JP2000351778A - 新規オキサゼピン誘導体結晶 - Google Patents
新規オキサゼピン誘導体結晶Info
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- JP2000351778A JP2000351778A JP11162760A JP16276099A JP2000351778A JP 2000351778 A JP2000351778 A JP 2000351778A JP 11162760 A JP11162760 A JP 11162760A JP 16276099 A JP16276099 A JP 16276099A JP 2000351778 A JP2000351778 A JP 2000351778A
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- dihydro
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 光学活性な5,11−ジヒドロ−5−〔1−
(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチ
ル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの工業
的に有用な製造方法を確立する。 【解決手段】 光学活性な5,11−ジヒドロ−5−
〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニル
メチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン及
び光学活性な5,11−ジヒドロ−5−〔1−〔2−
(4−メトキシフェニル)エチル〕ピペリジン−3−イ
ル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの混合
物を溶剤に溶解後、硝酸を添加して析出する結晶を分離
する。
(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチ
ル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの工業
的に有用な製造方法を確立する。 【解決手段】 光学活性な5,11−ジヒドロ−5−
〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニル
メチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン及
び光学活性な5,11−ジヒドロ−5−〔1−〔2−
(4−メトキシフェニル)エチル〕ピペリジン−3−イ
ル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの混合
物を溶剤に溶解後、硝酸を添加して析出する結晶を分離
する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルシウムチャネ
ル拮抗作用を有し、消化管運動機能異常症、特に過敏性
腸症候群等の腸疾患の治療又は予防処置に有用な5,1
1−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピ
ン誘導体の製造方法、更に詳しくは5,11−ジヒドロ
−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリ
ジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼ
ピンの精製方法に関する。
ル拮抗作用を有し、消化管運動機能異常症、特に過敏性
腸症候群等の腸疾患の治療又は予防処置に有用な5,1
1−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピ
ン誘導体の製造方法、更に詳しくは5,11−ジヒドロ
−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリ
ジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼ
ピンの精製方法に関する。
【0003】
【従来の技術】下記式(1)で示される(R)−(+)
−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェ
ネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,
e〕〔1,4〕オキサゼピンはカルシウムチャネル拮抗
作用を有し、消化管運動機能異常症、特に過敏性腸症候
群等の腸疾患治療又は予防処置に有用であることが知ら
れている(WO97/33885)。
−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェ
ネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,
e〕〔1,4〕オキサゼピンはカルシウムチャネル拮抗
作用を有し、消化管運動機能異常症、特に過敏性腸症候
群等の腸疾患治療又は予防処置に有用であることが知ら
れている(WO97/33885)。
【0004】
【化1】
【0005】上記公報には(R)−(+)−5,11−
ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2
−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕
オキサゼピン(1)の合成方法として下記のルートが示
されているが、原料の5,11−ジヒドロジベンゾ
〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(2)に(S)−
(+)−3−クロロ−1−(4−メトキシフェネチル)
ピペリジン(3)を反応させた際に、目的とする式
(1)の化合物以外に、副生成物である(S)−5,1
1−ジヒドロ−5−〔1−〔2−(4−メトキシフェニ
ル)エチル〕ピペリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,
e〕〔1,4〕オキサゼピン(4)が大量に生成してし
まい、目的とする化合物を得るためにはカラムクロマト
グラフィー等の工業的に煩雑な精製方法を用いる必要が
あった。
ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2
−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕
オキサゼピン(1)の合成方法として下記のルートが示
されているが、原料の5,11−ジヒドロジベンゾ
〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(2)に(S)−
(+)−3−クロロ−1−(4−メトキシフェネチル)
ピペリジン(3)を反応させた際に、目的とする式
(1)の化合物以外に、副生成物である(S)−5,1
1−ジヒドロ−5−〔1−〔2−(4−メトキシフェニ
ル)エチル〕ピペリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,
e〕〔1,4〕オキサゼピン(4)が大量に生成してし
まい、目的とする化合物を得るためにはカラムクロマト
グラフィー等の工業的に煩雑な精製方法を用いる必要が
あった。
【0006】
【化2】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】5,11−ジヒドロ−
5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジ
ニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピ
ンの、工業的に有用な製造方法を確立することである。
5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジ
ニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピ
ンの、工業的に有用な製造方法を確立することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点を解決すべく鋭意検討を行った結果、5,11−ジヒ
ドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(2)
及び光学活性な3−クロロ−1−(4−メトキシフェネ
チル)ピペリジン、例えば(S)−(+)−3−クロロ
−1−(4−メトキシフェネチル)ピペリジン(3)の
反応液を有機溶剤で抽出濃縮して得られるオイル状の残
さに、溶剤を添加してこれを再溶解し、さらに硝酸を添
加することにより析出する結晶を濾過、乾燥することに
より目的とする、5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4
−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジ
ベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの硝酸塩が得
られることを見いだし本発明を完成するに至った。
点を解決すべく鋭意検討を行った結果、5,11−ジヒ
ドロジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(2)
及び光学活性な3−クロロ−1−(4−メトキシフェネ
チル)ピペリジン、例えば(S)−(+)−3−クロロ
−1−(4−メトキシフェネチル)ピペリジン(3)の
反応液を有機溶剤で抽出濃縮して得られるオイル状の残
さに、溶剤を添加してこれを再溶解し、さらに硝酸を添
加することにより析出する結晶を濾過、乾燥することに
より目的とする、5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4
−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジ
ベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの硝酸塩が得
られることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、5,11−ジヒドロ−
5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジ
ニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピ
ン硝酸塩、特に(R)−(+)−5,11−ジヒドロ−
5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジ
ニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピ
ン硝酸塩である。
5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジ
ニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピ
ン硝酸塩、特に(R)−(+)−5,11−ジヒドロ−
5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジ
ニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピ
ン硝酸塩である。
【0010】また、本発明は5,11−ジヒドロジベン
ゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(2)及び光学活
性な3−クロロ−1−(4−メトキシフェネチル)ピペ
リジンを反応させて得られる光学活性な5,11−ジヒ
ドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピ
ロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキ
サゼピンと5,11−ジヒドロ−5−〔1−〔2−(4
−メトキシフェニル)エチル〕ピペリジン−3−イル〕
ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの混合物に
溶剤を加え、硝酸を添加し、5,11−ジヒドロ−5−
〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニル
メチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン硝
酸塩を晶析し、分離する事を特徴とする5,11−ジヒ
ドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピ
ロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキ
サゼピンの精製方法。特に光学活性な3−クロロ−1−
(4−メトキシフェネチル)ピペリジンがS体であり、
反応で得られる光学活性な5,11−ジヒドロ−5−
〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニル
メチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン及
び光学活性な5,11−ジヒドロ−5−〔1−〔2−
(4−メトキシフェニル)エチル〕ピペリジン−3−イ
ル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが、
(R)−(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4
−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジ
ベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン及び(S)−
5,11−ジヒドロ−5−〔1−〔2−(4−メトキシ
フェニル)エチル〕ピペリジン−3−イル〕ジベンゾ
〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンであり、晶析する硝
酸塩が(R)−(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1
−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチ
ル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン硝酸塩
である精製方法である。
ゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(2)及び光学活
性な3−クロロ−1−(4−メトキシフェネチル)ピペ
リジンを反応させて得られる光学活性な5,11−ジヒ
ドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピ
ロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキ
サゼピンと5,11−ジヒドロ−5−〔1−〔2−(4
−メトキシフェニル)エチル〕ピペリジン−3−イル〕
ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの混合物に
溶剤を加え、硝酸を添加し、5,11−ジヒドロ−5−
〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニル
メチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン硝
酸塩を晶析し、分離する事を特徴とする5,11−ジヒ
ドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピ
ロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキ
サゼピンの精製方法。特に光学活性な3−クロロ−1−
(4−メトキシフェネチル)ピペリジンがS体であり、
反応で得られる光学活性な5,11−ジヒドロ−5−
〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニル
メチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン及
び光学活性な5,11−ジヒドロ−5−〔1−〔2−
(4−メトキシフェニル)エチル〕ピペリジン−3−イ
ル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが、
(R)−(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4
−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジ
ベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン及び(S)−
5,11−ジヒドロ−5−〔1−〔2−(4−メトキシ
フェニル)エチル〕ピペリジン−3−イル〕ジベンゾ
〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンであり、晶析する硝
酸塩が(R)−(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1
−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチ
ル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン硝酸塩
である精製方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に於ける、5,11−ジヒ
ドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピ
ロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキ
サゼピン、特に(R)−(+)−5,11−ジヒドロ−
5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジ
ニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピ
ン(1)と5,11−ジヒドロ−5−〔1−〔2−(4
−メトキシフェニル)エチル〕ピペリジン−3−イル〕
ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、特に
(S)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−〔2−(4−
メトキシフェニル)エチル〕ピペリジン−3−イル〕ジ
ベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(4)の混合
物は、WO97/33885に記載の方法で製造するこ
とができる。通常、目的とする化合物(1)と副生成物
である化合物(4)の比率は6:1〜8:1である。
ドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピ
ロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキ
サゼピン、特に(R)−(+)−5,11−ジヒドロ−
5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジ
ニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピ
ン(1)と5,11−ジヒドロ−5−〔1−〔2−(4
−メトキシフェニル)エチル〕ピペリジン−3−イル〕
ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン、特に
(S)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−〔2−(4−
メトキシフェニル)エチル〕ピペリジン−3−イル〕ジ
ベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(4)の混合
物は、WO97/33885に記載の方法で製造するこ
とができる。通常、目的とする化合物(1)と副生成物
である化合物(4)の比率は6:1〜8:1である。
【0012】目的とする硝酸塩を得るには、上記の方法
で得られた反応液に酢酸エチル、トルエン、ジクロロメ
タン、酢酸イソプロピル等の抽出溶剤を加え、水、飽和
食塩水等で洗浄後、必要に応じて無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、濃縮する事により光学活性な5,11−ジヒド
ロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロ
リジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサ
ゼピン及び光学活性な5,11−ジヒドロ−5−〔1−
〔2−(4−メトキシフェニル)エチル〕ピペリジン−
3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
の混合物をオイル状の残さとして得ることができる。こ
の混合物から目的とする光学活性な5,11−ジヒドロ
−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリ
ジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼ
ピンを単独で晶析分離することが不可能であるので、次
の操作により精製を行う。すなわち、上記で得られたオ
イル状の残さに、メタノール、エタノール、2‐プロパ
ノール、アセトニトリル、アセトン等の溶媒を添加しオ
イル状残さを溶解させる。溶解時の濃度は温度にもよる
が20〜25℃で行う場合0.1〜30wt%、好まし
くは1〜10wt%、特に好ましくは3〜5wt%が良
い。この溶液に硝酸を加えることにより目的とする硝酸
塩を析出させるが、硝酸を加える温度は、用いる溶剤の
沸点にもよるが20〜60℃、好ましくは30〜50℃
でおこなうと良い。また、加える硝酸の濃度は0.25
〜1規定、好ましくは0.4〜0.6規定である。硝酸
を加えた後、室温(20〜25℃)で6時間から24時
間放置することにより、目的とする結晶を得ることがで
きる。この場合、撹拌等を行ってもなんら差し支えな
い。析出した結晶は、通常の分離方法、例えば濾過や振
り切り等で行うことにより目的の結晶を単離する事がで
きる。通常、晶析に用いた溶剤と水の混合溶剤で洗浄す
ることにより、目的の化合物の純度を上げることができ
る。さらに、この結晶を乾燥する事により、目的の硝酸
塩を得ることができる。
で得られた反応液に酢酸エチル、トルエン、ジクロロメ
タン、酢酸イソプロピル等の抽出溶剤を加え、水、飽和
食塩水等で洗浄後、必要に応じて無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、濃縮する事により光学活性な5,11−ジヒド
ロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロ
リジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサ
ゼピン及び光学活性な5,11−ジヒドロ−5−〔1−
〔2−(4−メトキシフェニル)エチル〕ピペリジン−
3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
の混合物をオイル状の残さとして得ることができる。こ
の混合物から目的とする光学活性な5,11−ジヒドロ
−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリ
ジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼ
ピンを単独で晶析分離することが不可能であるので、次
の操作により精製を行う。すなわち、上記で得られたオ
イル状の残さに、メタノール、エタノール、2‐プロパ
ノール、アセトニトリル、アセトン等の溶媒を添加しオ
イル状残さを溶解させる。溶解時の濃度は温度にもよる
が20〜25℃で行う場合0.1〜30wt%、好まし
くは1〜10wt%、特に好ましくは3〜5wt%が良
い。この溶液に硝酸を加えることにより目的とする硝酸
塩を析出させるが、硝酸を加える温度は、用いる溶剤の
沸点にもよるが20〜60℃、好ましくは30〜50℃
でおこなうと良い。また、加える硝酸の濃度は0.25
〜1規定、好ましくは0.4〜0.6規定である。硝酸
を加えた後、室温(20〜25℃)で6時間から24時
間放置することにより、目的とする結晶を得ることがで
きる。この場合、撹拌等を行ってもなんら差し支えな
い。析出した結晶は、通常の分離方法、例えば濾過や振
り切り等で行うことにより目的の結晶を単離する事がで
きる。通常、晶析に用いた溶剤と水の混合溶剤で洗浄す
ることにより、目的の化合物の純度を上げることができ
る。さらに、この結晶を乾燥する事により、目的の硝酸
塩を得ることができる。
【0013】得られた硝酸塩は、酢酸エチル等の抽出溶
剤に懸濁し、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液で
中和、分層後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、必要に応
じて濃縮し、これに塩化水素/酢酸エチル溶液等を滴下する
ことにより、実際に用いる5,11−ジヒドロ−5−
〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニル
メチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン塩
酸塩を得ることができる。
剤に懸濁し、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液で
中和、分層後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、必要に応
じて濃縮し、これに塩化水素/酢酸エチル溶液等を滴下する
ことにより、実際に用いる5,11−ジヒドロ−5−
〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニル
メチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン塩
酸塩を得ることができる。
【0014】なお、上記のように本発明の研究者らはま
ず始めに、目的とする(R)−(+)−5,11−ジヒ
ドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピ
ロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキ
サゼピン(1)の結晶化を各種溶媒を用いて試みたが、
いずれの溶媒でも結晶を析出することはできなかった。
ず始めに、目的とする(R)−(+)−5,11−ジヒ
ドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピ
ロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキ
サゼピン(1)の結晶化を各種溶媒を用いて試みたが、
いずれの溶媒でも結晶を析出することはできなかった。
【0015】また、硝酸以外の酸、例えば酢酸、ギ酸、
DL−酒石酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジ
ピン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、
カンファースルホン酸、硫酸についての塩の生成を試み
たが、いずれも目的とする塩を取得するができなかっ
た。
DL−酒石酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジ
ピン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、
カンファースルホン酸、硫酸についての塩の生成を試み
たが、いずれも目的とする塩を取得するができなかっ
た。
【0016】
【0017】次に、分析に用いた液体クロマトグラフィ
ーの条件を記す。 カラム YMC−Pack ODS−AM AM−302 4.6mmI.D.x 150mm 溶媒 25mMリン酸二水素ナトリウム(リン酸でpH 5.6に調整 ) :アセトニトリル = 55:45 流速 1mL/min 検出法 UV254nm カラム温度 25℃ 注入量 10μL
ーの条件を記す。 カラム YMC−Pack ODS−AM AM−302 4.6mmI.D.x 150mm 溶媒 25mMリン酸二水素ナトリウム(リン酸でpH 5.6に調整 ) :アセトニトリル = 55:45 流速 1mL/min 検出法 UV254nm カラム温度 25℃ 注入量 10μL
【0018】[実施例1](R)−(+)−5,11−
ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2
−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕
オキサゼピン硝酸塩の調製 (R)−(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4
−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジ
ベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンと(S)−
5,11−ジヒドロ−5−〔1−〔2−(4−メトキシ
フェニル)エチル〕ピペリジン−3−イル〕ジベンゾ
〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの混合物の調製 60%水素化ナトリウム(4.51g、113mmo
l)を石油エーテルで洗浄した後、ジメチルスルホキシ
ド(250mL)に懸濁し、5,11−ジヒドロジベン
ゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(20.3g、1
03mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温で40分間
撹拌した。この溶液に(S)−(+)−3−クロロ−1
−(4−メトキシフェネチル)ピペリジン(〔α〕D25
10.1°(C 1.2、エタノール))(26.0
g、103mmol)のジメチルスルホキシド(50m
L)溶液を滴下して50℃で5時間攪拌した。反応液を
氷水中に注入し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、
飽和食塩水で順次洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧留去し
て、油状物(36.2g)を得た。得られた油状物をシ
リカゲルクロマトグラフィーに付し、ヘキサンと酢酸エ
チルの混合溶媒(4:1〜2:1)で溶出する事によ
り、(R)−(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−
(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチ
ル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンと
(S)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキ
シフェネチル)ピペリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,
e〕〔1,4〕オキサゼピンをそれぞれ単離した。
ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2
−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕
オキサゼピン硝酸塩の調製 (R)−(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4
−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジ
ベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンと(S)−
5,11−ジヒドロ−5−〔1−〔2−(4−メトキシ
フェニル)エチル〕ピペリジン−3−イル〕ジベンゾ
〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの混合物の調製 60%水素化ナトリウム(4.51g、113mmo
l)を石油エーテルで洗浄した後、ジメチルスルホキシ
ド(250mL)に懸濁し、5,11−ジヒドロジベン
ゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(20.3g、1
03mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温で40分間
撹拌した。この溶液に(S)−(+)−3−クロロ−1
−(4−メトキシフェネチル)ピペリジン(〔α〕D25
10.1°(C 1.2、エタノール))(26.0
g、103mmol)のジメチルスルホキシド(50m
L)溶液を滴下して50℃で5時間攪拌した。反応液を
氷水中に注入し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、
飽和食塩水で順次洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧留去し
て、油状物(36.2g)を得た。得られた油状物をシ
リカゲルクロマトグラフィーに付し、ヘキサンと酢酸エ
チルの混合溶媒(4:1〜2:1)で溶出する事によ
り、(R)−(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−
(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチ
ル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンと
(S)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキ
シフェネチル)ピペリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,
e〕〔1,4〕オキサゼピンをそれぞれ単離した。
【0019】分析値 (R)−(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4
−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジ
ベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン スペクトルはWO97/33885に記載されている標
品のそれに一致した。(S)−5,11−ジヒドロ−5
−〔1−〔2−(4−メトキシフェニル)エチル〕ピペ
リジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキ
サゼピン(ピペリジン型副生成物) 1H NMR (CDCl3) :δ 1.25(m,1H), 1.56-1.77(m,2H),
1.97(dt,J=3.3,11.0Hz,1H),2.07(m,1H), 2.17(m,1H),
2.48-2.60(m,2H), 2.61-2.72(m,2H), 2.86(m,1H),3.35
(m,1H), 3.78(s,3H), 3.97(m,1H), 5.30(br,2H), 6.75-
6.89(m,5H), 7.05-7.12(m,4H), 7.15(m,1H), 7.25-7.31
(m,2H). 13C NMR (CDCl3) :δ 24.3, 30.5, 32.6, 53.5, 55.2,
57.6, 59.6, 60.8, 70.3, 113.8, 119.6, 120.9, 124.
1, 124.5, 124.9, 125.3, 128.7, 128.8, 129.5, 132.
4, 133.2, 135.6, 148.4, 151.1, 157.9. ESI MASS m/z :(MH+) 415.
−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジ
ベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン スペクトルはWO97/33885に記載されている標
品のそれに一致した。(S)−5,11−ジヒドロ−5
−〔1−〔2−(4−メトキシフェニル)エチル〕ピペ
リジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキ
サゼピン(ピペリジン型副生成物) 1H NMR (CDCl3) :δ 1.25(m,1H), 1.56-1.77(m,2H),
1.97(dt,J=3.3,11.0Hz,1H),2.07(m,1H), 2.17(m,1H),
2.48-2.60(m,2H), 2.61-2.72(m,2H), 2.86(m,1H),3.35
(m,1H), 3.78(s,3H), 3.97(m,1H), 5.30(br,2H), 6.75-
6.89(m,5H), 7.05-7.12(m,4H), 7.15(m,1H), 7.25-7.31
(m,2H). 13C NMR (CDCl3) :δ 24.3, 30.5, 32.6, 53.5, 55.2,
57.6, 59.6, 60.8, 70.3, 113.8, 119.6, 120.9, 124.
1, 124.5, 124.9, 125.3, 128.7, 128.8, 129.5, 132.
4, 133.2, 135.6, 148.4, 151.1, 157.9. ESI MASS m/z :(MH+) 415.
【0020】なお、上記で得た油状物のHPLC分析に
おける(R)−(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1
−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチ
ル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(2
6.1g、63.0mmol)と(S)−5,11−ジ
ヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)ピペリ
ジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサ
ゼピンのエリア比率は、7.3:1であった。
おける(R)−(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1
−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチ
ル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(2
6.1g、63.0mmol)と(S)−5,11−ジ
ヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)ピペリ
ジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサ
ゼピンのエリア比率は、7.3:1であった。
【0021】混合物からの(R)−(+)−5,11−
ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2
−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕
オキサゼピン硝酸塩の調製 (R)−(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4
−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジ
ベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(26.1
g、63.0mmol)を含む油状物(36.2g)を
エタノール(720mL)に溶解し、0.5M硝酸(7
20mL、360mmol)を加えて室温で終夜で撹拌
した。析出した結晶を濾過して(R)−(+)−5,1
1−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)
−2−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,
4〕オキサゼピン硝酸塩(22g、43.7%)を得
た。
ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2
−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕
オキサゼピン硝酸塩の調製 (R)−(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4
−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジ
ベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン(26.1
g、63.0mmol)を含む油状物(36.2g)を
エタノール(720mL)に溶解し、0.5M硝酸(7
20mL、360mmol)を加えて室温で終夜で撹拌
した。析出した結晶を濾過して(R)−(+)−5,1
1−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)
−2−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,
4〕オキサゼピン硝酸塩(22g、43.7%)を得
た。
【0022】分析値 (R)−(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4
−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジ
ベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン硝酸塩 1H NMR (CDCl3):δ 1.92-2.28(m,4H), 2.85-3.15(m,4
H), 3.48-3.61(m,2H), 3.79(s,3H), 3.91(m,1H), 4.05
(dd,J=13.9,8.2Hz,1H), 4.52(dd,J=13.9,5.4Hz,1H), 5.
16(d,J=12.4Hz,1H), 5.30(d,J=12.4Hz,1H),6.80-6.90
(m,5H), 6.98(m,1H),7.04-7.13(m,4H), 7.23-7.36(m,2
H), 11.6(brs,1H). 13C NMR (CDCl3):δ 22.2, 28.8, 31.0, 50.3, 54.9,
55.3, 57.2, 65.8, 70.1, 114.4, 119.4, 119.5, 120.
3, 121.8, 124.0, 124.3, 127.6, 128.9, 129.7, 129.
8, 130.7, 135.0, 149.3, 150.0, 158.8.
−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジ
ベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン硝酸塩 1H NMR (CDCl3):δ 1.92-2.28(m,4H), 2.85-3.15(m,4
H), 3.48-3.61(m,2H), 3.79(s,3H), 3.91(m,1H), 4.05
(dd,J=13.9,8.2Hz,1H), 4.52(dd,J=13.9,5.4Hz,1H), 5.
16(d,J=12.4Hz,1H), 5.30(d,J=12.4Hz,1H),6.80-6.90
(m,5H), 6.98(m,1H),7.04-7.13(m,4H), 7.23-7.36(m,2
H), 11.6(brs,1H). 13C NMR (CDCl3):δ 22.2, 28.8, 31.0, 50.3, 54.9,
55.3, 57.2, 65.8, 70.1, 114.4, 119.4, 119.5, 120.
3, 121.8, 124.0, 124.3, 127.6, 128.9, 129.7, 129.
8, 130.7, 135.0, 149.3, 150.0, 158.8.
【0023】HPLC分析を行ったところ(R)−
(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキ
シフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ
〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンと(S)−5,11
−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)ピ
ペリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オ
キサゼピンのエリア比率は、エリア比率は、49.7:
1であった。
(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキ
シフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ
〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンと(S)−5,11
−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)ピ
ペリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オ
キサゼピンのエリア比率は、エリア比率は、49.7:
1であった。
【0024】[参考例1](R)−(+)−5,11−
ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2
−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕
オキサゼピン硝酸塩からの(R)−(+)−5,11−
ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2
−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕
オキサゼピン塩酸塩の調製 (R)−(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4
−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジ
ベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン硝酸塩(22
g、44.7mmol)を酢酸エチル(1000mL)
に懸濁し、0.2M 水酸化ナトリウム水溶液(500
mL、100mmol)を加えて室温で1時間撹拌し
た。分層後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、(R)−
(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキ
シフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ
〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの濃度が4.5wt
%になるように有機層を減圧濃縮した。この溶液に4M
塩化水素/酢酸エチル溶液(23mL、92mmo
l)を滴下して、(R)−(+)−5,11−ジヒドロ
−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリ
ジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼ
ピン塩酸塩(17.8g、83%)を白色結晶として得
た。得られた結晶の各種分析を行ったところ、そのスペ
クトルはWO97/33885記載のそれと一致した。
ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2
−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕
オキサゼピン硝酸塩からの(R)−(+)−5,11−
ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2
−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕
オキサゼピン塩酸塩の調製 (R)−(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4
−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジ
ベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン硝酸塩(22
g、44.7mmol)を酢酸エチル(1000mL)
に懸濁し、0.2M 水酸化ナトリウム水溶液(500
mL、100mmol)を加えて室温で1時間撹拌し
た。分層後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、(R)−
(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキ
シフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ
〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの濃度が4.5wt
%になるように有機層を減圧濃縮した。この溶液に4M
塩化水素/酢酸エチル溶液(23mL、92mmo
l)を滴下して、(R)−(+)−5,11−ジヒドロ
−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリ
ジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼ
ピン塩酸塩(17.8g、83%)を白色結晶として得
た。得られた結晶の各種分析を行ったところ、そのスペ
クトルはWO97/33885記載のそれと一致した。
【0025】[参考例2](R)−(+)−5,11−
ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2
−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕
オキサゼピン塩酸塩からの(R)−(+)−5,11−
ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2
−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕
オキサゼピン硝酸塩の調製 (R)−(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4
−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジ
ベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン塩酸塩(1.
41g、3.13mmol)をエタノール(23mL)
に溶解し、0.14M 硝酸(47mL、6.5mmo
l)を滴下して室温で終夜で撹拌した。析出した結晶を
濾過して(R)−(+)−5,11−ジヒドロ−5−
〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニル
メチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン硝
酸塩(1.58g、86.4%)を得た。
ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2
−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕
オキサゼピン塩酸塩からの(R)−(+)−5,11−
ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2
−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕
オキサゼピン硝酸塩の調製 (R)−(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4
−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジ
ベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン塩酸塩(1.
41g、3.13mmol)をエタノール(23mL)
に溶解し、0.14M 硝酸(47mL、6.5mmo
l)を滴下して室温で終夜で撹拌した。析出した結晶を
濾過して(R)−(+)−5,11−ジヒドロ−5−
〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニル
メチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン硝
酸塩(1.58g、86.4%)を得た。
【0026】
【発明の効果】5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕
〔1,4〕オキサゼピンに光学活性な3−クロロ−1−
(4−メトキシフェネチル)ピペリジンを反応させて得
られる、目的とする光学活性な5,11−ジヒドロ−5
−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニ
ルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
及び副生成物である光学活性な5,11−ジヒドロ−5
−〔1−〔2−(4−メトキシフェニル)エチル〕ピペ
リジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキ
サゼピンの混合物から、目的とする光学活性な5,11
−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−
2−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,
4〕オキサゼピンをカラムクロマトグラフィー等の工業
的に煩雑な精製方法を用いることなく容易に単離する事
が可能となった。
〔1,4〕オキサゼピンに光学活性な3−クロロ−1−
(4−メトキシフェネチル)ピペリジンを反応させて得
られる、目的とする光学活性な5,11−ジヒドロ−5
−〔1−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニ
ルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン
及び副生成物である光学活性な5,11−ジヒドロ−5
−〔1−〔2−(4−メトキシフェニル)エチル〕ピペ
リジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキ
サゼピンの混合物から、目的とする光学活性な5,11
−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネチル)−
2−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,
4〕オキサゼピンをカラムクロマトグラフィー等の工業
的に煩雑な精製方法を用いることなく容易に単離する事
が可能となった。
Claims (4)
- 【請求項1】 5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−
メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジベ
ンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン硝酸塩。 - 【請求項2】 ピロリジンの2位がR体である請求項1
記載のオキサゼピン硝酸塩。 - 【請求項3】 5,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕
〔1,4〕オキサゼピン及び光学活性な3−クロロ−1
−(4−メトキシフェネチル)ピペリジンを反応させて
得られる光学活性な5,11−ジヒドロ−5−〔1−
(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチ
ル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンと5,
11−ジヒドロ−5−〔1−〔2−(4−メトキシフェ
ニル)エチル〕ピペリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,
e〕〔1,4〕オキサゼピンの混合物に溶剤を加え、硝
酸を添加し、5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−メ
トキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジベン
ゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン硝酸塩を晶析し、
分離する事を特徴とする5,11−ジヒドロ−5−〔1
−(4−メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチ
ル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンの精製
方法。 - 【請求項4】 光学活性な3−クロロ−1−(4−メト
キシフェネチル)ピペリジンがS体であり、反応で得ら
れる光学活性な5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−
メトキシフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジベ
ンゾ〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン及び光学活性な
5,11−ジヒドロ−5−〔1−〔2−(4−メトキシ
フェニル)エチル〕ピペリジン−3−イル〕ジベンゾ
〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピンが(R)−(+)−
5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキシフェネ
チル)−2−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ〔b,e〕
〔1,4〕オキサゼピン及び(S)−5,11−ジヒド
ロ−5−〔1−〔2−(4−メトキシフェニル)エチ
ル〕ピペリジン−3−イル〕ジベンゾ〔b,e〕〔1,
4〕オキサゼピンであり、晶析する硝酸塩が、(R)−
(+)−5,11−ジヒドロ−5−〔1−(4−メトキ
シフェネチル)−2−ピロリジニルメチル〕ジベンゾ
〔b,e〕〔1,4〕オキサゼピン硝酸塩である請求項
3記載の精製方法。 【0001】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11162760A JP2000351778A (ja) | 1999-06-09 | 1999-06-09 | 新規オキサゼピン誘導体結晶 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11162760A JP2000351778A (ja) | 1999-06-09 | 1999-06-09 | 新規オキサゼピン誘導体結晶 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000351778A true JP2000351778A (ja) | 2000-12-19 |
Family
ID=15760717
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11162760A Pending JP2000351778A (ja) | 1999-06-09 | 1999-06-09 | 新規オキサゼピン誘導体結晶 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000351778A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1403258A1 (en) * | 2001-05-30 | 2004-03-31 | Ajinomoto Co., Inc. | Dihydrodiaryloxazepine derivative and medicinal composition containing the derivative |
-
1999
- 1999-06-09 JP JP11162760A patent/JP2000351778A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1403258A1 (en) * | 2001-05-30 | 2004-03-31 | Ajinomoto Co., Inc. | Dihydrodiaryloxazepine derivative and medicinal composition containing the derivative |
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