JPWO2002025710A1 - 露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
F2レーザ光源(12)はウェハWの表面のレジストを感光させる波長の真空紫外光である主光線(波長157nm)及び副次的に発生する赤色光である副光線(波長630〜720nm)を含む光を出射する。この光は、ビームスプリッタ(26)により分岐されて主光線及び副光線に感度を有する光センサ(41)に入射される。ビームスプリッタ(26)と光センサ(41)の間には、主光線を透過させ、副光線を透過させない性質を有するフィルタ(F1)が設けられている。露光に寄与する主光線の光量を正確に計測することができるようになる。
Description
技術分野
本発明は、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド等の各種マイクロデバイスを製造するためのフォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置及び露光方法並びに該方法を用いるデバイス製造方法に関する。
背景技術
半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスをフォトリソグラフィ技術を用いて製造する際に、マスクとしてのレチクルのパターンの像を投影光学系を介してフォトレジスト等が塗布されたウェハ(又はガラスプレート等)上に投影露光する露光装置が使用されている。
このような露光装置においては、マイクロデバイスの微細化に対応してウェハ上に形成するパターンの解像度を高めるため、露光光の短波長化が行われている。このため、露光光としては、かつての高圧水源ランプによるg線(波長436nm)やi線(波長365nm)から、KrFエキシマレーザ(波長248nm)やArFエキシマレーザ(波長193nm)が用いられるようになってきた。また、近時においては、さらなる高解像度化に対応するため、F2レーザ(波長157nm)の使用が検討されている。
F2レーザが発振する光はいわゆる真空紫外光であり、大気中では酸素や水、あるいは有機物などの物質による吸収によって、ほとんど透過することができないため、これを露光光として用いる場合には、その光路を真空にするか、あるいはヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)等の希ガスや窒素(N2)等の157nm程度の波長の光を透過する不活性ガスで満たす必要がある。
また、このような露光装置では、ウェハの各ショット領域内の各点に対する露光量(積算露光エネルギー)を適正範囲内に維持するために行われる露光量制御、露光光(露光領域)が照度むらのない適正な状態を保持しているかどうかの監視、光路が露光光の透過にふさわしい環境に保たれているかどうかの監視等のために各種の光センサ(光検知器)が常設的に取り付けられ、露光光のエネルギー(照度、光量、強度等)が計測される。このような計測のための光センサとしては、シリコンフォトダイオード、焦電式あるいは熱式の光量計が性能やコストの観点から多く用いられている。
ここで、上述したF2レーザを光源として採用した場合、F2レーザは、波長157nmの真空紫外光(以下、主光線という場合がある)を発振すると同時に、波長630〜720nm程度の露光には寄与しない赤色光(以下、副光線という場合がある)を副次的に発生する特質を有する。この副光線の強度はF2レーザから出射された直後で、全体のおよそ5〜10%程度である。副光線は、露光光の光路を構成する光学系による減衰がほとんど無いため、主光線とともに光センサに到達する。
一方、光センサとして多く用いられている上述したようなシリコンフォトダイオード、焦電式あるいは熱式光量計は、主光線のみならず、副光線の波長にまで感度を有しているため、副光線までをも検出してしまい、露光に寄与する主光線の光量を正確に計測できず、このため、露光量制御が適正に行われず、高精度なパターンを形成できない場合があるという問題がある。
また、光路上への大気の進入や不純物の発生を、光センサの検出結果を用いて監視している場合には、主光線の減衰は大きいが副光線は殆ど減衰せずに光センサによって検出されてしまうため、本来エラーとして運転を停止すべき場合であっても、問題無しとして処理が続行される可能性があり、極めて問題である。
発明の開示
よって、本発明の目的は、基板を感光させる波長の主光線の発振に伴い不要な副光線をも副次的に発生するような光源を用いた場合であっても、主光線のエネルギーを正確に計測し、露光量制御やその他の障害監視等を高い精度で行えるようにすることである。
以下、この項に示す説明では、理解の容易化のため、本発明の各構成要件に実施の形態の図に示す参照符号を付して説明するが、本発明の各構成要件は、これら参照符号によって限定されるものではない。
1.上記目的を達成するための本発明の露光装置は、露光対象としての基板(W)をパターンが形成されたマスク(R)を介して露光する露光装置において、前記基板を感光させる波長の主光線(ML)及び該主光線の発振に伴い副次的に発生する該主光線の波長と異なる波長の副光線(SL)を含む光を出射する光源(12)と、前記光源からの光を前記マスクを介して前記基板に導く主光学系と、少なくとも前記主光線を含む波長域に感度を有する光センサ(39,41)と、前記光源から前記光センサに至る光路上に設けられ、前記主光線と前記副光線とを分離する分離装置(F1〜F3,F5,M1,M2)とを備えて構成される。
本発明によると、光源から光センサに至る光路上に主光線と副光線を分離する分離装置を備えているので、光センサに対して主光線のみを入射させるようにでき、副光線をも検出してしまうことにより生じる検出誤差を低減することができる。
前記露光装置が主光学系から前記光の一部を前記光センサに導く分岐光学系(26)を備えている場合には、前記分離装置(F1〜F3,F5,M1,M2)を前記分岐光学系と前記光センサ(41)との間に設けることができる。光センサに光を導く分岐光学系内に分離装置を設けることにより、主光学系を送られる光の当該分離装置による減衰を無くすことができる。
前記露光装置は、前記分離装置(F1〜F3,F5,M1,M2)で分離された前記主光線に基づいて、前記基板(W)に対する積算光量を制御する制御装置(40)をさらに備えることができる。制御装置は、光センサによる主光線のみの計測結果に基づいて積算光量を制御することができるので、副光線による影響を排除して正確な制御を行うことができる。
前記露光装置において、前記分離装置(F5)を前記分岐光学系(26)により分岐された前記光の光路から待避される第1位置(P1)及び当該光路上に配置される第2位置(P2)との間で選択的に移動する移動装置(46)を備えることができ、この場合において、前記分離装置が前記第1位置に移動したときの前記光センサ(41)の計測結果を、前記分離装置が前記第2位置に移動したときの前記光センサ(41)の計測結果に基づいて補正する補正装置(45)をさらに備えることができる。
分離装置を第1位置(光路上から待避された位置)に設定して光センサで計測すれば、光センサには主光線と副光線が分離されない状態の光が入射される。一方、分離装置を第2位置(光路上の位置)に設定して光センサで計測すれば、光センサには副光線のみを入射させるようにできる。従って、両者の計測結果から副光線を含まない主光線の正確な計測結果を得ることができる。
前記分離装置としては、前記主光線の波長を含む波長域の光を透過し、前記副光線の波長を含む波長帯域の光を減衰する光学フィルタ(F1〜F3)を採用し、あるいは前記主光線の波長を含む波長域の光を反射し、前記副光線の波長を含む波長帯域の光を透過する反射透過型のミラー(M1,M2)を採用することができる。ここで、「減衰する」とは、完全に遮光する場合と、完全には遮光せずに一部は透過する場合(例えば、その透過量が光センサの最低検出感度以下であるような場合)とが含まれる。
本発明は、前記光源としてF2レーザ光源を用いる場合に、特に好適である。即ち、F2レーザ光源は、上述したように、主光線として157nmの光を発振するとともに、副光線として赤色光(波長630〜720nm程度)も発生するため、この場合に、当該赤色光を除いた主光線のみを正確に計測することができ、その結果、積算露光量の制御を適正に実施することができるようになるとともに、各種の障害監視の精度を向上することができる。
2.上記目的を達成するための本発明の露光装置は、露光対象としての基板(W)をパターンが形成されたマスク(R)を介して露光する露光装置において、前記基板を感光させる波長の主光線(ML)及び該主光線の発振に伴い副次的に発生する該主光線の波長と異なる波長の副光線(SL)を含む光を出射する光源(12)と、前記光源からの光を前記マスクを介して前記基板に導く主光学系と、前記主光線及び前記副光線の波長を含む波長域に感度を有する第1光センサ(42)と、少なくとも前記副光線の波長を含む波長域に感度を有する第2光センサ(43)と、前記主光学系における前記光の光路内に配置され、前記光の一部を前記第1光センサに導く第1分岐光学系と、前記主光学系又は前記第1分岐光学系における前記光の光路内に配置され、前記光の一部を前記第2光センサに導く第2分岐光学系と、前記第2分岐光学系と前記第2光センサとの間に設けられ、前記主光線と前記副光線を分離する分離装置(F4)とを備えて構成される。この場合において、前記第1光センサによる計測結果を前記第2光センサによる計測結果に基づいて補正する補正装置(44)をさらに備えることができる。第2光センサは前記主光線に感度を有していてもよい。
第1光センサには主光線と副光線が分離されない状態の光が入射される。一方、第2光センサには副光線のみを入射させるようにできる。従って、第1光センサによる計測結果を第2光センサによる計測結果に基づいて補正することにより、副光線を含まない主光線の正確な計測結果を得ることができる。
3.上記目的を達成するための本発明の露光方法は、露光対象としての基板(W)を感光させる波長の主光線(ML)及び該主光線の波長と異なる波長の副光線(SL)を含む露光光を用いて、パターンが形成されたマスク(R)を介して該基板を露光する露光方法において、前記主光線及び前記副光線を含む前記露光光から該副光線を分離し、該分離した後の露光光のエネルギー(光量、強度、照度等)を計測し、該計測結果に基づいて前記基板に対する積算露光量を制御することを特徴とする。
また、露光対象としての基板(W)を感光させる波長の主光線(ML)及び該主光線の波長と異なる波長の副光線(SL)を含む露光光を用いて、パターンが形成されたマスク(R)を介して該基板を露光する露光方法において、前記主光線及び前記副光線を含む前記露光光の一部を分岐し、該分岐された露光光から前記副光線を分離し、該分離した後の露光光のエネルギーを計測し、該計測結果に基づいて前記基板に対する積算露光量を制御することを特徴とする。
さらに、露光対象としての基板(W)を感光させる波長の主光線(ML)及び該主光線の波長と異なる波長の副光線(SL)を含む光に基づく露光光を用いて、パターンが形成されたマスク(R)を介して該基板を露光する露光方法において、前記主光線及び前記副光線を含む前記露光光の第1エネルギーを計測し、前記主光線及び前記副光線を含む前記露光光から前記主光線を分離し、前記主光線を分離した後の露光光の第2エネルギーを計測し、前記第1エネルギーを前記第2エネルギーに基づいて補正し、補正された前記第1エネルギーに基づいて前記基板に対する積算露光量を制御することを特徴とする。
上記本発明の露光方法よると、副光線を含まない主光線を正確に計測することができる。この方法は、前記主光線及び前記副光線を含む光がF2レーザ光源から出射されるレーザ光である場合に特に好適である。
4.上記目的を達成するための本発明のデバイス製造方法は、上述した本発明の露光方法を用いて前記マスクのパターンの像を前記基板に転写するステップを有することを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
[全体構成]
図1は本発明の実施形態に係る露光装置の全体構成を示す図である。この露光装置は、ステップ・アンド・スキャン方式の縮小投影型露光装置である。
図1において、半導体製造工場のある階の床B1上のクリーンルーム内に投影露光装置が設置され、その階下の床B2上のいわゆる機械室(ユーティリティスペース)内に、階上の投影露光装置に、露光光が透過する気体、例えば不活性ガス(本実施形態ではヘリウムガス)を供給するためのボンベ(供給装置)32や当該ガスを回収・浄化する浄化装置55等が設置されている。
床B1上のクリーンルーム内において、防振台を介して箱状のケース11が設置され、ケース11内に照明光源としてのF2レーザ光源12(主光線の発振波長157nm)、露光本体部との間で光路を位置的にマッチングさせるための可動ミラー等を含むビームマッチングユニット(BMU)13、及び内部を照明光が通過する遮光性のパイプ14が設置されている。レーザ光源12は、バッファガスとしてのヘリウムガスにフッ素(F2)を混合して封入したレーザ発振器及び該レーザ発振器の電極に電圧を印加する高圧電源等を備えて構成される。
ケース11の隣に箱状の気密性の良好な環境チャンバ15が設置され、環境チャンバ15内で床B1上に床からの振動を減衰するための防振台を介して定盤16が設置され、定盤16上にウエハステージ38が設置されている。また、ケース11内から突き出ているパイプ14から環境チャンバ15の内部まで気密性の良好なサブチャンバ18が架設され、サブチャンバ18内に照明光学系の大部分が収納されている。
露光時に、ケース11内のF2レーザ光源12から射出された露光光(主光線の波長が157nm)の露光光(パルス光)ILは、BMU13及びパイプ14の内部を経てサブチャンバ18内に至る。サブチャンバ18内において、露光光ILは、ビームエキスパンダ19、可変減光器20、レンズ系21,22等からなるビーム整形光学系を経て、光路折り曲げ用の反射ミラー23で反射されて、オプチカルインテグレータとしてのフライアイレンズ24(フライアイレンズの代わりにロッドレンズを用いてもよい)に入射する。
フライアイレンズ24は、後述するレチクルRを均一な照度分布で照明するために多数の2次光源を形成する。フライアイレンズ24の射出面には照明系の開口絞り25が配置され、開口絞り25内の2次光源から射出される露光光ILは、反射率が小さく且つ透過率が大きなビームスプリッタ26に入射する。ビームスプリッタ26を透過した露光光ILは、コンデンサレンズ系27を経てレチクルブラインド機構28の矩形の開口部を通過する。
レチクルブラインド機構28は、レチクルのパターン面に対する共役面の近傍に配置されている。また、レチクルブラインド機構28内には、スリット状の開口部を有する固定照明視野絞り(固定ブラインド)28A、及び該固定ブラインドとは別に照明視野領域の走査方向の幅を可変とするための可動ブラインド28Bが設けられている。走査露光の開始時及び終了時には、可動ブラインドを介して照明領域をさらに制限することによって、不要な部分への露光が防止される。
レチクルブラインド機構28の固定ブラインドでスリット状に整形された露光光ILは、結像用レンズ系29、反射ミラー30、及び主コンデンサレンズ系31を介して、レチクルRの回路パターン領域上のスリット状の照明領域を一様な強度分布で照射する。本実施形態では、遮光性のパイプ14の射出面から主コンデンサレンズ系31までがサブチャンバ18内に収納され、更にパイプ14の内部からF2レーザ光源12の射出面までの空間もケース11によって密閉されている。そして、サブチャンバ18及びケース11内には、階下のヘリウムボンベ32から配管33を介して所定の純度以上で温度制御されたヘリウムガス(He)が供給されている。配管33には開閉バルブ34及びポンプ35が設けられており、不図示の制御系によって開閉バルブ34の開閉及びポンプ35の作動を制御することによって、投影露光装置へのヘリウムガスの供給、及びその停止を切り替えることができるようになっている。
露光光ILのもとで、レチクルRの照明領域内の回路パターンの像が投影光学系PLを介してウェハW上のレジスト層のスリット状の露光領域に転写される。その露光領域は、ウェハW上の複数のショット領域のうちの1つのショット領域上に位置している。本実施形態の投影光学系PLは、ジオプトリック系(屈折系)であるが、このような短波長の紫外光を透過できる硝材は蛍石や合成石英など限られているため、投影光学系PLをカタジオプトリック系(反射屈折系)、又は反射系として、投影光学系PLでの露光光ILの透過率を高めるようにするとよい。以下では、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行にX軸、図1の紙面に垂直にY軸をとって説明する。
レチクルRは、レチクルステージ36上に吸着保持され、レチクルステージ36は、レチクルベース37上にX方向(走査方向)に等速移動できるとともに、X方向、Y方向、回転方向に微動できるように載置されている。レチクルステージ36(レチクルR)の2次元的な位置、及び回転角は、レーザ干渉計を備えた不図示の駆動制御ユニットによって制御されている。
一方、ウェハWはウェハステージ38上に設けられた不図示のウェハホルダ上に吸着保持されている。ウェハステージ38は定盤16上に載置されている。ウェハステージ38は、オートフォーカス方式でウェハWのフォーカス位置(Z方向の位置)、及び傾斜角を制御してウェハWの表面を投影光学系PLの像面に合わせ込むとともに、ウェハWのX方向への等速走査、及びX方向、Y方向へのステッピングを行う。ウェハステージ38(ウェハW)の2次元的な位置、及び回転角も、レーザ干渉計を備えた不図示の駆動制御ユニットによって制御されている。
走査露光時には、レチクルステージ36を介して露光光ILの照明領域に対してレチクルRが+X方向(又は−X方向)に速度Vrで走査されるのに同期して、ウェハステージ38を介して露光領域に対してウェハWが−X方向(又は+X方向)に速度β・Vr(βはレチクルRからウェハWへの投影倍率)で走査される。
また、照明光学系とレチクルR及びレチクルRと投影光学系PLの間の部分を含む空間を覆うようにレチクル室51が設けられているとともに、投影光学系PLとウェハWの間の部分を含む空間を覆うようにウェハ室52が設けられている。投影光学系PLの鏡筒内部の空間(複数のレンズ素子間の空間)、レチクル室51及びウェハ室52内部には、ケース11及びサブチャンバ18内と同様に、階下のヘリウムボンベ32からの配管33を介して、所定の濃度以上で温度制御されたヘリウムガスが供給されている。尚、環境チャンバ15内には不図示の窒素ボンベから窒素ガスが供給されている。
環境チャンバ15内で、サブチャンバ18、投影光学系PLの鏡筒、レチクル室51及びウェハ室52から漏れ出たヘリウムガスは、環境チャンバ15内の窒素ガスよりも軽いため、上昇して天井付近の空間に溜まる。この天井近傍の空間内の気体は、ヘリウムガスの他に窒素や環境チャンバ15の外部から進入した空気が混じった混合気体である。
環境チャンバ15の側壁の該天井近傍には、配管53の一端が接続され、配管53の他端は床B1に設けられた開口を通過して階下の浄化装置55に接続されている。床B1の底面側の配管53の途中に吸引用のポンプ(又はファン)54が配置されており、配管53及びポンプ54によって回収系が構成され、環境チャンバ15の上部空間から吸引された混合気体は、階下の浄化装置55に送られる。
浄化装置55は、詳細な図示は省略するが、混合気体から微小な埃塵や水分を除去する集塵排水装置、混合気体を断熱圧縮冷却によって液体窒素温度にまで冷却して窒素のみを液化させて気体のヘリウムを分離する冷却分離装置、分離されたヘリウムガスに残存する汚染物質をさらに除去する化学フィルタ等を備えて構成される。浄化装置55で浄化されたヘリウムガスは、配管56及びバルブ57を介してヘリウムボンベ32に戻され、再供給に備える。
本実施形態において、露光装置本体17は、ウエハWを保持するウエハステージ38、投影光学系PL、レチクルRを保持するレチクルステージ36、照明光学系の少なくとも一部(例えば、環境チャンバ15内に配置される照明光学系の一部)で構成される。
[露光量制御]
ウェハステージ38上のウェハWの近傍には、光電変換素子からなる光センサとしての照度計39が設けられている。この照度計39の受光面はウェハWの表面と同じ高さに設定されている。照度計39としては、遠紫外域に感度があり且つパルス照明光を検出するために高い応答周波数を有するシリコンフォトダイオード等を使用することができる。尚、照度計39としては、焦電式あるいは熱式の光量計等を用いてもよい。照度計39の検出信号は、図示しないピークホールド回路及びアナログ/デジタル(A/D)変換器を介して露光コントローラ40に供給される。
一方、ビームスプリッタ26で反射された露光光ILは、不図示の集光レンズを介して光電変換素子からなる光センサとしてのインテグレータセンサ41で受光され、インテグレータセンサ41の光電変換信号は、図示しないピークホールド回路及びA/D変換器を介して出力DS(デジタル信号)として露光コントローラ40に供給される。尚、インテグレータセンサ41としては、シリコンフォトダイオード、焦電式あるいは熱式の光量計等を用いることができる。尚、本実施形態においては、レーザ光源12からウェハWに至る光学系を主光学系といい、ビームスプリッタ26により主光学系から分岐されてインテグレータセンサ41に至る光学系を分岐光学系という場合がある。
インテグレータセンサ41の出力DSと、ウェハWの表面(像面)上における露光光ILの単位面積当たりのパルスエネルギー(露光量)との相関係数は、インテグレータセンサ41の計測値と照度計39の計測値等に基づいて予め求められて露光コントローラ40内に記憶されている。この相関係数を求めるための計測は、露光処理の開始前にあるいは必要に応じて行われる。露光コントローラ40は、不図示のステージコントローラからのステージ系の動作情報に同期して、制御情報TSをレーザ光源12に供給することによって、光源12の発光タイミング及び発光パワー等を制御する。さらに、露光コントローラ40は、可変減光器20のフィルタを切り替えることによって透過率を制御する。不図示のステージコントローラは、ステージ系の動作情報に同期してブラインド機構28の可動ブラインドの開閉動作を制御する。
次に、走査露光時の基本的な露光量制御について説明する。露光コントローラ40は、インテグレータセンサ41の出力DSを直接フィードバックすることによって、レーザ光源12の次のパルス発光時のパルスエネルギーの目標値を設定する。即ち、例えばオペレータによって入力される、ウェハW上に塗布されているフォトレジストの既知の感度に応じて、ウェハW上の各点に対する積算露光量の目標値である目標露光量S0が定められるとともに、レーザ光源12のパルスエネルギーの既知のばらつき、及び予め設定されている必要な露光量制御再現精度に基づいて、ウェハW上の各点に対する露光光ILの最小露光パルス数Nminが定められる。
これらのパラメータに基づいて、露光コントローラ40は、可変減光器20の透過率を適宜に設定して、実際にレーザ光源12に所定回数パルス発光を行わせて、インテグレータセンサ41を介してウェハW上での平均的なパルスエネルギーPを計測し、この計測結果でその積算露光量の目標値S0を割ることによって露光パルス数Nを求める。尚、実際にはS0/Pは必ずしも整数にはならないため、S0/Pを整数化した値が使用される。ここでは、簡単のため、S0/Pが整数であるとして説明する。
そして、求められた露光パルス数Nが既にNmin以上であれば、そのまま露光に移行するが、露光パルス数NがNminより小さいときには、露光コントローラ40は、その露光パルス数NがNmin以上となる範囲で可変減光器20の透過率を高める。このときの透過率をTとすると、露光パルス数Nは(S0/(P・T))となる。実際には、(S0/(P・T))も必ずしも整数とはならないため、整数化の必要があるが、ここでは簡単のために整数であるとする。この結果、1パルス当たりの目標エネルギーはS0/Nとなる。
また、図1に示されるウェハW上のスリット状の露光領域の走査方向の幅(スリット幅)をD、レーザ光源12の発振周波数(又はパルスの繰り返し周期の逆数)をF、走査露光時のウェハWの走査速度をVとすると、パルス発光間にウェハWが移動する間隔はV/Fであるから、その露光パルス数Nは次式で表される。
N=D/(V/F) …(1)
即ち、その露光パルス数Nが得られるように、スリット幅D、及び発振周波数F等を設定し直す必要がある。但し、通常そのスリット幅Dは一定であるため、(1)式が成立するように発振周波数F及び走査速度Vの少なくとも一方が設定され、走査速度Vの情報はステージコントローラに供給される。
その後の走査露光時に露光コントローラ40は、レーザ光源12にパルス発光を開始する指令を発した後、一例として発光パルス数がNmin(又は所定の数)に達するまでは、インテグレータセンサ41で検出されるウェハW上での各パルスエネルギーの平均値がS0/Nとなるように、レーザ光源12に周波数Fでパルス発光を行わさせる。これと平行して、露光コントローラ40は、各パルス光毎にインテグレータセンサ41からの出力DSよりウェハW上での露光量Piを求め、この露光量Piを積算して、ウェハW上での実際の積算露光量(移動和)を求める。そして、発光パルス数がNminに達してからは、順次一連のNminパルス分の積算露光量(移動ウインドウ)STが常に次の目標値となるように、レーザ光源12の次のパルス発光時の印加電圧を制御する。Nminパルス分の時間は制御系にとっての単位時間ともみなすことができる。尚、その電圧は、レーザ光源12のレーザ共振器内のガスの状態及びレーザ共振器の状態等を考慮して決定される。
ST=Nmin・(S0/N) …(2)
そして、k番目、(k+1)番目、(k+2)番目、…のパルス発光時には、それぞれそれまでのNminパルス分の積算露光量STが(2)式に近づくように、高圧電源による印加電圧が制御され、レーザ光源12における1パルス当たりのエネルギーの微調整が行われる。これによって、走査露光後のウェハW上の各点には、必要な露光量制御精度で目標値S0となる積算露光量が与えられる。
[赤色光対策]
この実施形態の光源は、バッファガスとしてヘリウムガスを用いたF2レーザ光源であるため、波長157nmの主光線を発振する際に副次的に波長630〜720nm程度の赤色光(副光線)をも発生させてしまう。そして、この実施形態の各種光センサ(照度計39、インテグレータセンサ41)は、そのような赤色光に感度を有するフォトダイオード等を採用している。このため、その検出値には、露光に寄与する主光線のみならず、露光に寄与しない副光線をも含めて検出してしまうことになり、特に主光線と副光線とでは、光路中における減衰率が異なることもあり(主光線の方が高い)、検出結果に誤差を生じ、その検出結果に基づいて上述したような露光量制御等を行うと、十分に高精度なパターンの形成をなし得ない場合がある。以下、この対策について説明する。
[第1の対策]
図2は第1の赤色光対策を示す図であり、図1に示した露光装置の要部を示している。この例では、分岐光学系における露光光の光路内、即ち、ビームスプリッタ26とインテグレータセンサ41の間にフィルタF1を設けている。このフィルタF1は、蛍石等の真空紫外光を少ない損失で透過させる母材の片面又は両面に、誘電体薄膜、誘電体多層膜、金属薄膜、金属多層膜、誘電体と金属の複合膜等を形成して構成され、波長157nm前後の波長域を含む短い波長域(例えば、190nm以下)の光を透過し、波長630〜720nm程度の波長域を含む長い波長域(例えば、190nm以上)の光を、吸収、散乱、又は反射等させる光学特性を有する光学フィルタである。なお、このフィルタF1は、ファブリペロー型の共振器、プリズム、回折格子等を用いて上記の光学特性を実現するようにしたものを採用してもよい。
レーザ光源12から出射され、ビームスプリッタ26で反射された光は波長157nmの主光線MLと副光線SLとしての赤色光とを含んでいるが、フィルタF1によって、主光線MLと副光線SLとが分離される共に、副光線SLが除去されて主光線MLの占める割合が多い光が透過される。従って、インテグレータセンサ41には、赤色光を含まない主光線のみが入射されるので、光センサ41が赤色光に感度を有するものであっても、当該赤色光の影響による検出の誤差を小さくすることができる。従って、当該検出結果を用いて露光量制御をより正確に行うことが可能になる。尚、フィルタによって赤色光を100%分離することは実際上は不可能であるから、光センサ41の検出結果に悪影響を与えない程度に減衰させることができればよい。
また、光センサ41の検出結果を用いて、ビームスプリッタ26から投影光学系PLのウェハ側の光学素子までの間における光学部材(レンズ27、投影光学系を構成する複数のレンズや、反射ミラー30などを含む)で生じる露光光の減衰率(上記レンズの透過率、反射ミラーの反射率を含む)や、光学部材の間の空間、レチクルRを収容するレチクル室51内に存在する露光吸光物質(酸素、二酸化炭素などの気体や、水、有機物質など)により生じる露光光の吸収率、又はウェハ面上での露光領域内の照度ムラの監視を行うような場合においても、その監視の精度を向上させることができる。
例えば、図1のケース11、サブチャンバ18、投影光学系PLの鏡筒等の気密性が低下して外気(酸素、水など主光線を吸収する露光装置設置環境の大気)が少なくとも1つの空間に進入した場合にはその空間を通過する主光線の透過率は低くなるから、時間的な照度ないし光量の変化を検出することができる。この場合、ウェハステージ上の照度計39には、主光線MLと副光線SLとを含む光が入射する。
しかしながら、赤色光は、少なくとも一つの空間内に外気が侵入しても、赤色光自身の透過率に殆ど変化が生じない。従って、光センサ41が、副光線SLを除去した後の主光線MLが占める割合が多い光を検出しているために、光センサ39で副光線SL及び主光線MLに感度をもっていたとしても、ビームスプリッタ26から光センサ39に到達する主光線MLが占める割合が多い光の到達率(言いかえれば、光学部材及び光路中の空間に存在する吸光物質により減衰率)を正確に検出することができる。
すなわち、主光学系の光路内の少なくとも一つの空間に対して、外気の侵入があったり、光学部材表面の露光光が通過する領域の汚染状態を軽微な段階で、精度良く検出することが可能となる。また、真空紫外光のビームスプリッタ26から光センサ39の間に配置される光学部材の表面に対する真空紫外光の照射を停止すると、その空間中に存在する不純物質(ここでは、吸光物質を示す)が光学部材表面に付着する。しかしながら、再び、真空紫外光の照射を開始すると、光学部材表面に付着していた不純物質が表面から脱離する、所謂、光洗浄効果が起きる。本実施の形態では、このような光洗浄の効果が光センサ39と、光センサ41との出力によって、正確に確認することができる。
なお、照度計39に入射する赤色光を主光線から分離し、主光線MLが占める割合が多い光を照度計39が検出できるように、主光学系内に当該フィルタを別途設けてもよい。当該フィルタをインテグレータセンサ41、照度計39の直前に設ける場合には、当該フィルタをインテグレータセンサ41、照度計39の一部として一体的に設けるようにしてもよい。
また、図3に示すように、照明光学系の光路中でビームエキスパンダ19の下流側(ウェハW側)にフィルタF3を設けてもよい。この構成では、フィルタF3をビームスプリッタ26よりも上流側(光源12側)に設けているので、インテグレータセンサ41及び照度計39の両者について、1個のフィルタで対策できる点で、コスト的にあるいは光学特性上も有利(減衰が少ない)であるといえる。また、フィルタF3をビームエキスパンダ19の下流側に配置することにより、露光光の断面積がビームエキスパンダ19によって拡大されて、エネルギー密度が低下するので、フィルタF3の寿命を長くすることができる。但し、フィルタを配置する位置は、ビームエキスパンダ19よりも上流側の位置(例えば、図3に符号F2で示す)に配置することも勿論可能である。
さらに、上述した実施形態では、フィルタF3は1個を設けるものとしているが、複数個のフィルタを光路上に集合的に1箇所に、あるいは離散的に配設するようにしてもよい。
[第2の対策]
図4は第2の赤色光対策を示す図であり、図1に示した露光装置の要部を示している。この実施形態では、第1の対策で用いたフィルタF1の代わりに、分岐光学系としてのビームスプリッタ26で分岐された光路内、即ち、ビームスプリッタ26とインテグレータセンサ41との間にダイクロイックミラーM1を設けている点で異なる。その他の構成及び作用については、第1の対策と同じなので、説明を省略する。
このダイクロイックミラーM1は、波長157nm前後の波長域を含む短い波長域(例えば、190nm以下)の光を反射し、波長630〜720nm程度の波長域を含む長い波長域(例えば、190nm以上)の光を透過させる光学特性を有する反射透過型のミラーである。
このダイクロイックミラーM1は、例えば、図5に示すように、蛍石等の真空紫外光を少ない損失で透過させる母材48の表面に、弗化物からなる誘電体多層膜49を形成して構成され、主光線MLを反射し、副光線(赤色光)SLを透過する。
なお、変形例として、ダイクロイックミラーM1を分岐光学系の光路内に配置せずに、図6に示すように反射ミラー23に代えてダイクロイックミラーM2を設けてもよい。この構成では、ダイクロイックミラーM2はビームエキスパンダ19の下流側(ウェハW側)に配置されているので、ビームエキスパンダ19の上流側(レーザ光源12側)に設ける場合と比較して、露光光のエネルギー密度が低いので、ダイクロイックミラーM2の寿命を長くすることができる。但し、ダイクロイックミラーを配置する位置は、ビームエキスパンダ19よりも上流側の位置に設けるようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態では、ダイクロイックミラーM2は1個を設けるものとしているが、複数個のダイクロイックミラーを分岐光学系の露光光の光路上に離散的に配設し、あるいは上述した光学フィルタF1〜F3と組み合わせて設けるようにしてもよい。
[第3の対策]
図7は第3の赤色光対策を示す図であり、インテグレータセンサ41及びその近傍を示している。この実施形態では、図1のインテグレータセンサ41として、同一の光センサ(インテグレータセンサ41と同じもの)42,43を互いに隣接して二つ配置している。そして、図1において、ビームスプリッタ26により分岐された分岐光学系をさらに二つ(等分)に分岐させて、一方を光センサ42に、他方を光センサ43に入射させるようにし、光センサ43の光路上にフィルタF4を設けている。
このフィルタF4は、上述したフィルタF1〜F3とほぼ反対の光学特性を有しており、波長630〜720nm程度の波長域を含む長い波長域(例えば、190nm以上)の光を透過し、波長157nm前後の波長域を含む短い波長域(例えば、190nm以下)の光を吸収、散乱、又は反射等させる光学特性を有する光学フィルタである。
このフィルタF4としては、光学硝子、合成石英、アクリル板、プラスチック板、塩化ナトリウム板等を採用することができ、赤色光の透過率が高いことが望ましい。また、光センサ43に対する光路上に酸素、水、二酸化炭素、一酸化炭素、有機物、珪素化合物等の真空紫外光を著しく減衰させるガスを導いたり、何らかの容器に封入して設けるようにしてもよい。
光センサ42の受光面42Aには主光線ML及び副光線SLの両者を含む光が入射され、光センサ43の受光面43AにはフィルタF4によって主光線MLが分離された副光線SLの占める割合が多い光が入射されることになる。
光センサ42及び光センサ43のそれぞれの検出値は、補正装置44に供給される。補正装置44は、光センサ42による検出値(主光線及び副光線の両者を含む検出値)から光センサ43による検出値(副光線のみを含む検出値)を減算することにより、主光線の光情報(例えば、光強度、光量、照度など)についての検出値を算出し、これをインテグレータセンサ41による検出結果DSとして、露光コントローラ40に供給する。
この実施形態のフィルタF4は、主光線MLから副光線SLを分離して、副光線SLを透過する分離装置であり、一般に真空紫外光を透過させる物質は限定されており、反対にこれを吸収する物質は各種のものがあるので、真空紫外光を透過させ赤色光を透過させないためのフィルタF1〜F3と比較して、その構成が簡略で、そのコストも安価である点で有利であるといえる。
尚、上述した説明では、一対の光センサ42,43に対して、主光学系からビームスプリッタ26により分岐させた分岐光学系をさらに二分岐させて光をそれぞれ導くものと説明したが、分岐光学系を二分岐させずに、光センサ42,43の受光面42A,43Aを分岐光の断面積よりも小さくして当該分岐光をそれぞれの受光面42A,43Aに同時に入射するように構成してもよい。
また、上述した説明では、インテグレータセンサ41についての説明としたが、照度計39についても、同様の構成を適用することができる。
[第4の対策]
図8は第4の赤色光対策を示す図であり、インテグレータセンサ41及びその近傍を示している。この対策では、図3に示したものとほぼ同様の構成であるが、図3のフィルタF3に代えてフィルタF5をインテグレータセンサ41の受光面41Aの直前に配置している。このフィルタF5は、上述したフィルタF4と同様に主光線を分離して副光線のみを透過するフィルタであるので、その説明は省略する。
このフィルタF5は、移動装置によってインテグレータセンサ41の受光面41Aの直前に位置する第2位置P2と、該第2位置P2から待避される第1位置P1に選択的に移動されるように構成されている。即ち、フィルタF5はホルダ47に固定されており、ホルダ47は駆動モータ46によって回転駆動されるようになっている。駆動モータ46によりフィルタF5を駆動することにより、フィルタF5を第1位置P1と第2位置P2との間で高速に移動することができる。尚、移動装置としては、当該フィルタF5を第1位置P1と第2位置P2との間で直線的にスライドさせるものを採用してもよい。
フィルタF5が第1位置P1にあるときには、インテグレータセンサ41の受光面41Aには主光線ML及び副光線SLの両者を含む光が入射され、一方、フィルタF5が第2位置P2にあるときには、インテグレータセンサ41の受光面41AにはフィルタF5によって主光線MLが分離された副光線SLの割合が多い光が入射されることになる。
この対策では、インテグレータセンサ41の検出値は、補正装置45を介して露光コントローラ40に供給されるようになっている。補正装置45は、フィルタF5が第1位置P1にあるときのインテグレータセンサ41による検出値(主光線及び副光線の両者を含む検出値)から、フィルタF5が第2位置P2にあるときのインテグレータセンサ41による検出値(副光線のみを含む検出値)を減算することにより、主光線についての検出値を算出し、これをインテグレータセンサ41による検出結果DSとして、露光コントローラ40に供給する。
この実施形態のフィルタF5は、上述のフィルタF4と同様に主光線MLから副光線SLを分離して副光線SLを透過する分離装置であり、一般に真空紫外光を透過させる物質は限定されており、反対にこれを吸収する物質は各種のものがあるので、真空紫外光を透過させ赤色光を透過させないためのフィルタF1〜F3と比較して、その構成が簡略で、そのコストも安価である点で有利であるといえる。また、これに加えて、上述の第4の対策のように光センサ(42,43)を二つ設ける必要がなく、構成がより簡単となる。
尚、移動装置46,47によるフィルタF5の位置の切り換えの制御は、不図示の制御装置によってなされるが、切り換えの周期はなるべく速い方がよい。例えば、レーザ光源12によるパルス発振の1パルス毎に位置P1,P2が切り換わるような周期で行うようにするとよい。露光光の照度は経時的に変化するので、速い周期で切り換えを行った方が検出結果の精度を向上することができるからである。また、検出結果を障害監視に用いる場合においては、障害の発生をより早期に検出することができるからである。
また、上述した説明では、インテグレータセンサ41についての説明としたが、照度計39についても、同様の構成を適用することができる。
[その他]
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上述の説明では、インテグレータセンサ41又は照度計39についての説明としたが、その他に露光装置には各種の光センサが設けられる。例えば、ウェハステージ38上には、照度計39の他に同様の光電変換素子からなる照度むらセンサも設けられるが、そのような照度むらセンサについても本発明を適用することができる。
本実施形態で用いられる光センサの受光面には、カバーガラスが配置されている。このカバーガラスは、本実施形態における露光装置の光学系を構成する硝材と同じ硝材で形成される。
このカバーガラスは、光路内の空間、即ち、不活性ガスで満たされた空間内に配置されている。そのために、カバーガラスの表面は、真空紫外光の照射による光洗浄効果によって、ガラス表面に付着した吸光物質の脱離が起きる。また、真空紫外光の照射を停止した時に、その空間中に存在する吸光物質がカバーガラスの表面に付着する現象が生じる。この吸光物質は、センサ自身を構成する各種部品(配線や、回路基板など)から発生するアウトガスが含まれる。そのため、吸光物質の付着及び光洗浄により、光センサの出力が変動する可能性がある。そのため、光洗浄効果によって、カバーガラス表面に吸光物質が付着していない状態で検出した露光光の光情報をリファレンスとして記憶しておき、所定タイミングで、実際の計測値と、記憶されたリファレンスとを比較することが好ましい。
また、比較した結果、値がずれていた場合には、キャリブレーションすることが望ましい。センサをキャリブレーションする場合には、予め露光装置に取り付けられている光センサと同じ検出感度をもつ基準の光センサを用意し、この基準の光センサの検出結果に基づいて、露光装置に取り付けられている光センサをキャリブレーションしてもよい。
インテグレータセンサであれば、1パルス毎に比較することも可能であり、また、照度計は、照度検出時、例えば、ウェハ交換毎に比較することができる。
上述した実施形態では、露光光の光路をヘリウムガスで置換する構成についての説明としたが、窒素、アルゴン、ネオン、クリプトンなどのガス、またはそれの混合ガスであって、真空紫外域の光に対する吸収性の少ない特性を有するガス(不活性ガスと称する)を用いてもよい。また、露光光の光路を複数に分割し、各分割した光路毎にガスの種類を異ならせてもよい。例えば、照明光学系、レチクル室、投影光学系、ウエハ室とし、投影光学系をヘリウムガスで置換し、照明光学系、ウエハ室及びレチクル室を窒素ガスで置換してもよい。さらに、ウエハ室を設けずに、投影光学系とウエハとの間にガスを常時流す構成であってもよい。
また、露光装置の光学系を構成する硝材として、蛍石、石英などのほかに、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、リチウム−カルシウム−アルミニウム−フローライド、及びリチウム−ストロンチウム−アルミニウム−フローライドなどの結晶や、ジルコニウム−バリウム−ランタン−アルミニウムからなるフッ化ガラスや、フッ素をドープした石英ガラス、フッ素に加えて水素もドープされた石英ガラス、OH基を含有させた石英ガラス、フッ素に加えてOH基を含有した石英ガラスなどの改良石英を用いてもよい。
また、上述の説明では、ステップ・アンド・スキャン方式の縮小投影型露光装置(スキャニング・ステッパー)についての説明としたが、レチクルとウェハとを静止させた状態でレチクルパターンの全面に露光光を照射して、そのレチクルパターンが転写されるべきウェハ上の1つの区画領域(ショット領域)を静止露光するステップ・アップ・リピート方式の縮小投影型露光装置(ステッパー)にも本発明を適用することができる。さらに、ステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影型露光装置やミラープロジェクション・アライナー等にも適用することができる。
さらに、半導体素子や液晶表示素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、プラズマディスプレイ、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、DNAチップなどの製造に用いられる露光装置、及びレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウェハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。即ち本発明は、露光装置の露光方式や用途等に関係なく適用可能である。
また、上述した実施形態では、露光装置の光源として、F2レーザ光源を例示したが、露光に用いる主光線以外に副次的に不要光(副光線)を発生する光源であれば、本発明を適用することができる。
前述した本発明の実施形態に係る露光装置(図1)は、ウェハWを精度よく高速に位置制御することができ、スループットを向上しつつ高い露光精度で露光が可能となるように、光源12、フィルタF1〜F5又はダイクロイックミラーM1〜M3を含む各種の光学素子ないし光学装置を含んで構成される照明光学系、インテグレータセンサ41及び照度計39を含むエネルギー制御系、レチクルステージ36を含むマスクアライメント系、ウェハステージ38を含むウェハアライメント系、投影光学系PL等の図1に示された各要素等が電気的、機械的、又は光学的に連結して組み上げられた後、総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造される。尚、露光装置の製造は、温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
本発明の実施形態に係る露光装置を用いてデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)を生産するには、まず、設計ステップにおいて、デバイスの機能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、マスク製作ステップにおいて、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ウェハ製造ステップにおいて、シリコン等の材料を用いてウェハを製造する。
次に、ウェハプロセスステップにおいて、上記ステップで用意したマスクとウェハを使用して、リソグラフィ技術によってウェハ上に実際の回路等を形成する。次いで、組立ステップにおいて、ウェハプロセスステップにおいて処理されたウェハを用いてチップ化する。この組立ステップには、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程が含まれる。最後に、検査ステップにおいて、組立ステップで作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
以上説明したように、本発明によると、露光に寄与する主光線及び該主光線の波長と異なる副光線を含む光を出射する光源を用いた場合であっても、主光線のエネルギーを正確に計測することができ、その結果、露光量制御やその他、障害監視等を高い精度で行うことができるようになるという効果がある。
本開示は、2000年9月19日に提出された日本国特許出願第2000−282980号に含まれた主題に関連し、その開示の全てはここに参照事項として明白に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の実施形態に係るステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置の全体構成を示す図、
図2は本発明の実施形態の第1の赤色光対策を説明するための構成図、
図3は本発明の実施形態の第1の赤色光対策におけるフィルタの位置の変更例を示す構成図、
図4は本発明の実施形態の第2の赤色光対策を説明するための構成図、
図5は本発明の実施形態の第2の赤色光対策におけるダイクロイックミラーの構成図、
図6は本発明の実施形態の第2の赤色光対策におけるダイクロイックミラーの位置の変更例を示す構成図、
図7は本発明の実施形態の第3の赤色光対策を説明するための構成図、
図8は本発明の実施形態の第4の赤色光対策を説明するための構成図である。
本発明は、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド等の各種マイクロデバイスを製造するためのフォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置及び露光方法並びに該方法を用いるデバイス製造方法に関する。
背景技術
半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスをフォトリソグラフィ技術を用いて製造する際に、マスクとしてのレチクルのパターンの像を投影光学系を介してフォトレジスト等が塗布されたウェハ(又はガラスプレート等)上に投影露光する露光装置が使用されている。
このような露光装置においては、マイクロデバイスの微細化に対応してウェハ上に形成するパターンの解像度を高めるため、露光光の短波長化が行われている。このため、露光光としては、かつての高圧水源ランプによるg線(波長436nm)やi線(波長365nm)から、KrFエキシマレーザ(波長248nm)やArFエキシマレーザ(波長193nm)が用いられるようになってきた。また、近時においては、さらなる高解像度化に対応するため、F2レーザ(波長157nm)の使用が検討されている。
F2レーザが発振する光はいわゆる真空紫外光であり、大気中では酸素や水、あるいは有機物などの物質による吸収によって、ほとんど透過することができないため、これを露光光として用いる場合には、その光路を真空にするか、あるいはヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)等の希ガスや窒素(N2)等の157nm程度の波長の光を透過する不活性ガスで満たす必要がある。
また、このような露光装置では、ウェハの各ショット領域内の各点に対する露光量(積算露光エネルギー)を適正範囲内に維持するために行われる露光量制御、露光光(露光領域)が照度むらのない適正な状態を保持しているかどうかの監視、光路が露光光の透過にふさわしい環境に保たれているかどうかの監視等のために各種の光センサ(光検知器)が常設的に取り付けられ、露光光のエネルギー(照度、光量、強度等)が計測される。このような計測のための光センサとしては、シリコンフォトダイオード、焦電式あるいは熱式の光量計が性能やコストの観点から多く用いられている。
ここで、上述したF2レーザを光源として採用した場合、F2レーザは、波長157nmの真空紫外光(以下、主光線という場合がある)を発振すると同時に、波長630〜720nm程度の露光には寄与しない赤色光(以下、副光線という場合がある)を副次的に発生する特質を有する。この副光線の強度はF2レーザから出射された直後で、全体のおよそ5〜10%程度である。副光線は、露光光の光路を構成する光学系による減衰がほとんど無いため、主光線とともに光センサに到達する。
一方、光センサとして多く用いられている上述したようなシリコンフォトダイオード、焦電式あるいは熱式光量計は、主光線のみならず、副光線の波長にまで感度を有しているため、副光線までをも検出してしまい、露光に寄与する主光線の光量を正確に計測できず、このため、露光量制御が適正に行われず、高精度なパターンを形成できない場合があるという問題がある。
また、光路上への大気の進入や不純物の発生を、光センサの検出結果を用いて監視している場合には、主光線の減衰は大きいが副光線は殆ど減衰せずに光センサによって検出されてしまうため、本来エラーとして運転を停止すべき場合であっても、問題無しとして処理が続行される可能性があり、極めて問題である。
発明の開示
よって、本発明の目的は、基板を感光させる波長の主光線の発振に伴い不要な副光線をも副次的に発生するような光源を用いた場合であっても、主光線のエネルギーを正確に計測し、露光量制御やその他の障害監視等を高い精度で行えるようにすることである。
以下、この項に示す説明では、理解の容易化のため、本発明の各構成要件に実施の形態の図に示す参照符号を付して説明するが、本発明の各構成要件は、これら参照符号によって限定されるものではない。
1.上記目的を達成するための本発明の露光装置は、露光対象としての基板(W)をパターンが形成されたマスク(R)を介して露光する露光装置において、前記基板を感光させる波長の主光線(ML)及び該主光線の発振に伴い副次的に発生する該主光線の波長と異なる波長の副光線(SL)を含む光を出射する光源(12)と、前記光源からの光を前記マスクを介して前記基板に導く主光学系と、少なくとも前記主光線を含む波長域に感度を有する光センサ(39,41)と、前記光源から前記光センサに至る光路上に設けられ、前記主光線と前記副光線とを分離する分離装置(F1〜F3,F5,M1,M2)とを備えて構成される。
本発明によると、光源から光センサに至る光路上に主光線と副光線を分離する分離装置を備えているので、光センサに対して主光線のみを入射させるようにでき、副光線をも検出してしまうことにより生じる検出誤差を低減することができる。
前記露光装置が主光学系から前記光の一部を前記光センサに導く分岐光学系(26)を備えている場合には、前記分離装置(F1〜F3,F5,M1,M2)を前記分岐光学系と前記光センサ(41)との間に設けることができる。光センサに光を導く分岐光学系内に分離装置を設けることにより、主光学系を送られる光の当該分離装置による減衰を無くすことができる。
前記露光装置は、前記分離装置(F1〜F3,F5,M1,M2)で分離された前記主光線に基づいて、前記基板(W)に対する積算光量を制御する制御装置(40)をさらに備えることができる。制御装置は、光センサによる主光線のみの計測結果に基づいて積算光量を制御することができるので、副光線による影響を排除して正確な制御を行うことができる。
前記露光装置において、前記分離装置(F5)を前記分岐光学系(26)により分岐された前記光の光路から待避される第1位置(P1)及び当該光路上に配置される第2位置(P2)との間で選択的に移動する移動装置(46)を備えることができ、この場合において、前記分離装置が前記第1位置に移動したときの前記光センサ(41)の計測結果を、前記分離装置が前記第2位置に移動したときの前記光センサ(41)の計測結果に基づいて補正する補正装置(45)をさらに備えることができる。
分離装置を第1位置(光路上から待避された位置)に設定して光センサで計測すれば、光センサには主光線と副光線が分離されない状態の光が入射される。一方、分離装置を第2位置(光路上の位置)に設定して光センサで計測すれば、光センサには副光線のみを入射させるようにできる。従って、両者の計測結果から副光線を含まない主光線の正確な計測結果を得ることができる。
前記分離装置としては、前記主光線の波長を含む波長域の光を透過し、前記副光線の波長を含む波長帯域の光を減衰する光学フィルタ(F1〜F3)を採用し、あるいは前記主光線の波長を含む波長域の光を反射し、前記副光線の波長を含む波長帯域の光を透過する反射透過型のミラー(M1,M2)を採用することができる。ここで、「減衰する」とは、完全に遮光する場合と、完全には遮光せずに一部は透過する場合(例えば、その透過量が光センサの最低検出感度以下であるような場合)とが含まれる。
本発明は、前記光源としてF2レーザ光源を用いる場合に、特に好適である。即ち、F2レーザ光源は、上述したように、主光線として157nmの光を発振するとともに、副光線として赤色光(波長630〜720nm程度)も発生するため、この場合に、当該赤色光を除いた主光線のみを正確に計測することができ、その結果、積算露光量の制御を適正に実施することができるようになるとともに、各種の障害監視の精度を向上することができる。
2.上記目的を達成するための本発明の露光装置は、露光対象としての基板(W)をパターンが形成されたマスク(R)を介して露光する露光装置において、前記基板を感光させる波長の主光線(ML)及び該主光線の発振に伴い副次的に発生する該主光線の波長と異なる波長の副光線(SL)を含む光を出射する光源(12)と、前記光源からの光を前記マスクを介して前記基板に導く主光学系と、前記主光線及び前記副光線の波長を含む波長域に感度を有する第1光センサ(42)と、少なくとも前記副光線の波長を含む波長域に感度を有する第2光センサ(43)と、前記主光学系における前記光の光路内に配置され、前記光の一部を前記第1光センサに導く第1分岐光学系と、前記主光学系又は前記第1分岐光学系における前記光の光路内に配置され、前記光の一部を前記第2光センサに導く第2分岐光学系と、前記第2分岐光学系と前記第2光センサとの間に設けられ、前記主光線と前記副光線を分離する分離装置(F4)とを備えて構成される。この場合において、前記第1光センサによる計測結果を前記第2光センサによる計測結果に基づいて補正する補正装置(44)をさらに備えることができる。第2光センサは前記主光線に感度を有していてもよい。
第1光センサには主光線と副光線が分離されない状態の光が入射される。一方、第2光センサには副光線のみを入射させるようにできる。従って、第1光センサによる計測結果を第2光センサによる計測結果に基づいて補正することにより、副光線を含まない主光線の正確な計測結果を得ることができる。
3.上記目的を達成するための本発明の露光方法は、露光対象としての基板(W)を感光させる波長の主光線(ML)及び該主光線の波長と異なる波長の副光線(SL)を含む露光光を用いて、パターンが形成されたマスク(R)を介して該基板を露光する露光方法において、前記主光線及び前記副光線を含む前記露光光から該副光線を分離し、該分離した後の露光光のエネルギー(光量、強度、照度等)を計測し、該計測結果に基づいて前記基板に対する積算露光量を制御することを特徴とする。
また、露光対象としての基板(W)を感光させる波長の主光線(ML)及び該主光線の波長と異なる波長の副光線(SL)を含む露光光を用いて、パターンが形成されたマスク(R)を介して該基板を露光する露光方法において、前記主光線及び前記副光線を含む前記露光光の一部を分岐し、該分岐された露光光から前記副光線を分離し、該分離した後の露光光のエネルギーを計測し、該計測結果に基づいて前記基板に対する積算露光量を制御することを特徴とする。
さらに、露光対象としての基板(W)を感光させる波長の主光線(ML)及び該主光線の波長と異なる波長の副光線(SL)を含む光に基づく露光光を用いて、パターンが形成されたマスク(R)を介して該基板を露光する露光方法において、前記主光線及び前記副光線を含む前記露光光の第1エネルギーを計測し、前記主光線及び前記副光線を含む前記露光光から前記主光線を分離し、前記主光線を分離した後の露光光の第2エネルギーを計測し、前記第1エネルギーを前記第2エネルギーに基づいて補正し、補正された前記第1エネルギーに基づいて前記基板に対する積算露光量を制御することを特徴とする。
上記本発明の露光方法よると、副光線を含まない主光線を正確に計測することができる。この方法は、前記主光線及び前記副光線を含む光がF2レーザ光源から出射されるレーザ光である場合に特に好適である。
4.上記目的を達成するための本発明のデバイス製造方法は、上述した本発明の露光方法を用いて前記マスクのパターンの像を前記基板に転写するステップを有することを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
[全体構成]
図1は本発明の実施形態に係る露光装置の全体構成を示す図である。この露光装置は、ステップ・アンド・スキャン方式の縮小投影型露光装置である。
図1において、半導体製造工場のある階の床B1上のクリーンルーム内に投影露光装置が設置され、その階下の床B2上のいわゆる機械室(ユーティリティスペース)内に、階上の投影露光装置に、露光光が透過する気体、例えば不活性ガス(本実施形態ではヘリウムガス)を供給するためのボンベ(供給装置)32や当該ガスを回収・浄化する浄化装置55等が設置されている。
床B1上のクリーンルーム内において、防振台を介して箱状のケース11が設置され、ケース11内に照明光源としてのF2レーザ光源12(主光線の発振波長157nm)、露光本体部との間で光路を位置的にマッチングさせるための可動ミラー等を含むビームマッチングユニット(BMU)13、及び内部を照明光が通過する遮光性のパイプ14が設置されている。レーザ光源12は、バッファガスとしてのヘリウムガスにフッ素(F2)を混合して封入したレーザ発振器及び該レーザ発振器の電極に電圧を印加する高圧電源等を備えて構成される。
ケース11の隣に箱状の気密性の良好な環境チャンバ15が設置され、環境チャンバ15内で床B1上に床からの振動を減衰するための防振台を介して定盤16が設置され、定盤16上にウエハステージ38が設置されている。また、ケース11内から突き出ているパイプ14から環境チャンバ15の内部まで気密性の良好なサブチャンバ18が架設され、サブチャンバ18内に照明光学系の大部分が収納されている。
露光時に、ケース11内のF2レーザ光源12から射出された露光光(主光線の波長が157nm)の露光光(パルス光)ILは、BMU13及びパイプ14の内部を経てサブチャンバ18内に至る。サブチャンバ18内において、露光光ILは、ビームエキスパンダ19、可変減光器20、レンズ系21,22等からなるビーム整形光学系を経て、光路折り曲げ用の反射ミラー23で反射されて、オプチカルインテグレータとしてのフライアイレンズ24(フライアイレンズの代わりにロッドレンズを用いてもよい)に入射する。
フライアイレンズ24は、後述するレチクルRを均一な照度分布で照明するために多数の2次光源を形成する。フライアイレンズ24の射出面には照明系の開口絞り25が配置され、開口絞り25内の2次光源から射出される露光光ILは、反射率が小さく且つ透過率が大きなビームスプリッタ26に入射する。ビームスプリッタ26を透過した露光光ILは、コンデンサレンズ系27を経てレチクルブラインド機構28の矩形の開口部を通過する。
レチクルブラインド機構28は、レチクルのパターン面に対する共役面の近傍に配置されている。また、レチクルブラインド機構28内には、スリット状の開口部を有する固定照明視野絞り(固定ブラインド)28A、及び該固定ブラインドとは別に照明視野領域の走査方向の幅を可変とするための可動ブラインド28Bが設けられている。走査露光の開始時及び終了時には、可動ブラインドを介して照明領域をさらに制限することによって、不要な部分への露光が防止される。
レチクルブラインド機構28の固定ブラインドでスリット状に整形された露光光ILは、結像用レンズ系29、反射ミラー30、及び主コンデンサレンズ系31を介して、レチクルRの回路パターン領域上のスリット状の照明領域を一様な強度分布で照射する。本実施形態では、遮光性のパイプ14の射出面から主コンデンサレンズ系31までがサブチャンバ18内に収納され、更にパイプ14の内部からF2レーザ光源12の射出面までの空間もケース11によって密閉されている。そして、サブチャンバ18及びケース11内には、階下のヘリウムボンベ32から配管33を介して所定の純度以上で温度制御されたヘリウムガス(He)が供給されている。配管33には開閉バルブ34及びポンプ35が設けられており、不図示の制御系によって開閉バルブ34の開閉及びポンプ35の作動を制御することによって、投影露光装置へのヘリウムガスの供給、及びその停止を切り替えることができるようになっている。
露光光ILのもとで、レチクルRの照明領域内の回路パターンの像が投影光学系PLを介してウェハW上のレジスト層のスリット状の露光領域に転写される。その露光領域は、ウェハW上の複数のショット領域のうちの1つのショット領域上に位置している。本実施形態の投影光学系PLは、ジオプトリック系(屈折系)であるが、このような短波長の紫外光を透過できる硝材は蛍石や合成石英など限られているため、投影光学系PLをカタジオプトリック系(反射屈折系)、又は反射系として、投影光学系PLでの露光光ILの透過率を高めるようにするとよい。以下では、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行にX軸、図1の紙面に垂直にY軸をとって説明する。
レチクルRは、レチクルステージ36上に吸着保持され、レチクルステージ36は、レチクルベース37上にX方向(走査方向)に等速移動できるとともに、X方向、Y方向、回転方向に微動できるように載置されている。レチクルステージ36(レチクルR)の2次元的な位置、及び回転角は、レーザ干渉計を備えた不図示の駆動制御ユニットによって制御されている。
一方、ウェハWはウェハステージ38上に設けられた不図示のウェハホルダ上に吸着保持されている。ウェハステージ38は定盤16上に載置されている。ウェハステージ38は、オートフォーカス方式でウェハWのフォーカス位置(Z方向の位置)、及び傾斜角を制御してウェハWの表面を投影光学系PLの像面に合わせ込むとともに、ウェハWのX方向への等速走査、及びX方向、Y方向へのステッピングを行う。ウェハステージ38(ウェハW)の2次元的な位置、及び回転角も、レーザ干渉計を備えた不図示の駆動制御ユニットによって制御されている。
走査露光時には、レチクルステージ36を介して露光光ILの照明領域に対してレチクルRが+X方向(又は−X方向)に速度Vrで走査されるのに同期して、ウェハステージ38を介して露光領域に対してウェハWが−X方向(又は+X方向)に速度β・Vr(βはレチクルRからウェハWへの投影倍率)で走査される。
また、照明光学系とレチクルR及びレチクルRと投影光学系PLの間の部分を含む空間を覆うようにレチクル室51が設けられているとともに、投影光学系PLとウェハWの間の部分を含む空間を覆うようにウェハ室52が設けられている。投影光学系PLの鏡筒内部の空間(複数のレンズ素子間の空間)、レチクル室51及びウェハ室52内部には、ケース11及びサブチャンバ18内と同様に、階下のヘリウムボンベ32からの配管33を介して、所定の濃度以上で温度制御されたヘリウムガスが供給されている。尚、環境チャンバ15内には不図示の窒素ボンベから窒素ガスが供給されている。
環境チャンバ15内で、サブチャンバ18、投影光学系PLの鏡筒、レチクル室51及びウェハ室52から漏れ出たヘリウムガスは、環境チャンバ15内の窒素ガスよりも軽いため、上昇して天井付近の空間に溜まる。この天井近傍の空間内の気体は、ヘリウムガスの他に窒素や環境チャンバ15の外部から進入した空気が混じった混合気体である。
環境チャンバ15の側壁の該天井近傍には、配管53の一端が接続され、配管53の他端は床B1に設けられた開口を通過して階下の浄化装置55に接続されている。床B1の底面側の配管53の途中に吸引用のポンプ(又はファン)54が配置されており、配管53及びポンプ54によって回収系が構成され、環境チャンバ15の上部空間から吸引された混合気体は、階下の浄化装置55に送られる。
浄化装置55は、詳細な図示は省略するが、混合気体から微小な埃塵や水分を除去する集塵排水装置、混合気体を断熱圧縮冷却によって液体窒素温度にまで冷却して窒素のみを液化させて気体のヘリウムを分離する冷却分離装置、分離されたヘリウムガスに残存する汚染物質をさらに除去する化学フィルタ等を備えて構成される。浄化装置55で浄化されたヘリウムガスは、配管56及びバルブ57を介してヘリウムボンベ32に戻され、再供給に備える。
本実施形態において、露光装置本体17は、ウエハWを保持するウエハステージ38、投影光学系PL、レチクルRを保持するレチクルステージ36、照明光学系の少なくとも一部(例えば、環境チャンバ15内に配置される照明光学系の一部)で構成される。
[露光量制御]
ウェハステージ38上のウェハWの近傍には、光電変換素子からなる光センサとしての照度計39が設けられている。この照度計39の受光面はウェハWの表面と同じ高さに設定されている。照度計39としては、遠紫外域に感度があり且つパルス照明光を検出するために高い応答周波数を有するシリコンフォトダイオード等を使用することができる。尚、照度計39としては、焦電式あるいは熱式の光量計等を用いてもよい。照度計39の検出信号は、図示しないピークホールド回路及びアナログ/デジタル(A/D)変換器を介して露光コントローラ40に供給される。
一方、ビームスプリッタ26で反射された露光光ILは、不図示の集光レンズを介して光電変換素子からなる光センサとしてのインテグレータセンサ41で受光され、インテグレータセンサ41の光電変換信号は、図示しないピークホールド回路及びA/D変換器を介して出力DS(デジタル信号)として露光コントローラ40に供給される。尚、インテグレータセンサ41としては、シリコンフォトダイオード、焦電式あるいは熱式の光量計等を用いることができる。尚、本実施形態においては、レーザ光源12からウェハWに至る光学系を主光学系といい、ビームスプリッタ26により主光学系から分岐されてインテグレータセンサ41に至る光学系を分岐光学系という場合がある。
インテグレータセンサ41の出力DSと、ウェハWの表面(像面)上における露光光ILの単位面積当たりのパルスエネルギー(露光量)との相関係数は、インテグレータセンサ41の計測値と照度計39の計測値等に基づいて予め求められて露光コントローラ40内に記憶されている。この相関係数を求めるための計測は、露光処理の開始前にあるいは必要に応じて行われる。露光コントローラ40は、不図示のステージコントローラからのステージ系の動作情報に同期して、制御情報TSをレーザ光源12に供給することによって、光源12の発光タイミング及び発光パワー等を制御する。さらに、露光コントローラ40は、可変減光器20のフィルタを切り替えることによって透過率を制御する。不図示のステージコントローラは、ステージ系の動作情報に同期してブラインド機構28の可動ブラインドの開閉動作を制御する。
次に、走査露光時の基本的な露光量制御について説明する。露光コントローラ40は、インテグレータセンサ41の出力DSを直接フィードバックすることによって、レーザ光源12の次のパルス発光時のパルスエネルギーの目標値を設定する。即ち、例えばオペレータによって入力される、ウェハW上に塗布されているフォトレジストの既知の感度に応じて、ウェハW上の各点に対する積算露光量の目標値である目標露光量S0が定められるとともに、レーザ光源12のパルスエネルギーの既知のばらつき、及び予め設定されている必要な露光量制御再現精度に基づいて、ウェハW上の各点に対する露光光ILの最小露光パルス数Nminが定められる。
これらのパラメータに基づいて、露光コントローラ40は、可変減光器20の透過率を適宜に設定して、実際にレーザ光源12に所定回数パルス発光を行わせて、インテグレータセンサ41を介してウェハW上での平均的なパルスエネルギーPを計測し、この計測結果でその積算露光量の目標値S0を割ることによって露光パルス数Nを求める。尚、実際にはS0/Pは必ずしも整数にはならないため、S0/Pを整数化した値が使用される。ここでは、簡単のため、S0/Pが整数であるとして説明する。
そして、求められた露光パルス数Nが既にNmin以上であれば、そのまま露光に移行するが、露光パルス数NがNminより小さいときには、露光コントローラ40は、その露光パルス数NがNmin以上となる範囲で可変減光器20の透過率を高める。このときの透過率をTとすると、露光パルス数Nは(S0/(P・T))となる。実際には、(S0/(P・T))も必ずしも整数とはならないため、整数化の必要があるが、ここでは簡単のために整数であるとする。この結果、1パルス当たりの目標エネルギーはS0/Nとなる。
また、図1に示されるウェハW上のスリット状の露光領域の走査方向の幅(スリット幅)をD、レーザ光源12の発振周波数(又はパルスの繰り返し周期の逆数)をF、走査露光時のウェハWの走査速度をVとすると、パルス発光間にウェハWが移動する間隔はV/Fであるから、その露光パルス数Nは次式で表される。
N=D/(V/F) …(1)
即ち、その露光パルス数Nが得られるように、スリット幅D、及び発振周波数F等を設定し直す必要がある。但し、通常そのスリット幅Dは一定であるため、(1)式が成立するように発振周波数F及び走査速度Vの少なくとも一方が設定され、走査速度Vの情報はステージコントローラに供給される。
その後の走査露光時に露光コントローラ40は、レーザ光源12にパルス発光を開始する指令を発した後、一例として発光パルス数がNmin(又は所定の数)に達するまでは、インテグレータセンサ41で検出されるウェハW上での各パルスエネルギーの平均値がS0/Nとなるように、レーザ光源12に周波数Fでパルス発光を行わさせる。これと平行して、露光コントローラ40は、各パルス光毎にインテグレータセンサ41からの出力DSよりウェハW上での露光量Piを求め、この露光量Piを積算して、ウェハW上での実際の積算露光量(移動和)を求める。そして、発光パルス数がNminに達してからは、順次一連のNminパルス分の積算露光量(移動ウインドウ)STが常に次の目標値となるように、レーザ光源12の次のパルス発光時の印加電圧を制御する。Nminパルス分の時間は制御系にとっての単位時間ともみなすことができる。尚、その電圧は、レーザ光源12のレーザ共振器内のガスの状態及びレーザ共振器の状態等を考慮して決定される。
ST=Nmin・(S0/N) …(2)
そして、k番目、(k+1)番目、(k+2)番目、…のパルス発光時には、それぞれそれまでのNminパルス分の積算露光量STが(2)式に近づくように、高圧電源による印加電圧が制御され、レーザ光源12における1パルス当たりのエネルギーの微調整が行われる。これによって、走査露光後のウェハW上の各点には、必要な露光量制御精度で目標値S0となる積算露光量が与えられる。
[赤色光対策]
この実施形態の光源は、バッファガスとしてヘリウムガスを用いたF2レーザ光源であるため、波長157nmの主光線を発振する際に副次的に波長630〜720nm程度の赤色光(副光線)をも発生させてしまう。そして、この実施形態の各種光センサ(照度計39、インテグレータセンサ41)は、そのような赤色光に感度を有するフォトダイオード等を採用している。このため、その検出値には、露光に寄与する主光線のみならず、露光に寄与しない副光線をも含めて検出してしまうことになり、特に主光線と副光線とでは、光路中における減衰率が異なることもあり(主光線の方が高い)、検出結果に誤差を生じ、その検出結果に基づいて上述したような露光量制御等を行うと、十分に高精度なパターンの形成をなし得ない場合がある。以下、この対策について説明する。
[第1の対策]
図2は第1の赤色光対策を示す図であり、図1に示した露光装置の要部を示している。この例では、分岐光学系における露光光の光路内、即ち、ビームスプリッタ26とインテグレータセンサ41の間にフィルタF1を設けている。このフィルタF1は、蛍石等の真空紫外光を少ない損失で透過させる母材の片面又は両面に、誘電体薄膜、誘電体多層膜、金属薄膜、金属多層膜、誘電体と金属の複合膜等を形成して構成され、波長157nm前後の波長域を含む短い波長域(例えば、190nm以下)の光を透過し、波長630〜720nm程度の波長域を含む長い波長域(例えば、190nm以上)の光を、吸収、散乱、又は反射等させる光学特性を有する光学フィルタである。なお、このフィルタF1は、ファブリペロー型の共振器、プリズム、回折格子等を用いて上記の光学特性を実現するようにしたものを採用してもよい。
レーザ光源12から出射され、ビームスプリッタ26で反射された光は波長157nmの主光線MLと副光線SLとしての赤色光とを含んでいるが、フィルタF1によって、主光線MLと副光線SLとが分離される共に、副光線SLが除去されて主光線MLの占める割合が多い光が透過される。従って、インテグレータセンサ41には、赤色光を含まない主光線のみが入射されるので、光センサ41が赤色光に感度を有するものであっても、当該赤色光の影響による検出の誤差を小さくすることができる。従って、当該検出結果を用いて露光量制御をより正確に行うことが可能になる。尚、フィルタによって赤色光を100%分離することは実際上は不可能であるから、光センサ41の検出結果に悪影響を与えない程度に減衰させることができればよい。
また、光センサ41の検出結果を用いて、ビームスプリッタ26から投影光学系PLのウェハ側の光学素子までの間における光学部材(レンズ27、投影光学系を構成する複数のレンズや、反射ミラー30などを含む)で生じる露光光の減衰率(上記レンズの透過率、反射ミラーの反射率を含む)や、光学部材の間の空間、レチクルRを収容するレチクル室51内に存在する露光吸光物質(酸素、二酸化炭素などの気体や、水、有機物質など)により生じる露光光の吸収率、又はウェハ面上での露光領域内の照度ムラの監視を行うような場合においても、その監視の精度を向上させることができる。
例えば、図1のケース11、サブチャンバ18、投影光学系PLの鏡筒等の気密性が低下して外気(酸素、水など主光線を吸収する露光装置設置環境の大気)が少なくとも1つの空間に進入した場合にはその空間を通過する主光線の透過率は低くなるから、時間的な照度ないし光量の変化を検出することができる。この場合、ウェハステージ上の照度計39には、主光線MLと副光線SLとを含む光が入射する。
しかしながら、赤色光は、少なくとも一つの空間内に外気が侵入しても、赤色光自身の透過率に殆ど変化が生じない。従って、光センサ41が、副光線SLを除去した後の主光線MLが占める割合が多い光を検出しているために、光センサ39で副光線SL及び主光線MLに感度をもっていたとしても、ビームスプリッタ26から光センサ39に到達する主光線MLが占める割合が多い光の到達率(言いかえれば、光学部材及び光路中の空間に存在する吸光物質により減衰率)を正確に検出することができる。
すなわち、主光学系の光路内の少なくとも一つの空間に対して、外気の侵入があったり、光学部材表面の露光光が通過する領域の汚染状態を軽微な段階で、精度良く検出することが可能となる。また、真空紫外光のビームスプリッタ26から光センサ39の間に配置される光学部材の表面に対する真空紫外光の照射を停止すると、その空間中に存在する不純物質(ここでは、吸光物質を示す)が光学部材表面に付着する。しかしながら、再び、真空紫外光の照射を開始すると、光学部材表面に付着していた不純物質が表面から脱離する、所謂、光洗浄効果が起きる。本実施の形態では、このような光洗浄の効果が光センサ39と、光センサ41との出力によって、正確に確認することができる。
なお、照度計39に入射する赤色光を主光線から分離し、主光線MLが占める割合が多い光を照度計39が検出できるように、主光学系内に当該フィルタを別途設けてもよい。当該フィルタをインテグレータセンサ41、照度計39の直前に設ける場合には、当該フィルタをインテグレータセンサ41、照度計39の一部として一体的に設けるようにしてもよい。
また、図3に示すように、照明光学系の光路中でビームエキスパンダ19の下流側(ウェハW側)にフィルタF3を設けてもよい。この構成では、フィルタF3をビームスプリッタ26よりも上流側(光源12側)に設けているので、インテグレータセンサ41及び照度計39の両者について、1個のフィルタで対策できる点で、コスト的にあるいは光学特性上も有利(減衰が少ない)であるといえる。また、フィルタF3をビームエキスパンダ19の下流側に配置することにより、露光光の断面積がビームエキスパンダ19によって拡大されて、エネルギー密度が低下するので、フィルタF3の寿命を長くすることができる。但し、フィルタを配置する位置は、ビームエキスパンダ19よりも上流側の位置(例えば、図3に符号F2で示す)に配置することも勿論可能である。
さらに、上述した実施形態では、フィルタF3は1個を設けるものとしているが、複数個のフィルタを光路上に集合的に1箇所に、あるいは離散的に配設するようにしてもよい。
[第2の対策]
図4は第2の赤色光対策を示す図であり、図1に示した露光装置の要部を示している。この実施形態では、第1の対策で用いたフィルタF1の代わりに、分岐光学系としてのビームスプリッタ26で分岐された光路内、即ち、ビームスプリッタ26とインテグレータセンサ41との間にダイクロイックミラーM1を設けている点で異なる。その他の構成及び作用については、第1の対策と同じなので、説明を省略する。
このダイクロイックミラーM1は、波長157nm前後の波長域を含む短い波長域(例えば、190nm以下)の光を反射し、波長630〜720nm程度の波長域を含む長い波長域(例えば、190nm以上)の光を透過させる光学特性を有する反射透過型のミラーである。
このダイクロイックミラーM1は、例えば、図5に示すように、蛍石等の真空紫外光を少ない損失で透過させる母材48の表面に、弗化物からなる誘電体多層膜49を形成して構成され、主光線MLを反射し、副光線(赤色光)SLを透過する。
なお、変形例として、ダイクロイックミラーM1を分岐光学系の光路内に配置せずに、図6に示すように反射ミラー23に代えてダイクロイックミラーM2を設けてもよい。この構成では、ダイクロイックミラーM2はビームエキスパンダ19の下流側(ウェハW側)に配置されているので、ビームエキスパンダ19の上流側(レーザ光源12側)に設ける場合と比較して、露光光のエネルギー密度が低いので、ダイクロイックミラーM2の寿命を長くすることができる。但し、ダイクロイックミラーを配置する位置は、ビームエキスパンダ19よりも上流側の位置に設けるようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態では、ダイクロイックミラーM2は1個を設けるものとしているが、複数個のダイクロイックミラーを分岐光学系の露光光の光路上に離散的に配設し、あるいは上述した光学フィルタF1〜F3と組み合わせて設けるようにしてもよい。
[第3の対策]
図7は第3の赤色光対策を示す図であり、インテグレータセンサ41及びその近傍を示している。この実施形態では、図1のインテグレータセンサ41として、同一の光センサ(インテグレータセンサ41と同じもの)42,43を互いに隣接して二つ配置している。そして、図1において、ビームスプリッタ26により分岐された分岐光学系をさらに二つ(等分)に分岐させて、一方を光センサ42に、他方を光センサ43に入射させるようにし、光センサ43の光路上にフィルタF4を設けている。
このフィルタF4は、上述したフィルタF1〜F3とほぼ反対の光学特性を有しており、波長630〜720nm程度の波長域を含む長い波長域(例えば、190nm以上)の光を透過し、波長157nm前後の波長域を含む短い波長域(例えば、190nm以下)の光を吸収、散乱、又は反射等させる光学特性を有する光学フィルタである。
このフィルタF4としては、光学硝子、合成石英、アクリル板、プラスチック板、塩化ナトリウム板等を採用することができ、赤色光の透過率が高いことが望ましい。また、光センサ43に対する光路上に酸素、水、二酸化炭素、一酸化炭素、有機物、珪素化合物等の真空紫外光を著しく減衰させるガスを導いたり、何らかの容器に封入して設けるようにしてもよい。
光センサ42の受光面42Aには主光線ML及び副光線SLの両者を含む光が入射され、光センサ43の受光面43AにはフィルタF4によって主光線MLが分離された副光線SLの占める割合が多い光が入射されることになる。
光センサ42及び光センサ43のそれぞれの検出値は、補正装置44に供給される。補正装置44は、光センサ42による検出値(主光線及び副光線の両者を含む検出値)から光センサ43による検出値(副光線のみを含む検出値)を減算することにより、主光線の光情報(例えば、光強度、光量、照度など)についての検出値を算出し、これをインテグレータセンサ41による検出結果DSとして、露光コントローラ40に供給する。
この実施形態のフィルタF4は、主光線MLから副光線SLを分離して、副光線SLを透過する分離装置であり、一般に真空紫外光を透過させる物質は限定されており、反対にこれを吸収する物質は各種のものがあるので、真空紫外光を透過させ赤色光を透過させないためのフィルタF1〜F3と比較して、その構成が簡略で、そのコストも安価である点で有利であるといえる。
尚、上述した説明では、一対の光センサ42,43に対して、主光学系からビームスプリッタ26により分岐させた分岐光学系をさらに二分岐させて光をそれぞれ導くものと説明したが、分岐光学系を二分岐させずに、光センサ42,43の受光面42A,43Aを分岐光の断面積よりも小さくして当該分岐光をそれぞれの受光面42A,43Aに同時に入射するように構成してもよい。
また、上述した説明では、インテグレータセンサ41についての説明としたが、照度計39についても、同様の構成を適用することができる。
[第4の対策]
図8は第4の赤色光対策を示す図であり、インテグレータセンサ41及びその近傍を示している。この対策では、図3に示したものとほぼ同様の構成であるが、図3のフィルタF3に代えてフィルタF5をインテグレータセンサ41の受光面41Aの直前に配置している。このフィルタF5は、上述したフィルタF4と同様に主光線を分離して副光線のみを透過するフィルタであるので、その説明は省略する。
このフィルタF5は、移動装置によってインテグレータセンサ41の受光面41Aの直前に位置する第2位置P2と、該第2位置P2から待避される第1位置P1に選択的に移動されるように構成されている。即ち、フィルタF5はホルダ47に固定されており、ホルダ47は駆動モータ46によって回転駆動されるようになっている。駆動モータ46によりフィルタF5を駆動することにより、フィルタF5を第1位置P1と第2位置P2との間で高速に移動することができる。尚、移動装置としては、当該フィルタF5を第1位置P1と第2位置P2との間で直線的にスライドさせるものを採用してもよい。
フィルタF5が第1位置P1にあるときには、インテグレータセンサ41の受光面41Aには主光線ML及び副光線SLの両者を含む光が入射され、一方、フィルタF5が第2位置P2にあるときには、インテグレータセンサ41の受光面41AにはフィルタF5によって主光線MLが分離された副光線SLの割合が多い光が入射されることになる。
この対策では、インテグレータセンサ41の検出値は、補正装置45を介して露光コントローラ40に供給されるようになっている。補正装置45は、フィルタF5が第1位置P1にあるときのインテグレータセンサ41による検出値(主光線及び副光線の両者を含む検出値)から、フィルタF5が第2位置P2にあるときのインテグレータセンサ41による検出値(副光線のみを含む検出値)を減算することにより、主光線についての検出値を算出し、これをインテグレータセンサ41による検出結果DSとして、露光コントローラ40に供給する。
この実施形態のフィルタF5は、上述のフィルタF4と同様に主光線MLから副光線SLを分離して副光線SLを透過する分離装置であり、一般に真空紫外光を透過させる物質は限定されており、反対にこれを吸収する物質は各種のものがあるので、真空紫外光を透過させ赤色光を透過させないためのフィルタF1〜F3と比較して、その構成が簡略で、そのコストも安価である点で有利であるといえる。また、これに加えて、上述の第4の対策のように光センサ(42,43)を二つ設ける必要がなく、構成がより簡単となる。
尚、移動装置46,47によるフィルタF5の位置の切り換えの制御は、不図示の制御装置によってなされるが、切り換えの周期はなるべく速い方がよい。例えば、レーザ光源12によるパルス発振の1パルス毎に位置P1,P2が切り換わるような周期で行うようにするとよい。露光光の照度は経時的に変化するので、速い周期で切り換えを行った方が検出結果の精度を向上することができるからである。また、検出結果を障害監視に用いる場合においては、障害の発生をより早期に検出することができるからである。
また、上述した説明では、インテグレータセンサ41についての説明としたが、照度計39についても、同様の構成を適用することができる。
[その他]
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上述の説明では、インテグレータセンサ41又は照度計39についての説明としたが、その他に露光装置には各種の光センサが設けられる。例えば、ウェハステージ38上には、照度計39の他に同様の光電変換素子からなる照度むらセンサも設けられるが、そのような照度むらセンサについても本発明を適用することができる。
本実施形態で用いられる光センサの受光面には、カバーガラスが配置されている。このカバーガラスは、本実施形態における露光装置の光学系を構成する硝材と同じ硝材で形成される。
このカバーガラスは、光路内の空間、即ち、不活性ガスで満たされた空間内に配置されている。そのために、カバーガラスの表面は、真空紫外光の照射による光洗浄効果によって、ガラス表面に付着した吸光物質の脱離が起きる。また、真空紫外光の照射を停止した時に、その空間中に存在する吸光物質がカバーガラスの表面に付着する現象が生じる。この吸光物質は、センサ自身を構成する各種部品(配線や、回路基板など)から発生するアウトガスが含まれる。そのため、吸光物質の付着及び光洗浄により、光センサの出力が変動する可能性がある。そのため、光洗浄効果によって、カバーガラス表面に吸光物質が付着していない状態で検出した露光光の光情報をリファレンスとして記憶しておき、所定タイミングで、実際の計測値と、記憶されたリファレンスとを比較することが好ましい。
また、比較した結果、値がずれていた場合には、キャリブレーションすることが望ましい。センサをキャリブレーションする場合には、予め露光装置に取り付けられている光センサと同じ検出感度をもつ基準の光センサを用意し、この基準の光センサの検出結果に基づいて、露光装置に取り付けられている光センサをキャリブレーションしてもよい。
インテグレータセンサであれば、1パルス毎に比較することも可能であり、また、照度計は、照度検出時、例えば、ウェハ交換毎に比較することができる。
上述した実施形態では、露光光の光路をヘリウムガスで置換する構成についての説明としたが、窒素、アルゴン、ネオン、クリプトンなどのガス、またはそれの混合ガスであって、真空紫外域の光に対する吸収性の少ない特性を有するガス(不活性ガスと称する)を用いてもよい。また、露光光の光路を複数に分割し、各分割した光路毎にガスの種類を異ならせてもよい。例えば、照明光学系、レチクル室、投影光学系、ウエハ室とし、投影光学系をヘリウムガスで置換し、照明光学系、ウエハ室及びレチクル室を窒素ガスで置換してもよい。さらに、ウエハ室を設けずに、投影光学系とウエハとの間にガスを常時流す構成であってもよい。
また、露光装置の光学系を構成する硝材として、蛍石、石英などのほかに、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、リチウム−カルシウム−アルミニウム−フローライド、及びリチウム−ストロンチウム−アルミニウム−フローライドなどの結晶や、ジルコニウム−バリウム−ランタン−アルミニウムからなるフッ化ガラスや、フッ素をドープした石英ガラス、フッ素に加えて水素もドープされた石英ガラス、OH基を含有させた石英ガラス、フッ素に加えてOH基を含有した石英ガラスなどの改良石英を用いてもよい。
また、上述の説明では、ステップ・アンド・スキャン方式の縮小投影型露光装置(スキャニング・ステッパー)についての説明としたが、レチクルとウェハとを静止させた状態でレチクルパターンの全面に露光光を照射して、そのレチクルパターンが転写されるべきウェハ上の1つの区画領域(ショット領域)を静止露光するステップ・アップ・リピート方式の縮小投影型露光装置(ステッパー)にも本発明を適用することができる。さらに、ステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影型露光装置やミラープロジェクション・アライナー等にも適用することができる。
さらに、半導体素子や液晶表示素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、プラズマディスプレイ、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、DNAチップなどの製造に用いられる露光装置、及びレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウェハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。即ち本発明は、露光装置の露光方式や用途等に関係なく適用可能である。
また、上述した実施形態では、露光装置の光源として、F2レーザ光源を例示したが、露光に用いる主光線以外に副次的に不要光(副光線)を発生する光源であれば、本発明を適用することができる。
前述した本発明の実施形態に係る露光装置(図1)は、ウェハWを精度よく高速に位置制御することができ、スループットを向上しつつ高い露光精度で露光が可能となるように、光源12、フィルタF1〜F5又はダイクロイックミラーM1〜M3を含む各種の光学素子ないし光学装置を含んで構成される照明光学系、インテグレータセンサ41及び照度計39を含むエネルギー制御系、レチクルステージ36を含むマスクアライメント系、ウェハステージ38を含むウェハアライメント系、投影光学系PL等の図1に示された各要素等が電気的、機械的、又は光学的に連結して組み上げられた後、総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造される。尚、露光装置の製造は、温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
本発明の実施形態に係る露光装置を用いてデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)を生産するには、まず、設計ステップにおいて、デバイスの機能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、マスク製作ステップにおいて、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ウェハ製造ステップにおいて、シリコン等の材料を用いてウェハを製造する。
次に、ウェハプロセスステップにおいて、上記ステップで用意したマスクとウェハを使用して、リソグラフィ技術によってウェハ上に実際の回路等を形成する。次いで、組立ステップにおいて、ウェハプロセスステップにおいて処理されたウェハを用いてチップ化する。この組立ステップには、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程が含まれる。最後に、検査ステップにおいて、組立ステップで作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
以上説明したように、本発明によると、露光に寄与する主光線及び該主光線の波長と異なる副光線を含む光を出射する光源を用いた場合であっても、主光線のエネルギーを正確に計測することができ、その結果、露光量制御やその他、障害監視等を高い精度で行うことができるようになるという効果がある。
本開示は、2000年9月19日に提出された日本国特許出願第2000−282980号に含まれた主題に関連し、その開示の全てはここに参照事項として明白に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の実施形態に係るステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置の全体構成を示す図、
図2は本発明の実施形態の第1の赤色光対策を説明するための構成図、
図3は本発明の実施形態の第1の赤色光対策におけるフィルタの位置の変更例を示す構成図、
図4は本発明の実施形態の第2の赤色光対策を説明するための構成図、
図5は本発明の実施形態の第2の赤色光対策におけるダイクロイックミラーの構成図、
図6は本発明の実施形態の第2の赤色光対策におけるダイクロイックミラーの位置の変更例を示す構成図、
図7は本発明の実施形態の第3の赤色光対策を説明するための構成図、
図8は本発明の実施形態の第4の赤色光対策を説明するための構成図である。
Claims (15)
- 露光対象としての基板をパターンが形成されたマスクを介して露光する露光装置であって、
前記基板を感光させる波長の主光線及び該主光線の発振に伴い副次的に発生する該主光線の波長と異なる波長の副光線を含む光を出射する光源と、
前記光源からの光を前記マスクを介して前記基板に導く主光学系と、
少なくとも前記主光線を含む波長域に感度を有する光センサと、
前記光源から前記光センサに至る光路上に設けられ、前記主光線と前記副光線とを分離する分離装置と、を備えた露光装置。 - 前記主光学系内に配置され、前記光の一部を前記光センサに導く分岐光学系を備え、
前記分離装置を前記分岐光学系と前記光センサとの間に設けた請求項1に記載の露光装置。 - 前記分離装置で分離された前記主光線に基づいて、前記基板に対する積算光量を制御する制御装置を有する請求項1又は2に記載の露光装置。
- 前記分離装置を前記分岐光学系により分岐された前記光の光路から待避される第1位置及び当該光路上に配置される第2位置との間で選択的に移動する移動装置を備えた請求項2に記載の露光装置。
- 前記分離装置が前記第1位置に移動したときの前記光センサの計測結果を、前記分離装置が前記第2位置に移動したときの前記光センサの計測結果に基づいて補正する補正装置をさらに備えた請求項4に記載の露光装置。
- 前記分離装置は前記主光線の波長を含む波長帯域の光を透過し、前記副光線の波長を含む波長帯域の光を減衰する光学フィルタである請求項1〜5のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記分離装置は前記主光線の波長を含む波長域の光を反射し、前記副光線の波長を含む波長帯域の光を透過する反射透過型のミラーである請求項1〜5のいずれか一項に記載の露光装置。
- 露光対象としての基板をパターンが形成されたマスクを介して露光する露光装置であって、
前記基板を感光させる波長の主光線及び該主光線の発振に伴い副次的に発生する該主光線と異なる波長の副光線を含む光を出射する光源と、
前記光源からの光を前記マスクを介して前記基板に導く主光学系と、
前記主光線及び前記副光線の波長を含む波長域に感度を有する第1光センサと、
少なくとも前記副光線の波長を含む波長帯域に感度を有する第2光センサと、
前記主光学系における前記光の光路内に配置され、前記光の一部を前記第1光センサに導く第1分岐光学系と、
前記主光学系又は前記第1分岐光学系における前記光の光路内に配置され、前記光の一部を前記第2光センサに導く第2分岐光学系と、
前記第2分岐光学系と前記第2光センサとの間に設けられ、前記主光線と前記副光線とを分離する分離装置と、を備えた露光装置。 - 前記第1光センサによる計測結果を前記第2光センサによる計測結果に基づいて補正する補正装置をさらに備えた請求項8に記載の露光装置。
- 前記光源はF2レーザ光源である請求項1〜9のいずれか一項に記載の露光装置。
- 露光対象としての基板を感光させる波長の主光線及び該主光線の波長と異なる波長の副光線を含む露光光を用いて、パターンが形成されたマスクを介して該基板を露光する露光方法であって、
前記主光線及び前記副光線を含む前記露光光から該副光線を分離し、
該分離した後の露光光のエネルギーを計測し、
該計測結果に基づいて前記基板に対する積算露光量を制御する露光方法。 - 露光対象としての基板を感光させる波長の主光線及び該主光線の波長と異なる波長の副光線を含む露光光を用いて、パターンが形成されたマスクを介して該基板を露光する露光方法であって、
前記主光線及び前記副光線を含む前記露光光の一部を分岐し、
該分岐された露光光から前記副光線を分離し、
該分離した後の露光光のエネルギーを計測し、
該計測結果に基づいて前記基板に対する積算露光量を制御する露光方法。 - 露光対象としての基板を感光させる波長の主光線及び該主光線の波長と異なる波長の副光線を含む光に基づく露光光を用いて、パターンが形成されたマスクを介して該基板を露光する露光方法であって、
前記主光線及び前記副光線を含む前記露光光の第1エネルギーを計測し、
前記主光線及び前記副光線を含む前記露光光から前記主光線を分離し、
前記主光線を分離した後の露光光の第2エネルギーを計測し、
前記第1エネルギーを前記第2エネルギーに基づいて補正し、補正された前記第1エネルギーに基づいて前記基板に対する積算露光量を制御する露光方法。 - 前記主光線及び前記副光線を含む光はF2レーザ光源から出射されるレーザ光である請求項11,12又は13に記載の露光方法。
- 請求項11〜14のいずれか一項に記載の露光方法を用いて前記マスクのパターンの像を前記基板に転写するステップを有するデバイス製造方法。
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