JPS645554B2 - - Google Patents

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JPS645554B2
JPS645554B2 JP56114375A JP11437581A JPS645554B2 JP S645554 B2 JPS645554 B2 JP S645554B2 JP 56114375 A JP56114375 A JP 56114375A JP 11437581 A JP11437581 A JP 11437581A JP S645554 B2 JPS645554 B2 JP S645554B2
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JP
Japan
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color former
acid
clay mineral
clay
treated
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JP56114375A
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JPS5816885A (ja
Inventor
Koichi Usui
Masahide Ogawa
Teiji Sato
Yasuo Mizoguchi
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Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Original Assignee
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
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Publication date
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Publication of JPS645554B2 publication Critical patent/JPS645554B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/124Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein using pressure to make a masked colour visible, e.g. to make a coloured support visible, to create an opaque or transparent pattern, or to form colour by uniting colour-forming components
    • B41M5/132Chemical colour-forming components; Additives or binders therefor
    • B41M5/155Colour-developing components, e.g. acidic compounds; Additives or binders therefor; Layers containing such colour-developing components, additives or binders
    • B41M5/1555Inorganic mineral developers, e.g. clays

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はカーボン紙を必要とせず任意の書写、
印写を行い得る複写紙即ち感圧複写紙に用いて著
しい発色効果を示す発色剤およびその製造法に関
するものである。 感圧複写紙は特殊なものをのぞきいずれも電子
供与性のある有機色素の無色化合物と電子受応体
である発色剤との間の電子授受による発色反応を
応用したものである(米国特許2548366号)。 呈色反応物質たる有機色素の無色化合物として
は、一般に発色状態を異にする二種の色素が併用
される。その一つは例えばトリフエニルメタンフ
タリド系色素のごとく固体酸と接触した時、直ち
に強く発色するが、比較的褪色し易いものであり
(第一次発色色素)、第二の色素は固体酸と接触し
ても直ちには発色せず、数日を経過した後完全に
発色して充分な日光堅ロウ度を示すものが用いら
れ、かかる色素としては例えばロイコメチレンブ
ルー系色素が用いられる(第二次発色色素)。 上記第一次発色色素としてはクリスタル・ヴア
イオレツト・ラクトン(CVL)が代表的な色素
であり、第二次発色色素としてはベンゾイル・ロ
イコ・メチレン・ブルー(BLMB)が代表的色
素として広く使用されている。 また近年に至つて、例えばフルオラン
(Fluoran)系の緑色又は黒色色素;ミヒラーズ
ヒドリルパラ−トルエンスルフイネート
(PTSMH)の如きミヒラーズ・ヒドロール誘導
体;ジフエニルカルバゾリルメタン系色素;スピ
ロジ−ベンゾピラン系色素等が単独で、又は前記
第一次発色色素と組合わされて使用されている。 また電子受応体である発色剤としては一般に固
体酸が用いられ、就中ジオクタヘラルド型モンモ
リロナイト族粘土鉱物が優れた発色能を有するこ
とが知られている。 ジオクタヘドラル型モンモリロナイト族粘土鉱
物の中、殊に酸性白土、サブベントナイトが好適
である。 また、従来かかる酸性白土、サブベントナイト
の如きモンモリロナイト粘土鉱物を酸処理するこ
とにより、その比表面積を180m2/g以上に増大
させることができ、かかる酸処理された該粘土鉱
物は殊に前記トリフエニルメタン系色素の如き一
次発色色素に対する発色能が増大することが知ら
れている。例えば酸処理された酸性白土は一般に
活性白土と呼ばれ、感圧複写紙用発色剤として既
に広く知られており、かかる従来公知の酸処理さ
れたジオクタヘドラル型モンモリロナイト族粘土
鉱物又はこれとその天然粘土鉱物との混合物の如
何なるものも本発明の前記発色剤(2)として用いる
ことができる。 かかる酸処理に用いる酸としては、無機酸およ
び有機酸のいずれでもよいが、コスト及び取扱い
の容易さ等から見て無機酸が好ましく、特に硫
酸、塩酸が最も好適である。 また酸処理の条件としては、特に厳格な条件は
必要でなく、希薄濃度の酸を用いれば処理時間が
長くなるか酸の容量が多くなり、濃度が大となれ
ばそれだけ処理時間が短かくなるか酸の容量が少
くなる。また処理温度が高くなればそれだけ処理
時間は短かくなる。それゆえ酸濃度としては1〜
98%程度の如何なる範囲でもよいが、実際的には
15〜80%程度の濃度で50〜300℃の範囲の温度で
酸処理するのが取扱い上好ましいことが知られて
いる。 従来、酸処理されたモンモリロナイト族粘土鉱
物の発色能をさらに向上させる研究も多数なされ
ている。 たとえば、本発明者等自身、酸処理されたモン
モリロナイト族粘土鉱物にアルカリあるいはアル
カリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、ある
いはアンモニア、アミン等のアルカリ性物質を添
加することにより該粘土鉱物の発色効果を高める
方法(特公昭41−2373号特許公報)、該粘土鉱物
に炭酸カルシウム、シリカ、けい酸アルミ、けい
酸カルシウム、酸化鉄等の顔料や消石灰の如きア
ルカリ土類金属のアルカリ性物質を添加する方法
(特公昭44−2188号特許公報)、或は酸処理された
モンモリロナイト族粘土鉱物を難揮発性の有機ア
ミンと共に受印紙にコートする方法(特開昭49−
36410号公開公報)等を提案した。 しかし、之等の方法によると、かかる発色剤又
はこれをコートした受印紙を殊に湿度の高い雰囲
気下、特に高温高湿度の下で長期間貯蔵した場合
に発色効果が却て低下したり、発色剤粒子が凝集
して水に対する分散性が悪化し、コーテイングが
困難になる等の欠点があつた。 本発明の目的は、殊に前述した例えばCVLの
如きトリフエニルメタンフタリド系色素の如き第
一次発色色素のみならず、フルオラン系色素やミ
ヒラーズ・ヒドロール誘導体或はそれらの混合系
色素に対して鮮明且つ濃色の発色能を発揮し、し
かも水に分散して受印紙用の塗液とした時に粘度
が低く、従つて従来品と同一濃度を基準とすれば
粘度が低いからそれだけ塗布操作が容易であり、
且つまた従来品よりも高濃度の塗板として用いる
ことができ、従つて乾燥も容易となり、乾燥等に
要するエネルギーコスト等をも低減せしめること
ができる等の利点を有する粘度鉱物系発色剤組成
物及びかかる発色剤組成物含有水性塗液組成物を
提案することにある。 本発明のその他の利点、効果は以下の説明から
明らかとなるであろう。 本発明のかかる優れた発色剤組成物は、本発明
によれば、 (1) シリカの正四面体から成る層構造を有する粘
土鉱物から誘導されたものであつて、 (A) 電子線回折によれば該シリカの正四面体か
ら成る層構造の結晶に基づく回折パターンを
示すが、 (B) X線回折によれば上記層構造の結晶に基づ
く回折パターンを実質的に示さず、 (C) 酸素以外の元素として、少くともケイ素と
マグネシウム及び/又はアルミニウムを含有
する 発色剤(1)と、 (2) 酸処理されたジオクタへドラル型モンモリロ
ナイト族粘土鉱物又はこれと天然ジオクタへド
ラル型モンモリロナイト族粘土鉱物との混合物
からなる発色剤(2)、 との混合物であつて、上記発色剤(1)を全体の3〜
50重量%含有することを特徴とする粘土鉱物系感
圧複写紙用発色剤組成物 によつて達成されることが判つた。 以下本発明の粘土鉱物系発色剤組成物について
更に詳細に説明する。 〔発色剤(1)について〕 本発明で用いる発色剤(1)は、本発明者等の発明
にかかるものであつて、その詳細は特願昭55−
89989号明細書に記載されている。かかる発色剤
(1)は、例えば、シリカの正四面体から成る層構造
を有する粘土鉱物を、乾燥基準(105℃で3時間
乾燥)でSiO2含量が82乃至96.5重量%、好ましく
は85乃至95重量%となるように酸処理し、得られ
る粘土鉱物を水性媒体中で、該媒体に少くとも部
分的に可溶性のマグネシウム及び/又はアルミニ
ウムの化合物と接触させ、この可溶性化合物が水
酸化物以外の場合には水酸化物が形成されるよう
にアルカリ又は酸で中和して該酸処理粘土鉱物中
にマグネシウム及び/又はアルミニウム成分を導
入し、所望により乾燥することにより製造するこ
とができる。 前述したシリカの正四面体から成る層構造を有
する粘土鉱物の代表的なものの組成(主成分とし
てのSiO2、Al2O3及びMgOの含量を示す)は下
記表Aに示すとおりである。
【表】
〔第1工程〕
シリカの正四面体から成る層構造の結晶を有す
る粘土鉱物を、本発明に従つて酸処理するに当つ
て重要なことは、得られる酸処理物中のSiO2
量を、乾燥基準(例えば105℃で3時間乾燥する)
で82〜96.5重量%、好ましくは85〜95重量%とす
ることである。この際酸性白土に関しては、
SiO2含量を乾燥基準で特に少くとも87重量%と
することが好適であり、SiO2含量の最高は96.5重
量%(前記乾燥基準で)にまでにすることができ
るが、SiO2含量を95重量%よりも大とすること
は酸処理条件を厳しくし且つ酸処理に長時間を要
するのに比べて、特別の利益は得られない。 酸処理は従来公知の如何なる酸処理でもよく、
酸としては、例えば硫酸、硝酸、塩酸の如き鉱酸
が好ましく、特に硫酸が好適である。之等の鉱酸
に有機酸を併用してもよいが、特別の利点はな
い。 使用する酸の量は、粘土鉱物から溶出すべき塩
基性成分の2倍当量以上とすることが好適であ
り、酸処理の温度は50℃以上、特に80℃以上が好
ましい。温度は、硫酸を用いた場合300℃位迄高
めることができる。酸処理の時間は、酸として高
濃度の酸を用い高温で処理する程短かくてよい
が、通常最低1時間以上の酸処理を行うのが好ま
しい。 酸濃度が稀薄(例えば20〜40重量%)な場合は
2段以上に分けて酸処理するのが好ましい。 酸処理を如何なる程度まで実施するかは、酸処
理物の一部をサンプリングし、これを水洗、乾燥
して、SiO2含量、好ましくはその他にMgO及び
Al2O3の含量を定量分析し、或はそのX線回折又
は電子線回折を測定して定めることができる。ま
た、予じめ之等の分析を行つて定めた条件に従つ
て酸処理を行う。 酸処理においては、酸処理物の乾燥基準で、
〔ケイ素(Si)〕/〔マグネシウム及び/又はアル
ミニウムの合計〕の原子比が12/1.6乃至12/
0.05、特に12/1.2乃至12/0.1の範囲となるよう
に処理することが殊に好適である。 また、原料粘土鉱物として、例えばカオリン、
デツカイト、ナクライトの如き比較的酸に安定な
粘土鉱物を用いる場合には、酸処理に先だつて例
えば600〜900℃の如き温度で〓焼し、非晶質とし
た後酸処理するのが好ましい。 〔第2工程〕 上記第1工程で酸処理した粘土鉱物を水洗し、
これに水性媒体中で、該水洗媒体に少くとも部分
的に可溶性のマグネシウム化合物及び/又はアル
ミニウム化合物、特に好ましくはマグネシウム化
合物を接触させる。 かかるマグネシウム化合物としては、例えば、 (A) マグネシウムの酸化物又は水酸化物、 (B) マグネシウムの無機酸塩又は有機酸塩(無機
酸塩の方が後で酸根を除去し易いので好まし
い) を有利に使用することができる。 またアルミニウム化合物としては、例えば (C) アルミニウムの無機酸塩又は有機酸塩、特に
無機酸塩、 が好適である。 上記(B)および(C)の塩としては、正塩のみなら
ず、酸性塩でも、塩基性塩でもよく、錯塩又は複
塩でもよい。 上記のマグネシウム化合物とアルミニウム化合
物は混合して用いることもできる。 マグネシウム又はアルミニウムの塩としては、
例えば塩化物、硫酸塩、硝酸塩が特に好適であ
る。 酸処理した粘土鉱物を水洗し、これを水の存在
下で、マグネシウムの酸化物又は水酸化物と接触
させる場合、その接触の少くとも或る段階で50℃
以上、特に80℃以上の温度に加熱することが好ま
しい。マグネシウムの酸化物と接触させる場合、
例えば50℃で約3時間以上、80℃で約1時間以上
加熱下撹拌することが好ましい。マグネシウムの
水酸化物と接触させる場合は、例えば50℃で約5
時間以上、80℃で約3時間以上、加熱下に撹拌す
ることが好ましい。 しかしながら、酸処理した粘土鉱物を水洗後、
水の存在下で、マグネシウムの酸化物又は水酸化
物と室温で接触させ、好ましくは撹拌下に室温で
接触させ、残液を過した後、100℃以上の温度
で加熱乾燥しても本発明の発色剤を製造すること
ができる。 本発明者等は、かかる加熱によつても、酸処理
粘土鉱物とマグネシウム成分との間の相互作用に
より、酸処理物中に残存するシリカの正四面体か
ら成る層に基づく結晶の再構成が行われるものと
考える。 また、マグネシウム及び/又はアルミニムの無
機酸塩又は有機酸塩を用いる場合は、之等の塩を
水に溶解又は溶解−分散し、これに酸処理、水洗
した粘土鉱物を加えて、撹拌し、然る後アルカリ
を加えて、マグネシウム塩を用いた場合はPHがほ
ぼ7〜12の範囲、特にPH9〜11の範囲に中和し、
またアルミニウム塩を用いた場合はPHを約4乃至
9、好ましくはPH6〜8の範囲となるように中和
することが有利である。 塩類水溶液と酸処理した粘土鉱物との接触は、
常温又は加熱下で撹拌すればよいが、アルカリで
中和した後水の存在下における少くとも或る段階
で50℃以上、特に80℃以上の温度に加熱すること
が好適である。この加熱は、既に述べたとおり、
粘土鉱物の乾燥と同時に行うこともできる。 第2工程において用いるマグネシウム化合物及
び/又はアルミニウム化合物の量は、原子比で表
わして、 酸処理粘土鉱物のSi12に対して、第2工程で用
いるマグネシウム化合物及び/又はアルミニウム
化合物の合計(但しMg及び/又はAlで表わす)
が少くとも1、好ましくは上記Si12に対して、後
者のMg及び/又はAlの合計が3乃至12、 となるようにすることが好適である。 以上第2工程の処理が終了したものは、そのま
ま或はさらに過、濃縮し又は水を加えて稀釈
し、さらにその他分散剤、結合剤等を添加してス
ラリー状として、本発明の水性塗液組成物をつく
るのに用いてもよいし、或は過乃至濃縮した後
加熱乾燥して発色剤(1)として用いることもでき
る。 上記第1工程及び第2工程の任意の段階で粉砕
して、粘土鉱物粒子の少くとも80重量%、特に少
くとも90重量%が10μ以下の粒径となるようにす
ることが好適である。 第1工程で得られるSiO2含量が乾燥物基準で
82〜96.5重量%、好ましくは85〜95重量%の酸処
理した粘土鉱物、特にその中でもX線回折又は電
子線回折によつても該原料粘土鉱物が有する前記
層構造の結晶に基づく回折パターンを示さないも
のを、マグネシウム及び/又はアルミニウムの酸
化物又は水酸化物と湿式又は乾式で単に混合した
ものはトリフエニルメタン系第一次発色色素に対
してそれ程大きな発色能を示さず、その発色の耐
光性も劣るが、前記第2工程で得られる発色剤は
既に述べたとおり極めて優れた発色能を有し、そ
の発色の耐光性も大である。このことから、前記
第2工程において、酸処理した粘土鉱物が水性媒
体中でマグネシウム及び/又はアルミニウムの少
くとも部分的に可溶性の化合物と接触し、マグネ
シウム成分及び/又はアルミニウム成分が該酸処
理粘土鉱物中にとり込まれ、破壊された結晶の少
くとも一部の再構成に関与することが、本発明で
用いる発色剤(1)の優れた発色剤に重大な要因とな
つていると信ぜられる。 換言すれば、第2工程の処理は、かような酸処
理物中に残存するシリカの正四面体から成る層構
造に基づく結晶の再構成が行われる(電子線回折
による)ような条件であれば如何なる条件でもよ
いということができる。 本発明者等の研究によれば、前記第2工程にお
いてマグネシウム以外のアルカリ土類金属の少く
とも部分的に可溶性の化合物、例えばカルシウム
又はベリリユウムの可溶性化合物、その他亜鉛化
合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物、鉄化
合物等を用いてみたが、之等の金属化合物はいず
れも上記酸処理粘土鉱物の破壊された結晶の再構
成を行うことはできず、発色能の向上にも積極的
には役立たなかつた。然るに、マグネシウム及
び/又はアルミニウム成分のみ、殊にマグネシウ
ム成分が該破壊された結晶の再構成に役立ち且つ
発色能の著るしい向上をもたらすことは極めて意
外であつた。 しかしながら、前記第2工程においては、マグ
ネシウム化合物及び/又はアルミニウム化合物以
外の上述した如き金属化合物が共存していてはな
らないというわけではない。 〔発色剤(2)について〕 本発明で用いる他の成分である発色剤(2)として
は、既に述べたとおり、酸性白土、サブベントナ
イトの如きジオクタヘドラル型モンモリロナイト
族粘土鉱物を酸処理して得られるもの、又はこれ
と天然ジオクタヘドラル型モンモリロナイト族粘
土鉱物との混合物から成る従来公知の感圧複写紙
用発色剤の如何なるものでもよい。之等の中、特
に該モンモリロナイト族粘土鉱物を酸処理したも
の、殊に酸性白土を酸処理して得られる活性白土
が好適であり、これらを製造する場合の酸処理
は、既に述べたとおり原料粘土が有するシリカの
正四面体から成る層構造の結晶に基づく回折パタ
ーンを喪失しないような条件下で行われる。 上記の比較的緩和な条件下における酸処理によ
つて、原料粘土鉱物の比表面積は増大し、本発明
で用いる発色剤(2)としては殊に比表面積が180
m2/g以上のものが好ましい。 かかる発色剤(2)の典型的な製造方法は特公昭44
−2188号特許公報に記載されている。本発明で用
いる発色剤(2)としては、同特許公報に記載されて
いるベンゾイルロイコメチレンブルーで2次発色
させた場合に、下記式 K2=R430/R550+1/2(1−R550) 式中、R430およびR550はそれぞれ430mμおよ
び550mμの波長を有する光に対する反射率であ
る、 で表わされる第2次発色能K2の値が1.40以上のも
のが好適である。 また、上記の酸処理されたモンモリロナイト族
粘土鉱物にアルカリ又はアルカリ土類金属の酸化
物、水酸化物、炭酸塩、或はアンモニア、アミン
の如きアルカリ性物質の少量を添加することによ
りその発色効果を改善する方法(特公昭41−2373
号特許公報)や、該粘土鉱物に炭酸カルシウム、
シリカ、けい酸アルミニウム、けい酸カルシウ
ム、酸化鉄等の顔料や消石灰等のアルカリ性物質
を添加する方法(特公昭44−2188号特許公報)、
或は該粘土鉱物を難揮発性の有機アミンと共に受
印紙にコートする方法(特開昭49−36410号公開
公報)等の種々の改良方法が知られており、之等
の改良方法によつて得られる酸処理モンモリロナ
イト族粘土鉱物又はそれと天然モンモリロナイト
族粘土鉱物もすべて本発明の発色剤(2)として使用
することができる。 しかしながら、従来公知の酸処理したモンモリ
ロナイト族粘土鉱物(又はその原土との混合物)
は、これを受印紙に塗布するための水性塗液組成
物とした時に、該水性塗液組成物は粘土が可成り
高いものとなり、そのために従来公知の酸処理モ
ンモリロナイト族粘土鉱物の場合は固形分濃度が
精々約40〜44%程度の水性塗液組成物しか受印紙
にコートすることができず、塗布操作に労力を必
要とするばかりでなく、塗布後の乾燥にも大きな
エネルギーを必要とする欠点があつた。のみなら
ず、従来公知の発色剤である上記酸処理モンモリ
ロナイト族粘土鉱物又はそれとその原土との混合
物は、発色の耐光性が必ずしも大とはいえず、殊
に高温多湿下の貯蔵により発色能が低下する等の
欠点を有し、さらに白色度も必ずしも十分とはい
えない。 そこで、従来公知の酸処理されたモンモリロナ
イト族粘土鉱物、すなわち本発明で使用する発色
剤(2)を水性塗液組成物(水性スラリー)とした場
合の該組成物の粘度を低下させる方法として、例
えば、 (イ) 該酸処理粘土鉱物に対して5〜40%(重量)
のタルク、雲母又はアスベストを加える方法
(英国特許第1147480号)、 (ロ) 該粘土鉱物に対して炭酸カルシウムやカオリ
ンを添加する方法(特公昭55−47992号)、 (ハ) 水性塗液組成物をつくる場合に、ラテツクス
系バインダーを粘土鉱物よりも先に水に分散さ
せる方法(特開昭55−97981号)、 (ニ) 該粘土鉱物に、例えば酸化マグネシウム、水
酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムの如きマ
グネシウム化合物を0.5〜10重量%添加する方
法(特開昭55−97982号)、 等が知られている。 しかし之等の方法はいずれも、或る程度粘度低
下をすることはできるが、その粘度低下は必ずし
も十分ではなく、さらに粘度低下に伴つて発色効
果が著るしく低下するという欠点があり、粘度低
下と発色効果の両者を満足するものは見当らな
い。 〔本発明の発色剤組成物〕 しかるに、本発明者等は、前記発色剤(1)と発色
剤(2)との混合物であつて、発色剤(1)を全体の3〜
50重量%含有するものは、これを受印紙に塗布す
るためのスラリー状水性塗液組成物とした場合
に、従来公知の発色剤(2)の水性スラリーと比較し
て該スラリーの粘度が低下し、従つて従来品と同
程度の固形分濃度であればそれだけ塗布操作が容
易となり、また従来品と同程度の粘度であればそ
れだけ固形分濃度を増大させることができ、その
結果受印紙に塗布後燥等に要するエネルギ、時間
等を低減させることが可能となり、しかも受印紙
に塗布乾燥後の発色性能が優れており、殊に高温
多湿下の貯蔵によつても発色能の低下が少ないと
いう極めて優れた発色剤組成物が得られることが
分つた。 本発明の発色剤組成物に含有される前記発色剤
(1)による塗装粘度の低下効果は極めて顕著であ
り、この事実は後記第1表及び第6図乃至第8図
から明かである。発色剤(1)の含有量(発色剤の総
重量に対して)が3重量%であつても、第7図に
見られるように可成り顕著な塗液の粘度低下をも
たらすことが可能である。 〔本発明の水性塗液組成物〕 本発明は更に粘土鉱物系感圧複写紙用発色剤を
含有する新規な、受印紙用水性塗液組成物を提供
するものである。 本発明によれば、さらに、 (1) シリカの正四面体から成る層構造を有する粘
土鉱物から誘導されたものであつて、 (A) 電子線回折によれば該シリカの正四面体か
ら成る層構造の結晶に基づく回折パターンを
示すが、 (B) X線回折によれば上記層構造の結晶に基づ
く回折パターンを実質的に示さず、 (C) 酸素以外の元素として、少くともケイ素と
マグネシウム及び/又はアルミニウムを含有
する 発色剤(1)と、 (2) 酸処理されたジオクタヘドラル型モンモリロ
ナイト族粘土鉱物又はこれと天然ジオクタヘド
ラル型モンモリロナイト族粘土鉱物との混合物
から成る発色剤(2)と、 (3) 水溶性及び/又は水分散性のバインダー、の
少くとも3成分を含有することを特徴とする粘
土鉱物系感圧複写紙用発色剤を含有する新規な
水性塗液組成物が提供される。 本発明の水性塗液組成物は、粘土鉱物系感圧複
写紙用の従来の水性塗液組成物に較べ、低粘度で
あるため比較的高固形分濃度とすることが可能で
あり且つ発色性能が優れた受印紙を形成すること
できる利点がある。 本発明の水性塗液組成物に用いられる上記水溶
性又は水分散性のバインダーは、発色剤(1)及び発
色剤(2)を受印紙に固着させる作用を有する水溶性
バインダー又は水分散性バインダー或はその両者
の併用であれば、特に制限を受けるものではな
い。水溶性バインダーとしては、例えば澱粉、カ
ルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニル
アルコール(PVA)、カゼイン、ゼラチン等があ
り、好ましくは澱粉、カルボキシメチルセルロー
ス(CMC)が用いられる。また水分散性バイン
ダーとしては、例えばスチレン−ブタジエン系ラ
テツクス(SBR−Latex)、アクリル系ラテツク
ス、酢酸ビニル系エマルジヨン、塩化ビニル系エ
マルジヨン等が用いられ、好ましくはスチレン−
ブタジエン系ラテツクスが用いられる。特に上記
水溶性バインダーと水分散性バインダーとの併用
が好適である。バインダーの使用量は、バインダ
ーの固形分換算で水性塗液組成物の固形分当り10
〜30重量%、特に13〜20重量%が好ましい。 本発明の水性塗液組成物は、前記水溶性バイン
ダー及び/又は水分散性バインダーの他に、適宜
PH調節剤、分散剤及び粘度調節剤の1種又は2種
以上を配合してもよい。このようなPH調節剤とし
ては例えば水酸化ナトリウム・水酸化リチウム・
水酸化カリウム・水酸化カルシウム・炭酸ナトリ
ウム・炭酸リチウム等のアルカリ又はアルカリ土
類金属の水酸化物又は炭酸塩、ケイ酸ソーダ、ア
ンモニア等が用いられる。 また、分散剤としては、例えばヘキサメタリン
酸ナトリウム・ピロリン酸ナトリウム等のポリリ
ン酸塩、ポリカルボン酸ナトリウム・ポリカルボ
ン酸アンモニウム等のポリカルボン酸塩等が用い
られる。 一方、粘度調節剤としては、タルク、雲母、ア
スベスト(特公昭45−23177号)、カオリン、炭酸
カルシウム(特公昭55−47992号)等が用いられ
る。 また上記PH調節剤、分散剤、及び粘土調節剤の
外に、必要に応じて発色剤(1)及び発色剤(2)以外の
発色剤乃至増量剤も適宜併用される。増量剤の中
には発色剤の効果を有するものがあるので、増量
剤と発色剤の境界は必ずしも明瞭ではない。この
ような、発色剤(1)及び発色剤(2)以外の発色剤乃至
増量剤としては、例えば、天然アタパルガイト、
天然ハロイサイト、モルデナイト及びクリフプチ
ロライトの如き天然ゼオライト、合成ケイ酸、合
成ケイ酸塩、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、タルク、その他の粘土鉱物類等及び
必要に応じてそれ等の酸処理物等の一種類又は二
種類以上が併用される。発振剤(1)及び発色剤(2)以
外の発色剤乃至増量剤の合計使用量は、水性塗液
組物の固形分当り3〜60重量%、好ましくは5〜
50重量%である。 本発明の水性塗液組成物中の前記発色剤(1)及び
発色剤(2)の合計の含有量は、水性塗液組成物中の
全固形分の合計に対して50〜90重量%好ましくは
70〜85重量%である。50重量%よりも少ないとき
は、発色性能が低下して好ましくなく、一方90重
量%を越えると発色剤の剥離が起こり粉落ちする
ので好ましくない。発色剤(1)と発色剤(2)の合計量
に対する発色剤(1)の割合は上記の発色剤組成物に
ついて既に説明したとおりである。また発色剤(1)
及び発色剤(2)の配合方法は、発色剤(1)粉末と発色
剤(2)粉末を適宜な混合方法で混合してもよいし、
また例えばそれぞれの製造過程で得られる発色剤
(1)のスラリーと発色剤(2)のスラリーを混合しても
よい。 かくして本発明の粘土鉱物系感圧複写用発色剤
を含有する水性塗液組成物は、発色剤(2)のみを主
な発色剤とする従来の水性塗液組成物に較べ、各
塗布方法に特有な粘度範囲でより高い固形分濃度
とすることが可能となり、これによつて塗布の速
度が上げられ又乾燥に要するエネルギーも節約さ
れるし、他方受印紙に塗布乾燥後の発色性能も優
れたものとなるという特徴を有している。 以下本発明を実施例について説明する。なお実
施例で述べる試験方法についてまず説明する。ま
た本明細書では、部数及び%は、特にことわらな
い限り重量部及び重量%を表わす。 試験方法 本明細書における各項目の試験方法は下記によ
つた。 1 電子線回折 本実施例においては、加速電圧100KVの日
本電子(株)製電子顕微鏡(JEM−100CX)を用
いた、試料は水−ペースト法によりカーボンメ
ツシユ上に支持させ、1μに視野を制限して、
電子線回折像を得た。 2 X線回折 本実施例においては、理学電機(株)製X線回折
装置(ガイガ−フレツクス2028)を用いた。 回折条件は下記の通りである。 ターゲツトCu フイルターNi 電 圧40KV 電 流20mA カウント・フルスケール4000c/s 時定数0.5s チヤート速度4cm/min スキヤニング速度4゜/min 回折角1゜ スリツト巾0.3mm 3 原子比の決定法 試料の成分元素を一般的な方法に従つて定量
分析し、SiO2、MgOおよびAl2O3の含量(%)
を求め、つぎのように原子比Si/(Mg及び/
又はAl)を決定した。 原子比Si/(Mg及び/又はAl)=SiO2(%)/60/
(MgO(%)/40及び/又はAl2O3(%)/51) 4 塗液の粘度法 4−1 試料が粉末の場合 高速撹拌機付き容器(内容積:1.9)に
水150gを入れ、これにヘキサメタリン酸ナ
トリウム1.5gを溶かし、撹拌下、試料150g
(110℃乾燥物換算)を加えたのち、20%水酸
化ナトリウム水溶液を加えてPHを約9.5にす
る。20%でん粉水溶液22.5g及び50%スチレ
ン−ブタジエン系ラテツクス51gを加えて撹
拌し均一にした後、再び20%水酸化ナトリウ
ム水溶液でPHを9.5に調整し、さらに水を各
変量加えて、全固形分濃度を右記濃度値に調
整する(塗液a:約39%、塗液b:約40%、
塗液c:約41%、塗液d:約43%、塗液e:
約45%、塗液f:約47%) 高速撹拌(約6500r.p.m.)を5分間行なつ
たのち、塗液200gを撹拌機付きビーカー
(内容積:300ml)に移し、25℃の恒温水槽
中、低速撹拌(500r.p.m.)を15分間行なつ
たのち、B型回転粘度計で回転(60r.p.m.)
開始2分後の粘度を測定する。 4−2 試料が塗液の場合 塗液スラリーを高速(約6500r.p.m.)で5
分間撹拌したのち、塗液200gを撹拌機付ビ
ーカーに移し、25℃の恒温水槽中、低速撹拌
(500r.p.m.)を15分間行なつたのち、B型回
転粘度計で回転(60r.p.m.)開始2分後の粘
度を測定する。 5 発色性能試験 5−1 受印紙の調製 前記の粘度測定用に得られた塗液を、2種
類のコーテイング・ロツド(ワイヤー径:
0.05mm、0.10mm)を用いて、それぞれ原紙に
4枚ずつ(低塗布量のもの4枚、高塗布量の
もの4枚)塗布する。風乾後、110℃で3分
間乾燥し、塗布量を測定(塗布した紙と同一
の原紙と、塗布紙の均一塗布部分をそれぞれ
同面積だけ切り取つたものの乾燥重量差から
求める)したのち、それぞれの塗布紙を2枚
に切り、さらに4枚ずつ2組(同塗布量)に
わける。このとき2種類の塗布量はだいたい
6g/m2の前後である。 5−2 初期発色能試験 それぞれ4枚組(前記2組のうちの1組)
の受印紙を飽和食塩水入りのデシケーター
(75%RH)に入れ、室温(25℃)で暗所に
保存する。塗布後約24時間置いてからとり出
して、室内(恒温・恒湿:温度約25℃、湿度
約60%RH)に16時間暴露したのち、発色さ
せる。発色は(1)瞬間発色性ロイコ色素の
CVL(Crystal Violet Lactone)を含有する
マイクロカプセルが塗布してある転写紙
(CVL色素紙)、(2)二次色素のBLMB
(Benzoyl Leuco Msthylene Blus)を含有
するマイクロカプセルが塗布してある転写紙
(BLMB色素紙)、又は(3)上記CVL及び
BLMBの2つの色素とさらにFluoran系の色
素を混合して含有するマイクロカプセルが塗
布してある実用市販の転写紙(混合色素紙)
の3種の転写紙と前記受印紙を塗布面が向い
合うように重ね合わせ、2つの鋼鉄製ロール
にはさんで加圧回転し、マイクロカプセルを
完全につぶすことにより行なう。各受印紙の
発色能は、瞬間発色を期待するCVL発色、
及び混合発色の場合は発色1時間後、二次的
な発色を期待するBLMB発色の場合は1日
後の発色濃度(以下単に濃度とも言う)を濃
度計(富士写真フイルムKK製、Fuji
Densitometer Model−P)で測定し、4枚
の平均値で表わす。濃度の高いことが発色能
にも高いことを表わしている。 このとき、試料の発色能(濃度〔A〕)は、
同一試料を塗布した低塗布量(a1g/m2)受
印紙の濃度〔A1〕と高塗布量(a2g/m2
の受印紙の濃度〔A2〕から、計算により塗
布量=6g/m2の場合の受印紙の濃度〔A〕
を求めて表わす。 但し、同一試料で塗布量が6g/m2近辺の
受印紙では濃度と塗布量がほぼ直線関係(比
例関係)にあるので、濃度〔A〕はつぎの式
により求められる。 初期発色能: 〔A〕=〔A1〕+{〔A2〕−〔A1〕}(6−a1)/a2
−a1 5−3 受印紙耐湿性試験 それぞれ4枚組の受印紙(初期発色能試験
に用いたものの片割れ)を水の入つたデシケ
ーター(100%RH)に入れ、40℃で96時間
処理し、受印紙の劣化を促進させる。とり出
して、初期発色試験と同様に室内に16時間暴
露したのち、発色させる。前記同様、低およ
び高塗布量の2種類の受印紙の濃度(〔B1
および〔B2〕)から、計算により塗布量=6
g/m2の場合の受印紙の劣化後の発色能(濃
度〔B〕)を求め、初期発色能(濃度〔A〕)
に対する比率(〔B〕/〔A〕)により受印紙
の耐湿性を表わす。 〔B〕=〔B1〕+{〔B2〕−〔B1〕}(6−a1)/a2
−a1 受印紙耐湿性: 〔B〕/〔A〕 5−4 印字耐光性試験 初期発色能試験に用いて発色された紙をウ
エザー・メーター(スガ試験機KK製、スタ
ンダード・サンシヤイン・ウエザーメータ
ー・WE−SUN−HC型)にかけて、人工光
線(カーボン・アーク)を2時間照射する。
光により褪色した発色面の濃度を測定し、前
記同様、低および高塗布量の2種類の受印紙
の濃度(〔C1〕および〔C2〕)から、計算に
より塗布量=6g/m2の場合の受印紙発色面
の褪色後の濃度〔C〕を求め、初期発色濃度
(〔A〕)に対する比率(〔C〕/〔A〕)によ
り印字の耐光性を表わす。 〔C〕=〔C1〕+{〔C2〕−〔C1〕}(6−a1)/a2
−a1 印字耐光性: 〔C〕/〔A〕 5−5 発色性能の評価 各種転写紙との発色によつて得られる受印
紙の発色面の濃度測定値および肉眼観測によ
り判定し、その評価をつぎのように表示す
る。
【表】
【表】
【表】 参考例 1a (発色剤(1a)の調製) アメリカ合衆国アリゾナ産モンモリロナイト粘
土を水とともに撹拌により解砕し、20%のスラリ
ーとなし、その500gに97%硫酸150gを加え、さ
らに水50gを加えて、95℃の水浴で10時間加熱す
る。この間30分毎にスラリーをかきまぜ反応を促
進させる。加熱終了後、吸引過により処理液を
除去した後、再び水と97%硫酸150gを加えて全
量を700gとなし、95℃で10時間酸処理を行なう。
過により水洗後、ケーキをポツトミルに入れ、
水を加えて朝鮮ボールとともに湿式粉砕し、15%
のスラリーを得る。(第1工程) 得られたスラリー(乾燥固形分中のSiO2分;
93.30%)429g(SiO2分60g)を80℃に加熱し、
撹拌下、1モル濃度の塩化マグネシウム水溶液
500mlを約30分かかつて滴加した後さらに30分熱
成反応を行なう。つぎに10%水酸化ナトリウム水
溶液400gを約30分かかつて滴加中和し、さらに
30分熟成して反応を終了する(PH9.2)。過によ
り水洗後、ケーキを110℃で乾燥し、小型衝撃粉
砕機により粉砕し、風簸式分級機により粗粒をの
ぞき、白色の発色剤(1a)の微粉末を得た。(第
2工程) この発色剤(1a)粉末は、シリカの正四面体
構造を有するモンモリロナイト(アリゾナ産)か
ら誘導されたものであつて(第1図及び第5図参
照)、 (A) 電子線回折によれば該シリカの正四面体から
成る層構造の結晶に基づく回折パターンを示す
(第3図参照)が、 (B) X線回折によれば上記層構造の結晶に基づく
回折パターンを実質的に示さず(第5図参考例
1aのX線回折パターン参照)、 (C) 酸素以外の元素としてケイ素とマグネシウム
及びアルミニウムを含有し、その含有率(重量
パーセント)と原子比は以下のごとくであつ
た。 含有率;SiO2:68.1%(Si:31.8%) MgO:22.8%(Mg:13.7%) Al2O3:1.0%(Al:0.5%) 原子比;Si/(Mg+Al)=12/(6.0+0.2)=
12/6.2 参考例 1b (発色剤(1b)の調製) 参考例1aにおいて第2工程を以下のように行
なう。参考例1aの第1工程で得られたスラリー
425gを80℃に加熱し、撹拌下、1モル濃度の塩
化アルミニウム水溶液500mlを約30分かかつて滴
加した後さらに30分熟成反応を行なう。つぎに、
10%水酸化ナトリウム水溶液600gを約45分かか
つて滴加中和し、さらに30分熟成して反応を終了
する(PH6.9)。過により水洗後、ケーキを110
℃で乾燥し、小型衝撃粉砕機により粉砕し、風簸
式分級機により粗粒をのぞき、白色の発色剤
(1b)の微粉末を得た。(第2工程) この発色剤(1b)粉末は、シリカの正四面体
構造を有するモンモリロナイト(アリゾナ産)か
ら誘導されたものであつて(第1図及び第5図参
照)、 (A) 電子線回折によれば該シリカの正四面体から
成る層構造の結晶に基づく回折パターンを示す
(第4図参照)が、 (B) X線回折によれば上記層構造の結晶に基づく
回折パターンを実質的に示さず(第5図参考例
1bのX線回折パターン参照)、 (C) 酸素以外の元素としてケイ素とマグネシウム
及びアルミニウムを含有し、その含有率(重量
パーセント)と原子比は以下のごとくであつ
た。 含有率;SiO2:63.5%(Si:29.7%) MgO: 0.1%(Mg: 0.1%) Al2O3:27.9%(Al:14.8%) 原子比;Si/(Mg+Al)=12/6.2 比較例 1 参考例1aの第1工程で得られる水洗上りの酸
処理物ケーキを110℃で乾燥し、小型衝撃粉砕機
により粉砕し、風簸式分級機により粗粒をのぞ
き、白色の微粉末を得る。 参考例1a、1bおよび比較例1で得られた微粉
末を所定の方法により紙に塗布して得られた受印
紙の発色性能試験結果を表Bに示す。また、原料
粘土(アリゾナ産モンモリロナイト)の乾燥粉末
および比較例1、参考例1a、1b、の各製品の電
子線回折図をそれぞれ第1図〜第4図に、また之
等のX線回折図を第5図に示す。 なお第5図におけるMはモンモリロナイトの結
晶による回折パターンであり、割弧内の数字は各
パターンの面指数である。また第5図の最も下の
回折図は参考例1aの原料粘土によるものである。
【表】
【表】 参考例 2 〔発色剤(2a)の調整〕 新潟県中条町産・酸性白土を粗砕したもの(水
分32%)4.5Kgに34%の硫酸8を加え、85℃の
水浴で5時間加熱し、酸処理を行なう。〔特公昭
44−2188号)、第1表の試料番号11、酸処理条件
(B)〕。過により水洗後、ケーキを110℃で乾燥
し、粉砕し、風簸により粗粒をのぞき白色の発色
剤(2a)の微粉末を得た。 この発色剤(2a)粉末は、従来公知の感圧複
写紙用発色剤で、比表面積及び第2次発色性能
K2を特公昭44−2188号記載の方法により測定し
たところ以下の如くであつた。 比表面積:295m2/g K2:1.78 参考例 3 〔発色剤(1c)の調製〕 新潟県新発田市小戸産酸性白土を粗砕したもの
(水分32.4%)7.4Kgに25%の硫酸30Kgを加え95℃
で10時間加熱し、一度過することにより処理液
を除去したのち、再び25%の硫酸30Kgを加え、95
℃で10時間加熱し、酸処理を行なう。過により
水洗後、ケーキをポツトミルに入れ、水を加え
て、朝鮮ボールとともに湿式粉砕し、15%の酸処
理物スラリーを得る。(第1工程) 得られたスラリー5230gを80℃に加熱し、水酸
化マグネシウム348gを加え、撹拌しながら5時
間反応させる。過後、ケーキを110℃で乾燥し、
粉砕し、風簸により粗粒をのぞき白色の発色剤
(1c)の微粉末を得た。(第2工程) この発色剤(1c)粉末は、別途に行つたX線回
折及び電子線回折により、 (A) 電子線回折によれば該シリカの正四面体から
成る層構造の結晶に基づく回折パターンを示す
が、 (B) X線回折によれば上記層構造の結晶に基づく
回折パターンを実質的に示さないことが確認さ
れ、 (C) 酸素以外の元素としてケイ素とマグネシウム
及びアルミニウムを含有し、その含有率(重量
パーセント)と原子比は以下のごとくであつ
た。 含有率;SiO2:67.7%(Si:31.7%) MgO:22.8%(Mg:13.7%) Al2O3: 1.5%(Al: 0.8%) 原子比;Si/(Mg+Al)=12/(6.0+0.3)
=12/6.3 参考例 4 〔発色剤(2b)の調製〕 新潟県中条町産酸性白土を粗砕したもの(水分
39%)5Kgに34%の硫酸8を加え、85℃の水浴
で7時間加熱し、酸処理を行なう〔特公昭44−
2188号、第1表の試料番号12、酸処理条件(B)〕。
過により水洗後、ケーキを110℃で乾燥し、粉
砕し、風簸により粗粒をのぞき白色の発色剤
(2b)の微粉末を得た。 この発色剤(2b)粉末は、従来公知の感圧複
写紙用発色剤で、いわゆる酸処理されたジオクタ
ヘドラル型モンモリロナイト族粘土鉱物である。 該発色剤の比表面積及び第2次発色性能K2
特公昭44−2188号記載の方法により測定したとこ
ろ、以下のごとくであつた。 比表面積:320m2/g K2:1.92 参考例 5 〔発色剤(1d)の調製〕 参考例3の第1工程によつて得られたスラリー
(固形分濃度15%)523gを70℃に加熱し、撹拌
下、0.5モル濃度の硫酸マグネシウム水溶液600ml
と0.5モル濃度の硫酸アルミニウム水溶液100mlを
合わせた液を約40分間かかつて滴加した後、さら
に30分間熟成を行なう。つぎに2モル濃度の水酸
化ナトリウム水溶液450mlを45分間かかつて滴加、
中和し、さらに30分間熟成して反応を終了する。
過、水洗後、乾燥、粉砕し、風簸により粗粒を
のぞき白色の発色剤(1d)の微粉末を得た。 この発色剤(1d)粉末は、別途に行つたX線
回折及び電子線回折により、 (A) 電子線回折によれば該シリカの正四面体から
成る層構造の結晶に基づく回折パターンを示す
が、 (B) X線回折によれば上記層構造の結晶に基づく
回折パターンを実質的に示さないことが確認さ
れ、 (C) 酸素以外の元素としてケイ素とマグネシウム
及びアルミニウムを含有し、その含有率(重量
パーセント)と原子比は以下のごとくであつ
た。 含有率:SiO2:71.8%(Si:33.6%) MgO:12.2%(Mg: 7.4%) Al2O3: 6.7%(Al: 3.5%) 原子比;Si/(Mg+Al)=12/(3.0+1.3) =12/4.3 実施例 1 参考例1aにおいて、製造量を10倍にしたこと
を除いて、他の条件を参考例1aと全く同一に実
施して、白色の発色剤(1a′)の微粉末を得た。 つぎに、この発色剤(1a′)粉末を参考例2で
得られた従来公知の粘土鉱物系発色剤2aの粉末
を種々の混合比で流動化型混合機(スーパーミキ
サー)により均一に混合し発色剤組成物を得た。 但し、試料A〜Fの混合比(110℃乾燥重量基
準)は以下のとおりである(A及びFは比較例で
あり、B乃至Eが本発明の実施例である)。
【表】 本実施例によつて得られた発色剤組成物から所
定の方法(4−1)により調製した塗液の粘度測
定結果及び該塗液を塗布した受印紙の発色性能試
験結果を第1表及び第2表に示し、塗液の粘度に
ついてはさらに第6図〜第8図に示す。 第6図は、試料A〜Fから得られた塗液のそれ
ぞれについて、塗液の固形分濃度(%)を横軸
に、塗液の粘土(cp)を縦軸にとつてプロツト
したときに得られる濃度−粘度曲線を示す。これ
によれば、発色剤(1a′)を全く配合せず従来公
知の粘土鉱物系発色剤(2a)のみから成る試料
Aの場合は固形分濃度が約40%を越えると急激に
粘度が上昇するが、発色剤(1a′)が混合される
と、その混合量の増加とともにカーブは右方へシ
フトし粘度が急上昇を開始する固形分濃度が高く
なり、上昇のカーブをゆるくなることがわかる。 第7図は、第6図で固形分濃度を42.0%に固定
したときの各試料の粘度(cp)を内挿法により
求め、試料の発色剤(1a′)及び発色剤(2a)の
混合比を横軸に、塗液の粘度を縦軸にとつてプロ
ツトした曲線であり、これによれば、例えば発色
剤(1a′)がわずか3%混合された場合でも塗液
の粘度は3分の2に低下し、5%混合では約2分
の1、10%混合では約5分の1となり著るしく粘
度が低下し、さらに混合量が約20%を越えて増加
するにつれて、粘度はゆるやかに低下することが
わかる。 第8図は、第6図において粘度を2000cpに固
定したときの各試料の固形分濃度を内挿法により
求め、発色剤(1a′)と発色剤(2a)の混合比と
固形分濃度との関係をプロツトした曲線を示す。
これによれば、ブレード・コーター等に適した粘
度例えば2000cpの塗液を調製しようとする場合、
従来公知の粘土鉱物系発色剤(2a)だけの試料
Aから塗液を調製するときは約41〜42%の固形分
濃度にしかならないが、発色剤(1a′)と発色剤
(2a)の合計当り発色剤(1a′)を例えば5〜90重
量%含有することにより固形分濃度を約43〜47%
に増大させることができることがわかる。
【表】
【表】
【表】
【表】 第1表及び第2表によれば、本発明の発色剤組
成物(B〜E)は塗液の粘性が低く、発色性能も
優れていることがわかる。 実施例 2 参考例1bで得られた発色剤(1b)粉末と参考
例2で得られた発色剤(2a)粉末を20:80の混
合比(重量)で流動化型混合機(スーパーミキサ
ー)により均一に混合する。 本実施例によつて得られた発色剤組成物から所
定の方法(4−1)により塗液を調製し、全固形
分濃度を約43%に調製したときの塗液の粘度測定
結果及び該塗液を塗布したときの受印紙の発色性
能試験結果を下記比較例2で得られたものととも
に第3表に示す。 比較例 2 参考例2で得られた発色剤(2a)粉末から所
定の方法により塗液を調製し、全固形分濃度を約
43%に調整したときの粘度測定結果及び該塗液を
塗布したときの受印紙の発色性能試験結果を実施
例2で得られるものとともに第3表に示す。
【表】 第3表によれば、本発明の発色剤組成物(実施
例2)は塗液の粘性が低く、発色性能も優れてい
ることがわかる。 実施例 3 参考例3で得られた発色剤(1c)粉末と参考例
4で得られた発色剤(2b)粉末を20:80の混合
比(重量)で流動化型混合機(スーパーミキサ
ー)により均一に混合する。 本実施例によつて得られた発色剤組成物から所
定の方法(4−1)により塗液を調製し、全固形
分濃度を約43%に調整したときの塗液の粘度測定
結果及び該塗液を塗布したときの受印紙の発色性
試験結果を後記比較例3とともに第4表に示す。 比較例 3 参考例4で得られた発色剤(2b)粉末から所
定の方法により塗液を調製し、全固形分濃度を約
43%に調整したときの粘度測定結果及び該塗液を
塗布したときの受印紙の発色性能試験結果を実施
例3とともに第4表に示す。
【表】 第4表によれば、本発明の発色剤組成物(実施
例3)は塗液の粘性が極めて低く、発色性能も極
めて優れていることがわかる。 実施例 4 参考例4によつて得られる酸処理粘土鉱物系発
色剤(2b)の水洗後ケーキをポツトミルに入れ、
水を加えて朝鮮ボールとともに湿式粉砕し、固形
分濃度20%のスラリーを得る。 参考例3の第2工程によつて得られる反応終了
後の発色剤(1c)スラリー(固形分濃度:20%)
と上記の従来公知の発色剤(2b)スラリーを
20:80の重量割合で均一に混合し、過及びプレ
スにより固形分濃度50%の発色剤水性組成物(ケ
ーキ)を得る。 つぎに高速撹拌機付き容器(内容積1.9)に
水20gを入れ、これにヘキサメタリン酸ナトリウ
ム1.5gを溶かし、撹拌下20%でん粉水溶液22.5
g、20%水酸化ナトリウム水溶液15g及び50%ス
チレン−ブタジエン系ラテツクス51gを加える。
更に撹拌継続下、上記発色剤ケーキ(固形分濃
度:50%)300部を添加分散し均一にしたのち再
び20%水酸化ナトリウム水溶液でPHを9.5に調整
し、さらに水を少量加えて全固形分濃度を約43%
に調整した。 得られた塗液スラリーの全乾燥固形分濃度は
43.1%であつた。 比較例 4 高速撹拌機付き容器に水150gを入れ、これに
ヘキサメタリン酸ナトリウム1.5gを溶かし、撹
拌下、20%でん粉水溶液22.5g、20%水酸化ナト
リウム水溶液15g及び50%スチレン−ブタジエン
系ラテツクス51gを加える。更に撹拌継続下、参
考例4によつて得られた発色剤(2b)粉末(従
来公知の粘土鉱物系発色剤、水分5.0%)157.9g
を添加分散し、均一にした後、再び20%水酸化ナ
トリウム水溶液でPHを9.5に調整し、さらに水を
少量加えて、全固形分濃度を約43%に調整した。 得られた塗液スラリーの全乾燥固形分濃度は
43.2%であつた。 実施例4及び比較例4で得られた発色剤塗液の
粘度測定結果及び該塗液を塗布したときの受印紙
の発色性能試験結果を第5表に示す。
【表】 第5表によれば、本発明の発色剤組成物(実施
例4)は塗液の粘性が極めて低く、発色性能も極
めて優れていることがわかる。 実施例 5 高速撹拌機付き容器に水150gを入れ、これに
ピロリン酸ナトリウム3gを溶かし、撹拌下、参
考例4によつて得られた発色剤(2b)粉末(水
分5.0%)110.5g、参考例5によつて得られた発
色剤(1d)粉末(水分4.3%)23.5g、及びタル
ク(水分2.8%)23gを添加分散し、20%水酸化
ナトリウム水溶液を加えてPHを約9.5にする。更
に撹拌継続下、20%でん粉水溶液22.5g及び50%
スチレン−ブタジエン系ラテツクス51gを加え、
均一にした後、再び20%水酸化ナトリウムでPHを
9.5に調製し、さらに水を加えて全固形分濃度を
約45%に調整した。 得られた塗液スラリーの全乾燥固形分濃度は
45.0%であつた。 比較例 5 高速撹拌機付き容器に水150gを入れて、これ
にピロリン酸ナトリウム3gを溶かし、参考例4
によつて得られた発色剤(2b)粉末(水分5.0%)
134.2g及びタルク(水分2.8%)23gを添加分散
し、20%水酸化ナトリウム水溶液を加えてPHを約
9.5にする。更に撹拌継続下、20%でん粉水溶液
22.5g及び50%スチレン−ブタジエン系ラテツク
ス51gを加え、均一にした後、再び20%水酸化ナ
トリウム水溶液でPHを9.5に調整し、さらに水を
少量加えて、全固形分濃度を約45%に調整した。
(特公昭45−23177号) 得られた塗液スラリーの全乾燥固形分濃度は
44.8%であつた。 比較例 6 比較例5において、発色剤(2b)粉末及びタ
ルクの添加量をそれぞれ、110.5g及び46.3gに
代えて行なう。(特公昭45−23177号)得られた塗
液スラリーの全乾燥固形分濃度は44.9%であつ
た。 実施例5、比較例5及び比較例6で得られた発
色剤塗液の粘度測定結果及び該塗液を塗布したと
きの受印紙の発色性能試験結果を第6表に示す。
【表】 第6表によれば、本発明の発色剤組成物(実施
例5)は塗液の粘性が極めて低く、発色性能も極
めて優れていることがわかる。一方、特公昭45−
23177号の方法による比較例5及び比較例6では、
不活性物質(タルク)の添加により、塗液の粘性
がやや低くなるが、発色性能も著るしく低下す
る。 実施例 6 高速分散機付き容器に水133gを入れ、これに、
ヘキサメタリン酸ナトリウム0.5gを溶かし、撹
拌下、50%水酸化ナトリウム水溶液5g及び50%
のスチレン−ブタジエン系ラテツクス56.7gを加
える。更に撹拌継続下、参考例4によつて得られ
た発色剤(2b)粉末(従来公知の粘土鉱物系発
色剤、水分5.0%)119.6%を添加分散し、つい
で、炭酸カルシウム(水分0.4%)16.7g、カオ
リン(水分1.2%)17.0gを添加分散した後、更
に参考例3で得られた発色剤(1c)粉末(水分
3.8%)20.8gを添加分散し、5分間そのまま撹
拌を続ける。その後、8%カゼイン水溶液41.8g
を添加し、最後に50%水酸化ナトリウム水溶液を
添加してPHを9.8に調整し、更に水を加えて、全
固形分濃度を約48%に調整した。 得られた塗液スラリーの全乾燥固形分濃度は
48.1%であつた。 比較例 7 実施例6において、発色剤(2b)粉末、炭酸
カルシウム及びカオリンの添加量をそれぞれ
140.7g、16.7g及び17.0gに変更し、発色剤
(1c)粉を無添加で行なう。(特開昭55−97981号、
実施例3) 得られた塗液スラリーの全乾燥固形分濃度は
48.0%であつた。 比較例 8 実施例6において、発色剤(2b)粉末、炭酸
カルシウム及びカオリンの添加量をそれぞれ
140.7g、16.7g及び12.8gに変更し、さらに炭酸
マグネシウム(水分1.0%)4gを添加し発色剤
(1c)粉末を無添加で行なう。(特開昭55−97982
号、実施例4) 得られた塗液スラリーの全乾燥固形分濃度は
48.2%であつた。 実施例6、比較例7、比較例8で得られた発色
剤塗液の粘度測定結果及び該塗液を塗布したとき
の受印紙の発色性能試験結果を第7表に示す。
【表】 第7表によれば、本発明の発色剤組成物(実施
例6)は高濃度塗液にもかかわらず塗液の粘性が
極めて低く、発色性能も極めて優れていることが
わかる。一方、特開昭55−97981号の方法による
比較例7では塗液の粘性は低いが、発色性能は普
通であり、特開昭55−97982号の方法による比較
例8では発色性能はやや優れているが、塗液の粘
性はあまり低くならない。 実施例 7 高速撹拌機付き容器に水150gを入れ、これに
ヘキサメタリン酸ナトリウム4gを溶かし、撹拌
下、参考例4によつて得られた発色剤(2b)粉
末(従来公知の粘土鉱物系発色剤、水分5.0%)
56.8g、参考例3で得られた発色剤(1c)粉末
(水分3.8%)28.1gを添加分散し、均一にしたの
ち、アンモニアを加えてPHを8.0に調整する。 つぎにカオリン(水分1.2%)27.3g及び炭酸
カルシウム(水分0.4%)27.1gを添加混合した
後、磁製のポツトミルに入れ、朝鮮ボールととも
に2時間湿式粉砕する。ついで少量の水を加えて
均一にし、固形分濃度を46%に調整した該粉砕ス
ラリー218gをもとの高速撹拌機付き容器に移し、
撹拌下、25%でん粉水溶液40gを加えて充分混合
した後、50%スチレン−ブタジエン系ラテツクス
を20g加え、均一に分散させ、更に少量の水を加
えて、全固形分濃度を約43%に調整した。 得られた塗液スラリーのPHは7.5であり全乾燥
固形分濃度は43.3%であつた。 実施例 8 実施例7においてヘキサメタリン酸ナトリウム
4gを、ポリカルボン酸アンモニウム塩(デイス
ペツクスA−40、固形分濃度40%)1.7gに代え
て行なう。 得られた塗液スラリーの全乾燥固形分濃度は
43.1%であつた。 比較例 9 実施例7において、発色剤(2b)粉末の添加
量を85.3gに変更し、発色剤(1c)粉末を無添加
で行なう。(特公昭55−47992号、実施例1) 得られた塗液スラリーの全乾燥固形分濃度は
43.2%であつた。 実施例7、実施例8及び比較例9で得られた発
色剤塗液の粘度測定結果及び該塗液を塗布したと
きの受印紙の発色性能試験結果を第8表に示す。
【表】 第8表によれば、本発明の発色剤組成物(実施
例7及び実施例8)は塗液の粘性が極めて低く、
発色性能も優れていることがわかる。一方、特公
昭55−47992号の方法による比較例9では発色性
能が劣り、塗液の粘性もあまり低くならない。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第4図は、それぞれ、実施例1a及
び1bで用いられた原料粘土、比較例1で得られ
た原料酸処理物、参考例1a及び1bで得られた
夫々の発色剤(1a)及び発色剤(1b)の結晶構
造の電子線回折パターンを示す図面代用写真であ
り、第5図は之等のX線回折図である。第6図
は、実施例1の第1表に掲げたように発色剤
(1a′)と発色剤(2a)の混合比の異なる試料A〜
Fのそれぞれについて塗液の固形分濃度(%)と
粘度(cP)の関係を示す図であり、第7図は第
6図より内挿法により求めた固形分濃度42.0%の
ときの上記混合比と粘度(cP)の関係を示す図
であり、第8図は同じく第6図により内挿法によ
り求めた粘度2000cPのときの上記混合比と固形
分濃度(%)の関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (1) シリカの正四面体から成る層構造を有す
    る粘土鉱物から誘導されたものであつて、 (A) 電子線回折によれば該シリカの正四面体か
    ら成る層構造の結晶に基づく回折パターンを
    示すが、 (B) X線回折によれば上記層構造の結晶に基づ
    く回折パターンを実質的に示さず、 (C) 酸素以外の元素として、少くともケイ素と
    マグネシウム及び/又はアルミニウムを含有
    する 発色剤(1)と、 (2) 酸処理されたジオクタヘドラル型モンモリロ
    ナイト族粘土鉱物又はこれと天然ジオクタヘド
    ラル型モンモリロナイト族粘土鉱物との混合物
    から成る発色剤(2)、 との混合物であつて、上記発色剤(1)を全体の3〜
    50重量%含有することを特徴とする粘土鉱物系感
    圧複写紙用発色剤組成物。 2 該発色剤(2)が、比表面積が180m2/g以上で
    ある特許請求の範囲第1項記載の発色剤組成物。 3 該発色剤(2)が、酸処理された酸性白土(活性
    白土)又はこれと天然酸性白土との混合物である
    特許請求の範囲第1項記載の発色剤組成物。 4 該発色剤(2)が、酸処理されたジオクタヘドラ
    ル型モンモリロナイト族粘土鉱物又はこれと天然
    ジオクタヘドラル型モンモリロナイト族粘土鉱物
    との混合物であつて、ベンゾイルロイコメチレン
    ブルーで2次発色させたとき、式 K2=R430/R550+1/2(1−R550) (式中、R430およびR550はそれぞれ430mμおよ
    び550mμの波長を有する光に対する反射率を必
    要わす) で表わされる第2次発色性能K2の値が1.40以上を
    有するものである特許請求の範囲第1項又は同第
    3項記載の感圧複写紙用発色剤。 5 該発色剤(1)は、シリカの正四面体から成る層
    構造を有する粘土鉱物を、乾燥基準(105℃で3
    時間乾燥)でSiO2含量が82乃至96.5重量%、好ま
    しくは85乃至95重量%となるように酸処理し、得
    られる粘土鉱物を水性媒体中で、該媒体に少くと
    も部分的に可溶性のマグネシウム及び/又はアル
    ミニウムの化合物と接触させ、この可溶性化合物
    が水酸化物以外の場合には水酸化物が形成される
    ようにアルカリ又は酸で中和して該酸処理粘土鉱
    物中にマグネシウム及び/又はアルミニウム成分
    を導入し、所望により乾燥することにより得られ
    るものである特許請求の範囲第1項記載の発色剤
    組成物。 6 該発色剤(1)は、その製造において該酸処理し
    た粘土鉱物を、X線回折によつて測定した場合
    に、酸処理する前の該粘土鉱物が有するシリカの
    正四面体から成る層構造の結晶に基づく回折パタ
    ーンを実質的に示さなくなるまで該粘土鉱物の酸
    処理を行つたものである特許請求の範囲第5項記
    載の発色剤組成物。 7 該発色剤(1)は、モンモリロナイト族粘度鉱
    物、カオリナイト族粘土鉱物、セビオライト−パ
    リゴルスカイト系粘土鉱物、クロライド系粘土鉱
    物及びバーミキユライト系粘土鉱物から成る群か
    ら選ばれる少くとも1種のシリカの正四面体から
    成る層構造を有する粘土鉱物から誘導されたもの
    である特許請求の範囲第1、5又は6項記載の発
    色剤組成物。 8 該発色剤(1)は、ケイ素とマグネシウム及び/
    又はアルミニウムを、原子比として、 [ケイ素]/[マグネシウム及び/又はアルミ
    ニウムの合計]が12/1.5乃至12 の比率で含有する特許請求の範囲第1乃至7項の
    何れかに記載の発色剤組成物。 9 ケイ素とマグネシウム及び/又はアルミニウ
    ムを、原子比として、 [ケイ素]/[マグネシウム及び/又はアルミ
    ニウムの合計]が12/3乃至10 の比率で含有する特許請求の範囲第1乃至8項の
    何れかに記載の発色剤組成物。 10 (1) シリカの正四面体から成る層構造を有
    する粘土鉱物から誘導されたものであつて、 (A) 電子線回折によれば該シリカの正四面体か
    ら成る層構造の結晶に基づく回折パターンを
    示すが、 (B) X線回折によれば上記層構造の結晶に基づ
    く回折パターンを実質的に示さず、 (C) 酸素以外の元素として、少くともケイ素と
    マグネシウム及び/又はアルミニウムを含有
    する 発色剤(1)と、 (2) 酸処理されたジオクタへドラル型モンモリロ
    ナイト族粘土鉱物又はこれと天然ジオクタへド
    ラル型モンモリロナイト族粘土鉱物との混合物
    から成る発色剤(2)と、 (3) 水溶性及び/又は水分散性のバインダー、の
    少くとも3成分を含有し且つ発色剤(1)の配合量
    が発色剤(1)及び発色剤(2)の合計量当たり3〜50
    重量%であることを特徴とする粘土鉱物系感圧
    複写紙用発色剤を含有する水性塗液組成物。 11 該水性塗液組成物は、PHが6〜11に調節さ
    れている特許請求の範囲第10項記載の水性塗液
    組成物。 12 該水性塗液組成物は、PHが8乃至10.5に調
    節されている特許請求の範囲第10項記載の水性
    塗液組成物。 13 該水性塗液組成物は、前記発色剤(1)、発色
    剤(2)及びバインダー(3)の他に、分散剤、粘度調節
    剤及びPH調節剤の少くとも1つが含有されている
    特許請求の範囲第10〜12項の何れかに記載の
    水性塗液組成物。
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