JPS644649B2 - - Google Patents
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- JPS644649B2 JPS644649B2 JP57154971A JP15497182A JPS644649B2 JP S644649 B2 JPS644649 B2 JP S644649B2 JP 57154971 A JP57154971 A JP 57154971A JP 15497182 A JP15497182 A JP 15497182A JP S644649 B2 JPS644649 B2 JP S644649B2
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Landscapes
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は電圧非直線抵抗磁器、さらに詳しくは
過電圧保護用素子として用いられる酸化亜鉛
(ZnO)を主成とした電圧非直線抵抗磁器に関す
る。 従来、電子機器、電気機器の過電圧保護を目的
として、それぞれシリコンカーバイド(SiC)、
セレン(Se)、シリコン(Si)又はZnOを主成分
としたバリスタが利用されている。中でもZnOと
主成分としたバリスタは、一般に制限電圧が低
く、電圧非直線係数が大きいなどの特徴を有して
いるため、半導体素子のような過電流耐量の小さ
いもので構成される機器の過電圧に対する保護に
適しているので、SiCよりなるバリスタなどに代
つて広く利用されるようになつた。 また、ZnOを主成分とし、副成分としてジスプ
ロシウム(Dy)及びコバルト(Co)を元素又は
化合物の形で添加して焼成することにより製造さ
れる電圧非直線抵抗磁器が電圧非直線性に優れて
いることが知られている。しかし、このような電
圧非直線抵抗磁器においては、動作開始電圧が周
囲温度の上昇によつて著しく減少すると漏れ電流
が大きくなり、従つて熱暴走を起こす可能性が生
ずる。さらに制限電圧がやゝ高いという欠点があ
つた。従つて、実用上は、これらの優れた電圧非
直線性の他に、できるだけ動作開始電圧が周囲温
度に対して安定であることと、更に制限電圧が低
いことが望まれるのである。 従つて、本発明は、動作開始電圧の周囲温度に
対する安定性を向上させ、且つ制限電圧を更に減
少させ、しかも一層好適な特性を付与された電圧
非直線抵抗磁器を提供することを目的とする。 こゝに、本発明者は、ZnOを主成分とし、副成
分としてDyとCoを添加してなる従来技術の電圧
非直線抵抗磁器に、更に副成分としてセシウム
(Cs)とクロム(Cr)を添加することにより、優
れた電圧非直線性を保持した上で、動作開始電圧
の周囲温度に対する安定性が向上し、且つ制限電
圧が低減された電圧非直線抵抗磁器が得られるこ
とを見出し、本発明を完成した。 しかして、本発明によれば、ZnOを主成分と
し、副成分としてDy、Coを含む電圧非直線抵抗
磁器において、更に副成分としてCs及びCrを添
加したことを特徴とする電圧非直線抵抗磁器が提
供される。 本発明の更に好ましい具体例によれば、ZnOを
主成分とし、副成分としてDy及びCoの他にCs及
びCrを、Dyが0.1〜5.0原子%、Coが0.5〜5原子
%、Csが0.05〜0.5原子%、Crが0.05〜0.5原子%
であるような量で含む電圧非直線抵抗磁器が提供
される。 こゝで、原子%とは、所定の電圧非直線抵抗磁
器を製造するために配合された原料組成物中の各
成分金属元素の原子数の総和に対する添加金属元
素の原子数の百分率を意味する。 本発明に従う電圧非直線抵抗磁器は、一般には
ZnOと添加成分の金属又は化合物の混合物を酸素
含有雰囲気のもとで高温で焼成し、焼結させるこ
とによつて製造される。 通常、添加成分は金属酸化物の形で添加される
が、焼成過程で酸化物になり得る化合物、例えば
炭酸塩、水酸化物、弗化物なども用いることがで
き、或いは単体元素の形で用いて焼成過程で酸化
物にすることもできる。 特に好ましい方法によれば、本発明の電圧非直
線抵抗磁器は、ZnO粉末に添加成分金属又は化合
物の粉末を十分に混合し、焼成前に空気中で500
〜1000℃で数時間仮焼し、仮焼物を十分に粉砕
し、所定の形状に成形し、次いで空気中で1200〜
1400℃程度の温度で数時間焼成することにより製
造される。1200℃より低い焼成温度では、焼結が
不十分で特性が不安定である。また、1400℃より
高い温度では、均質な焼結体を得ることが困難と
なり、電圧非直線性が低下し、特性の制御などの
再現性に難点があり、実用に供する製品を得がた
い。 こゝで、本発明をさらに例示するために実施例
を示す。 実施例 ZnO粉末にDy2O3、Co3O4、Cs2CO3、Cr2O3粉
末を後記の第1表に記載の所定の原子%に相当す
る量で添加し、十分に混合した後、500〜1000℃
で数時間仮焼した。次いで仮焼物を十分に粉砕
し、金型を用いて直径17mmの円板状に成型して
1200〜1400℃で空気中で1時間焼成して焼結磁器
を得た。このようにして得られた磁器を厚さ2mm
の試料に研磨し、その両面に電極を焼付けて素子
を作り、その電気的特性を測定した。 電気的特性としては、25℃において素子に1m
Aの電流を流したときの動作開始電圧V1mA、
25℃における電圧非直線係数α、V1mAの25℃
と85℃との間の変化率△V1/V1並びに素子に
40Aの電流を流したときの制限電圧V40AとV1m
Aの比を求めた。非直線係数αは、素子電流Iの
電圧Vに対する変化を次式に近似したときに得ら
れる。 I=(V/C)〓 こゝで、Cは電流密度が1mA/cm2のときの素
子の厚さ1mm当りの電圧である。 磁器の配合組成を種々変えたときの電気的特性
の測定結果を第1表に示す。第1表に示した配合
組成は、配合された原料中の各成分金属元素の原
子数の総和に対する添加元素の原子数の比から算
出される原子%で示されている。 第1表に示す試料No.1は、ZnOにDy、Coのみ
を添加して製造した従来の磁器に相当し、その
V1mAの温度変化率△V1/V1は−7.1%、制限電
圧と動作開始電圧の比V40A/V1nAは1.9である。
本発明の目的であるV1nAの温度の対する安定性
と制限電圧特性が良好である。即ち△V1/V1が
−7.1%より0に近く、V40A/V1nAが1.9以下の試
料は、表からNo.3〜8、11〜14、17〜20、23〜26
である。従つて、Dyは0.1〜5.0原子%、Coは0.5
〜5.0原子%、Csは0.05〜0.5原子%、Crは0.05〜
0.5原子%、の範囲内で添加する必要があること
がわかる。 以上、第1表から明らかなように、副成分とし
てのDy、Co系にCs、Crを添加することにより、
V1nAの温度特性と制限電圧特性が大巾に改良さ
れる。これはZnOにDy、Co、Cs、Crが共存して
初めて達成されるものである。これらの副成分を
単独で添加すると、電圧非直線性は極めて悪く、
ほゞオーミツクな特性しか得られない。またDy、
Coの外に、CsまたはCrだけを添加した場合には、
高抵抗化したりあるいは低抵抗化して電圧非直線
性が失われ、バリスタとして実用に供することが
できない。 上述したように、本発明の電圧非直線抵抗磁器
は、良好な電圧非直線性を保持した上で、V1nA
の温度特性と制限電圧特性が大巾に向上し、従つ
て、バリスタとして極めて有効に使用することが
できる。 【表】
過電圧保護用素子として用いられる酸化亜鉛
(ZnO)を主成とした電圧非直線抵抗磁器に関す
る。 従来、電子機器、電気機器の過電圧保護を目的
として、それぞれシリコンカーバイド(SiC)、
セレン(Se)、シリコン(Si)又はZnOを主成分
としたバリスタが利用されている。中でもZnOと
主成分としたバリスタは、一般に制限電圧が低
く、電圧非直線係数が大きいなどの特徴を有して
いるため、半導体素子のような過電流耐量の小さ
いもので構成される機器の過電圧に対する保護に
適しているので、SiCよりなるバリスタなどに代
つて広く利用されるようになつた。 また、ZnOを主成分とし、副成分としてジスプ
ロシウム(Dy)及びコバルト(Co)を元素又は
化合物の形で添加して焼成することにより製造さ
れる電圧非直線抵抗磁器が電圧非直線性に優れて
いることが知られている。しかし、このような電
圧非直線抵抗磁器においては、動作開始電圧が周
囲温度の上昇によつて著しく減少すると漏れ電流
が大きくなり、従つて熱暴走を起こす可能性が生
ずる。さらに制限電圧がやゝ高いという欠点があ
つた。従つて、実用上は、これらの優れた電圧非
直線性の他に、できるだけ動作開始電圧が周囲温
度に対して安定であることと、更に制限電圧が低
いことが望まれるのである。 従つて、本発明は、動作開始電圧の周囲温度に
対する安定性を向上させ、且つ制限電圧を更に減
少させ、しかも一層好適な特性を付与された電圧
非直線抵抗磁器を提供することを目的とする。 こゝに、本発明者は、ZnOを主成分とし、副成
分としてDyとCoを添加してなる従来技術の電圧
非直線抵抗磁器に、更に副成分としてセシウム
(Cs)とクロム(Cr)を添加することにより、優
れた電圧非直線性を保持した上で、動作開始電圧
の周囲温度に対する安定性が向上し、且つ制限電
圧が低減された電圧非直線抵抗磁器が得られるこ
とを見出し、本発明を完成した。 しかして、本発明によれば、ZnOを主成分と
し、副成分としてDy、Coを含む電圧非直線抵抗
磁器において、更に副成分としてCs及びCrを添
加したことを特徴とする電圧非直線抵抗磁器が提
供される。 本発明の更に好ましい具体例によれば、ZnOを
主成分とし、副成分としてDy及びCoの他にCs及
びCrを、Dyが0.1〜5.0原子%、Coが0.5〜5原子
%、Csが0.05〜0.5原子%、Crが0.05〜0.5原子%
であるような量で含む電圧非直線抵抗磁器が提供
される。 こゝで、原子%とは、所定の電圧非直線抵抗磁
器を製造するために配合された原料組成物中の各
成分金属元素の原子数の総和に対する添加金属元
素の原子数の百分率を意味する。 本発明に従う電圧非直線抵抗磁器は、一般には
ZnOと添加成分の金属又は化合物の混合物を酸素
含有雰囲気のもとで高温で焼成し、焼結させるこ
とによつて製造される。 通常、添加成分は金属酸化物の形で添加される
が、焼成過程で酸化物になり得る化合物、例えば
炭酸塩、水酸化物、弗化物なども用いることがで
き、或いは単体元素の形で用いて焼成過程で酸化
物にすることもできる。 特に好ましい方法によれば、本発明の電圧非直
線抵抗磁器は、ZnO粉末に添加成分金属又は化合
物の粉末を十分に混合し、焼成前に空気中で500
〜1000℃で数時間仮焼し、仮焼物を十分に粉砕
し、所定の形状に成形し、次いで空気中で1200〜
1400℃程度の温度で数時間焼成することにより製
造される。1200℃より低い焼成温度では、焼結が
不十分で特性が不安定である。また、1400℃より
高い温度では、均質な焼結体を得ることが困難と
なり、電圧非直線性が低下し、特性の制御などの
再現性に難点があり、実用に供する製品を得がた
い。 こゝで、本発明をさらに例示するために実施例
を示す。 実施例 ZnO粉末にDy2O3、Co3O4、Cs2CO3、Cr2O3粉
末を後記の第1表に記載の所定の原子%に相当す
る量で添加し、十分に混合した後、500〜1000℃
で数時間仮焼した。次いで仮焼物を十分に粉砕
し、金型を用いて直径17mmの円板状に成型して
1200〜1400℃で空気中で1時間焼成して焼結磁器
を得た。このようにして得られた磁器を厚さ2mm
の試料に研磨し、その両面に電極を焼付けて素子
を作り、その電気的特性を測定した。 電気的特性としては、25℃において素子に1m
Aの電流を流したときの動作開始電圧V1mA、
25℃における電圧非直線係数α、V1mAの25℃
と85℃との間の変化率△V1/V1並びに素子に
40Aの電流を流したときの制限電圧V40AとV1m
Aの比を求めた。非直線係数αは、素子電流Iの
電圧Vに対する変化を次式に近似したときに得ら
れる。 I=(V/C)〓 こゝで、Cは電流密度が1mA/cm2のときの素
子の厚さ1mm当りの電圧である。 磁器の配合組成を種々変えたときの電気的特性
の測定結果を第1表に示す。第1表に示した配合
組成は、配合された原料中の各成分金属元素の原
子数の総和に対する添加元素の原子数の比から算
出される原子%で示されている。 第1表に示す試料No.1は、ZnOにDy、Coのみ
を添加して製造した従来の磁器に相当し、その
V1mAの温度変化率△V1/V1は−7.1%、制限電
圧と動作開始電圧の比V40A/V1nAは1.9である。
本発明の目的であるV1nAの温度の対する安定性
と制限電圧特性が良好である。即ち△V1/V1が
−7.1%より0に近く、V40A/V1nAが1.9以下の試
料は、表からNo.3〜8、11〜14、17〜20、23〜26
である。従つて、Dyは0.1〜5.0原子%、Coは0.5
〜5.0原子%、Csは0.05〜0.5原子%、Crは0.05〜
0.5原子%、の範囲内で添加する必要があること
がわかる。 以上、第1表から明らかなように、副成分とし
てのDy、Co系にCs、Crを添加することにより、
V1nAの温度特性と制限電圧特性が大巾に改良さ
れる。これはZnOにDy、Co、Cs、Crが共存して
初めて達成されるものである。これらの副成分を
単独で添加すると、電圧非直線性は極めて悪く、
ほゞオーミツクな特性しか得られない。またDy、
Coの外に、CsまたはCrだけを添加した場合には、
高抵抗化したりあるいは低抵抗化して電圧非直線
性が失われ、バリスタとして実用に供することが
できない。 上述したように、本発明の電圧非直線抵抗磁器
は、良好な電圧非直線性を保持した上で、V1nA
の温度特性と制限電圧特性が大巾に向上し、従つ
て、バリスタとして極めて有効に使用することが
できる。 【表】
Claims (1)
- 1 酸化亜鉛を主成分とし、これに副成分として
ジスプロシウム、コバルト、セシウムおよびクロ
ムを元素または化合物の形で、それぞれ元素に換
算してジスプロシウムは0.1〜5.0原子%、コバル
トは0.5〜5.0原子%、セシウムは0.05〜0.5原子
%、クロムは0.05〜0.5原子%の範囲で添加し焼
成してなることを特徴とする電圧非直線抵抗磁
器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57154971A JPS5944807A (ja) | 1982-09-06 | 1982-09-06 | 電圧非直線抵抗磁器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57154971A JPS5944807A (ja) | 1982-09-06 | 1982-09-06 | 電圧非直線抵抗磁器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5944807A JPS5944807A (ja) | 1984-03-13 |
JPS644649B2 true JPS644649B2 (ja) | 1989-01-26 |
Family
ID=15595882
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57154971A Granted JPS5944807A (ja) | 1982-09-06 | 1982-09-06 | 電圧非直線抵抗磁器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5944807A (ja) |
-
1982
- 1982-09-06 JP JP57154971A patent/JPS5944807A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5944807A (ja) | 1984-03-13 |