JP3528533B2 - 光学活性n−(アルキルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸、その製造方法およびそれを用いる光学活性アゼチジンカルボン酸の製造方法 - Google Patents

光学活性n−(アルキルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸、その製造方法およびそれを用いる光学活性アゼチジンカルボン酸の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学活性N−(アル
キルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸またはその
ジアステレオマー混合物、その製造方法およびそれを用
いる光学活性アゼチジンカルボン酸の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光学活性アゼチジンカルボン酸は、医薬
などの中間体として有用な化合物である。従来より、ア
ゼチジンカルボン酸の製造方法として二置換酪酸ベンジ
ルエステルおよびベンズヒドリルアミンをアセトニトリ
ル中で反応させてN−(ベンズヒドリル)アゼチジン−
2−カルボン酸ベンジルを得、次いでこれを水添反応さ
せる方法が知られており〔Journal of Heterocyclic
Chemistry, 6,435(1969)〕、かくして得られるアゼチ
ジンカルボン酸を塩化ベンジルオキシカルボニルと反応
させてN−(ベンジルオキシカルボニル)アゼチジンカ
ルボン酸に変換したのち、これを光学活性チロシンヒド
ラジドを用いて光学分割し、次いで水添することによっ
て、光学活性アゼチジンカルボン酸を製造する方法も知
られている〔Journal of Heterocyclic Chemistry,
6,993(1969)〕。しかしながら、かかる光学活性アゼチ
ジンカルボン酸の製造方法は、光学分割剤として高価で
工業的規模での入手が困難な光学活性チロシンヒドラジ
ドを用いる必要があるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
比較的安価で工業的にも容易に入手できる試剤を用いて
二置換酪酸エステルから容易に製造し得、しかも光学活
性アゼチジンカルボン酸に容易に導くことのできる化合
物を開発するべく鋭意検討した結果、二置換酪酸エステ
ルと光学活性アルキルベンジルアミンとを原料として容
易に製造でき、しかも水添反応によって容易に光学活性
アゼチジンカルボン酸に誘導し得る新規な化合物を見い
出し、本発明に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、一般
式(1) (式中、a、bは不斉炭素原子を示し、R1は炭素数1
から6のアルキル基を表わし、Aはベンゼン環上の置換
基であってハロゲン原子、水酸基、炭素数1から6のア
ルキル基または炭素数1から6のアルコキシ基を表わ
し、nは0から5までの整数であって置換基Aの個数を
表わす。ただしnが2以上の場合、各置換基Aは互いに
同じであっても異なっていてもよい。)で示される光学
活性N−(アルキルベンジル)アゼチジン−2−カルボ
ン酸またはそのジアステレオマー対を提供するものであ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】一般式(1)において、置換基R
1で示されるアルキル基としてはメチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ターシャリー
ブチル基などが例示できる。
【0006】ベンゼン環状の置換基Aとして示されるア
ルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、ターシャリーブチル基など
が、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ
素原子、フッ素原子などが、アルコキシ基としては、メ
トキシ基、エトキシ基などがそれぞれ例示される。また
置換基Aの数は0から5のいずれであってもよく、ベン
ゼン環状に2以上の置換基を有する場合、各置換基は互
いに同じであっても異なっていてもよい。
【0007】かかる一般式(1)で示される光学活性な
N−(アルキルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸
の例としては、N−(1−メチルベンジル)アゼチジン
−2−カルボン酸、 N−(1−フェニルプロピル)ア
ゼチジン−2−カルボン酸、N−(1−(p−トリル)
エチル)アゼチジン−2−カルボン酸、N−(1−(p
−クロロフェニル)エチル)アゼチジン−2−カルボン
酸、N−(1−(2、4−ジクロロフェニル)エチル)
アゼチジン−2−カルボン酸、N−(1−(p−メトキ
シフェニル)エチル)アゼチジン−2−カルボン酸など
の光学活性体があげられ、その典型的な例は、N−
〔(S)−メチルベンジル〕アゼチジン−2−(S)−
カルボン酸、N−〔(S)−メチルベンジル〕アゼチジ
ン−2−(R)−カルボン酸、N−〔(R)−メチルベ
ンジル〕アゼチジン−2−(R)−カルボン酸、N−
〔(R)−メチルベンジル〕アゼチジン−2−(S)−
カルボン酸である。また、かかる光学活性N−(アルキ
ルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸のジアステレ
オマー対とは、互いにジアステレオマーの関係にある2
つの光学活性N−アルキルベンジルアゼチジン−2−カ
ルボン酸の混合物であって、例えばN−〔(S)−メチ
ルベンジル〕アゼチジン−2−(S)−カルボン酸とN
−〔(S)−メチルベンジル〕アゼチジン−2−(R)
−カルボン酸、N−〔(R)−メチルベンジル〕アゼチ
ジン−2−(R)−カルボン酸とN−〔(R)−メチル
ベンジル〕アゼチジン−2−(S)−カルボン酸等の混
合物が例示できるが、一般式(1)においてaで示され
る不斉炭素原子の立体配置が同じであるジアステレオマ
ー対が好ましい。また、互いにジアステレオマーの関係
にある2つの光学活性N−アルキルベンジルアゼチジン
−2−カルボン酸の混合比は特に制限はない。さらにこ
れらの光学活性N−(メチルベンジル)アゼチジン−2
−カルボン酸またはそのジアステレオマー対は、その塩
酸塩、リン酸塩などの酸との塩、そのナトリウム塩、カ
リウム塩、アンモニウム塩などの塩基との塩であっても
よい。
【0008】光学活性N−(アルキルベンジル)アゼチ
ジン−2−カルボン酸またはそのジアステレオマー対
は、一般式(2)(式中、Rはアリール基またはアリー
ル基で置換されていてもよい飽和炭化水素基を示し、
a、bはそれぞれ前記と同じ意味を示す。)で示される
光学活性N−(メチルベンジル)アゼチジン−2−カル
ボン酸エステルまたそのはジアステレオマー対を、酸ま
たは塩基の存在下に加水分解することによって製造する
ことができる。
【0009】一般式(2)においてR2で示されるアリ
ール基としてはフェニル基などが、飽和炭化水素基とし
てはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、オクチル基等の炭素数1から10のアル
キル基、イソメンチル基、メンチル基、ボルニル基、イ
ソボルニル基などの炭素数2から10の脂環式炭化水素
基が例示される。ここで該アルキル基はフェニル基、ト
リル基などのアリール基で置換されていてもよい。
【0010】かかる光学活性N−(アルキルベンジル)
アゼチジン−2−カルボン酸エステルの具体例として
は、上述した一般式(1)で示される光学活性N−(ア
ルキルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸のメチ
ル、エチル、ブチル、オクチル、プロピル、イソプロピ
ル、ベンジル、メチルベンジル、フェネチル、フェニ
ル、メンチル、ボルニル、イソボルニル等のエステルな
どが挙げられる。また、これらの光学活性N−(メチル
ベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸エステルとして
は、その塩酸塩、リン酸塩などの酸との塩であってもよ
い。
【0011】加水分解に用いられる酸としては、例えば
塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、メタンスルホン酸、
パラトルエンスルホン酸、酢酸、オクチル酸、安息香
酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸などが挙げられる。
また、加水分解に用いられる塩基としては、例えば水酸
化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの
アルカリ金属の水酸化物、水酸化バリウム、水酸化カル
シウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩、炭酸
水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属
の炭酸水素塩、ナトリウムメトキシド、カリウムターシ
ャリーブトキシドなどのアルコキシドなどが挙げられ
る。かかる酸または塩基の使用量は光学活性N−(アル
キルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸エステルま
たはそのジアステレオマー対に対して通常0.1〜20
モル倍、好ましくは0.1〜5モル倍の範囲であり、ま
た、水の使用量は通常1〜100重量倍の範囲である。
【0012】加水分解反応に際しては有機溶媒が存在し
ていてもよい。かかる有機溶媒は反応を阻害しないもの
であれば特に限定されるものではなく、例えばメタノー
ル、エタノール、2−プロパノールなどのアルコール系
溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、トルエ
ン、ベンゼン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭
化水素系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロ
ロホルム、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンな
どのハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、タ
ーシャリーブチルメチルエーテルなどのエーテル系溶
媒、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒、ニ
トロベンゼン、ニトロメタンなどのニトロ系溶媒、ジメ
チルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒などが挙げ
られる。
【0013】反応は、例えば水中で光学活性N−(メチ
ルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸エステルと、
酸または塩基とを混合することによって行われる。反応
温度は通常−50〜200℃、好ましくは−20〜15
0℃の範囲である。
【0014】反応後の反応混合物から通常の方法、例え
ば溶媒を留去する方法などによって光学活性N−(アル
キルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸を得ること
ができる。場合によっては、光学活性N−(アルキルベ
ンジル)アゼチジン−2−カルボン酸が先の反応におい
て用いた酸または塩基との塩として得られるが、かかる
酸または塩基が中和によって難溶性の塩を形成し得る場
合には、中和により形成させた該難溶性塩を濾別する方
法によって予め酸または塩基を除去したのちに溶媒留去
することによって、該光学活性N−(アルキルベンジ
ル)アゼチジン−2−カルボン酸を遊離酸として得るこ
ともできる。
【0015】かくして得られる一般式(1)で示される
光学活性N−(アルキルベンジル)アゼチジン−2−カ
ルボン酸においてa、bで示される2つの不斉炭素原子
の立体配置はいずれも用いた光学活性N−(メチルベン
ジル)アゼチジン−2−カルボン酸エステルにおけると
同じである。また、通常、光学活性N−(アルキルベン
ジル)アゼチジン−2−カルボン酸エステルを加水分解
した場合は光学活性N−(アルキルベンジル)アゼチジ
ン−2−カルボン酸が得られ、一方、光学活性N−(ア
ルキルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸エステル
のジアステレマー対を加水分解した場合は相当する光学
活性N−(アルキルベンジル)アゼチジン−2−カルボ
ン酸のジアステレオマー対が得られる。
【0016】上記の反応における原料化合物の一つであ
る光学活性N−(アルキルベンジル)アゼチジン−2−
カルボン酸エステルのジアステレオマー対は、通常、一
般式(3) (式中、Y1およびY2は同一であっても異なっていても
よい脱離基を表わし、R 2は前記と同じ意味を示す。)
で示される二置換酪酸エステルと一般式(4) (式中、a、R1、Aおよびnは前記と同じ意味を示
す。)で示される光学活性アルキルベンジルアミンを反
応させて得ることができる。
【0017】一般式(3)で示される二置換酪酸エステ
ルにおいて置換基Y1、Y2で示される脱離基としては塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子やメ
シル基、トシル基、ベンゼンスルホニルオキシ基、ニト
ロベンゼンスルホニルオキシ基などが例示される。
【0018】かかる二置換酪酸エステルとしては、例え
ば2,4−ジクロロ酪酸メチル、2,4−ジクロロ酪酸
エチル、2,4−ジクロロ酪酸ブチル、2,4−ジクロ
ロ酪酸オクチル、2,4−ジクロロ酪酸イソプロピル、
2,4−ジクロロ酪酸ベンジル、2,4−ジクロロ酪酸
メチルベンジル、2,4−ジクロロ酪酸フェネチル、
2,4−ジクロロ酪酸フェニル、2,4−ジクロロ酪酸
メンチル、2,4−ジクロロ酪酸ボルニル、2,4−ジ
クロロ酪酸イソボルニル、2,4−ジブロモ酪酸メチ
ル、2,4−ジブロモ酪酸エチル、2,4−ジブロモ酪
酸ブチル、2,4−ジブロモ酪酸オクチル、2,4−ジ
ブロモ酪酸イソプロピル、2,4−ジブロモ酪酸ベンジ
ル、2,4−ジブロモ酪酸メチルベンジル、2,4−ジ
ブロモ酪酸フェネチル、2,4−ジブロモ酪酸フェニ
ル、2,4−ジブロモ酪酸メンチル、2,4−ジブロモ
酪酸ボルニル、2,4−ジブロモ酪酸イソボルニル、
2,4−ジヨウド酪酸メチル、2,4−ジヨウド酪酸エ
チル、2,4−ジヨウド酪酸ブチル、2,4−ジヨウド
酪酸オクチル、2,4−ジヨウド酪酸イソプロピル、
2,4−ジヨウド酪酸ベンジル、2,4−ジヨウド酪酸
メチルベンジル、2,4−ジヨウド酪酸フェネチル、
2,4−ジヨウド酪酸フェニル、2,4−ジヨウド酪酸
メンチル、2,4−ジヨウド酪酸ボルニル、2,4−ジ
ヨウド酪酸イソボルニルなどの二ハロ置換酪酸エステ
ル、2,4−ジメシルオキシ酪酸メチル、2,4−ジメ
シルオキシ酪酸エチル、2,4−ジメシルオキシ酪酸ブ
チル、2,4−ジメシルオキシ酪酸オクチル、2,4−
ジメシルオキシ酪酸イソプロピル、2,4−ジメシルオ
キシ酪酸ベンジル、2,4−ジメシルオキシ酪酸メチル
ベンジル、2,4−ジメシルオキシ酪酸フェネチル、
2,4−ジメシルオキシ酪酸フェニル、2,4−ジトシ
ルオキシ酪酸メチル、2,4−ジトシルオキシ酪酸エチ
ル、2,4−ジトシルオキシ酪酸ブチル、2,4−ジト
シルオキシ酪酸オクチル、2,4−ジトシルオキシ酪酸
イソプロピル、2,4−ジトシルオキシ酪酸ベンジル、
2,4−ジトシルオキシ酪酸メチルベンジル、2,4−
ジトシルオキシ酪酸フェネチル、2,4−ジトシルオキ
シ酪酸フェニル、2,4−ジベンゼンスルホニルオキシ
酪酸メチル、2,4−ジベンゼンスルホニルオキシ酪酸
エチル、2,4−ジベンゼンスルホニルオキシ酪酸ブチ
ル、2,4−ジベンゼンスルホニルオキシ酪酸オクチ
ル、2,4−ジベンゼンスルホニルオキシ酪酸イソプロ
ピル、2,4−ジベンゼンスルホニルオキシ酪酸ベンジ
ル、2,4−ジベンゼンスルホニルオキシ酪酸メチルベ
ンジル、2,4−ジベンゼンスルホニルオキシ酪酸フェ
ネチル、2,4−ジベンゼンスルホニルオキシ酪酸フェ
ニル、2,4−ジ(ニトロベンゼンスルホニルオキシ)
酪酸メチル、2,4−ジ(ニトロベンゼンスルホニルオ
キシ)酪酸エチル、2,4−ジ(ニトロベンゼンスルホ
ニルオキシ)酪酸ブチル、2,4−ジ(ニトロベンゼン
スルホニルオキシ)酪酸オクチル、2,4−ジ(ニトロ
ベンゼンスルホニルオキシ)酪酸イソプロピル、2,4
−ジ(ニトロベンゼンスルホニルオキシ)酪酸ベンジ
ル、2,4−ジ(ニトロベンゼンスルホニルオキシ)酪
酸メチルベンジル、2,4−ジ(ニトロベンゼンスルホ
ニルオキシ)酪酸フェネチル、2,4−ジ(ニトロベン
ゼンスルホニルオキシ)酪酸フェニルなどが挙げられ
る。
【0019】これらの一般式(3)で示される二置換酪
酸エステルには不斉炭素原子を不斉中心とする2種類の
光学活性体が存在するが、上記の反応における原料化合
物としてはそれら2種類の光学活性体を任意の割合で含
むものが用いられ、例えばそのラセミ体を用いてもよい
し、該ラセミ体から一方の光学活性体の一部を取り出し
た後の両光学活性体を不等量比含む光学活性な混合物を
用いてもよい。また、どちらか一方の光学活性体を用い
た場合は後述する光学活性アルキルベンジルアミンとの
反応により、光学活性N−(アルキルベンジル)アゼチ
ジン−2−カルボン酸エステルが得られる。
【0020】一般式(4)で示される光学活性アルキル
ベンジルアミンとしては1−フェニルエチルアミン、1
−フェニルプロピルアミン、1−(p−トリル)エチル
アミン、1−(p−クロロフェニル)エチルアミン、1
−(2、4−ジクロロフェニル)エチルアミン、1−
(p−メトキシフェニル)エチルアミン等のS体または
R体いずれでもよく、目的とする光学活性N−(アルキ
ルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸エステルに応
じて適宜選択して用いればよい。かかる光学活性アルキ
ルベンジルアミンの使用量は二置換酪酸エステルに対し
て通常0.5〜20モル倍、好ましくは0.5〜5モル
倍の範囲である。
【0021】一般式(3)で表わされる二置換酪酸エス
テルと一般式(4)で表わされる光学活性アルキルベン
ジルアミンとの反応は塩基の存在下に行われてもよい。
かかる塩基としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化
物、水酸化バリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ
土類金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの炭酸塩など
の無機塩基やトリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩
基などが挙げられる。かかる塩基を用いる場合、その使
用量は二置換酪酸エステルに対して通常0.01〜20
モル倍、好ましくは0.01〜5モル倍の範囲である。
【0022】該反応は通常、溶媒中で行う方が好まし
い。かかる溶媒としては反応を阻害しないものであれば
特に限定されるものではなく、例えばメタノール、エタ
ノール、2−プロパノールなどのアルコール系溶媒、ア
セトニトリルなどのニトリル系溶媒、トルエン、ベンゼ
ン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶
媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、
クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンなどのハロゲ
ン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ターシャリー
ブチルメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、アセトア
ミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミドなどのアミド系溶媒、ニトロベンゼン、
ニトロメタンなどのニトロ系溶媒、ジメチルスルホキシ
ドなどのスルホキシド系溶媒などが挙げられる。これら
の溶媒はそれぞれ単独もしくは2種以上を混合して用い
られ、その使用量は二置換酪酸エステルに対して通常1
〜100重量倍、好ましくは1〜20重量倍の範囲であ
る。
【0023】該反応は、例えば溶媒中で二置換酪酸エス
テルおよび光学活性アルキルベンジルアミンを混合する
ことにより行われ、塩基を用いる場合には、溶媒中で二
置換酪酸エステル、光学活性メチルベンジルアミンおよ
び塩基を混合すればよい。反応温度は通常−50〜20
0℃、好ましくは−20〜100℃の範囲である。
【0024】かかる反応において、通常、用いた二置換
酪酸エステルはその不斉炭素原子の立体配置を反転しな
がら反応し、一方、光学活性アルキルベンジルアミンは
その不斉炭素原子の立体配置を保持しながら反応するの
で、用いた二置換酪酸エステルが例えばラセミ体のよう
な場合、互いにジアステレオマーの関係にある2つの光
学活性N−(アルキルベンジル)アゼチジン−2−カル
ボン酸エステルが同時に生成し、光学活性N−(アルキ
ルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸エステルのジ
アステレオマー対が得られる。反応後の反応混合物から
得られたジアステレオマー対を取り出すには、例えば疎
水性溶媒を用いて抽出したのち得られた有機層を溶媒留
去すればよい。
【0025】次いで、該ジアステレオマー対から必要に
応じて光学活性N−(アルキルベンジル)アゼチジン−
2−カルボン酸エステルを分離することができる。ここ
で、分離の方法は特に限定されるものではなく、例えば
カラムクロマトグラフィーによる方法、ジアステレオマ
ー対を水に溶解して水溶液を得、次いで該水溶液のpH
を変えながら逐次トルエン、ジエチルエーテル、ヘキサ
ンなどの疎水性有機溶媒を用いて抽出処理する方法、再
結晶による方法などが挙げられる。
【0026】光学活性N−(アルキルベンジル)アゼチ
ジン−2−カルボン酸のジアステレオマー対を製造する
には、上述したように対応する光学活性N−(アルキル
ベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸エステルのジア
ステレオマー対を酸もしくは塩基の存在下に加水分解す
ればよい。かかる加水分解は、光学活性N−(アルキル
ベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸エステルに代え
て光学活性N−(アルキルベンジル)アゼチジン−2−
カルボン酸エステルのジアステレオマー対を用いる以外
は上記した光学活性N−(アルキルベンジル)アゼチジ
ン−2−カルボン酸の製造におけると同様に操作するこ
とによって容易に行うことができる。
【0027】かくして得られた光学活性N−(アルキル
ベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸のジアステレオ
マー対から一方の光学活性N−(アルキルベンジル)ア
ゼチジン−2−カルボン酸を得るには、該ジアステレオ
マー対から例えばカラムクロマトグラフィーなどによっ
て分離すればよい。
【0028】本発明の光学活性N−(アルキルベンジ
ル)アゼチジン−2−カルボン酸は、これを触媒の存在
下に水添反応させることによって容易に収率よく光学活
性アゼチジンカルボン酸に導くことができる。
【0029】触媒としては、例えば白金炭素、白金黒、
パラジウム炭素、水酸化パラジウム炭素、酢酸パラジウ
ム、塩化パラジウム、酸化パラジウム、水酸化パラジウ
ムなどが挙げられ、その使用量は光学活性N−(アルキ
ルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸に対して通常
0.0001〜0.5重量倍の範囲である。
【0030】水添反応に際しては、例えば水素や、ヒド
ラジンやその塩酸塩、炭酸塩などの塩、蟻酸やそのアン
モニウム塩などの塩などの還元剤が用いられる。
【0031】反応に際して通常は溶媒が用いられ、かか
る溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、
2−プロパノールなどのアルコール系溶媒、酢酸エチ
ル、酢酸メチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、ア
セトニトリルなどのニトリル系溶媒、トルエン、キシレ
ン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、
ヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、
ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン、オル
トジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、
ジエチルエーテル、タ−シャリーブチルメチルエーテル
などのエーテル系溶媒、アセトアミド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの
アミド系溶媒などが挙げられる。これらの溶媒はそれぞ
れ単独もしくは2種以上を混合して用いられ、その使用
量は特に制限はないが、好ましくは光学活性N−(アル
キルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸に対して
0.5〜100重量倍の範囲である。
【0032】水素を用いる場合、水添反応は、例えば溶
媒にアゼチジンカルボン酸誘導体および触媒を加えたの
ち、反応系に水素ガスを供給することにより行われる。
水素ガスを供給するには反応系に水素ガスを吹き込んで
もよいし、常圧ないし加圧下に水素ガス雰囲気下で反応
系を攪拌してもよい。また、水添反応を還元剤を用いて
行う場合には、例えば溶媒に光学活性N−(アルキルベ
ンジル)アゼチジン−2−カルボン酸および触媒を加え
たのちに還元剤を加えればよい。反応温度は、いずれの
場合も−50〜200℃の範囲である。
【0033】反応後の反応混合物から通常の方法、例え
ば触媒を濾別後、濾液を溶媒留去する方法などによっ
て、容易に光学活性アゼチジンカルボン酸を得ることが
できる。これはさらに再結晶、カラムクロマトグラフ処
理などによって精製されてもよい。
【0034】かくして得られるアゼチジンカルボン酸の
不斉炭素原子の立体配置は、通常、用いた一般式(1)
で示されるN−(アルキルベンジル)アゼチジン−2−
カルボン酸においてbで示される不斉炭素原子における
と同じである。
【0035】
【発明の効果】本発明の光学活性N−(アルキルベンジ
ル)アゼチジン−2−カルボン酸は、二置換酪酸エステ
ルおよび光学活性アルキルベンジルアミンを出発原料と
して容易に収率よく製造することができ、しかも光学活
性アゼチジンカルボン酸に容易に導くことができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例により限定されるものではな
い。
【0037】実施例1 アセトニトリル(400ml)に(RS)−2,4−ジ
ブロモ酪酸メチル(48.53g)を溶解させた溶液
に、50℃で(S)−メチルベンジルアミン(67.8
7g)を滴下したのち、同温度下で4時間攪拌した。そ
の後、同温度下でさらに(S)−メチルベンジルアミン
(2.26g)を加え、次いで同温度下で6時間攪拌し
た。次いで、減圧濃縮し、得られた残渣にトルエン(3
00ml)を加えたのち再度減圧濃縮してアセトニトリ
ルを除去した。得られた残渣にエーテル(300ml)
を加え、2時間攪拌した。静置後、析出した固形物を濾
別し、得られた濾液を濃縮して、N−〔(S)−メチル
ベンジル〕アゼチジン−2−(RS)−カルボン酸メチ
ル(59.03g、収率77.7%、茶褐色油状)を得
た。
【0038】得られたN−〔(S)−メチルベンジル〕
アゼチジン−2−(RS)−カルボン酸メチル(10
g)からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
液:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)により、N−
〔(S)−メチルベンジル〕アゼチジン−2−(S)−
カルボン酸メチル(4.8g)とN−〔(S)−メチル
ベンジル〕アゼチジン−2−(R)−カルボン酸メチル
(4.68g)とを得た。 N−〔(S)−メチルベンジル〕アゼチジン−2−
(S)−カルボン酸メチル:1H-NMR(CDCl3) δ7.37〜
7.20(m,5H)、3.76(t,J=8.4Hz,1H)、3.75(s,3H)、3.45
(q,J=6.6Hz,1H)、3.11(td,J=7.6Hz,J'=2.6Hz,1H)、2.80
(m,1H)、2.33〜2.12(m,2H)、1.22(d,J=6.6Hz,3H) N−〔(S)−メチルベンジル〕アゼチジン−2−
(R)−カルボン酸メチル:1H-NMR(CDCl3) δ7.37〜
7.20(m,5H)、3.61(m,2H)、3.36(q,J=6.6Hz,1H)、3.33
(s,3H)、3.01(m,1H)、2.35〜2.10(m,2H)、1.29(d,J=6.5
Hz,3H)
【0039】実施例2 アセトニトリル(400ml)に(RS)−2,4−ジ
ブロモ酪酸メチル(48.53g)を溶解させた溶液
に、50℃で(R)−メチルベンジルアミン(67.8
7g)を滴下したのち、同温度下で3.5時間攪拌し
た。次いで減圧濃縮し、得られた残渣にトルエン(20
0ml)を加え、再度減圧濃縮してアセトニトリルを除
去した。得られた残渣にヘキサン(500ml)を加
え、6.5時間攪拌し、析出した固形物を濾別して、濾
液と固形物とを得た。上記で得た固形物を水(200m
l)に溶解し、遊離した有機層を分液して、有機層と水
層とを得た。水層をトルエン(50ml)で2回抽出処
理し、得られた有機層を合わせ、さらに先の有機層を合
わせた。次いで、この有機層を先の濾液と合わせ、溶媒
留去し、得られた残渣をトルエンに溶解し、水洗した。
トルエン層をGC−IS法によって定量分析したとこ
ろ、N−〔(R)−メチルベンジル〕アゼチジン−2−
(RS)−カルボン酸メチルを32.1g含有してい
た。収率78.3%
【0040】実施例3 アセトニトリル(650ml)に(RS)−2,4−ジ
ブロモ酪酸メチル(37.49g)を溶解させた溶液
に、(S)−メチルベンジルアミン(94.86g)の
アセトニトリル溶液(100ml)を60℃で5.5時
間かけて滴下した。その後、室温で16時間静置後、減
圧下に濃縮し、得られた残渣にトルエン(200ml)
を加え、再度減圧下に濃縮してアセトニトリルを除去し
た。次いで、得られた残渣にエーテル(600ml)お
よびヘキサン(200ml)を加え、室温で24時間攪
拌した。析出した固形物を濾別後、濾液を濃縮し、得ら
れた残渣にトルエン(80ml)を加えたのち12%塩
酸(100ml)を用いて抽出処理した。得られた水層
に9%炭酸水素ナトリウム水溶液(110ml)を加え
たのち、トルエンを用いて抽出処理して水層と有機層と
を得た。この水層のpHは4.5であった。得られた有
機層を水洗後、溶媒留去して残渣(20.96g)を
得、次いで減圧蒸留してN−〔(S)−メチルベンジ
ル〕アゼチジン−2−(RS)−カルボン酸メチル〔1
3.8g、淡黄色油状、収率43.4%、沸点103.
5〜106℃(0.2mmHg)〕を得た。このものを
ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、N−
〔(S)−メチルベンジル〕アゼチジン−2−(S)−
カルボン酸メチルとN−〔(S)−メチルベンジル〕ア
ゼチジン−2−(R)−カルボン酸メチルとの比は51
/49であった。
【0041】上記で得たpH4.5の水層に9%炭酸水
素ナトリウム水溶液(50ml)を加えたのち、トルエ
ン(50ml)で抽出処理し、さらにトルエン(100
ml)で抽出した。得られた有機層を合わせ、水洗後、
濃縮してN−〔(S)−メチルベンジル〕アゼチジン−
2−(RS)−カルボン酸メチル(2.56g)を得
た。このものをガスクロマトグラフィーにより分析した
ところ、N−〔(S)−メチルベンジル〕アゼチジン−
2−(S)−カルボン酸メチルとN−〔(S)−メチル
ベンジル〕アゼチジン−2−(R)−カルボン酸メチル
との比は85/15であった。
【0042】実施例4 実施例1と同様にして得たN−〔(S)−メチルベンジ
ル〕アゼチジン−2−(RS)−カルボン酸メチル
(2.46g)を5.6%水酸化バリウム水溶液(3
4.7g)に加え、94〜98℃の温度範囲で2時間攪
拌した。その後、トルエン(20ml)で2回洗浄し、
エーテル(20ml)で1回洗浄したのち、室温で炭酸
ガスを吹き込み炭酸バリウムと析出させた。次いで、9
6℃で30分間攪拌したのち炭酸バリウムを濾別し、濾
液を減圧濃縮して、N−〔(S)−メチルベンジル〕−
2−(RS)−アゼチジンカルボン酸を得た。このもの
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:クロ
ロホルム/メタノール=5/1〜2/1)により分離し
て、N−〔(S)−メチルベンジル〕アゼチジン−2−
(S)−カルボン酸(0.75g、収率32.5%)と
N−〔(S)−メチルベンジル〕アゼチジン−2−
(R)−カルボン酸(0.86g、収率37.3%)と
を得た。 N−〔(S)−メチルベンジル〕アゼチジン−2−
(S)−カルボン酸:1H-NMR(CDCl3) δ7.53〜7.36(m,
5H)、6.28(brs,2H)、4.40(t,J=9.4Hz,1H)、4.23(q,J=6.
9Hz,1H)、3.88(td,J=9.2Hz,J'=4.0Hz,1H)、3.34(q,J=9.
2Hz,1H)、2.66(m,1H)、2.43(m,1H)、1.70(d,J=6.9Hz,3
H) N−〔(S)−メチルベンジル〕アゼチジン−2−
(R)−カルボン酸:1H-NMR(CDCl3) δ7.46〜7.27(m,
5H)、5.15(brs,2H)、4.37(t,J=8.7Hz,1H)、4.16(m,2
H)、3.54(m,1H)、2.41(m,2H)、1.7(d,J=6.6Hz,3H)
【0043】実施例5 実施例4と同様にして得たN−〔(S)−メチルベンジ
ル〕アゼチジン−2−(S)−カルボン酸(11.11
g)および触媒(水酸化パラジウム炭素、水酸化パラジ
ウム含有量10%)をエタノール(25g)および水
(25g)の混合溶媒に加え、水素雰囲気下27℃で1
時間攪拌後、40℃に昇温し、同温度下でさらに10時
間攪拌した。触媒を濾別後、濾液を濃縮して(S)−ア
ゼチジンカルボン酸(5.22g、収率99%、無色結
晶)を得た。光学活性カラムを用いる高速液体クロマト
グラフィーによる分析の結果、100%eeであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 間 資雄 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友 化学工業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 205/04 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (式中、a、bは不斉炭素原子を示し、R1は炭素数1
    から6のアルキル基を表わし、Aはベンゼン環上の置換
    基であってハロゲン原子、水酸基、炭素数1から6のア
    ルキル基または炭素数1から6のアルコキシ基を表わ
    し、nは0から5までの整数であって置換基Aの個数を
    表わす。nが2以上の場合、各置換基Aは互いに同じで
    あっても異なっていてもよい。)で示される光学活性N
    −(アルキルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸ま
    たはそのジアステレオマー対。
  2. 【請求項2】一般式(2) (式中、R2はアリール基またはアリール基で置換され
    ていてもよい飽和炭化水素基を示し、a、b、R1、A
    およびnはそれぞれ前記と同じ意味を示す。)で示され
    る光学活性N−(アルキルベンジル)アゼチジン−2−
    カルボン酸エステルまたはそのジアステレオマー対を酸
    または塩基の存在下に加水分解することを特徴とする請
    求項1に記載の光学活性N−(アルキルベンジル)アゼ
    チジン−2−カルボン酸またはそのジアステレオマー対
    の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式(2)で示される光学活性N−(ア
    ルキルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸エステル
    またはそのジアステレオマー対が光学活性N−(アルキ
    ルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸エステルであ
    る請求項2に記載の光学活性N−(アルキルベンジル)
    アゼチジン−2−カルボン酸の製造方法。
  4. 【請求項4】一般式(2)で示される光学活性N−(ア
    ルキルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸エステル
    またはそのジアステレオマー対が光学活性N−(アルキ
    ルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸エステルのジ
    アステレオマー対である請求項2に記載の光学活性N−
    (アルキルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸のジ
    アステレオマー対の製造方法。
  5. 【請求項5】一般式(2)で示される光学活性N−(ア
    ルキルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸エステル
    のジアステレオマー対が、一般式(3) (式中、Y1およびY2は同一であっても異なっていても
    よい脱離基を表わし、R 2は前記と同じ意味を示す。)
    で示される二置換酪酸エステルと一般式(4) (式中、a、R1、Aおよびnは前記と同じ意味を示
    す。)で示される光学活性アルキルベンジルアミンとを
    反応させて得られたものであることを特徴とする請求項
    2に記載の光学活性N−(アルキルベンジル)アゼチジ
    ン−2−カルボン酸のジアステレオマー対の製造方法。
  6. 【請求項6】一般式(2)で示される光学活性N−(ア
    ルキルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸エステル
    が、一般式(3)で示される二置換酪酸エステルと一般
    式(4)で示される光学活性アルキルベンジルアミンと
    を反応させて得られた光学活性N−(アルキルベンジ
    ル)アゼチジン−2−カルボン酸エステルのジアステレ
    オマー対から分離したものであることを特徴とする請求
    項2に記載の光学活性N−(アルキルベンジル)アゼチ
    ジン−2−カルボン酸の製造方法。
  7. 【請求項7】一般式(2)で示される光学活性N−(ア
    ルキルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸エステル
    のジアステレオマー対を酸もしくは塩基の存在下に加水
    分解して得た光学活性N−(アルキルベンジル)アゼチ
    ジン−2−カルボン酸のジアステレオマー対から分離す
    ることを特徴とする請求項1に記載の光学活性N−(ア
    ルキルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸の製造方
    法。
  8. 【請求項8】一般式(2)で示される光学活性N−(ア
    ルキルベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸エステル
    またはそのジアステレオマー対。
  9. 【請求項9】一般式(3)で示される二置換酪酸エステ
    ルと一般式(4)で示される光学活性アルキルベンジル
    アミンとを反応させて得た光学活性N−(アルキルベン
    ジル)アゼチジン−2−カルボン酸エステルのジアステ
    レオマー対から分離することを特徴とする請求項8に記
    載の光学活性N−(アルキルベンジル)アゼチジン−2
    −カルボン酸エステルの製造方法。
  10. 【請求項10】一般式(3)で示される二置換酪酸エス
    テルと一般式(4)で示される光学活性アルキルベンジ
    ルアミンとを反応させることを特徴とする請求項8に記
    載の光学活性N−(メチルベンジル)アゼチジン−2−
    カルボン酸エステルのジアステレオマー対の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項1記載の光学活性N−(アルキル
    ベンジル)アゼチジン−2−カルボン酸を触媒の存在下
    に水添反応させることを特徴とする光学活性アゼチジン
    カルボン酸の製造方法。
  12. 【請求項12】水添反応を水素、ヒドラジンもしくはそ
    の塩または蟻酸もしくその塩を用いて行うことを特徴と
    する請求項11に記載の光学活性アゼチジンカルボン酸
    の製造方法。
  13. 【請求項13】触媒が白金炭素、白金黒、水酸化パラジ
    ウム炭素、パラジウム炭素、酢酸パラジウム、塩化パラ
    ジウム、酸化パラジウムまたは水酸化パラジウムである
    ことを特徴とする請求項11に記載の光学活性アゼチジ
    ンカルボン酸の製造方法。
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