JPS646121Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、抽斗サスペンシヨン装置における中
間レールのほぼ中央部下面に合成樹脂製の振れ止
め部材を固定してこれを固定レールの下部折曲部
に摺動自在に嵌合することにより、抽斗開閉中の
横振れを防止するようにした抽斗の横振れ防止装
置に関するもので、特に抽斗を引出した際、中間
レールがストツパーにより停止後もさらに抽斗レ
ールが中間レール内を移動して抽斗をキヤビネツ
ト本体から前方に引出し得るようにしたオーバー
スライド装置付きサスペンシヨン装置において、
キヤビネツトから完全に前方に引出されて不安定
な状態となる抽斗の横振れを確実に防止し得るよ
うにしたものである。

次にその詳細を図示のオーバースライド装置付
き抽斗サスペンシヨン装置に実施した一例につき
説明すると、１は固定レールで、背面の前後に切
起し設けた係合片２，２′をもつて第３図に示す
ようにキヤビネツト本体Ｍに取付けられ、その上
部折曲部３と下部折曲部４の間に中間レール５の
上部折曲部６と下部折曲部７が嵌合し、中間レー
ル５の上部後端に軸支した転子８、下部ほぼ中央
部とその後方に軸支した転子１０，１０′がそれ
ぞれ固定レール１上下の折曲部３，４に転動自在
に嵌合し、また中間レール５の上部に設けた支持
杆１１にその軸１２′を支持せしめて上部折曲部
６に転動自在に嵌合する遊動転子１２と、下部前
端に軸支した前部転子９および上記中央および後
方の転子１０，１０′の間に抽斗Ｎの側面に固定
した抽斗レール１３が摺動自在に保持されるよう
になつている。

さらにオーバースライド装置として中間レール
５の上記下部中央の転子１０の後方寄りにやや小
径の補助転子１４がその下周面が中間レールの下
部折曲部７底面の切欠開口１５を貫通して下部転
子１０，１０′等の下周面と同位となるよう軸支
され、また、上記中央の転子１０の前方寄りにも
やや小径の補助転子１６がその上周面が下部転子
９，１０，１０′等の上周面と同位となるよう軸
支され、上記遊動転子１２がこの前部補助転子１
６の直上まで転動し得るよう支持杆１１は前方に
延長されている。この補助転子１４，１６は下部
転子９，１０，１０′等と同径でもよい。而して
下部中央の転子１０と後部補助転子１４の間の中
間レール５下部折曲部７の下面には、第３図〜第
６図に示すように、両側に滑動片１７ａ，１７ａ
を張出し設けた滑性の良好な合成樹脂製の振れ止
め部材１７が下部折曲部７底面の中央の転子１０
の貫通する切欠開口１８と後部補助転子１４の貫
通する切欠開口１５の間に介在する板部１９にそ
の前後の立上り縁１７ｂ，１７ｂを被嵌し、ほぼ
中央部に突設した取付軸１７ｃを上記板部１９に
穿設した取付孔２０に嵌着して取付けられ、上記
滑動片１７ａ，１７ａが固定レール１の下部折曲
部４に摺動自在に嵌合している。

２１は中間レール５の上部折曲部６の後部上面
に取付けた振れ止め部材兼用のストツパーで、滑
性の良好な合成樹脂材で作られ、両側に張り出し
設けた滑動片２１ａ，２１ａが固定レール１の上
部折曲部３に摺動自在に嵌合している。２２は固
定レール１の上部折曲部３に取付けたストツパー
係止片で、抽斗を引出した際、上記中間レール５
のストツパー２１が折曲部３から下方に突出する
脚部（図示せず）に係止されるようになつてい
る。２３は固定レール１の前端部に取付けた滑子
である。

而して抽斗Ｎを引出すときは、中間レール５は
抽斗レール１３に駆動されてその1/2の速度で前
進する。そして中央の下部転子１０が固定レール
１の前縁から外れた時点で上記ストツパー２１が
固定レール１の上部係止片２２に係止されるので
中間レール５は停止する。このとき抽斗レール１
３はこの中央の下部転子１０上にその後縁が来て
おり、従来のサスペンシヨン装置ではほぼこの位
置で抽斗も停止するようになつているが、図にお
いて抽斗レール１３はさらに遊動転子１２と下部
転子９、補助転子１６に保持されて抽斗レール１
３の後縁が補助転子１６に到達するまで前進する
ことができ、この位置で抽斗Ｎの側面に突設した
係止片２４が中間レール５前部のストツパー２５
に係止されて抽斗Ｎは停止する。従つて抽斗Ｎは
従来のサスペンシヨン装置に比べ前部転子１０と
前部補助転子１６間の距離だけさらに前方に引出
されるので完全にキヤビネツト本体Ｍから引出す
ことができる。

抽斗Ｎを閉じるときは上記と反対に抽斗レール
１３の後縁が中央の転子１０に係合するまで後退
する。その間、中間レール５は中央の転子１０の
下周面が固定レール１の下部折曲部４の前縁に軽
く当接しているので何等かの原因で中間レール５
が共に後退せんとしてもこれを係止することがで
きる。抽斗レール１３が転子１０に係合後は転子
１０が固定レールの下部折曲部４に乗り、以下従
来のサスペンシヨン装置と同様に中間レール５も
抽斗レール１３に駆動されて後退し、前部ストツ
パー２５が固定レール１の上部折曲部３前縁の切
欠部２６に係止されて停止し、また抽斗の前板部
がストツパー２５に係止されて抽斗は閉じ位置に
停止する。

而して本考案においては上述のように中間レー
ル５のほぼ中央部下面に振れ止め部材１７を固定
してこれを固定レール１の下部折曲部７に摺動自
在に嵌合せしめたから、中間レール５の移動中の
横振れが防止され、従つて抽斗Ｎの引出し中の振
れを防止することができる。特に上述の如くオー
バースライド装置付きのサスペンシヨン装置にお
いては抽斗は従来のサスペンシヨン装置よりさら
に前方に引出されるので不安定になるが、この振
れ止め部材１７により中間レール５の下部の横振
れが防止されるので、確実にその振れを防止して
円滑に開閉することができる。

上記中央の転子１０は抽斗を引出した際、従来
のサスペンシヨン装置と同様、固定レール１の前
縁から外れぬようにしてもよい。この場合は後部
補助転子１４は不用となる。また抽斗を閉じる際
の中間レール５の戻りは、例えば前記振れ止め部
材１７の滑動片１７ａを固定レール１の下部折曲
部４の内側面に設けた浅い係止溝に軽く弾発的に
係止する等により抽斗レール１３が戻るまで抑止
しておくようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の１実施例を示し、第１図は固定
レールの斜視図、第２図は中間レールの斜視図、
以下拡大して示し、第３図はサスペンシヨン装置
の組立状態を示す縦断正面図、第４図は中間レー
ルの部分側面図、第５図は同底面図、第６図は振
れ止め部材の斜視図である。 １……固定レール、２……中間レール、８……
後部転子、９，１０，１０′……下部転子、１２
……遊動転子、１３……抽斗レール、１４，１６
……補助転子、１７……振れ止め部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 抽斗サスペンシヨン装置の中間レール５のほぼ
   中央部下面に両側に滑動片１７ａ，１７ａを張出
   し設けた合成樹脂製の振れ止め部材１７を固定し
   てこれを固定レール１の下部折曲部４に摺動自在
   に嵌合せしめてなる抽斗の横振れ防止装置。