JPS645931Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は電柱に架設された配電線路の雷害防止
対策として、配電線路の上方に架空地線を架設す
る装置に関するものである。

（従来例の構成とその問題点） 従来から、架空配電線路の雷害防止対策として
の架空地線を施設するには、高圧配電線が危険で
あるために、停電したのち行つているが、広い地
域に送電を行つている配電線を停止させると種々
の弊害が生じるせのである。

そのため、実開昭57−168915号公報に記載され
ているように、各電柱の上端に立設した補助支柱
に複数本のアームを放射状に突設してなる水平旋
回アーム部材を取りつけ、このアーム部材のアー
ム上に延線ロープを架設したのち延線してロープ
端に接続した架空地線をアームの旋回により移動
させつつ架設するように構成した装置が開発され
たが、高圧配電線の上方で架設工事を行うために
架空地線が垂下した場合、極めて危険であり、そ
のため、架空地線を一定長さ寸法毎に吊支する補
助ロープや支持具を必要とし、作業が煩雑化する
と共に長時間を要するという問題点があつた。

（考案の目的） 本考案は上記問題点に鑑みてなされたもので、
架空地線を高圧活線の外側下方で架設したのち、
その架設状態のまま高圧活線の上方に移動、張設
できるようにした架空地線の配線装置を提供する
ものである。

（考案の構成） 上記目的を達成するために本考案の配線装置は
上下方向に弧状に湾曲したアーム部材に下端から
上端部に亘つてガイド溝を設け、このガイド溝に
架空地線挿通保持部材の基部を摺動自在に取りつ
け、さらにアーム部材の上端にガイドローラを軸
支し、このガイドローラに掛け渡したロープ先端
を前記架空地線挿通保持部材に接続してなるもの
で、アーム部材の上端を各電柱上端に立設した腕
金の上端部に固定すると共にアーム部材の下端が
高圧配線の外側下方に位置させた状態に取付け、
次いで架空地線挿通保持部材に延線用ロープを挿
通架設したのち、地上よりその先端部を張引して
延線用ロープの基端に接続した架空地線を前記挿
通保持部材に架設、支持させ、しかるのち、この
架空地線挿通保持部材をアーム部材のガイドロー
ラに掛け渡したロープを引つ張ることによりガイ
ド溝に沿つて高圧配線の上方における前記腕金の
上端部近傍まで移動させ、この腕金の碍子に架空
地線を取りつけるように構成したものである。

（実施例の説明） 本考案の実施例を図面について説明すると、１
は弓形弧状に腕曲したアーム部材で、断面矩形状
の中空角筒体よりなり、その外面中央部に下端か
ら上端部に亘つてガイド溝２を開設してある。

３は架空地線挿通保持部材で、第２，３図に示
すように、断面Ｔ字形の支持台４の垂直壁部４ａ
をガイド溝２内に挿入してその垂直壁部４ａの両
側部に回転自在に軸支した転子５，５をガイド溝
２内に係止状態で回転可能にすると共に支持台４
の前後端部上に立設したフレーム６，６の対向面
間に複数個のガイドロール７，８を回転自在に軸
支し、これらのガイドロール７，８で囲繞された
空間部９に延線用ロープや架空地線を挿通させる
ように構成してなるものである。

ガイドロール７，８のうち、フレーム６，６の
先端間に架設したガイドロール７は、取り外し可
能に取りつけられており、その構造は、フレーム
先端にＵ字状切欠部９′を設け、この切欠部９′に
ガイドロール７の軸１０を挿脱自在に嵌め込んだ
のち該軸端にナツト１１を螺締させてなるもので
あるが、これ以外の構造に構成してもよい。

１２はアーム部材１の上端に回転自在に軸支さ
れたガイドローラで、そのロープ掛け渡し外周面
を前記ガイド溝２内に臨ませてあり、掛け渡した
ロープ１３の先端を前記架空地線挿通保持部材３
の支持台４の端面に固定した環部１４に繋着さ
せ、ロープ１３の他端側はガイドローラ１２から
下方に垂下させるようにしてある。

１５はアーム部材１の下端開口部を閉止したエ
ンドプレートで、保持部材３の抜け止めを行つて
いるものであり、１６はアーム部材１の上端部に
固定した保持部材３の転子停止用金具で、アーム
部材１の上端部下面を切欠１７し、この切欠１７
部を被覆するように取りつけて該金具１６の内底
面をガイド溝底２ａよりも低くし、その内底面上
に転子５を落とし込んで停止させるものである。

１８は螺子孔１９を設けた取付片で、転子停止
用金具１６の先端側のアーム部材下面に取りつけ
られてあり、電柱Ａの上端に立設固定した腕金２
０の上端部にボルトによつて固定するものであ
る。

２１は先端をボルト２２によつてアーム部材１
の下部に取りつけた固定用アームタイで、アーム
部材１の湾曲中心側に向かつて延出してあり、そ
の基部にボルト２３によつて高圧配線架設腕金２
４の先端に被嵌、固定させる角筒状固定具２５を
取りつけてある。

このように構成した架空地線の配線装置は、各
電柱Ａの上端に立設固定した腕金２０にアーム部
材１の上端部を固定すると共に下部をアームタイ
２１に取りつけた固定具２５を介して高圧配線架
設腕金２４の先端に固定し、第６図に示すように
高圧配線Ｂがアーム部材１の内方側に位置させ且
つアーム部材１の下端が高圧配線Ｂの数十センチ
メートル下方になるようにした状態にすると共に
各アーム部材１のガイド溝２に摺動自在に配設し
た架空地線挿通保持部材３の空間部９に延線用ロ
ープＣを挿通架設しておき、挿通保持部材３がア
ーム部材１の下端に停止させた状態で一方側の電
柱Ａに延出、垂下した延線用ロープＣを引つ張つ
て挿通保持部材３のガイドロール７，８上を移動
させ、延線用ロープＣの端部に接続した架空地線
Ｄと置換するものである。

即ち、延線用ロープＣが引き出されるに従つて
架空地線Ｄが挿通保持部材３に順次架設され、延
線用ロープＣが完全に引き出すされてしまうと、
架空地線Ｄが両端の支柱間のアーム部材１，１間
に架設された状態となる。

次いで、各アーム部材１のガイドローラ１２か
ら垂下したロープ１３を地上から一斉に引つ張る
と、挿通保持部材３がガイド溝２をガイドとして
上方に移動し、その転子５が停止用金具１６に達
した所で停止して架空地線Ｄが高圧配線上方に架
設された状態となる。

しかるのち、各挿通保持部材３のガイドロール
７を取り外して架空地線Ｄを腕金２０の先端碍子
に取りつけ、次いでアーム部材１及びアームタイ
２１を取り外して作業を終了するものである。

なお、以上の実施例においては、ガイド溝２を
アーム部材１の上面側に設けたが、架空地線の両
端部を取りつける両端支柱側には側面にガイド溝
２を設けたアーム部材１を採用することが好まし
く、このようにすると、架空地線の延線ロープを
挿通保持部材３のガイドロール７に水平方向から
垂直方向に掛け渡して下方への引出しが円滑に行
えるものである。

（考案の効果） 以上のように本考案の架空地線の配線装置によ
れば、上下方向に弧状に湾曲したアーム部材１を
電柱Ａの上端に立設した腕金に固定することによ
つて電柱Ａに架設している高圧電線をその内側に
位置させることができるので、アーム部材１のガ
イド溝２に摺動自在に装着した架空地線挿通保持
部材３は高圧電線に悪影響を及ぼすことなくこの
挿通保持部材３に挿通架設した架空地線を容易に
腕金上端部まで引き上げることができ、従つて、
高圧電線を停電させることなく架空地線の架設作
業が行えるものであり、しかも、アーム部材１の
上端に軸支したガイドローラ１２に掛け渡してい
るロープを張引するだけで、このロープに連結し
た架空地線挿通保持部材３をガイド溝２に沿つて
円滑に上動させ、架空地線に垂れを生じさせるる
ことなく短時間で架空地線を腕金上端部にまで横
上方移行を行わせて架空地線の架設作業が能率良
く行えるものである。

また、本考案の装置によれば、複数本の電柱に
連続して同時に架空地線の架設作業を行うことが
でき、その上、複数本の電柱がジグザグ状に立設
していても容易に作業が行えるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
その一部切欠側面図、第２図は要部の斜視図、第
３図はその縦断正面図、第４図は取付部の斜視
図、第５図はガイドローラ部分の斜視図、第６図
は架設状態を示す簡略斜視図である。 １…アーム部材、２…ガイド溝、３…架空地線
挿通保持部材、１２…ガイドローラ、１３…ロー
プ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下方向の弧状に湾曲したアーム部材１に、下
   端から上端部に亘つてガイド溝２を設け、このガ
   イド溝２に架空地線挿通保持部材３の基部を摺動
   自在に取りつけ、さらにアーム部材１の上端にガ
   イドローラ１２を軸支し、このガイドローラ１２
   に掛け渡したロープ先端を前記架空地線挿通保持
   部材３に接続して該ロープを張引することにより
   架空地線挿通保持部材３を上方に移動させるよう
   に構成したことを特徴とする架空地線の配線装
   置。