JPS644568B2 - - Google Patents

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JPS644568B2
JPS644568B2 JP950084A JP950084A JPS644568B2 JP S644568 B2 JPS644568 B2 JP S644568B2 JP 950084 A JP950084 A JP 950084A JP 950084 A JP950084 A JP 950084A JP S644568 B2 JPS644568 B2 JP S644568B2
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JP
Japan
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point
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arcm
temperature range
steel
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Expired
Application number
JP950084A
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English (en)
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JPS60155621A (ja
Inventor
Susumu Kanbara
Kenji Aihara
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Priority to JP950084A priority Critical patent/JPS60155621A/ja
Priority to US06/632,234 priority patent/US4604145A/en
Priority to ES534456A priority patent/ES534456A0/es
Priority to CA000459371A priority patent/CA1222678A/en
Priority to FR848411634A priority patent/FR2558174B1/fr
Priority to GB08418577A priority patent/GB2154476B/en
Publication of JPS60155621A publication Critical patent/JPS60155621A/ja
Publication of JPS644568B2 publication Critical patent/JPS644568B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/06Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of rods or wires

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は棒鋼および線材の製造方法に関し、特
に熱間圧延中の加工熱を利用して圧延ままで良質
の炭化物の球状化組織を得ることができる、或い
は別ラインで球状化焼鈍を効果的に実施できる、
棒鋼および線材の製造方法に関する。 従来技術 各種鋼材の中には、組織中の炭化物を球状化さ
せて使用するものが多い。例えば、冷間鍛造用鋼
はその変形能を向上させ、変形抵抗を減少させる
ために、また軸受鋼はその耐磨耗性を向上させる
と同時に、冷間加工性、切削性を付与するため
に、鋼中のセメンタイトを球状化させるのが一般
的である。 従来、これら鋼中のセメンタイトの球状化を行
うために、通常の熱間圧延工程で製造された棒鋼
および線材コイルを、別ラインの熱処理炉内で球
状化焼鈍と呼ばれる熱処理を施していた。球状化
焼鈍には、A1点以上に加熱した後徐冷する方法
(徐冷法)、A1点直下で等温保持する方法(等温
保持法)、A1点を境に繰り返し加熱冷却する方法
(繰り返し法)がよく知られているが、いずれの
方法を用いても非常な長時間を必要としていた。
たとえば、冷間鍛造用合金鋼(SCr435、
SCM435など)や軸受鋼(SUJ2など)では20〜
25時間、比較的セメンタイトの球状化の容易な冷
間鍛造用炭素鋼でも15〜20時間も要していた。 このため、球状化焼鈍処理は、これらの棒鋼お
よび線材の製造工程のネツクになつており、省エ
ネルギーの見地からも大きな問題となつていた。
さらには、長時間の熱処理のため鋼表面の酸化、
脱炭の問題が生じる場合もあつた。したがつて、
球状化焼鈍工程の簡略化、省略化が従来から強く
望まれており、実現されれば大きな効果を生じる
ものと予想された。 その一方法として、鋼材に球状化焼鈍を施す前
に、予め冷間加工(たとえば冷間伸線、冷間抽伸
など)を行い、鋼中のセメンタイトに変形破壊を
生ぜしめると同時に、多数の転位を導入し、その
後の球状化焼鈍での残存セメンタイトの分断凝集
と、新たに生成するセメンタイトの発生核の多数
分散化をはかることによつて、球状化焼鈍時間の
短縮化を実現する方法は既に行われている。しか
し、この方法では球状化焼鈍時間の短縮は実現さ
れるものの、冷間加工工程が追加されるために、
全工程を通じての処理時間の短縮という意味では
いま一つ効果が薄かつた。 そこで、熱間圧延工程または2次加工工程にお
いて、オンライン中でセメンタイトを球状化させ
ることにより球状化焼鈍を省略する方法が特開昭
58−27926号に提案されている。しかしながら、
この従来方法では、加工温度範囲に指定がAe3
よびAe1の如く平衡状態に於ける変態温度で表示
されており、実用的でない。更に、後述するよう
に、本発明者らの見出した知見に基づくと、この
特開昭58−27926号に記載の方法では加工温度が
高く、実質的にはセメンタイトの球状化には効果
の薄い方法である。 発明の目的 本発明は本発明者等が行つた線材の加工熱処理
に関する詳細な実験の結果から得られたものであ
り、その目的は、熱間圧延工程または2次加工工
程において、加工条件とその後の直接熱処理条件
を制御することにより、別ラインでの球状化焼鈍
処理を省略するか、あるいは球状化処理時間を短
縮させることにある。 発明の構成 本発明に従うと、2%以下のCを含有する鋼を
Ac3またはAccm点以上に加熱した後変形を加え
る加工工程において、Ar3点またはArcm点を越
え且つAr3+100℃またはArcm+100℃以下の温
度域で10%以上の加工を付与してフエライトまた
は初析セメンタイトが析出する前のオーステナイ
ト粒径を25μm以下とし、引き続いてAr1点以上
であり且つAr3点またはArcm点以下の温度域で
20%以上の加工を施し、その後直ちにAe1−100
℃以上であり且つAe1点以下の温度域に5分以上
等温保持するか、または500℃までを100℃/分以
下の冷却速度で冷却して良好な球状化組織を得る
ことを特徴とする、棒鋼および線材の製造方法が
提供される。すなわち、これらの本発明の製造方
法は、熱間加工工程または2次加工工程のオンラ
イン中でセメンタイトの球状化を実現せしめよう
とするものである。 更に、本発明に従うと、2%以下のCを含有す
る鋼をAc3点またはArcm点以上に加熱した後変
形を加える加工工程において、Ar3点または
Arcm点を越え且つAr3+100℃又はArcm+100℃
以下の温度域で10%以上の加工を付与してフエラ
イトがまたは初析セメンタイトが析出する前のオ
ーステナイト粒径を25μm以下とし、引き続いて
Ar1点以上であり且つAr3点またはArcm点以下の
温度域で20%以上の加工を施し、その後室温まで
放冷し、次いで別ラインで通常の球状化焼鈍を施
して良好な球状化組織を得ることを特徴とする、
棒鋼および線材の製造方法が提供される。すなわ
ち、この製造方法は、鋼の球状化焼鈍性を向上さ
せ、別ラインでの球状化焼鈍処理時間を短縮化せ
しめようとするものである。 なお本発明に従うと、オーステナイト粒径を
25μm以下とする第1段階の加工を施した鋼を20
%以上の加工を行うAr1点〜Ar3点(又はArcm)
の温度域に冷却するに際し、鋼の焼入性を考慮し
て冷却速度を決定するのが好ましい。 すなわち、Cを0.15%以下含有する炭素鋼もし
くはCを0.15%含有する炭素鋼の焼入性と同等以
上の焼入性を有する合金鋼の場合は、第1段階の
加工終了後、250℃/sec以上の冷却速度でAr1
〜Ar3点の温度域に冷却し、その温度域で20%以
上の加工を加えるのが好ましい。 Cを0.15%を越え、0.4%以下含有する炭素鋼
もしくは0.15%Cの炭素鋼の焼入性を越え且つ
0.4%Cの炭素鋼の焼入性と同等以下の焼入性を
有する合金鋼の場合に於いては、第1段階の加工
終了後、10℃/sec以上の冷却速度でAr1点〜Ar3
点の温度域に冷却し、その温度域で20%以上の加
工を加えるのが好ましい。 更に、Cを0.4%を越えて含有する炭素鋼もし
くは0.4%Cの炭素鋼の焼入性を越える焼入性を
有する合金鋼の場合は、第1段階の加工終了後、
2℃/sec以上の冷却速度でAr1点〜Ar3点(又は
Arcm点)の温度域に冷却し、その温度域で20%
以上の加工を加えるのが好ましい。 以下に本発明の要件について詳細に説明する。 (1) C量を2%以下にした理由 C量が2%を越えると状態図におけるオース
テナイト相の領域が非常に狭くなると共に、初
析セメンタイトのオーステナイト粒界上への析
出量が多くなるため、熱間加工中に割れが生じ
易くなるのでC量を2%以下とした。 更に、本発明の方法を適用する鋼は所望の強
度、延性を与えるため、Si、Mnの他、Cr、
Mo等の合金元素を含むことができる。更に脱
酸剤としてSolAlを含むほか、P、S等の不純
物元素は製品の所望の特性および製造方法より
適正な範囲に限定されるが、これらは発明の特
徴ではないのでこれ以上詳述しない。 (2) Ac3点またはArcm点以上に加熱する理由 加熱温度については、後述する加工温度の制
約から、加熱温度をAc3点またはArcm点以上
に限定した。 (3) 第1段階の加工の限定理由について 本発明では第1段階の加工として、Ar3点ま
たはArcm点を越え且つAr3+100℃または
Arcm+100℃以下の温度域で10%以上の加工
を行ない、フエライトまたは初析セメンタイト
が析出する前のオーステナイト粒径を25μm以
下にする。まず、この第1段階の加工工程の条
件限定理由を説明する。 Ar3またはArcm点を越え且つAr3+100℃ま
たはArcm+100℃以下の温度域内での加工は
2つの効果がある。 その第1の効果は第1図に示すように、加工
によりA3またはAcm変態を誘起せしめ、CCT
曲線を短時間側にシフトさせることによつて後
述の等温保持あるいは徐冷過程でのA1変態す
なわち球状セメンタイトの析出を促進せしめる
効果である。第1図において、実線は加工前の
CCT曲線を、破線は上記温度域での加工後の
CCT曲線を示す。 第2の効果は、この温度域内での加工により
オーステナイトの再結晶化を図り、セメンタイ
トの球状化性を改善する効果である。 オーステナイト粒の大きさとセメンタイトの
球状化性については後述する。ただし、この場
合オーステナイト粒径は25μm以下にしなけれ
ばその効果は薄く、また少なくとも10%の加工
度が必要である。従つて、上記温度域内で10%
以上の加工を行つてオーステナイト粒径を25μ
m以下にすると限定した。 本明細書中で加工度とは断面減少率を意味
し、1パス圧延(または1パス伸線)の場合に
は圧延(または伸線)前後の断面を減少率を、
多パス圧延(または多パス伸線)の場合には圧
延(または伸線)前と最終パス通過後の断面の
累積減少率のことをいう。 第1段階の加工の温度範囲についてはAr3
またはArcm点以下になるとオーステナイト1
相に成らないので、またAr3+100℃または
Arcm+100℃より高くなると、実質的にはオ
ーステナイト粒径が25μm以下にならないの
で、上記温度範囲とした。 (4) 第2段階の加工の限定理由について 本発明では第2段階の加工として、Ar1点以
上であり且つAr3点またはArcm点以下の温度
域で20%以上の加工を行なう。この限定理由に
ついて説明する。 Ar1点以上であり且つAr3点またはArcm点以
下の温度域で加工を付与するのは次の理由によ
る。 この温度域での鋼の組織は準安定オーステナ
イトとフエライト(過共析鋼の場合は初析セメ
ンタイト)の二相混合組織になつており、これ
を加工すると、準安定オーステナイトの粒界お
よび粒内から、加工誘起変態した微細なフエラ
イト(過共析鋼の場合は初析セメンタイト)が
多数生成する。この結果、準安定オーステナイ
トは加工誘起変態したフエライト(過共析鋼の
場合は初析セメンタイト)によつて分断される
ために微細になるが、本発明者等の知見による
と、粗大オーステナイトから析出したセメンタ
イトより、微細オーステナイトから析出したセ
メンタイトの方が球状化しやすいことを見出し
ているから、本発明の温度域での加工は、セメ
ンタイトの球状化に有効であることは明らかで
ある。 Ar1点より低い温度域では、加工前に既に準
安定オーステナイトから層状セメンタイトが析
出し終わつているため、Ar1点未満の温度域で
の加工はセメンタイトの球状化には効果が小さ
く、さらに加工組織が残存して強度が上がるの
で、Ar1点以上で加工する必要がある。 また、Ar3点またはArcm点より高い温度域
ではフエライトあるいは初析セメンタイトの加
工誘起変態が不完全なため、セメンタイトの球
状化が困難になるのでAr3点またはArcm点以
下で加工する必要がある。 なお、過共析鋼の場合、加工する前に析出し
ている初析セメンタイトは加工中に変形破壊
し、その後の等温保持または徐冷過程で分断凝
集して球状セメンタイトになる。また、加工中
に準安定オーステナイト粒内に導入された多数
の転位は、その後の等温保持または徐冷過程で
析出する球状セメンタイトの発生核となり得
る。しかし、Ar1点より低い温度域では、上述
したように加工前に既に層状セメンタイトが析
出しているため効果がなく、Ar3点または
Arcm点より高い温度域では、加工された準安
定オーステナイトは直ちに回復し、導入された
転位が消失するため、球状化セメンタイトの発
生核になり得ない。 以上述べたように、2つの理由から、Ar1
以上であり且つAr3点またはArcm点以下の温
度域で加工を付与することを限定した。 しかしながら、上記の温度範囲で加工した場
合でも、加工前の冷却速度が異なると製品の特
性が大きく異なることが判明した。すなわち、
第1段階の加工後であつて、Ar1〜Ar3(Arcm)
間の加工の前の冷却速度がある値以下になると
製品の変形能が急激に低下する。この臨界の冷
却速度は鋼種によつて異なつており、焼入性の
高い鋼ほど低い冷却速度で冷却を行うことがで
きる。従つて、本発明の方法において加工を行
う温度範囲を鋼成分と加工前の冷却速度を考慮
しながら決定する必要があるので、鋼の焼入性
に従つて冷却速度の決定をするのが好ましい。
このような冷却速度の限定をする冶金的理由を
次のように考える。 すなわち、セメンタイトの球状化に有効な加
工温度範囲はAr1点以上でありかつAr3点また
はArcm点以下の温度域である。しかし、この
温度範囲内に於いても、温度が高いと微細フエ
ライトの加工誘起変態析出が不充分であり、か
つ球状セメンタイトの発生核となる加工導入転
位は回復しやすいため、セメンタイトの球状析
出は困難である。 この加工誘起フエライトの変態析出並びに加
工によつて導入された転位の回復までの時間は
鋼の焼入性によつて著しく相違し、焼入性の低
い鋼ほどAr3点までの冷却を急速に行う必要が
ある。こうした冷却速度の調整により、セメン
タイトの分散が均一になり、製品の変形能がと
くに向上する。 本発明に於いて上記20%の加工を行う温度域
への鋼材の冷却方法としては水冷、ミスト冷
却、空冷、ライン上での放冷、放冷ゾーンでの
冷却がある。 ここで重要なことは、本発明の方法において
加工を行う温度範囲を鋼の冷却過程での変態温
度、すなわち、Ar1、Ar3、Arcmで規定したこ
とに意味があり、特開昭58−27926号のように
加工温度範囲を平衡変態温度Ae1、Ae3
Aecmで規定したのでは実用上ほとんど意味を
なさないことである。 また、特開昭58−27926号に開示の方法では、
加工温度範囲をAe3−20℃からAe1−30℃と規
定している。しかしながら、本発明の方法を適
用する線材及び棒鋼の代表的な鋼種S20C、
S45C、SCr435、SCM435、SUJ2では上記の温
度範囲はいずれもAr3点以上に限定され、上述
の如く、この従来技術の温度範囲での加工だけ
ではセメンタイトの球状化に対して有効でな
い。 次に加工度を20%以上に限定した理由につい
て述べる。上述の温度域内での加工度は大きい
ほど、セメンタイトの球状化効果は大きくな
る。すなわち、準安定オーステナイトの微細化
と準安定オーステナイト粒内への転位の導入が
促進され、その後の等温保持または徐冷過程に
おいて球状セメンタイトの析出が容易になる
が、20%より小さい加工度では、これら効果が
十分発揮されず、層状セメンタイトが析出しや
すくなるので、20%以上の加工度に限定した。 (5) 加工後の処理について 上述の加工後、球状セメンタイトを析出させ
る方法としては、等温保持と徐冷の2通りあ
る。等温保持の場合、Ae1点を越えた温度で保
持しても、A1変態、すなわち、セメンタイト
の析出が開始しないので、保持温度はAe1点以
下にしなければならない。しかし保持温度は低
くなるほど、析出するセメンタイトは球状にな
りにくく、特にAe1−100℃より低い温度にな
ると層状セメンタイトが析出し始めるので、等
温保持温度はAe1点以下であり且つAe1−100℃
以上の範囲とした。 またこの温度域内の等温保持では少なくとも
5分保持しなければ完全に球状セメンタイトの
析出が終了しないので、5分以上等温保持する
こととした。 さらに徐冷により球状セメンタイトを析出さ
せるには、速くとも100℃/分の冷却速度で冷
却する必要があり、それより速い冷却速度で冷
却すると層状セメンタイトが析出し始めるの
で、冷却速度は100℃/分以下に限定した。徐
冷範囲は圧延終了温度から球状セメンタイトが
完全に析出し終わる温度500℃までとした。た
だし徐冷時間を短くしたい場合は球状セメンタ
イトの析出がほぼ完了する600℃までが望まし
い。 加工後、放冷した場合にも不完全ながらセメ
ンタイトは一部球状化しており、これを別ライ
ンで通常の球状化焼鈍を施した場合、球状化焼
鈍処理時間は大幅に短縮されるので、室温まで
放冷し、次いで別ラインで通常の球状化焼鈍を
施すことを規定した。 本発明の方法の実施に用いる装置 次に本発明の方法を実施するのに用いる装置を
添付の図面を参照して説明する。 第2図に示す設備に於いて、参照番号1は鋼片
の加熱炉を示し、加熱炉1には粗圧延機2が連結
している。粗圧延機2の下流側には粗圧延された
鋼材を水冷または風冷する装置3と、これに並置
された放冷ゾーン4が続いている。 所定温度範囲に冷却された鋼材は中間圧延機5
に送られる。中間圧延機5の下流側には再び鋼材
を冷却する水冷又は風冷する装置3′と、これに
並置された放冷ゾーン4′が続いている。再び所
定温度範囲に冷却された鋼材は仕上延延機6に送
られる。仕上延延機6の後方には2基の巻取装置
1及び72が並置されている。 本発明の方法のうち特許請求の範囲第1項また
は第2項に記載の方法を実施するときは、巻取装
置71を使用する。巻取装置71は連続炉8内に鋼
材をコイル状に成形し、コイル状の鋼材はコンベ
ヤ9上を移動する。連続炉8は保温炉であつても
或いは徐冷炉であつてもよい。 本発明のうち特許請求の範囲第3項に記載の方
法を実施するとき、すなわち、球状化処理を別ラ
インで行うときは、巻取装置72でコイル状とし
て、別ラインに搬送する。 第3図は線材の2次加工ラインで本発明の方法
を実施するときに用いる装置の概略図である。こ
の装置では、ペイオフリール10から巻き戻され
た線材は高周波加熱装置11により所定温度範囲
に加熱され、下流側に設けられた伸線ダイス12
により伸線される。線材は水冷または風冷装置1
3により所定の温度範囲に冷却され、再度伸線ダ
イス12′により伸線される。参照番号14は線
材をダイス12′から引抜くピンチローラを示す。
ついで、線材はコイラ151、又はこれと並置さ
れた152のいずれかに巻取られる。 すなわち、特許請求の範囲第1項または第2項
に記載の方法を実施するときは、コイラ151
用いる。コイラ151は保熱炉または徐冷炉16
内に設けられている。従つて、加工後の線材は、
等温保持或いは徐冷される。 更に、本発明のうち特許請求の範囲第3項に記
載の方法を実施するとき、すなわち、加工後の線
材を別ラインに搬送して球状化処理するときは、
コイラ152で巻取る。 以下、本発明を実施例により説明するが、これ
らの実施例は本発明を何等制限しないことは勿論
である。 実施例 第1表に示す各鋼について断面が60φmmの素材
を準備し、これらを第2図に示す圧延ラインで
900℃に加熱し、粗圧延機2で35φmmまで圧延し
た後、圧延を中断して自然放冷し、所望の温度に
なつてから中間圧延機5で30φmmまで圧延を行つ
た。その後水冷で所定の温度まで冷却の後、仕上
圧延を行つた。仕上圧延終了後、直ちに連続保熱
炉または連続徐冷炉内にて巻取り、巻取つたコイ
ルを炉内で移動しながら等温保持または徐冷を施
すか、あるいは炉外で巻取り放冷した後、通常の
球状化焼鈍を施した。 仕上つた線材から、JIS14A号引張試験片と直
径10φmm×長さ15mmの冷間圧縮試験片を作成し、
引張試験と両端拘束冷間圧縮試験を行い、引張強
さ、絞り、限界圧縮率を求めた。また、それらの
ミクロ組織からセメンタイトの球状化率を求め
た。球状化率は電子顕微鏡撮影したミクロ組織中
の100個以上のセメンタイトについて、長径と短
径を測定し、長径/短径が3.0以上のセメンタイ
ト数の測定した全セメンタイト数に対する割合で
示した。 圧延に先立ち、、Formaster熱膨脹試験を用い
てそれぞれのAe1点、Ae3またはAecm点を測定
し、更に、S12Cについては35φmm素材の水冷に相
当する冷却速度でのAr1、Ar3を、S20Cについて
は35φmm素材の風冷に相当する冷却速度でのAr1
Ar3を、それ以外の鋼種については35φmm素材の
自然放冷に相当する冷却速度でのAr1、Ar3また
はArcm(900℃加熱)を求め、それらの値を第1
表に併記する。
【表】 実施例 1 第1表に示すS45CおよびSCM435について、
中間圧延により35φmmから30φmm(加工度=27%)
まで圧延し、その後水冷により、S45Cについて
は670℃まで、SCM435については650℃まで冷却
した後、引き続いて仕上圧延で20φmmの線材に
し、直ちに700℃の連続保熱炉内で巻き取り、そ
のまま20分間等温保持した。中間圧延開始温度は
第2表に示すようにS45Cについては850℃〜710
℃間で、SCM435については、850℃〜690℃間で
変更して行つた。 試験材の引張強さ、絞り、限界圧縮率、球状化
率を測定した。また同一条件で中間圧延を行つた
直後に水焼入れを施し、旧オーステナイト粒径の
測定も実施した。これらの測定値を第2表に記載
する。 本発明の温度範囲(Ar3〜Ar3+100℃または
Arcm〜Arcm+100℃)外で圧延するとオーステ
ナイト粒径が25μmより大きくなり、性能が劣化
することがわかる。
【表】 実施例 2 第1表に示す各鋼について、それぞれ770℃で
の中間圧延により35φmmから30φmmにし、水冷に
より第3表に示した仕上圧延開始温度まで冷却し
た後、引き続いて20φmm(加工度=56%)まで仕
上圧延し、直ちに連続保熱炉内で捲き取り、その
まま20分間等温保持した。 各試験材の引張強さ、絞り、限界圧縮率、球状
化率を第3表に併記する。本発明の温度範囲
(Ar1〜Ar3またはAr1〜Arcm)内で圧延した線
材は引張強さが低く、絞り、限界圧縮率、球状化
率に優れていることがわかる。
【表】
【表】 実施例 3 S45Cについて、実施例2と同様の条件で中間
圧延まで行い、引き続いて670℃で加工度0%〜
75%の間で変更して仕上圧延を実施し、直ちに
700℃の連続保熱炉内で捲き取りそのまま20分間
等温保持した。加工度0%とは仕上圧延は施さな
いで、そのまま700℃の連続保熱炉内で捲き取つ
たことを意味する。 各試験材の引張強さ、絞り、限界圧縮率、球状
化率を第4図に示す。本発明の加工度の範囲(20
%以上)では、引張強さが低く、絞り、限界圧縮
率、球状化率が優れていることがわかる。特に、
限界圧縮率、球状化率については、本発明範囲外
になると急激に劣化している。 実施例 4 S45CおよびSCM435について、それぞれ実施
例2における試料No.8(仕上圧延開始温度=670
℃)および試料No.18(仕上圧延開始温度=650℃)
と同一条件で圧延した後、直ちに連続保熱炉内で
等温保持したが、保持時間を0分から20分まで変
化させた。さらにS45Cについては等温保持時間
を20分の一定時間とし、保持温度を550℃から750
℃まで変化させた。 これら試験材の引張強さと球状化率を第5図、
第6図に示す。これらの図から、本発明の等温保
持温度範囲内および等温保持時間範囲内に於いて
のみ優れた性能を有することがわかる。 実施例 5 S45CおよびSCM435について、それぞれ試料
No.8(仕上圧延開始温度=670℃)および試料No.18
(仕上圧延開始温度=650℃)と同一条件で圧延し
た後、直ちに連続徐冷炉内で捲き取り、その後炉
内を移動させながら、500℃までの冷却速度を20
℃/分から200℃/分まで変化させて徐冷した。 各試験材の引張強さと球状化率を第7図に示
す。本発明の冷却速度の範囲内において、低い引
張強さと優れた球状化率が得られることがわか
る。 実施例 6 S45CおよびSCM435について、それぞれ試料
No.8(仕上圧延開始温度=670℃)および試料No.18
(仕上圧延開始温度=650℃)と同一条件で圧延し
た後、炉外で捲き取り自然放冷した線材と、比較
材として通常圧延−自然放冷したS45Cおよび
SCM435の線材について、第8図に示すヒートパ
ターン(徐冷速度を0.5℃/分〜2℃/分で変化)
で球状化焼鈍を施した。 各試験材の引張強さ、絞り、限界圧縮率、球状
化率を第4表に示す。第4表からわかるように、
本発明材の球状化焼鈍後の性能も優れていること
は明らかである。
【表】 以上の実施例で説明した通り、本発明の範囲内
で製造した線材(または棒鋼)は、セメンタイト
の球状化が十分にはかられ、機械的性質にもすぐ
れている。 発明の効果 以上、実施例により詳細に説明した通り、本発
明の方法により製造した線材又は棒鋼はセメンタ
イトの球状化が十分に達成され、機械的性質にも
優れている。 更に、本発明の方法は熱間圧延の加工熱を利用
して圧延のままで球状化セメンタイト組織を有す
る線材または棒鋼を効率よく製造しうるものであ
り、或いは別工程で容易に球状化を行いうるもの
である。従つて、従来技術に対して大巾の省力、
省エネルギーを達成できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1段階の加工により鋼材の
CCT曲線が短時間側に移行するのを図示するグ
ラフである。第2図は本発明の方法を実施するた
めに用いる装置の概略図であり、第3図は更に線
材の2次加工ラインで本発明の方法を実施するの
に用いる設備の概略図である。第4図乃至第7図
は本発明の実施例の結果を示すグラフである。第
8図は、本発明の1実施例に従う方法及び比較例
の方法により圧延した線材を球状化焼鈍した際の
ヒートパターンを示す。 (参照番号)、1:加熱炉、2:粗圧延機、3,
3′:水冷または風冷装置、4,4′:放冷ゾー
ン、5:中間圧延機、6:仕上圧延機、71,7
:巻取装置、8:連続保熱炉または連続徐冷炉、
9:コンベヤ、10:ペイオフリール、11:高
周波加熱装置、12,12′:伸線ダイス、1
3:水冷または風冷装置、14:ピンチローラ、
151,152:コイラ、16:保熱炉または徐冷
炉。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 2%以下のCを含有する鋼をAc3点または
    Accm点以上に加熱した後変形を加える加工工程
    において、Ar3点またはArcm点を越え且つAr3
    100℃またはArcm+100℃以下の温度域で10%以
    上の加工を付与してフエライトまたは初析セメン
    タイトが析出する前のオーステナイト粒径を25μ
    m以下とし、引き続いてAr1点以上であり且つ
    Ar3点またはArcm点以下の温度域で20%以上の
    加工を施し、その後直ちにAe1−100℃以上であ
    り且つAe1点以下の温度域に5分以上等温保持し
    て良好な球状化組織を得ることを特徴とする、棒
    鋼および線材の製造方法。 2 2%以下のCを含有する鋼をAc3点または
    Accm点以上に加熱した後変形を加える加工工程
    において、Ar3点またはArcm点を越え且つAr3
    100℃またはArcm+100℃以下の温度域で10%以
    上の加工を付与してフエライトまたは初析セメン
    タイトが析出する前のオーステナイト粒径を25μ
    m以下とし、引き続いてAr1点以上であり且つ
    Ar3点またはArcm点以下の温度域で20%以上の
    加工を施し、その後500℃までを100℃/分以下の
    冷却速度で冷却して良好な球状化組織が得ること
    を特徴とする、棒鋼および線材の製造方法。 3 2%以下のCを含有する鋼をAc3点または
    Accm点以上に加熱した後変形を加える加工工程
    において、Ar3点またはArcm点を越え且つAr3
    100℃またはArcm+100℃以下の温度域で10%以
    上の加工を付与してフエライトまたは初析セメン
    タイトが析出する前のオーステナイト粒径を25μ
    m以下とし、引き続いてAr1点以上であり且つ
    Ar3点またはArcm点以下の温度域で20%以上の
    加工を施し、その後室温まで放冷し、次いで別ラ
    インで通常の球状化焼鈍を施して良好な球状化組
    織を得ることを特徴とする、棒鋼および線材の製
    造方法。
JP950084A 1984-01-13 1984-01-24 球状化組織を有する棒鋼と線材の製造法 Granted JPS60155621A (ja)

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ES534456A ES534456A0 (es) 1984-01-13 1984-07-19 Procedimiento para producir barra o alambre de acero
CA000459371A CA1222678A (en) 1984-01-13 1984-07-20 Process for production of steel bar or steel wire having an improved spheroidal structure of cementite
FR848411634A FR2558174B1 (fr) 1984-01-13 1984-07-20 Procede pour la production de barres ou fils d'acier ayant une structure spheroidale de cementite amelioree
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