JPS64659Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ハートカム機構を備えたプツシユ・
プツシユ式スイツチの組付構造の改良に関するも
のである。

従来より、この種のハートカムを用いたスイツ
チは、プツシユ・プツシユ動作でスイツチのオン
オフが得られるため、各種の装置に広く用いられ
ている。

ところで、ハートカム式のスイツチにおいて
は、ハートカム溝に沿つてバネ付勢したピンを移
動させる構造であるため、ハートカムを設けたカ
ムベースとピンをバネ付勢して支持するスライド
ブロツクとの間の組付けが一般に困難であり、特
にスイツチの小型化を図る場合には、ハートカム
溝の溝幅も小さくなるため、組付けに際してピン
を確実にカム溝内に挿入することは仲々に困難と
なり、このため従来においては、ピンを一定の位
置に固定したうえで、カムベースをケースに組付
けることにより、ピンをカム溝内に挿入するよう
にしていたため、不要な工数がかかり、不能率な
問題があつた。

本考案は、かかる問題に鑑みてなされたもので
あつて、ピンを固定する必要なしにハートカムを
設けたカムベースをスライドブロツクおよびケー
スに対してワンタツチで組付けることにより、確
実にピンをカム溝内に案内しうるようにしたハー
トカム式スイツチの組付構造を提供することを目
的としている。

このため、本考案においては、ハートカムおよ
びそれによつて画成されるカム溝を設けたカムベ
ース上に、カム溝の頂点部にほぼピンの幅に等し
い幅で連通する末拡がりの凹部よりなるピンの挿
入ガイドを設けて、カムベースをケースに組付け
る際、この挿入ガイド部からカム溝にスライドブ
ロツクに支持されたピンを案内するとともに、組
付後においてはスライドブロツクの移動でピンが
カム溝から挿入ガイドに逆戻りしないように、ス
ライドブロツクのストロークを規制するストツパ
をケース側に設けたことを基本的な特徴としてい
る。

以下、図示の実施例について本考案を詳細に説
明する。

第１図および第２図において、１はスイツチケ
ース、２はスイツチケース１内に摺動自在に収容
されたスライドブロツク、３はスライドブロツク
２に支持された接点、４はスライドブロツク２を
第１図に示すオフ位置と第２図に示すオン位置と
に移動させるための操作ボタンで、５はスライド
ブロツク２にバネ６により下向きに付勢されたピ
ン７をガイドするハートカム８を備えたカムベー
スで、このカムベース５はケース１の底部に設け
た嵌合部に底面側から嵌合することにより固定さ
れる。

第３図および第４図に示すように、上記カムベ
ース５上には、スライドブロツク２に支持された
ピン７の先端を案内するハートカム溝９をハート
カム８の周囲に凹設するとともに、このハートカ
ム溝９の始点部即ちスライドブロツク２のオフ位
置でピン７が位置する部分に、ほぼピン７の幅に
等しい幅で連通する末広がりの凹部よりなるピン
挿入ガイド１１を設け、このピン挿入ガイド１１
により、カムベース５の組付けに際してスライド
ブロツク２に支持されたピン７をガイドし、カム
溝９内に確実にガイドしうるようにしている。

なお、このピン挿入ガイド１１は、カム溝９の
深さより一段浅く設定し、一旦ピン７がカム溝９
に落込んだ際には、再びピン７がピン挿入ガイド
１１に戻れないようにすることが好ましい。

また、第３図および第４図において、１２はス
ライドブロツク２をオフ方向に付勢するためのバ
ネ（図示せず）を装着するための支柱であつて、
カムベース５の装着により、このバネのバネ力に
よりスライドブロツク２は常時オフ方向に付勢さ
れる。

上記のピン挿入ガイド１１を設けたカムベース
５は、組付けに際しては、スライドブロツク２を
ケース１内に挿入したのち、最後にケース１の底
面に嵌合固定される。その場合、第１図に示すよ
うに、スライドブロツク２をそのオフ位置に当止
めするストツパ１３をケース１内に設けて、スラ
イドブロツク２の組付けに際してこれを位置決め
するとともに、位置決めされたスライドブロツク
２に対して、第１図に矢印Ａで示す方向即ち斜め
下方からカムベース５をケース１底面に設けた嵌
合部に固定する。このカムベース５の組付けは、
したがつて、最初ピン７の先端をカムベース６の
ピン挿入ガイド１１内に位置させた状態から、こ
れを操作ボタン４側にスライドさせることによ
り、スライドブロツク２に支持されたピン７はピ
ン挿入ガイド１１とハートカム溝９との連通部１
１ａからスムーズにハートカム溝９内にガイドさ
れ、その状態で最終的にカムベース６をケース１
に固定することにより組付けを完了することがで
きる。以後、スライドブロツク２を操作ボタン４
の操作で第１図に示すオフ位置から第２図に示す
オン位置に移動させると、スライドブロツク２の
接点３はケース１の内壁に固定した対向接点３ａ
に接触してスイツチオンし、その場合、スライド
ブロツク２のピン７はハートカム８の落込み部に
対応した位置に係止されて戻りが阻止される結
果、オン位置が保持される。そして、再び操作ボ
タン４を押すことにより、スライドブロツク２は
さらに一段押込まれ、ハートカム８の落込部から
解放されて前記バネのバネ力でハートカム８に案
内されて復帰し、ストツパ１３により当止めされ
てそのオフ位置に保持される。

以上の説明から明らかなように、本考案はハー
トカム式スイツチにおいてスライドブロツクに支
持されたピンをカムベースの組付けに際してハー
トカム溝に確実にガイドするピン挿入ガイドをカ
ムベースに設けるとともに、組付け後においてス
ライドブロツクのストロークを規制するストツパ
をケースに設け、このストツパによりピンがカム
溝がピン挿入ガイドに再び逆戻りしないようにス
ライドブロツクのストロークを規制するようにし
たハートカム式スイツチの組付構造を提供するも
のである。

したがつて、本考案によれば、カムベースにピ
ン挿入ガイドを設けるだけで、スライドブロツク
側のピンを固定することなしにカムベースをワン
タツチで組付けることによりピンを確実にハート
カム溝にガイドすることができるとともに、ケー
ス内にはストツパを設けたのでスライドブロツク
が必要以上にオーバーストロークすることがな
く、したがつてピンがカム溝から脱落することが
ないといつた利点を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案に係る組付構造を採用
したハートカム式スイツチの断面を夫々示し、第
１図はスイツチオフ時を、第２図はスイツチオン
時を示している。第３図および第４図は第１図お
よび第２図に示したカムベースの夫々平面図およ
び断面図である。 １……ケース、２……スライドブロツク、３…
…接点、５……カムベース、６……バネ、７……
ピン、８……ハートカム、９……ハートカム溝、
１１……ピン挿入ガイド、１３……ストツパ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 スライドブロツクにバネ支持したピンをカムベ
   ース上のハートカム溝に沿つて移動させるように
   し、スライドブロツクのプツシユ・プツシユ動作
   でスイツチをオンオフさせるようにしたハートカ
   ム式スイツチにおいて、 カムベース上にカム溝の頂点部にピンの幅にほ
   ぼ等しい幅で連通する末拡がりの凹部からなるピ
   ンの挿入ガイドを設けて、カムベースのケースへ
   の組付けに際して挿入ガイドによりピンをカム溝
   までガイドするようにする一方、ピンの挿入ガイ
   ドへの逆戻りをスライドブロツクの当止めによつ
   て阻止するストツパをケース側に設けたことを特
   徴とするハートカム式スイツチの組付構造。