JPS64806Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、コンパクト等の化粧料容器におけ
る蓋の開閉装置に関し、特に複数の収納部を有す
る容器本体と複数の蓋とをスライド自在なフツク
手段で挟持し、スライドさせることにより蓋を選
択的に開閉して、収納部のいずれかを開放可能と
した化粧料容器の蓋開閉装置に関する。

従来、容器本体と蓋とに互に噛み合うフツク手
段を設けて蓋の開閉を行うようにしたコンパクト
等の化粧料容器は公知であるが、このような互に
噛み合うフツク手段による場合、特に閉蓋時の衝
撃が大きくなり、収納された化粧料にクラツクが
入つたり、飛散したりするおそれがあつた。又、
このようなフツク手段を用いる場合、化粧料とこ
れの塗布具を別々に収納する独立した複数の収納
部分を容器本体に設け、これを独立して複数の蓋
で各別に開閉するようにすることも公知である
が、フツク手段の噛み合い部が２重に存するた
め、閉蓋時の衝撃がより大きくなり、前記化粧料
のクラツクや飛散が増大するおそれがあつた。

この考案は、従来の化粧料容器にみられたかか
る欠点を解消すべくなされたものであつて、以下
に図面を参照しつつ詳細に説明する。

図において１は、単一の容器本体であつて、独
立した複数の収納部例えば化粧料収納部２と塗布
具収納部を備える。３，４は一側を容器本体１に
蝶着された複数の蓋体であつて、容器本体１の複
数の収納部２を個別に開閉する。

蓋体蝶着部と反対側には、閉蓋したとき互に重
合する重合面５，６が容器本体１と蓋体３に形成
される。容器本体１の重合面５には蓋体３に向つ
て突出する本体側突部７が形成され、該本体側突
部７受入れる凹部８が蓋体３に形成される。該凹
部８の側方に重合面６に連続して、閉蓋したとき
後述のフツク片と共働する蓋側突部９が蓋体３に
形成される。そして、閉蓋時において本体側突部
７と蓋側突部９との外面は面一の状態となり、フ
ツク片１０のスライドを可能としている。

本体側突部７と凹部８並びに蓋側突部９は、１
組として複数の蓋体３にそれぞれ独立して形成さ
れており、フツク片１０により複数蓋体３を独立
してロツクし、開閉可能とする。複数の蓋体３の
ための複数組の本体側突部７と蓋側突部９の上面
に水平方向に連続して上部フツク溝１１が形成さ
れ、該上部フツク溝１１に上部を係止し、下部を
容器本体１の下面に形成した水平方向に平行に延
びる下部フツク溝１２に係止してフツク片１０が
装着される。該フツク片１０は断面略〓状をな
し、上縁を蓋側突部９に、又下縁を容器本体１に
それぞれ係止し両者を挟持する。尚、以上の説明
においては、一つの蓋体３についてのみ説明した
が、他の蓋体にも同一の構造が形成されており、
全く同様に開閉可能である。

フツク片１０は少なくとも複数の蓋体３，４の
突部９に跨がつた長さを有しており、複数の蓋
３，４の突部９を同時に挟持して閉蓋状態にロツ
ク可能であると共に、一方の蓋体３又は４側へ重
合面に沿つてスライドしたとき、他方の蓋体４又
は３の突部９から外れて他方の蓋体４又は３のロ
ツクを解除し、該蓋体の開放を可能とする。フツ
ク片１０は好ましくは弾性を有し、ロツク状態に
おいて容器本体１と蓋体３，４を弾力的に接近さ
せ、より確実なるロツクを保障する。１３は蓋体
３，４に定着されたカガミである。１４は本体側
突部７の上部フツク溝１１の適所に形成された突
起であつて、フツク片１０のスライドを抑制する
ストツパー作用をはたし、２つの蓋体３，４を閉
止位置に保持し、これを越えてスライドさせるこ
とにより、一方の蓋体のロツクを解除することが
出来る。

尚、以上の構造において、容器本体１側の突部
７はフツク片１０の水平方向へのスライドを案内
するためのものであり、フツク片１０による容器
本体１と蓋体３，４との挟持のためには必須不可
欠の構造ではない。しかしながら、フツク片１０
の長さを、本体側突部７の長さと等しいか若しく
は若干短かく形成して、フツク片１０を本体側突
部７上にスライドさせるようにしておけば、複数
の蓋体３，４を同時に開放することが可能となる
であろう。蓋体若しくは容器本体の重合面にパツ
キンを配設して、気密性を有する閉蓋を可能とし
ても良く、この場合にフツク片による挟着である
ため蓋体と容器本体との接近によるパツキンへの
圧着を大きくし、確実なる密封性を確保出来る。

以上のようにして、この考案の化粧料容器の蓋
開閉装置によれば、フツク片のスライドにより複
数の蓋体を閉蓋状態にロツクしたり、或は複数の
蓋体を選択的に各別に開放することが出来るた
め、例えば化粧料使用のために一方の蓋を開いて
も他方の蓋によつて閉止されている収納部内の塗
布具が使用中に落下するようなおそれがなく使用
上の便宜さを向上させ得ると共に、フツク片のス
ライドにより蓋の開閉を行うため、従来の互に噛
み合うフツク手段を用いた場合に比して蓋の開閉
が容易であり、しかも閉蓋時の衝撃発生がなく、
化粧料にクラツク等の損傷を与えるおそれがな
い。又、収納部が小分けされた状態にあるため、
収納された化粧料の水分の飛散等のおそれを減少
させることが出来る。更に、重合する蓋体と容器
本体との間にパツキンを配設して、気密性を有す
る化粧料容器を容易に提供可能であり、パツキン
は重合する蓋体と容器本体との間で押圧されるた
めの確実なる気密性を得ることが出来るのであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は閉蓋時の斜視図、第２図は蓋体の一方
を開放した斜視図、第３図は一方の蓋体を切除し
た平面図、第４図は縦断面図、第５図は要部の拡
大斜視図である。 １……容器本体、２……収納部、３，４……蓋
体、５，６……重合面、７……本体側突部、８…
…凹部、９……蓋側突部、１０……フツク片、１
１……上部フツク溝、１２……下部フツク溝、１
３……カガミ、１４……突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の収納部２を設けた単一の容器本体１と、
   該容器本体１の一側に蝶着され複数の収納部２を
   個別に被覆する複数の蓋体３，４とからなり、容
   器本体１と蓋体３，４の蝶着部と対向する他側縁
   に、閉蓋時に並列して外面が略面一となる突部
   ７，９を容器本体１と複数の蓋体３，４とに各１
   組ずつ容器本体１と蓋体３，４の重合面５，６か
   ら相手側に向つて突設し、該突部７，９を受け入
   れる凹部５，８を容器本体１と複数の蓋体３，４
   にそれぞれ形成し、該複数組の突部７，９の上面
   内奥に連続して上部フツク溝１１を形成し、更に
   容器本体１の下面に前記上部フツク溝１１と平行
   に下部フツク溝１２を形成し、断面〓状のフツク
   片１０を前記上下フツク溝１１，１２に摺動自在
   に係止し、フツク溝１１，１２に沿つたフツク片
   １０の摺動により複数の蓋体３，４全部のロツク
   若しくは選択的なロツク解除を可能としたことを
   特徴とする化粧料容器の蓋開閉装置。