JPS644665Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えばゴルフボールや卵のように球
形状をなす物品を複数個区画した状態で収容でき
る包装容器に関し、一枚の板紙を折曲げつつ物品
を収納し、しかも外観形状が斬新でかつ、収納し
た物品の一部が外から見られる新規な容器を提供
するものである。

〔従来の技術〕

従来、この種の包装容器は一般的に方形状の外
殻箱体に仕切壁を組付けて多数の小区画を設け、
これらの小区画に物品を収容するようにしてい
る。このようなものでは、外殻箱体の形成に手数
が掛かり、しかも外から収納物品が見られないの
で人目を惹きつける魅力の乏しいものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

予かじめ箱体を組立てておいたり、仕切壁を組
付けたりすることなく、組立てを物品の収納が一
枚の板紙で同時的にできて、しかも外殻形状が斬
新で人目を惹き易い容器を提供する。

〔問題点を解決するための手段〕

正三角形の各隅角を切落とし三方に端縁を設け
て形成された底板の各側辺に下部折線を介して
夫々側面壁を連設すると共に該各側面壁に上部折
線を介して夫々天板を延設して第１の天板に切込
溝を設け、第２の天板には該切込溝に係止させる
係止片を形成し、さらにこれらの第１の天板及び
第２の天板には前記上部折線沿いに夫々切込溝を
設けると共に底板を二等分する中心線位置に対応
する折線を設けて仕切壁を延設し、また第３の天
板は底板と同形状に形成すると共に左右の側辺沿
いに前記上部折線沿いに設けた切込溝に係止させ
る係止片を突設して形成する。

また第３の天板側壁の上下折線の両側に天々破
線状の切込線を形成する。

〔作用〕

対向する二方の下部折線と上部折線を夫々内側
へ折曲げ第１の天板と第２の天板を重合させ、第
２の天板に設けた係止片を第１の天板に設けた切
込溝に係止させ固定した先端隅角部に物品を一個
収容させ、第１の天板及び第２の天板に設けた側
面壁を折曲げて区画した個所に第２，第３の物品
を収容させ、残りの下部折線及び上部折線を夫々
内側へ折曲げて第３の天板を重合させその左右側
辺に突設した係止片を前記上部折線沿いに設けた
切込溝に係止させることで容器の組立てと物品の
包装とを同時に完成する。そして容器に収容され
た物品は側壁に設けた破線状の切込線を引き破る
ことにより簡易に取出せる。

〔実施例〕

図において、１は正三角形の各隅角を切落とし
て所要幅の端縁２を三方に設けて形成される底板
であり、該底板１の三方側辺に下部折線３ａ，３
ｂ，３ｃを介して側面壁４ａ，４ｂ，４ｃを連設
し、さらに各側面壁４ａ，４ｂ，４ｃに上部折線
５ａ，５ｂ，５ｃを介して第１の天板６ａ、第２
の天板６ｂ及び第３の天板６ｃを夫々延設してい
る。

第１の天板６ａ及び第２の天板６ｂは夫々底板
１を二等分する中心線位置に合致する底板１の1/
２大の面積に形成され、第３の天板６ｃは底板１
と同じ形状に形成されている。

そして第１の天板６ａには先端寄りに切込溝７
を設けると共に中央から内側端寄りに略コ字状の
切欠き８を設け、第２の天板６ｂには前記切込溝
７に係止させる係止片９を突設している。さらに
第１の天板６ａ及び第２の天板６ｂには折線１０
ａ，１０ｂを介して前記側面壁４ａ，４ｂと同じ
高さの仕切壁１１ａ，１１ｂを延設するが、仕切
壁１１ａは横幅を広くして前記切欠き８沿いに屈
曲するように折線１２，１２を設け、また仕切壁
１１ｂは横幅を狭く形成している。また、第１の
天板６ａ及び第２の天板６ｂには上部折線５ａ，
５ｂ沿いに夫々切込溝１３ａ，１３ｂを設けてい
る。

一方、第３の天板６ｃには左右の側縁に前記切
込溝１３ａ，１３ｂに係止させる係止片１４ａ，
１４ｂを夫々突設している。なお、これらの係止
片１４ａ，１４ｂと前記係止片９には左右両側に
夫々切込み１５を設け、また、これらの係止片１
４ａ，１４ｂ及び９を係止させる切込溝１３ａ，
１３ｂ及び７には左右両端に夫々角度を違えた仕
込み１６を設け、夫々仕込み１５，１６が係合す
ることで一旦係止させた係止片１４ａ，１４ｂ及
び９が抜脱しないようにしている。また、折線１
０ａ，１０ｂ，１２，１２と、下部折線３ｃ及び
上部折線５ｃの中央部に跨ぐ折線１７，１７の区
画部を除いた左右の上下折線３ｃ，５ｃ部分の両
側は夫々破線状の仕込線１８，１８を形成するこ
とで切離し易い構成にしている。

次に、本考案の包装容器の使用を説明する。先
ず、下部折線３ａ、上部折線５ａ、折線１０ａ及
び１２，１２を順に内側へ折曲げて底板１の先端
寄り上面に仕切壁１１ａで区画された空間を第２
図のように形成してこの空間Ｓ１に側面壁４ｂ側
から球状の物品Ａ１を収容させる。次いで、第３
図のように下部折線３ｂ、上部折線５ｂ及び折線
１０ｂを順に内側へ折曲げ、係止片９を切込溝７
に挿込み係止させて第４図のように仕切壁１１ｂ
で左右に画された空間Ｓ２，Ｓ３を形成して、こ
れらの空間Ｓ２，Ｓ３に夫々球状の物品Ａ２，Ａ
３を収容させ、下部折線３ｃ、上部折線５ｃを順
に内側へ折曲げ、第５図のように第３の天板６ｃ
を第１の天板６ａ及び第２の天板６ｂに重合させ
て係止片１４ａ，１４ｂを切込溝１３ａ，１３ｂ
に挿込み係止させることで第６図に示すように容
器の組立てと物品Ａ１，Ａ２，Ａ３の包装とを同
時に完了する。

このようにして包装された物品Ａ１，Ａ２，Ａ
３は底板１と各天板６ａ，６ｂ，６ｃとで上下面
を支持されると共に、側面壁４ａ，４ｂ，４ｃと
仕切壁１１ａ，１１ｂによつて側面を衝止されて
固定し、しかも各物品Ａ１，Ａ２，Ａ３は夫々側
面壁４ａと４ｂの間、４ｂと４ｃの間、４ｃと４
ａ間で端縁２の幅に応じて形成される隙間によつ
て外側から直接見別けることができる。

また、このように収納された物品を容器から取
出すには第８図のように側面壁４ｃの側を上向き
にした状態で該側面壁４ｃの左右の隙間から指先
を挿込み端部を指で挾んで外側に引張つてやれば
上下折線３ｃ，５ｃに沿つて設けた破線状の仕込
線１８，１８より切離しでき、空間Ｓ２，Ｓ３を
開放状にして物品Ａ２，Ａ３をたやすく取出すこ
とができる。次いで仕切壁１１ａまたは１１ｂを
引張つて空間Ｓ１を開放して物品Ａ１を容易に取
出すことができる。

〔考案の効果〕 以上に述べたように本考案の包装容器は、底板
の各側辺に連設した下部折線及び上部折線を順に
内側へ折曲げて各側面壁、各天板及び各仕切壁に
より区画された複数の空間を形成すると共にこれ
らの各空間に球状の物品を収容することができ、
結局、包装容器の組立てと物品の収容が同時的に
完了して、転がり易くて取扱かいにくい球状の物
品をたやすく、しかも複数個収容することができ
る。

そして、収納した物品は夫々区画された空間に
個別にしかも上下面並びに側面が支持されて安定
した状態に包装されしかも各収納物品の一部が外
側から直接見えて識別し易く、また容器の外観形
状が斬新であると共に収納物品も取出し易すいと
いつたように多くの利点がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例に係わるもので第１図は
展開平面図、第２図乃至第５図は組立て並びに物
品を収容する過程を示す斜視図、第６図は組立て
並びに物品の収納を完了した状態の斜視図、第７
図は同上横断面図、第８図は収納した物品を取出
す状態を示す斜視図である。 １……底板、２……端縁、３ａ，３ｂ，３ｃ…
…下部折線、４ａ，４ｂ，４ｃ……側面壁、５
ａ，５ｂ，５ｃ……上部折線、６ａ，６ｂ，６ｃ
……天、７……切込溝、９……係止片、１０ａ，
１０ｂ……折線、１１ａ，１１ｂ……仕切壁、１
３ａ，１３ｂ……切込溝、１４ａ，１４ｂ……係
止片、１８，１８……破線状の仕込線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 正三角形の各隅角を切落とし三方に端縁を設
   けて形成された底板の各側辺に下部折線を介し
   て夫々側面壁を連設すると共に該各側面壁に上
   部折線を介して夫々天板を延設して第１の天板
   に切込溝を設け、第２の天板には該切込溝に係
   止させる係止片を形成し、さらにこれらの第１
   の天板及び第２の天板には前記上部折線沿いに
   夫々切込溝を設けると共に底板を二等分する中
   心線位置に対応する折線を設けて仕切壁を延設
   し、また第３の天板は底板と同形状に形成する
   と共に左右の側辺沿いに前記上部折線沿いに設
   けた切込溝に係止させる係止片を突設して形成
   した包装容器。 ２ 第３の天板側壁の上下折線の両側に夫々破線
   状の切込線を形成した実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の包装容器。