JPWO2002073488A1 - 組織体の構成員である個人及び/又はグループを評価する評価方法及び評価システム並びに損益管理システム - Google Patents
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Abstract
組織体内の個人やグループについて、数値に基づく正確なる評価と、真の実力主義を実現する評価方法を提供する。前記評価方法は組織体内部における個人及び/又は一人以上の個人から構成されるグループの活動について売買対象とし、必要に応じ会計手法を適用して数値化し、これをコンピュータで処理した結果を基に当該個人及び/又は一人以上の個人から構成されるグループを評価する方法である。この評価方法を用いて、個人の業績を数値化することにより、評価を客観的かつ公正に行うことができる。更には、この方法を応用して、個人の給与等の報酬額や退職金額の決定も行える。
Description
技術分野
本発明は、組織体を構成する個人及び/又はグループを評価する評価方法及び評価システム並びに損益管理システムに関する。さらに詳しくは、本発明は、組織体の内外活動を会計上の取引又は売買対象として数値化し、当該数値を基に損益及び資産負債計算して当該組織体内の個人及び/又は一人以上の個人からなるグループを評価する評価方法及び評価システムに関する。
また、本発明は、所定の組織体内における個人及び/又は1人以上の個人からなるグループに対する評価を明確にし、組織体内の評価者と被評価者の評価に対する食い違いをなくし、これにより組織体の活性化を図るとともに、真の実力主義を実現する組織体を作るのに有効な評価方法及び評価システム並びに損益管理システムに関するものである。
背景技術
従来、組織体内におけるグループや個人(以下、「メンバー」ということもある)の評価は、主に評点方式と目標管理制度に拠っていた。この評価に基づき、メンバーの賞与額や昇給額等の報酬額等を決定していた。
評点方式は、期間中の業務達成度や、勤務態度など数項目を決定し、各々に例えば、ある項目は1点から10点の点数を配分し、別の項目には2点から20点の点数を配分するなどして、その点数の合計によってメンバーの評価を決定する方法であった。項目としては、業績達成度や能力、判断力、勤務態度、協調性などがあげられていた。
目標管理制度は、比較的新しい方法で、評点方式の欠点を補うものとして導入されてきた。これは、期初に期間中に達成すべき目標をメンバーが定め、上司と面接の上で決定して、期末に、その目標に対する達成度を上司とメンバーが評価しあい、その達成度によって評価を決定するというものであった。
従来の給与額決定方式は、積み上げ方式が基本になっており、前年の給与額に対して、個人に対して評点をつけて、その数字によって昇給額を決定する。また、俸給表による場合もあるが、この方式は、個人の等級によって給与額を決定するもので、評価によって等級を決定するものであった。この他に年俸制があるが、年俸の決定方法は、前年度の実績を目標管理制度のような仕組みによって評価し、次年度の年俸を決定するもので、目標管理制度の欠点をそのまま持ったものであった。
従来の退職金額の決定は、退職時の給与額と勤務年数を掛け合わせる方式が殆どであるが、この計算式に基づいて退職金の支給が行われていた。
更に、従来の評価方法では、ある期間に目覚しい評価、又は逆に著しく低い評価を得た場合に、その評価がそれ以降の評価期間の評価に影響する場合があった。
上述したように従来の組織体における評価法は、個人や小さなグループ組識の経営への貢献度を明確にすることが困難で、また、上司の恣意的な評価が行われやすいという欠点があった。
また、上述した従来の組織体における評価法では、仕事内容が情報技術化されてきた近年では、仕事の内容自体がブラックボックス化したり、勤務状態も従来のように把握しやすいものから、在宅勤務や裁量労働、フレックスタイムなど把握しにくいものに変化してきているため、ますます適正な評価ができないという欠点があった。
例えば、ある人が朝から晩まで熱心にパソコンのキーボードを叩いていたとする。それだけをとれば、熱心に仕事をしている、というように見受けられるが、実態はどうであろうか。そのとおりの場合もあるかもしれないが、昨日の夜にうっかりしてファイルを壊してしまい、一生懸命に修復しているだけかもしれないし、単に個人的な趣味でメールを楽しんでいるのかもしれない。
評点方式は、評価が点数で示されるため、一見、客観的に見えるが、実際には、例えば業務の達成度を何点と評価するかは、上司の主観によって決められる傾向があった。また、数項目を選び出して評価を行うのであるが、その項目の選択が正しいのか、項目毎の比重が正しいのか、といった点も問題になっていた。
更には、メンバーの人数が多い場合には、上司が、個々のメンバーを十分に把握しておらず、一部の印象で評点を付する面もあり、客観的な評価とは言えないものであった。営利組織においては、利益を上げることが最大の課題であるが、組織体内の個人の評価については、表面的な勤務態度(遅刻が無いとか、上司の命令に従順であるとか)、声が大きいといった側面的な要素が大きく作用する面もあり、その評価方法は旧態依然としていた。
更には、評点が中心に集まりやすく、良く働いているメンバーに十分に報いることが困難であった。例えば、1から5の5段階評価だとした場合、3の評価に大半の人が該当し、1や5に該当する人は殆ど無い、という傾向がある。
目標管理制度は、前述したように、目標を予め定め、その達成度を評価するというもので、評点方式に較べると客観性が高いように見えるが、問題が多い方式であった。
予め定めた目標に対する達成度が評価の大きなポイントとなるため、メンバーからは達成可能な容易な目標が選択されやすくなる。また、その目標が、組織体の目標とどのように合致しているのかが、判然としない場合が多く、達成したことによる利益が明らかでないという面があった。
期末になると、メンバーからは100%や150%といった達成率が報告され、上司はその妥当性について議論することに多くの時間を費やすことになっていた。
つまり、従来の方法では、一見、客観的な評価を装っているものの、内実は主観的な評価であった。数値化された、理解力や判断力、協調性なども、それらの能力が具体的にどのように発揮されて、利益にどのように結びついたのかが、判然としない場合が殆どである。また、前記の何れの方式も、異なる部門に属する個人間で、何れが、より貢献しているか否かに関して明確に評価できないものであった。しかしながら、実力主義でなければ、国際競争に打ち勝っていくことが困難な状況になってきており、客観的な評価を実施することは必須要件となってきている。
この一方で、組織体内のグループに関しては、ある程度の客観性をもった評価方式を採用している組織体が存在する。
それは、グループ毎に会計手法の損益計算書と貸借対照表を作成し、それによって評価を行うというものであった。これは一般に、管理会計と呼ばれるものである。
これは、メンバーの場合に比較すると客観性の高いものであるが、次のような問題点があった。
管理部門と呼ばれるグループにおいては、売上が存在しないため、コストだけが計上され、利益が不明になっていた。また、営業部のように売上が存在する部門でも、管理部門の経費を按分という方式で割り当てられており、その分に関しては経費管理ができないため、経費の内、大きな割合を占める管理部門の間接費のコントロールができなかった。
按分は、床面積とか、メンバー数、売上高などに基づいて定める場合が殆どで、一見、客観的であるが、按分比率を恣意的に定めることも可能であり、更には、用いている按分比率が妥当であるか否かも、極めて主観的であった。
更に、従来の管理会計は、財務会計と同じ勘定科目を使用して、それを、部門等に分割することによって、部門毎の財務諸表を作成していた。この方法では、勘定科目毎に集計が可能になるだけであり、例えば、リース料を取ってみた場合に、補助科目を使用することで、建物や車両、OA機器といった区分は可能になるが、特定の活動にどの分が使用されているかを識別するのは不可能であった。
また、損益計算書や貸借対照表の作成は、事業部といった、比較的大きなグループに対して作成が行われており、従来の組織体での、課や係といった比較的小さなグループに対しては実施されていなかった。
従来の給与額決定方式は、積み上げ方式が基本になっており、前年の給与額に対して、個人に対して評点をつけて、その数字によって昇給額を決定する。また、俸給表による場合もあるが、この方式は、個人の等級によって給与額を決定するもので、評価によって等級を決定するものであった。この方式では、貢献度が低くても給与額が下がることは無く、個人の貢献度にリンクした給与額を決定することが困難であった。
この他に年俸制があるが、年俸の決定方法は、前年度の実績を目標管理制度のような仕組みによって評価し、次年度の年俸を決定するもので、目標管理制度の欠点をそのまま持ったものであった。つまり、目標管理制度での、目標の設定方法、目標達成率の評価方法の困難性を有したもので、結果的に給与額の決定が従来方式と大きく異ならないものであった。
また、従来の退職金額の決定は、退職時の給与額と勤務年数を掛け合わせる方式が殆どあるが、この方式では勤務中の貢献度に応じた支給をすることができなかった。例えば、勤務中に組織体に対して損害を与えるような行為があったとしても、懲戒に当たらない場合には、計算式に基づいて支給が行われていた。
本発明の第1の目的は、組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを客観的に評価する評価方法及び評価システムを提供することにある。
本発明の第2の目的は、組織体の構成員である個人や、一人以上の個人からなるグループに所定の評価方法を適用して評価内容を明確にすることで、評価を客観的に行い、それにより、業務内容を厳選し、利益に結びつく仕事内容を充実させ、組織体の利益を極大化させるとともに、人事考課における評価者と被評価者の評価に対する食い違いを無くし、真の実力主義を実現する評価方法及び評価システムを提供することにある。
本発明の第3の目的は、組織体の構成員である個人や、一人以上の個人からなるグループの内外の活動を会計手法によりデジタル化した数字として表すことにより、組織体内の個人やグループを公正かつ明確に評価することにより、個人の利益と組織体の利益を連動させて、利益拡大への意欲を発現させ、これにより組織体の活性化を図ることができる評価方法及び評価システムを提供することにある。
本発明の第4の目的は、組織体の構成員である個人、一人以上の個人からなるグループの内外の活動を会計手法を用いて評価することにより、投資や支出行為等における個人やグループの権限や責任を明確にすることができ、不要な投資を抑制し投資の適正化を図ることができ、上位者から押し付けられる予算ではなく、担当者が真に可能で必要とするものを適正に予算化することができ、予算に縛られた支出行為ではなく、ダイナミックな事業活動の円滑化が可能な評価方法及び評価システムを提供することにある。
本発明の第5の目的は、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの損益の管理を行う管理システムを提供することにある。
発明の開示
上記第1乃至第4の目的を達成するため、請求項1に係る発明の評価方法は、組織体における内外の活動を売買対象とすることにより当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを、コンピュータを使用して評価する評価方法であって、
当該組織体における内外の活動を売買対象とすることにより数値化し、当該数値をデータベースに格納するステップと、
当該データベースに蓄積された数値に基づいて当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価するステップと
を備えたことを特徴とする。
上記第1乃至第4の目的を達成するため、請求項2に係る発明の評価方法は、組織体における内外の活動を会計手法により当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを、コンピュータを使用して評価する評価方法であって、
当該組織体における内外の活動を会計上の取引とすることにより数値化し、当該数値をデータベースに格納するステップと、
当該データベースに蓄積された数値に基づいて当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価するステップと
を備えたことを特徴とする。
上記第1乃至第4の目的を達成するため、請求項3に係る発明の評価方法は、組織体における内外の活動を会計手法により当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを、コンピュータを使用して評価する評価方法であって、
組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの各々毎に損益計算書データ及び/又は貸借対照表データをデータベース上に保有し、
その損益計算書データ及び/又は貸借対照表データの一方又は両方をもって、個人及び/またはグループの各々の勘定単位とし、組織体内外の活動を売買又は会計上の取引として上記データベース上の勘定単位に反映させるステップと、
個人及び/又はグループの収入及び/又は支出があったときに上記データベース上の前記各々の勘定単位に対して反映させるステップと、
上記各ステップによって計算された、個人及び/又はグループの損益計算書データ及び/又は貸借対照表データを用いて、個人及び/又はグループの評価を行うステップと
を備えたことを特徴とする。
上記第1乃至第4の目的を達成するため、請求項4に係る発明の評価システムは、組織体における内外の活動について会計手法を適用し、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、
前記コンピュータシステムは、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に当該個人及び/又は当該グループを評価する演算処理手段を備えたことを特徴とする。
請求項5に係る発明では、請求項4記載の評価システムにおいて、前記コンピュータシステムにおける演算処理手段は、当該組織体の構成員である個人の活動を数値化した数値が入力されたときに、その入力データを基に当該個人の損益計算及び資産負債計算する計算処理手段と、前記計算処理手段での計算結果が、当該個人が属するグループの損益計算及び資産負債計算、並びに、グループと当該グループが属する上位グループの損益計算及び資産負債計算に相互に関係付けられて計算され、各損益計算、及び資産負債計算を更新する更新処理手段とを備えたことを特徴とする。
請求項6に係る発明では、請求項5記載の評価システムにおいて、前記更新処理手段は、個人及びグループを属性で区別可能にし、グープが階層的に存在する場合には、個人とグループ及び/又はグループとグループの属性付けを変更することにより、上位グループ及び下位グループとの関係を更新できるようにしたことを特徴とする。
上記第1乃至第4の目的を達成するため、請求項7に係る発明の評価システムは、組織体における内外の活動について売買対象とすることにより、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、
前記コンピュータシステムは、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの活動の計算を行い数値化し、その結果を基に当該個人の報酬額を決定することを特徴とする。
上記第1乃至第4の目的を達成するため、請求項8に係る発明の評価システムは、組織体における内外の活動について会計手法を適用し、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、
前記コンピュータシステムは、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に当該個人の報酬額を決定することを特徴とする。
上記第1乃至第4の目的を達成するため、請求項9に係る発明の評価システムは、組織体における内外の活動について売買対象とすることにより、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、
前記コンピュータシステムは、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの活動の計算を行い数値化し、その結果を基に当該個人の退職金額を決定することを特徴とする。
上記第1乃至第4の目的を達成するため、請求項10に係る発明の評価システムは、組織体における内外の活動について会計手法を適用し、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、
前記コンピュータシステムは、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に当該個人の退職金額を決定することを特徴とする。
請求項11に係る発明では、請求項4記載の評価システムにおいて、前記コンピュータシステムは、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループ間の契約関係を論理として保持し、会計手法を適用して処理する際に、その契約関係に基づいて自動的計算を行うことを特徴とする。
上記第1乃至第4の目的を達成するため、請求項12に係る発明の評価システムは、組織体における内外の活動について会計手法を適用し、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、
前記コンピュータシステムは、組織体内部で取り扱いを決定できる内部取引用と、財務会計及び/または税務会計に使用する外部取引用の勘定科目を設定したデータベースと、
前記組織体内外の取引を、内部取引用勘定科目と外部取引用勘定科目に反映させる手段と、
組織体内の個人及び/又はグループの損益計算書及び/又は貸借対照表を計算する手段と、
前記各手段で得られた結果を基に個人及び/又はグループの評価を行う手段と
を備えたことを特徴とする。
上記第5の目的を達成するため、請求項13に係る発明の損益管理システムは、前記請求項4乃至12記載のいずれか一つの評価システムを用いて当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの損益の管理を行うことを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態について必要に応じて図面も参照して説明する。
本発明の評価方法及び評価システム並びに損益管理システムには、損益計算書(以下、「PL」ということもある)・貸借対照表(以下、「BS」ということもある)を用いたものと、損益計算書・貸借対照表を使用しないポイント制を用いたものの2つがある。
[損益計算書、貸借対照表を用いた評価方法及び評価システム]
まず、損益計算書、貸借対照表を用いた評価方法及び評価システムに関して説明する。
ここで、本明細書において、「損益計算書」及び「貸借対照表」には、計算結果や集計結果をデータベース化したり、紙に出力したものだけではなく、その計算や集計の元になる仕訳データ及び科目残高データの集合も含まれる。
本発明における売買とは、有体・無体財産権の取引のみならず、有価証券、役務、情報等の取引や、請負を含む。
本発明に係る損益計算書・貸借対照表を用いた評価方法は、組織体の構成員である個人、若しくは当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループ、又は前記個人及び前記グループ、の内外の活動について会計手法を適用し、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に評価する方法である。
この方法は、次の事項を必要に応じてコンピュータシステムで処理させることにより達成される。
第1に、前記個人若しくは前記グループ又は前記個人及び前記グループの内外の活動を会計上の取引又は売買対象とする。
第2に、前記対象となった活動の全部又は一部について、これを数値化する。
第3に、当該数値化された結果を基に損益計算及び資産負債計算をする。
第4に、損益計算及び資産負債計算をした結果に基づいて個人若しくはグループ又は個人及びグループを評価する。
第5に、必要に応じてキャッシュフロー計算を行う。
このような組織体内の個人若しくはグループ又は個人及びグループの評価方法は、次の第1図に示すコンピュータシステムで実現することができる。
コンピュータシステム1は、本発明の評価方法を実現させるサーバー2と、このサーバー2に接続されるデータベース3と、通信回線4を介して接続されるパーソナルコンピュータ(パソコン)5とからなる。
前記サーバー2は、オペレーティングシステム(OS)2aと、アプリケーションプログラム2bと、OS2a及びアプリケーションプログラム2bを実行する中央演算処理装置(CPU)2cと、アプリケーションプログラム2bの制御下にデータベース3にアクセスするデータベース制御機構2dと、パソコン5との間で通信を行なう通信機構2eとを備えている。
このようなコンピュータシステム1によって、組織体内外の活動について会計手法を適用し、その会計手法で数値化した結果を基に当該組織体内の計算を行うことにより組織体内の評価システムを構築する。
ここで、前記コンピュータシステム1のサーバー2は、当該組織体内の個人、グループ、個人及びグループの内外の活動を会計上の取引として、数値化し、当該数値をデータベース3に格納するステップと、当該データベース3に蓄積された当該損益計算、資産負債計算の結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価するステップとを実行する演算処理手段6を備えたものである。
組織体の個人及び/又はグループの内外での活動があったときに、その活動を、コンピュータシステム1のパソコン5から通信回線4を介してサーバー2に入力し、あるいは、サーバー2に直接入力する。コンピュータシステム1のサーバー2の演算処理手段6は、活動毎の会計上の数値を基に、損益、資産負債計算する。このようにコンピュータシステム1により得た具体的な損益、資産負債の数値によって、組織体内の個人、グループの総合評価が客観的に可能になる。
ここにおいて、「組織体における内外の活動」とは、組織体の事業に伴って発生する、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの行為全体を言う。組織体外の活動としては、通常は、商取引としての活動が含まれる。また、組織体内の活動としては、事業活動に伴って必要となる労働の他、交通費や家賃、光熱費、減価償却費、利息、会議費や交際費などの経費一切が含まれる。
本発明において「組織体」とは、一定の目標があり、組織体の構成員である個人又は一人以上の個人からなるグループの集合体をいう。例えば、商法上の法人である株式会社、有限会社などや、商法以外の法律で規定されている営利法人や非営利法人、地方公共団体などもこれらに該当する。当該組織体を構成する個人を、本明細書では「メンバー」と称することもある。また一人以上のメンバーがグループを構成するものとする。
本発明において「グループ」は、企業等の組織体内において、その大小を問わないし、単数でも複数でもよく、階層構造の組織体では上位、下位でもよい。さらに企業におけるチーム、斑、係、課、部、事業部、事業本部、プロジェクト等もその名称の如何を問わず、ここで言うグループに含まれる。また、グループが複数集まって、さらに大きなグループを形成したものでもよい。
本発明において、組織体やグループは、現状の会社組織と大きく異なる点があるが、会社組織を念頭におくと考え易い。組織体は独立会社に対比させることができる。組織体の集合は持ち株会社や連結決算対象企業に対比させることができる。組織体内の複数階層は、事業部や部、課などに対比させることができるが、本発明ではそのような特定の形態を意識しておらず、特に組織内の階層は深くない方が好ましい。
具体的な組織体の例について、第2図、第3図を参照して説明する。
第2図及び第3図は本発明の実施の形態に係る組織体評価システムが適用される組織体の例を説明するための図である。
第2図及び第3図において、第1の組織体K1、第2の組織体K2、…、第nの組織体Knが集合することにより組織体集合Kが構成される。第1の組織体K1には、シニアグループAと、シニアグループBと、シニアグループCとから構成されいてる。第2の組織体K2、…、第nの組織体Knについては説明を省略する。シニアグループAは、グループA1、グループA2から構成されている。シニアグループBは説明を省略する。シニアグループCは グループC1、グループC2から構成されている。
シニアグループAにはグループAのシニアリーダーsaが個人としている。また、グループA1にはグループリーダa1が存在する。また、グループA1には、グループのメンバーa11、a12、a13が個人として存在する。
シニアグループCにはシニアリーダーscが個人としている。また、グループC1にはグループリーダc1が存在する。また、グループC1には、グループのメンバーc11、c12、c13、c14が個人として存在する。
なお、第3図では、グループA1に所属していたメンバーa13がグループC1のメンバーとなった状態を表している。
第4図は、本発明の実施の形態に係る組織体評価システムに使用されるコンピュータシステムの例を示すブロック図である。第5図〜第8図は、本発明の実施の形態に係る組織体評価システムに使用されるコンピュータシステムにおけるデータベースの説明図である。
ここで、第5A図ないし第5C図は、本発明の実施の形態に係る評価システムで処理される仕訳処理であって、あるグループのメンバーが他のグループのメンバーに仕事を依頼したときの各メンバー、グループ及び組織体の仕訳処理を説明するための図である。第6図は、本発明の実施の形態に係る評価システムで処理される仕訳処理を説明するための図である。第7A図及び第7B図は本発明の実施の形態に係る評価システムで処理される仕訳処理を説明するための図である。第8図は、本発明の実施の形態に係る評価システムの内部で実行される仕訳処理を説明するための図である。
この第4図において、この組織体評価システムに使用されるコンピュータシステム11は、大別すると、主サーバー13と、コンピュータ15、15、…とから構成されている。
主サーバー13は、個人毎(シニアリーダsa、sc、グループリーダa1、c1、メンバーa11、a12、a13、c11、c12、c13、c14)、個人が属するグループ毎(グループA1、A2、グループC1、C2)、更に上位のグループ毎(シニアグループA、B、C、組織体K1、K2、…、Kn)、及び組織体集合Kに対応して個人及びグループの損益計算書及び貸借対照表をデータベース30に備えており、会計上の取引を損益計算書及び貸借対照表に反映させるための演算手段を備えている。
また、コンピュータ15、15、…は、個人(シニアリーダsa、sc、グループリーダa1、c1、メンバーa11、a12、a13、c11、c12、c13、c14)、個人が属するグループ(グループA1、A2、グループC1、C2)や、さらに上位のグループ(シニアグループA、B、C、組織体K1、K2、…、Kn)、組織体集合Kに配置されている。
さらに説明すると、各コンピュータ15、15、…は、ローカルネットワーク(LAN)17を介して主サーバー13に接続されている。また、コンピュータ15、15、…のうち社内の離れた位置にあるコンピュータ15は、無線LAN17aで主サーバー13に接続されるものもある。また、社外にあるコンピュータ15は、公衆回線やインターネット19、通信装置21、LAN17を介して主サーバー13に接続されるものもある。また、社外や社内にあるコンピュータ15でも、携帯電話(あるいはPHS)回線23、公衆回線やインターネット19、通信装置21、LAN17を介して主サーバー13に接続されるものもある。
これらコンピュータ15、15、…は、個人(シニアリーダsa、sc、グループリーダa1、c1、メンバーa11、a12、a13、c11、c12、c13、c14)間、個人が属するグループ(グループA1、A2、グループC1、C2)間、更に上位のグループ(シニアグループA、B、C、組織体K1、K2、…、Kn)間、あるいはこれらの組み合わせの間の取引を、主サーバー13に入力する装置である。
主サーバー13は、データベース30を有している。前記データベース30には、第8図に示すように、個人(シニアリーダsa、sc、グループリーダa1、c1、メンバーa11、a12、a13、c11、c12、c13、c14)毎の損益計算書及び貸借対照表311、312、…、31j(jは任意の整数)と、個人が属するグループ(グループA1、A2、グループC1、C2)毎の損益計算書及び貸借対照表321、322、…、32k(kは任意の整数)、更に上位のグループ(シニアグループA、B、C、組織体K1、K2、…、Kn)毎の損益計算書及び貸借対照表331、332、…、33m(mは任意の整数)と、組織体集合(全体)Kに対応する損益計算書及び貸借対照表34とを記憶格納している。主サーバー13は、各コンピュータ15、15、…からの取引に関する入力データを前記各損益計算書及び貸借対照表311、312、…、31j、321、322、…、32k、331、332、…、33m(mは任意の整数)、及び34に反映するようになっている。また、主サーバー13は、組織体内の行動を費用化、数値化するために、経理システムと連動した受発注決済システムを備えている。
次に、上記コンピュータシステム11により実現される個人/組織の最小単位を評価単位とするシステムの他の構成要素を説明する。
まず、組織体集合Kの内外の活動は全てを会計上の取引又は売買の対象とすることが好ましいが、例外を設けて一部を除外することは可能である。
例えば、外部や内部の監査、税務当局による調査への対応などは、売買とせず、義務とすることで、活動がスムーズに行われることが期待される。
社外の活動は従来から会計上の取引又は売買として行われているが、社内の活動は会計上の取引や売買とはされていなかった。
社内活動を売買の対象とすると、当然、それに伴う売買事務が必要になるが、これは、従来でも、何かの依頼をする場合には伝票を作成するなどしていたものを、上記コンピュータシステム11の上でお互いに発注受注という形でデータをやりとりする形態にすることになる。通常はその時点で、社内的に売買や入出金が上述したコンピュータシステム11の上で行われるようにすることで、特に実務上の負担を重くすること無く実施することが可能である。社内での売買の場合、実際の資金移動は不要であり、コンピュータシステム11上で資金移動が為されたという処理を実施するのみでよい。
また、コンピュータシステム11では、第2図〜第3図、第5図〜第8図に示すように、個人 (シニアリーダーsa、sc、メンバーa11、a12、a13、メンバーc11、c12、c13、c14)や、1人以上のグループ(グループA1、A2、グループC1、C2等)を、損益計算及び資産負債の単位とし、それらについて損益計算書及び貸借対照表311、312、…、31j、損益計算書及び貸借対照表321、322、…、32k、損益計算書及び貸借対照表331、332、…、33mを作成しておき、これらを基にして、最少のグループより大きなグループ(シニアグループA、B、C)や組織体全体(組織体集合K)の計算が自動的に行える手段を設けている。
すなわち、前記コンピュータシステム11の主サーバー13は、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に当該個人及び/又は当該グループを評価する演算処理手段を備えている。
ここで、前記コンピュータシステム11の主サーバー13で実現されている演算処理手段は、当該組織体の構成員である個人の活動を数値化した数値が入力されたときに、その入力データを基に当該個人の損益計算及び資産負債計算する計算処理手段と、前記計算処理手段での計算結果が、当該個人が属するグループの損益計算及び資産負債計算、並びに、グループと当該グループが属する上位グループの損益計算及び資産負債計算に相互に関係付けられて計算され、各損益計算、及び資産負債計算を更新する更新処理手段とを備えている。
また、前記更新処理手段は、個人及びグループを属性で区別可能にし、グループが階層的に存在する場合には、個人とグループ及び/又はグループとグループの属性付けを変更することにより、上位グループ及び下位グループとの関係を更新できるように構成されている。このように構成される評価システムは以下の具体的な説明によって実現されることになる。
なお、コンピュータシステム11のサーバー13には、各活動に対して数値化するための換算手段も備えており、この換算手段によって、損益計算書と貸借対照表を使用せずに、簡易的にポイントなどにより計算できるようにしてもよい。
なお、上述した実施の形態では、既に説明したように、損益計算及び資産負債把握の単位を個人とするとともにグループとしたが、これは、全社的に一律に定める必要はなく、ある個人は個人単位で、また、別の個人はグループに属して個人としては損益計算及び資産負債把握を行わない、と定めることも可能である。
次に、活動を会計上の取引又は売買化する例として、スーパーなどのレジに適用する場合の例を示す。
レジのメンバーが売上を行う。売上は全額レジのメンバーの売上となることが好ましい。この場合、仕入は仕入担当が行う。レジのメンバーの仕入率は、例えば売価の93%などと定める。また、レジのメンバーの貸借対照表(BS)、損益計算書(PL)の資金が十分でなく、仕入とするのに困難が生じるのが一般的であろうし、売れ残りに対するリスクをどうするか、といった問題も出てくる。例えば、以下のようにする事ができる。委託仕入と同様の方法とし、売上時に仕入れる方法とすれば、多額の資金は不要となる。売れ残りに対するリスクを仕入れグループが負うか、レジグループが負うかでお互いの間の仕入率を変えるのが妥当である。
ある場合には、レジグループはレジメンバーの人件費相当程度の利益が上がるように、仕入額を低く設定することもできる。別の場合には、レジスターや家賃などレジグループで必要な経費を負担するように設定することもできる。更には、仕入れとレジを統合したグループ構成や、売れ残りリスクをレジグループが負うように設定することも可能である。
ある製品を販売する場合に、製造と販売とで意見が食い違うようなケースもあり得る。例えば、製造では、「この製品は画期的で大量に10万個以上売れる」、と考えていても、販売では、「これは、せいぜい1万個程度だ」などという場合である。その反対の場合もあるだろう。従来の方式では、販売側に押しつけて、売れなくともいい場合に販売の責任であると言ってみたり、あるいは製造の企画の問題だと言ってみたりして、責任がともすれば有耶無耶になりがちである。
本発明の方法では、このような場合には、お互いに協議して責任分界点を決定することから始める。販売側は1万個と考えているのであるから、1万個までは販売の責任とし、それ以上は製造の責任とするのである。また、責任を持つからには各々の取り分は自ずと変わってくるのが自然である。1万個までは、仕切掛け率を60%にし、1万個を超えた分は80%として製造の取り分を多くする。その代わり、売れ残りが出て損失となれば、1万個までは販売の責任、それ以上は製造の責任で処理を行う。
本ケースは極端な場合であるが、本発明の方法を適用すれば、お互いにリスクが大きくなるために、お互いが納得できる結論に到達し易くなる。旧来の方式では、お互いのリスクが不明瞭であったために、合理的な意思決定が行われない結果となることが少なく無かった。
また、取引が契約となるので、お互いの責任が明確になる。
また、こうようにリスクが明確になると、販売計画が縮小傾向に向かうのではないか、という懸念が生じるが、縮小傾向になった場合には、当事者の売上や利益が縮小する事になるから、積極策も必要になってくる。また、お互いの立場で売上や利益を拡大する方法を真剣に検討せざるを得なくなる。販売は顧客ニーズを的確に掴み、製造は新しい生産方式を研究してコストダウンを行うなどである。
活動とは、できるだけ具体的で詳細なレベルのものが好ましいが、メンバーに対しては、個別作業を対象とし、リーダーに対しては、例えばシステム開発プロジェクトといった、ある程度の規模のあるもの、というように分けて適用することが好ましい。また、後述するように、職種により、スーパーのレジでの精算業務や、財務グループにおける、与信チェックと対外債権の買取など、と定めることも可能である。
上述したコンピュータシステム11で実現した組織体内評価システムの作用について説明する。
[個人を単位とした場合の例]
まず、個人が損益計算及び資産負債把握の単位であるとした場合を記述する。組織体内の活動も全て、売買として捉えることにより、本実施例が成立するが、例外的に一部の活動を売買の対象としないように定めても、本実施例の効果は妨げられない。
上述したように本実施の形態では、第8図の損益計算書及び貸借対照表311、312、…、31jは、第2図及び第3図に示すように、個人(シニアリーダsa、sc、グループリーダa1、c1、メンバーa11、a12、a13、c11、c12、c13、c14)という最少単位のすべてに対して用意されている。さらに、本実施の形態では、その上位のグループ(グループA1、A2、グループC1、C2)に対して第8図の損益計算書及び貸借対照表321、322、…、32kを設け、さらに上位のグループ(シニアグループA、B、C、第1の組織体K1、第2の組織体K2、…、第nの組織体Kn)に対して損益計算書及び貸借対照表331、332、…、33mを設けるといった具合にすべての計算単位の分だけ作成されている。
個人やグループに関する呼称を統一するために、第1の組織体K1、第2の組織体K2、…、第nの組織体Knをレベル1とし、その下のグループ(グループA、B、C)をレベル2、さらににその下のグループ(グループA1、A2、グループC1、C2)をレベル3、とし、最終が個人になるようにレベルnまで設定する。何階層設定しても本発明の効果を期待することはできるが、本発明の効果を最大限に発揮するためには、階層はできるだけ少ない方が好ましい。
組織体の内部でグループを設定する場合には、グループ全てに対して、同じレベルの階層を設定する必要は無く、階層の数が異なっても、もちろん何ら問題は無い。
また、第8図に示すように、個人の損益計算書及び貸借対照表311、312、…、31jは、社員番号などをキーとしてユニークに識別される。また、グループ毎の損益計算書や貸借対照表も同様に、ユニークに識別されるようにしてある。
次に、実際の計算例を以下に説明するが、その前に、社内発注システムについて説明する。この発注システムは、コンピュータシステム11により提供される。このコンピュータシステム11による発注システムは、定型的な注文用画面を用意してあり、各コンピュータ15、15、…に当該注文用画面が表示できるようになっている。この注文画面は、発注元、あて先、注文内容、金額、納期、依頼事項等の必要な情報を入力できるようになっている。あるコンピュータ15で当該注文画面に入力すると、主サーバー13は、当該注文画面のあて先を基に当該あて先のコンピュータ15に注文内容等の情報を転送できるようになっている。
まず、この組織体におけるグループC1のメンバーc11がグループAのメンバーa11に、パソコンソフトのインストールを注文する場合を例にとって説明する。このときに、第2図に示す組織体評価システムの内部で実行される仕訳処理について第5図〜第7図を参照して説明する。
まず、メンバーc11は社内のコンピュータシステム11を使用して、インストール作業を請け負っているメンバーやグループを探し出す。複数あった場合には比較検討し、グループA1のメンバーa11に決めたとする。次に、社内受発注システムを用いて、メンバーc11はコンピュータ15を介してメンバーa11のコンピュータ15に注文を転送する。発注システムは、指定された宛先に対して、注文内容等のメッセージを送信する。メンバーa11は、コンピュータ15によりメッセージを受信し、「諾否」の返信をコンピュータ15により行う。この場合は「諾」の場合とする。
「諾」がメンバーc11のコンピュータ15に返信された時点で、両者の契約は成立することになる。メンバーa11によるインストール作業が完了したら、先程の社内受発注システムを用いて、メンバーa11はコンピュータ15により完了報告をメンバーc11のコンピュータ15に送信する。メンバーc11は、コンピュータ15により完了報告を受けると、内容を確認して、問題なければ了解をコンピュータ15に入力すると、支払いが行われる。この際に、メンバーa11の損益計算書及び貸借対照表311に支払いが行われたことの通知がメンバーa11のコンピュータ15に転送されるようになっていることが好ましい。
ここで、主サーバー13の演算処理手段は、パソコンソフトの代金が20,000円、インストール費が10,000円であったとすると、メンバーa11としては10,000円の利益が発生することになる(第5A図参照)。
評価を行おうとするメンバー個々は、データベース上に損益計算書と貸借対照表を保持する。そして、メンバー個々は組織体内における会計上の人格とし、活動に伴う会計上の取引を、メンバーの損益計算書と貸借対照表を通じて行う。
活動に伴う会計上の取引の仕訳は、個人のメンバーID、所属するグループID、活動ID、などの情報を含む。組織体内部の取引は、メンバー個々の損益計算書、貸借対照表を個々の勘定単位とし、この勘定単位を通して取引を行う。すなわち、売上はメンバーの売上になり、費用はメンバーの費用となる。また、グループ毎に損益計算書、貸借対照表を保持し、グループに対して、組織体内における会計上の人格としてもよい。
[仕訳の具体的な方法]
ここで、上記の会計上の取引が、実際にどのように損益計算書と貸借対照表に反映されるかを、第5A図〜第5C図を用いて説明する。この第5A図〜第5C図の上では、科目毎の増減が明確に分かるように、+(プラス)、−(マイナス)の記号を使用して、増減した数字を表現しているが、実際のBS、PLでは特別な場合を除き、マイナスの数字が表記されることはなく、前残高から減少分を差し引いた残高が正の数字として記入される。なお、これら処理は主サーバー13の演算処理手段によって処理されることになる。
まず、使用する勘定科目に関して簡単に説明を行う。
外部との取引は、外部××という勘定科目を使用する。内部的な取引には内部××という勘定科目を使用する。内部取引には、内部取引用の勘定科目と必要に応じて外部取引用の勘定科目を使用する。このように勘定科目を設定することにより、組織体内の取引に伴う仕訳は、最終的にすべて振り替えによって相殺され、外部取引科目に対応する数字が残る仕組になっている。
外部取引用の勘定科目は、財務会計、税務会計といった、従来からある会計手法に対応した勘定科目を設定し使用する。
一方で内部取引用の勘定科目は、内部取引のために使用するのもので、組織体毎に自由に定めてよいが、外部用との整合性をとることが好ましい。
また、必要に応じて、内部用、外部用勘定科目の他に、第3、第4の勘定科目グループを定めても良い。
内部用と外部用の勘定科目は、勘定科目の先頭に内部用と外部用を識別するコードを付加し、勘定科目としては、内部用と外部用に同じものを使用することが、コンピュータ処理上、好ましい。
図面では以下の勘定科目を使用している。
外部費用:組織体外部から購入するもので費用処理されるもの
外部現金:組織体外との取引によって発生する現金
外部仕入高:組織体外との取引を伴うもの
内部売上高:組織体内部の売上
内部現金:組織体内での取引に伴って決済するための現金
内部剰余金:組織体内での取引に伴って発生する利益
以下の仕訳処理は主サーバー13の演算処理手段によって実行される。
a11の仕訳では、借方に外部仕入高20000円が計上され、貸方には内部現金として20000円が計上される(第5A図(1)参照)。これはソフトを現金で購入したことに伴い発生する。その後、インストール作業が完了すると、内部での売上が計上されるため、借方に内部現金30000円、貸方に内部売上30000円が計上される(第5A図(1)参照)。a11のPLでは、内部売上高が30000円、外部仕入高が20000円、内部利益が10000円、各々増加する(第5A図(2)参照)。
BSでは、上記の仕訳を受けて、a11の資産としては内部現金が10000円増加し、これに伴って、内部剰余金が10000円増加する(第5A図(3)参照)。これは、グループA1も同様であり(第5B図(10)〜(12)参照)、また、グループAも同様になる(第5C図(13)〜(15)参照)。
組織体としては、外部仕入高を外部費用に振り替えている。これは、そのインストールされたソフトが組織体内で利用され、外部に販売されることがない、ことを前提としている(第5B図(7)参照)。組織体のPLは、売上高の増減は無いのでブランクとしてある。外部費用が20000円増加し、外部損益は20000円の減少となっている(第5B図(8)参照)。組織体の貸借対照表は外部現金が20000円減少し、それに伴って外部利益が20000円減少する(第5B図(9)参照)。
組織体のBSは、外部現金が20000円減少し、それに伴って、外部剰余金が20000円減少する(第5B図(9)参照)。
また、メンバーc11の仕訳は、借方に内部費用30000円、貸方に内部現金30000円が計上される(第5A図(4)参照)。c11のPLでは上記の仕訳を受けて、内部費用が30000円増加し、内部利益が30000円減少している(第5A図(5)参照)。c11のBS上では資産から内部現金が30000円減少し、資本勘定から内部利益が30000円減少する(第5A図(6)参照)。
グループC1も同様の数字となり(第5C図(16)〜(18)参照)、かつ、グループCも同様の数字となる(第5C図(19)〜(21)参照)。
この事例では現金で購入した場合を想定しているが、外部買掛金として計上することも可能である。外部買掛金とする場合には、購入しようとする該メンバーにその分の資産があることをチェックすることが好ましい。現金の場合は、現金がないと購入できないが、買掛の場合は現金が無くとも、自己の持っている資産の枠を超えて購買が行われてしまうからである。このようなチェック機能を取り入れることにより、無謀な購買のチェックが可能となる。
また、買掛金の支払いを例えば財務グループに依頼する場合、一定の手数料を支払うようにし、その費用が財務グループの売上となるような仕組が好ましい。
主サーバー13の演算処理手段は、予め用意してある、発注者、受注者の個人別、及びその各々が属するグループ別の損益計算書と貸借対照表の更新を同時に行う。まず、主サーバー13の演算処理手段は、対象となる損益計算書と貸借対照表を探し出す。また、主サーバー13の処理手段は、個人の損益計算書及び貸借対照表311を探し出し、その個人が属するグループA1の損益計算書と貸借対照表321を探す。さらに、主サーバー13の処理手段は、そのグループA1が属している上位のグループK1を探し、組織体K1と、ある場合には組織体集合Kまでの損益計算書と貸借対照表331、損益計算書及び貸借対照表34を探し出す。それらを、主サーバー13の処理手段は、すぐにアクセスできる状態にしておき、受注者a11の売上を立てると同時に受注者a11が属しているグループA1の売上を立てる。この場合に注意が必要なのは、社内売買であるために、グループをまたがっている場合にはお互いの売買高として計上できるが、グループ内の売買の場合には売買高として計上できない点である。これは従来でも、社内売買という形態をとっていた場合に採用していた手法であり、特に目新しいものではない。決済は、お互いの損益計算書と貸借対照表の更新をすることによって行い、現金を実際に振り込むなどの行為は不要である。
主サーバー13の演算処理手段は、個人の損益計算書及び貸借対照表311、・・・を更新すると同時に、受注者a11が属しているグループA1やその上位のグループ(シニアグループA、組織体K1)、組織体集合Kまですべての更新を行う。ただし、前項で述べたように、売買に計上しない(実際には計上した後、控除する)部分があるということである。これは、グループ内での売買の場合は、当事者同士の個人売買にはなるが、グループとしての売上、利益にはならないからである。これは、現状でも社内売買システムを採用しているケースと同様である。同様にグループ間の売買も、それはグループの売上(購入)、利益(仕入)にはなるが、組織体の売上、利益としては計上されない。
発注者は、受注者の場合と同様にサービスの購入として経費支出を計上し、上位グループの更新を同時に行う。
また、活動の完了時に、発注者が活動内容に関して、納期、品質を確認し、最終的に売上金額を確定することが好ましい。
上記の例では、メンバーとグループの損益計算書と貸借対照表を、仕訳が発生する都度、更新する方式を示したが、仕訳にメンバーのコード(メンバーID)を振っておき、仕訳をそのままデータとして保存しておき、必要な都度、メンバーやグループの仕訳を集めて損益計算書を計算する方法も可能である。損益計算書は、定められた決算期間毎に、科目の数字がゼロからスタートするため、この期間に対して発生した仕訳を集めて計算することで数字が求められる。一方、貸借対照表は決算期間をまたがって、数値が継続するため、繰越残高が必要になるので、繰越残高を保有するレコードを作成し、それと個別の仕訳から計算する。この方式は、合計を求める都度、計算が必要になるためレスポンスが低下する可能性があるが、一方で、メンバーとグループの関係を変更する際に、損益計算書と貸借対照表を変更する必要がないというメリットがある。
貸借対照表に関して注意しなければならないのは、グループの中に複数の活動が存在する場合に、グループ毎と活動毎のBSを作成することは可能であるが、それは、組織体全体としてみると、重複した数字になるため、重複しないように加算する必要があることである。
活動毎の識別コード(活動ID)を仕訳に付与して、仕訳を活動別に区分できるようにすることが好ましい。こうすることにより、活動毎の数値の把握が明細レベルで可能となる。また、活動IDは階層を持たせても良い。例えば、システム開発プロジェクトを一つの大活動IDとし、システム設計やプログラム開発といった区分を中活動IDとし、更に、個別のプログラム開発を小活動IDとする、といったようにする方法であってもよい。
[グループへの発注の方法]
この例では、メンバーc11からメンバーa11へ発注する場合の事例を示したが、実際には、メンバーc11からグループA1へ発注するのが現実的である。このような場合、メンバーc11からグループA1に対して発注する。グループA1ではメンバーの適性やその時点でメンバーが持っている仕事量などを勘案して、適当なメンバーに仕事を実施させる。グループA1内では、ソフトインストールを他グループからは1件30,000円で受注し、メンバーa11には1件27,000円で発注する。差額の3,000円はグループリーダーa1の収益となる。グループリーダーa1はメンバーa11、a12、a13からみるとコストになる。しかしながら、現実の組織体で管理職が果たしている役割には少なくないものがあるのと同様に、グループリーダーa1もコストとしての面だけではない。
また、このような内容を、契約としてシステムに登録しておくことにより、自動的に受注額の10%をグループリーダーに割り振ることが可能である。
上記の例ではグループリーダーがメンバーから一定割合の売上を得る方法を示したが、グループリーダーが仕事を受注し、メンバーに割り振る方法とすることも可能である。しかしながら、この場合には、恣意的な扱いが生じる可能性を否定できないため、この方式の採用には注意が必要である。また、グループ内でも、上記の公募方式を採用することは可能である。
また、グループ内の仕事のアサイン(割り当て、割り振り)を、上記と同様に公募方式にすることが可能である。グループ内のメンバーに対して、仕事の内容、条件を公開して、応募を待つのである。これには、オークションに似た仕組みとすることも可能である。
このように、グループリーダーを規定すると、単なるコストになりかねないが、
[グループリーダの役割]
グループリーダーの役割としては、
1.ビジネスモデルを構築すること。儲かる仕組み。
2.仕事の数値化を行うこと
3.メンバーのサポートをすること
4.メンバーの能力向上の援助をすること
5.メンバーの能力向上の指針を出すこと
という、従来にない大きな役割が必要になる。
上記の例は、比較的、固定したグループと仕事内容に対応したものであるが、非定形の仕事に対しては、以下のような形態が考えられる。
一つは、グループリーダーや仕事を求めている個人又はグループが仕事を公開し、仕事を行うメンバー又はグループを募るものである。この形態で有効なのは、イントラネットであろう。仕事に対する求職を公募し、入札方式で決定するのである。この場合には、納期を定めることが好ましい。また、納期遅延に対するペナルティを定めることが好ましい。そうしないと、売上を確保するために、自己の能力以上に仕事を受注する可能性が生ずるからである。
発注者による指名で仕事のアサインを行うことは、実力主義を徹底する上で好ましい。一方、仕事の内容が単純で、メンバーの代替性が高い場合には、時給での報酬を選択することも可能である。
グループリーダーの役割の一つは、ビジネスモデルの構築である。どのようなモデルを構築して、収益を拡大し、グループの利潤、メンバーやグループリーダーの利潤を最大化するかを考える。従来型の組織でこのようにすると、場合によっては、メンバーの利潤を極小化することによって、グループリーダーの利潤を極大化する懸念があるが、メンバーの異動が自由で、グループの設立も自由であれば、そのような方法で行うのは不可能となる。
メンバーa11がソフトインストールを受注した場合、従来型では、ソフトの仕入はグループの費用で行っていたが、本発明では、メンバーa11の勘定で仕入を行い、売上も立てる。この場合、ソフト費用が安ければ、メンバーa11の利益は拡大するので、安い方法を見付ける努力が自然に行われる。従来型では、仕入はグループの経費であり、もっといえば、組織体の経費(年度初めに予算として付けられる)であるので、努力が無いわけではないが、十分な努力をしなくても仕事は遂行されてきた。
[メンバーとグループ、グループと上位グループの損益計算書と貸借対照法の更新の連携]
次に、メンバーとグループ、グループと上位グループの損益計算書と貸借対照表の更新がどのように連携されて行われるか、に関して説明する。第2図に組織体の概念を示す。メンバーa11はグループA1に属している。メンバーa11とメンバーc11の損益計算書と貸借対照表は第5A図に示すように変化する。ここでは、増減を表示するためマイナス(−)の数字を記載しているが、実際には残高から減った残余の正の数字が記載される。メンバーa11の属している、グループA1とシニアグループAの損益計算書と貸借対照表は、メンバーa11のものと同じように変化する。これは、メンバーとグループ、グループとシニアグループ、シニアグループと組織体との関係を、インデックスによって関係付けているからである。第6図に示すようにメンバー、グループ、シニアグループの関係付けを行う構成レコードと、メンバー、グループ、シニアグループ各々のレコードの例を示す。
メンバーa11のレコードは、第6図(1)に示すように、主キー(メンバーコードなどメンバーを特定するキー)、グループID、損益計算書、貸借対照表の4つの項目から成り立っている。損益計算書と貸借対照表は、計算結果を保持する形態として図示してある。
メンバーのレコードと、グループ、シニアグループのレコードは同一の形式である(第6図(2)、(4)参照)。
このレコードは実際のシステム開発に当たっては、更に科目ごとにフィールドが分割されるのが一般的であろうし、月毎に何年分かを保持するようにすることも可能であり、レコードを分割して保持する場合もあるが、ここでは、その内容を詳述するのが目的ではないため簡略化して説明する。主キーは、第6図(3)に示すように、通常、メンバーの社員番号など、そのメンバーを特定するユニークなキー(メンバーID)を使用する。グループIDは、メンバーa11が所属するグループを示しており、この場合はA1となる。グループA1のレコードも、メンバーのレコードと同じ形式になっている。ここで主キーは、第6図(5)に示すように、メンバーIDではなく、グループIDとなる。この場合はグループA1となる。グループA1の構成レコードは、グループのメンバーを識別するために作成される。最初のレコードがグループリーダーとしてあるが、特定のフラグ等により識別する方式をとることも可能である。シニアグループのレコードも同様である。
ここでは、メンバーa11が販売者で、メンバーc11が購入者である場合を例にして説明しているが、メンバーa11の属しているグループA1とシニアグループAは、メンバーc11の属しているグループC1とシニアグループCとは異なっており、組織体1のレベルで同一の組織体に所属していることが分かる(第6図(6)参照)。
主サーバー13の演算処理手段による損益計算書、貸借対照表の更新は以下のように行う。メンバーa11のレコードを読み出し、そのレコードの損益計算書と貸借対照表に対して、必要な科目の更新を行う。次にレコード中にあるグループIDによって、メンバーa11が属するグループがグループA1であることが分かり、グループA1のレコードを読み出す。そして、メンバーa11の更新と同様にグループA1の損益計算書と貸借対照表の必要科目を更新する。次に、グループA1のレコード中のシニアグループIDによって、グループA1のシニアグループがシニアグループAであることが分かる。前記と同様に、シニアグループAの損益計算書と貸借対照表の必要科目の更新を行う。次に同様に組織体K1の更新を行う。メンバーc11、グループC1、シニアグループC、組織体K1の更新も同様に行う。この場合は、組織体K1の更新をメンバーa11側からと、メンバーc11側からの2回実施しているが、社内取引分に関しては相殺されるため、以下のような方法も可能である。
組織体K1は、メンバーa11のレコードを読み、そこに書かれているグループIDを基にシニアグループAのレコードを読み、更に組織体K1を読むことと、メンバーc11のレコード、グループC1のレコード、シニアグループCのレコードを読むことにより、組織体レベルでぶつかる事がわかる。この場合は、メンバーa11のレコードが更新されると、次にグループA1のレコードの更新が行われ、更にシニアグループAのレコードの更新が行われる。同様に、メンバーc11、グループC1、シニアグループCの各レコードの更新が行われる。メンバーa11とメンバーc11は、組織体K1のメンバーであり、社内取引であるので、組織体K1のレコードに関しては、社内取引分の更新は行われず、社外取引である仕入れと現金の社外流出分に関しての更新が主サーバー13の演算処理手段により行われる。
上記の説明では、メンバーとグループ、シニアグループ、組織体の各レコードの更新を説明するために、グループリーダーが関与する分に関しては省略したが、例えば、メンバーから売上の一定割合を、グループリーダーに付け替えるといった処理が含まれる。
[メンバーとグループ、グループと上位グループの損益計算書と貸借対照表の更新の連携(変形例)]
上記の例では、グループやシニアグループが各々の損益計算書と貸借対照表を持つ例を示したが、グループやシニアグループでは各々の損益計算書と貸借対照表を持たず、メンバーの損益計算書と貸借対照表のみを保持して、該当するメンバーの損益計算書と貸借対照表を足すことによって、グループやシニアグループでは各々の損益計算書と貸借対照表とすることもできる。但し、この方式を採用した場合には、メンバーが期中で異動すると、その分のBSとPLの数字が動いてしまうため、あまり好ましくない。
更には、仕訳にメンバーIDを振っておき、仕訳をそのままデータとして保存しておき、必要な都度、メンバーやグループの仕訳を集めて損益計算書を計算する方法も可能である。
また、上記例では、メンバーやグループの損益計算書と貸借対照表の更新をリアルタイムに行う方式を示しているが、バッチ的に処理をすることも可能である。しかしながら、このような場合には、個別の取引がリアルタイムで把握されなくなるため、使用可能な資金を超える取引が発生する可能性があり、好ましいとは言えない。
[メンバーの異動の例]
次に本発明のメンバーの異動に関し、第3図を参照して述べる。グループリーダー、シニアグループリーダーを含むメンバーは、各々独立した、損益計算書、貸借対照表を保持しているので、メンバーが他のグループに異動するとか、グループリーダーになる、逆にグループリーダーがメンバーになる、といった場合には、各レコードのグループIDや、メンバーIDを変更することにより、それまでの損益計算書、貸借対照表を所持したままで異動することができる。
この場合、メンバーa13がグループA1からグループC1に異動する例を示している。グループやシニアグループが各々の損益計算書と貸借対照表を持たない場合は、単純にメンバーレコードの付け替えを行えばよい。これはメンバーa13のレコードのグループIDをグループA1からグループCにし、グループA1の構成レコードからメンバーa13を消すとともに、グループC1の構成レコードにメンバーa13を追加する。
グループやシニアグループが各々の損益計算書と貸借対照表を持つ場合は、各々のグループやシニアグループの損益計算書と貸借対照表の整合性を確保するための処理が必要となる。メンバーa13がグループA1から抜けるということは、メンバーa13が保有している勘定が無くなることである。このため、主サーバー13の演算処理手段は、グループA1上で、メンバーa13が保持していた損益計算書と貸借対照表の該当する科目について、反対仕訳を起こすのと同様に減算する。シニアグループAの損益計算書と貸借対照表の該当する科目についても同様に主サーバー13の演算処理手段は処理する。
一方、グループC1とシニアグループCでは、メンバーa13が加わることにより、その分の勘定の増加が行われるので、主サーバー13の演算処理手段は、グループC1とシニアグループCの該当科目に関して加算処理を行う。
仕訳にメンバーIDを振っておき、仕訳をそのままデータとして保存しておき、必要な都度、メンバーやグループの仕訳を集めて損益計算書を計算する方法を採用する場合には、上記のような計算は不要である。
異動に当たっては、メンバーがそれまで保有していた損益計算書と貸借対照表を、そのまま継続して使用することが好ましい。そうしないと、異動によってそれまでの実績が無くなってしまうからである。
また、異動が部門をまたがるような形で行われる場合には、資産の一部が不要となる場合が発生する。この場合には、適正な価格で前任者から後任者へ移転することが好ましい。この移転に際しては、単に帳簿価格に拠るだけでなく、実際の条件に則して行われることが好ましい。例えば、ソフト開発において、既に1億円の費用が投じられている場合に、表面的には1億円の棚卸資産となるのであるが、実際に1億円で受注しており、完成までに更に3千万円必要な場合には、7千万円以下の価値しかないことになる。
このようにした場合、前任者は3千万円の損失を負担する必要が生じる。これは、メンバーの資産の範囲で賄えればよいが、それをはみ出してしまう場合は、シニアグループリーダーやGMが貸付を行って、資産の均衡をとる必要がある。
あるメンバーの資産がマイナスになった場合や、なりそうな場合、上級のグループリーダーやGMは、事業の継続に関して速やかに見直しをすることが好ましい。
評価期間の途中で異動があった場合、個人はBS、PLを持って異動するが、その個人が属していたグループは、それまで当該個人がなしてきた活動の成果、特にPLが無くなってしまう為、一貫した評価をできなくなる可能性がある。このような場合には、メンバーが異動しても、グループのBSとPLの数値を変更しない、という方法を採用することも可能である。この場合には、グループ間のBS、PLの数字は変化しないので、異動前と異動後で数値が合わなくなる事はない。
このように個人が自己のBS、PL、もしくは、仕訳を持って異動する、ために、評価が途切れない。
[メンバーが複数のグループに所属する場合]
以上の例では、メンバーが1つのグループに所属している場合に有効な方法を示したが、メンバーが複数のグループに属している場合には、次のような工夫が必要である。複数のグループに所属する例としては、副次的に委員会に属するとか、研究会に属する、という場合のほか、複数のグループに属する場合もある。
このように複数のグループに属する場合には、メンバーから見て、複数のグループを対象にできる必要がある。これは、会計上の取引がどのグループ活動を対象としたものであるかが分からないと、メンバーの損益計算書と貸借対照表は作成できても、グループの損益計算書と貸借対照表は正しく作成されなくなってしまう。
これに対処する方法として、仕訳にメンバーIDのほかに、対象グループID、活動IDを記載する方法がある。このようにすることで、その仕訳がどのグループのどの活動に関係するか明確になり、対象グループの損益計算書と貸借対照表を更新するようにできる他、損益計算書と貸借対照表を持たない場合にもグループコードで集計することにより、グループの正しい数値の把握が可能となる。更に、活動コードでの集計も可能となる。
このように、仕訳に対象グループIDや活動IDを記載するのは、メンバーが複数のグループに属する場合のみならず、単一のグループに属する場合であっても有効である。
[レコードの具体的な構成例]
上記の場合のレコードの仕組を第7A図及び第7B図に示す。第7A図及び第7B図の上では、レコードは3つに分割してあるが、実際には一つのレコードである。メンバーの仕訳レコードは、主キー(連番)、借方メンバーID、借方グループID、借方活動ID、借方勘定科目、貸方メンバーID、貸方グループID、貸方活動ID、貸方勘定科目、日付、金額、適用、支払先となっている(グループA1用については第7A図(1)、グループA2用については第7A図(2)参照)。
また、グループA1の仕訳レコードは、主キー(連番)、借方グループID、借方活動ID、借方勘定科目、貸方グループID、貸方活動ID、貸方勘定科目、日付、金額、適用、支払先となっている(第7A図(3)参照)。この場合、グループA1の構成レコードは、第7A図(4)に示すように、主キーに対するメンバーIDが対応させてある(図では、主キー対メンバーID(a1)、主キー対メンバーID(a11)、主キー対メンバーID(a12)、主キー対メンバーID(a13)となっている)。
また、シニア・グループAのレコードは、グループA1用として、主キー(連番)、借方組織体ID、借方活動ID、借方勘定科目、貸方組織体ID、貸方活動ID、貸方勘定科目、日付、金額、適用、支払先となっている(第7B図(5)参照)。この場合、シニア・グループAの構成レコードは、第7B図(6)に示すように、主キーに対するグループIDが対応させてある(図では、主キー対グループID(sa)、主キー対グループID(A1)、主キー対グループID(A2)となっている)。
また、組織体K1のレコードは、借方組織体集合1、借方活動ID、借方勘定科目、貸方組織体集合1、貸方活動ID、貸方勘定科目、日付、金額、適用、支払先となっている(第7B図(7)参照)。
ここで、主キーは、数桁の連番であり、仕訳が特定できるように付番している。メンバーIDは、借方及び/又は貸方メンバーを特定するコードである。借方グループIDは、a11が属するグループのIDである。ここでは、グループA1とグループA2の2つのグループに所属している場合を想定して2つのレコードを示している、借方勘定科目は借方の勘定科目コードを入れる。貸方グループIDは発注者c11の所属グループC1を入れる。貸方勘定科目は貸方の勘定科目を入れる。金額は、仕訳金額を入れる。その他に、日付、適用、支払先コードを入れる。ここでは、前記例と異なり、主キーには連番を使用しているが、このレコードは仕訳であるため、同一のメンバーに対して複数のレコードが発生するためである。
この場合は、1対1仕訳の場合を想定しているが、1対nやn対1、m対nといった仕訳になる場合がある。本発明に適用する場合、m対nの仕訳は好ましくない。何故ならば、借方と貸方の対応が不明となるからである。1対n、n対1の場合は、n側を分割して、n個の仕訳とすればよい。この場合には、主キーは、連番+枝番として、元の仕訳がどのような構成になっていたか、分かるようにすることが好ましい。
借方/貸方メンバーID、借方/貸方グループID、借方/貸方活動ID、借方勘定科目、貸方勘定科目、日付、支払先は代替キーとして登録しておくことが好ましい。また必要に応じて、代替キーを組み合わせて一つの代替キーを作成して登録してもよい。
この他に、図示しないが、他の情報を付け加えても良い。
このようにすることで、メンバー毎や活動毎、グループ毎といった、様々な角度からの評価が行えるが、従来の仕訳に比較して入力項目が増加するため、手間が掛かるというマイナス面が生じてくる。これは、画面の構造を工夫することで、軽減することが可能である。例えば、発注者の側には、自分が現在保有している活動と、グループが一覧として表示されており、その一つをクリックすると、その活動及びグループに関係する画面になる。その画面から、発注先を探して発注を行うことで、貸方の情報を埋めることが可能となる。
一方、受注者は、発注者からの発注情報を見て、その情報をドラッグしたまま、自分の活動の上に置くことで、借方に必要な情報を埋める、といった具合である。これは、受発注時点のことであるが、この情報を保持しておいて、売上時点で使用すれば、入力の手間は著しく軽減される。
適用は従来と同様の方法で入力するか、予め決められた情報から選択するような方法が可能である。
[管理会計との対比]
従来の管理会計は、財務会計と同じ勘定科目を使用して、一つの金額を部門に分割することによって、部門毎の財務諸表を作成していた。この方法では、勘定科目毎に集計が可能になるだけであり、例えば、リース料を取ってみた場合に、補助科目を使用することで、建物や車両、OA機器といった区分は可能になるが、特定の活動にどの分が使用されているかを識別するのは不可能であった。
一方、本発明では、内部用と外部用の勘定科目を分割し、更に必要に応じて3種類以上の勘定科目グループを使用することにより、個人及び/又はグループの会計計算を行うことにより、個人及び/又はグループ、更には活動毎の損益計算書と貸借対照表を作成することができ、その数字をもって、評価を行うことが可能となる。
財務及び税務会計用には外部用の勘定科目を使用すればよい。
内部用の勘定科目の種類と使用法は、組織体毎に自由に定めることが可能である。これは組織体内会計原則ともいうべきものであり、組織体の実情に応じて定める。
一方で、本実施の形態における個人/組織の最小単位を評価単位とするシステムをとった場合、特にソフトに関しては違法コピーの問題が発生する可能性があり得る。こういった事態に対しては、組織体自体のポリシー確立と、ペナルティの適用が必要である。
[各グループやメンバーの役割、売買化の例]
次に、各グループやメンバーの役割、実施形態に関して説明する。一例として、小売業を取りあげる。小売業の組織の大小は様々であるが、ここでは社員数が100人以上1000人未満程度の規模を想定する。この企業に必要な機能は、以下のようなものがある。販売、仕入、マーケティング、経理、財務、人事、総務である。この他に、在庫管理や受入検査なども挙げることができる。ここに挙げたのは、機能として必要なものであり、このような組織が必要であることを規定するものではない。
多くの企業では、それらを別々の組織として、それぞれに部長、課長などを置いて運営している。しかしながら、特定の人間に繋がる組織となっている場合もあるし、全体に対して効率的ではない場合もあるだろう。例えば、仕入担当を例にとって見る。旧来は、仕入担当(マーケティング担当がいる場合にはマーケティングの意見を参考にしながら)が商品の発注仕入を行っている。それが、適正に行われておれば、企業業績に対する貢献は大きくなる。
例えば、マーケティンググループは、仕入に対して情報を提供することを売上とする。仕入グループは販売グループに商品を売ることで、それを売上とする。総務は、店舗を保有して、各グループに貸すことを売上とする他、各種のサービスも売上とする。人事は、人事に関連する保険等のサービスのほか、個人の肉体や精神を健康に保つためのプランなどをサービスとして売上とする。財務グループは、組織体の資本金や借入金を借り入れて、それを元に、買掛金の決済や売掛債権の買取などを売上とする、といった具合に、各グループ間で取引を売買化するのである。
商業簿記での損益計算書は、売上高がまずあり、次に仕入高がある。その差額が粗利益となるが、その中から、営業費用を差し引いたものが営業利益となる。更に営業外費用を差し引いたものが経常利益となる。これに、特別損益を加減算したものが税前利益となる。
本発明では、この仕組を個人別に適用しようということになる。販売員であれば、売上、仕入は、組織体でのそれと同様である。営業費用は運賃や包装代などが含まれる。経常費用のうち大きいものは人件費である。その他には地代家賃や通信費などである。また、その他に、組織体費用の負担が必要である。これは、組織体がどのような性格を持つかによって異なるのであるが、組織体の役割としては以下のようなものが挙げられる。
ブランドの確立、信用機能、相互補完機能、牽制機能が考えられる。ブランドの確立とは言うまでもなく、組織体そのものや商品に対する信頼、憧れなどといった消費者にとって好ましいイメージを確立することである。ブランドは商品選考の場合に大きなウエイトを占めている。信用機能とは、組織体の金融的な信用力を利用するものである。個人で借り入れを行おうとしても容易ではないが、組織体の信用力をもってすれば、可能な場合が多い。また、組織体自体の資金を組織体内で有効に利用することも可能である。また、仕入れを買掛金として「つけ」で購入することも可能である。相互補完機能とは、様々な機能を持った個人及びグループによって効率的に仕事を進めていくことである。牽制機能は、個人やグループの方向性が、組織体全体の利益を損なう場合や、更には犯罪行為となる場合などを事前に防ぐことである。
[売り上の配分方法]
次に、売り上げの配分について説明する。
例えば、営業メンバーが顧客に売上を立てた場合に、それがそのままメンバー個人の売上となり利益もメンバーに帰属するとなると、組織体やリーダーの収益が無くなってしまい組織体の維持が行えなくなる。メンバーが効率的に働けるのは、組織体の信用力や商品力などに拠っているところが多いのであり、組織体に所属する以上、最低限度の必要経費が発生する。
そういった面から、一つの方式を例示すると、次のようになる。売上から仕入金額を控除した残りの内の50%を組織体の収益とし、50%をメンバーとグループの収益とする。グループ内では、グループリーダーとメンバーは、グループ設立の際の方針書によって、収益費用を分割することになる。例えば収益の内、10%をグループリーダーの取り分とする、といった形式がとりうる。
このような契約内容をシステム上に組み込んでおくことにより、自動的に仕訳を発生させることは、仕訳作業の簡素化と誤りの防止に効果的である。これは、例えば、メンバーa11,a12,a13の演算機構に、売上の10%をグループリーダーA1の売上とする、という式を記憶させておく、ということであり、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループ間の契約関係を論理として保持し、会計手法を適用して処理する際に、その契約関係に基づいてコンピュータシステム11で自動的計算を行うことを特徴とするシステムの具体例となる。
この比率は固定しても良いが、その時々の経営環境を鑑みて、組織体の収益分とメンバーの収益分の比率を変更することが可能であり、その方が好ましい。何故ならば、比率を変更しないとなると、市場環境によって一時的に収益が低下したときに、その皺寄せのうちの多くがメンバーに行くことになり、士気の低下を招く可能性があるからである。
尤も、安易に比率の変更を許すと、逆にメンバーに対して、頑張らなくとも一定の収入の保証があることになり、これは好ましいことではない。この比率を決定するのは、GMにとって大きな仕事の一つとなる。
具体的な事例として、次のようなケースを考えてみる。ここでは、売上高から仕入れ高を引いた残り、つまり売上総利益相当分に対して、組織体の取り分を定める方法について記述する。
売上が1,000,000円で、仕入が700,000円とすると、収益は300,000円となる。
すると、収益300,000円のうち50%相当額は150,000円であり、これが組織体の取り分である。また、同様に150,000円、これがグループとメンバー取り分である。また、グループとメンバー取り分の内10%相当分は15,000円であり、これがグループリーダーの取り分である。また、グループとメンバーの取り分の内90%の残収益は、135,000円であり、これがメンバーの取り分となる。
また、輸送経費の30,000円が輸送グループの取り分となり、精算経費の5,000円が財務グループの売上となる。さらに、新規与信経費の30,000円が与信グループの売り上げとなる。最終損益の70,000円がメンバーの取り分となる。
その顧客が新規先である場合に与信調査を行ったために30,000円が発生しているが、例えば、既存の取引先に関しては与信経費としては5,000円としておく。
ここで、与信調査費用を支払ったのであるが、この際には、営業メンバーとしては選択肢があってしかるべきである。一つの方法は、自分自身で実行することである。2つ目の方法は外部機関を利用する方法である。3つ目には、組織体内の他のグループやメンバーに依頼することである。このようにしても、事故は起こりうるが、そのような場合は貸し倒れ引当て金を引当てて対処することになる。これは組織体全体で運用することが好ましいが、実際に事故が発生した場合には、発生した損害金額の割合に応じて、ペナルティを負荷すべきである。与信グループが与信を担当している場合には、与信グループが負うべきである。営業グループや営業メンバーが自身で、又は、外部機関を利用していた場合には、営業グループやメンバーが負うべきである。
また、税法上は、繰り延べて償却する必要があるが、社内的には一括償却を行い、税効果会計として実現すべきである。
以上と同様に、輸送に関しても、組織体内の輸送グループに固定的に委託するのではなく、外部委託や、内部の他のグループに委託できるようにすることが必要である。
そういった直接的に維持するための費用や、間接的に配当原資といった組織体としての収益確保のために、一定金額や売上の一定割合を組織体費用として拠出する必要があり、それが、経常費用の中に折り込まれる事になる。
通常の損益計算書では、売上に対して費用を計算していき、その残額が利益や損失という形で計上されるが、個人別損益計算書の場合には、以下のようになる。
期初に予算を策定するが、これも従来の方法では、上意下達方式で策定する場合が多く、このため、個人やグループの意思が十分に尊重されない場合が多い。
本方式では、基本的に個人で自分の予算を立てて、グループリーダーはグループの予算を策定する。その場合に、人件費を除いた他の収入や支出で予算を策定する。その後、人件費を盛り込むことになるのであるが、人件費は最終利益の一定割合以内であることが好ましい。そうでないと、収入の変動により赤字になる可能性があるからである。また、最終利益の配分方式に関しては、組織体やグループで事前に決めておく必要がある。組織体としては、配当や役員賞与の原資として、また、景気変動に備える備蓄として一定以上の積み立て金が必要になる他、投資用の資金も必要である。
ある期間に、どうしても収益が十分でなく、給与が減少するのが確実な場合には、BSから取り崩して給与原資とすることができる。
次に、本発明を適用することによって得られる利点に関して記述する。
旧来だと、仕事が忙しくなると人員増を要求する場合が殆どである。その原因を究明し、不要な仕事を削減するとか、仕事の方法自体を工夫する方向には向かわない。それは、個人やグループの損益に対する評価が曖昧だからである。
本発明を実施すると、売上が一定以上に伸びることが確実でないと、人員を増加した場合、グループの利益を分割する分母が増加するし、人件費の絶対額も増加するので、個人もグループも利益が減少してしまう。人員を増加しても、給与が減少しない保証がなければ、簡単に増員要求には走らなくなる。人員は、言うまでもなく、組織にとって最も大きな財産であると同時に最も大きな費用であるからである。
また、安易に外注化することが避けられる一方で、コスト面を厳密に比較して、外注化するという選択も行うことが可能となる。
外注費用は、発注するメンバーの費用となるため、当該メンバーの利益は直接的には減少することになる。一方、外注化することにより、売上の増加を図って、活動全体として利益を増加させるという方法も採れる、ということである
方策決定は、自己若しくはグループの資産負債計算上の原資内で実行できるものは、その範囲で意思決定を行うが、直接の上司(グループリーダー)の承認、及び組織体の監査部門のチェックを経ることが好ましい。これは不正を防止する上で有用である。また、これらの意思決定はコンピューターを通じて行われるため、個人やグループの資産負債計算、損益計算を超える意思決定が行えないような仕組が必須となる。このような仕組を構築しておくことにより、権限を超えた意思決定はエラーとされる。
[資産に対する意思決定]
こういった仕組の中で工夫が必要なものは、意思決定の結果が資産化されるものである。これらは、損益計算上では毎年のリース料や原価償却費となる。単年度で見た場合に十分利益が見込める場合であっても、その資産のライフサイクルを通じて利益が確保できるか否かは不透明である。言いかえれば、資産は、長期に亘って資金を固定化させ、リース料や減価償却費の発生が必要となる。こういった性質のものは、単年度の収益のみで計算せず、リース完了もしくは原価償却完了までの費用を、すべて、まかなう必要がある。その費用は個人又はグループの資産負債計算の中で紐付きとして処理されるべきである。これは、原価償却に関しては旧来の会計方式でも資産計上され、その分現金などが差し引かれることで行われていたし、国際会計基準の導入に伴い、リース料でも同様の計算が行われるようになって来ているのは好ましいことである。しかしながら、長期レンタルといった、リースと実質的に変わらない方式もあるが、これは、国際会計基準でも、資産化されようとしていない。こういった、長期固定債務を個人又はグループの資産負債計算から差し引いてしまうのである。実際には資金があるが、それは固定化されている、という面で個人やグループの資産の現金には含めないようにする。しかしながら、原価償却やリース料支払が進捗すれば、それに伴って、資産の残価は減少するので、その分を、資産負債計算に加える工夫が必要である。
このようにすることで、メンバーやグループの使用可能な資金が明確になり、使用可能な限度を超えて使用することが無くなる。
個人の資産でまかなえないような投資に関しては、概ね2つの方法が可能である。一つの方法は、グループ内の資産負債計算でまかなえる場合は、共同して保有することである。ただし、共同で所有する場合には、メンバー毎の持分を明確にし、メンバー毎の損益、資産負債計算が行えなければならない。二つ目の方法は、組織体に対して借入を要請することである。この場合は、ジェネラルマネジャー(以下、「GM」という)の判断が必要となる。ここで、GMとは、少なくとも組織体Kのリーダーである。
GMは、その借入による投資に対する判断を行い可否を決定する。また、その投資に対して保証責任を負うことが好ましい。このようにすると、成果が上がらなかった投資に関しては、最終的にそのGMのBSから、損失分の補填をせざるを得なくなり、GM自体の責任が明確になる。一方で、保証責任を負った投資に関しては、保証に対する保証料に類するものをメンバーやグループリーダーから得ると共に、投資から得る成果の一定割合を得るという方法も可能である。
[GMの損益、資産負債の考え方]
GMの損益、資産負債勘定は、次の様に行うことが好ましい。GMの収益は、組織体の税前利益額の一定割合とするように定めることも可能であるが、上述したように、投資保証の見返りとして収益を定めることも可能である。一方、支出としては、全社的に統一的に必要な機能(例えば経理機能やIT部門、監査部門)の費用を、自己の収益の中から支払う必要がある。これによって、費用が増加した場合は、GM自身の取り分が直接的に減少するので、経費削減に熱心にならざるを得ない。
しかしながら、経費削減をやりすぎると、その担い手がいなくなるため、適正な費用で運用することが求められる。
また、上記の例のように、貸付を行う場合は、GMの資産とリンクした貸し付けとすべきである。貸付を行うと、GMの資産は減少するが、回収によって復活する。その貸付が不良化すればGMの資産が不良化するわけであり、貸付に対するチェックは自ずから厳しくなる。一方で、厳しくなりすぎると貸付が殆ど実行されなくなってしまう懸念があるが、投資をしないと、中長期的に組織体の売上、利益が伸びなくなってなってくるため、GMのPLに直接的に響いてくることになる。
また、活性化させる上で、貸付に賛否両論がある場合に、賛成GMのみで貸し付ける方法も考えられる。この場合は、GMのBSからの直接貸し付けとすべきである。そうするとリスクは大きくなるが、一方で、貸し付けたメンバーやグループから組織体への収益は、当該GMにのみ回すようにすることで、バランスを取ることができる。
また、GMは一般企業であれば取締役や執行役員に対比されるが、取締役である場合に、本発明を適用する利点を挙げる。従来の取締役選出では、株主が知り得るのは過去の所属と職位に関して記述された経歴が殆ど唯一であった。このような選出方法では、適任者かどうかを見抜くのは至難の業であった。本発明を適用すると、候補者はそれぞれ、BSとPLを持っており、BSの中に投資案件などが含まれていることも分かる。それらの案件がどのような意味を持っているかを知ることで、より候補者が適任であるかの判断をすることが可能となる。一方の候補者のBSが目ぼしい資産も無く、過去のPLが殆ど利益を上げておらず、一方の候補者が充実したBSを保持し、過去のPLも十分な利益を上げてきているとすれば、どちらを選ぶかは明白であろう。
また、GMと同様にグループリーダー(GL)もBS、PLの内容を公開することが好ましい。不適格なグループリーダーが出ないようにする方法として、GMによる審査強化という方法も可能であるが、審査は最小限度に止めて、BS、PLを組織体内のメンバーに公開することによって、メンバーが選択することが好ましい。このようにする事で、適任者の選出が行えるし、メンバーはリーダーとして好ましい個人を選択する事が可能となる。
[原価確定に関して]
原価確定に関して、従来モデルでは、按分や配分計算を行う必要があり、BS、PL自体はリアルタイムに更新されていても、大きな部分の配分は、一旦集計ができてから、それを再計算する仕組となっているので、締め後に数字が確定するまでに時間がかかるうえ、正しいBS、PLは月次などの締めが行われた後で無いと作成されない、という欠点を持っていたが、本発明を適用すると、組織体内外の活動が、会計上の取引又は売買として数値化されるため、リアルタイムにメンバー、グループの活動結果を把握することが可能であり、原価も確定する。
[BS、PLを用いて評価を行う具体例]
次に、BS、PLを使用して評価する方法を述べる。評価は基本的にPLを用いて行うのが好ましい。BSは評価としては副次的に使用し、事業継続の判断や、グループリーダーとしての資質の見極めに使用することが好ましい。
メンバーAとBとCの各々のPLが、以下のようになったとする。
メンバーA
売上 2000万円
費用 500万円
利益 1500万円
メンバーB
売上 3000万円
費用 1000万円
利益 2000万円
メンバーC
売上 2500万円
費用 1100万円
利益 1400万円
この例では、メンバーの給与を控除する前の金額を利益としてある。上記例では、メンバーBが最も大きな利益を上げており、メンバーAの1.33倍となる。メンバーCの売上は2番目に大きいが、費用が多くて利益はメンバーAを下回っていることが分かる。この数字を用いて、賞与や給与等の報酬を決定する方法が一つである。
この場合、原資をメンバー毎の利益に比例させるとか、ある一定の関数を使用して配分するなどといった方法である。
更には、メンバーの給与を費用として控除し、利益額を算出する方法もとれる。この方法を採用した場合は、メンバーの給与額によって利益が変動することになる。つまり、給与が高いにもかかわらず利益が少ない、といったことも判断できる。
このようにした場合には、報酬のうち、給与額が予め決まっており、賞与額を決定する場合に、賞与原資をメンバー毎の利益に比例させるとか、ある一定の関数を使用して配分するなどといった方法である。
また、翌期の給与額を決定する場合にも、個々のメンバーの現時点の給与額と利益額を元に、一定の関数などに当てはめて、決定することが可能である。
個人ごとにBS、PL計算を行うので、その結果、1週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月といった期間単位で個人の損益計算及び資産負債の把握が行えることになり、その個人の数字としての業績把握が明確に行えるようになる。
更に、メンバーとグループ、グループとグループの関係を時系列的に保存することにより、グループの評価を時系列的に行うことを可能とする。
以下では、本発明を適用する上での、留意点に関して記述する。
本方式の適用を誤ると、極端に走る弊害の可能性が無いとは言えない。例えば、運送関係で、整備費用を「節約」してしまうようなケースである。合理的に費用を削減できるのであれば、それは良いことであるが、合理性が無くて費用を削減すれば、稼働率や安全性に問題が生じる可能性が大きくなってくる。これは、組織体にとって大きな問題となる。最も大きな問題としては、事故によるブランドイメージの低下とそれによる顧客離れであろう。これは、一般の経営でも同様で、顧客のクレームを無視して、短期的な利益追及を行うようなケースが該当する。こういった事態に陥らないように、組織体には監査機能が必要である。また、内部告発に関しては、GMが褒賞を与えるといった工夫が必要である。また、非合理的な「節約」に関する罰則や、個人、グループのBSに対するペナルティ(没収)なども必要な措置であろう。
また、個人間での情報交換まで対価が必要になる、という考え方もあろうが、ちょっとした情報交換であれば、売買の対象とせず、個人間での貸し借り、とすることも可能である。
資本金に関して。新入メンバーの資本金はゼロからスタートするのが好ましい。この場合、そのメンバーのBS、PLがマイナスになる可能性があるが、これは、ある一定限度の借入を認める事により、運用が可能である。
次に、損益計算と資産負債計算に基づいて、メンバーの給与額と退職金を決定する方法に関して記述する。これらの方法を具体化する評価システムについて2つ述べる。
[メンバーの報酬の決定方法]
メンバーの給与の決め方に関して。前期末に翌期のメンバー毎の予算を作成する。これはメンバー個人毎に行い、それをグループリーダーが取りまとめて、グループの予算を作成し、更にシニアグループリーダーが各グループの予算を取りまとめて、シニアグループの予算を取りまとめる。その際に、メンバーの予算に関してグループリーダーがアドバイスを行うべきである。特に過去の実績を過剰に上回る計画の場合には、計画達成の理由を確認して、可能なレベルに修正することが必要である。
売上高から仕入れ高を引いた残り、つまり売上総利益相当分に対して、組織体の取り分を定める方法について、別項で記述したが、ここでは、売上高から仕入れ高と経費や費用を引いた残り、つまり、人件費控除前の経常利益相当分に対して組織体の取り分と報酬を定める方法を述べる。この方法を採用する場合は、売上高と経費や費用の発生時点が異なることが多いため、若干の工夫が必要である。つまり、人件費控除前の経常利益相当分は、売上発生時点で確定できない可能性があるということである。このため、組織体の取り分に関しては、予測値で差し引きを実行し、経費や費用が確定した時点で精算する、というような方法が必要となる。
例えば、まず、売上高と仕入高を予測し更に費用や経費を予測する。売上高から仕入高、費用を差し引き、グループリーダーへの配分がある場合には、それも差し引いた金額をWとする。Wの50%を組織体維持のための費用とすると、W×0.5=Xとして、Xが、メンバーの取り分になる。Xの2分の1を12等分したものを、月額給与とする。残りはボーナスと、利益調整分とする。利益調整分とは、予定していた利益高に届かない場合に、メンバーの取り分とならない分である。逆に予定よりも多くの利益が出れば、それはメンバーのボーナスとなるのであるが、全額をボーナスとしてしまうと、個人のBSの資本金が増加しない事になる。これに対処するには、一定の割合で、退職給与引当て金として積む方式が考えられる。この他にも、利益分を資本金とする方法もあるが、この場合は税金支払後の金額から積む事になるので、全体最適化の観点からは好ましいとは言えない。退職給与引当て金であれば、税前控除が可能である。退職給与分をメンバーの資本金として活用するのである。また、退職給与であるから、退職時にはメンバーに、その持分を支払う。
多くの利益をあげれば、資本が増加する。これによって次の投資資金としても良いし、メンバー個人の退職金として、投資を控える事も可能である。しかしながら、あるレベルの利益を上げるには投資が必要なことは一般的な常識である。
上記事例では、グロスとしてメンバーの給与分を差し引く方式を示したが、これを、活動毎に行うことで更に精緻化できる。例えば以下のような事例である。
ある活動J
売上高 200万円
費用 120万円
給与分控除前の利益 80万円
別の活動L
売上高 150万円
費用 10万円
給与分控除前の利益 140万円
この場合には、Jからは月例給分として40万円となり、Lからは70万円となる。売上や利益に毎月変動がある場合には、当初予定した給与額を支払い、差額をメンバーの利益で調整することが可能である。
あるメンバーの資産がマイナスの状態で退職する際には、借金の返済が必要になるが、それは組織体のリスクとして、個人には返済を求めないようにすることが好ましい。この場合は、退職金は支給しないことが妥当であろう。
また、資産がプラスのメンバーが退職する際に、現金は処理が簡単であるが、有形や無形の固定資産の場合には、これも後任者に適正な価格で移転することが好ましい。買い叩きといった事態の懸念があるが、そのような場合は、退職者がメンバーやグループ、組織体に対して、適正な費用で貸すことも可能であり、年金の一種としての活用が可能となる。
報酬には、月例給与や賞与、臨時賞与を含むが、フリンジベネフィット(賃金外給付)も、報酬として含むことが好ましい。フリンジベネフィットとしては、ストックオプション、福利厚生利用、社有車による送迎など、給与には含まれないが、実行する上でコストが発生するものを含む。
この他、組織体としては、保険的な機能を備えることが好ましい。給与決定にあたって、本方式を厳密に適用すると、病気や怪我で休業を余儀なくされたメンバーにとっては、収入が無くなる事になる。全メンバーを対象とし、保険のような機能を備え、毎月、メンバーから「保険料」を徴収しておき、メンバーが病気や怪我になった場合に、一定の条件下で、給与の保証を行うのは、組織体にとって有能なメンバーを雇用する上で有用である。
以上の説明を具体化する方法として、次の4つの評価システムがある。
第1と第2の評価システムは、組織体における内外の活動を売買対象とすることにより、又は前記活動について会計手法を適用し、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、前記コンピュータシステムは、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に当該個人の報酬額を決定する。
第3と第4の評価システムは、組織体における内外の活動を売買対象とすることにより、又は前記活動について会計手法を適用し、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、前記コンピュータシステムは、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に当該個人の退職金額を決定する。
このようにした場合に、税引き前の利益から税金を納める必要があり、最終利益の配分方法に関しては、幾分かの工夫が必要である。納税資金に関しては、メンバーのPLから出さずに、組織体のPLから支出するのが好ましい。何故ならば、メンバーのPLからは、組織体維持のための資金を50%支出しており、その残額はメンバーの取り分として良いからである。尤も、これは、組織体毎に定めることが可能である。
ここで、組織体維持のための費用から納税する場合、個別のメンバーに利益があったり、損失となっている場合もある。更に、メンバーの剰余金の内、税法上の引当が可能な金額と不可能な金額の算定も必要である。
このように、総てを計算した上で、税額が決定できることになる。万一、メンバーの剰余金が多くなり、税額が予想以上に膨らむ場合には、決算賞与として配分するなどの工夫も必要であろう。
不正の排除に関して。旧来の組織体では、組織体の経費を誤魔化すとか、私的に流用する、といった不正が行われているが、本発明では本質的に不正を排除し易い仕組となっている。基本的に、支出できるのは、メンバー個人のBS、PLからとなるので、不正に使用したとしても、そのメンバーの経費が増加し、利益(=メンバーの取り分)が減少する。但し、利益の一定の割合を組織体に組み入れる必要がある為、経費とした分を全額着服した場合は、メンバーにとって、より大きな利益となる。このため、グループリーダーはそういったチェック機能を果たす必要が残る。
また、不正の排除とは視点が異なるが、活動毎の収支がリアルタイムで明らかになるし、資産と負債の関係も明らかになる。あるメンバーやグループ、活動の採算がよくなく、赤字になる危険性がある場合にメンバーやグループのPL上で利益が少なくなるし、赤字の場合には、BS上の内部現金が減少してくるので、内部現金の額を超えてそれ以上の支出ができないようにすることが可能である。
このように、メンバーやグループリーダー、活動毎のBS、PLをチェックし、ある一定の割合を超えた場合に、内容を確認・吟味し、継続か停止かの判断を的確に行うための指標を提示できる。
また、活動やグループ毎の予算を、保持しておくことにより、予算との対比によって、活動の継続か停止か、といった判断を行うことも可能となる。ある活動が、グループリーダーの売上1億円、メンバーへの支払を含めた費用が8千万円という予定であった場合に、費用が8千万円に近づいた時点でアラームを上げることが可能となる。
グループリーダーの最も大きな任務は、グループのビジネスモデルの確立である。何を目指すのか、グループの目標は何か、行動指針はどのようなものか、売上や利益をどうやってあげていくのか、資源や利益の配分をどう行うか、といった点に関して、メンバーに説明し理解してもらう必要がある。また、シニアグループリーダーやGMに対しても、理解してもらう必要がある。
その次に重要な任務は、メンバーのサポートである。メンバーの能力が最大限に発揮されるように、助言、指導を行い、ジョブアサインメントを行う。従来のモデルでは、上司が部下に命令し、評価を行うという方式であった。また、昇給や賞与の配分は5段階評価を用いている組織体が多く、一定のパイをどう配分するか、という方式であった。このため、部下が頑張っても、他のメンバーが同等に頑張っていれば、賞与の増加は殆ど無いという結果になっていた。
本発明では、個人の挙げた利益に連動して、メンバーの給与や賞与が決定されるため、頑張って成果を上げる事により、メンバーの各々が挙げた成績に応じた給与、賞与の配分が可能である。メンバー間の取り合いも生じないため、リーダーとしては、そのメンバーが最も良く成績を上げられるような方向を助言、指導することが可能となる。
人事部は、従来モデルでは、個人の成績評価を密かに行っており、配属の決定なども行っていたが、本発明では、そのような機能は殆ど不用となり、メンバーのサポートが重要な仕事にならざるを得ない。例えば、セミナーへの参加で、従来モデルでは人事部や上司の命令に基づいて参加することが多く、内容的にメンバーに合致しないものなどが少なく無かった。また、参加する意識も、仕方なくという面が強く、セミナーの内容が身に付かない原因の一つになっていた。本発明のモデルでは、中長期的に見て、メンバーがスキルアップして行く上で、このようなコースをとるほうが良い、といったアドバイスが人事部の職務の中心になるべきである。そういったサービスをメンバーに売ることになるのである。逆に言うと、そういうことができる、プロフェッショナルなスキルを持った人で無ければ担当できないことになる。
GMの売上は、組織体の利益に比例する事が好ましい。GMの売上から控除されるのは、組織体全体にかかわる維持のための機能の費用と、自身の経費、給与である。GMの売上が組織体の利益に比例するとなると、利益が落ち込むと、組織体全体にかかわる維持のための機能やGM自身の経費だけでも赤字になってしまう可能性があるが、その反面、利益額が増大すれば、給与は大幅に増加することになる。
本発明を適用した場合、研究開発で、長期的な開発がしにくくなるのではないか、という懸念が生じよう。長期的な研究開発は、外部からは分かり難いものである。何年か後に結実するものもあるし、全く見当違いの研究である場合もある。これらを従来モデルでは、ゴチャゴチャにして研究開発費予算を取得し、使用していた。
本発明の場合、研究開発が一つのグループを構成している場合に、次のような方法が可能となる。幾つかの方法が考えられる。1つは、グループ全体に対して製造部門が買い手となる方法である。この場合、開発研究グループ内部の配分はグループリーダーによって行われる事となる。
もう1つは、研究開発グループの個人別に製造部門が買い手となる方法である。また、誰も買い手がいないが、GMとして必要性を認めて、GM個人のBS、PLから一定額の支出を行う方法もとれる。この場合には、成果が出た場合には、その研究開発の売上の半分をGMの売上とするなどの契約が考えられる。
こういった研究開発では、単年度毎にみるべき成果が出ない場合もある。その場合には、GMやグループリーダーが必要な費用を支出し、研究者の給与はその支出の中から得る、という方法である。この場合、研究の成果の配分に関して、GMやグループリーダーと研究者の間で事前に契約を行っておくことが好ましい。成果が出ない場合には、研究者の給与分は研究者自身の負債とする方法もとれるし、それはGMやグループリーダーが負う、というようにすることも可能である。ここで言う研究者は、単数でも複数でも構わない。複数の場合には、その間で権限と責任を定めておくことが好ましい。
GMやグループリーダーとしては、比較的、コンスタントに成果を出す研究者や、たまにであるが大きな成果をあげる研究者が重用されることになろう。一方で、成果の出ない研究者は退けられていくことになろう。
研究者が、どうしても続けたいが、スポンサーが見つからない場合には、個人で仕事の合間を縫って研究を続けるという方法もあろう。その場合には、研究の成果は、組織体とその研究者個人のものとなることが好ましい。
メンバーやグループの活動の継続に関しては以下のようにすることが好ましい。各々の損益計算書と貸借対照表を適時参照する。利益が落ち込んできており、貸借対照表上で資産が一定限度額以下になった場合には、グループリーダーやシニアグループリーダー、GMが面接を行い、リカバリープランに関して検討を行い、必要なアドバイスを行うとともに、改善されない場合には活動の中止を決定する。これは、メンバーやグループの損益計算書と貸借対照表が存在しており、それを参照することによって実現できる。
グループは同一機能を持った職種で構成される場合もあるが、グループは必ずしも同一職種で構成される必要は無く、異なった職種のメンバーで一貫した仕事ができるように構成することも可能である。これは、小さなグループにも大きなグループにも適用可能である。例えば、小さなグループとしては、販売業の場合では、ある特定種類の商品に関して、仕入から販売、運送まで行うようなグループとしてもよいし、グループの集合体としても、同様な機能を同一のグループリーダーの元に束ねることも可能である。
このように本発明を適用する場合に組織体はどのような機能を担い、個人との関係はどのようになるか、という点が問題になるが、組織体の機能としては以下の点が重要になってくる。
1つは、組織体の制度と標準化の作成である。恣意的ではない組織運営のためには、基準や標準が必要である。なおかつ、できるだけシンプルなものが求められる。
2つ目は、損益や資産に対して、短期的な利益を追求し過ぎないように調整する機能。ともすると個人やグループが短期的な利益を追求し過ぎる場合が発生するが、中長期的に見て、事故などに繋がり、事故により被害や信用失墜による損害を被る危険性を秘めている。これを調整する機能が必要である。
3つ目は、ブランド力である。ブランド力については今更述べる必要もないくらい重要なもので、個人や小さなグループで活動しているのと異なる。
4つ目は、個人間やグループ間の調整機能である。合成の誤謬という言葉があるが、各々は合理性に基づいて行動していても、全体として見た場合に合理性を損ねている場合がある。また、グループ間で連携を取る事により、より大きな力を発揮できる場合は多々あろう。
5つ目はファイナンスである。個人やグループで持てる資金力は限界がある。また、余剰金は組織体という単位で管理することになる。個人やグループで賄えない資金を必要とする場合に、組織体というバックによって資金の調達を行うのである。
6つ目は、グループ間の対立や、事故に対応することである。
7つ目は、国際会計基準では,キャッシュフロー会計が導入されるが,これを本発明に適用し、個人やグループのキャッシュフロー計算書を作成することは、本発明の効果を上げるうえで有用である。
[ポイント制に基づく評価方法]
次に、ポイント制に基づく評価方法に関して述べる。
これまで、損益計算書と貸借対照表を使用する方法について説明したが、もっと簡素化して、数値化する方法を採用することもできる。
このような組織体内の個人、グループ、個人及びグループの評価方法は、次の第9図に示すコンピュータシステムで実現することができる。
第9図は、本発明の実施の形態に係る評価システムであって、ポイント制を採用した評価システムを実現するコンピュータシステムを示すブロック図である。第9図に示すポイント制を採用した評価システムを実現するコンピュータシステムが、図1に示すコンピュータシステムと異なることろは、アプリケーションプログラムにより演算処理手段に代えて換算手段7と演算集計手段8を実現できるようにした点であり、他の構成には変更がないので同一の符号を付して説明を省略する。
コンピュータシステム1Aには、組織体内外の活動について売買対象とし、数値化した結果を基に当該組織体内の計算を行うことにより組織体内の評価システムを構築する。
ここで、前記コンピュータシステム1Aのサーバー2Aは、当該組織体内の個人、グループ、個人及びグループの内外の活動を売買対象として数値化させる換算手段8と、数値化した結果を基に個人及びグループの換算値を集計する演算集計手段9とを備え、当該集計の結果を基に当該組織体の個人及び/又はグループを評価するようにしたものである。
この評価システムによる評価方法では、個別の活動を売買化したり、会計計算の対象とするのは同様であるが、次のように行う。活動があった毎に、ポイントを評価システムのサーバー2Aに入力し、サーバー2Aで売上と経費を計算し、その残額を利益相当額として、メンバーやグループに加算するのである。また、これは金額そのものである必要はなく、例えば1000円を1単位としたポイントのようなものであっても良い。
例えば、3万円でパソコンソフトのインストールを請け負った場合に、売上が3万円であり、一方、6千円とすれば、該メンバーの利益相当額は14000円となる。これをそのまま、サーバー2Aにおいて計上するなり、1000円を1ポイントとして14ポイントとしてサーバー2Aにおいて計上する。
売上を経費が上回った場合には、サーバー2Aはマイナス計上とする。
また、該メンバーの給与や家賃、減価償却費などの費用は、月額を纏めてマイナスの計上を行うことが好ましい。
このように計上する場合には、活動の名称、期間を付帯情報として計上することが好ましい。この情報を付帯することで、各々の数値が何によっているのかが判然とする。
この場合、あるグループに属するメンバーの数値を合計することで、グループの数値の決定が行える。
この方式では、貸借対照表に相当するものが存在しないことになるが、期間の評価は各期間の数値を使用して評価を行い、一方で、毎期間の計上した数値の合計を保存しておき、簡易的な資産と見なすことも可能である。このようにする効果は、合計値のマイナスが大きい場合は、大きな仕事に起用する場合に警報的な意味に使用することが可能となることである。
上記で述べた以外の、仕事の配分・獲得方法などは損益計算書と貸借対照表を使用する実施例に述べたとおりである。
以上の説明を具体化する方法として、次の評価システムがある。
この評価システムは、組織体における内外の活動を売買対象とすることにより当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価するシステムであって、上記コンピュータシステム1Aのサーバー2Aは、当該組織体における内外の活動を売買対象とすることにより数値化し、当該数値化した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する。
[ポイント制に基づく給与及び退職金額等の報酬の決定方法]
次にポイント制に基づく、メンバーの給与額及び退職金額等の報酬の決定方法について記述する。また、これらの方法を具体化するシステムに関して述べる。
貸借対照表・損益計算書を使用する実施形態では、損益計算書を作成することにより、メンバーの給与を決定する方法を述べた。この実施形態では、貸借対照表・損益計算書を作成しないので、貸借対照表・損益計算書を使用する実施形態とは異なる方式が必要である。
給与に関しては年俸方式の他、固定給方式や、他の方式であっても適用可能である。
ポイント制を使用する実施形態で述べたように、活動毎に活動の結果を数値化しておく。例えば1000円を1ポイントとする場合を例にとる。このポイントは、組織体における売上総利益に該当するものである。
このポイントに対して、60%をメンバー還元分として、残りの40%を組織体の収益とする。固定給方式であって、メンバーの見込み年収を1000万円とする。
ポイントが、16666ポイントになった場合、
メンバー還元分 16666×1000×0.6=10000000
となって、年俸額と一致することになる。
16666を下回った場合には、下回ったポイントの0.6倍に相当する額を賞与から削減する。上回った場合には上回ったポイントの0.6倍を賞与に加算する。メンバーのポイントが、賞与をゼロにしても更に下回る場合、すぐに連動して月例給与を削減するのは安定性の面で好ましくないが、次年度の固定給与の決定時の指標とすることができる。
年俸制の場合は、当該年度の賞与を増減できる契約の場合には、増減することが好ましい。増減できない場合には、次年度の契約の指標として使用できる。
ここで挙げた還元率や賞与に対する反映は例示であり、実施に当たってどのような還元率とするか、賞与や月例給との連動をどうするのかは、各組織体で柔軟に決定することが可能である。
退職金額の決定方法は、勤務中のポイントの合計をもって退職金額に算出する。算出する方法としては、ポイントの合計から、既にメンバーに還元された金額を控除し、その残りの一定割合を退職金額とする。
以上説明した取り決めや計算方法をコンピュータシステムに適用することにより、次の2つの評価システムとして具体化することができる。
第1の評価システムは、報酬額を決定する方法を実現する。この第1の評価システムは、組織体における内外の活動について売買対象とすることにより、これを第9図に示すコンピュータシステム1Aのサーバー2A(又は第4図に示すコンピュータシステム11の主サーバー13)で処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価するシステムであって、第9図に示す前記コンピュータシステム1Aのサーバー2A(又は第4図に示すコンピュータシステム11の主サーバー13)は、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの活動の計算を行い数値化し、その結果を基に当該個人の報酬額を決定する。
第2の評価システムは、退職金額の決定する方法を実現する。この第2の評価システムは、組織体における内外の活動について売買対象とすることにより、これを第9図に示すコンピュータシステム1Aのサーバー2A(又は第4図に示すコンピュータシステム11の主サーバー13)で処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価するシステムであって、第9図に示す前記コンピュータシステム1Aのサーバー2A(又は第4図に示すコンピュータシステム11の主サーバー13)は、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの活動の計算を行い数値化し、その結果を基に当該個人の退職金額を決定する。
[ポイント制を更に効果的に適用する方法]
上記の例では、活動毎の結果を数値として計上する方式を説明したが、この場合は結果が分かっても、内容が分かり難い欠点があった。
例えば、3万円でパソコンソフトのインストールを請け負った場合に、売上が3万円であり、一方、経費としてソフト代金が1万円、一部協力してもらった他のメンバーへの支払いが6千円とすれば、該メンバーの利益相当額は14000円となる場合に、これらの経費を売上と共に計上しておく方法である。
このように活動の結果だけでなく、その明細を保存することにより、特定の活動の結果がどのようにして生まれたかが、より明確になる。
その他の付帯情報や、貸借対照表に代わる情報に関しては、ポイント制の実施例と同様である。
この実施形態に基づく給与、賞与等の報酬の決定方法は、ポイント制の実施形態で述べた方法と同様である。
すべての実施形態に共通して、活動の結果を数値として残す際に、各活動の詳細な内容を数値と共に保存することが好ましい。活動の内容、契約条件、期間、売上金額、費用の明細などである。こういった明細を保存することにより、最終的に数値がおかしいといったメンバーからの抗議や、GMからの疑問に適切に答えることが可能となる。また、メンバーがグループリーダーになる場合に、過去の数字を精査して適任か否かを判断する材料にもなり得る。
このような説明における取り決め等も、第9図に示すコンピュータシステム1Aのサーバー2A(又は第4図に示すコンピュータシステム11の主サーバー13)に適用することにより、効果的にポイント制による評価システムを実現することができる。
上述したいずれか一つの評価システムを用いて、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの損益の管理を行うシステムをコンピュータにより実現することができる。
これまでに説明したとおり、仕訳には少なくとも、メンバーID、活動ID、グループIDが付されているので、仕訳を集計することにより、メンバー毎、活動毎、グループ毎の、売上・費用・利益が明確に分かるようになる。また、メンバー毎、グループ毎に損益計算書、貸借対照表を保持し、発生した仕訳により更新していくことにより、損益の他に、資産・負債の状況も明確になり、活動の継続に関する判断が容易に行えるようになる。
このように本システムを利用することにより、メンバー及び/またはグループ及び/または活動の損益管理が容易に行える。
このようにして得られた、メンバー毎の損益計算、資産負債計算の数値を、企業の合併や買収、ヘッドハンティングの資料として生かすことも可能である。組織体毎の損益計算書、貸借対照表は、組織体としての損益や資産・負債を表しているだけで、その内容がわかりやすいものではなかったが、本発明のメンバー毎の数値を用いると、個人毎の貢献度が明確になるため、組織体で重要な資産である人材の評価を行える。
産業上の利用可能性
以上説明したように請求項1に係る発明の評価方法によれば、組織体内外の活動を売買対象として数値化し、当該数値をデータベースに格納し、当該データベースに蓄積された数値を基に当該組織体内の個人及び/又はグループを評価するので、個人やグループの活動を客観的に評価することができ、それにより、業務内容を厳選し、利益に結びつく仕事内容を充実させ、組織体の利益を極大化させるとともに、人事考課における評価者と被評価者の評価に対する食い違いを無くし、真の実力主義を実現しうる。
請求項2に係る発明の評価方法によれば、組織体内外の活動を会計上の取り引きとすることにより数値化し、当該数値を個人及び/又はグループ毎にデータベースに格納し、当該データベースに蓄積された数値を基に当該組織体内の個人及び/又はグループを評価するので、客観的に評価することができ、それにより、業務内容を厳選し、利益に結びつく仕事内容を充実させ、組織体の利益を極大化させるとともに、人事考課における評価者と被評価者の評価に対する食い違いを無くし、真の実力主義を実現しうる。
請求項3に係る発明の記載の評価方法は、組織体におけるメンバー及び/又はグループの各々毎に損益計算書及び/又は貸借対照表をデータベース上に保有し、その一方又は両方をもって各々の勘定とし、組織体内外の活動を売買又は会計上の取引として上記データベース上の勘定に反映させ、かつ、メンバー及び/又はグループの収入及び/又は支出があったときに上記データベース上の前記各々の勘定に対して反映させ、その反映され計算された、メンバー及び/又はグループの損益計算書及び/又は貸借対照表を用いて、メンバー及び/又はグループの評価を行うので、客観的に、公正かつ明確に評価することができ、また、個人の利益と組織体の利益を連動させて、利益拡大への意欲を発現させ、これにより組織体の活性化を図ることができるという効果がある。
請求項4、5、6及び11記載に係る発明の組織体評価システムによれば、個人又は一人以上の個人からなるグループから構成されるグループの活動を会計上の取引又は売買対象として数値化させることにより前記個人あるいは前記グループの各活動を数値化し、当該数値を基に損益計算し、当該数値を基に組織体における前記個人あるいは前記グループを評価するので、次のような効果を奏することができる。
(1)個人の業績が誰の目にも明らかになる。
(2)業績が明らかになり、評価が具体的な数字として現れるため、評価のばらつきが無くなり、公平な評価が可能となる。
(3)不要な費用を使わなくなるため、全体としての事業効率が上がる。
(4)各個人は、自分を高く売れるように努力することが必要になるが、その事により常に事業活動と密接に結びついた能力を持った人間が社内に存在する事になる。
請求項7記載に係る発明の組織体評価システムによれば、個人又は一人以上の個人からなるグループから構成されるグループの活動を売買対象として数値化させる換算手段により前記個人あるいは前記グループの各活動を数値化し、当該数値を基に報酬額の決定を行うので、報酬額が個人の利益貢献度に関連して決定されるので、経営者、個人にとって合理的な報酬額の決定が行える。
請求項8記載に係る発明の組織体評価システムによれば、組織体における内外の活動について会計手法を適用し、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に当該個人の報酬額を決定するので、報酬額が個人の利益貢献度に関連して決定されるので、個人の貢献度に見合った、経営者、個人にとって合理的な報酬額の決定が行える。
請求項9記載に係る発明の組織体評価システムによれば、組織体における内外の活動について売買対象とすることにより、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に数値化し、資産負債計算の資産を元に、当該個人の退職金額を決定することができるので、個人の貢献度に見合った、より合理的に退職金額を決定することができる。
請求項10記載に係る発明の組織体評価システムによれば、コンピュータシステムに、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に当該個人の退職金額を決定することができるので、個人の貢献度に見合った、より合理的に退職金額を決定することができる。
請求項12に係る発明の評価システムは、前記コンピュータシステムが、組織体内部で取り扱いを決定できる内部取引用と、財務会計及び/又は税務会計に使用する外部取引用の勘定科目を設定したデータベースと、前記組織体内外の取引を、内部取引用勘定科目と外部取引用勘定科目に反映させる手段と、組織体内のメンバー及び/又はグループの損益計算書及び/又は貸借対照表を計算する手段と、前記各手段で得られた結果を基にメンバー及び/又はグループの評価を行う手段とを備えたので、客観的に、公正かつ明確に評価することができ、また、個人の利益と組織体の利益を連動させて、利益拡大への意欲を発現させ、これにより組織体の活性化を図ることができるというシステムを提供できる。
以上説明したように本発明全体に関連する効果をまとめると、以下のようになる。
1.PLを期間評価に使用するので、毎期ゼロから数字がスタートする。この為、評価期間に対して従前の評価が持ち越されること無く、正しい評価が行える。
2.評価が活動毎に行われ、リアルタイムに把握できるため、評価に要する時間が短くて済む。
3.活動毎の売上や経費・利益が把握でき、評価者と被評価者の間で見解が相違する可能性が低くなる。
4.様々な活動が評価の対象となるため、スタンドプレイヤーが高い評価を得る弊害を排除できる。
5.個人やグループと、組織体との利害が一致し、個人のモラールアップが図れる。また、不要な経費や投資の排除がしやすくなる。
6.個人やグループのBSに積み上げられた数値を把握できるので、それまでの活動実績の把握が容易になる。また、投資の可否の判断が容易になる。
7.評価者と被評価者の関係を、敵対的なものから協力的なものにできる。
8.支出を個人のBS、PLを通して行うので、活動毎の収支がリアルタイムで明らかになるし、資産と負債の関係も明らかになる。ある活動が赤字を抱えて、メンバーやグループリーダーの資産を超えた場合には、それ以上の支出ができないようにすることが可能である。このように、メンバーやグループリーダー、活動毎のBS、PLをチェックし、ある一定の割合を超えた場合に、内容を確認・吟味し、推進か、継続か、停止か、の判断を的確に行うための指標を組織体の規模に係わらず提示できる。
9.個人が自己のBS、PLを持って異動するために、評価が途切れない。
10.異なるグループに属するメンバー間であっても、同等の基準で評価が行える。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施の形態に係る組織体内評価システムに使用されるコンピュータシステムの例を示すブロック図である。
第2図は、本発明の実施の形態に係る組織体内評価システムが適用される組織体の例を説明するための図である。
第3図は、本発明の実施の形態に係る組織体内評価システムが適用される場合の、メンバーが異動する場合の例を説明するための図である。
第4図は、本発明の実施の形態に係る組織体評価システムに使用されるコンピュータシステムの例を示すブロック図である。
第5A図乃至第5C図は、本発明の実施の形態に係る組織体評価システムの内部で実行される仕訳処理を説明するための図である。
第6図は、本発明の実施の形態に係る組織体評価システムの内部で実行される仕訳処理を説明するための図である。
第7A図及び第7B図は、本発明の実施の形態に係る組織体評価システムの内部で実行される仕訳処理を説明するための図である。
第8図は、本発明の実施の形態に係る組織体評価システムに使用されるコンピュータシステムにおけるデータベースの説明図である。
第9図は、本発明の実施の形態に係る組織体評価システムに使用されるコンピュータシステムの他の例を示すブロック図である。
第1図乃至第9図において、
1,1Aはコンピュータシステム、
2,2Aはサーバー、
2aはオペレーティングシステム、
2bはアプリケーションプログラム、
2cはCPU、
2dはデータベース制御機構、
2eは通信機構、
3はデータベース、
4は通信回線、
5はパーソナルコンピュータ(パソコン)、
6は演算処理手段、
7は換算手段、
8は演算集計手段、
11はコンピュータシステム、
13は主サーバー、
15はコンピュータ、
17はLAN、
17aは無線LAN、
19は公衆回線、インターネット、
21は通信装置、
23は携帯電話回線及び
30はデータベース
をそれぞれ表す。
本発明は、組織体を構成する個人及び/又はグループを評価する評価方法及び評価システム並びに損益管理システムに関する。さらに詳しくは、本発明は、組織体の内外活動を会計上の取引又は売買対象として数値化し、当該数値を基に損益及び資産負債計算して当該組織体内の個人及び/又は一人以上の個人からなるグループを評価する評価方法及び評価システムに関する。
また、本発明は、所定の組織体内における個人及び/又は1人以上の個人からなるグループに対する評価を明確にし、組織体内の評価者と被評価者の評価に対する食い違いをなくし、これにより組織体の活性化を図るとともに、真の実力主義を実現する組織体を作るのに有効な評価方法及び評価システム並びに損益管理システムに関するものである。
背景技術
従来、組織体内におけるグループや個人(以下、「メンバー」ということもある)の評価は、主に評点方式と目標管理制度に拠っていた。この評価に基づき、メンバーの賞与額や昇給額等の報酬額等を決定していた。
評点方式は、期間中の業務達成度や、勤務態度など数項目を決定し、各々に例えば、ある項目は1点から10点の点数を配分し、別の項目には2点から20点の点数を配分するなどして、その点数の合計によってメンバーの評価を決定する方法であった。項目としては、業績達成度や能力、判断力、勤務態度、協調性などがあげられていた。
目標管理制度は、比較的新しい方法で、評点方式の欠点を補うものとして導入されてきた。これは、期初に期間中に達成すべき目標をメンバーが定め、上司と面接の上で決定して、期末に、その目標に対する達成度を上司とメンバーが評価しあい、その達成度によって評価を決定するというものであった。
従来の給与額決定方式は、積み上げ方式が基本になっており、前年の給与額に対して、個人に対して評点をつけて、その数字によって昇給額を決定する。また、俸給表による場合もあるが、この方式は、個人の等級によって給与額を決定するもので、評価によって等級を決定するものであった。この他に年俸制があるが、年俸の決定方法は、前年度の実績を目標管理制度のような仕組みによって評価し、次年度の年俸を決定するもので、目標管理制度の欠点をそのまま持ったものであった。
従来の退職金額の決定は、退職時の給与額と勤務年数を掛け合わせる方式が殆どであるが、この計算式に基づいて退職金の支給が行われていた。
更に、従来の評価方法では、ある期間に目覚しい評価、又は逆に著しく低い評価を得た場合に、その評価がそれ以降の評価期間の評価に影響する場合があった。
上述したように従来の組織体における評価法は、個人や小さなグループ組識の経営への貢献度を明確にすることが困難で、また、上司の恣意的な評価が行われやすいという欠点があった。
また、上述した従来の組織体における評価法では、仕事内容が情報技術化されてきた近年では、仕事の内容自体がブラックボックス化したり、勤務状態も従来のように把握しやすいものから、在宅勤務や裁量労働、フレックスタイムなど把握しにくいものに変化してきているため、ますます適正な評価ができないという欠点があった。
例えば、ある人が朝から晩まで熱心にパソコンのキーボードを叩いていたとする。それだけをとれば、熱心に仕事をしている、というように見受けられるが、実態はどうであろうか。そのとおりの場合もあるかもしれないが、昨日の夜にうっかりしてファイルを壊してしまい、一生懸命に修復しているだけかもしれないし、単に個人的な趣味でメールを楽しんでいるのかもしれない。
評点方式は、評価が点数で示されるため、一見、客観的に見えるが、実際には、例えば業務の達成度を何点と評価するかは、上司の主観によって決められる傾向があった。また、数項目を選び出して評価を行うのであるが、その項目の選択が正しいのか、項目毎の比重が正しいのか、といった点も問題になっていた。
更には、メンバーの人数が多い場合には、上司が、個々のメンバーを十分に把握しておらず、一部の印象で評点を付する面もあり、客観的な評価とは言えないものであった。営利組織においては、利益を上げることが最大の課題であるが、組織体内の個人の評価については、表面的な勤務態度(遅刻が無いとか、上司の命令に従順であるとか)、声が大きいといった側面的な要素が大きく作用する面もあり、その評価方法は旧態依然としていた。
更には、評点が中心に集まりやすく、良く働いているメンバーに十分に報いることが困難であった。例えば、1から5の5段階評価だとした場合、3の評価に大半の人が該当し、1や5に該当する人は殆ど無い、という傾向がある。
目標管理制度は、前述したように、目標を予め定め、その達成度を評価するというもので、評点方式に較べると客観性が高いように見えるが、問題が多い方式であった。
予め定めた目標に対する達成度が評価の大きなポイントとなるため、メンバーからは達成可能な容易な目標が選択されやすくなる。また、その目標が、組織体の目標とどのように合致しているのかが、判然としない場合が多く、達成したことによる利益が明らかでないという面があった。
期末になると、メンバーからは100%や150%といった達成率が報告され、上司はその妥当性について議論することに多くの時間を費やすことになっていた。
つまり、従来の方法では、一見、客観的な評価を装っているものの、内実は主観的な評価であった。数値化された、理解力や判断力、協調性なども、それらの能力が具体的にどのように発揮されて、利益にどのように結びついたのかが、判然としない場合が殆どである。また、前記の何れの方式も、異なる部門に属する個人間で、何れが、より貢献しているか否かに関して明確に評価できないものであった。しかしながら、実力主義でなければ、国際競争に打ち勝っていくことが困難な状況になってきており、客観的な評価を実施することは必須要件となってきている。
この一方で、組織体内のグループに関しては、ある程度の客観性をもった評価方式を採用している組織体が存在する。
それは、グループ毎に会計手法の損益計算書と貸借対照表を作成し、それによって評価を行うというものであった。これは一般に、管理会計と呼ばれるものである。
これは、メンバーの場合に比較すると客観性の高いものであるが、次のような問題点があった。
管理部門と呼ばれるグループにおいては、売上が存在しないため、コストだけが計上され、利益が不明になっていた。また、営業部のように売上が存在する部門でも、管理部門の経費を按分という方式で割り当てられており、その分に関しては経費管理ができないため、経費の内、大きな割合を占める管理部門の間接費のコントロールができなかった。
按分は、床面積とか、メンバー数、売上高などに基づいて定める場合が殆どで、一見、客観的であるが、按分比率を恣意的に定めることも可能であり、更には、用いている按分比率が妥当であるか否かも、極めて主観的であった。
更に、従来の管理会計は、財務会計と同じ勘定科目を使用して、それを、部門等に分割することによって、部門毎の財務諸表を作成していた。この方法では、勘定科目毎に集計が可能になるだけであり、例えば、リース料を取ってみた場合に、補助科目を使用することで、建物や車両、OA機器といった区分は可能になるが、特定の活動にどの分が使用されているかを識別するのは不可能であった。
また、損益計算書や貸借対照表の作成は、事業部といった、比較的大きなグループに対して作成が行われており、従来の組織体での、課や係といった比較的小さなグループに対しては実施されていなかった。
従来の給与額決定方式は、積み上げ方式が基本になっており、前年の給与額に対して、個人に対して評点をつけて、その数字によって昇給額を決定する。また、俸給表による場合もあるが、この方式は、個人の等級によって給与額を決定するもので、評価によって等級を決定するものであった。この方式では、貢献度が低くても給与額が下がることは無く、個人の貢献度にリンクした給与額を決定することが困難であった。
この他に年俸制があるが、年俸の決定方法は、前年度の実績を目標管理制度のような仕組みによって評価し、次年度の年俸を決定するもので、目標管理制度の欠点をそのまま持ったものであった。つまり、目標管理制度での、目標の設定方法、目標達成率の評価方法の困難性を有したもので、結果的に給与額の決定が従来方式と大きく異ならないものであった。
また、従来の退職金額の決定は、退職時の給与額と勤務年数を掛け合わせる方式が殆どあるが、この方式では勤務中の貢献度に応じた支給をすることができなかった。例えば、勤務中に組織体に対して損害を与えるような行為があったとしても、懲戒に当たらない場合には、計算式に基づいて支給が行われていた。
本発明の第1の目的は、組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを客観的に評価する評価方法及び評価システムを提供することにある。
本発明の第2の目的は、組織体の構成員である個人や、一人以上の個人からなるグループに所定の評価方法を適用して評価内容を明確にすることで、評価を客観的に行い、それにより、業務内容を厳選し、利益に結びつく仕事内容を充実させ、組織体の利益を極大化させるとともに、人事考課における評価者と被評価者の評価に対する食い違いを無くし、真の実力主義を実現する評価方法及び評価システムを提供することにある。
本発明の第3の目的は、組織体の構成員である個人や、一人以上の個人からなるグループの内外の活動を会計手法によりデジタル化した数字として表すことにより、組織体内の個人やグループを公正かつ明確に評価することにより、個人の利益と組織体の利益を連動させて、利益拡大への意欲を発現させ、これにより組織体の活性化を図ることができる評価方法及び評価システムを提供することにある。
本発明の第4の目的は、組織体の構成員である個人、一人以上の個人からなるグループの内外の活動を会計手法を用いて評価することにより、投資や支出行為等における個人やグループの権限や責任を明確にすることができ、不要な投資を抑制し投資の適正化を図ることができ、上位者から押し付けられる予算ではなく、担当者が真に可能で必要とするものを適正に予算化することができ、予算に縛られた支出行為ではなく、ダイナミックな事業活動の円滑化が可能な評価方法及び評価システムを提供することにある。
本発明の第5の目的は、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの損益の管理を行う管理システムを提供することにある。
発明の開示
上記第1乃至第4の目的を達成するため、請求項1に係る発明の評価方法は、組織体における内外の活動を売買対象とすることにより当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを、コンピュータを使用して評価する評価方法であって、
当該組織体における内外の活動を売買対象とすることにより数値化し、当該数値をデータベースに格納するステップと、
当該データベースに蓄積された数値に基づいて当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価するステップと
を備えたことを特徴とする。
上記第1乃至第4の目的を達成するため、請求項2に係る発明の評価方法は、組織体における内外の活動を会計手法により当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを、コンピュータを使用して評価する評価方法であって、
当該組織体における内外の活動を会計上の取引とすることにより数値化し、当該数値をデータベースに格納するステップと、
当該データベースに蓄積された数値に基づいて当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価するステップと
を備えたことを特徴とする。
上記第1乃至第4の目的を達成するため、請求項3に係る発明の評価方法は、組織体における内外の活動を会計手法により当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを、コンピュータを使用して評価する評価方法であって、
組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの各々毎に損益計算書データ及び/又は貸借対照表データをデータベース上に保有し、
その損益計算書データ及び/又は貸借対照表データの一方又は両方をもって、個人及び/またはグループの各々の勘定単位とし、組織体内外の活動を売買又は会計上の取引として上記データベース上の勘定単位に反映させるステップと、
個人及び/又はグループの収入及び/又は支出があったときに上記データベース上の前記各々の勘定単位に対して反映させるステップと、
上記各ステップによって計算された、個人及び/又はグループの損益計算書データ及び/又は貸借対照表データを用いて、個人及び/又はグループの評価を行うステップと
を備えたことを特徴とする。
上記第1乃至第4の目的を達成するため、請求項4に係る発明の評価システムは、組織体における内外の活動について会計手法を適用し、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、
前記コンピュータシステムは、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に当該個人及び/又は当該グループを評価する演算処理手段を備えたことを特徴とする。
請求項5に係る発明では、請求項4記載の評価システムにおいて、前記コンピュータシステムにおける演算処理手段は、当該組織体の構成員である個人の活動を数値化した数値が入力されたときに、その入力データを基に当該個人の損益計算及び資産負債計算する計算処理手段と、前記計算処理手段での計算結果が、当該個人が属するグループの損益計算及び資産負債計算、並びに、グループと当該グループが属する上位グループの損益計算及び資産負債計算に相互に関係付けられて計算され、各損益計算、及び資産負債計算を更新する更新処理手段とを備えたことを特徴とする。
請求項6に係る発明では、請求項5記載の評価システムにおいて、前記更新処理手段は、個人及びグループを属性で区別可能にし、グープが階層的に存在する場合には、個人とグループ及び/又はグループとグループの属性付けを変更することにより、上位グループ及び下位グループとの関係を更新できるようにしたことを特徴とする。
上記第1乃至第4の目的を達成するため、請求項7に係る発明の評価システムは、組織体における内外の活動について売買対象とすることにより、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、
前記コンピュータシステムは、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの活動の計算を行い数値化し、その結果を基に当該個人の報酬額を決定することを特徴とする。
上記第1乃至第4の目的を達成するため、請求項8に係る発明の評価システムは、組織体における内外の活動について会計手法を適用し、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、
前記コンピュータシステムは、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に当該個人の報酬額を決定することを特徴とする。
上記第1乃至第4の目的を達成するため、請求項9に係る発明の評価システムは、組織体における内外の活動について売買対象とすることにより、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、
前記コンピュータシステムは、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの活動の計算を行い数値化し、その結果を基に当該個人の退職金額を決定することを特徴とする。
上記第1乃至第4の目的を達成するため、請求項10に係る発明の評価システムは、組織体における内外の活動について会計手法を適用し、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、
前記コンピュータシステムは、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に当該個人の退職金額を決定することを特徴とする。
請求項11に係る発明では、請求項4記載の評価システムにおいて、前記コンピュータシステムは、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループ間の契約関係を論理として保持し、会計手法を適用して処理する際に、その契約関係に基づいて自動的計算を行うことを特徴とする。
上記第1乃至第4の目的を達成するため、請求項12に係る発明の評価システムは、組織体における内外の活動について会計手法を適用し、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、
前記コンピュータシステムは、組織体内部で取り扱いを決定できる内部取引用と、財務会計及び/または税務会計に使用する外部取引用の勘定科目を設定したデータベースと、
前記組織体内外の取引を、内部取引用勘定科目と外部取引用勘定科目に反映させる手段と、
組織体内の個人及び/又はグループの損益計算書及び/又は貸借対照表を計算する手段と、
前記各手段で得られた結果を基に個人及び/又はグループの評価を行う手段と
を備えたことを特徴とする。
上記第5の目的を達成するため、請求項13に係る発明の損益管理システムは、前記請求項4乃至12記載のいずれか一つの評価システムを用いて当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの損益の管理を行うことを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態について必要に応じて図面も参照して説明する。
本発明の評価方法及び評価システム並びに損益管理システムには、損益計算書(以下、「PL」ということもある)・貸借対照表(以下、「BS」ということもある)を用いたものと、損益計算書・貸借対照表を使用しないポイント制を用いたものの2つがある。
[損益計算書、貸借対照表を用いた評価方法及び評価システム]
まず、損益計算書、貸借対照表を用いた評価方法及び評価システムに関して説明する。
ここで、本明細書において、「損益計算書」及び「貸借対照表」には、計算結果や集計結果をデータベース化したり、紙に出力したものだけではなく、その計算や集計の元になる仕訳データ及び科目残高データの集合も含まれる。
本発明における売買とは、有体・無体財産権の取引のみならず、有価証券、役務、情報等の取引や、請負を含む。
本発明に係る損益計算書・貸借対照表を用いた評価方法は、組織体の構成員である個人、若しくは当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループ、又は前記個人及び前記グループ、の内外の活動について会計手法を適用し、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に評価する方法である。
この方法は、次の事項を必要に応じてコンピュータシステムで処理させることにより達成される。
第1に、前記個人若しくは前記グループ又は前記個人及び前記グループの内外の活動を会計上の取引又は売買対象とする。
第2に、前記対象となった活動の全部又は一部について、これを数値化する。
第3に、当該数値化された結果を基に損益計算及び資産負債計算をする。
第4に、損益計算及び資産負債計算をした結果に基づいて個人若しくはグループ又は個人及びグループを評価する。
第5に、必要に応じてキャッシュフロー計算を行う。
このような組織体内の個人若しくはグループ又は個人及びグループの評価方法は、次の第1図に示すコンピュータシステムで実現することができる。
コンピュータシステム1は、本発明の評価方法を実現させるサーバー2と、このサーバー2に接続されるデータベース3と、通信回線4を介して接続されるパーソナルコンピュータ(パソコン)5とからなる。
前記サーバー2は、オペレーティングシステム(OS)2aと、アプリケーションプログラム2bと、OS2a及びアプリケーションプログラム2bを実行する中央演算処理装置(CPU)2cと、アプリケーションプログラム2bの制御下にデータベース3にアクセスするデータベース制御機構2dと、パソコン5との間で通信を行なう通信機構2eとを備えている。
このようなコンピュータシステム1によって、組織体内外の活動について会計手法を適用し、その会計手法で数値化した結果を基に当該組織体内の計算を行うことにより組織体内の評価システムを構築する。
ここで、前記コンピュータシステム1のサーバー2は、当該組織体内の個人、グループ、個人及びグループの内外の活動を会計上の取引として、数値化し、当該数値をデータベース3に格納するステップと、当該データベース3に蓄積された当該損益計算、資産負債計算の結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価するステップとを実行する演算処理手段6を備えたものである。
組織体の個人及び/又はグループの内外での活動があったときに、その活動を、コンピュータシステム1のパソコン5から通信回線4を介してサーバー2に入力し、あるいは、サーバー2に直接入力する。コンピュータシステム1のサーバー2の演算処理手段6は、活動毎の会計上の数値を基に、損益、資産負債計算する。このようにコンピュータシステム1により得た具体的な損益、資産負債の数値によって、組織体内の個人、グループの総合評価が客観的に可能になる。
ここにおいて、「組織体における内外の活動」とは、組織体の事業に伴って発生する、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの行為全体を言う。組織体外の活動としては、通常は、商取引としての活動が含まれる。また、組織体内の活動としては、事業活動に伴って必要となる労働の他、交通費や家賃、光熱費、減価償却費、利息、会議費や交際費などの経費一切が含まれる。
本発明において「組織体」とは、一定の目標があり、組織体の構成員である個人又は一人以上の個人からなるグループの集合体をいう。例えば、商法上の法人である株式会社、有限会社などや、商法以外の法律で規定されている営利法人や非営利法人、地方公共団体などもこれらに該当する。当該組織体を構成する個人を、本明細書では「メンバー」と称することもある。また一人以上のメンバーがグループを構成するものとする。
本発明において「グループ」は、企業等の組織体内において、その大小を問わないし、単数でも複数でもよく、階層構造の組織体では上位、下位でもよい。さらに企業におけるチーム、斑、係、課、部、事業部、事業本部、プロジェクト等もその名称の如何を問わず、ここで言うグループに含まれる。また、グループが複数集まって、さらに大きなグループを形成したものでもよい。
本発明において、組織体やグループは、現状の会社組織と大きく異なる点があるが、会社組織を念頭におくと考え易い。組織体は独立会社に対比させることができる。組織体の集合は持ち株会社や連結決算対象企業に対比させることができる。組織体内の複数階層は、事業部や部、課などに対比させることができるが、本発明ではそのような特定の形態を意識しておらず、特に組織内の階層は深くない方が好ましい。
具体的な組織体の例について、第2図、第3図を参照して説明する。
第2図及び第3図は本発明の実施の形態に係る組織体評価システムが適用される組織体の例を説明するための図である。
第2図及び第3図において、第1の組織体K1、第2の組織体K2、…、第nの組織体Knが集合することにより組織体集合Kが構成される。第1の組織体K1には、シニアグループAと、シニアグループBと、シニアグループCとから構成されいてる。第2の組織体K2、…、第nの組織体Knについては説明を省略する。シニアグループAは、グループA1、グループA2から構成されている。シニアグループBは説明を省略する。シニアグループCは グループC1、グループC2から構成されている。
シニアグループAにはグループAのシニアリーダーsaが個人としている。また、グループA1にはグループリーダa1が存在する。また、グループA1には、グループのメンバーa11、a12、a13が個人として存在する。
シニアグループCにはシニアリーダーscが個人としている。また、グループC1にはグループリーダc1が存在する。また、グループC1には、グループのメンバーc11、c12、c13、c14が個人として存在する。
なお、第3図では、グループA1に所属していたメンバーa13がグループC1のメンバーとなった状態を表している。
第4図は、本発明の実施の形態に係る組織体評価システムに使用されるコンピュータシステムの例を示すブロック図である。第5図〜第8図は、本発明の実施の形態に係る組織体評価システムに使用されるコンピュータシステムにおけるデータベースの説明図である。
ここで、第5A図ないし第5C図は、本発明の実施の形態に係る評価システムで処理される仕訳処理であって、あるグループのメンバーが他のグループのメンバーに仕事を依頼したときの各メンバー、グループ及び組織体の仕訳処理を説明するための図である。第6図は、本発明の実施の形態に係る評価システムで処理される仕訳処理を説明するための図である。第7A図及び第7B図は本発明の実施の形態に係る評価システムで処理される仕訳処理を説明するための図である。第8図は、本発明の実施の形態に係る評価システムの内部で実行される仕訳処理を説明するための図である。
この第4図において、この組織体評価システムに使用されるコンピュータシステム11は、大別すると、主サーバー13と、コンピュータ15、15、…とから構成されている。
主サーバー13は、個人毎(シニアリーダsa、sc、グループリーダa1、c1、メンバーa11、a12、a13、c11、c12、c13、c14)、個人が属するグループ毎(グループA1、A2、グループC1、C2)、更に上位のグループ毎(シニアグループA、B、C、組織体K1、K2、…、Kn)、及び組織体集合Kに対応して個人及びグループの損益計算書及び貸借対照表をデータベース30に備えており、会計上の取引を損益計算書及び貸借対照表に反映させるための演算手段を備えている。
また、コンピュータ15、15、…は、個人(シニアリーダsa、sc、グループリーダa1、c1、メンバーa11、a12、a13、c11、c12、c13、c14)、個人が属するグループ(グループA1、A2、グループC1、C2)や、さらに上位のグループ(シニアグループA、B、C、組織体K1、K2、…、Kn)、組織体集合Kに配置されている。
さらに説明すると、各コンピュータ15、15、…は、ローカルネットワーク(LAN)17を介して主サーバー13に接続されている。また、コンピュータ15、15、…のうち社内の離れた位置にあるコンピュータ15は、無線LAN17aで主サーバー13に接続されるものもある。また、社外にあるコンピュータ15は、公衆回線やインターネット19、通信装置21、LAN17を介して主サーバー13に接続されるものもある。また、社外や社内にあるコンピュータ15でも、携帯電話(あるいはPHS)回線23、公衆回線やインターネット19、通信装置21、LAN17を介して主サーバー13に接続されるものもある。
これらコンピュータ15、15、…は、個人(シニアリーダsa、sc、グループリーダa1、c1、メンバーa11、a12、a13、c11、c12、c13、c14)間、個人が属するグループ(グループA1、A2、グループC1、C2)間、更に上位のグループ(シニアグループA、B、C、組織体K1、K2、…、Kn)間、あるいはこれらの組み合わせの間の取引を、主サーバー13に入力する装置である。
主サーバー13は、データベース30を有している。前記データベース30には、第8図に示すように、個人(シニアリーダsa、sc、グループリーダa1、c1、メンバーa11、a12、a13、c11、c12、c13、c14)毎の損益計算書及び貸借対照表311、312、…、31j(jは任意の整数)と、個人が属するグループ(グループA1、A2、グループC1、C2)毎の損益計算書及び貸借対照表321、322、…、32k(kは任意の整数)、更に上位のグループ(シニアグループA、B、C、組織体K1、K2、…、Kn)毎の損益計算書及び貸借対照表331、332、…、33m(mは任意の整数)と、組織体集合(全体)Kに対応する損益計算書及び貸借対照表34とを記憶格納している。主サーバー13は、各コンピュータ15、15、…からの取引に関する入力データを前記各損益計算書及び貸借対照表311、312、…、31j、321、322、…、32k、331、332、…、33m(mは任意の整数)、及び34に反映するようになっている。また、主サーバー13は、組織体内の行動を費用化、数値化するために、経理システムと連動した受発注決済システムを備えている。
次に、上記コンピュータシステム11により実現される個人/組織の最小単位を評価単位とするシステムの他の構成要素を説明する。
まず、組織体集合Kの内外の活動は全てを会計上の取引又は売買の対象とすることが好ましいが、例外を設けて一部を除外することは可能である。
例えば、外部や内部の監査、税務当局による調査への対応などは、売買とせず、義務とすることで、活動がスムーズに行われることが期待される。
社外の活動は従来から会計上の取引又は売買として行われているが、社内の活動は会計上の取引や売買とはされていなかった。
社内活動を売買の対象とすると、当然、それに伴う売買事務が必要になるが、これは、従来でも、何かの依頼をする場合には伝票を作成するなどしていたものを、上記コンピュータシステム11の上でお互いに発注受注という形でデータをやりとりする形態にすることになる。通常はその時点で、社内的に売買や入出金が上述したコンピュータシステム11の上で行われるようにすることで、特に実務上の負担を重くすること無く実施することが可能である。社内での売買の場合、実際の資金移動は不要であり、コンピュータシステム11上で資金移動が為されたという処理を実施するのみでよい。
また、コンピュータシステム11では、第2図〜第3図、第5図〜第8図に示すように、個人 (シニアリーダーsa、sc、メンバーa11、a12、a13、メンバーc11、c12、c13、c14)や、1人以上のグループ(グループA1、A2、グループC1、C2等)を、損益計算及び資産負債の単位とし、それらについて損益計算書及び貸借対照表311、312、…、31j、損益計算書及び貸借対照表321、322、…、32k、損益計算書及び貸借対照表331、332、…、33mを作成しておき、これらを基にして、最少のグループより大きなグループ(シニアグループA、B、C)や組織体全体(組織体集合K)の計算が自動的に行える手段を設けている。
すなわち、前記コンピュータシステム11の主サーバー13は、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に当該個人及び/又は当該グループを評価する演算処理手段を備えている。
ここで、前記コンピュータシステム11の主サーバー13で実現されている演算処理手段は、当該組織体の構成員である個人の活動を数値化した数値が入力されたときに、その入力データを基に当該個人の損益計算及び資産負債計算する計算処理手段と、前記計算処理手段での計算結果が、当該個人が属するグループの損益計算及び資産負債計算、並びに、グループと当該グループが属する上位グループの損益計算及び資産負債計算に相互に関係付けられて計算され、各損益計算、及び資産負債計算を更新する更新処理手段とを備えている。
また、前記更新処理手段は、個人及びグループを属性で区別可能にし、グループが階層的に存在する場合には、個人とグループ及び/又はグループとグループの属性付けを変更することにより、上位グループ及び下位グループとの関係を更新できるように構成されている。このように構成される評価システムは以下の具体的な説明によって実現されることになる。
なお、コンピュータシステム11のサーバー13には、各活動に対して数値化するための換算手段も備えており、この換算手段によって、損益計算書と貸借対照表を使用せずに、簡易的にポイントなどにより計算できるようにしてもよい。
なお、上述した実施の形態では、既に説明したように、損益計算及び資産負債把握の単位を個人とするとともにグループとしたが、これは、全社的に一律に定める必要はなく、ある個人は個人単位で、また、別の個人はグループに属して個人としては損益計算及び資産負債把握を行わない、と定めることも可能である。
次に、活動を会計上の取引又は売買化する例として、スーパーなどのレジに適用する場合の例を示す。
レジのメンバーが売上を行う。売上は全額レジのメンバーの売上となることが好ましい。この場合、仕入は仕入担当が行う。レジのメンバーの仕入率は、例えば売価の93%などと定める。また、レジのメンバーの貸借対照表(BS)、損益計算書(PL)の資金が十分でなく、仕入とするのに困難が生じるのが一般的であろうし、売れ残りに対するリスクをどうするか、といった問題も出てくる。例えば、以下のようにする事ができる。委託仕入と同様の方法とし、売上時に仕入れる方法とすれば、多額の資金は不要となる。売れ残りに対するリスクを仕入れグループが負うか、レジグループが負うかでお互いの間の仕入率を変えるのが妥当である。
ある場合には、レジグループはレジメンバーの人件費相当程度の利益が上がるように、仕入額を低く設定することもできる。別の場合には、レジスターや家賃などレジグループで必要な経費を負担するように設定することもできる。更には、仕入れとレジを統合したグループ構成や、売れ残りリスクをレジグループが負うように設定することも可能である。
ある製品を販売する場合に、製造と販売とで意見が食い違うようなケースもあり得る。例えば、製造では、「この製品は画期的で大量に10万個以上売れる」、と考えていても、販売では、「これは、せいぜい1万個程度だ」などという場合である。その反対の場合もあるだろう。従来の方式では、販売側に押しつけて、売れなくともいい場合に販売の責任であると言ってみたり、あるいは製造の企画の問題だと言ってみたりして、責任がともすれば有耶無耶になりがちである。
本発明の方法では、このような場合には、お互いに協議して責任分界点を決定することから始める。販売側は1万個と考えているのであるから、1万個までは販売の責任とし、それ以上は製造の責任とするのである。また、責任を持つからには各々の取り分は自ずと変わってくるのが自然である。1万個までは、仕切掛け率を60%にし、1万個を超えた分は80%として製造の取り分を多くする。その代わり、売れ残りが出て損失となれば、1万個までは販売の責任、それ以上は製造の責任で処理を行う。
本ケースは極端な場合であるが、本発明の方法を適用すれば、お互いにリスクが大きくなるために、お互いが納得できる結論に到達し易くなる。旧来の方式では、お互いのリスクが不明瞭であったために、合理的な意思決定が行われない結果となることが少なく無かった。
また、取引が契約となるので、お互いの責任が明確になる。
また、こうようにリスクが明確になると、販売計画が縮小傾向に向かうのではないか、という懸念が生じるが、縮小傾向になった場合には、当事者の売上や利益が縮小する事になるから、積極策も必要になってくる。また、お互いの立場で売上や利益を拡大する方法を真剣に検討せざるを得なくなる。販売は顧客ニーズを的確に掴み、製造は新しい生産方式を研究してコストダウンを行うなどである。
活動とは、できるだけ具体的で詳細なレベルのものが好ましいが、メンバーに対しては、個別作業を対象とし、リーダーに対しては、例えばシステム開発プロジェクトといった、ある程度の規模のあるもの、というように分けて適用することが好ましい。また、後述するように、職種により、スーパーのレジでの精算業務や、財務グループにおける、与信チェックと対外債権の買取など、と定めることも可能である。
上述したコンピュータシステム11で実現した組織体内評価システムの作用について説明する。
[個人を単位とした場合の例]
まず、個人が損益計算及び資産負債把握の単位であるとした場合を記述する。組織体内の活動も全て、売買として捉えることにより、本実施例が成立するが、例外的に一部の活動を売買の対象としないように定めても、本実施例の効果は妨げられない。
上述したように本実施の形態では、第8図の損益計算書及び貸借対照表311、312、…、31jは、第2図及び第3図に示すように、個人(シニアリーダsa、sc、グループリーダa1、c1、メンバーa11、a12、a13、c11、c12、c13、c14)という最少単位のすべてに対して用意されている。さらに、本実施の形態では、その上位のグループ(グループA1、A2、グループC1、C2)に対して第8図の損益計算書及び貸借対照表321、322、…、32kを設け、さらに上位のグループ(シニアグループA、B、C、第1の組織体K1、第2の組織体K2、…、第nの組織体Kn)に対して損益計算書及び貸借対照表331、332、…、33mを設けるといった具合にすべての計算単位の分だけ作成されている。
個人やグループに関する呼称を統一するために、第1の組織体K1、第2の組織体K2、…、第nの組織体Knをレベル1とし、その下のグループ(グループA、B、C)をレベル2、さらににその下のグループ(グループA1、A2、グループC1、C2)をレベル3、とし、最終が個人になるようにレベルnまで設定する。何階層設定しても本発明の効果を期待することはできるが、本発明の効果を最大限に発揮するためには、階層はできるだけ少ない方が好ましい。
組織体の内部でグループを設定する場合には、グループ全てに対して、同じレベルの階層を設定する必要は無く、階層の数が異なっても、もちろん何ら問題は無い。
また、第8図に示すように、個人の損益計算書及び貸借対照表311、312、…、31jは、社員番号などをキーとしてユニークに識別される。また、グループ毎の損益計算書や貸借対照表も同様に、ユニークに識別されるようにしてある。
次に、実際の計算例を以下に説明するが、その前に、社内発注システムについて説明する。この発注システムは、コンピュータシステム11により提供される。このコンピュータシステム11による発注システムは、定型的な注文用画面を用意してあり、各コンピュータ15、15、…に当該注文用画面が表示できるようになっている。この注文画面は、発注元、あて先、注文内容、金額、納期、依頼事項等の必要な情報を入力できるようになっている。あるコンピュータ15で当該注文画面に入力すると、主サーバー13は、当該注文画面のあて先を基に当該あて先のコンピュータ15に注文内容等の情報を転送できるようになっている。
まず、この組織体におけるグループC1のメンバーc11がグループAのメンバーa11に、パソコンソフトのインストールを注文する場合を例にとって説明する。このときに、第2図に示す組織体評価システムの内部で実行される仕訳処理について第5図〜第7図を参照して説明する。
まず、メンバーc11は社内のコンピュータシステム11を使用して、インストール作業を請け負っているメンバーやグループを探し出す。複数あった場合には比較検討し、グループA1のメンバーa11に決めたとする。次に、社内受発注システムを用いて、メンバーc11はコンピュータ15を介してメンバーa11のコンピュータ15に注文を転送する。発注システムは、指定された宛先に対して、注文内容等のメッセージを送信する。メンバーa11は、コンピュータ15によりメッセージを受信し、「諾否」の返信をコンピュータ15により行う。この場合は「諾」の場合とする。
「諾」がメンバーc11のコンピュータ15に返信された時点で、両者の契約は成立することになる。メンバーa11によるインストール作業が完了したら、先程の社内受発注システムを用いて、メンバーa11はコンピュータ15により完了報告をメンバーc11のコンピュータ15に送信する。メンバーc11は、コンピュータ15により完了報告を受けると、内容を確認して、問題なければ了解をコンピュータ15に入力すると、支払いが行われる。この際に、メンバーa11の損益計算書及び貸借対照表311に支払いが行われたことの通知がメンバーa11のコンピュータ15に転送されるようになっていることが好ましい。
ここで、主サーバー13の演算処理手段は、パソコンソフトの代金が20,000円、インストール費が10,000円であったとすると、メンバーa11としては10,000円の利益が発生することになる(第5A図参照)。
評価を行おうとするメンバー個々は、データベース上に損益計算書と貸借対照表を保持する。そして、メンバー個々は組織体内における会計上の人格とし、活動に伴う会計上の取引を、メンバーの損益計算書と貸借対照表を通じて行う。
活動に伴う会計上の取引の仕訳は、個人のメンバーID、所属するグループID、活動ID、などの情報を含む。組織体内部の取引は、メンバー個々の損益計算書、貸借対照表を個々の勘定単位とし、この勘定単位を通して取引を行う。すなわち、売上はメンバーの売上になり、費用はメンバーの費用となる。また、グループ毎に損益計算書、貸借対照表を保持し、グループに対して、組織体内における会計上の人格としてもよい。
[仕訳の具体的な方法]
ここで、上記の会計上の取引が、実際にどのように損益計算書と貸借対照表に反映されるかを、第5A図〜第5C図を用いて説明する。この第5A図〜第5C図の上では、科目毎の増減が明確に分かるように、+(プラス)、−(マイナス)の記号を使用して、増減した数字を表現しているが、実際のBS、PLでは特別な場合を除き、マイナスの数字が表記されることはなく、前残高から減少分を差し引いた残高が正の数字として記入される。なお、これら処理は主サーバー13の演算処理手段によって処理されることになる。
まず、使用する勘定科目に関して簡単に説明を行う。
外部との取引は、外部××という勘定科目を使用する。内部的な取引には内部××という勘定科目を使用する。内部取引には、内部取引用の勘定科目と必要に応じて外部取引用の勘定科目を使用する。このように勘定科目を設定することにより、組織体内の取引に伴う仕訳は、最終的にすべて振り替えによって相殺され、外部取引科目に対応する数字が残る仕組になっている。
外部取引用の勘定科目は、財務会計、税務会計といった、従来からある会計手法に対応した勘定科目を設定し使用する。
一方で内部取引用の勘定科目は、内部取引のために使用するのもので、組織体毎に自由に定めてよいが、外部用との整合性をとることが好ましい。
また、必要に応じて、内部用、外部用勘定科目の他に、第3、第4の勘定科目グループを定めても良い。
内部用と外部用の勘定科目は、勘定科目の先頭に内部用と外部用を識別するコードを付加し、勘定科目としては、内部用と外部用に同じものを使用することが、コンピュータ処理上、好ましい。
図面では以下の勘定科目を使用している。
外部費用:組織体外部から購入するもので費用処理されるもの
外部現金:組織体外との取引によって発生する現金
外部仕入高:組織体外との取引を伴うもの
内部売上高:組織体内部の売上
内部現金:組織体内での取引に伴って決済するための現金
内部剰余金:組織体内での取引に伴って発生する利益
以下の仕訳処理は主サーバー13の演算処理手段によって実行される。
a11の仕訳では、借方に外部仕入高20000円が計上され、貸方には内部現金として20000円が計上される(第5A図(1)参照)。これはソフトを現金で購入したことに伴い発生する。その後、インストール作業が完了すると、内部での売上が計上されるため、借方に内部現金30000円、貸方に内部売上30000円が計上される(第5A図(1)参照)。a11のPLでは、内部売上高が30000円、外部仕入高が20000円、内部利益が10000円、各々増加する(第5A図(2)参照)。
BSでは、上記の仕訳を受けて、a11の資産としては内部現金が10000円増加し、これに伴って、内部剰余金が10000円増加する(第5A図(3)参照)。これは、グループA1も同様であり(第5B図(10)〜(12)参照)、また、グループAも同様になる(第5C図(13)〜(15)参照)。
組織体としては、外部仕入高を外部費用に振り替えている。これは、そのインストールされたソフトが組織体内で利用され、外部に販売されることがない、ことを前提としている(第5B図(7)参照)。組織体のPLは、売上高の増減は無いのでブランクとしてある。外部費用が20000円増加し、外部損益は20000円の減少となっている(第5B図(8)参照)。組織体の貸借対照表は外部現金が20000円減少し、それに伴って外部利益が20000円減少する(第5B図(9)参照)。
組織体のBSは、外部現金が20000円減少し、それに伴って、外部剰余金が20000円減少する(第5B図(9)参照)。
また、メンバーc11の仕訳は、借方に内部費用30000円、貸方に内部現金30000円が計上される(第5A図(4)参照)。c11のPLでは上記の仕訳を受けて、内部費用が30000円増加し、内部利益が30000円減少している(第5A図(5)参照)。c11のBS上では資産から内部現金が30000円減少し、資本勘定から内部利益が30000円減少する(第5A図(6)参照)。
グループC1も同様の数字となり(第5C図(16)〜(18)参照)、かつ、グループCも同様の数字となる(第5C図(19)〜(21)参照)。
この事例では現金で購入した場合を想定しているが、外部買掛金として計上することも可能である。外部買掛金とする場合には、購入しようとする該メンバーにその分の資産があることをチェックすることが好ましい。現金の場合は、現金がないと購入できないが、買掛の場合は現金が無くとも、自己の持っている資産の枠を超えて購買が行われてしまうからである。このようなチェック機能を取り入れることにより、無謀な購買のチェックが可能となる。
また、買掛金の支払いを例えば財務グループに依頼する場合、一定の手数料を支払うようにし、その費用が財務グループの売上となるような仕組が好ましい。
主サーバー13の演算処理手段は、予め用意してある、発注者、受注者の個人別、及びその各々が属するグループ別の損益計算書と貸借対照表の更新を同時に行う。まず、主サーバー13の演算処理手段は、対象となる損益計算書と貸借対照表を探し出す。また、主サーバー13の処理手段は、個人の損益計算書及び貸借対照表311を探し出し、その個人が属するグループA1の損益計算書と貸借対照表321を探す。さらに、主サーバー13の処理手段は、そのグループA1が属している上位のグループK1を探し、組織体K1と、ある場合には組織体集合Kまでの損益計算書と貸借対照表331、損益計算書及び貸借対照表34を探し出す。それらを、主サーバー13の処理手段は、すぐにアクセスできる状態にしておき、受注者a11の売上を立てると同時に受注者a11が属しているグループA1の売上を立てる。この場合に注意が必要なのは、社内売買であるために、グループをまたがっている場合にはお互いの売買高として計上できるが、グループ内の売買の場合には売買高として計上できない点である。これは従来でも、社内売買という形態をとっていた場合に採用していた手法であり、特に目新しいものではない。決済は、お互いの損益計算書と貸借対照表の更新をすることによって行い、現金を実際に振り込むなどの行為は不要である。
主サーバー13の演算処理手段は、個人の損益計算書及び貸借対照表311、・・・を更新すると同時に、受注者a11が属しているグループA1やその上位のグループ(シニアグループA、組織体K1)、組織体集合Kまですべての更新を行う。ただし、前項で述べたように、売買に計上しない(実際には計上した後、控除する)部分があるということである。これは、グループ内での売買の場合は、当事者同士の個人売買にはなるが、グループとしての売上、利益にはならないからである。これは、現状でも社内売買システムを採用しているケースと同様である。同様にグループ間の売買も、それはグループの売上(購入)、利益(仕入)にはなるが、組織体の売上、利益としては計上されない。
発注者は、受注者の場合と同様にサービスの購入として経費支出を計上し、上位グループの更新を同時に行う。
また、活動の完了時に、発注者が活動内容に関して、納期、品質を確認し、最終的に売上金額を確定することが好ましい。
上記の例では、メンバーとグループの損益計算書と貸借対照表を、仕訳が発生する都度、更新する方式を示したが、仕訳にメンバーのコード(メンバーID)を振っておき、仕訳をそのままデータとして保存しておき、必要な都度、メンバーやグループの仕訳を集めて損益計算書を計算する方法も可能である。損益計算書は、定められた決算期間毎に、科目の数字がゼロからスタートするため、この期間に対して発生した仕訳を集めて計算することで数字が求められる。一方、貸借対照表は決算期間をまたがって、数値が継続するため、繰越残高が必要になるので、繰越残高を保有するレコードを作成し、それと個別の仕訳から計算する。この方式は、合計を求める都度、計算が必要になるためレスポンスが低下する可能性があるが、一方で、メンバーとグループの関係を変更する際に、損益計算書と貸借対照表を変更する必要がないというメリットがある。
貸借対照表に関して注意しなければならないのは、グループの中に複数の活動が存在する場合に、グループ毎と活動毎のBSを作成することは可能であるが、それは、組織体全体としてみると、重複した数字になるため、重複しないように加算する必要があることである。
活動毎の識別コード(活動ID)を仕訳に付与して、仕訳を活動別に区分できるようにすることが好ましい。こうすることにより、活動毎の数値の把握が明細レベルで可能となる。また、活動IDは階層を持たせても良い。例えば、システム開発プロジェクトを一つの大活動IDとし、システム設計やプログラム開発といった区分を中活動IDとし、更に、個別のプログラム開発を小活動IDとする、といったようにする方法であってもよい。
[グループへの発注の方法]
この例では、メンバーc11からメンバーa11へ発注する場合の事例を示したが、実際には、メンバーc11からグループA1へ発注するのが現実的である。このような場合、メンバーc11からグループA1に対して発注する。グループA1ではメンバーの適性やその時点でメンバーが持っている仕事量などを勘案して、適当なメンバーに仕事を実施させる。グループA1内では、ソフトインストールを他グループからは1件30,000円で受注し、メンバーa11には1件27,000円で発注する。差額の3,000円はグループリーダーa1の収益となる。グループリーダーa1はメンバーa11、a12、a13からみるとコストになる。しかしながら、現実の組織体で管理職が果たしている役割には少なくないものがあるのと同様に、グループリーダーa1もコストとしての面だけではない。
また、このような内容を、契約としてシステムに登録しておくことにより、自動的に受注額の10%をグループリーダーに割り振ることが可能である。
上記の例ではグループリーダーがメンバーから一定割合の売上を得る方法を示したが、グループリーダーが仕事を受注し、メンバーに割り振る方法とすることも可能である。しかしながら、この場合には、恣意的な扱いが生じる可能性を否定できないため、この方式の採用には注意が必要である。また、グループ内でも、上記の公募方式を採用することは可能である。
また、グループ内の仕事のアサイン(割り当て、割り振り)を、上記と同様に公募方式にすることが可能である。グループ内のメンバーに対して、仕事の内容、条件を公開して、応募を待つのである。これには、オークションに似た仕組みとすることも可能である。
このように、グループリーダーを規定すると、単なるコストになりかねないが、
[グループリーダの役割]
グループリーダーの役割としては、
1.ビジネスモデルを構築すること。儲かる仕組み。
2.仕事の数値化を行うこと
3.メンバーのサポートをすること
4.メンバーの能力向上の援助をすること
5.メンバーの能力向上の指針を出すこと
という、従来にない大きな役割が必要になる。
上記の例は、比較的、固定したグループと仕事内容に対応したものであるが、非定形の仕事に対しては、以下のような形態が考えられる。
一つは、グループリーダーや仕事を求めている個人又はグループが仕事を公開し、仕事を行うメンバー又はグループを募るものである。この形態で有効なのは、イントラネットであろう。仕事に対する求職を公募し、入札方式で決定するのである。この場合には、納期を定めることが好ましい。また、納期遅延に対するペナルティを定めることが好ましい。そうしないと、売上を確保するために、自己の能力以上に仕事を受注する可能性が生ずるからである。
発注者による指名で仕事のアサインを行うことは、実力主義を徹底する上で好ましい。一方、仕事の内容が単純で、メンバーの代替性が高い場合には、時給での報酬を選択することも可能である。
グループリーダーの役割の一つは、ビジネスモデルの構築である。どのようなモデルを構築して、収益を拡大し、グループの利潤、メンバーやグループリーダーの利潤を最大化するかを考える。従来型の組織でこのようにすると、場合によっては、メンバーの利潤を極小化することによって、グループリーダーの利潤を極大化する懸念があるが、メンバーの異動が自由で、グループの設立も自由であれば、そのような方法で行うのは不可能となる。
メンバーa11がソフトインストールを受注した場合、従来型では、ソフトの仕入はグループの費用で行っていたが、本発明では、メンバーa11の勘定で仕入を行い、売上も立てる。この場合、ソフト費用が安ければ、メンバーa11の利益は拡大するので、安い方法を見付ける努力が自然に行われる。従来型では、仕入はグループの経費であり、もっといえば、組織体の経費(年度初めに予算として付けられる)であるので、努力が無いわけではないが、十分な努力をしなくても仕事は遂行されてきた。
[メンバーとグループ、グループと上位グループの損益計算書と貸借対照法の更新の連携]
次に、メンバーとグループ、グループと上位グループの損益計算書と貸借対照表の更新がどのように連携されて行われるか、に関して説明する。第2図に組織体の概念を示す。メンバーa11はグループA1に属している。メンバーa11とメンバーc11の損益計算書と貸借対照表は第5A図に示すように変化する。ここでは、増減を表示するためマイナス(−)の数字を記載しているが、実際には残高から減った残余の正の数字が記載される。メンバーa11の属している、グループA1とシニアグループAの損益計算書と貸借対照表は、メンバーa11のものと同じように変化する。これは、メンバーとグループ、グループとシニアグループ、シニアグループと組織体との関係を、インデックスによって関係付けているからである。第6図に示すようにメンバー、グループ、シニアグループの関係付けを行う構成レコードと、メンバー、グループ、シニアグループ各々のレコードの例を示す。
メンバーa11のレコードは、第6図(1)に示すように、主キー(メンバーコードなどメンバーを特定するキー)、グループID、損益計算書、貸借対照表の4つの項目から成り立っている。損益計算書と貸借対照表は、計算結果を保持する形態として図示してある。
メンバーのレコードと、グループ、シニアグループのレコードは同一の形式である(第6図(2)、(4)参照)。
このレコードは実際のシステム開発に当たっては、更に科目ごとにフィールドが分割されるのが一般的であろうし、月毎に何年分かを保持するようにすることも可能であり、レコードを分割して保持する場合もあるが、ここでは、その内容を詳述するのが目的ではないため簡略化して説明する。主キーは、第6図(3)に示すように、通常、メンバーの社員番号など、そのメンバーを特定するユニークなキー(メンバーID)を使用する。グループIDは、メンバーa11が所属するグループを示しており、この場合はA1となる。グループA1のレコードも、メンバーのレコードと同じ形式になっている。ここで主キーは、第6図(5)に示すように、メンバーIDではなく、グループIDとなる。この場合はグループA1となる。グループA1の構成レコードは、グループのメンバーを識別するために作成される。最初のレコードがグループリーダーとしてあるが、特定のフラグ等により識別する方式をとることも可能である。シニアグループのレコードも同様である。
ここでは、メンバーa11が販売者で、メンバーc11が購入者である場合を例にして説明しているが、メンバーa11の属しているグループA1とシニアグループAは、メンバーc11の属しているグループC1とシニアグループCとは異なっており、組織体1のレベルで同一の組織体に所属していることが分かる(第6図(6)参照)。
主サーバー13の演算処理手段による損益計算書、貸借対照表の更新は以下のように行う。メンバーa11のレコードを読み出し、そのレコードの損益計算書と貸借対照表に対して、必要な科目の更新を行う。次にレコード中にあるグループIDによって、メンバーa11が属するグループがグループA1であることが分かり、グループA1のレコードを読み出す。そして、メンバーa11の更新と同様にグループA1の損益計算書と貸借対照表の必要科目を更新する。次に、グループA1のレコード中のシニアグループIDによって、グループA1のシニアグループがシニアグループAであることが分かる。前記と同様に、シニアグループAの損益計算書と貸借対照表の必要科目の更新を行う。次に同様に組織体K1の更新を行う。メンバーc11、グループC1、シニアグループC、組織体K1の更新も同様に行う。この場合は、組織体K1の更新をメンバーa11側からと、メンバーc11側からの2回実施しているが、社内取引分に関しては相殺されるため、以下のような方法も可能である。
組織体K1は、メンバーa11のレコードを読み、そこに書かれているグループIDを基にシニアグループAのレコードを読み、更に組織体K1を読むことと、メンバーc11のレコード、グループC1のレコード、シニアグループCのレコードを読むことにより、組織体レベルでぶつかる事がわかる。この場合は、メンバーa11のレコードが更新されると、次にグループA1のレコードの更新が行われ、更にシニアグループAのレコードの更新が行われる。同様に、メンバーc11、グループC1、シニアグループCの各レコードの更新が行われる。メンバーa11とメンバーc11は、組織体K1のメンバーであり、社内取引であるので、組織体K1のレコードに関しては、社内取引分の更新は行われず、社外取引である仕入れと現金の社外流出分に関しての更新が主サーバー13の演算処理手段により行われる。
上記の説明では、メンバーとグループ、シニアグループ、組織体の各レコードの更新を説明するために、グループリーダーが関与する分に関しては省略したが、例えば、メンバーから売上の一定割合を、グループリーダーに付け替えるといった処理が含まれる。
[メンバーとグループ、グループと上位グループの損益計算書と貸借対照表の更新の連携(変形例)]
上記の例では、グループやシニアグループが各々の損益計算書と貸借対照表を持つ例を示したが、グループやシニアグループでは各々の損益計算書と貸借対照表を持たず、メンバーの損益計算書と貸借対照表のみを保持して、該当するメンバーの損益計算書と貸借対照表を足すことによって、グループやシニアグループでは各々の損益計算書と貸借対照表とすることもできる。但し、この方式を採用した場合には、メンバーが期中で異動すると、その分のBSとPLの数字が動いてしまうため、あまり好ましくない。
更には、仕訳にメンバーIDを振っておき、仕訳をそのままデータとして保存しておき、必要な都度、メンバーやグループの仕訳を集めて損益計算書を計算する方法も可能である。
また、上記例では、メンバーやグループの損益計算書と貸借対照表の更新をリアルタイムに行う方式を示しているが、バッチ的に処理をすることも可能である。しかしながら、このような場合には、個別の取引がリアルタイムで把握されなくなるため、使用可能な資金を超える取引が発生する可能性があり、好ましいとは言えない。
[メンバーの異動の例]
次に本発明のメンバーの異動に関し、第3図を参照して述べる。グループリーダー、シニアグループリーダーを含むメンバーは、各々独立した、損益計算書、貸借対照表を保持しているので、メンバーが他のグループに異動するとか、グループリーダーになる、逆にグループリーダーがメンバーになる、といった場合には、各レコードのグループIDや、メンバーIDを変更することにより、それまでの損益計算書、貸借対照表を所持したままで異動することができる。
この場合、メンバーa13がグループA1からグループC1に異動する例を示している。グループやシニアグループが各々の損益計算書と貸借対照表を持たない場合は、単純にメンバーレコードの付け替えを行えばよい。これはメンバーa13のレコードのグループIDをグループA1からグループCにし、グループA1の構成レコードからメンバーa13を消すとともに、グループC1の構成レコードにメンバーa13を追加する。
グループやシニアグループが各々の損益計算書と貸借対照表を持つ場合は、各々のグループやシニアグループの損益計算書と貸借対照表の整合性を確保するための処理が必要となる。メンバーa13がグループA1から抜けるということは、メンバーa13が保有している勘定が無くなることである。このため、主サーバー13の演算処理手段は、グループA1上で、メンバーa13が保持していた損益計算書と貸借対照表の該当する科目について、反対仕訳を起こすのと同様に減算する。シニアグループAの損益計算書と貸借対照表の該当する科目についても同様に主サーバー13の演算処理手段は処理する。
一方、グループC1とシニアグループCでは、メンバーa13が加わることにより、その分の勘定の増加が行われるので、主サーバー13の演算処理手段は、グループC1とシニアグループCの該当科目に関して加算処理を行う。
仕訳にメンバーIDを振っておき、仕訳をそのままデータとして保存しておき、必要な都度、メンバーやグループの仕訳を集めて損益計算書を計算する方法を採用する場合には、上記のような計算は不要である。
異動に当たっては、メンバーがそれまで保有していた損益計算書と貸借対照表を、そのまま継続して使用することが好ましい。そうしないと、異動によってそれまでの実績が無くなってしまうからである。
また、異動が部門をまたがるような形で行われる場合には、資産の一部が不要となる場合が発生する。この場合には、適正な価格で前任者から後任者へ移転することが好ましい。この移転に際しては、単に帳簿価格に拠るだけでなく、実際の条件に則して行われることが好ましい。例えば、ソフト開発において、既に1億円の費用が投じられている場合に、表面的には1億円の棚卸資産となるのであるが、実際に1億円で受注しており、完成までに更に3千万円必要な場合には、7千万円以下の価値しかないことになる。
このようにした場合、前任者は3千万円の損失を負担する必要が生じる。これは、メンバーの資産の範囲で賄えればよいが、それをはみ出してしまう場合は、シニアグループリーダーやGMが貸付を行って、資産の均衡をとる必要がある。
あるメンバーの資産がマイナスになった場合や、なりそうな場合、上級のグループリーダーやGMは、事業の継続に関して速やかに見直しをすることが好ましい。
評価期間の途中で異動があった場合、個人はBS、PLを持って異動するが、その個人が属していたグループは、それまで当該個人がなしてきた活動の成果、特にPLが無くなってしまう為、一貫した評価をできなくなる可能性がある。このような場合には、メンバーが異動しても、グループのBSとPLの数値を変更しない、という方法を採用することも可能である。この場合には、グループ間のBS、PLの数字は変化しないので、異動前と異動後で数値が合わなくなる事はない。
このように個人が自己のBS、PL、もしくは、仕訳を持って異動する、ために、評価が途切れない。
[メンバーが複数のグループに所属する場合]
以上の例では、メンバーが1つのグループに所属している場合に有効な方法を示したが、メンバーが複数のグループに属している場合には、次のような工夫が必要である。複数のグループに所属する例としては、副次的に委員会に属するとか、研究会に属する、という場合のほか、複数のグループに属する場合もある。
このように複数のグループに属する場合には、メンバーから見て、複数のグループを対象にできる必要がある。これは、会計上の取引がどのグループ活動を対象としたものであるかが分からないと、メンバーの損益計算書と貸借対照表は作成できても、グループの損益計算書と貸借対照表は正しく作成されなくなってしまう。
これに対処する方法として、仕訳にメンバーIDのほかに、対象グループID、活動IDを記載する方法がある。このようにすることで、その仕訳がどのグループのどの活動に関係するか明確になり、対象グループの損益計算書と貸借対照表を更新するようにできる他、損益計算書と貸借対照表を持たない場合にもグループコードで集計することにより、グループの正しい数値の把握が可能となる。更に、活動コードでの集計も可能となる。
このように、仕訳に対象グループIDや活動IDを記載するのは、メンバーが複数のグループに属する場合のみならず、単一のグループに属する場合であっても有効である。
[レコードの具体的な構成例]
上記の場合のレコードの仕組を第7A図及び第7B図に示す。第7A図及び第7B図の上では、レコードは3つに分割してあるが、実際には一つのレコードである。メンバーの仕訳レコードは、主キー(連番)、借方メンバーID、借方グループID、借方活動ID、借方勘定科目、貸方メンバーID、貸方グループID、貸方活動ID、貸方勘定科目、日付、金額、適用、支払先となっている(グループA1用については第7A図(1)、グループA2用については第7A図(2)参照)。
また、グループA1の仕訳レコードは、主キー(連番)、借方グループID、借方活動ID、借方勘定科目、貸方グループID、貸方活動ID、貸方勘定科目、日付、金額、適用、支払先となっている(第7A図(3)参照)。この場合、グループA1の構成レコードは、第7A図(4)に示すように、主キーに対するメンバーIDが対応させてある(図では、主キー対メンバーID(a1)、主キー対メンバーID(a11)、主キー対メンバーID(a12)、主キー対メンバーID(a13)となっている)。
また、シニア・グループAのレコードは、グループA1用として、主キー(連番)、借方組織体ID、借方活動ID、借方勘定科目、貸方組織体ID、貸方活動ID、貸方勘定科目、日付、金額、適用、支払先となっている(第7B図(5)参照)。この場合、シニア・グループAの構成レコードは、第7B図(6)に示すように、主キーに対するグループIDが対応させてある(図では、主キー対グループID(sa)、主キー対グループID(A1)、主キー対グループID(A2)となっている)。
また、組織体K1のレコードは、借方組織体集合1、借方活動ID、借方勘定科目、貸方組織体集合1、貸方活動ID、貸方勘定科目、日付、金額、適用、支払先となっている(第7B図(7)参照)。
ここで、主キーは、数桁の連番であり、仕訳が特定できるように付番している。メンバーIDは、借方及び/又は貸方メンバーを特定するコードである。借方グループIDは、a11が属するグループのIDである。ここでは、グループA1とグループA2の2つのグループに所属している場合を想定して2つのレコードを示している、借方勘定科目は借方の勘定科目コードを入れる。貸方グループIDは発注者c11の所属グループC1を入れる。貸方勘定科目は貸方の勘定科目を入れる。金額は、仕訳金額を入れる。その他に、日付、適用、支払先コードを入れる。ここでは、前記例と異なり、主キーには連番を使用しているが、このレコードは仕訳であるため、同一のメンバーに対して複数のレコードが発生するためである。
この場合は、1対1仕訳の場合を想定しているが、1対nやn対1、m対nといった仕訳になる場合がある。本発明に適用する場合、m対nの仕訳は好ましくない。何故ならば、借方と貸方の対応が不明となるからである。1対n、n対1の場合は、n側を分割して、n個の仕訳とすればよい。この場合には、主キーは、連番+枝番として、元の仕訳がどのような構成になっていたか、分かるようにすることが好ましい。
借方/貸方メンバーID、借方/貸方グループID、借方/貸方活動ID、借方勘定科目、貸方勘定科目、日付、支払先は代替キーとして登録しておくことが好ましい。また必要に応じて、代替キーを組み合わせて一つの代替キーを作成して登録してもよい。
この他に、図示しないが、他の情報を付け加えても良い。
このようにすることで、メンバー毎や活動毎、グループ毎といった、様々な角度からの評価が行えるが、従来の仕訳に比較して入力項目が増加するため、手間が掛かるというマイナス面が生じてくる。これは、画面の構造を工夫することで、軽減することが可能である。例えば、発注者の側には、自分が現在保有している活動と、グループが一覧として表示されており、その一つをクリックすると、その活動及びグループに関係する画面になる。その画面から、発注先を探して発注を行うことで、貸方の情報を埋めることが可能となる。
一方、受注者は、発注者からの発注情報を見て、その情報をドラッグしたまま、自分の活動の上に置くことで、借方に必要な情報を埋める、といった具合である。これは、受発注時点のことであるが、この情報を保持しておいて、売上時点で使用すれば、入力の手間は著しく軽減される。
適用は従来と同様の方法で入力するか、予め決められた情報から選択するような方法が可能である。
[管理会計との対比]
従来の管理会計は、財務会計と同じ勘定科目を使用して、一つの金額を部門に分割することによって、部門毎の財務諸表を作成していた。この方法では、勘定科目毎に集計が可能になるだけであり、例えば、リース料を取ってみた場合に、補助科目を使用することで、建物や車両、OA機器といった区分は可能になるが、特定の活動にどの分が使用されているかを識別するのは不可能であった。
一方、本発明では、内部用と外部用の勘定科目を分割し、更に必要に応じて3種類以上の勘定科目グループを使用することにより、個人及び/又はグループの会計計算を行うことにより、個人及び/又はグループ、更には活動毎の損益計算書と貸借対照表を作成することができ、その数字をもって、評価を行うことが可能となる。
財務及び税務会計用には外部用の勘定科目を使用すればよい。
内部用の勘定科目の種類と使用法は、組織体毎に自由に定めることが可能である。これは組織体内会計原則ともいうべきものであり、組織体の実情に応じて定める。
一方で、本実施の形態における個人/組織の最小単位を評価単位とするシステムをとった場合、特にソフトに関しては違法コピーの問題が発生する可能性があり得る。こういった事態に対しては、組織体自体のポリシー確立と、ペナルティの適用が必要である。
[各グループやメンバーの役割、売買化の例]
次に、各グループやメンバーの役割、実施形態に関して説明する。一例として、小売業を取りあげる。小売業の組織の大小は様々であるが、ここでは社員数が100人以上1000人未満程度の規模を想定する。この企業に必要な機能は、以下のようなものがある。販売、仕入、マーケティング、経理、財務、人事、総務である。この他に、在庫管理や受入検査なども挙げることができる。ここに挙げたのは、機能として必要なものであり、このような組織が必要であることを規定するものではない。
多くの企業では、それらを別々の組織として、それぞれに部長、課長などを置いて運営している。しかしながら、特定の人間に繋がる組織となっている場合もあるし、全体に対して効率的ではない場合もあるだろう。例えば、仕入担当を例にとって見る。旧来は、仕入担当(マーケティング担当がいる場合にはマーケティングの意見を参考にしながら)が商品の発注仕入を行っている。それが、適正に行われておれば、企業業績に対する貢献は大きくなる。
例えば、マーケティンググループは、仕入に対して情報を提供することを売上とする。仕入グループは販売グループに商品を売ることで、それを売上とする。総務は、店舗を保有して、各グループに貸すことを売上とする他、各種のサービスも売上とする。人事は、人事に関連する保険等のサービスのほか、個人の肉体や精神を健康に保つためのプランなどをサービスとして売上とする。財務グループは、組織体の資本金や借入金を借り入れて、それを元に、買掛金の決済や売掛債権の買取などを売上とする、といった具合に、各グループ間で取引を売買化するのである。
商業簿記での損益計算書は、売上高がまずあり、次に仕入高がある。その差額が粗利益となるが、その中から、営業費用を差し引いたものが営業利益となる。更に営業外費用を差し引いたものが経常利益となる。これに、特別損益を加減算したものが税前利益となる。
本発明では、この仕組を個人別に適用しようということになる。販売員であれば、売上、仕入は、組織体でのそれと同様である。営業費用は運賃や包装代などが含まれる。経常費用のうち大きいものは人件費である。その他には地代家賃や通信費などである。また、その他に、組織体費用の負担が必要である。これは、組織体がどのような性格を持つかによって異なるのであるが、組織体の役割としては以下のようなものが挙げられる。
ブランドの確立、信用機能、相互補完機能、牽制機能が考えられる。ブランドの確立とは言うまでもなく、組織体そのものや商品に対する信頼、憧れなどといった消費者にとって好ましいイメージを確立することである。ブランドは商品選考の場合に大きなウエイトを占めている。信用機能とは、組織体の金融的な信用力を利用するものである。個人で借り入れを行おうとしても容易ではないが、組織体の信用力をもってすれば、可能な場合が多い。また、組織体自体の資金を組織体内で有効に利用することも可能である。また、仕入れを買掛金として「つけ」で購入することも可能である。相互補完機能とは、様々な機能を持った個人及びグループによって効率的に仕事を進めていくことである。牽制機能は、個人やグループの方向性が、組織体全体の利益を損なう場合や、更には犯罪行為となる場合などを事前に防ぐことである。
[売り上の配分方法]
次に、売り上げの配分について説明する。
例えば、営業メンバーが顧客に売上を立てた場合に、それがそのままメンバー個人の売上となり利益もメンバーに帰属するとなると、組織体やリーダーの収益が無くなってしまい組織体の維持が行えなくなる。メンバーが効率的に働けるのは、組織体の信用力や商品力などに拠っているところが多いのであり、組織体に所属する以上、最低限度の必要経費が発生する。
そういった面から、一つの方式を例示すると、次のようになる。売上から仕入金額を控除した残りの内の50%を組織体の収益とし、50%をメンバーとグループの収益とする。グループ内では、グループリーダーとメンバーは、グループ設立の際の方針書によって、収益費用を分割することになる。例えば収益の内、10%をグループリーダーの取り分とする、といった形式がとりうる。
このような契約内容をシステム上に組み込んでおくことにより、自動的に仕訳を発生させることは、仕訳作業の簡素化と誤りの防止に効果的である。これは、例えば、メンバーa11,a12,a13の演算機構に、売上の10%をグループリーダーA1の売上とする、という式を記憶させておく、ということであり、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループ間の契約関係を論理として保持し、会計手法を適用して処理する際に、その契約関係に基づいてコンピュータシステム11で自動的計算を行うことを特徴とするシステムの具体例となる。
この比率は固定しても良いが、その時々の経営環境を鑑みて、組織体の収益分とメンバーの収益分の比率を変更することが可能であり、その方が好ましい。何故ならば、比率を変更しないとなると、市場環境によって一時的に収益が低下したときに、その皺寄せのうちの多くがメンバーに行くことになり、士気の低下を招く可能性があるからである。
尤も、安易に比率の変更を許すと、逆にメンバーに対して、頑張らなくとも一定の収入の保証があることになり、これは好ましいことではない。この比率を決定するのは、GMにとって大きな仕事の一つとなる。
具体的な事例として、次のようなケースを考えてみる。ここでは、売上高から仕入れ高を引いた残り、つまり売上総利益相当分に対して、組織体の取り分を定める方法について記述する。
売上が1,000,000円で、仕入が700,000円とすると、収益は300,000円となる。
すると、収益300,000円のうち50%相当額は150,000円であり、これが組織体の取り分である。また、同様に150,000円、これがグループとメンバー取り分である。また、グループとメンバー取り分の内10%相当分は15,000円であり、これがグループリーダーの取り分である。また、グループとメンバーの取り分の内90%の残収益は、135,000円であり、これがメンバーの取り分となる。
また、輸送経費の30,000円が輸送グループの取り分となり、精算経費の5,000円が財務グループの売上となる。さらに、新規与信経費の30,000円が与信グループの売り上げとなる。最終損益の70,000円がメンバーの取り分となる。
その顧客が新規先である場合に与信調査を行ったために30,000円が発生しているが、例えば、既存の取引先に関しては与信経費としては5,000円としておく。
ここで、与信調査費用を支払ったのであるが、この際には、営業メンバーとしては選択肢があってしかるべきである。一つの方法は、自分自身で実行することである。2つ目の方法は外部機関を利用する方法である。3つ目には、組織体内の他のグループやメンバーに依頼することである。このようにしても、事故は起こりうるが、そのような場合は貸し倒れ引当て金を引当てて対処することになる。これは組織体全体で運用することが好ましいが、実際に事故が発生した場合には、発生した損害金額の割合に応じて、ペナルティを負荷すべきである。与信グループが与信を担当している場合には、与信グループが負うべきである。営業グループや営業メンバーが自身で、又は、外部機関を利用していた場合には、営業グループやメンバーが負うべきである。
また、税法上は、繰り延べて償却する必要があるが、社内的には一括償却を行い、税効果会計として実現すべきである。
以上と同様に、輸送に関しても、組織体内の輸送グループに固定的に委託するのではなく、外部委託や、内部の他のグループに委託できるようにすることが必要である。
そういった直接的に維持するための費用や、間接的に配当原資といった組織体としての収益確保のために、一定金額や売上の一定割合を組織体費用として拠出する必要があり、それが、経常費用の中に折り込まれる事になる。
通常の損益計算書では、売上に対して費用を計算していき、その残額が利益や損失という形で計上されるが、個人別損益計算書の場合には、以下のようになる。
期初に予算を策定するが、これも従来の方法では、上意下達方式で策定する場合が多く、このため、個人やグループの意思が十分に尊重されない場合が多い。
本方式では、基本的に個人で自分の予算を立てて、グループリーダーはグループの予算を策定する。その場合に、人件費を除いた他の収入や支出で予算を策定する。その後、人件費を盛り込むことになるのであるが、人件費は最終利益の一定割合以内であることが好ましい。そうでないと、収入の変動により赤字になる可能性があるからである。また、最終利益の配分方式に関しては、組織体やグループで事前に決めておく必要がある。組織体としては、配当や役員賞与の原資として、また、景気変動に備える備蓄として一定以上の積み立て金が必要になる他、投資用の資金も必要である。
ある期間に、どうしても収益が十分でなく、給与が減少するのが確実な場合には、BSから取り崩して給与原資とすることができる。
次に、本発明を適用することによって得られる利点に関して記述する。
旧来だと、仕事が忙しくなると人員増を要求する場合が殆どである。その原因を究明し、不要な仕事を削減するとか、仕事の方法自体を工夫する方向には向かわない。それは、個人やグループの損益に対する評価が曖昧だからである。
本発明を実施すると、売上が一定以上に伸びることが確実でないと、人員を増加した場合、グループの利益を分割する分母が増加するし、人件費の絶対額も増加するので、個人もグループも利益が減少してしまう。人員を増加しても、給与が減少しない保証がなければ、簡単に増員要求には走らなくなる。人員は、言うまでもなく、組織にとって最も大きな財産であると同時に最も大きな費用であるからである。
また、安易に外注化することが避けられる一方で、コスト面を厳密に比較して、外注化するという選択も行うことが可能となる。
外注費用は、発注するメンバーの費用となるため、当該メンバーの利益は直接的には減少することになる。一方、外注化することにより、売上の増加を図って、活動全体として利益を増加させるという方法も採れる、ということである
方策決定は、自己若しくはグループの資産負債計算上の原資内で実行できるものは、その範囲で意思決定を行うが、直接の上司(グループリーダー)の承認、及び組織体の監査部門のチェックを経ることが好ましい。これは不正を防止する上で有用である。また、これらの意思決定はコンピューターを通じて行われるため、個人やグループの資産負債計算、損益計算を超える意思決定が行えないような仕組が必須となる。このような仕組を構築しておくことにより、権限を超えた意思決定はエラーとされる。
[資産に対する意思決定]
こういった仕組の中で工夫が必要なものは、意思決定の結果が資産化されるものである。これらは、損益計算上では毎年のリース料や原価償却費となる。単年度で見た場合に十分利益が見込める場合であっても、その資産のライフサイクルを通じて利益が確保できるか否かは不透明である。言いかえれば、資産は、長期に亘って資金を固定化させ、リース料や減価償却費の発生が必要となる。こういった性質のものは、単年度の収益のみで計算せず、リース完了もしくは原価償却完了までの費用を、すべて、まかなう必要がある。その費用は個人又はグループの資産負債計算の中で紐付きとして処理されるべきである。これは、原価償却に関しては旧来の会計方式でも資産計上され、その分現金などが差し引かれることで行われていたし、国際会計基準の導入に伴い、リース料でも同様の計算が行われるようになって来ているのは好ましいことである。しかしながら、長期レンタルといった、リースと実質的に変わらない方式もあるが、これは、国際会計基準でも、資産化されようとしていない。こういった、長期固定債務を個人又はグループの資産負債計算から差し引いてしまうのである。実際には資金があるが、それは固定化されている、という面で個人やグループの資産の現金には含めないようにする。しかしながら、原価償却やリース料支払が進捗すれば、それに伴って、資産の残価は減少するので、その分を、資産負債計算に加える工夫が必要である。
このようにすることで、メンバーやグループの使用可能な資金が明確になり、使用可能な限度を超えて使用することが無くなる。
個人の資産でまかなえないような投資に関しては、概ね2つの方法が可能である。一つの方法は、グループ内の資産負債計算でまかなえる場合は、共同して保有することである。ただし、共同で所有する場合には、メンバー毎の持分を明確にし、メンバー毎の損益、資産負債計算が行えなければならない。二つ目の方法は、組織体に対して借入を要請することである。この場合は、ジェネラルマネジャー(以下、「GM」という)の判断が必要となる。ここで、GMとは、少なくとも組織体Kのリーダーである。
GMは、その借入による投資に対する判断を行い可否を決定する。また、その投資に対して保証責任を負うことが好ましい。このようにすると、成果が上がらなかった投資に関しては、最終的にそのGMのBSから、損失分の補填をせざるを得なくなり、GM自体の責任が明確になる。一方で、保証責任を負った投資に関しては、保証に対する保証料に類するものをメンバーやグループリーダーから得ると共に、投資から得る成果の一定割合を得るという方法も可能である。
[GMの損益、資産負債の考え方]
GMの損益、資産負債勘定は、次の様に行うことが好ましい。GMの収益は、組織体の税前利益額の一定割合とするように定めることも可能であるが、上述したように、投資保証の見返りとして収益を定めることも可能である。一方、支出としては、全社的に統一的に必要な機能(例えば経理機能やIT部門、監査部門)の費用を、自己の収益の中から支払う必要がある。これによって、費用が増加した場合は、GM自身の取り分が直接的に減少するので、経費削減に熱心にならざるを得ない。
しかしながら、経費削減をやりすぎると、その担い手がいなくなるため、適正な費用で運用することが求められる。
また、上記の例のように、貸付を行う場合は、GMの資産とリンクした貸し付けとすべきである。貸付を行うと、GMの資産は減少するが、回収によって復活する。その貸付が不良化すればGMの資産が不良化するわけであり、貸付に対するチェックは自ずから厳しくなる。一方で、厳しくなりすぎると貸付が殆ど実行されなくなってしまう懸念があるが、投資をしないと、中長期的に組織体の売上、利益が伸びなくなってなってくるため、GMのPLに直接的に響いてくることになる。
また、活性化させる上で、貸付に賛否両論がある場合に、賛成GMのみで貸し付ける方法も考えられる。この場合は、GMのBSからの直接貸し付けとすべきである。そうするとリスクは大きくなるが、一方で、貸し付けたメンバーやグループから組織体への収益は、当該GMにのみ回すようにすることで、バランスを取ることができる。
また、GMは一般企業であれば取締役や執行役員に対比されるが、取締役である場合に、本発明を適用する利点を挙げる。従来の取締役選出では、株主が知り得るのは過去の所属と職位に関して記述された経歴が殆ど唯一であった。このような選出方法では、適任者かどうかを見抜くのは至難の業であった。本発明を適用すると、候補者はそれぞれ、BSとPLを持っており、BSの中に投資案件などが含まれていることも分かる。それらの案件がどのような意味を持っているかを知ることで、より候補者が適任であるかの判断をすることが可能となる。一方の候補者のBSが目ぼしい資産も無く、過去のPLが殆ど利益を上げておらず、一方の候補者が充実したBSを保持し、過去のPLも十分な利益を上げてきているとすれば、どちらを選ぶかは明白であろう。
また、GMと同様にグループリーダー(GL)もBS、PLの内容を公開することが好ましい。不適格なグループリーダーが出ないようにする方法として、GMによる審査強化という方法も可能であるが、審査は最小限度に止めて、BS、PLを組織体内のメンバーに公開することによって、メンバーが選択することが好ましい。このようにする事で、適任者の選出が行えるし、メンバーはリーダーとして好ましい個人を選択する事が可能となる。
[原価確定に関して]
原価確定に関して、従来モデルでは、按分や配分計算を行う必要があり、BS、PL自体はリアルタイムに更新されていても、大きな部分の配分は、一旦集計ができてから、それを再計算する仕組となっているので、締め後に数字が確定するまでに時間がかかるうえ、正しいBS、PLは月次などの締めが行われた後で無いと作成されない、という欠点を持っていたが、本発明を適用すると、組織体内外の活動が、会計上の取引又は売買として数値化されるため、リアルタイムにメンバー、グループの活動結果を把握することが可能であり、原価も確定する。
[BS、PLを用いて評価を行う具体例]
次に、BS、PLを使用して評価する方法を述べる。評価は基本的にPLを用いて行うのが好ましい。BSは評価としては副次的に使用し、事業継続の判断や、グループリーダーとしての資質の見極めに使用することが好ましい。
メンバーAとBとCの各々のPLが、以下のようになったとする。
メンバーA
売上 2000万円
費用 500万円
利益 1500万円
メンバーB
売上 3000万円
費用 1000万円
利益 2000万円
メンバーC
売上 2500万円
費用 1100万円
利益 1400万円
この例では、メンバーの給与を控除する前の金額を利益としてある。上記例では、メンバーBが最も大きな利益を上げており、メンバーAの1.33倍となる。メンバーCの売上は2番目に大きいが、費用が多くて利益はメンバーAを下回っていることが分かる。この数字を用いて、賞与や給与等の報酬を決定する方法が一つである。
この場合、原資をメンバー毎の利益に比例させるとか、ある一定の関数を使用して配分するなどといった方法である。
更には、メンバーの給与を費用として控除し、利益額を算出する方法もとれる。この方法を採用した場合は、メンバーの給与額によって利益が変動することになる。つまり、給与が高いにもかかわらず利益が少ない、といったことも判断できる。
このようにした場合には、報酬のうち、給与額が予め決まっており、賞与額を決定する場合に、賞与原資をメンバー毎の利益に比例させるとか、ある一定の関数を使用して配分するなどといった方法である。
また、翌期の給与額を決定する場合にも、個々のメンバーの現時点の給与額と利益額を元に、一定の関数などに当てはめて、決定することが可能である。
個人ごとにBS、PL計算を行うので、その結果、1週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月といった期間単位で個人の損益計算及び資産負債の把握が行えることになり、その個人の数字としての業績把握が明確に行えるようになる。
更に、メンバーとグループ、グループとグループの関係を時系列的に保存することにより、グループの評価を時系列的に行うことを可能とする。
以下では、本発明を適用する上での、留意点に関して記述する。
本方式の適用を誤ると、極端に走る弊害の可能性が無いとは言えない。例えば、運送関係で、整備費用を「節約」してしまうようなケースである。合理的に費用を削減できるのであれば、それは良いことであるが、合理性が無くて費用を削減すれば、稼働率や安全性に問題が生じる可能性が大きくなってくる。これは、組織体にとって大きな問題となる。最も大きな問題としては、事故によるブランドイメージの低下とそれによる顧客離れであろう。これは、一般の経営でも同様で、顧客のクレームを無視して、短期的な利益追及を行うようなケースが該当する。こういった事態に陥らないように、組織体には監査機能が必要である。また、内部告発に関しては、GMが褒賞を与えるといった工夫が必要である。また、非合理的な「節約」に関する罰則や、個人、グループのBSに対するペナルティ(没収)なども必要な措置であろう。
また、個人間での情報交換まで対価が必要になる、という考え方もあろうが、ちょっとした情報交換であれば、売買の対象とせず、個人間での貸し借り、とすることも可能である。
資本金に関して。新入メンバーの資本金はゼロからスタートするのが好ましい。この場合、そのメンバーのBS、PLがマイナスになる可能性があるが、これは、ある一定限度の借入を認める事により、運用が可能である。
次に、損益計算と資産負債計算に基づいて、メンバーの給与額と退職金を決定する方法に関して記述する。これらの方法を具体化する評価システムについて2つ述べる。
[メンバーの報酬の決定方法]
メンバーの給与の決め方に関して。前期末に翌期のメンバー毎の予算を作成する。これはメンバー個人毎に行い、それをグループリーダーが取りまとめて、グループの予算を作成し、更にシニアグループリーダーが各グループの予算を取りまとめて、シニアグループの予算を取りまとめる。その際に、メンバーの予算に関してグループリーダーがアドバイスを行うべきである。特に過去の実績を過剰に上回る計画の場合には、計画達成の理由を確認して、可能なレベルに修正することが必要である。
売上高から仕入れ高を引いた残り、つまり売上総利益相当分に対して、組織体の取り分を定める方法について、別項で記述したが、ここでは、売上高から仕入れ高と経費や費用を引いた残り、つまり、人件費控除前の経常利益相当分に対して組織体の取り分と報酬を定める方法を述べる。この方法を採用する場合は、売上高と経費や費用の発生時点が異なることが多いため、若干の工夫が必要である。つまり、人件費控除前の経常利益相当分は、売上発生時点で確定できない可能性があるということである。このため、組織体の取り分に関しては、予測値で差し引きを実行し、経費や費用が確定した時点で精算する、というような方法が必要となる。
例えば、まず、売上高と仕入高を予測し更に費用や経費を予測する。売上高から仕入高、費用を差し引き、グループリーダーへの配分がある場合には、それも差し引いた金額をWとする。Wの50%を組織体維持のための費用とすると、W×0.5=Xとして、Xが、メンバーの取り分になる。Xの2分の1を12等分したものを、月額給与とする。残りはボーナスと、利益調整分とする。利益調整分とは、予定していた利益高に届かない場合に、メンバーの取り分とならない分である。逆に予定よりも多くの利益が出れば、それはメンバーのボーナスとなるのであるが、全額をボーナスとしてしまうと、個人のBSの資本金が増加しない事になる。これに対処するには、一定の割合で、退職給与引当て金として積む方式が考えられる。この他にも、利益分を資本金とする方法もあるが、この場合は税金支払後の金額から積む事になるので、全体最適化の観点からは好ましいとは言えない。退職給与引当て金であれば、税前控除が可能である。退職給与分をメンバーの資本金として活用するのである。また、退職給与であるから、退職時にはメンバーに、その持分を支払う。
多くの利益をあげれば、資本が増加する。これによって次の投資資金としても良いし、メンバー個人の退職金として、投資を控える事も可能である。しかしながら、あるレベルの利益を上げるには投資が必要なことは一般的な常識である。
上記事例では、グロスとしてメンバーの給与分を差し引く方式を示したが、これを、活動毎に行うことで更に精緻化できる。例えば以下のような事例である。
ある活動J
売上高 200万円
費用 120万円
給与分控除前の利益 80万円
別の活動L
売上高 150万円
費用 10万円
給与分控除前の利益 140万円
この場合には、Jからは月例給分として40万円となり、Lからは70万円となる。売上や利益に毎月変動がある場合には、当初予定した給与額を支払い、差額をメンバーの利益で調整することが可能である。
あるメンバーの資産がマイナスの状態で退職する際には、借金の返済が必要になるが、それは組織体のリスクとして、個人には返済を求めないようにすることが好ましい。この場合は、退職金は支給しないことが妥当であろう。
また、資産がプラスのメンバーが退職する際に、現金は処理が簡単であるが、有形や無形の固定資産の場合には、これも後任者に適正な価格で移転することが好ましい。買い叩きといった事態の懸念があるが、そのような場合は、退職者がメンバーやグループ、組織体に対して、適正な費用で貸すことも可能であり、年金の一種としての活用が可能となる。
報酬には、月例給与や賞与、臨時賞与を含むが、フリンジベネフィット(賃金外給付)も、報酬として含むことが好ましい。フリンジベネフィットとしては、ストックオプション、福利厚生利用、社有車による送迎など、給与には含まれないが、実行する上でコストが発生するものを含む。
この他、組織体としては、保険的な機能を備えることが好ましい。給与決定にあたって、本方式を厳密に適用すると、病気や怪我で休業を余儀なくされたメンバーにとっては、収入が無くなる事になる。全メンバーを対象とし、保険のような機能を備え、毎月、メンバーから「保険料」を徴収しておき、メンバーが病気や怪我になった場合に、一定の条件下で、給与の保証を行うのは、組織体にとって有能なメンバーを雇用する上で有用である。
以上の説明を具体化する方法として、次の4つの評価システムがある。
第1と第2の評価システムは、組織体における内外の活動を売買対象とすることにより、又は前記活動について会計手法を適用し、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、前記コンピュータシステムは、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に当該個人の報酬額を決定する。
第3と第4の評価システムは、組織体における内外の活動を売買対象とすることにより、又は前記活動について会計手法を適用し、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、前記コンピュータシステムは、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に当該個人の退職金額を決定する。
このようにした場合に、税引き前の利益から税金を納める必要があり、最終利益の配分方法に関しては、幾分かの工夫が必要である。納税資金に関しては、メンバーのPLから出さずに、組織体のPLから支出するのが好ましい。何故ならば、メンバーのPLからは、組織体維持のための資金を50%支出しており、その残額はメンバーの取り分として良いからである。尤も、これは、組織体毎に定めることが可能である。
ここで、組織体維持のための費用から納税する場合、個別のメンバーに利益があったり、損失となっている場合もある。更に、メンバーの剰余金の内、税法上の引当が可能な金額と不可能な金額の算定も必要である。
このように、総てを計算した上で、税額が決定できることになる。万一、メンバーの剰余金が多くなり、税額が予想以上に膨らむ場合には、決算賞与として配分するなどの工夫も必要であろう。
不正の排除に関して。旧来の組織体では、組織体の経費を誤魔化すとか、私的に流用する、といった不正が行われているが、本発明では本質的に不正を排除し易い仕組となっている。基本的に、支出できるのは、メンバー個人のBS、PLからとなるので、不正に使用したとしても、そのメンバーの経費が増加し、利益(=メンバーの取り分)が減少する。但し、利益の一定の割合を組織体に組み入れる必要がある為、経費とした分を全額着服した場合は、メンバーにとって、より大きな利益となる。このため、グループリーダーはそういったチェック機能を果たす必要が残る。
また、不正の排除とは視点が異なるが、活動毎の収支がリアルタイムで明らかになるし、資産と負債の関係も明らかになる。あるメンバーやグループ、活動の採算がよくなく、赤字になる危険性がある場合にメンバーやグループのPL上で利益が少なくなるし、赤字の場合には、BS上の内部現金が減少してくるので、内部現金の額を超えてそれ以上の支出ができないようにすることが可能である。
このように、メンバーやグループリーダー、活動毎のBS、PLをチェックし、ある一定の割合を超えた場合に、内容を確認・吟味し、継続か停止かの判断を的確に行うための指標を提示できる。
また、活動やグループ毎の予算を、保持しておくことにより、予算との対比によって、活動の継続か停止か、といった判断を行うことも可能となる。ある活動が、グループリーダーの売上1億円、メンバーへの支払を含めた費用が8千万円という予定であった場合に、費用が8千万円に近づいた時点でアラームを上げることが可能となる。
グループリーダーの最も大きな任務は、グループのビジネスモデルの確立である。何を目指すのか、グループの目標は何か、行動指針はどのようなものか、売上や利益をどうやってあげていくのか、資源や利益の配分をどう行うか、といった点に関して、メンバーに説明し理解してもらう必要がある。また、シニアグループリーダーやGMに対しても、理解してもらう必要がある。
その次に重要な任務は、メンバーのサポートである。メンバーの能力が最大限に発揮されるように、助言、指導を行い、ジョブアサインメントを行う。従来のモデルでは、上司が部下に命令し、評価を行うという方式であった。また、昇給や賞与の配分は5段階評価を用いている組織体が多く、一定のパイをどう配分するか、という方式であった。このため、部下が頑張っても、他のメンバーが同等に頑張っていれば、賞与の増加は殆ど無いという結果になっていた。
本発明では、個人の挙げた利益に連動して、メンバーの給与や賞与が決定されるため、頑張って成果を上げる事により、メンバーの各々が挙げた成績に応じた給与、賞与の配分が可能である。メンバー間の取り合いも生じないため、リーダーとしては、そのメンバーが最も良く成績を上げられるような方向を助言、指導することが可能となる。
人事部は、従来モデルでは、個人の成績評価を密かに行っており、配属の決定なども行っていたが、本発明では、そのような機能は殆ど不用となり、メンバーのサポートが重要な仕事にならざるを得ない。例えば、セミナーへの参加で、従来モデルでは人事部や上司の命令に基づいて参加することが多く、内容的にメンバーに合致しないものなどが少なく無かった。また、参加する意識も、仕方なくという面が強く、セミナーの内容が身に付かない原因の一つになっていた。本発明のモデルでは、中長期的に見て、メンバーがスキルアップして行く上で、このようなコースをとるほうが良い、といったアドバイスが人事部の職務の中心になるべきである。そういったサービスをメンバーに売ることになるのである。逆に言うと、そういうことができる、プロフェッショナルなスキルを持った人で無ければ担当できないことになる。
GMの売上は、組織体の利益に比例する事が好ましい。GMの売上から控除されるのは、組織体全体にかかわる維持のための機能の費用と、自身の経費、給与である。GMの売上が組織体の利益に比例するとなると、利益が落ち込むと、組織体全体にかかわる維持のための機能やGM自身の経費だけでも赤字になってしまう可能性があるが、その反面、利益額が増大すれば、給与は大幅に増加することになる。
本発明を適用した場合、研究開発で、長期的な開発がしにくくなるのではないか、という懸念が生じよう。長期的な研究開発は、外部からは分かり難いものである。何年か後に結実するものもあるし、全く見当違いの研究である場合もある。これらを従来モデルでは、ゴチャゴチャにして研究開発費予算を取得し、使用していた。
本発明の場合、研究開発が一つのグループを構成している場合に、次のような方法が可能となる。幾つかの方法が考えられる。1つは、グループ全体に対して製造部門が買い手となる方法である。この場合、開発研究グループ内部の配分はグループリーダーによって行われる事となる。
もう1つは、研究開発グループの個人別に製造部門が買い手となる方法である。また、誰も買い手がいないが、GMとして必要性を認めて、GM個人のBS、PLから一定額の支出を行う方法もとれる。この場合には、成果が出た場合には、その研究開発の売上の半分をGMの売上とするなどの契約が考えられる。
こういった研究開発では、単年度毎にみるべき成果が出ない場合もある。その場合には、GMやグループリーダーが必要な費用を支出し、研究者の給与はその支出の中から得る、という方法である。この場合、研究の成果の配分に関して、GMやグループリーダーと研究者の間で事前に契約を行っておくことが好ましい。成果が出ない場合には、研究者の給与分は研究者自身の負債とする方法もとれるし、それはGMやグループリーダーが負う、というようにすることも可能である。ここで言う研究者は、単数でも複数でも構わない。複数の場合には、その間で権限と責任を定めておくことが好ましい。
GMやグループリーダーとしては、比較的、コンスタントに成果を出す研究者や、たまにであるが大きな成果をあげる研究者が重用されることになろう。一方で、成果の出ない研究者は退けられていくことになろう。
研究者が、どうしても続けたいが、スポンサーが見つからない場合には、個人で仕事の合間を縫って研究を続けるという方法もあろう。その場合には、研究の成果は、組織体とその研究者個人のものとなることが好ましい。
メンバーやグループの活動の継続に関しては以下のようにすることが好ましい。各々の損益計算書と貸借対照表を適時参照する。利益が落ち込んできており、貸借対照表上で資産が一定限度額以下になった場合には、グループリーダーやシニアグループリーダー、GMが面接を行い、リカバリープランに関して検討を行い、必要なアドバイスを行うとともに、改善されない場合には活動の中止を決定する。これは、メンバーやグループの損益計算書と貸借対照表が存在しており、それを参照することによって実現できる。
グループは同一機能を持った職種で構成される場合もあるが、グループは必ずしも同一職種で構成される必要は無く、異なった職種のメンバーで一貫した仕事ができるように構成することも可能である。これは、小さなグループにも大きなグループにも適用可能である。例えば、小さなグループとしては、販売業の場合では、ある特定種類の商品に関して、仕入から販売、運送まで行うようなグループとしてもよいし、グループの集合体としても、同様な機能を同一のグループリーダーの元に束ねることも可能である。
このように本発明を適用する場合に組織体はどのような機能を担い、個人との関係はどのようになるか、という点が問題になるが、組織体の機能としては以下の点が重要になってくる。
1つは、組織体の制度と標準化の作成である。恣意的ではない組織運営のためには、基準や標準が必要である。なおかつ、できるだけシンプルなものが求められる。
2つ目は、損益や資産に対して、短期的な利益を追求し過ぎないように調整する機能。ともすると個人やグループが短期的な利益を追求し過ぎる場合が発生するが、中長期的に見て、事故などに繋がり、事故により被害や信用失墜による損害を被る危険性を秘めている。これを調整する機能が必要である。
3つ目は、ブランド力である。ブランド力については今更述べる必要もないくらい重要なもので、個人や小さなグループで活動しているのと異なる。
4つ目は、個人間やグループ間の調整機能である。合成の誤謬という言葉があるが、各々は合理性に基づいて行動していても、全体として見た場合に合理性を損ねている場合がある。また、グループ間で連携を取る事により、より大きな力を発揮できる場合は多々あろう。
5つ目はファイナンスである。個人やグループで持てる資金力は限界がある。また、余剰金は組織体という単位で管理することになる。個人やグループで賄えない資金を必要とする場合に、組織体というバックによって資金の調達を行うのである。
6つ目は、グループ間の対立や、事故に対応することである。
7つ目は、国際会計基準では,キャッシュフロー会計が導入されるが,これを本発明に適用し、個人やグループのキャッシュフロー計算書を作成することは、本発明の効果を上げるうえで有用である。
[ポイント制に基づく評価方法]
次に、ポイント制に基づく評価方法に関して述べる。
これまで、損益計算書と貸借対照表を使用する方法について説明したが、もっと簡素化して、数値化する方法を採用することもできる。
このような組織体内の個人、グループ、個人及びグループの評価方法は、次の第9図に示すコンピュータシステムで実現することができる。
第9図は、本発明の実施の形態に係る評価システムであって、ポイント制を採用した評価システムを実現するコンピュータシステムを示すブロック図である。第9図に示すポイント制を採用した評価システムを実現するコンピュータシステムが、図1に示すコンピュータシステムと異なることろは、アプリケーションプログラムにより演算処理手段に代えて換算手段7と演算集計手段8を実現できるようにした点であり、他の構成には変更がないので同一の符号を付して説明を省略する。
コンピュータシステム1Aには、組織体内外の活動について売買対象とし、数値化した結果を基に当該組織体内の計算を行うことにより組織体内の評価システムを構築する。
ここで、前記コンピュータシステム1Aのサーバー2Aは、当該組織体内の個人、グループ、個人及びグループの内外の活動を売買対象として数値化させる換算手段8と、数値化した結果を基に個人及びグループの換算値を集計する演算集計手段9とを備え、当該集計の結果を基に当該組織体の個人及び/又はグループを評価するようにしたものである。
この評価システムによる評価方法では、個別の活動を売買化したり、会計計算の対象とするのは同様であるが、次のように行う。活動があった毎に、ポイントを評価システムのサーバー2Aに入力し、サーバー2Aで売上と経費を計算し、その残額を利益相当額として、メンバーやグループに加算するのである。また、これは金額そのものである必要はなく、例えば1000円を1単位としたポイントのようなものであっても良い。
例えば、3万円でパソコンソフトのインストールを請け負った場合に、売上が3万円であり、一方、6千円とすれば、該メンバーの利益相当額は14000円となる。これをそのまま、サーバー2Aにおいて計上するなり、1000円を1ポイントとして14ポイントとしてサーバー2Aにおいて計上する。
売上を経費が上回った場合には、サーバー2Aはマイナス計上とする。
また、該メンバーの給与や家賃、減価償却費などの費用は、月額を纏めてマイナスの計上を行うことが好ましい。
このように計上する場合には、活動の名称、期間を付帯情報として計上することが好ましい。この情報を付帯することで、各々の数値が何によっているのかが判然とする。
この場合、あるグループに属するメンバーの数値を合計することで、グループの数値の決定が行える。
この方式では、貸借対照表に相当するものが存在しないことになるが、期間の評価は各期間の数値を使用して評価を行い、一方で、毎期間の計上した数値の合計を保存しておき、簡易的な資産と見なすことも可能である。このようにする効果は、合計値のマイナスが大きい場合は、大きな仕事に起用する場合に警報的な意味に使用することが可能となることである。
上記で述べた以外の、仕事の配分・獲得方法などは損益計算書と貸借対照表を使用する実施例に述べたとおりである。
以上の説明を具体化する方法として、次の評価システムがある。
この評価システムは、組織体における内外の活動を売買対象とすることにより当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価するシステムであって、上記コンピュータシステム1Aのサーバー2Aは、当該組織体における内外の活動を売買対象とすることにより数値化し、当該数値化した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する。
[ポイント制に基づく給与及び退職金額等の報酬の決定方法]
次にポイント制に基づく、メンバーの給与額及び退職金額等の報酬の決定方法について記述する。また、これらの方法を具体化するシステムに関して述べる。
貸借対照表・損益計算書を使用する実施形態では、損益計算書を作成することにより、メンバーの給与を決定する方法を述べた。この実施形態では、貸借対照表・損益計算書を作成しないので、貸借対照表・損益計算書を使用する実施形態とは異なる方式が必要である。
給与に関しては年俸方式の他、固定給方式や、他の方式であっても適用可能である。
ポイント制を使用する実施形態で述べたように、活動毎に活動の結果を数値化しておく。例えば1000円を1ポイントとする場合を例にとる。このポイントは、組織体における売上総利益に該当するものである。
このポイントに対して、60%をメンバー還元分として、残りの40%を組織体の収益とする。固定給方式であって、メンバーの見込み年収を1000万円とする。
ポイントが、16666ポイントになった場合、
メンバー還元分 16666×1000×0.6=10000000
となって、年俸額と一致することになる。
16666を下回った場合には、下回ったポイントの0.6倍に相当する額を賞与から削減する。上回った場合には上回ったポイントの0.6倍を賞与に加算する。メンバーのポイントが、賞与をゼロにしても更に下回る場合、すぐに連動して月例給与を削減するのは安定性の面で好ましくないが、次年度の固定給与の決定時の指標とすることができる。
年俸制の場合は、当該年度の賞与を増減できる契約の場合には、増減することが好ましい。増減できない場合には、次年度の契約の指標として使用できる。
ここで挙げた還元率や賞与に対する反映は例示であり、実施に当たってどのような還元率とするか、賞与や月例給との連動をどうするのかは、各組織体で柔軟に決定することが可能である。
退職金額の決定方法は、勤務中のポイントの合計をもって退職金額に算出する。算出する方法としては、ポイントの合計から、既にメンバーに還元された金額を控除し、その残りの一定割合を退職金額とする。
以上説明した取り決めや計算方法をコンピュータシステムに適用することにより、次の2つの評価システムとして具体化することができる。
第1の評価システムは、報酬額を決定する方法を実現する。この第1の評価システムは、組織体における内外の活動について売買対象とすることにより、これを第9図に示すコンピュータシステム1Aのサーバー2A(又は第4図に示すコンピュータシステム11の主サーバー13)で処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価するシステムであって、第9図に示す前記コンピュータシステム1Aのサーバー2A(又は第4図に示すコンピュータシステム11の主サーバー13)は、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの活動の計算を行い数値化し、その結果を基に当該個人の報酬額を決定する。
第2の評価システムは、退職金額の決定する方法を実現する。この第2の評価システムは、組織体における内外の活動について売買対象とすることにより、これを第9図に示すコンピュータシステム1Aのサーバー2A(又は第4図に示すコンピュータシステム11の主サーバー13)で処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価するシステムであって、第9図に示す前記コンピュータシステム1Aのサーバー2A(又は第4図に示すコンピュータシステム11の主サーバー13)は、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの活動の計算を行い数値化し、その結果を基に当該個人の退職金額を決定する。
[ポイント制を更に効果的に適用する方法]
上記の例では、活動毎の結果を数値として計上する方式を説明したが、この場合は結果が分かっても、内容が分かり難い欠点があった。
例えば、3万円でパソコンソフトのインストールを請け負った場合に、売上が3万円であり、一方、経費としてソフト代金が1万円、一部協力してもらった他のメンバーへの支払いが6千円とすれば、該メンバーの利益相当額は14000円となる場合に、これらの経費を売上と共に計上しておく方法である。
このように活動の結果だけでなく、その明細を保存することにより、特定の活動の結果がどのようにして生まれたかが、より明確になる。
その他の付帯情報や、貸借対照表に代わる情報に関しては、ポイント制の実施例と同様である。
この実施形態に基づく給与、賞与等の報酬の決定方法は、ポイント制の実施形態で述べた方法と同様である。
すべての実施形態に共通して、活動の結果を数値として残す際に、各活動の詳細な内容を数値と共に保存することが好ましい。活動の内容、契約条件、期間、売上金額、費用の明細などである。こういった明細を保存することにより、最終的に数値がおかしいといったメンバーからの抗議や、GMからの疑問に適切に答えることが可能となる。また、メンバーがグループリーダーになる場合に、過去の数字を精査して適任か否かを判断する材料にもなり得る。
このような説明における取り決め等も、第9図に示すコンピュータシステム1Aのサーバー2A(又は第4図に示すコンピュータシステム11の主サーバー13)に適用することにより、効果的にポイント制による評価システムを実現することができる。
上述したいずれか一つの評価システムを用いて、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの損益の管理を行うシステムをコンピュータにより実現することができる。
これまでに説明したとおり、仕訳には少なくとも、メンバーID、活動ID、グループIDが付されているので、仕訳を集計することにより、メンバー毎、活動毎、グループ毎の、売上・費用・利益が明確に分かるようになる。また、メンバー毎、グループ毎に損益計算書、貸借対照表を保持し、発生した仕訳により更新していくことにより、損益の他に、資産・負債の状況も明確になり、活動の継続に関する判断が容易に行えるようになる。
このように本システムを利用することにより、メンバー及び/またはグループ及び/または活動の損益管理が容易に行える。
このようにして得られた、メンバー毎の損益計算、資産負債計算の数値を、企業の合併や買収、ヘッドハンティングの資料として生かすことも可能である。組織体毎の損益計算書、貸借対照表は、組織体としての損益や資産・負債を表しているだけで、その内容がわかりやすいものではなかったが、本発明のメンバー毎の数値を用いると、個人毎の貢献度が明確になるため、組織体で重要な資産である人材の評価を行える。
産業上の利用可能性
以上説明したように請求項1に係る発明の評価方法によれば、組織体内外の活動を売買対象として数値化し、当該数値をデータベースに格納し、当該データベースに蓄積された数値を基に当該組織体内の個人及び/又はグループを評価するので、個人やグループの活動を客観的に評価することができ、それにより、業務内容を厳選し、利益に結びつく仕事内容を充実させ、組織体の利益を極大化させるとともに、人事考課における評価者と被評価者の評価に対する食い違いを無くし、真の実力主義を実現しうる。
請求項2に係る発明の評価方法によれば、組織体内外の活動を会計上の取り引きとすることにより数値化し、当該数値を個人及び/又はグループ毎にデータベースに格納し、当該データベースに蓄積された数値を基に当該組織体内の個人及び/又はグループを評価するので、客観的に評価することができ、それにより、業務内容を厳選し、利益に結びつく仕事内容を充実させ、組織体の利益を極大化させるとともに、人事考課における評価者と被評価者の評価に対する食い違いを無くし、真の実力主義を実現しうる。
請求項3に係る発明の記載の評価方法は、組織体におけるメンバー及び/又はグループの各々毎に損益計算書及び/又は貸借対照表をデータベース上に保有し、その一方又は両方をもって各々の勘定とし、組織体内外の活動を売買又は会計上の取引として上記データベース上の勘定に反映させ、かつ、メンバー及び/又はグループの収入及び/又は支出があったときに上記データベース上の前記各々の勘定に対して反映させ、その反映され計算された、メンバー及び/又はグループの損益計算書及び/又は貸借対照表を用いて、メンバー及び/又はグループの評価を行うので、客観的に、公正かつ明確に評価することができ、また、個人の利益と組織体の利益を連動させて、利益拡大への意欲を発現させ、これにより組織体の活性化を図ることができるという効果がある。
請求項4、5、6及び11記載に係る発明の組織体評価システムによれば、個人又は一人以上の個人からなるグループから構成されるグループの活動を会計上の取引又は売買対象として数値化させることにより前記個人あるいは前記グループの各活動を数値化し、当該数値を基に損益計算し、当該数値を基に組織体における前記個人あるいは前記グループを評価するので、次のような効果を奏することができる。
(1)個人の業績が誰の目にも明らかになる。
(2)業績が明らかになり、評価が具体的な数字として現れるため、評価のばらつきが無くなり、公平な評価が可能となる。
(3)不要な費用を使わなくなるため、全体としての事業効率が上がる。
(4)各個人は、自分を高く売れるように努力することが必要になるが、その事により常に事業活動と密接に結びついた能力を持った人間が社内に存在する事になる。
請求項7記載に係る発明の組織体評価システムによれば、個人又は一人以上の個人からなるグループから構成されるグループの活動を売買対象として数値化させる換算手段により前記個人あるいは前記グループの各活動を数値化し、当該数値を基に報酬額の決定を行うので、報酬額が個人の利益貢献度に関連して決定されるので、経営者、個人にとって合理的な報酬額の決定が行える。
請求項8記載に係る発明の組織体評価システムによれば、組織体における内外の活動について会計手法を適用し、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に当該個人の報酬額を決定するので、報酬額が個人の利益貢献度に関連して決定されるので、個人の貢献度に見合った、経営者、個人にとって合理的な報酬額の決定が行える。
請求項9記載に係る発明の組織体評価システムによれば、組織体における内外の活動について売買対象とすることにより、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に数値化し、資産負債計算の資産を元に、当該個人の退職金額を決定することができるので、個人の貢献度に見合った、より合理的に退職金額を決定することができる。
請求項10記載に係る発明の組織体評価システムによれば、コンピュータシステムに、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に当該個人の退職金額を決定することができるので、個人の貢献度に見合った、より合理的に退職金額を決定することができる。
請求項12に係る発明の評価システムは、前記コンピュータシステムが、組織体内部で取り扱いを決定できる内部取引用と、財務会計及び/又は税務会計に使用する外部取引用の勘定科目を設定したデータベースと、前記組織体内外の取引を、内部取引用勘定科目と外部取引用勘定科目に反映させる手段と、組織体内のメンバー及び/又はグループの損益計算書及び/又は貸借対照表を計算する手段と、前記各手段で得られた結果を基にメンバー及び/又はグループの評価を行う手段とを備えたので、客観的に、公正かつ明確に評価することができ、また、個人の利益と組織体の利益を連動させて、利益拡大への意欲を発現させ、これにより組織体の活性化を図ることができるというシステムを提供できる。
以上説明したように本発明全体に関連する効果をまとめると、以下のようになる。
1.PLを期間評価に使用するので、毎期ゼロから数字がスタートする。この為、評価期間に対して従前の評価が持ち越されること無く、正しい評価が行える。
2.評価が活動毎に行われ、リアルタイムに把握できるため、評価に要する時間が短くて済む。
3.活動毎の売上や経費・利益が把握でき、評価者と被評価者の間で見解が相違する可能性が低くなる。
4.様々な活動が評価の対象となるため、スタンドプレイヤーが高い評価を得る弊害を排除できる。
5.個人やグループと、組織体との利害が一致し、個人のモラールアップが図れる。また、不要な経費や投資の排除がしやすくなる。
6.個人やグループのBSに積み上げられた数値を把握できるので、それまでの活動実績の把握が容易になる。また、投資の可否の判断が容易になる。
7.評価者と被評価者の関係を、敵対的なものから協力的なものにできる。
8.支出を個人のBS、PLを通して行うので、活動毎の収支がリアルタイムで明らかになるし、資産と負債の関係も明らかになる。ある活動が赤字を抱えて、メンバーやグループリーダーの資産を超えた場合には、それ以上の支出ができないようにすることが可能である。このように、メンバーやグループリーダー、活動毎のBS、PLをチェックし、ある一定の割合を超えた場合に、内容を確認・吟味し、推進か、継続か、停止か、の判断を的確に行うための指標を組織体の規模に係わらず提示できる。
9.個人が自己のBS、PLを持って異動するために、評価が途切れない。
10.異なるグループに属するメンバー間であっても、同等の基準で評価が行える。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施の形態に係る組織体内評価システムに使用されるコンピュータシステムの例を示すブロック図である。
第2図は、本発明の実施の形態に係る組織体内評価システムが適用される組織体の例を説明するための図である。
第3図は、本発明の実施の形態に係る組織体内評価システムが適用される場合の、メンバーが異動する場合の例を説明するための図である。
第4図は、本発明の実施の形態に係る組織体評価システムに使用されるコンピュータシステムの例を示すブロック図である。
第5A図乃至第5C図は、本発明の実施の形態に係る組織体評価システムの内部で実行される仕訳処理を説明するための図である。
第6図は、本発明の実施の形態に係る組織体評価システムの内部で実行される仕訳処理を説明するための図である。
第7A図及び第7B図は、本発明の実施の形態に係る組織体評価システムの内部で実行される仕訳処理を説明するための図である。
第8図は、本発明の実施の形態に係る組織体評価システムに使用されるコンピュータシステムにおけるデータベースの説明図である。
第9図は、本発明の実施の形態に係る組織体評価システムに使用されるコンピュータシステムの他の例を示すブロック図である。
第1図乃至第9図において、
1,1Aはコンピュータシステム、
2,2Aはサーバー、
2aはオペレーティングシステム、
2bはアプリケーションプログラム、
2cはCPU、
2dはデータベース制御機構、
2eは通信機構、
3はデータベース、
4は通信回線、
5はパーソナルコンピュータ(パソコン)、
6は演算処理手段、
7は換算手段、
8は演算集計手段、
11はコンピュータシステム、
13は主サーバー、
15はコンピュータ、
17はLAN、
17aは無線LAN、
19は公衆回線、インターネット、
21は通信装置、
23は携帯電話回線及び
30はデータベース
をそれぞれ表す。
Claims (13)
- 組織体における内外の活動を売買対象とすることにより当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを、コンピュータを使用して評価する評価方法であって、
当該組織体における内外の活動を売買対象とすることにより数値化し、当該数値をデータベースに格納するステップと、
当該データベースに蓄積された数値に基づいて当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価するステップと
を備えたことを特徴とする評価方法。 - 組織体における内外の活動を会計手法により当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを、コンピュータを使用して評価する評価方法であって、
当該組織体における内外の活動を会計上の取引とすることにより数値化し、当該数値をデータベースに格納するステップと、
当該データベースに蓄積された数値に基づいて当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価するステップと
を備えたことを特徴とする評価方法。 - 組織体における内外の活動を会計手法により当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを、コンピュータを使用して評価する評価方法であって、
組織体における個人及び/又はグループの各々毎に損益計算書データ及び/又は貸借対照表データをデータベース上に保有し、
その一方又は両方をもって、個人及び/または各々の勘定単位とし、組織体内外の活動を売買又は会計上の取引として上記データベース上の勘定単位に反映させるステップと、
個人及び/又はグループの収入及び/又は支出があったときに上記データベース上の前記各々の勘定単位に対して反映させるステップと、
上記各ステップによって計算された、個人及び/又はグループの損益計算書データ及び/又は貸借対照表データを用いて、個人及び/又はグループの評価を行うステップと
を備えたことを特徴とする評価方法。 - 組織体における内外の活動について会計手法を適用し、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、
前記コンピュータシステムは、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に当該個人及び/又は当該グループを評価する演算処理手段を備えたことを特徴とする評価システム。 - 前記コンピュータシステムにおける演算処理手段は、当該組織体の構成員である個人の活動を数値化した数値が入力されたときに、その入力データを基に当該個人の損益計算及び資産負債計算する計算処理手段と、
前記計算処理手段での計算結果が、当該個人が属するグループの損益計算及び資産負債計算、並びに、グループと当該グループが属する上位グループの損益計算及び資産負債計算に相互に関係付けられて計算され、各損益計算、及び資産負債計算を更新する更新処理手段と備えたことを特徴とする請求項3記載の評価システム。 - 前記更新処理手段は、個人及びグループを属性で区別可能にし、グープが階層的に存在する場合には、個人とグループ及び/又はグループとグループの属性付けを変更することにより、上位グループ及び下位グループとの関係を更新できるようにしたことを特徴とする請求項4記載の評価システム。
- 組織体における内外の活動について売買対象とすることにより、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、
前記コンピュータシステムは、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの活動の計算を行い数値化し、その結果を基に当該個人の報酬額を決定することを特徴とする評価システム。 - 組織体における内外の活動について会計手法を適用し、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、
前記コンピュータシステムは、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に当該個人の報酬額を決定することを特徴とする評価システム。 - 組織体における内外の活動について売買対象とすることにより、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、
前記コンピュータシステムは、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの活動の計算を行い数値化し、その結果を基に当該個人の退職金額を決定することを特徴とする評価システム。 - 組織体における内外の活動について会計手法を適用し、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、
前記コンピュータシステムは、当該組織体の内外の活動について、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組識体の構成員である一人以上の個人からなるグループの会計上の計算を行い、当該個人及び/又は当該グループの資産負債計算、損益計算の結果を基に当該個人の退職金額を決定することを特徴とする評価システム。 - 前記コンピュータシステムは、当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループ間の契約関係を論理として保持し、会計手法を適用して処理する際に、その契約関係に基づいて自動的計算を行うことを特徴とする請求項4記載の評価システム。
- 組織体における内外の活動について会計手法を適用し、これをコンピュータシステムで処理した結果を基に当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループを評価する評価システムであって、
前記コンピュータシステムは、組織体内部で取り扱いを決定できる内部取引用と、財務会計及び/または税務会計に使用する外部取引用の勘定科目を設定したデータベースと、
前記組織体内外の取引を、内部取引用勘定科目と外部取引用勘定科目に反映させる手段と、
組織体内の個人及び/又はグループの損益計算書及び/又は貸借対照表を計算する手段と、
前記各手段で得られた結果を基に個人及び/又はグループの評価を行う手段と
を備えたことを特徴とする評価システム。 - 前記請求項4乃至請求項12記載のいずれか一つの評価システムを用いて当該組織体の構成員である個人及び/又は当該組織体の構成員である一人以上の個人からなるグループの損益の管理を行うシステム。
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