JPS646274B2 - - Google Patents
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- JPS646274B2 JPS646274B2 JP60034155A JP3415585A JPS646274B2 JP S646274 B2 JPS646274 B2 JP S646274B2 JP 60034155 A JP60034155 A JP 60034155A JP 3415585 A JP3415585 A JP 3415585A JP S646274 B2 JPS646274 B2 JP S646274B2
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Landscapes
- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Chemically Coating (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、耐熱性、断熱性、耐摩耗性にすぐれ
た断熱型エンジン用シリンダライナに関するもの
である。
た断熱型エンジン用シリンダライナに関するもの
である。
従来、エンジンは、主として鋳鉄やアルミニウ
ム合金などの金属材によつて製作されていた。
ム合金などの金属材によつて製作されていた。
しかるに、最近、エンジンでの冷却による大き
な熱損失を低減し、エンジンの熱効率を高めよう
とする研究が盛んとなり、エンジン部品として耐
熱性、耐摩耗性のすぐれたセラミツクスやセラミ
ツクス・金属の複合体を使用することが多く提案
されている。これらのうちセラミツクス・金属複
合体のセラミツクスは、多くは高温度において焼
結されたセラミツクスであり、このセラミツクス
を金属部材に焼き嵌め、鋳ぐるみ、ボルト締めろ
う接等により複合体とするか、あるいは高融点セ
ラミツク材料を金属基材上に溶射コーテングして
複合体を形成するものである。
な熱損失を低減し、エンジンの熱効率を高めよう
とする研究が盛んとなり、エンジン部品として耐
熱性、耐摩耗性のすぐれたセラミツクスやセラミ
ツクス・金属の複合体を使用することが多く提案
されている。これらのうちセラミツクス・金属複
合体のセラミツクスは、多くは高温度において焼
結されたセラミツクスであり、このセラミツクス
を金属部材に焼き嵌め、鋳ぐるみ、ボルト締めろ
う接等により複合体とするか、あるいは高融点セ
ラミツク材料を金属基材上に溶射コーテングして
複合体を形成するものである。
しかるに、これらの方法のうち、高温焼結され
たセラミツクスは、いずれも高度な製造技術を必
要とし、その製造工程が複雑であり、かつ、高温
度で焼結するなどのために製造コストがいちじる
しく高くなるなどといつた欠点がある。
たセラミツクスは、いずれも高度な製造技術を必
要とし、その製造工程が複雑であり、かつ、高温
度で焼結するなどのために製造コストがいちじる
しく高くなるなどといつた欠点がある。
又、セラミツク溶射コーテング法は、最近溶射
技術の進歩により金属基材上に比較的均質なセラ
ミツク層の形成が容易となり、溶射コーテングの
コストは、高温焼結セラミツクスに比していちじ
るしく低廉である。又、溶射コーテングしたセラ
ミツクスは、一般に多孔質であり、その組織中の
気孔は、金属基体との熱膨張差や機械的な応力を
吸収し、熱膨張や変形を緩和し、さらに、比較的
薄い層であつても大きな断熱性を有するなど大き
な利点を有している。しかしながら、反面、本質
的に多くの開放気孔を有しているため、エンジン
の稼動時に燃料ガスや燃焼生成物が溶射セラミツ
クスの組織中に浸入拡散し、セラミツクスが亀裂
や剥離などの損傷を招き、又、セラミツクスの表
面を研磨加工する工程が必要であるためかなりコ
スト高になるなどといつた欠点を有するものであ
る。
技術の進歩により金属基材上に比較的均質なセラ
ミツク層の形成が容易となり、溶射コーテングの
コストは、高温焼結セラミツクスに比していちじ
るしく低廉である。又、溶射コーテングしたセラ
ミツクスは、一般に多孔質であり、その組織中の
気孔は、金属基体との熱膨張差や機械的な応力を
吸収し、熱膨張や変形を緩和し、さらに、比較的
薄い層であつても大きな断熱性を有するなど大き
な利点を有している。しかしながら、反面、本質
的に多くの開放気孔を有しているため、エンジン
の稼動時に燃料ガスや燃焼生成物が溶射セラミツ
クスの組織中に浸入拡散し、セラミツクスが亀裂
や剥離などの損傷を招き、又、セラミツクスの表
面を研磨加工する工程が必要であるためかなりコ
スト高になるなどといつた欠点を有するものであ
る。
本発明者らは、これらの欠点を解決し、損傷を
受けることがなく、表面研磨加工の工数を少なく
するシリンダライナを得べく研究を重ねた結果、
シリンダ内周面の上方部分に溶射ライニング層と
酸化クロムによつて結合強化されたセラミツク層
との二層に形成し、その他の部分を上方部分の表
層と連続した同組成のセラミツク層を形成したラ
イナとすることによつて目的を達し得ることを見
出して本発明をなしたものである。すなわち、本
発明は、鉄及び鉄基合金を基体とし、内周面が全
面にわたりセラミツク層を形成してなるシリンダ
ライナであり、シリンダライナの上方部分の前記
セラミツク層は、下層が酸化クロムの結合により
強化された溶射セラミツク層で形成され、その上
にセラミツク粉末を酸化クロムにより結合強化し
たセラミツクスを表面層として形成した二種類の
セラミツクスを積層して一段と厚く形成され、シ
リンダライナの中央部及び下方部の内周面は、前
記セラミツク粉末を酸化クロムにより結合強化し
たセラミツクスが前記上方部の表面層と連続して
形成してなる断熱型エンジン用シリンダライナで
ある。
受けることがなく、表面研磨加工の工数を少なく
するシリンダライナを得べく研究を重ねた結果、
シリンダ内周面の上方部分に溶射ライニング層と
酸化クロムによつて結合強化されたセラミツク層
との二層に形成し、その他の部分を上方部分の表
層と連続した同組成のセラミツク層を形成したラ
イナとすることによつて目的を達し得ることを見
出して本発明をなしたものである。すなわち、本
発明は、鉄及び鉄基合金を基体とし、内周面が全
面にわたりセラミツク層を形成してなるシリンダ
ライナであり、シリンダライナの上方部分の前記
セラミツク層は、下層が酸化クロムの結合により
強化された溶射セラミツク層で形成され、その上
にセラミツク粉末を酸化クロムにより結合強化し
たセラミツクスを表面層として形成した二種類の
セラミツクスを積層して一段と厚く形成され、シ
リンダライナの中央部及び下方部の内周面は、前
記セラミツク粉末を酸化クロムにより結合強化し
たセラミツクスが前記上方部の表面層と連続して
形成してなる断熱型エンジン用シリンダライナで
ある。
本発明において使用する鉄及び鉄基合金として
は、本発明が金属・セラミツクス接合体であるの
で、金属とセラミツクス両部材の熱膨張特性が近
似していることがとくに重要であるので、たとえ
ば、鋳鉄、クロム鋼などがあげられる。
は、本発明が金属・セラミツクス接合体であるの
で、金属とセラミツクス両部材の熱膨張特性が近
似していることがとくに重要であるので、たとえ
ば、鋳鉄、クロム鋼などがあげられる。
セラミツクスとしては、シリンダライナの上方
部分の下層を形成するセラミツクスは、酸化物が
主体であり、たとえば、Y2O3、CaO、MgOなど
により安定化処理されたZrO2又はTiO2+Al2O3、
Cr2O3、Al2O3など及びこれら酸化物の混合物な
どがあげられ、粒度44〜10μm程度の粉状として
使用する。しかして、これらを高温プラズマで溶
射コーテング被膜とした後、生ずる気孔をできる
だけ減少させることなく閉塞気孔化及びセラミツ
ク組織の強化処理に使用する処理物は、開放気孔
の気孔大きさに見合う粒子径のセラミツク粉末、
たとえば、ZrO2、Al2O3、SiO2、Cr2O3などから
選ばれたセラミツク粉末と、比重が1.65〜1.75の
クロム酸の濃水溶液とからなる粘度900〜1500cp
のスラリーとしたものである。
部分の下層を形成するセラミツクスは、酸化物が
主体であり、たとえば、Y2O3、CaO、MgOなど
により安定化処理されたZrO2又はTiO2+Al2O3、
Cr2O3、Al2O3など及びこれら酸化物の混合物な
どがあげられ、粒度44〜10μm程度の粉状として
使用する。しかして、これらを高温プラズマで溶
射コーテング被膜とした後、生ずる気孔をできる
だけ減少させることなく閉塞気孔化及びセラミツ
ク組織の強化処理に使用する処理物は、開放気孔
の気孔大きさに見合う粒子径のセラミツク粉末、
たとえば、ZrO2、Al2O3、SiO2、Cr2O3などから
選ばれたセラミツク粉末と、比重が1.65〜1.75の
クロム酸の濃水溶液とからなる粘度900〜1500cp
のスラリーとしたものである。
この表面層に連続してシリンダ内周面に形成す
るセラミツクスは、前記シリンダ上方部の下層上
に形成する表面層セラミツクスと同様なセラミツ
ク粉末とクロム酸の濃水溶液とからなるスラリー
としたものである。
るセラミツクスは、前記シリンダ上方部の下層上
に形成する表面層セラミツクスと同様なセラミツ
ク粉末とクロム酸の濃水溶液とからなるスラリー
としたものである。
このようなセラミツク原料を使用して、鉄及び
鉄基合金を基体としたシリンダ内周面にセラミツ
ク層を形成するのであるが、先ず、シリンダ上方
部に形成するセラミツク下層は、前記酸化物群か
ら適宜選択した酸化物を通常の溶射コーテング法
によつて、使用する基体の内径よりやや内径が小
さくなるような比較的厚い層に形成される。ここ
に形成された溶射セラミツク層は、酸化物融液が
高速で基体表面に衝突し偏平粒子となつて基体に
接着し、順次重なり結合しあつて形成されている
ものであるから本質的に多孔質であり、原材料の
種類や粒度分布、溶射条件などによりセラミツク
スの組織もかなり異なる。たとえばY2O3やCaO
によつて安定化処理したZrO2やAl2O3の44〜10μ
mの粒度分布を有する粉末を基体上に好条件でプ
ラズマ溶射して形成されるセラミツクスは、通常
7〜13%程度の気孔を有している。セラミツクス
組織中の気孔は、温度変化や機械振動などで生じ
る応力を吸収するため、熱衝撃や変形が緩和さ
れ、又、比較的薄い層で大きな断熱効果が得られ
る。
鉄基合金を基体としたシリンダ内周面にセラミツ
ク層を形成するのであるが、先ず、シリンダ上方
部に形成するセラミツク下層は、前記酸化物群か
ら適宜選択した酸化物を通常の溶射コーテング法
によつて、使用する基体の内径よりやや内径が小
さくなるような比較的厚い層に形成される。ここ
に形成された溶射セラミツク層は、酸化物融液が
高速で基体表面に衝突し偏平粒子となつて基体に
接着し、順次重なり結合しあつて形成されている
ものであるから本質的に多孔質であり、原材料の
種類や粒度分布、溶射条件などによりセラミツク
スの組織もかなり異なる。たとえばY2O3やCaO
によつて安定化処理したZrO2やAl2O3の44〜10μ
mの粒度分布を有する粉末を基体上に好条件でプ
ラズマ溶射して形成されるセラミツクスは、通常
7〜13%程度の気孔を有している。セラミツクス
組織中の気孔は、温度変化や機械振動などで生じ
る応力を吸収するため、熱衝撃や変形が緩和さ
れ、又、比較的薄い層で大きな断熱効果が得られ
る。
ついで、ここに形成されたセラミツク層を研
削・研磨してシリンダ内径と同じ径にする。
削・研磨してシリンダ内径と同じ径にする。
次に、前記のようなクロム酸とセラミツク粉末
とのスラリーをシリンダ全内周に浸漬又はスプレ
ーのような方法で塗装し乾燥後、500〜600℃で30
〜100分間加熱処理して溶射セラミツク層に積層
し、溶射セラミツク層を強化溶射セラミツク化す
るとともに、シリンダの上方部のセラミツク層を
二層構造とし、さらに、シリンダの中央部及び下
方部にわたつてシリンダ内周全面に同時に同様な
セラミツク層で被覆しライナを形成する。このセ
ラミツク層形成は、スラリーの塗装・加熱処理を
少なくとも1回繰返して行なうことが好ましく、
セラミツク層形成後、シリンダライナの内径を所
定の寸法に研磨加工する。
とのスラリーをシリンダ全内周に浸漬又はスプレ
ーのような方法で塗装し乾燥後、500〜600℃で30
〜100分間加熱処理して溶射セラミツク層に積層
し、溶射セラミツク層を強化溶射セラミツク化す
るとともに、シリンダの上方部のセラミツク層を
二層構造とし、さらに、シリンダの中央部及び下
方部にわたつてシリンダ内周全面に同時に同様な
セラミツク層で被覆しライナを形成する。このセ
ラミツク層形成は、スラリーの塗装・加熱処理を
少なくとも1回繰返して行なうことが好ましく、
セラミツク層形成後、シリンダライナの内径を所
定の寸法に研磨加工する。
さらに、比重1.65〜1.75のクロム酸の濃水溶液
を前記のようにして形成したセラミツク層の上に
含浸させ乾燥後、500〜600℃、30〜100分間加熱
処理する操作を繰返して行ない組織の結合強化及
び緻密化を行なうものである。
を前記のようにして形成したセラミツク層の上に
含浸させ乾燥後、500〜600℃、30〜100分間加熱
処理する操作を繰返して行ない組織の結合強化及
び緻密化を行なうものである。
このようにして形成されたシリンダライナの一
例は、第1図に示すようなものであつて、1は、
円筒形の金属基体、2は、酸化クロムの結合硬化
により強化された溶射セラミツク層、3は、セラ
ミツク粉末を酸化クロムによつて結合強化された
セラミツク層であり、第2図〜第7図は、第1図
のA部分に相当する部分の拡大断面図であつて、
第2図及び第3図は、強化溶射セラミツク層2の
厚さが同一の厚みである場合を示し、第4図及び
第5図は、強化溶射セラミツク層2の厚さがその
下端部で次第に薄く形成された場合を示し、第6
図及び第7図は、強化溶射セラミツク層2の上端
部を最大厚とし、下方に向つて次第に薄く形成し
た場合を示したものであつて、これらのどの形態
に形成してもよいものである。
例は、第1図に示すようなものであつて、1は、
円筒形の金属基体、2は、酸化クロムの結合硬化
により強化された溶射セラミツク層、3は、セラ
ミツク粉末を酸化クロムによつて結合強化された
セラミツク層であり、第2図〜第7図は、第1図
のA部分に相当する部分の拡大断面図であつて、
第2図及び第3図は、強化溶射セラミツク層2の
厚さが同一の厚みである場合を示し、第4図及び
第5図は、強化溶射セラミツク層2の厚さがその
下端部で次第に薄く形成された場合を示し、第6
図及び第7図は、強化溶射セラミツク層2の上端
部を最大厚とし、下方に向つて次第に薄く形成し
た場合を示したものであつて、これらのどの形態
に形成してもよいものである。
本発明は、シリンダ内周面の上方部分には、下
層が酸化クロムの結合により強化された溶射セラ
ミツク層で形成され、その上にセラミツク粉末を
酸化クロムにより結合強化したセラミツクスを表
面層として形成した二層のセラミツク層とし、上
方部分に続く中央部及び下方部には、上方部分の
表面層に連続して同一組成のセラミツク層を形成
させたので、全面を溶射セラミツク層としたもの
に較べ研削研磨する量を減少させ得、熱処理温度
も比較的低く、断熱性、耐熱性、耐摩耗性にすぐ
れているシリンダライナを容易にかつ安価に製造
し得るなどすぐれた効果が認められる。
層が酸化クロムの結合により強化された溶射セラ
ミツク層で形成され、その上にセラミツク粉末を
酸化クロムにより結合強化したセラミツクスを表
面層として形成した二層のセラミツク層とし、上
方部分に続く中央部及び下方部には、上方部分の
表面層に連続して同一組成のセラミツク層を形成
させたので、全面を溶射セラミツク層としたもの
に較べ研削研磨する量を減少させ得、熱処理温度
も比較的低く、断熱性、耐熱性、耐摩耗性にすぐ
れているシリンダライナを容易にかつ安価に製造
し得るなどすぐれた効果が認められる。
次に、本発明の実施例を述べる。
実施例
(1) 各原料の調製
(イ) シリンダ基体
鋳鉄FC―35を用い、内径が上方部で82mm、
中央部〜下方部が80.3mm、肉厚5.5mmで、内
径82mmの部分の長さが22mmであり、全長が
150mmの円筒形に形成した。
中央部〜下方部が80.3mm、肉厚5.5mmで、内
径82mmの部分の長さが22mmであり、全長が
150mmの円筒形に形成した。
(ロ) 溶射セラミツク原料
Y2O38重量%で安定化処理したZrO2を粒
度44〜10μmの粉末として調製した。
度44〜10μmの粉末として調製した。
(ハ) クロム酸濃水溶液
CrO3を使用して水に溶解して、比重1.65
のクロム酸濃水溶液を調製した。
のクロム酸濃水溶液を調製した。
(ニ) 全内周に施行するセラミツクスラリー
Y2O3で安定化処理したZrO240重量%、
SiO245重量%、Cr2O313重量%の割合で、い
ずれも15μm以下で平均粒径4μmの粒度分布
の粉末を混合して混合粉末とし、これを(1)―
(ハ)において調製した比重1.65のクロム酸濃水
溶液によつて粘度1000cpのスラリーを調製
した。
Y2O3で安定化処理したZrO240重量%、
SiO245重量%、Cr2O313重量%の割合で、い
ずれも15μm以下で平均粒径4μmの粒度分布
の粉末を混合して混合粉末とし、これを(1)―
(ハ)において調製した比重1.65のクロム酸濃水
溶液によつて粘度1000cpのスラリーを調製
した。
(2) セラミツク層の形成
(イ) 上方部下層セラミツク層
(1)―(ロ)で調製したセラミツク粉末を(1)―(イ)
で調製した基体の上方部に通常行なわれる条
件によつてプラズマ溶射コーテングして約
900μmの厚さの被膜を形成し、この被膜の
表面を研削・研磨して中央部〜下方部の内周
面と同一面となるように内径80.3mmに仕上げ
た。
で調製した基体の上方部に通常行なわれる条
件によつてプラズマ溶射コーテングして約
900μmの厚さの被膜を形成し、この被膜の
表面を研削・研磨して中央部〜下方部の内周
面と同一面となるように内径80.3mmに仕上げ
た。
(ロ) 全内周面セラミツク層
次に、(1)―(ニ)で調製したスラリーをシリン
ダ基体の内周面((2)―(イ)で形成した下層セラ
ミツク層をも含む)に塗装し、これを600℃
で40分間加熱処理し、さらにもう1回この塗
装及び熱処理を行なつてセラミツクライナを
形成した後、ライナを内径が80mmになるよう
に研磨加工した。
ダ基体の内周面((2)―(イ)で形成した下層セラ
ミツク層をも含む)に塗装し、これを600℃
で40分間加熱処理し、さらにもう1回この塗
装及び熱処理を行なつてセラミツクライナを
形成した後、ライナを内径が80mmになるよう
に研磨加工した。
次に、(1)―(ハ)で調製した比重1.65のクロム
酸濃水溶液を使用して(2)―(イ)(ロ)で形成したセ
ラミツク層に浸漬法によつて含浸させ、これ
を600℃に40分間加熱処理した。この含浸・
加熱処理を8回反復して行なつた。ついで、
このようにして得たセラミツク層で形成され
たシリンダライナの内周面をラツピング仕上
げを行なつて製品を得た。
酸濃水溶液を使用して(2)―(イ)(ロ)で形成したセ
ラミツク層に浸漬法によつて含浸させ、これ
を600℃に40分間加熱処理した。この含浸・
加熱処理を8回反復して行なつた。ついで、
このようにして得たセラミツク層で形成され
たシリンダライナの内周面をラツピング仕上
げを行なつて製品を得た。
(3) 製品の評価
得られた製品について各種試験を行なつた。
その結果、室温〜600℃における線熱膨張係数
は、鋳鉄基体が11.9×10-6/℃、強化溶射セラ
ミツク層が11.5×10-6/℃、酸化クロム結合強
化セラミツク層が11.4×10-6/℃であり、金属
基材とセラミツク層との熱膨張特性は非常によ
く適合していることが認められた。
その結果、室温〜600℃における線熱膨張係数
は、鋳鉄基体が11.9×10-6/℃、強化溶射セラ
ミツク層が11.5×10-6/℃、酸化クロム結合強
化セラミツク層が11.4×10-6/℃であり、金属
基材とセラミツク層との熱膨張特性は非常によ
く適合していることが認められた。
又、鋳鉄とセラミツク層との接合強度は、引
張強さで460Kg/cm2以上の値を示した。
張強さで460Kg/cm2以上の値を示した。
又、熱サイクル試験として、電気炉を用い、
室温と600℃間の急熱及び空冷試験を50回反復
した結果、亀裂の発生及び剥落などの異常は認
められず、この試験後のセラミツク表面の硬度
は、HMV(50g)1800であつた。
室温と600℃間の急熱及び空冷試験を50回反復
した結果、亀裂の発生及び剥落などの異常は認
められず、この試験後のセラミツク表面の硬度
は、HMV(50g)1800であつた。
さらに、600℃における熱伝導率は、ライナ
の上方部の積層セラミツク層で0.0042cal/
cm・sec・℃、中央部〜下方部のセラミツク層
で0.0065cal/cm・sec・℃であつた。
の上方部の積層セラミツク層で0.0042cal/
cm・sec・℃、中央部〜下方部のセラミツク層
で0.0065cal/cm・sec・℃であつた。
このように、本発明品は、非常にすぐれた断熱
性を有しかつ耐摩耗性にすぐれた耐久性のあるシ
リンダライナである。
性を有しかつ耐摩耗性にすぐれた耐久性のあるシ
リンダライナである。
第1図は本発明に係るシリンダライナの全体縦
断面図、第2図、第3図、第4図、第5図、第6
図及び第7図は、本発明の各実施例の示す部分拡
大断面図である。
断面図、第2図、第3図、第4図、第5図、第6
図及び第7図は、本発明の各実施例の示す部分拡
大断面図である。
Claims (1)
- 1 鉄及び鉄基合金を基体とし、内周面が全面に
わたりセラミツク層を形成してなるシリンダライ
ナであり、シリンダライナの上方部分の前記セラ
ミツク層は、下層が酸化クロムの結合により強化
された溶射セラミツク層で形成され、その上にセ
ラミツク粉末を酸化クロムにより結合強化したセ
ラミツクスを表面層として形成した二種類のセラ
ミツクスを積層して一段と厚く形成され、シリン
ダライナの中央部及び下方部の内周面は、前記セ
ラミツク粉末を酸化クロムにより結合強化したセ
ラミツクスが前記上方部の表面層と連続して形成
してなることを特徴とする断熱型エンジン用シリ
ンダライナ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60034155A JPS61194187A (ja) | 1985-02-22 | 1985-02-22 | 断熱型エンジン用シリンダライナ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60034155A JPS61194187A (ja) | 1985-02-22 | 1985-02-22 | 断熱型エンジン用シリンダライナ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61194187A JPS61194187A (ja) | 1986-08-28 |
JPS646274B2 true JPS646274B2 (ja) | 1989-02-02 |
Family
ID=12406312
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60034155A Granted JPS61194187A (ja) | 1985-02-22 | 1985-02-22 | 断熱型エンジン用シリンダライナ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61194187A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61145851U (ja) * | 1985-03-04 | 1986-09-09 | ||
US9534559B2 (en) * | 2012-06-20 | 2017-01-03 | General Electric Company | Variable thickness coatings for cylinder liners |
US10934967B2 (en) * | 2018-11-28 | 2021-03-02 | Tenneco Inc. | Thermal barrier cylinder liner insert |
CN112480723B (zh) * | 2020-12-04 | 2022-02-25 | 泉州市东起汽车零部件有限公司 | 发动机气缸套外壁喷涂耐腐蚀层的制造方法 |
-
1985
- 1985-02-22 JP JP60034155A patent/JPS61194187A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61194187A (ja) | 1986-08-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |