JP2529308Y2

JP2529308Y2 - 文字盤取替え可能時計

Info

Publication number: JP2529308Y2
Application number: JP4577493U
Authority: JP
Inventors: 武志霜野
Original assignee: Sunwa Ltd
Current assignee: Sunwa Ltd
Priority date: 1993-08-23
Filing date: 1993-08-23
Publication date: 1997-03-19
Anticipated expiration: 2007-03-19
Also published as: JPH0714397U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、時計の文字盤取付構
造の改良に関するものであり、文字盤を異なる厚みのも
のに自由に取り替えられるようにした時計に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来の教材用の組立時計、掛時計等に
は、カバー、枠体等の材質、時計の外観形状といった点
では種々のものが存在していたが、カバーや枠体をその
まま残して、文字盤のみを異なる厚みのものに取り替え
られるものが存在しなかった。即ち、文字盤の厚みは材
質により異なるにもかかわらず、従来の組立時計、掛時
計等には、カバー外周縁の係止部に対応する係止穴が、
枠体側に一種類しか設けられていなかった為、異種の材
質により形成された異なる厚みの文字盤には取り替えが
できなかった。

【０００３】従って、従来の組立時計、掛時計等では、
製作者や使用者が、自己の好みや環境に合わせて文字盤
の材質を自由に選択することができず、又、文字盤のみ
を異なる厚みのものに取り替えられなかった為、不経済
であった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】そこで、この考案で
は、座の立ち上がり部に、カバー外周縁の係止部に対応
する係止穴を高さを変えて２組以上設け、各組の係止穴
を異なる厚みの文字盤に対応する高さとすることによ
り、材質により厚みの異なる文字盤を自由に取り替えら
れる時計を提供しようとするものである。

【０００５】即ち、この考案は、簡易な作業で文字盤を
異なる厚みのものに交換できる構造を提供することによ
り、従来には無かった、製作者や使用者が自由に文字盤
を選択できる文字盤取替え可能時計を提供しようとする
ものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この考案では、カバー２
の外周縁に２以上の係止部１を設け、文字盤３が接合す
る座１１の立ち上がり部１２に、前記２以上の係止部１
に対応する２組以上の係止穴１３を設け、前記係止穴１
３を組毎に異なる高さで、且つ文字盤３と係止部１の厚
みに対応した高さに形成し、文字盤３と座１１を接合さ
せ、カバー２を立ち上がり部１２に沿って枠体４に嵌め
込み、文字盤３と係止部１の厚みに緊密に嵌合する高さ
の係止穴１３に係止部１を係止させ、カバー２と文字盤
３を枠体４に取り付ける文字盤取替え可能時計としてい
る。

【０００７】又、前記２以上の係止部１を、カバー２の
外周縁に等間隔に設けたり、カバー２の外周縁の対向す
る位置に一対設け、係止部１に対応する前記２組以上の
係止穴１３を組毎に一定角度ずつずらせて実施すること
ができる。

【０００８】

【作用】この考案は次の作用を有する。枠体４の内側に
設けられた座１１は、文字盤３の端縁が接合する部位で
あり、カバー２の外周縁に設けられた２以上の係止部１
は、座１１に接する立ち上がり部１２に設けられた２組
以上の係止穴１３の一組と係止する。

【０００９】従って、文字盤３を座１１に接合させた状
態で、カバー２を枠体４の外周壁内面の立ち上がり部１
２に沿って嵌め込み、係止部１を一組の係止穴１３と係
止すれば、容易に文字盤３を枠体４に取り付けることが
できる。しかし、文字盤３はその材質により厚みが異な
るものであり、分厚い厚みの文字盤３を座１１に接合さ
せた場合、低い高さの係止穴１３は、文字盤３の厚みで
穴が被われてしまい、係止部１が係止できなくなる。

【００１０】かといって、係止穴１３の高さを必要以上
に高くすると、薄い厚みの文字盤３を座１１に接合させ
た場合に、文字盤３の上面と係止部１の間に必要以上の
隙間が生じてしまい、枠体４に取り付けたカバー２や文
字盤３がぐらつき、安定しなくなる。そこで、この考案
は、２組以上の係止穴１３を各組毎にそれぞれ異なる高
さに形成し、文字盤３の厚みが異なっても、何れか一組
の係止穴１３が、文字盤３と係止部１の厚みに緊密に嵌
合する高さとなる様に構成している。

【００１１】これにより、文字盤３を異なる厚みのもの
に取り替えても、文字盤３と係止部１の間に必要以上の
隙間を生じさせることなく、係止部１を何れか一組の係
止穴１３と係止できるようになった。従って、予め係止
穴１３を文字盤３の種類に対応した組数だけ立ち上がり
部１２に形成しておけば、材質、厚みの異なる文字盤３
を自由に選択して取り替えられる時計ができ上がる。

【００１２】

【実施例】以下、この考案の構成を図面に従って説明す
る。図１は、この考案の第一実施例の組立時計を示す分
解斜視図であり、図２は、この考案に係る組立時計の分
解状態を示す断面図である。この実施例の組立時計は、
端縁に３つの係止部１を設けた透明プラスチック製のカ
バー２、文字盤３、プラスチック製で円形の枠体４、時
計の機構部である時計本体５、止め金具６、回転自在に
取り付けられる時針７、分針８、秒針９により構成され
ている。

【００１３】枠体４の外周壁１０の内側には文字盤３の
端縁と接合する座１１が設けられており、外周壁１０の
内側で座１１に接する立ち上がり部１２には、係止部１
に対応した係止穴１３が設けられている。係止穴１３の
高さは、文字盤３と係止部１の厚みに対応して異なる寸
法に設定されており、文字盤３の厚みはその材質により
異なる。

【００１４】一例を挙げると、写真や絵などを基に形成
された文字盤３の厚みは約０．５ｍｍ、紙製ボードの場
合は約１．５ｍｍ、スクラッチ等のプラスチックの場合
は約２．３５ｍｍ、ステンシルベニヤ板の場合は約３．
３５ｍｍである。時計本体５は、枠体４の裏側に形成さ
れた収納部１４に収納され、回転軸１５が収納部１４の
中央に設けられた孔から突出する状態に取り付けられ
る。

【００１５】止め金具６は、時計本体５、枠体４、文字
盤３を連結する部材であり、止め金具６と文字盤３に
も、前記回転軸１５を挿通させる孔が設けられている。
収納部１４、文字盤３、止め金具６の各孔を貫通した回
転軸１５は、文字盤３の上面にその先端部を突出させ、
回転軸１５の先端部には時針７、分針８、秒針９が取り
付けられる。

【００１６】座１１は、文字盤３の端縁と接合する部位
であり、文字盤３と座１１が接合した状態で、文字盤３
の上にカバー２が取り付けられる。尚、この考案では、
カバー２や枠体４の材質を特に限定するものではない
為、カバー２をガラス等で、枠体４を金属等で形成して
も実施は可能である。図３は、枠体４を示す平面図であ
り、図４は、外周壁１０内面の部分拡大正面図である。

【００１７】この実施例の係止部１は、図１に示す様
に、一つの係止部１と二つの係止部１がカバー２の中心
点を挟んで対向する位置に、二等辺三角形を描く形に配
置されている。この実施例の係止穴１３は、図３に示す
様に、係止部１と対応する三つの穴を一組として、１３
Ａ、１３Ｂ、１３Ｃ、１３Ｄの四つの組が形成されてお
り、１３Ａ、１３Ｂの位置と、１３Ｃ、１３Ｄの位置が
十文字を形成する形に配されている。

【００１８】又、この実施例の係止穴１３Ａ、１３Ｂ、
１３Ｃ、１３Ｄを構成する三つの穴は、各組毎に高さが
統一されている。但し、この実施例では、四種類の異な
った材質及び厚みを持つ文字盤３の使用を想定している
為、組毎の高さは何れも異なる様に形成されている。例
えば、この実施例では、係止穴１３Ａの高さを、比較的
厚みの有るステンシルベニヤ板製の文字盤３を想定して
高く形成しているのに対して、係止穴１３Ｂの高さは、
薄い厚みの紙製ボードの文字盤３を想定して低く形成し
ている。

【００１９】従って、この実施例の使用者は、係止部１
の向きを９０度又は１８０度変えてカバー２を枠体４に
取り付けるだけで、四種類の異なる厚みの文字盤３を自
由に選択して使用することができる。図５は、第二実施
例の枠体１６を示す平面図である。前記図３の枠体４で
は、四組の係止穴１３Ａ、１３Ｂ、１３Ｃ、１３Ｄを形
成して、４種類の厚みの文字盤３に対応できる様に構成
しているが、図５の枠体１６は、この係止穴１３を、１
３Ａと１３Ｂのみにして簡略化している。

【００２０】即ち、この実施例は、使用する文字盤３の
材質が限られている場合を想定して、不必要な係止穴１
３Ｃ、１３Ｄを取り除いたものであり、カバー２外周縁
に於ける係止部１の配置は図１と同様である。図６は、
第三実施例の枠体１７を示す平面図であり、図７は、枠
体１７の外周壁１０内面の部分拡大正面図である。

【００２１】この実施例のカバー２は、図１のものと異
なり、カバー２の中心点から１８０度開いた対向する位
置に係止部１を一つずつ形成しており（図示せず）、こ
の係止部１に対応する係止穴１３Ａ、１３Ｂ、１３Ｃ
も、図６に示す様に、枠体１７の中心点から１８０度開
いた対向する位置に二つ一組に形成されており、各組毎
の配置は数度ずつずらされている。

【００２２】この実施例でも、三種類の異なった材質及
び厚みを持つ文字盤３に対応できる様に、係止穴１３
Ａ、１３Ｂ、１３Ｃの高さを変えて形成おり（図７参
照）、使用者は、係止部１の向きを変えることにより、
三種類の材質の文字盤３を自由に選択して使用すること
ができる。但し、この実施例のカバー２では、第一、第
二実施例の様に、カバー２の向きを９０度又は１８０度
も変える必要はなく、数度の向き変更により文字盤３を
取り替えることができる。

【００２３】図８は、第四実施例の枠体１８を示す平面
図である。この実施例では、枠体１８を正六角形に形成
し、カバー２外周縁の係止部１を、カバー２の中心点か
ら１２０度ずつ開いた等間隔の三点、即ち、三つの係止
部１が正三角形を描く三点に形成している。従って、係
止部１に対応して立ち上がり部１２に形成される係止穴
１３Ａ、１３Ｂ、１３Ｃも、各組を構成する三つの穴が
正三角形を描く三点に配され、各組の穴の高さは、三種
類の異なった材質及び厚みを持つ文字盤３に対応できる
高さに調整されている。

【００２４】この実施例でも、使用者は、係止部１の向
きを数度変えるだけで、三種類の異なる厚みの文字盤３
を自由に選択することができる。尚、第一、第二、第三
実施例では、枠体４、１６、１７の形状を円形とし、第
四実施例では、枠体１８の形状を正六角形として構成し
ているが、この考案では、時計の外観形状を特に限定す
るものではない為、枠体４、１６、１７、１８を他の四
角形、八角形等の形状としても、実施は可能である。

【００２５】以下に、この考案の実施例の組立時計の組
立手順を説明する。先ず、回転軸１５が収納部１４の中
央に設けられた孔から突出する状態に、時計本体５を枠
体４裏側の収納部１４に取り付ける。突出した回転軸１
５を文字盤３中央の孔に挿通させながら、文字盤３の端
縁を座１１と接合させる。

【００２６】止め金具６の中央の孔に回転軸１５を挿通
させつつ、止め金具６により文字盤３と枠体４を取り付
け、回転軸１５の先端部に、時針７、分針８、秒針９を
取り付ける。カバー２を外周壁１０内面の立ち上がり部
１２に沿って嵌め込み、文字盤３と係止部１の厚みに緊
密に嵌合する高さの係止穴１３、例えば、係止穴１３Ａ
の位置に係止部１の位置を合わせ、係止片１と係止穴１
３Ａを係止させると、カバー２が枠体４に取り付けら
れ、組立時計が完成する。

【００２７】又、文字盤３を異なる材質及び厚みのもの
に取り替える場合には、上記組立手順を逆に行い、取り
付けられていた文字盤３を外し、異なる文字盤３を座１
１と接合させた後、上記と同様の手順により組み立て
る。但し、文字盤３の厚みが前に取り付けていたものと
は異なる為、係止部１を係止させる係止穴１３は１３Ａ
ではなく、取り替えた文字盤３と係止部１の厚みに対応
し、係止部１が緊密に嵌合する高さの他の係止穴１３、
例えば、係止穴１３Ｂに係止部１が係止される。

【００２８】以後、文字盤３を異なる材質、厚みのもの
に取り替える度に、文字盤３と係止部１の厚みに対応し
た係止穴１３を、１３Ａ、１３Ｂ、１３Ｃ等の中から選
択すれば、上記と同様の手順により文字盤３の取り替え
が可能となる。従って、この考案により、厚みの異なる
複数の文字盤３を、ぐらつかせず、安定して取り付けら
れ、しかも、簡単な作業で異なる厚みの文字盤３に取り
替えられる時計が提供される。

【００２９】

【考案の効果】この考案により、カバーや枠体を取り替
えることなく、簡単な作業で異なる厚みの文字盤に取り
替えられる文字盤取替え可能時計が提供される。従っ
て、この考案により、製作者や使用者は、従来には無
い、異なる材質及び厚みの文字盤を自由に選択でき、経
済的な文字盤取替え可能時計の提供を受けることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】第一実施例である文字盤取替え可能な組立時計
を示す分解斜視図。

【図２】この考案に係る組立時計の分解状態を示す断面
図。

【図３】図１の枠体を示す平面図。

【図４】図３の枠体の外周壁内面の部分拡大正面図。

【図５】第二実施例の枠体を示す平面図。

【図６】第三実施例の枠体を示す平面図。

【図７】第三実施例の枠体の外周壁内面の部分拡大正面
図。

【図８】第四実施例の枠体を示す平面図。

【符号の説明】

１係止部２カバー３文字盤４枠体５時計本体６止め金具７時針８分針９秒針１０外周壁１１座１２立ち上がり部１３係止穴１３Ａ係止穴１３Ｂ係止穴１３Ｃ係止穴１３Ｄ係止穴１４収納部１５回転軸１６枠体１７枠体１８枠体

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】カバー（２）の外周縁に２以上の係止部
（１）を設け、文字盤（３）が接合する座（11）の立ち
上がり部（12）に、前記２以上の係止部（１）に対応す
る２組以上の係止穴（13）を設け、前記係止穴（13）を
組毎に異なる高さで、且つ文字盤（３）と係止部（１）
の厚みに対応した高さに形成し、文字盤（３）と座（1
1）を接合させ、カバー（２）を立ち上がり部（12）に
沿って枠体（４）に嵌め込み、文字盤（３）と係止部
（１）の厚みに緊密に嵌合する高さの係止穴（13）に係
止部（１）を係止させ、カバー（２）と文字盤（３）を
枠体（４）に取り付けることを特徴とする文字盤取替え
可能時計。
【請求項２】前記２以上の係止部（１）をカバー
（２）の外周縁に等間隔に設け、係止部（１）に対応す
る前記２組以上の係止穴（13）を組毎に一定角度ずつず
らせて設けたことを特徴とする請求項１記載の文字盤取
替え可能時計。
【請求項３】前記係止部（１）をカバー（２）の外周
縁の対向する位置に一対設け、係止部（１）に対応する
前記２組以上の係止穴（13）を組毎に一定角度ずつずら
せて設けたことを特徴とする請求項１記載の文字盤取替
え可能時計。