JPS647353B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は核融合装置に係り、特にその真空容器
内部を観測するための観測用ポートを有する核融
合装置に関する。

第１図に核融合装置の一例として、トーラス型
核融合装置の概略を示す。

該図において、１は真空容器で断面がほぼ円形
をなし、装置の垂直中心ｃが軸となりトーラス
（円環）状になつている。真空容器１の内部は真
空状態にされた後、プラズマ２を収納閉じ込める
ものである。３は真空容器１内にプラズマ２を閉
じ込めるための磁界を発生するトロイダルコイル
で、真空容器１を取り囲み、トーラス周方向に所
定間隔をもつて複数個配置されている。（第１図
には１個のみ示してある。）４は真空容器１内部
のプラズマ２等を観測するために、真空容器１の
一部に取り付けられた観測用ポートである。この
観測用ポート４は、真空容器１内部を観測するた
めのものであるから、真空容器１内に通じる開口
部４ａとフランジ部４ｂ、また、外部の計測器と
連結するためのエクステンシヨンパイプ４ｃと、
これを取り付けるためのフランジ部４ｄとからな
り、通常はフランジ部４ｂと４ｄを真空的に接合
されている。

ところで、トーラス形核融合装置の性能を向上
させる要因の一つに、プラズマ２を収納する真空
容器１の断面半径r₁とトーラス主半径Ｒとの比を
大きくすることがあげられる。一般に、真空容器
１の断面半径r₁とトーラス主半径Ｒとの比はアス
ペクト比と言われ、このアスペクト比の比率をい
かに大きくするかで装置の性能を左右するため、
構造設計上重要な要件である。

しかしながら、上述したトーラス形核融合装置
の構成では、真空容器１を取り囲んでトロイダル
コイル３が配置されることより、真空容器１の断
面径はトロイダルコイル３の内径寸法で制限され
ることは言うまでもないが、観測用ポート４を取
り付けるための接続部、特にフランジ部４ｂ，４
ｄ部分が真空容器１より外方に突出しているた
め、トロイダルコイル３の内径を一定とすれば、
この突出している寸法のみ、真空容器１の断面径
が必然的に小さくならざるを得ない。即ち、第１
図に示す如く、従来の構成では観測用ポート４の
フランジ部４ｄまでの突出寸法ｌが必要となるた
め、真空容器１の断面半径r₁が小さくなり、真空
容器１の断面半径r₁とトーラス主半径Ｒとのアス
ペクト比（r₁／Ｒ）が小さくなる。従つて、プラ
ズマ２の閉じ込め性能に影響を与え、装置全体の
性能低下に至つてしまう欠点があつた。

本発明は上述の点に鑑み成されたもので、その
目的とするところは、観測用ポートを有するもの
であつても、真空シールが確実に行え、かつ、ア
スペクト比が大きくとれ、性能が向上する核融合
装置を提供するにある。

本発明は真空容器の観測用ポートが接続される
部分に、該真空容器の曲面とほぼ同一形状のフラ
ンジ部を形成すると共に、前記観測用ポートの真
空容器に接続する部分に、真空容器フランジ部と
ほぼ同一曲面のフランジ部を形成し、かつ、これ
ら両者フランジ部間にメタル中空ガスケツトと、
該メタル中空ガスケツトの圧着量を規制するスペ
ーサを介在させ、この両者フランジ部を介して真
空容器と観測用ポートをボルトで接続することに
より、所期の目的を達成するようになしたもので
ある。

以下、図面の実施例に基づいて本発明を詳細に
説明する。尚、符号は従来と同一のものは同符号
を使用する。

第２図に本発明の核融合装置の一実施例を示
す。該図に示す本実施例の概略構成は従来のもの
と類似しているが、本実施例では観測用ポート１
０を接続する真空容器１の一部に、この真空容器
１の曲率半径に見合つたフランジ部１ａを容器に
一体に形成し、一方、外部の計測器等と連結する
ためのエクステンシヨンパイプ１０ａの真空容器
１に接続される側のフランジ部１０ｂを、真空容
器１側のフランジ部１ａとほぼ同様の形状にし、
これら両者フランジ部１ａと１０ｂを真空的に接
合している。

第３図を用いて接合部の詳細を説明する。第３
図は第２図のイ部拡大断面図である。

該図の如く、真空容器１のフランジ部１ａとエ
クステンシヨンパイプ１０のフランジ部１０ｂ
は、真空容器１の曲率半径、即ち、真空容器１の
曲面に見合つた半径で曲げられ、しかも、扇形状
をなしボルト１１で接合されているが、それら両
者フランジ部１ａと１０ｂの間にはメタル中空ガ
スケツト１２と、このメタル中空ガスケツト１２
の圧着量を規制するためのスペーサ１３が介在さ
れ、このボルト１１で両者フランジ部１ａ，１０
ｂを接合し、ボルト１１でメタル中空ガスケツト
１２を圧着し、真空シールを行なつている。

このような本実施例の構成とすることにより、
観測用ポート１０を真空容器１に取り付けるため
のフランジ部があつても、外方に突出する部分が
従来のものに比較し極端に少なくなり（第２図に
ｈで示す部分）、トロイダルコイル３の内径を一
定とすれば、真空容器１の断面半径r₂を大きくと
れる。

従つて、アスペクト比（r₂／Ｒ）が大きくな
り、プラズマ２の閉じ込め性能が向上し、装置全
体の性能も大幅に向上する。更に、メタル中空ガ
スケツト１２の圧縮量を規制するスペーサ１３を
介在させて、ボルト１１の締付けによる圧着力で
真空シールしているため、確実な真空シールが行
える効果もある。

以上説明した本発明の核融合装置によれば、真
空容器の観測用ポートが接続される部分に、該真
空容器の曲面とほぼ同一形状のフランジ部を形成
すると共に、前記観測用ポートの真空容器に接続
する部分に、真空容器フランジ部とほぼ同一曲面
のフランジ部を形成し、かつ、両者フランジ部間
にメタル中空ガスケツトと、該メタル中空ガスケ
ツトの圧着量を規制するスペーサを介在させ、こ
の両者フランジ部を介して真空容器と観測用ポー
トをボルトで接続したものであるから、観測用ポ
ートを接続する部分があつても、容器外方へ突出
する部分が少なく、従つて、真空容器の断面半径
が大きくとれ、アスペクト比が大きくなるため性
能向上が図れ、しかも、メタル中空ガスケツトの
圧縮量を規制するスペーサを介在させてボルトの
締付けによる圧着力で真空シールしているため確
実な真空シールが行え、此種核融合装置に採用す
る場合は非常に有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の核融合装置の概略を示す真空容
器部分を断面した図、第２図は本発明の核融合装
置の一実施例を示す真空容器部分を断面した図、
第３図は第２図のイ部詳細断面図である。 １……真空容器、１ａ，４ｂ……真空容器のフ
ランジ部、２……プラズマ、３……トロイダルコ
イル、４，１０……観測用ポート、４ｃ，１０ａ
……エクステンシヨンパイプ、４ｄ，１０ｂ……
エクステンシヨンパイプのフランジ部、１１……
ボルト、１２……メタル中空ガスケツト、１３…
…スペーサ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 断面がほぼ円形状で内部にプラズマを収納す
   るドーナツ状の真空容器と、該真空容器内部を観
   測するために、その真空容器の一部に接続される
   観測用ポートとを備えた核融合装置において、前
   記真空容器の観測用ポートが接続される部分に、
   該真空容器の曲面とほぼ同一形状のフランジ部を
   形成すると共に、前記観測用ポートの真空容器に
   接続する部分に、該真空容器のフランジ部とほぼ
   同一曲面のフランジ部を形成し、かつ、これら両
   者フランジ部間にメタル中空ガスケツトと、該メ
   タル中空ガスケツトの圧着量を規制するスペーサ
   を介在させ、この両者フランジ部を介して前記真
   空容器と観測用ポートをボルトで接続したことを
   特徴とする核融合装置。