JPWO2002026962A1 - アレルギー性疾患の検査方法 - Google Patents

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株式会社ジェノックス創薬研究所
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Abstract

ディファレンシャルディスプレイ法により、アトピー性皮膚炎患者の増悪期と寛解期に採取した好酸球において発現に差の見られる遺伝子を探索した。その結果、寛解期にある患者の好酸球において、有意に発現が上昇している遺伝子「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」が単離された。本発明者らは、これらの遺伝子をアレルギー性疾患の検査、および治療薬候補化合物のスクリーニングに使用できることを見出した。

Description

技術分野
本発明は、アレルギー性疾患に関連する遺伝子、並びに該遺伝子の発現を指標としたアレルギー性疾患の検査方法およびアレルギー性疾患治療薬候補化合物のスクリーニング方法に関する。
背景技術
アトピー性皮膚炎等のアレルギー性疾患は、多因子性の病気(multifactorialdiseases)と考えられている。これらの病気は多くの異なる遺伝子の発現の相互作用によって起こり、これらの個々の遺伝子の発現は、複数の環境要因によって影響を受ける。このため、特定の病気を起こす特定の遺伝子を解明することは、非常に困難である。
またアレルギー性疾患には、変異や欠陥を有する遺伝子の発現や、特定の遺伝子の過剰発現や発現量の減少が関わっていると考えられている。病気に関して遺伝子発現が果たしている役割を解明するためには、遺伝子が発症にどのように関わり、薬剤などの外的な刺激が遺伝子発現をどのように変化させるのかを理解する必要がある。
近年の遺伝子発現の解析技術の発達により、多くの臨床試料で、遺伝子の発現を解析・比較することが可能となった。このような方法としては、ディファレンシャルディスプレイ(DD)法が有用である。ディファレンシャルディスプレイ法は、ライアンおよびパディー(Liang and Pardee)によって1992年に最初に開発された(Science,1992,257:967−971)。この方法を用いることによって、1回に数十種類以上のサンプルをスクリーニングすることができ、それらのサンプル中で発現が変化した遺伝子を検出することが可能である。このような方法を用いて、変異が生じた遺伝子や、時間や環境とともに発現が変わるような遺伝子を調べることによって、病因遺伝子の解明のために重要な情報がもたらされることが期待される。これらの遺伝子には、環境要因によって発現に影響を受けるような遺伝子も含まれる。
さて、現在アレルギー疾患の診断においては、一般に、問診、家族歴、そして本人の既往症の確認が重要な要素となっている。またアレルギーをより客観的な情報に基づいて診断するために、血液を試料とする試験方法や、アレルゲンに対する患者の免疫学的な応答を観察する方法も実施されている。前者の例として、アレルゲン特異的IgE測定、白血球ヒスタミン遊離試験、あるいはリンパ球幼若化試験等が挙げられる。アレルゲン特異的IgEの存在は、そのアレルゲンに対するアレルギー反応の証明である。しかし患者によっては、必ずしもアレルゲン特異的なIgEを検出できるとは限らない場合もある。また、その測定原理上、診断に必要なアレルゲンの全てに対して、試験を実施しなげればならない。白血球ヒスタミン遊離試験やリンパ球幼若化試験は、免疫システムのアレルゲンに対する反応をin vitroで観察する方法である。これらの方法は、操作が煩雑である。
一方、患者を実際にアレルゲンに接触させたときに観察される免疫応答をアレルギーの診断に役立てる方法(後者)も公知である。ブリック・テスト、スクラッチ・テスト、パッチ・テスト、皮内反応、あるいは誘発試験等が、この種の試験に含まれる。これらの試験では、患者のアレルギー反応を直接診断することができる反面、実際に被検者をアレルゲンに曝露する侵襲性の高い検査であると言うことができる。
この他、アレルゲンに関わらず、アレルギー反応の関与を証明するための試験方法も試みられている。たとえば、血清IgE値が高値である場合、その患者にはアレルギー反応が起きていると推定することができる。血清IgE値は、アレルゲン特異IgEの総量に相当する情報である。アレルゲンの種類に関わらずIgEの総量を決定することは容易であるが、非アトピー型気管支炎等の疾患を持つ患者では、IgEが低値となる場合がある。
好酸球数とECP値は、I型アレルギーに引き続いて起きる遅延型反応や、アレルギー性炎症反応に関連する診断項目である。好酸球の数は、アレルギー症状の進展を反映するとされている。また、好酸球の顆粒に含まれる蛋白質であるECP(eosinophil cationic protein)も、喘息患者の発作に伴って強く活性化される。これらの診断項目は、確かにアレルギー症状を反映するものではある。しかし、実際に診断の指標とできる範囲は限られている。
したがって、アレルゲンに関わらず、アレルギー患者の病態の把握や治療方針の決定に役立てることができる診断指標が求められていた。加えて、患者に対する危険が少なく、しかも診断に必要な情報を容易に得ることができる、アレルギー疾患のマーカーが提供されれば有用である。
発明の開示
本発明は、アレルギー性疾患に関連する遺伝子を提供することを課題とする。さらに、本発明は該遺伝子の発現を指標とした、アレルギー性疾患の検査方法およびアレルギー性疾患治療薬候補化合物のスクリーニング方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、既に確立された「蛍光DD(Fluorescent DD)法」(T.Itoら,1994,FEBS Lett.351:231−236)の手順に基づき、複数のヒトの血液から調製した白血球細胞RNAサンプルを解析できるDDシステムを開発した(WO 00/65046)。そして該システムを、アレルギー性疾患特異的に発現量が異なる遺伝子の単離に応用した。
すなわち、まず本発明者らは、アトピー性皮膚炎の患者について、皮膚炎症状の増悪期と寛解期とでアレルギー症状に関連するいくつかのパラメーターを比較した。その結果、一部の患者で寛解期における好酸球の減少が観察された。一般に好酸球は、アトビー性皮膚炎の代表的な臨床指標とされていることから、本発明者らはこの知見に着目した。そして、同一患者の増悪期と寛解期の間で、好酸球において発現レベルが変化する遺伝子を単離することができれば、アトピー性皮膚炎に直接的に関与する遺伝子の単離が可能となるのではないかと考えた。
そこで、複数の被検者について、アトピー性皮膚炎の増悪期と寛解期に好酸球を採取して、前記システムを利用して好酸球で発現量が変化する遺伝子のスクリーニングを行った。その結果、寛解期の患者において有意に高い発現量を示す5つの遺伝子「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」の単離に成功した。これらの遺伝子は、公知の遺伝子データベースに同一の塩基配列を見出すことができず、新規な遺伝子であると考えられた。さらに本発明者らは、これらの遺伝子の発現量を指標として、アレルギー性疾患の検査、およびアレルギー性疾患治療薬候補化合物のスクリーニングを行うことが可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、アトピー性皮膚炎の寛解期において高い発現を示す遺伝子、並びにそれらの応用に関する。より具体的には、該遺伝子の発現を指標としたアレルギー性疾患の検査方法、および候補化合物の該遺伝子の発現に与える影響を検出する方法、更にこの検出方法に基づくアレルギー性疾患治療薬候補化合物のスクリーニング方法に関する。
〔1〕次の工程を含む、アレルギー性疾患の検査方法。
a)被検者の好酸球細胞における、配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含む遺伝子の発現レベルを測定する工程
b)健常者の好酸球細胞における前記遺伝子の発現レベルと比較する工程
〔2〕アレルギー性疾患がアトピー性皮膚炎である、〔1〕に記載の検査方法。
〔3〕遺伝子の発現レベルを、cDNAのPCRによって測定する〔1〕に記載の検査方法。
〔4〕配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド、またはその相補鎖に相補的な塩基配列を有する少なくとも15塩基の長さを有するオリゴヌクレオチドからなる、アレルギー性疾患検査用試薬。
〔5〕次の工程を含む、候補化合物が下記(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドの発現レベルに与える影響を検出する方法。
(1)下記(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドを発現する細胞に候補化合物を接触させる工程
(a)配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド。
(b)配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、アトピー性皮膚炎の寛解期に好酸球において発現が増加する蛋白質をコードするポリヌクレオチド。
(2)前記(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドの発現レベルを測定する工程、
〔6〕細胞が株化白血球細胞である〔5〕に記載の方法。
〔7〕次の工程を含む、候補化合物が下記(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドの発現レベルに与える影響を検出する方法。
(a)配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド。
(b)配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、アトピー性皮膚炎の寛解期に好酸球において発現が増加する蛋白質をコードするポリヌクレオチド。
(1)被験動物に候補化合物を投与する工程、および
(2)被験動物の好酸球細胞における前記(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドの発現強度を測定する工程、
〔8〕〔5、または〔7〕に記載の方法によって、前記発現レベルに与える影響を検出し、対照と比較して前記発現レベルを上昇させる化合物を選択する工程を含む、前記(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドの発現レベルを上昇させる化合物のスクリーニング方法。
〔9〕次の工程を含む、候補化合物が配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含む遺伝子の転写調節領域の活性に与える影響を検出する方法。
(1)配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含む遺伝子の転写調節領域と、この転写調節領域の制御下に発現するレポーター遺伝子とを含むベクターを導入した細胞と候補物質を接触させる工程、および
(2)前記レポーター遺伝子の活性を測定する工程、
〔10〕〔9〕に記載の方法によって、候補化合物の前記活性に与える影響を検出し、対照と比較して前記活性を上昇させる化合物を選択する工程を含む、配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含む遺伝子の転写調節領域の活性を上昇させる化合物のスクリーニング方法。
〔11〕配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含む遺伝子の転写調節領域と、この転写調節領域の制御下に発現するレポーター遺伝子とを含むベクター。
〔12〕〔11〕に記載のベクターを導入した細胞。
〔13〕〔8〕、または〔10〕に記載のスクリーニング方法によって得ることができる化合物を有効成分として含有する、アレルギー性疾患の治療薬。
〔14〕下記の(a)または(b)に記載のポリヌクレオチド。
(a)配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド。
(b)配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、アトピー性皮膚炎の寛解期に好酸球において発現が増加する蛋白質をコードするポリヌクレオチド。
〔15〕〔14〕に記載のポリヌクレオチドによってコードされる蛋白質。
〔16〕〔14〕に記載のポリヌクレオチドを発現可能に保持するベクター。
〔17〕〔14〕に記載のポリヌクレオチド、または〔16〕に記載のベクターを保持する形質転換細胞。
〔18〕〔17〕に記載の形質転換細胞を培養し、その発現産物を回収する工程を含む、〔15〕に記載の蛋白質の製造方法。
〔19〕〔15〕に記載の蛋白質に対する抗体。
〔20〕〔19〕に記載の抗体と、〔15〕に記載の蛋白質の免疫学的な反応を観察する工程を含む、〔15〕に記載の蛋白質の免疫学的測定方法。
〔21〕配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド、またはその相補鎖に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであって、少なくとも15塩基の長さを持つオリゴヌクレオチド。
〔22〕〔21〕に記載のオリゴヌクレオチドと、〔14〕に記載のポリヌクレオチドとのハイブリダイズを観察する工程を含む、〔14〕に記載のポリヌクレオチドの測定方法。
〔23〕下記の(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドの好酸球細胞における発現強度を低下させたトランスジェニック非ヒト脊椎動物からなるアレルギー性疾患モデル動物。
(a)配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド。
(b)配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、アトピー性皮膚炎の寛解期に好酸球において発現が増加する蛋白質をコードするポリヌクレオチド。
〔24〕トランスジェニック動物が、ノックアウト動物である〔23〕に記載のモデル動物。
〔25〕配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列、またはその相補配列にハイブリダイズする少なくとも15塩基の長さを有するポリヌクレオチドと、配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列からなる遺伝子を発現する細胞からなる、アレルギー性疾患の治療薬候補化合物をスクリーニングするためのキット。
〔26〕「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」蛋白質のアミノ酸配列を含むペプチドを認識する抗体と、配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含む遺伝子を発現する細胞からなる、アレルギー性疾患の治療薬候補化合物をスクリーニングするためのキット。
本発明は、新規な遺伝子「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」、並びに好酸球細胞におけるこれらの遺伝子の発現レベルを指標とする、アレルギー疾患の検査方法に関する。「2259−01」、「2298―09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」は、アトピー性皮膚炎患者の寛解期において発現量が増加する遺伝子である。本発明の遺伝子は、特に構造的に同一性の高い遺伝子を見出すことができず、新規な遺伝子であると考えられた。「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」は、配列番号:1〜配列番号:5に示す塩基配列を含む。
配列番号:1〜配列番号:5に示す塩基配列は、全長cDNAの部分配列である。この部分配列を含む全長cDNAは、好酸球、あるいは好酸球を含む白血球細胞のcDNAライブラリーを、配列番号:1〜配列番号:5に示した塩基配列から選択された塩基配列からなるプローブでスクリーニングすることによって取得することができる。また、RACE法(Frohman,M.A.et al.:Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85:8992,1988)によって「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」の配列を延長することもできる。すなわち、「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」由来の配列をプライマーとして用いて、白血球細胞などのmRNAを一本鎖cDNAに変換し、末端にオリゴマーを付加してからPCRを行えば、延長されたcDNAを取得することができる。
本発明における「配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド」には、このように配列番号:1〜配列番号:5に記載の塩基配列情報を基に単離しうる、「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」の全長cDNAが含まれる。更にこのようにして取得したcDNAの塩基配列に基づいて、cDNAによってコードされるアミノ酸配列を推定することができる。
本発明は、配列番号:1〜配列番号:5に示す塩基配列を含むポリヌクレオチドに関する。本発明はまた、このポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、このポリヌクレオチドによってコードされる蛋白質と機能的に同等な蛋白質をコードするポリヌクレオチドに関する。本発明において、ポリヌクレオチドとは、DNAやRNAのような天然の核酸分子の他、標識を付した分子や、各種のヌクレオチド誘導体によって構成された人工的な分子をも含む。人工的なポリヌクレオチドには、ホスホロチオエート結合やペプチド結合をバックボーンとするポリヌクレオチドが含まれる。
これら本発明のポリヌクレオチドは、化学的に合成することもできるし、mRNA、cDNAライブラリー、あるいはゲノムライブラリー等の天然の核酸から単離することもできる。本発明のポリヌクレオチド分子は、それによってコードされる蛋白質の生産、「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」の発現を阻害するためのアンチセンス核酸、あるいはその存在をハイブリダイゼーションによって検出するためのプローブ等として有用である。
また本発明において、ある蛋白質がアトピー性皮膚炎の寛解期に好酸球において発現が増加するとき、本発明の蛋白質と機能的に同等と言う。ある蛋白質が、アトピー性皮膚炎の寛解期に好酸球において発現が増加することは、増悪期と寛解期における好酸球数の変動を観察するとともに、そのときに採取された好酸球における当該蛋白質をコードする遺伝子の発現レベルを比較することによって確認することができる。
このポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、機能的に同等な蛋白質をコードするポリヌクレオチドは、配列番号:1〜配列番号:5に記載の塩基配列に基づいて、ハイブリダイズやPCRなどの公知の手法によって取得することができる。たとえば、配列番号:1〜配列番号:5に記載の塩基配列から選択された塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプローブとして用い、ストリンジェントな条件下で、白血球細胞のcDNAライブラリーをスクリーニングすることにより、配列番号:1〜配列番号:5に記載の塩基配列と同一性の高い塩基配列からなるcDNAを取得することができる。あるポリヌクレオチドがストリンジェントな条件下で配列番号:1〜配列番号:5に示す塩基配列を含むポリヌクレオチドとハイブリダイズするとき、このポリヌクレオチドがコードする蛋白質は本発明の蛋白質と類似した活性を持つものが多いと考えられる。ストリンジェントな条件とは、一般的には以下のような条件を示すことができる。すなわち、4×SSC、65℃でハイブリダイゼーションさせ、0.1×SSCを用いて65℃で1時間洗浄する。ストリンジェンシーを大きく左右するハイブリダイゼーションや洗浄の温度条件は、融解温度(Tm)に応じて調整することができる。Tmはハイブリダイズする塩基対に占める構成塩基の割合、ハイブリダイゼーション溶液組成(塩濃度、ホルムアミドやドデシル硫酸ナトリウム濃度)によって変動する。したがって、当業者であればこれらの条件を考慮して同等のストリンジェンシーを与える条件を経験的に設定することができる。
同一性の高い塩基配列からなるcDNAによってコードされる蛋白質は、本発明における機能的に同等な蛋白質である可能性が高い。本発明において、同一性が高い塩基配列とは、一般的に70%以上、通常は80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上の同一性を示す塩基配列を言う。塩基配列の同一性は、BLASTN等の公知のアルゴリズムによって計算することができる。
あるいは、配列番号:1〜配列番号:5に記載の塩基配列から選択された塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして用い、やはり白血球細胞のcDNAライブラリーを鋳型としてPCRを行うことにより、同一性の高いcDNAを取得することもできる。cDNAのソースとしてヒトの細胞を用いれば、ヒトのcDNAを取得することができる。またヒト以外の、脊椎動物細胞を利用すれば、異種動物におけるカウンターパートを取得することができる。このような非ヒト動物としては、マウス、ラット、イヌ、ブタ、ヤギなどの多くの実験動物を例示することができる。実験動物における「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」のカウンターパートは、各動物種におけるアレルギーモデル動物の作成や、アレルギーの治療薬の開発におけるマーカーとして有用である。
あるいは「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」タンパク質のアミノ酸配列に対して、たとえば90%以上、望ましくは95%以上、更に望ましくは99%以上の相同性を有するタンパク質をコードする遺伝子は、「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」遺伝子と機能的に同等な遺伝子として示すことができる。また、実施例において用いた配列番号:1〜配列番号:5に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして増幅することができる遺伝子であって、寛解期にあるアトピー性皮膚炎患者の好酸球において発現が上昇する蛋白質をコードする遺伝子も、機能的に同等な遺伝子である。本発明において、「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」遺伝子、あるいはこれらの遺伝子と機能的に同等な遺伝子を指標遺伝子と言う。また指標遺伝子によってコードされる蛋白質を指標蛋白質と言う。
本発明はまた、配列番号:1〜配列番号:5に記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド、またはその相補鎖に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであって、少なくとも15塩基の長さを持つオリゴヌクレオチドに関する。ここで「相補鎖」とは、A:T(RNAにおいてはTをUに読みかえる)、G:Cの塩基対からなる2本鎖ポリヌクレオチドの一方の鎖に対する他方の鎖を指す。また、「相補的」とは、少なくとも15個の連続したヌクレオチド領域で完全に相補配列である場合に限られず、少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%以上の塩基配列上の相同性を有すればよい。塩基配列の相同性は、本明細書に記載したアルゴリズムにより決定することができる。
本発明のオリゴヌクレオチドは、本発明のポリヌクレオチドの検出や合成に有用である。オリゴヌクレオチドをプローブやプライマーとして、標的ポリヌクレオチドを検出、あるいは合成する手法は公知である。たとえば、mRNAを標的ポリヌクレオチドとするノーザンブロット法は、RNAの代表的な検出方法である。mRNAを鋳型としてRT−PCRを行えば、本発明のポリヌクレオチドを合成することができる。また、その合成産物の有無や量を指標としてmRNAの有無やその発現レベルを知ることができる。あるいは、好酸球中に発現している本発明のポリヌクレオチドを、in situハイブリダイゼーションによって検出することもできる。
更に本発明のポリヌクレオチドを利用して、それがコードする蛋白質を組み換え体として製造することができる。より具体的には、配列番号:1〜配列番号:5の塩基配列を含むポリヌクレオチドのコード領域を公知の発現ベクターに組み込み、適切な宿主に形質転換することによって形質転換体を得る。あるいは、前記コード領域を含むポリヌクレオチドを適切な宿主のゲノムにインテグレートすることにより、形質転換体とすることもできる。
得られた形質転換体を、導入された本発明のポリヌクレオチドが発現可能な条件下で培養し、発現生成物を回収することにより、本発明の蛋白質を得ることができる。発現生成物は、公知の方法によって精製蛋白質とすることができる。
加えて本発明は、本発明のポリヌクレオチドによってコードされる蛋白質に関する。本発明の蛋白質は、アトピー性皮膚炎等のアレルギー疾患の診断のための指標として有用である。あるいは本発明のポリヌクレオチドが、寛解期にある好酸球で発現を増加させることから、このポリヌクレオチドによってコードされる蛋白質自体にアレルギーの治療効果を期待できる。
あるいは本発明の蛋白質やその断片は、本発明の蛋白質に対する抗体を作成するための免疫原として有用である。与えられた免疫原を利用して抗体を得る手法は、公知である。すなわち、蛋白質、あるいはその断片を、適切なアジュバントと混合して免疫原とし、免疫動物に接種する。免疫動物は限定されない。代表的な免疫動物としては、マウス、ラット、ウサギ、あるいはヤギ等の動物が挙げられる。抗体価の上昇を確認した後に採血し、血清を分取すれば抗血清とすることができる。あるいは、更にIgG分画を精製することにより、精製抗体を取得することもできる。抗体の精製には、硫安塩析、イオン交換クロマトグラフィー、プロテインA結合セファロースや本発明の蛋白質をリガンドとするイムノアフィニティクロマトグラフィー等の手法を利用することができる。
更に、抗体産生細胞を細胞融合などの手法によって形質転換し、クローン化することによって、モノクローナル抗体を得ることもできる。あるいは、抗体産生細胞の遺伝子を取得し、ヒト化抗体やキメラ抗体を構築する方法も公知である。このようにして得ることができる抗体は、本発明の蛋白質を免疫学的に測定するためのツールとして有用である。本発明の蛋白質をその抗体と接触させ、両者の免疫学的な反応を観察することにより、本発明の蛋白質を免疫学的に測定することができる。本発明の免疫学的な測定には、公知の多くのアッセイフォーマットを応用することができる。たとえば、血清等に含まれる蛋白質であれば、ELISA等の手法によって測定することができる。あるいは好酸球に発現する蛋白質を抗体によって検出するには、免疫組織学的な手法や、あるいは蛍光標識抗体を用いたFACS等を利用することができる。
本発明において、アレルギー性疾患(allergic disease)とはアレルギー反応の関与する疾患の総称である。より具体的には、アレルゲンが同定され、アレルゲンへの曝露と病変の発症に深い結びつきが証明され、その病変に免疫学的な機序が証明されることと定義することができる。ここで、免疫学的な機序とは、アレルゲンの刺激によって白血球細胞が免疫応答を示すことを意味する。アレルゲンとしては、ダニ抗原や花粉抗原等を例示することができる。
代表的なアレルギー性疾患には、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、花粉症、あるいは昆虫アレルギー等を示すことができる。アレルギー素因(allergic diathesis)とは、アレルギー性疾患を持つ親から子に伝えられる遺伝的な因子である。家族性に発症するアレルギー性疾患はアトピー性疾患とも呼ばれ、その原因となる遺伝的に伝えられる因子がアトピー素因である。アトピー性皮膚炎は、アトピー性疾患のうち、特に皮膚炎症状を伴う疾患に対して与えられた総称である。
本発明における遺伝子「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」は、アトピー性皮膚炎患者の増悪期と寛解期との比較において、寛解期にある患者の好酸球で発現量の増加を示した。従って、これらの遺伝子の発現レベルを指標として、アレルギー性疾患の検査を行うことができる。
本発明におけるアレルギー疾患の検査とは、たとえば以下のような検査が含まれる。たとえば本発明によって、アレルギー症状が改善に向かっているのかどうかを判断するための検査が可能となる。本発明の遺伝子「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」は、特に寛解期にあるアトピー性皮膚炎患者の好酸球で発現量の増加を示した。好酸球はアトピー性皮膚炎の代表的な臨床マーカーであることから、好酸球で発現する臨床マーカーは、治療効果の判定に有用である。より具体的には、本発明の遺伝子「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」の発現の上昇は、アレルギー疾患の改善が進んでいることを示している。
アトピー性皮膚炎の重症度と好酸球数は密接に関連しているので、好酸球に特異的に誘導されてくるこれらの遺伝子を測定するとともに、細胞の外から積極的に誘導するような方法や物質を見つけ出せば、アトピー性皮膚炎の新しい治療法及びそれを評価するための診断法につながる可能性がある。
本発明において、「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」の遺伝子の発現レベルとは、これらの遺伝子のmRNAへの転写、並びに蛋白質への翻訳を含む。したがって本発明によるアレルギー疾患の検査方法は、前記遺伝子に対応するmRNAの発現強度、あるいは前記遺伝子によってコードされる蛋白質の発現レベルの比較に基づいて行われる。
本発明におけるアレルギー性疾患の検査における「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」遺伝子の発現レベルの測定は、公知の遺伝子解析方法にしたがって実施することができる。具体的には、たとえばこれらの遺伝子にハイブリダイズする核酸をプローブとしたハイブリダイゼーション技術、または本発明の遺伝子にハイブリダイズするDNAをプライマーとした遺伝子増幅技術等を利用することができる。
本発明の検査に用いられるプローブまたはプライマーとしては、配列番号:1〜配列番号:5に記載の塩基配列から選択された塩基配列からなるポリヌクレオチド、またはその相補鎖に相補的な少なくとも15ヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを利用することができる。ここで「相補鎖」とは、A:T(RNAの場合はU)、G:Cの塩基対からなる2本鎖DNAの一方の鎖に対する他方の鎖を指す。また、「相補的」とは、少なくとも15個の連続したヌクレオチド領域で完全に相補配列である場合に限られず、少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%以上の塩基配列上の相同性を有すればよい。塩基配列の相同性は、BLASTN等のアルゴリズムにより決定することができる。
このようなポリヌクレオチドは、本発明の蛋白質をコードするポリヌクレオチドを検出、単離するためのプローブとして、また、本発明のポリヌクレオチドを増幅するためのプライマーとして利用することが可能である。プライマーとして用いる場合には、通常、15bp〜100bp、好ましくは15bp〜35bpの鎖長を有する。また、プローブとして用いる場合には、本発明のポリヌクレオチドの少なくとも一部若しくは全部の配列を有し、少なくとも15bpの鎖長のDNAが用いられる。プライマーとして用いる場合、3’側の領域は相補的である必要があるが、5’側には制限酵素認識配列やタグなどを付加することができる。
なお、本発明における「ポリヌクレオチド」は、DNAあるいはRNAであることができる。これらポリヌクレオチドは、合成されたものでも天然のものでもよい。また、ハイブリダイゼーションに用いるプローブDNAは、通常、標識したものが用いられる。標識方法としては、例えば次のような方法を示すことができる。なお用語オリゴヌクレオチドは、ポリヌクレオチドのうち、重合度が比較的低いものを意味している。オリゴヌクレオチドは、ポリヌクレオチドに含まれる。
・DNAポリメラーゼIを用いるニックトランスレーションによる標識
・ポリヌクレオチドキナーゼを用いる末端標識
・クレノーフラグメントによるフィルイン末端標識(Berger SL,Kimmel AR.(1987)Guide to Molecular Cloning Techniques,Method in Enzymology,Academic Press;Hames BD,Higgins SJ(1985)Genes Probes:A Practical Approach.IRL Press;Sambrook J,Fritsch EF,Maniatis T.(1989)Molecular Cloning:a Laboratory Manual,2nd Edn.Cold Spring Harbor Laboratory Press)
・RNAポリメラーゼを用いる転写による標識(Melton DA,Krieg,PA,Rebagkiati MR,Maniatis T,Zinn K,Green MR.(1984)Nucleic Acid Res.,12,7035−7056)
・放射性同位体を用いない修飾ヌクレオチドをDNAに取り込ませる方法(Kricka LJ.(1992)Nonisotopic DNA Probing Techniques.Academic Press)
ハイブリダイゼーション技術を利用したアレルギー性疾患の検査は、例えば、ノーザンハイブリダイゼーション法、ドットブロット法、DNAマイクロアレイを用いた方法などを使用して行うことができる。さらには、RT−PCR法等の遺伝子増幅技術を利用することができる。RT−PCR法においては、遺伝子の増幅過程においてPCR増幅モニター法を用いることにより、本発明の遺伝子の発現について、より定量的な解析を行うことが可能である。
PCR遺伝子増幅モニター法においては、両端に互いの蛍光を打ち消し合う異なった蛍光色素で標識したプローブを用い、検出対象(DNAもしくはRNAの逆転写産物)にハイブリダイズさせる。PCR反応が進んでTaqポリメラーゼの5’−3’エクソヌクレアーゼ(exonuclease)活性により同プローブが分解されると二つの蛍光色素が離れ、蛍光が検出されるようになる。この蛍光の検出をリアルタイムに行う。検出対象についてコピー数の明らかな標準試料について同時に測定することにより、PCR増幅の直線性のあるサイクル数で目的試料中の検出対象のコピー数を決定する(Holland,P.M.et al.,1991,Proc.Natl.Acad.Sci.USA88:7276−7280;Livak,K.J.et al.,1995,PCR Methods and Applications 4(6):357−362;Heid,C.A.et al.,Genome Research 6:986−994;Gibson,E.M.U.et al.,1996,Genome Research 6:995−1001)。PCR増幅モニター法においては、例えば、ABI PRISM7700(PEバイオシステムズ社)を用いることができる。
また本発明のアレルギー性疾患の検査方法は、前記遺伝子「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」によりコードされる蛋白質を検出することにより行うこともできる。このような検査方法としては、例えば、これら遺伝子でコードされる蛋白質に結合する抗体を利用したウェスタンブロッティング法、免疫沈降法、ELISA法などを利用することができる。
この検出に用いる「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」蛋白質に結合する抗体は、当業者に周知の技法を用いて得ることができる。本発明に用いる抗体は、ポリクローナル抗体、あるいはモノクローナル抗体(Milstein C,et al.,1983,Nature 305(5934):537−40)であることができる。例えば、本発明の蛋白質に対するポリクローナル抗体は、抗原を感作した哺乳動物の血液を取り出し、この血液から公知の方法により血清を分離する。ポリクローナル抗体としては、ポリクローナル抗体を含む血清を使用することができる。あるいは必要に応じてこの血清からポリクローナル抗体を含む画分をさらに単離することもできる。また、モノクローナル抗体を得るには、上記抗原を感作した哺乳動物から免疫細胞を取り出して骨髄腫細胞などと細胞融合させる。こうして得られたハイブリドーマをクローニングして、その培養物から抗体を回収しモノクローナル抗体とすることができる。
「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」蛋白質の検出には、これらの抗体を適宜標識して用いればよい。また、この抗体を標識せずに、該抗体に特異的に結合する物質、例えば、プロテインAやプロテインGを標識して間接的に検出することもできる。具体的な検出方法としては、例えば、ELISA法を挙げることができる。
抗原に用いる蛋白質もしくはその部分ペプチドは、例えば該遺伝子もしくはその一部を発現ベクターに組込み、これを適当な宿主細胞に導入して、形質転換体を作成し、該形質転換体を培養して組み換え蛋白質を発現させ、発現させた組み換え蛋白質を培養体または培養上清から精製することにより得ることができる。あるいは、これらの遺伝子によってコードされるアミノ酸配列、あるいは配列番号:1〜配列番号:5に基づいて得られる全長cDNAによってコードされるアミノ酸配列の部分アミノ酸配列からなるオリゴペプチドを化学的に合成し、免疫原として用いることもできる。
本発明においては、被検者から採取された好酸球細胞を試料とする。好酸球細胞は、末梢血から公知の方法によって調製することができる。すなわち、たとえばヘパリン採血した血液を遠心分離によって分画し、白血球細胞を分離する。次に白血球細胞から、フィコールによる遠心分離等によって顆粒球細胞を分取し、更にCD16抗体を用いた好中球のディプリーション等によって好酸球細胞を分離することができる。分離された好酸球を破壊してライセートとすれば、前記蛋白質の免疫学的な測定のための試料とすることができる。あるいはこのライセートからmRNAを抽出すれば、前記遺伝子に対応するmRNAの測定のための試料とすることができる。好酸球のライセートやmRNAの抽出には、市販のキットを利用すると便利である。
あるいは、好酸球の分離を行わず、全血や、末梢血白血球集団を対象として、本発明において指標とすべき遺伝子の発現レベルを測定しても良い。この場合には、測定値の補正を行うことによって、細胞における遺伝子の発現レベルの変化を求めることができる。たとえば好酸球に特異的に発現し、かつ細胞の状態に関わらず発現レベルが大きく変動しない遺伝子(ハウスキーピング遺伝子)の発現レベルの測定値に基づいて、本発明において指標とすべき遺伝子の発現レベルの測定値を補正することができる。
また検出すべき蛋白質が分泌型の蛋白質である場合には、被検者の血液や血清などの体液試料に含まれる目的とする蛋白質の量を測定することによって、それをコードする遺伝子の発現レベルの比較が可能である。
本発明によるアレルギー性疾患の検査の結果、特にアトピー性皮膚炎等のアレルギー性疾患の患者において本発明の遺伝子の発現レベルが上昇している場合に、アレルギー症状の改善が進んでいることが推定される。
また本発明は、下記の(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドの好酸球細胞における発現レベルを低下させたトランスジェニック非ヒト動物からなるアレルギー疾患モデル動物に関する。
(a)配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド。
(b)配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、アトピー性皮膚炎の寛解期に好酸球において発現が増加する蛋白質をコードするポリヌクレオチド。
本発明において、発現レベルの低下とは、遺伝子の機能を実質的に消失させたノックアウト状態が含まれる。本発明において、遺伝子の機能が実質的に消失した状態とは、遺伝子の発現や、これらの遺伝子によってコードされるタンパク質の活性を見出すことができない状態を言う。遺伝子の発現レベルは、たとえば実施例に示すような定量的なPCRにより確認することができる。また翻訳産物であるタンパク質の活性が実質的に見出せないことは、正常な状態と比較することにより確認することができる。
このようなトランスジェニック動物には、たとえば遺伝子のコード領域に変異を導入し、人為的にアミノ酸配列の変異や終止コドンを生じさせて、本来のタンパク質の活性を発現できない状態とした動物などを示すことができる。アミノ酸配列の変異には、置換、欠失、挿入、あるいは付加を示すことができる。その他、遺伝子の転写調節領域を変異させることにより、本発明の遺伝子の発現そのものを調節することもできる。
特定の遺伝子を対象として、トランスジェニック動物を得る方法は公知である。すなわち、遺伝子と卵を混合してリン酸カルシウムで処理する方法や、位相差顕微鏡下で前核期卵の核に、微小ピペットで遺伝子を直接導入する方法(マイクロインジェクション法、米国特許第4873191号)、胚性幹細胞(ES細胞)を使用する方法などによってトランスジェニック動物を得ることができる。その他、レトロウィルスベクターに遺伝子を挿入し、卵に感染させる方法、また、精子を介して遺伝子を卵に導入する精子ベクター法等も開発されている。精子ベクター法とは、精子に外来遺伝子を付着またはエレクトロポレーション等の方法で精子細胞内に取り込ませた後に、卵子に受精させることにより、外来遺伝子を導入する遺伝子組換え法である(M.LavitranoetらCell,57,717,1989)。
本発明のトランスジェニック動物は、ヒト以外のあらゆる脊椎動物を利用して作成することができる。具体的には、マウス、ラット、ウサギ、ミニブタ、ヤギ、ヒツジ、あるいはウシ等の脊椎動物において様々な遺伝子の導入や発現レベルを改変されたトランスジェニック動物が作り出されている。
本発明のトランスジェニック動物には、配列番号:1〜配列番号:5に示す塩基配列を含むヒト遺伝子の当該動物種におけるホモログの発現が抑止されたノックアウト動物が含まれる。ノックアウト動物の表現型を観察することにより、ノックアウトした遺伝子の働きを具体的に知ることができる。配列番号:1〜配列番号:5に示す塩基配列を含む遺伝子は、ヒトにおいてアトピー皮膚炎の寛解期における好酸球中で発現が上昇していた。したがって、そのホモログをノックアウトした動物は、アレルギー疾患のモデル動物として有用である。
たとえば本発明によるノックアウト動物が皮膚炎を発症したり、何らかのアレルギー疾患に関連した測定値の変化を示せば、それを回復させる作用を持った化合物を探索するスクリーニングシステムが構築できる。この場合の薬剤の作用点は、本発明の遺伝子とは別の、アレルギー疾患の重症化に関係する遺伝子産物ということになる。
ノックアウト動物の作成方法は公知である。例えばマウスにおいて、胚性幹細胞を用いて相同組換えを行い、一方の対立遺伝子を改変・破壊した胚性幹細胞を選別し、ノックアウト動物を作製する方法が公知である。例えば、受精卵に遺伝子を操作した胚性幹細胞を注入して、胚性幹細胞由来の細胞と胚由来の細胞が混ざったキメラ動物を得る。このキメラ動物(キメラとは、2個以上の受精卵に基づいた体細胞で形成される単一個体をいう)と正常マウスを交配すると、一方の対立遺伝子の全てが改変・破壊されたヘテロ接合体を作製することができる。さらに、ヘテロ接合体同士を交配すれば、ホモ接合体が作製できる。本発明によるトランスジェニック動物は、これらヘテロ接合体と、ホモ接合体のいずれをも含む。
相同組換えとは、遺伝子組換え機構で塩基配列が同じ、または非常に類似している2つの遺伝子間で起こる組換えのことをいう。相同組換えを起こした細胞の選別にはPCRを使用することができる。挿入遺伝子の一部と挿入が期待される領域の一部をプライマーとして使ったPCR反応を行い、増幅産物ができた細胞で相同組換えを起こしていることが判明する。また、胚幹細胞で発現している遺伝子に相同組み換えを起こさせる場合には、導入遺伝子にネオマイシン耐性遺伝子を結合させておき、導入後に細胞をネオマイシン耐性にさせることにより選択することができる等、公知の方法およびそれらの変法を用いて容易に選択することができる。
本発明によるトランスジェニック動物は、アレルギー性疾患のメカニズムの解明、さらにはスクリーニングされた化合物の安全性の試験に有用である。
本発明によって、前記遺伝子「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」の発現レベルが、寛解期にあるアトピー性皮膚炎患者の好酸球において上昇することが明らかとなった。したがって、好酸球細胞においてこれら遺伝子、またはこれらの遺伝子と機能的に同等な遺伝子の発現レベルを人為的に低下させた動物は、アレルギー疾患のモデル動物として利用することができる。なお好酸球における発現レベルの低下とは、白血球集団全体における前記遺伝子の発現レベルの低下を含む。すなわち、前記遺伝子の発現レベルを低下させるのは好酸球のみである場合のみならず、白血球集団全体において前記遺伝子の発現レベルが低下している場合を含む。本発明において機能的に同等な遺伝子とは、前記(a)または(b)に記載した遺伝子のいずれかを意味する。本発明におけるモデル動物には、たとえば前記トランスジェニック動物等を利用することができる。
更に本発明は、候補化合物が本発明のポリヌクレオチドの発現レベルに与える影響を検出する方法に関する。本発明において、「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292―04」、および「2182−02」遺伝子は、寛解期にあるアトピー性皮膚炎患者の好酸球において有意に発現レベルが上昇している。したがって、これらの遺伝子の発現レベルに与える影響を検出する方法に基づいて、その発現レベルを上昇させることができる化合物を選択することによって、アレルギー疾患の治療薬を得ることができる。本発明において遺伝子の発現レベルを上昇させる化合物とは、遺伝子の転写、翻訳、蛋白質の活性発現のいずれかのステップを誘導する作用を持つ化合物である。
候補化合物が本発明のポリヌクレオチドの発現レベルに与える影響の検出方法は、in vivoで行なうこともin vitroで行うこともできる。in vivoでの影響を検出するには、適当な被験動物を利用する。被験動物には、たとえば指標遺伝子を発現することができるアレルギー疾患モデル動物や実験動物を利用することができる。本発明に基づくin vivoでの発現レベルに与える影響の検出は、たとえば以下のような工程にしたがって実施することができる。
(1)被験動物に候補化合物を投与する工程、
(2)被験動物の好酸球細胞における前記(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドの発現レベルを測定する工程、
このようにして被験動物に薬剤候補化合物を投与し、被験動物の好酸球における本発明の遺伝子の発現に対する化合物の作用をモニターすることにより、本発明の遺伝子の発現レベルに与える薬剤候補化合物の影響を検出することができる。更にこの検出の結果に基づいて、本発明の遺伝子の発現レベルを上昇させる薬剤候補化合物を選択すれば、薬剤候補化合物をスクリーニングすることができる。
このようなスクリーニングにより、本発明の遺伝子の発現に様々な形で関与する薬剤を選択することができる。具体的には、たとえば次のような作用点を持つ薬剤候補化合物を見出すことができる。
本発明の遺伝子の発現をもたらすシグナル伝達経路の活性化、
本発明の遺伝子の転写活性の上昇、
本発明の遺伝子の転写産物の安定化もしくは分解の阻害等、
また、in vitroにおいては、例えば、前記(a)または(b)に記載した遺伝子を発現する細胞に候補化合物を接触させ、これら遺伝子の発現レベルを検出する方法を利用することができる。具体的には、たとえば以下のような工程にしたがって実施することができる。
(1)前記(a)または(b)に記載したポリヌクレオチドを発現する細胞に候補化合物を接触させる工程
(2)前記(a)または(b)に記載したポリヌクレオチドの発現レベルを測定する工程、
本発明において、工程(1)に用いるための細胞は、これらポリヌクレオチドを適当な発現ベクターに挿入し、該ベクターを適当な宿主細胞に導入することにより得ることができる。利用できるベクター、および宿主細胞は、本発明の遺伝子を発現し得るものであればよい。宿主−ベクター系における宿主細胞としては、大腸菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞等が例示でき、それぞれ利用できるベクターを適宜選択することができる。
ベクターの宿主への導入方法としては、生物学的方法、物理的方法、化学的方法などを示すことができる。生物学的方法としては、例えば、ウイルスベクターを使用する方法、特異的受容体を利用する方法、細胞融合法(HVJ(センダイウイルス)、ポリエチレングリコール(PEG)、電気的細胞融合法、微少核融合法(染色体移入))が挙げられる。また、物理的方法としては、マイクロインジェクション法、エレクトロポレーション法、ジーンパーティクルガン(gene gun)を用いる方法が挙げられる。化学的方法としては、リン酸カルシウム沈殿法、リポソーム法、DEAEデキストラン法、プロトプラスト法、赤血球ゴースト法、赤血球膜ゴースト法、マイクロカプセル法が挙げられる。
本発明の検出方法においては、前記(a)または(b)に記載したポリヌクレオチドを発現する細胞として、株化白血球細胞を用いることもできる。株化白血球細胞としては、Eol、YY−1、HL−60、TF−1、およびAML14.3D10など白血球由来の株化細胞を例示できる。白血球細胞株の中でも、好酸球に由来する細胞株は、本発明の検出方法に好適である。好酸球に由来する細胞株は以下に示すとおりである。
Eol
YY−1
AML14.3D10
Eol(Eol−1:Saito H et al,Establishment and characterization of a newhuman eosinophilic leukemia cell line.Blood 66,1233−1240,1985)は、林原研究所より入手することができる。同様にYY−1(Ogata N et al,The activation of the JAK2/STAT5 pathway is commonly involved in signaling through the human IL−5 receptor.Int.Arch.Allergy Immunol.,Suppl 1,24−27,1997)は、サイトシグナル研究所より分与される。またAML14.3D10(Baumann MA et al,The AML14 and AML14.3D10 cell lines:a long−overdue model for the study of eosinophils and more.Stem Cells,16,16−24,1998)は、米国オハイオ州、Research Service,VA Medical Center DaytonのPaul CCより、商業的に入手可能である。
その他、未分化白血球細胞株であるHL−60クローン15(ATCC CRL−1964)は、酪酸存在下で1週間程度培養すれば、好酸球に分化し好酸球細胞株とすることができる。好酸球であることは、形態的に、多形核で好酸球顆粒が認められることにより判別することができる。形態的な観察は、ギムザ染色やディフクイック染色によって行われる。一般に、好酸球を含むヒト白血球細胞株は、白血病の患者サンプルから不死化した細胞をクローニングすることにより樹立することができる。したがって、当業者は、必要に応じて好酸球細胞株を公知の方法によって得ることもできる。
スクリーニングの方法は、まず前記株化白血球細胞に候補化合物を添加する。その後、該株化白血球細胞における前記(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドの発現レベルを測定し、該遺伝子の発現レベルを上昇させる化合物を選択する。
in vitroにおける検出方法のための細胞として、前記(a)または(b)に記載したポリヌクレオチドの発現を調節した形質転換細胞を用いることができる。このような形質転換細胞としては、たとえば当該ポリヌクレオチドのアンチセンス発現ベクターを形質転換した細胞を挙げることができる。アンチセンス発現ベクターによる形質転換細胞は、前記トランスジェニック動物の作成と同様の原理によって得ることができる。得られた形質転換細胞を用いて該遺伝子の発現レベルに与える候補化合物の影響を検出することもできる。
なお本発明の方法において、前記(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドの発現レベルは、これらの遺伝子がコードする蛋白質の発現レベルのみならず、対応するmRNAを検出することにより比較することもできる。mRNAによって発現レベルの比較を行うには、蛋白質試料の調製工程に代えて、先に述べたようなmRNA試料の調製工程を実施する。mRNAや蛋白質の検出は、先に述べたような公知の方法によって実施することができる。
さらに本発明の開示に基づいて本発明の遺伝子の転写調節領域を取得し、レポーターアッセイ系を構築することができる。レポーターアッセイ系とは、転写調節領域の下流にこの転写調節領域の制御下に発現するレポーター遺伝子の発現量を指標として、該転写調節領域に作用する転写調節因子をスクリーニングするアッセイ系をいう。
すなわち本発明は、次の工程を含む、アレルギー性疾患の治療薬のスクリーニング方法であって、指標遺伝子が、「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、「2182−02」およびこれらの遺伝子と機能的に同等な遺伝子からなる群から選択されるいずれかの遺伝子である方法に関する。
(1)指標遺伝子の転写調節領域と、この転写調節領域の制御下に発現するレポーター遺伝子を含むベクターを導入した細胞と候補物質を接触させる工程、
(2)前記レポーター遺伝子の活性を測定する工程、および
(3)対照と比較してレポーター遺伝子の発現レベルを上昇させる化合物を選択する工程
転写調節領域としては、プロモーター、エンハンサー、さらには、通常プロモーター領域に見られるCAATボックス、TATAボックス等を例示することができる。またレポーター遺伝子としては、CAT(chloramphenicol acetyltransferase)遺伝子、ルシフェラーゼ(luciferase)遺伝子、成長ホルモン遺伝子等を利用することができる。
本発明の遺伝子の転写調節領域は、次のようにして取得することができる。すなわち、まず本発明で開示したcDNAの塩基配列に基づいて、BACライブラリー、YACライブラリー等のヒトゲノムDNAライブラリーから、PCRまたはハイブリダイゼーションを用いる方法によりスクリーニングを行い、該cDNAの配列を含むゲノムDNAクローンを得る。得られたゲノムDNAの配列を基に、本発明で開示したcDNAの転写調節領域を推定し、該転写調節領域を取得する。得られた転写調節領域を、レポーター遺伝子の上流に位置するようにクローニングしてレポーターコンストラクトを構築する。得られたレポーターコンストラクトを培養細胞株に導入してスクリーニング用の形質転換体とする。この形質転換体に候補化合物を接触させ、レポーター遺伝子の発現を検出することによって、転写調節領域に対する候補化合物の作用を評価することができる。
本発明の前記ポリヌクレオチドの発現レベルに与える影響を検出する方法に基づいて、前記ポリヌクレオチドの発現レベルを変化させる化合物のスクリーニングを行うことができる。本発明は、次の工程を含む前記(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドの発現レベルを変化させる化合物のスクリーニング方法に関する。
すなわち本発明は、in vivoおよび/またはin vitroにおいて、候補化合物による前記ポリヌクレオチドの発現レベルに与える影響を検出し、対照と比較して前記発現レベルを上昇させる化合物を選択する工程を含む、前記(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドの発現レベルを上昇させる化合物のスクリーニング方法に関する。
あるいは本発明は、配列番号:1〜配列番号:5に示す塩基配列を含む遺伝子の転写調節領域を利用するレポーターアッセイによる、転写調節領域に作用する化合物のスクリーニング方法に関する。本発明によるレポーターアッセイの結果に基づいて、対象と比較してレポーター遺伝子の発現を上昇させる化合物を選択することにより、配列番号:1〜配列番号:5に示す塩基配列を含む遺伝子の発現を誘導する化合物を取得することができる。
本発明による各種のスクリーニング方法に必要な、ポリヌクレオチド、抗体、細胞株、あるいはモデル動物は、予め組み合わせてキットとすることができる。より具体的には、たとえば指標遺伝子を発現する細胞と、これらの指標遺伝子の発現レベルを測定するための試薬とで構成される。指標遺伝子の発現レベルを測定するための試薬としては、たとえば少なくとも1つの指標遺伝子の塩基配列を含むポリヌクレオチド、若しくはその相補鎖に相補的な塩基配列を有する少なくとも15塩基の長さを有するオリゴヌクレオチドが用いられる。あるいは、少なくとも1つの指標蛋白質のアミノ酸配列を含むペプチドを認識する抗体を試薬として用いることができる。これらのキットには、標識の検出に用いられる基質化合物、細胞の培養のための培地や容器、陽性や陰性の標準試料、更にはキットの使用方法を記載した指示書等をパッケージしておくこともできる。
本発明に基づく候補化合物の本発明の遺伝子の発現レベルに与える影響を検出するためのキットは、本発明の遺伝子の発現レベルを修飾する化合物のスクリーニング用キットとして利用することができる。
これらの方法に用いる被験候補化合物としては、ステロイド誘導体等既存の化学的方法により合成された化合物標品、コンビナトリアルケミストリーにより合成された化合物標品のほか、動・植物組織の抽出物もしくは微生物培養物等の複数の化合物を含む混合物、またそれらから精製された標品などが挙げられる。
本発明のスクリーニング方法によって選択される化合物は、アレルギー性疾患の治療薬として有用である。本発明のアレルギー性疾患の治療薬は、前記スクリーニング方法によって選択された化合物を有効成分として含み、生理学的に許容される担体、賦形剤、あるいは希釈剤等と混合することによって製造することができる。本発明のアレルギー性疾患の治療剤は、アレルギー症状の改善を目的として、経口、あるいは非経口的に投与することができる。
経口剤としては、顆粒剤、散剤、錠剤、カプセル剤、溶剤、乳剤、あるいは懸濁剤等の剤型を選択することができる。注射剤には、皮下注射剤、筋肉注射剤、あるいは腹腔内注射剤等を示すことができる。
投与量は、患者の年齢、性別、体重および症状、治療効果、投与方法、処理時間、あるいは該医薬組成物に含有される活性成分の種類などにより異なるが、通常成人一人あたり、一回につき0.1mgから500mgの範囲で、好ましくは0.5mgから20mgの範囲で投与することができる。しかし、投与量は種々の条件により変動するため、上記投与量よりも少ない量で充分な場合もあり、また上記の範囲を超える投与量が必要な場合もある。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
[実施例1] ディファレンシャルディスプレイ解析
アトピー性皮膚炎の同一患者における増悪期と、薬物治療その他による寛解期の末梢血より単離した血球細胞を比較して、発現変動している新しい治療関連遺伝子あるいは診断に有用な遺伝子を見出すことを目的としてスクリーニングを行った。
(1)被検者
血液を採取した7例のアトピー性皮膚炎患者のプロフィールを表1に示す。アレルゲン非特異的(Total IgE)、ダニおよびスギ特異的IgEはEIA法により測定した。すなわち、抗ヒトIgE抗体を結合させたキャップに被検血清を反応させ、血清中のアレルゲン非特異的IgE抗体、またはダニ、スギ特異的IgE抗体を結合させた。次に、β−D−ガラクトシダーゼ標識抗ヒトIgE抗体と基質液(4−メチルウンベルフェリル―β−D−ガラクトピラノシド)を加え、反応させて蛍光物質を生成させた。反応停止液を加えて反応を停止させ、同時測定の標準IgEの蛍光強度より抗体濃度を決定した。LDHの測定は、UV法(Wroblewski−La Due法)により、ピルビン酸とNADHの反応によるNADHの減少速度を吸光度の減少から算出した。LDH値の測定には、LタイプワコーLDH(和光純薬)と7170型自動分析装置(日立)を用いた。好酸球数は、EDTA添加血液2mlを試料として鏡検法と自動血球分析装置SE−9000(RF/DCインピーダンス方式、Sysmex製造)により測定した。
Figure 2002026962
(2)ディファレンシャルディスプレイ解析
患者から採取した全血に3%デキストラン溶液を加えて30分室温放置し、赤血球を沈降させた。上層の白血球画分を回収し、フィコール溶液(Ficoll−Paque PLUS;アマシャムファルマシアバイオテク)の上に載せて1500rpm、30分室温で遠心した。下層に回収された顆粒球画分をCD16抗体磁気ビーズと4℃で30分反応させ、MACSを用いた分離でトラップさせずに溶出する細胞を好酸球として実験に用いた。
上記のように調製した好酸球をIsogen(日本ジーン;和光純薬)に溶解し、この溶液から、Isogenに添付されているプロトコルに従ってRNAを分離した。クロロホルムを加え、攪拌遠心して水層を回収した。次にイソプロパノールを加え、攪拌遠心して沈殿の全RNAを回収した。回収した全RNAは、DNase(日本ジーン;和光純薬)を加えて37℃15分反応させ、フェノール−クロロホルム抽出してエタノール沈殿でRNAを回収した。
このように調製した全RNAを用いて蛍光ディファレンシャルディスプレイ(Fluorescent Differential Display,「DD」と略記する)解析を行った。DD解析は文献(T.Itoら,1994,FEBS Lett.351:231−236)に記載の方法に準じて行った。まず全RNAを逆転写し、cDNAを得た。第一次DD−PCR反応用には3種のアンカープライマーの各々について全RNAの各0.2μgを用いてcDNAを調製した。第二次DD−PCR反応用には、3種のアンカープライマーの各々についてRNA0.4μgを用いてcDNAを調製した。いずれのcDNAも、0.4ng/μl RNA相当の最終濃度に希釈し、実験に用いた。1反応あたり1ng RNA相当のcDNAを用いてDD−PCR反応を行った。反応液の組成は表2の通りである。
Figure 2002026962
PCRの反応条件は、「95℃3分、40℃5分、72℃5分」を1サイクル、続いて、「94℃15秒、40℃2分、72℃1分」を30サイクルの後、72℃5分、その後連続的に4℃にした。
使用したプライマー対はアンカープライマーであるGT15A(配列番号:6)、GT15C(配列番号:7)、およびGT15G(配列番号:8)に対して任意プライマーをそれぞれAG1〜110、AG111〜199、およびAG200〜287を組み合わせ、計287組の反応をおこなった。なお、任意プライマーとしてはGC含量50%の10ヌクレオチドからなるオリゴマーを設計し、合成して用いた。
ゲル電気泳動は、6%変性ポリアクリルアミドゲルを作製し、2.5μlの試料をアプライし、40Wで210分間泳動した。その後、日立製蛍光イメージアナライザーFMBIO IIを用いてゲル板をスキャンし、蛍光検出によって泳動画像を得た。
増悪期及び寛解期の両サンプルを並べて泳動し、ほとんどの患者で同方向に発現が変動している遺伝子バンドを目で判定し、切り取ってTAクローニングおよび配列決定を行った。その結果、増悪期と寛解期で発現レベルに差が見られた好酸球遺伝子(DD解析のバンドID2259−01、2298−09、2255−02、2292−04、および2182−02;以後、これらの遺伝子をそれぞれ「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」と記載する)を同定した。各バンドIDの増幅に用いたプライマーセットを表3に示す。また、これらのDDバンドの塩基配列を以下の配列番号に示す。
バンドID 2259−01配列番号:1
バンドID 2298−09配列番号:2
バンドID 2255−02配列番号:3
バンドID 2292−04配列番号:4
バンドID 2182−02配列番号:5
Figure 2002026962
(3)発現解析
各遺伝子「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」の発現量を定量的に確認するために、同一臨床サンプルを用いてさらにABI 7700による定量的PCRを行った。ABI 7700による測定に用いたプライマーおよびTaqManプローブは、ディファレンシャルディスプレイ法によって得られた配列情報からPrimer Express(PEバイオシステムズ)により設計した。TaqManプローブの5’末端はFAM(6−carboxy−fluorescein)で、また3’末端はTAMRA(6−carboxy−N,N,N’,N’−tetramethylrhodamine)で標識されている。各遺伝子のフォワードプライマー(F)、リバースプライマー(R)、およびTaqManプローブ(TP)に用いたオリゴヌクレオチドの塩基配列は、表4の配列番号に示すとおりである。
Figure 2002026962
鋳型には全RNAからポリT(12〜18mer)をプライマーとして逆転写したcDNAを用いた。コピー数を算出する標準曲線のために両プライマーで増幅される塩基配列領域を含むプラスミドクローンを各々の遺伝子について準備し、その段階希釈を鋳型として反応を行った。PCR増幅のモニタリングのための反応液の組成は表5に示した。
Figure 2002026962
また、試料中のcDNA濃度の差を補正するため、補正用内部標準としてβ−アクチン(β−actin)遺伝子について同様の定量解析を行い、それら遺伝子のコピー数を基に補正して、目的遺伝子のコピー数を算出した。β−アクチン(β−actin)遺伝子の定量には、ヒトcDNAを鋳型として用いた。
βアクチン測定用のプライマーとプローブは、TaqMan β−actin Control Reagents(PEバイオシステムズ)に添付のものを用いて行った。塩基配列は以下の通りである。βアクチンにより補正した各遺伝子発現量(copy/ng RNA)を表6〜表10および図1〜図5に示す。
βアクチンフォーワードプライマー(配列番号:29)
Figure 2002026962
βアクチンリバースプライマー(配列番号:30)
Figure 2002026962
βアクチンTaqManプローブ(配列番号:31)
Figure 2002026962
Figure 2002026962
Figure 2002026962
Figure 2002026962
Figure 2002026962
Figure 2002026962
(4)統計解析 上記のデータを利用して、パラメトリック多重比較検定、およびノンパラメトリック多重比較検定を行った。上記のアトピー性皮膚炎患者7例の内4例(患者番号1,2,3,5)については,治療による寛解期への移行に伴って好酸球数が顕著に減少する。血中好酸球数は,アトピー性皮膚炎の有用な臨床指標となっている。そこで、寛解期への移行に伴って好酸球数が顕著に減少する患者試料(患者番号1,2,3,5)(n=4)4例のみについても統計的に解析した。統計解析は、The SAS SYSTEMのSAS前臨床パッケージVersion 4.0(SAS Institute Inc.)を用いて行った。結果を表11に示す。
Figure 2002026962
その結果、上記のアトピー性皮膚炎患者7例において、寛解期におけるこれらの遺伝子発現の上昇傾向が観察された。そこで、これら7例の患者試料(n=7)の各遺伝子の発現量の変化を統計的に解析した。統計解析は、The SAS SYSTEMのSAS前臨床パッケージVersion 4.0(SAS Institute Inc.)を用いて行った。
統計解析の結果、これらの遺伝子の発現が増悪期に比べ寛解期で有意に上昇することが確認された。以上の知見は、これらの遺伝子がアトピー性皮膚炎の寛解期において発現が上昇することを示している。これは、これらの遺伝子の発現を測定することが、アトピー性皮膚炎において診断的価値をもつことを示している。この好酸球由来遺伝子は、アトピー性皮膚炎の治療標的あるいは診断マーカーとして医療上有用である。
産業上の利用の可能性
本発明により、アトピー性皮膚炎患者の増悪期と寛解期とで発現に差の見られる遺伝子が提供された。本発明の遺伝子の発現を指標にすることにより、アレルギー性疾患の検査、および治療薬候補化合物のスクリーニングを行うことが可能となった。
本発明によって提供されたアレルギー疾患関連遺伝子は、アレルゲンの種類に関わらず、簡便にその発現レベルを知ることができる。したがって、アレルギー反応の病態を総合的に把握することができる。
また本発明によるアレルギーの検査方法は、末梢血好酸球を試料としてその発現レベルを解析することができるので、患者に対する侵襲性が低い。しかも遺伝子発現解析に関しては、たとえばECPなどの蛋白質測定と異なって、微量サンプルによる高感度な測定が可能である。遺伝子解析技術は、年々ハイスループット化、低価格化が進行している。したがって本発明によるアレルギーの検査方法は、近い将来、ベッドサイドにおける重要な診断方法となることが期待される。この意味でこれらの病態関連遺伝子の診断的価値は高い。
【配列表】
Figure 2002026962
Figure 2002026962
Figure 2002026962
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【図面の簡単な説明】
図1は、アトピー性皮膚炎患者(患者番号1〜7)の、増悪期と寛解期におけるβアクチンにより補正した2259−01遺伝子発現量(copy/ng RNA)を示す図。
図2は、アトピー性皮膚炎患者(患者番号1〜7)の、増悪期と寛解期におけるβアクチンにより補正した2298−09遺伝子発現量(copy/ng RNA)を示す図。
図3は、アトピー性皮膚炎患者(患者番号1〜7)の、増悪期と寛解期におけるβアクチンにより補正した2255−02遺伝子発現量(copy/ng RNA)を示す図。
図4は、アトピー性皮膚炎患者(患者番号1〜7)の、増悪期と寛解期におけるβアクチンにより補正した2292−04遺伝子発現量(copy/ng RNA)を示す図。
図5は、アトピー性皮膚炎患者(患者番号1〜7)の、増悪期と寛解期におけるβアクチンにより補正した2182−02遺伝子発現量(copy/ng RNA)を示す図。

Claims (26)

  1. 次の工程を含む、アレルギー性疾患の検査方法。
    a)被検者の好酸球細胞における、配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含む遺伝子の発現レベルを測定する工程
    b)健常者の好酸球細胞における前記遺伝子の発現レベルと比較する工程
  2. アレルギー性疾患がアトピー性皮膚炎である、請求項1に記載の検査方法。
  3. 遺伝子の発現レベルを、cDNAのPCRによって測定する請求項1に記載の検査方法。
  4. 配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド、またはその相補鎖に相補的な塩基配列を有する少なくとも15塩基の長さを有するオリゴヌクレオチドからなる、アレルギー性疾患検査用試薬。
  5. 次の工程を含む、候補化合物が下記(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドの発現レベルに与える影響を検出する方法。
    (1)下記(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドを発現する細胞に候補化合物を接触させる工程
    (a)配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド。
    (b)配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、アトピー性皮膚炎の寛解期に好酸球において発現が増加する蛋白質をコードするポリヌクレオチド。
    (2)前記(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドの発現レベルを測定する工程、
  6. 細胞が株化白血球細胞である請求項5に記載の方法。
  7. 次の工程を含む、候補化合物が下記(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドの発現レベルに与える影響を検出する方法。
    (a)配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド。
    (b)配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、アトピー性皮膚炎の寛解期に好酸球において発現が増加する蛋白質をコードするポリヌクレオチド。
    (1)被験動物に候補化合物を投与する工程、および
    (2)被験動物の好酸球細胞における前記(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドの発現強度を測定する工程、
  8. 請求項5、または請求項7に記載の方法によって、前記発現レベルに与える影響を検出し、対照と比較して前記発現レベルを上昇させる化合物を選択する工程を含む、前記(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドの発現レベルを上昇させる化合物のスクリーニング方法。
  9. 次の工程を含む、候補化合物が配列番号:1〜配列番号;5のいずれかに記載の塩基配列を含む遺伝子の転写調節領域の活性に与える影響を検出する方法。
    (1)配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含む遺伝子の転写調節領域と、この転写調節領域の制御下に発現するレポーター遺伝子とを含むベクターを導入した細胞と候補物質を接触させる工程、および
    (2)前記レポーター遺伝子の活性を測定する工程、
  10. 請求項9に記載の方法によって、候補化合物の前記活性に与える影響を検出し、対照と比較して前記活性を上昇させる化合物を選択する工程を含む、配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含む遺伝子の転写調節領域の活性を上昇させる化合物のスクリーニング方法。
  11. 配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含む遺伝子の転写調節領域と、この転写調節領域の制御下に発現するレポーター遺伝子とを含むベクター。
  12. 請求項11に記載のベクターを導入した細胞。
  13. 請求項8、または請求項10に記載のスクリーニング方法によって得ることができる化合物を有効成分として含有する、アレルギー性疾患の治療薬。
  14. 下記の(a)または(b)に記載のポリヌクレオチド。
    (a)配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド。
    (b)配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、アトピー性皮膚炎の寛解期に好酸球において発現が増加する蛋白質をコードするポリヌクレオチド。
  15. 請求項14に記載のポリヌクレオチドによってコードされる蛋白質。
  16. 請求項14に記載のポリヌクレオチドを発現可能に保持するベクター。
  17. 請求項14に記載のポリヌクレオチド、または請求項16に記載のベクターを保持する形質転換細胞。
  18. 請求項17に記載の形質転換細胞を培養し、その発現産物を回収する工程を含む、請求項15に記載の蛋白質の製造方法。
  19. 請求項15に記載の蛋白質に対する抗体。
  20. 請求項19に記載の抗体と、請求項15に記載の蛋白質の免疫学的な反応を観察する工程を含む、請求項15に記載の蛋白質の免疫学的測定方法。
  21. 配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド、またはその相補鎖に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであって、少なくとも15塩基の長さを持つオリゴヌクレオチド。
  22. 請求項21に記載のオリゴヌクレオチドと、請求項14に記載のポリヌクレオチドとのハイブリダイズを観察する工程を含む、請求項14に記載のポリヌクレオチドの測定方法。
  23. 下記の(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドの好酸球細胞における発現強度を低下させたトランスジェニック非ヒト脊椎動物からなるアレルギー性疾患モデル動物。
    (a)配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチド。
    (b)配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、アトピー性皮膚炎の寛解期に好酸球において発現が増加する蛋白質をコードするポリヌクレオチド。
  24. トランスジェニック動物が、ノックアウト動物である請求項23に記載のモデル動物。
  25. 配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列、またはその相補配列にハイブリダイズする少なくとも15塩基の長さを有するポリヌクレオチドと、配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列からなる遺伝子を発現する細胞からなる、アレルギー性疾患の治療薬候補化合物をスクリーニングするためのキット。
  26. 「2259−01」、「2298−09」、「2255−02」、「2292−04」、および「2182−02」蛋白質のアミノ酸配列を含むペプチドを認識する抗体と、配列番号:1〜配列番号:5のいずれかに記載の塩基配列を含む遺伝子を発現する細胞からなる、アレルギー性疾患の治療薬候補化合物をスクリーニングするためのキット。
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