JPWO2002087821A1 - 冷凍機部品の切削・研削加工方法 - Google Patents

冷凍機部品の切削・研削加工方法 Download PDF

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Abstract

本発明の冷凍機部品の切削・研削加工方法は、被加工部材を切削・研削加工して、非塩素含有冷媒用冷凍機器の冷媒循環システムを構成する冷凍機部品を得る方法であって、加工油を圧縮流体と共に被加工部材の加工部位に供給するステップと、加工油が供給された加工部位を切削・研削加工するステップとを含むものである。

Description

技術分野
本発明は、冷凍機部品の切削・研削加工方法に関するものであり、詳しくは、冷凍庫、冷蔵庫、エアーコンディショナー等の冷凍機器の冷媒循環システムを構成する冷凍機部品の切削・研削加工方法に関するものである。
背景技術
冷凍庫、冷蔵庫、エアーコンディショナー等の冷凍機器が備える冷媒循環システムには様々な金属製部品(以下、「冷凍機部品」という)が用いられている。
このような冷凍機部品の切削・研削加工方法としては、比較的多量の加工油を非加工部材の加工部位に供給しながら切削・研削加工する方法が一般的である。加工油としては、塩素化パラフィン等の塩素系極圧剤、正リン酸エステル、酸性燐酸エステル等のリン系極圧剤、ZnDTP等の焼き付き防止剤、金属スルホネート類等のさび止め剤等が配合された不水溶性切削・研削加工油や、金属スルホネート等の界面活性剤、アミン化合物等のpH調整剤、オレイン酸等の油性剤等が配合された水溶性切削・研削加工油等が広く用いられている。
上記従来の加工油は、冷媒循環システムに混入した場合にキャピラリー等の膨張機構を閉塞する原因となり得る。従って、切削・研削加工処理が施された冷凍機部品を用いて冷媒循環システムを作製する際には、塩素系溶剤、フッ素系溶剤等を用いて冷凍機部品から加工油を十分に除去する必要がある。
ところで、近年、環境保全の観点から、塩素系溶剤やフッ素系溶剤の使用が規制されるようになり、現在では加工油の除去に塩素やフッ素を含有しない溶剤が使用されている。
また、冷凍機器においても、オゾン層破壊問題等の環境保全の観点から、冷媒として従来使用されてきたCFC(クロロフルオロカーボン)やHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)が規制の対象となり、これらの塩素含有冷媒からHFC(ハイドロフルオロカーボン)等の非塩素含有冷媒への代替化が進められている。そして、このような冷媒代替化に伴い、鉱油等を基油とする従来の冷凍機油に代わる非塩素含有冷媒用冷凍機油の開発が進められており、エステル等を基油とする冷凍機油の使用が提案されている。
発明の開示
しかしながら、上記従来の切削・研削加工方法において、塩素やフッ素を含有しない溶剤を用いて加工油の除去を行う場合には、塩素系溶剤やフッ素系溶剤を用いた場合に比べて加工油の除去効率が低く、加工油が冷凍機部品に残留しやすくなる。特に、加工油に含まれる添加剤の反応によって冷凍機部品表面に被膜が形成されると、切削・研削加工後の洗浄によってこの被膜を完全に除去することは非常に困難である。そして、このように加工油の除去が不十分な冷凍機部品を用いた冷媒循環システムにおいては、加工油又はその一部の成分の混入によって、冷凍機油が本来的に有する物理的及び化学的性質が損なわれて、冷媒循環システムにおける十分な信頼性が得られにくくなる。
例えば、非塩素含有冷媒と冷凍機油との混合物(以下、「冷媒/冷凍機油混合物」という)に加工油又はその一部(極圧剤等)が混入すると、冷媒循環システムの低温部分で冷媒/冷凍機油混合物から加工油又はその一部が析出したり、加工油又はその一部の成分が冷凍機油の基油や添加剤と反応してスラッジが発生して、その結果、膨張機構等が閉塞しやすくなる。このような現象は、冷凍機油の基油としてエステルを用いた場合に顕著に見られるものである。
更に、冷凍機部品の中には、例えば圧縮機のベーンやローラー、軸のように、切削・研削加工後に表面処理が施されるものがある。このとき、冷凍機部品の表面に加工油又はその一部が残存したり、被膜が形成された状態のままで表面処理が行われると、表面処理の品質が低下する恐れがある。
また、冷凍機部品としては銅製の部品が多く用いられているが、銅製部品の切削・研削加工の際に、加工油に含まれる添加剤によって銅製部品が腐食する場合がある。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、冷凍機部品を切削・研削加工するに際し、冷凍機部品の品質低下や冷媒循環システムへの加工油の混入を十分に防止すると共に、十分な加工精度を達成することが可能な冷凍機部品の切削・研削加工方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、加工油を圧縮流体と共に被加工部材の加工部位に噴霧しながら切削・研削加工を行うことによって上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の冷凍機部品の切削・研削方法は、被加工部材を切削・研削加工して、非塩素含有冷媒用冷凍機器の冷媒循環システムを構成する冷凍機部品を得る方法であって、加工油を圧縮流体と共に被加工部材の加工部位に供給するステップと、加工油が供給された前記加工部位を切削・研削加工するステップとを含むものである。
本発明においては、加工油が冷凍機器に用いられる冷凍機油の基油を含有するものであることが好ましい。これにより、冷凍機部品の品質低下及び冷媒循環システムへの加工油の混入の防止並びに加工精度の向上をより高水準で達成でき、更には加工油が冷媒循環システムに混入した場合であってもスラッジの生成を十分に防止することができる。
また、本発明においては、加工油がエステルを基油とするものであることが好ましい。冷凍機油の基油がエステルであり、そのエステルを含有する加工油を用いて冷凍機部品の切削・研削加工を行うと、加工油の供給量が極微量であっても十分に高い加工精度を達成することができ、工具等の摩耗も少なく、十分に効率よく切削・研削加工を行うことができ、更には加工油が冷媒循環システムに混入した場合のスラッジ生成防止効果が高められる傾向にある。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(冷凍機部品)
本発明の切削・研削加工方法によって得られる冷凍機部品とは、圧縮機、凝縮器、膨張機構、蒸発器等を備える冷媒循環システムを構成する金属製部品をいう。このような冷媒循環システムを有する冷凍機器としては、具体的には、ルームエアコン、パッケージエアコン、冷蔵庫、自動車用エアコン、除湿機、冷凍庫、冷凍冷蔵倉庫、自動販売機、ショーケース、化学プラントの冷却装置等が挙げられる。
これらの冷凍機器が備える冷媒循環システムは、材質や加工方法等が異なる複数の冷凍機部品によって構成されるものである。そして、従来の方法で冷凍機部品の切削・研削加工を行う際には、冷凍機部品の材質や加工方法に適した加工油を冷凍機部品毎に選定する必要があった。
これに対して、本発明の冷凍機部品の切削・研削加工方法によれば、十分に高い加工精度が達成され、また添加剤による腐食等の悪影響が十分に抑制されるので、例えば1種の加工油で複数種の冷凍機部品を加工することができる。従って、本発明の冷凍機部品の切削・研削加工方法は、切削・研削加工工程における効率の向上、低コスト化及び省スペース化を可能とする点で非常に有用である。更には、1つの工作機械で加工できる冷凍機部品の種類が増加するので、この点からも切削・研削加工工程における効率の向上、低コスト化及び省スペース化が可能となる。
上記の冷凍機器を構成する冷凍機部品の中でも、圧縮機を構成する部品、特に切削・研削加工後に表面処理(リン酸被膜処理、PVD処理、DLC処理等)が施される部品の切削・研削加工を行う際に、本発明の冷凍機部品の切削・研削加工方法は優れた効果を発揮する。なお、圧縮機としては、開放型、密閉型、半密閉型のいずれであってもよく、また、圧縮機の型式としては、往復動型、ロータリーベーン型、ローリングピストン型、スクロール型、スクリュー型等が挙げられる。
往復動型圧縮機を構成する部品としては、具体的には、ブロック、シャフト、ベアリング、コンロッド、ピストンピン、ピストン、シリンダ、ロータ等が挙げられる。
ロータリーベーン型圧縮機を構成する部品としては、具体的には、ブロック、シャフト、ベアリング、ベーン、シリンダ、ロータ等が挙げられる。
ローリングピストン型圧縮機を構成する部品としては、具体的には、ブロック、シャフト、ベアリング、ベーン、シリンダ、ローリングピストン等が挙げられる。
スクロール型圧縮機を構成する部品としては、具体的には、シャフト、ベアリング、固定スクロール、旋回スクロール、オルダムリング等が挙げられる。
スクリュー型圧縮機を構成する部品としては、具体的には、シャフト、ベアリング、雄ロータ、雌ロータ等が挙げられる。
これらの冷凍機部品を用いた冷媒循環システムにおいては、非塩素含有冷媒が用いられる。
(非塩素含有冷媒)
本発明でいう非塩素含有冷媒とは、非塩素含有フロンであるハイドロフルオロカーボン(HFC)の他、パーフルオロエーテル類等の含フッ素エーテル系冷媒、ジメチルエーテル等の非フッ素含有エーテル系冷媒及び二酸化炭素や炭化水素等の自然系冷媒を包含するものである。本発明にかかる冷凍機器においては、これらの非塩素含有冷媒のうちの1種が単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
ハイドロフルオロカーボンとしては、炭素数1〜3、好ましくは1〜2のハイドロフルオロカーボンが挙げられる。具体的には、ジフルオロメタン(HFC−32)、トリフルオロメタン(HFC−23)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)等のHFC、又はこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。HFC冷媒の種類は用途や要求性能に応じて適宜選択されるが、例えばHFC−32単独;HFC−23単独;HFC−134a単独;HFC−125単独;HFC−134a/HFC−32=60〜80質量%/40〜20質量%の混合物;HFC−32/HFC−125=40〜70質量%/60〜30質量%の混合物;HFC−125/HFC−143a=40〜60質量%/60〜40質量%の混合物;HFC−134a/HFC−32/HFC−125=60質量%/30質量%/10質量%の混合物;HFC−134a/HFC−32/HFC−125=40〜70質量%/15〜35質量%/5〜40質量%の混合物;HFC−125/HFC−134a/HFC−143a=35〜55質量%/1〜15質量%/40〜60質量%の混合物等が好ましい例として挙げられる。更に具体的には、HFC−134a/HFC−32=70/30質量%の混合物;HFC−32/HFC−125=60/40質量%の混合物;HFC−32/HFC−125=50/50質量%の混合物(R410A);HFC−32/HFC−125=45/55質量%の混合物(R410B);HFC−125/HFC−143a=50/50質量%の混合物(R507C);HFC−32/HFC−125/HFC−134a=30/10/60質量%の混合物;HFC−32/HFC−125/HFC−134a=23/25/52質量%の混合物(R407C);HFC−32/HFC−125/HFC−134a=25/15/60質量%の混合物(R407E);HFC−125/HFC−134a/HFC−143a=44/4/52質量%の混合物(R404A)等が挙げられる。
また、自然系冷媒としては二酸化炭素や炭化水素等が挙げられる。炭化水素冷媒としては、25℃、1気圧で気体のものが好ましく用いられる。具体的には炭素数1〜5、好ましくは1〜4のアルカン、シクロアルカン、アルケン又はこれらの混合物である。具体的には例えば、メタン、エチレン、エタン、プロピレン、プロパン、シクロプロパン、ブタン、イソブタン、シクロブタン、メチルシクロプロパン又はこれらの2種以上の混合物等が挙げられ、中でも、プロパン、ブタン、イソブタン又はこれらの混合物が好ましく用いられる。
(冷凍機油)
上記の冷凍機部品により構成される非塩素含有冷媒冷凍機器の冷媒循環システムには、通常、鉱油、合成油又はこれらの混合物を基油とする冷凍機油が用いられる。
本発明にかかる冷凍機油のうち、鉱油としては、具体的には、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分に対して、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理の1種若しくは2種以上の精製手段を適宜組み合わせて適用して得られるパラフィン系又はナフテン系の鉱油等が挙げられる。
また、合成油としては、具体的には例えば、ポリオレフィン、アルキルベンゼン、エステル、エーテル、シリケート、ポリシロキサン等が挙げられる。
本発明において用いられるポリオレフィンとしては、炭素数2〜16、好ましくは2〜12のオレフィンの単独重合体又は共重合体、並びにこれらの水素化物等が挙げられる。ポリオレフィンが構造の異なる2種以上のオレフィンの共重合体である場合、当該共重合体におけるモノマー比やモノマー配列は特に制限されず、ランダム共重合体、交互共重合体及びブロック共重合体のいずれもが使用できる。
本発明にかかるポリオレフィンを形成するオレフィンモノマーは、α−オレフィン、内部オレフィンのいずれであってもよく、また直鎖状オレフィン、分枝状オレフィンのいずれであってもよい。
本発明にかかるポリオレフィンを製造する際に使用可能なオレフィンとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、直鎖状又は分枝状のペンテン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分枝状のヘキセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分枝状のヘプテン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分枝状のオクテン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分枝状のノネン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分枝状のデセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分枝状のウンデセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分枝状のドデセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分枝状のトリデセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分枝状のテトラデセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分枝状のペンタデセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状又は分枝状のヘキサデセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)及びこれらの混合物等が挙げられるが、中でも、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、炭素数5〜12のα−オレフィン及びこれらの混合物等が好ましく用いれられる。更には、炭素数5〜12のα−オレフィンの中でも、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン及びこれらの混合物がより好ましい。
本発明にかかるポリオレフィンは任意の方法で製造することができる。例えば、触媒を用いずに熱反応によって製造することができる他、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物触媒;塩化アルミニウム、塩化アルミニウム−多価アルコール系、塩化アルミニウム−四塩化チタン系、塩化アルミニウム−アルキル錫ハライド系、フッ化ホウ素等のフリーデルクラフツ型触媒;有機塩化アルミニウム−四塩化チタン系、有機アルミニウム−四塩化チタン系等のチーグラー型触媒;アルミノキサン−ジルコノセン系、イオン性化合物−ジルコノセン系等のメタロセン型触媒;塩化アルミニウム−塩基系、フッ化ホウ素−塩基系等のルイス酸コンプレックス型触媒等の公知の触媒系を用いて、上記のオレフィンを単独重合又は共重合させることで製造することができる。
本発明の基油成分には、上記したポリオレフィンを用いることができるが、当該ポリオレフィンは通常二重結合を有しているので、その熱・酸化安定性を考慮すると、重合体中の二重結合を水素化した、いわゆるポリオレフィンの水素化物を、基油として用いるのが好ましい。ポリオレフィンの水素化物の製造方法としては特に制限されないが、例えば、ポリオレフィンを公知の水素化触媒の存在下で水素で水素化し、ポリオレフィン中に存在する二重結合を飽和化することによって、ポリオレフィンの水素化物を得ることができる。また、使用触媒を選択することによって、オレフィンの重合と重合体の水素化という2工程を経ることなく、オレフィンの重合と重合体中に存在する二重結合の水素化を1工程で完遂させることも可能である。
本発明にかかるポリオレフィンの中にあって、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン(ナフサ熱分解の際に副生するブタン−ブテン(1−ブテン、2−ブテン及びイソブテンの混合物)留分の重合によって得られる共重合体)、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、1−ドデセンオリゴマー並びにこれらの水素化物、更にはこれらの混合物等が、熱・酸化安定性、粘度−温度特性、低温流動性に優れている点で好ましく、特にエチレン−プロピレン共重合体水素化物、ポリブテン水素化物、1−オクテンオリゴマー水素化物、1−デセンオリゴマー水素化物、1−ドデセンオリゴマー水素化物並びにこれらの混合物が好ましい。
なお、潤滑油用基油として現在市販されているエチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン及びポリ−α−オレフィン等の合成油は、通常、その二重結合が既に水素化されているものであり、これらの市販品も本発明の基油として用いることができる。
本発明において用いられるアルキルベンゼンとしては、任意のものが使用可能であるが、炭素数1〜40のアルキル基を1〜4個有するものが好ましく用いられる。
ここで、炭素数1〜40のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基(すべての異性体を含む)、ブチル基(すべての異性体を含む)、ペンチル基(すべての異性体を含む)、ヘキシル基(すべての異性体を含む)、ヘプチル基(すべての異性体を含む)、オクチル基(すべての異性体を含む)、ノニル基(すべての異性体を含む)、デシル基(すべての異性体を含む)、ウンデシル基(すべての異性体を含む)、ドデシル基(すべての異性体を含む)、トリデシル基(すべての異性体を含む)、テトラデシル基(すべての異性体を含む)、ペンタデシル基(すべての異性体を含む)、ヘキサデシル基(すべての異性体を含む)、ヘプタデシル基(すべての異性体を含む)、オクタデシル基(すべての異性体を含む)、ノナデシル基(すべての異性体を含む)、イコシル基(すべての異性体を含む)、ヘンイコシル基(すべての異性体を含む)、ドコシル基(すべての異性体を含む)、トリコシル基(すべての異性体を含む)、テトラコシル基(すべての異性体を含む)、ペンタコシル基(すべての異性体を含む)、ヘキサコシル基(すべての異性体を含む)、ヘプタコシル基(すべての異性体を含む)、オクタコシル基(すべての異性体を含む)、ノナコシル基(すべての異性体を含む)、トリアコンチル基(すべての異性体を含む)、ヘントリアコンチル基(すべての異性体を含む)、ドトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、トリトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、テトラトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、ペンタトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、ヘキサトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、ヘプタトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、オクタトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、ノナトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、テトラコンチル基(すべての異性体を含む)等が挙げられる。
本発明にかかるアルキルベンゼンが有するアルキル基は直鎖状、分枝状のいずれであってもよいが、熱・化学的安定性及び粘度特性の点から分枝状アルキル基であることが好ましく、特に、入手可能性の点から、プロピレン、ブテン、イソブチレン等のオレフィンのオリゴマーから誘導される分枝状アルキル基であることがより好ましい。
本発明にかかるアルキルベンゼンが有するアルキル基の個数は、前述の通り1〜4個が好ましいが、熱・化学的安定性及び入手可能性の点から1個又は2個のアルキル基を有するアルキルベンゼン、すなわちモノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン又はこれらの混合物が最も好ましい。
またもちろんのこと、アルキルベンゼンとしては、単一の構造のアルキルベンゼンだけでなく、異なる構造を有するアルキルベンゼンの混合物であってもよい。
本発明にかかるアルキルベンゼンの製造方法は任意であり、何ら限定されるものでないが、例えば、アルキル化触媒の存在下、芳香族化合物とアルキル化剤とを反応させることによってアルキルベンゼンを得ることができる。
原料となる芳香族化合物としては、具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、ジエチルベンゼン及びこれらの混合物等が挙げられる。またアルキル化剤としては、具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン等の低級モノオレフィン、好ましくはプロピレンの重合によって得られる炭素数6〜40の直鎖状又は分枝状のオレフィン;ワックス、重質油、石油留分、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱分解によって得られる炭素数6〜40の直鎖状又は分枝状のオレフィン;灯油、軽油等の石油留分からn−パラフィンを分離し、これを触媒によりオレフィン化することによって得られる炭素数9〜40の直鎖状オレフィン、並びにこれらの混合物等が挙げられる。
また、アルキル化触媒としては、塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のフリーデルクラフツ型触媒;硫酸、リン酸、ケイタングステン酸、フッ化水素酸、活性白土等の酸性触媒、等の公知の触媒が挙げられる。
本発明において用いられるエステルとしては、二塩基酸エステル、ポリオールエステル、コンプレックスエステル、炭酸エステル等が挙げられる。なお、本発明において、エステルを構成する酸成分及びアルコール成分として二塩基酸等の多塩基酸や多価アルコールを用いて得られるエステルは、カルボン酸基又は水酸基の全てがエステル化された完全エステル化物、カルボン酸基又は水酸基の一部がエステル化されずに残存している部分エステル化物のいずれであってもよいが、完全エステル化物であることが好ましい。
本発明にかかる二塩基酸エステルとしては、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の炭素数5〜10の鎖状二塩基酸;シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等の炭素数8〜12の脂環式二塩基酸と、
メタノール、エタノール、直鎖状又は分岐状のプロパノール、直鎖状又は分岐状のブタノール、直鎖状又は分岐状のペンタノール、直鎖状又は分岐状のヘキサノール、直鎖状又は分岐状のヘプタノール、直鎖状又は分岐状のオクタノール、直鎖状又は分岐状のノナノール、直鎖状又は分岐状のデカノール、直鎖状又は分岐状のウンデカノール、直鎖状又は分岐状のドデカノール、直鎖状又は分岐状のトリデカノール、直鎖状又は分岐状のテトラデカノール、直鎖状又は分岐状のペンタデカノール、直鎖状又は分岐状のヘキサデカノール、直鎖状又は分岐状のオクタデカノール、直鎖状又は分岐状のノナデカノール、直鎖状又は分岐状のイコサノール、直鎖状又は分岐状のヘンイコサノール、直鎖状又は分岐状のドコサノール、直鎖状又は分岐状のトリコサノール、直鎖状又は分岐状のテトラコサノール等の炭素数1〜24の直鎖状又は分岐状の1価アルコールとのエステル、並びにこれらの混合物が好ましく用いられる。中でも、ジトリデシルグルタレート、ジ2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ2−エチルヘキシルセバケート、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸とイソブタノールとの二塩基酸エステル、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸と2−エチルヘキサノールとの二塩基酸エステル、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸と3,5,5−トリメチルヘキサノールとの二塩基酸エステル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸とイソブタノールとの二塩基酸エステル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸と2−エチルヘキサノールとの二塩基酸エステル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸と3,5,5−トリメチルヘキサノールとの二塩基酸エステル、並びにこれらの混合物が特に好ましく用いられる。
本発明において用いられるポリオールエステルとしては、ジオール又は水酸基を3〜20個有するポリオールと、炭素数6〜20の脂肪酸とのエステルが好ましく用いられる。ここで、ジオールとしては、具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等が挙げられる。
また、水酸基を3〜20個有するポリオールとしては、具体的には、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ジ−(トリメチロールプロパン)、トリ−(トリメチロールプロパン)、ペンタエリスリトール、ジ−(ペンタエリスリトール)、トリ−(ペンタエリスリトール)、グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜20量体)、1,3,5−ペンタントリオール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の多価アルコール、キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、シュクロース、ラフィノース、グンチアノース、メレジトース等の糖類、並びにこれらの部分エーテル化物及びメチルグルコシド(配糖体)等が挙げられる。
更に、脂肪酸としては、具体的には、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、オレイン酸等の直鎖又は分岐のもの、あるいはネオ酸(α炭素原子が4級炭素原子である脂肪酸)等が挙げられる。これらの中でも、吉草酸、イソペンタン酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ノルマルノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸等がより好ましい。
上記の酸成分とアルコール成分とで構成されるポリオールの中でも、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ジ−(トリメチロールプロパン)、トリ−(トリメチロールプロパン)、ペンタエリスリトール、ジ−(ペンタエリスリトール)、トリ−(ペンタエリスリトール)等のヒンダードアルコールのエステルが特に好ましい。ヒンダードアルコールのエステルとしては、具体的には、上記のヒンダードアルコールと、炭素数3〜10の直鎖飽和脂肪酸及び/又は炭素数5〜10の分岐飽和脂肪酸とのエステル等が挙げられる。
本発明にかかるコンプレックスエステルとは、酸成分としての脂肪酸及び/又は二塩基酸と、アルコール成分としての1価アルコール及び/又はポリオールとのエステルのことであり、脂肪酸、二塩基酸、1価アルコール及びポリオールとしては、それぞれ上記二塩基酸エステル及びポリオールエステルの説明において例示された脂肪酸、二塩基酸、1価アルコール及びポリオールが挙げられる。
本発明において用いられる炭酸エステルとは、炭酸と1価アルコールとポリオールとのエステルのことであり、1価アルコール及びポリオールとしては、上記二塩基酸エステル及びポリオールエステルの説明において例示された1価アルコール及びポリオール、並びにアルキレンオキサイドを単独重合あるいは共重合したポリグリコール、あるいは当該ポリオールに当該ポリグリコールを付加したもの等が使用できる。
本発明において用いられるエーテルとしては、ポリグリコール、ポリビニルエーテル、ポリフェニルエーテル、環状エーテル、パーフルオロエーテル等が挙げられるが、この中でもポリグリコール、ポリビニルエーテルが好ましい。。
かかるポリグリコールとしては、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールのエーテル化物及びそれらの変性化合物等が好ましく使用される。
ポリアルキレングリコールとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを単独重合あるいは共重合したものが用いられる。なお、ポリアルキレングリコールにおいて、構造の異なったアルキレンオキシドが共重合している場合、オキシアルキレン基の重合形式に特に制限はなく、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよい。
また、ポリアルキレングリコールのエーテル化物としては、上記のポリアルキレングリコールの水酸基をエーテル化したものが好ましく用いられる。なお、ポリアルキレングリコールのエーテル化物において、水酸基との間にエーテル結合を形成する末端基の種類は特に制限されず、また、全ての水酸基がエーテル化されていてもよく、一部が水酸基のまま存在していてもよいが、好ましい態様としては、モノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル、モノペンチルエーテル、モノヘキシルエーテル、モノヘプチルエーテル、モノオクチルエーテル、モノノニルエーテル、モノデシルエーテル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、ジノニルエーテル、ジデシルエーテル等が挙げられる。
更に、ポリグリコールの変性化合物としては、ポリオールのアルキレンオキシド付加物、あるいはそのエーテル化物等が挙げられる。ここでいうポリオールとしては、上記ポリオールエステルの説明において例示されたポリオールを使用することができる。
本発明にかかるポリビニルエーテルとしては、下記一般式(1):
Figure 2002087821
[式(1)中、R、R及びRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を表し、Rは炭素数2〜10の2価の炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜10の炭化水素基を表し、mはその平均値が0〜10となる数を表し、R〜Rはそれぞれ構成単位毎に同一でも異なっていてもよく、同一の構成単位が複数のROを有する場合には複数のROは同一でも異なっていてもよい。]
で表される構成単位を有するものが挙げられる。
なお、通常、冷凍機油に要求される潤滑性、冷媒相溶性、熱・化学的安定性、電気絶縁性等の特性は、冷凍機器の種類(開放型冷凍機、密閉型冷凍機、半密閉型冷凍機等)、冷媒の種類、並びにその使用条件によって異なり、冷凍機油の基油はその用途に応じて適宜選択されるものである。例えば、カーエアコン等の開放型圧縮機用にはポリグリコール、エステル、ポリビニルエーテル、冷蔵庫や空調機器等の密閉型圧縮機用としてアルキルベンゼン、エステル、ポリビニルエーテルが好ましく用いられる。また、冷凍機油の動粘度等の物理的性質は、冷媒循環システムの種類(圧縮機の種類及び使用条件、配管長等)に応じて適宜選定されるものである。
本発明にかかる冷凍機油においては、上記の基油に種々の添加剤を配合することができる。冷凍機油に配合される添加剤としては、リン化合物、ジチオリン酸亜鉛等の摩耗防止剤;エポキシ化合物等の酸捕捉剤;ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ビスフェノールA等のフェノール系化合物やフェニル−α−ナフチルアミン、N,N−ジ(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン等のアミン系化合物等の酸化防止剤;塩素化パラフィン、硫黄化合物等の極圧剤;脂肪酸等の油性剤;シリコーン系化合物等の消泡剤;ベンゾトリアゾール等の金属不活性化剤;粘度指数向上剤;流動点降下剤;清浄分散剤、等が挙げられ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
冷凍機油に配合されるリン化合物としては、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エステル及び亜リン酸エステル、チオリン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のリン化合物を配合することが好ましい。これらのリン化合物は、リン酸、亜リン酸又はチオリン酸とアルカノール、ポリエーテル型アルコールとのエステルあるいはその誘導体である。
リン酸エステルとしては、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリヘプチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリノニルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリウンデシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリトリデシルホスフェート、トリテトラデシルホスフェート、トリペンタデシルホスフェート、トリヘキサデシルホスフェート、トリヘプタデシルホスフェート、トリオクタデシルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等;
酸性リン酸エステルとしては、モノブチルアシッドホスフェート、モノペンチルアシッドホスフェート、モノヘキシルアシッドホスフェート、モノヘプチルアシッドホスフェート、モノオクチルアシッドホスフェート、モノノニルアシッドホスフェート、モノデシルアシッドホスフェート、モノウンデシルアシッドホスフェート、モノドデシルアシッドホスフェート、モノトリデシルアシッドホスフェート、モノテトラデシルアシッドホスフェート、モノペンタデシルアシッドホスフェート、モノヘキサデシルアシッドホスフェート、モノヘプタデシルアシッドホスフェート、モノオクタデシルアシッドホスフェート、モノオレイルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジペンチルアシッドホスフェート、ジヘキシルアシッドホスフェート、ジヘプチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジノニルアシッドホスフェート、ジデシルアシッドホスフェート、ジウンデシルアシッドホスフェート、ジドデシルアシッドホスフェート、ジトリデシルアシッドホスフェート、ジテトラデシルアシッドホスフェート、ジペンタデシルアシッドホスフェート、ジヘキサデシルアシッドホスフェート、ジヘプタデシルアシッドホスフェート、ジオクタデシルアシッドホスフェート、ジオレイルアシッドホスフェート等;
酸性リン酸エステルのアミン塩としては、上記の酸性リン酸エステルのメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン等のアミンとの塩等;
塩素化リン酸エステルとしては、トリス・ジクロロプロピルホスフェート、トリス・クロロエチルホスフェート、トリス・クロロフェニルホスフェート、ポリオキシアルキレン・ビス[ジ(クロロアルキル)]ホスフェート等;
亜リン酸エステルとしては、ジブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジヘプチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイト、ジウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファイト、ジオレイルホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジクレジルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホスファイト、トリヘプチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリウンデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト等;
チオリン酸エステルとしては、トリブチルフォスフォロチオネート、トリペンチルフォスフォロチオネート、トリヘキシルフォスフォロチオネート、トリヘプチルフォスフォロチオネート、トリオクチルフォスフォロチオネート、トリノニルフォスフォロチオネート、トリデシルフォスフォロチオネート、トリウンデシルフォスフォロチオネート、トリドデシルフォスフォロチオネート、トリトリデシルフォスフォロチオネート、トリテトラデシルフォスフォロチオネート、トリペンタデシルフォスフォロチオネート、トリヘキサデシルフォスフォロチオネート、トリヘプタデシルフォスフォロチオネート、トリオクタデシルフォスフォロチオネート、トリオレイルフォスフォロチオネート、トリフェニルフォスフォロチオネート、トリクレジルフォスフォロチオネート、トリキシレニルフォスフォロチオネート、クレジルジフェニルフォスフォロチオネート、キシレニルジフェニルフォスフォロチオネート、トリス(n−プロピルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(イソプロピルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(n−ブチルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(イソブチルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(s−ブチルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(t−ブチルフェニル)フォスフォロチオネート等、
が挙げられる。また、これらの混合物も使用できる。
上記のリン化合物は、通常、冷凍機油全量基準(基油と全配合添加剤の合計量基準)でその含有量が0.01〜5.0質量%、より好ましくは0.02〜3.0質量%となるように冷凍機油に配合される。
また、冷凍機油に配合されるエポキシ化合物としては、具体的には例えば、以下のものが挙げられる。
(1)フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物
(2)アルキルグリシジルエーテル型エポキシ化合物
(3)グリシジルエステル型エポキシ化合物
(4)アリルオキシラン化合物
(5)アルキルオキシラン化合物
(6)脂環式エポキシ化合物
(7)エポキシ化脂肪酸モノエステル
(8)エポキシ化植物油。
(1)フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、具体的には、フェニルグリシジルエーテル又はアルキルフェニルグリシジルエーテルが例示できる。ここでいうアルキルフェニルグリシジルエーテルとは、炭素数1〜13のアルキル基を1〜3個有するものが挙げられ、中でも炭素数4〜10のアルキル基を1個有するもの、例えばn−ブチルフェニルグリシジルエーテル、i−ブチルフェニルグリシジルエーテル、sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ペンチルフェニルグリシジルエーテル、ヘキシルフェニルグリシジルエーテル、ヘプチルフェニルグリシジルエーテル、オクチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、デシルフェニルグリシジルエーテル等が好ましいものとして例示できる。
(2)アルキルグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、具体的には、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールモノグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル等が例示できる。
(3)グリシジルエステル型エポキシ化合物としては、具体的には下記一般式(2):
Figure 2002087821
[上記式(2)中、Rは炭素数1〜18の炭化水素基を表す]
で表される化合物が挙げられる。
上記式(2)中、Rは炭素数1〜18の炭化水素基を表すが、このような炭化水素基としては、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜18のアルキルアリール基、炭素数7〜18のアリールアルキル基等が挙げられる。この中でも、炭素数5〜15のアルキル基、炭素数2〜15のアルケニル基、フェニル基及び炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルフェニル基が好ましい。
グリシジルエステル型エポキシ化合物の中でも、好ましいものとしては、具体的には例えば、グリシジル−2,2−ジメチルオクタノエート、グリシジルベンゾエート、グリシジル−tert−ブチルベンゾエート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が例示できる。
(4)アリルオキシラン化合物としては、具体的には、1,2−エポキシスチレン、アルキル−1,2−エポキシスチレン等が例示できる。
(5)アルキルオキシラン化合物としては、具体的には、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシノナン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシウンデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシトリデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシペンタデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシヘプタデカン、1,1,2−エポキシオクタデカン、2−エポキシノナデカン、1,2−エポキシイコサン等が例示できる。
(6)脂環式エポキシ化合物としては、下記一般式(3):
Figure 2002087821
で表される化合物のように、エポキシ基を構成する炭素原子が直接脂環式環を構成している化合物が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物としては、具体的には例えば、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロペンタン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、エキソ−2,3−エポキシノルボルナン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)−スピロ(1,3−ジオキサン−5,3’−[7]オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、4−(1’−メチルエポキシエチル)−1,2−エポキシ−2−メチルシクロヘキサン、4−エポキシエチル−1,2−エポキシシクロヘキサン等が例示できる。
(7)エポキシ化脂肪酸モノエステルとしては、具体的には、エポキシ化された炭素数12〜20の脂肪酸と炭素数1〜8のアルコール又はフェノール、アルキルフェノールとのエステル等が例示できる。特にエポキシステアリン酸のブチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、メトキシエチル、オクチル、フェニル及びブチルフェニルエステルが好ましく用いられる。
(8)エポキシ化植物油としては、具体的には、大豆油、アマニ油、綿実油等の植物油のエポキシ化合物等が例示できる。
これらのエポキシ化合物は、通常、冷凍機油組成物全量基準(基油と全配合添加剤の合計量基準)でその含有量が0.1〜5.0質量%、より好ましくは0.2〜2.0質量%となるような量が配合される。
(加工油)
本発明において用いられる加工油の基油としては、鉱油、合成油のいずれを用いてもよく、また、鉱油と合成油との混合物を用いてもよい。かかる鉱油としては、例えば、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を適宜組み合わせて精製したパラフィン系、ナフテン系等の油を挙げることができる。また合成油としては、例えば、ポリ−α−オレフィン(ポリブテン、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー等)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリオキシアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル等の炭化水素系合成油や、エステル、ポリアルキレングリコール、ポリビニルエーテル等の含酸素系合成油が挙げられる。
本発明においては、上記冷凍機部品により構成される冷凍機器の冷媒循環システムに用いられる冷凍機油の基油を加工油の基油として用いると、加工油が冷媒循環システムに混入した場合であってもスラッジの生成をより高水準で防止できるので好ましい。
また、加工油の基油としてエステルを用いると、加工油の供給量が極微量であっても十分に高い加工精度を達成することができ、工具等の摩耗も少なく、十分に効率よく切削・研削加工を行うことができるので好ましい。
本発明において好ましく用いられるエステルとしては、天然物(通常は動植物などの天然油脂に含まれるもの)であっても合成物であってもよいが、得られる油剤組成物の熱・化学的安定性やエステル成分の均一性などの点から合成エステルであることが好ましい。
エステルを構成するアルコールとしては1価アルコールでも多価アルコールでもよく、また、エステルを構成する酸としては一塩基酸でも多塩基酸であってもよい。
1価アルコールとしては、通常炭素数1〜24、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8のものが用いられ、このようなアルコールとしては直鎖のものでも分岐のものでもよく、また飽和のものであっても不飽和のものであってもよい。炭素数1〜24のアルコールとしては、具体的には例えば、メタノール、エタノール、直鎖状又は分岐状のプロパノール、直鎖状又は分岐状のブタノール、直鎖状又は分岐状のペンタノール、直鎖状又は分岐状のヘキサノール、直鎖状又は分岐状のヘプタノール、直鎖状又は分岐状のオクタノール、直鎖状又は分岐状のノナノール、直鎖状又は分岐状のデカノール、直鎖状又は分岐状のウンデカノール、直鎖状又は分岐状のドデカノール、直鎖状又は分岐状のトリデカノール、直鎖状又は分岐状のテトラデカノール、直鎖状又は分岐状のペンタデカノール、直鎖状又は分岐状のヘキサデカノール、直鎖状又は分岐状のヘプタデカノール、直鎖状又は分岐状のオクタデカノール、直鎖状又は分岐状のノナデカノール、直鎖状又は分岐状のイコサノール、直鎖状又は分岐状のヘンイコサノール、直鎖状又は分岐状のトリコサノール、直鎖状又は分岐状のテトラコサノール及びこれらの混合物等が挙げられる。
多価アルコールとしては、通常2〜10価、好ましくは2〜6価のものが用いられる。2〜10の多価アルコールとしては、具体的には例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜15量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜15量体)、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜8量体、例えばジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等)、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)及びこれらの2〜8量体、ペンタエリスリトール及びこれらの2〜4量体、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の多価アルコール;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、スクロース等の糖類、及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの多価アルコールの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜10量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜10量体)、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)及びこれらの2〜4量体、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の2〜6価の多価アルコール及びこれらの混合物等が好ましい。更により好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、及びこれらの混合物等である。これらの中でも、より高い酸化安定性が得られることから、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、及びこれらの混合物等が好ましい。
エステルを構成するアルコールは、上述したように1価アルコールであっても多価アルコールであってもよいが、切削・研削加工においてより優れた潤滑性が得られ、加工物の仕上げ面精度の向上と工具刃先の摩耗防止効果がより大きくなる点、流動点の低いものがより得やすく、冬季及び寒冷地での取り扱い性がより向上する点等から多価アルコールであることが好ましい。
また、本発明にかかるエステルを構成する酸のうち、一塩基酸としては、通常炭素数2〜24の脂肪酸が用いられ、その脂肪酸は直鎖のものでも分岐のものでもよく、また飽和のものでも不飽和のものでもよい。具体的には、例えば、酢酸、プロピオン酸、直鎖状又は分岐状のブタン酸、直鎖状又は分岐状のペンタン酸、直鎖状又は分岐状のヘキサン酸、直鎖状又は分岐状のヘプタン酸、直鎖状又は分岐状のオクタン酸、直鎖状又は分岐状のノナン酸、直鎖状又は分岐状のデカン酸、直鎖状又は分岐状のウンデカン酸、直鎖状又は分岐状のドデカン酸、直鎖状又は分岐状のトリデカン酸、直鎖状又は分岐状のテトラデカン酸、直鎖状又は分岐状のペンタデカン酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデカン酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデカン酸、直鎖状又は分岐状のオクタデカン酸、直鎖状又は分岐状のヒドロキシオクタデカン酸、直鎖状又は分岐状のノナデカン酸、直鎖状又は分岐状のイコサン酸、直鎖状又は分岐状のヘンイコサン酸、直鎖状又は分岐状のドコサン酸、直鎖状又は分岐状のトリコサン酸、直鎖状又は分岐状のテトラコサン酸等の飽和脂肪酸、アクリル酸、直鎖状又は分岐状のブテン酸、直鎖状又は分岐状のペンテン酸、直鎖状又は分岐状のヘキセン酸、直鎖状又は分岐状のヘプテン酸、直鎖状又は分岐状のオクテン酸、直鎖状又は分岐状のノネン酸、直鎖状又は分岐状のデセン酸、直鎖状又は分岐状のウンデセン酸、直鎖状又は分岐状のドデセン酸、直鎖状又は分岐状のトリデセン酸、直鎖状又は分岐状のテトラデセン酸、直鎖状又は分岐状のペンタデセン酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデセン酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデセン酸、直鎖状又は分岐状のオクタデセン酸、直鎖状又は分岐状のヒドロキシオクタデセン酸、直鎖状又は分岐状のノナデセン酸、直鎖状又は分岐状のイコセン酸、直鎖状又は分岐状のヘンイコセン酸、直鎖状又は分岐状のドコセン酸、直鎖状又は分岐状のトリコセン酸、直鎖状又は分岐状のテトラコセン酸等の不飽和脂肪酸、及びこれらの混合物等が挙げられる。これらの中でも、切削及び研削加工においてより優れた潤滑性が得られ、加工物の仕上げ面精度の向上と工具刃先の摩耗防止効果をより大きくすることができる等の点から特に炭素数3〜20の飽和脂肪酸、炭素数3〜22の不飽和脂肪酸及びこれらの混合物が好ましく、炭素数4〜18の飽和脂肪酸、炭素数4〜18の不飽和脂肪酸及びこれらの混合物がより好ましく、炭素数4〜18の不飽和脂肪酸が更に好ましく、べたつき防止性の点からは炭素数4〜18の飽和脂肪酸が更に好ましい。
多塩基酸としては炭素数2〜16の二塩基酸及びトリメリット酸等が挙げられる。炭素数2〜16の二塩基酸としては、直鎖のものでも分岐のものでもよく、また飽和のものでも不飽和のものでもよい。具体的には例えば、エタン二酸、プロパン二酸、直鎖状又は分岐状のブタン二酸、直鎖状又は分岐状のペンタン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキサン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプタン二酸、直鎖状又は分岐状のオクタン二酸、直鎖状又は分岐状のノナン二酸、直鎖状又は分岐状のデカン二酸、直鎖状又は分岐状のウンデカン二酸、直鎖状又は分岐状のドデカン二酸、直鎖状又は分岐状のトリデカン二酸、直鎖状又は分岐状のテトラデカン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデカン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデカン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキセン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプテン二酸、直鎖状又は分岐状のオクテン二酸、直鎖状又は分岐状のノネン二酸、直鎖状又は分岐状のデセン二酸、直鎖状又は分岐状のウンデセン二酸、直鎖状又は分岐状のドデセン二酸、直鎖状又は分岐状のトリデセン二酸、直鎖状又は分岐状のテトラデセン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデセン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデセン二酸及びこれらの混合物等が挙げられる。
本発明にかかるエステルを構成する酸としては、上述したように一塩基酸であっても多塩基酸であってもよいが、一塩基酸を用いると、粘度指数の向上、ミスト性及びべたつき防止性の向上に寄与するエステルが得られやすくなるので好ましい。
本発明のエステルを形成するアルコールと酸との組み合わせは任意であって特に制限されないが、本発明で使用可能なエステルとしては、例えば下記のエステルを挙げることができる。
(i)一価アルコールと一塩基酸とのエステル
(ii)多価アルコールと一塩基酸とのエステル
(iii)一価アルコールと多塩基酸とのエステル
(iv)多価アルコールと多塩基酸とのエステル
(v)一価アルコール、多価アルコールとの混合物と多塩基酸との混合エステル
(vi)多価アルコールと一塩基酸、多塩基酸との混合物との混合エステル
(vii)一価アルコール、多価アルコールとの混合物と一塩基酸、多塩基酸との混合エステル。
これらの中でも、切削・研削加工においてより優れた潤滑性が得られ、加工物の仕上げ面精度の向上と工具刃先の摩耗防止効果がより大きくなる点、流動点の低いものがより得やすく、冬季及び寒冷地での取り扱い性がより向上する点、粘度指数の高いものがより得やすくミスト性がよりよくなる点等から(ii)多価アルコールと一塩基酸とのエステルであることが好ましい。
また、本発明において用いられる天然物由来のエステルとしては、パーム油、パーム核油、菜種油、大豆油、サンフラワー油、並びに品種改良や遺伝子組換操作などによりグリセリドを構成する脂肪酸におけるオレイン酸の含有量が増加したハイオレイック菜種油、ハイオレイックサンフラワー油などの植物油、ラードなどの動物油などの天然油脂が挙げられる。
本発明において、アルコール成分として多価アルコールを用いた場合に得られるエステルは、多価アルコール中の水酸基全てがエステル化された完全エステルでもよく、水酸基の一部がエステル化されず水酸基のまま残存する部分エステルでもよい。また、酸成分として多塩基酸を用いた場合に得られる有機酸エステルは、多塩基酸中のカルボキシル基全てがエステル化された完全エステルでもよく、あるいはカルボキシル基の一部がエステル化されずカルボキシル基のままで残っている部分エステルであってもよい。
本発明にかかるエステルの沃素価は、好ましくは0〜80、より好ましくは0〜60、更に好ましくは0〜40、更により好ましくは0〜20、最も好ましくは0〜10である。また、本発明にかかるエステルの臭素価は、好ましくは0〜50gBr/100g、より好ましくは0〜30gBr/100g、更に好ましくは0〜20gBr/100g、最も好ましくは0〜10gBr/100gである。エステルの沃素価や臭素価がそれぞれ前記の範囲内であると、得られる油剤のべたつき防止性がより高められる傾向にある。
なお、ここでいう沃素価とは、JIS K 0070「化学製品の酸価、ケン化価、エステル価、沃素価、水酸基価及び不ケン化価物の測定方法」の指示薬滴定法により測定した値をいう。また臭素価とは、JIS K 2605「化学製品一臭素価試験方法−電気滴定法」により測定した値をいう。
また、本発明の油剤に更に良好な潤滑性能を付与するためには、エステルの水酸基価が0.01〜300mgKOH/gであり、ケン化価が100〜500mgKOH/gであることが好ましい。本発明において更に高い潤滑性を得るためのエステルの水酸基価の上限値は、より好ましくは200mgKOH/gであり、最も好ましくは150mgKOH/gであり、一方その下限値は、より好ましくは0.1mgKOH/gであり、更に好ましくは0.5mgKOH/gであり、更に好ましくは1mgKOH/gであり、更により好ましくは3mgKOH/gであり、最も好ましくは5mgKOH/gである。また、エステルのケン化価の上限値は更に好ましくは400mgKOH/gであり、一方その下限値は更に好ましくは200mgKOH/gである。
なお、ここでいう水酸基価とは、JIS K 0070「化学製品の酸価、ケン化価、エステル価、沃素価、水酸基価及び不ケン化価物の測定方法」の指示薬滴定法により測定した値をいう。またケン化価とは、JIS K 2503「航空潤滑油試験方法」の指示薬滴定法により測定した値をいう。
本発明にかかるエステルの動粘度については特に制限はないが、加工部位への供給容易性の点から、40℃における動粘度の上限値は、好ましくは200mm/sであり、更に好ましくは100mm/sであり、更に好ましくは75mm/sであり、最も好ましくは50mm/sである。一方、その下限値は、好ましくは3mm/sであり、更に好ましくは5mm/sであり、最も好ましくは7mm/sである。
本発明に係るエステルの流動点および粘度指数には特に制限はないが流動点は−10℃以下であることが好ましく、更に好ましくは−20℃以下である。粘度指数は100以上200以下であることが望ましい。
本発明において用いられる加工油は、上記の基油(好ましくはエステル)のみからなるもの(すなわち基油の含有量が100質量%のもの)であってもよく、必要に応じて添加剤が配合されたものであってもよい。しかしながら、バクテリア等の微生物による加工油の分解がより容易に行われ、周辺の環境が維持されるといった生分解性の点から、エステルの含有量が加工油全量基準で10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることが更に好ましく、30質量%以上であることが更に好ましく、50質量%以上であることが最も好ましい。
また、加工油の特性の観点から好ましいエステルを冷凍機油及び加工油の双方が含有する場合には、冷凍機部品の品質低下や冷媒循環システムへの加工油の混入を十分に防止すると共に並びに十分な加工精度のを達成することができ、さらには加工油が冷媒循環システムに混入した場合であってもスラッジの生成を十分に防止することができるという本発明の効果が一層発揮される傾向にあるので好ましい。
更に、本発明にかかる加工油は、その切削性能をより向上させることができることから、リン化合物及び/又は硫黄化合物を含有することが好ましく、この両者を併用して用いることがより好ましい。
なお、エステルを基油とする加工油においては、リン化合物及び/又は硫黄化合物はその配合量が所定量以上でないとその添加効果が期待できないと考えられ、一方切削・研削加工用油剤としては、リン化合物及び/又は硫黄化合物が多量に含まれている場合、その工具寿命を著しく低下させると考えられているため、エステルを基油とする切削・研削加工用油剤にはリン化合物及び/又は硫黄化合物の添加はできないものと従来考えられていた。
しかしながら、このような従来の一般的な考え方に反し、本発明においては、エステルとリン化合物及び/又は硫黄化合物との双方を含有しても、工具寿命の低下が小さく、かつその切削性能をより向上させることが可能となる。
本発明にかかるリン化合物としては、具体的には例えば、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エステル、亜リン酸エステル及びフォスフォロチオネート等が挙げられる。これらのリン化合物は、リン酸、亜リン酸又はチオリン酸とアルカノール、ポリエーテル型アルコールとのエステルあるいはその誘導体が挙げられる。より具体的には、リン酸エステルとしては、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリヘプチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリノニルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリウンデシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリトリデシルホスフェート、トリテトラデシルホスフェート、トリペンタデシルホスフェート、トリヘキサデシルホスフェート、トリヘプタデシルホスフェート、トリオクタデシルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等;
酸性リン酸エステルとしては、モノブチルアシッドホスフェート、モノペンチルアシッドホスフェート、モノヘキシルアシッドホスフェート、モノヘプチルアシッドホスフェート、モノオクチルアシッドホスフェート、モノノニルアシッドホスフェート、モノデシルアシッドホスフェート、モノウンデシルアシッドホスフェート、モノドデシルアシッドホスフェート、モノトリデシルアシッドホスフェート、モノテトラデシルアシッドホスフェート、モノペンタデシルアシッドホスフェート、モノヘキサデシルアシッドホスフェート、モノヘプタデシルアシッドホスフェート、モノオクタデシルアシッドホスフェート、モノオレイルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジペンチルアシッドホスフェート、ジヘキシルアシッドホスフェート、ジヘプチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジノニルアシッドホスフェート、ジデシルアシッドホスフェート、ジウンデシルアシッドホスフェート、ジドデシルアシッドホスフェート、ジトリデシルアシッドホスフェート、ジテトラデシルアシッドホスフェート、ジペンタデシルアシッドホスフェート、ジヘキサデシルアシッドホスフェート、ジヘプタデシルアシッドホスフェート、ジオクタデシルアシッドホスフェート、ジオレイルアシッドホスフェート等;
酸性リン酸エステルのアミン塩としては、前記酸性リン酸エステルのメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン等のアミンとの塩等;
塩素化リン酸エステルとしては、トリス・ジクロロプロピルホスフェート、トリス・クロロエチルホスフェート、トリス・クロロフェニルホスフェート、ポリオキシアルキレン・ビス[ジ(クロロアルキル)]ホスフェート等;
亜リン酸エステルとしては、ジブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジヘプチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイト、ジウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファイト、ジオレイルホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジクレジルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホスファイト、トリヘプチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリウンデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト等;
フォスフォロチオネートとしては、トリブチルフォスフォロチオネート、トリペンチルフォスフォロチオネート、トリヘキシルフォスフォロチオネート、トリヘプチルフォスフォロチオネート、トリオクチルフォスフォロチオネート、トリノニルフォスフォロチオネート、トリデシルフォスフォロチオネート、トリウンデシルフォスフォロチオネート、トリドデシルフォスフォロチオネート、トリトリデシルフォスフォロチオネート、トリテトラデシルフォスフォロチオネート、トリペンタデシルフォスフォロチオネート、トリヘキサデシルフォスフォロチオネート、トリヘプタデシルフォスフォロチオネート、トリオクタデシルフォスフォロチオネート、トリオレイルフォスフォロチオネート、トリフェニルフォスフォロチオネート、トリクレジルフォスフォロチオネート、トリキシレニルフォスフォロチオネート、クレジルジフェニルフォスフォロチオネート、キシレニルジフェニルフォスフォロチオネート、トリス(n−プロピルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(イソプロピルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(n−ブチルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(イソブチルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(s−ブチルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(t−ブチルフェニル)フォスフォロチオネート等
が挙げられる。また、これらの2種以上の混合物も使用できる。
本発明においては、上記リン化合物の中でも、より高い切削性能、摩擦特性が得られることから、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、亜リン酸エステルが好ましく、トリアリールフォスフェート、ジアルキルアシッドフォスフェート、ジアルキルフォスファイトがより好ましい。
これらのリン化合物を加工油に配合する場合、その配合量は特に制限されないが、切削性能、摩擦特性の向上効果の点から、加工油全量基準(基油と全配合添加剤の合計量基準)でその含有量が0.001質量%以上であることが好ましく、0.005質量以上であることがより好ましく、0.01質量%以上であることが更により好ましい。また、工具寿命の点から、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。
本発明にかかる硫黄化合物としては、具体的には例えば、ジハイドロカルビルポリサルファイド、硫化エステル、硫化鉱油、ジチオリン酸亜鉛化合物、ジチオカルバミン酸亜鉛化合物、ジチオリン酸モリブデン化合物及びジチオカルバミン酸モリブデン等が挙げられる。
ジハイドロカルビルポリサルファイドとは、一般的にポリサルファイド又は硫化オレフィンと呼ばれる硫黄系化合物であり、具体的には下記一般式(4):
10−S−R11 (4)
[式(4)中、R10及びR11は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数3〜20の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアルキルアリール基あるいは炭素数6〜20のアリールアルキル基を表し、xは2〜6、好ましくは2〜5の整数を表す]
で表される化合物を意味する。上記一般式(4)中のR10及びR11としては、具体的には、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖又は分枝ペンチル基、直鎖又は分枝ヘキシル基、直鎖又は分枝ヘプチル基、直鎖又は分枝オクチル基、直鎖又は分枝ノニル基、直鎖又は分枝デシル基、直鎖又は分枝ウンデシル基、直鎖又は分枝ドデシル基、直鎖又は分枝トリデシル基、直鎖又は分枝テトラデシル基、直鎖又は分枝ペンタデシル基、直鎖又は分枝ヘキサデシル基、直鎖又は分枝ヘプタデシル基、直鎖又は分枝オクタデシル基、直鎖又は分枝ノナデシル基、直鎖又は分枝イコシル基などの直鎖状又は分枝状のアルキル基;フェニル基、ナフチル基などのアリール基;トリル基(全ての構造異性体を含む)、エチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ブチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ペンチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ヘキシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ヘプチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝オクチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ノニルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝デシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ウンデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ドデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、キシリル基(全ての構造異性体を含む)、エチルメチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、ジ(直鎖又は分枝)プロピルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、ジ(直鎖又は分枝)ブチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、メチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、エチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ブチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、ジメチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、エチルメチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、ジ(直鎖又は分枝)プロピルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、ジ(直鎖又は分枝)ブチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)などのアルキルアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基(全ての異性体を含む)、フェニルプロピル基(全ての異性体を含む)などのアリールアルキル基;などを挙げることができる。これらの中でも、一般式(6)式中のR及びR10としては、プロピレン、1−ブテン又はイソブチレンから誘導された炭素数3〜18のアルキル基、又は炭素数6〜8のアリール基、アルキルアリール基あるいはアリールアルキル基であることが好ましく、これらの基としては例えば、イソプロピル基、プロピレン2量体から誘導される分枝状ヘキシル基(全ての分枝状異性体を含む)、プロピレン3量体から誘導される分枝状ノニル基(全ての分枝状異性体を含む)、プロピレン4量体から誘導される分枝状ドデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、プロピレン5量体から誘導される分枝状ペンタデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、プロピレン6量体から誘導される分枝状オクタデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−ブテン2量体から誘導される分枝状オクチル基(全ての分枝状異性体を含む)、イソブチレン2量体から誘導される分枝状オクチル基(全ての分枝状異性体を含む)、1−ブテン3量体から誘導される分枝状ドデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、イソブチレン3量体から誘導される分枝状ドデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、1−ブテン4量体から誘導される分枝状ヘキサデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、イソブチレン4量体から誘導される分枝状ヘキサデシル基(全ての分枝状異性体を含む)などのアルキル基;フェニル基、トリル基(全ての構造異性体を含む)、エチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、キシリル基(全ての構造異性体を含む)などのアルキルアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基(全ての異性体を含む)などのアリールアルキル基が挙げられる。
更に、上記一般式(4)中のR10及びR11としては、その切削性能の点から、別個に、エチレン又はプロピレンから誘導された炭素数3〜18の分枝状アルキル基であることがより好ましく、エチレン又はプロピレンから誘導された炭素数6〜15の分枝状アルキル基であることが特に好ましい。
硫化エステルとしては、具体的には例えば、牛脂、豚脂、魚脂、菜種油、大豆油などの動植物油脂;不飽和脂肪酸(オレイン酸、リノール酸又は上記の動植物油脂から抽出された脂肪酸類などを含む)と各種アルコールとを反応させて得られる不飽和脂肪酸エステル;及びこれらの混合物などを任意の方法で硫化することにより得られるものが挙げられる。
硫化鉱油とは、鉱油に単体硫黄を溶解させたものをいう。ここで、本発明にかかる硫化鉱油に用いられる鉱油としては特に制限されないが、具体的には、具体的には、原油に常圧蒸留及び減圧蒸留を施して得られる潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理などの精製処理を適宜組み合わせて精製したパラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油などが挙げられる。また、単体硫黄としては、塊状、粉末状、溶融液体状等いずれの形態のものを用いてもよいが、粉末状又は溶融液体状の単体硫黄を用いると基油への溶解を効率よく行うことができるので好ましい。なお、溶融液体状の単体硫黄は液体同士を混合するので溶解作業を非常に短時間で行うことができるという利点を有しているが、単体硫黄の融点以上で取り扱わねばならず、加熱設備などの特別な装置を必要としたり、高温雰囲気下での取り扱いとなるため危険を伴うなど取り扱いが必ずしも容易ではない。これに対して、粉末状の単体硫黄は、安価で取り扱いが容易であり、しかも溶解に要する時間が十分に短いので特に好ましい。また、本発明にかかる硫化鉱油における硫黄含有量に特に制限はないが、通常、硫化鉱油全量を基準として好ましくは0.05〜1.0質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
ジチオリン酸亜鉛化合物、ジチオカルバミン酸亜鉛化合物、ジチオリン酸モリブデン化合物及びジチオカルバミン酸モリブデン化合物とは、それぞれ下記式(5)〜(8):
Figure 2002087821
[上記式(5)〜(8)中、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26及びR27は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1以上の炭化水素基を表し、Xは酸素原子又は硫黄原子を表す]
で表される化合物を意味する。
ここで、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26及びR27で表される炭化水素基の具体例を例示すれば、メチル基、エチル基、プロピル基(すべての分枝異性体を含む)、ブチル基(すべての分枝異性体を含む)、ペンチル基(すべての分枝異性体を含む)、ヘキシル基(すべての分枝異性体を含む)、ヘプチル基(すべての分枝異性体を含む)、オクチル基(すべての分枝異性体を含む)、ノニル基(すべての分枝異性体を含む)、デシル基(すべての分枝異性対を含む)、ウンデシル基(すべての分枝異性対を含む)、ドデシル基(すべての分枝異性対を含む)、トリデシル基(すべての分枝異性対を含む)、テトラデシル基(すべての分枝異性対を含む)、ペンタデシル基(すべての分枝異性対を含む)、ヘキサデシル基(すべての分枝異性対を含む)、ヘプタデシル基(すべての分枝異性対を含む)、オクタデシル基(すべての分枝異性対を含む)、ノナデシル基(すべての分枝異性対を含む)、イコシル基(すべての分枝異性対を含む)、ヘンイコシル基(すべての分枝異性対を含む)、ドコシル基(すべての分枝異性対を含む)、トリコシル基(すべての分枝異性対を含む)、テトラコシル基(すべての分枝異性対を含む)などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのシクロアルキル基;メチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、プロピルシクロペンチル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、ブチルシクロペンチル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルシクロペンチル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルエチルシクロペンチル基(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、プロピルシクロヘキシル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ブチルシクロヘキシル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルシクロヘキシル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルエチルシクロヘキシル基(すべての置換異性体を含む)、メチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、エチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、プロピルシクロヘプチル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、ブチルシクロヘプチル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルシクロヘプチル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルエチルシクロヘプチル基(すべての置換異性体を含む)などのアルキルシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基などのアリール基;トリル基(すべての置換異性体を含む)、キシリル基(すべての置換異性体を含む)、エチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、プロピルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、トリメチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、ブチルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、ジメチルエチルフェニル基(すべての置換異性体を含む)、ペンチルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘキシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘプチルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、オクチルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ノニルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、デシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ウンデシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ドデシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、トリデシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、テトラデシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ペンタデシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘキサデシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘプタデシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)、オクタデシルフェニル基(すべての分枝異性体、置換異性体を含む)などのアルキルアリール基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基(すべての分枝異性体を含む)、フェニルブチル基(すべての分枝異性体を含む)などのアリールアルキル基などが挙げられる。
本発明においては、上記硫黄化合物の中でも、ジハイドロカルビルポリサルファイド及び硫化エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いると、より高い切削性能、摩擦特性が得られるので好ましい。
これらの硫黄化合物を加工油に配合する場合、その配合量は特に制限されないが、切削性能、摩擦特性の向上効果の点から、加工油全量基準(基油と全配合添加剤の合計量基準)でその含有量が0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量以上であることがより好ましい。また、工具寿命の点から、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
本発明において用いられる加工油は酸化防止剤を含有していることが好ましい。本発明の切削・研削加工方法においては、極微量油剤供給方式により加工油がミスト化されて供給されるので、切削・研削加工に用いられる工作機械の内部、ワーク、工具、ミストコレクター等に加工油が付着してべたつき現象の原因となり、取り扱い性において支障を来し、作業効率が低下する場合があるが、酸化防止剤が配合された加工油を用いることによって油剤変質によるべたつきを抑制することができる。使用できる酸化防止剤としては、潤滑剤用として、あるいは食品添加物として使用されているものが含まれ、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(DBPC)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−o−クレゾール)、アスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸の脂肪酸エステル、トコフェロール(ビタミンE)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、1,2−ジハイドロ−6−エトキシ−2,2,4−トリメチルキノリン(エトキシキン)、2−(1,1−ジメチル)−1,4−ベンゼンジオール(TBHQ)、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン(THBP)を挙げることができる。
これらの酸化防止剤の中でも、アスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸の脂肪酸エステル、トコフェロール(ビタミンE)、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(DBPC)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、1,2−ジハイドロ−6−エトキシ−2,2,4−トリメチルキノリン(エトキシキン)、2−(1,1−ジメチル)−1,4−ベンゼンジオール(TBHQ)、又は2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン(THBP)が好ましく、アスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸の脂肪酸エステル、トコフェロール(ビタミンE)、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(DBPC)、又は3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソールがより好ましい。
酸化防止剤の含有量は特に制限はないが、良好な酸化安定性を維持させるためにその含有量は、加工油全量基準で0.01質量%以上が好ましく、更に好ましくは0.05質量%以上、最も好ましくは0.1質量%以上である。一方それ以上添加しても効果の向上が期待できないことからその含有量は10質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは5質量%以下であり、最も好ましくは3質量%以下である。
更に、本発明において用いられる加工油は、切削性能などの潤滑性を向上させる点から、油性剤を含有することが好ましい。
油性剤としては、(A)アルコール、(B)カルボン酸、(C)不飽和カルボン酸の硫化物、(D)下記一般式(9):
Figure 2002087821
[一般式(9)中、Rは炭素数1〜30の炭化水素基を表し、mは1〜6の整数を表し、nは0〜5の整数を表す]
で表される化合物、(E)下記一般式(10):
Figure 2002087821
[一般式(10)中、Rは炭素数1〜30の炭化水素基を表し、mは1〜6の整数を表し、nは0〜5の整数を表す]
で表される化合物、(F)ポリオキシアルキレン化合物、及び(G)エステルなどを挙げることができる。以下、これらの油性剤について説明する。
(A)アルコールは、1価アルコールでも多価アルコールでもよい。より高い潤滑性能が得られ、優れた加工性が得られる点から炭素数1〜40の1価アルコールが好ましく、更に好ましくは炭素数1〜25のアルコールであり、最も好ましくは炭素数8〜18のアルコールである。具体的には、上記基油のエステルを構成するアルコールの例を挙げることができる。これらのアルコールは直鎖状でも分岐を有していてもよく、また飽和でも不飽和でもよいが、べたつき防止性の点から飽和であることが好ましい。
(B)カルボン酸は1塩基酸でも多塩基酸でもよい。より高い潤滑性能が得られ、優れた加工性が得られる点から炭素数1〜40の1価のカルボン酸が好ましく、更に好ましくは炭素数5〜25のカルボン酸であり、最も好ましくは炭素数5〜20のカルボン酸である。具体的には、上記基油としてのエステルを構成するカルボン酸の例を挙げることできる。これらのカルボン酸は、直鎖状でも分岐を有していてもよく、飽和でも不飽和でもよいが、べたつき防止性の点から飽和カルボン酸であることが好ましい。
(C)不飽和カルボン酸の硫化物としては、例えば、上記(B)のカルボン酸のうち、不飽和のものの硫化物を挙げることができる。具体的には例えば、オレイン酸の硫化物を挙げることができる。
(D)下記一般式(9)で表される化合物において、Rで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例としては、例えば炭素数1〜30の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜30のアルキルシクロアルキル基、炭素数2〜30の直鎖又は分岐アルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜30のアルキルアリール基、及び炭素数7〜30のアリールアルキル基を挙げることができる。これらの中では、炭素数1〜30の直鎖又は分岐アルキル基であることが好ましく、更に好ましくは炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基であり、更に好ましくは炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基であり、最も好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキル基である。炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐のプロピル基及び直鎖又は分岐のブチル基を挙げることができる。
水酸基の置換位置は任意であるが、2個以上の水酸基を有する場合には隣接する炭素原子に置換していることが好ましい。mは好ましくは1〜3の整数であり、更に好ましくは2である。nは好ましくは0〜3の整数であり、更に好ましくは1又は2である。一般式(9)で表される化合物の例としては、p−tert−ブチルカテコールを挙げることができる。
(E)上記一般式(10)で表される化合物において、Rで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例としては、一般式(9)中のRで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例と同じものを挙げることができ、また好ましいものの例も同じである。水酸基の置換位置は任意であるが、2個以上の水酸基を有する場合には隣接する炭素原子に置換していることが好ましい。mは好ましくは1〜3の整数であり、更に好ましくは2である。nは好ましくは0〜3の整数であり、更に好ましくは1又は2である。一般式(10)で表される化合物の例としては、2,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレンを挙げることができる。
(F)ポリオキシアルキレン化合物としては、例えば下記一般式(11)又は(12)で表される化合物を挙げることができる。
O−(RO)m3−R (11)
[一般式(11)中、R及びRは各々独立に水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、mは数平均分子量が100〜3500となるような整数を表す。]
A−[(RO)n4−Rm4 (12)
[一般式(12)中、Aは、水酸基を3〜10個有する多価アルコールの水酸基の水素原子の一部又は全てを取り除いた残基を表し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表し、そしてn4は数平均分子量が100〜3500となるような整数を表し、mはAの水酸基から取り除かれた水素原子の個数と同じ数を表す。]
上記一般式(11)中、R及びRの少なくとも一方は水素原子であることが好ましい。R及びRで表される炭素数1〜30の炭化水素基としては、例えば上記一般式(9)、(10)中のR及びRで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例と同じものを挙げることができ、また好ましいものの例も同じである。Rで表される炭素数2〜4のアルキレン基としては、具体的には例えば、エチレン基、プロピレン基(メチルエチレン基)、ブチレン基(エチルエチレン基)を挙げることができる。mは、好ましくは数平均分子量が300〜2000となるような整数であり、更好ましくは数平均分子量が500〜1500となるような整数である。
また、上記一般式(12)中、Aを構成する3〜10の水酸基を有する多価アルコールの具体例としては、グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜4量体、例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン)、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン)及びこれらの2〜4量体、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール、イジリトール、タリトール、ズルシトール、アリトールなどの多価アルコール;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マントース、イソマントース、トレハロース、及びシュクロースなどの糖類を挙げることができる。これらの中でもグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールアルカン、およびこれらの2〜4量体、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、又はソルビタンが好ましい。
で表される炭素数2〜4のアルキレン基の例としては、上記一般式(11)のRで表される炭素数2〜4のアルキレン基の例と同じものを挙げることができる。またRで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例としては、前記一般式(9)のRで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例と同じものを挙げることができ、また好ましいものの例も同じである。m個のRのうち少なくとも一つが水素原子であることが好ましく、全て水素原子であることが更に好ましい。nは、好ましくは数平均分子量が300〜2000となるような整数であり、更に好ましくは数平均分子量が500〜1500となるような整数である。
(G)エステルとしては、これを構成するアルコールが1価アルコールでも多価アルコールでもよく、またカルボン酸は一塩基酸でも多塩基酸であってもよいものである。
エステルを構成する1価アルコール及び多価アルコールの例としては、基油としてのエステルの説明において例示した1価アルコール及び多価アルコールと同じものを挙げることができる。更に好ましいものについても同じである。またエステルを構成する一塩基酸および多塩基酸の例も前記基油としてのエステルの説明において例示した一塩基酸および多塩基酸と同じものを挙げることができる。更に好ましいものについても同じである。
またアルコールとカルボン酸との組み合わせとしては、任意の組み合わせが可能であり、特に限定されるものではないが、例えば、下記の組み合わせを挙げることができる。
(i)一価アルコールと一塩基酸とのエステル
(ii)多価アルコールと一塩基酸とのエステル
(iii)一価アルコールと多塩基酸とのエステル
(iv)多価アルコールと多塩基酸とのエステル
(v)一価アルコール、多価アルコールとの混合物と多塩基酸との混合エステル
(vi)多価アルコールと一塩基酸、多塩基酸との混合物との混合エステル
(vii)一価アルコール、多価アルコールとの混合物と一塩基酸、多塩基酸との混合エステル
なお、アルコール成分として多価アルコールを用いた場合、多価アルコール中の水酸基全てがエステル化された完全エステルでもよく、あるいは水酸基の一部がエステル化されず水酸基のままで残っている部分エステルでもよい。また、カルボン酸成分として多塩基酸を用いた場合、多塩基酸中のカルボキシル基全てがエステル化された完全エステルでもよく、あるいはカルボキシル基の一部がエステル化されずカルボキシル基のままで残っている部分エステルであってもよい。
油性剤としてのエステルの合計炭素数には特に制限はないが、潤滑性及び加工性の向上効果を得るために、合計炭素数が7以上のエステルが好ましく、9以上のエステルが更に好ましく、11以上のエステルが最も好ましい。またステインや腐食の発生を増大させないために、合計炭素数が60以下のエステルが好ましく、45以下のエステルが更に好ましく、26以下のエステルが更により好ましく、24以下のエステルが特に好ましく、22以下のエステルが最も好ましい。
油性剤としては、上記各種油性剤の中から選ばれる1種のみを用いてもよく、また2種以上の混合物を用いてもよい。これらの中でも、(A)アルコール、(B)カルボン酸の中から選ばれる1種または2種以上の混合物であることが好ましい。
上記油性剤の含有量は特に制限はないが、高い切削性等の潤滑性を得るために、加工油全量基準で、0.1質量%以上であることが好ましく、更に好ましくは0.2質量%以上、最も好ましくは0.5質量%以上である。またステインや腐食の発生を増大させないために、油剤の含有量の上限値は30質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
また、本発明において用いられる加工油には、上記した以外の従来公知の添加剤を配合することができる。かかる添加剤としては、例えば、上記したリン化合物、硫黄化合物以外の極圧添加剤(塩素系極圧剤を含む);ジエチレングリコールモノアルキルエーテル等の湿潤剤;アクリルポリマー、パラフィンワックス、マイクロワックス、スラックワックス、ポリオレフィンワックス等の造膜剤;脂肪酸アミン塩等の水置換剤;グラファイト、フッ化黒鉛、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、ポリエチレン粉末等の固体潤滑剤;アミン、アルカノールアミン、アミド、カルボン酸、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸、リン酸塩、多価アルコールの部分エステル等の腐食防止剤;ベンゾトリアゾール、チアジアゾール等の金属不活性化剤;メチルシリコーン、フルオロシリコーン、ポリアクリレート等の消泡剤;アルケニルコハク酸イミド、ベンジルアミン、ポリアルケニルアミンアミノアミド等の無灰分散剤;等が挙げられる。これらの公知の添加剤を併用する場合の含有量は特に制限されないが、これらの公知の添加剤の合計含有量が加工油全量基準で0.1〜10質量%となるような量で添加するのが一般的である。
なお、上記の加工油用添加剤を使用する際には、冷媒循環システム内に混入した場合に悪影響(膨張機構の閉塞等)を及ぼさないような添加剤の種類及び含有量を選定することが好ましく、更には、冷媒循環システムへの悪影響を最小限に抑制するために、上記の加工油用添加剤を含有しない加工油を用いることがより好ましい。
また、本発明に用いられる加工油は、上記冷凍機油の説明において例示された添加剤(冷凍機油用添加剤)を含有してもよい。
なお、加工油が冷凍機油用添加剤を含有する場合、冷凍機油用添加剤の含有量は加工油と冷凍機油とのそれぞれにおいて必ずしも同一である必要はない。すなわち、本発明においては、冷凍機油を加工油としてそのまま用いてもよく、冷凍機油に配合された添加剤の配合量が異なるものや、冷凍機油に配合されている添加剤のうちの1種又は2種以上が配合されていないものを加工油として用いてもよい。更には、これらに上記の加工油用添加剤が配合されたものを用いることもできる。
このように、本発明において用いられる加工油は、基油、並びに必要に応じて配合される酸化防止剤、油性剤等の加工油用添加剤、あるいは更に冷凍機油に配合されている冷凍機油用添加剤を含有するものであるが、冷媒循環システムへの悪影響(膨張機構の閉塞等)を最小限に抑制するためには、加工油の基油が冷凍機油の基油と同一のものであることが好ましく、加工油及び冷凍機油の双方が上記したエステルを含有する場合に冷媒循環システムへの悪影響の抑制効果がより顕著となる。また、実質的に冷凍機油の基油からなるもの、あるいは実質的に冷凍機油の基油と酸化防止剤及び/又は油性剤とからなるものが好ましい。更には、冷凍機油と同一の組成を有する加工油を用いること、すなわち冷凍機油をそのまま加工油として用いることがより好ましい。
また、加工精度の向上を重要視する際には上記の油性剤が配合された加工油を用いることが好ましく、また、べたつき防止性の向上を重要視する場合には上記の酸化防止剤が配合された加工油を用いることが好ましい。
本発明において用いられる加工油の動粘度は特に制限されないが、加工部位への供給容易性の点から、40℃における動粘度の上限値は200mm/sであることが好ましく、更に好ましくは100mm/sであり、更に好ましくは75mm/sであり、最も好ましくは50mm/sである。一方、その下限値は、3mm/sであることが好ましく、更に好ましくは5mm/sであり、最も好ましくは7mm/sである。
(切削・研削加工方法)
本発明においては、冷凍機部品を切削・研削加工するに際し、先ず、加工油が圧縮流体と共に被加工部材の加工部位に供給される。このようにして供給される加工油は、通常ミスト化されており、その供給量は従来の切削・研削加工方法における加工油の使用量に比べて1/100000〜1/1000000程度、より具体的には、通常、1ミリリットル/分以下である。以下、このような加工油の供給方式を極微量油剤供給方式という。
本発明の冷凍機部品の切削・研削加工方法においては、極微量油剤供給方式により加工油を加工部位に供給することによって、十分に高い加工精度を保持しながら加工油の使用量を十分に低減することができ、得られる冷凍機部品は、洗浄を行うことなく、あるいは非常に簡単な洗浄を行うだけで、冷媒循環システムの部品として好適に用いることができる。更には、加工油の使用量が十分に低減されることから、加工油の廃油量を十分に低減することが可能である。
なお、極微量油剤供給方式によらない従来の切削・研削加工方法においては、不水溶性又は水溶性切削・研削加工油の除去が不十分であると、得られる冷凍機部品によって構成される冷媒循環システムにおいて、冷凍機油の有する潤滑性、冷媒相溶性、熱・化学的安定性、電気絶縁性等の特性の低下;冷媒/冷凍機油混合物からの加工油又はその所定の成分の析出;加工油又はその所定の成分と冷凍機油との反応によるスラッジの発生等の現象が起こりやすくなる。更に、このような切削・研削加工方法の場合、加工油の廃油量が非常に多く、環境保全の点からも十分とは言えない。
また、特開平6−2180号公報には、水素含有フロン冷媒を使用する冷凍機用部品を処理するに際し、常温で液体の低粘度エステル油を用いる方法が開示されている。しかしながら、同公報に記載されている処理方法は、圧縮流体を用いない従来の油剤供給方式によるものであり、本発明の方法とは構成を異にするものである。
すなわち、従来の方法では、加工後の冷凍機部品の表面には摩耗粉を含む加工油が多量付着しており、摩耗粉、加工油又はその一部、加工油に含まれる添加剤に由来する被膜等を除去するためには、特開平6−2180号公報記載のように洗浄工程を設ける必要がある。
また、従来の方法において、低粘度のエステル油を加工油として単独で用いた場合には十分な加工精度が得られず、更には極圧剤等の添加剤の配合量を増加しても加工精度を十分に向上させることは非常に困難である。加えて、エステル油に極圧剤等の添加剤が多量配合された加工油を用いると、工具や冷凍機部品等が腐食しやすくなる。
これに対して、本発明の冷凍機部品の切削・研削加工方法においては、使用される加工油が極微量であるため、加工後の冷凍機部品に表面処理を施す際の悪影響が殆どなく、また、銅製部品を腐食させる恐れも小さく、更には加工油又はその一部、あるいは被膜が冷媒循環システムに混入することを十分に防止することができるといった利点がある。
本発明の冷凍機部品の切削・研削加工方法において、加工油はオイルミストとして供給されるので、工作機械内部、ワーク、工具、ミストコレクター内等に加工油が付着するとべたつき現象の原因となり、取り扱い性に支障を来し、作業効率が低下する。このため、本発明において用いられる加工油としては、べたつき防止性が高いことが求められる。
本発明において用いられる圧縮流体としては、圧縮空気、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素、水、あるいはこれらのうちの2種以上の混合物を用いることができる。これらの圧縮流体は、加工油が飛散して雰囲気を汚染せず且つ加工油と圧縮流体との混合物が加工部位に十分到達できるような圧力に調節される。また、圧縮流体の温度は、冷却性の点から、通常−50℃〜室温(25℃程度)に調節される。
なお、従来の切削・研削加工方法に用いられる工作機械においては、切削・研削加工部位、摺動面(滑り案内面)、軸受部分、ギヤ部分、油圧機器等の潤滑部位によって潤滑油に求められる特性が異なるので、加工油、摺動面用油、軸受油、ギヤ油、油圧作動油等にはそれぞれ別個の潤滑油が用いられるのが一般的である。
これに対して、本発明の冷凍機部品の切削・研削加工方法においては、特に加工油の基油がエステルである場合に、当該加工油を摺動面用油、軸受油、ギヤ油、油圧作動油等との兼用油として好適に用いることができ、工作機械の省スペース化、省エネルギー化を図ることができる。
本発明でいう摺動面用油とは、切削・研削加工に用いられる工作機械が備える構成部材のうち、当接する2平面の摺動運動の案内機構に用いられる潤滑油剤をいう。例えば、ベッド上を移動可能なテーブル上に被加工部材を配置し、テーブルを移動させて切削・研削加工用工具へ向けて被加工部材を搬送する工作機械においては、テーブルとベッドとの間の摺動面が摺動面用油剤により潤滑される。また、ベッド上を移動可能な台上に切削・研削加工用工具を固定し、その台を移動させて工具を被加工部材に向けて移動させる工作機械においては、テーブルとベッドとの間の摺動面が摺動面用油により潤滑される。
本発明において用いられる加工油の基油がエステルである場合には、前述の通り当該加工油を摺動面用油との兼用油として好適に用いることができるが、当該兼用油がリン化合物及び/又は硫黄化合物を更に含有すると、より高い摩擦特性が得られるので好ましい。このとき、リン化合物及び硫黄化合物としては、冷媒循環システムへの悪影響が小さいものを選定することが好ましい。
軸受部分の潤滑には、油剤軸受潤滑とミスト軸受潤滑等の潤滑方法があるが、本発明にかかる加工油の基油がエステルである場合には、これらの潤滑方法のうちのいずれにも使用可能である。
油剤軸受潤滑とは、潤滑油を液体のまま軸受部に供給して当該部分の円滑な摺動を図る潤滑方式を意味し、潤滑油による軸受部の冷却等も期待できる。このような軸受潤滑用の潤滑油剤としては、より高温部で使用されることから熱劣化が起きにくい、つまり耐熱性に優れていることが要求されるが、加工油の基油がエステルである場合には、当該加工油を油剤軸受潤滑用の軸受油として好適に用いることができる。
ミスト軸受潤滑とは、潤滑油をミスト発生装置により霧状にし、空気等の期待でその霧状の油を軸受部に供給して当該部分の円滑な摺動を図る潤滑方式を意味し、軸受部等の高温部では、空気等による冷却効果を期待できることから、近年の工作機械ではこの潤滑方式を採用している例が多い。このようなミスト潤滑用の潤滑油剤としては、より高温部で使用されることから熱劣化が起きにくい、つまり耐熱性に優れていることが要求されるが、加工油の基油がエステルである場合には、当該加工油をミスト軸受潤滑用の軸受油として好適に用いることができる。
ギヤ部分とは、主に歯切り盤等に設けられたギヤで駆動する部分のことであり、当該ギヤ部分の円滑な摺動を図り、金属−金属間接触を緩和するためにギヤ油が使用される。ギヤの摺動面には高荷重が加えられるため、ギヤ油には高い耐摩耗性、耐焼付き性等の潤滑性が求められる。本発明においては、加工油がエステルを基油として含有する場合に、当該加工油をこのようなギヤ油との兼用油として好適に用いることができ、これにより十分に高い潤滑性(耐摩耗性、耐焼付き性)を得ることができる。また、より高い潤滑性が得られることから、当該兼用油はリン化合物及び/又は硫黄化合物を含有することが好ましいが、リン化合物及び硫黄化合物としては、冷媒循環システムへの悪影響が小さいものを選定することが好ましい。
油圧機器は、油圧にて機械の動作、制御を行うものであり、機械類の動作を司る油圧制御部分では潤滑、シール、冷却効果を期待される油圧作動油が使用される。油圧作動油は、潤滑油をポンプで高圧に圧縮し、油圧を発生させ、機器を動かすため、潤滑油に高い潤滑性と高い酸化安定性、熱安定性が求められるが、加工油の基油がエステルである場合には、当該加工油を油圧作動油として用いることができる。なお、エステルを基油とする加工油を油圧作動油兼用油として使用する場合には、その潤滑性を更に向上させるために、当該兼用油は上記リン化合物及び/又は硫黄化合物を含有することが好ましいが、リン化合物及び硫黄化合物としては、冷媒循環システムへの悪影響が小さいものを選定することが好ましい。
図1は本発明の切削・研削加工方法において好適に用いられる工作機械の一例を示す説明図である。図1に示す工作機械は、ベッド1上を矢印の方向に移動可能なテーブル2、並びに支持手段10に支持されており矢印の方向に回転可能な工具11を備えている。また、給油タンク12にはエステルを基油とする油剤が収容されており、テーブル2上に配置された被加工部材3を切削・研削加工する際には、圧縮空気導入部18から送られる圧縮空気と共に、ミスト状の油剤が加工油剤供給部13から加工部位に向けて供給される。また、給油タンク12に収容された油剤は、摺動面用油剤供給部14からベッド1とテーブル2との間の摺動面16に供給されると共に、軸受用油剤供給部15から支持手段10と工具11との間の軸受部に供給されて、摺動面16及び軸受部17の潤滑が行われる。
このように、同一のエステルを含有する油剤を用いて、切削・研削加工部位、工作機械の摺動面、あるいは更に軸受部における潤滑を行うと、極微量油剤供給式切削・研削加工における加工性の向上、作業効率の向上が達成されるので好ましい。
また、図1に示すように、切削研削加工用油剤、摺動面用油剤、あるいは更に軸受用油剤としてそれぞれ同一の油剤を用いると、各油剤を供給するための給油タンク等を別個に設ける必要がなくなり、工作機械の省スペース化、省エネルギー化を達成することが可能となるのでより好ましい。
なお、図1には示していないが、本発明の極微量油剤供給式切削・研削加工方法においては、給油タンク12に収容される油剤を、工作機械が備える油圧機器に供給して、本発明の油剤を油圧作動油として用いることもできる。また、給油タンク12に収容される油剤を、工作機械が備えるギヤ部分に供給して、当該油剤をギヤ部分用油剤として用いることもできる。
[実施例]
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1〜18
実施例1〜18においては、以下に示す基油及び添加剤を用い、表1〜3に示す組成を有する加工油を調製した。得られた加工油の40℃における動粘度を表1〜3に示す。また、実施例1〜12の加工油については、沃素価、臭素価、水酸基価及びけん化価を表1〜2に示す。
(基油)
A1:ネオペンチルグリコールとオレイン酸とのジエステル(40℃における動粘度:22mm/s)
A2:トリメチロールプロパンとオレイン酸とのトリエステル(40℃における動粘度:47mm/s)
A3:トリメチロールプロパンとn−ヘキサン酸/n−オクタン酸/n−デカン酸混合酸(混合モル比7:59:34)とのテトラエステル(40℃における動粘度:20mm/s)
A4:ペンタエリスリトールとn−オクタン酸とのテトラエステル(40℃における動粘度:46mm/s)
A5:市販の菜種油(40℃における動粘度:35mm/s)
A6:グリセリンとオレイン酸とのモノエステル
A7:ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル(40℃における動粘度:40mm/s)
A8:ハード型アルキルベンゼン(40℃における動粘度:22mm/s)
A9:ビニルエチルエーテルとビニルイソブチルエーテルとの共重合体(ビニルエチルエーテル/ビニルイソブチルエーテル比(モル比):7/1、40℃における動粘度:68mm/s)。
(添加剤)
B1:トリクレジルフォスフェート。
B2:硫化エステル(硫黄含有量:9.9質量%、不活性タイプ)
B3:2−エチルヘキシルグリシジルエーテル
B4:2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール。
次に、実施例1〜18の各加工油を用い、以下に示す試験を行った。
(潤滑性の評価(タッピング試験))
各加工油及び比較標準油(DIDA:アジピン酸ジイソデシル)を交互に用いて、以下に示す条件:
タッピング条件
工具:ナットタップM8(P=1.25mm)
下穴径:φ7.2mm
ワーク:S25C(t=10mm)
切削速度:9.0m/分
油剤供給方式
各油剤組成物:圧縮空気0.2MPa、油剤組成物25ml/hの条件で吹き付け
DIDA:圧縮空気を用いることなく、直接加工部位に4.3mL/分の条件で吹き付け
でタッピング試験を行った。それぞれの場合のタッピングエネルギーを測定し、下記式:
タッピングエネルギー効率(%)=(DIDAを用いた場合のタッピングエネルギー)/(油剤組成物を用いた場合のタッピングエネルギー)を用いてタッピングエネルギー効率(%)を算出した。得られた結果を表1〜3に示す。表1〜3中、タッピングエネルギー効率の値が高い程、潤滑性が高いことを意味する。なお、加工油を用いずに圧縮空気のみを供給しながら同様のタッピング加工を行ったところ、タッピングエネルギー効率は80%であった。
(オートクレーブ試験)
以下に示す手順により、鉄製プレート(S45C、30mm×30mm×5mm)にタッピング加工を施し、加工後のプレートを用いてオートクレーブ試験を行った。
すなわち、各加工油を用いて、以下に示す条件:
タッピング条件
工具:ナットタップM8(P=1.25mm)
下穴径:φ7.2mm
切削速度:9.0m/分
油剤供給方式
圧縮空気0.2MPa、油剤組成物25ml/hの条件で吹き付けでタッピング加工を行った。
次に、加工後のプレートを、以下に示す組成:
ペンタエリスリトールと2−エチルヘキサン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸混合脂肪酸(2−エチルヘキサン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸比(モル比):50/50)とのテトラエステル)95.3質量%
添加剤B1:3質量%
添加剤B2:1質量%
添加剤B3:0.3質量%
を有する冷凍機油90g及び冷媒(HFC−134A又はR410A)と共にオートクレーブに封入し、175℃で2000時間加熱した。試験後のプレートの外観及びスラッジの有無を観察し、冷凍機油の全酸価の変化量を測定した。得られた結果を表1〜3に示す。
(べたつき防止性評価試験)
アルミ皿(100mm×70mm)上に油剤5mlを入れ、70℃の恒温槽に336時間静置後、油剤組成物付着部分のべたつきの程度を指触判断した。またGPCにて試験前後の質量平均分子量を測定し、変化率を求めた。得られた結果を表1〜3に示す。べたつき防止性の評価基準は以下の通りである。
A:べたつきは全くない
B:べたつきが全くないか、あっても極わずかである
C:べたつきがわずかにある
D:べたつきがある
E:べたつきが非常にある。
(摩擦特性評価試験)
図2に示す装置を用い、各加工油の摩擦特性を以下の手順で評価した。
図2に示す装置において、鋳鉄製のベッド1上と鋳鉄製のテーブル2との当接する面に加工油を滴下した。次に、テーブル2上に重鎮3を配置して面圧200kPaとし、A/Cサーボメータ4、送りネジ5及び軸受け部を有する可動治具6で構成される駆動手段によりテーブル2を矢印の方向に往復運動させた。テーブル2を往復運動させる際には、制御盤7及び制御手段8により、送り速度400mm/min、送り長さ300mmとなるように制御した。このようにしてテーブル2を3往復させた後、4往復目のテーブル2と可動治具6との間の荷重をロードセル9によって測定し、得られた測定値に基づいてテーブルとベッドとが当接する面(案内面)の摩擦係数の平均値を求めた。得られた結果を表1〜3に示す。
(耐摩耗性評価試験)
高速四球試験法により、回転数1800rpm、荷重392Nで30minの摩耗試験を行い、摩耗痕径を測定して加工油の耐摩耗性を評価した。得られた結果を表1〜3に示す。
(酸化安定性試験)
50mlスクリュー管に加工油25mlを入れ、空気中、70℃で4週間加熱したときの全酸価の変化量を測定した。得られた結果を表1〜表3に示す。
(耐焼付き性評価試験)
ASTM D−2783−88に準拠し、回転数1800rpmで荷重摩擦指数(LWI)を求めた。得られた結果を表1〜3に示す。なお、表中、LWIの値が大きいほど耐焼付き性に優れていることを示している。
Figure 2002087821
Figure 2002087821
Figure 2002087821
比較例1〜19
比較例1〜19においては、それぞれ上記の基油及び添加剤並びに下記の基油及び添加剤を用い、表4〜6に示す組成を有する加工油を調製した。各加工油の40℃における動粘度を表4〜6に示す。また、比較例1〜12の加工油については、沃素価、臭素価、水酸基価及びけん化価を表4〜5に示す。
(基油)
A10:鉱油(40℃における動粘度:22mm/s)。
(添加剤)
B5:Caスルホネート
B6:ZnDTP。
(オートクレーブ試験)
比較例1〜19の加工油を用い、加工油を供給する際に圧縮空気を用いることなく4.3ml/分で加工部位に直接吹き付けたこと以外は実施例1〜18と同様にしてタッピング加工された鉄製プレートを得、そのプレートを石油系洗浄剤に入れて20分間振とうし、60℃で5分間乾燥させた。
次に、得られたプレートを用い、実施例1〜18と同様のオートクレーブ試験を行った。得られた結果を表4〜6に示す。
Figure 2002087821
Figure 2002087821
Figure 2002087821
表1〜3に示すように、実施例1〜18においては、十分に高いタッピングエネルギー効率が達成されると共に、加工油によるプレートの腐食や冷凍機油の劣化が十分に防止されていることが確認された。
実施例19〜26、比較例20〜27
実施例19〜26及び比較例20〜27においては、それぞれ以下に示す基油及び添加剤を用い、表7に示す組成を有する試料油を調製した。得られた試料油の40℃における動粘度を表1に示す。また、試料油1、2については、沃素価、臭素価、水酸基価及びけん化価を表1に示す。
(基油)
A1:ペンタエリスリトールと2−エチルヘキサン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸混合脂肪酸(2−エチルヘキサン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸比:50/50)とのテトラエステル(40℃における動粘度:68mm/s)
A2:ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル(40℃における動粘度:40mm/s)
A3:ハード型アルキルベンゼン(40℃における動粘度:22mm/s) A4:ビニルエチルエーテルとビニルイソブチルエーテルとの共重合体(ビニルエチルエーテル/ビニルイソブチルエーテル比(モル比):7/1、40℃における動粘度:68mm/s)
A5:鉱油(40℃における動粘度:22mm/s)。
(添加剤)
B1:トリクレジルフォスフェート。
B2:2−エチルヘキシルグリシジルエーテル
B3:2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール
B4:硫化エステル
B5:Caスルホネート
B6:ZnDTP。
Figure 2002087821
次に、加工油及び冷凍機油としてそれぞれ表8〜9に示す試料油を用い、以下に示す試験を行った。
(潤滑性の評価(タッピング試験))
各加工油及び比較標準油(DIDA:アジピン酸ジイソデシル)を交互に用いて、以下に示す条件:
タッピング条件
工具:ナットタップM8(P=1.25mm)
下穴径:φ7.2mm
ワーク:S25C(t=10mm)
切削速度:9.0m/分
油剤供給方式
実施例19〜26の加工油:圧縮空気0.2MPa、油剤組成物25ml/hの条件で加工油を吹き付け
比較例20〜27の加工油及びDIDA:圧縮空気を用いることなく、直接加工部位に4.3mL/minの条件で吹き付け
でタッピング試験を行った。それぞれの場合のタッピングエネルギーを測定し、下記式:
タッピングエネルギー効率(%)=(DIDAを用いた場合のタッピングエネルギー)/(加工油を用いた場合のタッピングエネルギー)を用いてタッピングエネルギー効率(%)を算出した。得られた結果を表8〜9に示す。表8〜9中、タッピングエネルギー効率の値が高い程、潤滑性が高いことを意味する。なお、加工油を用いずに圧縮空気のみを供給しながら同様のタッピング加工を行ったところ、タッピングエネルギー効率は80%であった。
(オートクレーブ試験)
以下に示す手順により、鉄製プレート(S45C、30mm×30mm×5mm)にタッピング加工を施し、加工後のプレートを用いてオートクレーブ試験を行った。
すなわち、各加工油を用いて、以下に示す条件:
タッピング条件
工具:ナットタップM8(P=1.25mm)
下穴径:φ7.2mm
切削速度:9.0m/分
油剤供給方式
実施例19〜26の加工油:圧縮空気0.2MPa、油剤組成物25ml/hの条件で吹き付け
比較例20〜27の加工油:圧縮空気を用いることなく、直接加工部位に4.3ml/minの条件で吹き付け
でタッピング加工を行った。
次に、加工後のプレートを、冷凍機油90g及び冷媒(HFC−134A又はR410A)10gと共にオートクレーブに封入し、200℃で2000時間加熱した。試験後のプレートの外観及びスラッジの有無を観察し、冷凍機油の全酸価の変化量を測定した。得られた結果を表8〜9に示す。
更に、実施例19〜26においては、試料油1〜8を用いて以下の試験を行った。
(べたつき防止性評価試験)
アルミ皿(100mm×70mm)上に試料油5mlを入れ、70℃の恒温槽に336時間静置後、試料油の付着部分のべたつきの程度を指触判断した。得られた結果を表8に示す。なお、べたつき防止性の評価基準は以下の通りである。
A:べたつきは全くない
B:べたつきが全くないか、あっても極わずかである
C:べたつきがわずかにある
D:べたつきがある
E:べたつきが非常にある。
(摩擦特性評価試験)
図2に示す装置を用い、各試料油の摩擦特性を以下の手順で評価した。
図2に示す装置において、鋳鉄製のベッド1上と鋳鉄製のテーブル2との当接する面に試料油を滴下した。次に、テーブル2上に重鎮3を配置して面圧200kPaとし、A/Cサーボメータ4、送りネジ5及び軸受け部を有する可動治具6で構成される駆動手段によりテーブル2を矢印の方向に往復運動させた。テーブル2を往復運動させる際には、制御盤7及び制御手段8により、送り速度400mm/min、送り長さ300mmとなるように制御した。このようにしてテーブル2を3往復させた後、4往復目のテーブル2と可動治具6との間の荷重をロードセル9によって測定し、得られた測定値に基づいてテーブルとベッドとが当接する面(案内面)の摩擦係数の平均値を求めた。得られた結果を表8に示す。
(耐摩耗性評価試験)
高速四球試験法により、回転数1800rpm、荷重392Nで30minの摩耗試験を行い、摩耗痕径を測定して試料油の耐摩耗性を評価した。得られた結果を表8に示す。
(酸化安定性試験)
50mlスクリュー管に試料油25mlを入れ、空気中、70℃で4週間加熱したときの全酸価の変化量を測定した。得られた結果を表8に示す。
(耐焼付き性評価試験)
ASTM D−2783−88に準拠し、回転数1800rpmで荷重摩擦指数(LWI)を求めた。得られた結果を表8に示す。なお、表中、LWIの値が大きいほど耐焼付き性に優れていることを示している。
Figure 2002087821
Figure 2002087821
表8に示すように、実施例19〜26においては、十分に高いタッピングエネルギー効率が達成されると共に、加工油によるプレートの腐食や冷凍機油の劣化が十分に防止されていることが確認された。
産業上の利用可能性
以上説明した通り、本発明によれば、冷凍機部品を切削・研削加工するに際し、冷凍機部品の品質低下や冷媒循環システムへの加工油の混入を十分に防止すると共に、十分な加工精度を達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明において好適に用いられる工作機械の一例を示す概略構成図である。
図2は、実施例における摩擦特性評価試験に用いられた装置を示す説明図である。

Claims (3)

  1. 被加工部材を切削・研削加工して、非塩素含有冷媒用冷凍機器の冷媒循環システムを構成する冷凍機部品を得る方法であって、
    加工油を圧縮流体と共に前記被加工部材の加工部位に供給するステップと、
    前記加工油が供給された前記加工部位を切削・研削加工するステップと
    を含む冷凍機部品の切削・研削加工方法。
  2. 前記加工油が前記冷凍機器に用いられる冷凍機油の基油を含有するものである請求項1に記載の冷凍機部品の切削・研削方法。
  3. 前記加工油がエステルを基油とするものである請求項1に記載の冷凍機部品の切削・研削方法。
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