JPWO2001093319A1 - ガス供給システム、露光装置及びデバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
露光装置の光学特性に大きく影響を及ぼすことなく、吸光物質による露光光の減衰を防止し、露光光を安定して基板に到達させることができるガス供給システム及び露光装置を提供する。空間PAに所定ガスを供給する供給用配管30と、被精製ガスから所定ガスを精製する複数のガス精製器40,41を有する精製装置33とを設け、供給用配管30を複数のガス精製器40,41に接続する。
Description
技術分野
本発明は、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜磁気ヘッド等の電子デバイスを製造するための露光装置に関し、特に露光装置内の空間に所定のガスを供給するためのガス供給システムに関する。
本出願は、日本国への特許出願(特願2000−163614)を基礎としており、その内容をここに組み込むものとする。
背景技術
半導体素子(集積回路等)や液晶表示パネル等のデバイス(電子デバイス)をフォトリソグラフィ工程において製造する際に、光源からの露光用照明光(露光光)によってマスク又はレチクル(以下、レチクルと総称する)を照明し、レチクルのパターン(回路パターン)を投影光学系を介して基板(感光剤が塗布されたウエハ、ガラスプレートなど)に転写する露光装置が用いられている。電子デバイスの回路は、上記投影露光装置で上記基板上に回路パターンを露光することにより転写され、後処理によって形成される。こうして形成される回路配線を例えば20層程度にわたって繰り返し成層したものが集積回路である。
近年、集積回路の高密度集積化、すなわち回路パターンの微細化が進められており、これに伴い、露光装置における露光光が短波長化される傾向にある。すなわち、露光光として、これまで主流だった水銀ランプの輝線にかわって、KrFエキシマレーザ(波長:248nm)が用いられるようになり、さらに短波長のArFエキシマレーザ(193nm)の実用化も最終段階に入りつつある。また、さらなる高密度集積化をめざして、F2レーザ(157nm)やAr2レーザ(126nm)の研究も進められている。
波長120nm〜200nm程度の光(エネルギービーム)は真空紫外域に属し、これらの光(以下、真空紫外光と称する)は、空気を透過しない。これは、空気中に含まれる酸素、水、炭酸ガス、有機物、ハロゲン化物等(以下、「吸光物質」と呼ぶ)の分子によって光のエネルギが吸収されるからである。
したがって、真空紫外光を露光光として用いる場合、基板上で所望の照度(光量)を得るには、露光装置内の光路空間(すなわち、光源から基板までの空間)における吸光物質の濃度を十分低くし、露光光の透過率を高める必要がある。そのため、露光空間を吸光物質がほとんど含まれない高純度のパージガスで満たす必要がある。また、光路中の空間には、複数の光学素子(反射光学素子や、レンズ等)が配置されており、この光学素子間の温度や圧力などの環境が変化すると露光装置の光学特性が変化することが知られており、安定的に露光光を基板に到達させるには、パージガスの状態を適切に管理する必要がある。
本発明は、上述する事情に鑑みてなされたものであり、露光装置の光学特性に大きく影響を及ぼすことなく、吸光物質による露光光の減衰を防止し、露光光を安定して基板に到達させることができるガス供給システム及び露光装置を提供することを目的とする。
発明の開示
上述課題を解決することを目的として、本発明は、露光装置内の空間(PA)に供給用配管(30)を介して所定ガスを供給するためのガス供給システムおいて、前記所定ガスを被精製ガスから精製する複数のガス精製器(40,41)を備え、前記供給用配管(30)は、前記複数のガス精製器(40,41)にそれぞれ接続されることを特徴としている。
このガス供給システムでは、ガス精製器によって被精製ガスから所定ガスを精製し、この精製後の所定ガスを供給用配管を介して露光装置内の空間に供給する。これにより、露光装置内の空間を、吸光物質が低減された高純度のガスによって満たすことが可能となる。さらに、供給用配管は複数のガス精製器に接続されるため、一のガス精製器を用いる場合に比べて安定的に露光装置内の空間に高純度の所定ガスを供給することが可能となる。
なお、ここで「空間」とは、例えば筐体の内部空間のように、物体に囲われた立体的な領域を意味し、気密性を有するもの、気密性を有しないもののいずれも含むものとする。「気密性を有しない空間」とは、例えば、筐体内の気圧が外部気圧より高く設定され、外部の空気が筐体内に流入しない空間である。また、「露光装置内の空間」としては、光源から基板までの間に形成される空間であり、例えば、レチクルを照明する照明光学系を収容する照明系ハウジング、レチクルに形成されたパターンの像を基板に投影する投影光学系を収容する鏡筒、レチクルを収容するレチクル室、基板を収容するウエハ室が該当する。また、照明系ハウジング及び鏡筒内に配置される複数の光学素子の間の空間(特に光学素子が面する空間)も該当する。
この場合にあって、本発明の他の実施態様におけるように、前記被精製ガスは、被精製ガス供給源から供給され、前記被精製ガス供給源は、前記被精製ガスを収容したガスボンベ(36)、又は前記空間(PA)であってもよい。被精製ガス供給源がガスボンベである場合、ガスボンベ内に収容された被精製ガスがある程度の純度を有する特定ガスであっても、ガス精製器によって特定ガスがさらに高純度に精製される。また、ガスボンベ内に収容された被精製ガスが高純度の所定ガスであっても、ガスボンベとガス精製器との間の経路途中で、高純度の所定ガスに不純物が混入し、所定ガスの純度が低下したとしても、ガス精製器によって、その所定ガスが高純度のガスに精製される。さらに、被精製ガス供給源が露光装置内の空間である場合、その空間からのガスを精製して再利用することにより、ガスの消費量が低減される
また、更に他の実施態様においてガス供給システムは、前記空間(PA)に対して、前記複数のガス精製器(40,41)のうち、いずれか一つのガス精製器を選択的に接続する切換装置(44)を有してもよい。また。ガス供給システムは、前記ガス精製器で精製された精製ガスに含まれる不純物の濃度、又は前記所定ガスの濃度を計測する第1計測装置(42)を有し、前記切換装置(44)は、前記第1計測装置(42)による計測結果に基づいて、前記いずれか一つのガス精製器を接続してもよい。この場合、第1計測装置によって計測される不純物の濃度又は前記所定ガスの濃度に基づいて、露光装置内の空間に対していずれか一つのガス精製器が選択的に接続されるので、性能が大きく低下したガス精製器の使用を中止したり、性能の高いガス精製器を優先して用いたりすることにより、高純度の所定ガスを安定して露光装置内の空間に供給することが可能となる。
また、更に他の実施態様においてガス供給システムは、前記被精製ガスに含まれる不純物の濃度又は前記所定ガスの濃度を、前記ガス精製器の上流で計測する第2計測装置(52)と、前記第2計測装置(52)による計測結果に基づいて、前記ガス精製器(53,54)の上流から外部に前記被精製ガスを排出するガス排出装置(55)とを備えてもよい。この場合、第2計測装置によって計測される不純物の濃度又は所定ガスの濃度に基づいて、前記ガス精製器の上流から外部にガスが排出されるので、過度に汚染されたガスがガス精製器に流入するのが防止され、ガス精製器の性能の著しい低下を防止することができる。
また、更に他の実施態様においてガス供給システムは、所定ガスを補充するためのガス補充装置(51)を備え、前記ガス補充装置(51)は、前記ガス精製器(53,54)の上流に接続されてもよい。この場合、ガス補充装置からのガスがガス精製器によって精製されるので、ガスの補充に伴う露光装置内の空間への不純物の混入が抑制される。
また、更に他の実施態様において、露光装置内の空間(PA)に所定ガスを供給するためのガス供給システムは、前記所定ガスをガス供給用配管(61)を介して、前記空間(PA)に供給するための供給装置(63)と、前記ガス供給用配管(61)内を流れる前記所定ガスの圧力変動を抑制するための脈動抑制装置(62)とを備える。
このガス供給システムでは、脈動抑制装置によって露光装置内の空間に供給するガスの圧力変動を抑制するので、ガスの供給に伴う露光装置内の空間における圧力変化が低減される。
この場合にあって、前記脈動抑制装置(62)は、前記露光装置の直前に配されることにより、ガス供給システムを起因とするガスの圧力変動が効果的に抑制される。
また、更に他の実施態様においてガス供給システムの前記脈動抑制装置(62)は、前記ガス供給用配管(61)内を流れるガスの圧力変動を3mmHg以下に抑制するようにしてもよい。この場合、露光装置の光学特性に及ぼすガスの圧力変動の影響が確実に防止される。
また、本発明は、エネルギビームの光路内に形成された複数の空間を有する露光装置において、前記複数の空間の少なくとも1つに所定ガスを供給するために、上述のガス供給システムを備えることを特徴としている。
また、本発明は、リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法であって、前記リソグラフィ工程で上述の露光装置を用いてデバイスを製造することを特徴としている。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明に係るガス供給システムを備える露光装置の第1実施形態について図面を参照して説明する。本例は、露光用のエネルギビームとして真空紫外光を用いるステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に本発明を適用したものである。
図2は、本例の露光装置の概略構成を示す一部を切り欠いた構成図であり、この図2において、本例の露光装置の機構部は照明光学系部5、レチクル操作部6、投影光学系PL及びウエハ操作部7に大きく分かれており、さらに照明光学系部5、レチクル操作部6、投影光学系PL、ウエハ操作部7は、それぞれ箱状の照明系チャンバ1、レチクル室2、鏡筒3、ウエハ室4の内部に外気(ここでは、後述のチャンバの気体)から隔離されて実質的に密閉された状態で収納されている。なお、「密閉された状態」とは、内部空間と外部空間との間で気体の流通(流出入)がない状態、又は内部空間と外部空間との間で気体の流通はあるものの、内部空間から外部空間に気体が流出するように、内部空間の圧力が外部空間の圧力より高く設定され、外部空間から内部空間への気体の流入が抑制されている状態を示す。
また、この露光装置内の空間、すなわち照明系チャンバ1、レチクル室2、鏡筒3、ウエハ室4の各内部空間(特に光学素子が面する空間)には、後述するガス供給システム8によって温度制御された気体(パージガス)が供給されている。さらに、本例の露光装置は全体として、内部の気体の温度が所定の目標範囲内に制御された一つの大きいチャンバ(不図示)の内部に収納されている。
前記照明光学系部5において、露光光源11として真空紫外域の波長157nmのパルスレーザ光を発生するF2レーザ光源が使用されており、露光光源11の射出端が照明系チャンバ1の下部に取り付けられている。露光時に露光光源11から照明系チャンバ1内に射出された露光光IL(エネルギビーム)は、ミラー12で上方に反射され、照明系の断面形状の整形と光量制御とを行うビーム整形光学系13を介してオプティカル・インテグレータ(ホモジナイザー)としてのフライアイレンズ(又はロッドレンズ)14に入射する。フライアイレンズ14の射出面には開口絞り(不図示)が配置され、フライアイレンズ14から射出されてその開口絞りを通過した露光光ILは、ミラー15によってほぼ水平方向に反射されて、リレーレンズ16を介して視野絞り(レチクルブラインド)17に達する。
視野絞り17の配置面は露光対象のレチクルRのパターン面とほぼ共役であり、視野絞り17は、そのパターン面での細長い長方形の照明領域の形状を規定する固定ブラインドと、走査露光の開始時及び終了時に不要な部分への露光を防止するためにその照明領域を閉じる可動ブラインドとを備えている。視野絞り17を通過した露光光ILは、リレーレンズ18、ミラー19、及び照明系チャンバ1の先端部に固定されたコンデンサレンズ系20を介してレチクルRのパターン面上の長方形(スリット上)の照明領域を均一な照度分布で照明する。露光光源11〜コンデンサレンズ系20により照明光学系部5が構成され、照明光学系部5内の露光光ILの光路、すなわち露光光源11からコンデンサレンズ系20までの光路が照明系チャンバ1によって密閉されている。なお、照明光学系部5と、露光光源11との間には、照明光学系部5の光軸と露光光源から射出される露光光ILの光軸とを調整するためのビームマッチングユニット(不図示)が設けられている。また、このビームマッチングユニットに、振動等による光軸ずれを補正するための不図示の自動追尾機構を設けてもよい。
こうした照明光学系部5からの露光光ILのもとで、レチクルRの照明領域内のパターンの像が投影光学系PLを介して所定の投影倍率β(βは例えば1/4,1/5等)で、感光材(フォトレジスト)が塗布されたウエハW上に投影される。ウエハWは例えば半導体(シリコン等)又はSOI(silicon on insulator)等の円板状の基板である。
ここで、本例のように露光光ILがF2レーザ光である場合には、透過率の良好な光学硝材は蛍石(CaF2の結晶)、フッ素や水素等をドープした石英ガラス、及びフッ化マグネシウム(MgF2)等に限られるため、投影光学系PLを屈折光学部材のみで構成して所望の結像特性(色収差特性等)を得るのは困難である場合がある。そのため、投影光学系PLとして、屈折光学部材と反射鏡とを組み合わせた反射屈折系を採用してもよい。以下、投影光学系PLの光軸AXと交差する方向にX軸を取り、図2の紙面に垂直にY軸を取って説明する。本例のレチクルR上の照明領域はX方向に細長い長方形であり、露光時のレチクルR及びウエハWの走査方向はY方向であるとする。
前記レチクル操作部6において、レチクルRはレチクルステージ21上に保持されている。このレチクルステージ21は不図示のレチクルベース上でY方向にレチクルRを連続移動するとともに、X方向、Y方向及び回転方向に同期誤差を低減させるようにレチクルRを微小駆動する。レチクルステージ21の位置及び回転角は不図示のレーザ干渉計によって高精度に計測され、この計測値及び装置全体の動作を統括制御するコンピュータよりなる主制御系25からの制御情報に基づいてレチクルステージ21が駆動される。レチクルステージ21、及び不図示のレチクルベースやレチクルローダ等からレチクル操作部6が構成され、レチクル操作部6内の露光光ILの光路、すなわちコンデンサレンズ系20から投影光学系PLのレチクル側の光学部材までの光路がレチクル室2によって密閉されている。
前記投影光学系PLにおいて、不図示の複数の光学部材(光学素子)が鏡筒3内に収納されており、投影光学系PLのレチクル側の光学部材からウエハ側の光学部材までの光路が鏡筒3内に密閉されている。なお、後述するガス供給システム8からの気体(パージガス)は、この投影光学系PLにおいて、光学部材が面する各密閉空間に供給されるようになっている。
本例において、投影光学系PLを構成する全ての屈折光学部材(光学素子)には蛍石(CaF2の結晶)を使用している。また、エネルギビームとしてのF2レーザ光の発振中心波長は157.6nmであり、波長幅が157.6nm ±10pmの光に対して色収差が補正されているとともに、球面収差、非点収差、及び歪曲収差などの諸収差も良好に補正されている。
前記ウエハ操作部7において、ウエハWはウエハホルダ22上の凹部よりなる載置面に吸着保持され、ウエハホルダ22はウエハステージ23上の凹部に固定され、ウエハステージ23の表面23aはウエハWの表面及びウエハホルダ22の表面とともにほぼ同一平面上に配置されている。これによって、ウエハWの表面を気体が円滑に流れるようになっている。ウエハステージ23はウエハベース24上でY方向にウエハWを連続移動するとともに、X方向及びY方向にウエハWをステップ移動する。また、ウエハステージ23は、不図示のオートフォーカスセンサによって計測されるウエハWの表面の光軸AX方向の位置(フォーカス位置)の情報に基づいて、オートフォーカス方式でウエハWの表面を投影光学系PLの像面に合焦させる。ウエハステージ23のX方向、Y方向の位置、及びX軸の回りの回転角(ピッチング量)、Y軸の回りの回転角(ローリング量)、Z軸の回りの回転角(ヨーイング量)は不図示のレーザ干渉計によって高精度に計測され、この計測値及び主制御系25からの制御情報に基づいてウエハステージ23が駆動される。
また、ウエハホルダ22、ウエハステージ23、及びウエハベース24によりウエハ操作部7が構成され、ウエハ操作部7の+X方向に搬送系としてのウエハローダ等(不図示)が配置されている。さらに、ウエハ操作部7における露光光ILの光路、すなわち投影光学系PLのウエハ側の光学部材からウエハベースまでの光路がウエハ室4によって密閉されている。なお、ウエハ室4の一側面に開閉扉を取り付け、ウエハWを交換するときに、その扉を開く構成としてもよい。 ここで、前記ガス供給システム8について図1を参照して説明する。
本実施形態のガス供給システム8は、パージガスとしての所定ガスを高純度な状態で照明系チャンバ1、レチクル室2、鏡筒3及びウエハ室4の各内部空間(以後、各空間を総称してパージ空間PAと呼ぶ)に供給するものであり、本例では上述した各パージ空間PAから回収した回収ガスを被精製ガスとして精製して再利用するように構成されている。パージガスとしては、露光光ILに対して透過率の高い不活性な気体、すなわち吸光物質をほとんど含まない気体(後述する「透過ガス」)が用いられる。
本例の露光光ILは波長157nmの真空紫外光であるため、その露光光ILに対する吸光物質としては、酸素(O2)、水(水蒸気:H2O)、炭酸ガス(二酸化炭素:CO2)、有機物、及びハロゲン化物等がある。一方、露光光ILが透過する気体(エネルギ吸収がほとんど無い物質)としては、窒素ガス(N2)の他に、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、ラドン(Rn)よりなる希ガスがある。以降、この窒素ガス及び希ガスをまとめて「透過ガス」と呼ぶことにする。
ここで、窒素ガスは波長が150nm程度以下の光に対しては吸光物質として作用し、ヘリウムガスは波長100nm程度まで透過性の気体として使用可能である。また、ヘリウムガスは熱伝導率が窒素ガスの約6倍、気圧変化に対する屈折率の変動量が窒素ガスの約1/8であるため、特に高透過率と光学系の結像特性の安定性や冷却性とで優れている。
本例では、結像特性の安定性や冷却性等の観点より、露光光ILが透過するパージガスとして、ヘリウムガスを使用するものとする。なお、ヘリウムガスは高価であるため、露光ビームの波長がF2レーザのように150nm以上である場合には、運転コストを低減させるためにパージガスとして窒素ガスを使用してもよい。
また、ガス供給システム8は、パージ空間PAにそれぞれ接続される供給用配管30及び回収用配管31を有する循環経路32と、一端を供給用配管30に連結されかつ他端を回収用配管31に連結される精製装置33と、精製装置33で精製されたパージガスを供給用配管30を介してパージ空間PAに供給するための供給装置34と、パージガスの温度を制御するための温調装置35と、パージガスとしてのヘリウムガスを収容するガスボンベ36と、各装置を統括して制御する前記主制御系25とを含んで構成されている。なお、供給用配管30及び回収用配管31は、各パージ空間PAに応じて複数に分岐しており、供給用配管30は、流量調整可能なバルブ37A〜37Dを介して各パージ空間PAに接続されている。
精製装置33は、各パージ空間PAから回収されたパージガスから不純物、すなわち上記吸光物質を取り除いて高純度のパージガス(ヘリウムガス)を精製するものであり、吸光物質を取り除くための複数(ここでは2つ)のガス精製器40,41を有している。この複数のガス精製器40,41は、下流側の端部を供給用配管30に上流側の端部を回収用配管31にそれぞれ接続されるようになっており、循環経路32に対して並列かつ着脱自在に配設されている。
また、ガス精製器40,41の下流には、ガス精製器40,41で精製されたガスに含まれる吸光物質の濃度を計測するための計測装置42が接続され、この計測装置42の計測値が主制御系25に供給されている。計測装置42としては、例えば、酸素濃度計、水蒸気の濃度計としての露点計、及び二酸化炭素のセンサ等の濃度計又はそれらセンサを組み合わせた複合センサといったものが採用される。なお、計測装置として、質量分析計の類の装置や、ガス精製器40,41の内部に電流を流してその電流値を計測することによりガスに含まれる吸光物質の濃度を間接的に計測するセンサといったものでも同様の効果を得ることができる。また、各パージ空間PAにも、この計測装置42と同様の計測装置43A〜43Dを個々に独立して配設してもよい。なお、一つの計測装置を用意し、各パージ空間PAと一つの計測装置とを配管で接続するとともに、各パージ空間PAと一つの計測装置とを選択的に接続して、パージ空間内の不純物濃度又はヘリウムガスの濃度を計測するようにしてもよい。
一方、ガス精製器40,41の上流には、計測装置42による計測結果に基づいて、複数のガス精製器40,41のうちいずれか一つのガス精製器を回収用配管31に対して選択的に接続する切換装置44が配設されている。切換装置44としては、例えば駆動装置を有する制御弁といったものが用いられる。ここでは、切換装置44は、計測装置42で計測される所定の吸光物質(本例では酸素、水蒸気及び二酸化炭素)の濃度が予め設定されている許容濃度を超えたときに、主制御系25の指示に基づいて、回収用配管31に対してガス精製器40,41のいずれか一方を切り換えて接続するようになっている。計測装置42で計測される所定の吸光物質の濃度が高くなる状態としては、長時間使用のためガス精製器が劣化し、ガス精製器におけるガスの精製能力が低下した場合が考えられる。このように、ガス精製器の精製能力が低下すると、ガス精製器で除去することができなかった吸光物質が下流側に流出する。したがって、計測装置42は、ガス精製器で除去できなかった吸光物質の濃度を計測することによって、ガス精製器の精製能力を判断することができる。
また、ガスボンベ36には、パージガスとしてのヘリウムガスが高純度の状態で圧縮又は液化されて貯蔵されており、バルブ36Aを開状態とすることにより供給用配管30内にヘリウムガスが補充されるようになっている。
続いて、上記ガス供給システム8によるガス供給方法について説明する。
このガス供給システム8では、照明系チャンバ1、レチクル室2、鏡筒3及びウエハ室4の各内部空間、すなわちパージ空間PAを、高純度な透過ガスとしてのパージガス(ヘリウムガス)で満たすために、供給装置34を駆動して、回収用配管31を介してパージ空間PA内の気体及び吸光物質を回収するとともに、精製装置33によってこの回収ガスから高純度なパージガスを精製する。そして、精製したパージガスを温調装置35によって温度制御した後、そのパージガスを供給用配管30を介して露光装置のパージ空間PA内に供給する。なお、パージガスを供給開始した時点において、パージ空間PA内にヘリウムガス(透過性ガス)が少ない場合には、不図示の真空ポンプなどにより一旦パージ空間PA内の気体を排出した後、ガスボンベ36のバルブ36Aを開いてパージ空間PA内にヘリウムガスを供給したり、あるいは、パージ空間PA内の気体を前記真空ポンプで排気しながら各パージ空間PAにヘリウムガスを供給したりするとよい。ただし、パージガスを供給した時点では、パージ空間PA内の気体をガス精製装置33に供給せずに、外部排気することが望ましい。このように構成することによって、ガス精製装置33の著しい性能劣化を防止することができる。
このとき、ガス供給システム8では、計測装置42によって計測される吸光物質の濃度に基づいて、使用するガス精製器を複数のガス精製器(本実施形態ではガス精製器40,41)の中から一つ選択する。ここでは、計測される吸光物質の濃度が所定の許容濃度(例えば体積比で10ppm)に達するまでは一つのガス精製器(例えばガス精製器40)を継続して使用し、許容濃度を超えた時点で他のガス精製器(例えばガス精製器41)に切り換えて使用する。すなわち、吸光物質の濃度が所定の許容濃度を超えると、主制御系25の指示に基づいて切換装置44を駆動することにより、それまでとは異なる別のガス精製器を回収用配管31に接続する。これにより、新たなガス精製器が循環経路32に対して開状態となり、そのガス精製器によって精製されたパージガスがパージ空間PAに供給されるようになる。一方、その時点まで使用されていた元のガス精製器は、切換装置44によって回収配管31から切り離されることで、循環経路32に対して閉状態となり、他のガス精製器でガス精製処理が実施されている間に、精製能力を回復するためのリフレッシュ処理が施される。
すなわち、ガス精製器40,41の精製能力はガス精製処理に伴って徐々に低下するものの、一のガス精製器を使用している間に、並列に配される他のガス精製器の能力を回復する処理を行い、精製後のパージガスに含まれる吸光物質の濃度を許容濃度以下に管理することで、パージ空間PAに対して高純度のパージガスを滞りなく連続的に供給することができる。
またこのとき、主制御系25では、各パージ空間PAに配設される計測装置43A〜43Dの計測結果に基づいて、各パージ空間PAにおける吸光物質濃度を監視しつつ、各パージ空間PAへのパージガスの供給量を供給装置34あるいはバルブ37A〜37Dによって制御する。そして、吸光物質の濃度が所定の許容濃度以下になり、各パージ空間PAが高純度のパージガスで満たされたことを確認すると、次の露光処理動作を実行する。
露光処理動作として、上記構成の露光装置では、図2に示すレチクルRとウエハWとを一次元方向に同期移動させつつ、レチクルRに形成されたパターンを投影光学系PLを介してウエハWの各ショット領域に転写する、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式の走査露光を行う。これにより、ウエハW上の各ショット領域にレチクルRのパターンの縮小象が順次転写される。
このとき、本実施形態の露光装置では、上述したように、ガス供給システム8によって、露光光ILの光路中に配される各パージ空間PA(照明系チャンバ1、レチクル室2、鏡筒3及びウエハ室4の各内部空間)を高純度な透過ガスとしてのヘリウムガスで満たし、吸光物質の濃度を低減する。そのため、本例のように真空紫外光を露光光ILとして用いる場合にも、吸光物質による露光光ILの減衰が防止され、露光光ILが十分な照度と十分な照度均一性で安定してウエハWに到達するようになる。
さらに、ガス供給システム8によって、パージ空間PAに供給するパージガスに含まれる吸光物質の濃度を監視し、所定の許容濃度(例えば体積比で10ppm)以下になるように管理することから、各パージ空間PAにおいて、透過率の高い状態が安定して保たれる。しかも、パージ空間PAのガスを精製して再利用するので、ガスの消費量が少ない。
また、本実施形態の露光装置では、ガス供給システム8によって、複数のガス精製器40,41のいずれかを選択的に用いることにより、パージ空間PAに対して高純度のパージガスを連続的に供給する。そのため、光路中の空間が常に高純度な透過ガスとしてのヘリウムガスに満たされ、連続的な露光処理動作が安定して実施される。
次に、本発明の第2実施形態について図3及び図4を参照して説明する。
第2実施形態と第1実施形態との主たる相違点は、第1実施形態のガス供給システム8は、パージ空間PAからの回収ガスをすべて精製装置33に流す構成であるのに対して、第2実施形態のガス供給システム50は、所定の条件に応じてパージ空間PAからの回収ガスを外部に排出する構成となっていることである。
なお、露光装置内のパージ空間PAとしては、第1実施形態と同様に、例えば、ウエハ室、レチクル室、光路中の空間(特に光学素子が面する空間)が該当する。
すなわち、本実施形態のガス供給システム50は、被精製ガスとしての回収ガスに含まれる吸光物質(不純物)の濃度を計測する計測装置52と、この計測装置52の計測結果に基づいてガス精製器53,54の上流から外部に回収ガスを排出するガス排出装置55とを備えている。ガス排出装置55は、第1実施形態で示した切換装置44としての機能も有しており、例えば図4に示すように、駆動装置を内部に有する複数の制御弁55A〜55Cを組み合わせた構成(例えば三方弁55Aとストップ弁55B,55Cとを備える構成など)となっている。また、計測装置52の計測結果は、主制御系25に送られ、計測装置52で計測される所定の吸光物質(酸素、水蒸気及び二酸化炭素)の濃度が所定の許容濃度を超えたときに、主制御系25の指示に基づいて、制御弁55Aを切り換えて所定ガスを排出配管56を介して外部に排出するようになっている。なお、計測装置52としては、第1実施形態で説明した計測装置42と同様のものが用いられる。
こうしたガス供給システム50を備える本実施形態の露光装置では、回収ガスに含まれる吸光物質の濃度が所定の許容濃度(例えば体積比で100ppm)以下のときには、ガス排出装置55によって回収ガスをガス精製器53,54に流す一方、吸光物質の濃度が所定の許容濃度(例えば体積比で100ppm)を超えたときには、主制御系25の指示に基づいて、ガス排出装置55によって回収ガスの流れの方向を切り換えて、排出配管56を介して回収ガスを外部に排出する。そのため、例えば装置立ち上げ時やメンテナンス時など、パージ空間PAが過度に汚染されているような場合に、その汚染された回収ガスがガス精製器53、54に流入するのを防止し、ガス精製器の性能を安定的に維持することができる。なお、ガス排出装置55によってガスを外部に排出する場合、ガスボンベ51のバルブ51Aを開いてパージガスをパージ空間PAに供給しておくのが好ましい。
また、本実施形態では、第1実施形態と異なり、所定ガスを補充するためのガスボンベ51がガス精製器53,54の上流側に接続されている。そのため、ガスボンベ51内に収容されたガスがある程度の純度(数ppmの吸光物質を含む)を有している場合にも、そのガスに対してガス精製処理を行うことになり、ガスの補充に伴うパージ空間PAへの吸光物質の混入がさらに確実に抑制される。すなわち、ガスボンベ51内に高純度の所定ガスが収容されているにも関わらず、ガスボンベ51から精製装置33に至る途中でその所定ガスに不純物が混入し、所定ガスの純度が低下したとしても、ガス精製器53,54によって、その所定ガスが高純度のガスに精製される。また、一般に、純度の高いガスは高価である。そこで、コストの低減化を図ることを目的として、高純度のガスよりも数%程度純度の低いガスを有するガスボンベを購入し、そのガスをガス精製器53,54で精製して、高純度のガスをパージ空間PAに供給するといったことも可能となる。
次に、本発明の第3実施形態について図5を参照して説明する。
第3実施形態のガス供給システム60は、上述した各実施形態と異なり、供給用配管61内を流れるパージガスの圧力変動を抑制するための脈動抑制装置62を備えている。
脈動抑制装置61は、流体のエネルギを拡散もしくは他の物体に吸収させることにより、配管内を流れるガスの圧力変動、特に短い周期で発生する配管内の脈動を抑制するものであり、ここでは、供給用配管61の流路を広げるように所定の容積で形成される脈動防止タンクが用いられる。なお、脈動抑制装置61としては、このタンク状の形態に限るものでなく、様々な形態のものが適用可能であることは言うまでもない。
こうしたガス供給システム60を備える本実施形態の露光装置では、脈動抑制装置によってパージ空間PAに供給するパージガスの圧力変動が抑制されるので、パージガスの供給に伴う各パージ空間PA内の圧力変化が小さい。露光装置では、一般に、光路中の空間において気圧が変化すると光の屈折率が変化するなどにより、光学特性に影響を及ぼす恐れがある。したがって、圧力変化を抑制してパージ空間PAの環境を一定に保つことで、より安定的に露光光が基板に到達するようになる。また、露光装置は、所定空間内の気圧を一定に保つための補正装置を備える場合があるが、短い周期の圧力変動には対応が困難であるため、こうした脈動抑制装置を備えることは効果的である。ここでは、供給用配管61内を流れるガスの圧力変動を3mmHg以下に抑制することにより、露光装置の光学特性に及ぼすガスの圧力変動の影響を確実に防止することが可能となる。
また、圧力変動の原因は、主としてパージガスをパージ空間PAに供給するための供給装置63(例えばポンプ)による場合が多く、脈動抑制装置62は少なくともこの供給装置63の下流に配される必要がある。図5に示す本実施形態では、供給装置63以外の機器(例えば精製装置64)を原因とする圧力変動も抑制することを目的として、精製装置64の下流に脈動抑制装置62を配している。このように、露光装置のパージ空間PAの直前に脈動抑制装置62を配することで、ガス供給システム60を起因とするガスの圧力変動を効果的に抑制することが可能となる。なお、図5では、温調精度の向上を図るために、温調装置65の上流側に脈動抑制装置62を配しているが、温調装置65によって圧力変動が生じる場合には、温調装置65の下流に脈動抑制装置62を配するとよい。
なお、上述した各実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ、および手順等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。本発明は、例えば以下のような変更をも含むものとする。
上記各実施形態では、精製装置に対して2つのガス精製器を設けているが、これに限るものではなく、3以上でもよく、精製能力に応じて適宜定められる。また、上記各実施形態では、複数のガス精製器を循環経路に対して並列に配しているため、一を使用中に他のガス精製器の精製能力を回復させることができるという利点を有している。しかしながら本発明はこれに限らず、循環経路に対して複数のガス精製器を直列に並べてもよい。この場合、パージガスに含まれる吸光物質の濃度をさらに低減させることが可能となる。また、異なる精製能力のガス精製器をその能力の低い順に上流から直列に並べることで、高い精製能力を有するガス精製器に汚染の著しい回収ガスが流れるのを防止することが可能となる。例えば装置立ち上げ時やメンテナンス時など、パージ空間PAが過度に汚染されているような場合に、その汚染された回収ガスがガス精製器53,54に流入するのを防止することが可能である。
また、上記各実施形態では、計測装置で計測される吸光物質の濃度が所定の許容濃度を超えたときに、使用するガス精製器を変えるように制御しているが、これに限るものではなく、予め入力された所定時間ごとに、使用するガス精製器を変えてもよい。さらに、計測装置で計測される吸光物質の濃度に基づいて、性能の高いガス精製器を優先して用いてもよい。また、光学部材の透過率もしくは反射率を計測する計測装置を備えておき、この計測装置の計測結果に基づいて、使用するガス精製を変えるように構成してもよい。
また、上記各実施形態では、複数のガス精製器をガス供給システムに取り付けているものの、実際に回収用配管に接続されているガス精製器は一台である。そこで、性能が劣化したガス精製器と、未使用のガス精製器とを切換装置で切り換えて性能が劣化したガス精製器をリフレッシュまたはメンテナンスするにあたり、対象となるガス精製器を識別する識別機構を設けてもよい。すなわち、例えば、ガス精製器に予め付された識別番号を識別機構が読み取って、その識別番号に対応する信号を主制御計に送出するとともに、その信号に基づいて主制御系が所定のモニタにその識別番号を表示することにより、対象となるガス精製器をメンテナンス作業者に報知するように構成してもよい。
また、上記実施例では、露光装置を稼動させる前に、予めガス供給システムに複数のガス精製器を取り付けておき、計測装置によって計測される吸光物質の濃度に基づいて、使用するガス精製器の一つを選択する場合について説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に限らず、例えば次に説明する形態など、種々の変形例を含む。すなわち、例えば、露光装置を可動させる前の段階では、ガス供給システムに、一台のガス精製器を取り付けておき、所定の時間(ここでは、ガス精製器の精製能力が低下する時間)が経過するまで、このガス精製器でパージ空間から回収されるガスを精製しておき、所定の時間が経過した後に、リフレッシュしたガス精製器又は新しい(未使用の)ガス精製器をガス供給システムに取り付け、この取り付け後に、切換装置を駆動させて、最初に取り付けられていたガス精製器から、新たに取り付けられたガス精製器に切り換えてそれを回収用配管に接続するように構成してもよい。
また、照明光学系及び投影光学系を構成する光学素子の空間毎に、透過ガスの供給配管及び排気配管を設けてパージを実施してもよい。
また、例えば図1の照明系チャンバ1、レチクル室2、鏡筒3、ウエハ室4の空間において、吸光物質の濃度管理をそれぞれ異なる値で行うようにしてもよい。
また、本実施形態における精製装置は、1台の露光装置に対して、1台の精製装置を備える構成であるが、複数台の露光装置に対して、1台の精製装置を設けてもよい。この場合、半導体製造向上における精製装置のコストを抑えることができ、また、精製装置の設定面積を小さくすることができる。
さらに、本実施形態では、照明系チャンバ1、レチクル室2、鏡筒3、ウエハ室4の各空間に同じパージガス(ヘリウム)を供給する構成について説明したが、各空間のガスの種類を変えてもよい。例えば、鏡筒3の空間にヘリウムを供給し、他の空間に窒素を供給してもよい。この場合は、ヘリウムを供給する鏡筒に対して、本実施形態のガス供給システムを設ければよい。このように、各空間毎にガスの種類を変えた場合には、供給するガスのコストを考慮し、高価なガスが供給される空間に対して、本実施形態のガス供給システムを設ければ良い。すなわち、ガスの種類によっては、本実施形態のガス供給システムを設ける必要がない場合も考えられる。
また、照明光学系や投影光学系を構成する光学素子の空間毎に吸光物質の濃度管理を行ってもよい。
また、上記の各実施形態では、透過ガスとしてヘリウム(He)を想定しているが、窒素(N2)、又は希ガス(アルゴン(Ar)等)などの不活性ガスはいずれも真空紫外域の光の吸収量が小さく、特にF2レーザ光に対する吸収量はほとんど無視できるほど小さい。したがって、上記の実施形態において、いずれの不活性ガスを用いてもよい。
また、上記の実施形態では、ウエハステージ23の表面23aをウエハWの表面とほぼ同一平面としているため、ガスの流れが一様に層流に近い状態となり、効率よくウエハWからの脱ガスを排除することができる。しかしながら、本発明はウエハステージの上面とウエハの表面との間に段差が有る場合でも有効であることは言うまでもない。
また、光路中から吸光物質を排除するには、予め構造材料表面からの脱ガス量を低減する処置を施しておくことが好ましい。例えば、(1)構造材料の表面積を小さくする、(2)構造材料表面を機械研磨、電解研磨、バル研磨、化学研磨、又はGBB(Glass Beads Blasting)といった方法によって研磨し、構造材料の表面粗さを低減しておく、(3)超音波洗浄、クリーンドライエア等の流体の吹き付け、真空加熱脱ガス(ベーキング)などの手法によって、構造材料表面を洗浄する、(4)炭化水素やハロゲン化物を含む電線被膜物質やシール部材(Oリング等)、接着剤等を光路空間に可能な限り設置しない、等の方法がある。
また、図1において照明系チャンバ1や、ウエハ室4を構成する筐体(筒状体等も可)や、ヘリウムガス等を供給する配管は、不純物ガス(脱ガス)の少ない材料、例えばステンレス鋼、四フッ化エチレン、テトラフルオロエチレン−テルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、又はテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロペン共重合体等の各種ポリマーで形成することが望ましい。
また、各筐体内の駆動機構(レチクルブラインドやステージ等)などに電力を供給するケーブルなども、同様に上述した不純物ガス(脱ガス)の少ない材料で被服することが望ましい。)
なお、本実施の形態におけるガス精製器としては、不活性ガス中に混入している酸素(O2)、一酸化炭素(CO)、炭酸ガス(CO2)、水素(H2)及び水分(H2O)等の不純物を、触媒及び吸着剤による化学吸着及び物理吸着により吸着除去し、不活性ガスを超高純度に精製するものを使用することができる。例えば、日本バイオニクス社の不活性ガス精製装置UIP−Eを使用することができる。
なお、本発明は走査露光型の露光装置のみならず、一括露光型(ステッパー型)の露光装置等にも適用できることは明らかである。これらに備えられる投影光学系は、上記の実施形態のような反射屈折系のみならず、屈折系や反射系であってもよい。さらに、投影光学系の倍率は縮小倍率のみならず、等倍や拡大であってもよい。
また、本発明はエネルギビームとして、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)を使用する場合や、Kr2レーザ光(波長146nm)、Ar2レーザ光(波長126nm)、YAGレーザ等の高調波、又は半導体レーザの高調波等の波長が200nm〜100nm程度の真空紫外光、すなわち酸素に対する吸収の大きい波長域の光を使用する場合に特に有効である。
また、エキシマレーザやF2レーザ等の代わりに、DFB(Distributed feed back:分布帰環型)半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)との両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。
例えば、単一波長レーザの発振波長を1.544〜1.553μmの範囲内とすると、193〜194nmの範囲内の8倍高調波、すなわちArFエキシマレーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.57〜1.58μmの範囲内とすると、157〜158nmの範囲内の10倍高調波、すなわちF2レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。
さらに、発振波長を1.03〜1.12μmの範囲内とすると、発生波長が147〜160nmの範囲内である7倍高調波が出力され、特に発振波長を1.09〜1.106μmの範囲内とすると、発生波長が157〜158nmの範囲内である7倍高調波、すなわちF2レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。この場合の単一波長発振レーザとしては、例えばイッテルビウム・ドープ・ファイバーレーザを用いることができる。
また、露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適当できる。
また、ウエハステージやレチクルステージにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。
また、ステージの駆動装置として平面モータを用いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に設ければよい。
また、ウエハステージの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
また、レチクルステージの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
以上のように、本願実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了すると、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
また、図6は、デバイス(半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜磁気ヘッド等)の製造例のフローチャートを示している。デバイスは、この図6に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、シリコン材料からウエハを製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに露光するウエハ処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
以上説明したように、上述の各発明によれば、複数のガス精製器を有する精製装置によって高純度なガスを精製し、それを露光装置内の空間に満たすことにより、真空紫外光を露光光として用いる場合にも、吸光物質による露光光の減衰を防止し、露光光を十分な照度と十分な照度均一性で安定して基板に到達させることができる。
また、本発明の露光装置によれば、露光精度を向上させることができる。
さらに、本発明のデバイスの製造方法によれば、形成されたパターンの精度が向上したデバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明に係るガス供給システムを備える露光装置の第1実施形態を示す構成図である。
図2は本発明に係る露光装置の第1実施形態を示す全体構成図である。
図3は本発明に係る露光装置の第2実施形態におけるガス供給システムを示す構成図である。
図4は図3に示すガス排出装置55の一例を示す構成図である。
図5は本発明に係る露光装置の第3実施形態におけるガス供給システムを示す構成図である。
図6はデバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
本発明は、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜磁気ヘッド等の電子デバイスを製造するための露光装置に関し、特に露光装置内の空間に所定のガスを供給するためのガス供給システムに関する。
本出願は、日本国への特許出願(特願2000−163614)を基礎としており、その内容をここに組み込むものとする。
背景技術
半導体素子(集積回路等)や液晶表示パネル等のデバイス(電子デバイス)をフォトリソグラフィ工程において製造する際に、光源からの露光用照明光(露光光)によってマスク又はレチクル(以下、レチクルと総称する)を照明し、レチクルのパターン(回路パターン)を投影光学系を介して基板(感光剤が塗布されたウエハ、ガラスプレートなど)に転写する露光装置が用いられている。電子デバイスの回路は、上記投影露光装置で上記基板上に回路パターンを露光することにより転写され、後処理によって形成される。こうして形成される回路配線を例えば20層程度にわたって繰り返し成層したものが集積回路である。
近年、集積回路の高密度集積化、すなわち回路パターンの微細化が進められており、これに伴い、露光装置における露光光が短波長化される傾向にある。すなわち、露光光として、これまで主流だった水銀ランプの輝線にかわって、KrFエキシマレーザ(波長:248nm)が用いられるようになり、さらに短波長のArFエキシマレーザ(193nm)の実用化も最終段階に入りつつある。また、さらなる高密度集積化をめざして、F2レーザ(157nm)やAr2レーザ(126nm)の研究も進められている。
波長120nm〜200nm程度の光(エネルギービーム)は真空紫外域に属し、これらの光(以下、真空紫外光と称する)は、空気を透過しない。これは、空気中に含まれる酸素、水、炭酸ガス、有機物、ハロゲン化物等(以下、「吸光物質」と呼ぶ)の分子によって光のエネルギが吸収されるからである。
したがって、真空紫外光を露光光として用いる場合、基板上で所望の照度(光量)を得るには、露光装置内の光路空間(すなわち、光源から基板までの空間)における吸光物質の濃度を十分低くし、露光光の透過率を高める必要がある。そのため、露光空間を吸光物質がほとんど含まれない高純度のパージガスで満たす必要がある。また、光路中の空間には、複数の光学素子(反射光学素子や、レンズ等)が配置されており、この光学素子間の温度や圧力などの環境が変化すると露光装置の光学特性が変化することが知られており、安定的に露光光を基板に到達させるには、パージガスの状態を適切に管理する必要がある。
本発明は、上述する事情に鑑みてなされたものであり、露光装置の光学特性に大きく影響を及ぼすことなく、吸光物質による露光光の減衰を防止し、露光光を安定して基板に到達させることができるガス供給システム及び露光装置を提供することを目的とする。
発明の開示
上述課題を解決することを目的として、本発明は、露光装置内の空間(PA)に供給用配管(30)を介して所定ガスを供給するためのガス供給システムおいて、前記所定ガスを被精製ガスから精製する複数のガス精製器(40,41)を備え、前記供給用配管(30)は、前記複数のガス精製器(40,41)にそれぞれ接続されることを特徴としている。
このガス供給システムでは、ガス精製器によって被精製ガスから所定ガスを精製し、この精製後の所定ガスを供給用配管を介して露光装置内の空間に供給する。これにより、露光装置内の空間を、吸光物質が低減された高純度のガスによって満たすことが可能となる。さらに、供給用配管は複数のガス精製器に接続されるため、一のガス精製器を用いる場合に比べて安定的に露光装置内の空間に高純度の所定ガスを供給することが可能となる。
なお、ここで「空間」とは、例えば筐体の内部空間のように、物体に囲われた立体的な領域を意味し、気密性を有するもの、気密性を有しないもののいずれも含むものとする。「気密性を有しない空間」とは、例えば、筐体内の気圧が外部気圧より高く設定され、外部の空気が筐体内に流入しない空間である。また、「露光装置内の空間」としては、光源から基板までの間に形成される空間であり、例えば、レチクルを照明する照明光学系を収容する照明系ハウジング、レチクルに形成されたパターンの像を基板に投影する投影光学系を収容する鏡筒、レチクルを収容するレチクル室、基板を収容するウエハ室が該当する。また、照明系ハウジング及び鏡筒内に配置される複数の光学素子の間の空間(特に光学素子が面する空間)も該当する。
この場合にあって、本発明の他の実施態様におけるように、前記被精製ガスは、被精製ガス供給源から供給され、前記被精製ガス供給源は、前記被精製ガスを収容したガスボンベ(36)、又は前記空間(PA)であってもよい。被精製ガス供給源がガスボンベである場合、ガスボンベ内に収容された被精製ガスがある程度の純度を有する特定ガスであっても、ガス精製器によって特定ガスがさらに高純度に精製される。また、ガスボンベ内に収容された被精製ガスが高純度の所定ガスであっても、ガスボンベとガス精製器との間の経路途中で、高純度の所定ガスに不純物が混入し、所定ガスの純度が低下したとしても、ガス精製器によって、その所定ガスが高純度のガスに精製される。さらに、被精製ガス供給源が露光装置内の空間である場合、その空間からのガスを精製して再利用することにより、ガスの消費量が低減される
また、更に他の実施態様においてガス供給システムは、前記空間(PA)に対して、前記複数のガス精製器(40,41)のうち、いずれか一つのガス精製器を選択的に接続する切換装置(44)を有してもよい。また。ガス供給システムは、前記ガス精製器で精製された精製ガスに含まれる不純物の濃度、又は前記所定ガスの濃度を計測する第1計測装置(42)を有し、前記切換装置(44)は、前記第1計測装置(42)による計測結果に基づいて、前記いずれか一つのガス精製器を接続してもよい。この場合、第1計測装置によって計測される不純物の濃度又は前記所定ガスの濃度に基づいて、露光装置内の空間に対していずれか一つのガス精製器が選択的に接続されるので、性能が大きく低下したガス精製器の使用を中止したり、性能の高いガス精製器を優先して用いたりすることにより、高純度の所定ガスを安定して露光装置内の空間に供給することが可能となる。
また、更に他の実施態様においてガス供給システムは、前記被精製ガスに含まれる不純物の濃度又は前記所定ガスの濃度を、前記ガス精製器の上流で計測する第2計測装置(52)と、前記第2計測装置(52)による計測結果に基づいて、前記ガス精製器(53,54)の上流から外部に前記被精製ガスを排出するガス排出装置(55)とを備えてもよい。この場合、第2計測装置によって計測される不純物の濃度又は所定ガスの濃度に基づいて、前記ガス精製器の上流から外部にガスが排出されるので、過度に汚染されたガスがガス精製器に流入するのが防止され、ガス精製器の性能の著しい低下を防止することができる。
また、更に他の実施態様においてガス供給システムは、所定ガスを補充するためのガス補充装置(51)を備え、前記ガス補充装置(51)は、前記ガス精製器(53,54)の上流に接続されてもよい。この場合、ガス補充装置からのガスがガス精製器によって精製されるので、ガスの補充に伴う露光装置内の空間への不純物の混入が抑制される。
また、更に他の実施態様において、露光装置内の空間(PA)に所定ガスを供給するためのガス供給システムは、前記所定ガスをガス供給用配管(61)を介して、前記空間(PA)に供給するための供給装置(63)と、前記ガス供給用配管(61)内を流れる前記所定ガスの圧力変動を抑制するための脈動抑制装置(62)とを備える。
このガス供給システムでは、脈動抑制装置によって露光装置内の空間に供給するガスの圧力変動を抑制するので、ガスの供給に伴う露光装置内の空間における圧力変化が低減される。
この場合にあって、前記脈動抑制装置(62)は、前記露光装置の直前に配されることにより、ガス供給システムを起因とするガスの圧力変動が効果的に抑制される。
また、更に他の実施態様においてガス供給システムの前記脈動抑制装置(62)は、前記ガス供給用配管(61)内を流れるガスの圧力変動を3mmHg以下に抑制するようにしてもよい。この場合、露光装置の光学特性に及ぼすガスの圧力変動の影響が確実に防止される。
また、本発明は、エネルギビームの光路内に形成された複数の空間を有する露光装置において、前記複数の空間の少なくとも1つに所定ガスを供給するために、上述のガス供給システムを備えることを特徴としている。
また、本発明は、リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法であって、前記リソグラフィ工程で上述の露光装置を用いてデバイスを製造することを特徴としている。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明に係るガス供給システムを備える露光装置の第1実施形態について図面を参照して説明する。本例は、露光用のエネルギビームとして真空紫外光を用いるステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に本発明を適用したものである。
図2は、本例の露光装置の概略構成を示す一部を切り欠いた構成図であり、この図2において、本例の露光装置の機構部は照明光学系部5、レチクル操作部6、投影光学系PL及びウエハ操作部7に大きく分かれており、さらに照明光学系部5、レチクル操作部6、投影光学系PL、ウエハ操作部7は、それぞれ箱状の照明系チャンバ1、レチクル室2、鏡筒3、ウエハ室4の内部に外気(ここでは、後述のチャンバの気体)から隔離されて実質的に密閉された状態で収納されている。なお、「密閉された状態」とは、内部空間と外部空間との間で気体の流通(流出入)がない状態、又は内部空間と外部空間との間で気体の流通はあるものの、内部空間から外部空間に気体が流出するように、内部空間の圧力が外部空間の圧力より高く設定され、外部空間から内部空間への気体の流入が抑制されている状態を示す。
また、この露光装置内の空間、すなわち照明系チャンバ1、レチクル室2、鏡筒3、ウエハ室4の各内部空間(特に光学素子が面する空間)には、後述するガス供給システム8によって温度制御された気体(パージガス)が供給されている。さらに、本例の露光装置は全体として、内部の気体の温度が所定の目標範囲内に制御された一つの大きいチャンバ(不図示)の内部に収納されている。
前記照明光学系部5において、露光光源11として真空紫外域の波長157nmのパルスレーザ光を発生するF2レーザ光源が使用されており、露光光源11の射出端が照明系チャンバ1の下部に取り付けられている。露光時に露光光源11から照明系チャンバ1内に射出された露光光IL(エネルギビーム)は、ミラー12で上方に反射され、照明系の断面形状の整形と光量制御とを行うビーム整形光学系13を介してオプティカル・インテグレータ(ホモジナイザー)としてのフライアイレンズ(又はロッドレンズ)14に入射する。フライアイレンズ14の射出面には開口絞り(不図示)が配置され、フライアイレンズ14から射出されてその開口絞りを通過した露光光ILは、ミラー15によってほぼ水平方向に反射されて、リレーレンズ16を介して視野絞り(レチクルブラインド)17に達する。
視野絞り17の配置面は露光対象のレチクルRのパターン面とほぼ共役であり、視野絞り17は、そのパターン面での細長い長方形の照明領域の形状を規定する固定ブラインドと、走査露光の開始時及び終了時に不要な部分への露光を防止するためにその照明領域を閉じる可動ブラインドとを備えている。視野絞り17を通過した露光光ILは、リレーレンズ18、ミラー19、及び照明系チャンバ1の先端部に固定されたコンデンサレンズ系20を介してレチクルRのパターン面上の長方形(スリット上)の照明領域を均一な照度分布で照明する。露光光源11〜コンデンサレンズ系20により照明光学系部5が構成され、照明光学系部5内の露光光ILの光路、すなわち露光光源11からコンデンサレンズ系20までの光路が照明系チャンバ1によって密閉されている。なお、照明光学系部5と、露光光源11との間には、照明光学系部5の光軸と露光光源から射出される露光光ILの光軸とを調整するためのビームマッチングユニット(不図示)が設けられている。また、このビームマッチングユニットに、振動等による光軸ずれを補正するための不図示の自動追尾機構を設けてもよい。
こうした照明光学系部5からの露光光ILのもとで、レチクルRの照明領域内のパターンの像が投影光学系PLを介して所定の投影倍率β(βは例えば1/4,1/5等)で、感光材(フォトレジスト)が塗布されたウエハW上に投影される。ウエハWは例えば半導体(シリコン等)又はSOI(silicon on insulator)等の円板状の基板である。
ここで、本例のように露光光ILがF2レーザ光である場合には、透過率の良好な光学硝材は蛍石(CaF2の結晶)、フッ素や水素等をドープした石英ガラス、及びフッ化マグネシウム(MgF2)等に限られるため、投影光学系PLを屈折光学部材のみで構成して所望の結像特性(色収差特性等)を得るのは困難である場合がある。そのため、投影光学系PLとして、屈折光学部材と反射鏡とを組み合わせた反射屈折系を採用してもよい。以下、投影光学系PLの光軸AXと交差する方向にX軸を取り、図2の紙面に垂直にY軸を取って説明する。本例のレチクルR上の照明領域はX方向に細長い長方形であり、露光時のレチクルR及びウエハWの走査方向はY方向であるとする。
前記レチクル操作部6において、レチクルRはレチクルステージ21上に保持されている。このレチクルステージ21は不図示のレチクルベース上でY方向にレチクルRを連続移動するとともに、X方向、Y方向及び回転方向に同期誤差を低減させるようにレチクルRを微小駆動する。レチクルステージ21の位置及び回転角は不図示のレーザ干渉計によって高精度に計測され、この計測値及び装置全体の動作を統括制御するコンピュータよりなる主制御系25からの制御情報に基づいてレチクルステージ21が駆動される。レチクルステージ21、及び不図示のレチクルベースやレチクルローダ等からレチクル操作部6が構成され、レチクル操作部6内の露光光ILの光路、すなわちコンデンサレンズ系20から投影光学系PLのレチクル側の光学部材までの光路がレチクル室2によって密閉されている。
前記投影光学系PLにおいて、不図示の複数の光学部材(光学素子)が鏡筒3内に収納されており、投影光学系PLのレチクル側の光学部材からウエハ側の光学部材までの光路が鏡筒3内に密閉されている。なお、後述するガス供給システム8からの気体(パージガス)は、この投影光学系PLにおいて、光学部材が面する各密閉空間に供給されるようになっている。
本例において、投影光学系PLを構成する全ての屈折光学部材(光学素子)には蛍石(CaF2の結晶)を使用している。また、エネルギビームとしてのF2レーザ光の発振中心波長は157.6nmであり、波長幅が157.6nm ±10pmの光に対して色収差が補正されているとともに、球面収差、非点収差、及び歪曲収差などの諸収差も良好に補正されている。
前記ウエハ操作部7において、ウエハWはウエハホルダ22上の凹部よりなる載置面に吸着保持され、ウエハホルダ22はウエハステージ23上の凹部に固定され、ウエハステージ23の表面23aはウエハWの表面及びウエハホルダ22の表面とともにほぼ同一平面上に配置されている。これによって、ウエハWの表面を気体が円滑に流れるようになっている。ウエハステージ23はウエハベース24上でY方向にウエハWを連続移動するとともに、X方向及びY方向にウエハWをステップ移動する。また、ウエハステージ23は、不図示のオートフォーカスセンサによって計測されるウエハWの表面の光軸AX方向の位置(フォーカス位置)の情報に基づいて、オートフォーカス方式でウエハWの表面を投影光学系PLの像面に合焦させる。ウエハステージ23のX方向、Y方向の位置、及びX軸の回りの回転角(ピッチング量)、Y軸の回りの回転角(ローリング量)、Z軸の回りの回転角(ヨーイング量)は不図示のレーザ干渉計によって高精度に計測され、この計測値及び主制御系25からの制御情報に基づいてウエハステージ23が駆動される。
また、ウエハホルダ22、ウエハステージ23、及びウエハベース24によりウエハ操作部7が構成され、ウエハ操作部7の+X方向に搬送系としてのウエハローダ等(不図示)が配置されている。さらに、ウエハ操作部7における露光光ILの光路、すなわち投影光学系PLのウエハ側の光学部材からウエハベースまでの光路がウエハ室4によって密閉されている。なお、ウエハ室4の一側面に開閉扉を取り付け、ウエハWを交換するときに、その扉を開く構成としてもよい。 ここで、前記ガス供給システム8について図1を参照して説明する。
本実施形態のガス供給システム8は、パージガスとしての所定ガスを高純度な状態で照明系チャンバ1、レチクル室2、鏡筒3及びウエハ室4の各内部空間(以後、各空間を総称してパージ空間PAと呼ぶ)に供給するものであり、本例では上述した各パージ空間PAから回収した回収ガスを被精製ガスとして精製して再利用するように構成されている。パージガスとしては、露光光ILに対して透過率の高い不活性な気体、すなわち吸光物質をほとんど含まない気体(後述する「透過ガス」)が用いられる。
本例の露光光ILは波長157nmの真空紫外光であるため、その露光光ILに対する吸光物質としては、酸素(O2)、水(水蒸気:H2O)、炭酸ガス(二酸化炭素:CO2)、有機物、及びハロゲン化物等がある。一方、露光光ILが透過する気体(エネルギ吸収がほとんど無い物質)としては、窒素ガス(N2)の他に、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、ラドン(Rn)よりなる希ガスがある。以降、この窒素ガス及び希ガスをまとめて「透過ガス」と呼ぶことにする。
ここで、窒素ガスは波長が150nm程度以下の光に対しては吸光物質として作用し、ヘリウムガスは波長100nm程度まで透過性の気体として使用可能である。また、ヘリウムガスは熱伝導率が窒素ガスの約6倍、気圧変化に対する屈折率の変動量が窒素ガスの約1/8であるため、特に高透過率と光学系の結像特性の安定性や冷却性とで優れている。
本例では、結像特性の安定性や冷却性等の観点より、露光光ILが透過するパージガスとして、ヘリウムガスを使用するものとする。なお、ヘリウムガスは高価であるため、露光ビームの波長がF2レーザのように150nm以上である場合には、運転コストを低減させるためにパージガスとして窒素ガスを使用してもよい。
また、ガス供給システム8は、パージ空間PAにそれぞれ接続される供給用配管30及び回収用配管31を有する循環経路32と、一端を供給用配管30に連結されかつ他端を回収用配管31に連結される精製装置33と、精製装置33で精製されたパージガスを供給用配管30を介してパージ空間PAに供給するための供給装置34と、パージガスの温度を制御するための温調装置35と、パージガスとしてのヘリウムガスを収容するガスボンベ36と、各装置を統括して制御する前記主制御系25とを含んで構成されている。なお、供給用配管30及び回収用配管31は、各パージ空間PAに応じて複数に分岐しており、供給用配管30は、流量調整可能なバルブ37A〜37Dを介して各パージ空間PAに接続されている。
精製装置33は、各パージ空間PAから回収されたパージガスから不純物、すなわち上記吸光物質を取り除いて高純度のパージガス(ヘリウムガス)を精製するものであり、吸光物質を取り除くための複数(ここでは2つ)のガス精製器40,41を有している。この複数のガス精製器40,41は、下流側の端部を供給用配管30に上流側の端部を回収用配管31にそれぞれ接続されるようになっており、循環経路32に対して並列かつ着脱自在に配設されている。
また、ガス精製器40,41の下流には、ガス精製器40,41で精製されたガスに含まれる吸光物質の濃度を計測するための計測装置42が接続され、この計測装置42の計測値が主制御系25に供給されている。計測装置42としては、例えば、酸素濃度計、水蒸気の濃度計としての露点計、及び二酸化炭素のセンサ等の濃度計又はそれらセンサを組み合わせた複合センサといったものが採用される。なお、計測装置として、質量分析計の類の装置や、ガス精製器40,41の内部に電流を流してその電流値を計測することによりガスに含まれる吸光物質の濃度を間接的に計測するセンサといったものでも同様の効果を得ることができる。また、各パージ空間PAにも、この計測装置42と同様の計測装置43A〜43Dを個々に独立して配設してもよい。なお、一つの計測装置を用意し、各パージ空間PAと一つの計測装置とを配管で接続するとともに、各パージ空間PAと一つの計測装置とを選択的に接続して、パージ空間内の不純物濃度又はヘリウムガスの濃度を計測するようにしてもよい。
一方、ガス精製器40,41の上流には、計測装置42による計測結果に基づいて、複数のガス精製器40,41のうちいずれか一つのガス精製器を回収用配管31に対して選択的に接続する切換装置44が配設されている。切換装置44としては、例えば駆動装置を有する制御弁といったものが用いられる。ここでは、切換装置44は、計測装置42で計測される所定の吸光物質(本例では酸素、水蒸気及び二酸化炭素)の濃度が予め設定されている許容濃度を超えたときに、主制御系25の指示に基づいて、回収用配管31に対してガス精製器40,41のいずれか一方を切り換えて接続するようになっている。計測装置42で計測される所定の吸光物質の濃度が高くなる状態としては、長時間使用のためガス精製器が劣化し、ガス精製器におけるガスの精製能力が低下した場合が考えられる。このように、ガス精製器の精製能力が低下すると、ガス精製器で除去することができなかった吸光物質が下流側に流出する。したがって、計測装置42は、ガス精製器で除去できなかった吸光物質の濃度を計測することによって、ガス精製器の精製能力を判断することができる。
また、ガスボンベ36には、パージガスとしてのヘリウムガスが高純度の状態で圧縮又は液化されて貯蔵されており、バルブ36Aを開状態とすることにより供給用配管30内にヘリウムガスが補充されるようになっている。
続いて、上記ガス供給システム8によるガス供給方法について説明する。
このガス供給システム8では、照明系チャンバ1、レチクル室2、鏡筒3及びウエハ室4の各内部空間、すなわちパージ空間PAを、高純度な透過ガスとしてのパージガス(ヘリウムガス)で満たすために、供給装置34を駆動して、回収用配管31を介してパージ空間PA内の気体及び吸光物質を回収するとともに、精製装置33によってこの回収ガスから高純度なパージガスを精製する。そして、精製したパージガスを温調装置35によって温度制御した後、そのパージガスを供給用配管30を介して露光装置のパージ空間PA内に供給する。なお、パージガスを供給開始した時点において、パージ空間PA内にヘリウムガス(透過性ガス)が少ない場合には、不図示の真空ポンプなどにより一旦パージ空間PA内の気体を排出した後、ガスボンベ36のバルブ36Aを開いてパージ空間PA内にヘリウムガスを供給したり、あるいは、パージ空間PA内の気体を前記真空ポンプで排気しながら各パージ空間PAにヘリウムガスを供給したりするとよい。ただし、パージガスを供給した時点では、パージ空間PA内の気体をガス精製装置33に供給せずに、外部排気することが望ましい。このように構成することによって、ガス精製装置33の著しい性能劣化を防止することができる。
このとき、ガス供給システム8では、計測装置42によって計測される吸光物質の濃度に基づいて、使用するガス精製器を複数のガス精製器(本実施形態ではガス精製器40,41)の中から一つ選択する。ここでは、計測される吸光物質の濃度が所定の許容濃度(例えば体積比で10ppm)に達するまでは一つのガス精製器(例えばガス精製器40)を継続して使用し、許容濃度を超えた時点で他のガス精製器(例えばガス精製器41)に切り換えて使用する。すなわち、吸光物質の濃度が所定の許容濃度を超えると、主制御系25の指示に基づいて切換装置44を駆動することにより、それまでとは異なる別のガス精製器を回収用配管31に接続する。これにより、新たなガス精製器が循環経路32に対して開状態となり、そのガス精製器によって精製されたパージガスがパージ空間PAに供給されるようになる。一方、その時点まで使用されていた元のガス精製器は、切換装置44によって回収配管31から切り離されることで、循環経路32に対して閉状態となり、他のガス精製器でガス精製処理が実施されている間に、精製能力を回復するためのリフレッシュ処理が施される。
すなわち、ガス精製器40,41の精製能力はガス精製処理に伴って徐々に低下するものの、一のガス精製器を使用している間に、並列に配される他のガス精製器の能力を回復する処理を行い、精製後のパージガスに含まれる吸光物質の濃度を許容濃度以下に管理することで、パージ空間PAに対して高純度のパージガスを滞りなく連続的に供給することができる。
またこのとき、主制御系25では、各パージ空間PAに配設される計測装置43A〜43Dの計測結果に基づいて、各パージ空間PAにおける吸光物質濃度を監視しつつ、各パージ空間PAへのパージガスの供給量を供給装置34あるいはバルブ37A〜37Dによって制御する。そして、吸光物質の濃度が所定の許容濃度以下になり、各パージ空間PAが高純度のパージガスで満たされたことを確認すると、次の露光処理動作を実行する。
露光処理動作として、上記構成の露光装置では、図2に示すレチクルRとウエハWとを一次元方向に同期移動させつつ、レチクルRに形成されたパターンを投影光学系PLを介してウエハWの各ショット領域に転写する、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式の走査露光を行う。これにより、ウエハW上の各ショット領域にレチクルRのパターンの縮小象が順次転写される。
このとき、本実施形態の露光装置では、上述したように、ガス供給システム8によって、露光光ILの光路中に配される各パージ空間PA(照明系チャンバ1、レチクル室2、鏡筒3及びウエハ室4の各内部空間)を高純度な透過ガスとしてのヘリウムガスで満たし、吸光物質の濃度を低減する。そのため、本例のように真空紫外光を露光光ILとして用いる場合にも、吸光物質による露光光ILの減衰が防止され、露光光ILが十分な照度と十分な照度均一性で安定してウエハWに到達するようになる。
さらに、ガス供給システム8によって、パージ空間PAに供給するパージガスに含まれる吸光物質の濃度を監視し、所定の許容濃度(例えば体積比で10ppm)以下になるように管理することから、各パージ空間PAにおいて、透過率の高い状態が安定して保たれる。しかも、パージ空間PAのガスを精製して再利用するので、ガスの消費量が少ない。
また、本実施形態の露光装置では、ガス供給システム8によって、複数のガス精製器40,41のいずれかを選択的に用いることにより、パージ空間PAに対して高純度のパージガスを連続的に供給する。そのため、光路中の空間が常に高純度な透過ガスとしてのヘリウムガスに満たされ、連続的な露光処理動作が安定して実施される。
次に、本発明の第2実施形態について図3及び図4を参照して説明する。
第2実施形態と第1実施形態との主たる相違点は、第1実施形態のガス供給システム8は、パージ空間PAからの回収ガスをすべて精製装置33に流す構成であるのに対して、第2実施形態のガス供給システム50は、所定の条件に応じてパージ空間PAからの回収ガスを外部に排出する構成となっていることである。
なお、露光装置内のパージ空間PAとしては、第1実施形態と同様に、例えば、ウエハ室、レチクル室、光路中の空間(特に光学素子が面する空間)が該当する。
すなわち、本実施形態のガス供給システム50は、被精製ガスとしての回収ガスに含まれる吸光物質(不純物)の濃度を計測する計測装置52と、この計測装置52の計測結果に基づいてガス精製器53,54の上流から外部に回収ガスを排出するガス排出装置55とを備えている。ガス排出装置55は、第1実施形態で示した切換装置44としての機能も有しており、例えば図4に示すように、駆動装置を内部に有する複数の制御弁55A〜55Cを組み合わせた構成(例えば三方弁55Aとストップ弁55B,55Cとを備える構成など)となっている。また、計測装置52の計測結果は、主制御系25に送られ、計測装置52で計測される所定の吸光物質(酸素、水蒸気及び二酸化炭素)の濃度が所定の許容濃度を超えたときに、主制御系25の指示に基づいて、制御弁55Aを切り換えて所定ガスを排出配管56を介して外部に排出するようになっている。なお、計測装置52としては、第1実施形態で説明した計測装置42と同様のものが用いられる。
こうしたガス供給システム50を備える本実施形態の露光装置では、回収ガスに含まれる吸光物質の濃度が所定の許容濃度(例えば体積比で100ppm)以下のときには、ガス排出装置55によって回収ガスをガス精製器53,54に流す一方、吸光物質の濃度が所定の許容濃度(例えば体積比で100ppm)を超えたときには、主制御系25の指示に基づいて、ガス排出装置55によって回収ガスの流れの方向を切り換えて、排出配管56を介して回収ガスを外部に排出する。そのため、例えば装置立ち上げ時やメンテナンス時など、パージ空間PAが過度に汚染されているような場合に、その汚染された回収ガスがガス精製器53、54に流入するのを防止し、ガス精製器の性能を安定的に維持することができる。なお、ガス排出装置55によってガスを外部に排出する場合、ガスボンベ51のバルブ51Aを開いてパージガスをパージ空間PAに供給しておくのが好ましい。
また、本実施形態では、第1実施形態と異なり、所定ガスを補充するためのガスボンベ51がガス精製器53,54の上流側に接続されている。そのため、ガスボンベ51内に収容されたガスがある程度の純度(数ppmの吸光物質を含む)を有している場合にも、そのガスに対してガス精製処理を行うことになり、ガスの補充に伴うパージ空間PAへの吸光物質の混入がさらに確実に抑制される。すなわち、ガスボンベ51内に高純度の所定ガスが収容されているにも関わらず、ガスボンベ51から精製装置33に至る途中でその所定ガスに不純物が混入し、所定ガスの純度が低下したとしても、ガス精製器53,54によって、その所定ガスが高純度のガスに精製される。また、一般に、純度の高いガスは高価である。そこで、コストの低減化を図ることを目的として、高純度のガスよりも数%程度純度の低いガスを有するガスボンベを購入し、そのガスをガス精製器53,54で精製して、高純度のガスをパージ空間PAに供給するといったことも可能となる。
次に、本発明の第3実施形態について図5を参照して説明する。
第3実施形態のガス供給システム60は、上述した各実施形態と異なり、供給用配管61内を流れるパージガスの圧力変動を抑制するための脈動抑制装置62を備えている。
脈動抑制装置61は、流体のエネルギを拡散もしくは他の物体に吸収させることにより、配管内を流れるガスの圧力変動、特に短い周期で発生する配管内の脈動を抑制するものであり、ここでは、供給用配管61の流路を広げるように所定の容積で形成される脈動防止タンクが用いられる。なお、脈動抑制装置61としては、このタンク状の形態に限るものでなく、様々な形態のものが適用可能であることは言うまでもない。
こうしたガス供給システム60を備える本実施形態の露光装置では、脈動抑制装置によってパージ空間PAに供給するパージガスの圧力変動が抑制されるので、パージガスの供給に伴う各パージ空間PA内の圧力変化が小さい。露光装置では、一般に、光路中の空間において気圧が変化すると光の屈折率が変化するなどにより、光学特性に影響を及ぼす恐れがある。したがって、圧力変化を抑制してパージ空間PAの環境を一定に保つことで、より安定的に露光光が基板に到達するようになる。また、露光装置は、所定空間内の気圧を一定に保つための補正装置を備える場合があるが、短い周期の圧力変動には対応が困難であるため、こうした脈動抑制装置を備えることは効果的である。ここでは、供給用配管61内を流れるガスの圧力変動を3mmHg以下に抑制することにより、露光装置の光学特性に及ぼすガスの圧力変動の影響を確実に防止することが可能となる。
また、圧力変動の原因は、主としてパージガスをパージ空間PAに供給するための供給装置63(例えばポンプ)による場合が多く、脈動抑制装置62は少なくともこの供給装置63の下流に配される必要がある。図5に示す本実施形態では、供給装置63以外の機器(例えば精製装置64)を原因とする圧力変動も抑制することを目的として、精製装置64の下流に脈動抑制装置62を配している。このように、露光装置のパージ空間PAの直前に脈動抑制装置62を配することで、ガス供給システム60を起因とするガスの圧力変動を効果的に抑制することが可能となる。なお、図5では、温調精度の向上を図るために、温調装置65の上流側に脈動抑制装置62を配しているが、温調装置65によって圧力変動が生じる場合には、温調装置65の下流に脈動抑制装置62を配するとよい。
なお、上述した各実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ、および手順等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。本発明は、例えば以下のような変更をも含むものとする。
上記各実施形態では、精製装置に対して2つのガス精製器を設けているが、これに限るものではなく、3以上でもよく、精製能力に応じて適宜定められる。また、上記各実施形態では、複数のガス精製器を循環経路に対して並列に配しているため、一を使用中に他のガス精製器の精製能力を回復させることができるという利点を有している。しかしながら本発明はこれに限らず、循環経路に対して複数のガス精製器を直列に並べてもよい。この場合、パージガスに含まれる吸光物質の濃度をさらに低減させることが可能となる。また、異なる精製能力のガス精製器をその能力の低い順に上流から直列に並べることで、高い精製能力を有するガス精製器に汚染の著しい回収ガスが流れるのを防止することが可能となる。例えば装置立ち上げ時やメンテナンス時など、パージ空間PAが過度に汚染されているような場合に、その汚染された回収ガスがガス精製器53,54に流入するのを防止することが可能である。
また、上記各実施形態では、計測装置で計測される吸光物質の濃度が所定の許容濃度を超えたときに、使用するガス精製器を変えるように制御しているが、これに限るものではなく、予め入力された所定時間ごとに、使用するガス精製器を変えてもよい。さらに、計測装置で計測される吸光物質の濃度に基づいて、性能の高いガス精製器を優先して用いてもよい。また、光学部材の透過率もしくは反射率を計測する計測装置を備えておき、この計測装置の計測結果に基づいて、使用するガス精製を変えるように構成してもよい。
また、上記各実施形態では、複数のガス精製器をガス供給システムに取り付けているものの、実際に回収用配管に接続されているガス精製器は一台である。そこで、性能が劣化したガス精製器と、未使用のガス精製器とを切換装置で切り換えて性能が劣化したガス精製器をリフレッシュまたはメンテナンスするにあたり、対象となるガス精製器を識別する識別機構を設けてもよい。すなわち、例えば、ガス精製器に予め付された識別番号を識別機構が読み取って、その識別番号に対応する信号を主制御計に送出するとともに、その信号に基づいて主制御系が所定のモニタにその識別番号を表示することにより、対象となるガス精製器をメンテナンス作業者に報知するように構成してもよい。
また、上記実施例では、露光装置を稼動させる前に、予めガス供給システムに複数のガス精製器を取り付けておき、計測装置によって計測される吸光物質の濃度に基づいて、使用するガス精製器の一つを選択する場合について説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に限らず、例えば次に説明する形態など、種々の変形例を含む。すなわち、例えば、露光装置を可動させる前の段階では、ガス供給システムに、一台のガス精製器を取り付けておき、所定の時間(ここでは、ガス精製器の精製能力が低下する時間)が経過するまで、このガス精製器でパージ空間から回収されるガスを精製しておき、所定の時間が経過した後に、リフレッシュしたガス精製器又は新しい(未使用の)ガス精製器をガス供給システムに取り付け、この取り付け後に、切換装置を駆動させて、最初に取り付けられていたガス精製器から、新たに取り付けられたガス精製器に切り換えてそれを回収用配管に接続するように構成してもよい。
また、照明光学系及び投影光学系を構成する光学素子の空間毎に、透過ガスの供給配管及び排気配管を設けてパージを実施してもよい。
また、例えば図1の照明系チャンバ1、レチクル室2、鏡筒3、ウエハ室4の空間において、吸光物質の濃度管理をそれぞれ異なる値で行うようにしてもよい。
また、本実施形態における精製装置は、1台の露光装置に対して、1台の精製装置を備える構成であるが、複数台の露光装置に対して、1台の精製装置を設けてもよい。この場合、半導体製造向上における精製装置のコストを抑えることができ、また、精製装置の設定面積を小さくすることができる。
さらに、本実施形態では、照明系チャンバ1、レチクル室2、鏡筒3、ウエハ室4の各空間に同じパージガス(ヘリウム)を供給する構成について説明したが、各空間のガスの種類を変えてもよい。例えば、鏡筒3の空間にヘリウムを供給し、他の空間に窒素を供給してもよい。この場合は、ヘリウムを供給する鏡筒に対して、本実施形態のガス供給システムを設ければよい。このように、各空間毎にガスの種類を変えた場合には、供給するガスのコストを考慮し、高価なガスが供給される空間に対して、本実施形態のガス供給システムを設ければ良い。すなわち、ガスの種類によっては、本実施形態のガス供給システムを設ける必要がない場合も考えられる。
また、照明光学系や投影光学系を構成する光学素子の空間毎に吸光物質の濃度管理を行ってもよい。
また、上記の各実施形態では、透過ガスとしてヘリウム(He)を想定しているが、窒素(N2)、又は希ガス(アルゴン(Ar)等)などの不活性ガスはいずれも真空紫外域の光の吸収量が小さく、特にF2レーザ光に対する吸収量はほとんど無視できるほど小さい。したがって、上記の実施形態において、いずれの不活性ガスを用いてもよい。
また、上記の実施形態では、ウエハステージ23の表面23aをウエハWの表面とほぼ同一平面としているため、ガスの流れが一様に層流に近い状態となり、効率よくウエハWからの脱ガスを排除することができる。しかしながら、本発明はウエハステージの上面とウエハの表面との間に段差が有る場合でも有効であることは言うまでもない。
また、光路中から吸光物質を排除するには、予め構造材料表面からの脱ガス量を低減する処置を施しておくことが好ましい。例えば、(1)構造材料の表面積を小さくする、(2)構造材料表面を機械研磨、電解研磨、バル研磨、化学研磨、又はGBB(Glass Beads Blasting)といった方法によって研磨し、構造材料の表面粗さを低減しておく、(3)超音波洗浄、クリーンドライエア等の流体の吹き付け、真空加熱脱ガス(ベーキング)などの手法によって、構造材料表面を洗浄する、(4)炭化水素やハロゲン化物を含む電線被膜物質やシール部材(Oリング等)、接着剤等を光路空間に可能な限り設置しない、等の方法がある。
また、図1において照明系チャンバ1や、ウエハ室4を構成する筐体(筒状体等も可)や、ヘリウムガス等を供給する配管は、不純物ガス(脱ガス)の少ない材料、例えばステンレス鋼、四フッ化エチレン、テトラフルオロエチレン−テルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、又はテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロペン共重合体等の各種ポリマーで形成することが望ましい。
また、各筐体内の駆動機構(レチクルブラインドやステージ等)などに電力を供給するケーブルなども、同様に上述した不純物ガス(脱ガス)の少ない材料で被服することが望ましい。)
なお、本実施の形態におけるガス精製器としては、不活性ガス中に混入している酸素(O2)、一酸化炭素(CO)、炭酸ガス(CO2)、水素(H2)及び水分(H2O)等の不純物を、触媒及び吸着剤による化学吸着及び物理吸着により吸着除去し、不活性ガスを超高純度に精製するものを使用することができる。例えば、日本バイオニクス社の不活性ガス精製装置UIP−Eを使用することができる。
なお、本発明は走査露光型の露光装置のみならず、一括露光型(ステッパー型)の露光装置等にも適用できることは明らかである。これらに備えられる投影光学系は、上記の実施形態のような反射屈折系のみならず、屈折系や反射系であってもよい。さらに、投影光学系の倍率は縮小倍率のみならず、等倍や拡大であってもよい。
また、本発明はエネルギビームとして、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)を使用する場合や、Kr2レーザ光(波長146nm)、Ar2レーザ光(波長126nm)、YAGレーザ等の高調波、又は半導体レーザの高調波等の波長が200nm〜100nm程度の真空紫外光、すなわち酸素に対する吸収の大きい波長域の光を使用する場合に特に有効である。
また、エキシマレーザやF2レーザ等の代わりに、DFB(Distributed feed back:分布帰環型)半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)との両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。
例えば、単一波長レーザの発振波長を1.544〜1.553μmの範囲内とすると、193〜194nmの範囲内の8倍高調波、すなわちArFエキシマレーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.57〜1.58μmの範囲内とすると、157〜158nmの範囲内の10倍高調波、すなわちF2レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。
さらに、発振波長を1.03〜1.12μmの範囲内とすると、発生波長が147〜160nmの範囲内である7倍高調波が出力され、特に発振波長を1.09〜1.106μmの範囲内とすると、発生波長が157〜158nmの範囲内である7倍高調波、すなわちF2レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。この場合の単一波長発振レーザとしては、例えばイッテルビウム・ドープ・ファイバーレーザを用いることができる。
また、露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適当できる。
また、ウエハステージやレチクルステージにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。
また、ステージの駆動装置として平面モータを用いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に設ければよい。
また、ウエハステージの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
また、レチクルステージの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
以上のように、本願実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了すると、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
また、図6は、デバイス(半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜磁気ヘッド等)の製造例のフローチャートを示している。デバイスは、この図6に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、シリコン材料からウエハを製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに露光するウエハ処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
以上説明したように、上述の各発明によれば、複数のガス精製器を有する精製装置によって高純度なガスを精製し、それを露光装置内の空間に満たすことにより、真空紫外光を露光光として用いる場合にも、吸光物質による露光光の減衰を防止し、露光光を十分な照度と十分な照度均一性で安定して基板に到達させることができる。
また、本発明の露光装置によれば、露光精度を向上させることができる。
さらに、本発明のデバイスの製造方法によれば、形成されたパターンの精度が向上したデバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明に係るガス供給システムを備える露光装置の第1実施形態を示す構成図である。
図2は本発明に係る露光装置の第1実施形態を示す全体構成図である。
図3は本発明に係る露光装置の第2実施形態におけるガス供給システムを示す構成図である。
図4は図3に示すガス排出装置55の一例を示す構成図である。
図5は本発明に係る露光装置の第3実施形態におけるガス供給システムを示す構成図である。
図6はデバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
Claims (11)
- 露光装置内の空間に供給用配管を介して所定ガスを供給するためのガス供給システムであって、
前記所定ガスを被精製ガスから精製する複数のガス精製器を備え、
前記供給用配管は、前記複数のガス精製器にそれぞれ接続される。 - 請求項1に記載のガス供給システムであって、
前記被精製ガスは、被精製ガス供給源から供給され、
前記被精製ガス供給源は、前記所定ガスを収容したガスボンベ、又は前記空間である。 - 請求項1に記載のガス供給システムであって、
前記空間に対して、前記複数のガス精製器のうち、いずれか一つのガス精製器を選択的に接続する切換装置を有する。 - 請求項3に記載のガス供給システムであって、
前記ガス精製器で精製された精製ガスに含まれる不純物の濃度、又は前記所定ガスの濃度を計測する第1計測装置を有し、
前記切換装置は、前記第1計測装置による計測結果に基づいて、前記いずれか一つのガス精製器を接続する。 - 請求項1に記載のガス供給システムであって、
前記被精製ガスに含まれる不純物の濃度又は前記所定ガスの濃度を、前記ガス精製器の上流で計測する第2計測装置と、
前記第2計測装置による計測結果に基づいて、前記ガス精製器の上流から前記被精製ガスを外部に排出するガス排出装置とを備える。 - 請求項1に記載のガス供給システムであって、
所定ガスを補充するためのガス補充装置を備え、
前記ガス補充装置は、前記ガス精製器の上流に接続される。 - 露光装置内の空間に所定ガスを供給するためのガス供給システムであって、
前記所定ガスをガス供給用配管を介して、前記空間に供給するための供給装置と、
前記ガス供給用配管内を流れる前記所定ガスの圧力変動を抑制するための脈動抑制装置とを備える。 - 請求項7に記載のガス供給システムであって、前記脈動抑制装置は前記露光装置の直前に配される。
- 請求項7に記載のガス供給システムであって、
前記脈動抑制装置は、前記ガス供給用配管内を流れるガスの圧力変動を3mmHg以下に抑制する。 - エネルギビームの光路内に形成された複数の空間を有する露光装置において、
前記複数の空間の少なくとも1つに所定ガスを供給するために、請求項1に記載のガス供給システムを備える。 - リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法であって、
前記リソグラフィ工程では請求項10に記載の露光装置を用いてデバイスを製造することを特徴とするデバイスの製造方法。
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