JPWO2002050645A1 - 低消費電力の電子回路及び消費電力低減方法 - Google Patents
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Abstract
消費電力低減の効果に限界をもたらす予測を用いずに消費電力を低減するようにした低消費電力の電子回路及び消費電力低減方法を提供するために、本発明の電子回路は、電圧制御信号によって電源電圧を変化させる電源調整回路又は周波数制御信号によってクロック信号の周波数を変化させるクロック調整回路の少なくともいずれか一方と、電圧制御信号又は周波数制御信号の少なくともいずれか一方を生成する制御回路と、上記電源調整回路からの電源又は上記クロック調整回路からのクロック信号の少なくともいずれか一方が供給されて入力データ信号の処理を行なうデータ処理回路とを備え、上記制御回路を、電圧制御信号又は周波数制御信号の少なくともいずれか一方の生成を、入力データ信号に対応付けられ、かつ、データ処理回路が実行するデータ処理の大きさを示す処理量情報を元に行なう回路にする。
Description
技術分野
本発明は、マイクロコンピュータに代表される半導体回路を応用したシステムに関するものであり、特にデータ処理を行なう大規模集積の電子回路及びその消費電力低減方法に関する。
背景技術
半導体技術の進歩により、集積回路の高密度化・大規模化が進んでいる。これに伴い、回路の消費電力が増大することが問題となり、以下のような対策が取られてきた。
まず、第一の対策として、集積回路に供給するクロック信号の周波数を可能な範囲で低下させる方法が採用されている。マイクロコンピュータ等に代表される大規模集積回路では、全体の動作を同期させるためにクロック信号を使用する。クロック信号は、集積回路の動作において時間の基準となる信号であり、集積回路は、クロック信号を単位として逐次的に信号を伝達する形で動作する。
一方、多くのマイクロコンピュータが採用しているCMOS(Complimentary Metal Oxide Semiconductor)集積回路には、消費電力がクロック信号の周波数に比例して増減する性質がある。そのため、集積回路の動作速度が遅くても良い場合には、クロック周波数を低下させ、それによって消費電力を下げることが行なわれている。
しかしながら、上記第一の対策方法には改善の余地があることが近年明らかになり、以下に述べる第二の対策方法、即ち、クロック周波数と共に、集積回路に供給する電源の電圧を低下させる方法が開発されている。一般に、クロック周波数を低下させた場合、集積回路の動作に余裕が生じるため、電源電圧を併せて低下させることが可能となる場合が多い。第二の対策ではこの性質が利用される。
第二の対策の具体的な方法が例えば電子情報通信学会技術報告VLD96−72(1996年12月)に示されている。この方法では、基準電圧に応じて電源電圧を変えることができるDC−DCコンバータと、電源電圧に応じて発振周波数が変わるリングオシレータを用い、電源電圧とクロック周波数を同時に変化させている。
以上の2つの対策方法を実用化する為には、集積回路がどの程度の動作速度を必要とするかを予め知っておかねばならない。集積回路が特定の目的専用に使用される場合は、当該目的に応じた速度が予め定まるので、それに応じた周波数のクロックを使用すれば良い。
しかしながら、マイクロコンピュータのように広範な目的に使用される集積回路では、必要な動作速度は状況により絶えず変化するので、動作速度を稼動中に決定する必要がある。この決定を行なう具体的な方法として、例えば特開平2−121019号公報において以下の方法が開示されている。
集積回路を利用したコンピュータ上で、ジョブ管理機能を有するソフトウェア(オペレーティングシステム、以下「OS」と略す)が稼動しており、更に同OSの管理下で動作する複数個のジョブ(プログラム)が存在する場合、ジョブは、入力された後に一旦記憶装置内のジョブキューに蓄積され、OSによって1つずつ取出されて実行される。この場合OSは、一定の時間間隔でジョブキュー内に残っているジョブの個数をチェックし、その個数に平均処理時間を掛算することにより、当面必要な動作速度の予測指標を定める。この予測指標の大小に応じて、電源電圧及びクロック周波数の高低が決定される。なお同公報においては、電源電圧及びクロック周波数は共に高低の2通りの値のみとなっている。
更に、上述の予測指標をより精密に求める為のいくつかの方法が開示されている。例えば、特開平10−187300号公報は、コンピュータにどの程度の量の入力データが蓄積されているかを予測に利用する方法を示している。また、特開平11−353052号公報は、コンピュータの処理作業の内で管理作業を除いた真の負荷量がどの程度の比率を占めるかを計測して予測に利用する方法を示している。更に、特開2000−201187号公報は、コンピュータがどのようなメディアのデータファイルを現在処理しているかを予測に利用している。以上の発明はいずれも、予測を精密に行なうことによってきめ細かい電力制御を可能とし、結果として電力低減効果が向上することを目的としている。
発明の開示
しかしながら、前項で述べた予測方法は全て、統計的な計算に基づいて必要動作速度を求めているため、ある程度の予測誤差が生じることが避けられない。従って、クロック周波数及び電源電圧は、予測誤差を考慮してある程度大き目に設定する必要がある。このような設定は、次に述べるように、消費電力低減の効果を大きく妨げる原因となる。
真に必要な動作周波数がF(Hz)、対応する動作電圧がV(volt)である場合、平均消費電力Paは、kを適当な比例乗数として、
Pa=kFV2 …………(1)
となる。ここで、クロック周波数及び電源電圧を制御する制御回路が予測誤差を考慮して動作周波数をαFに設定したとする。αは1以上の値であり、動作速度に余裕を持たせるための安全係数である。この場合、動作電圧も対応して大きく設定する必要があり、その値は、Vがあまり小さくない範囲ではFとVとがほぼ比例する事から、αVとなる。
従って、動作中の消費電力P0は
P0=kα3FV2 …………(2)
となる。但しこの場合、動作周波数にα倍の余裕がある為、電子回路は要求された作業を1/αの時間で完了する。余った時間は電源を切るので電力はほとんど消費されないとすれば、通算での平均消費電力Ptは式(2)の1/αである
Pt=kα2FV2 …………(3)
となる。式(3)の消費電力Ptは、式(1)の消費電力Paのα2倍である。即ち、図23に示す通り、消費電力は安全係数の二乗に比例して増加することになり、例えば、処理速度の余裕を40%(安全係数α=1.4)ほど見込むと、消費電力は本来必要な電力の1.42≒2倍となる。
一般にマイクロコンピュータでデータ処理を行なう場合、必要動作速度は、処理対象となるデータの性質に大きく依存する。画像データの場合などでは、データがシーンの変化などで突発的に変化することがあるので、安全係数は大きく取らねばならず、40%程度では不足の場合が多い。これにより、電子回路は本来必要な電力の2倍以上を消費することとなり、消費電力低減という目的が十分に達成されない結果を招く。
本発明の目的は、以上の課題を解決し、消費電力低減の効果に限界をもたらす予測を用いずに消費電力を低減するようにした低消費電力の電子回路及び消費電力低減方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る低消費電力の電子回路は、電圧制御信号によって電源電圧を変化させる電源調整回路又は周波数制御信号によってクロック信号の周波数を変化させるクロック調整回路の少なくともいずれか一方と、電圧制御信号又は周波数制御信号の少なくともいずれか一方を生成する制御回路と、上記電源調整回路からの電源又は上記クロック調整回路からのクロック信号の少なくともいずれか一方が供給されて入力データ信号の処理を行なうデータ処理回路とを有し、
上記制御回路は、電圧制御信号又は周波数制御信号の少なくともいずれか一方の生成を、入力データ信号に対応付けられ、かつ、データ処理回路が実行するデータ処理の大きさを示す処理量情報を元に行なう回路であることを特徴としている。
上記目的を達成するための本発明の消費電力低減方法は、符号化されたデータ信号を復号する工程と、復号の過程から復号に要する処理量を算出して結果を処理量情報として出力する工程と、該処理量情報と上記符号化されたデータ信号を合成して入力データ信号とする工程と、上記処理量情報を用いて入力データ信号を処理する工程とを有するのに加え、入力データ信号を処理するために用いる電源の電圧を調整する工程又は入力データ信号を処理するために用いるクロック信号の周波数を調整する工程の少なくともいずれか一方を有することを特徴としている。
上記目的を達成するための本発明の別の消費電力低減方法は、MPEG(Motion Picture coding Experts Group)規格によって符号化されたデータ信号を復号する工程と、復号の過程から復号に要する処理量を算出して結果を処理量情報として出力する工程と、該処理量情報を上記符号化されたデータ信号のビットストリーム中の拡張部に挿入して入力データ信号とする工程と、上記処理量情報を用いて入力データ信号を処理する工程とを有するのに加え、入力データ信号を処理するために用いる電源の電圧を調整する工程又は入力データ信号を処理するために用いるクロック信号の周波数を調整する工程の少なくともいずれか一方を有することを特徴としている。
以上のいずれの特徴においても、電源の電圧又はクロック信号の周波数の少なくともいずれか一方の調整のために、安全係数を入れざるを得ない予測ではなく、データ処理の実際の処理量から算出した処理量情報を用いるので、正確な消費電力低減を実行することができる。従って、電源電圧及びクロック周波数を許容できる限界近くまで低下させるように制御することが可能になり、この結果、従来よりも高い消費電力低減の効果を得ることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明に係る低消費電力の電子回路及び消費電力低減方法を図面に示した幾つかの実施形態を参照して更に詳細に説明する。なお、第1図〜第22図における同一の記号は、同一物又は類似物を表示するものとする。
第1図に第1の実施形態の全体構成を示す。同図において、150は、本発明により消費電力を制御されるデータ処理回路、111は、回路150に供給する電源112の電圧を調整する電源調整回路、121は、回路150に供給するクロック信号122の周波数を調整するクロック調整回路、100は、電源調整回路111への電圧制御信号110及びクロック調整回路121への周波数制御信号120を生成する制御回路であり、これらの諸回路により低消費電力の電子回路が構成される。そして、以上の電源電圧調整及びクロック周波数調整の2つの制御が行なわれることにより、消費電力低減が実現される。なお、入力データ信号151は、放送又はネットワーク等の伝送路を経て供給されても良く、或いはDVD(Digital Versatile Disc)等の電子記録媒体によって供給されても良い。
データ処理回路150は、何等かの入力データ信号151を入力してその処理を行ない、何等かの出力信号152を出力する機能を有する回路である。本発明は、データ処理回路150の機能や入力データ信号151及び出力信号152の形態に係らず適用可能である。但し、以下の実施形態では説明の便のため、データ処理回路150は映像デコーダであり、入力データ信号151として国際標準のMPEG規格により符号化した映像ストリームを用い、出力信号152として同ストリームを復号した結果の画像信号を扱う例を示す。勿論、これは本発明の適用範囲を限定するものではなく、例えば音声データを入力データ信号としても良い。
ここで制御回路100の入力として処理量情報300が用いられることが本発明の特徴である。処理量情報300の内容と、それを用いた本実施形態の具体的な動作を第3図以下で詳述する。
以上の構成において、制御回路100の実現方法は様々なものが考えられ、例えば全てをハードウェアで作成することも可能である。しかしながら実際には、制御回路100が電圧制御信号110や周波数制御信号120を決定する際には複雑な計算を伴うので、制御回路100は、コンピュータ上のプログラムとしてソフトウェア的に実現されることが多く、かつこの場合は、制御対象となるデータ処理回路150に該コンピュータ自体が含まれ、ソフトが自身のハードを制御する形態となる場合が多い。そこで以下では、この形態について第2図を用いて説明する。
第2図において、制御対象のデータ処理回路150はマイクロコンピュータであり、その内部でCPU210、ROM220、RAM230、I/O240がバス250で結合されている。ROM220には制御プログラム201が記憶され、同プログラムをCPU210が実行することにより、制御回路100が実現される。なおROM220には、制御プログラム201以外にアプリケーションプログラム202が記憶され、当該マイクロコンピュータを使用した種々の機能(例えば映像復号)に供される。
電圧制御信号110や周波数制御信号120は、I/O240の出力の一部として実現され、外部の電源調整回路111やクロック調整回路121に入力される。入力データ信号151及び出力信号152もI/O240を介した外部とのデータ送受として実現される。なお、以上の説明において、ROM220、RAM230、I/O240等はCPU210と同一の集積回路チップ上にあっても良く、又は別であっても良い。また、電源調整回路111やクロック調整回路121をCPU210等と同一の集積回路チップ上に設けても良い。
なお、電源調整回路111は、例えば電圧制御信号110が基準電圧となり、それに応じて出力電圧が変化するDC−DCコンバータによって実現される。また、クロック調整回路121は、例えばPLL(位相同期ループ)を用いた周波数シンセサイザであって、周波数制御信号120によってその分周比が変わる回路によって実現される。
次に、入力データ信号151について、第3図を用いて説明する。第3図では、前述の通り、入力データ信号151は、MPEGによって符号化した映像ストリーム即ち時系列信号(ビットストリーム)であるが、映像を1フレーム単位で符号化したフレームデータ310の間に、適当な間隔(本例では3フレーム)で処理量情報300が挿入された形式となっている。
この形式の映像ストリームは、入力データ信号151を生成する段階で作られるが、それについては後で詳述する。
処理量情報300は第5図に示す通り、識別子501、フレーム数502、クロック数503を並べたものである。識別子501は、フレームデータと処理量情報とを区別するための符号であり、その具体的な形式はフレームデータの符号化規則に応じて決定する。フレーム数502は、後続のクロック数503が何フレーム分に対する処理量情報であるか(本例では3フレーム)を示す。クロック数503は、対象となるフレームデータをCPU210が処理するのに必要なクロック数を示す。
この処理量情報はデータ処理回路150が実行する処理(本実施形態では復号)の大きさを示すもので、処理単位毎に(本実施形態では3フレーム毎に)その処理量が処理量情報として正確に示される。このように、従来のような予測ではなく、正確な必要処理量が入力データ信号に搭載されることが本発明の特徴である。
以上の情報を用いて、制御回路100は、処理量情報300が到来する都度、第4図のフローチャートで示される動作を実行する。即ち、まず処理量情報300を受け取り(ステップ401、以下「s401」と略記する)、同情報から必要クロック数Cを決定する(s402)。Cを得た上で、まず周波数Fを下記の数式により決定し(s403)、
周波数F=C/(フレーム数502×1/30(秒))
更に、Fから電源電圧Vを第7図に示すFV対応表700により決定する(s404)。得られたF、VをI/O240を介して電圧制御信号110や周波数制御信号120として出力する(s405)ことにより、1回の制御動作を完了する。
以上においてs402はCを決定するためのサブルーチンであり、その動作は第6図のフローチャートに示す通りである。即ち、s601においてクロック数503をCに設定する。本実施形態においては、必要なCの値がそのまま処理量情報300に記されているので、s402は極めて簡単に構成できる。なお、Cをもっと複雑な計算で決定する例を、後に第2の実施形態において述べる。
また、s404で用いるFV対応表700は、図7に示す形式の表である。即ち、周波数Fの種々の値710と各々に対応する電源電圧Vの値720を並べた表である。なお、s403で求められたFの値が710に含まれない場合は、切り上げにより最も近い値を採用するものとする。
上記の実施形態によれば、簡単なプログラムにより、安全係数を用いることなく正確に消費電力を低減することができる。
ここで、国際標準のMPEG規格による映像ストリームに適用した入力データ信号151の一例を説明する。
MPEG規格では多様な方式が1つの規格の下にまとめられている。説明する入力データ信号151は、それらのうち、シンプルプロファイル(simple profile)・ショートヘッダモード(short header mode)と呼ばれる方式に対して適用した例である。
ショートヘッダモードにおいて、映像は第8図に示す形式で1フレームずつビットストリームとして送信される。即ち、各フレームの属性を示すヘッダ部分10000、フレーム内容を符号化した部分20000、フレームの終了を示す終端符号30000がこの順に送信される。以降のフレームについても、同じ形式が繰り返される。
フレーム内容20000には、フレームを離散コサイン変換(DCT)により圧縮した情報や、前フレームからの被写体の移動を表わす動きベクトル情報が含まれる。これらの詳細は省略する。終端符号30000は、フレームの終了を明示するための特別な形を持った符号である。この詳細は省略する。
ヘッダ部分10000は、当該フレームの属性を示すための様々な情報10001〜10005を、規格が定めた順に送信するものであり、詳細には、開始符号PSC10001、表示タイミング情報(temporal reference)TR10002、画像のサイズ等を示すPTYPE10003、量子化係数10004、CPMモードフラグ10005からなる。また、情報10001〜10005の内容に応じて、追加情報(詳細は略)10006〜10008が付加されることもある。
ショートヘッダモードにおいては、以上の後ろに、拡張部の存在を示すフラグPEI15000、および拡張部PSPARE15001が設けられている。フラグPEI15000は1ビットの情報であり、その値が‘0’であれば拡張部PSPARE15001は存在せず、以降にはフレーム内容20000が続く。一方‘1’であれば、拡張部PSPARE15001が引き続いて送信されることを示す。拡張部PSPARE15001は8ビットの固定長情報であり、その内容は現在の所規格には規定されておらず、将来の規格拡張のために予約された形となっている。また、拡張部PSPARE15001が送信された場合には、次に再びフラグPEI15000を送信することが既定されている。従ってPEI=‘1’+PSPAREという符号の組合せを繰返して送信することにより、任意の大きさの情報を拡張部PSPARE15001により送信することが可能となっている。
上述の拡張部PSPARE15001を用いて、本発明による処理量情報300を送信するようにした例を第9図に示す。本例で、例えば第5図の形式による処理量情報300を送信する場合、追加情報である既存の属性情報(DBQUANT10008など)に引き続いて、まずPEI=1を送信し、後続のPSPARE部分を用いて識別子501を送信する。再度PEI=1を送信し、後続のPSPARE部分でフレーム数502を送信する。三度目となるPEI=1を送信し、後続のPSPARE部分でクロック数503を送信する。以上の後にPEI=0を送信することにより拡張部分の送信を終了して、フレーム内容20000の送信に移る。
上記においてフレーム数502およびクロック数503は、拡張部PSPARE15001の形式に合せるために、長さを8ビットにして送る必要がある。このために、上位に0を詰める、下位のビットを切り捨てる、等の措置を適宜行なうものとする。また識別子501は、適切な値をMPEG符号規則の一部として定めるものとする。
以上により、MPEG規格に適用した入力データ信号151が゛作成される。
なお、処理量情報の利用を特徴とする本発明は、電源又はクロック周波数のいずれか一方のみを制御する場合にも適用可能である。データ処理回路によっては、例えば電源電圧が低く設定され、電圧をあまり変えられない場合がある。そのような場合は、クロック周波数のみを制御することとなる。また、データ処理回路によっては、クロック周波数を変えても消費電力がさして変わらない場合がある(例えば、回路をバイポーラトランジスタで構成する場合など)。その場合には、電源電圧のみを制御することとなる。そのような一方のみの場合でも、処理量情報を使った制御を行なうことにより、従来よりも高い消費電力低減の効果を得ることができる。
次に、既に説明した通り、上記の実施形態においてはクロック数503が処理量情報300に記入される。一方、クロック数はCPUの機種に応じて異なった値になるから、上記では本発明が特定のCPUを対象とすることになる。これを拡張し、機種の異なるCPUを対象にするようにした第2の実施形態を以下に述べる。
第2の実施形態においても、第2図、第3図及び第4図に示した構成は第1の実施形態と同様である。但し、第2図における制御プログラム201がより高度化される。具体的には、第4図におけるサブルーチンs402が変更される。また、これに応じて処理量情報300の形式が変更される。これらについて図面を用いて説明する。
まず、第10図を用いて処理量情報300の形式を説明する。本実施形態において、処理量情報300は、識別子501、フレーム数502、及び処理パターン情報810からなる。識別子501、フレーム数502は第5図と同じものである。処理パターン情報810は、パターン▲1▼の比率811、パターン▲2▼の比率812、……、を並べたものである。
ここで処理パターンとは、プログラムがデータを処理する際の処理手順を、いくつかの類型に分類したものである。この具体例を、第11図を用いて説明する。第11図は、MPEG4のシンプルプロファイル方式における画像復号処理をパターンに分類したものである。復号処理とは、現フレーム(復号が既に完了したもの)950を素材として、次フレーム960を生成する処理である。処理は、画面を16×16画素の小領域(マクロブロック、以下「MB」と略す)に分けて、MB単位で進められる。ここで、次フレーム960内のあるMB900を生成する方法は、大きくは以下の4通りのパターンに分けられる。
パターン▲1▼:MB900部分の映像が前フレームから全く変化しない場合。この場合、前フレームの同一位置にあるMB901から画像を局所的にコピーすれば、生成は完了する。
パターン▲2▼:MB900の近傍で映像に動きがある場合。この場合、MB901ではなく少し離れた位置902から画像を局所的にコピーする。位置ずれを補正する為に、コピーは作業領域910経由で行なう。
パターン▲3▼:動きと明るさが共に変化する場合。この場合、位置902から画像を作業領域910へコピーした後、作業領域910に明るさを調整する為の補正量を加える。補正量は離散コサイン変換(DCT)係数920の形式で送られて来るので、これを逆変換(iDCT)したものを加える。
パターン▲4▼:MB900を完全に更新する場合。MB901の情報は無視してDCT係数920のみでMB900を生成する.
これら4種類のパターンの間では、CPUが必要とする処理クロック数が大きく異なる。これに対して処理パターンが同一の場合は、クロック数は一定ではないもののあまり大きくは変動しない。従って、各々のパターンがどの位の頻度で現われるかを示す頻度情報が分かれば、必要処理量を知るのと等価になる。また、この頻度情報はCPU機種に依存しない値であるので、汎用性のあるシステムを構築するのに都合が良い。
第10図は以上の考えの下に、各パターンの出現比率を処理量情報として送ることとしたものである。なお、パターンを何通り用意すれば良いかは、図では4通りとしたが、アプリケーションの種類に応じて決定する必要がある。
処理量情報300を利用する場合、制御回路100の動作におけるs402、即ち本実施形態での必要クロック数即ちクロック数合計値Cの決定は、第13図の通りとなる。即ち、必要クロック数Cを0にクリア(s1101)した後、Cを累算する計算を4種類のパターン全て(処理パターン番号i=▲1▼〜▲4▼)に対して繰り返す(s1102)。ここで累算は、当該パターンの出現頻度即ち出現比率810(P[i])にMBの総数即ち全パターンの出現総計を乗じ(これにより当該パターンで処理されるMBの絶対数が得られる)、これに更に、第12図によるパターン別クロック数テーブル1000で示されるクロック数1020(K[i])を乗じたものを、Cに足し込んでやれば良い(s1103)。
Cを求める数式は、以下に示すように、
C=C+(パターンiの比率(810)×パターンiの必要クロック数(1020)×マクロブロック総数)
となる。
ここでパターン別クロック数テーブル1000は第12図に示す通り、各処理パターン1010に対応して、CPU210が費す処理クロック数1020(MB1個当りの値)を記したものである。
なお、以上はパターン数が4の場合であるが、一般式での上記の計算は、処理パターン番号iを▲1▼からパターンの総数までに対して行なうこととなる。
また、処理パターン情報810の代わりに、MPEG4規格にて定められている画像の複雑度情報(Complexity Estimation Header情報)を利用しても良い。
第12図の表はCPUの機種毎に自身で設定すれば良いので、本実施形態では、以上の頻度情報(第10図)を用いることにより、CPU機種に依存しない汎用性のあるシステムを構築することができる。
以上の第1及び第2の実施形態においては、処理量情報300は入力データ信号151の対応箇所に埋め込まれて送られてくるものとした。これとは別に、処理量情報300とフレームデータ310を別々に扱う方法を考えることができる。そのような分離型を採用した例である第3の実施形態を第14図に示す。
第14図に示した処理量情報表1200が、処理量情報300の代わりに用いられる。同表はフレーム番号欄1210、時間欄1220、クロック数欄1230からなる。フレーム番号欄1210は、フレームデータと対応したフレーム番号を示す。時間欄1220は、フレーム番号欄に対応した再生時刻の範囲を示す。クロック数欄1230は、再生時刻の範囲に対応して、その間にCPU210が必要な処理クロック数を表わす。なおフレーム番号欄1210と時間欄1220は、フレームが一定時間間隔で表示される場合にはどちらか一方を省略しても良い。
処理量情報表1200を用いて消費電力低減を行なう場合は、第1及び第2の実施形態の場合とは異なり、必要処理量をCPU210が自発的に読み出しに行かねばならない。従ってこの場合、CPU210は、第15図のフローチャートに示す手順により、制御回路100を起動する。
まず、時刻tを0に設定し(s1301)、続いて当該時刻に対応するクロック数C(処理量情報)をクロック数欄1230から読み出す(s1302)。得られたCの値を用いて制御回路100が電源電圧及びクロック周波数制御の動作を実行する(s1303)。この動作は、第4図に示した動作と同一なので詳細は省略する。
その後、0.5秒分の映像の復号が完了するのを待って(s1304)、時刻tを0.5秒進める(s1305)。この時点でフレームデータが終了すれば実行を終了するが、そうでない場合はs1302へ戻り同様の処理を繰り返す(s1306)。
なお以上の説明において、処理量情報表1200にはクロック数欄1230が設けられるとしたが、第2の実施形態の場合のように、処理パターン別の出現頻度を表に記録しても良い。
本実施形態によれば、処理量情報表1200をフレームデータとは全く独立に蓄積・伝送することが可能である。この性質を利用して、処理量情報を提供するサービスを構築することができる。このサービスを第16図を用いて説明する。
第16図において、データ信号1400は、放送等の伝送手段1401を通じて、或いはDVD等の電子記録媒体である蓄積媒体1402によって供給され、ユーザ宅にあるTV/DVDプレイヤー等の視聴装置1410で再生される。データ信号1400は、これまでの実施形態で述べたデータ信号151とは異なり、処理量情報300を含まないため、そのままでは本発明が利用できないものとする。また、データ信号1400は、映画作品など予め内容が定まっているものであり、かつ作品名が付けられて個々に識別可能であるとする。
以上のデータ信号に対して、上記サービスが次の様に行なわれる。まず、視聴装置1410は、インターネット等の双方向通信手段1420を介して情報提供サービス業者1430に接続される。情報提供サービス業者1430は、ユーザ登録チェック部1431、アクセス制御部1432、記憶部1433を備え、これら用いて通信手順1480に従い処理量情報を提供する。
即ち、まずユーザから処理量情報を提供する要求が送られ(手順▲1▼)、これに対してユーザ確認要求が返送される(手順▲2▼)。ユーザが確認のためのユーザID及びパスワード1450を送信する(手順▲3▼)と、ユーザ登録チェック部1431は、ユーザが正当であることを確認してアクセス制御部1432へ当該ユーザに対するアクセス許可1434を与え(手順▲4▼)、併せてユーザに作品名の入力を要求する(手順▲5▼)。
ユーザが作品名1460を送信する(手順▲6▼)と、アクセス制御部1432は、これを元に記憶部1433を検索して当該作品に対応する処理量情報を取出し、提供情報1470として返送する(手順▲7▼)。ここで、記憶部1433には処理量情報表1440が記憶されているものとする。
処理量情報表1440は複数の作品に対する処理量情報をまとめた表であり、その形式は、例えば第17図に示す通りである。即ち、処理量情報表1200と同様にフレーム番号欄1210と時間欄1220を備え、かつ複数の作品の個々に対応したクロック数欄1501、1502、……、がまとめて記録される。情報提供サービス業者は欄1501、1502、……、の中から作品名1460に対応した欄を選び出し、フレーム番号欄1210及び時間欄1220と併せて提供情報1470とする。なお以上において、ユーザの要求が正当でないと判断された場合は、通信を打切るなど適当な処置をとるものとする。
本サービスによれば、データ信号1400が処理量情報300を含まない場合でも、本発明による消費電力低減が利用可能となり、消費電力低減に効果を発揮する。
以上の第1〜第3の実施形態においては、処理量情報300は予め作成されているものとして説明を行なったが、その具体的な作成方法は保留されていた。そこで以下では、第18図以降を用いて処理量情報300の作成方法を説明する。
本発明の消費電力低減方法を実施するためのデータ信号発生装置1600である本発明の第4の実施形態を第18図に示す。データ信号発生装置1600において処理量情報300が作成される。データ信号発生装置1600は、ビデオカメラなどの信号発生源1610、復号信号発生源1610からの原データ信号1611を復号する復号処理シミュレーション部1620、復号の処理量を算出して処理量情報300を出力する処理量算出部1630、使用する電子回路即ち受信装置1690がどのような機種であるか等を表す環境情報記憶部1640、処理量情報300を原データ信号1611に加える合成部1650を備える。
信号発生源1610は、MPEGなどの信号形式に従って原データ信号1611を送出する。原データ信号1611は、復号処理シミュレーション部1620及び合成部1650に入力される。信号発生源1610の機能は市販のビデオカメラ等において既に実現されているので、説明は省略する。
復号処理シミュレーション部1620は原データ信号1611を入力として、第2の実施形態にて説明した処理パターン情報810を作成する。その動作は第19図のフローチャートに示した通りである。
即ち、最初に4つの処理パターンの出現回数をカウントするための配列E[i](i=▲1▼〜▲4▼)を用意し、初期値を全て0とする(s1701)。次に、原データ信号1611(この場合は映像ストリーム)の3フレーム分に対して以下のs1703〜s1706を繰り返す(s1702)。
まず、映像ストリームから符号成分を1つ取出す(s1703)。取出された符号成分がマクロブロック(MB)の種別を指定する符号成分であるかどうかを調べ、noであればs1705〜s1706をスキップする(s1704)。yesであれば次へ進み、当該MBが処理パターン▲1▼〜▲4▼のどれで処理されるかを判定し、その結果をPとする(s1705)。
最後に,処理パターンPに対応する配列Eの要素E[P]を1つ増やす。以上を繰返した結果、配列Eには各処理パターンの出現回数がカウントされているので、以降のステップではそれらの値を出現頻度に換算して出力する。すなわち、処理パターンi=▲1▼〜▲4▼に対して、出現頻度E[i]を総MB数で割った値を出力する(s1708)、という操作を繰り返す(s1707)。
以上により得られた処理パターン情報810は、例えば第10図の形式による処理量情報300として利用することができる。この結果、第2の実施形態にて説明した入力データ信号151が得られる(この場合、処理量算出部1630は実質的に不要となる)。
また別の方法として、処理パターン情報810を、第5図の形式による処理量情報300に変換することができる。この場合、処理パターン情報810は、処理量算出部1630に入力され、クロック数503に変換される。この変換には第13図に示した必要クロック数(C)決定方法を利用することができる。但し、その利用に際して、計算途上で必要なテーブル1000(第12図)を準備するために、受信装置1690がどのような条件(CPU種別など)で動作するか予め知っておく必要がある。そのために、多種類の受信装置の動作条件等の環境情報を格納した環境情報記憶部1640が設けられる。
環境情報記憶部1640には、第20図に示すように、複数の環境情報1810、1820、……、のテーブルが記憶される。環境情報1810(1820、……)には、第12図と同様に処理パターン1010に対応して処理クロック数1020が記録され、更に適用環境欄1811(1821、……)が設けられる。適用環境欄は当該環境情報がどんな条件において利用可能かを示す欄であり、たとえば図示の様に受信装置1690の製造者名及び型番を指定することで、利用可能な条件を規定する。或いは同欄に、CPU種別、OS種別などの条件を記述する方法でも良い。処理量算出部1630は、何等かの方法で受信装置1690の仕様を取得した後、その仕様に合う環境情報1810(1820、……)を選択して、クロック数の計算に使用する。
以上の方法により得られた処理量情報300と原データ信号1611とを合成部1650で合成することにより、入力データ信号151が得られる。例えば、第9図に示したMPEG規格のシンプルプロファイル・ショートヘッダモード方式に基づくビットストリームを得る場合は、拡張部PSPARE15001を用いた識別子501、フレーム数502及びクロック数503の送信が、即ち拡張部PSPARE15001へのこれら情報の挿入が合成部1650による合成となる。
合成部1650が出力する入力データ信号151は、受信装置1690に送信される。入力データ信号151を入力して実行する受信装置1690即ち低消費電力の電子回路の動作は、第1図他により既に説明した通りである。
なお、復号処理シミュレーション部1620の構成方法は、上記に限定されるものではなく、例えば受信装置1690と同一の装置を用意して、その実行クロック数を測定する方法でも良い。
処理量情報300が信号発生源1610とは別の装置により付加される構成を採用することができる。そのような構成である第5の実施形態を第21図に示す。
本実施形態では、第21図に示すように、データ信号中継装置1900を設け、同装置が信号発生源1610から適当な伝送路1901により送られて来た原データ信号1611を入力し、入力データ信号151を出力する。第21図における各部は、伝送路1901が存在する以外は、第18図と同一である。
本実施形態によるデータ信号中継装置1900を用いると、既存のデータ信号を消費電力低減可能な入力データ信号151に変換するデータ変換サービスを提供することが可能となる。
データ処理回路150の消費電力低減と処理量情報300の作成を同じ装置の内部で実行するようにした第6の実施形態を第22図に示す。本実施形態においては、データ処理装置2000の内部に復号処理シミュレーション部1620及び処理量算出部1630が設けられ、処理量情報300が算出される。なお、本実施形態においては、処理量算出部1630の出力はそのまま制御回路100に入力すれば良いので、合成部1650は不要となる。また環境情報記憶部1640は、制御回路中のテーブル1000と内容が重複するので省略される。
本実施形態によれば、既存のデータ信号を入力としつつ消費電力低減可能なデータ処理装置(DVD再生装置等)を提供することが可能になる。
上記の第4〜第6の実施形態により、多様なシステムに本発明による消費電力低減を適用することが可能となる。
以上、本発明によれば、マイクロコンピュータ等の電子回路の消費電力の低減を従来よりも正確な処理量情報に基づいて行なうため、電源電圧及びクロック周波数を限界近くまで低下させるように制御することが可能になり、この結果、従来よりも高い消費電力低減の効果を得ることができる。また、その効果により、半導体集積回路の大規模化の障害になっていた消費電力の問題が緩和され、半導体集積回路の更なる大規模化・高密度化を達成することができる。
産業上の利用可能性
本発明は、半導体集積回路を含む消費電力の低減が求められる電子回路の全般にわたって適用可能であり、特に処理量が多い画像関係等のデータ処理を行なうシステムに有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る低消費電力の電子回路の第1の実施形態を説明するための構成図であり、第2図は、第1の実施形態のマイクロコンピュータによる構成を説明するためのブロック図であり、第3図は、入力データ信号の形式を示す図であり、第4図は、制御回路の動作を説明するためのフローチャートであり、第5図は、処理量情報の形式を示す図であり、第6図は、クロック数決定方法を説明するためのフローチャートであり、第7図は、FV対応表の構成例を説明するための図であり、第8図は、MPEG規格におけるショートヘッダモード方式のビットストリーム形式を示す図であり、第9図は、第8図のビットストリーム形式に処理量情報を挿入して得られるビットストリーム形式を説明するための図であり、第10図は、本発明の第2の実施形態における処理量情報の形式を示す図であり、第11図は、映像復号を例として処理パターンの具体例を説明するための図であり、第12図は、パターン別クロック数テーブルの構成例を示す図であり、第13図は、第2の実施形態におけるクロック数決定方法を説明するためのフローチャートであり、第14図は、処理量情報表の構成例を示す図であり、第15図は、本発明の第3の実施形態における消費電力低減方法を説明するためのフローチャートであり、第16図は、第3の実施形態における処理量情報提供サービスの構成例及び通信手順を説明するための図であり、第17図は、処理量情報提供サービスにおける処理量情報表の構成例を示す図であり、第18図は、本発明の第4の実施形態における消費電力低減方法を実施するためのデータ信号発生装置の構成を説明するためのブロック図であり、第19図は、復号処理シミュレーション部の動作を説明するためのフローチャートであり、第20図は、環境情報の構成例を示す図であり、第21図は、本発明の第5の実施形態における消費電力低減方法を実施するためのデータ信号中継装置の構成を説明するためのブロック図であり、第22図は、本発明の第6の実施形態における消費電力低減方法を実施するためのデータ処理装置の構成を説明するためのブロック図であり、第23図は、安全係数αと消費電力Pの関係を説明するための曲線図である。
本発明は、マイクロコンピュータに代表される半導体回路を応用したシステムに関するものであり、特にデータ処理を行なう大規模集積の電子回路及びその消費電力低減方法に関する。
背景技術
半導体技術の進歩により、集積回路の高密度化・大規模化が進んでいる。これに伴い、回路の消費電力が増大することが問題となり、以下のような対策が取られてきた。
まず、第一の対策として、集積回路に供給するクロック信号の周波数を可能な範囲で低下させる方法が採用されている。マイクロコンピュータ等に代表される大規模集積回路では、全体の動作を同期させるためにクロック信号を使用する。クロック信号は、集積回路の動作において時間の基準となる信号であり、集積回路は、クロック信号を単位として逐次的に信号を伝達する形で動作する。
一方、多くのマイクロコンピュータが採用しているCMOS(Complimentary Metal Oxide Semiconductor)集積回路には、消費電力がクロック信号の周波数に比例して増減する性質がある。そのため、集積回路の動作速度が遅くても良い場合には、クロック周波数を低下させ、それによって消費電力を下げることが行なわれている。
しかしながら、上記第一の対策方法には改善の余地があることが近年明らかになり、以下に述べる第二の対策方法、即ち、クロック周波数と共に、集積回路に供給する電源の電圧を低下させる方法が開発されている。一般に、クロック周波数を低下させた場合、集積回路の動作に余裕が生じるため、電源電圧を併せて低下させることが可能となる場合が多い。第二の対策ではこの性質が利用される。
第二の対策の具体的な方法が例えば電子情報通信学会技術報告VLD96−72(1996年12月)に示されている。この方法では、基準電圧に応じて電源電圧を変えることができるDC−DCコンバータと、電源電圧に応じて発振周波数が変わるリングオシレータを用い、電源電圧とクロック周波数を同時に変化させている。
以上の2つの対策方法を実用化する為には、集積回路がどの程度の動作速度を必要とするかを予め知っておかねばならない。集積回路が特定の目的専用に使用される場合は、当該目的に応じた速度が予め定まるので、それに応じた周波数のクロックを使用すれば良い。
しかしながら、マイクロコンピュータのように広範な目的に使用される集積回路では、必要な動作速度は状況により絶えず変化するので、動作速度を稼動中に決定する必要がある。この決定を行なう具体的な方法として、例えば特開平2−121019号公報において以下の方法が開示されている。
集積回路を利用したコンピュータ上で、ジョブ管理機能を有するソフトウェア(オペレーティングシステム、以下「OS」と略す)が稼動しており、更に同OSの管理下で動作する複数個のジョブ(プログラム)が存在する場合、ジョブは、入力された後に一旦記憶装置内のジョブキューに蓄積され、OSによって1つずつ取出されて実行される。この場合OSは、一定の時間間隔でジョブキュー内に残っているジョブの個数をチェックし、その個数に平均処理時間を掛算することにより、当面必要な動作速度の予測指標を定める。この予測指標の大小に応じて、電源電圧及びクロック周波数の高低が決定される。なお同公報においては、電源電圧及びクロック周波数は共に高低の2通りの値のみとなっている。
更に、上述の予測指標をより精密に求める為のいくつかの方法が開示されている。例えば、特開平10−187300号公報は、コンピュータにどの程度の量の入力データが蓄積されているかを予測に利用する方法を示している。また、特開平11−353052号公報は、コンピュータの処理作業の内で管理作業を除いた真の負荷量がどの程度の比率を占めるかを計測して予測に利用する方法を示している。更に、特開2000−201187号公報は、コンピュータがどのようなメディアのデータファイルを現在処理しているかを予測に利用している。以上の発明はいずれも、予測を精密に行なうことによってきめ細かい電力制御を可能とし、結果として電力低減効果が向上することを目的としている。
発明の開示
しかしながら、前項で述べた予測方法は全て、統計的な計算に基づいて必要動作速度を求めているため、ある程度の予測誤差が生じることが避けられない。従って、クロック周波数及び電源電圧は、予測誤差を考慮してある程度大き目に設定する必要がある。このような設定は、次に述べるように、消費電力低減の効果を大きく妨げる原因となる。
真に必要な動作周波数がF(Hz)、対応する動作電圧がV(volt)である場合、平均消費電力Paは、kを適当な比例乗数として、
Pa=kFV2 …………(1)
となる。ここで、クロック周波数及び電源電圧を制御する制御回路が予測誤差を考慮して動作周波数をαFに設定したとする。αは1以上の値であり、動作速度に余裕を持たせるための安全係数である。この場合、動作電圧も対応して大きく設定する必要があり、その値は、Vがあまり小さくない範囲ではFとVとがほぼ比例する事から、αVとなる。
従って、動作中の消費電力P0は
P0=kα3FV2 …………(2)
となる。但しこの場合、動作周波数にα倍の余裕がある為、電子回路は要求された作業を1/αの時間で完了する。余った時間は電源を切るので電力はほとんど消費されないとすれば、通算での平均消費電力Ptは式(2)の1/αである
Pt=kα2FV2 …………(3)
となる。式(3)の消費電力Ptは、式(1)の消費電力Paのα2倍である。即ち、図23に示す通り、消費電力は安全係数の二乗に比例して増加することになり、例えば、処理速度の余裕を40%(安全係数α=1.4)ほど見込むと、消費電力は本来必要な電力の1.42≒2倍となる。
一般にマイクロコンピュータでデータ処理を行なう場合、必要動作速度は、処理対象となるデータの性質に大きく依存する。画像データの場合などでは、データがシーンの変化などで突発的に変化することがあるので、安全係数は大きく取らねばならず、40%程度では不足の場合が多い。これにより、電子回路は本来必要な電力の2倍以上を消費することとなり、消費電力低減という目的が十分に達成されない結果を招く。
本発明の目的は、以上の課題を解決し、消費電力低減の効果に限界をもたらす予測を用いずに消費電力を低減するようにした低消費電力の電子回路及び消費電力低減方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る低消費電力の電子回路は、電圧制御信号によって電源電圧を変化させる電源調整回路又は周波数制御信号によってクロック信号の周波数を変化させるクロック調整回路の少なくともいずれか一方と、電圧制御信号又は周波数制御信号の少なくともいずれか一方を生成する制御回路と、上記電源調整回路からの電源又は上記クロック調整回路からのクロック信号の少なくともいずれか一方が供給されて入力データ信号の処理を行なうデータ処理回路とを有し、
上記制御回路は、電圧制御信号又は周波数制御信号の少なくともいずれか一方の生成を、入力データ信号に対応付けられ、かつ、データ処理回路が実行するデータ処理の大きさを示す処理量情報を元に行なう回路であることを特徴としている。
上記目的を達成するための本発明の消費電力低減方法は、符号化されたデータ信号を復号する工程と、復号の過程から復号に要する処理量を算出して結果を処理量情報として出力する工程と、該処理量情報と上記符号化されたデータ信号を合成して入力データ信号とする工程と、上記処理量情報を用いて入力データ信号を処理する工程とを有するのに加え、入力データ信号を処理するために用いる電源の電圧を調整する工程又は入力データ信号を処理するために用いるクロック信号の周波数を調整する工程の少なくともいずれか一方を有することを特徴としている。
上記目的を達成するための本発明の別の消費電力低減方法は、MPEG(Motion Picture coding Experts Group)規格によって符号化されたデータ信号を復号する工程と、復号の過程から復号に要する処理量を算出して結果を処理量情報として出力する工程と、該処理量情報を上記符号化されたデータ信号のビットストリーム中の拡張部に挿入して入力データ信号とする工程と、上記処理量情報を用いて入力データ信号を処理する工程とを有するのに加え、入力データ信号を処理するために用いる電源の電圧を調整する工程又は入力データ信号を処理するために用いるクロック信号の周波数を調整する工程の少なくともいずれか一方を有することを特徴としている。
以上のいずれの特徴においても、電源の電圧又はクロック信号の周波数の少なくともいずれか一方の調整のために、安全係数を入れざるを得ない予測ではなく、データ処理の実際の処理量から算出した処理量情報を用いるので、正確な消費電力低減を実行することができる。従って、電源電圧及びクロック周波数を許容できる限界近くまで低下させるように制御することが可能になり、この結果、従来よりも高い消費電力低減の効果を得ることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明に係る低消費電力の電子回路及び消費電力低減方法を図面に示した幾つかの実施形態を参照して更に詳細に説明する。なお、第1図〜第22図における同一の記号は、同一物又は類似物を表示するものとする。
第1図に第1の実施形態の全体構成を示す。同図において、150は、本発明により消費電力を制御されるデータ処理回路、111は、回路150に供給する電源112の電圧を調整する電源調整回路、121は、回路150に供給するクロック信号122の周波数を調整するクロック調整回路、100は、電源調整回路111への電圧制御信号110及びクロック調整回路121への周波数制御信号120を生成する制御回路であり、これらの諸回路により低消費電力の電子回路が構成される。そして、以上の電源電圧調整及びクロック周波数調整の2つの制御が行なわれることにより、消費電力低減が実現される。なお、入力データ信号151は、放送又はネットワーク等の伝送路を経て供給されても良く、或いはDVD(Digital Versatile Disc)等の電子記録媒体によって供給されても良い。
データ処理回路150は、何等かの入力データ信号151を入力してその処理を行ない、何等かの出力信号152を出力する機能を有する回路である。本発明は、データ処理回路150の機能や入力データ信号151及び出力信号152の形態に係らず適用可能である。但し、以下の実施形態では説明の便のため、データ処理回路150は映像デコーダであり、入力データ信号151として国際標準のMPEG規格により符号化した映像ストリームを用い、出力信号152として同ストリームを復号した結果の画像信号を扱う例を示す。勿論、これは本発明の適用範囲を限定するものではなく、例えば音声データを入力データ信号としても良い。
ここで制御回路100の入力として処理量情報300が用いられることが本発明の特徴である。処理量情報300の内容と、それを用いた本実施形態の具体的な動作を第3図以下で詳述する。
以上の構成において、制御回路100の実現方法は様々なものが考えられ、例えば全てをハードウェアで作成することも可能である。しかしながら実際には、制御回路100が電圧制御信号110や周波数制御信号120を決定する際には複雑な計算を伴うので、制御回路100は、コンピュータ上のプログラムとしてソフトウェア的に実現されることが多く、かつこの場合は、制御対象となるデータ処理回路150に該コンピュータ自体が含まれ、ソフトが自身のハードを制御する形態となる場合が多い。そこで以下では、この形態について第2図を用いて説明する。
第2図において、制御対象のデータ処理回路150はマイクロコンピュータであり、その内部でCPU210、ROM220、RAM230、I/O240がバス250で結合されている。ROM220には制御プログラム201が記憶され、同プログラムをCPU210が実行することにより、制御回路100が実現される。なおROM220には、制御プログラム201以外にアプリケーションプログラム202が記憶され、当該マイクロコンピュータを使用した種々の機能(例えば映像復号)に供される。
電圧制御信号110や周波数制御信号120は、I/O240の出力の一部として実現され、外部の電源調整回路111やクロック調整回路121に入力される。入力データ信号151及び出力信号152もI/O240を介した外部とのデータ送受として実現される。なお、以上の説明において、ROM220、RAM230、I/O240等はCPU210と同一の集積回路チップ上にあっても良く、又は別であっても良い。また、電源調整回路111やクロック調整回路121をCPU210等と同一の集積回路チップ上に設けても良い。
なお、電源調整回路111は、例えば電圧制御信号110が基準電圧となり、それに応じて出力電圧が変化するDC−DCコンバータによって実現される。また、クロック調整回路121は、例えばPLL(位相同期ループ)を用いた周波数シンセサイザであって、周波数制御信号120によってその分周比が変わる回路によって実現される。
次に、入力データ信号151について、第3図を用いて説明する。第3図では、前述の通り、入力データ信号151は、MPEGによって符号化した映像ストリーム即ち時系列信号(ビットストリーム)であるが、映像を1フレーム単位で符号化したフレームデータ310の間に、適当な間隔(本例では3フレーム)で処理量情報300が挿入された形式となっている。
この形式の映像ストリームは、入力データ信号151を生成する段階で作られるが、それについては後で詳述する。
処理量情報300は第5図に示す通り、識別子501、フレーム数502、クロック数503を並べたものである。識別子501は、フレームデータと処理量情報とを区別するための符号であり、その具体的な形式はフレームデータの符号化規則に応じて決定する。フレーム数502は、後続のクロック数503が何フレーム分に対する処理量情報であるか(本例では3フレーム)を示す。クロック数503は、対象となるフレームデータをCPU210が処理するのに必要なクロック数を示す。
この処理量情報はデータ処理回路150が実行する処理(本実施形態では復号)の大きさを示すもので、処理単位毎に(本実施形態では3フレーム毎に)その処理量が処理量情報として正確に示される。このように、従来のような予測ではなく、正確な必要処理量が入力データ信号に搭載されることが本発明の特徴である。
以上の情報を用いて、制御回路100は、処理量情報300が到来する都度、第4図のフローチャートで示される動作を実行する。即ち、まず処理量情報300を受け取り(ステップ401、以下「s401」と略記する)、同情報から必要クロック数Cを決定する(s402)。Cを得た上で、まず周波数Fを下記の数式により決定し(s403)、
周波数F=C/(フレーム数502×1/30(秒))
更に、Fから電源電圧Vを第7図に示すFV対応表700により決定する(s404)。得られたF、VをI/O240を介して電圧制御信号110や周波数制御信号120として出力する(s405)ことにより、1回の制御動作を完了する。
以上においてs402はCを決定するためのサブルーチンであり、その動作は第6図のフローチャートに示す通りである。即ち、s601においてクロック数503をCに設定する。本実施形態においては、必要なCの値がそのまま処理量情報300に記されているので、s402は極めて簡単に構成できる。なお、Cをもっと複雑な計算で決定する例を、後に第2の実施形態において述べる。
また、s404で用いるFV対応表700は、図7に示す形式の表である。即ち、周波数Fの種々の値710と各々に対応する電源電圧Vの値720を並べた表である。なお、s403で求められたFの値が710に含まれない場合は、切り上げにより最も近い値を採用するものとする。
上記の実施形態によれば、簡単なプログラムにより、安全係数を用いることなく正確に消費電力を低減することができる。
ここで、国際標準のMPEG規格による映像ストリームに適用した入力データ信号151の一例を説明する。
MPEG規格では多様な方式が1つの規格の下にまとめられている。説明する入力データ信号151は、それらのうち、シンプルプロファイル(simple profile)・ショートヘッダモード(short header mode)と呼ばれる方式に対して適用した例である。
ショートヘッダモードにおいて、映像は第8図に示す形式で1フレームずつビットストリームとして送信される。即ち、各フレームの属性を示すヘッダ部分10000、フレーム内容を符号化した部分20000、フレームの終了を示す終端符号30000がこの順に送信される。以降のフレームについても、同じ形式が繰り返される。
フレーム内容20000には、フレームを離散コサイン変換(DCT)により圧縮した情報や、前フレームからの被写体の移動を表わす動きベクトル情報が含まれる。これらの詳細は省略する。終端符号30000は、フレームの終了を明示するための特別な形を持った符号である。この詳細は省略する。
ヘッダ部分10000は、当該フレームの属性を示すための様々な情報10001〜10005を、規格が定めた順に送信するものであり、詳細には、開始符号PSC10001、表示タイミング情報(temporal reference)TR10002、画像のサイズ等を示すPTYPE10003、量子化係数10004、CPMモードフラグ10005からなる。また、情報10001〜10005の内容に応じて、追加情報(詳細は略)10006〜10008が付加されることもある。
ショートヘッダモードにおいては、以上の後ろに、拡張部の存在を示すフラグPEI15000、および拡張部PSPARE15001が設けられている。フラグPEI15000は1ビットの情報であり、その値が‘0’であれば拡張部PSPARE15001は存在せず、以降にはフレーム内容20000が続く。一方‘1’であれば、拡張部PSPARE15001が引き続いて送信されることを示す。拡張部PSPARE15001は8ビットの固定長情報であり、その内容は現在の所規格には規定されておらず、将来の規格拡張のために予約された形となっている。また、拡張部PSPARE15001が送信された場合には、次に再びフラグPEI15000を送信することが既定されている。従ってPEI=‘1’+PSPAREという符号の組合せを繰返して送信することにより、任意の大きさの情報を拡張部PSPARE15001により送信することが可能となっている。
上述の拡張部PSPARE15001を用いて、本発明による処理量情報300を送信するようにした例を第9図に示す。本例で、例えば第5図の形式による処理量情報300を送信する場合、追加情報である既存の属性情報(DBQUANT10008など)に引き続いて、まずPEI=1を送信し、後続のPSPARE部分を用いて識別子501を送信する。再度PEI=1を送信し、後続のPSPARE部分でフレーム数502を送信する。三度目となるPEI=1を送信し、後続のPSPARE部分でクロック数503を送信する。以上の後にPEI=0を送信することにより拡張部分の送信を終了して、フレーム内容20000の送信に移る。
上記においてフレーム数502およびクロック数503は、拡張部PSPARE15001の形式に合せるために、長さを8ビットにして送る必要がある。このために、上位に0を詰める、下位のビットを切り捨てる、等の措置を適宜行なうものとする。また識別子501は、適切な値をMPEG符号規則の一部として定めるものとする。
以上により、MPEG規格に適用した入力データ信号151が゛作成される。
なお、処理量情報の利用を特徴とする本発明は、電源又はクロック周波数のいずれか一方のみを制御する場合にも適用可能である。データ処理回路によっては、例えば電源電圧が低く設定され、電圧をあまり変えられない場合がある。そのような場合は、クロック周波数のみを制御することとなる。また、データ処理回路によっては、クロック周波数を変えても消費電力がさして変わらない場合がある(例えば、回路をバイポーラトランジスタで構成する場合など)。その場合には、電源電圧のみを制御することとなる。そのような一方のみの場合でも、処理量情報を使った制御を行なうことにより、従来よりも高い消費電力低減の効果を得ることができる。
次に、既に説明した通り、上記の実施形態においてはクロック数503が処理量情報300に記入される。一方、クロック数はCPUの機種に応じて異なった値になるから、上記では本発明が特定のCPUを対象とすることになる。これを拡張し、機種の異なるCPUを対象にするようにした第2の実施形態を以下に述べる。
第2の実施形態においても、第2図、第3図及び第4図に示した構成は第1の実施形態と同様である。但し、第2図における制御プログラム201がより高度化される。具体的には、第4図におけるサブルーチンs402が変更される。また、これに応じて処理量情報300の形式が変更される。これらについて図面を用いて説明する。
まず、第10図を用いて処理量情報300の形式を説明する。本実施形態において、処理量情報300は、識別子501、フレーム数502、及び処理パターン情報810からなる。識別子501、フレーム数502は第5図と同じものである。処理パターン情報810は、パターン▲1▼の比率811、パターン▲2▼の比率812、……、を並べたものである。
ここで処理パターンとは、プログラムがデータを処理する際の処理手順を、いくつかの類型に分類したものである。この具体例を、第11図を用いて説明する。第11図は、MPEG4のシンプルプロファイル方式における画像復号処理をパターンに分類したものである。復号処理とは、現フレーム(復号が既に完了したもの)950を素材として、次フレーム960を生成する処理である。処理は、画面を16×16画素の小領域(マクロブロック、以下「MB」と略す)に分けて、MB単位で進められる。ここで、次フレーム960内のあるMB900を生成する方法は、大きくは以下の4通りのパターンに分けられる。
パターン▲1▼:MB900部分の映像が前フレームから全く変化しない場合。この場合、前フレームの同一位置にあるMB901から画像を局所的にコピーすれば、生成は完了する。
パターン▲2▼:MB900の近傍で映像に動きがある場合。この場合、MB901ではなく少し離れた位置902から画像を局所的にコピーする。位置ずれを補正する為に、コピーは作業領域910経由で行なう。
パターン▲3▼:動きと明るさが共に変化する場合。この場合、位置902から画像を作業領域910へコピーした後、作業領域910に明るさを調整する為の補正量を加える。補正量は離散コサイン変換(DCT)係数920の形式で送られて来るので、これを逆変換(iDCT)したものを加える。
パターン▲4▼:MB900を完全に更新する場合。MB901の情報は無視してDCT係数920のみでMB900を生成する.
これら4種類のパターンの間では、CPUが必要とする処理クロック数が大きく異なる。これに対して処理パターンが同一の場合は、クロック数は一定ではないもののあまり大きくは変動しない。従って、各々のパターンがどの位の頻度で現われるかを示す頻度情報が分かれば、必要処理量を知るのと等価になる。また、この頻度情報はCPU機種に依存しない値であるので、汎用性のあるシステムを構築するのに都合が良い。
第10図は以上の考えの下に、各パターンの出現比率を処理量情報として送ることとしたものである。なお、パターンを何通り用意すれば良いかは、図では4通りとしたが、アプリケーションの種類に応じて決定する必要がある。
処理量情報300を利用する場合、制御回路100の動作におけるs402、即ち本実施形態での必要クロック数即ちクロック数合計値Cの決定は、第13図の通りとなる。即ち、必要クロック数Cを0にクリア(s1101)した後、Cを累算する計算を4種類のパターン全て(処理パターン番号i=▲1▼〜▲4▼)に対して繰り返す(s1102)。ここで累算は、当該パターンの出現頻度即ち出現比率810(P[i])にMBの総数即ち全パターンの出現総計を乗じ(これにより当該パターンで処理されるMBの絶対数が得られる)、これに更に、第12図によるパターン別クロック数テーブル1000で示されるクロック数1020(K[i])を乗じたものを、Cに足し込んでやれば良い(s1103)。
Cを求める数式は、以下に示すように、
C=C+(パターンiの比率(810)×パターンiの必要クロック数(1020)×マクロブロック総数)
となる。
ここでパターン別クロック数テーブル1000は第12図に示す通り、各処理パターン1010に対応して、CPU210が費す処理クロック数1020(MB1個当りの値)を記したものである。
なお、以上はパターン数が4の場合であるが、一般式での上記の計算は、処理パターン番号iを▲1▼からパターンの総数までに対して行なうこととなる。
また、処理パターン情報810の代わりに、MPEG4規格にて定められている画像の複雑度情報(Complexity Estimation Header情報)を利用しても良い。
第12図の表はCPUの機種毎に自身で設定すれば良いので、本実施形態では、以上の頻度情報(第10図)を用いることにより、CPU機種に依存しない汎用性のあるシステムを構築することができる。
以上の第1及び第2の実施形態においては、処理量情報300は入力データ信号151の対応箇所に埋め込まれて送られてくるものとした。これとは別に、処理量情報300とフレームデータ310を別々に扱う方法を考えることができる。そのような分離型を採用した例である第3の実施形態を第14図に示す。
第14図に示した処理量情報表1200が、処理量情報300の代わりに用いられる。同表はフレーム番号欄1210、時間欄1220、クロック数欄1230からなる。フレーム番号欄1210は、フレームデータと対応したフレーム番号を示す。時間欄1220は、フレーム番号欄に対応した再生時刻の範囲を示す。クロック数欄1230は、再生時刻の範囲に対応して、その間にCPU210が必要な処理クロック数を表わす。なおフレーム番号欄1210と時間欄1220は、フレームが一定時間間隔で表示される場合にはどちらか一方を省略しても良い。
処理量情報表1200を用いて消費電力低減を行なう場合は、第1及び第2の実施形態の場合とは異なり、必要処理量をCPU210が自発的に読み出しに行かねばならない。従ってこの場合、CPU210は、第15図のフローチャートに示す手順により、制御回路100を起動する。
まず、時刻tを0に設定し(s1301)、続いて当該時刻に対応するクロック数C(処理量情報)をクロック数欄1230から読み出す(s1302)。得られたCの値を用いて制御回路100が電源電圧及びクロック周波数制御の動作を実行する(s1303)。この動作は、第4図に示した動作と同一なので詳細は省略する。
その後、0.5秒分の映像の復号が完了するのを待って(s1304)、時刻tを0.5秒進める(s1305)。この時点でフレームデータが終了すれば実行を終了するが、そうでない場合はs1302へ戻り同様の処理を繰り返す(s1306)。
なお以上の説明において、処理量情報表1200にはクロック数欄1230が設けられるとしたが、第2の実施形態の場合のように、処理パターン別の出現頻度を表に記録しても良い。
本実施形態によれば、処理量情報表1200をフレームデータとは全く独立に蓄積・伝送することが可能である。この性質を利用して、処理量情報を提供するサービスを構築することができる。このサービスを第16図を用いて説明する。
第16図において、データ信号1400は、放送等の伝送手段1401を通じて、或いはDVD等の電子記録媒体である蓄積媒体1402によって供給され、ユーザ宅にあるTV/DVDプレイヤー等の視聴装置1410で再生される。データ信号1400は、これまでの実施形態で述べたデータ信号151とは異なり、処理量情報300を含まないため、そのままでは本発明が利用できないものとする。また、データ信号1400は、映画作品など予め内容が定まっているものであり、かつ作品名が付けられて個々に識別可能であるとする。
以上のデータ信号に対して、上記サービスが次の様に行なわれる。まず、視聴装置1410は、インターネット等の双方向通信手段1420を介して情報提供サービス業者1430に接続される。情報提供サービス業者1430は、ユーザ登録チェック部1431、アクセス制御部1432、記憶部1433を備え、これら用いて通信手順1480に従い処理量情報を提供する。
即ち、まずユーザから処理量情報を提供する要求が送られ(手順▲1▼)、これに対してユーザ確認要求が返送される(手順▲2▼)。ユーザが確認のためのユーザID及びパスワード1450を送信する(手順▲3▼)と、ユーザ登録チェック部1431は、ユーザが正当であることを確認してアクセス制御部1432へ当該ユーザに対するアクセス許可1434を与え(手順▲4▼)、併せてユーザに作品名の入力を要求する(手順▲5▼)。
ユーザが作品名1460を送信する(手順▲6▼)と、アクセス制御部1432は、これを元に記憶部1433を検索して当該作品に対応する処理量情報を取出し、提供情報1470として返送する(手順▲7▼)。ここで、記憶部1433には処理量情報表1440が記憶されているものとする。
処理量情報表1440は複数の作品に対する処理量情報をまとめた表であり、その形式は、例えば第17図に示す通りである。即ち、処理量情報表1200と同様にフレーム番号欄1210と時間欄1220を備え、かつ複数の作品の個々に対応したクロック数欄1501、1502、……、がまとめて記録される。情報提供サービス業者は欄1501、1502、……、の中から作品名1460に対応した欄を選び出し、フレーム番号欄1210及び時間欄1220と併せて提供情報1470とする。なお以上において、ユーザの要求が正当でないと判断された場合は、通信を打切るなど適当な処置をとるものとする。
本サービスによれば、データ信号1400が処理量情報300を含まない場合でも、本発明による消費電力低減が利用可能となり、消費電力低減に効果を発揮する。
以上の第1〜第3の実施形態においては、処理量情報300は予め作成されているものとして説明を行なったが、その具体的な作成方法は保留されていた。そこで以下では、第18図以降を用いて処理量情報300の作成方法を説明する。
本発明の消費電力低減方法を実施するためのデータ信号発生装置1600である本発明の第4の実施形態を第18図に示す。データ信号発生装置1600において処理量情報300が作成される。データ信号発生装置1600は、ビデオカメラなどの信号発生源1610、復号信号発生源1610からの原データ信号1611を復号する復号処理シミュレーション部1620、復号の処理量を算出して処理量情報300を出力する処理量算出部1630、使用する電子回路即ち受信装置1690がどのような機種であるか等を表す環境情報記憶部1640、処理量情報300を原データ信号1611に加える合成部1650を備える。
信号発生源1610は、MPEGなどの信号形式に従って原データ信号1611を送出する。原データ信号1611は、復号処理シミュレーション部1620及び合成部1650に入力される。信号発生源1610の機能は市販のビデオカメラ等において既に実現されているので、説明は省略する。
復号処理シミュレーション部1620は原データ信号1611を入力として、第2の実施形態にて説明した処理パターン情報810を作成する。その動作は第19図のフローチャートに示した通りである。
即ち、最初に4つの処理パターンの出現回数をカウントするための配列E[i](i=▲1▼〜▲4▼)を用意し、初期値を全て0とする(s1701)。次に、原データ信号1611(この場合は映像ストリーム)の3フレーム分に対して以下のs1703〜s1706を繰り返す(s1702)。
まず、映像ストリームから符号成分を1つ取出す(s1703)。取出された符号成分がマクロブロック(MB)の種別を指定する符号成分であるかどうかを調べ、noであればs1705〜s1706をスキップする(s1704)。yesであれば次へ進み、当該MBが処理パターン▲1▼〜▲4▼のどれで処理されるかを判定し、その結果をPとする(s1705)。
最後に,処理パターンPに対応する配列Eの要素E[P]を1つ増やす。以上を繰返した結果、配列Eには各処理パターンの出現回数がカウントされているので、以降のステップではそれらの値を出現頻度に換算して出力する。すなわち、処理パターンi=▲1▼〜▲4▼に対して、出現頻度E[i]を総MB数で割った値を出力する(s1708)、という操作を繰り返す(s1707)。
以上により得られた処理パターン情報810は、例えば第10図の形式による処理量情報300として利用することができる。この結果、第2の実施形態にて説明した入力データ信号151が得られる(この場合、処理量算出部1630は実質的に不要となる)。
また別の方法として、処理パターン情報810を、第5図の形式による処理量情報300に変換することができる。この場合、処理パターン情報810は、処理量算出部1630に入力され、クロック数503に変換される。この変換には第13図に示した必要クロック数(C)決定方法を利用することができる。但し、その利用に際して、計算途上で必要なテーブル1000(第12図)を準備するために、受信装置1690がどのような条件(CPU種別など)で動作するか予め知っておく必要がある。そのために、多種類の受信装置の動作条件等の環境情報を格納した環境情報記憶部1640が設けられる。
環境情報記憶部1640には、第20図に示すように、複数の環境情報1810、1820、……、のテーブルが記憶される。環境情報1810(1820、……)には、第12図と同様に処理パターン1010に対応して処理クロック数1020が記録され、更に適用環境欄1811(1821、……)が設けられる。適用環境欄は当該環境情報がどんな条件において利用可能かを示す欄であり、たとえば図示の様に受信装置1690の製造者名及び型番を指定することで、利用可能な条件を規定する。或いは同欄に、CPU種別、OS種別などの条件を記述する方法でも良い。処理量算出部1630は、何等かの方法で受信装置1690の仕様を取得した後、その仕様に合う環境情報1810(1820、……)を選択して、クロック数の計算に使用する。
以上の方法により得られた処理量情報300と原データ信号1611とを合成部1650で合成することにより、入力データ信号151が得られる。例えば、第9図に示したMPEG規格のシンプルプロファイル・ショートヘッダモード方式に基づくビットストリームを得る場合は、拡張部PSPARE15001を用いた識別子501、フレーム数502及びクロック数503の送信が、即ち拡張部PSPARE15001へのこれら情報の挿入が合成部1650による合成となる。
合成部1650が出力する入力データ信号151は、受信装置1690に送信される。入力データ信号151を入力して実行する受信装置1690即ち低消費電力の電子回路の動作は、第1図他により既に説明した通りである。
なお、復号処理シミュレーション部1620の構成方法は、上記に限定されるものではなく、例えば受信装置1690と同一の装置を用意して、その実行クロック数を測定する方法でも良い。
処理量情報300が信号発生源1610とは別の装置により付加される構成を採用することができる。そのような構成である第5の実施形態を第21図に示す。
本実施形態では、第21図に示すように、データ信号中継装置1900を設け、同装置が信号発生源1610から適当な伝送路1901により送られて来た原データ信号1611を入力し、入力データ信号151を出力する。第21図における各部は、伝送路1901が存在する以外は、第18図と同一である。
本実施形態によるデータ信号中継装置1900を用いると、既存のデータ信号を消費電力低減可能な入力データ信号151に変換するデータ変換サービスを提供することが可能となる。
データ処理回路150の消費電力低減と処理量情報300の作成を同じ装置の内部で実行するようにした第6の実施形態を第22図に示す。本実施形態においては、データ処理装置2000の内部に復号処理シミュレーション部1620及び処理量算出部1630が設けられ、処理量情報300が算出される。なお、本実施形態においては、処理量算出部1630の出力はそのまま制御回路100に入力すれば良いので、合成部1650は不要となる。また環境情報記憶部1640は、制御回路中のテーブル1000と内容が重複するので省略される。
本実施形態によれば、既存のデータ信号を入力としつつ消費電力低減可能なデータ処理装置(DVD再生装置等)を提供することが可能になる。
上記の第4〜第6の実施形態により、多様なシステムに本発明による消費電力低減を適用することが可能となる。
以上、本発明によれば、マイクロコンピュータ等の電子回路の消費電力の低減を従来よりも正確な処理量情報に基づいて行なうため、電源電圧及びクロック周波数を限界近くまで低下させるように制御することが可能になり、この結果、従来よりも高い消費電力低減の効果を得ることができる。また、その効果により、半導体集積回路の大規模化の障害になっていた消費電力の問題が緩和され、半導体集積回路の更なる大規模化・高密度化を達成することができる。
産業上の利用可能性
本発明は、半導体集積回路を含む消費電力の低減が求められる電子回路の全般にわたって適用可能であり、特に処理量が多い画像関係等のデータ処理を行なうシステムに有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る低消費電力の電子回路の第1の実施形態を説明するための構成図であり、第2図は、第1の実施形態のマイクロコンピュータによる構成を説明するためのブロック図であり、第3図は、入力データ信号の形式を示す図であり、第4図は、制御回路の動作を説明するためのフローチャートであり、第5図は、処理量情報の形式を示す図であり、第6図は、クロック数決定方法を説明するためのフローチャートであり、第7図は、FV対応表の構成例を説明するための図であり、第8図は、MPEG規格におけるショートヘッダモード方式のビットストリーム形式を示す図であり、第9図は、第8図のビットストリーム形式に処理量情報を挿入して得られるビットストリーム形式を説明するための図であり、第10図は、本発明の第2の実施形態における処理量情報の形式を示す図であり、第11図は、映像復号を例として処理パターンの具体例を説明するための図であり、第12図は、パターン別クロック数テーブルの構成例を示す図であり、第13図は、第2の実施形態におけるクロック数決定方法を説明するためのフローチャートであり、第14図は、処理量情報表の構成例を示す図であり、第15図は、本発明の第3の実施形態における消費電力低減方法を説明するためのフローチャートであり、第16図は、第3の実施形態における処理量情報提供サービスの構成例及び通信手順を説明するための図であり、第17図は、処理量情報提供サービスにおける処理量情報表の構成例を示す図であり、第18図は、本発明の第4の実施形態における消費電力低減方法を実施するためのデータ信号発生装置の構成を説明するためのブロック図であり、第19図は、復号処理シミュレーション部の動作を説明するためのフローチャートであり、第20図は、環境情報の構成例を示す図であり、第21図は、本発明の第5の実施形態における消費電力低減方法を実施するためのデータ信号中継装置の構成を説明するためのブロック図であり、第22図は、本発明の第6の実施形態における消費電力低減方法を実施するためのデータ処理装置の構成を説明するためのブロック図であり、第23図は、安全係数αと消費電力Pの関係を説明するための曲線図である。
Claims (11)
- 電圧制御信号によって電源電圧を変化させる電源調整回路又は周波数制御信号によってクロック信号の周波数を変化させるクロック調整回路の少なくともいずれか一方と、
電圧制御信号又は周波数制御信号の少なくともいずれか一方を生成する制御回路と、
上記電源調整回路からの電源又は上記クロック調整回路からのクロック信号の少なくともいずれか一方が供給されて入力データ信号の処理を行なうデータ処理回路とを有し、
上記制御回路は、電圧制御信号又は周波数制御信号の少なくともいずれか一方の生成を、入力データ信号に対応付けられ、かつ、データ処理回路が実行するデータ処理の大きさを示す処理量情報を元に行なう回路であることを特徴とする低消費電力の電子回路。 - 前記処理量情報は、データ処理回路によって前記データ信号を処理するのに必要なクロック数を示す情報であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電子回路。
- 前記処理量情報は、データ信号を処理する為の処理方法を処理量を元に複数の処理パターンに細分した後での、データ信号における上記各処理パターンの出現頻度を示す情報であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電子回路。
- 前記データ信号は映像信号であり、前記複数の処理パターンは、当該映像の小部分に動きがある場合の処理パターンと動きがない場合の処理パターンの2者を少なくとも含むことを特徴とする請求の範囲第3項に記載の電子回路。
- 前記複数の処理パターンの各々に対応した処理クロック数を記憶したクロック数テーブルを有し、
前記制御回路は、電圧制御信号又は周波数制御信号の少なくともいずれか一方の生成を、
ステップ1:クロック数合計値Cを0とする、
ステップ2:処理パターン番号iを1からパターンの総数まで変化させながら、下記ステップ3を繰り返す、
ステップ3:クロック数合計値Cに、
i番目の処理パターンに必要な処理クロック数K[i]と、
i番目の処理パターンの出現頻度P[i]と、
全パターンの出現総計との積を加える、
ステップ4:得られたクロック数合計値Kから、前期電源電圧又はクロック周波数の少なくともいずれか一方の値を決定する、
の各ステップを逐次的に実行することにより行なうことを特徴とする請求の範囲第3項に記載の電子回路。 - 前記入力データ信号は時系列信号であり、前記処理量情報が該時系列信号の対応箇所に挿入されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電子回路。
- 前記処理量情報が入力データ信号とは別の経路を経て供給されることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電子回路。
- 前期入力データ信号が電子記録媒体に記録されており、入力データ信号が該電子記録媒体によって供給されることを特徴とする請求の範囲第6項又は第7項に記載の電子回路。
- 符号化されたデータ信号を復号する工程と、復号の過程から復号に要する処理量を算出して結果を処理量情報として出力する工程と、該処理量情報と上記符号化されたデータ信号を合成して入力データ信号とする工程と、上記処理量情報を用いて入力データ信号を処理する工程とを有するのに加え、入力データ信号を処理するために用いる電源の電圧を調整する工程又は入力データ信号を処理するために用いるクロック信号の周波数を調整する工程の少なくともいずれか一方の工程を有することを特徴とするデータ処理における消費電力低減方法。
- MPEG(Motion Picture coding Experts Group)規格によって符号化されたデータ信号を復号する工程と、復号の過程から復号に要する処理量を算出して結果を処理量情報として出力する工程と、該処理量情報を上記符号化されたデータ信号のビットストリーム中の拡張部に挿入して入力データ信号とする工程と、上記処理量情報を用いて入力データ信号を処理する工程とを有するのに加え、入力データ信号を処理するために用いる電源の電圧を調整する工程又は入力データ信号を処理するために用いるクロック信号の周波数を調整する工程の少なくともいずれか一方の工程を有することを特徴とするデータ処理における消費電力低減方法。
- 前期処理量情報を用いて入力データ信号を処理する工程を実行する電子回路の種別及び動作環境が複数種類存在する場合、前記処理量情報は、それらの複数種類の各々に対応して複数あることを特徴とする請求の範囲第9項又は第10項に記載の消費電力低減方法。
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