンゼン及びその置換体、ピリジン及びその置換体、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類などがあげられる。前記塩基としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムなどの炭酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシドなどの金属アルコキシド類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンなどのアミン類があげられる。前記金属触媒としては、例えば、銅、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)などの銅触媒、パラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどのパラジウム触媒ないしその錯体、ないし白金および塩化白金などの白金触媒及びその錯体などがあげられる。これらの金属触媒は又、反応容器内に調製してもよい。反応温度は、溶媒の沸点にもよるが、通常室温〜200℃、好適には80℃〜160℃の範囲で行なわれる。反応時間は、前記塩基や金属触媒の種類、反応温度あるいは溶媒の種類によって異なるが、通常5〜150時間である。前記塩基の使用量は、その種類によっても異なるが、通常1倍モル〜20倍モル、好ましくは1.5倍モル〜8倍モルである。前記金属触媒の使用量は、その種類によっても異なるが、通常0.001倍モル〜1倍モル、好ましくは0.005倍モル〜0.3倍モルである。反応で得られた化合物〔III〕は、反応液から抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーないし晶析などにより精製することができる。又、本発明化合物〔III〕は、適当な酸との塩の形態で晶析を行ない、取得してもよい。ここで適当な酸との塩とは、例えば、塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の鉱酸塩(無機塩)や酢酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、アスパラギン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩を挙げることができる。
前記分子内アリール化反応の原料に用いた化合物〔XXI〕は、化合物〔XVII〕のアミノ基を、化合物〔XI〕によりアルキル化することによって製造できる。ここでアルキル化反応とは、例えば、塩基存在下でのアルキル化反応が挙げられる。すなわち化合物〔XVII〕と化合物〔XI〕を、塩基存在下、適当な溶媒中にて反応させることにより製造できる。前記塩基としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムなどの炭酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシドなどの金属アルコキシド類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンなどのアミン類があげられる。反応で得られた化合物〔XXI〕は、反応液から抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどにより精製し、次の反応に用いることができるが、そのまま次の反応に用いることもできる。
本発明化合物を医薬製剤又は医薬組成物として用いる場合、医薬上許容され得る賦形剤、担体、希釈剤等の製剤補助剤を適宜混合し、常法により錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、粉末剤、丸剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、軟膏剤、坐剤又は注射剤等の形態で、経口又は非経口で投与することができる。本発明では、活性成分としての本発明の化合物と、医薬上許容され得る担体及び/又は希釈剤とを含有する医薬製剤又は医薬組成物が好ましい。ここで、担体及び希釈剤としては、グルコース、スクロース、ラクトース、タルク、シリカ、セルロース、メチルセルロース、スターチ、ゼラチン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、エタノール、水や油脂などがあげられる。
また、本発明化合物の投与量及び投与回数は、病気の種類、患者の年齢、体重等に応じて適宜選択することができる。例えば、本発明化合物を過敏性腸症候群のような腸疾患の治療剤として経口投与する場合は、成人に対し1日約0.1〜1000mgを1回〜数回に分けて投与すればよい。
<実施例>
以下に、本発明を実施例、試験例及び製剤例により、具体的に説明するが、以下に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン塩酸塩
(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
アルゴン気流下、60%水素化ナトリウム(44mg、1.1mmol)をヘキサンで洗浄し、ジメチルスルホキシド(5ml)に懸濁して室温で30分間撹拌した後、3−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(0.22g,1.0mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。50℃で更に30分間撹拌した後、この溶液に(R)−3−クロロ−1−(4−メトキシフェネチル)ピペリジン(0.25g、1.0mmol、国際特許第9733885A1号記載の方法により調製)のジメチルスルホキシド(2ml)溶液を滴下して、50℃で6時間攪拌した。反応液を飽和食塩水と酢酸エチルに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサンと酢酸エチル(7:3)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)ピペリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色油状物として得られた(0.30g、70%)。
ESI/Mass:433[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.60−1.90(4H,m),2.27(1H,m),2.50−2.60(1H,m),2.70−2.82(3H,m),2.98−3.10(1H,m),3.18−3.24(1H,m),3.35(1H,dd,J=9.3,12.9Hz),3.82(3H,s),4.02(1H,dd,J=3.60,13.2Hz),5.20(1H,d,J=12.0Hz),5.27(1H,d,J=12.0Hz),6.70−6.95(6H,m),6.98−7.05(1H,m),7.15−7.30(4H,m)
(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)ピペリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン塩酸塩
(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)ピペリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(300mg,0.7mmol)のジクロロメタン(5ml)溶液に4M塩化水素/ジオキサン0.3mlを加え、30分撹拌した後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をヘキサン、酢酸エチルの混合溶媒を用いて固化させ、析出した固体を濾別することにより表記化合物を褐色固体として得た(257mg、79%)。
ESI/Mass:433[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.90−2.06(1H,m),2.06−2.30(3H,m),2.74−2.86(1H,m),2.90−3.20(2H,m),3.25−3.40(1H,m),3.42−3.68(2H,m),3.80(3H,s),3.85−4.00(1H,m),4.24(1H,dd,J=7.8,14.1Hz),4.62(1H,dd,J=5.7,14.1Hz),5.12(1H,d,J=12.3Hz),5.32(1H,d,J=12.3Hz),6.72−7.03(8H,m),7.12(2H,d,J=8.4Hz),7.18−7.25(1H,m)
〔実施例2〕
(R)−8−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン塩酸塩
3−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの代わりに8−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを用いて実施例1と同様の操作により、(R)−8−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを得た。淡黄色固体。収率19%。
ESI/Mass:433[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.58−1.88(4H,m),2.22−2.30(1H,m),2.48−2.58(1H,m),2.68−2.82(3H,m),2.99−3.08(1H,m),3.21−3.36,2H,m),3.81(3H,s),4.00−4.05(1H,m),5.20(1H,d,J=13.0Hz),5.34(1H,d,J=13.0Hz),6.47−6.50(2H,m),6.79−6.93(3H,m),7.02−7.18(4H,m),7.26−7.34(2H,m)
これを実施例1と同様に4M塩酸/ジオキサンで処理し、表記化合物を褐色固体として得た。収率81%。
ESI/Mass:433[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.90−2.32(4H,m),2.75−2.88(1H,m),2.94−3.23(2H,m),3.28−3.60(3H,m),3.81(3H,s),3.91−4.00(1H,m),4.14−4.30(1H,m),4.58−4.73(1H,m),5.17(1H,d,J=13.0Hz),5.34(1H,d,J=13.0Hz),6.50−6.60(2H,m),6.81−7.00(3H,m),7.08−7.39(6H,m)
〔実施例3〕
(R)−2−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン塩酸塩
3−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの代わりに2−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを用いて実施例1と同様の操作により、(R)−2−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを得た。淡黄色固体。収率44%。
ESI/Mass:449[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.60−1.87(4H,m),2.20−2.28(1H,m),2048−2.56(1H,m),2.67−2.82(3H,m),2.93−3.06(1H,m),3.16−3.23(1H,m),3.34(1H,dd,J=10.3,14.7Hz),3.81(3H,s),4.04(1H,dd,J=4.0,14.7Hz),5.15(1H,d,J=13.0Hz),5.25(1H,J=13.0Hz),6.75−6.89(5H,m),6.97−7.04(2H,m),7.10−7.16(2H,m),7.22−7.30(2H,m)
これを実施例1と同様に4M塩化水素/ジオキサンで処理し、表記化合物を褐色固体として得た。収率90%。
ESI/Mass:449[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.92−2.28(4H,m),2.72−2.88(1H,m),2.93−3.13(2H,m),3.26−3.38(1H,m),3.43−3.6.(2H,m),3.81(3H,s),3.83−3.98(1H,m),4.20−4.35(1H,m),4.61−4.74(1H,m),5.11(1H,d,J=14.0Hz),5.27(1H,d,J=14.0Hz),6.87−6.92(5H,m),7.01−7.16(3H,m),7.22−7.30(3H,m)
〔実施例4〕
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン塩酸塩
3−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの代わりに3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを用いて実施例1と同様の操作により、(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−メトキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを得た。淡黄色固体。収率55%。
ESI/Mass:449[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.60−1.90(4H,m),2.22−2.30(1H,m),2.52−2.62(1H,m),2.68−2.82(3H,m),2.97−3.07(1H,m),3.16−3.22(1H,m),3.35(1H,dd,J=10.3,14.7Hz),3.81(3H,s),4.03(1H,dd,J=4.0,14.7Hz),5.20(1H,d,J=13.7Hz),5.23(1H,d,J=13.7Hz),6.75−6.90(5H,m),6.96−7.02(2H,m),7.10−7.20(4H,m)
これを実施例1と同様に4M塩化水素/ジオキサンで処理し、表記化合物を褐色固体として得た。収率86%。
ESI/Mass:449[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.92−2.03(1H,m),2.10−2.30(3H,m),2.75−2.84(1H,m),2.96−3.12(2H,m),3.24−3.34(1H,m),3.44−3.60(2H,m),3.81(1H,s)3.87−3.981H,m),4.24(1H,dd,J=8.7,15.3Hz),4.62(1H,dd,J=6.3,15.3Hz),5.12(1H,d,J=14.0Hz),5.35(1H,d,J=14.0Hz),6.83−6.96(3H,m),6.84(2H,d,J=9.3Hz),7.01−7.19(4H,m),7.12(2H,d,J=9.3Hz)
〔実施例5〕
(R)−7−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン塩酸塩
(R)−3−クロロ−1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピペリジン
アセトニトリル(50ml)中に、(R)−2−ヒドロキシメチルピロリジン、(505mg、5.00mmol)、3,4−メチレンジオキシフェネチルメシレート(1.34g、5.50mmol)、炭酸ナトリウム(585mg,5.50mmol)、ヨウ化ナトリウム(50mg,0.33mmol)を加え、90℃で13.5時間加熱還流した後、減圧下に溶媒を留去し、残留物を酢酸エチルと飽和重曹水に分配した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残留物をジクロロメタン25mlに溶解し、氷冷下で撹拌しながら、ジイソプロピルエチルアミン712mg(5.5mmol)、およびメタンスルホニルクロリド630mg(5.5mmol)を加え、氷冷下で1時間、更に室温下で2時間撹拌した。反応液をジクロロメタンと飽和重曹水に分配した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、溶離液としてヘキサンと酢酸エチル(15:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−3−クロロ−1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピペリジンが淡黄色油状物質として得られた(1.02g、76%)。
NMR(CDCl3)δ:1.55−1.68(3H,m),1.75−1.87(1H,m),2.12−2.20(2H,m),2.55−2.64(2H,m),2.69−2.78(3H,m),3.08−3.18(1H,m),3.98−4.06(1H,m),5.93(2H,s),6.63−6.75(3H,m)
(R)−7−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
アルゴン気流下、60%水素化ナトリウム(48mg、1.2mmol)をヘキサンで洗浄した後、ジメチルスルホキシド(8ml)に懸濁し、室温で30分間撹拌した後、7−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(232mg,1mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。50℃で30分間撹拌した後、この溶液に(R)−3−クロロ−1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピペリジン(308mg、1.15mmol)のジメチルスルホキシド(3ml)溶液を滴下して、50℃で4時間攪拌した。反応液を飽和重曹水と酢酸エチルに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、溶離液としてヘキサンと酢酸エチル(10:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−7−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色固体として得られた(362mg、78%)。
ESI/Mass:463[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.60−1.84(4H,m),2.20−2.30(1H,m),2.49−2.59(1H,m),2.65−2.78(3H,m),2.95−3.05(1H,m),3.13−3.21(1H,m),3.34(1H,dd,J=10.3,13.0Hz),4.00(1H,dd,J=3.3,13.0Hz),5.15(1H,d,J=13.0Hz),5.23(1H,d,J=13.0Hz),5.95(2H,s),6.63−6.78(5H,m),6.96(1H,s),7.02−7.13(2H,m),7.26−7.37(2H,m)
(R)−7−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン塩酸塩
(R)−7−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3,4−メチレンジオキシフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(0.63g)のジクロロメタン(5ml)溶液に2M塩化水素/ジエチルエーテル3.0mlを加え、2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をヘキサン中で撹拌して表記化合物を淡褐色固体として得た(348mg、89%)。
ESI/Mass:463[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.92−2.33(4H,m),2.74−3.16(3H,m),3.24−3.37(1H,m),3.44−3.58(2H,m),3.88−3.98(1H,m),4.15−4.28(1H,m),4.60−4.72(1H,m),5.19(1H,d,J=14.0Hz),5.27(1H,d,J=14.0Hz),5.98(2H,s),6.64−6.77(5H,m),6.80−6.88(1H,m),6.98(1H,s),7.09−7.20(2H,m),7.28−7.38(2H,m)
〔実施例6〕
(R)−1−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(R)−2−ヒドロキシメチル−1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン
アセトニトリル(50ml)中に、D−プロリノール(2.02g、20.0mmol)、4−ジメチルアミノフェネチルメシレート、(5.35g、22.0mmol)、炭酸ナトリウム(2.65g、25.0mmol)、ヨウ化ナトリウム(300mg,2.0mmol)を加え、90℃で13.5時間加熱還流した後、室温まで冷却し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮乾固し、残留物を酢酸エチルと飽和重曹水に分配した。有機層に1M塩酸を加え、水層のpHを1に保ち、目的物を水層に抽出した。水層に4M水酸化ナトリウムを加え、水層のpHを14とし、生成する沈殿を酢酸エチルで抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去すると、(R)−2−ヒドロキシメチル−1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジンが淡黄色油状物質として得られた(4.91g、99%)。
NMR(CDCl3)δ:1.69−1.90(4H,m),2.29−2.38(1H,m),2.45−2.54(1H,m),2.56−2.64(1H,m),2.66−2.74(2H,m),2.88−2.94(1H,m),2.91(6H,ms),3.23−3.30(1H,m),3.31(1H,dd,J=2.7,12.0Hz),3.58(1H,dd,J=4.0,12.0Hz),6.70(2H,d,J=9.7Hz),7.07(2H,d,J=9.7Hz)
(R)−3−クロロ−1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピペリジン
(R)−2−ヒドロキシメチル−1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン(4.91g、19.8mmol)をジクロロメタン60mlに溶解し、氷冷下で撹拌しながら、ジイソプロピルエチルアミン3.11g(24.4mmol)、およびメタンスルホニルクロリド2.75g(24.0mmol)を加え、氷冷下で1時間、更に室温下で2時間撹拌した。反応液をジクロロメタンと飽和重曹水に分配し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、溶離液としてヘキサンと酢酸エチル(9:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−3−クロロ−1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピペリジンが淡黄色固体として得られた(3.03g、57%)。
NMR(CDCl3)δ:1.50−1.68(3H,m),1.76−1.88(1H,m),2.09−2.20(2H,m),2.55−2.62(2H,m),2.66−2.73(2H,m),2.75−2.84(1H,m),2.91(6H,s),3.08−3.17(1H,m),3.98−4.08(1H,m),6.69(2H,d,J=9.7Hz),7.06(2H,d,J=9.7Hz)
(R)−1−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
アルゴン気流下、60%水素化ナトリウム(35mg、0.88mmol)をヘキサンで洗浄した後、ジメチルスルホキシド(5ml)に懸濁し、室温で30分間撹拌した後、1−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(0.17g,0.80mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。50℃で30分間撹拌した後、この溶液に(R)−3−クロロ−1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピペリジン(0.18g、0.80mmol)のジメチルスルホキシド(2ml)溶液を滴下して、50℃で6時間攪拌した。反応液を飽和食塩水と酢酸エチルに分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサンと酢酸エチル(6:4)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−1−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピペリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色油状物として得られた(0.23g、64%)。
ESI/Mass:446[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.60−1.90(4H,m),2.20−2.30(1H,m),2.48−2.55(1H,m),2.70−2.80(3H,m),2.94(6H,s),2.98−3.08(1H,m),3.16−3.25(1H,m),3.38(1H,dd,J=9.3,13.0Hz),4.10(1H,dd,J=3.60,13.0Hz),5.35(1H,d,J=12.0Hz),5.42(1H,d,J=12.0Hz),6.70−6.78(3H,m),6.80−6.90(4H,m),7.00−7.15(3H,m),7.18−7.28(1H,m)
(R)−1−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(R)−1−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(228mg,0.5mmol)のジクロロメタン(5ml)溶液に4M塩化水素/ジオキサン0.5mlを加え、30分撹拌した後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をヘキサン、酢酸エチルの混合溶媒を用いて固化させ、析出した固体を濾別して表記化合物を褐色固体として得た(170mg、64%)。
ESI/Mass:446[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.92−2.30(3H,m),2.78−2.90(1H,m),2.91−3.16(3H,m),3.16(6H,s),3.38−3.50(2H,m),3.62−3.75(1H,m),3.82−3.95(1H,m),4.28(1H,dd,J=6.3,14.7Hz),4.77(1H,dd,J=6.0,14.7Hz),5.24(2H,s),6.76(1H,t,J=8.1Hz),6.90−7.12(5H,m),7.21−7.30(1H,m),7.37(2H,d,J=8.4Hz),7.71(2H,d,J=8.4Hz)
〔実施例7〕
(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
1−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの代わりに3−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを用いて実施例6と同様の操作により、(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色油状物として得られた(0.24g、53%)。
ESI/Mass:446[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.60−1.90(4H,m),2.22−2.32(1H,m),2.50−2.60(1H,m),2.70−2.82(3H,m),2.94(6H,s),2.98−3.08(1H,m),3.15−3.25(1H,m),3.34(1H,dd,J=9.3,13.0Hz),4.05(1H,dd,J=3.60,13.0Hz),5.20(1H,d,J=12.0Hz),5.26(1H,d,J=12.0Hz),6.68−6.90(7H,m),6.97−7.04(1H,m),7.08−7.15(2H,m),7.20−7.25(1H,m)
これを実施例6と同様に4M塩化水素/ジオキサンで処理し、表記化合物を淡褐色固体として得た(100%)。
ESI/Mass:446[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.95−2.30(3H,m),2.80−3.00(1H,m),3.00−3.25(9H,m),3.42−3.60(2H,m),3.60−3.75(1H,m),3.85−3.98(1H,m),4.19−4.28(1H,m),4.58−4.68(1H,m),5.11(1H,d,J=12.6Hz),5.35(1H,d,J=12.6Hz),6.76(1H,t,J=8.1Hz),6.80−7.08(5H,m),7.20(1H,dd,J=6.3,8.1Hz),7.43(2H,d,J=6.9Hz),7.75(2H,d,J=6.9Hz)
〔実施例8〕
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
1−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの代わりに3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを用いて実施例6と同様の操作により、(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンオキサゼピンを得た。
淡黄色油状物質。収率67%。
ESI/Mass:462[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.50−1.91(4H,m),2.23−2.32(1H,m),2.51−2.60(1H,m),2.65−2.83(3H,m),2.93(6H,s),2.97−3.07(1H,m),3.15−3.23(1H,m),3.34(1H,dd,J=10.3,14.3Hz),4.06(1H,dd,J=4.0,14.3Hz),5.22(2H,s),6.72(2H,d,J=10.0Hz),6.75−6.85(3H,m),6.98−7.01(2H,m),7.09−7.19(2H,m),7.11(2H,d,J=10.0Hz)
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンオキサゼピン(306mg,0.662mmol)を酢酸エチルとエタノール(2:1)の混合溶媒6.0mlに溶解し、2M塩化水素/エーテル(0.73ml,1.46mmol)を添加した後、酢酸エチル2.0mlを加えて室温で攪拌した。2日間、室温に静置した後、ろ過・乾燥して表記化合物を白色結晶として得た(96%)。
ESI/Mass:462[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:2.02−2.28(4H,m),2.80−2.90(1H,m),2.98−3.24(2H,m),3.17(6H,s),3.44−3.56(2H,m),3.59−3.69(1H,m),3.88−3.98(1H,m),4.23(1H,dd,J=7.7,15.7Hz),4.64(1H,dd,J=6.3,15.7Hz),5.11(1H,d,J=14.0Hz),5.33(1H,d,J=14.0Hz),6.85−6.97(3H,m),7.02−7.07(2H,m),7.12−7.18(2H,m),7.41(2H,d,J=9.3Hz),7.75(2H,d,J=9.3Hz)
〔実施例9〕
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
4−ピロリジノフェネチルアルコール
乾燥した酢酸パラジウム(270mg、1.20mmol)、2−(ジ−t−ブチルフォスフィノ)ビフェニル(720mg、2.40mmol)、t−ブトキシナトリウム(14.42g、150mmol)に2−(4−ブロモフェネトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(28.01g、98.39mmol)のトルエン(100ml)溶液とピロリジン(9.93ml、119mmol)を加え、70℃で12時間攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、生成物を有機層から1M塩酸で抽出した。水層を水酸化ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し、4−ピロリジノフェネチルアルコールを淡黄色固体として得た。(16.41g、87%)
NMR(CDCl3)δ:1.97−2.01(4H,m),2.77(2H,t,J=7.3Hz),3.24−3.29(4H,m),3.79(2H,q,J=6.7Hz),6.53(2H,d,J=9.3Hz),7.03(2H,d,J=9.35Hz)
4−ピロリジノフェネチルメシレート
4−ピロリジノフェネチルアルコール(16.41g、85.9mmol)をジクロロメタン(150ml)に溶解し、0℃でジイソプロピルエチルアミン(19.0ml、108mmol)とメタンスルフォニルクロリド(8.40ml、108mmol)を加えて一晩攪拌した。反応溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサンと酢酸エチル(7:3)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、4−ピロリジノフェネチルメシレートが白色固体として得られた(21.14g、80%)。
ESI/Mass:270[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.98−2.01(4H,m),2.84(3H,s),2.95(2H,t,J=8.0Hz),3.24−3.28(4H,m),4.46(2H,t,J=8.0Hz),6.52(2H,d,J=9.3Hz),7.07(2H,d,J=9.3Hz)
(R)−2−ヒドロキシメチル−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン
アセトニトリル(150ml)中に、D−プロリノール、(2.72g、25.0mmol)、4−ピロリジノフェネチルメシレート、(6.06g、22.5mmol)、炭酸カリウム(3.45g、25.0mmol)を加え、90℃で3.5時間加熱還流した後、室温まで冷却し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮乾固し、残留物を酢酸エチルと飽和重曹水に分配した。有機層に1M塩酸を加え、水層のpHを1に保ち、目的物を水層に抽出した。水層に4M水酸化ナトリウムを加え、水層のpHを14にし、生成した沈殿を酢酸エチルで抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去すると、(R)−2−ヒドロキシメチル−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジンが淡黄色油状物質として得られた(4.96g、85%)。
NMR(CDCl3)δ:1.70−1.91(4H,m),1.95−2.04(4H,m),2.26−2.36(1H,m),2.42−2.56(1H,m),2.57−2.77(4H,m),2.87−2.96(1H,m),3.18−3.27(4H,m),3.28(1H,dd,J=2.7,12.0Hz),3.57(1H,dd,J=4.0,12.0Hz),6.51(2H,d,J=9.3Hz),7.05(2H,d,J=9.7Hz)
(R)−3−クロロ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピペリジン
(R)−2−ヒドロキシメチル−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン(4.96g、19.1mmol)をジクロロメタン70mlに溶解し、氷冷下で撹拌しながら、ジイソプロピルエチルアミン3.21g(24.8mmol)、およびメタンスルホニルクロリド2.84g(24.8mmol)を加え、氷冷下で1時間、更に室温下で2時間撹拌した。反応液をジクロロメタンと飽和重曹水に分配した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、溶離液としてヘキサンと酢酸エチル(3:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−3−クロロ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピペリジンが淡黄色固体として得られた(3.23g、61%)。
ESI/Mass:293[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.50−1.70(3H,m),1.78−1.87(1H,m),1.96−2.01(4H,m),2.10−2.20(2H,m),2.54−2.61(2H,m),2.65−2.72(2H,m),2.75−2.85(1H,m),3.10−3.17(1H,m),3.23−3.28(4H,m),3.96−4.06(1H,m),6.51(2H,d,J=9.7Hz),7.05(2H,d,J=9.7Hz)
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
アルゴン気流下、60%水素化ナトリウム(348mg、8.7mmol)をヘキサンで洗浄した後、ジメチルスルホキシド(50ml)に懸濁し、室温で30分間撹拌した。これに2−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(1.70g、7.90mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。50℃で更に30分間撹拌した後、この溶液に(R)−3−クロロ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピペリジン(2.64g、9.02mmol)のジメチルスルホキシド(25ml)溶液を滴下して、50℃で3時間攪拌した。反応液を飽和重曹水と酢酸エチルに分配し、有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、溶離液として最初にヘキサンと酢酸エチル(6:1)を用い、次いでヘキサンと酢酸エチル(1:1)に変えて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色油状物質として得られた(2.29g、68%)。
ESI/Mass:472[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.59−1.86(4H,m),1.96−2.02(4H,m),2.21−2.29(1H,m),2.46−2.55(1H,m),2.60−2.78(3H,m),2.97−3.06(1H,m),3.19−3.31(6H,m),4.08(1H,dd,3.7,14.3Hz),5.16(1H,m),5.30(1H,d,J=13.0Hz),6.54(2H,d,J=9.0Hz),6.75−6.85(3H,m),6.95−7.09(4H,m),6.99(2H,d,J=9.0Hz)
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(2.29g)のジクロロメタン(30ml)溶液に2M塩化水素/ジエチルエーテル20mlを加え、2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をヘキサン中で撹拌して固化させて濾別し、表記化合物を淡褐色固体として得た(2.17g、81%)。
ESI/Mass:472[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.95−2.36(8H,m),2.84−2.96(1H,m),3.03−3.27(3H,m),3.40−3.72(6H,m),3.82−3.93(1H,m),4.21(1H,dd,J=8.7,15.7Hz),4.63(1H,dd,J=6.3,15.7Hz),5.13(1H,d,J=14.0Hz),5.33(1H,d,J=14.0Hz),6.81−7.03(6H,m),7.11−7.14(1H,m),7.37(2H,d,J=9.0Hz),7.60(2H,d,J=9.0Hz)
〔実施例10〕
(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
3−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンと(R)−3−クロロ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピペリジンを使用して、実施例6と同様の操作により(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを淡黄色油状物として得た(0.19g、50%)。
ESI/Mass:472[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.55−1.90(4H,m),1.95−2.06(4H,m),2.20−2.32(1H,m),2.48−2.60(1H,m),2.70−2.82(3H,m),2.95−3.10(1H,m),3.18−3.40(6H,m),4.06(1H,m),5.20(1H,d,J=12.0Hz),5.26(1H,d,J=12.0Hz),6.54(2H,d,J=8.7Hz),6.68−6.85(5H,m),6.95−7.03(1H,m),7.08(2H,d,J=8.7Hz),7.20−7.30(1H,m)
これを実施例6と同様に4M塩化水素/ジオキサンで処理し、表記化合物を淡褐色固体として得た(90%)。
ESI/Mass:472[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.95−2.30(4H,m),2.34(4H,m),2.82−2.95(1H,m),3.00−3.24(2H,m),3.39−3.78(7H,m),3.82−3.95(1H,m),4.21(1H,dd,J=7.2,14.1Hz),4.62(1H,dd,J=5.7,14.1Hz),5.11(1H,d,J=12.6Hz),5.34(1H,d,J=12.6Hz),6.76(1H,t,J=8.1Hz),6.80−7.05(5H,m),7.19(1H,t,J=8.1Hz),7.37(2H,d,J=8.4Hz),7.64(2H,d,J=8.4Hz)
〔実施例11〕
(R)−7−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
7−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンと(R)−3−クロロ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピペリジンを使用して、実施例6と同様の操作により(R)−7−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを淡黄色油状物として得た(0.19g、51%)。
ESI/Mass:472[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.58−1.90(4H,m),1.95−2.06(4H,m),2.20−2.32(1H,m),2.48−2.60(1H,m),2.68−2.82(3H,m),2.98−3.08(1H,m),3.18−3.40(6H,m),4.05(1H,dd,J=5.8,13.2Hz),5.14(1H,d,J=12.0Hz),5.31(1H,d,J=12.0Hz),6.45−6.58(3H,m),6.68−6.78(2H,m),7.02−7.13(4H,m),7.28−7.35(2H,m)
これを実施例6と同様に4M塩化水素/ジオキサンで処理し、表記化合物を褐色固体として得た(98%)。
ESI/Mass:472[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.95−2.30(4H,m),2.34(4H,m),2.78−2.92(1H,m),2.94−3.25(2H,m),3.40−3.76(7H,m),3.83−3.94(1H,m),4.23(1H,dd,J=7.2,14.4Hz),4.66(1H,dd,J=6.0,14.4Hz),5.13(1H,d,J=12.9Hz),5.24(1H,d,J=12.9Hz),6.58−6.63(1H,m),6.72−6.82(2H,m),7.05−7.25(4H,m),7.35(2H,d,J=8.4Hz),7.60(2H,d,J=8.4Hz)
〔実施例12〕
(R)−8−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
8−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンと(R)−3−クロロ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピペリジンを使用して、実施例6と同様の操作により(R)−8−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを淡黄色油状物として得た(0.13g、32%)。
ESI/Mass:472[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.58−1.90(4H,m),1.95−2.06(4H,m),2.18−2.34(1H,m),2.45−2.58(1H,m),2.65−2.80(3H,m),2.95−3.10(1H,m),3.14−3.38(6H,m),4.05−4.14(1H,m),5.21(1H,d,J=11.7Hz),5.35(1H,d,J=11.7Hz),6.48−6.58(4H,m),6.88−6.95(1H,m),7.02−7.12(4H,m),7.24−7.35(2H,m)
これを実施例6と同様に4M塩化水素/ジオキサンで処理し、表記化合物を褐色固体として得た(98%)。
ESI/Mass:472[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.95−2.30(4H,m),2.35(4H,m),2.78−2.94(1H,m),2.95−3.10(1H,m),3.10−3.25(1H,m),3.40−3.80(7H,m),3.80−3.95(1H,m),4.19(1H,dd,J=7.8,14.1Hz),4.64(1H,dd,J=4.2,14.1Hz),5.16(1H,d,J=12.3Hz),5.44(1H,d,J=12.3Hz),6.50−6.61(2H,m),6.88−7.00(1H,m),7.05−7.18(2H,m),7.30−7.41(4H,m),7.64(2H,d,J=7.8Hz)
〔実施例13〕
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンと(R)−3−クロロ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピペリジンを使用して、実施例6と同様の操作により(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを淡黄色油状物として得た(0.18g、68%)。
ESI/Mass:488[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.50−1.90(4H,m),1.95−2.06(4H,m),2.20−2.34(1H,m),2.50−2.62(1H,m),2.65−2.82(3H,m),2.90−3.10(1H,m),3.16−3.40(6H,m),4.05−4.14(1H,m),5.22(2H,s),6.54(2H,d,J=8.7Hz),6.75−6.88(3H,m),6.96−7.04(2H,d,J=8.7Hz),7.05−7.14(3H,m),7.18(1H,d,J=8.4Hz)
これを実施例6と同様に4M塩化水素/ジオキサンで処理し、表記化合物を褐色固体として得た(91%)。
ESI/Mass:488[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.95−2.30(4H,m),2.34(4H,m),2.78−2.92(1H,m),2.92−3.25(2H,m),3.40−3.81(7H,m),3.83−3.99(1H,m),4.21(1H,dd,J=6.9,14.1Hz),4.63(1H,dd,J=6.3,14.1Hz),5.10(1H,d,J=12.9Hz),5.36(1H,d,J=12.9Hz),6.85−7.06(5H,m),7.15(2H,t,J=8.1Hz),7.35(2H,d,J=8.7Hz),7.62(2H,d,J=8.7Hz)
〔実施例14〕
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
3−ピロリジノフェネチルアルコール
乾燥した酢酸パラジウム(58mg、0.26mmol)、2−(ジ−t−ブチルフォスフィノ)ビフェニル(136mg、0.46mmol)、t−ブトキシナトリウム(3.23g、33.6mmol)に2−(3−ブロモフェネトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(6.27g、21.9mmol)のトルエン(15ml)溶液とピロリジン(2.2ml、26.4mmol)を加え、70℃で12時間攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、生成物を有機層から1M塩酸で抽出した。水層を水酸化ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し、3−ピロリジノフェネチルアルコールを淡黄色固体として定量的に得た。
NMR(CDCl3)δ:1.98−2.02(4H,m),2.82(2H,t,J=7.0Hz),3.26−3.30(4H,m),3.86(2H,q,J=7.0Hz),6.42−6.54(3H,m),7.17(1H,t,J=8.3Hz)
3−ピロリジノフェネチルメシレート
3−ピロリジノフェネチルアルコールをジクロロメタン(20ml)に溶解し、0℃でトリエチルアミン(3.7ml、26.7mmol)とメタンスルフォニルクロリド(1.9ml、24.5mmol)を加えて一晩攪拌した。反応溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサンと酢酸エチル(7:3)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、3−ピロリジニノフェネチルメシレートが白色固体として得られた(5.13g、87%)。
ESI/Mass:270[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.98−2.03(4H,m),2.86(3H,s),2.98(2H,t,J=7.3Hz),3.25−3.30(4H,m),4.43(2H,t,J=7.3Hz),6.40−6.53(3H,m),7.16(1H,t,J=8.7Hz)
(R)−3−クロロ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピペリジン
4−ピロリジノフェネチルメシラートの代わりに3−ピロリジノフェネチルメシラートを用いて、実施例13と同様の方法により、合成した。収率50%。
ESI/Mass:293[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.55−1.70(2H,m),1.78−1.88(2H,m),1.95−2.03(4H,m),2.10−2.22(2H,m),2.30(1H,t,J=10.5Hz),2.60−2.67(2H,m),2.67−2.82(2H,m),3.16(1H,m),3.22−3.30(4H,m),4.02(1H,m),6.40(2H,m),6.49(1H,d,J=7,5Hz),7.13(1H,t,J=7.5Hz)
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンと(R)−3−クロロ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピペリジンを使用して、実施例6と同様の操作により(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを淡黄色油状物として得た(0.21g、45%)。
ESI/Mass:488[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.50−1.90(4H,m),1.95−2.06(4H,m),2.24−2.34(1H,m),2.55−2.70(1H,m),2.70−2.88(3H,m),3.02−3.15(1H,m),3.16−3.40(6H,m),4.02−4.14(1H,m),5.23(2H,s),6.40−6.58(3H,m),6.75−6.88(3H,m),6.96−7.04(2H,m),7.10−7.20(3H,m)
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
これを実施例6と同様に4M塩化水素/ジオキサンで処理し、表記化合物を褐色固体として得た(88%)。
ESI/Mass:488[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.95−2.30(4H,m),2.32(4H,m),2.77−2.90(1H,m),3.00−3.30(2H,m),3.38−3.78(7H,m),3.80−3.92(1H,m),4.21(1H,dd,J=6.6,14.1Hz),4.64(1H,dd,J=5.7,14.1Hz),5.10(1H,d,J=12.9Hz),5.33(1H,d,J=12.9Hz),6.82−7.08(5H,m),7.14(2H,t,J=8.4Hz),7.20−7.30(1H,m),7.38−7.53(2H,m),7.60−7.70(1H,m)
〔実施例15〕
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−モルホリノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
4−モルホリノフェネチルアルコール
乾燥した酢酸パラジウム(32.3mg、0.14mmol)、2−(ジ−t−ブチルフォスフィノ)ビフェニル(86.0mg、0.29mmol)、t−ブトキシナトリウム(1.73g、18mmol)に2−(4−ブロモフェネトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(3.42g、12.0mmol)のトルエン(9.0ml)溶液とモルホリン(1.22g、14mmol)を加え、70℃で16時間攪拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、生成物を有機層から1M塩酸で抽出した。水層を水酸化ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し4−モルホリノフェネチルアルコールを淡黄色固体として得た(2.35g、95%)。
NMR(CDCl3)δ:2.80(2H,t,J=8.7Hz),3.13(4H,t,J=6.8),3.78−3.88(6H,m),6.88(2H,d,J=11.7Hz),7.14(2H,d,J=11.7Hz)
4−モルホリノフェネチルメシレート
4−モルホリノフェネチルアルコール(2.35g、11.3mmol)をジクロロメタン(20ml)に溶解し、0℃でジイソプロピルエチルアミン(2.60ml、14.8mmol)とメタンスルフォニルクロリド(1.11ml、14.8mmol)を加えて4時間攪拌した。反応溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、溶出液として最初にヘキサンと酢酸エチル(3:1)を用い、次いで同溶媒(1:1)に変えて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、4−モルホリノフェネチルメシレートが白色固体として得られた(2.60g、81%)。NMR(CDCl3)δ:2.86(3H,s),2.98(2H,t,J=9.3Hz),3.14(4H,m),3.86(4H,m),4.38(2H,t,J=9.3Hz),6.87(2H,d,J=11.7Hz),7.14(2H,d,J=11.7Hz)
(R)−3−クロロ−1−(4−モルホリノフェネチル)ピペリジン
アセトニトリル(20ml)に4−モルホリノフェネチルメシレート(0.43g、1.51mmol)とD−プロリノール(0.17g、1.66mmol)、炭酸カリウム(0.40g、2.89mmol)を加え、70℃で一夜攪拌した。冷却後ろ過し、ろ液を減圧下で蒸発乾固去し、得られた残留物を水と酢酸エチルに分配した。目的物を酢酸エチル層から1M塩酸で抽出し、水層を中和してから再び酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥後、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−2−ヒドロキシメチル−1−(4−モルホリノフェネチル)ピロリジンが淡黄色固体として得られた(0.44g、1.5mmol、100%)。これをジクロロメタン(10ml)に溶解し、0℃でトリエチルアミン(0.29ml、2.1mmol)とメタンスルホニルクロリド(0.15ml、1.9mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応溶液を5%炭酸水素ナトリウム溶液とジクロロメタンに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサンと酢酸エチル(1:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−3−クロロ−1−(4−モルホリノフェネチル)ピペリジンが白色固体として得られた(0.30g、64%)。
ESI/Mass:309[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.50−1.86(4H,m),2.10−2.20(2H,m),2.28(1H,t,J=7.8Hz),2.55−2.64(2H,m),2.65−2.80(3H,m),3.10−3.18(4H,m),3.80−3.88(4H,m),3.96−4.04(1H,m),6.82−6.88(2H,m),7.10−7.20(2H,m)
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−モルホリノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(R)−3−クロロ−1−(4−モルホリノフェネチル)ピペリジンと3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを用いて実施例6と同様の操作により、(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−モルホリノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを得た。淡黄色油状物質。収率46%。
ESI/Mass:504[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.60−1.95(4H,m),2.22−2.31(1H,m),2.52−2.61(1H,m),2.69−2.80(3H,m),2.98−3.07(1H,m),3.01−3.19(1H,m),3.15(4H,t,J=5.3Hz),3.35(1H,dd,J=10,3,14.7Hz),3.87(4H,t,J=5.3Hz),4.03(1H,dd,J=4.0,14.7Hz),5.21(1H,d,J=13.3Hz),5.23(1H,d,J=13.3Hz),6.76−6.90(3H,m),6.88(2H,d,J=9.7Hz),6.97−7.01(2H,m),7.09−7.19(2H,m),7.14(2H,d,J=9.7Hz)
これを実施例6と同様に4M塩化水素/ジオキサンで処理し、表記化合物を淡褐色固体として得た。収率96%。
ESI/Mass:504[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.98−2.33(4H,m),2.83−3.30(4H,m),3.38−3.70(6H,m),3.87−3.98(1H,m),4.15−4.42(5H,m),4.60−4.70(1H,m),5.12(1H,d,J=14.0Hz),5.39(1H,d,J=14.0Hz),6.84−6.93(3H,m),7.04−7.19(4H,m),7.43(2H,s),7.78(2H,s)
〔実施例16〕
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
アルゴン気流下、60%水素化ナトリウム(100mg、2.5mmol)をヘキサンで洗浄した後、ジメチルスルホキシド(8ml)に懸濁した。室温で30分間撹拌した後、2−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(538mg、2.5mmol)を加え、室温で30分間、さらに50℃で40分間攪拌した。この溶液に(S)−1−(4−ジメチルアミノフェネチル)−3−メタンスルフォニルオキシピロリジン(312mg、1.0mmol、国際特許第0040570A1号記載の方法により調製)のジメチルスルホキシド(3ml)溶液を滴下して、50℃で13時間攪拌した。反応液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、溶離液として最初にヘキサンと酢酸エチル(3:1)を用い、ついでヘキサンと酢酸エチル(1:1)に変えて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色油状物として得られた(140mg、32%)。
ESI/Mass:432[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.74−1.84(1H,m),2.22−2.34(1H,m),2.37−2.47(1H,m),2.48−2.71(5H,m),2.75−2.85(1H,m),2.90(6H,s),3.18(1H,dd,J=7.7,10.7Hz),4.60−4.70(1H,m),5.25−5.40(2H,bs),6.37−6.49(3H,m),6.72−6.87(5H,m),6.95−7.24(3H,m),
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(140mg)のジクロロメタン(5ml)溶液に4M塩化水素/酢酸エチル1.0mlを加え、1時間撹拌した後、溶媒を減圧留去し、残留物をヘキサン中で撹拌して固化させ、濾別により表記化合物を淡黄色固体として得た(145mg、90%)。
ESI/Mass:432[M+H+]
NMR(CD3OD)δ:1.90−2.08(1H,m),2.10−2.30(1H,m),2.38−2.53(1H,m),2.60−2.73(1H,m),3.14(2H,t,J=8.0Hz),3.26(6H,s),3.49(2H,t,J=8.0Hz),3.60−3.82(2H,m),4.03−4.14(1H,m),4.95−5.03(1H,m),5.06−5.15(1H,m),6.73−6.92(3H,m),7.03−7.26(4H,m),7.47−7.59(4H,m)
〔実施例17〕
(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
2−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの代わりに3−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを用いて実施例16と同様の操作により、(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを得た。淡黄色固体。収率40%。
ESI/Mass:432[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.73−1.84(1H,m),2.21−2.30(1H,m),2.41−2.48(1H,m),2.50−2.71(5H,m),2.75−2.82(1H,m),2.90(6H,s),3.18(1H,dd,J=7.7,10.7Hz),5.28(1H,d,J=12.0Hz),5.40(1H,d,J=12.0Hz),6.48−6.54(1H,m),6.63−6.72(4H,m),7.01−7.12(4H,m),7.25−7.34(2H,m)
これを実施例16と同様に4M塩化水素/酢酸エチルで処理し、表記化合物を淡褐色固体として得た。収率92%。
ESI/Mass:432[M+H+]
NMR(CD3OD)δ:1.90−2.07(1H,m),2.14−2.27(1H,m),2.42−2.52(1H,m),2.63−2.77(1H,m),3.15(2H,t,J=9.0Hz),3.26(6H,s),3.49(2H,t,J=9.0Hz),3.64−3.82(2H,m),4.07−4.16(1H,m),4.97−5.06(1H,m),5.10−5.18(1H,m),6.72−6.94(4H,m),7.00−7.09(2H,m),7.43−7.65(5H,m)
〔実施例18〕
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
3−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの代わりに3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを用いて実施例16と同様の操作により、(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを得た。淡黄色油状物質。収率39%。
ESI/Mass:448[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.74−1.84(1H,m),2.22−2.34(1H,m),2.37−2.47(1H,m),2.48−2.71(5H,m),2.75−2.85(1H,m),2.90(6H,s),3.18(1H,dd,J=7.7,10.7Hz),4.60−4.70(1H,m),5.25−5.40(2H,bs),6.68(2H,d,J=9.7Hz),6.71−6.88(4H,m),6.92−7.10(3H,m)7.04(2H,d,J=9.7Hz)
これを実施例16と同様に4M塩化水素/酢酸エチルで処理し、表記化合物を褐色固体として得た。収率90%。
ESI/Mass:448[M+H+]
NMR(CD3OD)δ:1.86−2.08(1H,m),2.10−2.27(1H,m),2.40−2.53(1H,m),2.60−2.74(1H,m),3.12(2H,t,J=9.0Hz),3.27(6H,s),3.50(2H,t,J=9.0Hz),3.64−3.84(2H,m),4.06−4.16(1H,m),5.00−5.08(1H,m),5.10−5.19(1H,m),6.73−7.07(4H,m),7.17−7.42(3H,m),7.47−7.67(4H,m)
〔実施例19〕
(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(S)−3−メタンスルフォニルオキシ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン
3−ピロリジノフェネチルメシラート(1.80g、4.00mmol)、(S)−3−ピロリジノール塩酸塩(0.50g,4.05mmol)、炭酸カリウム(1.70g,12.3mmol)をアセトニトリル(20ml)に加え、100℃で12時間攪拌した。アセトニトリルを減圧留去した後、水と酢酸エチルに分配した。酢酸エチル層から1M塩酸で目的物を抽出し、水層を中和してから再び酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥後、減圧下に溶媒を留去すると、(S)−3−ヒドロキシ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジンが淡黄色固体として定量的に得られた。これをジクロロメタン(10ml)に溶解し、0℃でトリエチルアミン(0.76ml、5.49mmol)とメタンスルホニルクロリド(0.39ml、5.03mmol)を加えて一晩攪拌した。反応溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルムとメタノール(95:5)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−3−メタンスルフォニルオキシ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジンが淡黄色油状物として得られた(1.30g、96%)。
ESI/Mass:339[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.99(4H,m),2.03−2.15(1H,m),2.25−2.38(1H,m),2.44−2.54(1H,m),2.70−2.80(4H,m),2.80−3.02(3H,m),3.02(3H,s),3.23−3.30(4H,m),5.23(1H,m),6.42(2H,m),6.50(1H,d,J=7.5Hz),7.14(1H,t,J=7.5Hz)
(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
アルゴン気流下、60%水素化ナトリウム(88mg、2.2mmol)をヘキサンで洗浄して、ジメチルスルホキシド(10ml)に懸濁し、室温で30分間撹拌した後、3−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(0.43g,2.0mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。50℃で更に30分間撹拌した後、この溶液に(S)−3−メタンスルフォニルオキシ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン(0.34g、1.0mmol)のジメチルスルホキシド(4ml)溶液を滴下して、70℃で2時間攪拌した。反応液を飽和食塩水と酢酸エチルに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサンと酢酸エチル(1:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−3−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色油状物として得られた(0.19g、42%)。
ESI/Mass:458[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.68−1.84(1H,m),1.90−1.99(4H,m),2.22−2.36(1H,m),2.40−2.48(1H,m),2.50−2.76(5H,m),2.76−2.86(1H,m),3.16−3.28(5H,m),4.64(1H,m),5.36(2H,m),6.37−6.49(3H,m),6.72−6.87(5H,m),6.95(1H,d,J=6.6Hz),7.12−7.28(1H,t,J=7.5Hz),7.28(1H,d,J=6.6Hz)
これを実施例16と同様に4M塩化水素/酢酸エチルで処理し、表記化合物を褐色固体として得た(69%)。
NMR(CD3OD)δ:1.90−2.08(1H,m),2.10−2.30(5H,m),2.35−2.55(1H,m),2.60−2.78(2H,m),3.12(2H,t,J=8.1Hz),3.30−3.48(1H,m),3.53(1H,t,J=8.1Hz),3.60−3.83(6H,m),4.95−5.15(2H,m),6.70−7.10(6H,m),7.25−7.53(5H,m)
〔実施例20〕
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジン−1−イルフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンと(R)−3−メチルスルホニル−1−(3−ピロリジン−1−イルフェネチル)ピロリジンを使用して、実施例19と同様の操作により(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジン−1−イルフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンを淡黄色油状物として得た(0.20g、43%)。
ESI/Mass:474[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.63−1.80(1H,m),1.92−2.00(4H,m),2.22−2.36(1H,m),2.40−2.48(1H,m),2.52−2.75(5H,m),2.75−2.86(1H,m),3.15−3.30(5H,m),4.60−4.70(1H,m),5.38(2H,brs),6.37−6.49(3H,m),6.72−6.80(3H,m),6.95(1H,dd,J=1.8,7.8Hz),7.04−7.14(3H,m),7.24(1H,d,J=7.8Hz)
これを実施例16と同様に4M塩化水素/酢酸エチルで処理し、表記化合物を褐色固体として得た(93%)。
ESI/Mass:474[M+H+]
NMR(CD3OD)δ:1.90−2.10(1H,m),2.13−2.32(5H,m),2.37−2.55(1H,m),2.60−2.78(2H,m),3.10(2H,t,J=7.8Hz),3.30−3.45(1H,m),3.53(1H,t,J=7.8Hz),3.58−3.81(5H,m),4.00−4.12(1H,m),4.95−5.18(2H,m),6.70−7.10(4H,m),7.16−7.50(7H,m)
〔実施例21〕
(R)−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(R)−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
アセトニトリル(20ml)中に、(R)−5,11−ジヒドロ−5−(2−ピロリジルメチル)ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(240mg、0.85mmol、国際特許第9912925A1号記載の方法により調製)、3−ピロリジノフェネチルメシレート(253mg、0.94mmol)、炭酸ナトリウム(106mg、1.0mmol)、ヨウ化ナトリウム(10mg、0.07mmol)を加え、90℃で6.5時間加熱還流した後、減圧下に溶媒を留去し、残留物を酢酸エチルと飽和重曹水に分配した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、溶離液として最初にヘキサンと酢酸エチル(15:1)を用い、次いでヘキサンと酢酸エチル(2:1)に変えて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色油状物質として得られた(208mg、54%)。
ESI/Mass:454[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.65−1.88(4H,m),1.99−2.05(4H,m),2.23−2.32(1H,m),2.55−2.64(1H,m),2.71−2.84(3H,m),3.06−3.16(1H,m),3.19−3.24(1H,m),3.28−3.32(4H,m),3.37(1H,dd,J=11.0,14.3Hz),4.15(1H,dd,J=4.0,14.3Hz),5.22(1H,d,J=13.0Hz),5.34(1H,d,J=13.0Hz),6.44−6.55(3H,m),6.75−6.83(3H,m),7.00−7.20(4H,m),7.26−7.32(2H,m)
(R)−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(R)−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(208mg)のジクロロメタン(2ml)溶液に2M塩化水素/ジエチルエーテル2.0mlを加え、2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をヘキサン中で撹拌して固化させ、濾別することにより表記化合物を淡褐色固体として得た(220mg、91%)。
ESI/Mass:454[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.90−2.42(8H,m),2.98−3.30(3H,m),3.40−3.90(8H,m),4.18−4.35(1H,m),4.62−4.76(1H,m),5.14(1H,d,J=13.0Hz),5.30(1H,d,J=13.0Hz),6.78−6.94(3H,m),6.97−7.16(3H,m),7.20−7.40(4H,m),7.45(1H,s),7.59(1H,s)
〔実施例22〕
(R)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(S)−3−ヒドロキシ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン
アセトニトリル(200ml)に4−ピロリジノフェネチルメシレート(13.45g、50.0mmol)と(S)−3−ピロリジノール塩酸塩(5.56g、45.0mmol)、炭酸カリウム(18.63g、135mmol)を加え、90℃で3時間攪拌した。冷却後ろ過し、ろ液を減圧下で蒸発乾固去し、得られた残留物を水と酢酸エチルに分配した。酢酸エチル層から1M塩酸で目的物を抽出し、水層を中和してから再び酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥後、減圧下に溶媒を留去すると、(S)−3−ヒドロキシ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジンが淡黄色固体として得られた(6.30g、52%)。
NMR(CDCl3)δ:1.74−1.84(1H,m),1.96−2.04(4H,m),2.15−2.25(1H,m),2.34−2.43(1H,m),2.55−2.63(1H,m),2.65−2.80(5H,m),2.92−3.03(1H,m),3.23−3.28(4H,m),4.33−4.40(1H,m),6.51(2H,d,J=9.3Hz),7.06(2H,d,J=9.3Hz)
(S)−3−メタンスルフォニルオキシ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン
(S)−3−ヒドロキシ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン(6.30g、23.4mmol)をジクロロメタン100mlに溶解し、0℃でジイソプロピルエチルアミン(5.28ml、30.0mmol)とメタンスルフォニルクロリド(2.34ml、30.0mmol)を加えて4時間撹拌した。反応液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタンとメタノール(10:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(S)−3−メタンスルフォニルオキシ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジンが淡黄色油状物として得られた(7.50g、49%)。
ESI/Mass:339[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.96−2.00(4H,m),2.04−2.16(1H,m),2.27−2.38(1H,m),2.44−2.52(1H,m),2.65−2.74(4H,m),2.82−2.98(3H,m),3.02(3H,s),3.23−3.28(4H,m),5.19−5.27(1H,m),6.50(2H,d,J=9.3Hz),7.05(2H,d,J=9.3Hz)
(R)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
アルゴン気流下、60%水素化ナトリウム(132mg、3.3mmol)をヘキサンで洗浄した後、ジメチルスルホキシド(10ml)に懸濁し、室温で30分間撹拌した後、5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(600mg、3.0mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。50℃で30分間撹拌した後、この溶液に(S)−3−メタンスルフォニルオキシ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン(340mg、1.0mmol)のジメチルスルホキシド(5ml)溶液を滴下して、50℃で42時間攪拌した。反応液を飽和食塩水と酢酸エチルに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサンと酢酸エチル(3:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色油状物として得られた(142mg、32%)。
NMR(CDCl3)δ:1.72−1.84(1H,m),1.96−2.04(4H,m),2.22−2.41(2H,m),2.49−2.71(5H,m),2.80−2.89(1H,m),3.22−3.27(5H,m),4.67−4.74(1H,m),5.30−5.50(2H,b),6.48(2H,d,J=9.7Hz),6.72−6.82(3H,m),6.95−7.13(3H,m),7.02(2H,d,J=9.7Hz),7.26−7.33(2H,m)
これを実施例21と同様に2M塩化水素/ジエチルエーテルで処理し、表記化合物を褐色固体として得た(83%)。
ESI/Mass:440[M+H+]
NMR(CD3OD)δ:1.90−2.08(1H,m),2.10−2.30(5H,m),2.35−2.55(1H,m),2.60−2.78(2H,m),3.08(2H,t,J=10.0Hz),3.23−3.38(1H,m),3.47(1H,t,J=10.0Hz),3.60−3.83(5H,m),4.02−4.11(1H,m),4.99−5.08(1H,m),5.10−5.18(1H,m),6.72−7.04(4H,m),7.15−7.24(2H,m),7.36−7.44(6H,m)
〔実施例23〕
(R)−5,11−ジヒドロ−5−[1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル]ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(S)−3−ヒドロキシ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン
アセトニトリル(20ml)に実施例21で合成した3−ピロリジノフェネチルメシレート(1.80g、4.00mmol)と(S)−3−ピロリジノール塩酸塩(0.50g、4.05mmol)、炭酸カリウム(1.70g、12.3mmol)を加え、100℃で12時間攪拌した。アセトニトリルを減圧下で留去した後、水と酢酸エチルに分配した。酢酸エチル層から目的物を1M塩酸で抽出し、中和してから再び酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥後、減圧下に溶媒を留去すると、(S)−3−ヒドロキシ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジンが淡黄色固体として得られた(1.04g、100%)。
NMR(CDCl3)δ:1.68−1.80(1H,m),1.91−2.02(4H,m),2.13−2.25(1H,m),2.30−2.40(1H,m),2.55−2.63(1H,m),2.67−2.80(5H,m),2.89−2.98(1H,m),3.15−3.25(4H,m),4.28−4.39(1H,m),6.39−6.42(2H,m),6.50(1H,d,J=8.0Hz),7.13(1H,t,J=8.0Hz)
(S)−3−メタンスルフォニルオキシ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン
(S)−3−ヒドロキシ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン(1.04g,4.00mmol)をジクロロメタン(10ml)に溶解し、0℃でトリエチルアミン(0.76ml、5.49mmol)とメタンスルホニルクロライド(0.39ml、5.03mmol)を加えて一晩攪拌した。反応溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルムとメタノール(95:5)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(S)−3−メタンスルフォニルオキシ−1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジンが淡黄色油状物として得られた(1.30g、96%)。
ESI/Mass:339[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.96−2.02(4H,m),2.03−2.15(1H,m),2.25−2.38(1H,m),2.44−2.54(1H,m),2.70−2.80(4H,m),2.80−3.02(3H,m),3.02(3H,s),3.23−3.30(4H,m),5.20−5.28(1H,m),6.42(2H,m),6.50(1H,d,J=7.5Hz),7.14(1H,t,J=7.5Hz)
(R)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
アルゴン気流下、60%水素化ナトリウム(132mg、3.3mmol)をヘキサンで洗浄した後、ジメチルスルホキシド(10ml)に懸濁し、室温で30分間撹拌した後、5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(600mg、3.0mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。50℃で30分間撹拌した後、この溶液に(S)−3−メタンスルフォニルオキシ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン(340mg、1.0mmol)のジメチルスルホキシド(5ml)溶液を滴下して、50℃で42時間攪拌した。反応液を飽和食塩水と酢酸エチルに分配した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサンと酢酸エチル(3:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、(R)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(3−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色油状物として得られた(225mg、51%)。
ESI/Mass:440[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.74−1.84(1H,m),1.95−2.00(4H,m),2.23−2.34(1H,m),2.34−2.43(1H,m),2.49−2.57(1H,m),2.61−2.76(5H,m),2.81−2.88(1H,m),3.23−3.29(4H,m),4.67−4.76(1H,m),5.30−5.50(2H,bs),6.34−6.48(3H,m),6.71−6.85(3H,m),6.94−6.97(1H,m),7.04−7.16(3H,m),7.25−7.32(2H,m)
これを実施例21と同様に2M塩化水素/ジエチルエーテルで処理し、表記化合物を褐色固体として得た(78%)。
ESI/Mass:440[M+H+]
NMR(CD3OD)δ:1.90−2.08(1H,m),2.10−2.30(5H,m),2.35−2.55(1H,m),2.60−2.78(1H,m),3.10(2H,t,J=10.0Hz),3.25−3.40(1H,m),3.25(2H,t,J=10.0Hz),3.60−3.80(5H,m),4.03−4.12(1H,m),4.99−5.09(1H,m),5.11−5.19(1H,m),6.70−7.04(5H,m),7.14−7.47(7H,m)
〔実施例24〕
5,11−ジヒドロ−5−〔2−〔N−メチル−N−(3−ピロリジノフェネチル)アミノ〕エチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
アセトニトリル(20ml)中に、5,11−ジヒドロ−5−〔2−(N−メチルアミノ)エチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(254mg、1.00mmol、国際特許第0040570A1号記載の方法により調製)、3−ピロリジノフェネチルメシレート(296mg、1.10mmol)、炭酸ナトリウム(138mg、1.30mmol)、ヨウ化ナトリウム(20mg、0.13mmol)を加え、90℃で6.5時間加熱還流した後、減圧下に溶媒を留去し、残留物を酢酸エチルと飽和重曹水に分配した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、溶離液として最初にヘキサンと酢酸エチル(10:1)を用い、次いでヘキサンと酢酸エチル(3:1)に変えて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去すると、5,11−ジヒドロ−5−〔2−〔N−メチル−N−(3−ピロリジノフェネチル)アミノ〕エチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが淡黄色油状物質として得られた(331mg、78%)。
ESI/Mass:428[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.96−2.00(4H,m),2.32(3H,s),2.61(4H,s),2.66(2H,t,J=8.0Hz),3.23−3.27(4H,m),3.90(2H,t,J=8.0Hz),5.29(2H,s),6.32−6.44(3H,m),6.77−6.84(3H,m),7.00−7.14(4H,m),7.25−7.32(2H,m)
これを実施例21と同様に2M塩化水素/ジエチルエーテルで処理し、表記化合物を褐色固体として得た(81%)。
ESI/Mass:428[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:2.28−2.40(4H,m),2.85(3H,d,J=4.3Hz),3.10−3.48(6H,m),3.55−3.74(4H,m),4.23−4.35(1H,m),4.40−4.52(1H,m),5.23(1H,d,J=14.3Hz),5.25(1H,d,J=14.3Hz),6.82−6.93(3H,m),7.06−7.11(2H,m),7.18(1H,d,J=8.7Hz),7.24−7.44(4H,m),7.53(1H,d,J=8.7Hz),7.78(1H,m)
〔実施例25〕
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩(=実施例8の化合物)
N−〔(4−ジメチルアミノフェニル)アセチル〕−D−プロリンメチルエステル
(4−ジメチルアミノフェニル)酢酸(7.4g、41.3mmol)、D−プロリンメチルエステル塩酸塩(7.19g、43.4mmol)の塩化メチレン(150ml)溶液に、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(6.1g、45.4mmol)、およびN−ジメチルアミノプロピル−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(8.7g、45.4mmol)を加えた。この混合物を室温にて6時間攪拌したのち、トリエチルアミン(6.3ml、45.4mmol)を加えた。これを室温にて一晩攪拌し、反応液を水(200ml)、5%重曹水(200ml)、水(200ml)にて逐次洗浄した。溶媒を減圧下に留去して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、塩化メチレンとメタノール(10:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去し、標題化合物を褐色油状物として取得した(11.0g、83%)。
ESI/Mass:291[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.82−2.26(4H,m),2.82−2.98(6H,m),3.40−3.76(2H,m),3.60(3H,s),3.73(2H,s),4.41−4.52(1H,m),6.64−6.74(2H,m),7.07−7.19(2H,m)
N−〔(4−ジメチルアミノフェニル)アセチル〕−D−プロリン
N−〔(4−ジメチルアミノフェニル)アセチル〕−D−プロリンメチルエステル(1.0g、3.4mmol)をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解させ、水(10ml)および1M水酸化ナトリウム水溶液(3.7ml、3.7mmol)を加えた。室温にて一晩攪拌したのち、飽和塩化アンモニウム水溶液(15ml)を加え、1M塩酸にてpHを4付近に調整した。この混合物を減圧下に溶媒を留去した後、アセトンを加えて混合した。濾過を行なって濾液を取得し、減圧下にて溶媒を留去し、乾燥することで標題化合物を黄色固体として取得した(0.91g、96%)。
ESI/Mass:277[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.80−2.28(3H,m),2.45−2.58(1H,m),2.95(6H,s),3.42−3.70(2H,m),3.65(2H,s),4.60−4.68(1H,m),6.72−6.83(2H,m),7.08−7.19(2H,m)
(R)−1−〔(4−ジメチルアミノフェニル)アセチル〕ピロリジン−2−カルボン酸〔2−(2−ブロモ−4−クロロベンジルオキシ)フェニル〕アミド
N−〔(4−ジメチルアミノフェニル)アセチル〕−D−プロリン(8.56g、31.0mmol)にトルエン(111ml)、N−メチルモルホリン(3.85ml、35.0mmol)を加えた。氷浴下でここにクロロギ酸エチル(3.26ml、34.1mmol)を加え、2時間攪拌した。ここに、2−(2−ブロモ−4−クロロベンジルオキシ)アニリン塩酸塩(10.8g、31.0mmol)、およびN−メチルモルホリン(4.09ml、37.2mmol)を加え、室温にて一晩攪拌した。反応液に水(40ml)を加え、有機層を水(40ml)にて洗浄したのち、硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、塩化メチレンとメタノール(30:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去し、標題化合物を黄色固体として取得した(16.3g、92%)。
ESI/Mass:572[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.80−1.94(1.2H,m),1.96−2.06(0.8H,m),2.08−2.36(1.2H,m),2.51−2.59(0.8H,m),2.79 and 2.92(total 6.0H,each s),3.45−3.75(4H,m),4.53−4.59(0.2H,m),4.81−4.87(0.8H,m),4.94−5.13(0.3H,m),5.13(1.7H,s),6.47−6.69(2.0H,m),6.84−7.14(5.1H,m),7.19−7.26(0.9H,m),7.51−7.68(1.9H,m),8.26(0.1H,br s),8.35−8.42(1.0H,m),9.53(1H,br s)
(R)−{〔2−(3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン−5−カルボニル)ピロリジン〕−1−イル}−2−(4−ジメチルアミノフェニル)エタノン
(R)−1−〔(4−ジメチルアミノフェニル)アセチル〕ピロリジン−2−カルボン酸〔2−(2−ブロモ−4−クロロベンジルオキシ)フェニル〕アミド(1.73g、3.03mmol)に炭酸カリウム(1.27g、9.19mmol)、臭化銅(I)(24.1mg、0.168mmol)、4−ピコリン(8.65ml)を加えた。これを145℃にて20時間加熱した後に、濾過して濾液を取得し、減圧下にて溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、塩化メチレンとメタノール(20:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去し、標題化合物を褐色固体として取得した(0.97g、66%)。
ESI/Mass:490[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.52−2.34(4H,m),2.92 and 2.96(total 6.0H,each s),3.44−3.77(4.1H,m),4.34−4.41(0.2H,m),4.65−4.72(0.4H,m),4.77−4.91(1.1H,m),5.08−5.15(0.2H,m),5.50−5.67(0.3H,m),6.34−6.41(0.7H,m),6.65−7.03(4.0H,m),7.06−7.50(6.5H,m),7.59(0.2H,br s),7.91−7.96(0.2H,m),8.11(0.1H,br s)
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
(R)−{〔2−(3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン−5−カルボニル)ピロリジン〕−1−イル}−2−(4−ジメチルアミノフェニル)エタノン(0.97g、1.98mmol)をテトラヒドロフラン(19.4ml)に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム(0.39g、10.4mmol)を加えた後、氷浴下にて三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体(1.69ml、13.9mmol)を加えた。反応液を37℃に42時間加熱したのち、水素化ホウ素ナトリウム(0.056g、1.5mmol)と三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体(0.24ml、1.99mmol)を加えた。反応液を37℃に24時間加熱したのち、氷浴下にて1.5M水酸化ナトリウム水溶液(16ml、24mmol)を加えた。反応液を60℃に12時間加熱したのち、トルエン(20ml)と水(10ml)に分配させた。有機層を取得し、減圧下にテトラヒドロフランを留去し、水(10ml)にて洗浄した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、塩化メチレンとメタノール(10:1)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去し、標題化合物を褐色固体として取得した(0.67g、74%)。
ESI/Mass:462[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.59−1.90(4H,m),2.22−2.31(1H,m),2.50−2.59(1H,m),2.66−2.84(3H,m),2.93(6H,s),2.97−3.06(1H,m),3.16−3.24(1H,m),3.34(1H,dd,J=13.0,9.4Hz),4.07(1H,dd,J=13.0,3.7Hz),5.22(2H,s),6.70−6.75(2H,m),6.75−6.86(3H,m),6.97−7.02(2H,m),7.08−7.14(3H,m),7.17(1H,d,J=7.9Hz)
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(R)−3−クロロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ジメチルアミノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(10.6g、22.9mmol)を2−プロパノール(100ml)に溶解させ、4M塩化水素/2−プロパノール(22.9ml)を加えた。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物に4M塩化水素/2−プロパノール(11.5ml)を加えた。減圧下に溶媒を留去し、標題化合物を薄黄色固体として取得した(12.9g、100%)。
ESI/Mass:462[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:2.00−2.21(2H,m),2.21−2.34(2H,m),2.86−2.98(1H,m),3.03−3.15(1H,m),3.19(6H,s),3.15−3.30(1H,m),3.47−3.70(3H,m),3.90−4.00(1H,m),4.24(1H,dd,J=14.0,7.2Hz),4.65(1H,dd,J=14.0,6.0Hz),5.12(1H,d,J=12.7Hz),5.40(1H,d,12.7Hz),6.87(1H,dd,J=7.8,1.9Hz),6.89−7.00(2H,m),7.03−7.09(2H,m),7.14(1H,d,J=1.9Hz),7.18(1H,d,J=8.0Hz),7.45(2H,d,J=8.4Hz),7.79(2H,d,J=8.6Hz)
〔実施例26〕
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩(=実施例9の化合物)
(4−ピロリジノフェニル)酢酸
酢酸パラジウム(22.3mg、0.10mmol)、(2−ビフェニル)−ジ−tert−ブチルホスフィン(59.8mg、0.20mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド(2.40g、25.0mmol)にトルエン(10ml)を加え、(4−ブロモフェニル)酢酸(2.15g、10.0mmol)およびピロリジン(1.10ml、13.2mmol)を加えた。この混合物を70℃にて46時間加熱したのち、水(20ml)を加えた。水層のpHを2以下にしたのちにトルエンにて洗浄し、水層のpHを4〜5に調整した。氷浴にてしばらく攪拌したのちに濾過し、標題化合物を淡黄色固体として取得した(1.1g、54%)。
ESI/Mass:206[M+H+]
NMR(DMSO−d6)δ:1.90−1.95(4H,m),3.15−3.20(4H,m),3.38(2H,s),6.47(2H,d,J=8.4Hz),7.03(2H,d,J=8.4Hz)
N−〔(4−ピロリジノフェニル)アセチル〕−D−プロリンメチルエステル
(4−ピロリジノフェニル)酢酸(2.05g、10.0mmol)、D−プロリンメチルエステル塩酸塩(1.66g、10.0mmol)に塩化メチレン(20ml)を加え、トリエチルアミン(1.55ml、11.1mmol)、およびN−ジメチルアミノプロピル−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(2.11g、11.0mmol)を加えた。この混合物を室温にて4時間攪拌したのち、反応液を水(10ml)、水(5ml)、5%クエン酸水溶液(5ml)、5%重曹水(5ml)にて逐次洗浄した。硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を減圧下に留去し、標題化合物を淡赤色固体として取得した(3.06g、96%)。
NMR(CDCl3)δ:1.85−2.15(8H,m),3.23−3.28(4H,m),3.31−3.68(4H,m),3.68−3.75(3H,m),4.40−4.53(1H,m),6.45−6.54(2H,m),7.05−7.14(2H,m)
N−〔(4−ピロリジノフェニル)アセチル〕−D−プロリン
N−〔(4−ピロリジノフェニル)アセチル〕−D−プロリンメチルエステル(30.1g、94.2mmol)をテトラヒドロフラン(150ml)に溶解させ、水(134ml)および6M水酸化ナトリウム水溶液(16.5ml、99.2mmol)を加えた。室温にて4時間攪拌したのち、6M塩酸(16.6ml、99.7mmol)を加えた。この混合物のうち、テトラヒドロフランを減圧下に留去した後、冷蔵庫にて一晩静置した。これを濾過し、減圧下に乾燥することで標題化合物を淡紫色固体として取得した(23.4g、82%)。
ESI/Mass:303[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.85−2.05(7H,m),2.45−2.55(1H,m),3.23−3.29(4H,m),3.45−3.70(4H,m),4.60−4.64(1H,m),6.48−6.55(2H,m),7.07−7.11(2H,m)
(R)−1−〔(4−ピロリジノフェニル)アセチル〕ピロリジン−2−カルボン酸〔2−(2−ブロモ−5−フルオロベンジルオキシ)フェニル〕アミド
N−〔(4−ピロリジノフェニル)アセチル〕−D−プロリン(2.90g、9.59mmol)にトルエン(37.8ml)、N−メチルモルホリン(1.10g、10.8mmol)を加えた。氷浴下でクロロギ酸エチル(1.14g、10.5mmol)を加え、2時間攪拌した。ここに、2−(2−ブロモ−5−フルオロベンジルオキシ)アニリン塩酸塩(3.19g、9.59mmol)、およびN−メチルモルホリン(1.16g、11.5mmol)を加え、16時間かけて室温に昇温した。ここに水(30ml)、クエン酸(1.61g)、トルエン(10ml)を加えて分配させ、有機層を水(10ml)、水(10ml)、6.7%重曹水(10ml)、6.7%重曹水(10ml)、水(10ml)、水(10ml)にて逐次洗浄した。硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下に溶媒を留去して、標題化合物を薄黄色固体として取得した(5.13g、93%)。
ESI/Mass:580[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.77−2.20(7H,m),2.48−2.57(1H,m),3.14−3.25(4H,m),3.42−3.67(4H,m),4.80−4.88(1H,m),5.11(2H,s),6.29−6.46(2H,m),6.80−7.10(6H,m),7.43−7.61(2H,m),8.26−8.39(1H,m),9.57(1H,s)
(R)−{〔2−(2−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン−5−カルボニル)ピロリジン〕−1−イル}−2−(4−ピロリジノフェニル)エタノン
(R)−1−〔(4−ピロリジノフェニル)アセチル〕ピロリジン−2−カルボン酸〔2−(2−ブロモ−5−フルオロベンジルオキシ)フェニル〕アミド(5.0g、8.61mmol)に炭酸カリウム(3.58g、25.9mmol)、臭化銅(I)(63.5mg、0.443mmol)、4−ピコリン(25ml)を加えた。これを145℃にて21時間加熱した後に、濾過を行なって濾液を取得し、減圧下に溶媒を留去した。この混合物をトルエンと9.5%クエン酸水溶液に分配させ、有機層を9.5%クエン酸水溶液にて2回洗浄した。硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、塩化メチレンとメタノール(97:3)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去し、標題化合物を紫色固体として取得した(4.16g、97%)。
ESI/Mass:500[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.60−2.40(8H,m),3.14−3.35(4H,m),3.39−3.75(4H,m),4.29−5.68(3H,m),6.32−6.60(3H,m),6.77−8.11(8H,m)
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
(R)−{〔2−(2−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン−5−カルボニル)ピロリジン〕−1−イル}−2−(4−ピロリジノフェニル)エタノン(3.79g、7.59mmol)をテトラヒドロフラン(48ml)に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム(1.52g、40.2mmol)を加えた後、氷浴下にて三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体(7.38g、49.5mmol)を加えた。反応液を37℃に66時間加熱したのち、氷浴下にて1.5M水酸化ナトリウム水溶液(48ml、75mmol)を加えた。反応液を60℃に13時間加熱したのち、トルエン(30ml)を加えた。有機層を取得し、減圧下に溶媒を留去して21.0gとし、トルエン(12ml)を加えた。これを水(10ml)にて2回洗浄し、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、塩化メチレンとメタノール(97:3)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、減圧下に溶媒を留去し、標題化合物を紫色固体として取得した(2.95g、82%)。
ESI/Mass:472[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.59−1.90(4H,m),1.90−2.10(4H,m),2.18−2.30(1H,m),2.42−2.58(1H,m),2.62−2.83(3H,m),2.92−3.08(1H,m),3.12−3.38(6H,m),4.08(1H,dd,J=12.8,3.0Hz),5.16(1H,d,J=11.8Hz),5.30(1H,d,J=11.8Hz),6.54(2H,d,J=8.5Hz),6.72−6.86(3H,m),6.93−7.12(6H,m)
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン・2塩酸塩
(R)−2−フルオロ−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−2−イルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(12.04g、25.5mmol)を2−プロパノール(250ml)に溶解させ、4M塩化水素/2−プロパノール(17.0ml)を加えた後、室温にて0.5時間攪拌した。減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物に、2−プロパノール(約50mL)を加え、減圧下に溶媒を留去することを4回繰り返し、標題化合物を薄赤色固体として取得した(14.89g、100%)。
ESI/Mass:472[M+H+]
NMR(DMSO−d6)δ:1.76−2.19(8H,m),2.89−3.25(4H,m),3.33−3.54(5H,m),3.54−3.67(2H,m),4.10(1H,dd,J=13.6,7.5Hz),4.39(1H,dd,J=13.6,6.5Hz),5.18(1H,d,J=12.0Hz),5.44(1H,d,J=12.1Hz),6.72−6.78(1H,m),6.83−6.90(2H,m),6.96−7.27(6H,m),7.31−7.38(2H,m)
〔実施例27〕
(R)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(=実施例22の化合物)
(R)−N−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕−2−(2−ブロモベンジルオキシ)アニリン
アルゴン気流下、2−(2−ブロモベンジルオキシ)アニリン(1.15g、4.13mmol)に(S)−3−メタンスルフォニルオキシ−1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン(0.30g、0.89mmol)を加え、アセトニトリル(50ml)に溶解させた。ここに炭酸カリウム(1.62g、11.7mmol)を加え、85時間還流させた。その後アセトニトリル(15ml)を加え、さらに48時間還流させた。反応液をセライトにて濾過して濾液を取得し、減圧下に溶媒を留去して、標題化合物を褐色油状の混合物として取得した(1.40g)。
ESI/Mass:520[M+H+]
(R)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
アルゴン気流下、(R)−N−〔1−(4−ピロリジノフェネチル)ピロリジン−3−イル〕−2−(2−ブロモベンジルオキシ)アニリン(1.40g、混合物として)に炭酸カリウム(1.71g、12.4mmol)、臭化銅(I)(53mg、0.37mmol)およびトルエン(30ml)を加えた。反応液を加熱下に53時間還流させ、臭化銅(I)(60mg、0.42mmol)を加えた。反応液を加熱下にさらに50時間還流させ、さらにトルエン(10ml)、炭酸カリウム(1.04g、7.52mmol)および臭化銅(I)(42mg、0.29mmol)を加えた。さらに反応液を加熱下に48時間還流させた後、セライトにて濾過し、濾液に水を加えた。有機層を取得し、硫酸ナトリウムにて乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物(1.12g)のうち187mgを高速液体クロマトグラフィーに付し、アセトニトリルと水(20:80から70:30までのグラジエント)を用いて溶出した。適当なフラクションを集め、塩化メチレンと飽和重曹水に分配させた。有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥させたのち、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物を薄層シリカゲルクロマトグラフィーに付し、ヘキサンと酢酸エチル(1:5)を用いて展開した。適当な部位のシリカゲルを集め、塩化メチレンとメタノール(3:1)の混合溶媒にて溶出した。溶出液を集め、減圧下に溶媒を留去し、標題化合物を白色固体として取得した(25.5mg、2工程収率39%)。
ESI/Mass:440[M+H+]
NMR(CDCl3)δ:1.72−1.84(1H,m),1.92−2.05(4H,m),2.24−2.49(2H,m),2.49−2.77(5H,m),2.82−2.94(1H,m),3.18−3.36(5H,m),4.68−4.79(1H,m),5.19−5.62(2H,m),6.48(2H,d,J=8.4Hz),6.70−6.85(3H,m),6.95(1H,dd,J=7.8,1.6Hz),7.02(2H,d,J=8.6Hz),7.03−7.14(2H,m),7.25−7.35(2H,m)
〔実施例28〕
実施例1と同様の方法により、3−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの代わりに表1に示した化合物[V]を、(R)−3−クロロ−1−(4−メトキシフェネチル)ピペリジンの代わりに表1に示した化合物[VI]を用いることにより、表1に示した化合物[II]を調製することが出来る。
〔実施例29〕
実施例16と同様の方法により、2−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの代わりに表2に示した化合物[V]を、(S)−1−(4−ジメチルアミノフェネチル)−3−メタンスルフォニルオキシピロリジンの代わりに表2に示した化合物[XI]を用いることにより、表2に示した化合物[III]を調製することが出来る。
〔実施例30〕
実施例24と同様の方法により、2−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの代わりに表3に示した化合物[V]を、3−ピロリジノフェネチルメシレートの代わりに表3に示した化合物[X]を用いることにより、表3に示した化合物[IV]を調製することが出来る。
<製剤例>
以下に製剤例を記載する。
〔製剤例1〕
下記混合物を常法に従って混合し、打錠することにより、1錠当り主薬50mgを含有する錠剤を得た。
実施例8の化合物 50mg
乳糖 200mg
結晶セルロース 40mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
〔製剤例2〕
下記混合物を常法に従って造粒し、顆粒剤とした。
実施例8の化合物 50mg
乳糖 90mg
トウモロコシ澱粉 60mg
タルク 30mg
ステアリン酸マグネシウム 10mg
<試験例>
次に本発明化合物の薬理試験について記載する。
〔試験例1〕In vitroカルシウムチャネル拮抗作用(血管)
Crj:CD雄性ラット(8週齢〜12週齢)の胸部大動脈を摘出し、らせん標本を作製した。この血管標本を混合ガス(酸素95%、二酸化炭素5%)を通気した37℃のタイロード液中に懸垂した。血管の張力変化は、トランスデューサーを介し、ペン書きレコーダー上に等尺性を記録した。高カリウム収縮は、栄養液をタイロード液からカリウム−タイロード液(94.6mMのNaCl、45.0mMのKCl、1.8mMのCaCl2、1.04mMのMgCl2、0.4mMのNaH2PO4、11.9mMのNaHCO3、5.55mMのグルコース)に置換することにより惹起させた。被験化合物の高カリウム収縮抑制作用は、30分前処置により評価した。カルシウムチャネル拮抗活性は収縮の50%抑制を示す被験化合物濃度(IC50値)として表4に示した。
〔試験例2〕In vitroカルシウムチャネル拮抗作用(回腸)
Crj:CD雄性ラット(8週齢〜12週齢)の回腸を回盲部より3cmの部分から摘出した。この回腸標本を混合ガス(酸素95%、二酸化炭素5%)を通気した37℃のタイロード液中に懸垂した。回腸の張力変化は、トランスデューサーを介し、ペン書きレコーダー上に等張性を記録した。高カリウム収縮は、栄養液をタイロード液からカリウム−タイロード液(95.6mMのNaCl、45.0mMのKCl、1.8mMのCaCl2、1.04mMのMgCl2、0.4mMのNaH2PO4、11.9mMのNaHCO3、5.55mMのグルコース)に置換することにより惹起させた。被験化合物の高カリウム収縮抑制作用は、30分前処置により評価した。カルシウムチャネル拮抗活性は収縮の50%抑制を示す被験化合物濃度(IC50値)として表1に示した。又、血管に対するIC50値と回腸に対するIC50値の比を選択性として表4に併せて示した。
表4に示した結果から明らかであるように、本発明化合物は、極めて強いカルシウムチャネル拮抗効果を有し、特に腸管選択性が高いカルシウムチャネル拮抗薬であることが確認された。国際特許第9912925A1号、国際特許第0040570A1号には同じ方法による種々の5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体のカルシウム拮抗作用が記載されているが、本発明化合物は腸管に対する拮抗作用ないし腸管選択性において、これらの化合物を上回ることが示された。
〔試験例3〕In vivoマウス 5−ハイドロキシトリプトファン(5−HTP)誘発排便モデルに対する作用
G.J.Sangerらの方法(British Journal of Pharmacology,130:706−712,2000)に準じて行なった。
SLC:ICR雄性マウス6週齢を、マウス用ステンレス製五連ケージに移し、1時間以上馴化させた後、被験化合物を経口投与した(n=10)。その30分後に5−HTPを10mg/5mL/kg(5−HTPを使用しない群は生理食塩液を5mL/kg)を皮下投与した。その直後から30分間に排出する糞の状態(0:正常便および糞なし、1:下痢あるいは軟便としてスコア化)を各個体ごとに観察した。媒体(5−HTP有)群から媒体(5−HTP無)群を差し引いたスコア値を100%とし、50%抑制を示す被験化合物用量(ID50値)として算出した。
実施例8のID50値は8.3mg/kgであった。
〔試験例4〕In vivoラット結腸拡張腹痛モデルにおける腹痛閾値上昇作用
斉藤ら(Anesth.Analg.1998;87:382−387)の方法に準じた。
Crj:CD雄性ラット(250−350g)を用い、被験化合物を経口投与した(n=8)。結腸拡張用バルーン(長さ:7cm)は、血圧測定用のトランスデューサーに接続した。一日絶食したラットを軽度エーテル麻酔下に、肛門から非侵襲的にバルーンの末端から1cmの位置まで挿入した。結腸拡張用バルーンの内圧が100mmHg(cut off値)に達するまで、水を0.9ml/minの速度で結腸拡張用バルーンに注入した。結腸を拡張している際、目視による腹筋収縮が認められた時点の結腸拡張用バルーン内圧をそれぞれ腹痛閾値とした。結腸拡張の間隔は5分以上の時間をおいた。
鎮痛効果は、以下の式より求めた。鎮痛効果(%)=(薬物処置後の腹痛閾値−薬物未処置時の腹痛閾値)/(100−薬物未処置時の腹痛閾値)X100。鎮痛効果は、50%抑制を示す被験化合物用量(ID50)として算出した。
実施例8のID50値は2.6mg/kgであり、実施例12のID50値は1.9mg/kgであった。
また、正常血圧ラットにおいて、本発明の被験化合物を経口投与しても、血圧、心拍数共に影響が少ないことが確認された。
以上の試験例から明らかなように、本発明化合物は、機能性消化管疾患、特に過敏性腸症候群のような腸疾患の治療剤・予防薬として優れた効果を発揮し得る。
Claims (37)
- 一般式〔I〕で表される5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩、それらの水和物又は溶媒和物。
〔式中、環G、J、Kはそれぞれベンゼン環または含窒素芳香環を表す。R1〜R8は同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子又は水素原子を表し、R9〜R13は同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アミノ基又は低級アルキルアミノ基及びそれらの低級アシル体、低級ジアルキルアミノ基、環状アルキルアミノ基を表すか、又はR9とR10、若しくはR10とR11は一緒になって−O(CH2)nO−基(nは1、2又は3)を表す。AはCH2、CHOH、CO、又はOのいずれか、BはCH2、CHOH又はCOのいずれか、又はA−BがCH=CHを表し、DはCH2、CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2のいずれか、或いはB−DがCH2を表す。XとZはお互いに結合してCH2−CH2又はCH2−CH2−CH2のいずれかを表し、そのときにYは水素原子を表す。或いは、YとZはお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2のいずれかを表し、そのときにXは水素原子を表す。XとZ、及びYとZがいずれもお互いに結合しないときXとYは水素原子を表し、Zは低級アルキル基を表す。
但し、R9〜R13のいずれかが式[E]で表される環状アミノ基である場合、R1〜R8はハロゲン原子又は水素原子のいずれでもよいが、R9〜R13のいずれもが式[E]で表される環状アミノ基でない場合には、R1〜R8のいずれか1つないし2つがハロゲン原子であり他は水素原子を表すものとする。
〔式中、n、mは1又は2を表し、Wは炭素原子、低級アルキル基で置換されていてもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。〕 - 環G、Jがいずれもベンゼン環である請求項1記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物。
- 環G、Jのいずれか一方がピリジン環であり、他方がベンゼン環である請求項1記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物。
- 環Kがベンゼン環である請求項1〜3のいずれか記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物。
- 環Kがピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環のいずれかである請求項1〜3のいずれか記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物。
- 環G、J及びKがいずれもベンゼン環である請求項1記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物。
- XとZがお互いに結合してCH2−CH2又はCH2−CH2−CH2を表し、Yが水素原子である請求項1〜6のいずれか記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物。
- YとZがお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2を表し、Xが水素原子である請求項1〜6のいずれか記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物。
- XとYが水素原子であり、Zが低級アルキル基である請求項1〜6記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物。
- R10、R11のうちいずれか一つ、或いは双方がメトキシ基であるか、或いはR10とR11が一緒になってメチレンジオキシ基を表し、R9及びR12、R13が水素原子である請求項1〜9のいずれか1項記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物。
- R11がメトキシ基であり、R9、R10及びR12、R13が水素原子である請求項1〜9のいずれか1項記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物。
- R10、R11のいずれか1つがアミノ基又は低級アルキルアミノ基及びそれらの低級アシル体、低級ジアルキルアミノ基、或いは環状アルキルアミノ基であり、他が水素原子である請求項1〜9のいずれか1項記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物。
- R10、R11のいずれか1つが式[E]で表される環状アミノ基であり、他が水素原子である請求項1〜9のいずれか1項記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物。
- R1〜R8のいずれもが水素原子である請求項13記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物。
- R1〜R8のいずれか1つがフッ素原子又は塩素原子であり、他が水素原子である請求項1〜13のいずれか1項記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物。
- R2、R3、R6、R7のいずれか1つがフッ素原子又は塩素原子であり、他が水素原子である請求項1〜13のいずれか1項記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物。
- A、B−Dの双方がCH2である請求項1〜16のいずれか1項記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物。
- Xの結合した炭素原子の絶対配置がR体である請求項7記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物。
- Xの結合した炭素原子の絶対配置がS体である請求項7記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物。
- Yの結合した炭素原子の絶対配置がR体である請求項8記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物。
- Yの結合した炭素原子の絶対配置がS体である請求項8記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物。
- 請求項1〜5及び7〜21のいずれか1項記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬組成物。
- 請求項6記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物を有効成分とする医薬組成物。
- 請求項1〜21のいずれか1項記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体、薬理学的に許容されるその塩又はそれらの水和物を有効成分とする機能性消化管疾患の治療用又は予防用医薬組成物。
- 機能性消化管疾患が、消化管運動機能疾患である請求項24記載の治療用又は予防用医薬組成物。
- 一般式〔XV〕で表される5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体及びその塩。
〔式中、環G、J、Kはそれぞれベンゼン環または含窒素芳香環を表す。R1〜R8は同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子又は水素原子を表し、R9〜R13は同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アミノ基又は低級アルキルアミノ基及びそれらの低級アシル体、低級ジアルキルアミノ基、環状アルキルアミノ基を表すか、又はR9とR10、若しくはR10とR11は一緒になって−O(CH2)nO−基(nは1、2又は3)を表す。L1はCH2、CHOH、Oのいずれか、L2はCH2、CHOH、CH2−CH2、CHOH−CH2、CH2−CH2−CH2、CHOH−CH2−CH2のいずれか、又はL1とL2でCH2、CHOH、CH=CHを表す。YとZはお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2を表すか、又はYとZはお互いに結合しないときYは水素原子を表し、Zは低級アルキル基を表す。
但しR9〜R13のいずれかが式〔E〕で表される環状アミノ基である場合、R1〜R8はハロゲン原子又は水素原子のいずれでもよいが、R9〜R13のいずれもが式〔E〕で表される環状アミノ基でない場合には、R1〜R8のいずれか1つないし2つがハロゲン原子であり他は水素原子を表すものとする。
〔式中、n、mは1又は2を表し、Wは炭素原子、低級アルキル基で置換されていてもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。〕 - 一般式〔XVI〕で表されるアミド誘導体、その立体異性体及びその塩。
〔式中、環G、J、Kはそれぞれベンゼン環または含窒素芳香環を表す。R1〜R8は同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子又は水素原子を表し、R9〜R13は同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アミノ基又は低級アルキルアミノ基及びそれらの低級アシル体、低級ジアルキルアミノ基、環状アルキルアミノ基を表すか、又はR9とR10、若しくはR10とR11は一緒になって−O(CH2)nO−基(nは1、2又は3)を表す。L1はCH2、CHOH、Oのいずれか、L2はCH2、CHOH、CH2−CH2、CHOH−CH2、CH2−CH2−CH2、CHOH−CH2−CH2のいずれか、又はL1とL2でCH2、CHOH、CH=CHを表す。YとZはお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2を表すか、又はYとZはお互いに結合しないときYは水素原子を表し、Zは低級アルキル基を表す。
但しR9〜R13のいずれかが式〔E〕で表される環状アミノ基である場合、R1〜R8はハロゲン原子又は水素原子のいずれでもよいが、R9〜R13のいずれもが式〔E〕で表される環状アミノ基でない場合には、R1〜R8のいずれか1つないし2つがハロゲン原子であり他は水素原子を表すものとする。
〔式中、n、mは1又は2を表し、Wは炭素原子、低級アルキル基で置換されていてもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。〕 - R1〜R8は同一でも異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子又は水素原子を表し、L1−L2がCH2、CH2−CH2のいずれかを表し、YとZはお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2を表す、請求項26記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体及びその塩。
- 環G,J,Kがいずれもベンゼン環である請求項28記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体及びその塩。
- R1〜R8は同一でも異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子又は水素原子を表し、L1−L2がCH2又はCH2−CH2を表し、YとZはお互いに結合してCH2−CH2−CH2又はCH2−CH2−CH2−CH2を表す、請求項27記載のアミド誘導体、その立体異性体及びその塩。
- 環G,J,Kがいずれもベンゼン環である請求項30記載のアミド誘導体、その立体異性体及びその塩。
- R9〜R13は同一でも異なっていてもよく、水素原子、アミノ基又は低級アルキルアミノ基及びそれらの低級アシル体、低級ジアルキルアミノ基、環状アルキルアミノ基を表す、請求項29記載の5,11−ジヒドロジアリール〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン誘導体、その立体異性体及びその塩。
- R9〜R13は同一でも異なっていてもよく、水素原子、アミノ基又は低級アルキルアミノ基及びそれらの低級アシル体、低級ジアルキルアミノ基、環状アルキルアミノ基を表す、請求項31記載のアミド誘導体、その立体異性体及びその塩。
- (R)−{〔2−(3−クロロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン−5−カルボニル)ピロリジン〕−1−イル}−2−(4−ジメチルアミノフェニル)エタノン、その立体異性体及びその塩。
- (R)−1−〔(4−ジメチルアミノフェニル)アセチル〕ピロリジン−2−カルボン酸〔2−(2−ブロモ−4−クロロベンジルオキシ)フェニル〕アミド、その立体異性体及びその塩。
- (R)−{〔2−(2−フルオロ−5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン−5−カルボニル)ピロリジン〕−1−イル}−2−(4−ピロリジノフェニル)エタノン、その立体異性体及びその塩。
- (R)−1−〔(4−ピロリジノフェニル)アセチル〕ピロリジン−2−カルボン酸〔2−(2−ブロモ−5−フルオロベンジルオキシ)フェニル〕アミド、その立体異性体及びその塩。
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