JPS64630Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は携帯時計に関するものである。

〔従来の技術〕 近年の携帯時計は薄型でかつ種々の機能を備え
ているため、時計の枠体から操作ボタンが突出し
ているものが多い。

〔解決しようとする課題〕

そのためこの種の時計をポケツトなどに入れて
携帯していると、誤つて操作ボタンを押し誤操作
により時計に狂いが生じることがあるため、ケー
スが必要であつた。

また携帯時以外に机上に載置しておく場合に
は、別にスタンドが必要であつた。

このような問題を解決するために、スタンドを
兼ねたケースを具備する携帯時計も考案されてい
る（例えば実公昭11−5941号公報）が、この種の
時計では時計を立てた時の傾斜角が一定であるの
で、見易い角度が狭い液晶表示式の時計の場合に
は時刻が見づらいという不便があつた。

そこで本考案の目的は、枠体に連結したカバー
を、携帯時はカバーとして使用可能であつて、机
などの上に載置して使用する時は、時計の傾斜角
度を見易い角度に調整可能なスタンドとして使用
可能とすることにより、携帯時の誤動作がなく、
机上では時刻表示が見易い携帯時計を提供するこ
とにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の特徴は、時計本体とこの時計本体の前
面、背面および両側面を被覆可能でありかつスタ
ンドを兼用するカバーとより構成されているもの
で、この時計本体の両側面には、その長手方向に
沿つて長溝が形成してあり、上記カバーには、そ
の両側面の一端部から延伸する連結部が設けてあ
り、上記連結部の対向面には、上記長溝に嵌合摺
動可能な突起が設けてあり、上記カバー前面の上
記連結部側の端部は、上記カバー背面の上記連結
部側の端部よりも後退した位置にあり、さらに上
記突起は、上記時計本体を上記カバーから引き出
して上記突起が上記長溝の一端に嵌合していると
きに上記時計本体を上記突起を中心として回転可
能としかつ上記時計本体を上記長溝の長手方向に
移動可能とするに十分な距離だけ、上記カバー背
面の上記連結部の端部よりもさらに外側に位置し
ているところにある。

〔実施例〕

以下図面を参照して本考案の一実施例を説明す
る。

第１，２図において、時計本体１の前面には時
刻表示部２が設けてあつて時刻が表示されてお
り、この時刻は、操作ボタン３…によつて修正、
アラーム時刻設定などの時計としての機能に応じ
た表示が可能である。

時計本体１の両側面には、その長手方向に沿つ
て長溝４が形成してある。スタンドを兼用するカ
バー５は、時計本体１の前面、背面、両側面を被
覆可能な形状であり、第３図、第４図に示すよう
に、このカバーの両側面の一端部から連結部５
ａ，５ａが延伸しており、この連結部の対向面に
は、長溝４に嵌合し摺動可能な突起６，６が突設
してある。カバー５の、時計本体１を被覆した状
態において時計表示部２に対向する位置には窓７
が開設してあり、時計本体１がカバー５に収納さ
れた際にも時刻が見易いようになつている。

携帯に際しては、第１図は時計本体１をカバー
５内に収納した状態で使用し、この状態の時に
は、このカバーが時計本体の前面、背面、両側面
を被覆している。

連結部５ａ，５ａはカバー５の両側面の一端部
から延伸するよう設けられているため、時計本体
１の一部が露出している。またカバー５の前面、
つまり窓７が開設してある面の連結部５ａ側の端
部たる下端辺５ｂは、このカバー体の背面の連結
部５ａ側の端部たる下端辺５ｃよりも後退した位
置、つまり第３，４図では上方の位置にある。

さらに突起６，６は、時計本体１をカバー５よ
り引き出してこの突起が長溝４，４の一端に嵌合
しているときに、この時計本体をこの突起を中心
として回転可能とし、かつこの時計本体をこの長
溝の長手方向に移動可能とするに十分な距離だ
け、このカバー背面のこの連結部５ａの下端辺５
ｃよりもさらに外側に位置している。

次に、カバー５時計本体１がカバー５により被
覆されている状態（第１図）から、第２図示のよ
うに時計本体１をカバー５から引き出して置時計
として使用する状態（第２図）に変える操作につ
いて説明する。

時計本体１をカバー５から引き出すと、このカ
バーの突起６，６はこの時計本体の長溝４，４内
を摺動し、長溝の他端（上端）に嵌合する。連結
部５ａ，５ａは、この状態で時計本体１とカバー
５とが回転可能な長さに設定してあるので、突起
６，６を中心として相対的に回動し、両者がほぼ
90度をなす姿勢になつた時、再びカバーを下降さ
せると、突起６，６は長溝４，４内を下方へ摺動
し、この長溝の上端から元の下端の位置まで戻
る。カバー５の背面を机の上面に当接させた状態
で載置すると、時計本体１は、第２図、第５図Ａ
に示すように、カバー５前面の連結部５ａの端部
の下端辺５ｂで支えられて立設し、置時計として
使用される。

第５図Ａに示す時計本体１と載置面との角度θ
は、適宜変更が可能である。なお第２図、第５図
Ａは時計を最も大きな角度で立てた状態を示すも
ので、載置面と時計前面との角度は最大である。

ところで時計本体１を更に傾斜させるには、カ
バー５の突起６，６を長溝４，４内で少しずつ摺
動させて、第５図Ｂのように長溝４の途中で止め
て立設する。これにより時計本体１の背面がスタ
ンド兼用のカバー５の前面の下端辺５ｂに支持さ
れ、傾斜角θ₁はより小さくなる。すなわち角θ1＜
角θとなる。

次に第５図Ｃは、傾斜角を最も小さくした状態
であつて、カバー５の背面の下端辺５ｃが、時計
本体１の背面の上端近傍に接してこれを支えてい
る。即ち角θ₂＜角θ₁＜角θとなる。

また突起６，６がさらに上方に移動した長溝４
の上端に至ると、カバー５の前面の下端辺５ｂお
よび背面の下端辺５ｃのいずれも時計本体１を支
えることができず、両者は回転する。

したがつて時計本体１をケース５に収納するに
は、時計本体１とカバー５とを同一線上に位置さ
せた後、この時計本体をカバー内へ押し込めばよ
い。

〔効果〕

以上のように本考案によると、携帯時に時計本
体をスタンド兼用のカバー内に収納して携帯すれ
ば、ケースとして時計を保護でき、また操作ボタ
ンなどを誤動作させることはなく、さらに机など
に時計を載置して使用する時は、時計本体を任意
の傾斜角度で立設でき、常に時刻表示部を最も見
易い角度で見ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は時計本体をカバーに収納して携帯する
状態の斜視図、第２図は時計本体を立設して置時
計として使用している状態を示す斜視図、第３図
はカバーの正面図、第４図は第３図−線断面
図、第５図Ａ〜Ｃはそれぞれ時計本体の傾斜角の
変化を示す一部切欠側面図である。 １……時計本体、２……時刻表示部、４……長
溝、５……スタンド兼用のカバー、５ａ……連結
部、５ｂ……カバー前面の連結部側の端部、５ｃ
……カバー背面の連結部側の端部、６……突起、
７……窓。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 時計本体の両側面には、その長手方向に沿つ
   て長溝が形成してあり、 上記時計本体の前面、背面および両側面を被
   覆可能でありかつスタンドを兼用するカバーに
   は、その両側面の一端部から延伸する連結部が
   設けてあり、 上記連結部の対向面には、上記長溝に嵌合摺
   動可能な突起が設けてあり、 上記カバー前面の上記連結部側の端部は、上
   記カバー背面の上記連結部側の端部よりも後退
   した位置にあり、 上記突起は、上記時計本体を上記カバーから
   引き出して上記突起が上記長溝に一端に嵌合し
   ているときに上記時計本体を上記突起を中心と
   して回転可能としかつ上記時計本体を上記長溝
   の長手方向に移動可能とするに十分な距離だ
   け、上記カバー背面の上記連結部の端部よりも
   さらに外側に位置している ことを特徴とする携帯時計。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項において、上
   記カバーの前面には、上記時計本体の時刻表示
   部に対向する窓が設けてあることを特徴とする
   携帯時計。