JPS64805B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、超電導装置に関するものであり、
とりわけ、超電導磁石を励磁，消磁するために外
部容器と低温容器間に配設された電流リードを有
し、磁気浮上車などに搭載される超電導装置に関
するものである。

従来、この種の超電導装置として第１図に示す
ものがあつた。図において、超電導コイル１は内
部に液体ヘリウムを貯める低温容器２に収納さ
れ、低温容器２は真空断熱のために設けられた外
部容器３に収納されている。４は真空槽であり、
低温容器２は一端を低温容器２に他端を外部容器
３に固定した荷重支持材５によつて真空槽４内に
宙づり状態に保持されている。超電導コイル１を
励磁，消磁するための電流リード６は、外部容器
３側に設けたリード端子、６ａに一端が接続され
て電源と接続し、他端は低温容器２側で超電導コ
イル口出線１ａと接続し、同形状の（＋）（−）
２本１対で構成されている（図示は１本のみ記
載）。

第２図は電流リード６の構成を示し、電流を流
すための中心部の電流リード管６ｂは一般に大電
流供給時発熱による焼損をさけるため、低温容器
２内の液体ヘリウムを強制的にガス化して矢印方
向にこの低温ヘリウムガスを流して冷却できるよ
う中空に形成されている。絶縁チユーブ６ｃを介
して電流リード管６ｂを囲む保護管６ｄは電流リ
ード管６ｂ内のガスヘリウムが万一真空槽４内に
もれることを防ぐためのものである。

以上の構成において、超電導装置は、低温容器
２内の液体ヘリウムを蒸発させないように、第１
機能として熱侵入量の小さいことが要求される
が、電流リード６は、常時、常温側と低温側（−
269℃）が接続されており、電流を流すことから
銅合金などが使用されているので、熱伝導率の大
きい材質であること、および大電流を流すので断
面積を小さくするのに限界がある等のことから超
電導装置全体の熱侵入量の中で占める割合が大き
い。このため熱侵入量を減らす対策として寸法の
許す範囲で電流リード６は長くなされている。

しかし、電流リード６を長くすることは、電流
供給時、低温のガスヘリウムを流して電流リード
６を冷却するので、長手方向の熱収縮量は長さに
比例して大きくなつて、常温側，低温側の固定部
に過大な力が加わることになる。

また、磁気浮上車に搭載される超電導装置で
は、この熱収縮力の他に荷重支持材５が浮上力な
どの伝達および内部の低温容器２を支えているた
めに、振動による力を受けてたわみが発生するの
で、外部容器３、低温容器２側で固定されている
電流リード６は、このたわみを吸収できなければ
破損に至るおそれがあつた。

従来、上記の熱収縮などの力を緩和するため
に、電流リード６をループ状に巻くなどしてたわ
みやすくしたものがあるが、寸法上の制限がある
場合は十分でなかつた。また、導電金属線で構成
された可撓より線を電流リードの一部に使つてた
わませたものもあるが、可撓より線を直線に設置
したのでは電流リードの径方向には容易にたわむ
が軸方向にはたわみにくい欠点があつた。

この発明は、以上の事情に鑑みなされたもの
で、導電金属線でなりＬ字形に配設した可撓より
線を電流リードに結合した構成により、不必要な
熱収縮などの力による電流リードの破損を防止
し、本来の目的である大電流の供給が可能で低熱
侵入の超電導装置を提供することを目的とするも
のである。

以下、この発明の一実施例を第３図について説
明する。図において、電流リード管６ｂとリード
端子６ａ間に銅線などで構成された可撓より線７
をＬ字状にして接続し、この可撓より線７の冷却
のため低温ガスヘリウムを案内し、かつ、可撓よ
り線７の接地防止を兼ねたテフロンなど絶縁物で
なるベローズ状のチユーブ８で可撓より線７を囲
む。保護管６ｄと外部容器３に可撓より線７を囲
んで設けられた箱状部１０との間にはステンレス
製のベローズ９を接続する。１１は外部容器３と
電流リード端子６ａとの電気的な絶縁材である。
また、矢印は低温ガスヘリウムの流路を示してい
る。

次に作用，効果について述べる。以上の構成に
より、電流リード管６ｂにはＬ字形に曲げた可撓
より線７を接続し、保護管６ｄにはベローズ９を
結合しているので、電流リード６の長手方向の熱
収縮量および前述の荷重支持材５のたわみも上
下、左右、前後、各方向共容易に吸収するので、
電流リード６の外部容器３と低温容器２との固定
部に不必要な力の加わるのを防止することができ
る。また、電流リード管６ｂには大電流が通電さ
れて、可撓より線７部は発熱があるが、可撓より
線７の外周には適当な低温ヘリウムガスの流路を
もつたテフロンなどでなる絶縁性のベローズ状チ
ユーブ８を設けたことにより流速を早めて冷却効
果をあげている。

なお、この可撓より線７による継手構造は、電
流リード６の低温容器２側にも設置可能である
が、継手として使用するどのような材料でも低温
では機械的特性が若干変化し、現状では明確に把
握できていないこと。また超電導装置は内部より
組立てる手順をとるので各部品の集積された寸法
位置のまま継手に使用しているベローズなどの変
位調整が容易に行なえることから常温側に可撓継
手を設けるのが好ましい。

以上のように、この発明は、各方向共容易にた
わみがとれるよう電流リードを構成したので熱収
縮などによる不必要な力を除去でき、本来の目的
の低熱侵入を、具現できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のものの正断面図、第２図は同じ
く電流リードの斜視図、第３図はこの発明の一実
施例の要部正断面図である。 １……超電導コイル、２……低温容器、３……
外部容器、４……真空槽、５……荷重支持材、６
……電流リード、６ａ……リード端子、６ｂ……
電流リード管、６ｃ……絶縁チユーブ、６ｄ……
保護管、７……可撓より線、８……チユーブ、９
……ベローズ、１０……箱状部、１１……絶縁
材。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分
を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 超電導コイルを収納し液体ヘリウムで冷却さ
   れる低温容器と、 前記低温容器の外側に真空断熱して設けられた
   外部容器と、 前記外部容器を貫通して設けたリード端子と前
   記低温容器間に配設され、低温ヘリウムガスが通
   る電流リード管と、絶縁チユーブを介して前記電
   流リード管を囲む保護管とからなり、前記超電導
   コイルに接続された電流リードと、 を備えた超電導装置において、 導電金属線でなり、前記リード端子に近接して
   前記外部容器内であつて前記電流リード管に介在
   してＬ字形に配設された可撓より線と、 前記可撓より線を囲んで配設され、前記低温ヘ
   リウムガスの流路を形成している電気絶縁体でな
   るベローズ状のチユーブと、 前記チユーブを囲んで配置された箱状部と、 前記箱状部と前記保護管間に前記電流リード管
   を囲んで結合配設されている金属製のベローズ
   と、 を備えてなることを特徴とする超電導装置。