JPH0318959Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は通常の状態では置時計として利用す
るが、携帯用としても利用できる携帯用兼置時計
に関するものである。

「従来技術」 携帯用兼置時計は従来から種々の構造のものが
市販されている。携帯用時計を置時計として設置
するための構造としては第５図に示すように時計
本体１の背面側に腕木２を設け、腕木２を引き出
して腕木２によつて時計本体１を支える構造のも
の。或は第６図に示すようにケース半体３Ａ，３
Ｂをヒンジ４によつて開閉自在に結合し、ケース
半体３Ａ，３Ｂ内に時計本体１を一方のケース半
体３Ａに対してヒンジ６によつて結合し、ケース
半体３Ａ，３Ｂを開けた状態で時計本体１を起す
ことにより置時計として利用する構造のもの等が
市販されている。

「考案が解決しようとする問題点」 第５図に示した腕木２を用いる構造の場合、時
計本体１が後方に傾むいた状態で支持されるため
安定性が悪く転倒し易い欠点がある。

第６図に示した構造の場合は時計本体１の表示
面を大形化しようとするとケース半体３Ａ，３Ｂ
の平面形状も大きくなり、設置面積が大きくなつ
て設置のための占有面積が大きくなる欠点があ
る。

「問題点を解決するための手段」 この考案では時計本体の底面に台座用板を着脱
自在に設け、この台座用板を時計本体の底面に装
着することによつて時計本体を置時計として利用
できる状態にする。

更にこの考案では台座用板を時計本体の底面か
ら取外した状態において、その台座用板を時計本
体の背面に設けた凹部面に収納する。この構造に
よつて時計本体の外部に突起物が突出することが
ない構造としたものである。

従つてこの考案によれば置時計として利用する
場合、時計本体は台座用板によつて支持されるた
め安定性よく設置することができる。

特に時計本体の表示面の面積を大きくしても設
置面積が大きくなることはない。

また携帯用として利用するときは台座用板を時
計本体の凹部面に収納する構造としたから時計本
体から外部に突起物が生じることがない。よつて
時計本体の形状のまま携帯できるため携帯性を損
なうことがない。

「実施例」 第１図乃至第４図にこの考案の一実施例を示
す。第１図は置時計として使用している状態の
図、第２図は携帯用として使用している状態の図
を示す。

図中１は時計本体、１１は時計本体１の背面、
１２は時計本体１の底面を示す。１３は時計本体
１の底面１２に着脱自在に設けた台座用板を示
す。

台座用板１３は第３図に示すように弾性を有す
る樹脂材によつて形成された平板体１３Ａに、こ
の平板体１３Ａの板面と平行する舌片１３Ｂを形
成する。この例では二つの舌片１３Ｂを形成した
場合を示す。

この台座用板１３に対し、時計本体１の背面１
１の底面１２の近くに２個の舌片１３Ｂとそれぞ
れ嵌合する２つのスリツト１４（第１図）を設
け、これらの各スリツト１４に各舌片１３Ｂを嵌
合させることにより台座用板１３を時計本体１の
底面１２に装着する。台座用板１３を時計本体１
の底面１２に装着したことにより時計本体１は置
時計として使用できる状態となる。

一方時計本体１の背面１１のほぼ中央に第２図
に示すように凹部面１５を形成する。凹部面１５
の形状は台座用板１３の形状よりわずかに大きく
選定し、第２図に示すＷ相当分だけスライドさせ
ることができる形状とする。また凹部面１５の深
さＨは台座用板１３の厚みＴに等しいかわずかに
大きい程度に選定する。

凹部面１５内には二つの穴１６Ａ，１６Ｂを設
け、この穴１６Ａ，１６Ｂに台座用板１３に形成
した２つの舌片１３Ｂをそれぞれ収納する。二つ
の穴１６Ａ，１６Ｂは三方が壁１７（第２図、第
３図）で囲まれ、一つの壁が除去されてポケツト
形状とされる。壁１７が除去された部分に舌片１
３Ｂを押込むことにより舌片１３Ｂは凹部面１５
を構成する板材１８と嵌合する。この板材１８の
裏面に凹溝１９を形成しておくことにより舌片１
３Ｂに形成した突起２０が係合し台座用板１３は
凹部面１５内に係止される。従つて板材１８と凹
溝１９とによつて台座用板１３の係止部２１を構
成している。

「考案の作用効果」 以上説明したようにこの考案によれば台座用板
１３を時計本体１の底面１２に装着した場合は置
時計として使えると共に携帯するときは台座用板
１３を時計本体１の底面１２から取外し、時計本
体１の背面１１に形成した凹部面１５に収納すれ
ばよい。

置時計として用いる場合、時計本体１は台座用
板１３によつて垂直に立つた状態で設置すること
ができる。よつて安定性よく支持することができ
る。特に時計本体１の厚みが薄くても安定して支
持することができる。また設置に要する面積は台
座用板１３の形状によつて決まる。従つて時計本
体１の表示面の面積を大きく採つても設置の占有
面積が大きくなることはない。

更に携帯用として用いる場合台座用板１３を凹
部面１５に収納する構造のため時計本体１の周囲
に突起が生じることがない。特に台座用板１３を
時計本体１に収納したことによつて時計本体１の
外形が大きくなることはない。この結果携帯性が
損なわれることがない。また台座用板１３を凹部
面１５内に収納した状態では台座用板１３は舌片
１３Ｂと係止部２１によつて係止されているため
台座用板１３を紛失するような事故が起きること
を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による携帯用兼置時計を置時
計とした場合の構造を説明するための断面図、第
２図はこの考案による携帯用兼置時計を携帯用と
した場合の構造を説明するための断面図、第３図
はこの考案に用いた台座用板の構造を説明するた
めの斜視図、第４図はこの考案による携帯用兼置
時計の背面に形成した台座用板の収納部を説明す
るための斜視図、第５図及び第６図は従来の携帯
用時計の支持構造の一例を説明するための側面図
である。 １……時計本体、２……腕木、３Ａ，３Ｂ……
ケース半体、４，５……ヒンジ、１１……時計本
体の背面、１２……時計本体の底面、１３……台
座用板、１３Ａ……平板体、１３Ｂ……舌片、１
４……スリツト、１５……凹部面、１６Ａ，１６
Ｂ……穴、１７……壁、２１……係止部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 Ａ 弾性樹脂材によつて形成さえた平板体にこの
   平板体と一体にこの平板体と平行する複数の舌
   片を設けて成る台座用板と、 Ｂ 底面に近い背面に上記各舌片とそれぞれ嵌合
   する複数のスリツトを有し、かつ背面のほぼ中
   央に上記平板体を収納する上記台座用板の形状
   より僅かに大きな凹部面と、この凹部面内に設
   けられ上記各舌片をそれぞれ収納する複数の穴
   と、これらの複数の穴にそれぞれ上記各舌片を
   収納した状態で上記平板体を摺動させることに
   より上記各舌片と平板体の間に嵌合し上記台座
   用板を上記凹部面内に収納支持する係止部とを
   有して成る時計本体と、 からなる携帯用兼置時計。