JPWO2002059813A1 - 環境負荷量算出システム、環境負荷量算出方法、環境負荷量表示物、環境負荷量表示方法、プログラム、および媒体 - Google Patents

環境負荷量算出システム、環境負荷量算出方法、環境負荷量表示物、環境負荷量表示方法、プログラム、および媒体 Download PDF

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Abstract

地球資源・地球環境へ与える負荷の軽減を推進することが困難であった。(a)製造物を構成する構成素材の環境に対する単位負荷量、および(b)基準となる基準製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量の、基準製造物の環境に対する全負荷量に占める負荷比率を、データとしてあらかじめ格納するためのサーバ41と、対象となる製造物を構成する構成素材の重量に関する情報を入力するための部品情報端末31〜33と、あらかじめ格納されているデータおよび入力される情報に基づいて、対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出するためのサーバ41とを備えた環境負荷評価システム。

Description

技術分野
本発明は、たとえば、部品(製造物)あるいは複数の部品を含む製品が地球資源・地球環境へ与える負荷量を推算/評価するための環境負荷量算出システム、環境負荷量算出方法、環境負荷量表示物、環境負荷量表示方法、プログラム、および媒体に関する。
背景技術
近年、地球温暖化物質である炭酸ガスの排出量を削減するための省エネルギーや、資源の有効利用を促進するためのリサイクル型設計など、環境調和型製品の開発がますます重要になってきている。
このような流れの中で、たとえば原料調達から製品の廃棄までの間の環境負荷を、環境負荷量として定量的に評価し、環境負荷低減のための製品設計に反映させる手法として、ライフサイクルアセスメント(LCA)が注目されている。なお、このような環境負荷量とは、評価対象とする活動が地球環境(地球の大気、水圏、土壌など)に対して直接的または間接的に与える影響を定量化した値であり、CO、NO、SOなどの大気への排出量、エネルギー消費量、地球温暖化影響度などをはじめとして様々な項目が利用されている。
製品のLCAを実施するためには、製品を構成する個々の部品について、原料調達から部品製造までの環境負荷量を把握する必要がある。また、部品の環境負荷を把握するためには、部品製造の際の物質量、エネルギー量の入力と出力とを調査する必要がある。また、候補となる複数の部品の中から購入部品の決定を支援するために、環境負荷量を判断材料の一つとして用いて、より環境負荷量の小さい部品を製品に使用していくことで、環境調和型製品の開発を推進する活動が始まりつつある。
しかしながら、部品製造に投入される物質は多種にのぼるため、各プロセスの正確な把握は容易ではなく、地球資源・地球環境へ与える負荷軽減の推進は困難であった。
具体的には、部品の製造現場では、複数の部品が混在して生産されている場合が多く、特に、部品には残らない処理剤の使用量やエネルギー使用量などの個々の部品に関する情報を把握しにくい。
また、多数の部品が使用されている製品の環境負荷量を評価する際には、各部品の環境負荷量を調査するために多大な労力が必要となる。
また、候補となる複数の部品の中から購入部品の決定を支援するために環境負荷量を判断材料の一つとして取り上げた場合、部品販売者側では、販売する部品の環境負荷量に関するデータが充分に整備されておらず、部品購入者は部品の環境負荷量に関する情報を入手しにくい。また、部品販売者にとっては、自らが販売する部品の環境負荷量が、競合する部品販売者が販売する部品の環境負荷量に対してどの位置にあるのかを把握しにくい状況であり、さらなる環境負荷量低減に向けての目標値などを定めることは困難である。
発明の開示
本発明は、上記従来のこのような課題を考慮し、地球資源・地球環境へ与える負荷の軽減を推進することができる環境負荷量算出システム、環境負荷量算出方法、環境負荷量表示物、環境負荷量表示方法、プログラム、および媒体を提供することを目的とする。
第一の本発明(請求項1に対応)は、(a)製造物を構成する構成素材の環境に対する単位負荷量、および(b)基準となる基準製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量の、前記基準製造物の環境に対する全負荷量に占める負荷比率を、データとしてあらかじめ格納するためのデータベースと、
対象となる製造物を構成する構成素材の重量に関する情報を入力するための入力手段と、
前記あらかじめ格納されているデータおよび前記入力される情報に基づいて、前記対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出するための算出手段とを備えた環境負荷量算出システムである。
第二の本発明(請求項2に対応)は、前記あらかじめ格納されているデータおよび前記入力される情報に基づいて、前記対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出するとは、(a)前記対象となる製造物を構成する構成素材の環境に対する単位負荷量、および前記対象となる製造物を構成する構成素材の重量に関する情報に基づいて、前記対象となる製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量を算出し、その算出された前記対象となる製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量、および前記基準となる基準製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量の前記基準製造物の環境に対する全負荷量に占める負荷比率に基づいて、前記対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出することである、または(b)前記対象となる製造物を構成する構成素材の環境に対する単位負荷量、および前記基準となる基準製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量の前記基準製造物の環境に対する全負荷量に占める負荷比率に基づいて、前記対象となる製造物を構成する構成素材の環境に対する単位数量あたりの換算負荷量を算出し、その算出された前記対象となる製造物を構成する構成素材の環境に対する単位数量あたりの換算負荷量、および前記対象となる製造物を構成する構成素材の重量に関する情報に基づいて、前記対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出することである第一の本発明の環境負荷量算出システムである。
第三の本発明(請求項3に対応)は、前記製造物は、製品を構成する部品であり、
前記入力手段は、前記算出手段とネットワークによって結合された前記製造者側および/または前記販売者側に設けられた端末装置側にあり、
前記算出された製造物の環境に対する全負荷量は、前記ネットワークを介し、前記端末装置に対して通知される第一または第二の本発明の環境負荷量算出システムである。
第四の本発明(請求項4に対応)は、前記製造物は、製品を構成する部品であり、
前記製品の製造、使用、輸送、廃棄の内の少なくとも一つに関する追加情報を入力するための追加情報入力手段と、
前記算出された製造物の環境に対する全負荷量および前記入力された追加情報に基づいて、前記製品の環境に対する環境負荷量を算出するための演算手段とを備えた第一または第二の本発明の環境負荷量算出システムである。
第五の本発明(請求項5に対応)は、前記構成素材の環境に対する単位負荷量とは、製造物の構成素材A(k=1からmまでの整数)の環境負荷項目Lに関する単位負荷量uL,kであり、
前記負荷比率とは、基準となる基準製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量の、前記基準製造物の環境に対する全負荷量に占める環境負荷項目Lに関する負荷比率rであり、
前記重量に関する情報とは、前記構成素材Aの重量a(k=1からmまでの整数)であり、
前記あらかじめ格納されているデータおよび前記入力される情報に基づいて、前記対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出するとは、(a)前記環境負荷項目Lに関する前記製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量Pを、
Figure 2002059813
によって算出し、前記環境負荷項目Lに関する前記製造物の環境に対する全負荷量Tを、
Figure 2002059813
によって算出することである、または(b)前記環境負荷項目Lに関する前記製造物を構成する構成素材の環境に対する単位数量あたりの換算負荷量uL,k′を、
Figure 2002059813
によって算出し、前記環境負荷項目Lに関する前記製造物の環境に対する全負荷量Tを、
Figure 2002059813
によって算出することである第一の本発明の環境負荷量算出システムである。
第六の本発明(請求項6に対応)は、前記構成素材の環境に対する単位負荷量とは、製造物の構成素材の内で重量に関する比率が最も高い構成素材Amaxの環境負荷項目Lに関する単位負荷量uL,maxであり、
前記負荷比率とは、前記比率が最も高い構成素材Amaxの環境に対する負荷量の、前記基準製造物の環境に対する全負荷量に占める環境負荷項目Lに関する負荷比率r2であり、
前記重量に関する情報とは、前記比率が最も高い構成素材Amaxの重量amaxであり、
前記あらかじめ格納されているデータおよび前記入力される情報に基づいて、前記対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出するとは、(a)前記環境負荷項目Lに関する前記製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量P2を、
Figure 2002059813
によって算出し、前記環境負荷項目Lに関する前記製造物の環境に対する全負荷量T2を、
Figure 2002059813
によって算出することである、または(b)前記環境負荷項目Lに関する前記製造物を構成する構成素材の環境に対する単位数量あたりの換算負荷量uL,max′を、
Figure 2002059813
によって算出し、前記環境負荷項目Lに関する前記製造物の環境に対する全負荷量T2を、
Figure 2002059813
によって算出することである第一の本発明の環境負荷量算出システムである。
第七の本発明(請求項7に対応)は、前記構成素材の環境に対する単位負荷量とは、製造物の構成素材全体Atotalの環境負荷項目Lに関する単位負荷量uL,totalであり、
前記負荷比率とは、基準となる基準製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量の、前記基準製造物の環境に対する全負荷量に占める環境負荷項目Lに関する負荷比率r3であり、
前記重量に関する情報とは、前記構成素材全体Atotalの重量atotalであり、
前記あらかじめ格納されているデータおよび前記入力される情報に基づいて、前記対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出するとは、(a)前記環境負荷項目Lに関する前記製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量P3を、
Figure 2002059813
によって算出し、前記環境負荷項目Lに関する前記製造物の環境に対する全負荷量T3を、
Figure 2002059813
によって算出することである、または(b)前記環境負荷項目Lに関する前記製造物を構成する構成素材の環境に対する単位数量あたりの換算負荷量uL,total′を、
Figure 2002059813
によって算出し、前記環境負荷項目Lに関する前記製造物の環境に対する全負荷量Tを、
Figure 2002059813
によって算出することである第一の本発明の環境負荷量算出システムである。
第八の本発明(請求項8に対応)は、(a)製造物を構成する構成素材の環境に対する単位負荷量、および(b)基準となる基準製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量の、前記基準製造物の環境に対する全負荷量に占める負荷比率を、データとしてあらかじめ入力する第一の入力ステップと、
対象となる製造物を構成する構成素材の重量に関する情報を入力する第二の入力ステップと、
前記あらかじめ入力されているデータおよび前記入力された情報に基づいて、前記対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出する算出ステップとを備えた環境負荷量算出方法である。
第九の本発明(請求項9に対応)は、第一の本発明の環境負荷量算出システムまたは第八の本発明の環境負荷量算出方法を利用して得られた前記製造物の環境に対する全負荷量を表示するための環境負荷量表示物である。
第十の本発明(請求項10に対応)は、第一の本発明の環境負荷量算出システムまたは第八の本発明の環境負荷量算出方法を利用して得られた前記製造物の環境に対する全負荷量を、前記製造物に対してまたはネットワークを介して表示する環境負荷量表示方法である。
第十一の本発明(請求項11に対応)は、第八の本発明の環境負荷量算出方法の、(a)製造物を構成する構成素材の環境に対する単位負荷量、および(b)基準となる基準製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量の、前記基準製造物の環境に対する全負荷量に占める負荷比率を、データとしてあらかじめ入力する第一の入力ステップと、対象となる製造物を構成する構成素材の重量に関する情報を入力する第二の入力ステップと、前記あらかじめ入力されているデータおよび前記入力された情報に基づいて、前記対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出する算出ステップとの全部または一部をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
第十二の本発明(請求項12に対応)は、第十一の本発明のプログラムを担持した媒体であって、コンピュータにより処理可能な媒体である。
発明を実施するための最良の形態
以下では、本発明にかかる実施の形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
(実施の形態1)
はじめに、本実施の形態1における環境負荷評価方法の説明図である図1を参照しながら、本実施の形態1の環境負荷評価方法について説明する。なお、本実施の形態の環境負荷評価方法は、本発明の環境負荷量算出方法に対応する。
なお、本発明の構成素材の重量に関する情報とは、質量、重量、容量などのように単位負荷量に対応した物理量であればよい。たとえば、使用する構成素材が線材や板材などの断面形状が一定である場合には、長さや面積などをそのような物理量として用いることができるわけである。したがって、以下では重量を用いた場合について説明するが、本発明がこのような場合に限定されないことは、もちろんである。
ステップ(I)では、部品(製造物)の製造に投入される部品の構成素材の重量(以下では構成素材重量と呼ばれる)を調査する。
ステップ(II)では、原料を調達してから単位重量あたりの構成素材を製造するまでの全環境負荷量(以下では構成素材単位負荷量と呼ばれる)を調査する。
ステップ(III)では、原料を調達してから部品を製造するまでの全環境負荷量に対して、原料を調達してから構成素材を製造するまでの全環境負荷量の割合を示す負荷比率(以下では構成素材負荷比率と呼ばれる)を調査する。
その後、ステップ(IV)では、ステップ(I)およびステップ(II)で得られた構成素材重量と構成素材単位負荷量とから、原料を調達してから構成素材を製造するまでの全環境負荷量である構成素材に関する負荷量(以下では構成素材(製造)負荷量と呼ばれる)を算出する。
その後、ステップ(V)では、ステップ(IV)で得られた構成素材負荷量と構成素材負荷比率とから、原料を調達してから部品を製造するまでの全環境負荷量である部品の環境に対する全負荷量(以下では(部品)全環境負荷量と呼ばれる)を推算評価する。
つぎに、本発明が対象とする部品の環境負荷評価についてさらに詳しく説明する。
部品の製造に関する環境負荷は、4項目に分類できる。部品を構成する構成素材に関する環境負荷、部品には残らないが製造過程で使用される処理剤に関する環境負荷、部品を製造する際に投入される動力源に関する環境負荷、および部品を製造する際に動力源以外に起因する環境負荷である。
例えば、電気製品の部品の一つであるプリント配線板の製造では、構成素材としてはエポキシ樹脂、ガラス繊維、および銅箔などが投入され、処理剤としては塩酸、水酸化ナトリウムなどが投入され、動力源には電力や重油が使用され、プリント配線板製造時には廃酸、廃アルカリが発生する。
部品の製造に関する流れを説明するための概念図である図2に示されているように、構成素材A(k=1からm1までの整数)、処理剤B(k=1からm2までの整数)、および動力源C(k=1からm3までの整数)が投入されて、構成素材がA2(k=1からm4までの整数)で表される部品が製造される。
この時、地球環境からの資源採取を起点として、構成素材を製造するまでの範囲11(図1参照)での全環境負荷量P、処理剤を製造するまでの範囲12(図1参照)での全環境負荷量Q、動力源を製造するまでの範囲13(図1参照)での全環境負荷量R、および部品製造時の範囲14(図1参照)での全環境負荷量Sが発生する。
なお、本実施の形態における構成素材負荷量は、Pに相当し、本実施の形態における原料を調達してから部品を製造するまでの全環境負荷量Tは、範囲15(図1参照)を対象とするP、Q、R、Sの合計に相当する。ただし、以下では、環境負荷項目L(後述されるように、項目の具体例としてはエネルギー消費などが挙げられる)に関する量であることを明示するために、下付文字として添数Lが付与されている。
通常、原料を調達してから部品を製造するまでの全環境負荷量の推測/評価を行うためには、部品に関する情報を調査する必要がある。
製造メーカでは、部品の構成素材Aの重量aは部品の性能や仕様を決める上で重要な項目であるため、その情報は、個々の部品に対して詳細に把握管理されており、個々の部品に対して詳細な情報を把握しやすい。
これに対して、製造現場では、複数の部品が混在して生産されている場合が多く、部品には残らない処理剤B、動力源Cの使用量および部品製造時の全環境負荷量Sについては、個々の部品に対して詳細な情報を把握しにくいのが現状である。
本発明者は、このような事実に着眼して、比較的情報の入手しやすい部品の構成素材重量の情報を用いて、原料を調達してから部品を製造するまでの全環境負荷量の推測を行うことで、部品の環境負荷評価を効率的に実施できることを見いだした。以下では、これについてより詳しく説明する。
部品の環境負荷量の評価を説明するための概念図である図3に示されているように、環境負荷項目Lに関して原料を調達してから部品を製造するまでの全環境負荷量Tは、構成素材、処理剤、および動力源に関する、それぞれ原料調達から製造までの全環境負荷からなる。この中で、原料調達から構成素材の製造までの全環境負荷量P、および部品の全環境負荷量Tに対する比率rから、全環境負荷量Tを、つぎの(数2)により推測評価する。
Figure 2002059813
ここに、環境負荷項目Lに関する構成素材負荷比率rは、構成素材Aを原料調達から製造するまで実際のプロセスを調査した値を用いることが望ましいが、現在の状況を示しかつ客観性があり、第3者を説得できるならば、一般的に入手されるデータや推計データを本発明に用いることができる。用いられるデータとしては、例えば、国や公的機関の公式データ、業界団体による公開データ、民間研究機関のデータ、海外政府・研究機関のデータなどの公開・公式文献などが挙げられる。また、評価対象の部品と製造プロセスが大きく異ならないと考えられる複数種類の部品が製造されている工場を対象として、工場全体の投入物質/排出物質やエネルギーの総投入量を集計して、評価対象の部品に集計結果を、生産量、生産金額、生産個数などを基にして割り振ったデータを推計データとして用いることも可能である。
さて、本実施の形態における環境負荷項目Lに関する構成素材負荷量Pは、つぎの(数13)で示すように、構成素材Aに関する、その素材重量aと構成素材単位負荷量uL,kとの積を合計した値として計算される。
Figure 2002059813
Figure 2002059813
ここに、構成素材単位負荷量uL,kは、単位重量あたりの構成素材Aに対して、原料調達から構成素材Aを製造するまでの全環境負荷量を示す。構成素材単位負荷量uL,kには、構成素材Aを原料調達から製造するまで実際のプロセスを調査した値を用いることが望ましいが、現在の状況を示しかつ客観性があり、第3者を説得できるならば、一般的に入手されるデータや推計データを用いることができる。用いられるデータとしては、例えば、国や公的機関の公式データ、業界団体による公開データ、民間研究機関のデータ、海外政府・研究機関のデータなどの公開・公式文献などが挙げられる。
かくして、(数2)および(数13)により、各環境負荷項目Lに関する全環境負荷量Tを算出することができる。
要するに、(1)対象となる製造物を構成する構成素材の環境に対する単位負荷量、および対象となる製造物を構成する構成素材の重量に関する情報に基づいて、対象となる製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量を算出し、(2)その算出された対象となる製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量、および基準となる基準製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量の基準製造物の環境に対する全負荷量に占める負荷比率に基づいて、対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出することができることがわかった。
なお、評価対象とする範囲は、実施しようとする評価の目的に応じて適宜設定できる。ここでは、資源採掘、輸送、構成素材製造、輸送、部品製造の5つの段階を評価対象範囲としたが(図2参照)、図4に示すように、資源採掘は評価対象として含まないで、その後の段階を評価対象範囲とすることも可能である。なお、図4は、資源採掘を評価対象としない場合の部品の製造に関する流れを説明するための概念図である。
また、予め構成素材負荷量Pあるいは構成素材負荷比率rの値の幅(上限値や下限値)を調査することで、ステップVで得られる部品の全環境負荷量の値の範囲(ばらつき)を見積もることが可能である。
また、ステップ(I)における構成素材Aの重量としては、単位数量あたりの部品の製造に投入される構成素材Aの重量を用いたが、これに限らず、単位数量あたりの部品に実際に使用されている構成素材Aの重量を用いることも可能である。この場合、部品の製造に投入される構成素材の重量と、製造された部品に使用されている構成素材の重量とが一致しなければ、評価結果の精度は低くなるが、製造された部品の構成素材重量は比較的に入手しやすいため、ステップ(I)を効率的に行える特徴がある。
(実施の形態2)
つぎに、本実施の形態2の環境負荷評価方法について説明する。
本実施の形態2の環境負荷評価方法は、前述した本実施の形態1の環境負荷評価方法とほぼ同様であるが、本実施の形態のステップ(I)では、単位数量あたりの部品の製造に投入される構成素材の中で重量比率の最も高い構成素材となる構成素材Amax、あるいは単位数量あたりの部品に使用されている構成素材の中で重量比率の最も高い構成素材となる構成素材Amaxに対する重量amaxを調査する。
そして、ステップ(II)で、原料を調達してから単位重量あたりの主構成素材Amaxを製造するまでの環境負荷項目Lに関する全環境負荷量を示す主構成素材に関する構成素材単位負荷量uL,maxを調査することで、原料調達から部品の製造までの全環境負荷量Tを推測評価する。
本実施の形態における部品の製造に関する流れを説明するための概念図である図5に示すように、部品の構成素材をすべて考慮しない点で、前述の実施の形態1の場合に比べて評価結果の精度が低くなる。しかし、主構成素材Amaxの重量比率が比較的高い部品に対しては、評価結果の精度低下も小さくなり、ステップ(I)を効率的に行えるという効果がある。
(実施の形態3)
つぎに、本実施の形態3における環境負荷評価システムの概念図である図6を参照しながら、本実施の形態3の環境負荷評価システムの構成および動作について説明する。
図6において、部品情報端末31〜33、サーバ41、および評価者用端末51、52がネットワーク21で接続されている。なお、本実施の形態の環境負荷評価システムは、本発明の環境負荷量算出システムに対応する。
部品情報端末31〜33では、製品に含まれる部品に関して、各部品メーカA〜Cより、入力手段を用いて部品の構成素材に対する重量が入力された後、出力手段を用いてサーバ41に対して入力された情報が出力される。
サーバ41は、構成素材単位負荷量、構成素材負荷比率、および構成素材に対する重量を少なくとも含むデータなどを蓄積する蓄積手段と、前述の(数2)および(数13)で示された演算を行う演算手段と、演算手段で演算された部品に関する全環境負荷量の結果を評価者用端末51、52へ出力する出力手段(図示省略)とを有する。
評価者用端末51、52は、製品の原料を調達してから製品を廃棄するまでの全環境負荷量を評価するため、サーバ41から各部品の構成素材単位負荷量、構成素材負荷比率、および構成素材に対する重量を受信するデータ受信部と、製品の評価に必要な情報(製品組立時の情報、製品輸送時の情報、製品使用時の情報、製品廃棄時の情報など)を入力するデータ入力部と、製品の原料を調達してから製品を廃棄するまでの全環境負荷量を計算する計算手段とを有する。
このように、製品の原料を調達してから製品を廃棄するまでの全環境負荷量を評価するに当って、通常は、部品供給メーカが構成素材、処理剤、およびエネルギーのすべての情報を製品メーカ側に開示する必要があるが、本実施の形態では、部品の構成素材より、部品の原料調達から部品製造までの全環境負荷を推測評価するため、部品メーカでは、構成素材に関する情報を開示するだけで良く、部品メーカでの情報開示の負担を低減できる効果がある。
なお、本実施の形態3における蓄積手段および演算手段が製品メーカ側のサーバ41にあったが(図6参照)、蓄積手段および演算手段は製品メーカ側に設置される必要性はない。例えば、蓄積手段および演算手段を部品メーカA〜C側のそれぞれに設置して、部品メーカ毎に蓄積手段および演算手段を用いて部品に関する全環境負荷量を算出して、その結果を製品メーカ側に出力することも可能である。また、製品メーカとは別の機関でサーバ41をもってそこに蓄積手段および演算手段を設置することも可能である。
(実施の形態4)
つぎに、本実施の形態4における部品購入支援システムの概念図である図7を参照しながら、本実施の形態4の部品購入支援システムの構成および動作について説明する。
図7において、部品販売者端末34〜36、部品購入者サーバ41がネットワーク21で接続されている。なお、部品販売者端末34〜36は、部品購入者が必要とする部品を供給する部品販売者A〜Cに対して設けられた端末である。なお、本実施の形態の部品購入支援システムは、本発明の環境負荷量算出システムに対応する。
部品販売者端末34〜36では、部品販売者によって各部品販売者端末の入力手段を用いて部品の構成素材に対する重量が入力された後、出力手段を用いて、サーバ41に対して情報が出力される。
なお、部品販売者が、販売する部品に関して、原料を調達してから部品を製造するまでの全環境負荷量を予め評価している場合には、入力手段を用いてその全環境負荷量が入力された後、出力手段を用いてサーバ41に情報が出力されてもよい。
かくして、部品販売者は、部品の構成素材に対する重量、あるいは予め評価した部品の全環境負荷量のいずれかの情報を、部品購買者側のサーバ側へ出力することができる。
通常では、販売する部品に関して原料を調達してから部品を製造するまでの全環境負荷量の評価結果を部品販売者が持っていない場合には、部品販売者は、構成素材、処理剤、およびエネルギーのすべての情報を製品メーカ側に開示する必要がある。しかし、本実施の形態では、上述したように、部品の構成素材より、部品の原料調達から部品製造までの全環境負荷を推測評価するため、部品メーカでは構成素材に関する情報を開示するだけで良く、部品メーカでの情報開示の負担を低減できる効果がある。
サーバ41は、前述の実施の形態3の場合と同様、構成素材単位負荷量、構成素材負荷比率、および構成素材に対する重量を少なくとも含むデータ、あるいは部品販売者から出力された部品の全環境負荷量のデータなどを蓄積する蓄積手段を有しており、蓄積された構成素材単位負荷量、構成素材負荷比率、および構成素材に対する重量を少なくとも含むデータについては、上述の(数2)および(数13)で示された演算を行う演算手段によって、対象部品の全環境負荷量が計算される。
このようにして得られた各部品販売者が販売する部品の全環境負荷量の結果は、サーバより部品販売者へ自動的にフィードバックされる。
したがって、部品販売者は、自ら販売する部品の全環境負荷量だけでなく、競合する部品販売者の部品の全環境負荷量の結果も把握できるため、自らの販売する部品が環境負荷に関してどの位置にあるのかを把握でき、的確に環境負荷量低減の目標値などを定めることができるという効果がある。
なお、本実施の形態4における蓄積手段および演算手段が部品購入者側のサーバ41にあったが(図7参照)、蓄積手段および演算手段は部品購入者側に設置される必要性はない。例えば、蓄積手段および演算手段を部品メーカA〜C側のそれぞれに設置して、部品メーカ毎に蓄積手段および演算手段を用いて部品に関する全環境負荷量を算出して、その結果を部品購入者側に出力することも可能である。また、部品購入者側とは別の機関でサーバ41をもってそこに蓄積手段および演算手段を設置することも可能である。
(実施の形態5)
つぎに、本実施の形態5の環境負荷評価方法について説明する。
本実施の形態5の環境負荷評価方法は、前述した本実施の形態1の環境負荷評価方法とほぼ同様であるが、本実施の形態のステップ(I)では、単位数量あたりの部品の製造に投入される構成素材Atotal(部品の製造に投入される全ての構成素材を平均化した仮想的な構成素材と考えられる)に対し、単位数量あたりの部品に使用されている構成素材Atotalの重量atotalを調査する。
そして、ステップ(II)で、原料を調達してから単位重量あたりの構成素材Atotalを製造するまでの環境負荷項目Lに関する全環境負荷量を示す構成素材Atotalの構成素材単位負荷量uL,totalを調査することで、部品を構成する構成素材の環境に対する負荷量P3をつぎの(数9)で示すように、
Figure 2002059813
によって算出し、さらに、つぎの(数10)に示すように環境負荷項目Lに関する製造物の環境に対する全負荷量T3を、
Figure 2002059813
によって算出して、原料調達から部品の製造までの全環境負荷量T3を推測評価する。本実施の形態では、評価対象となる部品の全体の重量を測定するだけでステップ(I)を行えるため効率的に環境負荷量を算出することができるという特徴がある。
ステップ(II)において、構成素材単位負荷量uL,totalに正確な値を用いることで、前述の実施の形態1の場合と同程度の精度を有する評価結果が得られる(主なる部品を構成する構成素材の環境に対する構成素材単位負荷量を調査し、この値を評価対象である製品の構成素材単位負荷量uL,totalとして用いることも可能である)。
なお、(数11)および(数12)をまとめると、つぎの(数14)に示すように、
Figure 2002059813
となる。
なお、構成素材Atotalの構成素材単位負荷量および基準製造物の構成素材負荷比率とから算出されるuL,total/r3は、構成素材単位数量あたりに換算した、製造物の原料調達から部品の製造までの換算負荷量uL,total′に相当する。
そこで、図10に示すように、ステップ(II)、(III)において構成素材単位負荷量uL,totalおよび構成素材負荷比率r3を調査し、ステップ(IVb)において構成素材単位数量あたりの換算負荷量uL,total′=uL,total/r3を把握してから、(数14)の後半によって対象とする製造物の全環境負荷量T3を算出することも可能である。
要するに、(1)対象となる製造物を構成する構成素材の環境に対する単位負荷量、および基準となる基準製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量の基準製造物の環境に対する全負荷量に占める負荷比率に基づいて、対象となる製造物を構成する構成素材の環境に対する単位数量あたりの換算負荷量を算出し、(2)その算出された対象となる製造物を構成する構成素材の環境に対する単位数量あたりの換算負荷量、および対象となる製造物を構成する構成素材の重量に関する情報に基づいて、対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出することができることがわかった。
もちろん、このような手法は、前述した実施の形態1〜2においても適用することができる。たとえば実施の形態1において、あらかじめ構成素材単位数量あたりに換算した構成素材の原料調達から部品の製造までの換算負荷量uL,k′=uL,k/rを把握しておいてから、対象とする製造物の全環境負荷量Tを算出してもよい。
(実施の形態6)
本発明における環境負荷量算出システム(環境負荷量算出方法)を用いた表示物の例であるラベルを図8に示す。製造物の環境負荷量がラベルに記されて、容易に製造物の購入検討者がその内容を確認することができる。表示物には、環境負荷量以外にも製造物の性能や仕様など様々な情報を表示させることができ、このようなラベルのほかに、通常の製品に添付するタグなどの利用も考えられる。
なお、表示物には環境負荷量に関する情報が直接書き込まれていても良いが、バーコードなどの別の形で情報が記されて適宜その内容を表示させることも可能である。
また、製造物のカタログの中に含まれていてもよい。この場合、通常の冊子となったカタログの場合やインターネット上でのカタログなどの形態がある。
要するに、(1)上述のような製造物の環境に対する全負荷量を表示するための環境負荷量表示物や、(2)上述のような製造物の環境に対する全負荷量を、製造物に対してまたはネットワークを介して表示する環境負荷量表示方法も、本発明に含まれる。
(実施例1)
ある製品に使用されているプリント配線板0.1mについて、原料を調達してから部品を製造するまでの全環境負荷量を、評価項目としてエネルギー消費をとって評価した(つまり、全環境負荷量はエネルギー消費量である)。
ステップ(I)を行ったところ、プリント配線板0.1m製造に投入されるのは、エポキシ樹脂0.08kg、ガラス繊維0.08kg、銅箔0.16kgであった。その後、ステップ(II)を既存のLCAデータベースなどを用いて調査したところ、各構成素材単位負荷量は、エポキシ樹脂102MJ/kg、ガラス繊維16MJ/kg、銅箔19MJ/kgであった。
ステップ(III)では、以前に調査して得られた類似のプリント配線板の構成素材比率0.4を、ここでの構成素材比率として用いた。
ステップ(IV)で得られた結果は、以上の調査結果から、12.5MJ/(プリント配線板0.1m)となり、ステップ(V)では、評価対象であるプリント配線板の原料を調達してから構成素材を製造するまでのエネルギー消費に関する全環境負荷量を、31.3MJ/(プリント配線板0.1m)と推測評価した。
(実施例2)
ある製品に使用されている半導体部品1個について、原料を調達してから部品を製造するまでの全環境負荷量を、評価項目として大気へのCO排出をとって評価した(つまり、全環境負荷量はCO排出量である)。
ステップ(I)を行ったところ、半導体1個あたりの各構成素材の使用量は、リードフレーム0.001kg、モールド樹脂0.005kg、半導体基板0.0005kgであった。その後、ステップ(II)を既存のLCAデータベースなどを用いて調査したところ、各構成素材単位負荷量位は、リードフレーム5.2kg−CO/kg(すなわちリードフレーム1kgあたりCOの排出量は5.2kgであるの意、以下同様)、モールド樹脂2.9kg−CO/kg、半導体基板800kg−CO/kgであった。
ステップ(III)では、半導体工場全体に投入されている全物質および全エネルギーの調査データを基にして、半導体工場全体の平均化された値である構成素材比率0.08を用いた。
ステップ(IV)で得られた結果は、以上の調査結果から、0.42kg−CO/(半導体1個)となり、ステップ(V)では、評価対象である半導体を原料調達してから製造するまでのエネルギー消費に関する全環境負荷量を、5.25kg−CO/(半導体1個)と推測評価した。
(実施例3)
テレビで使用されているブラウン管1個について、原料を調達してから部品を製造するまでの全環境負荷量を、評価項目としてエネルギー消費をとって評価した。
ステップ(I)を行ったところ、ブラウン管1個において最大重量の構成素材はガラスであったため、完成品のブラウン管での使用されているガラス重量は、20kgであった。その後、ステップ(II)を既存のLCAデータベースなどを用いて調査したところ、ガラスの構成素材単位負荷量は、16MJ/(ガラス1kg)であった。
ステップ(III)では、ブラウン管産業全体に投入されている全物質および全エネルギーの調査データを基にして、ブラウン管産業全体の平均化された構成素材負荷比率0.4を用いた。
ステップ(IV)で得られた結果は、以上の調査結果から、320MJ/(ブラウン管1個)となり、ステップ(V)では、評価対象であるブラウン管を調達してから構成素材を製造するまでのエネルギー消費に関する全環境負荷量を、800MJ/(ブラウン管1個)と推測評価した。
(実施例4)
テレビ1台について、原料を調達してから製品を廃棄するまでの全環境負荷量を、評価項目としてエネルギー消費をとって評価した。
テレビに使用される各部品の構成材料の重量を、各部品メーカに対してインターネットを介して調査した。各部品の調査結果は、部品メーカから部品情報端末を通じ、インターネットを介してサーバに集められた。
サーバは、部品を、ブラウン管、半導体部品、受動部品、接続部品、変換部品、機構部品、筐体ごとに構成素材比率の値、および構成素材単位負荷量を蓄積している。そこで、この蓄積されているデータを利用して、部品メーカからインターネットを介してサーバに集められた構成素材重量と、各部品に対応した構成素材比率および構成素材単位負荷量とを用いて、各部品ごとの原料を調達してから部品を製造するまでのエネルギー消費量を計算した結果、1700MJ/(テレビ1台)であった。
評価者用端末では、サーバで計算された各部品のエネルギー消費量1700MJ/(テレビ1台)を受信して、併せて別途調査した製品の組立時のエネルギー消費量240MJ/(テレビ1台)、製品の輸送のエネルギー消費量60MJ/(テレビ1台)、製品の使用時のエネルギー消費量25000MJ/(テレビ1台)、製品の廃棄時のエネルギー消費量2MJ/(テレビ1台)を入力した。
その結果、原料を調達してから製品を廃棄するまでの全環境負荷量としてのエネルギー消費量は、27002MJ/(テレビ1台)と評価された。
さらに、表示物として得られたテレビの環境負荷量が印刷されたラベル61を、図9に示すようにテレビに添付した。
(実施例5)
販売者A、B、Cから販売される3種類のプリント配線板の原料を調達してから製品を廃棄するまでの全環境負荷量を、エネルギー消費量として比較評価し、ある製品に使用するプリント配線板の購入に関する参考データとした。
各プリント配線板の構成材料の重量あるいはプリント配線板の全環境負荷量を、各販売者について、インターネットを介して調査した。そして、各部品の調査結果は、部品メーカから部品情報端末を通じ、インターネットを介して購入者のサーバに集められた。
その結果、販売者A、Bからは、プリント配線板の構成材料の重量のデータが送信されてきた。一方、販売者Cからは、独自調査したプリント配線板の全環境負荷量のデータが送信されてきた。
販売者A、Bからは、プリント配線板の構成材料の重量のデータをもとに、プリント配線板に対応した構成素材負荷比率および構成素材単位負荷量を用いて、販売者AおよびBの全環境負荷量を計算し、それぞれ270MJ/(プリント配線板1m)、330MJ/(プリント配線板1m)を得た。一方、販売者Cより送信された全環境負荷量は、330MJ/(プリント配線板1m)であった。
その後、得られた3種類のプリント配線板の全環境負荷量の値を、販売者A、B、Cに対し、インターネットを通じて自動的にフィードバックした。
(実施例6)
ある製品に使用されているチップ抵抗器1個について、原料を調達してから部品を製造するまでの全環境負荷量を、評価項目としてエネルギー消費量をとって評価した。
ステップ(I)を行ったところ、チップ抵抗器1個あたりの構成素材全体の重量は、0.000005kgであった。その後、ステップ(II)として、受動部品産業全体に投入されている全物質および全エネルギーの調査データを基にして算出した受動部品産業全体の平均化された値である構成素材単位負荷量60MJ/kgを用いて行った。
ステップ(III)では、受動部品産業全体に投入されている全物質および全エネルギーの調査データを基にして算出した受動部品産業全体の平均化された値である構成素材負荷比率0.05を用いた。
ステップ(IV)で得られた結果は、以上の調査結果から、0.0003MJ/(チップ抵抗器1個)となり、ステップ(V)では、評価対象であるチップ抵抗器を原料調達してから製造するまでのエネルギー消費に関する全環境負荷量を、0.006MJ/(チップ抵抗器1個)と推測評価した。
なお、ステップ(IVb)(図10参照)において、構成素材単位負荷量60MJ/kgと構成素材負荷比率0.05とを用いて受動品部品産業全体で平均化された構成素材単位数量あたりの換算負荷量1200MJ/kgを算出し、この値にチップ抵抗器1個あたりの構成重量0.000005kgを乗じて、評価対象であるチップ抵抗器のエネルギー消費に関する全環境負荷量0.006MJ/(チップ抵抗器1個)を算出することもできる。
なお、本発明の環境負荷評価方法では、対象とする部品(製造物)には特に限定はない。例えば、電気製品に用いられる部品としては、半導体部品、受動部品、接続部品、変換部品、液晶表示デバイス、ブラウン管などの電子部品をはじめとして筐体や機構部品や記録媒体などが挙げられる。
また、本発明の環境負荷項目は、一般に用いられる定量化できる項目ならば、特に限定はない。例えば、評価対象範囲に対して投入される物質やエネルギー、あるいは評価対象範囲から大気、水、土壌などへ排出される物質やエネルギーを定量化した項目が挙げられる。なお、一般には、環境負荷項目としてエネルギー消費量やCO排出量などが多く用いられる。また、評価対象範囲に対して投入あるいは排出される物質量やエネルギー量の結果を基にして、評価される潜在的な環境影響の評価値(例えば、地球温暖化指標など)を環境負荷項目として用いることができる。
また、本発明の構成素材の重量に関する情報は、上述された本実施の形態においては、構成素材の重量であった。しかし、これに限らず、本発明の構成素材の重量に関する情報は、たとえば容量、長さ、面積などであってもよい。
また、本発明の基準製造物は、たとえば、プリント配線板が製造される上述の本実施例1においては、類似のプリント配線板であった。しかし、これに限らず、本発明の基準製造物は、要するに、本発明の対象となる製造物に対して基準となる製造物であればよい。
また、本発明の負荷比率は、たとえば、(1)プリント配線板が製造される上述の本実施例1においては、以前に調査した類似のプリント配線板を製造する際の構成素材負荷比率であり、(2)半導体が製造される上述の本実施例2においては、その半導体を製造する半導体工場全体の平均化された構成素材負荷比率であり、(3)ブラウン管が製造される上述の本実施例3においては、ブラウン管産業全体の平均化された構成素材負荷比率であった。しかし、これに限らず、本発明の負荷比率は、要するに、本発明の基準となる基準製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量の、基準製造物の環境に対する全負荷量に占める比率であればよい。
なお、たとえば本実施例1において、以前に調査した類似のプリント配線板を製造する際の構成素材比率は、本実施例におけるプリント配線板を製造する際の構成素材比率のかなりよい近似値と考えられる。なぜならば、本実施例におけるプリント配線板と以前に調査した類似のプリント配線板とでは、製造プロセスが類似しているため、構成素材に関する負荷、処理剤に関する負荷、動力源に関する負荷、部品製造時に関する負荷(図3参照)は、両者で大差ないと考えられたからである。ただし、類似のプリント配線板を製造する際の構成素材比率は、正確に測定しておくことが望ましい。
また、たとえば本実施例2において、半導体工場全体の平均化された構成素材負荷比率は、本実施例における半導体を製造する際の構成素材負荷比率のおおよその近似値と考えられる。なぜならば、本実施例における半導体工場では比較的種類の似通った半導体を製造していたため、構成素材に関する負荷、処理剤に関する負荷、動力源に関する負荷、部品製造時に関する負荷は、両者で大差ないと考えられるからである。
また、たとえば本実施例3において、ブラウン管産業全体の平均化された構成素材負荷比率は、本実施例におけるブラウン管を製造する際の構成素材比率のおおよその近似値と考えられる。しかし、ブラウン管産業では複数の製造メーカが様々な部品や製造方法によってブラウン管を製造しているため、近似の精度は必ずしも高くないと推測される。よって、本実施例におけるブラウン管産業全体の平均化された構成素材比率は、概略値として取り扱う必要がある。ただし、直接的な情報入手が困難な場合には、前述のような平均化された構成素材比率を参考値の一つとして有効に活用することができる。また、ブラウン管産業全体の平均化された構成素材負荷比率は、概算的な手法によって比較的容易に知ることができ、ブラウン管産業における様々な部品や製品の環境に対する全負荷量を算出する際、広範に利用できる。
また、本発明のデータベースは、上述された本実施の形態においては、サーバ41(図6、7参照)側にある蓄積手段であった。しかし、これに限らず、本発明の算出手段は、たとえばインターネットに接続された複数のキャッシュサーバなどであってもよい。
なお、上述のデータベースは、必須ではない。たとえば、(a)製造物を構成する構成素材の環境に対する単位負荷量、および(b)基準となる基準製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量の、基準製造物の環境に対する全負荷量に占める負荷比率などは、必要に応じたユーザのマニュアル操作によってその都度入力されてもよい。たとえば、限られたデータしか利用しない特定製造分野における使用のみを念頭に置いて上述のような環境負荷量算出方法を実施する場合には、大規模なデータベースを必要としない簡易システム構成も有効である。
また、本発明の入力手段は、上述された本実施の形態においては、部品情報端末31〜33、または部品販売者端末34〜36(図6参照)側に設けられた入力手段であった。しかし、これに限らず、本発明の入力手段は、たとえば、ネットワークに接続された汎用端末に設けられたキーボードなどの入力デバイスであってもよい。
また、本発明の算出手段は、上述された本実施の形態においては、サーバ41(図6、7参照)側にある演算手段であった。しかし、これに限らず、本発明の算出手段は、たとえば高域ネットワークに接続された汎用の高速スーパーコンピュータなどであってもよい。
また、本発明の追加情報入力手段は、上述された本実施の形態においては、評価者用端末51、52(図6参照)側に共通に設けられたデータ入力部であった。しかし、これに限らず、本発明の追加情報入力手段は、たとえば、別個に設けられたキーボードなどの入力デバイスであってもよい。
また、本発明の演算手段は、上述された本実施の形態においては、評価者用端末51、52(図6参照)側に共通に設けられた計算手段であった。しかし、これに限らず、本発明の演算手段は、たとえば、別個に設けられたパーソナルコンピュータなどであってもよい。
したがって、製品の組立、使用、輸送、廃棄の内の少なくとも一つに関する追加情報を入力するための追加情報入力手段と、算出された製造物の環境に対する全負荷量および入力された追加情報に基づいて、製品の環境に対する環境負荷量を算出するための演算手段とを備えた環境負荷量算出システムは、もちろん本発明に含まれる。製品の製造(たとえば組立など)、使用、輸送、廃棄を一貫した一つの流れとして考えてもよいわけである。
また、本発明の算出された製造物の環境に対する全負荷量の通知は、たとえば、プリント配線板が製造される上述の本実施例5においては、得られた3種類のプリント配線板の全環境負荷量の、全ての販売者A、B、Cに対する、インターネットを通じた自動的なフィードバックによる通知であった。しかし、これに限らず、本発明の算出された製造物の環境に対する全負荷量の通知は、たとえば、(1)実際に販売を行った部品の全環境負荷量のみの、その販売を行った個々の販売者に対する、電話による通知であってもよいし、(2)所定の部品の全環境負荷量の、業界団体などが運営するメイリングリストの加入者全員に対する、電子メイルによる通知であってもよいし、(3)あらゆる部品の全環境負荷量の、データ閲覧を希望する全ての人に対する、公的機関が開設するホームページによる通知であってもよい。本発明の算出された製造物の環境に対する全負荷量の通知は、要するに、部品の製造者側および/または販売者側に対して行われればよく、通知内容、通知範囲、通知手段などには任意性がある。
なお、発明には、上述した本発明の環境負荷量算出システムの全部または一部の手段(または、装置、素子、回路、部など)の機能をコンピュータにより実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムが含まれる。もちろん、コンピュータは、CPUなどの純然たるハードウェアに限らず、ファームウェアやOS、さらに周辺機器を含むものであっても良い。
また、本発明には、上述した本発明の環境負荷量算出方法、および環境負荷量表示方法の全部または一部のステップ(または、工程、動作、作用など)の動作をコンピュータにより実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムが含まれる。
なお、発明の一部の手段(または、装置、素子、回路、部など)、本発明の一部のステップ(または、工程、動作、作用など)は、それらの複数の手段またはステップの内の幾つかの手段またはステップを意味する、あるいは一つの手段またはステップの内の一部の機能または一部の動作を意味するものである。
また、発明の一部の装置(または、素子、回路、部など)は、それら複数の装置の内の幾つかの装置を意味する、あるいは一つの装置の内の一部の手段(または、素子、回路、部など)を意味する、あるいは一つの手段の内の一部の機能を意味するものである。
また、本発明のプログラムを記録した、コンピュータに読みとり可能な記録媒体も本発明に含まれる。また、本発明のプログラムの一利用形態は、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータと協働して動作する態様であっても良い。また、本発明のプログラムの一利用形態は、伝送媒体中を伝送し、コンピュータにより読みとられ、コンピュータと協働して動作する態様であっても良い。また、記録媒体としては、ROM等が含まれ、伝送媒体としては、インターネット等の伝送媒体、光・電波・音波等が含まれる。
なお、本発明の構成は、ソフトウェア的に実現しても良いし、ハードウェア的に実現しても良い。
また、発明には、上述した本発明の環境負荷量算出システムの全部または一部の手段の全部または一部の機能をコンピュータにより実行させるためのプログラムを担持した媒体であり、コンピュータにより読み取り可能かつ読み取られた前記プログラムが前記コンピュータと協動して前記機能を実行する媒体が含まれる。
また、本発明には、上述した本発明の環境負荷量算出方法、および環境負荷量表示方法の全部または一部のステップの全部または一部の動作をコンピュータにより実行させるためのプログラムを担持した媒体であり、コンピュータにより読み取り可能かつ読み取られた前記プログラムが前記コンピュータと協動して前記動作を実行する媒体が含まれる。
このように、本発明によって、たとえば、原料を調達してから部品を製造するまでの全環境負荷量を評価する際に、その調査の負担を軽減できる。また、製品に多数の部品が使用されている場合でも、多大な労力を費やすことなく、製品の環境負荷評価を行える。また、部品購入者が候補となる複数の部品中から購入部品を決定する際に、各部品の全環境負荷量を容易に収集/評価でき、部品の環境負荷量の結果を、部品販売者も容易に把握できる。
産業上の利用可能性
以上述べたところから明らかなように、本発明は、地球資源・地球環境へ与える負荷の軽減を推進することができるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施の形態1における環境負荷評価方法の説明図である。
図2は、本発明の実施の形態1における部品の製造に関する流れを説明するための概念図である。
図3は、本発明の実施の形態1における部品の環境負荷量の評価を説明するための概念図である。
図4は、本発明の実施の形態1における、資源採掘を評価対象としない場合の部品の製造に関する流れを説明するための概念図である。
図5は、本発明の実施の形態2における部品の製造に関する流れを説明するための概念図である。
図6は、本発明の実施の形態3における環境負荷評価システムの概念図である。
図7は、本発明の実施の形態4における部品購入支援システムの概念図である。
図8は、本発明の実施の形態6における表示物の概念図である。
図9は、本発明の実施例4における表示物の概念図である。
図10は、本発明の実施の形態5における環境負荷評価方法の説明図である。
(符号の説明)
11 構成素材を製造するまでの範囲
12 処理剤を製造するまでの範囲
13 動力源を製造するまでの範囲
14 部品製造時の範囲
15 本発明における原料を調達してから部品を製造するまでの範囲
21 ネットワーク
31〜33 部品情報端末
34〜36 部品販売者端末
41 サーバ
51、52 評価者用端末
61 表示物

Claims (12)

  1. (a)製造物を構成する構成素材の環境に対する単位負荷量、および(b)基準となる基準製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量の、前記基準製造物の環境に対する全負荷量に占める負荷比率を、データとしてあらかじめ格納するためのデータベースと、
    対象となる製造物を構成する構成素材の重量に関する情報を入力するための入力手段と、
    前記あらかじめ格納されているデータおよび前記入力される情報に基づいて、前記対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出するための算出手段とを備えた環境負荷量算出システム。
  2. 前記あらかじめ格納されているデータおよび前記入力される情報に基づいて、前記対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出するとは、(a)前記対象となる製造物を構成する構成素材の環境に対する単位負荷量、および前記対象となる製造物を構成する構成素材の重量に関する情報に基づいて、前記対象となる製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量を算出し、その算出された前記対象となる製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量、および前記基準となる基準製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量の前記基準製造物の環境に対する全負荷量に占める負荷比率に基づいて、前記対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出することである、または(b)前記対象となる製造物を構成する構成素材の環境に対する単位負荷量、および前記基準となる基準製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量の前記基準製造物の環境に対する全負荷量に占める負荷比率に基づいて、前記対象となる製造物を構成する構成素材の環境に対する単位数量あたりの換算負荷量を算出し、その算出された前記対象となる製造物を構成する構成素材の環境に対する単位数量あたりの換算負荷量、および前記対象となる製造物を構成する構成素材の重量に関する情報に基づいて、前記対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出することである請求項1記載の環境負荷量算出システム。
  3. 前記製造物は、製品を構成する部品であり、
    前記入力手段は、前記算出手段とネットワークによって結合された前記製造者側および/または前記販売者側に設けられた端末装置側にあり、
    前記算出された製造物の環境に対する全負荷量は、前記ネットワークを介し、前記端末装置に対して通知される請求項1または2記載の環境負荷量算出システム。
  4. 前記製造物は、製品を構成する部品であり、
    前記製品の製造、使用、輸送、廃棄の内の少なくとも一つに関する追加情報を入力するための追加情報入力手段と、
    前記算出された製造物の環境に対する全負荷量および前記入力された追加情報に基づいて、前記製品の環境に対する環境負荷量を算出するための演算手段とを備えた請求項1または2記載の環境負荷量算出システム。
  5. 前記構成素材の環境に対する単位負荷量とは、製造物の構成素材A(k=1からmまでの整数)の環境負荷項目Lに関する単位負荷量uL,kであり、
    前記負荷比率とは、基準となる基準製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量の、前記基準製造物の環境に対する全負荷量に占める環境負荷項目Lに関する負荷比率rであり、
    前記重量に関する情報とは、前記構成素材Aの重量a(k=1からmまでの整数)であり、
    前記あらかじめ格納されているデータおよび前記入力される情報に基づいて、前記対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出するとは、(a)前記環境負荷項目Lに関する前記製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量Pを、
    Figure 2002059813
    によって算出し、前記環境負荷項目Lに関する前記製造物の環境に対する全負荷量Tを、
    Figure 2002059813
    によって算出することである、または(b)前記環境負荷項目Lに関する前記製造物を構成する構成素材の環境に対する単位数量あたりの換算負荷量uL,k′を、
    Figure 2002059813
    によって算出し、前記環境負荷項目Lに関する前記製造物の環境に対する全負荷量Tを、
    Figure 2002059813
    によって算出することである請求項1記載の環境負荷量算出システム。
  6. 前記構成素材の環境に対する単位負荷量とは、製造物の構成素材の内で重量に関する比率が最も高い構成素材Amaxの環境負荷項目Lに関する単位負荷量uL,maxであり、
    前記負荷比率とは、前記比率が最も高い構成素材Amaxの環境に対する負荷量の、前記基準製造物の環境に対する全負荷量に占める環境負荷項目Lに関する負荷比率r2であり、
    前記重量に関する情報とは、前記比率が最も高い構成素材Amaxの重量amaxであり、
    前記あらかじめ格納されているデータおよび前記入力される情報に基づいて、前記対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出するとは、(a)前記環境負荷項目Lに関する前記製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量P2を、
    Figure 2002059813
    によって算出し、前記環境負荷項目Lに関する前記製造物の環境に対する全負荷量T2を、
    Figure 2002059813
    によって算出することである、または(b)前記環境負荷項目Lに関する前記製造物を構成する構成素材の環境に対する単位数量あたりの換算負荷量uL,max′を、
    Figure 2002059813
    によって算出し、前記環境負荷項目Lに関する前記製造物の環境に対する全負荷量T2を、
    Figure 2002059813
    によって算出することである請求項1記載の環境負荷量算出システム。
  7. 前記構成素材の環境に対する単位負荷量とは、製造物の構成素材全体Atotalの環境負荷項目Lに関する単位負荷量uL,totalであり、
    前記負荷比率とは、基準となる基準製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量の、前記基準製造物の環境に対する全負荷量に占める環境負荷項目Lに関する負荷比率r3であり、
    前記重量に関する情報とは、前記構成素材全体Atotalの重量atotalであり、
    前記あらかじめ格納されているデータおよび前記入力される情報に基づいて、前記対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出するとは、(a)前記環境負荷項目Lに関する前記製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量P3を、
    Figure 2002059813
    によって算出し、前記環境負荷項目Lに関する前記製造物の環境に対する全負荷量T3を、
    Figure 2002059813
    によって算出することである、または(b)前記環境負荷項目Lに関する前記製造物を構成する構成素材の環境に対する単位数量あたりの換算負荷量uL,total′を、
    Figure 2002059813
    によって算出し、前記環境負荷項目Lに関する前記製造物の環境に対する全負荷量Tを、
    Figure 2002059813
    によって算出することである請求項1記載の環境負荷量算出システム。
  8. (a)製造物を構成する構成素材の環境に対する単位負荷量、および(b)基準となる基準製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量の、前記基準製造物の環境に対する全負荷量に占める負荷比率を、データとしてあらかじめ入力する第一の入力ステップと、
    対象となる製造物を構成する構成素材の重量に関する情報を入力する第二の入力ステップと、
    前記あらかじめ入力されているデータおよび前記入力された情報に基づいて、前記対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出する算出ステップとを備えた環境負荷量算出方法。
  9. 請求項1記載の環境負荷量算出システムまたは請求項8記載の環境負荷量算出方法を利用して得られた前記製造物の環境に対する全負荷量を表示するための環境負荷量表示物。
  10. 請求項1記載の環境負荷量算出システムまたは請求項8記載の環境負荷量算出方法を利用して得られた前記製造物の環境に対する全負荷量を、前記製造物に対してまたはネットワークを介して表示する環境負荷量表示方法。
  11. 請求項8記載の環境負荷量算出方法の、(a)製造物を構成する構成素材の環境に対する単位負荷量、および(b)基準となる基準製造物を構成する構成素材の環境に対する負荷量の、前記基準製造物の環境に対する全負荷量に占める負荷比率を、データとしてあらかじめ入力する第一の入力ステップと、対象となる製造物を構成する構成素材の重量に関する情報を入力する第二の入力ステップと、前記あらかじめ入力されているデータおよび前記入力された情報に基づいて、前記対象となる製造物の環境に対する全負荷量を算出する算出ステップとの全部または一部をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  12. 請求項11記載のプログラムを担持した媒体であって、コンピュータにより処理可能な媒体。
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