JPWO2002095885A1 - ファイバレーザ装置 - Google Patents

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Abstract

この発明は、誘導放出効果と非線形効果とを共に利用し、誘導放出効果によって共振器の内部で発振するレーザ光を非線形効果を生じさせる励起光として直接利用し、非線形効果によるレーザ発振(波長変換)を高効率で行わせることができるファイバレーザ装置を得ることを目的とする。このファイバレーザ装置では、誘導放出用光ファイバと非線形用光ファイバとが融着接続法により直列に接続され、ファイバグレーティングが誘導放出用光ファイバと非線形用光ファイバとにそれぞれ形成されて離間して配置された一対の誘導放出効果用反射手段を構成し、ファイバグレーティングが非線形用光ファイバに離間して形成されて一対の非線形効果用反射手段を構成している。そして、一対の非線形効果用反射手段により構成される非線形効果によるレーザ発振領域の少なくとも一部が一対の誘導放出効果用反射手段により構成される誘導放出効果によるレーザ発振領域の内部に構成されている。

Description

技術分野
この発明は、誘導放出効果と非線形効果とを共に利用したファイバレーザ装置に関し、特に非線形効果(誘導ラマン散乱、誘導ブリルアン散乱)における波長変換を高効率化することが可能なファイバレーザ装置に関するものである。
背景技術
一般に、任意の波長の励起光を入力し、励起光と異なる波長のレーザ光を出力するファイバレーザ装置には、誘導放出効果を利用した希土類ドープファイバレーザと、非線形効果を利用したラマンファイバレーザと称されるものがある。
希土類ドープファイバレーザは、希土類ドープファイバと、希土類ドープファイバを挟んで配置される一対の反射手段とを備えている。そして、反射手段には、希土類ドープファイバ中で発振する光を反射するミラーやファイバグレーティングが用いられ、希土類ドープファイバを挟んで配置されて、いわゆるファブリー・ペロー共振器を構成している。また、希土類ドープファイバは、Nd、Ho、Er、Tm、Yb等の希土類元素が石英系、フッ化物系、リン酸系等の光ファイバの中心をなすコアにドープされて構成されている。
この希土類ドープファイバレーザにおいては、励起光が反射手段やWDM(Wavelength Division Multiplexing)のファイバカプラを介して希土類ドープファイバに入力される。そして、この励起光が希土類ドープファイバのコアを通過する際に、コアにドープされた希土類元素の最外殻電子を励起して反転分布の状態とし、自然放出光が放出される。そして、誘導放出効果によって、自然放出光が一対の反射手段の間を往復しながら増幅され、ついには発振状態となる。そして、発振状態の光(レーザ光)の一部が反射手段を透過して、所望の波長のレーザ光として出力される。
ここで、誘導放出効果によって放出される光の波長は光ファイバにドープされた希土類元素の固有の遷移エネルギーにより決定される。例えば、希土類元素がNdの場合には波長1.06μmの光が、Erの場合には波長1.55μmの光がそれぞれ放出される。
また、ファイバグレーティングは、光に対し任意の反射率の回折格子(グレーティング)を光ファイバ中に形成して構成される。そこで、反射手段としてファイバグレーティングを用いることは、希土類ドープファイバ自体にファイバグレーティングを形成することになり、単純に光ファイバのみで共振器を構成することができ、発振するレーザ光における損失は少ないという利点が得られる。
一般に、希土類ドープファイバレーザの高出力化は、入力する励起光のパワーを増加させることにより実現されるが、高パワーの励起光を光ファイバの小さなコアに結合させることは極めて困難なものである。そこで、希土類ドープファイバレーザの高出力化を図るために、希土類元素がドープされたコアと、そのコアを被覆するように設けられた第1クラッドと、その第1クラッドを被覆するように設けられた第2クラッドとを備えた2重クラッド構造の希土類ドープファイバが用いられる。このように構成された2重クラッド構造の希土類ドープファイバにおいては、第1クラッドに入射された励起光が第1クラッドと第2クラッドとの界面で反射を繰り返しながら第2クラッドで囲まれた領域内を伝搬するので、第1クラッドにより励起光の受光面積が増加される。そこで、単一活性層のLD(Laser diode)に比べ発光面積が大きく高パワー特性を有するアレイのLDを励起光源として適用することが可能となる。これにより、高パワーの励起光がコアを励起するため、希土類ドープファイバレーザとしてマルチワットクラスの高出力化が実現されている。
一方、ラマンファイバレーザは、石英系の光ファイバと、この光ファイバを挟んで配置される一対の反射手段とを備えている。このラマンファイバレーザにおいても、上述の希土類ドープファイバと同様に、一対の反射手段で光ファイバを挟んでファブリー・ペロー共振器を構成している。
このラマンファイバレーザにおいては、高パワーの励起光が反射手段やWDMのファイバカプラを介して石英系の光ファイバに入力される。そして、この励起光が光ファイバを通過する際に、光と光学フォノン(格子振動)との相互作用において励起光の一部は長波長側にシフトし、自然ラマン散乱光が得られる。そして、誘導ラマン散乱(非線形効果)によって、自然ラマン散乱光が一対の反射手段の間を往復しながら増幅され、ついには発振状態となる。そして、発振状態の光(レーザ光)の一部が反射手段を透過し、所望の波長のレーザ光として出力される。
ここで、誘導ラマン散乱によって得られる波長差はラマンシフト量と呼ばれ、光ファイバとして溶融石英を用いた場合にはラマンシフト量の13.2THzで最大の広帯域な利得を持つ。このラマンファイバレーザにおいては、希土類ドープファイバレーザの場合とは異なり、励起光の波長を選択することによりラマンシフト量だけシフトした所望の波長のレーザ光を発振できるという特徴がある。例えば、石英系光ファイバの場合には、波長1.06μm、1.55μmの励起光により、それぞれ波長1.12μm、1.66μmのレーザ光が得られる。また、石英系光ファイバの中心をなすコアに活性物質としてのGeが多くドープされると、誘導ラマン散乱における利得は大きくなり、活性物質としてのPもしくはBがコアに多くドープされると、ラマンシフト量が変化すると共に利得は大きくなる。
また、励起光が高パワーであれば、m(ここでmは2以上の整数)回の誘導ラマン散乱をカスケードに発生させることが可能であり、m回のラマンシフト量だけシフトした所望の波長のレーザ光を得られるものが、例えば米国特許第5,323,404号などに提案されている。
図10は例えば米国特許5,323,404号に記載された従来のカスケードラマンファイバレーザを模式的に示す構成図である。
この従来のカスケードラマンファイバレーザ900は、図10に示されるように、石英系光ファイバ920と、石英系光ファイバ920に形成された4対のファイバグレーティング921、922、931、932、941、942、951、952により構成される4つの共振器とから構成されている。そして、ファイバグレーティング921、922は中心波長1117nmの光を反射し、ファイバグレーティング931、932は中心波長1175nmの光を反射し、ファイバグレーティング941、942は中心波長1240nmの光を反射し、ファイバグレーティング951、952は中心波長1315nmの光を反射するように構成されている。また、ファイバグレーティング913は中心波長1064nmの光を反射するように構成されている。なお、ファイバグレーティング913、921、922、931、932、941、942、951は対象とする波長の光に対して高反射率(98%以上)を有し、ファイバグレーティング952は対象とする波長の光に対して低反射率(例えば15%)を有している。また、波長1117nm、1175nm、1240nm、1315nmは誘導ラマン散乱によってカスケードに発生される光の波長である。
この従来のカスケードラマンファイバレーザでは、まず波長1064nmのレーザ光が励起光として光ファイバ920に入力され、この波長1064nmの励起光によりラマンシフト量に対応した波長1117nmのレーザ光がファイバグレーティング921、922の間を往復して発振される。ついで、波長1117nmのレーザ光が励起光として作用し、ラマンシフト量に対応した波長1175nmのレーザ光がファイバグレーティング931、932の間を往復して発振される。ついで、波長1175nmのレーザ光が励起光として作用し、ラマンシフト量に対応した波長1240nmのレーザ光がファイバグレーティング941、942の間を往復して発振される。さらに、波長1240nmのレーザ光が励起光として作用し、波長1315nmのレーザ光がファイバグレーティング951、952の間を往復して発振される。そして、発振された波長1315nmのレーザ光の一部が低反射率のファイバグレーティング952を透過して、波長1315nmのレーザ光として外部に出力される。なお、ファイバグレーティング913は波長1064nmの励起光を反射するように作用し、共振器を構成していない。
一般に、従来のカスケードラマンファイバレーザの励起光源には、高出力化された希土類ドープファイバレーザの出力を外部から入力する方法が用いられている。これにより、希土類ドープファイバレーザの場合に困難な任意の波長のレーザ光を得ることが可能である。
また、非線形効果としての誘導ブリルアン散乱によっても、上述の誘導ラマン散乱と同様に、任意の波長のレーザ光を得ることが可能である。つまり、高パワーの励起光が石英系の光ファイバに入力されると、光と音響フォノン(格子振動)との相互作用において励起光の一部はブリルアンシフト量の10GHz程度の低い周波数にシフトし、自然ブリルアン散乱光が得られる。そして、誘導ブリルアン散乱(非線形効果)によって、自然ブリルアン散乱光が一対の反射手段の間を往復しながら増幅され、ついには発振状態となる。そして、発振状態の光(レーザ光)の一部が反射手段を透過して、所望の波長のレーザ光として出力される。ここで、誘導ブリルアン散乱の場合には後方散乱であるため、励起光に対して反対方向にのみ狭帯域な利得を持つ。また、誘導ブリルアン散乱をカスケードに発生させることにより10GHz程度の間隔で多波長発振が実現されている。
このような非線形効果(誘導ラマン散乱、誘導ブリルアン散乱)を利用した石英系の光ファイバにおける利得は、励起光のパワーPを光ファイバの実効コア断面積Aで割った励起光のパワー密度Ip(=P/A)、相互作用するファイバ長および利得係数に比例して与えられる。ここで、石英系の光ファイバにおける利得係数は小さいため、非線形効果を利用するレーザにおいては、高いパワー密度が必要であり、光ファイバを伝搬する励起光のパワーが高くなるほど高効率でレーザ光を発振させることが可能となる。特に、図10に示される従来のカスケードラマンファイバレーザでは、複数回の誘導ラマン散乱によって共振器の内部で順次レーザ光を発振させて波長変換が行われているため、最初のレーザ発振の効率が改善されると全体における波長変換の効率は大幅に向上することになる。なお、ファイバ長が長くなるほど発振するレーザ光の損失は多くなるため、ラマンファイバレーザにおける石英系ファイバは最適なファイバ長(共振器長)を有している。
従来のラマンファイバレーザにおいては、全体における波長変換の効率を大幅に向上するために、高出力化された希土類ドープファイバレーザが励起光源として使用されている。この従来のラマンファイバレーザは、図11に示されるように、希土類ドープファイバ1010と、石英系光ファイバ1020と、希土類ドープファイバ1010に形成された一対のファイバグレーティング1011、1012により構成される共振器と、石英系光ファイバ1020に形成された一対のファイバグレーティング1021、1022により構成される共振器とを備えている。そして、ファイバグレーティング1011、1012は中心波長λの光を反射し、ファイバグレーティング1021、1022は中心波長λの光を反射し、ファイバグレーティング941、942は中心波長1240nmの光を反射し、さらにファイバグレーティング1013は中心波長λの光を反射するように構成されている。なお、ファイバグレーティング1011、1013、1021は対象とする波長の光に対して高反射率(98%以上)を有し、ファイバグレーティング1012、1022は対象とする波長の光に対して低反射率(例えば15%)を有している。
この従来のラマンファイバレーザでは、図12に示されるように、まず波長λの励起光が希土類ドープファイバ1010に入力され、自然放出光が放出される。そして、中心波長λの自然放出光が一対のファイバグレーティング1011、1012により構成される共振器内で増幅され、ついには発振状態となる。そして、発振状態の光の一部がファイバグレーティング1012を透過して、波長λのレーザ光として出力される。ついで、この波長λのレーザ光が石英系光ファイバ1020に入力され、この波長λのレーザ光(励起光)によりラマンシフト量に対応した波長λのレーザ光がファイバグレーティング1021、1022の間を往復して発振される。そして、発振された波長λのレーザ光の一部が低反射率のファイバグレーティング1022を透過して、波長λのレーザ光として外部に出力される。なお、ファイバグレーティング1013は波長λの光を反射するように作用し、共振器を構成していない。
この従来のラマンファイバレーザにおいては、励起光源としての希土類ドープファイバ1010と石英系光ファイバ1020の誘導ラマン散乱を生じさせる共振器とが別々に設置されている。そこで、希土類ドープファイバ1010の誘導放出効果によって共振器の内部で発振されたレーザ光の一部が出力されているので、外部に出力した直後のレーザ光は共振器の内部で出力する直前のレーザ光に比べ低パワーとなってしまう。すなわち、誘導放出効果によって共振器の内部で発振する高パワーのレーザ光が誘導ラマン散乱を生じさせる励起光として直接利用されていない。これにより、誘導ラマン散乱におけるレーザ発振(波長変換)は高効率とならない。なお、励起光のパワーが低いほど誘導ラマン散乱による利得は小さく最適なファイバ長は長くなるため、発振する散乱光の損失は多くなるという欠点がある。
発明の開示
この発明は、誘導放出効果と非線形効果とを共に利用し、誘導放出効果によって共振器の内部で発振するレーザ光を非線形効果を生じさせる励起光として直接利用し、非線形効果によるレーザ発振(波長変換)を高効率で行わせることができるファイバレーザ装置を得ることを目的とする。
この発明によるファイバレーザ装置は、波長λの励起光を入力し、励起光と異なる波長のレーザ光を出力するファイバレーザ装置において、上記波長λの励起光により誘導放出効果を活性化させる活性媒質がドープされた誘導放出用光ファイバと、上記誘導放出用光ファイバの少なくとも一部を含み、上記波長λの励起光として上記誘導放出効果により波長λ(λ≠λ)のレーザ光を発振させる誘導放出効果用光共振器を構成するように、離間して配置された一対の誘導放出効果用反射手段と、上記波長λのレーザ光を励起光として非線形効果を生じる非線形用効果光ファイバと、上記非線形用光ファイバの少なくとも一部を含み、上記波長λのレーザ光を励起光として上記非線形効果により波長λ(λ≠λかつλ≠λ)のレーザ光を発振させる非線形効果用光共振器を構成するように、離間して配置された非線形効果用反射手段とを有し、上記誘導放出用光ファイバの少なくとも一部と上記非線形用光ファイバの少なくとも一部とが上記一対の誘導放出効果用反射手段の間に配置され、上記非線形効果用光共振器の少なくとも一部が上記誘導放出効果用光共振器の内部に構成されているものである。
発明を実施するための最良の形態
以下、この発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
図1はこの発明によるファイバレーザ装置を模式的に示す構成図、図2は図1に示すファイバレーザ装置における誘導放出用光ファイバと非線形用光ファイバとを伝播するパワー分布を示す図である。
図1において、ファイバレーザ装置100は、誘導放出効果を活性化させる活性物質を含む誘導放出用光ファイバ110と、誘導放出用光ファイバ110に直列に接続され、非線形効果を活性化させる活性物質を含む非線形用光ファイバ120と、誘導放出用光ファイバ110と非線形用光ファイバ120とに形成された誘導放出効果用反射手段としての一対のファイバグレーティング111、112により構成される共振器と、非線形用光ファイバ120に形成された非線形効果用反射手段としての一対のファイバグレーティング121、122により構成される共振器とを備えている。そして、一対のファイバグレーティング111、112は入射された中心波長λの励起光により反転分布の状態にされた活性物質から誘導放出効果によって放出される中心波長λの光を反射するように構成され、一対のファイバグレーティング121、122は中心波長λの励起光の通過により得られるラマンシフト量(Δλ)に対応した中心波長λ(λ=λ+Δλ)の光を反射するように構成されている。また、ファイバグレーティング111、112、121は対象とする中心波長の光に対して高反射率を有し、ファイバグレーティング122は対象とする中心波長の光に対して低反射率を有するように構成されている。
ここで、一対のファイバグレーティング111、112により構成される共振器は、誘導放出効果によるレーザ発振領域を構成し、一対のファイバグレーティング121、122により構成される共振器は、非線形効果によるレーザ発振領域を構成している。そして、非線形効果によるレーザ発振領域が、誘導放出効果によるレーザ発振領域の内部に構成されている。また、誘導放出用光ファイバ110には、例えば石英系の光ファイバの中心をなすコアに活性物質としての希土類元素がドープされた希土類ドープファイバを用いることができ、非線形用光ファイバ120には、例えば石英系の光ファイバの中心をなすコアに活性物質としてのPが多くドープされたPドープファイバを用いることができる。
ついで、このように構成されたファイバレーザ装置100によるレーザ光の出力動作について図1および図2を参照しつつ説明する。
まず、中心波長λの励起光がファイバグレーティング111を介して誘導放出用光ファイバ110に入射される。これにより、誘導放出用光ファイバ110内の活性物質が反転分布の状態にされ、自然放出光が放出される。そして、誘導放出効果によって、中心波長λの自然放出光が直列に接続された誘導放出用光ファイバ110と非線形用光ファイバ120とを挟んで配置された一対のファイバグレーティング111、112の間を往復しながら増幅され、ついには発振状態となる。
この発振状態の中心波長λの光(レーザ光)が一対のファイバグレーティング121、122により構成される共振器内を通過する際に励起光として作用し、非線形効果により波長λから所定量(Δλ)シフトした自然ラマン散乱光が放出される。中心波長λの自然ラマン散乱光が一対のファイバグレーティング121、122の間を往復しながら増幅され、ついには発振状態となる。そして、発振状態の光(レーザ光)の一部がファイバグレーティング122を透過して中心波長λのレーザ光として出力される。
このファイバレーザ装置100においては、非線形効果によるレーザ発振領域が誘導放出効果によるレーザ発振領域の内部に構成されている。
そこで、誘導放出効果によるレーザ発振のための共振器内部で発振されたレーザ光の一部を非線形効果によるレーザ発振の励起光として外部に取り出す必要がない。このため、誘導放出効果によるレーザ発振のための共振器を構成する一対のファイバグレーティング111、112を共に高反射率にすることができ、該共振器内部で発振するレーザ光のパワーを高めることができる。
また、誘導放出効果によるレーザ発振のための共振器内部で発振された高パワーのレーザ光を非線形効果によるレーザ発振の励起光として直接利用できるので、非線形効果によるレーザ発振(波長変換)を高効率で行わせることができるとともに、利得を大きくすることができる。さらに、最適なファイバ長(共振器長)が短くなるので、発振するレーザ光の損失が少なくなる。
なお、このファイバレーザ装置100においては、非線形用光ファイバ120が非線形効果を活性化させる活性物質を含むものとして説明しているが、活性物質を必ずしも含むようにする必要はなく、後述するように石英系光ファイバ単独でも非線形用光ファイバとして用いることができる。
また、このファイバレーザ装置100においては、一対のファイバグレーティング121、122を非線形用光ファイバ120に形成して1組の共振器を構成し、1回の非線形効果によるレーザ発振を行わせるものとして説明しているが、ファイバグレーティングを非線形用光ファイバ120に複数対形成して複数組の共振器を構成し、非線形効果によるレーザ発振を複数回行わせるようにしても良い。この場合、各対のファイバグレーティングは、中心波長λのレーザ光(λ=λi−1+Δλ:Δλは中心波長λi−1のレーザ光を励起光としたときに非線形効果によって得られる波長λi−1からのシフト量、i=2,・・・、n+1:nは2以上の整数)を反射するように構成される。そして、各対のファイバグレーティングは、中心波長λのレーザ光を反射するファイバグレーティング間に位置する非線形用光ファイバの少なくとも一部が中心波長λi+1のレーザ光を反射するファイバグレーティング間に位置するように配置され、かつ、中心波長λのレーザ光を反射するファイバグレーティング間に位置する非線形用光ファイバの少なくとも一部が中心波長λのレーザ光を反射する一対の誘導放出効果用反射手段としてのファイバグレーティング111、112間に位置するように配置される。これにより、非線形効果における最初のレーザ発振の効率が改善されるので、複数組の共振器内部で発振するレーザ光は高パワーとなる。そこで、希土類ドープファイバレーザとカスケードラマンファイバレーザとを別々に構成する従来例に比べて、複数回の非線形効果によるレーザ発振(波長変換)の効率を大幅に向上させることができる。
また、このファイバレーザ装置100においては、一対のファイバグレーティング121、122を非線形用光ファイバ120に形成して1組の共振器を構成し、1回の非線形効果によるレーザ発振を行わせるものとして説明しているが、ファイバグレーティングを複数本の非線形用光ファイバに複数対形成して複数組の共振器を構成し、非線形効果によるレーザ発振を複数回行わせるようにしても良い。この場合、非線形用光ファイバは、それぞれ中心波長λのレーザ光(λ=λi−1+Δλ:Δλは中心波長λi−1のレーザ光を励起光としたときに非線形効果によって得られる波長λi−1からのシフト量、i=2,・・・、n+1:nは2以上の整数)を励起光として非線形効果を生じる複数本の光ファイバで構成され、各対のファイバグレーティングは、それぞれ中心波長λのレーザ光を励起光として非線形効果を生じる光ファイバの少なくとも一部を含むように、かつ、中心波長λのレーザ光を反射するように構成される。そして、複数対のファイバグレーティングは、中心波長λのレーザ光を反射するファイバグレーティング間に位置する光ファイバの少なくとも一部が中心波長λi+1のレーザ光を反射するファイバグレーティング間に位置するように配置され、かつ、中心波長λのレーザ光を反射するファイバグレーティング間に位置する光ファイバの少なくとも一部が中心波長λのレーザ光を反射する一対の誘導放出効果用反射手段としてのファイバグレーティング111、112間に位置するように配置される。これにより、非線形効果における最初のレーザ発振の効率が改善されるので、複数組の共振器内部で発振するレーザ光は高パワーとなる。そこで、希土類ドープファイバレーザとカスケードラマンファイバレーザとを別々に構成する従来例に比べて、複数回の非線形効果によるレーザ発振(波長変換)の効率を大幅に向上させることができる。
また、このファイバレーザ装置100においては、反射手段としてファイバグレーティングを用いるものとしているが、反射手段はファイバグレーティングに限定されるものではなく、レーザ発振させる光を反射できるものであればよく、例えばミラーを用いることができる。
以下に、本発明によるファイバレーザ装置の各実施例について説明する。
実施例1.
図3はこの発明の実施例1によるファイバレーザ装置を模式的に示す構成図である。
図3において、ファイバレーザ装置200は、石英系の光ファイバの中心をなすコアに活性物質としてのNdがドープされた2重のクラッド構造の希土類ドープファイバ210(誘導放出用光ファイバ)と、石英系の光ファイバの中心をなすコアに活性物質としてのPが多くドープされたPドープファイバ220(非線形用光ファイバ)と、希土類ドープファイバ210とPドープファイバ220とに形成された誘導放出効果用反射手段としての一対のファイバグレーティング211、212により構成される第1の共振器と、Pドープファイバ220に形成された非線形効果用反射手段としての一対のファイバグレーティング221、222により構成される第2の共振器と、Pドープファイバ220に形成された非線形効果用反射手段としての一対のファイバグレーティング231、232により構成される第3の共振器とを備えている。そして、一対のファイバグレーティング211、212は入射された波長λの励起光により反転分布の状態にされたNdから誘導放出効果によって放出される波長λ(=1064nm)の光を反射するように構成され、一対のファイバグレーティング221、222は波長λの励起光の通過により得られるラマンシフト量に対応した波長λ(=1240nm)の光を反射するように構成され、一対のファイバグレーティング231、232は波長λの励起光の通過により得られるラマンシフト量に対応した波長λ(=1480nm)の光を反射するように構成されている。また、ファイバグレーティング211、212、221、222、231は対象とする波長の光に対して高反射率(99%以上)を有し、ファイバグレーティング232は対象とする波長の光に対して低反射率(約50%)を有するように構成されている。
ここで、希土類ドープファイバ210とPドープファイバ220とはほぼ等しいモードフィールド径を有し、融着接続法を用いて直列に接続されている。また、一対のファイバグレーティング211、212により構成される第1の共振器が、誘導放出効果による波長λのレーザ発振領域(希土類ドープファイバレーザ発振領域)を構成し、一対のファイバグレーティング221、222により構成される第2の共振器が、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ発振領域(ラマンファイバレーザ発振領域)を構成し、一対のファイバグレーティング231、232により構成される第3の共振器が、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ発振領域(ラマンファイバレーザ発振領域)を構成している。そして、誘導ラマン散乱による波長λ、λのレーザ発振領域が、誘導放出効果によるレーザ発振領域の内部に構成され、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ発振領域が、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ発振領域の一部と重複するように構成されている。
つぎに、この実施例1によるファイバレーザ装置200の動作について説明する。
まず、波長λ(=808nm)の励起光が希土類ドープファイバ210の第1クラッドに入力される。このとき、励起光源としては高パワー特性を有するLDが用いられ、Pドープファイバ220の入力端における励起光の直径およびNA(Numerical Aperture)は、Pドープファイバ220および希土類ドープファイバ210の第1クラッドと同程度である。これにより、2重のクラッド構造である希土類ドープファイバ210は高パワーの励起光を入力することが可能であり、高パワーで誘導放出効果によるレーザ発振を行うことができる。
希土類ドープファイバ210に入力された励起光は、希土類ドープファイバ210の第1クラッドを伝搬しコアを通過する際にNdを励起している。その結果、誘導放出効果により一対のファイバグレーティング211、212の間で波長λ(=1064nm)のレーザ光が発振される。そして、波長λの希土類ドープファイバレーザ発振領域の内部にはPドープファイバ220があるため、波長λのレーザ光が誘導ラマン散乱の励起光としてPドープファイバ220を伝搬する際に波長λ(=1240nm)付近に利得を持たせる。その結果、誘導ラマン散乱により一対のファイバグレーティング221、222の間で波長λのレーザ光が発振される。このとき、誘導ラマン散乱の波長λの励起光がPドープファイバ220を高いパワーで折り返し伝搬しているため、誘導ラマン散乱によるレーザ発振が高効率で行われる。
また、波長λのラマンファイバレーザ発振領域の内部にはPドープファイバ220があるため、波長λのレーザ光は誘導ラマン散乱の励起光としてPドープファイバ220を伝搬する際に波長λ(=1480nm)付近に利得を持たせる。その結果、誘導ラマン散乱により一対のファイバグレーティング232、232の間で波長λのレーザ光が発振される。このとき、誘導ラマン散乱の波長λの励起光はPドープファイバ220を高いパワーで折り返し伝搬しているため、誘導ラマン散乱によるレーザ発振が高効率で行われる。
そして、波長λのレーザ光の一部が、ファイバグレーティング232を透過しPドープファイバ220から出力される。
また、希土類ドープファイバ210およびPドープファイバ220はほぼ等しいモードフィールド径であるため、希土類ドープファイバ210とPドープファイバ220との融着接続部251における誘導放出効果により発振するレーザ光の界分布不整合損失が少ない。そこで、高パワーのレーザ発振が一対のファイバグレーティング211、212で構成される第1の共振器内部で行われ、誘導ラマン散乱によるレーザ発振が高効率で行われる。
以上のように、実施例1によるファイバレーザ装置200では、波長λの励起光から所望の波長λのレーザ光への波長変換において高効率化を実現している。
実施例2.
図4はこの発明の実施例2によるファイバレーザ装置を模式的に示す構成図である。
図4において、ファイバレーザ装置300は、石英系の光ファイバの中心をなすコアに活性物質としてのYbがドープされた2重のクラッド構造である希土類ドープファイバ310(誘導放出用光ファイバ)と、石英系の光ファイバの中心をなすコアに活性物質Pが多くドープされたPドープファイバ320(非線形用光ファイバ)と、石英系の光ファイバの中心をなすコアに活性物質としてのGeが多くドープされたGeドープファイバ330(非線形用光ファイバ)と、希土類ドープファイバ310とPドープファイバ320とに形成された誘導放出効果用反射手段としての一対のファイバグレーティング311、312により構成される第1の共振器と、Pドープファイバ320とGeドープファイバ330とに形成された非線形効果用反射手段としての一対のファイバグレーティング321、322により構成される第2の共振器と、Geドープファイバ330に形成された非線形効果用反射手段としての一対のファイバグレーティング331、332により構成される第3の共振器とを備えている。そして、一対のファイバグレーティング311、312は入射された波長λの励起光により反転分布の状態にされたYbから誘導放出効果によって放出される波長λ(=1064nm)の光を反射するように構成され、一対のファイバグレーティング321、322は波長λの励起光の通過により得られるラマンシフト量に対応した波長λ(=1240nm)の光を反射するように構成され、一対のファイバグレーティング331、332は波長λの励起光の通過により得られるラマンシフト量に対応した波長λ(=1315nm)の光を反射するように構成されている。また、ファイバグレーティング311、312、321、322、331は対象とする波長の光に対して高反射率(99%以上)を有し、ファイバグレーティング332は対象とする波長の光に対して低反射率(約20%)を有するように構成されている。
ここで、希土類ドープファイバ310とPドープファイバ320とGeドープファイバ330とはほぼ等しいモードフィールド径を有し、融着接続法を用いて直列に接続されている。また、一対のファイバグレーティング311、312により構成される第1の共振器が、誘導放出効果によるレーザ発振領域(希土類ドープファイバレーザ発振領域)を構成し、一対のファイバグレーティング321、322により構成される第2の共振器が、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ発振領域(ラマンファイバレーザ発振領域)を構成し、一対のファイバグレーティング331、332により構成される第3の共振器が、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ発振領域(ラマンファイバレーザ発振領域)を構成している。そして、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ発振領域が、誘導放出効果による波長λのレーザ発振領域の一部と重複するように構成され、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ発振領域が、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ発振領域の一部と重複するように構成されている。
つぎに、この実施例2によるファイバレーザ装置300の動作について説明する。
まず、波長λ(=975nm)の励起光が希土類ドープファイバ310の第1クラッドに入力される。このとき、上記実施例1の場合と同様に、2重のクラッド構造である希土類ドープファイバ310は高パワーの励起光を入力することが可能であり、高パワーで誘導放出効果によるレーザ発振を行うことができる。
希土類ドープファイバ310に入力された励起光は、希土類ドープファイバ310の第1クラッドを伝搬しコアを通過する際にYbを励起している。その結果、誘導放出効果により一対のファイバグレーティング311、312の間で波長λ(=1064nm)のレーザ光が発振される。そして、上記実施例1の場合と同様に、誘導ラマン散乱により一対のファイバグレーティング321、322の間で波長λ(=1240nm)のレーザ光が発振される。このとき、誘導ラマン散乱の波長λの励起光がPドープファイバ320を高いパワーで折り返し伝搬しているため、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ光の発振が高効率で行われる。
また、波長λのラマンファイバレーザ発振領域の内部にはGeドープファイバ330があるため、波長λのレーザ光が誘導ラマン散乱の励起光としてGeドープファイバ330を伝搬する際に波長λ(=1315nm)付近に利得を持たせる。その結果、誘導ラマン散乱により一対のファイバグレーティング331、332の間で波長λのレーザ光が発振される。このとき、誘導ラマン散乱の波長λの励起光はGeドープファイバ330を高いパワーで折り返し伝搬しているため、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ光の発振が高効率で行われる。
この波長λのレーザ光の一部が、ファイバグレーティング332を透過しGeドープファイバ330から出力される。
また、希土類ドープファイバ310、Pドープファイバ320およびGeドープファイバ330はほぼ等しいモードフィールド径であるため、ファイバの融着接続部351、352における誘導放出効果および誘導ラマン散乱により発振するレーザ光の界分布不整合損失が少ない。そこで、高パワーのレーザ発振が一対のファイバグレーティング311、312で構成される第1の共振器内部で行われ、誘導ラマン散乱によるレーザ発振が高効率で行われる。
以上のように、実施例2によるファイバレーザ装置300では、波長λの励起光から所望の波長λのレーザ光への波長変換において高効率化を実現している。
実施例3.
図5はこの発明の実施例3によるファイバレーザ装置を模式的に示す構成図である。
図5において、ファイバレーザ装置400は、石英系の光ファイバの中心をなすコアに活性物質としてのErがドープされた2重のクラッド構造である希土類ドープファイバ410(誘導放出用光ファイバおよび非線形用光ファイバ)と、希土類ドープファイバ410に形成された誘導放出効果用反射手段としての一対のファイバグレーティング411、412により構成される第1の共振器と、希土類ドープファイバ410に形成された非線形効果用反射手段としての一対のファイバグレーティング421、422により構成される第2の共振器と、波長λ(=980nm)の励起光を反射する励起光反射手段としてのミラー403とを備えている。そして、一対のファイバグレーティング411、412は入射された波長λの励起光により反転分布の状態にされたErから誘導放出効果によって放出される波長λ(=1550nm)の光を反射するように構成され、一対のファイバグレーティング421、422は波長λの励起光の通過により得られるラマンシフト量に対応した波長λ(=1660nm)の光を反射するように構成されている。また、ファイバグレーティング411、412、421、403は対象とする波長の光に対して高反射率(99%以上)を有し、ファイバグレーティング422は対象とする波長の光に対して低反射率(約30%)を有するように構成されている。
ここで、一対のファイバグレーティング411、412により構成される第1の共振器が、誘導放出効果によるレーザ発振領域(希土類ドープファイバレーザ発振領域)を構成し、一対のファイバグレーティング421、422により構成される第2の共振器が、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ発振領域(ラマンファイバレーザ発振領域)を構成している。そして、誘導放出効果による波長λのレーザ発振領域が、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ発振領域の内部に構成されている。
つぎに、この実施例3によるファイバレーザ装置400の動作について説明する。
まず、波長λ(=980nm)の励起光が希土類ドープファイバ410の第1クラッドに入力される。このとき、上記実施例1の場合と同様に、2重のクラッド構造である希土類ドープファイバ310は高パワーの励起光を入力することが可能であり、高パワーで誘導放出効果によるレーザ発振を行うことができる。また、ミラー403を設けることで、波長λの励起光が希土類ドープファイバ410を高いパワーで折り返し伝搬しているので、誘導放出効果によるレーザ発振が高効率で行われる。
希土類ドープファイバ410に入力された励起光は、希土類ドープファイバ410の第1クラッドを伝搬しコアを通過する際にErを励起している。その結果、誘導放出効果により一対のファイバグレーティング411、412の間で波長λ(=1550nm)のレーザ光が発振される。このとき、石英系の希土類ドープファイバ410が波長λの希土類ドープファイバレーザ発振領域の内部にあるので、波長λのレーザ光が誘導ラマン散乱の励起光として希土類ドープファイバ410を伝搬する際に波長λ(=1660nm)付近に利得を持たせる。その結果、誘導ラマン散乱により一対のファイバグレーティング421、422の間で波長λのレーザ光が発振される。そして、誘導ラマン散乱の波長λの励起光が非線形用光ファイバとして作用する希土類ドープファイバ410を高いパワーで折り返し伝搬しているため、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ光の発振が高効率で行われる。
この波長λのレーザ光の一部が、ファイバグレーティング422を透過し出力される。
以上のように、実施例3によるファイバレーザ装置400では、波長λの励起光から所望の波長λのレーザ光への波長変換において高効率化を実現している。
実施例4.
図6はこの発明の実施例4によるファイバレーザ装置を模式的に示す構成図である。
図6において、ファイバレーザ装置500は、石英系の光ファイバの中心をなすコアに活性物質としてのYbがドープされた希土類ドープファイバ510(誘導放出用光ファイバ)と、希土類ドープファイバ510に比べて小さなモードフィールド径を有する石英系の光ファイバ520(非線形用光ファイバ)と、希土類ドープファイバ510と光ファイバ520とを直列に接続するTEC(Thermally Expanded Core)ファイバ530と、希土類ドープファイバ510と光ファイバ520とに形成された誘導放出効果用反射手段としての一対のファイバグレーティング511、512により構成される第1の共振器と、光ファイバ520に形成された非線形効果用反射手段としての一対のファイバグレーティング521、522により構成される第2の共振器と、希土類ドープファイバ510に形成され、波長λ(=975nm)の励起光を反射する励起光反射手段としてのファイバグレーティング503とを備えている。そして、一対のファイバグレーティング511、512は入射された波長λの励起光により反転分布の状態にされたYbから誘導放出効果によって放出される波長λ(=1064nm)の光を反射するように構成され、一対のファイバグレーティング521、522は波長λの励起光の通過により得られるラマンシフト量に対応した波長λ(=1116nm)の光を反射するように構成されている。また、ファイバグレーティング511、512、521、503は対象とする波長の光に対して高反射率(99%以上)を有し、ファイバグレーティング522は対象とする波長の光に対して低反射率(約50%)を有するように構成されている。
ここで、TECファイバ530は、希土類ドープファイバ510と光ファイバ520との間に配置され、希土類ドープファイバ510のモードフィールド径と光ファイバ520のモードフィールド径とが相互に変換される界分布変換手段である。このTECファイバ530は、図7に示されるように、熱処理によりコアの屈折率分布を一部拡大することにより界分布を拡大することができる光ファイバであり、希土類ドープファイバ510および光ファイバ520に融着接続されている。また、一対のファイバグレーティング511、512により構成される第1の共振器が、誘導放出効果によるレーザ発振領域(希土類ドープファイバレーザ発振領域)を構成し、一対のファイバグレーティング521、522により構成される第2の共振器が、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ発振領域(ラマンファイバレーザ発振領域)を構成している。そして、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ発振領域が、誘導放出効果による波長λのレーザ発振領域の内部に構成されている。
つぎに、この実施例4によるファイバレーザ装置500の動作について説明する。
まず、波長λ(=975nm)の励起光が希土類ドープファイバ510のコアに入力される。このとき、励起光がファイバグレーティング503により反射されて希土類ドープファイバ510を高いパワーで折り返し伝搬するので、誘導放出効果によるレーザ発振が高効率で行われる。
希土類ドープファイバ510に入力された励起光は、希土類ドープファイバ510のコアを伝搬しコアを通過する際にYbを励起している。その結果、誘導放出効果により一対のファイバグレーティング511、512の間で波長λ(=1064nm)のレーザ光が発振される。そして、光ファイバ520が波長λの希土類ドープファイバレーザ発振領域の内部にあるので、波長λのレーザ光が誘導ラマン散乱の励起光として光ファイバ520を伝搬する際に波長λ(=1116nm)付近に利得を持たせる。その結果、誘導ラマン散乱により一対のファイバグレーティング521、522の間で波長λのレーザ光が発振される。このとき、誘導ラマン散乱の波長λの励起光が光ファイバ520を高いパワーで折り返し伝搬しているため、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ光の発振が高効率で行われる。
この波長λのレーザ光の一部が、ファイバグレーティング522を透過し光ファイバ520から出力される。
また、希土類ドープファイバ510のモードフィールド径と光ファイバ520のモードフィールド径とがTECファイバ530により相互に変換されているので、誘導放出効果によるレーザ光の融着接続部551、552における界分布不整合損失が少なく、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ発振が高効率で行われる。さらに、光ファイバ520のモードフィールド径が小さく、誘導ラマン散乱の励起光は光ファイバ520を高いパワー密度で折り返し伝搬しているので、誘導ラマン散乱によるレーザ発振が高効率で行われる。
以上のように、実施例4によるファイバレーザ装置500では、波長λの励起光から所望の波長λのレーザ光への波長変換において高効率化を実現している。
実施例5.
図8はこの発明の実施例5によるファイバレーザ装置を模式的に示す構成図である。
図8において、ファイバレーザ装置600は、石英系の光ファイバの中心をなすコアに活性物質としてのYb/Erがドープされた希土類ドープファイバ610(誘導放出用光ファイバ)と、石英系の光ファイバ620(非線形用光ファイバ)と、希土類ドープファイバ610と光ファイバ620とに形成された誘導放出効果用反射手段としての一対のファイバグレーティング611、612により構成される第1の共振器と、光ファイバ620に形成された非線形効果用反射手段としての一対のファイバグレーティング621、622により構成される第2の共振器と、希土類ドープファイバ610に形成され、波長λ(=975nm)の励起光を反射する励起光反射手段としてのファイバグレーティング603とを備えている。そして、一対のファイバグレーティング611、612は入射された波長λの励起光により反転分布の状態にされたYb/Erから誘導放出効果によって放出される波長λ(=1550nm)の光を反射するように構成され、一対のファイバグレーティング621、622は波長λの励起光の通過により得られる波長λ(>1550nm)の光を反射するように構成されている。また、ファイバグレーティング611、612、621、603は対象とする波長の光に対して高反射率(99%以上)を有し、ファイバグレーティング622は対象とする波長の光に対して低反射率(約50%)を有するように構成されている。
ここで、希土類ドープファイバ610と光ファイバ620とはほぼ等しいモードフィールド径を有し、融着接続法を用いて直列に接続されている。また、一対のファイバグレーティング611、612により構成される第1の共振器が、誘導放出効果によるレーザ発振領域(希土類ドープファイバレーザ発振領域)を構成し、一対のファイバグレーティング621、622により構成される第2の共振器が、誘導ブリルアン散乱による波長λのレーザ発振領域(ブリルアンファイバレーザ発振領域)を構成している。そして、誘導ブリルアン散乱による波長λのレーザ発振領域が、誘導放出効果による波長λのレーザ発振領域の内部に構成されている。
つぎに、この実施例5によるファイバレーザ装置600の動作について説明する。
まず、波長λ(=975nm)の励起光が希土類ドープファイバ610のコアに入力される。このとき、励起光がファイバグレーティング603により反射されて希土類ドープファイバ610を高いパワーで折り返し伝搬するので、高効率で誘導放出効果によるレーザ発振を行うことができる。
希土類ドープファイバ610に入力された励起光は、希土類ドープファイバ610のコアを伝搬しコアを通過する際にYbを励起し、YbからErへのエネルギー移動によりErが励起される。その結果、誘導放出効果により一対のファイバグレーティング611、612の間で波長λ(=1550nm)のレーザ光が発振される。そして、光ファイバ620が波長λの希土類ドープファイバレーザ発振領域の内部にあるので、波長λのレーザ光が誘導ブリルアン散乱の励起光として光ファイバ620を伝搬する際に波長λより10GHz程度低い周波数(波長λ>1550nm)に利得を持たせる。その結果、誘導ブリルアン散乱により一対のファイバグレーティング621、622の間で波長λ(>1550nm)のレーザ光が発振される。このとき、誘導ブリルアン散乱の波長λの励起光が光ファイバ620を高いパワーで折り返し伝搬しているため、誘導ブリルアン散乱による波長λのレーザ光の発振が高効率で行われる。
この波長λのレーザ光の一部が、ファイバグレーティング622を透過し光ファイバ620から出力される。
また、波長λのブリルアンファイバレーザ発振領域の内部には石英系ファイバ620があるため、波長λのレーザ光は誘導ブリルアン散乱の励起光として石英系ファイバ620を伝搬する際に波長λより10GHz程度の低い周波数に利得を持たせる。その結果、誘導ブリルアン散乱により一対のファイバグレーティング621、622の間で波長λから10GHz程度の間隔で多波長のレーザ光が次々と発振される。これにより、誘導ブリルアン散乱の励起光は光ファイバ620を高いパワーで折り返し伝搬しているため、誘導ブリルアン散乱による多波長のレーザ発振が高効率で行われる。
そして、多波長の発振するレーザ光の一部が、ファイバグレーティング622を透過し光ファイバ620から出力される。
ここで、希土類ドープファイバ610と光ファイバ620はほぼ等しいモードフィールド径であるため、ファイバの融着接続部651における誘導放出効果により発振するレーザ光の界分布不整合損失が少ない。そこで、高パワーのレーザ発振が一対のファイバグレーティング611、612で構成される第1の共振器内部で行われ、誘導ブリルアン散乱によるレーザ発振が高効率で行われる。
以上のように、実施例5によるファイバレーザ装置600では、波長λの励起光から所望の波長λ以上で多波長のレーザ光への波長変換において高効率化を実現している。
実施の形態6.
図9はこの発明の実施例6によるファイバレーザ装置を模式的に示す構成図である。
図9において、ファイバレーザ装置700は、石英系の光ファイバの中心をなすコアに活性物質としてのErがドープされた2重のクラッド構造の希土類ドープファイバ710(誘導放出用光ファイバ)と、石英系の光ファイバの中心をなすコアに活性物質としてのGeが多くドープされたGeドープファイバ720(非線形用光ファイバ)と、希土類ドープファイバ710とGeドープファイバ720とに形成された誘導放出効果用反射手段としての一対のファイバグレーティング711、712により構成される第1の共振器と、Geドープファイバ720に形成された非線形効果用反射手段としての一対のファイバグレーティング721、722により構成される第2の共振器と、Geドープファイバ720に形成された非線形効果用反射手段としての一対のファイバグレーティング731、732により構成される第3の共振器とを備えている。そして、一対のファイバグレーティング711、712は入射された波長λの励起光により反転分布の状態にされたErから誘導放出効果によって放出される波長λ(=1550nm)の光を反射するように構成され、一対のファイバグレーティング721、722は波長λの励起光の通過により得られる波長λ(=1660nm)の光を反射するように構成され、一対のファイバグレーティング731、732は波長λの励起光の通過により得られる波長λ(>1660nm)の光を反射するように構成されている。また、ファイバグレーティング711、712、721、722、731は対象とする波長の光に対して高反射率(99%以上)を有し、ファイバグレーティング732は対象とする波長の光に対して低反射率(約50%)を有するように構成されている。
ここで、希土類ドープファイバ710とGeドープファイバ720とはほぼ等しいモードフィールド径を有し、融着接続法を用いて直列に接続されている。また、一対のファイバグレーティング711、712により構成される第1の共振器が、誘導放出効果によるレーザ発振領域(希土類ドープファイバレーザ発振領域)を構成し、一対のファイバグレーティング721、722により構成される第2の共振器が、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ発振領域(ラマンファイバレーザ発振領域)を構成し、一対のファイバグレーティング731、732により構成される第3の共振器が、誘導ブリルアン散乱による波長λのレーザ発振領域(ブリルアンファイバレーザ発振領域)を構成している。そして、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ発振領域および誘導ブリルアン散乱による波長λのレーザ発振領域が、その一部を重複して、誘導放出効果による波長λのレーザ発振領域の内部に構成されている。
つぎに、この実施例6によるファイバレーザ装置700の動作について説明する。
まず、波長λ(=980nm)の励起光が希土類ドープファイバ710の第1クラッドに入力される。このとき、上記実施例1の場合と同様に、2重のクラッド構造である希土類ドープファイバ710は高パワーの励起光を入力することが可能であり、高効率で誘導放出効果によるレーザ発振を行うことができる。
希土類ドープファイバ710に入力された励起光は、希土類ドープファイバ710の第1クラッドを伝搬しコアを通過する際にErを励起している。その結果、誘導放出効果により一対のファイバグレーティング711、712の間で波長λ(=1550nm)のレーザ光が発振される。そして、Geドープファイバ720が波長λの希土類ドープファイバレーザ発振領域の内部にあるので、波長λのレーザ光が誘導ラマン散乱の励起光としてGeドープファイバ720を伝搬する際に波長λ(=1660nm)付近に利得を持たせる。その結果、誘導ラマン散乱により一対のファイバグレーティング721、722の間で波長λのレーザ光が発振される。このとき、誘導ラマン散乱の波長λの励起光がGeドープファイバ720を高いパワーで折り返し伝搬しているため、誘導ラマン散乱による波長λのレーザ光の発振が高効率で行われる。
そして、Geドープファイバ720が波長λのラマンファイバレーザ発振領域の内部にあるので、波長λのレーザ光が誘導ブリルアン散乱の励起光としてGeドープファイバ720を伝搬する際に波長λより10GHz程度低い周波数に利得を持たせる。その結果、誘導ブリルアン散乱により一対のファイバグレーティング731、732の間で波長λ(>1660nm)のレーザ光が発振される。このとき、誘導ブリルアン散乱の波長λの励起光がGeドープファイバ720を高いパワーで折り返し伝搬しているため、誘導ブリルアン散乱による波長λのレーザ光の発振が高効率で行われる。
この波長λのレーザ光の一部が、ファイバグレーティング732を透過しGeドープファイバ720から出力される。
また、波長λのブリルアンファイバレーザ発振領域の内部にはGeドープファイバ720があるため、波長λのレーザ光は誘導ブリルアン散乱の励起光としてGeドープファイバ720を伝搬する際に波長λより10GHz程度の低い周波数に利得を持たせる。その結果、誘導ブリルアン散乱により一対のファイバグレーティング731、732の間で波長λから10GHz程度の間隔で多波長のレーザ光が次々と発振される。これにより、誘導ブリルアン散乱の励起光はGeドープファイバ720を高いパワーで折り返し伝搬しているため、誘導ブリルアン散乱による多波長のレーザ発振が高効率で行われる。
そして、多波長の発振するレーザ光の一部が、ファイバグレーティング732を透過しGeドープファイバ720から出力される。
ここで、希土類ドープファイバ710とGeドープファイバ720はほぼ等しいモードフィールド径であるため、ファイバの融着接続部751における誘導放出効果により発振するレーザ光の界分布不整合損失が少ない。そこで、高パワーのレーザ発振が一対のファイバグレーティング711、712で構成される第1の共振器内部で行われ、誘導ブリルアン散乱によるレーザ発振が高効率で行われる。
以上のように、実施例6によるファイバレーザ装置700では、波長λの励起光から所望の波長λ以上で多波長のレーザ光への波長変換において高効率化を実現している。
なお、上記各実施例では、誘導放出用光ファイバおよび非線形用光ファイバとして石英系の光ファイバを用いている。これにより、石英系光ファイバを伝搬するレーザ光の損失は少なく、誘導ラマン散乱および誘導ブリルアン散乱によるレーザ発振が高効率で行われる。さらに、ファイバ同士を融着接続法で接続すること、各反射手段としてファイバグレーティングをファイバに形成することが容易となり、単純に光ファイバのみで共振器を簡易に構成することができるようになる。そこで、発振するレーザ光における損失が少なくなり、誘導ラマン散乱および誘導ブリルアン散乱によるレーザ発振が高効率で行われるようになる。
また、上記各実施例では、非線形用光ファイバとして石英系の光ファイバを用いているが、非線形用光ファイバは石英系の光ファイバに限定されるものではなく、励起光を入力して非線形効果を生じるものであれば良く、例えばリン酸系の光ファイバに活性物質をドープしたものでも良い。この場合、反射手段としてのファイバグレーティングが形成しにくくなるので、リン酸系の光ファイバのモードフィールド径とほぼ等しいモードフィールド径の石英系の光ファイバをリン酸系の光ファイバの両端に融着接続し、両石英系の光ファイバにファイバグレーティングを形成すれば、単純に光ファイバのみで共振器を簡易に構成することができるようになる。この時、直列に接続された石英系の光ファイバとリン酸系の光ファイバとが非線形用光ファイバを構成している。
以上述べたように、この発明によれば、波長λの励起光を入力し、励起光と異なる波長のレーザ光を出力するファイバレーザ装置において、上記波長λの励起光により誘導放出効果を活性化させる活性媒質がドープされた誘導放出用光ファイバと、上記誘導放出用光ファイバの少なくとも一部を含み、上記波長λの励起光として上記誘導放出効果により波長λ(λ≠λ)のレーザ光を発振させる誘導放出効果用光共振器を構成するように、離間して配置された一対の誘導放出効果用反射手段と、上記波長λのレーザ光を励起光として非線形効果を生じる非線形用効果光ファイバと、上記非線形用光ファイバの少なくとも一部を含み、上記波長λのレーザ光を励起光として上記非線形効果により波長λ(λ≠λかつλ≠λ)のレーザ光を発振させる非線形効果用光共振器を構成するように、離間して配置された非線形効果用反射手段とを有し、上記誘導放出用光ファイバの少なくとも一部と上記非線形用光ファイバの少なくとも一部とが上記一対の誘導放出効果用反射手段の間に配置され、上記非線形効果用光共振器の少なくとも一部が上記誘導放出効果用光共振器の内部に構成されている。これにより、誘導放出効果用共振器の内部で発振された高パワーのレーザ光を非線形効果用共振器の励起光として直接利用できるので、非線形効果によるレーザ発振を高効率で行わせることができるファイバレーザ装置が得られる。
また、上記非線形効果用反射手段は、それぞれ上記波長λのレーザ光(λ=λi−1+Δλ:Δλは波長λi−1のレーザ光を励起光としたときに上記非線形効果によって得られる波長λi−1からのシフト量、i=2,・・・、n+1:nは2以上の整数)を反射するように規定された複数対の反射手段で構成され、上記複数対の反射手段は、上記波長λのレーザ光を反射する上記対をなす反射手段間に位置する上記非線形用光ファイバの少なくとも一部が上記波長λi+1のレーザ光を反射する上記対をなす反射手段間に位置するように配置され、かつ、上記波長λのレーザ光を反射する上記対をなす反射手段間に位置する上記非線形用光ファイバの少なくとも一部が上記波長λのレーザ光を反射する上記一対の誘導放出効果用反射手段間に位置するように配置されているので、複数回の非線形効果によるレーザ発振を高効率で行わせることができる。
また、上記非線形用光ファイバは、それぞれ上記波長λのレーザ光(λ=λi−1+Δλ:Δλは波長λi−1のレーザ光を励起光としたときに上記非線形効果によって得られる波長λi−1からのシフト量、i=2,・・・、n+1:nは2以上の整数)を励起光として上記非線形効果を生じる複数本の光ファイバで構成され、上記非線形効果用反射手段は、それぞれ上記波長λのレーザ光を励起光として上記非線形効果を生じる上記光ファイバの少なくとも一部を含むように、かつ、上記波長λのレーザ光を反射するように規定された複数対の反射手段で構成され、上記複数対の反射手段は、上記波長λのレーザ光を反射する上記対をなす反射手段間に位置する上記光ファイバの少なくとも一部が上記波長λi+1のレーザ光を反射する上記対をなす反射手段間に位置するように配置され、かつ、上記波長λのレーザ光を反射する上記対をなす反射手段間に位置する上記光ファイバの少なくとも一部が上記波長λのレーザ光を反射する上記一対の誘導放出効果用反射手段間に位置するように配置されているので、複数回の非線形効果によるレーザ発振を高効率で行わせることができる。
また、上記誘導放出用光ファイバおよび上記非線形用光ファイバが、石英系光ファイバであるので、光ファイバを伝搬するレーザ光の損失が少なくなり、非線形効果によるレーザ発振が高効率で行われる。
また、上記誘導放出用光ファイバは、コアの外周に少なくとも2重のクラッド構造が形成されているので、誘導放出用光ファイバに高パワーの励起光を入力することが可能となり、誘導放出効果によるレーザ発振が高効率で行われ、高パワーのレーザ光が得られる。
また、上記誘導放出用光ファイバが、上記非線形用光ファイバを兼用しているので、ファイバレーザ装置の構成の簡素化が図られる。
また、上記非線形用光ファイバのモードフィールド径が、上記誘導放出用光ファイバのモードフィールド径と同等に形成されているので、誘導放出用光ファイバと非線形用光ファイバとの接続部におけるレーザ光の界分布不整合損失が低減される。
また、界分布変換手段が上記誘導放出用光ファイバと上記非線形用光ファイバとの間に配置され、上記誘導放出用光ファイバのモードフィールド径と上記非線形用光ファイバのモードフィールド径とが上記界分布変換手段により相互に変換されるように構成されているので、誘導放出用光ファイバと非線形用光ファイバとの接続部におけるレーザ光の界分布不整合損失が低減される。
また、上記波長λの励起光を反射する励起光反射手段が、上記誘導放出用光ファイバの少なくとも一部に配置され、上記波長λの励起光が上記一対の誘導放出効果用反射手段間に位置する上記誘導放出用光ファイバを折り返し伝搬するように構成されているので、誘導放出効果によるレーザ発振が高パワーで行われる。
また、上記誘導放出効果用反射手段および上記非線形効果用反射手段は、上記誘導放出用光ファイバおよび上記非線形用光ファイバに形成されたファイバグレーティングで構成されているので、各共振器を光ファイバのみで構成でき、発振するレーザ光における損失が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
図1はこの発明によるファイバレーザ装置を模式的に示す構成図である。
図2は図1に示すファイバレーザ装置における誘導放出用光ファイバと非線形用光ファイバとを伝播するパワー分布を示す図である。
図3はこの発明の実施例1によるファイバレーザ装置を模式的に示す構成図である。
図4はこの発明の実施例2によるファイバレーザ装置を模式的に示す構成図である。
図5はこの発明の実施例3によるファイバレーザ装置を模式的に示す構成図である。
図6はこの発明の実施例4によるファイバレーザ装置を模式的に示す構成図である。
図7はこの発明の実施例4によるファイバレーザ装置におけるTECファイバの界分布変換効果を説明する図である。
図8はこの発明の実施例5によるファイバレーザ装置を模式的に示す構成図である。
図9はこの発明の実施例6によるファイバレーザ装置を模式的に示す構成図である。
図10は従来のカスケードラマンファイバレーザ装置を示す模式的に構成図である。
図11は従来のラマンファイバレーザ装置を示す模式的に構成図である。
図12は図11に示す従来のラマンファイバレーザ装置における誘導放出用光ファイバと非線形用光ファイバとを伝播するパワー分布を示す図である。

Claims (10)

  1. 波長λの励起光を入力し、励起光と異なる波長のレーザ光を出力するファイバレーザ装置において、
    上記波長λの励起光により誘導放出効果を活性化させる活性媒質がドープされた誘導放出用光ファイバと、
    上記誘導放出用光ファイバの少なくとも一部を含み、上記波長λの励起光として上記誘導放出効果により波長λ(λ≠λ)のレーザ光を発振させる誘導放出効果用光共振器を構成するように、離間して配置された一対の誘導放出効果用反射手段と、
    上記波長λのレーザ光を励起光として非線形効果を生じる非線形用効果光ファイバと、
    上記非線形用光ファイバの少なくとも一部を含み、上記波長λのレーザ光を励起光として上記非線形効果により波長λ(λ≠λかつλ≠λ)のレーザ光を発振させる非線形効果用光共振器を構成するように、離間して配置された非線形効果用反射手段とを有し、
    上記誘導放出用光ファイバの少なくとも一部と上記非線形用光ファイバの少なくとも一部とが上記一対の誘導放出効果用反射手段の間に配置され、上記非線形効果用光共振器の少なくとも一部が上記誘導放出効果用光共振器の内部に構成されていることを特徴とするファイバレーザ装置。
  2. 上記非線形効果用反射手段は、それぞれ上記波長λのレーザ光(λ=λi−1+Δλ:Δλは波長λi−1のレーザ光を励起光としたときに上記非線形効果によって得られる波長λi−1からのシフト量、i=2,・・・、n+1:nは2以上の整数)を反射するように規定された複数対の反射手段で構成され、
    上記複数対の反射手段は、上記波長λのレーザ光を反射する上記対をなす反射手段間に位置する上記非線形用光ファイバの少なくとも一部が上記波長λi+1のレーザ光を反射する上記対をなす反射手段間に位置するように配置され、かつ、上記波長λのレーザ光を反射する上記対をなす反射手段間に位置する上記非線形用光ファイバの少なくとも一部が上記波長λのレーザ光を反射する上記一対の誘導放出効果用反射手段間に位置するように配置されていることを特徴とする請求項1記載のファイバレーザ装置。
  3. 上記非線形用光ファイバは、それぞれ上記波長λのレーザ光(λ=λi−1+Δλ:Δλは波長λi−1のレーザ光を励起光としたときに上記非線形効果によって得られる波長λi−1からのシフト量、i=2,・・・、n+1:nは2以上の整数)を励起光として上記非線形効果を生じる複数本の光ファイバで構成され、
    上記非線形効果用反射手段は、それぞれ上記波長λのレーザ光を励起光として上記非線形効果を生じる上記光ファイバの少なくとも一部を含むように、かつ、上記波長λのレーザ光を反射するように規定された複数対の反射手段で構成され、
    上記複数対の反射手段は、上記波長λのレーザ光を反射する上記対をなす反射手段間に位置する上記光ファイバの少なくとも一部が上記波長λi+1のレーザ光を反射する上記対をなす反射手段間に位置するように配置され、かつ、上記波長λのレーザ光を反射する上記対をなす反射手段間に位置する上記光ファイバの少なくとも一部が上記波長λのレーザ光を反射する上記一対の誘導放出効果用反射手段間に位置するように配置されていることを特徴とする請求項1記載のファイバレーザ装置。
  4. 上記誘導放出用光ファイバおよび上記非線形用光ファイバが、石英系光ファイバであることを特徴とする請求項1記載のファイバレーザ装置。
  5. 上記誘導放出用光ファイバは、コアの外周に少なくとも2重のクラッド構造が形成されていることを特徴とする請求項1記載のファイバレーザ装置。
  6. 上記誘導放出用光ファイバが、上記非線形用光ファイバを兼用していることを特徴とする請求項1記載のファイバレーザ装置。
  7. 上記非線形用光ファイバのモードフィールド径が、上記誘導放出用光ファイバのモードフィールド径と同等に形成されていることを特徴とする請求項1記載のファイバレーザ装置。
  8. 界分布変換手段が上記誘導放出用光ファイバと上記非線形用光ファイバとの間に配置され、上記誘導放出用光ファイバのモードフィールド径と上記非線形用光ファイバのモードフィールド径とが上記界分布変換手段により相互に変換されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のファイバレーザ装置。
  9. 上記波長λの励起光を反射する励起光反射手段が、上記誘導放出用光ファイバの少なくとも一部に配置され、上記波長λの励起光が上記一対の誘導放出効果用反射手段間に位置する上記誘導放出用光ファイバを折り返し伝搬するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のファイバレーザ装置。
  10. 上記誘導放出効果用反射手段および上記非線形効果用反射手段は、上記誘導放出用光ファイバおよび上記非線形用光ファイバに形成されたファイバグレーティングで構成されていることを特徴とする請求項1記載のファイバレーザ装置。
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